以下、添付図面を参照して、実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。すなわち、透視窓3は、各リールに配列された図柄のうち連続する3つの図柄を、上段、中段、および下段各々の位置において視認可能に構成されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)」、「黒BAR(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)」、「星(たとえば、左リール2Lの領域番号14の図柄)」、「ブドウ(たとえば、左リール2Lの領域番号13の図柄)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号10の図柄)」、「白BAR(たとえば、左リール2Lの領域番号6の図柄)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号5の図柄)」、「星7(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、規定数の賭数として、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス(以下、ボーナスともいう)であることに応じて「2」が定められて、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス以外の遊技状態(以下、一般遊技あるいは一般遊技状態ともいう)であることに応じて「3」が定められている。
また、前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。
遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)の対応するラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために予め設定されているラインである。本実施の形態では、図1に示すように、入賞ラインL1〜L4の4種類が入賞ラインとして定められている。入賞ラインL1は、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL2は、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL3は、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL4は、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。なお、入賞ラインは、L1〜L4に示すラインに限らず、たとえば各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨るラインなどを含むものであってもよい。
ビッグボーナスおよびレギュラーボーナス以外の一般遊技状態であるときに規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。ビッグボーナスおよびレギュラーボーナスであるときに規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL2〜L4が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、12枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化された入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。
スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、日時を計時するためのリアルタイムクロック50(以下、RTC50という)、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行なわれる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。メイン制御部41からのコマンドを取得したときに、当該コマンドをバッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
スロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行なうようになっている。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行なうようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態に制御される場合には残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。なお、設定変更モードに移行させた場合(すなわち設定変更操作が行なわれた場合)、遊技状態フラグは、原則として、後述する通常遊技状態に関する情報に更新される。これにより、たとえば、RT中やボーナス中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後において通常遊技状態に制御される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選している内部中RT中に設定変更モードに移行させた場合には、通常遊技状態に制御される。このように、設定変更に関連して、遊技状態フラグを通常遊技状態に対応する値に書き換えられる(初期化)。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる種類の初期化を行なう。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図6に示すように、メイン制御部41により、通常遊技状態、再遊技役の当選確率が通常遊技状態よりも向上されるRT1〜RT3および内部中RT、および所定枚数払出されるまで小役の当選確率が向上されるビッグボーナスやレギュラーボーナスのうち、いずれかに制御される。また、本実施の形態におけるスロットマシンは、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
図5を参照して、入賞役のうち特別役には、3種類のビッグボーナス1〜3(以下、各々のビッグボーナスをBBとも称する)と、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBとも称する)とが含まれる。
BB1は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインのいずれかに「星7−星7−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、ビッグボーナスに制御される。遊技状態がビッグボーナスに制御されている間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、ビッグボーナスに制御されている間は、小役の所定確率に向上したBB時用のRBに制御される。BB時用のRBに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、毎ゲーム、レギュラーボーナス中フラグがON状態に設定された状態に制御される。
BB1またはBB2の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、361枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB3の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、241枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RBは、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−星7」あるいは「星7−星7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。RBの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの入賞役に4回入賞することを条件として終了する。
図6に示すように、BB1〜BB3およびRBのいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。また、図6に示すように、BB1〜BB3やRBが終了した後は、RT1に遊技状態が制御される。
内部抽選においてBB1〜BB3およびRBのうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB3およびRBを構成する図柄(「黒7」、「白7」、「星7」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。なお、内部抽選においてBB1〜BB3およびRBのうちいずれかに当選しているときには、当選しているボーナスに入賞するまで、当該ボーナスの当選フラグが持ち越される。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、1枚役、ブドウ、メロン1〜メロン4、イチゴが含まれる。なお、小役も、BB1〜3などと同様に、入賞ラインのいずれかに、図5に示す図柄の組み合わせが揃ったときに、当該図柄の組み合わせに対応する小役の入賞が発生したことになる。
小役のうち1枚役が入賞すると1枚メダルが払い出される。1枚役は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。1枚役を構成する図柄(「星」、「黒BAR」、「黒7」)は、左リール2L〜右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちブドウは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。ブドウを構成する図柄(「ブドウ」)は、左リール2L〜右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちメロン1は、中リール2Cの「メロン」の図柄が有効な入賞ラインに停止表示されることにより、左リール2Lおよび右リール2Rの図柄との組合せに関わらず、入賞が発生し得る入賞役といえる。
メロン1は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞する。メロン1を構成する図柄(たとえば、「メロン」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているためである。
次に、メロン2〜4について説明する。メロン2は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−白7−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン3は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン4は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−黒BAR−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、メロン2〜4各々を構成する図柄は、少なくとも、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてメロン2〜4のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているメロン2〜4のうち当選しているメロンに入賞することはない。
しかしながら、メロン2〜4は、後述するように、ビッグボーナス中を除いて、常にメロン1と同時に抽選対象役として読み出されて当選する。このため、メロン2〜4に当選しているときには、ビッグボーナス中を除いて、メロン1を入賞させることができる。
メロン1の図柄組合せが入賞ラインL2上に停止した出目を転落出目ともいう。すなわち、転落出目とは、中リール2Cの「メロン」が上段に停止、あるいは「メロン−黒BAR−メロン」が入賞ラインL2上に停止することにより、メロン1入賞を発生させる出目をいう。
図6に示すように、RT1〜RT3のいずれかにおいて転落出目となった後は、通常遊技状態に制御される。内部中RTにおいて転落出目となっても、通常遊技状態に制御されない。また、通常遊技状態において転落出目となっても、当該通常遊技状態への制御が維持される。
また、中リール2Cの「メロン」が中段に停止することにより入賞ラインL1にメロン1の図柄組合せが停止してメロン1に入賞しかつ12枚払出となる出目を、チャンス出目ともいう。
小役のうちイチゴは、当選していてもストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。イチゴを構成する左リール2Lの図柄(「イチゴ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
遊技者は、一般遊技状態中であってATに制御されていないときには、当該イチゴ入賞させるための操作手順で停止操作することにより、イチゴの取りこぼしを防止できる。
次に、ブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞したときに払出されるメダルの枚数について説明する。ブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞すると、当該入賞したゲームが開始されたときの遊技状態および入賞ライン数に応じた枚数分のメダルが払い出される。
一般遊技状態においてブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞したときには、4枚メダルが払い出される。一方、一般遊技状態と異なるボーナスにおいてブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞したときには、8枚メダルが払い出される。
なお、入賞ラインL1、L3、L4は、中リール2Cの中段において交差している。また、メロン1の「any−メロン−any」は、中リール2Cの停止図柄のみより入賞が発生し得る。このため、メロン1は、複数の入賞ラインにおいて発生し得る入賞役といえる。このため、メロン1の「any−メロン−any」が停止されることによりメロン1に入賞したときには、入賞ライン数に応じた枚数のメダルが払い出される。たとえば、中リール2Cの「メロン」が中段に停止されたときには、一般遊技状態において入賞ラインL1、L3、L4において入賞することになるため4×3=12枚メダルが払い出され、ボーナスにおいて入賞ラインL3、L4において入賞することになるため8×2=16となり払出上限の12枚メダルが払い出される。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ1〜リプレイ11が含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。なお、再遊技役も、その他の入賞役と同様に、入賞ラインのいずれかに、図5に示す図柄の組み合わせが揃ったときに、当該図柄の組み合わせに対応する再遊技役の入賞が発生したことになる。
リプレイ1(通常リプレイ)を構成する図柄(「バナナ」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。リプレイ1は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプともいう。
リプレイ2を構成する図柄(「バナナ」、「メロン」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、通常遊技状態においてリプレイ2に入賞した後は、通常遊技状態よりもリプレイ当選確率が向上したRT2に制御される。このため、リプレイ2は、以下では昇格リプともいう。後述するように、リプレイ2は、RT1における内部抽選においては当選しないように設定されており、通常遊技状態における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、RT1においてはリプレイ2に入賞しない。その結果、RT1から直接RT2に制御されないように構成されており、通常遊技状態に制御された後、リプレイ2に入賞することにより、RT2に制御されるように構成されている。
なお、通常遊技状態以外の遊技状態(たとえば、RT1)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)でリプレイ2について抽選して当選し得るようにし、通常遊技状態以外の遊技状態からもRT2に制御されるように構成してもよい。
リプレイ3を構成する左図柄および中図柄(「バナナ」)は、左リール2Lおよび中リール2C各々において5コマ以内に配置されており、リプレイ3を構成する右図柄(「白7」および「イチゴ」)は、右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、RT2においてリプレイ3に入賞した後は、RT2よりもリプレイ当選確率がさらに向上したRT3に制御される。このため、リプレイ3は、以下では突入リプともいう。後述するように、リプレイ3は、通常遊技状態、およびRT1における内部抽選においては当選しないように設定されており、RT2における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、通常遊技状態、およびRT1においてはリプレイ3に入賞しない。その結果、通常遊技状態、およびRT1から直接RT3に制御されないように構成されており、RT2に制御された後、リプレイ3に入賞することにより、RT3に制御されるように構成されている。
なお、RT2以外の遊技状態(たとえば、通常遊技状態、およびRT1)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)でリプレイ3について抽選して当選し得るようにし、RT2以外の遊技状態からも有利RTに制御されるように構成してもよい。
RT3へ一旦制御されると、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選するか転落出目停止あるいは転落リプ入賞発生となるまでの間、当該RT3への制御が維持される。RT3へは、通常遊技状態において昇格リプを入賞させ、さらにRT2において突入リプを入賞させなければ制御されない。このことから、RT3に制御されたときには、後述するAT中に制御されておりナビ演出が実行されていた可能性が高い。AT中でありナビ演出が実行されている場合には、このナビ演出から特定される操作手順で操作することにより、RT2やRT3に制御されている場合に当該RT2やRT3から通常遊技状態へ制御されてしまう転落出目の停止や転落リプ入賞が発生してしまうことを回避することができる。しかし、AT中であっても、操作ミスなどにより遊技者が誤った手順で操作してしまった場合には、転落出目の停止や転落リプ入賞が発生する虞があり、この場合にRT3やRT2から通常遊技状態へ制御されてしまう。本実施の形態におけるスロットマシンでは、AT中でありながら転落出目の停止や転落リプ入賞が発生することにより通常遊技状態に転落した後(通常遊技状態からRT2に制御された後を含む)においても、後述するようにATゲーム数は減算される。しかし、AT中でありながら転落出目の停止や転落リプ入賞が発生することにより通常遊技状態に転落した後(通常遊技状態からRT2に制御された後を含む)においても、通常遊技状態に転落するまでのAT+RT3であるART中と同様の条件成立によりAT抽選が行なわれて、ATゲーム数が上乗せされることに対する期待感を抱かせることができる。
リプレイ4を構成する図柄(「メロン」「イチゴ」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ4については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図6に示すように、RT2においてリプレイ4に入賞したときには、通常遊技状態に制御される。このため、リプレイ4は、以下では転落リプともいう。
リプレイ5は、黒BARの3つ揃いであるため、リプレイ5をBARリプともいう。また、リプレイ6〜11は、各々、黒BARが2つ揃い、すなわち黒BARがテンパイ状態となるため、テンパイリプa〜テンパイリプfともいう。
リプレイ5〜11各々を構成する図柄は、少なくとも1以上のリールにおいて、5コマ以内に配置されていない図柄を含む。このため、内部抽選においてリプレイ5〜11のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L〜8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞しない。
しかし、リプレイ5〜11は、各々、他のリプレイと同時に当選するため、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず、当選しているいずれかのリプレイを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、リプレイ5〜11は、原則として、当選しても入賞させることができない場合も生じるが、いずれかのリプレイを入賞させることができる役といえる。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図7および図8を参照して、内部抽選において抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せおよび判定値数について説明する。図7および図8においては、各々、左2列により、“抽選対象役の名称”およびその名称に対応する“抽選対象役の組合せ”が示され、左3列目から、“遊技状態”が示されている。抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の数値は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときに内部抽選において読み出されること、および当該抽選対象役の内部抽選で用いる判定値数を示す。図7および図8では、判定値数として、たとえば設定値1であるときの判定値数を示すが、設定値2〜6であるときの判定値数も特定可能にROM41bに格納されている。また、抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の×印は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときの内部抽選において読み出されないあるいは読み出されたとしても当選しないことを示している。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「413」が設定されている抽選対象役(図7の通常遊技状態などにおける弱イチゴ1)の当選確率は、413/65536となる。
また、スロットマシン1においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下では、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7は、一般遊技状態における特別役・小役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。遊技状態が、通常遊技状態およびRT1〜RT3のうちいずれかであるときには、弱イチゴ1、弱イチゴ2、弱イチゴ3、弱イチゴ4、強イチゴ1、強イチゴ2、強イチゴ3、強イチゴ4、押し順メロン1、押し順メロン2、押し順メロン3、押し順メロン4、押し順メロン5、12枚メロン1、12枚メロン2、12枚メロン3、12枚メロン4、弱ブドウ1、弱ブドウ2、弱ブドウ3、弱ブドウ4、強ブドウ1、強ブドウ2、強ブドウ3、強ブドウ4、1枚役1、1枚役2、1枚役3、1枚役4、RB、BB3、BB2、BB1が内部抽選の対象役となり内部抽選の対象役として順に読出される。
弱イチゴ1とは、イチゴを読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ2とは、イチゴ+RBを読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ3とは、イチゴ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ4とは、イチゴ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ1とは、イチゴ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ2とは、イチゴ+1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ3とは、イチゴ+1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ4とは、イチゴ+1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。その他の抽選対象役についても同様に、図7に示されるように、各々対応する一あるいは複数の入賞役が読み出される。
遊技状態が内部中RTであるときには、弱イチゴ1、強イチゴ1、押し順メロン1、押し順メロン2、押し順メロン3、押し順メロン4、押し順メロン5、12枚メロン1、弱ブドウ1、強ブドウ1、1枚役1が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
図8は、一般遊技状態における再遊技役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。遊技状態が、通常遊技状態であるときには、通常リプレイ、押し順昇格リプレイ1、押し順昇格リプレイ2、押し順昇格リプレイ3、押し順昇格リプレイ4、押し順昇格リプレイ5、押し順昇格リプレイ6、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
通常リプレイとは、通常リプを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ1とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ2とは、通常リプ+昇格リプ+突入リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ3とは、通常リプ+昇格リプ+転落リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ4とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプa+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ5とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプb+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ6とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプc+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。その他の抽選対象役についても同様に、図8に示されるように、各々対応する一あるいは複数の入賞役が読み出される。
遊技状態が、RT1、RT3、および内部中RTのいずれかであるときには、通常リプレイ、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
遊技状態がRT2であるときには、通常リプレイ、押し順維持リプレイ1、押し順維持リプレイ2、押し順維持リプレイ3、押し順維持リプレイ4、押し順維持リプレイ5、押し順突入リプレイ1、押し順突入リプレイ2、押し順突入リプレイ3、押し順突入リプレイ4、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
また、図示を省略するが、BB中におけるRBであるときには、イチゴ、BB強イチゴ、12枚メロン1、BBメロン、8枚メロンが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。ここで、イチゴとは、イチゴを読み出す抽選対象役をいう。BB強イチゴとは、イチゴ+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン1とは、メロン1+ブドウ+イチゴを読み出す抽選対象役をいう。BBメロンとは、メロン3+メロン4+ブドウ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。8枚メロンとは、メロン1を読み出す抽選対象役をいう。また、遊技状態が非BB中におけるRBであるときには、イチゴ、左メロン、中右メロン、12枚メロン1、強ブドウ1が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。左メロンとは、メロン1+メロン3+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。中右メロンとは、メロン1+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなるように設定されている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、RB、BB2、およびBB3は、小役や再遊技役と同時に当選し得る。たとえば、イチゴに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴ1〜4および強イチゴ1〜4各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱イチゴ1〜4当選時と強イチゴ1〜4当選時とで異なるリール制御が行なわれるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、ブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱ブドウ1〜4および強ブドウ1〜4各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱ブドウ1〜4当選時と強ブドウ1〜4当選時とで異なるリール制御が行なわれるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、イチゴあるいはブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、ブドウに当選しているときよりも、イチゴに当選しているときの方が高くなるように、判定値数が設定されている。
一般遊技状態においては、図7に示すように、押し順メロン1〜押し順メロン5各々が「2305」に設定されており、押し順メロン1〜押し順メロン5のいずれかが2305×5/65536=11525/65536の確率で当選するように、他の抽選対象役と比較して高い確率で当選するように判定値数が設定されている。
次に、図8の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態毎に再遊技役の当選確率を比較する。通常遊技状態においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「2734」が、押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかが読み出されるときの判定値数として「1020」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、通常遊技状態においていずれかのリプレイに当選する確率は、8980/65536となる。また、通常遊技状態からRT2に昇格させる可能性のある押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選する確率は、1020×6/65536=6120/65536となる。
RT1においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「8856」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT1においていずれかのリプレイに当選する確率は、8982/65536となる。なお、RT1においては、RT2やRT3に移行させるための昇格リプや突入リプに当選しないように設定されている。
RT2においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「715」が、押し順維持リプレイ1〜5のいずれかが読み出されるときの判定値数として「6586」が、押し順突入リプレイ1〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「3500」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT2においていずれかのリプレイに当選する確率は、47771/65536となる。また、RT2から通常遊技状態に転落させる可能性のある押し順維持リプレイ1〜5および押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選する確率は、(6586×5)+(3500×4)/65536=46930/65536となる。また、RT2からRT3に突入させる可能性のある押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選する確率は、3500×4/65536=14000/65536となる。
RT3においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「47836」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT3においていずれかのリプレイに当選する確率は、47962/65536となる。
内部中RTにおいては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「17000」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT3においていずれかのリプレイに当選する確率は、17126/65536となる。
これらより、本実施の形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、RT2、RT3、および内部中RTであるときに、通常遊技状態、RT1であるときよりも高くなるように設定されている。このため、RT2、RT3、および内部中RTは、通常遊技状態、RT1であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、RT2では、リプレイの当選確率が高くなるものの転落リプの当選確率も高くなる。また、メロン1に当選しているときには、転落出目と成り得る。このため、後述するATに制御されていないときには当該RT2を維持させること、および突入リプを入賞させてRT3に制御させることが困難となるように構成されている。一方、RT3は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選するか転落出目となるまで当該RT3への制御が維持される。このため、RT3は、RT2よりも有利な遊技状態であるといえる。
また、内部中RTであるときには、RT3などであるときよりも後述するようにリール制御においてボーナスよりも優先的に引き込まれるリプレイの当選確率が低くなるように設定されているため、RT3であるときと同じリプレイの当選確率が設定されている場合と比較して、当選しているボーナスを入賞させることができる割合を高めることができる。
BB中におけるRBであるときには、メロン1入賞することとなる12枚メロン1の判定値数が高確率で当選するように判定値数が設定されている。また、いずれの入賞役にも当選しないはずれについても、「12」に設定されており、極めて低い確率で生じる。また、非BB中におけるRBであるときには、メロン1を含む左メロンおよび中右メロンの判定値数が各々高確率で当選するように設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、たとえば、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。すなわち、停止制御テーブルにより、リールの領域番号に対応する図柄毎に、当該図柄が停止基準位置(下段)を通過しているときにストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数を特定することができる。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号(たとえば下段の図柄)を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴなど)に当選した場合や、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場や、特別役と再遊技役が同時に当選している場合などでは、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(たとえば、押し順昇格リプレイ1など)には、図9〜図11に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つの左リール2L〜右リール2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
図9は、押し順昇格リプレイ1〜6のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。たとえば、押し順昇格リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順押し以外の操作手順で操作された場合には、通常リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
押し順昇格リプレイ2〜6のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順昇格リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、通常リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、昇格リプを入賞させてRT2に昇格させるための操作手順として、当選している押し順昇格リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、通常遊技状態において押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選したとしても、当選している押し順昇格リプレイの種類を特定することができない限り、1/6の確率でしか昇格リプを入賞させてRT2に制御させないようにすることができ、5/6の確率で通常リプを入賞させて通常遊技状態が維持されるように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、昇格リプに入賞し難くして極力RT2に制御されないようにしつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させてRT2に制御されるように制御することができる。
図10は、押し順維持リプレイ1〜5のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。たとえば、押し順維持リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
押し順維持リプレイ2〜5のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順維持リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、昇格リプを入賞させてRT2を維持させるための操作手順、および転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落させるための操作手順として、当選している押し順維持リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、RT2において、押し順維持リプレイのいずれかに当選したときには、当選している押し順維持リプレイの種類を特定することができない限り、1/5の確率でしか昇格リプを入賞させて当該RT2を維持できず、4/5の確率で転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落するように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、運良くRT2に制御されていても転落リプに入賞し易くして極力当該RT2が維持されないように制御しつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させて当該RT2を意図的に維持させることができるように制御することができる。
図11は、押し順突入リプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。たとえば、押し順突入リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち突入リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
押し順突入リプレイ2〜4のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順突入リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、突入リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、突入リプを入賞させてRT3に突入させるための操作手順、および転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落させるための操作手順として、当選している押し順突入リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、RT2において、押し順突入リプレイのいずれかに当選したときには、当選している押し順突入リプレイの種類を特定することができない限り、1/4の確率でしか突入リプを入賞させてRT3に突入させることができず、3/4の確率で転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落するように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、突入リプに入賞し難くして極力RT3に制御されないようにし、運良くRT2に制御されていても転落リプに入賞し易くして極力当該RT2が維持されないように制御しつつ、ATに制御されているときには、突入リプに入賞させてRT3に制御されるように制御することができる。
また、BARテンパイリプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときには、当選しているいずれかのリプレイを入賞させつつ、入賞ラインL1〜L4およびリール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨る下段ラインのいずれかに「黒BAR」を2つ揃わせてテンパイさせるリール制御を行なう。
また、BARリプレイに当選したときには、引込可能コマ数の範囲内で、「黒BAR」を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させてBARリプを入賞させるリール制御を行なうとともに、BARリプを入賞させることができない場合には、当選しているいずれかのリプレイを入賞させつつ、BARテンパイリプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときと同様に、入賞ラインL1〜L4および下段ラインのいずれかに「黒BAR」を2つ揃わせてテンパイさせるリール制御を行なう。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合(イチゴ+1枚役など)には、払出枚数が多い小役が払出枚数の少ない小役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれる。
複数種類の小役が同時に当選している場合として、たとえば押し順メロン1〜5のいずれかに当選している場合には、図12に示すように、当選している押し順メロンの種類および操作手順に応じて、異なるリール制御が行なわれる。
図12は、押し順メロン1〜5のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。たとえば、押し順メロン1が当選したときには、順押しとなる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、当該停止操作に対応して停止させるリールの「メロン」を上段に停止させる制御を行なう。すなわち、押し順メロン1が当選したときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL1、L3、L4の3ラインに停止してチャンス出目となるため、メダルが12枚払い出されるのに対し、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止して転落出目となるため、メダルが4枚払い出されるに留まり、さらにRT1〜RT3のいずれかであったときには通常遊技状態に制御されてしまう。また、押し順メロン1が当選したときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、左リール2Lおよび右リール2Rの「メロン」を上・中・下段のいずれかに停止させるのに対し、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、対応するリールの「メロン」を上段に停止させるリール制御が行なわれる。
押し順メロン2〜5のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順メロンの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させてチャンス出目となる制御を行ないメダルを12枚払い出し、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止させて転落出目となる制御を行ないメダルを4枚払い出しかつRT1〜RT3のいずれかであるときには通常遊技状態に制御させる。
このように、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させるための操作手順、および有利なRT2やRT3への制御を維持するための操作手順として、当選している押し順メロンの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときには、当選している押し順メロンの種類を特定することができない限り、1/5の確率でしか入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させることができず、4/5の確率で中リール2Cの「メロン」を入賞ラインL2にのみ停止させてメダルが4枚しか払い出され、かつ有利なRT2やRT3への制御を維持できないように構成されている。これにより、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときに、後述するATに制御されていないときには極力4枚しかメダルが払い出されずかつ有利なRT2やRT3への制御を維持させないようにし、ATに制御されているときには意図的に入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させることを可能にし、12枚メダルが払い出されかつ有利なRT2やRT3への制御を維持させるように制御することができる。
また、12枚メロン1〜4のうちいずれかに当選したときには、操作手順に関わらず、中リール2Cの「メロン」を入賞ラインL1、L3、L4の3ラインに停止させるとともに、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、メダルを12枚払い出させるリール制御を行なう。なお、図12において、メダルを12枚払い出させる押し順以外となる操作手順で操作された場合には、中リール2Cについて「メロン」を上段に停止させるリール制御を行なうものであればよく、たとえば、左リール2Lおよび右リール2Rの「メロン」については、上・中・下段のいずれかに停止させるものであってもよい。これにより、左リール2Lおよび右リール2Rの「メロン」の停止位置から、押し順が正解しているか否か、メダルを12枚払い出させるか否かを特定不能にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、弱イチゴ1〜4、強イチゴ1〜4、弱ブドウ1〜4、および強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選したときのリール制御について説明する。たとえば、弱イチゴ1〜4あるいは弱ブドウ1〜4のうちいずれかが当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、当選しているイチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを、入賞ラインL2〜L4のうちいずれかに停止させる制御、すなわち左リール2Lに着目した場合「イチゴ」あるいは「ブドウ」を極力上段または下段に停止させる制御を行なう。
これに対し、強イチゴ1〜4あるいは強ブドウ1〜4が当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、当選しているイチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを、入賞ラインL1に停止させる制御、すなわち左リール2Lに着目した場合「イチゴ」あるいは「ブドウ」を極力中段に停止させる制御を行なう。
図7を用いて説明したように、イチゴに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴ1〜4および強イチゴ1〜4各々の判定値数が設定されており、また、ブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱ブドウ1〜4および強ブドウ1〜4各々の判定値数が設定されている。
このため、イチゴあるいはブドウに入賞したときの左リール2Lの「イチゴ」あるいは「ブドウ」が、上段または下段に停止しているときよりも、中段に停止しているときの方が、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合が高いため、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、図7を用いて説明したように、イチゴあるいはブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、ブドウに当選しているときよりも、イチゴに当選しているときの方が高くなるように、判定値数が設定されている。
このため、左リール2Lの「イチゴ」あるいは「ブドウ」が中段に停止してイチゴやブドウに入賞したときであっても、イチゴに入賞しているときの方がRB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合が高いため、遊技者の期待感を向上させることができる。
次に、非BB中のRBにおいて左メロンおよび中右メロンのうちいずれかに当選したときのリール制御について説明する。たとえば、左メロンが当選しているときにおいて、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、左リール2L以外を第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させる制御を行なう。すなわち、左メロンが当選したときに、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL3、L4の2ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、左リール2L以外を第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが8枚払い出されるに留まる。
また、中右メロンが当選しているときにおいて、中リール2Cあるいは右リール2Rを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させる制御を行なう。すなわち、中右メロンが当選したときに、中リール2Cあるいは右リール2Rを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL3、L4の2ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが8枚払い出されるに留まる。
このように、非BB中のRBにおいて、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させるための操作手順として、左メロンに当選しているときと中右メロンに当選しているときとで、異なる操作手順が設定されている。このため、左メロンに当選しているのか中右メロンに当選しているのかを特定することができない限り、1/2の確率でしか入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させることができず、1/2の確率で入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルが8枚しか払い出されないように構成されている。一方、非BB中のRBは、4回入賞することにより終了する。このため、非BB中のRBにおける操作手順によって、当該RBにおける純増枚数を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
BB中におけるRBにおいて、抽選対象役のいずれかに当選したときには、抽選対象役に含まれる入賞役の図柄組合せを入賞ライン上に引込可能コマ数の範囲内で引き込み停止させるリール制御が行なわれる。その際、抽選対象役に含まれる入賞役の図柄組合せを、入賞ラインL2上よりも、入賞ラインL3またはL4上に優先して停止させるリール制御が行なわれる。このため、入賞役の図柄組合せは、入賞ラインL2上よりも、入賞ラインL3またはL4上に優先して停止され、当該図柄組合せのうち中リール2Cの図柄については上段よりも中段に停止されることになる。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、MAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定するといった内部抽選を行なう内部抽選処理を行なう。内部抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、内部抽選処理では、BB1〜BB3およびRBのいずれかに当選したときに、内部中RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行なわれる。
内部抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。通常時においては、リールモータ32L、32C、32Rを通常態様で回転駆動させる。本実施の形態では、通常態様として、リールモータ32L、32C、32R各々を、同時にかつ所定速度に到達するまで所定の加速度で回転駆動させる。これにより、通常態様で回転駆動されたときには、左、中、右すべてを同時にかつ所定の加速度で回転開始することができる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。本実施の形態におけるスロットマシン1は、ストップスイッチを操作することにより対応するリールの回転を停止させる例について説明するが、たとえば、リール回転開始から所定時間経過したときにストップスイッチが操作されたか否かに関わらず、回転中のリールを強制的に停止させるようにしてもよい。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、BB1〜BB3およびRBのうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。
また、通常遊技状態における入賞判定処理において、昇格リプに入賞したと判断されたときには、RT2に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT2の値を設定など)が行なわれる。また、RT2における入賞判定処理において、突入リプに入賞したと判断されたときには、RT3に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT3の値を設定など)が行なわれる。また、RT2における入賞判定処理において、転落リプに入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。また、入賞判定処理において、RT1〜RT3のいずれかにおいて、メロン1が転落出目の態様で入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行なわれる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、RT1に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT1フラグの値を設定など)が行なわれる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(RT1〜RT3のいずれであるか、通常遊技状態であるか、内部中RTであるか、BBであるか、非BB中のRBであるかなど)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行なわれ、特別ワークに格納されるBBやRBのボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
また、ゲーム制御処理では、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延させることによりフリーズを発生させるフリーズ発生処理が行なわれる。本実施の形態におけるフリーズ発生処理は、ボーナス中以外であって、ゲーム開始時(たとえば、スタートスイッチ7が操作されて内部抽選処理が行なわれた後のリール回転処理が開始されたとき)に実行される。なお、フリーズ発生処理は、ゲーム開始時に実行されるものに限らず、ゲーム終了時や、BET時、リール回転中の所定タイミングなどで実行されるものであってもよく、また、ボーナス中以外の遊技状態に限らず、ボーナス中など特定の遊技状態中において実行するものであってもよい。
フリーズを発生させない場合、メイン制御部41は、ゲームの開始(リール回転開始)後、前述したとおり、リールの回転を開始させると直ちに加速し、全てのリールが定速回転となった時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。一方、フリーズを発生させる場合、メイン制御部41は、ゲーム開始(リール回転開始)から所定期間が経過するまで、各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化せず、所定期間が経過した時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化することにより、ゲームの進行を遅延させる。
また、フリーズ発生処理では、フリーズを発生させている期間において、リール2L〜2Rを通常態様とは異なる態様(特定態様)で回転制御および停止制御させることによるフリーズ演出を実行させるための処理が行なわれる。フリーズ演出については、図34を用いて後述する。なお、フリーズを発生させている期間は、ゲームの進行を遅延させるものであればよく、リール2L〜2Rによるフリーズ演出を実行させないものであってもよい。
フリーズ発生処理では、内部抽選処理における当選状況などに応じて所定の実行条件が成立したときに、フリーズに制御するか否かを決定するためのフリーズ抽選を行ない、当該抽選で当選したことを条件として、所定期間に亘ってフリーズ状態にする制御を開始する。また、フリーズ発生処理では、フリーズ状態にする制御を開始したときに、フリーズ状態に制御する旨およびフリーズに制御する期間を示すフリーズコマンドをサブ制御部91に送信する。これにより、サブ制御部91では、メイン制御部41によりフリーズが発生していることを特定可能となり、フリーズに対応する演出を実行する。
本実施の形態では、所定の実行条件が成立したときにフリーズコマンドが送信される。また、所定の実行条件は、当選状況に応じて成立する。このため、本実施の形態では、内部当選コマンドとフリーズコマンドとがゲーム開始のタイミングで送信されることになる。また、フリーズが発生した場合におけるリール回転コマンドは、フリーズが終了した後において通常時の回転制御へ移行されるタイミングで送信されることになる。
図13は、フリーズ抽選で参照されるフリーズ抽選用テーブルを説明するための図である。本実施の形態では、フリーズ抽選契機となる所定の実行条件として、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態において、ブドウあるいはイチゴに当選すること、BARテンパイリプレイに当選すること、BARリプレイに当選することが定められている。なお、所定の実行条件は、所定の入賞役に当選することにより成立するものに限らず、入賞することにより成立するものや、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより成立するもの、乱数抽選により所定確率で成立するものなどであってもよい。
ブドウあるいはイチゴ当選により所定の実行条件が成立したときには、99%の確率でフリーズ不実行に決定され、1%の確率でフリーズ実行に決定される。また、BARテンパイリプレイ当選により所定の実行条件が成立したときには、80%の確率でフリーズ不実行に決定され、20%の確率でフリーズ実行に決定される。また、BARリプレイ当選により所定の実行条件が成立したときには、30%の確率でフリーズ不実行に決定され、70%の確率でフリーズ実行に決定される。
なお、フリーズ実行に決定された場合に、当該決定に基づくフリーズを、当該決定がなされたゲームにおいて発生させるものや、次のゲームにおいて発生させるもの、ゲームを所定回数消化した後のゲームにおいて発生させるもの、所定の実行抽選で当選したゲームにおいて発生させるものであってもよい。また、フリーズ実行に決定された場合であっても、当該決定の契機となった入賞役に入賞したことを条件として、その後に当該決定に基づくフリーズを発生させるようにしてもよい。
フリーズ抽選でフリーズ実行に決定されてフリーズを発生させるときには、前述したように、フリーズコマンドをサブ制御部91に出力するとともに、所定期間が経過するまで、ゲームの進行を遅延させ(たとえば各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化せず)、所定期間が経過した時点でゲームの進行を再開する(たとえば各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する)ことによりフリーズを発生させる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、RT1〜RT3、内部中RT、通常遊技状態、ボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行なう。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行なわれる。遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果として停止した図柄を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブル、すなわち図3の各リールにおける図柄配列を特定するための配列特定テーブルが予め記憶されており、この配列特定テーブルを参照して、リール停止コマンドに含まれる情報から対応するリールに停止した図柄を特定するための停止図柄特定処理を行ない、特定された図柄が停止図柄テーブルに登録される。これにより、リール2L〜2R各々について、表示結果として停止された図柄を特定することができる。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて演出状態をATなどの遊技者にとって有利度合いが高い状態に制御するための演出状態制御処理、遊技状態等に応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
演出状態制御処理のAT抽選において獲得したATゲーム数は、一のタイミングで報知されるかあるいは分割して複数のタイミングに分けて報知される。ATゲーム数が報知されるとATへの制御が開始される。ATへの制御は、ナビ演出にしたがってRT3への移行契機である押し順突入リプレイに当選した次のゲームから獲得したATゲーム数消化するまで維持される。なお、AT+RT3であるARTにおいて転落出目停止や転落リプ入賞発生により通常遊技状態に制御された後においても、ATゲーム数が残存している場合には、当該ATゲーム数を消費するまでATへの制御が継続され、残りのATゲーム数に応じて行なわれるナビ演出にしたがって停止操作することにより再びARTに制御可能となる。ART中においてもAT抽選が行なわれる。また、ART中から通常遊技状態に制御(転落)されてから再びARTに制御されるまでの間(AT+通常中、AT+RT2中)においても、転落するまでのART中と同様に、AT抽選が行なわれる。以下に、ATに関する処理について説明する。
[AT抽選処理]
サブ制御部91は、演出状態制御処理に含まれるAT抽選処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行なう。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選では、ATに制御するか否か、およびATに制御可能となるゲーム数を示すATゲーム数が決定される。決定されたATゲーム数を特定するための情報は、RAM91cの所定領域において記憶される。RAM91cの所定領域における記憶情報から、ATゲーム数が0であるときには、決定されたATゲーム数を特定するための記憶情報に更新され、ATゲーム数が1以上であるときには、該ATゲーム数に対して決定されたATゲーム数を加算したゲーム数を特定するための記憶情報に更新される。ATには、ATゲーム数を消化する間制御され、当該AT中において後述するナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたATゲーム数が多いゲーム数である程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図14は、AT抽選を実行する契機となるAT抽選条件の一例を説明するための図である。また、図15は、AT抽選条件成立時のAT抽選の一例を説明するための図である。また、図16は、AT抽選で参照されるテーブルの一例を説明するための図である。図17は、優遇期間に移行するか否かの優遇期間移行抽選で参照されるテーブルの一例を説明するための図である。優遇期間とは、AT当選する確率および獲得することを期待できるATゲーム数の期待値が大きく遊技者にとって有利な期間をいう。
AT抽選条件は、図14に示すように、第1〜第5の条件が設定されている。AT抽選は、AT抽選条件が成立することにより行なわれる。以下では、ATゲーム数を獲得しておらずAT中でないときにAT抽選で当選することをAT初当りあるいは初当りといい、すでにATゲーム数を獲得しているときにAT抽選で当選することを上乗せ当選という。上乗せ当選したときには、決定されたATゲーム数が上乗せ加算される。
第1のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であるときであって、ブドウおよびイチゴのいずれかに当選している当選状況、あるいは図8で示したBARテンパイリプレイ1〜4のいずれかに当選している当選状況となることにより成立する。なお、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4のいずれかに当選したが、当該当選により、メイン制御部41側におけるフリーズ抽選で当選してフリーズを発生させる旨のフリーズコマンドを受信しているときには、第1のAT抽選条件は成立とならず、後述する第5のAT抽選条件が成立することとなる。つまり、第1のAT抽選条件は、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4のいずれかに当選し、かつ当該当選によってフリーズが発生しないときに成立する。なお、第1のAT抽選条件の成立契機は、所定役に当選することではなく、所定役に入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、入賞ラインL1においてブドウあるいはイチゴが入賞(すなわち中段においてブドウあるいはイチゴ入賞)することや、入賞ラインL1〜L4および下段ラインのいずれかにおいて「黒BAR」が2つ揃ってBARリプがテンパイすることにより成立するものであってもよい。
第1のAT抽選条件成立時におけるAT抽選は、設定されているモードの種類に応じたテーブルを参照して実行される。モードの種類によって、AT抽選でATに制御すると決定する確率、およびATゲーム数の振分率が特定される。本実施の形態では、モードAとモードBとが設けられており、たとえばデモ演出中において、遊技者がストップスイッチ8L〜8RやMAXBETスイッチ6などの操作手段を操作することにより、操作選択可能に構成されており、当該操作選択に応じた種類のモードにサブ制御部91により制御される。
なお、モードは、モードAおよびモードBの2種類に限らず、3種類以上設けられているものであってもよく、また、遊技者によって選択可能に構成されているものに限らず、サブ制御部91側において乱数などを用いた抽選によってランダムに決定されるものであってもよい。
また、たとえば、ボーナスのうちBB1が終了した後から50ゲーム消化する間に亘りモードBに制御され、50ゲーム消化した後においてはモードAに制御し、当該モードAであるときに所定条件が成立することにより、乱数などを用いてモードBに制御するか否かをランダムに決定するためのモード抽選が行なわれ、当該モード抽選でモードBに制御すると決定されたときには以後30ゲーム消化する間に亘りモードBに制御され、モードBが終了した後は、再びモードAに制御される。サブ制御部91は、所定のモード設定処理を行なうことにより、成立条件に応じて、いずれかのモードに制御するものであってもよい。なお、モードB中であるときにボーナス当選したときには、当該モードBにおいて消化したゲーム数および当選したボーナスの種類に関わらず、当該ボーナス終了後から50ゲーム消化する間に亘りモードBに制御されるようにしてもよい。また、モードは、RTCによって計時される日時に基づき、設定されるようにしてもよい。
図15(a)を参照して、第1のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、モードAであるときに図16(a)に示す第1テーブルが参照され、モードBであるときに図16(b)に示す第2テーブルが参照される。
第1テーブルが参照されたときには、図16(a)に示すように、50%の確率でAT初当りあるいは上乗せ当選としない非当選に決定され、残り50%の確率でAT初当りあるいは上乗せ当選である当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、20%の確率で「10ゲーム」に、12%の確率で「20ゲーム」に、7%の確率で「30ゲーム」に、5%の確率で「40ゲーム」に、3%の確率で「50ゲーム」に、1%の確率で「100ゲーム」に、1%の確率で「150ゲーム」に、1%の確率で「200ゲーム」に決定される。第1テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.2×10)+(0.12×20)+(0.07×30)+(0.05×40)+(0.03×50)+(0.01×100)+(0.01×150)+(0.01×200)≒14.5となる。
第2テーブルが参照されたときには、図16(b)に示すように、85.8%の確率で非当選に決定され、残りの確率でAT初当りあるいは上乗せ当選である当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、2%の確率で「30ゲーム」に、0.8%の確率で「40ゲーム」に、5%の確率で「50ゲーム」に、2%の確率で「100ゲーム」に、1.4%の確率で「150ゲーム」に、1%の確率で「200ゲーム」に、2%の確率で「250ゲーム」に決定される。
第2テーブルが参照されたときには、第1テーブルが参照されたときよりも、AT初当りあるいは上乗せ当選する可能性が低いが、AT初当りあるいは上乗せ当選したときには、ATゲーム数としてより多いゲーム数に決定される可能性が高くなり、かつ第1テーブルが参照されたときには決定されることがない「250ゲーム」に決定され得るように設定されている。また、第2テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定されるATゲーム数との関係から、(0.02×30)+(0.008×40)+(0.05×50)+(0.02×100)+(0.014×150)+(0.01×200)+(0.02×250)≒14.5となり、第1テーブルが参照されたときのATゲーム数の期待値とほぼ同じになるように設定されている。これにより、遊技者にとっての実質的な有利度合いに差を生じさせることなく、いずれのモードを選択するかといった面白みを提供することができる。なお、ATゲーム数の期待値は、第1テーブルと第2テーブルとで全く同じ値となるように設定してもよい。また、ATゲーム数の期待値は、第1テーブルおよび第2テーブルのうちいずれか一方の方が他方よりも大きくなるように、たとえば、第2テーブルの方が第1テーブルよりも大きくなるように設定されているものであってもよい。
図14に戻り、第2のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であるときに、BARリプレイに当選することにより成立する。なお、BARリプレイに当選したが、当該当選により、メイン制御部41側におけるフリーズ抽選で当選してフリーズを発生させる旨のフリーズコマンドを受信しているときには、第2のAT抽選条件は成立とならず、後述する第5のAT抽選条件が成立することとなる。つまり、第2のAT抽選条件は、BARリプレイに当選し、かつ当該当選によってフリーズが発生しないときに成立する。なお、第2のAT抽選条件の成立契機は、BARリプレイに当選することではなく、入賞ラインL1〜L4のいずれかにおいてBARリプの図柄組合せが停止して入賞することにより成立するものであってもよい。
第2のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、図15(a)に示すように、モードに関わらず、第3テーブルが参照される。第3テーブルが参照されたときには、図16(c)に示すように、必ず当選、すなわちAT初当りあるいは上乗せ当選する。第3テーブルが参照されたAT抽選では、ATゲーム数として、「10ゲーム」、「20ゲーム」、「30ゲーム」、「40ゲーム」、「50ゲーム」、「150ゲーム」、「200ゲーム」、および「250ゲーム」各々が10%の確率で決定され、残り20%の確率で「100ゲーム」に決定される。
第3テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、0.1×(10+20+30+40+50+150+200+250)+0.2×100≒95となる。すなわち、第3テーブルが参照された場合には、第1あるいは第2テーブルが参照されたときよりも、遊技者にとって有利な態様でAT抽選が行なわれる。このため、第2のAT抽選条件の方が、第1のAT抽選条件よりも遊技者にとって有利度合いが高いAT抽選条件であるといえる。なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドや遊技状態コマンドに基づき、ボーナス以外であって内部中RT以外の遊技状態であるか否かを特定し、内部当選コマンド(AT抽選条件を入賞により成立させる場合にはリール停止コマンド、入賞判定コマンド)に基づき、第1あるいは第2のAT抽選条件が成立したか否かを特定する。
図14に戻り、第3のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であるときであって、優遇期間においてゲームが開始される毎に成立する。なお、第3のAT抽選条件は、優遇期間において毎ゲーム成立するものに限らず、優遇期間において、所定の入賞役の当選あるいは入賞したときや、所定の抽選で当選したときなどに成立するものであってもよい。
優遇期間には、優遇期間に移行させるか否かの優遇期間移行抽選で当選すると、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム)消化するまでの間に亘り移行される。優遇期間移行抽選は、第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときにおいて、図17に示す優遇期間移行抽選テーブルを参照して抽選が行なわれる。
優遇期間移行抽選テーブルは、AT抽選で当選しなかったときの状態に応じて異なる割合で優遇期間に移行するように、優遇期間移行確率が設定(具体的には、優遇期間移行確率となるように判定値数が設定)されている。当選しなかったときの状態が、非AT中であってかつ通常遊技状態やRT2であったときには、10%の確率で優遇期間に移行する旨が決定される。一方、非AT中であってRT3であるときや、AT中であったときには、30%の確率で優遇期間に移行する旨が決定される。このため、非当選となったときでも、そのときの状態が非AT+通常や非AT+RT2中であるときよりも、非AT+RT3中やAT中であったときの方が、高い割合で優遇期間移行抽選において当選し、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム)消化するまでの間に亘り優遇期間に移行される。このため、非AT+RT3中やAT中においては、優遇期間に移行されることに対する期待感を抱かせることができ、かつ優遇期間においてATゲーム数が上乗せされることに対する期待感を向上させることができる。なお、図17で示す「AT中」とは、ATに制御されている状態であればよく、メイン制御部41により制御されている遊技状態がRT3であるときのみならず、通常遊技状態やRT2である場合も含まれる。第1のAT抽選条件が成立して優遇期間に移行する旨が決定された場合には、後述するバトル演出によって優遇期間に移行される旨が報知された後、優遇期間に移行される。
本実施の形態における優遇期間移行抽選は、AT中であるか否かにかかわらず、第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときであれば行なわれる例について説明したが、これに限らず、AT中であるときにのみ行なわれるようにしてもよい。たとえば、優遇期間移行抽選は、既にATゲーム数を獲得しておりATに制御されているときにおいて第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときに行なわれるようにしてもよい。
また、本実施の形態における優遇期間移行抽選は、第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときに行なわれる例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に当選や、所定入賞役に入賞など、所定条件が成立することにより行なわれるものであればよい。たとえば、優遇期間移行抽選は、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイのうちいずれかに当選(あるいは入賞)したときに行なわれるようにしてもよい。この場合、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイのうちいずれに当選(あるいは入賞)したかに応じて、つまり成立した所定条件の種類に応じて、優遇期間移行確率を異ならせるようにしてもよい。
また、本実施の形態における優遇期間移行抽選は、AT中であるか否かにかかわらず、所定条件が成立しさえすれば行なわれる例について説明したが、これに限らず、所定条件が成立したときであってもAT中であることを条件として行なわれるようにしてもよい。たとえば、優遇期間移行抽選は、既にATゲーム数を獲得しておりATに制御されているときにおいて、第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときに行なわれるようにしてもよい。この場合においても、優遇期間移行抽選を行なう契機に応じて、優遇期間移行確率を異ならせるようにしてもよい。
優遇期間に移行されると、優遇期間において消化したゲーム数を特定するために優遇期間ゲーム数カウンタの値を1加算し、当該優遇期間ゲーム数カウンタの値が所定ゲーム数に対応するゲーム数(10)に到達することにより優遇期間を終了させる。なお、サブ制御部91は、優遇期間に移行しているときに、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドを受信したことに基づき、第3のAT抽選条件が成立したか否かを特定する。
第3のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、図15(b)に示すように、優遇期間の最終ゲーム(10ゲーム目)であるか、最終ゲーム以外のゲーム(1〜9ゲーム目)であるかに応じて、異なる割合にしたがってAT抽選が行なわれる。最終ゲームであるか否かは、前述した優遇期間ゲーム数カウンタの値に基づき特定される。
優遇期間における最終ゲーム以外のゲームであるときには、ATゲーム数として、80%の確率で「10ゲーム」に、20%の確率で「20ゲーム」に決定される。よって、優遇期間における最終ゲーム以外のゲームであるときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、0.8×10+0.2×20≒12となる。これに対し、優遇期間における最終ゲームであるときには、ATゲーム数として、50%の確率で「10ゲーム」に、30%の確率で「20ゲーム」に、20%の確率で「30ゲーム」に決定される。よって、優遇期間における最終ゲームであるときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、0.5×10+0.3×20+0.2×30≒17となる。
このように、優遇期間においては、ゲーム毎にAT当選し決定されたATゲーム数が加算される。また、10ゲームに亘る優遇期間に移行されることにより獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、12×9+17=125となり、たとえば図16(c)に示す第3テーブルを参照してのAT抽選におけるATゲーム数の期待値よりも大きくなる。このため、優遇期間においては、優遇期間でないときよりも遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれる。また、優遇期間のうちでも、最終ゲームにおいては、最終ゲーム以外のゲームであるときよりもATゲーム数の期待値が大きくなるように設定されている。このため、優遇期間の最終ゲームに対する期待感を高めることができる。なお、優遇期間のうちATゲーム数の期待値が大きくなるタイミングは、最終ゲームに限らず、5ゲーム目など所定タイミング以降に設定されているものであればよい。
図14に戻り、第4のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であって、ATゲーム数が報知されているとき(ATゲーム数の減算が開始されているとき)において通常リプレイ(通常リプ単独の抽選対象役)に当選することにより成立する。つまり、第4のAT抽選条件は、AT当選してATゲーム数が報知されるまでの間においては通常リプレイに当選しても成立せず、AT当選してATゲーム数が報知された後において通常リプレイに当選することで成立する。なお、サブ制御部91は、ATゲーム数報知中に、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドに基づき通常リプレイに当選しているか否かにより、第4のAT抽選条件が成立したか否かを特定する。
第4のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、図15(c)に示すように、第4のAT抽選条件が成立したときの遊技状態が、通常遊技状態、RT2、およびRT3のうちいずれであるかに応じて、異なる割合にしたがってAT抽選が行なわれる。通常遊技状態であるときには1.19%の確率で「100ゲーム」が、RT2であるときには4.58%の確率で「100ゲーム」が、RT3であるときには0.0685%の確率で「100ゲーム」が、ATゲーム数として決定される。
第4のAT抽選条件成立の契機となる通常リプレイには、遊技状態に応じて異なる割合で当選し、かつ、通常リプレイ当選により第4のAT抽選条件が成立したときにも、遊技状態に応じて異なる割合でAT当選する。しかし、いずれの遊技状態であっても、1ゲーム当たりに第4のAT抽選条件が成立してAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は以下に説明するようにほぼ同じとなる。通常リプレイ(通常リプ単独の抽選対象役)に当選して第4のAT抽選条件が成立する確率は、図8に示すように、通常遊技状態において2734/65536、RT2において715/65536、RT3において47836/65536となるように設定されている。また、第4のAT抽選条件が成立したときにAT当選する確率は、図15(c)に示す通りである。
よって、1ゲーム当たりに第4のAT抽選条件が成立してAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、通常遊技状態において2734/65536×0.0119×100≒0.0496、RT2において715/65536×0.0458×100≒0.0499、RT3において47836/65536×0.000685×100≒0.0499となり、ほぼ同じとなる。このため、AT中において100ゲーム消化することにより、遊技状態に関わらず、平均的にATゲーム数が5ゲーム上乗せされることになる。これにより、ARTが終了してしまってATのみの状態になっても、上乗せゲーム数に対する期待値が変化しないので、遊技への興趣が低下することを防止できる。
図14に戻り、第5のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であって、メイン制御部41からのフリーズコマンドを受信してフリーズ発生が特定されることにより成立する。本実施の形態では、優遇期間中においてフリーズコマンドを受信したときには、第3のAT抽選条件ではなく第5のAT抽選条件を成立させるが、第5のAT抽選条件ではなく第3のAT抽選条件を成立させるようにしてもよい。
第5のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、図15(d)に示すように第4テーブルが参照される。図16(d)は、第4テーブルを説明するための図である。第4テーブルが参照されたときには、図16(d)に示すように、必ずAT初当りあるいは上乗せ当選である当選に決定される。ATゲーム数としては、5%の確率で「50ゲーム」に、5%の確率で「100ゲーム」に、10%の確率で「150ゲーム」に、20%の確率で「200ゲーム」に、60%の確率で「250ゲーム」に決定される。
第4テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定されるATゲーム数との関係から、(0.05×50)+(0.05×100)+(0.1×150)+(0.2×200)+(0.6×250)=212.5となり、いずれのテーブルが参照されたときよりもATゲーム数の期待値が大きくなるように設定されている。また、フリーズ発生を契機として成立する第5のAT抽選条件が成立したときには、他のAT抽選条件が成立したときよりも高い割合で、AT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームに決定されるように設定されている。このため、結果的に、上限である250ゲームに決定されたときには、250ゲーム未満に決定されたときよりも高い割合で、フリーズ発生することとなる。以上のように、本実施の形態においては、サブ制御部91により行なわれるAT抽選処理により、AT抽選条件が成立したか否かが判定され、AT抽選条件が成立したときにはAT抽選が行なわれる。
サブ制御部91は、AT抽選においてAT初当りしたときに、ATに制御可能なゲーム数であって未だ報知されていないATゲーム数である未報知ゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報をRAM91cの所定領域に格納する。AT初当りしたか否かや優遇期間に制御されるか否かは、後述するバトル演出により報知される。
バトル演出とは、ATゲーム数の獲得や優遇期間への制御など、遊技者にとって有利となる特典が付与されるか否かを煽る演出をいい、複数ゲーム(たとえば、5ゲーム)に亘って、液晶表示器51において、味方キャラクタと対戦キャラクタとにより所定のバトルを展開する演出を行なった後に、バトルの結末として、味方キャラクタが敗北すると特典が付与されないことを報知し、味方キャラクタが勝利すると特典が付与されることを報知する演出をいう。
バトル演出では、味方キャラクタが勝利する割合が異なる複数種類のキャラクタのうちいずれかが味方キャラクタとして出現する。このため、バトル演出中に出現する味方キャラクタおよびバトル演出内容は、特典が付与されることに対する期待度の大きさを間接的に報知する演出といえる。
バトル演出が開始されるまでの前兆期間においては、バトル演出において味方キャラクタとして出現するキャラクタの種類を示唆する前兆演出が行なわれ得る。前兆期間とは、バトル演出が実行されるまでの複数ゲーム(たとえば、8〜24ゲーム)に亘る期間をいう。前兆演出としては、液晶表示器51において、バトル演出で味方キャラクタとして出現するキャラクタが示唆され、基本的に味方キャラクタが勝利する割合が低いキャラクタから高いキャラクタに昇格させる演出が行なわれる。
バトル演出で味方キャラクタが勝利する可能性(割合)は、前兆演出において示唆されている味方キャラクタの種類に応じて異なるように設定されている。このため、前兆演出は、特典が付与されることに対する期待度の大きさを間接的に報知する演出ともいえる。本実施の形態における前兆演出は、バトル演出において味方キャラクタが敗北する旨が報知された後にも実行され得る前兆演出(以下では復活前兆演出ともいう)を含む。つまり、前兆演出には、バトル演出前に実行され得る前兆演出と、バトル演出後に実行され得る復活前兆演出とが含まれる。
また、バトル演出や前兆演出が実行されるまでの所定期間(たとえば、1〜3ゲーム)に亘って、バトル演出や前兆演出が実行されることを煽るための煽り演出が実行され得る。煽り演出では、「チャンス」といったメッセージが液晶表示器51に表示されるとともに、所定の態様で演出用効果LED52やスピーカ53、54が制御される。なお、煽り演出は、バトル演出や前兆演出が実行されない場合においても所定確率で実行される。これにより、煽り演出が実行された後においてバトル演出や前兆演出が実行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
[バトル関連演出抽選処理]
サブ制御部91は、バトル演出や前兆演出を実行するためのバトル関連処理を実行する。バトル関連処理を実行するためのプログラムは、ROM91bの所定領域に格納されている。バトル関連処理は、前兆演出を設定するための前兆演出設定処理(図18参照)と、設定された前兆演出を実行するための前兆演出中処理(図21参照)と、バトル演出を実行するためのバトル演出実行処理と、復活前兆演出を設定するためのバトル演出後の復活前兆演出設定処理と、設定された復活前兆演出を実行するための復活前兆演出中処理(図25参照)と、煽り演出を実行するための煽り演出処理とを含む。
まず、前兆演出設定処理について説明する。図18は、前兆演出設定処理を説明するためのフローチャートである。前兆演出設定処理は、AT抽選が行なわれた後の所定タイミング(直後、AT抽選が行なわれたゲーム中、あるいは数ゲーム消化後など)において実行される。SA01においては、非AT中において第1のAT抽選条件が成立したか否かが判定される。第1のAT抽選条件が成立していないと判定されたときには、そのまま前兆演出設定処理を終了する。一方、SA01において非AT中において第1のAT抽選条件が成立したと判定されたときには、SA02において、前兆期間を抽選するための前兆期間抽選を行なう。
図19は、前兆期間抽選において参照する前兆期間抽選用テーブルを説明するための図である。前兆期間抽選用テーブルは、ROM91bの所定領域に格納されている。前述したように、第1のAT抽選条件が成立したときには、AT当選するか、優遇期間に移行されるか、はずれかのいずれかに決定される。本実施の形態における前兆期間抽選用テーブルでは、今回成立の第1のAT抽選条件によりAT当選したかあるいは優遇期間に移行すると決定されたとき(以下では、AT当選時または優遇期間移行当選時ともいう)であるか、AT当選せずかつ優遇期間に移行しないと決定されたとき(以下では、非当選時ともいう)であるかに応じて異なる振分率に従って前兆期間が決定されるように構成されている。
AT当選時または優遇期間移行当選時であるときには、20%の割合で「0ゲーム」となる前兆期間なしに決定され、5%の割合で「8ゲーム」に決定され、10%の割合で「20ゲーム」に決定され、10%の割合で「21ゲーム」に決定され、15%の割合で「22ゲーム」に決定され、15%の割合で「23ゲーム」に決定され、25%の割合で「24ゲーム」に決定されるように、振分率が定められている。決定されたゲーム数に亘って前兆期間に制御され、その間において前兆演出が実行される。
一方、非当選時であるときには、40%の割合で「0ゲーム」となる前兆期間なしに決定され、15%の割合で「8ゲーム」に決定され、15%の割合で「20ゲーム」に決定され、15%の割合で「21ゲーム」に決定され、5%の割合で「22ゲーム」に決定され、5%の割合で「23ゲーム」に決定され、5%の割合で「24ゲーム」に決定されるように、振分率が定められている。これにより、AT当選時または優遇期間移行当選時には、非当選時であるときよりも高い割合で、前兆期間として8ゲーム以上に決定されるとともに、前兆期間としてより多いゲーム数に決定される。その結果、前兆演出が実行されることや、実行された場合における前兆期間の長さに応じて、AT当選または優遇期間移行当選に対する期待感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図18に戻り、SA03では、前兆期間なしに決定されたか否かが判定される。前兆期間なしに決定されていないとき、すなわち前兆期間に移行されるときには、SA04において、味方キャラクタのうちキャラクタAに対応しかつ前兆期間抽選の抽選結果に応じた前兆期間に亘る前兆演出を設定する。一方、SA03において前兆期間なしに決定されていると判定されたときには、SA06において、前兆演出なし時において実行するバトル演出の種類を抽選するバトル演出抽選を行なう。図20は、前兆演出なし時のバトル演出抽選において参照する前兆演出なし時のバトル演出抽選用テーブルを説明するための図である。前兆演出なし時のバトル演出抽選用テーブルは、ROM91bの所定領域に格納されている。
前兆演出なし時のバトル演出抽選用テーブルは、AT当選時または優遇期間移行当選時であるか、非当選時であるかに応じて異なる振分率に従って、バトル演出の種類が決定されるように構成されている。本実施の形態におけるバトル演出としては、味方キャラクタ(キャラクタA〜E)が異なり、かつ、バトル演出により報知される結果(勝利、敗北、敗北後の再度前兆実行(以下では、敗北+復活ともいう)など)が異なる複数種類のバトル演出が設けられている。
AT当選時または優遇期間移行当選時であるときには、15%の割合で「キャラクタAかつ勝利」となるバトル演出に決定され、5%の割合で「キャラクタAかつ敗北+復活」に決定され、25%の割合で「キャラクタBまたはCかつ勝利」に決定され、5%の割合で「キャラクタBまたはCかつ敗北+復活」に決定され、30%の割合で「キャラクタDまたはEかつ勝利」に決定され、20%の割合で「キャラクタDまたはEかつ敗北+復活」に決定されるように、振分率が定められている。一方、非当選時であるときには、35%の割合で「キャラクタAかつ敗北」となるバトル演出に決定され、5%の割合で「キャラクタAかつ敗北+復活」に決定され、25%の割合で「キャラクタBまたはCかつ敗北」に決定され、5%の割合で「キャラクタBまたはCかつ敗北+復活」に決定され、25%の割合で「キャラクタDまたはEかつ敗北」に決定され、5%の割合で「キャラクタDまたはEかつ敗北+復活」に決定されるように、振分率が定められている。
また、図示していないが、「キャラクタBまたはC」のバトル演出に決定される場合、キャラクタBについてはAT当選時または優遇期間移行当選時であるときよりも非当選時であるときの方が高い割合で決定され、キャラクタCについては非当選時であるときよりもAT当選時または優遇期間移行当選時であるときの方が高い割合で決定される。さらに、「キャラクタDまたはE」のバトル演出に決定される場合、キャラクタDについてはAT当選時または優遇期間移行当選時であるときよりも非当選時であるときの方が高い割合で決定され、キャラクタEについては非当選時であるときよりもAT当選時または優遇期間移行当選時であるときの方が高い割合で決定される。
これにより、AT当選時または優遇期間移行当選時には、高い割合でキャラクタEに決定され、続いて、キャラクタD、C、B、Aの順に決定される割合が低くなる。これとは逆に、非当選時には、高い割合でキャラクタAに決定され、続いて、キャラクタB、C、D、Eの順に決定される割合が低くなる。このため、味方キャラクタが勝利する割合は、キャラクタEである場合に最も高く、続いて、キャラクタD、C、B、Aの順に低くなるように設定されている。その結果、どのキャラクタのバトル演出に決定されるかに応じて、AT当選あるいは優遇期間移行当選していることに対する期待感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図18に戻り、SA07では、バトル演出抽選の抽選結果に応じたバトル演出を設定する。前述したSA04で前兆演出が設定された後であるか、SA07でバトル演出が設定された後においては、SA05に移行されて、前兆演出あるいはバトル演出が実行されることを煽る煽り演出を設定し、前兆演出設定処理を終了する。煽り演出は、所定ゲーム数に亘って所定のメッセージ(たとえば、「チャンス」)を液晶表示器51に表示することなどにより行なわれる。
SA07からSA05へ移行されて設定される煽り演出は、SA04から移行されて設定される煽り演出と同じである。このため、煽り演出からは、前兆演出が実行されるのか、バトル演出が実行されるのかを特定不能にしつつ、その後にバトル演出や前兆演出が実行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。なお、SA05においては、所定確率で煽り演出を実行し、残りの確率では煽り演出が実行されない場合が生じ得るものであってもよい。また、煽り演出は、バトル演出や前兆演出を実行すると決定されたときに限らず、バトル演出や前兆演出が実行されない場合であっても、所定確率で実行されるようにしてもよい。
前兆演出設定処理において、前兆演出および煽り演出が設定された場合には、煽り演出を実行させた後、前兆演出を実行させる処理が行なわれ、バトル演出および煽り演出が設定された場合には、煽り演出を実行させた後、前兆演出を介することなくバトル演出を実行させる処理が行なわれる。
図21は、前兆演出中処理を説明するためのフローチャートである。前兆演出中処理は、前兆演出中においてゲーム(前兆演出が設定されたゲームを含む)が開始される毎に実行される。前兆演出の態様としては、複数種類のステージが設けられている。前兆演出のステージは、前兆期間において他のステージに切り替えられる。本実施の形態では、前兆演出のステージの種類により、その後のバトル演出の種類(バトル演出で選択される味方キャラクタの種類)が示唆される。前述したように、バトル演出の種類(味方キャラクタの種類)に応じて、バトル演出において味方キャラクタが勝利する割合が異なる。このため、前兆演出のステージの種類によって、その後のバトル演出で勝利する割合を示唆することができる。
SA10では、前兆演出のステージを、勝利する割合が高いバトル演出の種類を示唆するステージに昇格させるか否かのステージ昇格抽選を行なう。キャラクタA〜Eそれぞれに対応する前兆演出のステージとしては、液晶表示器51において、それぞれ対応するキャラクタA〜Eのいずれかを表示し、当該キャラクタの名称を表示するとともに、ステージ毎に定められた態様で演出用効果LED52やスピーカ53、54が制御される。
図22は、前兆演出のステージの例を説明するための図である。キャラクタAに対応するステージとして、図22(a)および(b)に示す名称を「ナナ」とするキャラクタを表示する第1ステージが対応付けられている。また、キャラクタBに対応するステージとして、図22(c)および(d)に示す名称を「夢夢」とするキャラクタを表示する第2ステージが対応付けられている。キャラクタCに対応するステージとして、図22(e)および(f)に示す名称を「ドラムくん」とするキャラクタを表示する第3ステージが対応付けられている。なお、図示していないが、キャラクタDおよびE各々に対応して所定のキャラクタを表示する第4ステージ、第5ステージが対応付けられている。
バトル演出において味方キャラクタが勝利する割合は、キャラクタEである場合に最も高く、続いて、キャラクタD、C、B、Aの順に低くなるように設定されている。また、キャラクタA〜Eに対応するステージとして、第1ステージ〜第5ステージが設けられている。このため、味方キャラクタが勝利する割合が高まるためのステージ昇格とは、たとえば、キャラクタAに対応する第1ステージから、勝利する割合が高いキャラクタBに対応する第2ステージに切り替えられることや、キャラクタCに対応する第3ステージから、勝利する割合が高いキャラクタDに対応する第4ステージに切り替えられることなど、勝利する割合が高いキャラクタに対応するステージに切り替えられることをいう。
図23は、前兆演出のステージ昇格抽選用テーブルを説明するための図である。ステージ昇格抽選用テーブルは、ROM91bの所定領域に格納されている。ステージ昇格抽選用テーブルは、ステージ昇格か維持かが、前兆演出の現在のステージがキャラクタA〜C対応の第1〜第3ステージか、キャラクタD対応の第4ステージかに応じて異なる振分率に従って決定され、かつ、AT当選時または優遇期間移行当選時あるか非当選時であるかや現在の前兆期間のゲーム数が8ゲームであったか8ゲームより多いゲーム数(以下、8ゲーム以外ともいう)であったかに応じても異なる振分率に従って決定される。
まず、前兆演出の現在のステージがキャラクタA〜C対応の第1〜第3ステージのいずれかであるときについて説明する。AT当選時または優遇期間移行当選時において、移行された前兆期間が8ゲームであったときには、30%の割合でステージ昇格に決定され、70%の割合で維持に決定され、移行された前兆期間が8ゲーム以外であったときには、15%の割合でステージ昇格に決定され、85%の割合で維持に決定される。一方、非当選時において、移行された前兆期間が8ゲームであったときには、20%の割合でステージ昇格に決定され、80%の割合で維持に決定され、移行された前兆期間が8ゲーム以外であったときには、10%の割合でステージ昇格に決定され、90%の割合で維持に決定される。これにより、前兆演出の現在のステージがキャラクタA〜C対応の第1〜第3ステージであるときには、AT当選時または優遇期間移行当選時であるときの方が、非当選時であるときよりも、高い割合でステージ昇格に決定される。その結果、前兆演出のステージが昇格することにより、AT当選または優遇期間移行当選に対する期待感を向上させることができる。
次に、前兆演出の現在のステージがキャラクタD対応の第4ステージであるときについて説明する。AT当選時または優遇期間移行当選時においては、前兆演出の現在のステージがキャラクタA〜C対応の第1〜第3ステージであるときと同じ振分率に従って抽選が行なわれる。一方、非当選時においては、前兆演出の現在のステージがキャラクタA〜C対応の第1〜第3ステージであるときよりもステージ昇格となる割合が低くなるように設定されている。すなわち、移行された前兆期間が8ゲームであったときには、10%の割合でステージ昇格に決定され、90%の割合で維持に決定され、移行された前兆期間が8ゲーム以外であったときには、5%の割合でステージ昇格に決定され、95%の割合で維持に決定される。これにより、前兆演出の現在のステージがキャラクタD対応の第4ステージであるときにおいて、非当選時であるときには、ステージ昇格に決定される割合が低くなり、キャラクタE対応の第5ステージに昇格し難くすることができ、その結果、キャラクタE対応の第5ステージに昇格した場合においてAT当選または優遇期間移行当選している信頼度を最も高くすることができる。
図21に戻り、SA11では、抽選結果が昇格であったか否かが判定され、昇格でなく維持に決定されていたときにはSA13へ移行し、昇格に決定されたときにはSA12へ移行して、前兆演出のステージを一つ上のステージに切り替えるためのステージ切替処理を行なう。ステージを切り替えるタイミングは、次のゲームが開始されたときである例について説明するが、これに限らず、昇格に決定されたゲーム開始時あるいは終了時であってもよく、ゲーム開始時や終了時に限らずゲーム開始から終了までの所定タイミングであってもよい。
ここで、ステージが昇格される際の演出例を説明する。図22は、ステージが昇格される際の演出例を説明するための図である。図22(a)に示すように、第1ステージの開始の際には、液晶表示器51の上部において第1ステージの演出画像の前面側に、キャラクタAの名称を含む「ナナステージ」というステージ名称を示すステージ名称表示領域51aの画像が表示される。スピーカ53、54からのステージ名称の音声出力はない。ステージ名称表示領域51aの画像を表示した後に一定の期間を経過した第1タイミングとなると、図22(b)に示すように、ステージ名称表示領域51aが表示消去され、液晶表示器51には第1ステージの演出画像だけが表示された状態となる。
図22(b)に示すような第1ステージにおいて昇格に決定されたときには、次のゲーム開始のためにスタートスイッチ7が操作されると、図22(c)に示すように、第2ステージに切り替えられ、液晶表示器51の上部において第2ステージの演出画像の前面側に、キャラクタBの名称を含む「夢夢ステージ」というステージ名称を示すステージ名称表示領域51bの画像が表示される。ステージ名称表示領域51bの大きさは、第1ステージにおけるステージ名称表示領域51aよりも大きく、また、このときには、スピーカ53、54からもステージ名称が音声出力されるので、第1ステージよりも遊技者に認識されやすくなる。ステージ名称表示領域51bの画像を表示した後に第1タイミングよりも遅くまでの期間である一定期間を経過した第2タイミングとなると、図22(d)に示すように、ステージ名称表示領域51bが表示消去され、液晶表示器51には第2ステージの演出画像だけが表示された状態となる。
図22(d)に示すような第2ステージにおいて昇格に決定されたときには、次のゲーム開始のためにスタートスイッチ7が操作されると、図22(e)に示すように、第3ステージに切り替えられ、液晶表示器51の上部において第3ステージの演出画像の前面側に、キャラクタCの名称を含む「ドラムくんステージ」というステージ名称を示すステージ名称表示領域51cの画像が表示される。ステージ名称表示領域51cの大きさは、第2ステージにおけるステージ名称表示領域51aよりもさらに大きく、また、このときには、第2ステージの場合よりも大音量でスピーカ53、54からステージ名称が音声出力される。ステージ名称表示領域51cの画像を表示した後に第2タイミングよりも遅くまでの期間である一定期間を経過した第3タイミングとなると、図22(f)に示すように、ステージ名称表示領域51bc表示消去され、液晶表示器51には第3ステージの演出画像だけが表示された状態となる。
また、ステージ昇格抽選の結果に応じて、第4ステージや第5ステージに移行された場合も同様に、液晶表示器51の上部において各ステージの演出画像の前面側に、ステージに対応するキャラクタの名称を含むステージ名称が、ステージ名称表示領域に表示される。この際、ステージ名称表示領域の大きさ、およびスピーカ53、54からの音量は、第3ステージ移行時よりも、第4ステージ移行時の方が大きく、また、第4ステージ移行時よりも、第5ステージ移行時の方が大きくなるように制御される。また、ステージ名称表示領域の画像は、第3ステージ移行時の第3タイミングよりも、第4ステージ移行時の方が遅い第4タイミングまで表示し、また、第4ステージ移行時の第4タイミングよりも、第5ステージ移行時の方が遅い第5タイミングまで表示するように制御される。なお、本実施の形態における前兆演出のステージは、昇格する場合のみについて説明しているが、これに限らず、所定確率でバトル演出において勝利する割合が低くなるキャラクタ対応のステージに降格する場合が生じ得るものであってもよい。たとえば、図22(d)に示すような第2ステージにおいて降格に決定されたときには、次のゲームのためにスタートスイッチ7が操作されると、図22(a)に示す状態に戻って第1ステージに切り替えられるようにしてもよい。
図19に戻り、SA13では、今回ゲームにおいて前兆期間が終了するか否かが判定される。前兆期間が終了しないと判定されたときには、そのまま前兆演出中処理を終了する。一方、前兆期間が終了すると判定されたときには、SA14において前兆演出終了後に実行するバトル演出の種類を抽選するためのバトル演出抽選を行なう。
図24は、前兆演出後のバトル演出抽選用テーブルを説明するための図である。前兆演出後のバトル演出抽選用テーブルは、ROM91bの所定領域に格納されている。前兆演出後のバトル演出では、前兆演出のステージに応じたキャラクタを味方キャラクタとする種類のバトル演出となるが、バトル演出により報知される結果は、AT当選時または優遇期間移行当選時であるか、非当選時であるかに応じて異なる振分率に従って決定されるように構成されている。AT当選時または優遇期間移行当選時であるときには、70%の割合で「勝利」となるバトル演出に決定され、30%の割合で「敗北+復活」となるバトル演出に決定されるように、振分率が定められている。一方、非当選時であるときには、80%の割合で「敗北」となるバトル演出に決定され、20%の割合で「敗北+復活」となるバトル演出に決定されるように、振分率が定められている。
図21に戻り、SA15では、SA14のバトル演出抽選の抽選結果に応じたバトル演出を設定し、前兆演出中処理を終了する。これにより、前兆演出が終了した後に、設定されたバトル演出を5ゲームに亘って実行される。
決定されたバトル演出が「勝利」であったときには、当該バトル演出の結果として、味方キャラクタが勝利して、当選結果に応じて、AT当選している旨あるいは優遇期間移行当選している旨が報知される。決定されたバトル演出が「敗北」であったときには、当該バトル演出の結果として、味方キャラクタが敗北して、AT当選も優遇期間移行当選もしていない旨が報知される。決定されたバトル演出が「敗北+復活」であったときには、当該バトル演出の結果として、「敗北」であるときと同じ態様で報知された後、前兆期間に移行される旨が報知されて前兆期間に移行される。なお、キャラクタDまたはEによるバトル演出中においては、所定操作を促す操作演出を実行するか否かの操作演出抽選を実行し、当該操作演出抽選の抽選結果に応じて当該バトル演出中において操作演出を実行する。所定操作は、たとえば、ゲームを進行させるための操作(たとえば、MAXBETスイッチ6への操作)や、ゲームの進行に影響を与えない操作である。操作演出中において所定操作が受付けられると、特別な演出として操作時演出(特典が付与されるものであってもよい)が実行されるとともに、後述する復活前兆演出における開始ステージの振分率が異なることとなる。
図25は、バトル演出後の復活前兆演出設定処理を説明するためのフローチャートである。バトル演出後の復活前兆演出設定処理では、「敗北+復活」のバトル演出終了後に移行された前兆期間において実行する復活前兆演出が設定される。SA20においては、「敗北+復活」のバトル演出が終了したか否かが判定される。「敗北+復活」のバトル演出が終了していないと判定されたときには、バトル演出後の復活前兆演出設定処理を終了する。一方、SA20において「敗北+復活」のバトル演出が終了したと判定されたときには、SA21において、バトル演出後の復活前兆演出の開始ステージを決定する開始ステージ抽選を行なう。
図26は、開始ステージ抽選において参照する復活前兆演出の開始ステージを決定するための開始ステージ抽選用テーブルを説明するための図である。開始ステージ抽選用テーブルは、ROM91bの所定領域に格納されている。開始ステージ抽選用テーブルは、AT当選時または優遇期間移行当選時であるか非当選時であるかや、終了したバトル演出の種類に応じて異なる振分率に従って開始ステージが決定されるように構成されている。AT当選時または優遇期間移行当選時であるときの振分率については、図26(a)に示されている。終了バトルがキャラクタAであったときには、100%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定される。また、終了バトルがキャラクタBあるいはCであったときには、95%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、5%の割合で終了バトルに対応するキャラクタBあるいはC対応の第2あるいは第3ステージに決定される。終了バトルに対応するキャラクタとは、復活前兆演出実行前のバトル演出における味方キャラクタをいう。
前述したように、キャラクタDまたはEのバトル演出であるときには、操作演出が実行され得る。終了バトルがキャラクタDまたはEのバトル演出であったときには、さらに操作演出が実行されて所定操作が受付けられた(操作有り時)か否かに応じて異なる振分率が定められている。終了バトルがキャラクタDであったときで、操作演出が実行されなかったか、あるいは操作演出実行中に所定操作が受付けられなかったときには、50%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、50%の割合で終了バトルに対応するキャラクタDの第4ステージに決定される。一方、終了バトルがキャラクタDであったときで、操作演出実行時において所定操作が受付けられていたときには、30%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、70%の割合で終了バトルに対応するキャラクタDの第4ステージに決定される。
また、終了バトルがキャラクタEであったときで、操作演出実行時において所定操作が受付けられなかったときには、40%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、60%の割合で終了バトルに対応するキャラクタEの第5ステージに決定される。一方、終了バトルがキャラクタEであったときで、操作演出実行時において所定操作が受付けられていたときには、20%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、80%の割合で終了バトルに対応するキャラクタEの第5ステージに決定される。一方、非当選時であるときの振分率については、図26(b)に示されている。終了バトルがキャラクタAであったときには、100%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定される。また、終了バトルがキャラクタBあるいはCであったときには、98%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、2%の割合で終了バトルに対応するキャラクタBあるいはC対応の第2あるいは第3ステージに決定される。
また、終了バトルがキャラクタDであったときで、操作演出実行時において所定操作が受付けられなかったときには、70%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、30%の割合で終了バトルに対応するキャラクタD対応の第4ステージに決定される。一方、終了バトルがキャラクタDであったときで、操作演出実行時において所定操作が受付けられていたときには、49%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、51%の割合で終了バトルに対応するキャラクタD対応の第4ステージに決定される。
また、終了バトルがキャラクタEであったときで、操作演出実行時において所定操作が受付けられなかったときには、75%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、25%の割合で終了バトルに対応するキャラクタE対応の第5ステージに決定される。一方、終了バトルがキャラクタEであったときで、操作演出実行時において所定操作が受付けられていたときには、49%の割合でキャラクタAに対応する第1ステージに決定され、51%の割合で終了バトルに対応するキャラクタE対応の第5ステージに決定される。
これにより、当選していることに対する信頼度が高いキャラクタのバトル演出が終了したときほど、復活前兆演出の開始ステージとして、終了バトルに対応するステージに決定される割合が高く、かつ、AT当選時あるいは優遇期間移行当選時であるときの方が非当選時であるときよりも高い割合で終了バトルに対応するステージに決定される割合が高い。このため、終了バトルに対応するステージで復活前兆演出が開始されることに対する期待感を向上させることができる。
また、終了バトルがキャラクタDやEに対応するバトル演出であった場合で、かつ操作演出に対応して所定操作を行なっていた場合には、所定操作を行なっていない場合よりも、終了バトルに対応するステージに決定される割合が高くなるように構成されている。このため、キャラクタDやEに対応するバトル演出において、操作演出が実行された場合に、所定操作を行なっていた場合には、所定操作を行なわなかった場合よりも、終了バトルに対応するステージから復活前兆演出が実行される割合が高くなるため、操作演出時における操作を促進させ遊技への介入度合いを向上させることができる。また、AT当選時または優遇期間移行当選時の方が、非当選時よりも、操作演出時に所定操作を行なうことにより高い割合で、終了バトルに対応するステージに決定される。このため、所定操作を行なった後に終了バトルに対応するステージから復活前兆演出が開始された場合におけるAT当選あるいは優遇期間移行当選している信頼度を高めることができる。
なお、終了バトルがキャラクタEであったときにおいては、開始ステージが第1ステージか第5ステージに決定される例について説明したが、これに限らず、開始ステージが第5ステージではなく、第4ステージに決定されるもの、つまり第1ステージか第4ステージに決定されるものであってもよい。たとえば、AT当選時または優遇期間移行当選時において、終了バトルがキャラクタEであったときで、操作演出実行時において所定操作が受付けられなかったときには60%の割合で、操作演出実行時において所定操作が受付けられていたときには80%の割合で、各々、第4ステージに決定されるようにしてもよい。非当選時においても同様であるためその説明を省略する。
図25に戻り、SA22では、開始ステージ抽選の抽選結果に応じたキャラクタ対応のステージでかつ所定期間(たとえば10ゲーム)に亘る復活前兆演出を設定する。本実施の形態における復活前兆演出は、一律所定期間に亘り行なわれる例について説明するが、これに限らず、図19で示したように、複数期間から一の期間を選択して、当該期間に亘り行なうようにしてもよい。
SA23では、開始ステージがキャラクタD以降(つまりキャラクタDと、キャラクタDよりもバトル演出において勝利する割合が高いキャラクタE)対応の第4または第5ステージで復活前兆演出が開始されるか否かを判定し、第4または第5ステージで開始するものではないと判定されたときには、バトル演出後の復活前兆演出設定処理を終了する。一方、第4または第5ステージで復活前兆演出を開始するものであると判定されたときには、SA24において、当該復活前兆演出において開始時のステージ名称を報知するための処理を行ない、バトル演出後の復活前兆演出設定処理を終了する。
これにより、「敗北+復活」のバトル演出終了後において、復活前兆演出を開始することができる。また、開始ステージがキャラクタD以降の第4または第5ステージであった場合には、当該復活前兆演出が実行される復活前兆期間中において所定の報知演出を実行することができる。所定の報知演出としては、たとえば、第4ステージで開始された場合には、第4ステージの名称を液晶表示器51に前兆期間終了まで表示(所定タイミングに到達しても消去されない)するものであってもよい。なお、所定の報知演出中に第5ステージに昇格した場合には、今回の復活前兆期間が第4ステージから開始された旨を特定するための情報を報知する報知演出に切り替えて、当該報知演出を復活前兆期間終了まで表示するようにしてもよい。なお、SA23における判定対象となる開始ステージは、第4ステージ以降に限らず、バトル演出において勝利する割合が比較的高く設定されているキャラクタB以降に対応する第2ステージ以降であってもよく、バトル演出において勝利する割合が最も高く設定されているキャラクタE対応の第5ステージのみであってもよい。
また、復活前兆演出が開始されると、前兆演出が開始されたときと同様に、図21で示した前兆演出中処理が実行され、ステージ昇格に関する処理(SA10〜SA12)が実行される。また、復活前兆期間が終了するときには、SA14、SA15と同様の処理が実行される。なお、復活前兆演出が終了するときのSA14におけるバトル演出抽選では、復活後のバトル演出抽選用テーブルが参照される。
図27は、復活前兆演出後のバトル演出抽選用テーブルを説明するための図である。復活後のバトル演出抽選用テーブルは、ROM91bの所定領域に格納されている。復活後のバトル演出抽選用テーブルは、AT当選時または優遇期間移行当選時であるときには100%の割合で、前兆演出のステージに応じたキャラクタを味方キャラクタとし、かつ「勝利」となるバトル演出に決定され、非当選時であるときには100%の割合で、前兆演出のステージに応じたキャラクタを味方キャラクタとし、かつ「敗北」となるバトル演出に決定される。これにより、AT抽選や優遇期間移行抽選の結果がバトル演出により報知される。また、復活前兆演出後のバトル演出において、「敗北+復活」となるバトル演出に決定されることを未然に防止しているため、バトル演出および前兆演出が必要以上に繰り返し行なわれてしまうことを防止できる。
第1のAT抽選条件成立を契機としてAT当選していた場合には、バトル演出により当該AT当選が報知された後において、後述するようにATゲーム数が報知されてATに制御される。また、第1のAT抽選条件成立を契機として優遇期間移行当選していた場合には、バトル演出により当該優遇期間移行当選が報知された後において優遇期間への制御が開始される。図28は、煽り演出、前兆演出、およびバトル演出が実行された場合のタイミングチャートの例を説明するための図である。なお、煽り演出、前兆演出、およびバトル演出をまとめてバトル関連演出ともいう。図28(a)は、前兆期間が設定された後にバトル演出に移行された場合におけるタイミングチャートの一例を示している。まず、煽り演出が実行され、前兆期間に移行されて前兆演出が実行された後に、バトル演出が実行される。この場合、前兆演出の開始ステージは、図18のSA04で示したようにキャラクタA対応の第1ステージが設定され、図23のSA10の抽選結果に応じて、前兆演出のステージが昇格する演出が行なわれ、ステージの種類によりバトル演出において勝利する割合を示唆することができる。
図28(b)は、前兆期間が設定されることなくバトル演出に移行された場合におけるタイミングチャートの一例を示している。煽り演出が実行された後、前兆期間に移行されることなく、バトル演出が実行される。この場合、バトル演出の種類を煽り演出の種類によって示唆するようにしてもよい。図28(c)は、前兆期間が設定されたか否かにかかわらず、バトル演出において「敗北」が報知された後に復活前兆演出に移行された場合におけるタイミングチャートの一例を示している。バトル演出において「敗北」が報知された後、復活前兆期間に移行されて、復活前兆演出が実行される。この場合、復活前兆演出の開始ステージは、図25のSA21における開始ステージ抽選により決定される。開始ステージ抽選では、図26に示す開始ステージ抽選用テーブルが参照される。このため、たとえば、開始ステージとして期待度が高いキャラクタDやE対応の第4ステージあるいは第5ステージに決定される割合は、終了バトルの種類がキャラクタEであるときが最も高く、その次にキャラクタDが高く、キャラクタA〜Cのときには選択されないように設定されている。また、開始ステージとして、期待度度が第1ステージよりも高い第2ステージあるいは第3ステージに決定される割合は、キャラクタB、Cのの方がキャラクタAよりも高くなるように設定されている。また、開始ステージとして期待度が高まるキャラクタDやE対応の第4ステージや第5ステージに決定される割合は、終了バトルにおいて操作演出が実行されて所定操作が受付けられたときの方が、所定操作が受付けられなかったときよりも高くなるように設定されている。復活前兆演出終了後においては、図21のSA14におけるバトル演出抽選において、図27の復活後のバトル演出抽選用テーブルが参照されて決定されたバトル演出が実行されて、AT当選か否かあるいは優遇期間移行当選か否かの結果が報知される。
[ATゲーム数報知処理]
獲得したATゲーム数は、ATゲーム数報知処理により、1回あるいは複数回に切り分けて分割して報知される。サブ制御部91は、AT初当り後で、かつ第1のAT抽選条件成立によりAT初当り当選した場合にはバトル演出によりAT当選が報知された後であって、RT3への制御契機となる押し順突入リプレイに当選したゲームが終了したとき(当該ゲームにおいて突入リプ入賞してRT3に制御されたか否かにかかわらない)に、報知すると決定されているATゲーム数を報知し、すでにRT3中であるとき(AT終了後のRT3を含む)や優遇期間であるときには当該ゲームにおいて報知すると決定されているATゲーム数を報知して、次ゲームからATゲーム数の減算を行なう。
サブ制御部91は、ATゲーム数報知処理により報知されると、報知されたゲーム数分減算した未報知ゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。たとえば、「30ゲーム」を特定するための未報知ゲーム数情報が記憶されているときにおいて、「20ゲーム」が報知されたときには、「10ゲーム」を特定するための未報知ゲーム数情報に更新される。また、未報知ゲーム数情報から未報知のATゲーム数が残存しているときに、再びAT抽選で当選すなわち上乗せ当選したときには、未報知ゲーム数情報から特定される未報知のATゲーム数に今回獲得したATゲーム数を上乗せ加算したゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。たとえば、「30ゲーム」を特定するための未報知ゲーム数情報が記憶されているときに、AT抽選において上乗せ当選して「20ゲーム」に決定されたときには、30+20=50となり、「50ゲーム」を特定するための未報知ゲーム数情報に更新される。サブ制御部91は、演出状態制御処理に含まれるATゲーム数報知処理を実行することにより、未報知のATゲーム数の範囲内でゲーム数を設定して報知するとともに、1ゲーム消化に応じて1ずつ減算表示することにより行なわれる。本実施の形態におけるゲーム数の報知は、たとえば、液晶表示器51の所定表示領域に表示することにより行なわれ、1ゲームが開始するとき(あるいは1ゲームが終了するとき)に1ずつ減算表示される。
図29は、サブ制御部91により実行されるATゲーム数報知処理を説明するためのフローチャートである。ATゲーム数報知処理は、たとえば、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態において1ゲームが開始されるときに実行される。ATゲーム数報知処理においては、S01において未報知ゲーム数情報に基づき、未報知ゲーム数が0より大きいか否かすなわち未報知ゲーム数が存在するか否かが判定される。AT抽選でAT初当りあるいは上乗せ当選したときには、必ず未報知ゲーム数が存在することになる。S01において、未報知ゲーム数が0であると判定されたときには、S15に移行し、未報知ゲーム数が0より大きいと判定されたときには、S02に移行する。
S02においてAT初当りしたか否かが判定される。すなわち、非AT中においても成立し得る第1〜第3のAT抽選条件のうちいずれかが成立しAT抽選が行なわれて、当該AT抽選でAT初当りしたか否かが判定される。S02においてAT初当りしたと判定されたときには、S02aにおいて今回のAT初当りが第1のAT抽選条件成立を契機とするAT当選であるか否かが判定される。S02aにおいて、第1のAT抽選条件成立を契機とするものではないと判定されたときには、S03へ移行する。
一方、S02aにおいて、第1のAT抽選条件成立を契機とするものであると判定されたときには、S02bにおいて今回のAT当選がバトル演出で報知されたか否かが判定される。S02bにおいて今回のAT当選がバトル演出で報知されたと判定されたときには、S03へ移行する。S02bにおいて今回のAT当選がバトル演出で報知されていないと判定されたときには、S15へ移行する。第1のAT抽選条件が成立してAT初当りした場合には、前述したように、バトル演出が実行されてAT当選が報知される。このため、バトル演出により当該AT当選が報知されるまでATゲーム数を報知せずにAT当選を特定不能とし、バトル演出においてAT当選が報知された後においてS03以降の処理によりATゲーム数が報知される。
S03においては、図30(a)に示す初当り時テーブルを参照して、獲得したATゲーム数の範囲内で、初回に報知するゲーム数(以下、初回ゲーム数ともいう)を決定し、S10に移行して未報知ゲーム数から今回決定された初回ゲーム数を減算した後の残りゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。一方、S02においてAT初当りしていないと判定されたときには、AT中にAT抽選条件が成立することにより行なわれたAT抽選で上乗せ当選したか否かがS04において判定される。すなわち、第1〜第5のAT抽選条件のうちいずれかが成立しAT抽選が行なわれて、当該AT抽選で上乗せ当選したか否かが判定される。S04において上乗せ当選したと判定されたときには、S05において、図30(b)に示す上乗せ時テーブルを参照して、未報知のATゲーム数の範囲内で、上乗せ報知するゲーム数(以下、上乗せゲーム数ともいう)を決定し、S10に移行して未報知ゲーム数から今回報知すると決定された上乗せゲーム数を減算した後の残りゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。
S04において上乗せ当選していないと判定されたときには、S06において、未報知のATゲーム数がありながら、現在報知されている報知ゲーム数が1であって今から開始されるゲームで0になってしまう状況(すなわち後述するS16で表示されているゲーム数が0となってしまう状況)であるか否かが判定される。S06において報知ゲーム数(現在報知中のATゲーム数)が1であると判定されたときには、S07において、図30(c)に示す終了時テーブルを参照して、未報知のATゲーム数の範囲内で、上乗せ報知する上乗せゲーム数を決定し、S10に移行して未報知ゲーム数から今回報知すると決定された上乗せゲーム数を減算した後の残りゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。
S06において報知ゲーム数が1でないと判定されたときには、S08において予め定められた特定の当選状況であるか否かが判定される。予め定められた特定の当選状況とは、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4、およびBARリプレイのうちいずれかに当選している状況、およびいずれの入賞役にも当選していない状況を言う。よって、S08では、今から開始されるゲームの内部抽選状況が特定の当選状況であるか否かが判定される。S08においてATゲーム数を現在報知中であってかつ予め定められた特定の当選状況であると判定されたときには、S09において図30(d)に示す特定時テーブルを参照して、未報知のATゲーム数の範囲内で、上乗せ報知する上乗せゲーム数を決定し、S10に移行して未報知ゲーム数から今回決定された上乗せゲーム数を減算した後の残りゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。S08において予め定められた特定の当選状況でないと判定されたときには、S11に移行される。
S11においては、S03、S05、S07、およびS09のうちいずれかで、初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数が決定されたか否かが判定される。S11において、決定されていないと判定されたときには、S15に移行される。一方、S11において、決定されていると判定されたときには、S12において、該決定された初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数に応じたゲーム数報知演出を設定する。初回ゲーム数を報知するゲーム数報知演出は、RT3への制御契機となる押し順突入リプレイに当選したゲームが終了したときか、すでにRT3中であるとき(AT終了後のRT3を含む)や優遇期間であるときにはそのゲームが終了したときに行なわれる。たとえば、初回ゲーム数として「50ゲーム」が決定されたときには、ゲーム数報知演出として、キャラクタを表示させるとともに所定のメッセージが液晶表示器51に表示された後、「AT当選!50ゲーム獲得!」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、続いて、「残り50ゲーム」といったメッセージが右上領域に表示され、画面中央において「AT開始」といったメッセージが表示される。
上乗せゲーム数を報知するゲーム数報知演出は、ゲームの進行状況に応じたタイミングで行なわれる。上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定されたときには、ゲーム数報知演出として、キャラクタを表示させるとともに所定のメッセージが液晶表示器51に表示された後、「30ゲーム上乗せ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。たとえば、上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定されたときには、ゲーム数報知演出として、キャラクタを表示させるとともに所定のメッセージが液晶表示器51に表示された後、「+30ゲーム」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、続いて、上乗せゲーム数が加算された残りゲーム数を特定するためのメッセージが右上領域に表示される。上乗せ当選したときの、ゲームの進行状況に応じたタイミングとは、AT初当り後においてART中や優遇期間であるときの上乗せ分は、この上乗せ当選されたゲームが終了したときをいう。また、AT初当り後のARTにおいて転落リプ入賞や転落出目停止などによりAT+通常に制御されてから再びRT3に制御されてARTに移行されるまでの間(つまり転落後のAT+通常中やAT+RT2中などの特別期間)における上乗せ分についてのゲームの進行状況に応じたタイミングは、報知ゲーム数が0となったときか、報知ゲーム数が0となるまでに再びARTに移行されたときには当該ARTに移行されたときをいう。報知ゲーム数が1となったときや特定の当選状況となったときの、ゲームの進行状況に応じたタイミングとは、そのゲームが終了したときをいう。
ゲーム数報知演出は、報知すると決定されたゲーム数を1のタイミングで報知する。しかし、ゲーム数報知演出は、報知すると決定されたゲーム数が結果的に報知されるものであればこれに限るものではない。ゲーム数報知演出は、たとえば、前回ゲームの出目停止あるいは今回ゲームの賭数設定操作がされてから、次ゲームの賭数の設定操作が行なわれるまで(次ゲームの賭数の設定操作により演出が実行される場合には当該演出が終了するまでの間を含む)の所定期間内において、報知すると決定されたゲーム数を分割して複数タイミング(たとえば、第1停止時、第2停止時、第3停止時、次ゲームの賭数設定時など)に分けて報知するようにしてもよい。
報知すると決定されたゲーム数を所定期間内の複数タイミングに分けて報知するものとしては、報知すると決定されたゲーム数(たとえば50ゲーム)を、A、B、Cに分けて(たとえば、A〜Cは同じゲーム数となるものであってもよく、また段階的に大きくなるように、10、15、25となるものであってもよい)、第1停止操作がされたときにAを報知し、第2停止操作がされたときにBを報知し、第3停止操作が行なわれたときにCを報知するものであってもよい。また、ゲーム数報知演出として表示するキャラクタから発せられるメッセージは、複数種類設けられている。たとえば、その後においてフリーズ発生する場合には、フリーズ発生しない場合よりも高い割合で、第1態様のメッセージ(後述する図34(l)に示す「やった〜」)が選択される。
また、ATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されないときであっても、ゲーム数報知演出として表示するキャラクタと同様のキャラクタを表示してメッセージを表示する。この場合において、その後にATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されるときには、ATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されないときよりも高い割合で、第2態様のメッセージ(後述する図34(p)に示す「チャンスかも」)が選択される。これとは逆に、その後にATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されないときには、ATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されるときよりも高い割合で、第3態様のメッセージ(たとえば「運次第」)が選択される。これにより、表示するキャラクタから発せられるメッセージから、その後にフリーズが発生すること、およびその後にATゲーム数が報知されることに対する期待感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、ゲーム数報知演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者がATに制御され得るゲーム数を特定可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ゲーム数報知演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
S13においては、報知されたゲーム数を特定するための報知ゲーム数情報が更新される。たとえば、初回ゲーム数として「50ゲーム」が決定されたときには、50を特定するための報知ゲーム数情報を設定し、上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定されたときであって、それまでの報知ゲーム数情報から特定される報知ゲーム数が「28」であるときには、30+28=58を特定するための報知ゲーム数情報に更新される。この報知ゲーム数情報から、液晶表示器51において報知されているゲーム数を特定することができる。なお、報知ゲーム数情報は、RAM91cの所定領域に格納される。S14においては、S03、S05、S07、およびS09のうちいずれかで決定された初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数をリセットし、S15に移行する。
S15においては、RT1でなく、かつ報知ゲーム数情報に基づき報知されている報知ゲーム数が0より大きいか否かが判定される。S15において、RT1であるか、あるいは報知ゲーム数が0(あるいは報知されていない)であると判定されたときには、そのままATゲーム数報知処理を終了する。一方、S15において、RT1でなく、かつ報知ゲーム数が0より大きいと判定されたときには、S16において、報知ゲーム数を1減算させたゲーム数となるように、報知ゲーム数情報を1減算更新するとともに、液晶表示器51に表示している報知ゲーム数の値を1減算表示させ、ATゲーム数報知処理を終了する。なお、前述した優遇期間に移行されているときには、報知ゲーム数情報を1減算更新しないようにしてもよい。つまり、優遇期間中は、AT抽選において有利となるものに替えてあるいは加えて、ATゲーム数が消費されないようにして、遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
本実施の形態におけるスロットマシンでは、AT中でありながら転落出目の停止や転落リプ入賞が発生することにより通常遊技状態に転落した後においても、ATへの制御を継続し、S15でYESと判定されることにより報知ゲーム数が1減算される。また、ARTから一旦通常遊技状態に制御された後においても、第1〜第3、第5のAT抽選条件のみならず第4のAT抽選条件が成立することによりAT抽選が行なわれ、抽選結果に応じてATゲーム数が上乗せ加算される。また、ARTから一旦通常遊技状態に制御された後においても、図17に示すように、有利な態様で優遇期間移行抽選が行なわれる。
図30は、ATゲーム数報知処理で参照されるテーブルであって、未報知のATゲーム数の範囲内で報知する初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数を決定するために用いるテーブルを説明するための図である。図30(a)は、初当り時テーブルを示している。初当り時テーブルは、ゲームの進行状況がどのような状況であるか、および、未報知ゲーム数が所定ゲーム数以上であるか否かに応じて、初回ゲーム数を決定するための振分率が定められている。
まず、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT終了後のRT3中であるときについて説明する。未報知のATゲーム数が40ゲーム未満であるときには、100%の確率で必ず「未報知ゲーム数分」が報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、未報知のATゲーム数が「40〜200ゲーム」であると判定されたときには、80%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「40ゲーム」が、報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。また、未報知のATゲーム数がAT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームであるときには、100%の確率で必ず「未報知ゲーム数分」が報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。
次に、ゲームの進行状況が優遇期間でも、AT終了後のRT3中でもないときについて説明する。未報知のATゲーム数が40ゲーム未満であるときには、60%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「10ゲーム」が、20%の確率で「20ゲーム」が、報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、未報知のATゲーム数が「40〜200ゲーム」であると判定されたときには、10%の確率で「未報知ゲーム数分」が、18%の確率で「10ゲーム」、「20ゲーム」、「30ゲーム」、「40ゲーム」、および「50ゲーム」のうちいずれかが、初回ゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。また、未報知のATゲーム数がAT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームであるときには、80%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「50ゲーム」が、報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。
図30(b)は、上乗せ時テーブルを説明するための図である。上乗せ時テーブルは、ゲームの進行状況がどのような状況であるか、および、上乗せ当選により上乗せすると決定されたゲーム数(今回上乗せゲーム数)が所定ゲーム数以上であるか否かに応じて、上乗せゲーム数を決定するための振分率が設定されている。
まず、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT+通常中、AT+RT2中であるときについて説明する。今回上乗せゲーム数が40ゲーム未満であるときには、100%の確率で必ず「今回上乗せゲーム数分」が報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、今回上乗せゲーム数が「40〜200ゲーム」であると判定されたときには、80%の確率で「今回上乗せゲーム数分」が、20%の確率で「40ゲーム」が、報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。また、今回上乗せゲーム数がAT抽選で当選し得る上限である250ゲームであるときには、100%の確率で必ず「未報知ゲーム数分」が報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。
なお、ゲームの進行状況がARTにおいて操作ミスなどによって制御されたAT+通常中やAT+RT2中であるときに報知すると決定されたゲーム数は、決定されたタイミングで報知するようにしてもよく、または、所定条件が成立したタイミングで報知するように構成してもよい。所定条件は、たとえば、現在報知しているゲーム数が0に到達するか、あるいは、ゲーム数が0に到達するまでにRT3に制御されて再びARTに制御されることなどにより成立するものであってもよい。
次に、ゲームの進行状況が優遇期間でも、AT+通常中、AT+RT2中のいずれでもないときについて説明する。今回上乗せゲーム数が40ゲーム未満であるときには、60%の確率で「今回上乗せゲーム数分」が、20%の確率で「10ゲーム」が、20%の確率で「20ゲーム」が、報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、今回上乗せゲーム数が「40ゲーム」以上であると判定されたときには、10%の確率で「今回上乗せゲーム数分」が、18%の確率で「10ゲーム」、「20ゲーム」、「30ゲーム」、「40ゲーム」、および「50ゲーム」のうちいずれかが、報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。また、今回上乗せゲーム数がAT抽選で当選し得る上限である250ゲームであるときには、80%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「50ゲーム」が、報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。
図30(c)は、終了時テーブルを説明するための図である。終了時テーブルは、ゲームの進行状況がどのような状況であるかに応じて、上乗せゲーム数を決定するための振分率が定められている。ゲームの進行状況がAT+通常中やAT+RT2中であるときには、100%の確率で必ず「未報知ゲーム数分」が報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、AT+通常中やAT+RT2中のいずれでもないときには、20%の確率で「5ゲーム」、「10ゲーム」、「15ゲーム」、「20ゲーム」、および「25ゲーム」のうちいずれかが、上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。
図30(d)は、特定時テーブルを説明するための図である。特定時テーブルは、上乗せゲーム数を決定する契機が、はずれであったか、特定の入賞役に当選したかに応じて異なる振分率が定められ、かつ特定の入賞役当選したときにはさらに未報知ゲーム数が所定ゲーム以上であるか否かに応じて異なる振分率が定められている。上乗せゲーム数を決定する契機がはずれであったときには、95%の確率で「報知なし」が、3%の確率で「5ゲーム」が、2%の確率で「10ゲーム」が、上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。
また、上乗せゲーム数を決定する契機が特定の入賞役当選したときであって、未報知のATゲーム数が「40ゲーム」未満であると判定されたときには、20%の確率で「報知なし」が、40%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「5ゲーム」が、20%の確率で「10ゲーム」が、上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。一方、上乗せゲーム数を決定する契機が特定の入賞役当選したときであって、未報知のATゲーム数が「40ゲーム」以上であると判定されたときには、5%の確率で「報知なし」が、10%の確率で「未報知ゲーム数分」が、17%の確率で「5ゲーム」、「10ゲーム」、「15ゲーム」、「20ゲーム」、および「25ゲーム」のうちいずれかが、上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。これにより、未報知のATゲーム数が多いときには、未報知のATゲーム数が少なく、比較的切り分けて分割報知しにくい状況であるときよりも、高い割合で切り分けて分割報知されやすいように、振分率が設定されている。なお、図30で示したテーブルが参照されて決定された初回ゲーム数および上乗せゲーム数が、現在の未報知ゲーム数より大きいゲーム数であったときには、「未報知ゲーム数」が、初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数に決定される。
図31は、ゲームの進行に応じた、報知ゲーム数および未報知ゲーム数の変化の一例を説明するためのタイミングチャートである。図31では、AT抽選の当選状況、報知ゲーム数情報から特定され液晶表示器51において報知されている報知ゲーム数、および未報知ゲーム数情報から特定される未報知ゲーム数が示されている。図31のタイミング1は、一例として、非AT中においてAT初当りし、「50ゲーム」がATゲーム数に決定され、当該「50ゲーム」のうち、図29のS03において「20ゲーム」が報知ゲーム数に決定された場合を示している。つまり、獲得したATゲーム数を分割して複数のタイミングに分けて報知する例を示している。
AT初当りしたときには、図29のS12で示したとおり、ゲーム数報知演出として「AT当選!20ゲーム獲得!」といった演出が実行された後、報知ゲーム数として「20ゲーム」が報知されている。また、未報知ゲーム数は、50−20=30ゲームとなっている。AT初当り時の初回ゲーム数は、前述したように、RT3への制御契機となる押し順突入リプレイに当選したゲームが終了したときか、すでにRT3中であるとき(AT終了後のRT3を含む)や優遇期間であるにはそのゲームが終了したときに報知される。なお、報知ゲーム数は、図29のS16で示したとおり、ゲーム消化される毎に1ずつ減算表示される。
タイミング2は、特定の当選状況となり、未報知ゲーム数「30ゲーム」のうち、図29のS09において「20ゲーム」が上乗せゲーム数に決定された場合を示している。なお、図31では、当該上乗せ前の報知ゲーム数が「12ゲーム」であるときを例示している。特定の当選状況となったときの上乗せゲーム数は、前述したようにそのゲームが終了したときに報知される。上乗せゲーム数が決定されたときには、図29のS12で示したとおり、ゲーム数報知演出として「20ゲーム上乗せ!」といった演出が実行された後、報知ゲーム数として12+20=「32ゲーム」が報知されている。また、未報知ゲーム数は、30−20=10ゲームとなっている。
タイミング3は、上乗せ当選して「30ゲーム」が上乗せされるATゲーム数に決定され、未報知ゲーム数が一旦10+30=「40ゲーム」となり、上乗せされるATゲーム数である「30ゲーム」のうち、当該上乗せ当選により図29のS05において「20ゲーム」が上乗せゲーム数に決定された場合を示している。なお、図31では、当該上乗せ前の報知ゲーム数が「4ゲーム」であるときを例示する。上乗せゲーム数が決定されたときには、図29のS12で示したとおり、ゲーム数報知演出として「20ゲーム上乗せ!」といった演出が実行された後、報知ゲーム数として4+20=「24ゲーム」が報知されている。また、未報知ゲーム数は、40−20=20ゲームとなっている。上乗せ当選したときの上乗せゲーム数は、前述したように、AT+通常中やAT+RT2などであるときには再びRT3に制御されてARTに移行されたとき(それ以前に報知ゲーム数が0となったときにはそのタイミング)に報知され、それ以外の優遇期間を含む期間であるときにはそのゲームが終了したときに報知される。
タイミング4は、報知ゲーム数が1となったとき、すなわち図29のS06において「YES」と判定されたときにおいて、図29のS07において未報知ゲーム数「20ゲーム」のうち「10ゲーム」が上乗せゲーム数に決定された場合を示している。報知ゲーム数が1となることを契機として上乗せゲーム数が決定されたときには、前述したように、図29のS16において報知ゲーム数が1減算表示されて一旦「0ゲーム」となった後に、ゲーム数報知演出として「10ゲーム上乗せ!」といった演出が実行されるため、「10ゲーム」が報知されている。また、未報知ゲーム数は、20−10=10ゲームとなっている。報知ゲーム数が1となったときの上乗せゲーム数は、前述したようにそのゲームが終了したときに報知される。このように、獲得したATゲーム数を、1回あるいは複数回に切り分けて分割して報知することにより、ATに制御されるゲーム数を示す報知ゲーム数が上乗せされる機会を増やすことができる。また、報知ゲーム数の上乗せも、当選状況に応じて実行され得る。このため、ATゲーム数を獲得した後の当選状況によって、まるで新たにATゲーム数を獲得したかのような印象を効果的に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、通常遊技状態、RT2、あるいはRT3であるときに、演出状態制御処理に含まれるAT管理処理を行なうことにより、図29のS13およびS16において更新される報知ゲーム数情報に基づき、報知ゲーム数が1以上であるときに、ATに制御する。具体的に、サブ制御部91は、通常遊技状態、RT2、あるいはRT3であるときにおいて、1以上の報知ゲーム数情報が設定されているときには、ATに制御する。なお、通常遊技状態あるいはRT2においてATに制御されたときには、当該通常遊技状態およびRT2においては、1ゲーム消化しても、ATゲーム数を1減算させずに、ATに制御しナビ演出が実行可能となる。AT中における通常遊技状態において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたときには、当該RT2においても当該ATへの制御が継続される。AT中におけるRT2において突入リプ入賞によりRT3に制御されたときには、RT3かつATであるARTに制御する。報知ゲーム数情報に基づき、報知ゲーム数が0になると、ATが終了する。なお、一旦ARTに制御された後に、操作ミスなどにより再びAT+通常中やAT+RT2中となっても、その場合には、ゲーム消化毎に報知ゲーム数が1減算される。
ATに制御されている間、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したゲームにおいて対応するナビ演出が実行される。遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常遊技状態であるときには昇格リプを含む押し順昇格リプレイ1〜6をいい、RT2であるときには突入リプあるいは転落リプを含む押し順維持リプレイ1〜5、および押し順突入リプレイ1〜4をいい、RT2およびRT3であるときには押し順メロン1〜5をいう。これにより、AT中においては、意図的に当選した昇格リプ入賞、転落リプ入賞回避、突入リプ入賞、およびメロン1入賞(12枚払出)させることができる。
[遊技演出実行処理]
サブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を実行することにより、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを入賞させてRT2に制御させるための押し順(図9参照)が報知される。たとえば、押し順昇格リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順昇格リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順維持リプレイ1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させかつ昇格リプを入賞させてRT2を維持させるための押し順(図10参照)が報知される。たとえば、押し順維持リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順維持リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させかつ突入リプを入賞させてRT3に制御させるための押し順(図11参照)が報知される。たとえば、押し順突入リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順突入リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、RT2やRT3において押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて中リール2Cの「メロン」を中段に停止させてメダルを12枚払いださせるための押し順(すなわちチャンス出目によりメロン1入賞させるための押し順、図12参照)が報知される。たとえば、押し順メロン1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順メロン2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作手順を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作手順で操作することができる。なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
また、サブ制御部91は、遊技状態演出実行処理を行なうことにより、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品を用いて実行する。遊技状態演出としては、たとえば、遊技状態に関わらず非AT中(潜伏期間中を含む)であるときには、通常演出(たとえば、液晶表示器51に「通常中」といったメッセージを表示など)が行なわれる。また、遊技状態に関わらずAT中であるときには、特別演出(たとえば、液晶表示器51に「AT中」といったメッセージ、あるいはART中画像であるキャラクタを表示など)が行なわれる。また、ATに制御されるとき、およびAT中であるときには、遊技状態演出として、前述したゲーム数報知演出や、報知ゲーム数の表示が行なわれる。
また、本実施の形態においては、BB2、BB3、およびRBのいずれかと比較的高い確率で同時当選し得るイチゴやブドウに当選したことを条件として、所定期間(たとえば、5ゲーム)に亘り、ボーナス当選していることを煽るための演出が行なわれる。すなわち、遊技状態演出として、イチゴやブドウに当選したことを条件として所定期間に亘り、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出が行なわれる。この連続演出は、所定期間にわたり一連の物語を展開する演出を行なった後に、物語の結末としてボーナス当選の有無および種類を報知するボーナス当選報知を行なう演出である。これにより、所定期間に亘って、ボーナス当選しているかもしれないことを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、サブ制御部91により実行される演出制御処理では、フリーズコマンドを受信すると、所定期間に亘り、フリーズ中演出(ゲーム数報知演出に含まれる)を実行するための処理を行なう。フリーズ中演出としては、フリーズ期間中において、対応する画像を液晶表示器51に表示するとともに、対応するパターンで演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を制御することにより行なわれる。なお、メイン制御部41側において制御されるフリーズは、当該フリーズを実行する契機となった実行条件の種類に応じて態様を異ならせる(たとえば遅延期間を異ならせるなど)ようにしてもよい。この場合、メイン制御部41は、実行条件の種類を特定可能なフリーズコマンドを送信するようにしてもよい。また、サブ制御部91側において制御されるフリーズ中演出は、フリーズコマンドから特定される実行条件の種類に応じて態様を異ならせる(たとえば演出期間および演出内容を異ならせる)ようにしてもよい。
次に、ART中における操作ミスなどにより転落出目停止や転落リプ入賞により当該ARTが終了してAT+通常に制御された後、再度ARTが開始されるまでの期間でAT抽選(上乗せ抽選)を行なう具体例について図32および図33を用いて説明する。まず、AT初当り後のAT+RT2のゲームで押し順突入リプレイに当選し、ナビ演出にしたがって突入リプ入賞となるように、リール2L、2C、2Rが停止し、図32(a)に示すように、入賞ラインL1に「バナナ−バナナ−白7」の組合せが揃って突入リプが入賞したとする。
突入リプが入賞するとRT2からRT3に移行してARTへの制御が開始となる。このときに、ATゲーム数の報知が行なわれるとともにATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知も行なわれる。図32(a)では、ATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知として、液晶表示器51から「AT開始」との文字201が表示されている。また、ATゲーム数報知として、AT初当り時にATゲーム数報知処理において初回ゲーム数として決定されていたゲーム数が表示される。図32(a)では、初回ゲーム数として50に決定されていた場合の例として「残り50ゲーム」の文字200が表示されている。なお、図示はしないが、ATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知はARTのゲームが開始(すなわち、同図(a)の次ゲームが開始)されるとともに終了し、ARTのゲームでは、ART中画像であるキャラクタ204(同図(d))が表示される。そして、同図のゲームの次ゲームからATのゲーム数が減算される。
なお、押し順突入リプレイに当選したが、操作ミスなどにより突入リプが入賞しなかった場合にはRT3に制御されないためARTは開始されないが、この場合にはARTが開始されなくてもATゲーム数の減算は開始することが好ましい。つまり、AT+RT2において押し順突入リプレイに当選したゲームが終了すると、図32(a)と同じ報知とATゲーム数報知とを行なう。これにより、意図的に突入リプを入賞させないことによりいつまでたってもATゲーム数の減算を開始させないような本来意図しないゲーム進行が行なわれてしまうことを防止することができる。なお、前述したように、すでにRT3中であるとき(AT終了後のRT3を含む)や優遇期間であるときにAT初当りしたときには、そのゲーム終了後においてATゲーム数報知などが開始される。
図32(b)に示すように、例えば、ARTで42ゲームが行なわれ、残り8ゲームであることを示す文字200が表示されているときに、リール2Cを第1停止、リール2Lを第2停止、リール2Rを第3停止とすることを促す「中左押し」(図32では「2−1−3」)といったナビ画像202が表示されたとする。そして、遊技者がストップスイッチの操作を誤り、リール2Lを最初に停止させてしまったとする。
図32(c)に示すように、上記の結果、遊技者が全てのリールを停止させたところ、例えばリール2Cのメロンが上段に停止してメロン入賞する移行出目の組合せが揃ったとする。これにより、RT3から通常遊技状態に移行され、ARTが終了し、AT+通常に制御されてしまう。また、液晶表示器51からはストップスイッチの操作順序を誤ったことを報知する「Miss」の文字203が表示される。図32(d)に示すように、ARTが終了したものの、ATのゲーム数が残っているので、液晶表示器51からは「残り7ゲーム」の文字200を表示するとともに、ART中画像であるキャラクタ204の表示を継続することにより、ART中画像の表示を継続する。このように、ART中画像の表示を継続することにより、ARTが終了したときに遊技者がゲームを中止してしまうことを防止することが可能になり、スロットマシンの稼働率が低下することを防止できる。以降もATゲーム数が存在する限り、ATが維持されてナビ演出が実行されるため、ナビ演出にしたがった操作手順で操作することにより、通常遊技状態からRT2へ移行させ、RT2からRT3へ移行させることにより再びARTに制御されることになる。
また、AT+通常中やAT+RT2中においても、ART中と同じ態様でAT抽選や優遇期間移行抽選が行なわれる。このため、ATゲーム数が上乗せされる場合がある。ARTからAT+通常に制御されて再びARTに制御されるまでに上乗せされた未報知ゲーム数については、再びRT3に制御されてARTに移行されたとき(それ以前に報知ゲーム数が0となったときにはそのタイミング)に報知される。なお、優遇期間において上乗せされた場合には、報知すると決定されたゲーム数をそのゲーム終了時に報知する。なお、ARTからAT+通常に制御されて再びARTに制御されるまでに上乗せされずとも、最初から未報知ゲーム数が存在している場合もある。この場合には、報知ゲーム数が1となったゲーム(終了時に報知されているATゲーム数が0となるゲーム)や特定の当選状況となったゲームが終了したときに報知する。
図32(e)では、報知されていたATゲーム数が0となったときに、未報知ゲーム数が30存在していた場合を例示している。図32(e)に示すように、ゲーム数報知演出として、液晶表示器51において「+30ゲーム」の文字205が表示される。なお、図32(e)では図示していないが、ゲーム数報知演出では、文字205が表示されるまでに、キャラクタを表示させるとともに所定のメッセージを表示することにより、報知ゲーム数が上乗せされることを煽る演出が実行される。この場合におけるメッセージの内容によって、前述したように、その後において実際にフリーズ発生すること、およびATゲーム数が上乗せ報知されることに対する期待感を異ならせることができる。図32(f)に示すように、30ゲームが上乗せされた結果、ATの残りゲーム数が30ゲームであることを示す文字200が表示される。
図33(g)は、通常遊技状態からRT2に移行された後であって、ATが残り24ゲームになったゲーム(図中「残り24ゲーム」の文字200が表示された状態)で押し順突入リプレイ(ここでは中左押しあるいは中右押しで突入リプ入賞となる押し順突入リプレイ3)に当選した場合を示している。この場合、図33(g)に示すように、リール2Cを第1停止、リール2Lを第2停止、リール2Rを第3停止とすることを促す「中左押し」(図32では「2−1−3」)ナビ画像206が表示される。なお、ナビ画像206はナビ画像202と表示態様が異なり、ナビ画像202に網掛けした態様になっている。本実施の形態では、網掛けなしの態様では押し順で有利度が異なるベルに当選したことを報知し、網掛け有りの態様では押し順で有利度が異なるリプレイに当選したことを報知している。
図33(h)に示すように、遊技者はナビ画像206に従い、リール2Cが第1停止となるようにストップスイッチ8Cを操作し、続いて、図33(i)に示すように、リール2Lが第2停止となるようにストップスイッチ8Lを操作し、最後に、図33(j)に示すように、リール2Rが第3停止となるようにストップスイッチ8Rを操作したとする。これにより、入賞ラインに「バナナ−バナナ−白7」の組合せが揃って、例えば突入リプが入賞したとする。突入リプが入賞するとRT2からRT3に移行し、再びARTが再開される。ARTが開始されると図32(a)に戻って同様の流れで遊技が行なわれる。なお、図33(h)〜図33(j)に示すゲームの次ゲームでは、図32(a)のように、ATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知が行なわれず、液晶表示器51から「AT開始」との文字201は表示されない。これにより、ATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知が繰り返し行なわれることへの煩わしさを解消でき、ゲームの進行をスムーズに感じさせることができる。
以上のように、ART中でなくてもAT中であればAT上乗せ抽選を行なうので、ARTが終了した時点でATのゲーム数が残っていればATゲーム数が上乗せされる可能性がある。よって、ARTが終了してもARTが再開されること(すなわち、AT中に再びRT3に移行すること)への期待感を抱かせることが可能になり、ARTが終了してからARTが再開するまでの期間での遊技者の遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者がストップスイッチの操作ミスを行なってしまってARTが終了しても、ATが残っていればATゲーム数が上乗せされる可能性があるので、遊技者がストップスイッチの操作ミスを行なってしまっても遊技への興趣が低下することを防止できる。
次に、フリーズ演出、フリーズ中演出、および、ゲーム数報知演出の具体例について図34を用いて説明する。図34(k)は、ATのゲーム数が残り8ゲームである旨が報知されているゲームが終了したときを示している。図34(l)〜(o)では、図34(k)で終了したゲームの次のゲーム開始時においてフリーズ演出が実行されるとともに、当該フリーズ発生によりATゲーム数として上限の250ゲームを獲得し、報知するゲーム数として250ゲームに決定されたときのゲーム数報知演出の一例を説明する。なお、図16(d)を参照して説明したように、AT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームに決定されたときには、結果的に高い割合でフリーズが発生することとなる。
フリーズが発生した場合には、リール2L〜2Rにおいてフリーズ演出が実行される。フリーズ演出としては、図34(l)に示すように、通常態様とは異なる特定態様(たとえば、回転速度が通常時よりも遅い、図34(l)では波線で示す)で回転制御を行ない、図34(m)に示すように、特定の図柄組み合わせ(たとえば、星7の3つ揃い)を停止させる停止制御を行なった後、図34(n)に示すように、再び回転制御を行なって通常の回転に移行させるための制御を行なう。フリーズ演出が実行されることにより、図16(d)で示したように、より多くのATゲーム数が付与されていること、および最大ATゲーム数が付与されていることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、フリーズ開始時におけるゲーム報知演出としては、まず、図34(l)に示すように、リール2L〜2Rの回転制御に対応させて、キャラクタが「やった〜」といったメッセージを発する表示を行なう。前述したように、その後においてフリーズが発生する場合には、ゲーム報知演出の態様として、高い割合で第1態様に決定される。また、フリーズ中におけるフリーズ中演出としては、図34(m)に示すように、リール2L〜2Rの停止制御に対応させて、キャラクタが「やったね!」といったメッセージを発する表示を行なった後、図34(n)に示すように、リール2L〜2Rの再回転制御に対応させて、キャラクタが「大量!」といったメッセージを発する表示を行なう。また、フリーズが発生するとともにゲーム数報知演出が実行されたゲームにおいて表示結果が導出された当該ゲームが終了したときには、ゲーム数報知演出として、図34(o)に示すように、報知ゲーム数が表示される。ここでは、前述したとおり、上限の250ゲームを獲得し報知すると決定された場合であるため、液晶表示器51において「+250ゲーム」の文字205が表示されて次のゲームに移行される。
図34(p)および(q)では、フリーズが発生しないがATゲーム数が報知される場合について説明する。ここでは、ATゲーム数として100ゲームを獲得し、報知するゲーム数として30ゲームに決定されたときのゲーム数報知演出の一例を説明する。ゲーム報知演出としては、図34(p)に示すように、キャラクタが「チャンスかも」といったメッセージを発する表示を行なった後、当該ゲームが終了したときに図34(q)に示すように、報知すると決定されたATゲーム数に対応して「+30ゲーム」のも文字205が表示されて次のゲームに移行される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、図28(a)で示した前兆演出が実行された後にバトル演出が実行されるパターンのみならず、図28(b)で示した前兆演出が実行されずにバトル演出が実行されるパターンや、図28(c)で示した敗北となったバトル演出が実行された後において前兆演出が実行されるパターンが設けられている。このため、前兆演出とバトル演出とのバリエーションを豊富にすることができるとともに、バトル演出において敗北となり特典が付与されない旨が報知されたときでも復活前兆演出が実行され得るため、バトル演出において仮に敗北となった後であっても期待感を持続させることができる。
また、キャラクタDのバトル演出終了後に実行され得る復活前兆演出の開始ステージを、バトル演出終了後でないとき(図18のSA03でNOと判定されたとき)に実行される前兆演出よりも高い比率で第4ステージに設定することができる。これにより、キャラクタDのバトル演出において仮に敗北となり特典が付与されない旨が報知されて当該バトル演出が終了したとしても、最終ステージである第5ステージまでの段階数が少なくなる第4ステージが設定されることに対する期待感を高めることができる。また、前兆演出のステージとバトル演出の種類とに関連性を持たせることができ、前兆演出とバトル演出との双方を行なうことによる面白みを提供することができる。その結果、前兆演出とバトル演出とを行なうことにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、図25のSA23、SA24で示したように、実行中の前兆演出が第4ステージから開始されたときには、その旨が当該前兆期間に亘って報知されるため、当該前兆期間が第4ステージから開始された旨を確実に遊技者に認識させることができるため、バトル演出において敗北した後においても確実に期待感を持続させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図26で示したように、たとえばキャラクタEのバトル演出が終了したときに第5ステージが選択される比率は60%(操作時は70%)であるのに対し、キャラクタDのバトル演出が終了したときに第4ステージが選択される比率は50%(操作時は55%)となるように設定されている。また、キャラクタEのバトル演出が終了したときに選択され得るステージが第5ステージに限らず第4ステージでもよい旨を説明した。この場合、キャラクタEのバトル演出において仮に敗北して特典が付与されない旨が報知されて当該バトル演出が終了したとしても、キャラクタDのバトル演出が終了したときよりも高い割合で最終ステージまでの段階数が少なくなる第4ステージが設定されるため、キャラクタEのバトル演出が実行されることにおり第4ステージが設定されることに対する期待感をより一層高めることができる。
(4) 前述した実施の形態においては、図26で示したように、たとえばAT当選時におけるキャラクタDまたはEのバトル演出が終了したときであって、操作有り時において第4または第5ステージが選択される比率は70%または80%であるのに対し、操作無し時において第4または第5ステージが選択される比率は30%または20%となるように設定されている。また、キャラクタEのバトル演出が終了したときに選択され得るステージが第5ステージに限らず第4ステージでもよい旨を説明した。この場合、キャラクタDまたはEのバトル演出において仮に敗北して特典が付与されない旨が報知されて当該バトル演出が終了したとしても、当該バトル演出において操作演出が実行されて所定操作しておくことにより、所定操作がされていなかったときよりも高い割合で最終ステージまでの段階数が少なくなる第4ステージが設定されるため、所定操作することにより第4ステージが設定されることに対する期待感をより一層高めることができる。
(5) 前述した実施の形態における前兆演出のステージには、第1〜第5ステージがあり、その何れかのステージで前兆演出が実行されるものとなる。ステージの切り替えが行なわれたときには、その切り替え後の一定期間(第1〜第5タイミングの何れかまで)液晶表示器51の上部ステージ名称表示領域に画像が表示され、そこに切り替え後のステージ名称が示されるものとなる。液晶表示器51では、上部を含む全領域を用いて前兆演出の画像が表示される(図22に示されるように背景画像およびキャラクタが表示される)ものとなっているため、ステージ名称表示領域の画像が表示されると、前兆演出の画像の表示に制限が加わることとなるが、ステージ名称表示領域の画像の表示は一定期間に限られているため、前兆演出の実行に対する制限をできるだけ小さくすることができる。
その一方で、第1〜第3ステージにおけるステージ名称表示領域51cが表示されている期間よりも長い期間において、第4あるいは第5ステージにおけるステージ名称表示領域が表示されるので、第2、第3ステージへの切り替え後よりも第4、第5ステージへの切り替え後の方が遊技者に認識されやすい態様で切り替え後のステージ名称が表示されることとなる。また、第2ステージにおけるステージ名称表示領域51bが表示されている期間よりも長い期間において、第3ステージにおけるステージ名称表示領域51cが表示されるので、第2ステージへの切り替え後よりも第3ステージへの切り替え後の方が遊技者に認識されやすい態様で切り替え後のステージ名称が表示されることとなる。このため、バトル演出において勝利する割合(期待度)に応じてステージの切り替えを的確に遊技者にアピールすることができるようになる。
前述した実施の形態においては、図30で示したように、AT当選して付与されたATゲーム数を、1ゲームにおいて報知(すべて報知)するか、複数ゲームに亘り複数回に分けて報知する。また、AT抽選において当選し得る最大ATゲーム数である250に決定されたときには、図30(a)および(b)に示すように、ゲームの進行状況が優遇期間などの特定の進行状況であるときには必ず1ゲームにおいて報知し、特定の進行状況でないときでも高い割合で1ゲームにおいて報知する。このため、ATゲーム数が複数回に分けて報知されたときには複数回AT当選してATゲーム数が複数回付与されたかのような印象を抱かせることができるとともに、最大ATゲーム数が付与されたときには複数回に分けて報知されることを極力防止することにより、最大ATゲーム数が付与されたことによる優越感を確実に遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態においては、図16(d)で示したように、フリーズ発生を契機として成立する第5のAT抽選条件が成立したときには、他のAT抽選条件が成立したときよりも高い割合で、AT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームに決定されるように設定されている。このため、上限である250ゲームに決定されたときには、250ゲーム未満に決定されたときよりも高い割合で、フリーズ発生することとなる。その結果、フリーズが発生してフリーズ演出が実行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態においては、AT当選してATゲーム数が付与されることに対する期待感が向上している優遇期間において付与されたATゲーム数については、図30(a)および(b)に示すように、付与されたATゲーム数が40未満であるときには必ず1ゲームにおいて報知し、40以上であるときでも高い割合で1ゲームにおいて報知する。このため、ATゲーム数が複数回に分けて報知されたときには複数回AT当選してATゲーム数が複数回付与されたかのような印象を抱かせることができるとともに、優遇期間においては複数回に分けて報知されることを極力防止することにより、当該優遇期間における有利性を遊技者に体感させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT当選して付与されたATゲーム数が報知されることに応じて設定される報知ゲーム数情報は、図29のS15およびS16で示したように、報知ゲーム数が報知(表示)された後において、ARTでのゲームの進行状況に応じて減少するように更新されるとともに、転落出目停止によりARTを中断する中断条件が成立した後のAT+通常中やAT+RT2中などの特別期間においても更新されてしまう。一方、特別期間であるときには、図14で示したように、ART中と同様に、AT抽選が行なわれてATゲーム数が上乗せされ得る。すなわち、特別期間において報知ゲーム数が減算されてしまうだけのものと比較して、ART中と同様に、AT抽選が行なわれ得ることにより遊技者にとっての有利性を補填することができる。その結果、特別期間における遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態では、図15(b)で示したように、優遇期間であるときに付与されるATゲーム数は高い割合で付与可能なATゲーム数のうちで最小の10ゲームが決定されるものの、図30で示したように1ゲームにおいて報知されるため、最小の10ゲームが複数回に分けて報知されてしまうことなどにより優遇期間における遊技の興趣を低下させてしまうことを防止できる。
前述した実施の形態では、図14に示したように、優遇期間においては毎ゲームにおいてATゲーム数が付与されるため、優遇期間における遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態では、図30(a)で示したように、AT終了後のRT3、すなわち非AT+RT3中であるときに付与されたATゲーム数については、高い割合で1ゲームにおいて報知される。このため、ARTに再び制御されることに対する喜びを減衰させてしまうことを極力防止できる。
前述した実施の形態では、図15(b)で示したように、優遇期間のうち最終ゲームにおいては、ATゲーム数の期待値が大きくなる。このため、優遇期間のうち最終ゲームにおいて遊技者に対して満足感を抱かせることができる可能性が高まり、優遇期間における遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態では、図30(b)で示したように、ARTから転落したAT+通常中やAT+RT2中においてAT抽選が行なわれて付与されたATゲーム数については、高い割合で1ゲームにおいて報知されるため、複数回に分けて報知するものと比較して、AT+通常中やAT+RT2中においては多くのATゲーム数が上乗せされるかのような印象を遊技者に抱かせることができる。また、ARTから転落したAT+通常中やAT+RT2中において上乗せされたATゲーム数は、報知ゲーム数が0になったときか、報知ゲーム数が0となるまでに再びARTに移行されたときには当該ARTに移行されたことを条件として報知される。このため、AT+通常中やAT+RT2中においては、報知ゲーム数が0となるか再びARTに移行されるまで、報知ゲーム数が上乗せされる可能性があることに対さ増加有利量が加算される可能性があることに対する期待感を持続させることができる。その結果、AT+通常中やAT+RT2中における遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態においては、図31で示したように、タイミング1で獲得したATゲーム数である「50ゲーム」のうち、「20ゲーム」を切り分けて分割して報知されるとともに、残りの未報知ゲーム数である「30ゲーム」が、タイミング2で示したように、その後において新たに開始されるゲームにおける当選状況に応じて、切り分けて分割して報知される。このため、ATゲーム数を実際に獲得した後に開始されるゲームの当選状況によって、実際には上乗せ当選していないにも関わらず、まるで新たにATゲーム数が上乗せされたかのような印象を効果的に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態においては、ATゲーム数を獲得した後において新たに開始されるゲームのうち、図31のタイミング3で示したように、上乗せ当選してATゲーム数を実際に上乗せする契機となったゲームにおいては、タイミング1において獲得したATゲーム数のうち未報知ゲーム数分を報知するのではなく、今回新たに獲得した上乗せゲーム数を1回または複数回に切り分けて分割して報知する。すなわち、先に獲得していたATゲーム数については、新たに上乗せされたゲーム以降の他の機会においてさらに報知することができるため、先に獲得していたATゲーム数のうち未報知ゲーム数を報知する機会を先延ばしすることができ、まるで新たにATゲーム数が付与されたかのような印象を抱かせる機会をも先延ばしして、期待感を抱かせる期間を長くすることができる。
前述した実施の形態においては、ATゲーム数を獲得した後において、上乗せ当選してATゲーム数が実際に上乗せされた場合には、図30(b)の上乗せ時テーブルを参照して、今回新たに獲得した上乗せゲーム数を1回または複数回に切り分けて分割して報知する。また、図30(b)の上乗せ時テーブルは、今回上乗せゲーム数が「40ゲーム」未満であるときよりも、「40ゲーム」以上であるときの方が高い割合で、今回上乗せゲーム数が切り分けて分割して報知される。このため、今回上乗せゲーム数が少ないゲーム数であるにも関わらず、その少ないゲーム数がさらに切り分けて分割されて報知されてしまうことにより遊技者の期待を逆に損ねてしまうといった不都合の発生を低減することができる。
前述した実施の形態において、AT抽選条件を成立させて上乗せ当選させ得る契機が成立(たとえば、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4、BARリプレイのうちいずれかに内部当選)したときには、上乗せ当選したことにより図29のS05において決定された上乗せゲーム数や、実際に上乗せ当選しなかった場合であっても、S09において決定された上乗せゲーム数が報知され得る。このため、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4、BARリプレイのうちいずれかに当選したときに新たにATゲーム数が上乗せされたかのような印象を抱かせることができる頻度を高めることができ、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4、BARリプレイのうちいずれかに当選することに対する期待感を向上させることができる。
前述した実施の形態において、ATゲーム数が付与された後においては、AT抽選条件を成立させるものではなく上乗せ契機となっていない「はずれ」となったときにも、図29のS09で示したように、未報知ゲーム数が報知され得る。このため、「はずれ」となったときにもATゲーム数が付与されたかのような印象を抱かせることができ、未報知ゲーム数が上乗せ報知されることに対して意外性を抱かせることができる。
また、このように構成しても、「はずれ」となったときには、AT抽選条件を成立させて上乗せ当選させ得る契機となる内部当選状況となったときよりも、低い確率でしか上乗せ報知されないため、擬似的な上乗せ報知が頻発することを抑止することができる。
前述した実施の形態では、未報知ゲーム数が存在する場合において、報知ゲーム数が1であり、当該ゲームにおいて報知ゲーム数が0となる状況、すなわち報知された報知ゲーム数分だけATに制御された状況においては、図29のS06、S07で示したように、未報知ゲーム数の範囲内で再び報知ゲーム数が上乗せされ得る。このため、報知ゲーム数分だけATに制御された後においても、さらに報知ゲーム数が上乗せされることに対する期待感を持続させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前述した実施の形態では、たとえば、図29のS03で参照される図30の(a)の初当り時テーブルで示したように、未報知ゲーム数が「40ゲーム」未満であるときよりも、「40ゲーム」以上であるときの方が高い割合で、未報知ゲーム数が切り分けて分割して報知される。また、図30の(d)の当選状況時テーブルが参照されたときも同様である。このため、未報知ATゲーム数が少ないゲーム数であるにも関わらず、その少ないゲーム数がさらに切り分けて分割されて報知されてしまうことにより遊技者の期待を逆に損ねてしまうといった不都合の発生を低減することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[前兆演出の開始ステージについて]
前述した実施の形態では、図18のSA03でNOと判定されて設定される前兆演出の開始ステージは、キャラクタA対応の第1ステージに定められている一方、敗北となってバトル演出が終了した後に図25のSA22で設定される前兆演出の開始ステージは、SA21における開始ステージ抽選で決定されたステージとなる例について説明した。
しかし、これに限らず、図18のSA03でNOと判定されて設定される前兆演出の開始ステージについても、抽選により決定されたステージとなるようにしてもよい。たとえば、図18のSA03でNOと判定されて設定される前兆演出の開始ステージとして、第2ステージ以降のステージが設定され得るようにしてもよい。この場合、期待度が高いステージに決定される比率が、バトル演出終了後の前兆演出の開始ステージ抽選時よりも低くなるように定められているものであればよい。たとえば、第1〜第5ステージのうち、第4および第5ステージに決定される比率が、図25のSA21における開始ステージ抽選時の方が、図18のSA03でNOと判定されて設定される前兆演出の開始ステージ抽選時よりも高くなるように振分率が設定されているものであればよい。
また、敗北となってバトル演出が終了した後に図25のSA22で設定される前兆演出の開始ステージは、終了したバトル演出の種類や操作演出において所定操作が受付けられていたか否かに応じて予め定められたステージとなるようにしてもよい。この場合、たとえば、終了したバトル演出の種類がキャラクタDまたはEであったときや所定操作が受付けられていたときなど特別な演出が実行されていたときのステージとしては、第5ステージまでの段階数が少なくなる第3ステージや第4ステージなどが予め定められており、終了したバトル演出において特別な演出が実行されていなかったときのステージとしては、第1または第2ステージなどが予め定められているものであればよい。
また、バトル演出が終了した後に図25のSA22で設定される前兆演出の開始ステージ抽選では、第1ステージか、終了したバトル演出に対応する一のステージに決定される例について説明したが、これに限らず、終了したバトル演出に対応する複数のステージのうちのいずれかに決定されるようにしてもよい。たとえば、キャラクタD対応のバトル演出が終了したときには、キャラクタD対応の第4ステージ以下の複数のステージ(第1〜第4ステージ)のうちいずれかに決定されるようにし、キャラクタC対応のバトル演出が終了したときには、キャラクタC対応の第3ステージ以下の複数のステージ(第1〜第3ステージ)のうちいずれかに決定されるようにしてもよい。つまり、期待度が高いステージとしては、必ずしも終了したバトル演出における味方キャラクタに対応したステージに限るものではない。
また、敗北となってバトル演出が終了した後に図25のSA22で設定される前兆演出の開始ステージは、終了したバトル演出の操作演出において所定操作が受付けられて特別な演出として操作時演出が実行されていたときの方が、操作時演出が実行されていなかったときよりも、期待度が高いステージに決定される比率が高くなるように定められている例について説明したが、これに限らず、終了したバトル演出において特別な演出として操作演出が実行されていたときの方が、操作演出が実行されていなかったときよりも、期待度が高いステージに決定される比率が高くなるように定められているものであってもよい。
[前兆演出、復活前兆演出、およびバトル演出各々の内容決定について]
前述した実施の形態では、前兆演出、復活前兆演出、およびバトル演出各々の内容決定(たとえば、前兆期間、前兆演出および復活前兆演出の開始ステージやステージ昇格、バトル演出の味方キャラクタ、復活前兆演出の有無など)について、各々、所定のタイミングで抽選して決定する例について説明したが、前兆演出やバトル演出を実行する旨が決定されたときに、前兆演出、復活前兆演出、およびバトル演出を含む一連の演出の内容を決定するようにしてもよい。たとえば、図18のSA01において第1のAT抽選条件が成立していると判定されたときに、前兆演出やバトル演出を実行するか否かを決定し、実行する旨が決定されたときに、前兆演出、復活前兆演出、およびバトル演出を含む一連の演出内容(たとえば、前兆期間、前兆演出および復活前兆演出の開始ステージやステージ昇格、バトル演出の味方キャラクタ、復活前兆演出の有無など)を決定して、当該演出を設定して実行するようにしてもよい。この場合においても、バトル演出において特別な演出(キャラクタDのバトル演出や操作演出において所定操作受付など)が実行されたときに、それ以外のときよりも前兆演出のステージとして期待度が高いステージ(たとえば第4ステージ)に決定される比率が高くなるように設定されているものであれば、実施の形態において前述した効果と同様の効果を奏する。
[前兆演出の態様切替について]
前述した実施の形態における前兆演出の態様であるステージは、その後のバトル演出において勝利する割合である期待度が1段階高くなるステージに昇格する例について説明したが、これに限らず、期待度が複数段階高くなるステージに昇格し得るようにしてもよい。この場合、その後のバトル演出において勝利するときには、敗北するときよりも高い割合で、複数段階高くなるステージに昇格するように構成してもよい。これにより、複数段階高いステージに昇格することにより、バトル演出において勝利することに対する期待感をより一層向上させることができる。
また、前述した実施の形態では、期待度が高くなるステージに昇格する例について説明したが、これに限らず、切り替え前のステージよりも期待度が低くなるステージに降格し得るようにしてもよい。たとえば、第1ステージから第5ステージの順に切り替えられるものにおいて、期待度の大きさが、第5ステージ>第1ステージ>第4ステージ>第3ステージ>第2ステージとなるように設定されているものであってもよい。この場合、バトル演出終了後ではない前兆演出の開始ステージは、第1ステージとなり、ステージ昇格抽選の結果に応じて、まず期待度が第1ステージよりも低下する第2ステージに移行し、その後、第3、第4ステージに移行され、最終段階のステージ5に到達したときに第1ステージよりも期待度が高い旨が報知されるようにしてもよい。
[前兆演出の態様とバトル演出の種類との関係について]
前述した実施の形態では、前兆演出の態様であるステージの種類に応じたキャラクタのバトル演出を実行する例について説明した。つまり、前兆演出の態様とバトル演出の種類とが一対一の関係にある例について説明した。しかし、前兆演出の態様とバトル演出の種類とは、一対一の関係にあるものに限るものではない。たとえば、第3ステージで前兆演出が終了した後におけるバトル演出のキャラクタが、キャラクタCであるものに限らず、その他のキャラクタに決定され得るものであってもよい。この場合、さらに、前兆演出の態様に対応する特定種類のバトル演出が、他の種類のバトル演出よりも高い比率で決定されるものであってもよい。たとえば、第3ステージで前兆演出が終了した後におけるバトル演出におけるキャラクタは、高い比率でキャラクタCに決定され得るものであってもよい。
[復活前兆演出について]
前述した実施の形態では、バトル演出終了後において復活前兆演出に移行され得る例について説明した。この場合に、バトル演出終了後において復活前兆演出が開始される可能性を有していることを煽る煽り演出を実行した後に、復活前兆演出に移行させるようにしてもよい。また、復活前兆演出が終了した後、再びバトル演出に移行される例について説明したが、これに限らず、復活前兆演出の結果において、AT当選しているか否か、あるいは優遇期間移行当選しているか否かを報知するようにしてもよい。
前述した実施の形態では、図18のSA04において設定される前兆演出が実行された後におけるバトル演出として敗北+復活が選択され、図25のSA22に示すように当該バトル演出終了後において復活前兆演出に移行される例について説明した。しかし、復活前兆演出へは、バトル演出前に前兆演出が実行されていなかった場合においてのみ、当該バトル演出が終了したときに移行可能となるようにしてもよい。たとえば、前兆演出後のバトル演出抽選では、バトル演出の種類として、勝利か敗北かのいずれかが選択されて、敗北+復活が選択されないようにしてもよい。これにより、1の結果を報知するまでの過程において前兆演出に複数回移行されてしまうことを防止できる。
[遊技機について]
前述した実施の形態では、遊技機の一例として、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
また、前述した実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
また、本発明を具現化する遊技機としては、前述したようなスロットマシンに限定されるものではなく、遊技者が所定の遊技を行なうことが可能である遊技機であればよい。遊技機としては、たとえば、所定の遊技領域に遊技媒体(たとえばパチンコ球)を打ち込み、該打ち込まれた遊技媒体が遊技領域に設けられた始動領域(たとえば始動口)を通過(入賞)することにより、可変表示装置における表示状態を変化させることが可能となり、当該可変表示装置の表示結果が特定表示結果(たとえば大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大入賞口を所定の態様で開放させる当り状態、大当り)に制御するパチンコ遊技機、あるいは封入された遊技媒体を用いる封入式パチンコ遊技機であってもよい。
このような遊技機においては、大当りの種類が複数種類設けられており、遊技媒体が始動領域を通過したときに抽出される乱数値に基づいて、大当りにするか否かの判定と、大当りにする場合の種類の決定とが行なわれる。複数種類の大当りには、大当り終了後において、遊技媒体が始動領域を通過し易くなる(たとえば、遊技者にとって有利な状態(開放状態)に可変可能な可変入賞装置で始動口が形成されており、可変入賞装置が有利な状態に制御されるなど)とともに、可変表示装置において変動表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの変動時間が短縮される状態(いわゆる特典としての時短状態)であって、大当り終了後から開始される時短状態に制御される期間(たとえば変動表示回数など、以下、時短回数という)が異なる複数種類の時短大当り(時短回数が20回の第1時短大当り、100回の第2時短大当り、150回の第3時短大当り、次回大当りまでの第4時短大当りなど)を含む。
複数種類の時短大当りのうちいずれかとなった場合には、大当りとなった旨、および所定回数(たとえば、最小の時短回数である20回)時短状態に制御される旨が報知される一方、いずれの種類の時短大当りとなったかについては遊技者が特定不能あるいは特定困難となるように構成されている。このため、時短大当りが終了して、時短状態が開始されるときには、少なくとも所定回数は時短状態に制御されることを遊技者は認識できる。また、時短状態が開始されてから遊技者が認識済の所定回数変動表示が行なわれるまでの期間において、前述した実施の形態のバトル演出や前兆演出(復活前兆演出)と同様の演出を実行するようにしてもよい。
たとえば、この例におけるバトル演出は、特典として未報知の時短回数が残っているか否かを煽る演出をいい、複数回の変動表示(本例では、たとえば、5回)に亘ってパチンコ遊技機が備える液晶表示器において、味方キャラクタと対戦キャラクタとにより所定のバトルを展開する演出を行なった後に、バトルの結末として、味方キャラクタが敗北すると未報知の時短回数が残っていなかったことを報知し、味方キャラクタが勝利すると未報知の時短回数が残っていることを報知する演出をいう。このバトル演出においても、味方キャラクタが勝利する割合が異なる複数種類のキャラクタのうちいずれかが味方キャラクタとして出現する。このため、バトル演出中に出現する味方キャラクタおよびバトル演出内容は、特典が付与されることに対する期待度の大きさを間接的に報知する演出といえる。
また、この例におけるバトル演出が開始されるまでの前兆期間においては、バトル演出において味方キャラクタとして出現するキャラクタの種類を示唆する前兆演出が行なわれ得る。前兆期間とは、バトル演出が実行されるまでの複数回の変動表示(本例では、たとえば、0〜10回)に亘る期間をいう。0回の場合には即座にバトル演出に移行されることになる。前兆演出としては、パチンコ遊技機が備える液晶表示器において、バトル演出で味方キャラクタとして出現するキャラクタが示唆され、基本的に味方キャラクタが勝利する割合が低いキャラクタから高いキャラクタに昇格させる演出が行なわれる。
バトル演出で味方キャラクタが勝利する可能性(割合)は、前兆演出において示唆されている味方キャラクタの種類に応じて異なるように設定されている。このため、前兆演出は、未報知の時短回数が残っていることに対する期待度の大きさを間接的に報知する演出ともいえる。この例における前兆演出においても、バトル演出において味方キャラクタが敗北する旨が報知された後にも実行され得る復活前兆演出が含まれる。
このようなバトル演出や前兆演出(復活前兆演出)は、たとえば、時短状態が開始されたときに、図18のSA02以降の処理を行なって、前兆演出かバトル演出を設定し、遊技者が認識済の所定回数変動表示までの変動回数が、前兆期間+バトル演出を実行する期間の合計変動回数となったときに前兆演出か前兆演出なしの場合にはバトル演出を開始する。前兆演出中においては、図21と同様の処理を行なう。また、前兆演出が終了するか、前兆演出なしであった場合に、バトル演出を実行するための処理を行なう。また、敗北となったバトル演出が終了したときには、図25と同様の処理を行なう(なお、本例における「未報知の時短回数が残っている」ことは、前述した実施の形態における「AT当選時または優遇期間移行当選時」に相当するものとして、各種抽選・決定を行なう)。
これにより、本変形例におけるパチンコ遊技機においても、図28と同様に、前兆演出が実行された後にバトル演出が実行されるパターンのみならず、前兆演出が実行されずにバトル演出が実行されるパターンや、敗北となったバトル演出が実行された後において前兆演出が実行されるパターンで演出を実行することができるため、前兆演出とバトル演出とのバリエーションを豊富にすることができるとともに、バトル演出において敗北となり未報知の時短回数が残っていない旨が報知されたときでも復活前兆演出が実行され得るため、バトル演出において仮に敗北となった後であっても期待感を持続させることができる。
また、キャラクタDのバトル演出終了後に実行され得る復活前兆演出の開始ステージを、バトル演出終了後でないとき(図18のSA03でNOと判定されたとき参照)に実行される前兆演出よりも高い比率で第4ステージに設定することができる。これにより、キャラクタDのバトル演出において仮に敗北となり特典が付与されない旨が報知されて当該バトル演出が終了したとしても、最終ステージである第5ステージまでの段階数が少なくなる第4ステージが設定されることに対する期待感を高めることができる。また、前兆演出のステージとバトル演出の種類とに関連性を持たせることができ、前兆演出とバトル演出との双方を行なうことによる面白みを提供することができる。その結果、前兆演出とバトル演出とを行なうことにより、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、前述した実施の形態において説明したその他の効果と同様の効果についても、本変形例におけるパチンコ遊技機は奏する。
[特典について]
前述した実施の形態では、ATゲーム数を獲得したか否か、すなわちATに制御されることを特典の一例として説明したが、特典としては、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの当選などであってもよい。この場合、たとえば、内部抽選でボーナス当選したとき、あるいはボーナスと同時当選し得る小役当選したときから前兆期間に移行させた後、バトル演出の結果に応じて、ボーナス当選の有無を報知するようにしてもよい。
さらに、前述した実施の形態では、特典として、遊技を行なうために用いる遊技用価値(賭けられたメダル枚数、打ち込まれた遊技球)に対し、遊技者に付与される遊技用価値の占める付与割合(メダルあるいは遊技球の払出率)に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、これに限らず、遊技の進行上において遊技者にとって有益となる価値であってもよい。たとえば、非AT中であるもののATゲーム数をすでに獲得しておりATに制御されることが確定しているいわゆるAT潜伏中であるか否かを特定するための情報を報知するもの、あるいは報知されたときに所定の信頼度で実際にAT潜伏中となるように実行される情報(すなわちAT潜伏を示唆する潜伏示唆情報)を報知するものであってもよい。
また、特典としては、特典演出の実行(特別キャラクタ出現など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を表示などであってもよい。
[特典付与とバトル関連演出との関係について]
前述した実施の形態では、特典が付与されるか否かを決定した後、当該決定結果に基づいて、当該決定結果に合致するように、バトル関連演出を決定する例、すなわち抽選パターンとして特典先決めパターンを採用した例を説明したが、抽選パターンはこれに限らず、たとえば、バトル関連演出を決定した後、当該決定された演出の結果(バトル演出の結果)に従って、特典を付与するか否かを決定する例、すなわち特典後決めパターンを採用してもよい。たとえば、複数の課題(ミッション)のうち選択された課題を達成すれば特典が付与されるものであってもよい。
[前兆演出およびバトル演出を実行し得る期間について]
バトル演出を実行する期間、および復活前兆期間は、予め定められているものに限らず、乱数などを用いてランダムに決定されるようにしてもよい。また、前兆期間(復活前兆期間を除く)は、予め定められている期間であってもよい。
[特定演出の態様について]
前述した実施の形態では、特定演出の一例である前兆演出の態様について、ステージを例示して、いずれのステージであるかに応じて、バトル演出において勝利する割合・可能性の高低を間接的に示唆する例について説明した。しかし、前兆演出の態様は、その後のバトル演出によって特典が付与されることに対する期待度を示唆するものであって、種類によって異なる期待度を示唆できる態様であれば、どのような態様で示唆するものであってもよい。たとえば、液晶表示器51に勝利割合そのものを表示するものであってもよい。この場合、態様の切り替えは、勝利割合が向上することにより行なわれるものであってもよい。
[報知演出について]
前述した実施の形態では、報知演出の一例としてバトル演出について、敵方キャラクタと対戦する味方キャラクタが勝利することにより特典が付与されたことを遊技者に認識させる例について説明した。しかし、報知演出は、特典が付与されたか否かを報知する態様であれば、どのような態様であってもよい。たとえば、宝探しゲームが開始され、宝を掘り当てることにより特典が付与されたことを遊技者に認識させるものであってもよい。
[特別な演出について]
前述した実施の形態では、特別な演出として、特定のキャラクタによるバトル演出や、操作演出において所定操作が受付けられたときの演出(バトル演出とは別個の演出)を例示した。しかし、特別な演出は、報知演出が実行されている期間において実行されたことを遊技者が特定可能な態様で実行される演出であれば、どのような態様で実行されるものであってもよく、報知演出の一部として実行される演出であってもよく、報知演出とは別個の演出(たとえば、報知演出を実行する演出手段とは異なる演出手段を用いて実行される演出)であってもよい。
[最大ATゲーム数獲得時における報知について]
前述した実施の形態では、図30(a)および(b)で示したように、最大ATゲーム数を獲得したときであっても、ゲームの進行状況が優遇期間などの特定の進行状況でないときには分割して複数のタイミングに分けて報知される例について説明した。しかし、最大ATゲーム数を獲得したときには、必ず、一のタイミング(所定期間)で報知されるようにしてもよい。具体的には、ゲームの進行状況が特定の進行状況であるか否かにかかわらず、報知ゲーム数として、必ず未報知ゲーム数あるいは今回上乗せゲーム数に決定されるようにしてもよい。
また、図16(d)で示したように、フリーズ発生時には、獲得することを期待できるATゲーム数が大きくなるように設定されている。このため、フリーズ発生したときに獲得しているATゲーム数の大きさに対する期待感が向上している。よって、フリーズ発生時においてATゲーム数として少ないゲーム数が報知されてしまうと、遊技者の期待感を低減させてしまう虞がある。このような不都合を回避するために、フリーズ発生時において獲得したATゲーム数については、必ず(あるいはフリーズ非発生時よりも高い割合で)、一のタイミング(所定期間)で報知されるようにしてもよい。これにより、フリーズ発生したときに獲得したATゲーム数を分割して報知される場合より向上した期待感が低減されてしまうことを極力回避することができる。
[優遇期間における報知について]
前述した実施の形態では、優遇期間において獲得したATゲーム数であっても、当該ATゲーム数が40以上であるときには分割して複数のタイミングに分けて報知される例について説明した。しかし、優遇期間において獲得したATゲーム数については、必ず、一のタイミング(所定期間)で報知されるようにしてもよい。具体的には、獲得したATゲーム数にかかわらず、報知ゲーム数として、必ず未報知ゲーム数あるいは今回上乗せゲーム数に決定されるようにしてもよい。また、優遇期間に限らず、図30(a)に示すAT終了後のRT3中や、図30(b)に示すAT+通常中やAT+RT2中において獲得したATゲーム数についても、必ず、一のタイミング(所定期間)で報知されるようにしてもよい。
[所定期間内あるいは一のタイミングにおける報知について]
前述した実施の形態では、ゲームが開始されてから次のゲームが開始されるまでの所定期間内にゲーム数報知演出を実行して報知すると決定されたATゲーム数を報知し、その場合に当該ATゲーム数を1回で報知するものに限らず、複数回に分けて報知するようにしてもよい例について説明した。所定期間内あるいは一のタイミングにおいて複数回に分けて報知する場合、当該所定期間内において分割したATゲーム数を個々に報知して、報知されたATゲーム数を遊技者自身が加算することにより獲得したATゲーム数を特定可能になるものであってもよく、当該所定期間内において最初に報知したATゲーム数に対して2回目以降に報知するATゲーム数を加算させて報知することにより最終的に報知されたゲーム数から獲得したATゲーム数を特定可能になるものであってもよい。
[複数ゲーム期間あるいは複数タイミングについて]
前述した実施の形態では、獲得したATゲーム数を分割して複数回に分けて報知する場合、図29のS06やS08などにおいてYESと判定されない限り分割されたATゲーム数が報知されない。その結果、獲得したATゲーム数が報知される期間、すなわち複数ゲーム期間、タイミング、報知回数はその都度変化する期間となる。しかし、複数ゲーム期間あるいは複数タイミングは、このように変化する期間に限らず、予め定められた期間(たとえば所定ゲーム数消化するまでに要する期間など)、予め定められたタイミング、予め定められた報知回数であってもよい。
[ATゲーム数の表示および減算について]
前述した実施の形態では、ATゲーム数の表示および減算を、突入リプ当選し、当該突入リプ入賞したか否か(RT3に制御されたか否か)にかかわらず、当該ゲームの次のゲームから開始する例について説明した。しかし、ATゲーム数の表示は、突入リプ当選したか否かにかかわらず所定のタイミングで開始し、ATゲーム数の減算を突入リプ入賞(RT3に制御)したゲームの次のゲームから開始するようにしてもよい。この場合、図14の第4のAT抽選条件に示すように、AT当選後、意図的にATゲーム数が減算されない通常遊技状態などを維持させ、その間に第4のAT抽選条件を成立させてATゲーム数の上乗せを図るような、本来設定されているゲーム進行とは異なるゲーム進行が行なわれてしまう不都合が生じてしまう虞がある。しかし、前述したように、第4のAT抽選条件は、AT当選してATゲーム数が報知されるまでの間においては通常リプレイに当選しても成立せず、AT当選した後、ATゲーム数が報知された後において通常リプレイに当選することで成立するため、上記不都合が生じてしまうことを防止できる。
[報知ゲーム数について]
前述した実施の形態では、図30(c)(d)に示すように、報知ゲーム数の最小ゲーム数が5に設定されている例について説明した。しかし、報知ゲーム数の最小ゲーム数は、これに限らず、たとえば図15および図16に示される、獲得可能なATゲーム数の最小ゲーム数と同じゲーム数にしてもよい。具体的に、前述した実施の形態におけるスロットマシンでは、報知ゲーム数の最小ゲーム数を10となるように設定してもよい。
[上乗せ抽選の有利度について]
前述した実施の形態では、ARTにおいて転落出目が停止して転落したAT+通常中やAT+RT2中における上乗せ抽選の有利度(AT当選確率、AT当選時に期待できるATゲーム数など)と、ART中における上乗せ抽選の有利度とが同じである例について説明した。しかし、ARTにおいて転落出目が停止して転落したAT+通常中やAT+RT2中における上乗せ抽選の有利度と、ART中における上乗せ抽選の有利度とは、異なるものであってもよい。たとえば、ARTにおいて転落出目が停止して転落したAT+通常中やAT+RT2中における上乗せ抽選の有利度の方が、ART中における上乗せ抽選の有利度よりも高くなるものであってもよく、逆に低くなるものであってもよい。
[ATの潜伏について]
前述した実施の形態では、ART中において残りATゲーム数が存在する限り、ARTへの制御が継続される例について説明した。しかし、これに限らず、ART中において残りATゲーム数が存在する場合であっても、報知ゲーム数が0となった場合には、ARTが終了したときと同じようにナビ演出を実行せずにATを潜伏させる潜伏期間に制御するようにしてもよい。たとえば、報知ゲーム数が0となったときに、未報知ATゲーム数が存在する場合であっても、所定確率で潜伏期間に制御し、当該潜伏期間が経過した後に再び未報知ATゲーム数を報知してATに制御するようにしてもよい。
[有利状態および有利量について]
前述した実施の形態では、有利状態として、ナビ演出が実行されるATを例示したが、有利状態は遊技者にとって有利な状態であればこれに限らず、所定入賞役の当選確率が向上した状態(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、チャレンジボーナス、RTなど)や、遊技者にとってさらに有利となる特定の状態に制御される確率が向上した状態(確率変動状態)、達成条件を提示して所定期間において当該達成条件を成立させることにより特定の状態に制御されることを示唆する状態(ミッション)など、どのような状態であってもよい。
また、前述した実施の形態では、有利量として、ATに制御可能となるATゲーム数を例示したが、有利量は有利状態に制御可能となる期間を特定するものであればこれに限らず、たとえば、1つ消費することにより所定ゲーム数にわたり有利状態に制御することを特定可能となる値(たとえばナビストック)や、特定操作手順で操作されることにより発生する所定入賞役に当選したときに操作手順を報知する回数(たとえばナビ演出実行可能回数)など、どのようなものであってもよい。
[未報知ゲーム数が切り分けて分割して報知される割合について]
前述した実施の形態においては、図30(a)および(d)で示したように、未報知ゲーム数が所定ゲーム数(40)以上であるときの方が、所定ゲーム数未満であるときよりも高い割合で、未報知ゲーム数が切り分けて分割して報知される例について説明したが、これに代えてあるいは加えて、現在報知されている報知ゲーム数が所定のゲーム数(たとえば、60ゲーム)以上であるときの方が、所定のゲーム数未満であるときよりも高い割合で、未報知ゲーム数が切り分けて分割して報知されるようにしてもよい。これにより、報知ゲーム数が所定のゲーム数以上であるときには、未報知ゲーム数を極力切り分けて分割して報知されるため、報知ゲーム数が少なくなったときにさらに報知ゲーム数が上乗せされる可能性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前述した実施の形態においては、図30(b)で示したように、今回上乗せゲーム数が所定ゲーム数(40)以上であるときの方が、所定ゲーム数未満であるときよりも高い割合で、今回上乗せゲーム数が切り分けて分割して報知される例について説明したが、これに代えてあるいは加えて、現在報知されている報知ゲーム数が所定のゲーム数(たとえば、60ゲーム)以上であるときの方が、所定のゲーム数未満であるときよりも高い割合で、今回上乗せゲーム数が切り分けて分割して報知されるようにしてもよい。これにより、報知ゲーム数が所定のゲーム数以上であるときには、今回上乗せゲーム数を極力切り分けて分割して報知されるため、報知ゲーム数が少なくなったときにさらに報知ゲーム数が上乗せされる可能性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、未報知ゲーム数、今回上乗せゲーム数、あるいは報知ゲーム数のうち、振分率を特定するための対象となるゲーム数が、所定ゲーム数未満であるときには、未報知ゲーム数あるいは今回上乗せゲーム数を切り分けて分割して報知せず、所定ゲーム数以上であるときにのみ、未報知ゲーム数あるいは今回上乗せゲーム数を切り分けて分割して報知するようにしてもよい。
[ATと報知ゲーム数との関係について]
前述した実施の形態において、未報知ゲーム数が残存している状態で報知ゲーム数が0となるときには、図29のS06およびS07の処理により必ず上乗せゲーム数が決定されて、当該ゲームにおいて加算されてATへの制御が継続し、未報知ゲーム数が残存していない状態で報知ゲーム数が0となったときには、当該ゲームにおいてATが終了する例について説明した。しかし、未報知ゲーム数が残存している状態で報知ゲーム数が0となるときであっても、上乗せゲーム数が決定されない場合も生じるようにし、上乗せゲーム数が0であったときに一旦ATを終了させた後、所定条件が成立したときに未報知ゲーム数の範囲内におけるゲーム数を報知してATに制御するようにしてもよい。所定条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム、あるいは複数種類からランダムに決定されたゲーム数)消化すること、所定の入賞役に当選すること、所定の図柄組合せが入賞ライン上に停止することなどにより成立するものなどであってもよい。これにより、一旦ATが終了した後において、再びATに制御されたかのような印象を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、未報知ゲーム数が残存している状態で報知ゲーム数が0となるタイミングで、上乗せゲーム数を加算するものに限らず、たとえば、報知ゲーム数が所定ゲーム数(10ゲーム)以下となったときに、上乗せゲーム数を加算するタイミングを乱数などを用いてランダムに決定するようにしてもよい。これにより、報知ゲーム数が所定ゲーム数以下となったときに、上乗せゲーム数が加算されることに対する期待感を抱かせることができる。
[切り分け分割して報知する回数について]
前述した実施の形態においては、1回のAT抽選で獲得したATゲーム数について、図29のATゲーム数報知処理の抽選結果に応じて、複数回に切り分けて分割して報知される例について説明した。しかし、1回のAT抽選で獲得したATゲーム数が極端に多い回数に分けて分割して報知されると、逆に遊技者を混乱させてしまう虞がある。このため、1回のAT抽選で獲得したATゲーム数について切り分けて分割して報知する回数に上限を設けてもよい。たとえば、1回のAT抽選で獲得したATゲーム数を報知する上限回数として10回を設定し、10回目の報知のときに、当該1回のAT抽選で獲得したATゲーム数の残りをすべて報知するようにしてもよい。
[その他の変形例について]
(1) 報知ゲーム数情報および未報知ゲーム数情報はボーナス当選したときにクリアする処理を行なうものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行なうものであってもよく、所定数減算する処理を行なうものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行なうものであってもよく、また当該ボーナス当選毎にいずれの処理を行なうかを決定し、該決定された処理を行なうものであってもよい。これにより、報知ゲーム数および未報知ゲーム数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、図9〜図12で示したように、昇格リプの入賞手順、突入リプの入賞手順、転落リプレイの回避手順、および中リール2Cの「メロン」を中段停止させる手順が、各々、停止操作の押し順である例について説明したが、これに限らず、停止操作タイミングが含まれるものであってもよく、押し順だけのものや、停止操作タイミングだけのものに限らず、押し順+停止操作タイミングとなるものであってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、メロン1当選時において転落出目が導出されることにより、RT1〜RT3のいずれかから通常遊技状態に移行する例について説明したが、通常遊技状態への移行契機はこれに限るものではない。たとえば、メロン1当選時に限らず、特定の入賞役当選時において当該特定の入賞役(特定の小役、特定の再遊技役)の入賞を発生させることができないときに停止される出目(特定のはずれ出目を含む)であってもよく、また、特定の入賞役と同時に当選し得る他の特定の入賞役に入賞することであってもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、昇格リプ入賞することにより、通常遊技状態からRT2に昇格し、突入リプ入賞することによりRT2からRT3に移行する例について説明したが、通常遊技状態からRT2への昇格契機およびRT2からRT3への移行契機はこれに限らず、たとえば、所定の入賞役の取りこぼし時にのみ停止する図柄組合せが停止されることであってもよい。これにより、所定の入賞役を取りこぼす代わりに遊技状態が移行されるという面白みを付加することができる。
(5) 図22で示したステージ名称表示領域の画像は、前兆演出の画像の前面側に表示されるため、その表示が優先される。また、スピーカ53、54からステージ名称を音声出力する場合は、他の音声が出力停止またはレベル低下させられる。このため、ステージ名称を遊技者に確実に認識させることができるので、演出ステージの切り替えをいっそう的確に遊技者にアピールすることができるようになる。
また、ステージ名称表示領域の大きさは、第5ステージ>第4ステージ>第3ステージ>第2ステージ>第1ステージとなっている。また、ステージ名称表示領域においてステージ名称を表示する表示期間の長さは、第5ステージ>第4ステージ>第3ステージ>第2ステージ>第1ステージとなっている。その後のバトル演出において味方キャラクタが勝利する割合・期待値がより高いステージほどステージ名称が表示される大きさが大きく、表示される期間も長いため、遊技者に有利なステージへの切り替えを強くアピールすることができるようになる。
また、その後のバトル演出において味方キャラクタが勝利する割合・期待値が小さい第1ステージに切り替えられてもスピーカ53、54からのステージ名称の音声出力はないのに対して、期待度が高いステージに切り替えられるとスピーカ53、54からもステージ名称が音声出力される。しかもその後のバトル演出において味方キャラクタが勝利する割合・期待値がより大きなステージに切り替えられる毎に、音量が大きくなる。このため、遊技者に有利なステージへの切り替えを強くアピールすることができるようになる。
(6) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。