[スロットマシンの構成例]
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。図1は、本実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「ブランク」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「リプ」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「JAC3」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「白7」(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)、「JAC1」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号11の図柄)、「ベルc」(たとえば、左リール2Lの領域番号4の図柄)、「イチゴ」(たとえば、中リール2Cの領域番号21の図柄)、「JAC2」(たとえば、中リール2Cの領域番号18の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長の長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側の何れか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。後述するCB(チャレンジボーナス)時ではない非CB時においては、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ライン(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として非CB時では遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわちリールの中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち谷型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とが形成されている。
また、本実施の形態においては、CB時では規定数の賭数としてメダル1枚が定められ、非CB時では規定数の賭数としてメダル3枚が定められており、規定数の賭数が設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。
本実施の形態においては、有効化されるライン(以下、有効化ラインともいう)として、入賞ラインL1が有効化される中段ラインと、入賞ラインL2が有効化される右上がりラインと、入賞ラインL3が有効化される右下がりラインと、入賞ラインL4が有効化される小谷ラインと、入賞ラインL5が有効化される小山ラインとが設定される。なお、本実施の形態のように複数ラインを有効化するものに限らず、1ラインのみを有効化するものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払出されるようになっている。
また、有効ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、図8を用いて後述するように、昇格リプ、突入リプ、および転落リプの何れかが入賞、あるいは、取りこぼし出目が導出されると、リプレイ確率が異なるRT1〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのリールのみを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は非CB時においては190ms(ミリ秒)に設定されている。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうち何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を有効ライン上に表示させることができる。
なお、本実施の形態においては、CB時に限って、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は75ms(ミリ秒)に設定されている。75msの間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから1コマ先までにある図柄、合計2コマ分の図柄となる。このため、CB時においては、遊技者の目押しの技量に大きく依存して入賞が可能となる。
[スロットマシンの機能構成例]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインとが一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、およびリールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、および設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、およびリールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限らず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成される。演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、CBの当選確率については、設定値に依存することなく何れの遊技状態においても一定の当選確率となっている。なお、CBについても他の小役などと同様に設定値に応じた当選確率を用いてもよい。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタをメイン制御部41のRAM41cのスタックに退避し、RAM41cに何れかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41のRAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうち何れに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
[ゲーム処理]
図5は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、リール回転処理(S3)、入賞判定処理(S4)、払出処理(S5)、ゲーム終了時処理(S6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。S1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態(CB、非CB)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。より具体的には、遊技状態に応じた規定数(たとえば非CB時では3、CB時では2)の賭数が設定された時点で、入賞ラインが有効化され、ゲームを開始させることが可能となる。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された有効ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、CB入賞可能なCB役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
S2のステップにおける内部抽選処理では、S1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAM41cに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。
内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、メイン制御部41のRAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態およびCBであるか否かに応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、RTを特定するためのRTフラグの値、CBであるか否かを特定するためのCBフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値、CBフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、何れかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、何れの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
S3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、何れかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、何れか1つのリールが停止したとき、または何れか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、非CB時において滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、何れかの役に当選している場合には、当選役を有効ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が有効ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、何れの役にも当選していない場合には、何れの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、有効ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、何れかの役が当選している場合でも何れの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施の形態のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行う。サブ制御部91側において、AT中ではない、つまり非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて左第1停止するようにさせるためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左第1停止させるように設計されている。
以下では、左第1停止させる押し順を「推奨押し順」ともいい、「推奨押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「順押し」ともいう。また、推奨押し順以外の押し順(つまり、右第1停止または中第1停止させる押し順)を「変則押し順」ともいい、「変則押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「変則押し」ともいう。つまり、非AT中に遊技者が変則押しを実行すると、ペナルティが付与される。
本実施の形態において、非AT中のゲームで左第1停止させなかった場合には以下のペナルティが科される。また、後述する通常演出が実行されているゲームで左第1停止させなかった場合に、当該ペナルティが科されるようにしてもよい。当該ペナルティとしては、6ゲームの期間中、後述するAT抽選が実行されないようになっている。これにより、ペナルティが科されてしまうと、後述する昇格リプや突入リプに入賞させることが難しくなり、遊技者にとって有利なRT2やRT3に移行しにくくなってしまう。そのため、遊技者は、ペナルティが科されないように、非AT中に左第1停止をするようになる。なお、ペナルティとしては、上記に限らない。たとえば、AT抽選において後述するナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものであってもよい。さらには、すでに所有するナビストックを取り消すものであってもよい。また、遊技者にとって有利度合いが向上することを示唆するフリーズなどの演出を実行させないものであってもよい。
ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。
S4のステップにおける入賞判定処理では、S3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。S4においては、遊技状態の移行を伴う表示結果が停止されたときに、RTフラグおよびCBフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
S5のステップにおける払出処理では、S4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出しなどの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をメイン制御部41のRAM41cに設定する。
S6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、有効ラインに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RTの種類、CBの有無など)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類の何れかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、何れかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(何れかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、サブ制御部91に送信される。
本実施の形態のスロットマシン1においては、何れかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類としては、前述したように、大きく分けて、小役と、再遊技役と、CB役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴う移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
[入賞役、取りこぼし出目]
図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、払出枚数/作動、および、入賞役の関連情報について説明するための図である。また、図7は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される取りこぼし出目を説明するための図である。
本実施の形態においては、複数種類の入賞役として、CB役であるCBと、再遊技役であるリプ1〜12と、小役であるJAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2とが設けられている。
CBは、有効ラインに「JAC3−JAC2−JAC3」の組合せが揃ったときに入賞となる。なお、本実施の形態における図柄組合せの説明における「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。
CBを構成する図柄のうち、左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC3」は、それぞれ5コマ以内に配置されていない。しかしながら、図1に示すように、有効ラインは、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてCBに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているCBを入賞させることができる。つまり、CBは取りこぼしのない役である。CBに入賞したときには、CB入賞前後で後述するRT状態が変わらずに、CBが作動される。なお、CBに入賞したときには、メダルは払出されない。
再遊技役のうちリプ1を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ1に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ1を入賞させることができる。つまり、リプ1は取りこぼしのない役である。リプ1に入賞したときには、RT状態が移行せずに維持されるため、リプ1は、維持リプともいう。
また、リプ2を構成する左リール2Lおよび中リール2Cの図柄は、5コマ以内に配置されている一方、右リール2Rの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ2に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ2を入賞させることができる。つまり、リプ2は取りこぼしのない役である。リプ2に入賞したときには、RT状態がRT1からRT2へ移行するため、リプ2は、昇格リプともいう。
リプ3〜リプ5各々を構成する左リール2Lおよび中リール2Cの図柄は、それぞれ5コマ以内に配置されている一方、右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、かつ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ3〜リプ5のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプに入賞させることができない。つまり、リプ3〜リプ5は取りこぼしのある役である。リプ3〜リプ5のいずれかに入賞したときには、RT状態がRT2またはRT3からRT1へ移行するため、リプ3〜リプ5は、転落リプともいう。
リプ6を構成する左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、右リール2Rの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ6に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ6を入賞させることができる。つまり、リプ6は取りこぼしのない役である。リプ6に入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ6は、突入リプともいう。
リプ7を構成する左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄である「JAC1」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ7に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ7を入賞させることができる。つまり、リプ7は取りこぼしのない役である。リプ7に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ7は、チャンスリプともいう。本実施の形態においては、リプ7に入賞しても単に再遊技が行われるだけであるが、リプ7に入賞したときには後述するAT抽選が行われるなど、何らかの特典が付与されるものであってもよい。
リプ8を構成する左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ8に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ8に入賞させることができない。つまり、リプ8は取りこぼしのある役である。リプ8に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ8に入賞したときには、有効ライン上に「リプ−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ8は、7揃い用リプともいう。
リプ9を構成する左リール2Lの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ9に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ9に入賞させることができない。つまり、リプ9は取りこぼしのある役である。リプ9に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ9に入賞したときには、有効ライン上に「白7−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ9は、7揃い用リプともいう。
リプ10〜リプ12各々を構成する左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていないが、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、かつ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ10〜リプ12のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプに入賞させることができない。つまり、リプ10〜リプ12は取りこぼしのある役である。リプ10〜リプ12のいずれかに入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ10は、突入リプともいう。
小役のうちJACを構成する左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC1」は、それぞれ5コマ以内に配置されていないが、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてJACに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているJACを入賞させることができる。つまり、JACは取りこぼしのない役である。JACに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうちAT役には、AT1〜18の18種類のAT役が含まれる。AT1を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT1に入賞させることができない。また、AT1と同様に、AT2〜AT18各々を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT2〜AT18のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているATに入賞させることができない。つまり、AT1〜AT18は取りこぼしのある役である。AT1〜AT18のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
小役のうちイチゴは、有効ラインに「ANY−イチゴ−リプ」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもイチゴを入賞させることが可能である。また、中リール2Cの図柄である「イチゴ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。さらに、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてイチゴに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているイチゴを入賞させることができる。つまり、イチゴは取りこぼしのない役である。イチゴに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうちチャンス役には、チャンス1およびチャンス2の2種類のチャンス役が含まれる。チャンス1は、有効ラインに「ブランク−ベルa−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス1を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス1に入賞させることができない。つまり、チャンス1は取りこぼしのある役である。チャンス1に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
チャンス2は、有効ラインに「ブランク−ベルb−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス2を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス2に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス2に入賞させることができない。つまり、チャンス2は取りこぼしのある役である。チャンス2に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
次に、図7を用いて取りこぼし出目を説明する。取りこぼし出目は、小役のうち後述する左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役の何れにも入賞させることができない場合(取りこぼす場合)において、有効ライン上に必ず引込まれて停止する特定のはずれの図柄組合せである。
取りこぼし出目は、こぼし目1〜18を含む。こぼし目1〜こぼし目18は、各々、有効ラインに、図7においてこぼし目に対応して示される図柄組合せをいう。
小役のうち左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役のうち何れも発生させることができない場合にはこぼし目1〜18の何れかが有効ラインに導出され、RT状態がRT1に移行される。
[遊技状態の遷移]
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、図8に示すように、メイン制御部41により、RT0〜3の4種類の遊技状態(RT状態ともいう)のうち何れかに制御される。
RT0は、内部抽選の当選確率の設定変更後に制御される遊技状態である。RT1は、通常、最も制御される時間が長い遊技状態である。RT1には、RT0におけるゲームで取りこぼし出目が導出されたときに移行される。また、RT2は、RT1よりも再遊技の確率が高くなる遊技状態である。RT2には、RT1におけるゲームで昇格リプに入賞したときに移行される。一方、RT2におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。また、RT3は、RT2よりも再遊技役に当選する確率が高くなる遊技状態である。RT3には、RT2におけるゲームで突入リプに入賞したときに移行される。一方、RT3におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。さらに、本実施の形態においては、RT0〜3の何れにおいても、CBに入賞することで、RT状態を維持したままでCB中のゲームが実行される。CBとは、チャレンジボーナスとも称し、JAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2の小役全てが当選するゲームが行われる。そのため、CB中のゲームでは、遊技者の目押しにより小役の入賞が毎ゲーム可能となる。
[非CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図9、10を参照して、非CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3の何れであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図9、10においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の名称を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「1600」が設定されている抽選対象役の当選確率は、1600/65536となる。なお、内部抽選において、何れの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
図9に示すように、内部抽選において、抽選対象役のうちJACが読み出されたときには、JACに対応する入賞役であるJACについての当否抽選が行われる。
抽選対象役のうち左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT1、AT2、AT3、AT4、AT5、およびAT6すべてを一括した当否抽選が行われる。抽選対象役のうち左ベル2〜右ベル3が読み出されたときも、同様に、それぞれの抽選対象役に対応して図9に示される入賞役の組合せすべてを一括した当否抽選が行われる。また、抽選対象役のうちイチゴが読み出されたときには、イチゴについての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちチャンス1が読み出されたときには、チャンス1についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちチャンス2が読み出されたときには、チャンス2についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちCBが読み出されたときには、CBについての当否抽選が行われる。
また、RT0〜3の何れの遊技状態においても、JAC、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、RT0〜RT3の何れの遊技状態においても、遊技状態にかかわらずそれぞれの抽選対象役に共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
次に、右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止リール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れであるかに応じて、JACあるいは当選しているAT役のうちの何れかを有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
たとえば、左ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、AT役は、取りこぼしのある役である。よって、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図7で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
中ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、中ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図7で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
右ベル1〜3の何れかが当選し、右第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、右ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または中第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図7で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、左第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、左第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、中ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、中第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、中第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、右ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、右第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、右第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施の形態では、左ベル1〜3の何れが当選したか、中ベル1〜3の何れが当選したか、および右ベル1〜3の何れが当選したかによって、JACを確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ取りこぼし出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。つまり、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3についてはそれぞれ、押し順(以下、「特定押し順」ともいう。)が対応付けられている。図9の例では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3それぞれの特定押し順は、左第1停止、中第1停止、右第1停止である。
上記のようなリール制御が行われる理由は、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるかが、一義的に決められているからである。
たとえば、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が左第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち払出枚数が多いJACを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。一方、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が中第1停止や右第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させる具体例を以下に説明する。たとえば、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が中第1停止であった場合には、図6に示すように、左ベル1に含まれる何れかの役を入賞させるためには、「JAC2」、「ベルa」、「ベルb」の何れかを有効ライン上に引き込んでリールを停止させる必要がある。ここで、「JAC2」を有効ライン上に引き込むよりも、「ベルa」または「ベルb」を有効ライン上に引き込んだ方が入賞役の選択肢が多い(たとえば、「JAC2」を停止させると入賞役の選択肢は「JAC]の1種類のみだが、「ベルa」を停止させると入賞役の選択肢は「AT1」、「AT2」、「AT3」の3種類ある)。そのため、第1停止が中第1停止であった場合には、入賞の可能性の高いAT役の何れかを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
そして、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順で操作された場合には、JACが入賞してRT状態が維持されるとともに14枚のメダルが払出される。一方、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順以外の押し順で操作された場合には、取りこぼし出目が導出される可能性があり、この場合にはRT状態がRT1に転落する。RT1は、RT2やRT3と比較して再遊技役の当選確率が低い不利なRT状態であるため、RT2またはRT3で左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選した場合には、特定押し順で操作されたときよりも特定押し順以外の手順で操作されたときの方が遊技者は不利になる割合が高い。よって、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBについては、押し順にかかわらず取りこぼさなければそれぞれに対応する役に入賞する。さらに、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBについては、入賞前後でRT状態は変化しない。よって、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBは、押し順にかかわらず有利度が同一である役だといえる。
なお、本実施の形態においては、前述したような押し順によって有利度が異なる当選役を第1当選役といい、押し順にかかわらず有利度が同一である当選役を第2当選役ともいう。図9に示す例では、非CB時における第1当選役には、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBが含まれる。
なお、図9に示すように、中ベル1〜3や右ベル1〜3よりも、左ベル1〜3の当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止しなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左第1停止させるように設計されている。このため、左ベル1〜3よりも中ベル1〜3や右ベル1〜3の方が当選確率が高いにもかかわらず、非AT中のときには中ベル1〜3や右ベル1〜3に当選した場合にJACを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で取りこぼし出目が導出されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、JACを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
次に、図10に示すように、抽選対象役のうち通常リプ1が読み出されたときには、通常リプ1に対応する入賞役であるリプ1についての当否抽選が行われる。なお、図10に示すテーブル表は、非CB時テーブル表ともいう。
抽選対象役のうち通常リプ2が読み出されたときには、通常リプ2に対応する入賞役の組合せであるリプ1およびリプ7についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうち、図10の左欄に示す通常リプ3から7はずれリプのうちいずれかが読み出されたときも、同様に、それぞれの抽選対象役に対応して図10に示される入賞役の組合せすべてを一括した当否抽選が行われる。
また、RT0の遊技状態においては、通常リプ1が内部抽選の対象役として読み出される。RT1の遊技状態においては、通常リプ1および通+昇リプ1〜4が内部抽選の対象役として順に読み出される。RT2の遊技状態においては、通常リプ1、通+転リプ1〜3、および通+突リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。RT3の遊技状態においては、通常リプ2、通常リプ3、通+転リプ1〜3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
ここで、通常リプ2、通常リプ3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、RT3の遊技状態であるときのみ抽選対象役に設定されている。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べて再遊技となる確率が高くなっている。また、後述するように、通常リプ2および通常リプ3は、CB中においては唯一14枚払出しが可能な役である。そのため、RT3のときのみCB中のゲームで14枚払出しがされる可能性がある。さらに、後述するように、7揃いリプに当選したときには、AT抽選が実行される。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べてAT抽選が実行される可能性が高くなっている。
次に、リール制御の内容について説明する。通+昇リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ4が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ4が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+昇リプ1〜4の何れかが当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、昇格リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+昇リプ1〜4の何れかが当選した場合には、昇格リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT1に制御されているときは、昇格リプを入賞させてRT2に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ1〜4に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、RT2に昇格することができる。
通+転リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+転リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+転リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+転リプ2または通+転リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に転落リプが入賞するようになっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+転リプ2または通+転リプ3に当選した場合には、転落リプに入賞する可能性が高くなっている。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、転落リプに入賞することでRT1に転落する可能性が高くなる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ2または通+昇リプ3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、転落リプの入賞を回避させることができ、RT2を維持することができる。
通+突リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+突リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+突リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+突リプ2または通+突リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、突入リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+突リプ2または通+突3に当選した場合には、突入リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、突入リプを入賞させてRT3に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+突リプ2または通+転リプ3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、突入リプを確実に入賞させることができ、RT3に昇格することができる。
チャンリプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
チャンリプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
7揃いリプが当選した場合には、第2停止まで行ったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングに応じて有効ライン上に「白7」が3つ揃って停止する7揃い出目を導出させる制御を行う。
7はずれリプが当選した場合には、第2停止まで行ったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングにかかわらず有効ライン上に「白7」が3つ揃わずに停止する7揃いはずれ出目を導出させる制御を行う。
以上のように、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3については、それぞれ特定押し順が対応付けられている。そして、図10に示すように、押し順に応じて異なる種類の再遊技役(維持リプ、転落リプ、昇格リプ、突入リプ)が入賞して、RT状態が変化する。よって、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプについては、押し順にかかわらず所定の役に入賞する。つまり、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、押し順にかかわらず有利度が同一である役だといえる。
よって、図10に示す例では、非CB時における第1当選役には、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが含まれる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払出しや遊技状態移行を行う。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。なお、CB時における当選役などについては、非CB時のものと同一となる。
[ゲームの流れ]
ここで、図8を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、図8に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、高い確率でJACおよびAT役を取りこぼして、有効ラインに取りこぼし出目が停止され、いつまでも取りこぼし出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3において非AT中のときに、左第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左第1停止するように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、昇格リプに入賞することにより、RT2に移行する。昇格リプに入賞するためには、図10で示したように、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しても左第1停止する限りは昇格リプに入賞しない。よって、左第1停止させる限り、RT2に移行する可能性はない。
また、RT1においてペナルティを科されながらも左第1停止させて昇格リプに入賞してRT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、RT2では、通+転リプ2、3に当選する可能性があり、このときに、左第1停止すると転落リプが入賞してRT1に転落してしまう。さらに、RT2で中ベル1〜3や右ベル1〜3のうち何れかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては取りこぼし出目が導出されてRT1に転落してしまう。このため、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、通+昇リプ1〜4の何れかに当選したときに、昇格リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプ入賞によりRT2に移行させることができる。
また、RT2では、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに、維持リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、維持リプ入賞によりRT2を維持することができる。
さらに、RT2では、通+突リプ1〜3の何れかに当選したときに、突入リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、突入リプ入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、JACを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、JAC入賞により取りこぼし出目の導出を回避させてRT3を維持させることができる。ここで、本実施の形態においては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときにJACを取りこぼした場合は押し順に応じてAT1〜18に入賞するしかメダルは払出されない。しかも、運よくAT1〜18に入賞したとしても、メダルの払出枚数はJACの14枚よりもはるかに少ない1枚のメダルしか払出されない。そのため、ATに制御されているときには、制御されていないときよりも、遊技者が得られるメダルの払出枚数を多くすることができ、AT制御の有無によって有利度を大きく異ならせることができる。なお、RT3では、チャンリプ1〜3の何れかに当選したときに、チャンスリプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
[サブ制御部の演出制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。なお、当該演出については、前述の所定演出が含まれている。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてROM91bに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、ROM91bに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンから何れかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてROM91bに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、左第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行う。ペナルティとしては、前述したように、6ゲームの期間中、AT抽選が実行されなかったり、AT抽選においてナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものなどがある。
なお、単なる操作ミスにより左第1停止することができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左第1停止以外を操作している蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左第1停止以外の操作がされた回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中のゲームにおいて、受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左第1停止している限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左第1停止している限り入賞しない入賞役とは、たとえば、中ベル1〜3や右ベル1〜3の何れかに当選したときのJACが該当する。
また、サブ制御部91は、AT中にナビ演出を実行したゲームにおいて、当該ナビ演出から特定される操作手順と異なる手順で操作されたか否かを判定し、異なる手順で操作されたと判定されたときには遊技者にとって不利なAT中のペナルティを科す制御を行う。AT中のペナルティとしては、6ゲームの期間中、AT抽選が実行されなかったり、AT抽選においてナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものなどがある。また、たとえば、すでに付与されているナビストックを所定数減算すること、AT抽選条件が成立してもAT抽選を行わないことなどがある。
なお、AT中においても、単なる操作ミスによりナビ演出から特定される操作手順で操作できない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的にナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作している蓋然性が高いことを推認できるAT中のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
AT中のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでにナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作された回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、所定回数(2回)連続してナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作されたことにより成立するものなどであってもよい。
また、AT中において、ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、取りこぼし出目の導出や転落リプ入賞した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了(ナビストックを消去)させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるようにナビ演出を実行するようにしてもよい。
[到達ゲーム数決定処理について]
本実施例では、サブ制御部91により到達ゲーム数(いわゆる天井ゲーム)が決定される到達ゲーム数決定処理が実行される。到達ゲーム数決定処理により到達ゲーム数が決定されると、サブ制御部91は、到達ゲーム数カウンタの値に、初期値として該決定された到達ゲーム数をセットする。本実施形態では、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域において到達ゲーム数カウンタの値を記憶する。サブ制御部91は、1ゲーム消化毎に(第3停止毎に)、到達ゲーム数カウンタを1減少させる。到達ゲーム数カウンタの値が0になったとき(つまり、到達ゲーム数が決定されたゲームから、該到達ゲーム数のゲームが消化されたとき)に、図14の第3AT抽選条件、または第4AT抽選条件が成立したとしてAT抽選を実行する。以下では、「到達ゲーム数カウンタが0になること」を「消化ゲーム数が到達ゲームに到達する」ともいう。
たとえば、到達ゲーム数決定処理により、到達ゲーム数(天井ゲーム数)が400に決定された場合には、サブ制御部91は、到達ゲーム数カウンタの値に、初期値として400にセットする。サブ制御部91は、1ゲーム消化毎に到達ゲーム数カウンタを1減算し、到達ゲーム数カウンタが0に到達したときに、図14の第3AT抽選条件が成立したとしてAT抽選を実行する。
また、サブ制御部91は、液晶表示器51に消化ゲーム数を表示し、1ゲーム消化毎(第3停止時)に該表示された消化ゲーム数を1ずつ増加更新させる。また、消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達したことによりAT当選したときには、AT当選した旨を示唆する演出を実行する。当該演出により、遊技者は、消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達したとして当該到達ゲーム数を把握できるが、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまでは到達ゲーム数を把握できないようになっている(決定された到達ゲーム数は表示されない)。
また、サブ制御部91は、液晶表示器51の全表示領域の右上隅の領域に消化ゲーム数を表示する。本実施形態では、表示される消化ゲーム数の最小値(初期値)を「1」とし、最大値を「1000」とする。また、消化ゲーム数が、到達ゲーム数に到達すると表示される消化ゲーム数は1に戻る(初期化される)。
図11は、1ゲーム開始毎(たとえば、適正タイミングでスタートスイッチ7が操作される毎)に、サブ制御部91により実行される到達ゲーム数決定処理の処理フローである。Sf2においては、到達ゲーム数決定条件が成立したか否かが判断される。到達ゲーム数決定条件は、ATが終了したことにより成立する条件である。Sf2で、到達ゲーム数決定条件が成立したと判断されると(Sf2のYES)、Sf4に移行し、到達ゲーム数決定条件が成立しないと判断されると(Sf2のNO)、到達ゲーム数決定処理は終了する。
Sf4では、ゲーム数テーブルを参照して到達ゲーム数を決定する。ここで、ゲーム数テーブルについて説明する。ゲーム数テーブルでは、到達ゲーム数として決定される候補となる候補到達ゲーム数として10〜1000までの10の倍数のゲーム数各々に振分率が、設定値毎に定められている。ゲーム数テーブルは、予めROM91bに記憶されている。図12は、ゲーム数テーブルを説明するに際して便宜上、到達ゲーム数の候補をさらに100ゲーム毎に区分けした場合を示した図である。図12に示すように、本実施例では、100ゲーム毎に区分けされたうちの各区分を「ゾーン」という。「ゾーン」は、所定範囲の連続するゲーム数を複数に区分された範囲である。本実施例では、所定範囲とは、1〜1000ゲームとし、複数とは、10個であるとする。つまり、本実施例では、1〜1000ゲームを10個のゾーンに分類し、それぞれのゾーンの範囲は1〜100、101〜200、・・・901〜1000となる。また、当該それぞれのゾーンの言及については、ゾーン番号を用いる。たとえば、範囲が1〜100のゾーンの番号は「1」であり、以下では、このようなゾーンを「ゾーン1」という。なお、本実施形態では、当該所定範囲とは、1から1000までの範囲である。
具体的に説明すると、1〜100ゲームの範囲のゾーン1については、候補到達ゲーム数は、10、20、30、・・・、100となる。たとえば、候補到達ゲーム数「10」については、振分率は2.9%となる。つまり、到達ゲーム数決定処理において、2.9%の確率で、到達ゲーム数として「10」が決定される。本実施例では、一のゾーンに属する候補到達ゲーム数の振分率は全て同じに設定されている。また、振分合計率は、1ゾーンに属する全ての候補到達ゲーム数の合計値である。たとえば、1〜100の範囲のゾーンの振分合計率は、2.9%×10=29%となる。また、全てのゾーンの振分合計率を合計すると100%となる。
また、振分合計率が所定値(ここでは、10%)以上であるゾーンを「高ゾーン」とし、所定値未満であるゾーンを「低ゾーン」とする。また、図12のゲーム数テーブルにおいては、「低ゾーン」および「高ゾーン」が交互になるように、候補到達ゲーム数の振分率が設定されている。
また、本実施例のゲーム数テーブルについては、各ゾーンの振分率が設定値ごとに異なるように設定されている。このように、各設定値ごとに、到達ゲーム数の決定確率が異なることから、遊技の興趣を向上させることができる。なお、前述の通り、図12は、便宜上記載したものであり、ROM91bに実際に記憶されているゲーム数テーブルは、候補到達ゲーム数、および、当該候補到達ゲーム数に定められた振分率である。
[前兆演出について]
次に、サブ制御部91により実行される前兆演出について説明する。前兆演出とは、AT抽選が実行された以降であって、AT抽選(図13のS14参照)の結果が報知される前に実行される演出である。前兆演出を実行することにより、AT当選したのではないかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。本実施形態では、サブ制御部91は、前兆演出A〜Dのいずれかを実行可能である。
前兆演出A〜Dの具体的な内容としては、主に修行演出とバトル演出などが含まれる。修行演出とは、液晶表示器51において、味方キャラXが修行する演出である。バトル演出とは、液晶表示器51において、味方キャラXと敵キャラYがバトルを行う演出である。AT当選したときには、バトル演出の最終ゲームで、味方キャラXが勝利する画面、およびAT当選したことを想起するメッセージ(本実施形態では「WIN」の文字)が表示される。このように、AT当選したときに実行されるバトル演出を「勝利バトル演出」といい、味方キャラXが勝利する画面、およびAT当選したことを想起するメッセージが表示された画面を「AT当選画面」という。該AT当選画面が表示されたゲームの次のゲームからATに制御される。
一方、AT非当選したときには、バトル演出の最終ゲームで、味方キャラXが敗北する画面、およびAT非当選であることを想起するメッセージ(本実施形態では「LOSE」の文字)が表示される。このように、AT非当選であるときに実行されるバトル演出を「敗北バトル演出」といい、味方キャラXが敗北する画面、およびAT非当選であることを想起するメッセージが表示された画面を「AT非当選画面」という。該AT非当選画面が表示されたゲームの次のゲームからはATではない通常のゲームに制御される。
また、本実施形態では、前兆演出が実行されるゲーム数は様々ある。実行される前兆演出が5ゲーム以下である場合には、修行演出は実行されず、バトル演出が実行される。また、実行される前兆演出がNゲーム(ただしNは6以上の整数)である場合には、修行演出は「N−5」ゲームの間実行され、修行演出が終了したゲームの次のゲームから5ゲーム間のバトル演出が実行される。このように、前兆演出として、修行演出が実行されずバトル演出が実行されるパターンと、修行演出およびバトル演出が実行されるパターンとがあることから、前兆演出を多様にすることができる。また、前兆演出が長い場合であっても(本実施形態では、前兆演出が6ゲーム以上に亘って実行される場合であっても)、修行演出およびバトル演出を実行することにより、遊技者に飽きさせないようにすることができる。
また、本実施形態では、AT当選する契機は、大きく分けて2つある。1つ目は特定役が当選したことを契機に実行される(図14で説明する第1AT抽選条件または第2AT抽選条件が成立したことにより実行される)AT抽選によるAT当選(以下、「第1AT当選」という。)である。2つ目は到達ゲーム数カウンタが0になったことによる(第3AT抽選条件または第4AT抽選条件が成立したことによる)AT当選(以下、「第2AT当選」という。)である。
本実施形態では、第1のAT当選が生じたときのAT当選画面(以下、「第1AT当選画面」という。)と、第2のAT当選が生じたときのAT当選画面(以下、「第2AT当選画面」という。)とは異なる態様である。たとえば、第1AT当選画面は、「特定役当選!おめでとう!」といったメッセージが表示される画面であり、第2AT当選画面は、「天井ゲーム到達!おめでとう!」といったメッセージが表示される画面である。
[前兆演出関連処理について]
次に、サブ制御部91により実行される前兆演出関連処理について説明する。
図13は前兆演出関連処理のフローチャート図である。前兆演出関連処理は特定役が当選したときに実行される処理である。ここで特定役とは、AT抽選が実行される契機となる当選役である。本実施形態では、特定役は、チャンス1、チャンス2およびイチゴである(図14の第1AT抽選条件、第2AT抽選条件参照)。
S12において特定役カウンタが初期値として32にセットされる。サブ制御部91は、RAM91cを特定役カウンタとして用いる。ここで特定役カウンタとは、1ゲーム消化毎(第3停止毎)に、サブ制御部91により1減少される。また、AT当選しているときにおいて特定役カウンタが0になったときには、AT当選画面が表示され、次のゲームからATに制御される。一方、AT非当選であるときにおいて特定役カウンタが0になったときには、AT非当選画面が表示され、次のゲームからATに制御されず通常のゲームが開始(維持)される。
なお、遊技者は、ナビ演出が実行されているときを除いては、内部抽選の結果を特定することができない。したがって、遊技者は特定役に当選したか否かを判別することはできない。したがって、遊技者は、特定役カウンタが32にセットされるタイミングを特定することもできない。
S12の処理が終了するとS14に進む。S14ではAT抽選が実行される。ここでAT抽選とは、ATに制御させるか否かを決定し、ATに制御させると決定された場合には、付与するATゲーム数を決定する処理である。サブ制御部91は、付与されたATゲーム数だけATに制御させる。したがって、付与されるATゲーム数が多いほど、遊技者にとって有利となる。AT抽選は、所定のAT抽選テーブルに基づいて実行される。
図14はAT抽選テーブルの一例を示す図である。なお、図14での「G」はゲームを示す。第1AT抽選条件は、チャンス1またはチャンス2に当選したときに成立する。第1AT抽選条件が成立したときには、50%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるATゲーム数が「10」「50」「100」「300」となる確率はそれぞれ40%、30%、20%、10%である。
第2AT抽選条件は、イチゴが当選したときに成立する。第3AT抽選条件は、到達ゲーム数決定処理で1〜500のいずれかに到達ゲーム数が決定されたときに設定された到達ゲーム数カウンタが0に到達することにより成立する条件である。第4AT抽選条件は、到達ゲーム数決定処理で501〜1000のいずれかに到達ゲーム数が決定されたときに設定された到達ゲーム数カウンタが0に到達することにより成立する条件である。
第2AT抽選条件〜第4AT抽選条件についてのATゲーム数の振分率は図14で示される通りである。
次に、第1AT抽選条件〜第4AT抽選条件それぞれについて、付与されるATゲーム数の期待値について説明する。第1AT抽選条件が成立したときのATゲーム数の期待値は、(10×0.4+50×0.3+100×0.2+300×0.1)×0.5=39.5ゲームである。
同様の計算で、第2AT抽選条件が成立したときのATゲーム数の期待値は115ゲームとなる。第3AT抽選条件が成立したときのATゲーム数の期待値は85ゲームとなる。第4AT抽選条件が成立したときのATゲーム数の期待値は31ゲームとなる。したがって、第4AT抽選条件が成立したときのATゲーム数の期待値は、他のAT抽選条件(第1AT抽選条件〜第3AT抽選条件)が成立したときのATゲーム数の期待値よりも低く設定されている。
S14の処理が終了するとS16に進む。S16において到達ゲーム数カウンタが32以上であるか否かが判断される。到達ゲーム数カウンタが32以上であると判断されると(S16でYes)、S18に進む。S18では、前兆演出A抽選が実行される。前兆演出A抽選とは、前兆演出Aを実行するか否かを決定する処理である。また、前兆演出Aは、特定役カウンタが0に到達するまで実行される。つまり、前兆演出Aは、32ゲーム間、実行される。また、前兆演出Aは最初の27ゲームの修行演出が実行され、最後の5ゲームでバトル演出が実行される。また、前兆演出Aが実行されることが決定された場合において、S14でのAT抽選においてAT当選したときには、最後の5ゲームで勝利バトル演出が実行される。一方、前兆演出Aが実行されることが決定された場合において、S14でのAT抽選においてAT非当選であるときには、最後の5ゲームで敗北バトル演出が実行される。
また、前兆演出Aでの修行演出は、たとえば、味方キャラXが瓦割りをする画面を表示する演出であり、バトル演出は、たとえば、味方キャラXと敵キャラYがバトルを行う演出である。
前兆演出A抽選は所定の抽選テーブルに基づいて実行される。図15は前兆演出A抽選テーブルの一例を示す図である。図15の例では高確率状態、低確率状態によって前兆演出を実行する確率が異なる。また、以下の説明、および図15では、勝利バトル演出が実行される前兆演出Aを前兆演出A(勝利)と示し、敗北バトル演出が実行される前兆演出Aを前兆演出A(敗北)と示す。
次に、高確率状態および低確率状態について説明する。AT非当選であるときにおいて、高確率状態であるときには、低確率状態であるときよりも、前兆演出(敗北)が実行される確率が高いように設定されている。ここで、高確率状態には、到達ゲーム数カウンタの値が1〜100、201〜300、401〜500、601〜700、801〜900であるときに制御される。また、低確率状態には、到達ゲーム数カウンタの値が101〜200、301〜400、501〜600、701〜800、901〜1000であるときに制御される。
図15に示すように、高確率状態であるときにおいて、AT非当選である場合には、前兆演出A(勝利)の実行、前兆演出A(敗北)の実行、前兆演出A非実行、それぞれの確率は、それぞれ0%、90%、10%となる。高確率状態であるときにおいて、AT当選である場合には、前兆演出A(勝利)の実行、前兆演出A(敗北)の実行、前兆演出A非実行、それぞれの確率は、それぞれ100%、0%、0%となる。低確率状態であるときのそれぞれの確率は、図15に示した通りである。
S18の処理が終了すると、S20に進む。S20において前兆演出Aの実行が決定されたか否かが判断される。前兆演出Aの実行が決定されたと判断されると(S20のYES)S22に進む。S22においては決定された種別の前兆演出A(つまり、前兆演出A(勝利)または前兆演出A(敗北)のいずれか)を実行する。また、S20において前兆演出Aが実行されないと判断されたときには前兆演出関連処理は終了する。
一方、S16において到達ゲーム数カウンタの値が32未満であると判断されたとき(S16でNo)には、S28に進む。S28において前兆演出Bが実行中であるか否かが判断される。
ここで、前兆演出Bは、到達ゲーム数カウンタの値が10に到達したゲームから、到達ゲーム数カウンタの値が0に到達するまで実行される演出である。つまり、前兆演出Bは10ゲームに亘って実行される演出である。図14でも説明したように、到達ゲーム数カウンタの値が0に到達したときには、第3AT抽選条件または第4AT抽選条件が成立したとして、必ずAT当選する。到達ゲーム数カウンタの値が10に到達したゲームから実行された前兆演出Bでは、最初の5ゲームで修行演出が実行され、最後の5ゲームで勝利バトル演出が実行される。また、他の前兆演出A、C、Dが実行されている場合であっても、到達ゲーム数カウンタの値が10に到達したときには、前兆演出Bは優先して実行される。
また、前兆演出Bは、到達ゲーム数カウンタの値が10よりも大きな値(たとえば、20以上)であっても、低確率(たとえば、2%)で実行される。この場合には、10ゲーム消化しても、到達ゲーム数カウンタの値は0にならない。したがって、到達ゲーム数カウンタの値が20以上のときに実行された前兆演出Bでは、最初の5ゲームで修行演出が実行され、最後の5ゲームで敗北バトル演出が実行される。
このように、前兆演出Bが実行されたとしても、最終ゲーム(10ゲーム目のゲーム)になるまで、到達ゲーム数カウンタが0になったか否かを遊技者は判別することができない。したがって、前兆演出Bが実行されたときに、AT当選するのではないかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、前兆演出Bでの修行演出は、味方キャラXがランニングをする画面を表示する演出であり、バトル演出は、味方キャラXと敵キャラYがバトルを行う演出である。
S28において、前兆演出B実行中であると判断されたときには(S28でYes)、S30に進み、前兆演出B実行中ではないと判断されたときには(S28でNo)、S34に進む。ここで、S28でYesと判断される場合というのは、前兆演出関連処理が実行されたゲーム(つまり、特定役が当選したゲーム)での到達ゲーム数カウンタが1〜10のうちのいずれかである場合ということである。また、S28でNoと判断される場合というのは、前兆演出関連処理が実行されたゲームでの到達ゲーム数カウンタが11〜31のうちのいずれかである場合ということである。
S30では到達ゲームによる前兆演出Bの実行を維持する。一方、S34では前兆演出Cを開始する。ここで前兆演出Cとは、該前兆演出Cが開始されたゲームから、到達ゲーム数カウンタが11になるゲームまでの期間では、所定のナビ確率(たとえば、30%)でいわゆる白ナビ演出を実行し、到達ゲーム数カウンタが10になると前兆演出Bを開始する演出である。ここで白ナビ演出とは、何らかの役が当選したときおよびいずれの役も当選しなかったときに実行されるナビ演出である。何らかの役が当選したゲームで白ナビ演出が実行された場合において、該白ナビ演出により報知された手順で操作されたときには、該当選した役が入賞する。
また、前兆演出Cは、到達ゲーム数カウンタが11〜31である場合に、実行される。したがって、前兆演出C(白ナビ演出)が実行されたときには、あと11〜31ゲームのうちのいずれかのゲーム数が消化されると、到達ゲーム数に到達するのではないかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、白ナビ演出は、前兆演出Cが実行されていなくても、低確率(たとえば、2%)で実行される。つまり、白ナビ演出は、前兆演出Cとは関係なく実行され得る。このような白ナビ演出を実行可能とすることにより、白ナビ演出が実行されたとしても、該白ナビ演出が、前兆演出C内で実行されたものであるのか、前兆演出Cとは関係なく実行されたものであるのかを遊技者は判別させることができないようにすることができる。したがって、前兆演出C(白ナビ演出)が実行されたときに、AT当選するのではないかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
S30またはS34が終了するとS32に進む。S32ではS14のAT抽選によりAT当選したか否かが判断される。S32においてAT当選していないと判断されたときには(S32のNo)、前兆演出関連処理を終了する。一方、S32においてAT当選したと判断された場合には(S32のYes)、S36に進む。S36では上乗せ抽選が実行される。ここで上乗せ抽選とは、S32でAT当選と判断されて付与されたATゲーム数に対して上乗せする上乗せゲーム数を決定する抽選である。
本実施形態では、上乗せ抽選では、たとえば、40%の確率で10ゲーム上乗せされ、30%の確率で15ゲーム上乗せされ、20%の確率で100ゲーム上乗せされ、10%の確率で300ゲーム上乗せされる。S36の上乗せ抽選が終了すると、前兆演出関連処理を終了する。
次に、S36で上乗せ抽選を実行する理由について説明する。S36での上乗せ抽選は、S16でNoと判断され(到達ゲーム数が32未満であり)、かつS32でYesと判断された(特定役の当選によりAT当選した)場合に実行される。この場合というのは、特定役の当選により設定された特定役カウンタが0に到達する前に、到達ゲーム数カウンタが0に到達する場合である。つまり、遊技者は、特定役の当選によるAT当選の利益を受けることができずに、到達ゲーム数カウンタが0になったことによるAT当選の利益のみしか受けることができなくなってしまう。そこで、S36の上乗せ抽選を実行することにより、遊技者が受けることができなかった特定役の当選によるAT当選の利益を補填する。これにより、特定役の当選によるAT当選が無駄になることはないので、公平性を担保できる。
[前兆演出Aについて]
次に、図16を用いて、前兆演出Aについてさらに説明する。図16(A)(B)に示す「ゲーム数」とは、特定役が当選したゲームを「1ゲーム目」と起算した消化ゲーム数をいう。図16(A)は、到達ゲーム数に到達するまで残り50ゲーム存在するとき(つまり、到達ゲーム数カウンタの値が50であるとき)に、特定役が当選した場合を示す。また、図16(A)では、特定役が当選したもののAT当選しなかったことから、前兆演出A抽選(図13のS18)により、前兆演出A(敗北)の実行が決定された場合を示す。なお、特定役が当選したときには特定役カウンタが32にセットされる(図13のS12参照)。
図16(A)での前兆演出A(敗北)では、太陽511の表示とともに(昼間の態様で)、味方キャラXが修行している修行演出、および味方キャラXと敵キャラYとがバトルをするバトル演出が実行される。つまり、液晶表示器51において、味方キャラXは昼間に修行、およびバトルしている画面が表示される。なお、図16(A)では、バトル演出については省略している。特定役が当選したゲームから32ゲーム消化したゲーム(つまり、特定役カウンタが0に到達したゲーム)で、AT非当選画面520が液晶表示器51に表示される。なお、図16のAT非当選画面520では、「LOSE」の文字のみを示し、味方キャラXが敗北している画面を省略している。
AT非当選画面520が表示されたゲームの次のゲームから、抽選期間に制御される。抽選期間とは、前兆演出D抽選が実行される期間(本実施形態では5ゲーム)である。前兆演出D抽選とは、前兆演出Dを実行するか否かを決定する処理である。前兆演出D抽選は、抽選期間中のゲームの開始時(スタートスイッチ7の操作時)に実行される。
ここで、前兆演出Dについて説明する。前兆演出Dとは、AT非当選画面520が表示されたゲーム以降のゲームで実行され得る演出である。したがって、AT非当選画面520が表示されることにより、AT非当選である旨を認識した遊技者は落胆するが、前兆演出Dが実行されることにより、AT当選しているのではないかといった期待感を敗者復活的に遊技者に抱かせることができる。
前兆演出Dでの修行演出は、味方キャラXが仲間キャラと組手をする画面を表示する演出であり、バトル演出は、味方キャラXと敵キャラYがバトルを行う演出である。
図17は、前兆演出D抽選で用いられる前兆演出D抽選用テーブルの一例を示したものである。図17の例では、前兆演出D抽選が実行されるゲームでの到達ゲーム数カウンタが32未満である場合(つまり、消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまでに必要なゲーム数が比較的少ない場合)において、前兆演出Dが実行される確率が90%であり、前兆演出Dが実行されない確率が10%として規定されている。一方、前兆演出D抽選が実行されるゲームでの到達ゲーム数カウンタが32以上である場合(つまり、消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまでに必要なゲーム数が比較的多い場合)において、前兆演出Dが実行される確率が10%であり、前兆演出Dが実行されない確率が90%として規定されている。
また、前兆演出Dは、特定期間以外の期間であっても、低確率(たとえば、0.5%)で実行される。このような場合に実行された前兆演出Dでは、最初の5ゲームで修行演出が実行され、最後の5ゲームで敗北バトル演出が実行される。このように、前兆演出Dが実行されたとしても、最終ゲームになるまで、AT当選したか否かを遊技者は判別することができない。したがって、前兆演出Dが実行されたときに、AT当選するのではないかといった緊張感を遊技者に抱かせることができる。
以下では、本実施形態では、抽選期間の終了したゲームから、到達ゲーム数カウンタが0になるゲームまでの期間を「特定期間」という。前兆演出Dは、特定期間では、90%または10%の確率で前兆演出Dが実行されるが、該特定期間以外の期間では、0.5%の確率で実行される。
このように、消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまでに必要なゲーム数が比較的少ない(32ゲーム未満である)場合には、前兆演出Dが実行されやすくなっている。一方消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達するまでに必要なゲーム数が比較的多い(32ゲーム以上である)場合には、前兆演出Dが実行され難くなっている。したがって、前兆演出Dを実行することにより、消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、図16(A)に示すように、前兆演出Dでは、月514の表示とともに(夜の態様で)、味方キャラXが修行している修行演出、および味方キャラXと敵キャラYとがバトルをするバトル演出が実行される。つまり、液晶表示器51において、味方キャラXは夜に修行、およびバトルしている画面が表示される。なお、図16(A)では、バトル演出については省略している。前兆演出D実行中に、到達ゲーム数カウンタが10になったときに、前兆演出Dを終了して前兆演出Bが優先して実行される。そして、到達ゲーム数カウンタが0になったときに、AT当選画面522が表示される。
このように、本実施形態では、図16(A)に示す通り、前兆演出A(敗北)の実行→AT非当選画面520の表示→前兆演出D抽選→前兆演出Dの実行が決定されたときには、前兆演出Dの実行→AT当選画面522の表示、という制御を実行可能である。なお、現時点から比較的少ないゲーム数を消化することにより第2AT当選するにもかかわらず、前兆演出A(敗北)は実行されるので、該前兆演出A(敗北)はいわゆるガセの前兆演出であるといえる。
図16(B)は、前兆演出A(勝利)が実行されたときを示したものである。図16(B)は、太陽511の表示とともに(昼間の態様で)、味方キャラXが修行している修行演出、および味方キャラXと敵キャラYとがバトルをするバトル演出が実行される。つまり、液晶表示器51において、味方キャラXは昼間に修行、およびバトルしている画面が表示される。なお、図16(B)では、バトル演出については省略している。
このように、AT当選画面またはAT非当選画面表示されるまでは、前兆演出Aとして、前兆演出A(勝利)および前兆演出A(敗北)のうちのいずれが実行されているかを遊技者に特定できないようにすることができる。
また、特定役が当選したことによりAT当選したゲームにおいて、到達ゲーム数カウンタが0に到達した場合には、特定役が当選したことによるAT当選で付与されたATゲーム数と、到達ゲーム数カウンタが0に到達したことによるAT当選で付与されたATゲーム数とが加算されたATゲーム数が付与される。
また、図16(A)(B)の前兆演出Aの実行中に、再び、特定役が当選したときには、図13の前兆演出関連処理が再び実行されることにより、S12で再び特定役カウンタが32にセットされる(特定役カウンタが32にセットし直される)。具体的には、1回目の特定役が当選することにより、図13の前兆演出関連処理が実行されることで特定役カウンタが32にセットされる。その後、該特定役カウンタがたとえば25になったときに、再び(2回目の)特定役が当選したときには、図13の前兆演出関連処理が再び実行されることにより、S12で25である特定役カウンタは32にセットし直される。また、前兆演出A〜Dのうちのいずれかが実行されていた場合には、該実行されていた前兆演出を途中で終了して、実行されることが決定された新たな前兆演出が実行される。また、該実行されていた前兆演出A〜Dにおいて、AT当選画面を表示するものであれば、該A当選画面は表示されずに、新たに実行された前兆演出においてAT抽選の結果に応じた画面(AT当選画面またはAT非当選画面)が表示される。
また、1回目の特定役の当選によりAT当選(1回目のAT当選)してATゲーム数が付与されたときであり、かつ2回目の特定役の当選でもAT当選(2回目のAT当選)した場合には、2回目のAT当選により付与されたATゲーム数は、1回目のAT当選により付与されたATゲーム数に上乗せされる。
また、1回目の特定役が当選したことで前兆演出B〜Dを実行しているときに、特定役が再び当選したときには、前兆演出関連処理を実行せずに、前兆演出B〜Dは継続され、かつ該特定役が当選したことによるAT抽選が実行されるようにしてもよい。また、1回目の特定役が当選したことで前兆演出B〜Dを実行しているときに、特定役が再び当選したときには、前兆演出B〜Dを中止し、前兆演出関連処理を実行するようにしてもよい。
また、以上のように、前兆演出A(前兆演出A(勝利)および前兆演出A(敗北))は、第1AT抽選条件または第2AT抽選条件の成立に基づいた抽選の結果を報知するための演出である。つまり、前兆演出Aは、特定役カウンタが0になることに関連する演出である。一方、前兆演出B〜Dは、第3AT抽選条件または第4AT抽選条件の成立に基づいた抽選の結果を報知するための演出である。つまり、前兆演出B〜Dは到達ゲーム数カウンタが0になることに関連する演出である。
以下に、本実施形態におけるスロットマシン1により奏される効果について説明する。
(1) 本実施形態では、図16(A)に示すように、前兆演出A(敗北)を実行して、AT非当選画面520が表示された後に、前兆演出Dを実行することができる。したがって、前兆演出A(敗北)が終了した後でも、遊技者の期待感を持続させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図16(A)に示すように、前兆演出A(敗北)実行中の液晶表示器51の背景で、太陽511が表示されていることから、味方キャラXは昼に修行、およびバトルしている画面が表示される。一方、前兆演出Dの液晶表示器51の背景で、月514が表示されていることから、味方キャラXは昼に修行、およびバトルしている画面が表示される。したがって、遊技者は、背景を見るのみで、前兆演出Aと前兆演出Dとを容易に推測または区別することができる。
(3) 本実施形態では、図13で説明したように、特定役カウンタの値と到達ゲーム数カウンタの値とに基づいて、前兆演出A〜Dのうちのいずれを実行するかを決定する。このように、2つのカウンタである特定役カウンタの値と到達ゲーム数カウンタの値とに基づいて、前兆演出を決定することから、多様に前兆演出を実行することができる。
(4) ところで、到達ゲーム数カウンタを用いずに特定役カウンタのみを用いる構成とすることも考えられる。このような構成の場合には、特定役が当選することにより特定役カウンタが32にセットされて、該特定役カウンタが0に到達するまでの間、該特定役の当選に基づくAT抽選の結果に応じた前兆演出Aが実行される。しかしながら、特定役カウンタが32にセットされて、該特定役カウンタが0に到達するまでの間に(つまり、前兆演出Aが実行されている間に)消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達する場合がある。この場合には、前兆演出Aが実行されている間に、消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達したことに基づくAT抽選の結果が報知されるという不合理が生じる。
そこで、本実施形態では、図13に示すように、S16において、到達ゲーム数カウンタが32未満であると判断された場合には、特定役カウンタが0になることに関連する前兆演出Aを実行せずに、到達ゲーム数カウンタが0になることに関連する前兆演出Bまたは前兆演出Cを実行する。したがって、本実施形態の構成では、このような不合理が生じることを防止できる。
(5) 図16に示すように、前兆演出A(敗北)が実行された後の抽選期間において、前兆演出Dを実行するか否かを決定する。したがって、前兆演出A(敗北)の実行後において前兆演出Dを実行することが可能となり、遊技者の期待感を持続させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) ところで、前兆演出A抽選(図13のS18)において、前兆演出Aを実行するか否かのみではなく、前兆演出D抽選(前兆演出Dを実行するか否かを決定する抽選)も同時に実行する構成Pを採用することも考えられる。また、本実施形態では、図16(A)(B)の前兆演出Aの実行中に、再び、特定役が当選したときには、図13の前兆演出関連処理が再び実行されることにより、再び、前兆演出Aが開始され得る構成Qも採用している。
このような構成P、Qを採用した場合において、前兆演出A実行中に特定役が当選することで再び、前兆演出Aが開始されると、到達ゲームまでの残りゲーム数などの都合上、前兆演出Dが実行できなくなる場合がある。この場合には、構成Pでの前兆演出D抽選により前兆演出Dの実行が決定されたにもかかわらず、前兆演出Dは実行できないことから、構成Pでの前兆演出D抽選処理が無駄になってしまう。
そこで、本実施形態のように、前兆演出D抽選は、前兆演出Aが終了した後の抽選期間において実行される。したがって、前兆演出A実行中に特定役が当選したなどでも、前兆演出D抽選処理が無駄にならないようにすることができる。
(7) また、本実施形態では、S36で上乗せ抽選が実行される。S36の処理が実行されるのは、特定役の当選により設定された特定役カウンタが0に到達する前に、到達ゲーム数カウンタが0に到達する場合である。もし、S36の上乗せ抽選が実行されないと遊技者は、特定役の当選によるAT当選の利益を受けることができずに、到達ゲーム数カウンタが0になったことによるAT当選の利益のみしか受けることができなくなってしまう。そこで、S36の上乗せ抽選を実行することにより、遊技者が受けることができなかった特定役の当選によるAT当選の利益を補填する。これにより、特定役の当選によるAT当選が無駄になることはないので、公平性を担保できる。
(8) 本実施形態では、図15に示すように、高確率状態であるときには、低確率状態であるときよりも、前兆演出A(敗北)の実行確率が高い。具体的には、前兆演出A(敗北)の実行確率は、高確率状態であるときは90%である一方、低確率状態であるときは10%である。また、前兆演出A(敗北)は、前兆演出Dが実行され得る演出であることから、前兆演出A(敗北)は遊技の興趣を向上させる演出である。このように、遊技の興趣を向上させる前兆演出A(敗北)が実行される確率が高い高確率状態を定めておくことにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 本実施形態では、図14に示す第4AT抽選条件は、到達ゲーム数が501〜1000のいずれかに設定された場合において、到達ゲーム数カウンタが0になることにより成立する条件である。つまり、第4AT抽選条件を成立させたときから、到達ゲーム数が決定されたゲームから、501〜1000ゲームのいずれかのゲーム数(多大なゲーム数)を消化する必要がある。
そこで、図14に示すように、第4AT抽選条件が成立したときには、他のAT抽選条件(第1〜第3AT抽選条件)が成立したときよりも、付与され得るATゲーム数の期待値が小さくなるように設定されている。したがって、多大なゲーム数(501〜1000ゲームのいずれかのゲーム数)消化させないように促すことができる(遊技者ののめり込みを防止できる)。
(10) 図16に示すように、前兆演出A(敗北)が実行された後には、前兆演出D抽選を実行可能な所定ゲーム数(本実施形態では、5ゲーム)の抽選期間に制御される。したがって、前兆演出A(敗北)が実行されることによりAT非当選画面が表示されたとしても、5ゲーム消化すると、前兆演出Dが実行され得る。よって、前兆演出A(敗北)が実行されたゲームの次のゲームからの5ゲーム間は遊技者に遊技させたくなる状況を作ることができ、スロットマシンの稼働率を向上させることができる。
(11) また、前兆演出A〜Dでの態様はそれぞれ異なる。具体的には、前兆演出Aでの修行演出では、味方キャラXが瓦割りをする画面を表示する演出であり、前兆演出Bでの修行演出では、味方キャラXがランニングをする画面を表示する演出であり、前兆演出Cでは、白ナビ演出が実行され、前兆演出Dでの修行演出は、味方キャラXが仲間キャラと組手を行う画面を表示する演出である。したがって、前兆演出A〜Dにおいて態様をそれぞれ異ならせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
[変形例について]
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。本発明は、上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
[前兆演出について]
(1) 本実施形態では、特定期間では、図17に示す所定の確率で(前兆演出D抽選により)前兆演出Dは実行されるとして説明した。しかしながら、該特定期間に制御されたときには、前兆演出Dは、必ず(100%の確率で)実行するようにしてもよい。この場合には、抽選期間は、設けられることはない。よって、前兆演出D抽選の処理を軽減できる。
また、図17では、特定期間とは異なる期間では0.5%の確率で前兆演出Dは実行されるとして説明した。しかしながら、該特定期間とは異なる期間では、前兆演出Dを実行しないようにしてもよい(前兆演出Dの実行確率を0%としてもよい)。
また、特定期間では、複数ゲームに亘って連続する前兆演出Dが実行されるとして説明した。しかしながら、特定期間で実行される演出は、複数ゲームに亘って実行される演出に限らず、1ゲーム内で実行される演出(以下、「単ゲーム演出」という。)であってもよい。また、単ゲーム演出は、特定期間中の1ゲーム毎に必ず(100%の確率で)実行するようにしてもよい。また、単ゲーム演出は、特定期間であるときには、特定期間ではないときよりも高い確率で実行されるようしてもよい。たとえば、特定期間であるときには、90%の確率で単ゲーム演出である前兆演出Dは実行されるが、特定期間でないときには、3%の確率で実行されるようにしてもよい。
このように、特定期間において、単ゲーム演出が頻繁に実行されることにより、前兆演出A(敗北)が実行されたにもかかわらず、AT当選するのではないかといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
(2) 本実施形態では、特定期間では、前兆演出Dが実行されるとして説明した。しかしながら、たとえば、特定期間は、特定期間以外の期間に制御されているときよりも、遊技者にとって有利となる期間(以下、「有利期間」という。)としてもよい。ここで、有利期間とは、たとえば、該有利期間よりも特典が付与される確率が高くなる期間である。特典とは、遊技者にとって有利となるものであれば如何なるものであってもよい。特典とは、たとえば、ATゲーム、ナビストック、ボーナス状態への制御、ボーナス状態へ制御される確率が高くなることなどとしてもよい。
特典をATゲームとした場合において、ATゲーム数が未だ付与されていない場合には、付与されたATゲームがそのまま付与される。特典をATゲームとした場合において、ATゲームが既に付与されている場合には、該既に付与されているATゲーム数に上乗せされるように、ATゲームは付与される。
ナビストックとは、所定ゲーム数(たとえば、50)のATゲームをいう。また、ボーナス状態とは、所定の小役の当選確率が、ボーナス状態ではないときよりも高くなる状態である。
また、特典として、遊技を行うために用いる遊技用価値(賭けられたメダル枚数、打ち込まれた遊技球)に対し、遊技者に付与される遊技用価値の占める付与割合(メダルの払出率)に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、これに限らず、遊技の進行上において遊技者にとって有益となる価値であってもよい。たとえば、非AT中であるもののATゲーム数をすでに獲得しておりATに制御されることが確定しているいわゆるAT潜伏中であるか否かを特定するための情報を報知するもの、あるいは報知されたときに所定の信頼度で実際にAT潜伏中となるように実行される情報(すなわちAT潜伏を示唆する潜伏示唆情報)を報知するものであってもよい。
また、特典としては、特典演出の実行(特別キャラクタ出現など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることで遊技機が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な二次元コードを表示などであってもよい。
また、抽選期間において、特定期間中は、有利期間に制御させるか否かを決定する乱数抽選を実行するようにしてもよい。また、抽選期間を設けずに、特定期間中は必ず、有利期間に制御するようにしてもよい。
また、特定期間中に実行される演出は、たとえば、遊技者にとって有利であることが特定される演出(以下、「特定演出」という。)が実行される。ここで、特定演出とは、たとえば、「チャンス」や「有利!」などのメッセージを表示する演出としてもよい。また、特定演出とは、前兆演出A中の背景と異なる背景としてもよい。この場合には、「チャンス」や「有利!」などのメッセージを表示するようにしてもよく、該メッセージを表示しないようにしてもよい。また、特定期間中の背景を前兆演出A中の背景と同じにする場合には、該メッセージを表示することが好ましい。
また、特定期間中に有利期間に制御させるときには、前兆演出Dを実行するようにしてもよい。
また、前兆演出Dの背景画像は、前兆演出Aの背景画像と異ならせるとして説明したが、前兆演出Dの背景画像は、他の前兆演出が実行されているときの背景画像と異ならせるようにしてもよい。また、前兆演出Dの背景画像は、前兆演出A〜Cのいずれも実行されていないときの背景画像と異ならせるようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、前兆演出A実行中の背景を昼の態様とし、前兆演出D実行中の背景を夜の態様として説明した。しかしながら、前兆演出Aと前兆演出Dとで同じ背景としてもよい。このような構成である場合には、前兆演出A(敗北)が実行されても、前兆演出Aと同じ背景である前兆演出Dが実行されることから、前兆演出A(敗北)が終了した後でも、遊技者の期待感を持続させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前兆演出Aと前兆演出Dとが同じ背景である場合には、前兆演出Aよりも強調した態様で、前兆演出Dを実行するようにすることが好ましい。これにより、遊技者は、前兆演出Dを視認するのみで前兆演出Aと前兆演出Dとを容易に区別することができる。
ここで、強調した態様とは、強調した態様とは異なる態様(つまり、通常の態様)よりも、たとえば、主要なキャラが液晶表示器51に表示される態様、液晶表示器51の発光量が大きい態様、スピーカ53、54の音量が大きい態様、音が出力されるスピーカの数が多い態様、演出効果LED52の発光量が大きい態様、発光される演出効果LEDの数が多い態様のうちの少なくとも1つの態様である。
(4) 本実施形態では、図16(B)に示したように、第1AT当選した場合には、前兆演出A(勝利)が実行されるとして説明した。しかしながら、第1AT当選した場合には、図16(A)に示すように、前兆演出A(敗北)および前兆演出Dを実行するようにしてもよい。このような構成にすることにより、一旦、前兆演出A(敗北)を実行してAT非当選画面520が表示されることにより、AT非当選である旨を認識した遊技者は落胆するが、前兆演出Dが実行されることにより、AT当選しているのではないかといった期待感を敗者復活的に遊技者に抱かせることができる。
(5) 本実施形態では、前兆演出Bが優先して実行されるとして説明した。しかしながら、他の前兆演出を優先して実行するようにしてもよい。たとえば、本実施形態では、前兆演出Cは、到達ゲーム数カウンタが11になるゲームまでの期間では、所定のナビ確率(たとえば、30%)でいわゆる白ナビ演出を実行し、到達ゲーム数カウンタが10になると前兆演出Bを開始する演出であるとして説明した。しかしながら、前兆演出Cは、到達ゲーム数カウンタが10になったとしても、前兆演出Bを実行せずに、白ナビ演出を実行するようにしてもよい。そして、到達ゲーム数カウンタが0に到達したゲームにおいて、AT当選画面を表示するようにしてもよい。
(6) 前兆演出A〜Dは、AT当選したか否かを煽る煽り演出として、修行演出、バトル演出、白ナビ演出であるとして説明した。しかしながら、該煽り演出は、AT当選していること対する期待感を遊技者に抱かせることができれば、他の演出であってもよい。たとえば、他の煽り演出とは、遊技が進行するにつれて、所定のキャラクタが成長するような演出であってもよい。また、他の煽り演出は、楽曲としてもよく、またドラマおよび映画等の映像としてもよい。このような場合において、煽り演出として1曲分の楽曲やプロモーションビデオ、1話分のドラマ、映画等の映像が出力されるようにしてもよい。
また、前兆演出A〜Dの種類は、4種類に限らず、5種類以上、または3種類以下の前兆演出から、実行する前兆演出を選択して実行するようにしてもよい。
(7) 以下では、図16(A)に示すように前兆演出Aが実行されている期間を第1期間とし、前兆演出Dが実行されている期間を第2期間とする。本実施形態では、制御されている期間が第1期間と第2期間のうちのいずれであるかを遊技者に容易に判別させるために、第1期間では前兆演出Aを実行し、第2期間では前兆演出Aと背景が異なる前兆演出Dを実行するように説明した。しかしながら、第1期間と第2期間とで、演出の制御態様を異ならせるようにしてもよい。
「演出の制御態様を異ならせる」とは、(ア)第1期間では所定演出を実行する一方、第2期間では、該所定演出を実行しない、(イ)第1期間では所定演出を実行しない一方、第2期間では所定演出を実行する、(ウ)第1期間と第2期間とで異なる演出する、などの制御を実行することである。このように、第1期間と第2期間とで演出の制御態様を異ならせることにより、遊技者に制御されている期間が、第1期間および第2期間のうちいずれであるかを遊技者に判別させることができる。
このうち、(ア)を採用した場合には、たとえば、第1期間で前兆演出Aを実行する一方、第2期間では、前兆演出を実行しない構成となる。また、(イ)を採用した場合には、たとえば、第1期間では、前兆演出を実行しない一方、第2期間では前兆演出Dを実行する構成となる。
次に、(ウ)を採用した場合について説明する。本実施形態は、(ウ)を採用したものであり、具体的には、第1期間(前兆演出A)では、背景画像として太陽511を表示させ、第2期間(前兆演出D)では、背景画像として月514を表示させるとして説明した。しかし、(ウ)を採用した場合において、前兆演出Aと前兆演出Dとで背景画像を異ならせるのみならず、前兆演出Aと前兆演出Dとを遊技者に容易に判別させるための判別演出を実行するようにしてもよい。
具体的には、判別演出は、前兆演出Aと前兆演出Dとにおいて異なる文字を表示させる演出としてもよい。たとえば、前兆演出A(敗北)は、遊技者からはガセの可能性があると認識していることから、「ガセかも?」といったメッセージを表示するようにしてもよい。また、前兆演出Dについては、「本当かも?」といったメッセージを表示するようにしてもよい。
また、判別演出は、前兆演出Aと前兆演出Dとにおいて異なるキャラを表示する演出としてもよい。たとえば、前兆演出Aでは、前兆演出A用のキャラαを表示させ、前兆演出Dでは、前兆演出D用のキャラβを表示するようにしてもよい。
また、判別演出は、前兆演出Aと前兆演出Dとを遊技者が容易に判別できる程度に、前兆演出Aと前兆演出Dとで、演出効果LED52の発光態様(たとえば、発光させる演出効果LEDの数や、演出効果LEDの発光量)を異ならせる演出としてもよい。また、判別演出は、前兆演出Aと前兆演出Dとを遊技者が容易に判別できる程度に、前兆演出Aと前兆演出Dとで、スピーカ53、54の音出力態様(たとえば、音出力させるスピーカの数や、スピーカの音量)を異ならせる演出としてもよい。
また、遊技者が前兆演出Aと前兆演出Dとを容易に区別できる観点により、判別演出を実行する期間は、所定期間であることが好ましい。ここで、所定期間とは、たとえば、1ゲーム中の期間とすることが好ましい。
(8) 本実施形態では、図13に示すような処理により、特定役カウンタと到達ゲーム数カウンタとを用いて、前兆演出A〜Dのうちのいずれを実行するかを決定していた。しかしながら、実行する前兆演出を決定する手法は図13に示す例に限られない。たとえば、以下のようにしてもよい。具体的には、複数種類の前兆演出のうちいずれかを実行可能とし、予め、該複数の前兆演出それぞれに対応させて数値の範囲が定められている。特定役が当選したときには、特定役カウンタの値と、到達ゲーム数カウンタの値とを所定の式に代入し、該所定の式から算出された数値が属する範囲に対応する前兆演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、簡易な処理で複数種類の前兆演出から実行する前兆演出を決定することができる。
(9) 本実施形態では、図16に示すように、抽選期間は5ゲームであるとして説明した。しかしながら、抽選期間は、5ゲームとは異なるゲーム数としてもよい。たとえば、抽選期間は、1ゲームとしてもよい。抽選期間を1ゲームとした場合には、前兆演出A(敗北)を実行して、AT非当選画面が表示された次のゲームで前兆演出D抽選を実行する。該前兆演出D抽選により、前兆演出Dの実行が決定された場合には、前兆演出D抽選が実行されたゲームの次のゲームから、前兆演出Dは実行される。
(10) また、前兆演出Aと前兆演出Dとで、実行されるゲーム数を同一にするようにしてもよい。この場合には、たとえば、前述の判別演出を実行することにより、前兆演出Aと前兆演出Dとを容易に区別させるようにすることができる。また、前兆演出Aと前兆演出Dとで実行されるゲーム数を異ならせるようにしてもよい。具体的には、前兆演出Aが実行されるゲーム数を、前兆演出Dが実行されるゲーム数よりも少なくするようにしてもよい。この場合には、前兆演出Aと前兆演出Dとで同一の演出制御を実行するようにしてもよい。
たとえば、前兆演出Aが実行されるゲーム数を20ゲームとし、前兆演出Dが実行されるゲーム数を22ゲームとした構成を採用した場合について説明する。この場合には、前兆得出Aおよび前兆演出Dのうちのいずれかの実行が開始されたとき(遊技者は、この時点で前兆演出Aおよび前兆演出Dのうちのいずれが実行されたかを把握できない)、前兆演出が実行されたゲームから20ゲーム消化し、該20ゲーム目で該前兆演出のAT抽選結果が報知されれば、実行された前兆演出は前兆演出Aであると遊技者は特定できる。該20ゲーム目で該前兆演出のAT抽選結果が報知されなければ、実行された前兆演出は前兆演出Dであると特定できる。
また、前兆演出Aが実行されるゲーム数を22ゲームとし、前兆演出Dが実行されるゲーム数を20ゲームとした構成を採用した場合について説明する。この場合には、前兆得出Aおよび前兆演出Dのうちのいずれかの実行が開始されたとき(遊技者は、この時点で前兆演出Aおよび前兆演出Dのうちのいずれが実行されたかを把握できない)、前兆演出が実行されたゲームから20ゲーム消化し、該20ゲーム目で該前兆演出のAT抽選結果が報知されれば、実行された前兆演出は前兆演出Dであると遊技者は特定できる。該20ゲーム目で該前兆演出のAT抽選結果が報知されなければ、実行された前兆演出は前兆演出Aであると特定できる。
このように、前兆演出Aと前兆演出Dとで演出制御の態様が同一であっても、前兆演出Aと前兆演出Dとで実行されるゲーム数を異ならせるようにすれば、実行されている前兆演出が、前兆演出Aと前兆演出Dとのうちのいずれであるかを遊技者に特定させることができる。
(11) また、図16(A)に示した例では、AT当選している場合において、「前兆演出A(敗北)を1回実行してAT非当選画面を表示する」特定処理を1回実行した後に、前兆演出Dを実行してAT当選画面を表示するように説明した。しかしながら、AT当選している場合において、該特定処理を2回以上実行するようにしてもよい。つまり、AT当選している場合において、「前兆演出A(敗北)を1回実行してAT非当選画面を表示する」特定処理を複数回実行した後に前兆演出Dを実行してAT当選画面を表示するようにしてもよい。このような構成によれば、実行される特定演出の回数が複数回であるときには、実行される特定演出の回数が1回であるときよりも、遊技者の落胆度合いは大きいが、前兆演出Dが実行されてAT当選画面が表示されたときの興趣が向上する度合いは大きくなる。したがって、特定処理を複数回実行することにより、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT当選したときにおいて、AT当選したことにより付与されるATゲーム数に応じた回数の特定処理を実行するようにしてもよい。具体的には、AT当選したことにより付与されるATゲーム数が多いほど、多い回数の特定処理を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、実行された特定処理の回数を計数した遊技者は、付与されるATゲーム数を予想することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(12) 本実施形態では、前兆演出A〜Dにおいて、共通のバトル演出(味方キャラXと敵キャラYとがバトルをする演出)を実行するとして説明した。しかしながら、前兆演出A〜Dのうちの少なくとも2つの前兆演出において、異なる態様でバトル演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、さらに、前兆演出の態様を多様にできる。
(13) 本実施形態では、前兆A〜Dの態様を異ならせる手法として、修行演出を異ならせるとして説明した。しかしながら、前兆A〜Dの態様を異ならせる手法としては、液晶表示器51に表示させる画像を異ならせることに限られず、他の手法であってもよい。たとえば、前兆演出A〜Dにおいて、スピーカ53、54からの音の出力態様、および演出効果LED52の発光態様のうちの少なくとも1つを異ならせるようにしてもよい。前兆演出A〜Dにおいて、スピーカ53、54からの音の出力態様を異ならせるとは、たとえば、出力されるBGMを異ならせることである。
(14) また、前兆演出の途中で、他の前兆演出が実行されることが新たに決定された場合には、実行途中の前兆演出を終了させて、該実行されることが新たに決定された前兆演出を実行するようにしてもよい。この場合において、実行されていた前兆演出がAT当選画面を表示するものであれば、新たに決定された前兆演出において、AT当選画面を表示するようにしてもよい。また、実行途中の前兆演出を終了させないで(実行途中の前兆演出の実行を維持して)、該決定された前兆演出を実行しないようにしてもよい。
(15) 本実施形態では、前兆演出A、C、Dが実行されている場合であって、到達ゲーム数カウンタの値が10に到達したときには、前兆演出Bは優先して実行される、として説明した。しかしながら、前兆演出A、C、Dが実行されている場合であって、到達ゲーム数カウンタの値が10に到達したときには、前兆演出Bを実行せずに、前兆演出A、C、Dの実行を継続するようにしてもよい。
(16) AT非当選画面を表示する前兆演出A〜Dのいずれかを実行中に、特定役が当選してかつAT当選したときには、該実行中の前兆演出A〜Dを中止して、該特定役が当選したことによる前兆演出Aを実行するようにしてもよい。この場合には、該前兆演出AでAT当選画面が表示される。
(17) 本実施形態では、特定役カウンタが32にセットされたゲームにおいて、到達ゲーム数カウンタの値が32未満であり(図13のS16でNo)、特定役が当選したことによるAT抽選でAT当選したときには(S32でYes)、該AT当選したことにより付与されるATゲーム数に対して上乗せ抽選を実行するとして説明した。しかし、上乗せ抽選を実行せずに、到達ゲーム数への到達により付与されたATゲーム数に対して、特定役当選によりAT当選したことによるATゲームを上乗せ加算するようにしてもよい。
[カウンタについて]
(1) 本実施形態では、特定役が当選したときに、AT抽選が実行され(図14のAT抽選用テーブル参照)、かつ特定役カウンタが32にセットされる(図13のS12参照)として説明した。しかしながら、AT抽選が実行される条件は、所定条件が所定回数成立することにより成立する条件としてもよい。ここで、所定回数には「1回」も含まれる。また、所定条件は、たとえば所定役が入賞することにより成立する条件としてもよい。また、所定条件は、内部抽選の結果が特定結果であるときに成立する条件としてもよい。ここで、特定結果とは、所定の役が当選することに限られず、特定の外れになった結果であることも含む。また、所定条件は、いわゆる課題を提示するミッション演出中において当該課題をクリアしたときに成立する条件としてもよい。この場合には、所定条件が所定回数成立したときに、所定カウンタが初期値(たとえば、32)にセットされる。該所定カウンタは、1ゲーム消化ごとにカウンタの値が1減算され、所定カウンタが0に到達したときによりAT抽選の結果が報知される。
また、所定カウンタは、到達ゲーム数カウンタと特定役カウンタとの少なくとも一方と代替して用いるようにしてもよい。また、所定カウンタは、到達ゲーム数カウンタと特定役カウンタとに加えて用いるようにしてもよい。また、所定カウンタは、所定カウンタの初期値が設定される条件(つまり、AT抽選が実行される条件)が異なれば、2以上の所定カウンタを用いるようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、特定役が当選したときにおいて、特定役カウンタは一律に初期値として32にセットされるとして説明した(図13のS12参照)。しかしながら、特定役が当選したときにおいて、特定役カウンタの初期値を抽選などにより決定するようにしてもよい。たとえば、特定役が当選したときには、同確率で、特定役カウンタの初期値を16〜32のいずれかに決定するような抽選を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、前兆演出Aなどが実行されるゲーム数(つまり、AT抽選の結果が報知されるタイミング)を遊技者が特定させないようにすることができず、「いつ、AT抽選の結果が報知されるか」といったドキドキ感を遊技者に抱かせることができる。
また、特定役カウンタの初期値を抽選などにより決定するようにした場合には、図13のS16の処理は、到達ゲーム数カウンタは、決定された特定役カウンタの初期値により大きいか否かが判断される。このように、特定役カウンタの初期値を可変とすることにより、前兆演出A〜Dの態様をさらに多様とすることができる。
(3) 本実施形態では、到達ゲーム数が決定されることにより、到達ゲーム数カウンタを初期値として決定された到達ゲーム数にセットするとして説明した。また、特定役が当選したときに、特定役カウンタを初期値として32にセットするとして説明した。さらに、1ゲーム消化毎に特定役カウンタおよび到達ゲーム数カウンタを1減少させ、特定役カウンタが0に到達したときにAT抽選の結果が報知され、到達ゲーム数カウンタが0に到達したときにAT当選画面が表示されるとして説明した。
しかしながら、以下のように構成してもよい。到達ゲーム数が決定されたことにより、初期値として到達ゲームカウンタを0に設定する。また、特定役が当選したときに、特定役カウンタを初期値として0にセットする。さらに、1ゲーム消化毎に特定役カウンタおよび到達ゲーム数カウンタを1増加させ、特定役カウンタが32に到達したときにAT抽選の結果が報知され、到達ゲーム数カウンタが決定された到達ゲーム数に到達したときにAT当選画面が表示されるようにしてもよい。
(4) また、本実施形態では、到達ゲーム数カウンタおよび特定役カウンタが更新される更新条件は、1ゲーム消化であるとして説明した。しかしながら、更新条件は他の条件であってもよい。たとえば、更新条件は、2ゲーム消化することにより成立する条件としてもよい。また、更新条件は、たとえば、所定の更新用役に当選、または入賞したことにより成立する条件としてもよい。
(5) 本実施形態では、高確率状態か低確率状態のうちのいずれかに制御されるかは、到達ゲーム数カウンタの値に基づくとして説明した。しかしながら、高確率状態か低確率状態のうちのいずれかに制御されるかは、到達ゲーム数カウンタではなく前述した所定カウンタの値に基づくものとしてもよい。
(6) 本実施形態では、到達ゲーム数カウンタが0になったとき、つまり消化ゲーム数が到達ゲーム数に到達したときには、必ずAT当選させるとして説明した(図14の第3AT抽選条件、第4AT抽選条件参照)。しかしながら、到達ゲーム数カウンタが0になったときには、必ずAT当選させるのではなく、AT当選させるか否かを決定するAT抽選を実行するようにしてもよい。
[ゲーム数テーブルについて]
以下に、図12記載のゲーム数テーブルの変形例について説明する。
(1) 到達ゲーム数を決定するための振分率は、図12に示したものに限られるものではなく、他の値としてもよく、その結果、ゾーン毎の振分合計率についても図12に示したものに限られるものではない。また、全てのゾーンを構成する範囲、およびゾーン数についても図12に示したものに限られるものではない。また、図12の例では、高ゾーンおよび低ゾーンが交互に設定されているとして説明したが、これに限られるものではなく、高ゾーンおよび低ゾーンは如何なる順番で設定するようにしてもよい。また、各ゾーンに含まれている候補到達ゲーム数については、10の倍数に限られるものではなく、他のゲーム数としてもよい。また、各ゾーンを構成するゲーム数全てを、候補到達ゲーム数としてもよい。たとえば、ゾーン4であれば、301〜400ゲーム全てが候補到達ゲーム数となる。また、各ゾーンの候補到達ゲーム数全ての振分値は等しいとして説明したがこれに限られるものではなく、各ゾーンの候補到達ゲーム数それぞれで振分値を異ならせるようにしてもよい。
(2) 高ゾーンおよび低ゾーンについては、所定値(10%)を基準値として合計振分値の「高」および「低」を区別しているが、当該所定値は10%に限られるものではなく、当該所定値を他の値としてもよい。また、基準値は所定値に限られるものではない。たとえば、予め定められた基準となるゾーンの合計振分値を基準値(たとえば、ゾーン5)として、高ゾーンおよび低ゾーンを区別してもよく、平均値(=100%/全ゾーン数)を基準値として、高ゾーンおよび低ゾーンを区別してもよい。
(3) 図12の例では、ゾーン5において、設定値4〜6の振分合計値が0%に設定されていることにより、ゾーン5に属する到達ゲーム数に表示ゲーム数が到達すると遊技者は、設定値1〜3のいずれかであると把握できる、として説明した。しかしながら、複数の設定値のうち一部の設定値であればこれに限られるものではない。たとえば、遊技者が把握できる設定値の範囲を他の範囲(たとえば、2〜5など)としてもよい。また、本実施例のように遊技者が把握できる対象を、設定値の範囲ではなく、特定の設定値としてもよい。たとえば、ゾーン5において、設定値6のみに合計振分値が振分けられ、他の設定値1〜5については合計振分値を0%とする。このようにすることにより、ゾーン5に属する到達ゲーム数に表示ゲーム数が到達すると、遊技者は現在の設定値は設定値6であると把握できる。このような構成により、遊技者は、より明確に設定値を把握することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 本実施例では、到達ゲーム数の決定処理(図11のSf4の処理)において、直接、到達ゲーム数を決定するとして説明したが、これに限られるものではない。たとえば、以下のように段階的に、到達ゲーム数を決定するようにしてもよい。たとえば、第1段階として複数のゾーンから、到達ゲーム数が属するゾーンを決定し、第2段階として当該決定されたゾーンを構成するゲーム数から到達ゲーム数を決定するようにしてもよい。
(5) 本実施例では、ゲーム数テーブルとして、候補到達ゲーム数および振分率のみを記憶すると説明したが、これに限られるものではなく、これと同等の情報であれば、如何なるテーブルでもよい。また、図12に示すような構造のゲーム数テーブルを記憶するようにしてもよい。
[到達ゲーム数決定条件について]
前述した実施例では、図11のSf2に記載した到達ゲーム数決定条件とは、ATが終了することにより成立する条件であるとして説明したが、これに限られるものではない。たとえば、到達ゲーム数決定条件は、ボーナス状態が終了することにより成立する条件であってもよいし、所定役が当選したことにより成立する条件や、所定役が入賞したことにより成立する条件であってもよい。また、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達した後に、再び到達ゲーム数を決定するようにしてもよいし、表示ゲーム数が到達ゲーム数に到達する前に到達ゲーム数を決定するようにしてもよい。
また、この場合には、また、到達ゲーム数を決定する際には、現在の表示ゲーム数(つまり、RAM91cに記憶されている表示ゲーム数)が属するゾーン(以下では、「現在のゾーン」という。)の範囲よりも小さい範囲のゾーン(つまり現在のゾーンよりもゾーン番号が小さいゾーン)に属する候補到達ゲーム数が、到達ゲーム数として決定されないように設定されている。この場合の到達ゲーム数決定処理の具体的手法としては、たとえば、図12のゲーム数テーブルが参照して、仮の到達ゲーム数が決定され、当該仮の到達ゲーム数に対して、表示ゲーム数を加算することにより、真の到達ゲーム数が決定される。
[その他の変形例]
(1) また、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
(2) また、本実施形態では、遊技者にとって有利な期間としてのATに関する決定および制御を、サブ制御部が実行する例について説明した。より具体的に、サブ制御部は、メイン制御部からのコマンドに基づいて、ATに制御するか否かを決定するAT抽選と、ATの有利度合い(たとえば、ATに制御可能となるゲーム数)を決定する有利度抽選と、AT抽選および有利度抽選の結果に基づいてATに制御するAT制御とを実行する例について説明した。
しかし、有利な期間としてのATに関する決定および制御については、メイン制御部のみにより実行するようにしてもよい。メイン制御部のみにより実行する例としては、たとえば、メイン制御部によりAT抽選および有利度抽選を行い、その結果に基づいてATに制御するためのATフラグを設定し、ATフラグ設定中の内部抽選の結果に応じてナビ演出を実行させる場合に内部抽選の結果に応じた操作手順を特定可能なナビ演出を実行させるためのナビコマンドをサブ制御部に送信するようにしてもよい。これにより、サブ制御部は、ナビコマンドに基づいて操作手順を特定可能なナビ演出を実行するようにしてもよい。なお、メイン制御部は、ナビコマンドを送信するものに限らず、内部結果コマンドと、AT中であることを特定可能なAT中コマンドとをサブ制御部に送信し、サブ制御部は、受信したAT中コマンドからAT中であると判定しているゲームにおいて、ナビ演出を実行させる内部結果コマンドを受信したときに、対応する操作手順を特定可能なナビ演出を実行するようにしてもよい。
また、有利な期間としてのATに関する決定および制御をメイン制御部のみにより実行するようにした場合には、AT中であることを報知可能な報知手段(たとえば、各リールに対応する演出効果LEDなどの発光手段)をメイン制御部自身により制御するようにしてもよい。また、メイン制御部が直接管理するAT中であるか否かをメイン制御部自身が判定(ATフラグが設定されているか否か判定)し、その判定結果に応じて、メイン制御部は、AT中である旨を示すAT中信号を外部出力するようにしてもよい。
(3) 上述した実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
また、本実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等などの意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。