本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。図1は、本実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「ブランク」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「リプ」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「JAC3」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「白7」(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)、「JAC1」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号11の図柄)、「ベルc」(たとえば、左リール2Lの領域番号4の図柄)、「イチゴ」(たとえば、中リール2Cの領域番号21の図柄)、「JAC2」(たとえば、中リール2Cの領域番号18の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側の何れか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。後述するCB(チャレンジボーナス)時ではない非CB時においては、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ライン(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として非CB時では遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが各役を発生させる図柄組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわちリールの中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち谷型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とが形成されている。
また、本実施の形態においては、CB時では規定数の賭数としてメダル1枚が定められ、非CB時では規定数の賭数としてメダル3枚が定められており、規定数の賭数が設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。
本実施の形態においては、有効化されるライン(以下、有効化ラインともいう)として、入賞ラインL1が有効化される中段ラインと、入賞ラインL2が有効化される右上がりラインと、入賞ラインL3が有効化される右下がりラインと、入賞ラインL4が有効化される小谷ラインと、入賞ラインL5が有効化される小山ラインとが設定される。なお、本実施の形態のように複数ラインを有効化するものに限らず、1ラインのみを有効化するものであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払出されるようになっている。
また、有効ライン上に、遊技状態の移行を伴なう図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、図8を用いて後述するように、昇格リプ、突入リプ、および転落リプの何れかが入賞、あるいは、取りこぼし出目が導出されると、リプレイ確率が異なるRT1〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのリールのみを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は非CB時においては190ms(ミリ秒)に設定されている。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうち何れかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を有効ライン上に表示させることができる。
なお、本実施の形態においては、後述するCB時に限って、たとえばリール2Lについて、ストップスイッチ8Lの操作から停止するまでの最大停止遅延時間が75ms(ミリ秒)に設定されている。75msの間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8Lが操作されたときに表示されている図柄と、そこから1コマ先までにある図柄、合計2コマ分の図柄となる。このため、CB時においては、遊技者の目押しの技量に大きく依存して入賞が可能となる。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインとが一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、およびリールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、および設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、およびリールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限らず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成される。演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、CBの当選確率については、設定値に依存することなく何れの遊技状態においても一定の当選確率となっている。なお、CBについても他の小役などと同様に設定値に応じた当選確率を用いてもよい。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタをメイン制御部41のRAM41cのスタックに退避し、RAM41cに何れかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうち何れに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
[ゲーム処理]
図5は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、リール回転処理(S3)、入賞判定処理(S4)、払出処理(S5)、ゲーム終了時処理(S6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
S1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態(CB、非CB)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。より具体的には、遊技状態に応じた規定数(たとえば非CB時では3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインが有効化され、ゲームを開始させることが可能となる。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された有効ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、CB入賞可能なCB役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
S2のステップにおける内部抽選処理では、S1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAM41cに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAM41cに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。
内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、メイン制御部41のRAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態およびCBであるか否かに応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、RTを特定するためのRTフラグの値、CBであるか否かを特定するためのCBフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値、CBフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。そして、何れかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、何れの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
S3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、何れかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、何れか1つのリールが停止したとき、または何れか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応する何れかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、非CB時において滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、何れかの役に当選している場合には、当選役を有効ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が有効ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、何れの役にも当選していない場合には、何れの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、有効ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、何れかの役が当選している場合でも何れの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施の形態のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行う。サブ制御部91側において、AT中ではない、つまり非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて左第1停止するようにさせるためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左第1停止させるように設計されている。
以下では、左第1停止させる押し順を「推奨押し順」ともいい、「推奨押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「順押し」ともいう。また、推奨押し順以外の押し順(つまり、右第1停止または中第1停止させる押し順)を「変則押し順」ともいい、「変則押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「変則押し」ともいう。つまり、非AT中に遊技者が変則押しを実行すると、ペナルティが付与される。
本実施の形態において、非AT中のゲームで左第1停止させなかった場合には以下のペナルティが科される。また、後述する通常演出が実行されているゲームで左第1停止させなかった場合に、当該ペナルティが科されるようにしてもよい。当該ペナルティとしては、6ゲームの期間中、後述するAT抽選やナビ演出が実行されないようになっている。これにより、ペナルティが科されてしまうと、後述する昇格リプや突入リプに入賞させることが難しくなり、遊技者にとって有利なRT2やRT3に移行しにくくなってしまう。そのため、遊技者は、ペナルティが科されないように、非AT中に左第1停止をするようになる。なお、ペナルティとしては、上記に限らない。たとえば、AT抽選において後述するナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものであってもよい。さらには、すでに所有するナビストックを取り消すものであってもよい。また、遊技者にとって有利度合いが向上することを示唆するフリーズなどの演出を実行させないものであってもよい。
なお、ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知する通常ナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。また、本実施の形態においては、通常ナビ演出の他に防止ナビ演出も実行する。以下では、通常ナビ演出および防止ナビ演出をまとめてナビ演出という場合もあり、防止ナビ演出については後述する。
S4のステップにおける入賞判定処理では、S3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。S4においては、遊技状態の移行を伴なう表示結果が停止されたときに、RTフラグおよびCBフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
S5のステップにおける払出処理では、S4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出しなどの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払出しにより遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をメイン制御部41のRAM41cに設定する。S6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴なう停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、有効ラインに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出しが終了したときに送信される。遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RTの種類、CBの有無など)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴なってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類の何れかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、サブ制御部91に送信される。また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、何れかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(何れかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、サブ制御部91に送信される。
本実施の形態のスロットマシン1においては、何れかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類としては、前述したように、大きく分けて、小役と、再遊技役と、CB役とがある。なお、入賞となる役の種類には、遊技者にとって有利な状態への移行を伴う特別役(いわゆるビッグボーナスやレギュラーボーナスなど)が含まれるものであってもよい。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴なう移行役が含まれる。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
[入賞役、取りこぼし出目]
図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、払出枚数/作動、および、入賞役の関連情報について説明するための図である。また、図7は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される取りこぼし出目を説明するための図である。本実施の形態においては、複数種類の入賞役として、CB役であるCBと、再遊技役であるリプ1〜12と、小役であるJAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2とが設けられている。
CBは、有効ラインに「JAC3−JAC2−JAC3」の組合せが揃ったときに入賞となる。なお、本実施の形態における図柄組合せの説明における「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。なお、CB以外の役についても、CBと同様に、有効ラインに、図6に示す各役に対応する図柄の組み合わせが揃ったときに、当該図柄の組み合わせに対応する役の入賞が発生したことになる。
CBを構成する図柄のうち、左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC3」は、それぞれ5コマ以内に配置されていない。しかしながら、図1に示すように、有効ラインは、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてCBに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているCBを入賞させることができる。つまり、CBは取りこぼしのない役である。CBに入賞したときには、CB入賞前後で後述するRT状態が変わらずに、CBが作動される。なお、CBに入賞したときには、メダルは払出されない。
再遊技役のうちリプ1を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ1に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ1を入賞させることができる。つまり、リプ1は取りこぼしのない役である。リプ1に入賞したときには、RT状態が移行せずに維持されるため、リプ1は、維持リプともいう。
また、リプ2を構成する左リール2Lおよび中リール2Cの図柄は、5コマ以内に配置されている一方、右リール2Rの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ2に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ2を入賞させることができる。つまり、リプ2は取りこぼしのない役である。リプ2に入賞したときには、RT状態がRT1からRT2へ移行するため、リプ2は、昇格リプともいう。
リプ3〜リプ5各々を構成する左リール2Lおよび中リール2Cの図柄は、それぞれ5コマ以内に配置されている一方、右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、かつ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ3〜リプ5のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプに入賞させることができない。つまり、リプ3〜リプ5は取りこぼしのある役である。リプ3〜リプ5のいずれかに入賞したときには、RT状態がRT2またはRT3からRT1へ移行するため、リプ3〜リプ5は、転落リプともいう。
リプ6を構成する左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、右リール2Rの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ6に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ6を入賞させることができる。つまり、リプ6は取りこぼしのない役である。リプ6に入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ6は、突入リプともいう。
リプ7を構成する左リール2Lの図柄である「JAC3」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄である「JAC1」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ7に当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ7を入賞させることができる。つまり、リプ7は取りこぼしのない役である。リプ7に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ7は、チャンスリプともいう。本実施の形態においては、リプ7に入賞しても単に再遊技が行われるだけであるが、リプ7に入賞したときには後述するAT抽選が行われるなど、何らかの特典が付与されるものであってもよい。
リプ8を構成する左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「リプ」は、それぞれ5コマ以内に配置されているため、それぞれストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。一方、中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ8に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ8に入賞させることができない。つまり、リプ8は取りこぼしのある役である。リプ8に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ8に入賞したときには、有効ライン上に「リプ−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ8は、7揃い用リプともいう。
リプ9を構成する左リール2Lの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「白7」を停止可能である。中リール2Cの図柄である「白7」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「白7」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてリプ9に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Cを操作しなければ、当選しているリプ9に入賞させることができない。つまり、リプ9は取りこぼしのある役である。リプ9に入賞したときには、RT状態は移行しない。なお、リプ9に入賞したときには、有効ライン上に「白7−白7−リプ」の組合せが揃うとともに、他の有効ライン上には「白7」が3つ揃うか、あるいは「白7」が2つ揃うテンパイ状態となる。そのため、リプ9は、7揃い用リプともいう。
リプ10〜リプ12各々を構成する左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていないが、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC3」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。また、右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、かつ、ストップスイッチ8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてリプ10〜リプ12のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8Rを操作しなければ、当選しているリプに入賞させることができない。つまり、リプ10〜リプ12は取りこぼしのある役である。リプ10〜リプ12のいずれかに入賞したときには、RT状態がRT2からRT3へ移行するため、リプ10は、突入リプともいう。
小役のうちJACを構成する左リール2Lおよび右リール2Rの図柄である「JAC1」は、それぞれ5コマ以内に配置されていないが、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8L、8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「JAC1」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「JAC2」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてJACに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているJACを入賞させることができる。つまり、JACは取りこぼしのない役である。JACに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうちAT役には、AT1〜18の18種類のAT役が含まれる。AT1を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているAT1に入賞させることができない。また、AT1と同様に、AT2〜AT18各々を構成する左リール2L、中リール2C、および右リール2Rの図柄は、5コマ以内に配置されておらず、操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。したがって、内部抽選においてAT2〜AT18のいずれかに当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているATに入賞させることができない。つまり、AT1〜AT18は取りこぼしのある役である。AT1〜AT18のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払出される。
小役のうちイチゴは、有効ラインに「ANY−イチゴ−リプ」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもイチゴを入賞させることが可能である。また、中リール2Cの図柄である「イチゴ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Cの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。さらに、右リール2Rの図柄である「リプ」は、5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8Rの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに停止可能である。したがって、内部抽選においてイチゴに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているイチゴを入賞させることができる。つまり、イチゴは取りこぼしのない役である。イチゴに入賞したときには、14枚のメダルが払出される。
小役のうちチャンス役には、チャンス1およびチャンス2の2種類のチャンス役が含まれる。チャンス1は、有効ラインに「ブランク−ベルa−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルa」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルa」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。また、右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス1を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス1に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス1に入賞させることができない。つまり、チャンス1は取りこぼしのある役である。チャンス1に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
チャンス2は、有効ラインに「ブランク−ベルb−ANY」の組合せが揃ったときに入賞となる。左リール2Lの図柄である「ブランク」は、5コマ以内に配置されていない。しかしながら、有効ラインとして、入賞ラインL1〜L5の5種類が有効化されることにより、ストップスイッチ8Lの操作タイミングにかかわらず、何れかの有効ラインに「ブランク」を停止可能である。また、中リール2Cの図柄である「ベルb」は、5コマ以内に配置されていない。さらに、「ベルb」は、ストップスイッチ8Cの操作タイミングによって、何れの有効ラインにも停止できない場合がある。右リール2Rの図柄は「ANY」であるため、何れの図柄が有効ラインに停止したとしてもチャンス2を入賞させることが可能である。したがって、内部抽選においてチャンス2に当選しているときには、適正なタイミングでストップスイッチ8L、8Cを操作しなければ、当選しているチャンス2に入賞させることができない。つまり、チャンス2は取りこぼしのある役である。チャンス2に入賞したときには、7枚のメダルが払出される。
次に、図7を用いて取りこぼし出目を説明する。取りこぼし出目は、小役のうち後述する左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役の何れにも入賞させることができない場合(取りこぼす場合)において、有効ライン上に必ず引込まれて停止する特定のはずれの図柄組合せである。取りこぼし出目は、こぼし目1〜18を含む。こぼし目1〜こぼし目18は、各々、有効ラインに、図7においてこぼし目に対応して示される図柄組合せをいう。小役のうち左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選しているゲームにおいて、当選役に含まれる入賞役のうち何れも発生させることができない場合にはこぼし目1〜18の何れかが有効ラインに導出され、RT状態がRT1に移行される。
[遊技状態の遷移]
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、図8に示すように、メイン制御部41により、RT0〜3の4種類の遊技状態(RT状態ともいう)のうち何れかに制御される。
RT0は、内部抽選の当選確率の設定変更後に制御される遊技状態である。RT1は、通常、最も制御される時間が長い遊技状態である。RT1には、RT0におけるゲームで取りこぼし出目が導出されたときに移行される。また、RT2は、RT1よりも再遊技の確率が高くなる遊技状態である。RT2には、RT1におけるゲームで昇格リプに入賞したときに移行される。一方、RT2におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。また、RT3は、RT2よりも再遊技役に当選する確率が高くなる遊技状態である。RT3には、RT2におけるゲームで突入リプに入賞したときに移行される。一方、RT3におけるゲームで転落リプに入賞、または取りこぼし出目が導出されたときには、RT1に移行される。さらに、本実施の形態においては、RT0〜3の何れにおいても、CBに入賞することで、RT状態を維持したままでCB中のゲームが実行される。CBとは、チャレンジボーナスとも称し、後述する抽選対象役のうち、JAC、AT1〜18、イチゴ、およびチャンス1、2の小役全てが当選するゲームが行われる。そのため、CB中のゲームでは、遊技者の目押しにより小役の入賞が毎ゲーム可能となる。
[非CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図9、10を参照して、非CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3の何れであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図9、10においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の名称を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「1600」が設定されている抽選対象役の当選確率は、1600/65536となる。なお、内部抽選において、何れの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
図9に示すように、内部抽選において、抽選対象役のうちJACが読み出されたときには、JACに対応する入賞役であるJACについての当否抽選が行われる。
抽選対象役のうち左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるJAC、AT1、AT2、AT3、AT4、AT5、およびAT6すべてを一括した当否抽選が行われる。抽選対象役のうち左ベル2〜右ベル3が読み出されたときも、同様に、それぞれの抽選対象役に対応して図9に示される入賞役の組合せすべてを一括した当否抽選が行われる。また、抽選対象役のうちイチゴが読み出されたときには、イチゴについての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちチャンス1が読み出されたときには、チャンス1についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちチャンス2が読み出されたときには、チャンス2についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうちCBが読み出されたときには、CBについての当否抽選が行われる。
また、RT0〜3の何れの遊技状態においても、JAC、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、RT0〜RT3の何れの遊技状態においても、遊技状態にかかわらずそれぞれの抽選対象役に共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
次に、右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止リール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れであるかに応じて、JACあるいは当選しているAT役のうちの何れかを有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
たとえば、左ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、AT役は、取りこぼしのある役である。よって、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図7で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
中ベル1〜3の何れかが当選し、中第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、中ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または右第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図7で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
右ベル1〜3の何れかが当選し、右第1停止させた場合には、当選した小役のうちJACを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。一方、右ベル1〜3の何れかが当選し、左第1停止または中第1停止させた場合には、当選したAT役のうちの何れかを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rの各々が、当選しているAT役の何れかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT役に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、図7で示した何れかの取りこぼし出目を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、左第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、左第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、中ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、中第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、中第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、右ベル1〜3の何れかに当選したときにおいては、右第1停止させたときに確実にJACを入賞させるようにリール制御が行われ、右第1停止以外であるときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているAT役のうちの何れかを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、取りこぼし出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施の形態では、左ベル1〜3の何れが当選したか、中ベル1〜3の何れが当選したか、および右ベル1〜3の何れが当選したかによって、JACを確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ取りこぼし出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。つまり、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3についてはそれぞれ、押し順(以下、「特定押し順」ともいう。)が対応付けられている。図9の例では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3それぞれの特定押し順は、左第1停止、中第1停止、右第1停止である。
上記のようなリール制御が行われる理由は、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に有効ライン上に引き込んでリールを停止させるかが、一義的に決められているからである。たとえば、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が左第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち払出枚数が多いJACを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。一方、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が中第1停止や右第1停止であった場合には、左ベル1に含まれる入賞役のうち入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
入賞の可能性が高いAT役を入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させる具体例を以下に説明する。たとえば、左ベル1に当選したときに遊技者が行った第1停止が中第1停止であった場合には、図6に示すように、左ベル1に含まれる何れかの役を入賞させるためには、「JAC2」、「ベルa」、「ベルb」の何れかを有効ライン上に引き込んでリールを停止させる必要がある。ここで、「JAC2」を有効ライン上に引き込むよりも、「ベルa」または「ベルb」を有効ライン上に引き込んだ方が入賞役の選択肢が多い(たとえば、「JAC2」を停止させると入賞役の選択肢は「JAC」の1種類のみだが、「ベルa」を停止させると入賞役の選択肢は「AT1」、「AT2」、「AT3」の3種類ある)。そのため、第1停止が中第1停止であった場合には、入賞の可能性の高いAT役の何れかを入賞させるための図柄を有効ライン上に引き込んでリールを停止させるようになっている。
そして、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順で操作された場合には、JACが入賞してRT状態が維持されるとともに14枚のメダルが払出される。一方、RT2またはRT3で、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選したときに特定押し順以外の押し順で操作された場合には、取りこぼし出目が導出される可能性があり、この場合にはRT状態がRT1に転落する。RT1は、RT2やRT3と比較して再遊技役の当選確率が低い不利なRT状態であるため、RT2またはRT3で左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかが当選した場合には、特定押し順で操作されたときよりも特定押し順以外の手順で操作されたときの方が遊技者は不利になる割合が高い。よって、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBについては、押し順にかかわらず取りこぼさなければそれぞれに対応する役に入賞する。さらに、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBについては、入賞前後でRT状態は変化しない。よって、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBは、押し順にかかわらず有利度が同一である役であるといえる。なお、本実施の形態においては、前述したような押し順によって有利度が異なる当選役を第1当選役といい、押し順にかかわらず有利度が同一である当選役を第2当選役ともいう。図9に示す例では、非CB時における第1当選役には、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、JAC、イチゴ、チャンス1、チャンス2、およびCBが含まれる。
なお、図9に示すように、中ベル1〜3や右ベル1〜3よりも、左ベル1〜3の当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止しなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左第1停止させるように設計されている。このため、左ベル1〜3よりも中ベル1〜3や右ベル1〜3の方が当選確率が高いにもかかわらず、非AT中のときには中ベル1〜3や右ベル1〜3に当選した場合にJACを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で取りこぼし出目が導出されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、JACを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
次に、図10に示すように、抽選対象役のうち通常リプ1が読み出されたときには、通常リプ1に対応する入賞役であるリプ1についての当否抽選が行われる。なお、図10に示すテーブル表は、非CB時テーブル表ともいう。
抽選対象役のうち通常リプ2が読み出されたときには、通常リプ2に対応する入賞役の組合せであるリプ1およびリプ7についての当否抽選が行われる。抽選対象役のうち、図10の左欄に示す通常リプ3から7はずれリプのうちいずれかが読み出されたときも、同様に、それぞれの抽選対象役に対応して図10に示される入賞役の組合せすべてを一括した当否抽選が行われる。
また、RT0の遊技状態においては、通常リプ1が内部抽選の対象役として読み出される。RT1の遊技状態においては、通常リプ1および通+昇リプ1〜4が内部抽選の対象役として順に読み出される。RT2の遊技状態においては、通常リプ1、通+転リプ1〜3、および通+突リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。なお、RT2において通+突リプ1に当選する確率は、本実施例においては0に設定されているため、RT2においては通+突リプ1を抽選対象役として読み出されないようにしてもよい。
RT3の遊技状態においては、通常リプ2、通常リプ3、通+転リプ1〜3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが内部抽選の対象役として順に読み出される。なお、RT3において通+転リプ1に当選する確率は、本実施例においては0に設定されているため、RT3においては通+転リプ1を抽選対象役として読み出されないようにしてもよい。
ここで、通常リプ2、通常リプ3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、RT3の遊技状態であるときのみ抽選対象役に設定されている。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べて再遊技となる確率が高くなっている。また、後述するように、通常リプ2および通常リプ3は、CB中においては唯一14枚払出しが可能な役である。そのため、RT3のときのみCB中のゲームで14枚払出しがされる可能性がある。さらに、後述するように、7揃いリプに当選したときには、AT抽選が実行される。そのため、RT3は、他の遊技状態に比べてAT抽選が実行される可能性が高くなっている。
次に、リール制御の内容について説明する。通+昇リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ1が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ2が当選し、中第1停止させその後に右第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ3が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+昇リプ4が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ4が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に左第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。さらに、通+昇リプ4が当選し、右第1停止させその後に中第2停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ2(昇格リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+昇リプ1〜4の何れかが当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、昇格リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+昇リプ1〜4の何れかが当選した場合には、昇格リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT1に制御されているときは、昇格リプを入賞させてRT2に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ1〜4に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、RT2に昇格することができる。
通+転リプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。なお、本実施例におけるRT3では、通+転リプ1に当選しない例について説明するが、所定確率(たとえば、当選となる判定値数が「1」に定められている)で当選するように構成してもよい。
通+転リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+転リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ3〜5(転落リプ)の何れかを有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。また、通+転リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+転リプ2または通+転リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に転落リプが入賞するようになっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+転リプ2または通+転リプ3に当選した場合には、転落リプに入賞する可能性が高くなっている。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、転落リプに入賞することでRT1に転落する可能性が高くなる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+昇リプ2または通+昇リプ3に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、転落リプの入賞を回避させることができ、RT2を維持することができる。
本実施例では、RT2において通+突リプ1は、当選しない例について説明するが、これに限らず、所定確率(たとえば、当選となる判定値数が「1」に定められている)で当選するように構成してもよい。このように構成した場合で通+突リプ1が当選した場合、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+突リプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ2が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
通+突リプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。通+突リプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6(突入リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
このように、通+突リプ2または通+突リプ3に当選したときには、左第1停止する限りは、常に維持リプが入賞するようになっており、突入リプを入賞することができなくなっている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときに通+突リプ2または通+突3に当選した場合には、突入リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときにRT2に制御されていても、突入リプを入賞させてRT3に昇格させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+突リプ2または通+転リプ3に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、突入リプを確実に入賞させることができ、RT3に昇格することができる。
チャンリプ1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ1が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ1が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
チャンリプ2が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ2が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、右第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、中第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ1(維持リプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。チャンリプ3が当選し、左第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7(チャンスリプ)を有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。
7揃いリプが当選した場合には、第2停止まで行ったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングに応じて有効ライン上に「白7」が3つ揃って停止する7揃い出目を導出させる制御を行う。7はずれリプが当選した場合には、第2停止まで行ったときに有効ライン上に「白7」が2つ揃うテンパイ状態となり、その後、第3停止のタイミングにかかわらず有効ライン上に「白7」が3つ揃わずに停止する7揃いはずれ出目を導出させる制御を行う。
以上のように、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3については、それぞれ特定押し順が対応付けられている。そして、図10に示すように、押し順に応じて異なる種類の再遊技役(維持リプ、転落リプ、昇格リプ、突入リプ)が入賞して、RT状態が変化する。よって、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3は、押し順によってRT状態が変わって大きく有利度を異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプについては、押し順にかかわらず所定の役に入賞する。つまり、通常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプは、押し順にかかわらず有利度が同一である役であるといえる。
よって、図10に示す例では、非CB時における第1当選役には、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3が含まれる。また、非CB時における第2当選役には、常リプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプが含まれる。
なお、図10に示すように、通+突リプ1に当選しないか、あるいは通+突リプ2や通+突リプ3よりも通+突リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止しなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左第1停止させるように設計されている。このため、通+突リプ1よりも通+突リプ2や通+突リプ3の方が当選確率が高いにもかかわらず、非AT中のときには通+突リプ2や通+突リプ3に当選した場合に突入リプを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で維持リプが導出されるため、RT3に突入してしまう可能性を抑えることができる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、通+突リプ2や通+突リプ3に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、突入リプを確実に入賞させることができ、RT3に突入させることができる。
また、図10に示すように、RT3中においては、通+転リプ1に当選しないか、あるいは通+転リプ2や通+転リプ3よりも通+転リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、ペナルティを科すことにより、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには通+転リプ2や通+転リプ3に当選しても転落リプを確実に入賞させることができる。よって、ART(RT3+AT)においてATが終了した後における非AT中のRT3においては、通+転リプ2や通+転リプ3に当選したときに維持リプ入賞することなく転落リプ入賞させて、RT3が維持されてしまう可能性を抑えることができる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払出しや遊技状態移行を行う。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
[ゲームの流れ]
ここで、図8を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、図8に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、通常ナビ演出が実行されない。このように、RT0において通常ナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、高い確率でJACおよびAT役を取りこぼして、有効ラインに取りこぼし出目が停止され、いつまでも取りこぼし出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3において非AT中のときに、左第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左第1停止するように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、昇格リプに入賞することにより、RT2に移行する。昇格リプに入賞するためには、図10で示したように、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、通+昇リプ1〜4の何れかに当選しても左第1停止する限りは昇格リプに入賞しない。よって、左第1停止させる限り、RT2に移行する可能性はない。
また、RT1においてペナルティを科されながらも左以外を第1停止させて昇格リプに入賞してRT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、RT2では、通+転リプ2、3に当選する可能性があり、このときに、左第1停止すると転落リプが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT2で中ベル1〜3や右ベル1〜3のうち何れかに当選したときには、左第1停止すると第2停止と第3停止のタイミングによっては取りこぼし出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、図10で示したように、RT2においては、左第1停止で突入リプ入賞させる通+突リプ1に当選しない。このため、非AT中においては、左第1停止する限り、RT3に制御されることがない。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、通+昇リプ1〜4の何れかに当選したときに、昇格リプを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行され得る。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプ入賞によりRT2に移行させることができる。また、RT2では、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに、維持リプを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行され得る。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、維持リプ入賞によりRT2を維持することができる。さらに、RT2では、通+突リプ1〜3の何れかに当選したときに、突入リプを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行され得る。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、突入リプ入賞によりRT3に移行させることができる。一方、非AT中においては、前述したように通常ナビ演出が実行されず、左第1停止する限りRT2やRT3に移行されず、突入リプ入賞が発生することもない。その結果、ATへの制御はサブ制御部91側により実行されるが、突入リプ入賞したことによりメイン制御部41ではATに制御されているとみなすことができる。
RT3では、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときに、JACを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行される。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、JAC入賞により取りこぼし出目の導出を回避させてRT3を維持させることができる。ここで、本実施の形態においては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3のうち何れかに当選したときにJACを取りこぼした場合は押し順に応じてAT1〜18に入賞するしかメダルは払出されない。しかも、運よくAT1〜18に入賞したとしても、メダルの払出枚数はJACの14枚よりもはるかに少ない1枚のメダルしか払出されない。そのため、ATに制御されているときには、制御されていないときよりも、遊技者が得られるメダルの払出枚数を多くすることができ、AT制御の有無によって有利度を大きく異ならせることができる。また、RT3では、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに、維持リプを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行される。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、維持リプ入賞により転落リプ入賞を回避させてRT3を維持させることができる。その結果、ART中においては、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、取りこぼし出目が停止されることや転落リプに入賞することを回避して、RT3への制御を維持させることができる。なお、RT3では、チャンリプ1〜3の何れかに当選したときに、チャンスリプを入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行される。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、通常ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
また、本実施の形態のスロットマシンにおいてARTに制御されてからナビストックをすべて消費してATが終了した後においては、ATが終了し通常ナビ演出が実行されなくなるが、取りこぼし出目が停止されるか転落リプ入賞するまでRT3への制御が維持される。しかし、ARTであったときにATが終了した後のRT3中は、非AT中であるため、前述したように左第1停止される。一方、左ベル1〜右ベル3については、左第1停止する限り取りこぼし出目を停止させることとなる中ベル1〜右ベル3が高確率で当選する。また、通+転リプ1〜3のうち、左第1停止する限り転落リプ入賞させることとなる通+転リプ2および3が高確率で当選する。その結果、ARTであったときにATが終了した後のRT3中においては、ATが終了してから極めて早い段階で取りこぼし出目が停止されるか転落リプ入賞することによりRT1に移行される。その結果、ATへの制御はサブ制御部91側により実行されるが、取りこぼし出目が停止されるか転落リプ入賞したことによりメイン制御部41ではATが終了したとみなすことができる。
このようなゲームの流れであることを考慮して、本実施の形態におけるメイン制御部41は、サブ制御部91側により制御されるATに関連する信号を、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)のホールコンピュータやスロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などの外部機器に出力するようになっている。
図11は、メイン制御部41により実行されるAT関連信号出力処理を説明するためのフローチャートである。AT関連信号出力処理は、1ゲームが終了するときに実行される。なお、AT関連信号出力処理は、1ゲームに関連する所定タイミングで実行されるものであればこれに限らず、たとえば1ゲームが開始されるときに実行されるものであってもよい。Sm1においては、突入リプに入賞したか否かが判定される。突入リプに入賞していないと判定されたときには、Sm4に移行される。一方、突入リプに入賞していると判定されたときには、突入リプ入賞によりAT中であるとみなし、Sm2においてATが開始されている旨を示すAT開始信号を外部出力するための出力設定を行う。これにより、スロットマシン1から外部機器に対してAT開始信号が出力されて、外部機器において当該スロットマシン1においてATが開始された旨を特定可能となる。これにより、外部機器側では、ATに対応した態様(非AT中とは異なる態様であって、たとえば特定のランプを点滅など)でスロットマシン1に関する情報を報知する。Sm3においては、AT中である旨を示すAT中フラグをRAM41の所定領域に設定し、Sm4へ移行する。
Sm4においては、AT中フラグがセットされているか否かが判定される。つまり、AT開始信号が外部出力されてから外部機器においてAT中であると特定されている間であるか否かが判定される。Sm4においてAT中フラグがセットされていると判定されたときには、Sm5において、終了したゲームが、左ベル1〜右ベル3、または、転落リプのいずれかに当選したゲームであったか否かが判定される。Sm4またはSm5においてNOと判定されたときには、そのままAT関連信号出力処理を終了する。Sm5において左ベル1〜右ベル3、または、転落リプのいずれかに当選したゲームであったと判定されたときには、Sm6において、RT3の終了契機となる取りこぼし出目が停止されたか転落リプに入賞したかが判定される。
Sm6において取りこぼし出目も停止されておらずかつ転落リプにも入賞していないと判定されたときには、Sm12において終了特定用カウンタの値をリセットし、AT関連信号出力処理を終了する。終了特定用カウンタとは、左ベル1〜右ベル3、または、転落リプのいずれかに当選したゲームにおいて、連続して取りこぼし出目停止や転落リプ入賞した回数を特定するためのカウンタであって、RAM41cの所定領域において格納されている。Sm12では、Sm5でYESと判定されたゲームにおいてSm6においてNoと判定(つまりナビ演出が実行されていなければ停止される可能性が高い出目が停止可能な当選状況で当該出目が停止されていないと判定)されたことにより、AT中である可能性が高いため、終了特定用カウンタの値がリセットされる。
一方、Sm6において取りこぼし出目が停止しているかまたは転落リプに入賞していると判定されたとき(終了したゲームが左ベル1〜右ベル3、または、転落リプのいずれかに当選したゲームにおいて取りこぼし出目停止か転落リプ入賞したとき)には、Sm7において終了特定用カウンタの値を1加算し、Sm8へ移行する。Sm8においては、終了特定用カウンタの値が「2」であるか否かが判定される。つまり、左ベル1〜右ベル3、または、転落リプのいずれかに当選したゲームにおいて、2回連続して取りこぼし出目停止や転落リプ入賞したか否かが判定される。Sm8において終了特定用カウンタの値が「2」であると判定されたときには、ATが終了しているとみなし、Sm9において終了特定用カウンタの値をリセットし、Sm10においてATが終了している旨を示すAT終了信号を外部出力するための出力設定を行う。これにより、スロットマシン1から外部機器に対してAT終了信号が出力されて、外部機器においてATが終了している旨を特定可能となる。その結果、外部機器側において報知するスロットマシン1に関する情報の報知態様が、ATに対応した態様から通常時における態様に切り替えられる。Sm11においては、AT中フラグをリセットし、AT関連信号出力処理を終了する。なお、Sm8においてNOと判定されたときには、1回目であることから、たとえばAT中であるものの操作ミスなどにより取りこぼし出目停止や転落リプ入賞した場合などである可能性もあるため、そのままAT関連信号出力処理を終了する。
本実施の形態においては、何れのRT状態においてもCB入賞することによって、RT状態を維持したままCB中のゲームに移行する。これにより、CBの発生によって、RT状態を変更するものと比較して、処理負担を削減できる。
[CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図12を参照して、CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3の何れであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図12においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの抽選される遊技状態の内容を示している。なお、図12に示すテーブル表は、非CB時テーブル表ともいう。
本実施の形態のCB(チャレンジボーナス)は、全ての小役の当選が同時に成立し、所定の条件(本実施の形態においては、15枚以上のメダルの払出し、つまり、14枚を超えるメダルの払出し)が成立するまで、遊技者の目押しにより小役の入賞を毎ゲーム可能とする。また、再遊技役については、CBが発生した遊技状態に応じて、全ての小役と同時当選する役が予め定められている。当該CB中では、再遊技役以外の全ての小役(以下、単に「全ての小役」ともいう。)が当選することから、再遊技役に当選した場合には、全ての小役と当選した再遊技役とが同時当選することになる。
たとえば、遊技状態がRT0であるときには、全ての小役および全ての小役と通常リプ1が内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRT1であるときには、全ての小役、全ての小役と通常リプ1、および全ての小役と通+昇リプ1〜4が内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRT2であるときには、全ての小役、全ての小役と通常リプ1、全ての小役と通+転リプ1〜3、および全ての小役と通+突リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。遊技状態がRT3であるときには、全ての小役、全ての小役と通常リプ2、全ての小役と通常リプ3、全ての小役と通+転リプ1〜3、全ての小役とチャンリプ1〜3、全ての小役と7揃いリプ、および全ての小役と7はずれリプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
次に、CB時のリール制御について説明する。CB時のゲームで再遊技役に当選しなかった場合には、再遊技役以外の全ての小役のみが当選したことになる。この場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止の何れであっても(後述するようにイチゴが2ラインで入賞することにより)15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行われる。
CB時のゲームで通常リプ1、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、チャンリプ1〜3、7揃いリプ、および7はずれリプのうち何れかと全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止の何れであっても15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行われる。CB時のゲームで通常リプ2と全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止または右第1停止であれば15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行われ、中第1停止であれば14枚のメダルが払出されるようにリール制御が行われる。
CB時のゲームで通常リプ3と全ての小役が同時当選した場合には、左第1停止または中第1停止であれば15枚のメダルが払出されるようにリール制御が行われ、右第1停止であれば14枚のメダルが払出されるようにリール制御が行われる。
このように、本実施の形態においては、通常リプ2または通常リプ3が当選したときにのみ、押し順によっては14枚のメダルが払出されるリール制御が行われる。
また、通常リプ2および通常リプ3については、特定押し順が対応付けられている。図12の例では、通常リプ2の特定押し順は、中第1停止であり、通常リプ3の特定押し順は、右第1停止である。そして、通常リプ2または通常リプ3と全ての小役とが同時当選したときに特定押し順で操作された場合には、CB1ゲーム目で14枚のメダルが払出されてCBが継続し、CB2ゲーム目でさらにメダルを獲得できる。一方、通常リプ2または通常リプ3と全ての小役とが同時当選したときに特定押し順以外の押し順で操作された場合には、CB1ゲーム目から15枚のメダルが払い出され、CBが終了する。よって、通常リプ2と全ての小役との同時当選役、または通常リプ3と全ての小役との同時当選役は、押し順によってCBが1ゲーム終了になるか2ゲーム終了になるかでメダル払出枚数を大きく異ならせることが可能な役であるといえる。
一方、通常リプ2および通常リプ3以外の再遊技役と全ての小役との同時当選役、または全ての小役のみの当選役(つまり、再遊技役当選なし)については、押し順にかかわらずCB1ゲーム目から15枚のメダルが払い出され、CBが終了する。よって、通常リプ2および通常リプ3以外の再遊技役と全ての小役との同時当選役、および全ての小役のみの当選役は、押し順にかかわらず有利度が同一である役であるといえる。
図12に示す例では、CB時における第1当選役には、通常リプ2と全ての小役との同時当選役、または通常リプ3と全ての小役との同時当選役が含まれる。一方、CB時における第2当選役には、通常リプ2および通常リプ3以外の再遊技役と全ての小役との同時当選役、および全ての小役のみの当選役が含まれる。
以上、図12に示すように、本実施の形態においては、第1当選役が複数種類あり、当該第1当選役の種類と遊技者による押し順とに基づき、14枚払出しか、あるいは15枚払出しかの入賞結果が導出される。そのため、当選した第1当選役の種類と遊技者による押し順との組合せにより14枚払出しか、あるいは15枚払出しかの入賞結果が異なってくるため、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、以下では、CB中において、図12に示す通常リプ2および全ての小役に同時当選したことを単に「通常リプ2に当選する」ともいい、通常リプ3および全ての小役に同時当選したことを単に「通常リプ3に当選する」ともいう。また、図12に示す、メダルが14枚払い出される役を「14枚払出し役」といい、メダルが15枚払い出される役を「15枚払出し役」という場合がある。
また、本実施の形態においては、CBは、推奨押し順で操作すると、15枚払出し役が必ず入賞するが、推奨押し順以外の押し順で操作すると14枚払出し役が入賞する可能性があるゲームである。また、上述では、「CBに入賞したときには、CB入賞前後でRT状態が変わらずに、CBが開始される。」と説明したが、これは、図10と図12を比較しても明らかなように、CB入賞前のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」を全て引き継いで、CB中のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」とするということである。換言すれば、RT状態が変更されない限り、CB入賞前のゲームとCB中のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」とが同一である。さらに、RT状態が変更されない限り、CB入賞前のゲームとCB中のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」と、CB終了直後のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」も同一としてもよい。
[CB時の入賞態様]
ここで、CB時の入賞態様について説明する。図13は、CB時の入賞態様について説明するための図である。図13(a)は、CB時において通常リプ2が当選したときにストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された押し順ごとの小役の入賞態様を示している。
本実施の形態においては、CB時において当選した再遊技役の種類と押し順とに応じて、小役のうちイチゴが1ラインまたは2ラインの有効ラインで入賞する。図13(a)に示すように、CB時に通常リプ2に当選した場合において左第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。ここで、本実施の形態においては、1ゲームで払出されるメダルは15枚が最大である。そして、イチゴは1ライン入賞で14枚の払出しとなる。そのため、イチゴが2ラインで同時入賞すると合計で28枚の払出しとなり、結果的に、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
CB時に通常リプ2に当選した場合において中第1停止されたときには、中段ラインの1ラインのみでイチゴが入賞する。この場合、14枚のメダルが払出される。CB時に通常リプ2に当選した場合において右第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
図13(b)に示すように、CB時に通常リプ3に当選した場合において左第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
CB時に通常リプ3に当選した場合において中第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。CB時に通常リプ3に当選した場合において右第1停止されたときには、中段ラインの1ラインのみでイチゴが入賞する。この場合、14枚のメダルが払出される。
図13(c)に示すように、CB時に通常リプ2、3以外に当選した場合において左第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。CB時に通常リプ2、3以外に当選した場合において中第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。CB時に通常リプ2、3以外に当選した場合において右第1停止されたときには、右上がりラインおよび小谷ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。また、押し順によっては、右下がりラインおよび小山ラインの2ラインでイチゴが同時入賞する。この場合、最大払出枚数の15枚のメダルが払出される。
ここで、本実施の形態のCBは、メダルが15枚払出されることで終了するため、CBの1ゲーム目からメダルが15枚払出される場合は1ゲームでCBが終了してしまう。それに対して、CBの1ゲーム目でメダルが14枚払出される場合は、未だ終了条件の15枚に到達していないため、2ゲーム目も遊技することができ、当該2ゲーム目でさらに14枚や15枚のメダルが払出されることにより、結果的に15枚以上のメダルを遊技者が獲得することができる。つまり、CB時においては1ゲーム目から14枚の払出しが行われるときの方が、1ゲーム目から15枚の払出しが行われるときよりも遊技者にとって有利であるといえる。
また、図12に示されたCB時の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数は、再遊技役以外の全ての小役が当選していることを除いて、図10で示された非CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数と同じである。つまり、再遊技役の抽選対象役および判定値数は、CB入賞前後で変更されないようになっている。そのため、CB入賞前のRT状態が遊技者にとって有利な状態であれば、CB入賞後においても、遊技者にとって有利な状態を維持したままでCB中のゲームが行われることになる。たとえば、CB入賞前がRT3であれば、CB入賞後においても、RT3と同じ再遊技役の抽選対象役および判定値数を維持したままでCB中のゲームが行われる。
さらに、図12に示すCB時の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、1ゲーム内で14枚のメダルが払出されるリール制御が行われる抽選対象役である通常リプ2および通常リプ3は、RT3のときのみ当選する。そのため、すべての遊技状態の中でRT3のときにCB入賞した場合が、CB内で2ゲーム以上のゲームをすることができ、遊技者にとって最も有利となる。
なお、本実施の形態においては、後述するように、AT中にCB入賞した場合、CB時のゲーム内で通常リプ2や通常リプ3が当選したときには、有効ラインに14枚役の入賞図柄を導出させるための通常ナビ演出が実行されるようになっている。そのため、AT時においては、非AT時に比べて、1ゲーム内で14枚のメダルが払出される可能性が高く、遊技者にとって有利となる。
また、図9に示す非CB時の抽選対象役、判定値数によると、イチゴは何れの遊技状態においても判定値数が1である。そのため、非CB時においては、その他の入賞役がイチゴよりも高い確率で入賞が発生可能となる。つまり、非CB時では、イチゴが入賞可能なメインの役ではない。これに対して、図13に示すCB時の入賞態様によると、14枚払出しのときも15枚払出しのときもイチゴが入賞する。つまり、CB時では、イチゴが入賞可能なメインの役となる。
さらに、イチゴが有効ラインに導出されることを条件(第4AT抽選条件)に、後述するAT抽選が行われ、ATに制御するためナビストックが付与される可能性がある。このように、非CB時においてはイチゴよりも高い確率でその他の入賞役が入賞可能となり、CB時においては当該その他の入賞役よりも高い確率でイチゴが入賞可能となる。そして、イチゴに入賞することを条件としてAT抽選が行われてナビストックが付与される。このため、イチゴが入賞することによって直接的にナビストックが付与されることに対する期待感を抱かせることができるとともに、イチゴの入賞確率が高まることによりCBに制御されることによる遊技者にとっての価値をより一層高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態では、図6に示すように「JAC3−JAC2−JAC3」の図柄組合せを表示することにより、CB入賞した旨を遊技者に対して示唆することができる。したがって、遊技者は、CB入賞した旨を認識することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[サブ制御部の演出制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてROM91bに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、ROM91bに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンから何れかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてROM91bに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、左第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行う。ペナルティとしては、前述したように、6ゲームの期間中、AT抽選が実行されなかったり、AT抽選においてナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものなどがある。なお、単なる操作ミスにより左第1停止することができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左第1停止以外を操作している蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左第1停止以外の操作がされた回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中のゲームにおいて、受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左第1停止している限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左第1停止している限り入賞しない入賞役とは、たとえば、中ベル1〜3や右ベル1〜3の何れかに当選したときのJACが該当する。
また、サブ制御部91は、AT中に通常ナビ演出を実行したゲームにおいて、当該通常ナビ演出から特定される操作手順と異なる手順で操作されたか否かを判定し、異なる手順で操作されたと判定されたときには遊技者にとって不利なAT中のペナルティを科す制御を行う。AT中のペナルティとしては、6ゲームの期間中、AT抽選が実行されなかったり、AT抽選においてナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものなどがある。また、たとえば、すでに付与されているナビストックを所定数減算すること、AT抽選条件が成立してもAT抽選を行わないことなどがある。
なお、AT中においても、単なる操作ミスにより通常ナビ演出から特定される操作手順で操作できない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に通常ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作している蓋然性が高いことを推認できるAT中のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。AT中のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに通常ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作された回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、所定回数(2回)連続して通常ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作されたことにより成立するものなどであってもよい。
また、AT中において、通常ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、取りこぼし出目の導出や転落リプ入賞した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了(ナビストックを消去)させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるように通常ナビ演出を実行するようにしてもよい。
[AT関連処理]
次に、サブ制御部91側において行われる処理のうち、ATに関連する処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、通常ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行う。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(たとえば、ATに制御されてから10ゲーム)、ATに制御され、その間通常ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図14は、AT抽選に用いるAT抽選用テーブルを説明するための図である。AT抽選条件は、RT状態、AT状態、および、当選状況やゲーム進行状況などのその他の条件の組合せにより成立する。サブ制御部91は、成立したAT抽選条件に定められた当選確率に従ってAT当選し、AT当選した場合には振分率に従ってナビストックを付与する。なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンド、内部当選コマンド、入賞判定コマンドに基づき、制御されているRT状態および当選状況を判定するとともに、AT中にセットされるATフラグに基づきAT中か否かを判定する。
第1AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、チャンス1またはチャンス2に当選したときに成立する。第1AT抽選条件が成立したときには、30%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」に決定される。なお、AT抽選は、たとえば乱数などを用いて、設定されている確率あるいは振分率にしたがってランダムに行われる。よって、第1AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.5+2×0.3+3×0.2)×0.03=0.051となる。
第2AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT3であるときに、7揃いリプに当選したときに成立する。第2AT抽選条件が成立したときには、10%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、30%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第2AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.3+2×0.3+3×0.2+4×0.1+5×0.1)×0.1=0.24となる。
第3AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT3であるときに、チャンスリプに入賞したときに成立する。第3AT抽選条件が成立したときには、3%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、30%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.3+4×0.2+5×0.1)×0.3=0.84となる。
なお、第1、第2AT抽選条件は、所定の入賞役に当選することにより成立する例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、第1AT抽選条件は、チャンス1またはチャンス2に入賞することにより成立するようにしてもよい。
第4AT抽選条件は、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、また非CB中であるかCB中であるかにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときにイチゴが入賞したときに成立する。第4AT抽選条件が成立したときには、50%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、40%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」になる。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.4+2×0.3+3×0.2+4×0.1)×0.5=1.0となる。なお、CB中においてはイチゴが1ラインの有効ラインのみで入賞して14枚の払出しが行われたときにAT抽選条件が成立するものであってもよい。これにより、CB中に15枚の払出しが行われたとき(イチゴが2ラインの有効ラインで同時入賞したとき)にはAT抽選条件を成立させない一方で、CB中に14枚の払出しが行われたとき(イチゴが1ラインの有効ラインのみで入賞したとき)にはAT抽選条件を成立させることができる。
また、第1〜第4AT抽選条件は、各々、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、当選確率および振分率が同じである例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて当選確率および振分率を異ならせてもよい。たとえば、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも高い当選確率でナビ付与抽選を行い、また、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも期待ナビストック数が大きくなるようにナビストック数抽選を行うようにしてもよい。
第5AT抽選条件は、非AT中であって、遊技状態がRT1〜3であるときに、前回ART終了(ATが終了)してから消化したゲーム数が到達ゲームに達することにより成立する。到達ゲーム数は、後述するように、ATが終了したときに複数ゲームのうちから決定される。サブ制御部91は、AT中にセットされるATフラグに基づきAT終了を特定するとともに、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、AT終了から消化したゲーム数を特定するための終了後ゲーム数を計数し、当該終了後ゲーム数に基づき前回ATが終了してから到達ゲーム数分消化したか否かを特定し、第5AT抽選条件の成否を判定する。第5AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、付与されるナビストック数が、60%の確率で「1」に、40%の確率で「2」に決定される。よって、第5AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.6+2×0.4)×1.0=1.4となる。
第6AT抽選条件は、非AT中であって、RT状態がRT0〜3であるときにおいて、特定期間において特定付与条件が成立することにより成立する。特定期間とは、ART終了後からメイン制御部41によりAT終了信号が出力される条件が成立するまでの期間をいい、具体的には、ARTにおいてATが終了した旨を示唆する特定演出が実行されている期間をいう。特定演出は、ART終了出力待ち特定用フラグがセットされている期間においてのみ実行される演出である。特定期間中は、非AT中であるため原則としてナビ演出が実行されないため、推奨押し順以外で停止操作された場合には前述したペナルティが科されてしまう。このような状況において、本実施の形態における特定付与条件は、たとえば、特定期間に移行されてから、転落させることなくRT3を5ゲーム間維持することにより成立するように定められている。このため、特定期間において、運良くRT3が維持されることに対する期待感を抱かせることができる。
第6AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、45%の確率で「1」に、25%の確率で「2」に、15%の確率で「3」、10%の確率で「4」、5%の確率で「5」になる。よって、第6AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.45+2×0.25+3×0.15+4×0.1+5×0.05)×1.00=2.05となる。
また、第6AT抽選条件は、特定期間において成立する条件であれば、特定付与条件は前述したものに限るものではなく、特定の入賞に当選あるいは入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、特定付与条件は、JAC入賞やCB中に14枚払出し役入賞により成立するものであってもよく、また、これに加えてAT役(AT1〜18)のいずれかに入賞によっても成立するようにしてもよく、また、JAC入賞や14枚払出し役入賞などの契機となる左ベル1〜右ベル3当選あるいはCB中に14枚払出し役当選により成立するものであってもよい。また、特定付与条件は、第1〜第4AT抽選条件が成立したがAT当選しなかった回数が所定回数に到達することにより成立するものや、所定ゲーム数消化することにより成立するものなどであってもよい。
このように、メイン制御部41からのコマンドに基づきサブ制御部91によってAT制御のためのナビストックを付与するか否かが決定されて、当該決定に応じてナビストックが付与されるため、遊技者に対して、サブ制御部91の処理に注目させることができる。
[AT制御処理]
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施の形態においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、たとえば、非AT中でかつRT2中であるときに突入リプに入賞したときに成立する。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1またはRT2においてATフラグからATである旨が特定されたときに、ATへの制御を開始する。これにより、通常ナビ演出が実行される。このため、図10に示すように、RT1においては、通+昇リプ1〜4の何れかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。また、RT2においては、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに維持リプに入賞する可能性が高くなるとともに、転落リプに入賞することを回避することができる。さらに、通+突リプ1〜3の何れかに当選したときに突入リプに入賞する可能性が高くなり、その結果、RT3へ移行する可能が高くなる。
また、RT2またはRT3においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4の何れかに当選したときに取りこぼし出目の導出を回避させ、その結果、RT1への転落を回避することができる。RT1またはRT2においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、通常ナビ演出が実行可能となる。AT中におけるRT1において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。RT3に制御されたときには、ナビストックを1消費(減算)して、所定回数(たとえば10)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。なお、ナビストックを1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、有利演出を実行する。有利演出とは、通常演出よりも遊技者にとって有利な情報を報知する演出であり、たとえば、通常ナビ演出や、AT残りゲーム数を報知する演出、通常演出の背景画像とは異なる背景画像とする演出などを含む。また、有利演出は、ATが開始されたゲーム(AT1ゲーム目)において、当該ATが開始された旨を報知する演出も含む。AT残りゲーム数を報知する演出を実行するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、たとえば、ATに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り10ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する有利演出が実行される。これにより、少なくともナビストック1に対応してATに制御されている旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、通常ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選したときに取りこぼし出目が導出されやすく、かつ、通+転リプ1〜3の何れかに当選したときに転落リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。
ここで、本実施の形態においては、ATに制御される状態およびATに制御されない状態(非AT)の他に、潜伏時ATにも制御される。潜伏時ATとは、ナビストックが消費されないが、第1当選役に当選したときに限っては通常ナビ演出が実行される期間である。さらに、潜伏時ATにおいては、前述した有利演出が実行されないようになっており、後述するようにAT終了後に実行される特定演出と同じ態様の演出(特定演出のうち取りこぼし出目停止や転落リプ入賞の契機となる当選状況となるまでの演出)が実行された後、ナビ演出が実行されると潜伏時AT中特有の演出が実行される。これにより、遊技者がAT中であることを演出上では認識できないようになっているとともに、再びATに制御されることに対して期待することができる。なお、潜伏時ATである期間を潜伏期間ともいう。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0になれば一旦ATでない旨を示すATフラグに更新する。そして、残りのナビストック数が1以上であれば、先ず潜伏抽選を実行する。潜伏抽選とは、たとえば、乱数抽選によって潜伏時ATに制御するか否かを決定する抽選である。サブ制御部91は、潜伏抽選に当選したときには、潜伏時ATである旨を示す潜伏フラグをRAM91cの所定領域に格納する。これにより、潜伏時ATに制御される。そして、潜伏時ATは、所定期間(たとえば、32ゲーム)経過するまで制御される。サブ制御部91は、潜伏時ATが終了すると、AT復帰報知を実行するとともに、ナビストックを1消費してATである旨を示すATフラグに更新してATに制御する。AT復帰報知とは、潜伏時ATからATへと復帰する際に行われる報知であり、たとえば、「まだまだー!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、AT残りゲーム数が0になったときにおいて、残りのナビストック数が0である場合には、潜伏抽選を実行せずに非ATに移行される。
なお、本実施の形態においては、潜伏時ATにおいて1回でも通常ナビ演出が実行されたときには、その時点でAT復帰報知が行われる。その理由は、潜伏時ATは、有利演出が実行されない(潜伏時AT移行時は特定演出のうち取りこぼし出目停止や転落リプ入賞の契機となる当選状況となるまでの演出と同じ態様の演出が実行される)ことによって、ナビストックが残っているか否かを遊技者に判別されない状態であり、再びATに制御されることに対して期待をもたせる状態であるにもかかわらず、通常ナビ演出が実行されることによって、遊技者にまだナビストックが残っていることがばれてしまうからである。この場合でも、AT復帰報知後に、所定期間経過するまでは潜伏時ATに制御され、その後、ナビストックを1消費してATである旨を示すATフラグに更新して、ATに再び制御される。この場合のAT復帰報知としては、「もうすぐATに戻るよ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示されることにより、所定ゲーム数消化すると、ATへ復帰する旨が報知される。なお、潜伏時ATにおいて1回でも通常ナビ演出が実行されたときには、AT復帰報知が行われるとともにその時点でナビストックを1消費してATに制御するものであってもよい。
一方、サブ制御部91は、潜伏抽選に当選しなかったときには、前回のATが終了した後すぐにAT復帰報知が行われるとともに、ナビストックを1消費してATへの制御を継続させる。このように、潜伏時ATに制御されることにより、ATが終了して、非ATに制御された場合でも、再び、ATに制御されるかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技への興趣を向上させることができる。
以上のように、RT3であるときには、ナビストック数を1消費することにより、所定回数ゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して1ナビストックに対応するATが終了したときであっても、未だナビストック数が1以上であるときには所定確率で潜伏期間を経た後、さらにナビストックを1消費させてARTへの制御が継続される。これにより、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となる。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応する通常ナビ演出を実行する一方、非AT中においては原則としてナビ演出を実行しない。このことを考慮し、図11で示したように、メイン制御部41は、図11で示したように、突入リプ入賞でAT中であると判定し、取りこぼし出目停止や転落リプ入賞によりAT終了であると判定する。
図15は、サブ制御部91により実行されるAT関連状況特定処理を説明するためのフローチャートである。AT関連状況特定処理は、1ゲームが終了するときに実行される。なお、AT関連状況特定処理は、1ゲームに関連する所定タイミングで実行されるものであればこれに限らず、たとえば1ゲームが開始されるときに実行されるものであってもよい。Ss1においては、非ART中である旨を示す非ART特定用フラグがセットされているときであって、AT中において突入リプ入賞してRT3に制御されることによりARTが開始されたか否かが判定される。ARTが開始されていないと判定されたときには、Ss3へ移行する。一方、ARTが開始されたと判定されたときには、Ss2においてART特定用フラグをRAM91cの所定領域に設定する。
Ss3においては、ART特定用フラグがセットされているか否かが判定される。ART特定用フラグがセットされていると判定されているときには、Ss4においてART中においてナビストックが0となり最後のナビストックに対応するATゲーム数消化してATが終了(潜伏時ATを除く)したか否かが判定される。Ss3においてART特定フラグがセットされていないと判定されたときや、Ss4においてATが終了していないと判定されたときには、Ss7へ移行する。一方、Ss4においてATが終了したと判定されたときには、Ss5においてART特定用フラグをリセットする。Ss6においては、ART終了出力待ち特定用フラグをRAM91cの所定領域にセットする。
Ss7においては、ART終了出力待ち特定用フラグがセットされているか否かが判定される。ART終了出力待ち特定用フラグがセットされている期間を特定期間ともいう。Ss7においてART終了出力待ち特定用フラグがセットされていると判定されたときには、Ss8において、終了したゲームが、左ベル1〜右ベル3、または、転落リプのいずれかに当選しているゲームであったか否かが判定される。Ss7やSs8でNOと判定されたときには、そのままAT関連状況特定処理を終了する。一方、Ss8において左ベル1〜右ベル3、または、転落リプのいずれかに当選していたゲームであったと判定されたときには、Ss9においてRT1への移行契機となる取りこぼし出目停止か転落リプ入賞したか否かが判定される。
Ss9において取りこぼし出目も停止されておらず、かつ転落リプにも入賞していないと判定されたときには、Ss15においてサブ側終了特定用カウンタの値をリセットし、AT関連状況特定処理を終了する。サブ側終了特定用カウンタとは、特定期間中であって、左ベル1〜右ベル3、または、転落リプのいずれかに当選したゲームにおいて、連続して取りこぼし出目停止や転落リプ入賞した回数を特定するためのカウンタであって、RAM91cの所定領域において格納されている。Ss15では、Ss8でYESと判定されたゲームにおいてSs9においてNoと判定されたことにより、前述したようにメイン制御部41側においてAT中である可能性が高いと判断されるため、サブ側終了特定用カウンタの値がリセットされる。
一方、Ss9において取りこぼし出目が停止しているかまたは転落リプに入賞していると判定されたときには、Ss10においてサブ側終了特定用カウンタの値を1加算し、Ss11へ移行する。Ss11においては、サブ側終了特定用カウンタの値が「2」であるか否かが判定される。つまり、特定期間中であって、左ベル1〜右ベル3、または、転落リプのいずれかに当選したゲームにおいて、2回連続して取りこぼし出目停止や転落リプ入賞して、メイン制御部41側においてAT終了信号が出力されるか否かが判定される。Ss11においてサブ側終了特定用カウンタの値が「2」であると判定されたときには、メイン制御部41側においてAT終了信号が出力されるとみなし、Ss12においてサブ側終了特定用カウンタの値をリセットし、Ss13においてART終了出力待ち特定用フラグをリセットする。これにより、サブ制御部91は、ART終了出力待ち特定用フラグがセットされていることにより、AT終了後においてメイン制御部41側における図11のSm10においてAT終了信号が未だ出力されていない期間であることを特定可能となる。Ss14においては、非ART特定用フラグをRAM91cの所定領域にセットし、AT関連状況特定処理を終了する。なお、Ss11においてNOと判定されたときには、1回目であることから、メイン制御部41側における図11のSm10においてAT終了信号が未だ出力されないため、そのままAT関連状況特定処理を終了する。
図16は、サブ制御部91により実行される各種演出を実行するための各種演出実行処理を説明するためのフローチャートである。各種演出実行処理は、1ゲームが終了するときに実行される。なお、各種演出実行処理は、1ゲームに関連する所定タイミングで実行されるものであればこれに限らず、たとえば1ゲームが開始されるときに実行されるものであってもよい。Ss31においては、AT中であるか否かが判定される。AT中であるか否かは、ATフラグにより特定される。前述した潜伏時AT中においてもAT中であると判定される。Ss31においてAT中であると判定されたときには、Ss32においてAT中である旨を報知するAT中演出(潜伏時AT中においては特定演出のうち取りこぼし出目停止や転落リプ入賞の契機となる当選状況となるまでの演出)を実行する。
一方、Ss31においてAT中でないと判定されたときには、Ss33においてATが終了したとき(直後)であるか否かが判定される。Ss33においてAT終了時であると判定されたときには、Ss34において第5AT抽選条件の成否にかかわる到達ゲーム数を決定し、決定された到達ゲーム数を判別するための到達カウンタの値に設定する。到達カウンタは、RAM91cの所定領域において格納される。到達ゲーム数は、図17に示されるように、1、10、50、100、および以降は100単位毎で最大1000までの複数ゲームから所定の振分率に従って決定される。消化ゲーム数が到達ゲーム数に達することにより第5AT抽選条件が成立するため、到達ゲーム数は少ない程、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
Ss35においては、Ss34において決定された到達ゲーム数に応じて、特定期間において実行する特定演出の態様(種類)を決定し、当該特定演出を開始するための処理を行う。特定演出は、Ss37において終了されるまで実行される。これにより、特定期間において決定された態様で特定演出が実行される。特定演出は、非AT中においては、特定期間中にしか実行されることがなく、特定期間が終了した後においては実行されることがない演出である。特定演出の態様を決定するに際しては、図17に示す特定演出態様決定テーブルが参照される。特定演出態様決定テーブルは、サブ制御部91のROM91bの所定領域に格納されている。
特定演出態様決定用テーブルでは、決定された到達ゲーム数に応じて特定演出の態様を決定するための振分率が定められている。本実施の形態におけるスロットマシンにおいては、特定演出の態様として、態様A〜態様Dの4種類が定められている。特定演出では、たとえば、第6AT抽選条件を成立させるための条件を報知するとともに、「5ゲーム間耐えろ!!」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、態様によって背景色が異なるように定められている。
決定された到達ゲーム数が「1」であるときには、態様Bが「10%」で、態様Cが「30%」で、態様Dが「60%」で決定されるように、振分率が定められている。到達ゲーム数が「1」に決定されているときには、当該ゲームが終了することにより到達ゲーム数に到達して第5AT抽選条件が成立することになる。また、態様Dは、到達ゲーム数が「1」のときにしか決定されない。このため、特定演出が態様Dで実行されたときには、上記した演出内容に替えてあるいは加えて、「やったぜ!AT復活だ!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するようにしてもよい。
また、決定された到達ゲーム数が「10」であるときには、態様Aが「10%」で、態様Bが「15%」で、態様Cが「75%」で決定されるように、振分率が定められている。なお、到達ゲーム数が「10」であるときなど、比較的少ないゲーム数に決定されているときには、態様Dが所定割合で決定されるようにしてもよい。また、決定された到達ゲーム数が「50」であるときには、態様Aが「15%」で、態様Bが「20%」で、態様Cが「65%」で決定されるように、振分率が定められている。その他の到達ゲーム数であるときも同様に、到達ゲーム数に応じて定められた振分率に従って、特定演出の態様が決定される。
図17に示されるように、到達ゲーム数が「1」であるときにのみ特定演出の態様として態様Dが決定され得るように振分率が定められている。また、到達ゲーム数が少なく遊技者にとっての有利度合いが高い程、特定演出の態様として態様Cが高い割合で決定され、続いて態様Bが決定され、態様Aが決定される割合が低くなるように振分率が定められている。このため、特定演出の態様により、到達ゲーム数に対する期待感を異ならせることができる。
図16に戻り、Ss33においてAT終了時でないと判定されたときには、Ss36において、特定期間終了時であるか否かが判定される。特定期間終了時とは、前述したART終了出力待ち特定用フラグがリセットされたとき(直後)をいう。Ss36において特定期間終了時であると判定されたときには、Ss37において特定演出を終了して非AT中に対応して定められている通常演出を開始し、当該通常演出が開始されてから消化した消化ゲーム数であって液晶表示器51に表示する消化ゲーム数を特定するための表示カウンタの値を「0」に設定する。通常演出では、表示カウンタの値に基づいて、消化ゲーム数を表示する演出が実行される。一方、Ss36において特定期間終了時でないと判定されたときにはSs38へ移行する。
Ss38においては、非AT中であるか否かが判定される。Ss38における非AT中であるか否かの判定では、図15のSs14においてセットされる非ART特定用フラグがセットされているか否かにより、セットされているときに非AT中であると判定される。Ss38において非AT中でないと判定されたときにはSs43へ移行する。一方、Ss38において非AT中であると判定されたときには、Ss39において到達カウンタの値を1減算する。これにより、1ゲーム消化に応じて到達ゲーム数までの残りゲーム数を1減算させることができる。Ss40においては、到達カウンタの値が「30」に到達したか否かが判定される。Ss40において到達カウンタの値が「30」に到達したと判定されたときには、30ゲーム消化することにより第5AT抽選条件が成立してナビストックが付与されてATに制御可能となるため、Ss41において真の前兆演出を開始するための処理を行う。一方、Ss40において到達カウンタの値が「30」に到達していないと判定されたときには、30ゲーム消化したとしても第5AT抽選条件が成立しないが、Ss42において偽の前兆演出を実行するか否かの抽選を行い、当選した場合には偽の前兆演出を開始するための処理を行う。偽の前兆演出を実行するか否かの抽選では、所定確率(たとえば、5%)で偽の前兆演出を実行する旨の決定が行われる。
真の前兆演出および偽の前兆演出が開始されると、たとえば、25ゲームに亘って、30ゲーム以内に到達ゲーム数に到達してナビストックが付与される可能性を示唆する第1演出を実行した後、5ゲームに亘ってナビストックが付与されるか否かを報知する第2演出が実行される。第1演出の態様は、真の前兆演出であるか、偽の前兆演出であるかに応じた振分率に従って複数種類の態様から決定される。また、第2演出は、たとえば、液晶表示器51において、5ゲームに亘って一連の連続演出(敵方キャラクタと味方キャラクタとが格闘を繰り広げるバトル演出など)が実行されて、5ゲーム目終了時にその結末として結果報知(真の前兆演出の場合は味方キャラクタの勝利、偽の前兆演出の場合は味方キャラクタの敗北)を行う演出であって、結果報知によりナビストック獲得などが報知される。
Ss43においては、通常演出を実行中であるか否かが判定される。Ss43において通常演出を実行中であると判定されたときには、Ss44において表示カウンタの値を1加算して、液晶表示器51の所定領域に表示されている表示ゲーム数を1加算更新し、各種演出実行処理を終了する。
[非CB中の通常ナビ演出]
次に、非CB中においてサブ制御部91が実行する通常ナビ演出について説明する。図18は、第1当選役に当選したときの非CB中通常ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。サブ制御部91は、非CB中通常ナビ演出実行処理を実行することにより、第1当選役に当選したときのAT状態に応じて、通常ナビ演出を所定の確率に基づき実行する。
先ず、非CB時において、遊技状態に応じたナビ対象役について図9、図10を用いて説明する。RT1に応じたナビ対象役としては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、および通+昇リプ1〜4が定められている。また、RT2に応じたナビ対象役としては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、通+転リプ1〜3、および通+突リプ1〜3が定められている。また、RT3に応じたナビ対象役としては、左ベル1〜3、中ベル1〜3、右ベル1〜3、通+転リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3が定められている。なお、本実施の形態においては、前述した非CB時におけるナビ対象役は、第1当選役に該当する。
図18に示すように、先ずサブ制御部91は、メイン制御部41から第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S10)。サブ制御部91は、第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S10においてNO)、第2当選役に当選しているため、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S10においてYES)、現在のAT状態を確認する(S20)。このとき、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていなければ非ATである旨を特定し、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていればATである旨を特定し、RAM91cの所定領域に潜伏フラグが格納されていれば潜伏時ATである旨を特定する。その後、サブ制御部91は、特定したAT状態に応じて、図19の非CB中通常ナビ演出実行テーブルに基づき通常ナビ演出実行抽選を行う(ステップS30)。
ここで、図19の非CB中通常ナビ演出実行テーブルについて説明する。なお、非CB中通常ナビ演出実行テーブルは、ROM91bに格納されている。非CB中通常ナビ演出実行テーブルにおいては、AT状態に対応して通常ナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、この非CB中通常ナビ演出実行テーブルを参照することによって、AT状態に応じて、通常ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。たとえば、非ATであれば、第1当選役に当選していても通常ナビ演出は実行されないようになっている。また、ATであれば、第1当選役に当選していれば100%の確率で通常ナビ演出が実行されるようになっている。さらに、潜伏時ATであれば、第1当選役に当選していれば100%の確率で通常ナビ演出が実行されるようになっている。
このように、特定ゲームにおける内部抽選の結果が、押し順によって有利度が異なる第1当選役に当選した結果となったときにおいては、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、同じ確率で通常ナビ演出が実行される。このため、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、遊技者は、同じ確率で第1当選役に対応する押し順に正解したときの入賞役を入賞させることができる。そのため、ATに制御された場合と一旦潜伏時ATに制御された場合とで、有利度の差を生じにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
通常ナビ演出の態様としては、たとえば、左ベル1〜3、中ベル1〜3、および右ベル1〜3の何れかに当選したときは、当選状況に応じてJACを確実に入賞させて取りこぼし出目の導出を回避させるための押し順が報知される。より具体的には、左ベル1〜3に当選したときの通常ナビ演出としては、JACを入賞させるために「左だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、通+昇リプ1〜4、通+転リプ1〜3、通+突リプ1〜3、およびチャンリプ1〜3の何れかに当選したときの通常ナビ演出としては、当選状況に応じて遊技者にとって有利となる押し順が報知される。より具体的には、通+昇リプ1に当選したときの通常ナビ演出としては、昇格リプを入賞させるために「中だ!その次は右だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。なお、通常ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、通常ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
図18に戻り、サブ制御部91は、通常ナビ演出実行抽選を行った後、抽選の結果、通常ナビ演出を実行するか否かを判定する(S40)。サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行しないと判定したときには(S40においてNO)、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。一方、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行すると判定したときには(S40においてYES)、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であるか否かを判定する(S50)。サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であると判定したときには(S50においてYES)、潜伏時ATにおいて初めて通常ナビ演出を実行したことになるため、AT復帰報知が実行される(S60)。その後、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行し(S70)、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。なお、本実施の形態においては、AT復帰報知の後に、通常ナビ演出を実行するようになっているが、通常ナビ演出を実行した後に、AT復帰報知を実行するようにしてもよいし、通常ナビ演出とAT復帰報知とを同時に実行するものであってもよい。
一方、サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施ではないと判定したときには(S50においてNO)、潜伏時ATではないか、あるいは潜伏時ATにおいてすでにAT復帰報知が実行されたことになるため、AT復帰報知をすることなく、通常ナビ演出を実行し(S70)、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
[CB中の演出]
次に、CB中においてサブ制御部91が実行するナビ演出について説明する。本実施の形態において、CB中で実行されるナビ演出として、通常ナビ演出または防止ナビ演出がある。ここで、防止ナビ演出について説明する。上述のように、非ATのとき(つまり、通常ナビ演出が実行されないとき)遊技者が変則押しを実行すると、ペナルティが付与される。また、非ATのときにCB入賞した場合には、遊技者はCB入賞する図柄である「JAC3−JAC2−JAC3」が導出されたことを把握することにより、CB入賞した旨を認識する。特に、RT3のときにCB入賞した場合には、第1当選役(図12記載の通常リプ2と全ての小役との同時当選または通常リプ3と全ての小役との同時当選)に当選する可能性があり、「CB入賞すると第1当選役が当選する可能性がある旨」を把握している遊技者は、「変則押しすることにより14枚払出しされる可能性がある」と感じ、変則押しを実行しようとする。ところが、非AT中に変則押しが実行されると、ペナルティが付与されるので、遊技者は不本意な不利益を被ることになる。
そこで、本実施の形態では、非ATでありかつRT3のとき(たとえば、AT終了後のRT3中)のCBゲーム中に第1当選役に当選した場合には、順押しさせるために、防止ナビ演出として、推奨押し順(左第1停止)を報知する。具体的には、「左だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。遊技者は、当該報知を認識して、順押しすることにより、ペナルティが付与されることはない。
このように、CB入賞したときにおいての通常ナビ演出とは、AT中であるときに実行される演出であって、第1当選役または第2当選役に当選した場合に14枚払出し役を入賞させるための押し順を報知する演出である。たとえば、ART中にCB入賞した場合において、通常リプ2と全ての小役とが同時当選した場合には、通常ナビ演出として、中第1停止させる押し順を報知する。具体的には、「中だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
一方、防止ナビ演出とは、CB入賞したときにおいて、非ATでありかつRT3のときに、第1当選役に当選した場合に実行される演出であって、順押しをさせるための押し順(推奨押し順)を報知する演出である。たとえば、非ATでありかつRT3のときにCB入賞した場合において、防止ナビ演出として、左第1停止させる押し順を報知する。具体的には、「左だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。なお、RT3かつ非AT中にCB入賞した場合に、防止ナビ演出で報知された推奨押し順に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、第1当選役に当選したとしても、14枚払出し役を入賞させることができず、15枚払出し役を入賞させてCB終了することになる。
図20は、第1当選役(たとえば通常リプ2と全ての小役との同時当選役、または通常リプ3と全ての小役との同時当選役)に当選したときのRT3におけるCB中ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。サブ制御部91は、CB中ナビ演出実行処理を実行することにより、第1当選役に当選したときに、AT状態およびCBゲーム数に応じて、通常ナビ演出または防止ナビ演出を所定の確率に基づき実行する。
図20に示すように、先ずサブ制御部91は、メイン制御部41から第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S110)。サブ制御部91は、第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S110においてNO)、第2当選役(通常リプ2および通常リプ3以外の再遊技役と全ての小役との同時当選役、および全ての小役のみの当選役)に当選したことになるため、CB中ナビ演出実行処理を終了する。この場合、サブ制御部91は、所定の抽選確率に基づき、リール2L、2C、2Rの押し順をランダムに決定し、決定されたリールを第1停止させる押し順を報知するナビ演出を実行する。これにより、CB1ゲーム目から15枚のメダルが払出されて、CBが1ゲームで終了することになる。なお、第2当選役は何れの押し順であっても15枚の払出ししかされない役であるが、このように、第1当選役に当選したときと同様にナビ演出を実行することによって、第1当選役に当選したのか、第2当選役に当選したのかを遊技者に判別させにくくすることができる。
一方、サブ制御部91は、第1当選役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S110においてYES)、現在のAT状態を確認する(S120)。このとき、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていなければ非ATである旨を特定し、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていればATである旨を特定し、RAM91cの所定領域に潜伏フラグが格納されていれば潜伏時ATである旨を特定する。その後、サブ制御部91は、特定したAT状態に応じて、図21のCB中ナビ演出実行テーブルに基づきナビ演出実行抽選を行う(ステップS130)。ここで、ナビ演出実行抽選とは、通常ナビ演出を実行するか、防止ナビ演出を実行するか、通常ナビ演出および防止ナビ演出のいずれも実行しないか、を特定するための抽選である。
ここで、図21のCB中ナビ演出実行テーブルについて説明する。なお、CB中ナビ演出実行テーブルは、ROM91bに格納されている。CB中ナビ演出実行テーブルにおいては、AT状態およびCBゲーム数に対応して通常ナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、このCB中ナビ演出実行テーブルを参照することによって、AT状態およびCBゲーム数に応じて、通常ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
たとえば、非ATであれば、CB1ゲーム目および2ゲーム目ともに、14枚払出しのための通常ナビ演出も15枚払出しのための通常ナビ演出も実行されないようになっている。ここで、14枚払出しのための通常ナビ演出とは、図13で示したように、1ラインのみの有効ラインにイチゴを入賞させるための押し順を報知する演出である。たとえば、通常リプ2に当選したときであれば、「中だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、通常リプ3に当選したときであれば、「右だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、15枚払出しのための通常ナビ演出とは、図13で示したように、2ラインの有効ラインにイチゴを同時入賞させるための押し順を報知する演出である。たとえば、通常リプ2に当選したときであれば、「左だ!」や「右だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、通常リプ3に当選したときであれば、「左だ!」や「中だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
なお、前述したように、本実施の形態においては、非AT中に左第1停止させなかった場合にはペナルティが科される。そのため、CB1ゲーム目で通常ナビ演出が実行されなければ、通常、遊技者は左第1停止を行うため、左第1停止で14枚の払出しが行われない第1当選役の当選時においては、14枚の払出しが行われずにCBは1ゲームで終了するようになっている。しかしながら、ペナルティを科して中第1停止や右第1停止を行ったときに偶然にも14枚の払出しが行われた場合は、CB2ゲーム目を遊技することができてしまう。よって、CB中に非ATであっても、CB2ゲーム目を遊技することが可能な状況は起こりうる。
そして、非ATであれば、通常ナビ演出は実行されないが、防止ナビ演出が100%の確率で実行される。上述したように、防止ナビ演出については、推奨押し順を報知する演出であることから、「左だ!」などいったメッセージが液晶表示器51に表示される。具体的には、ART終了出力待ち特定用フラグがRAM91cに記憶されているときに、CB入賞して第1当選役に当選した場合には、防止ナビ演出が実行される。
また、AT中であれば、第1当選役に当選したときがCB1ゲーム目の場合は100%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、第1当選役に当選したときがCB2ゲーム目の場合は100%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。また、潜伏時ATであれば、第1当選役に当選したときがCB1ゲーム目の場合は100%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、第1当選役に当選したときがCB2ゲーム目の場合は100%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。
このように、CB1ゲーム目で第1当選役に当選したときには、CB中の1ゲーム目で第1当選役以外の第2当選役に当選したときよりも、当該CB中に付与されるメダルの払出枚数が多くなるように、イチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞する。つまり、CB1ゲーム目においてイチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞して14枚のメダルが払出されるため、CB2ゲーム目も遊技することができ、結果としてCB中のメダルの払出数が多くなる。そのため、RT0〜2では当選しない第1当選役が当選するRT3においてCBが実行されたときには、RT0〜2でCBが実行されたときよりも、CB中に付与されるメダルの払出枚数が多くなる。これにより、CBが行われたときのRT状態やCB中における当選結果に対して遊技者の興味を惹き付け、興趣を向上させることができる。
また、図21で示したCB中ナビ演出実行テーブルにおいては、潜伏時ATでのCB1ゲーム目で第1当選役が当選した場合に14枚払出しの通常ナビ演出が実行される確率と、AT中のCB1ゲーム目で第1当選役が当選した場合に14枚払出しの通常ナビ演出が実行される確率とがともに100%で同確率である。また、潜伏時ATでのCB2ゲーム目で第1当選役が当選した場合に15枚払出しの通常ナビ演出が実行される確率と、AT中のCB2ゲーム目で第1当選役が当選した場合に15枚払出しの通常ナビ演出が実行される確率とがともに100%で同確率である。つまり、ATであっても潜伏時ATであっても、CB1ゲーム目で第1当選役が当選した場合には、合計29枚のメダルが払い出されるようになっている。
このように、CB1ゲーム目における内部抽選の結果が、押し順によって有利度が異なる第1当選役に当選した結果となったときにおいては、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、同じ確率で通常ナビ演出が実行される。このため、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、遊技者は、同じ確率でCB1ゲーム目からイチゴを1ラインの有効ラインのみで入賞させることができる。そのため、ATに制御された場合と一旦潜伏時ATに制御された場合とで、有利度の差を生じにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図20に戻り、サブ制御部91は、ナビ演出実行抽選を行った後、抽選の結果、通常ナビ演出を実行するか否かを判定する(S140)。サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行しないと判定したときには(S140においてNO)、防止ナビ演出を実行するか否かを判定する(S180)。防止ナビ演出を実行しないと判定したときには(S180のNO)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行すると判定したときには(S140においてYES)、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であるか否かを判定する(S150)。サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であると判定したときには(S150でYES)、潜伏時ATにおいて初めて通常ナビ演出を実行したことになるため、AT復帰報知が実行される(S160)。その後、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行し(S170)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
また、サブ制御部91は、防止ナビ演出を実行すると判定したときには(S180においてYES)、防止ナビ演出を実行し(S190)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。なお、本実施の形態においては、AT復帰報知の後に、通常ナビ演出を実行するようになっているが、通常ナビ演出を実行した後に、AT復帰報知を実行するようにしてもよいし、通常ナビ演出とAT復帰報知とを同時に実行するものであってもよい。一方、サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施ではないと判定したときには(S150でNO)、潜伏時ATではないか、あるいは潜伏時ATにおいてすでにAT復帰報知が実行されたことになるため、AT復帰報知をすることなく、通常ナビ演出を実行し(S170)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
図20記載のCB中ナビ演出実行処理であれば、非ATでありCB中において、第1当選役が当選した場合に、防止ナビ演出を実行する。したがって、遊技者に変則押しさせることを防止でき、遊技者にとって意図しないペナルティが付与されてしまうことを防止できる。また、図20記載のCB中ナビ演出実行処理においては、RT3のときに防止ナビ演出を実行し、RT0〜2のときについては、防止ナビ演出を実行しない。したがって、防止ナビ演出の実行負担を削減できる。また、図20記載のCB中ナビ演出実行処理においては、第1当選役が当選したときに防止ナビ演出を実行する可能性があり、第2当選役が当選したときには防止ナビ演出を実行しない。したがって、第2当選役が当選したときに防止ナビ演出を実行するときと比較して防止ナビ演出の実行負担を削減できる。
図22に示すように、CB中に第1当選役に当選したときには、当該第1当選役以外の第2当選役に当選したときよりも、当該CB中に付与されるメダル払出枚数が多くなるように、イチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞する。より具体的には、CB中に第1当選役に当選したときには、CB1ゲーム目でCB中に付与されたメダルの払出枚数の累積量がCBの終了する14枚を超えないようにイチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞した後に、CB2ゲーム目でCB中に付与されたメダルの払出枚数の累積量が14枚を超えるようにイチゴが1ラインのみの有効ラインで入賞するか、もしくはイチゴが2ラインの有効ラインで入賞する。そのため、RT0〜2では当選しない第1当選役が当選するRT3においてCBが実行されたときには、RT0〜2でCBが実行されたときよりも、CB中に付与されるメダルの払出枚数の累積量が多くなる。これにより、CBが行われたときのRT状態やCB中における当選結果に対して遊技者の興味を惹き付け、興趣を向上させることができる。また、RT3は、T0〜2よりも有利度合いが高い遊技状態である。そのため、RT3に制御されているときには、有利度合いが高いうえに、さらにCBに実行されることに対して遊技者の興趣を向上させることができる。
また、図23に示すように、1ナビストックに対応するATが終了した後、ATが継続された場合と、潜伏時ATに制御された場合とを比較すると、何れの状態においてもCB1ゲーム目で第1当選役に当選したときには14枚払出しのための通常ナビ演出が実行されて、CB2ゲーム目も遊技することが可能である。よって、最終的にCB中に得られた累積枚数は、ATが継続された場合と潜伏時ATに制御された場合とでCB中の払出枚数が同じになる。このように、CB1ゲーム目における内部抽選の結果が、押し順によって有利度が異なる第1当選役に当選した結果となったときにおいては、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、同じ確率で通常ナビ演出が実行されて結果的にCB中の払出枚数が同じになる。そのため、ATに制御された場合と一旦潜伏時ATに制御された場合とで、有利度の差を生じにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、潜伏時ATで第1当選役に当選した場合と、潜伏時ATで第2当選役に当選した場合とを比較すると、CB1ゲーム目で第1当選役に当選したときの方が、CB2ゲーム目まで遊技することができ、その結果、CB中の払出枚数を多くすることができる。そのため、RT0〜2では当選しない第1当選役が当選するRT3においてCBが実行されたときには、RT0〜2でCBが実行されたときよりも、CB中に付与されるメダルの払出枚数が多くなる。これにより、CBが行われたときのRT状態やCB中における当選結果に対して遊技者の興味を惹き付け、興趣を向上させることができる。
[防止ナビ演出に関するタイミングチャートの一例]
次に、図24を用いて、防止ナビ演出に関するタイミングチャートについて説明する。(A)は、ATに制御された状態であればONで立ち上がり、非ATに制御された状態であればOFFで立ち下がる旨を示している。(B)は、RT3に制御された状態であればONで立ち上がり、RT3でなければ、OFFで立ち下がる旨を示している。(C)は、RT1に制御された状態であればONで立ち上がり、RT1でなければ、OFFで立ち下がる旨を示している。(D)は、CBゲームに制御されればONで立ち上がり、CBゲームに制御されればOFFで立ち下がる旨を示している。(E)は、防止ナビ演出が実行されればONで立ち上がり、防止ナビ演出が実行されなければOFFで立ち下がる旨を示している。
(A)に示すように、ART中にAT終了条件を満たすと、非ATに制御される。そうすると、通常ナビ演出が実行されなくなることから、RT3のときに取りこぼし出目が導出されたり転落リプが入賞することにより、RT1に転落する場合がある。なお、特定期間のうち非ATでありかつRT3である期間を図24では特定期間として図示し、その後のRT3からRT1に転落して当該RT1に維持されている期間を転落期間として図示している。そして、(D)に示すように、特定期間において、CB入賞した場合には、防止ナビ演出を実行する。このようにすることにより、CB入賞した旨を把握した遊技者に対して、変則押しさせることを防止し、順押しさせることを促すことから、遊技者にとって意図せぬペナルティが付与されてしまうことを防止することができる。また、上述のように、特定期間であっても転落期間であっても通常演出が実行されることから、演出内容からは、遊技者に対して特定期間であるか転落期間であるかを把握させないようにすることができ、換言すると、ATが終了した後のRT状態を遊技者に把握させないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、転落期間であっても防止ナビ演出を実行するようにしてもよい。
[本実施の形態の効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施の形態におけるスロットマシンにおいては、ARTにおいて1ナビストックに対応するATが終了したときに残りナビストックが0であるときにはATを終了させる。ATを終了してから取りこぼし出目停止や転落リプ入賞が所定回数である2回発生するまでの特定期間(メイン制御部41により図11のSm8においてYESと判定されSm10においてAT終了信号が出力されるまでのAT終了出力待ち中、サブ制御部91により図15のSs11においてYESと判定されるまでのART終了出力待ち特定用フラグがセットされているとき)においては、図16のSs35において開始される特定演出が実行される。このため、スロットマシン1側ではAT終了後であるが外部機器においてATの終了が判別できておらず、外部機器側においてATに応じた態様で情報を報知している間においては、通常演出を実行するのではなく、スロットマシン1側において特定期間以外の期間では実行されることのない特定演出が実行される。その結果、外部機器の状態(情報報知態様)がスロットマシンの演出状態(演出内容)から乖離してしまうことを防止できる。
(2) 本実施の形態におけるスロットマシンにおいては、特定期間以外の期間のみならず、特定期間においても第6AT抽選条件が成立したときにATへの制御契機となるナビストックが付与される。このため、特定演出が実行されている間にナビストックが付与されることに対する期待感を抱かせることができ、ATが終了したことに対する残念感を軽減させることができる。
(3) 本実施の形態におけるスロットマシンにおいては、図14の第6AT抽選条件成立時に付与されるナビストック数に示されるように、その他のAT抽選条件成立時と同様に、付与され得る特典は1ナビストック(ATゲーム数が50ゲーム)以上である。このため、特定期間においてAT当選しても付与されるナビストック(ATゲーム数)が少なくなり過ぎることを防止でき、特定期間においてナビストックが付与されることに対する期待感を一定レベル以上に維持することができる。
(4) 本実施の形態におけるスロットマシンにおいては、図16のSs37、Ss43、Ss44に示されるように、特定演出終了後の通常演出では、当該特定演出終了後から消化したゲーム数が表示される。これにより、AT終了後においてメイン制御部41からAT終了信号が外部出力されてから外部機器側において計数されて表示されるゲーム数と、同じゲーム数をスロットマシン1側においても表示することができる。その結果、AT終了後において表示されるゲーム数が、外部機器とスロットマシン1とで乖離してしまうことを防止できる。
(5) 本実施の形態においては、AT終了後から消化したゲーム数であって図16のSs44において更新される表示ゲーム数が、AT終了時において図16のSs34で決定された一の到達ゲーム数に到達することにより、第5AT抽選条件が成立してナビストックが付与され得る。このため、表示ゲーム数に対する注目度合いを高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 本実施の形態においては、図16のSs35や図17で示したように、図16のSs34において決定された到達ゲーム数に応じて、実行する特定演出の態様が決定される。このため、特定演出の態様に対する注目度合いを高めるとともに、到達ゲーム数の有利度を予測するといった面白みを提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 本実施の形態においては、図11のSm8において示したように、AT終了信号を、取りこぼし出目停止や転落リプ入賞を許容する当選状況のゲームにおいて2回連続して取りこぼし出目停止あるいは転落リプ入賞したときに外部出力される。これにより、ART中でありナビ演出が実行されていたにもかかわらず、遊技者が操作手順を誤るなどして回避手順以外の手順で操作してしまった場合などにおいて、AT終了信号が外部出力されてしまうことを防止できる。
(8) 本実施の形態においては、CB時に、第1当選役に当選したときにおいては、ATが継続されても、潜伏時ATに制御されても、特定押し順が必ず報知される。このため、ATが継続されても、潜伏時ATに制御されても、遊技者は、CB1ゲーム目には、14枚払出し役を導出させることができ、2ゲーム目のCBを遊技させることができる。そのため、有利度の差を生じにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、CB時に、第2当選役に当選した場合には、ATであるときには、必ず所定のナビ演出が実行される一方、潜伏時ATであるときには所定のナビ演出は実行されない。このため、ATの残りゲーム数が0になった場合に、潜伏時ATであるか、ATに復帰しない期間であるかを遊技者に特定させることを防止でき、第2当選役の当選については操作手順に関わらず有利度が同一であることから、ATが継続されている場合と潜伏時ATに制御された場合とにおいて、有利度の差を生じないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[変形例について]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
(a) 前述した実施の形態では、特定表示結果としてJACや維持リプなど、所定の入賞を発生させる表示結果である例について説明したが、これに限らず、いずれの入賞をも発生させない予め定められたはずれ表示結果であってもよい。また、特殊表示結果として取りこぼし出目や転落リプなどを例示した。このように、特殊表示結果は、所定の入賞を発生させる表示結果であってもよく、いずれの入賞をも発生させない予め定められたはずれ表示結果であってもよい。
また、特定表示結果および特殊表示結果のいずれもが入賞を発生させる表示結果で構成する場合には、さらに、特定表示結果が導出されたゲームにおいて付与される遊技用価値と、特殊表示結果が導出されたゲームにおいて付与される遊技用価値とが、同じとなるものであってもよく、また異なるものであってもよい。同じとなるものとして、たとえば、維持リプと転落リプとは入賞した場合に再ゲームを付与する点で同じとなるものや、特殊表示結果として前述した実施の形態における取りこぼし出目をJAC入賞時と同じメダル払出を伴う入賞図柄の組合せであるとした場合において、JACと取りこぼし出目とは入賞した場合に同じメダルを払い出す点で同じとなるものなどである。また、異なるものとして、たとえば、前述した実施の形態におけるAT役(AT1〜18)に入賞した場合でもRT3から転落するようにして特殊表示結果とした場合に、JAC入賞時には14枚払い出されるのに対して、AT役入賞時には1枚しか払い出されないものなどである。
AT終了信号の外部出力契機となる出目のうち左ベル1〜右ベル3当選時に関連する出目として、JACもATも入賞させることができなかったときに停止される取りこぼし出目を例示した。しかし、AT終了信号の外部出力契機となる出目のうち左ベル1〜右ベル3当選時に関連する出目は、これに限らず、JAC入賞となる押し順で操作されなかったときに停止されるすべての出目(取りこぼし出目のみならず、AT入賞となる図柄組合せ含む)であってもよい。つまり、図11のSm6では、取りこぼし出目停止および転落リプ入賞に加えてAT入賞となる図柄組合せ停止したときにもSm7以降に進み、これに伴わせて図15のSs9では、取りこぼし出目停止および転落リプ入賞に加えてAT入賞となる図柄組合せ停止したときにもSs13以降に進むようにしてもよい。
また、前述した実施の形態では、AT終了信号の外部出力契機となる出目として、RT3からRT1に移行させる契機となる出目、つまり遊技状態の移行を伴う出目を例示した。しかし、AT終了信号の外部出力契機となる出目は、予め定められている出目でかつAT中におけるナビ演出により報知される操作手順で操作する限り停止されない出目であれば、遊技状態の移行を伴わない出目であってもよい。たとえば、図8を参照して、RT0において特定条件が成立(たとえば、取りこぼし出目停止、RT3への移行を伴う所定役の図柄組合せ停止、ボーナスなど特別役の当選など)することによりRT3に移行され、以降においては当該RT3のみにおいて遊技が行われるように構成されたスロットマシンの場合には、RT3において、前述した実施の形態における取りこぼし出目停止や転落リプ入賞などに例示されるように特定の当選状況における操作手順が特定手順と異なる手順(押し順不正解)で操作されたときに停止し得る特殊出目が停止しても遊技状態の移行を伴わないが、前述した実施の形態と同様にAT中であればナビ演出が行われて特定の当選状況においては特定手順が判別可能となるため、当該ナビ演出により報知される操作手順で操作する限り、特殊出目が停止されることがない。よって、RT3のみにおいて遊技が行われるようなスロットマシンにおいては、特殊出目を契機としてAT終了信号を外部出力することにより、外部機器においてATが終了している旨を特定可能となる。
(b) 前述した実施の形態では、AT終了信号を出力する契機となる特殊出目の停止回数は、2回である例について説明したが、予め定められている回数であればこれに限らず、1回であってもよく、また、3回以上であってもよい。また、特殊出目が停止可能な当選状況において所定回連続して特殊出目が停止されたときにAT終了信号を出力する例について説明したが、連続した場合に限らず、たとえば、所定期間内において所定回特殊出目が停止したときにAT終了信号を出力するようにしてもよい。たとえば、特殊出目が停止されてから所定ゲーム(たとえば10ゲーム)消化するまでの間に、所定回(たとえば2回)特殊出目が停止されたときにAT終了信号を出力するようにしてもよく、また、特殊出目が停止されてから特殊出目が停止可能な当選状況に所定回数(10回)なるまでの間に、所定回(たとえば2回)特殊出目が停止されたときにAT終了信号を出力するようにしてもよい。なお、AT終了信号は、ATが終了した旨を外部機器において特定可能となる態様で出力されるものであれば、当該AT終了信号のレベルをOFF状態からON状態に変化させることにより出力するものであってもよく、また、ON状態からOFF状態に変化させることにより出力するものであってもよい。
(c) 前述した実施の形態では、特典として、メダルの払出率に直接影響を及ぼす価値であるAT抽選を例示した。しかし、特典としては、メダルの払出率に直接影響を及ぼす価値に限らず、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。特典としては、たとえば、前述したAT抽選、ナビストックの付与や、確率モードが高確率モードであるか否かを示唆するための示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともに特典演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別ボーナス中演出実行)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を液晶表示器51において表示などであってもよい。
(d) 前述した実施の形態では、特定演出が特定期間で実行されるとともに、特定演出の一部と同じ態様の演出が潜伏時AT中においても実行され得る例について説明したが、特定演出を特定期間においてのみ実行し、特定期間以外の期間では実行しないようにしてもよい。この場合、潜伏時AT中においては、特定演出とは異なる演出であるが特定演出と類似する演出である結果、遊技者にとって区別することが困難となる演出を実行するようにしてもよく、そもそも、潜伏時AT中に制御しないようにしてもよい。また、特定演出は、RT3が終了した後に制御されるRT1中のうち特定期間以外の期間では実行されることのない演出であって、RT1とは異なる状態中においては特定期間以外の期間においても実行され得る演出であってもよい。このように構成した場合であっても、特定演出はAT終了後とは異なる遊技の大部分を占める通常の期間において実行されることがない演出となるため、特定期間において特定演出が実行されることにより、AT終了後における外部機器の状態(情報報知態様)とスロットマシンの演出状態(演出内容)とが大きく乖離してしまうことを防止できる。
(e) 前述した実施の形態では、図14に示すように、AT抽選で当選した場合には、最低でも1ナビストックが付与されてATに50ゲーム以上に亘り制御可能となる例について説明したが、1ナビストックよりもATに制御される期間が短い特典が付与され得るようにしてもよい。たとえば、第6AT抽選条件を除く第1〜第5AT抽選条件が成立した場合には、1ナビストックの50ゲームよりもATに制御される期間が短いゲーム数(たとえば、10〜40)がATゲーム数として決定され得るようにして、1ナビストックの50ゲーム未満のゲーム数(たとえば、10〜40)に亘ってATに制御される場合が生じ得るようにしてもよい。この場合においても、第6AT抽選条件が成立した場合には、その他のAT抽選条件が成立した場合と異なり、最低でも1ナビストックの50ゲーム以上に亘りATに制御可能となるため、特定期間において第6AT抽選条件が成立した場合に付与されるATゲーム数が少なくなり過ぎることを防止でき、特定期間においてATゲーム数が付与されることに対する期待感をその他のAT抽選条件が成立した時よりも高い一定レベル以上に維持することができる。
[到達ゲーム数について]
図16のSs34では、所定の振分率に従って到達ゲーム数を決定する例について説明した。この場合の振分率は、到達ゲーム数が大きくなる程、高くなるように設定されているものや、低くなるように設定されているものであってもよい。
また、振分率は、決定される候補となる候補到達ゲーム数を複数のゾーンに区分けした場合にそのゾーンに属する候補到達ゲーム数のいずれかに決定される振分率の合計が所定値(たとえば10%)以上となる高ゾーンと、所定値未満となる低ゾーンとが存在するように設定されているものであってもよい。具体的に、到達ゲーム数として決定される候補となる候補到達ゲーム数として10〜1000までの10の倍数のゲーム数が定められているとし、その到達ゲーム数を含む連続する1〜1000ゲームを100ゲーム毎に10個のゾーンに分類(たとえば1〜100、101〜200、・・・901〜1000)し、候補到達ゲーム数各々の振分率を、一のゾーンに属する候補到達ゲーム数の振分率が全て同じとなるように設定するとともに、当該一のゾーンに属する候補到達ゲーム数の振分率の合計である振分合計率が所定値(たとえば10%)以上である高ゾーンと、所定値未満となる低ゾーンとが存在するように設定するようにしてもよい。つまり、複数種類の規定数を含む連続する数(1〜1000)が複数(10個)に区分された区分範囲(ゾーン)であって、一の区分範囲に属する数が一の規定数として選択される選択割合は、他の一の区分範囲に属する数が一の規定数として選択される選択割合と異なるように定められているものであってもよい。これにより、表示ゲーム数の属するゾーンが高ゾーンであるか低ゾーンであるかに応じて、到達ゲーム数に到達することに対する期待感を異ならせることができる。
また、上記のように構成した場合は、Ss42において偽の前兆演出を実行すると決定する確率を、現在の表示ゲーム数が低ゾーンに属するゲーム数であるときよりも、高ゾーンに属するゲーム数であるときの方が高くなるように設定するようにしてもよい。これにより、表示ゲーム数が高ゾーンであり到達ゲーム数に到達することに対する期待感が高められているときに、より高い確率で前兆演出が開始されることにより、より一層到達ゲーム数に到達することに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[防止ナビ演出の変形例について]
(1) 本実施の形態においては、防止ナビ演出として、推奨押し順を報知するものであるとして説明したが、防止ナビ演出が報知する情報としては、これに限られるものではない。以下に、第1変形例の防止ナビ演出について説明する。第1変形例の防止ナビ演出を実行するスロットマシンとしては、図3や図6に示した図柄配列や入賞役などが本実施の形態のスロットマシンと異なり、以下のような図柄配列や小役を備えるスロットマシンを例示する。また、当該スロットマシンのCB時の入賞役については、図12と同様である。当該スロットマシンは、特定役を備え、当該特定役が当選した場合において、推奨押し順でストップスイッチを操作したときの方が、推奨押し順以外の押し順でストップスイッチを操作したときよりも高確率で、当該特定役が入賞する。そして、第1変形例の防止ナビ演出が報知する情報は、当該特定役が当選した旨を特定できる情報である。これにより、遊技者は、特定役が当選したことを把握することにより、推奨押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、変則押しさせることを防止することができる。
当該スロットマシンの具体例について説明する。当該スロットマシンの図柄配列や入賞役については上述したものではなく以下のものであるとする。特定役としては、複数種類の小役が設定されている。具体的に、特定役は、「チェリー−チェリー−any」が入賞図柄の組合せとなるチェリー役、「スイカ−スイカ−any」が入賞図柄の組合せとなるスイカ役、「ベル−ベル−any」が入賞図柄の組合せとなるベル役である。そして、チェリー役、スイカ役、およびベル役のいずれかに入賞したときには、メダルが所定数払い出される。
そして、当該変形例でのリールの図柄配列として、左リール2Lは、チェリー図柄、スイカ図柄、およびベル図柄のすべてが5コマ以内に配置されている箇所が存在するように、複数の図柄が配列されている。一方、中リール2Cは、チェリー図柄、スイカ図柄、およびベル図柄各々がすべて5コマ以上離れて配置されているように、複数の図柄が配列されている。このため、チェリー役、スイカ役、およびベル役のいずれに当選しているか特定することができない場合でも、左リールのチェリー図柄、スイカ図柄、およびベル図柄のすべてが5コマ以内に配置されている箇所の最初の図柄を狙って第1停止させることにより、当選している役を構成する図柄を入賞ライン上に停止させることができ、これにより当選している役の種類を特定することが可能となる。一方、中リールを第1停止させた場合には、チェリー図柄、スイカ図柄、およびベル図柄のすべてを入賞ライン上に引き込み可能なタイミングがないため、当選している役の種類を特定することができない。なお、右リール2Rの図柄配列については、如何なるものでもよい。
このような前提のスロットマシンにおいて、AT中であるか否かに関わらず、チェリー役、スイカ役、およびベル役のうちいずれかに当選したときに、「チェリー、スイカ、ベルのうちいずれかが当選しているかも!」といったメッセージを表示する。当該メッセージは、特定役(チェリー役、スイカ役、ベル役のいずれか)に当選している可能性がある旨を示す情報である。これにより、左リールを特定タイミングで第1停止させることにより当選している役の種類を特定可能となることを理解している遊技者については、左リール2Lを特定タイミングで第1停止させることができる。また、CBに制御されているゲームの場合について説明する。上述のように、CBに制御されている場合には、全ての小役が同時当選するのであるが、この例では、チェリー役、スイカ役、ベル役を含む全ての小役が同時当選する。この場合の、当該変形例の防止ナビ演出として、「チェリー、スイカ、ベルのうちいずれかが当選しているかも!」といったメッセージを表示する。当該メッセージを認識した遊技者は、左リール2Lにチェリー図柄、スイカ図柄、ベル図柄のうちいずれかを導出させるために、左リールを特定タイミングで第1停止させることができる。このように、当該メッセージの報知により、遊技者に対して、左第1停止(つまり、順押し)を促すことができる。なお、CB中においては、チェリー役、スイカ役、ベル役を含む小役のうち、いずれに入賞した場合でも、メダル払出し枚数は15枚である。
(2) また、以下に示す構成を有するスロットマシンでもよい。当該スロットマシンは、特定役(小役)として、「チェリー−any−any」が入賞図柄の組合せとなる単チェリー役を備えている。通常においては単チェリー当選を報知すると、単チェリー入賞が確定となる左リール2Lを遊技者が第1停止させる可能性が極めて高い。そして、CBに制御されているゲームにおいては、単チェリー役を含む全ての小役が同時当選する。また、左リール2Lの図柄配列については、特定タイミングでストップスイッチ8Lを操作することにより、チェリー図柄を導出することができる、とする。この場合には、当該変形例の防止ナビ演出として、「単チェリー!」といったメッセージを表示する。当該メッセージを認識した遊技者は、左リール2Lにチェリー図柄を導出させるために、左第1停止を実行する。したがって、当該メッセージの報知により、遊技者に対して、左第1停止(つまり、順押し)を促すことができる。また、当該(1)または(2)の説明では、遊技者が、左第1停止することにより、必ず、当選役を入賞させることができる例について説明したが、これに限られるものではない。たとえば、左第1停止させた場合の方が、中第1停止または右第1停止させるときよりも高い確率で、特定役を入賞させる構成のスロットマシンにおいて、当該変形例の防止ナビ演出として、当該特定役が当選したことを報知するようにしてもよい。
(3) また、以下に示す構成を有するスロットマシンでもよい。当該スロットマシンの小役、図柄組合せは以下のようになる。
左チェリー役・・・チェリーa−チェリーa−any
中チェリー役・・・チェリーb−チェリーb−any
右チェリー役・・・any−チェリーc−チェリーc
左スイカ役・・・スイカa−スイカa−any
中スイカ役・・・スイカb−スイカb−any
右スイカ役・・・any−スイカc−スイカc
そして、当該(3)のスロットマシンは以下のようなリール配列がなされている。左第1停止した場合には、チェリーaまたはスイカaが引き込み可能であるが中第1停止した場合には、チェリーaまたはスイカaを引込可能な共通の停止操作タイミングが存在しない。また、中第1停止した場合には、チェリーbまたはスイカbが引き込み可能であるが、左第1停止した場合には、チェリーbまたはスイカbを引込可能な共通の停止操作タイミングが存在しない。また、右第1停止した場合には、チェリーcまたはスイカcが引き込み可能であるが、中第1停止した場合には、チェリーcまたはスイカcを引込可能な共通の停止操作タイミングが存在しない。また、当該(3)のスロットマシンにおいて、当該(3)の防止ナビ演出が報知する押し順が、推奨押し順であるか変則押し順であるかにかかわらず、当該押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したとしてもペナルティは付与されないとする。
そして、このようなリール配列がなされている場合において、特定期間中にCB入賞して、かつ、たとえば、通常リプ2が当選した場合には、当該変形例の防止演出として、「右チェリーか右スイカだ!」などのメッセージを報知する。当該報知を認識した遊技者は、反射的に右第1停止を実行することから、不本意なペナルティが付与されることを防止できる。また、特定期間中にCB入賞して、かつ、通常リプ3が当選した場合には、当該変形例の防止演出として、「左チェリーだ!か右スイカだ!」などのメッセージを報知する。当該報知を認識した遊技者は、反射的に左第1停止を実行することから、不本意なペナルティが付与されることを防止できる。このように、防止演出は、ペナルティを回避しかつ有利な表示結果を導出させる特定操作手順と異なる操作手順を報知する演出であれば、左第1停止させるための情報を報知する演出に限るものではない。また、上記(1)〜(3)において、当該特定役が当選した旨を特定できる情報については、「チェリーorスイカorベル!」や「チェリー!」といったメッセージに限られず、たとえば、チェリーなどを想起させるキャラクタであってもよい。また、スピーカ53、54から「チェリーorスイカorベル!」や「チェリー!」の音声を出力するようにしてもよい。
(4) 防止ナビ演出で報知する情報は、本実施の形態では推奨押し順を特定できる情報であり、当該変形例の(1)(2)では推奨押し順で操作することにより高い確率で入賞させることができる入賞役が当選している旨を特定できる情報であるとして説明した。しかし、防止ナビ演出で報知する情報はこれに限られるものではない。たとえば、CB入賞した場合には、第2変形例の防止ナビ演出として、たとえば、「変則押しするとペナルティ!!」といった警告的なメッセージを液晶表示器51に表示することにより、遊技者に変則押しさせず、結果として順押しさせるようにする。また、「変則押しすればペナルティが与えられる」旨を報知できれば、どのような態様の演出であってもよい。
(5) また、以下のスロットマシンであってもよい。当該(5)のスロットマシンにおいて、当該(3)の防止ナビ演出が報知する押し順が、推奨押し順であるか変則押し順であるかにかかわらず、当該押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したとしてもペナルティは付与されないとする。また、CB中に当選した第1当選役に対応する特定押し順および推奨押し順以外の押し順を「特別押し順」という。たとえば、CB中に通常リプ2に当選した場合には、特定押し順は「中第1停止」となり、推奨押し順は「左第1停止」となることから、特別押し順は「右第1停止」となる。このような構成のスロットマシンにおいて、特定期間中にCB入賞した場合には、特別押し順を報知するようにしてもよい。このようにすることで、14枚払出し役を入賞させないことができる。上述のように、当該特定期間とは、通常演出が実行されている期間でもあるが、14払出し役を入賞させないことで、AT中(有利演出が実行されている期間)と有利度の差を設けることができ、有利の興趣を向上させることができる。
(6) また、本実施の形態において、防止ナビ演出で報知する情報は、推奨押し順であるとして説明したが、これに限られるものではなく、防止ナビ演出で報知する情報は、推奨押し順を特定できる情報であればどのような情報であってもよい。たとえば、液晶表示器51に所定のキャラクタを表示させることにより推奨押し順を報知するようにしてもよい。また、推奨押し順は、液晶表示器51で報知するのではなく、他の手段(たとえば、演出効果LED52や、リールLED55やスピーカ53、54)で報知するようにしてもよい。
[防止ナビ演出が実行されるRTについて]
図10、図12では、14枚役が入賞する可能性がある第1当選役(通常リプ2または通常リプ3)が、RT3のときのみで当選し、RT0〜2では当選しないようになっているが、これに限られるものではない。図10、図12の変形例として、RT0〜2である場合には、低確率で(たとえば、判定値数が「1」や「2」など)通常リプ2または通常リプ3が当選するようにしてもよい。ここで、RT3で第1当選役に当選する確率は、RT0〜2で第1当選役に当選する確率よりも高い構成が好ましい。これにより、RT3に移行することにより、第1当選役に当選する確率が高くなるので、遊技の興趣を向上できる。また、図10、図12の変形例である場合においても上記本実施の形態と同様に、CB入賞前のゲームとCB中のゲームの「抽選対象役」および「RT状態ごとの抽選対象役に当選する確率(判定値数)」とが同一であり、特に、通常リプ2または通常リプ3の判定数値も同一とする。
[防止ナビ演出が実行される当選役について]
図20の例では、CB中において、第1当選役(CB中の通常リプ2または通常リプ3)が当選した場合に、防止ナビ演出が実行され、第2当選役(CB中の通常リプ2および通常リプ3以外リプ)が当選した場合には、防止ナビ演出を実行しないとして説明したがこれに限られるものではない。第2当選役が当選した場合には、第1当選役が当選した場合同様、防止ナビ演出を実行可能としてもよい。このような構成にすることにより、CB中において、当選役が第1当選役なのか第2当選役なのかを遊技者に特定させないようにすることができる。
[特別遊技について]
本実施の形態においては、特別遊技の一例として、CBを例示した。しかしながら、これに限らず、当選役として第1当選役および第2当選役が存在するものであれば、その他の遊技を用いてもよい。たとえば、特別遊技は、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)などであってもよい。また、特別遊技は、ミニゲームなどで特典が付与されるミニゲームなどであってもよい。また、本実施の形態においては、CBは15枚のメダル払出しで終了するように制御されることを例示した。しかしながら、これに限らず、たとえば、30枚や45枚のメダル払出しで終了するように制御されるものであってもよい。
[通常ナビ演出実行抽選について]
本実施の形態においては、図19や図21のテーブルに格納された通常ナビ演出実行確率の情報に基づき通常ナビ演出を実行するか否かを判定することを例示した。しかしながら、これに限らず、通常ナビ演出実行確率の値はその他の値を用いてもよい。たとえば、本実施の形態においては、非ATのときには一切通常ナビ演出が行われないように通常ナビ演出実行確率が0%に設定されていたが、これに限らず、非ATであっても所定確率に基づき通常ナビ演出が実行される場合があってもよい。なお、ATや潜伏時ATに制御されている方が、より通常ナビ演出が実行されるように確率設定される方が好ましい。たとえば、図25に示すように、RT2のときにも通常リプ2および通常リプ3が当選して通常ナビ演出が実行されるものであってもよい。図25は、変形例におけるCB中通常ナビ演出実行テーブルを説明するための図である。
図25に示すように、RT2のときには、非ATであれば、CB1ゲーム目および2ゲーム目ともに、14枚払出しのための通常ナビ演出も15枚払出しのための通常ナビ演出も実行されないようになっている。また、防止ナビ演出は、100%の確率で実行されるようになっている。また、ATであれば、第1当選役に当選したときがCB1ゲーム目の場合は50%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、50%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。また、第1当選役に当選したときがCB2ゲーム目の場合は50%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、50%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。また、潜伏時ATであれば、第1当選役に当選したときがCB1ゲーム目の場合は50%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、50%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。また、第1当選役に当選したときがCB2ゲーム目の場合は50%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、50%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。
RT3のときには、非ATであれば、CB1ゲーム目および2ゲーム目ともに、14枚払出しのための通常ナビ演出も15枚払出しのための通常ナビ演出も実行されないようになっている。また、防止ナビ演出は、100%の確率で実行されるようになっている。また、ATであれば、第1当選役に当選したときがCB1ゲーム目の場合は100%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、15枚払い出しのための通常ナビ演出は実行されない。また、第1当選役に当選したときがCB2ゲーム目の場合は100%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、14枚払い出しのための通常ナビ演出は実行されない。また、潜伏時ATであれば、第1当選役に当選したときがCB1ゲーム目の場合は100%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、15枚払い出しのための通常ナビ演出は実行されない。また、第1当選役に当選したときがCB2ゲーム目の場合は100%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、14枚払い出しのための通常ナビ演出は実行されない。
このように、CB中においてRT2のときにも第1当選役が当選する場合があってもよく、さらに、RT3のときにはRT2のときよりも、高い確率でCB1ゲーム目に14枚払出しのための通常ナビ演出が実行されて、その後のCB2ゲーム目に15枚払出しのための通常ナビ演出が実行されるものであってもよい。これにより、RT3のときにはRT2のときよりもCBにおいて2ゲーム遊技できる可能性が高くなり、その結果、CB中の払出枚数も多くすることで有利度合いを高くすることができる。よって、何れの再遊技役に当選するかに対して遊技者の興味を惹き付け、興趣をより向上させることができる。また、本実施の形態においては、図12に示すように、CB中においては、通常リプ2または通常リプ3に当選したときに、押し順に応じて14枚払出しのための通常ナビ演出が実行される可能性があった。つまり、CB中の第1当選役として、通常リプ2と全ての小役との同時当選役、または通常リプ3と全ての小役との同時当選役が設定されていた。しかしながら、CB中においては、他の役が第1当選役として設定されていてもよい。さらに、本実施の形態においては、図21に示すように、CB中においては、通常リプ2および通常リプ3の何れに当選したかにかかわらず、テーブルに格納された同じ情報に基づき通常ナビ演出が実行されるものであった。つまり、通常リプ2および通常リプ3の何れに当選したかにかかわらず、通常ナビ演出が実行される確率に差はなかった。しかしながら、当選した再遊技役の種類に応じて、通常ナビ演出が実行される確率に差が設けられていてもよい。
[潜伏時AT中とAT中とのナビ演出実行確率について]
本実施の形態においては、RT3状態において潜伏時AT中に第1当選役が当選した場合の14枚払出しのためのナビ演出実行確率と、AT中に第1当選役が当選した場合の14枚払出しのためのナビ演出実行確率とは、共に、100%であるとして説明した。しかしながら、潜伏時AT中に第1当選役が当選した場合の14枚払出しのためのナビ演出実行確率と、AT中に第1当選役が当選した場合の14枚払出しのためのナビ演出実行確率とは同一または略同一であれば、100%に限られるものではない。たとえば、AT中の14枚払出しのためのナビ演出実行確率がα%とすると、潜伏時AT中の14枚払出しのためのナビ演出実行確率はα±A%である。ここで、Aについては、潜伏時AT中のナビ演出実行確率と、AT中のナビ演出実行確率とが大きく異ならないと遊技者が感じる程度の値である。
また、RT3状態において潜伏時AT中に第2当選役が当選した場合の所定のナビ演出実行確率は0%であり、AT中に第2当選役が当選した場合の所定のナビ演出実行確率は100%であるとして説明した。しかしながら、潜伏時AT中に第2当選役が当選した場合の所定のナビ演出実行確率が、AT中に第2当選役が当選した場合の所定のナビ演出実行確率よりも低ければ、これらの確率に限られるものではない。たとえば、潜伏時AT中に第2当選役が当選した場合の所定のナビ演出実行確率は30%であり、AT中に第2当選役が当選した場合の所定のナビ演出実行確率は70%であるとしてもよい。
[潜伏時ATについて]
本実施の形態においては、ATに関する遊技状態として、非AT、AT、および潜伏時ATをそれぞれ備えるものであったが、これに限らない。たとえば、潜伏時ATという特別な状態を別個に備えるものではなく、ATの中に、潜伏と非潜伏とが含まれるものであってもよい。この場合、本実施の形態におけるATは、非潜伏におけるATが該当し、本実施の形態における潜伏時ATは、潜伏におけるATが該当する。また、本実施の形態においては、潜伏時ATに制御される潜伏期間は32ゲームであるとして説明したが、これに限らず、他のゲーム数であってもよい。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均などの意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。