JP6482753B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

本発明は、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、当該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンに関する。
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールは、遊技者がスタートレバーを操作することにより回転を開始し、また、遊技者が各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生する。
入賞となる役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役の入賞では、小役の種類毎に定められた数のメダルが払い出されるという利益を遊技者が得ることができる。特別役の入賞では、次のゲームからレギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な遊技状態へ移行されるという利益を遊技者が得ることができる。再遊技役の入賞では、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができるという利益を得ることができる。
このようなスロットマシンとして、入賞役の抽選結果にかかわらず小役を入賞させることが可能であるとともにメダルの払い出しが所定枚数を超えた時点で終了するボーナスなどの特別遊技を実行するスロットマシンが知られている。このようなスロットマシンは、RT1に例示される通常状態よりも再遊技役の入賞の発生を許容する旨の決定確率が高いRT3に例示される有利状態に制御し、当該遊技状態における特別遊技で払出枚数の異なる小役を入賞させることによって、より多くのメダルを遊技者に獲得させることが可能である(たとえば、特許文献1参照)。
特開2012−236073号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスロットマシンは、有利状態における特別遊技で毎ゲーム必ず小役が入賞するため、メダルの払出枚数が特別遊技の終了条件である所定枚数に短期間で到達してしまい、特別遊技中の1ゲームに対するメダルの払出率が高まりすぎる事態が生じえる。その結果、遊技者の射幸心を過剰に煽ってしまう虞があった。
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特別遊技中における遊技者の射幸心を過剰に煽ってしまうことを防止することができるスロットマシンを提供することである。
(1) 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、当該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
前記可変表示装置に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(たとえば、メイン制御部41による内部抽選処理)と、
前記遊技用価値の付与を伴う付与入賞(たとえば、小役の入賞)と、前記遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能な再遊技入賞(たとえば、再遊技役の入賞)とを含む複数種類の入賞のうち、発生が許容された入賞の表示結果を前記可変表示装置に導出させる制御を行う導出制御手段(たとえば、メイン制御部によるリール回転処理)とを備え、
前記付与入賞には、前記所定数の賭数を設定するときに用いられる前記遊技用価値よりも大きい前記遊技用価値の付与を伴う入賞が含まれ、
前記事前決定手段による前記再遊技入賞の発生を許容する旨の決定結果には、第1再遊技決定結果(たとえば、通常リプ)と、第2再遊技決定結果(たとえば、維持転リプ)とが含まれ、
前記スロットマシンは、
前記付与入賞の発生を許容可能となる確率が所定確率よりも高まった特別遊技(たとえば、CBやRBなどのボーナス)を実行する特別遊技実行手段(たとえば、メイン制御部によるCBに制御する処理)と、
所定遊技状態(たとえば、RT1)と、当該所定遊技状態よりも前記特別遊技中における前記遊技用価値の付与に関する有利度合いが高い(たとえば、CB中に2回の払い出しを受ける確率が高い)有利遊技状態(たとえば、RT3)とに制御可能な遊技状態制御手段(たとえば、メイン制御部41によるRT状態を制御する処理)とをさらに備え、
前記導出制御手段は、
前記有利遊技状態中の前記特別遊技において前記付与入賞の発生が許容されているとともに前記第1再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されているとき(たとえば、RT3でのCB中において、全ての小役と通常リプとが同時当選しているとき)には、前記付与入賞を発生可能な全ての表示結果のいずれも導出しない一方で、前記再遊技入賞を発生可能な表示結果を導出し(たとえば、小役よりも再遊技役であるリプ1を優先的に入賞)、
前記有利遊技状態中の前記特別遊技において前記付与入賞の発生が許容されているとともに前記第2再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されているとき(たとえば、RT3でのCB中において、全ての小役と維持転リプとが同時当選しているとき)には、前記再遊技入賞を発生可能な表示結果を導出しない一方で、前記付与入賞を発生可能な表示結果を導出し(たとえば、再遊技役よりも小役を優先的に入賞)、
前記事前決定手段の決定結果が前記第1再遊技決定結果となる確率は、前記所定遊技状態よりも前記有利遊技状態の方が高い(たとえば、RT1よりもRT3の方が通常リプの当選確率が高い)。
このような構成によれば、所定遊技状態よりも有利遊技状態の方が特別遊技中における遊技用価値の付与に関する有利度合いが高いため、所定遊技状態よりも有利遊技状態の方が特別遊技中の遊技用価値の付与率が高まりがちとなる。しかし、有利遊技状態中の特別遊技において付与入賞の発生が許容されているとともに第1再遊技決定結果に基づいて再遊技入賞の発生が許容されているときには、付与入賞よりも再遊技入賞の方が優先的に発生可能である上に、第1再遊技決定結果となる確率は、所定遊技状態よりも有利遊技状態の方が高くなっている。これにより、有利遊技状態中の特別遊技においては、付与入賞よりも再遊技入賞が頻繁に発生することによって、特別遊技中のゲーム数が増加することになる。その結果、特別遊技中の1ゲームに対する遊技用価値の付与率が高まりすぎることがなく、特別遊技中における遊技者の射幸心を過剰に煽ってしまうことを防止することができる。
「前記付与入賞の発生を許容可能となる確率が所定確率よりも高まった特別遊技」は、付与入賞の発生が事前決定手段の決定結果にかかわらず必ず許容されるCBなどの特別遊技、あるいは、遊技者にとって有利となるレギュラーボーナス(RB)やビッグボーナス(BB)などの特別遊技を含む。
「前記有利遊技状態中の前記特別遊技において前記付与入賞の発生が許容されているとともに前記第1再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されているときには、前記付与入賞を発生可能な表示結果よりも前記再遊技入賞を発生可能な表示結果を優先的に導出し、」は、付与入賞を発生可能な表示結果を常に導出しないのに対して、再遊技入賞を発生可能な表示結果を常に導出することを含む。あるいは、付与入賞を発生可能な表示結果を所定確率で導出するのに対して、再遊技入賞を発生可能な表示結果を前記所定確率よりも高い確率で導出することを含む。
「前記有利遊技状態中の前記特別遊技において前記付与入賞の発生が許容されているとともに前記第2再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されているときには、前記再遊技入賞を発生可能な表示結果よりも前記付与入賞を発生可能な表示結果を優先的に導出し、」は、再遊技入賞を発生可能な表示結果を常に導出しないのに対して、付与入賞を発生可能な表示結果を常に導出することを含む。あるいは、再遊技入賞を発生可能な表示結果を所定確率で導出するのに対して、付与入賞を発生可能な表示結果を前記所定確率よりも高い確率で導出することを含む。
「前記事前決定手段の決定結果が前記第1再遊技決定結果となる確率は、前記所定遊技状態よりも前記有利遊技状態の方が高い」は、事前決定手段の決定結果が第1再遊技決定結果となる確率が、所定遊技状態では0%であるのに対して、有利遊技状態では所定確率であることを含む。あるいは、事前決定手段の決定結果が第1再遊技決定結果となる確率が、所定遊技状態では所定確率であるのに対して、有利遊技状態では前記所定確率よりも高い確率であることを含む。
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記特別遊技実行手段は、前記特別遊技中に付与された前記遊技用価値の大きさを示す累積量が所定量(たとえば、14枚)を超えたときに前記特別遊技を終了し、
前記導出制御手段は、
前記有利遊技状態中の前記特別遊技の所定ゲームにおいて前記付与入賞の発生が許容されているとともに前記第2再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されているとき(たとえば、RT3でのCB中において、全ての小役と維持転リプとが同時当選しているとき)には、前記特別遊技中に付与された遊技用価値の累積量が前記所定量を超えないように前記付与入賞を発生可能な表示結果を導出させ(たとえば、最初の払い出しは14枚となる小役を入賞させる)、
前記所定ゲーム以降の前記有利遊技状態中の前記特別遊技において前記付与入賞の発生が許容されているとともに前記第2再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されているとき(たとえば、RT3でのCB中において、全ての小役と維持転リプとが同時当選しているとき)には、前記特別遊技中に付与された遊技用価値の累積量が前記所定量を超えるように前記付与入賞を発生可能な表示結果を導出可能である(たとえば、2回目の払い出しは14枚または15枚となる小役を入賞させる)。
このような構成によれば、有利遊技状態中の特別遊技の所定ゲームにおいて付与入賞の発生が許容されているとともに第2再遊技決定結果に基づいて再遊技入賞の発生が許容されているときには、特別遊技中に付与された遊技用価値の累積量が所定量を超えないように付与入賞が発生し、それ以降の有利遊技状態中の特別遊技において付与入賞の発生が許容されているとともに第2再遊技決定結果に基づいて再遊技入賞の発生が許容されているときには、特別遊技中に付与された遊技用価値の累積量が所定量を超えるように付与入賞が発生する。これにより、有利遊技状態中の特別遊技において付与入賞の発生が許容されているとともに第2再遊技決定結果に基づいて再遊技入賞の発生が許容されているときには、優先的に発生する付与入賞に基づき付与される遊技用価値を調整することによって、特別遊技中に付与される遊技用価値の累積量を大きくすることができる。このように、有利遊技状態中の特別遊技において付与入賞の発生が許容されているとともに第2再遊技決定結果に基づいて再遊技入賞の発生が許容されていることを利用して、遊技者の利益を大きくすることで、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
前記スロットマシンは、前記可変表示装置に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)をさらに備え、
前記導出制御手段は、
前記特別遊技以外のゲームにおいては、前記第1再遊技決定結果(たとえば、通常リプ)および前記第2再遊技決定結果(たとえば、維持転リプ)のいずれに基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されても、前記再遊技入賞を発生可能な表示結果を導出し(たとえば、リプ1を入賞させる)、
前記特別遊技以外のゲームにおいて、前記導出操作手段の操作態様が所定操作態様(たとえば、左第1停止)である場合には、前記第1再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されたときと、前記第2再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されたときとで、前記再遊技入賞を発生可能な表示結果として、同じ表示結果を導出する(たとえば、リプ1を入賞させる)。
このような構成によれば、特別遊技以外のゲームにおいては、第1再遊技決定結果および第2再遊技決定結果のいずれに基づいて再遊技入賞の発生が許容されても、再遊技入賞を発生可能な表示結果が導出され、さらに、導出操作手段の操作態様が所定操作態様である場合には、第1再遊技決定結果に基づいて再遊技入賞の発生が許容されたときと、第2再遊技決定結果に基づいて再遊技入賞の発生が許容されたときとで、再遊技入賞を発生可能な表示結果として、同じ表示結果が導出される。これにより、特別遊技以外のゲームにおいては、第1再遊技決定結果および第2再遊技決定結果のいずれに基づいて再遊技入賞の発生が許容されたかに対して、意識させないで遊技者に遊技させることができる。
(4) 上記(1)〜(3)のスロットマシンにおいて、
前記スロットマシンは、演出を実行する演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)をさらに備え、
前記演出実行手段は、前記特別遊技であるか否かにかかわらず、前記第1再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されたとき(たとえば、リプ1が入賞したとき)には、同じ演出(たとえば、通常リプ入賞時演出)を実行する。
このような構成によれば、特別遊技であるか否かにかかわらず、第1再遊技決定結果に基づいて再遊技入賞の発生が許容されたときには、同じ演出が実行されるため、有利遊技状態中の特別遊技において第1再遊技決定結果に基づいて再遊技入賞の発生が許容されたことにより、再遊技入賞が優先的に発生したとしても、違和感を感じることなく遊技を実行することができる。
(5) 上記(1)〜(4)のスロットマシンにおいて、
前記スロットマシンは、前記可変表示装置に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8R)をさらに備え、
前記導出制御手段は、前記導出操作手段の操作態様に応じて表示結果を前記可変表示装置に導出させる制御をさらに行い、
前記スロットマシンは、
第1演出(たとえば、ナビ演出、AT開始演出、ATゲーム数報知演出、第2演出の背景画像とは異なる背景画像とする演出)または第2演出(たとえば、通常の背景画像とする演出)を、前記有利遊技状態に制御されているときに実行し、前記第2演出を、前記所定遊技状態に制御されているときにも実行する演出実行手段(たとえば、サブ制御部91)と、
所定の操作手態様を判別するための操作態様情報を含む複数種類の情報を報知する情報報知手段(たとえば、液晶表示器51)と、
前記第2演出が実行されているゲーム(たとえば、非AT中のゲーム)において、前記導出操作手段の操作態様が予め定められた所定操作態様(たとえば、推奨操作手順であり、たとえば左第1停止)以外の操作態様であったときに、前記導出操作手段の操作態様が前記所定操作態様であったときには行われることのない遊技者にとって不利な不利制御(たとえば、ペナルティ付与)を行うことが可能な不利制御手段とをさらに備え、
前記導出制御手段は、前記特別遊技において、前記付与入賞の発生が許容されているとともに前記第2再遊技決定結果(たとえば、維持転リプ)に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されているときには、当該第2再遊技決定結果に対応する操作態様であって前記所定操作態様以外の特定操作態様(たとえば、中第1停止または右第1停止)で前記導出操作手段が操作されたときの方が、前記特定操作態様以外の操作態様で前記導出操作手段が操作されたときよりも遊技者にとって有利度が高い表示結果を導出させ(たとえば、最初の払い出しは14枚となる小役を入賞させる)、
前記情報報知手段は、前記第2演出が実行されておりかつ前記有利遊技状態中の前記特別遊技において、前記所定操作態様で操作させるための所定情報を報知する(たとえば、左第1停止させる防止演出ナビを実行する)。
このような構成によれば、有利遊技状態に制御されているときに特別遊技が実行されると、遊技者にとって有利度が高い表示結果を導出させるために特定操作態様で操作しがちとなるところ、有利遊技状態に制御されておりかつ第2演出が実行されている期間中においては、情報報知手段により所定操作態様で操作させるための所定情報が報知される。このため、有利遊技状態に制御されており第2演出が実行されている期間中における特別遊技において、特定操作態様で操作させてしまうことを防止することができる。その結果、遊技者の本意に反して不利益を被らせてしまうことを防止することができる。
スロットマシンの正面図である。 スロットマシンの内部構造図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの構成を示すブロック図である。 メイン制御部が実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。 入賞役の種類、入賞役の図柄組合わせ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。 入賞役の種類、入賞役の図柄組合わせ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。 入賞役の種類、入賞役の図柄組合わせ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。 特殊出目を説明するための図である。 遊技状態の遷移を説明するための図である。 非CB中の再遊技役以外に関する抽選対象役、判定値数、およびリール制御について説明するための図である。 非CB中の再遊技役に関する抽選対象役、判定値数、およびリール制御について説明するための図である。 CB中の抽選対象役および判定値数について説明するための図である。 CB中の入賞について説明するための図である。 AT抽選用テーブルを説明するための図である。 非CB中通常ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。 非CB中通常ナビ演出実行テーブルAを説明するための図である。 非CB中通常ナビ演出実行テーブルBを説明するための図である。 非CB中におけるCB当選時の通常ナビ演出について説明するための図である。 維持転リプ当選時のCB中ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。 CB中ナビ演出実行テーブルを説明するための図である。 AT時のCB中の払い出しに関するタイミングチャートの一例を説明するための図である。 防止ナビ演出に関するタイミングチャートの一例を説明するための図である。
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。図1は、本実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筐体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「白7a」(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)、「白7b」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「白7c」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)、「スイカa」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「スイカb」(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号2の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「白7b」、「白7c」は、ともに、「白7a」の図柄をベースとする点で共通しており、「白7b」は左上隅に縦方向に線が追加されている点、および「白7c」は底辺に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「白7a」〜「白7c」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめて白7ともいう。「スイカb」は、「スイカa」の図柄をベースとする点で共通しており、上部に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「スイカa」および「スイカb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてスイカともいう。「ベルb」は、「ベルa」の図柄をベースとする点で共通しており、舌の球の部分の色が黒い点で異なっている。このため、「ベルa」および「ベルb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてベルともいう。「リプb」は、「リプa」の図柄をベースとする点で共通しており、REPLAYの文字に下線が追加されている点で異なっている。このため、「リプa」および「リプb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてリプともいう。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1cの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長の長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。後述するCB(チャレンジボーナス)時ではない非CB中においては、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として非CB中では遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
有効ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが非CB中の有効ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、非CB中では1本の有効ラインのみを適用しているが、複数の有効ラインを適用してもよい。
また、本実施の形態では、非CB中において入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。CB中以外では、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに特定の図柄の組合せ(たとえば、ベルa−ベルa−ベルa)が揃うことで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施の形態においては、CB中では規定数の賭数として1枚が定められており、賭数が設定されると、図14に示すように、入賞ラインLN、無効ラインLM4、および無効ラインLM3の一部と無効ラインLM4の一部によって形成されるV字型のライン(以下、V字ラインと称する)が有効ラインとして有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
また、有効ライン上に、遊技状態の移行を伴なう図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、図10を用いて後述するように、リプ4〜7が入賞、あるいは、特殊出目が停止すると、リプレイ確率が異なるRT0〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのみリールを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は非CB中においては190ms(ミリ秒)に設定されている。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインLN上に表示させることができる。
なお、本実施の形態においては、後述するCB中に限って、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は75ms(ミリ秒)に設定されている。75msの間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから1コマ先までにある図柄、合計2コマ分の図柄となる。このため、CB中においては、遊技者の目押しの技量に大きく依存して入賞が可能となる。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインとが一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、およびリールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、および設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、およびリールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、およびリセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するメイン制御部のROMに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPUの動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施の形態では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるROMには、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。たとえば、ROMには、メイン制御部41のCPUが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROMには、CPUが遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAMには、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。RAMとしては、たとえばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。メイン制御部41のCPUには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。たとえば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPUがROMから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPUにおける1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。ここで、メイン制御部41からサブ制御部91へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(メイン制御部41からサブ制御部91への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。メイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、メイン制御部41とサブ制御部91とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、CTCに含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとに後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限らず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成される。演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、CBの当選確率については、設定値に依存することなくいずれの遊技状態においても一定の当選確率となっている。なお、CBについても他の小役などと同様に設定値に応じた当選確率を用いてもよい。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタをメイン制御部41のRAMのスタックに退避し、RAMにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAMに格納する処理を行うようになっている。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAMの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAMの初期化について説明する。メイン制御部41のRAMの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうちいずれに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAMのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる種類の初期化を行う。
[ゲーム処理]
図5は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、非CB中において、遊技状態に応じた規定数(たとえば3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。また、本実施の形態においては、CB中に限って、規定数(たとえば1)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLN、無効ラインLM4、およびV字ラインが有効ラインとして有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された有効ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、CB入賞可能なCB役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAMに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。
内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、メイン制御部41のRAMに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態およびCBであるか否かに応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、RTを特定するためのRTフラグの値、CBであるか否かを特定するためのCBフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値、CBフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
図5に戻り、Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、非CB中において滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインLN上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインLN上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLN上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施の形態のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行う。サブ制御部91側において、AT中ではない、つまり非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させるようにするためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。
以下では、左第1停止させる押し順を「推奨押し順」ともいう。また、推奨押し順以外の押し順(つまり、右第1停止または中第1停止させる押し順)を「変則押し順」ともいい、「変則押し順」でストップスイッチ8L、8C、8Rを押すことを「変則押し」ともいう。
非AT中のゲームで変則押しした場合には、6ゲームの期間中、後述するAT抽選が実行されないペナルティが科されるようになっている。ペナルティが科されてしまうと、後述するリプ4、リプ6、およびリプ7などに入賞させることが難しくなり、遊技者にとって有利なRT3に移行しにくくなってしまう。そのため、遊技者は、ペナルティが科されないように、非AT中のゲームでは、推奨押し順である左第1停止をするようになる。
なお、ペナルティとしては、上記に限らない。たとえば、AT抽選において後述するナビストックが付与される確率を、ペナルティが科されていないときよりも低くするものであったり、付与されたときのナビストック数を、ペナルティが科されていないときよりも少なくするものであってもよい。さらには、すでに所有するナビストックを取り消すものであってもよい。また、遊技者にとって有利度合いが向上することを示唆するフリーズなどの制御を実行させないものであってもよい。フリーズ制御とは、ストップスイッチ8L、8C、8Rやスタートスイッチ7などゲーム進行において操作される操作手段の操作を強制的に無効にする制御のことである。また、後述する通常演出が実行されているゲームで変則押しした場合にも、ペナルティが科されるようにしてもよい。
ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知する通常ナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。また、本実施の形態においては、通常ナビ演出の他に防止ナビ演出も実行される。以下では、通常ナビ演出および防止ナビ演出をまとめてナビ演出という場合もあり、防止ナビ演出については後述する。
図5に戻り、Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。Sd4においては、遊技状態の移行を伴なう表示結果が停止されたときに、RTフラグおよびCBフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払い出などの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払い出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をメイン制御部41のRAMに設定する。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、後述するフリーズ状態に制御する旨およびフリーズに制御する期間を示すコマンドであり、フリーズ状態に制御するときに送信される。本実施の形態においては、図5で示したゲーム処理のおけるSd2において、特殊リプに当選したことを条件として、所定期間(たとえば10秒間)に亘ってフリーズ状態にする制御を開始するとともに、フリーズコマンドが送信される。このフリーズ状態においては、サブ制御部91側において、7リプ入賞となる旨を示唆する特殊リプ当選時演出が行われる。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴なう停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、有効ラインに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RTの種類、CBの有無など)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴なってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、サブ制御部91に送信される。
本実施の形態のスロットマシン1においては、いずれかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴なう移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
[入賞役、特殊出目]
図6〜図8は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図9は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される特殊出目を説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
先ず、図10(a)を参照しながら、本実施の形態におけるスロットマシン1が制御する遊技状態の遷移について説明する。本実施の形態においては、RT0(準備遊技状態)、RT1(通常遊技状態)、RT2(途中遊技状態)、およびRT3(有利遊技状態)のいずれかに制御されながら遊技が進行する。
RT0は、設定変更状態の後に移行制御される遊技状態であり、後述する特殊出目が導出されることによりRT1に遊技状態が移行する。
RT1は、RT0から移行可能な遊技状態であり、通常、遊技者が最も多くの時間を費やす可能性がある遊技状態である。RT1では、後述するリプ4に入賞することでRT2に遊技状態が移行する。また、RT1では、後述するリプ6、7に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。
RT2は、RT1から移行可能な遊技状態であり、RT1よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。RT2では、リプ6、7に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。このように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態を移行するために経由される途中の遊技状態でもある。また、RT2では、特殊出目の導出または後述するリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。
RT3は、RT1またはRT2から移行可能な遊技状態であり、RT1およびRT2よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。そのため、RT3は、遊技者にとって、最もメダルを消費することなく遊技できる点で有利な遊技状態となる。RT3では、特殊出目の導出またはリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。
入賞役のうち再遊技役には、図6および図7に示すリプ1〜7の7種類の再遊技役が含まれる。リプ1は、有効ラインに「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
本実施の形態における図柄組合せの説明における「/」は、“または”という意味を示し、「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。よって、たとえば「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」とは、図6に示すように、「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプa−リプa−スイカa」、「リプa−リプa−スイカb」、「リプa−リプb−リプa」、「リプa−リプb−リプb」、「リプa−リプb−スイカa」、「リプa−リプb−スイカb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、「リプb−リプa−スイカa」、「リプb−リプa−スイカb」、「リプb−リプb−リプa」、「リプb−リプb−リプb」、「リプb−リプb−スイカa」、および「リプb−リプb−スイカb」という、16種類の図柄の組合せを意味する。
リプ1は、有効ラインにリプaまたはリプbの図柄が少なくとも左リール2Lおよび中リール2Cに停止することにより入賞となる。
リプ2は、有効ラインに「白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c−リプa/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ3は、有効ラインに「白7a/白7b/白7c−リプa/リプb−白7a/白7b/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ4は、有効ラインに「ベルa/ベルb−リプa/リプb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。図10に示されるように、RT1においてリプ4に入賞した後は、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2に制御される。このため、リプ4を昇格リプともいう。
リプ5は、有効ラインに「リプa/リプb−リプa/リプb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。図10に示されるように、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2やRT3においてリプ5に入賞した後は、RT1に制御される。このため、リプ5を転落リプともいう。なお、RT1でリプ5に入賞したときには、遊技状態がRT1で維持される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lについては、ベルaの1つ下の位置にリプaが配置され、右リール2Rについては、ベルaの1つ上の位置にリプaが配置されている。そのため、リプ4の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「リプa−リプa−リプa」の組み合わせが右上がり、すなわち形態同一または形態類似の図柄が無効ラインLM4に揃うこととなる。一方、リプ5(転落リプ)が入賞した場合は、リプ4が入賞したときのようにいずれのラインにおいても形態同一または形態類似の図柄が揃うことがない。
たとえば、図10(b)は、RT2からRT1への移行の契機となるリプ5(転落リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。
図10(b)では、左リール2Lの領域番号7〜9が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「リプa−リプa−ベルa」の転落リプの図柄組合せが停止されている。
これに対して、図10(c)は、RT1からRT2への移行の契機となるリプ4(昇格リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。図10(c)では、左リール2Lの領域番号8〜10が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「ベルa−リプa−ベルa」の昇格リプ入賞の図柄組合せが停止されている。また、昇格リプ入賞時には無効ラインLM4上において「リプa−リプa−リプa」の図柄組合せが揃って停止されている。これにより昇格リプ入賞を遊技者が認識しやすくすることができる。また、昇格リプは、遊技者にとって有利なRT2への制御契機となる入賞役である。その結果、RT2へ制御されたことを遊技者が認識し易くすることができる。
図7に戻り、リプ6は、有効ラインに「ベルb/チェリー/スイカa−白7a/白7b/白7c−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルb/チェリー/スイカa各々の1つ上の位置に白7が配置され、右リール2Rのベルaの1つ下の位置に白7が配置され、中リール2Cは白7であるため、リプ6の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。このため、リプ6は、右下7リプともいう。
リプ7は、有効ラインに「リプa/リプb−白7a/白7b/白7c−リプa/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプa/リプb各々の1つ下の位置に白7が配置され、右リール2Rのリプa/スイカa/スイカbの1つ上の位置に白7が配置され、中リール2Cは白7であるため、リプ7の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。このため、リプ7は、右上7リプともいう。なお、7リプとは、前述したように、右下7リプ、および右上7リプをまとめた総称をいう。
また、図10に示されるように、RT1またはRT2において7リプに入賞した後、すなわち、いずれかの無効ラインLMに「白7−白7−白7」の組合せが停止した後は、遊技者にとって有利なRT3に制御される。
リプ1〜7を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてリプ1〜7のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ(リプが複数当選しているときにはいずれかのリプ)を入賞させることができる役といえる。後述するように、複数のリプに当選しているときには、操作手順に応じたリプが入賞するようにリール制御が行われる。
リプ1〜7のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
CBは、入賞ラインLNに「白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。このように、入賞ラインLNにおいて「白7−白7−白7」が停止する組合せを中段7揃いともいう。また、CBは、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−ベルa−リプa/リプb」の組合せが揃ったときにも入賞となる。このように、入賞ラインLNにおいて「白7−白7−白7」が停止する代わりに導出される「ベルa/ベルb−ベルa−リプa/リプb」の組合せを非中段7揃いともいう。
CBを構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてCBに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているCBを入賞させることができる役といえる。つまり、CBは取りこぼしのない役である。また、後述するように、CBに当選しているときには、操作手順に応じた図柄組合せ(中段7揃いまたは非中段7揃い)が導出されるようにリール制御が行われる。
CBに当選したときには、中段7揃いおよび非中段7揃いのいずれの図柄組合せが導出されたとしても同じCBに入賞する。より具体的には、本実施の形態においては、CB入賞前後でRTの状態が変わらず、また、CB中の抽選対象役および当選確率がいずれの図柄組合せで入賞しても変わらない。そのため、本実施の形態においては、中段7揃いが導出された場合と非中段7揃いが導出された場合とで入賞前後の遊技状態に違いはない。
次に、図8を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ベル1、ベル2、押し順ベル1、押し順ベル2、押し順ベル3、押し順ベル4、押し順ベル5、押し順ベル6、押し順ベル7、押し順ベル8、チェリー1、チェリー2、チェリー3、スイカ1、スイカ2、スイカ3、スイカ4、1枚1、1枚2、および14枚役が含まれる。
ベル1は、有効ラインに「ベルa/ベルb−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル1は、入賞ラインLNにおいて「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、中段ベルともいう。
ベル2は、有効ラインに「リプa/リプb−ベルa−リプa/リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル2は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下ベルともいう。
ベル1およびベル2を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてベル1またはベル2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているベル1またはベル2を入賞させることができる。
押し順ベル1は、有効ラインに「リプa−白7a/白7c−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル2は、有効ラインに「リプa−白7a/白7c−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル3は、有効ラインに「リプa−白7b−白7a/白7a」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル4は、有効ラインに「リプa−白7b−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル5は、有効ラインに「リプb−白7a/白7c−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル6は、有効ラインに「リプb−白7a/白7c−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル7は、有効ラインに「リプb−白7b−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル8は、有効ラインに「リプb−白7b−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル1〜8は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段ベルともいう。
押し順ベル1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において押し順ベル1〜8のいずれかに当選していても、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している押し順ベルに入賞することはない。ベル1、ベル2、および押し順ベル1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルが15枚払い出される。
チェリー1は、有効ラインに「チェリー−白7a/白7b/白7c/ベルa−リプa/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。チェリー1は、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上に位置することにより入賞するため、中段チェリーともいう。
チェリー2は、有効ラインに「白7c/スイカb−リプa/リプb−ベルa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
チェリー3は、有効ラインに「白7c/スイカb−ベルa/チェリー−any」の組合せが揃ったときに入賞となる。
チェリー2およびチェリー3は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、左リール2Lの「チェリー」が上段または下段に停止することにより入賞となるため、角チェリーともいう。
チェリー1〜3各々を構成する図柄のうち左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてチェリー1〜3のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが2枚払い出される。
スイカ1は、有効ラインに「ベルa−リプb−リプb/チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ1は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段スイカともいう。
スイカ2は、有効ラインに「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ2は、入賞ラインLN上に「スイカ−スイカ−スイカ」が停止することによって入賞となるため、中段スイカともいう。
スイカ3は、有効ラインに「ベルa−スイカa/スイカb−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ3は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下スイカともいう。
スイカ4は、有効ラインに「白7a/チェリー−スイカa/スイカb−リプb/チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ4は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM4において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右上スイカともいう。
スイカ1〜4各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてスイカ1〜4のいずれかに当選していても、スイカ1〜4のうち当選しているスイカの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。スイカ1〜4のいずれかに入賞したときには、メダルが6枚払い出される。
1枚1は、有効ラインに「白7b−スイカb−チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。
1枚2は、有効ラインに「白7b−スイカb−スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
1枚1および1枚2各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において1枚1または1枚2に当選していても、1枚1および1枚2のうち当選している1枚の入賞役に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している1枚の入賞役に入賞することはない。1枚1または1枚2に入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
14枚役は、有効ラインに「any−リプa/リプb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。なお、左リールは、「スイカb」、「リプa」、および「リプb」以外のいずれの図柄でもよい。
14枚役を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において14枚役に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、14枚役を入賞させることができる。14枚役に入賞したときには、メダルが14枚払い出される。
次に、図9を用いて特殊出目を説明する。特殊出目は、小役のうち押し順ベル1〜8に当選(後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選)しているゲームにおいて、当選している入賞役のうちいずれをも発生させることができない場合(取りこぼす場合)において、入賞ラインLNに停止する特定のはずれの図柄組合せである。
特殊出目は、図9に示すように、右ベルこぼし目、中ベルこぼし目、および、左ベルこぼし目を含む。右ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−白7a/白7b/白7c−ベルa」が停止された図柄組合せをいう。中ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−ベルa−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組合せをいう。左ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組合せをいう。
右ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する右ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、中ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する中ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、左ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する左ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。
また、図10に示されるように、RT0、RT2、およびRT3において、いずれの入賞も発生することなく、特殊出目が停止した後は、RT1に制御される。
[非CB中の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図11、図12を参照して、非CB中の内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図11、図12においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
たとえば、内部抽選において、抽選対象役のうち共通ベルが読み出されたときには、共通ベルに対応する入賞役であるベル2についての当否抽選が行われ、左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるベル2、押し順ベル1、および押し順ベル4すべてについての当否抽選が行われる。以下、同様に、左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、通常リプ、共通役、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選において読み出されたときには、当該読み出された抽選対象役に対応する入賞役の組合せ欄に示されている入賞役あるいは入賞役の組合せについて抽選される。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。なお、内部抽選において、いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
遊技状態がRT0であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、および通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、通常リプ、共通役、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、通常リプ、共通役、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、CB、通常リプ、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT0〜RT3のいずれの遊技状態においても、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、およびCBについては、抽選対象役に定められており、遊技状態にかかわらず共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の判定値数を比較すると、中ベル1〜4、右ベル1〜4よりも左ベル1〜4の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカの判定値数を比較すると、それぞれ、「弱」が付された抽選対象役(弱チェリー、弱一枚、弱スイカ)よりも「強」が付された抽選対象役(強チェリー、強一枚、強スイカ)の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、中段チェリーと、弱チェリーおよび強チェリーとの判定値数を比較すると、中段チェリーが最も小さく、当選確率が最も低くなるように設定されている。
後述するように、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカに当選したときにAT抽選が行われ、「弱」が付された抽選対象役当選時よりも「強」が付された抽選対象役当選時の方が高い確率でAT当選し、「強」が付された抽選対象役当選時よりも中段チェリー当選時の方が高い確率でAT当選する。これにより、「弱」が付された抽選対象役よりも「強」が付された抽選対象役に当選すること、および、「強」が付された抽選対象役よりも中段チェリーに当選することに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。
また、14枚役は、RT0〜3のいずれの遊技状態であっても判定値数が「1」しか設定されていない。つまり、非CB中において、14枚役は、ベル、チェリー、スイカなどの小役に比べて入賞の発生確率が低く設定されている。
次に、通常リプ、共通役、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプの判定値数を、遊技状態ごとに比較する。いずれかの再遊技役に当選する確率は、RT3が最も高く、続いて、RT2、RT1の順となっており、RT0が最も低くなるように、判定値数が設定されている。
たとえば、内部抽選の結果が通常リプとなる確率は、RT1よりもRT3の方が高くなっている。
また、RT1における昇転リプ1〜5の判定値数を比較すると、昇転リプ2〜5よりも昇転リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、RT1における押し順役1〜6の判定値数を比較すると、押し順役3〜6よりも押し順役1、2の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。このため、後述するように左リール2Lを第1停止させる限り、リプ4やリプ6に入賞し難くすることができる。
また、RT1においては、低確率ではあるものの、共通役および特殊リプに当選する。このため、RT1からRT2を介さずに直接RT3に移行可能となっている。よって、RT1中においては、共通役や特殊リプに当選することに対する期待感およびプレミア感を抱かせることができる。
なお、RT1〜RT3のいずれにおいても、非CB中で特殊リプに当選したときには、フリーズ状態にする制御するとともに、当該フリーズ状態において7リプ入賞となる旨を示唆する特殊リプ当選時演出が行われる。特殊リプ当選時演出としては、たとえば、液晶表示器51の画面上に「7を狙え!!」といった文字画像が表示される。本実施の形態においては、特殊リプに当選したときに後述するAT抽選によってナビストックが付与されることから、この特殊リプ当選時演出が行われることによって、遊技者にナビストック獲得に対して期待させることができる。
また、RT2における維持転リプ1〜3の判定値数を比較すると、維持転リプ2、3よりも維持転リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。一方、RT2における押し順役1〜6の判定値数は、同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている。
また、RT3における押し順役1〜6の判定値数は、RT2であるときよりも小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、RT2における維持転リプ1〜3の判定値数は、RT1であるときよりも大きく、当選確率が高くなるように設定されている。その一方で、RT2における維持転リプ1〜3の判定値数は、RT3であるときよりも小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
ここで、RT1〜3において読み出されるそれぞれの再遊技役の判定値数を合算し、その値を比較する。RT1における再遊技役の合算した判定値数は、「9578」となる。RT2における再遊技役の合算した判定値数は、「22039」となる。RT3における再遊技役の合算した判定値数は、「52187」となる。RT1とRT2とで、合算判定値数を比較すると、RT2の方がRT1よりも大きく、高い確率で再遊技役に当選するようになっている。これは、図10に示すように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態が移行するために経由される途中の遊技状態でもあり、RT1からRT2に遊技状態が移行した遊技者に対して、その後、RT3に遊技状態が移行するまでのRT2での期間において極力メダルを消費させないようにするためである。また、RT3の合算判定値数は、RT1およびRT2における合算判定値数よりも大きく、最も高い確率で再遊技役に当選するようになっている。これにより、RT3は、メダルの消費を最小限に抑えながら遊技できる点で、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。したがって、RT1、RT2に対するRT3の優位性を確保することができる。
また、本実施の形態においては、非AT中に左第1停止以外の停止操作をするとペナルティが課されるため、遊技者は非AT中に左第1停止をする傾向にあるが、左第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇転リプ1は、中第1停止や右第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇転リプ2〜5よりも判定値数が低く、当選しにくくなっている。そのため、非AT中に遊技者が左第1停止をする限りは、RT2に移行しにくくなっている。
このような状況で仮に運よくRT1からRT2に移行できたとしても、最も有利度合いの高いRT3へは、さらにRT2においてリプ6またはリプ7を入賞させなくてはならない。また、左第1停止によって、RT1からRT3へ直接移行するためには、押し順役1や押し順役2といった当選確率の非常に低い役に当選する必要がある。いずれにしても、非AT中におけるRT1からRT3への移行は簡単ではない。そのため、RT1からRT3へ移行する際に経由するRT2においては、再遊技役の合算判定値数をRT1よりも高く設定して極力メダルを消費させないようにすることで、遊技者の負担を軽減し、遊技の興趣を低下させないようになっている。
また、RT2からRT3へは、押し順役1、2の当選確率をRT1よりも高く設定していることで、RT1からRT2への移行よりも、非AT中において移行しやすくなっている。これにより、非AT中に運よくRT1からRT2へ移行した遊技者に対して、なかなかRT3へ移行しないことに対する不満を感じさせることを極力防止し、遊技の興趣を低下させないようになっている。
次に、図11および図12の右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を入賞ラインLN上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて、ベル1あるいはベル2を入賞ラインLN上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1が当選し、左第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1が当選し、中第1停止または右第1停止させた場合には、当選した小役のうち押し順ベル1または押し順ベル4を引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、押し順ベル1および押し順ベル4を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L、8C、8R各々が、押し順ベル1または押し順ベル4のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベル1または押し順ベル4に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2〜4のいずれかが当選しているゲームにおいても同様に、左第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル2〜4のいずれかが当選し、中第1停止または右第1停止させた場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルを引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、押し順ベルを構成する図柄は、いずれも、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L、8C、8R各々が、当選している押し順ベルに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベルに入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選しているときも同様である。すなわち、中ベル1〜4のいずれかに当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中リール2C以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち中ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、右ベル1〜4のいずれかが当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右リール2R以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち右ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、左第1停止させたときに確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行われ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、中ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、中第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、右ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、右第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施の形態では、左ベルが当選したか、中ベルが当選したか、右ベルが当選したかによって、ベル1あるいは2を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、中ベルや右ベルよりも、左ベルの当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左第1停止させなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、特に中ベルや右ベルに当選したときに、ベルを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で特殊出目が停止されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左第1停止をさせないことによってはペナルティが科されないため、左ベル、中ベル、および右ベルに当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、ベルを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
中段チェリーに当選しているゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上にしか停止されないようにリール制御が行われる。一方、弱チェリーあるいは強チェリーに当選しているゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止されるようにリール制御が行われる。これにより、左リール2Lのチェリーが中段に停止してチェリー入賞が発生したときには中段チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができ、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止してチェリー入賞が発生したときには、中段チェリーではなく弱チェリーあるいは強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
また、強チェリーに当選しているゲームにおいてのみ、左リール2Lのチェリーが停止された無効ライン上において、中リール2Cおよび右リール2R各々のチェリーを停止させて、「チェリー−チェリー−チェリー」を停止させるリール制御が行われ得る。これにより、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止し、かつ当該チェリーが停止された無効ライン上に「チェリー−チェリー−チェリー」が停止されたときには、弱チェリーではなく強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
弱一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目と異なる予め定められた弱チャンス目(たとえば、入賞ラインLNに「白7b−スイカb−チェリー」など)を停止させるリール制御を行う。また、強一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目とも弱チャンス目とも異なる予め定められた強チャンス目(たとえば、入賞ラインLNに「白7b−スイカb−スイカb」など)を停止させるリール制御を行う。チャンス目は、弱一枚や強一枚を取りこぼしたときだけでなく、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカなどを取りこぼしたときにも停止し得るように、リール制御が行われる。
14枚役に当選しているゲームにおいては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順にかかわらず、14枚役の図柄組合せを入賞ラインLNに引き込み、14枚役を入賞させるリール制御が行われる。
弱スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ1よりもスイカ3または4を優先して入賞ラインLNに引き込み、右下スイカあるいは右上スイカを停止させ、スイカ3および4を引き込むことができない場合には、スイカ1も引き込むことができない場合であるため、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
強スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ3、4よりもスイカ1または2を優先して入賞ラインLNに引き込み、上段または中段にスイカを停止させ、スイカ1または2を引き込むことができない場合にはスイカ3、4を引き込み、スイカ3、4をも引き込むことができない場合には、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
CBが当選しているゲームにおいては、左第1停止であった場合に非中段7揃いの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中第1停止または右第1停止であった場合に中段7揃いの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、通常リプに当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうちリプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうちリプ2の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行う。
なお、非CB中にリプ1またはリプ2に入賞したときには、入賞したことを示す通常リプ入賞時演出が行われる。通常リプ入賞時演出としては、スピーカ53、54から所定の効果音が出力されるとともに、液晶表示器51の画面上に「再遊技」と書かれた風船が飛ぶような演出が実行される。これにより、遊技者に対して再遊技役に入賞したことを印象付けることができる。なお、通常リプ入賞時演出は、非CB中に限らず、CB中においても行われる。
共通役に当選しているゲームにおいては、左リール2Lを第1停止させた場合、または、中リール2Cを第1停止させその後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行う。また、共通役に当選しているゲームにおいては、右リール2Rを第1停止させた場合、または、中リール2Cを第1停止させその後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行う。
また、昇転リプ1〜5のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、昇格リプであるリプ4を入賞させる制御が行われる。
昇転リプ1に当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、転落リプであるリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ2に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合には、リプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ3に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ4に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ5に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
RT1において転落リプであるリプ5に入賞した場合には、RT1が維持されるため、遊技状態が移行されるか否かの観点においてはリプ1が入賞した場合と同じとなる。このように、昇転リプ1〜5のいずれに当選したかによって、昇格リプであるリプ4を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、昇転リプ2〜5よりも、昇転リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。一方、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、非AT中のときにおいて左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、昇転リプ1に当選したときにはRT2に制御され得るが、昇転リプ2〜5に当選したときには実質的に昇格リプを入賞させることができず、RT2へ制御させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、昇転リプに当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、確実にRT2へ制御させることができる。
また、維持転リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、リプ1を入賞させる制御か、転落リプであるリプ5を入賞させる制御が行われる。
維持転リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
このように、維持転リプ1〜3のいずれに当選したかによって、リプ1および転落リプであるリプ5を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、RT2においては、維持転リプ2および3よりも、維持転リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。一方、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、非AT中のときにおいて左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、維持転リプ1に当選したときには転落リプ入賞を回避させ得るが、維持転リプ2または3に当選したときには実質的に転落リプ入賞を回避させることができず、非AT中においてRT2へ制御されていたとしても、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、維持転リプに当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、転落リプ入賞を確実に回避させることができ、RT2への制御を維持させることができる。
また、押し順役1〜6のうちいずれかに当選している場合には、当該押し順役1〜6に対応した停止操作順に応じて、RT3への移行を伴う7リプであるリプ6を入賞させる制御か、遊技状態の移行を伴わないリプ1〜3のいずれかを入賞させる制御が行われる。
押し順役1が当選しているゲームにおいて、左中右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
押し順役2が当選しているゲームにおいて、左右中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1またはリプ2を入賞させる制御を行う。
押し順役3が当選しているゲームにおいて、中左右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
押し順役4が当選しているゲームにおいて、中右左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
押し順役5が当選しているゲームにおいて、右左中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ2またはリプ3を入賞させる制御を行う。
押し順役6が当選しているゲームにおいて、右中左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
このように、押し順役1〜6のいずれに当選したかによって、7リプであるリプ6を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、非AT中のときにおいて左第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、押し順役1または2に当選したときにはリプ6を入賞させ得るが、押し順役3〜6のいずれかに当選したときには実質的にリプ6を入賞させることができず、RT3へ制御されることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、RT2において、押し順役1〜6に当選したときにおける通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、7リプを確実に入賞させることができ、RT3へ制御させることができる。
また、RT1においては、前述したように、押し順役3〜6よりも、押し順役1、2の当選確率は低くなるように設定されている。このため、非AT中のゲームにおいては、押し順役1、2に当選したときにはRT3に制御され得るが、押し順役3〜6に当選したときには実質的に7リプを入賞させることができず、RT3へ制御させることが困難となる。
特殊リプが当選しているゲームにおいて、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には当選した再遊技役のうちリプ1またはリプ2の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左リール2L以外であった場合にはリプ6を入賞させる制御を行う。
なお、本実施の形態においては、RT1〜RT3のいずれにおいても、非CB中で特殊リプに当選したときにリプ6が入賞すると、非CB中7リプ入賞時演出が行われる。非CB中7リプ入賞時演出においては、演出効果LED52が色彩豊かに点滅するとともに、液晶表示器51の画面上において「チャンス」の文字画像が表示される。これにより、非CB中7リプ入賞時演出が行われることによって、遊技者に、ナビストックを獲得した可能性が高いことを認識させることができる。
このように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、非AT中において左第1停止させるように設計されている上に、非AT中で特殊リプに当選したときには、左第1停止する限りリプ6を入賞させることができないようになっている。そのため、RT1およびRT2における非AT中では、実質的にリプ6入賞しないため、RT3に移行できなようになっている。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左第1停止以外の停止操作をしてもペナルティが科されないため、特殊リプに当選したゲームで通常ナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、リプ6入賞とともにRT3へ移行することができるようになっている。なお、RT3においてリプ6が入賞したときには、遊技状態が維持される。
また、AT抽選においては、特殊リプが当選することによって高い確率でナビストックが付与されるようになっている。さらに、リプ6の図柄組合せは、入賞ラインLNに「白7−白7−白7」の組合せが右下がりに揃うため、見た目上、入賞したことを遊技者が認識しやすくなっている。そのため、リプ6が入賞したときには、遊技者に対して、ナビストックが付与されたことを印象づけることができる。このように、非CB中において特殊リプが当選したときには、当選した役のうち、押し順に応じてリプ1、リプ2、およびリプ6のいずれかが必ず入賞し、リプ6が入賞したときには、遊技者にナビストックの付与に対して期待させることができる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払い出しや遊技状態移行を行う。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
[ゲームの流れ]
ここで、図10を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、図10に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、通常ナビ演出が実行されない。このように、RT0において通常ナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、高い確率でベルおよび押し順ベルを取りこぼして、入賞ラインLNに特殊出目が停止され、いつまでも特殊出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3において非AT中のときに、左第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左リール2Lを第1停止させるように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、リプ4やリプ6、7に入賞することにより、RT2やRT3に移行される。リプ4やリプ6、7に入賞するためには、図12で示したように、共通役に当選するか、押し順役1〜6、および特殊リプのいずれかに当選しかつ7リプ入賞させるための操作手順で停止操作するか、昇転リプ1〜5のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、共通役の当選確率は極めて低く設定されている。このため、共通役に当選することにより、リプ6、7に入賞する可能性は極めて低い。また、左第1停止されたときに昇格リプ入賞させる昇転リプ1の当選確率は、その他の昇転リプ2〜5の当選確率よりも低くなるように設定されている。このため、昇転リプ1〜5に当選することにより、昇格リプであるリプ4に入賞する可能性も高いとはいえない。さらに、左第1停止されたときにリプ6入賞させる押し順役1、2の当選確率は、その他の押し順役3〜6の当選確率よりも低くなるように設定されている。このため、押し順役1、2に当選することにより、リプ6に入賞する可能性も高いとはいえない。よって、左第1停止させる限り、RT2に移行される可能性は低い。
また、RT1において左第1停止させながら、運よくリプ4に入賞し、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、押し順ベルのうち、左第1停止させた場合にベル入賞となる左ベル1〜4の当選確率がその他の中ベル1〜4や右ベル1〜4の当選確率よりも極めて低くなるように設定されており、高い確率で特殊出目が停止され、また、維持転リプ1〜3のうち、左リール2Lが第1停止されたときにリプ1を停止させる維持転リプ1の当選確率は、その他の維持転リプ2および3の当選確率よりも低くなるように設定されており、高い確率でリプ1を入賞させることができず転落リプが入賞する。このため、本実施の形態のスロットマシン1において、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、共通役、昇転リプ1〜5、押し順役1〜6、および特殊リプのいずれかに当選したときに、リプ4やリプ6、7を入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行され得る。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ4入賞によりRT2に移行させ、リプ6、7入賞によりRT3に移行させることができる。
また、RT2では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行される。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT2を維持させることができる。
さらに、RT2では、共通役、押し順役1〜6、および特殊リプのいずれかに当選したときに、リプ6あるいはリプ7を入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行され得る。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ6あるいはリプ7入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行される。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT3を維持させることができる。さらに、RT3では、特殊リプに当選したときに、リプ6を入賞させるための操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行され得る。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ6入賞によりRT3を維持させることができる。
また、少なくともRT1〜3では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカなど、所定の操作手順で停止操作しなければ入賞させることができない抽選対象役に当選したときに、当該抽選対象役に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を特定するための通常ナビ演出が実行される。このため、通常ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、小役の取りこぼしを防止して、メダルを確実に獲得することができる。また、特殊出目が停止されることを回避して、現在制御されている遊技状態への制御を維持することができる。
さらに、本実施の形態においては、RT0〜3のいずれにおいても、CBに当選したときには中段7揃いを入賞ラインLNに導出させるための通常ナビ演出が所定の確率で実行される。これにより、遊技者に中段7揃いを入賞ラインLNに導出させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、通常ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
また、本実施の形態のスロットマシンでは、後述するように、遊技状態として、AT、潜伏時AT、非ATのうちいずれかに制御される。なお、後述する図23に示すように、非ATでありかつRT3である期間を「特定期間」という。非AT中の「特定期間」において、特殊出目が導出されるか、あるいはリプ5(転落リプ)が入賞すると(図10参照)、RT3からRT1(つまり、非AT+RT1)に転落する。このように、特定期間のRT3からRT1に転落して当該RT1が維持されている期間を「転落期間」という。なお、「特定期間」は、後述する通常演出が実行されている期間でありかつRT3である期間としてもよい。特定期間中には、RAM91cに特定期間フラグがセットされる。
また、本実施の形態に係るスロットマシンにおいては、ART(AT+RT3)の期間で有利演出が実行され、特定期間(非AT+RT3)および転落期間(非AT+RT1)で通常演出が実行される。ここで、通常演出とは、遊技者が通常、多くの遊技時間を費やす状態において実行される演出であり、所定の背景画像による演出が行われる。通常演出においては、遊技者にとって有利な情報は報知されない。これに対して、有利演出とは、通常演出よりも遊技者にとって有利な情報を報知する演出である。たとえば、有利演出は、通常ナビ演出や、ATの残りゲーム数を報知する演出、通常演出の背景画像とは異なる背景画像とする演出などを含む。また、有利演出は、ATが開始されたゲーム(AT1ゲーム目)において、当該ATが開始された旨を報知する演出も含む。
本実施の形態においては、特定期間であっても転落期間であっても通常演出が実行されることから、演出内容からは、遊技者に対して特定期間であるか転落期間であるかを把握させないようにすることができる。つまり、ATが終了した後のRT状態を遊技者に把握させないようにすることができ、遊技の興趣を低下させないようにすることができる。
また、本実施の形態においては、いずれのRT状態においてもCB入賞することによって、RT状態を維持したままCB中のゲームに移行する。これにより、CBの発生によって、RT状態を変更するものと比較して、処理負担を削減できる。
[CB中の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図13を参照して、CB中の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図13においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの抽選される遊技状態の内容を示している。
本実施の形態のCB(チャレンジボーナス)は、全ての小役の当選が同時に成立し、所定の条件(本実施の形態においては、15枚以上のメダルの払い出し)が成立するまで、遊技者の目押しにより小役の入賞を毎ゲーム可能とする。また、再遊技役については、CBが発生した遊技状態に応じて、すべての小役と同時当選する役が予め定められている。なお、小役については、内部抽選をした後に全ての小役が当選するように設定されるものであってもよいし、内部抽選の対象とはせずに予め全ての小役が当選するように設定されるものであってもよい。
遊技状態がRT0であるときには、リプ当選以外の全ての小役および通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、リプ当選以外の全ての小役、通常リプ、共通役、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、リプ当選以外の全ての小役、通常リプ、共通役、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、リプ当選以外の全ての小役、通常リプ、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、および特殊リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、RT1〜RT3のいずれにおいても、CB中で特殊リプに当選したときには、非CB中に特殊リプに当選したときと同様に、特殊リプ当選時演出が行われる。これにより、非CB中に限らず、CB中においても、特殊リプ当選時演出が行われることによって、遊技者にナビストック獲得に対して期待させることができる。
次に、CB中のリール制御について説明する。CB中のゲームでいずれの再遊技役にも当選しなかった場合には、リプ当選以外のすべての小役のみが当選したことになる。この場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB中のゲームで通常リプとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであってもリプ1が入賞するようにリール制御が行われる。
このように、RT0〜RT3でのCBにおいて、通常リプとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、当選した役のうち、小役よりも再遊技役であるリプ1が優先的に入賞するようにリール制御が行われる。
また、RT0〜RT3のいずれにおいても、CB中でリプ1に入賞したときには、非CB中でリプ1またはリプ2に入賞したときと同様に、通常リプ入賞時演出が行われる。このように、CB中であるか否かにかかわらず、通常リプに当選したときに、当選している役のうちリプ1またはリプ2が入賞したときには、CB中であっても非CB中であっても、同じ通常リプ入賞時演出が実行されるようになっている。
CB中のゲームで共通役とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB中のゲームで昇転リプ1〜5のいずれかとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB中のゲームで維持転リプ1とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、中第1停止または右第1停止であれば15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われ、左第1停止であれば14枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。維持転リプ2とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止または右第1停止であれば15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われ、中第1停止であれば14枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。維持転リプ3とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止または中第1停止であれば15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われ、右第1停止であれば14枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
このように、RT0〜RT3でのCBにおいて、維持転リプ1〜3とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、当選した役のうち、維持転リプ1〜3に対応する再遊技役よりも小役が優先的に入賞するようにリール制御が行われる。
CB中のゲームで押し順役1〜6のいずれかとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB中のゲームで特殊リプとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止であればリプ6が入賞するようにリール制御が行われ、中第1停止または右第1停止であればリプ7が入賞するようにリール制御が行われる。
このように、RT0〜RT3でのCBにおいて、特殊リプとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、当選した役のうち、小役よりも押し順に応じて特殊リプに対応するリプ6またはリプ7が優先的に入賞するようにリール制御が行われる。
なお、RT1〜RT3のいずれにおいても、CB中でリプ6またはリプ7が入賞すると、CB中7リプ入賞時演出が行われる。CB中7リプ入賞時演出においては、演出効果LED52が色彩豊かに点滅するとともに、液晶表示器51の画面上において「大チャンス」の文字画像が表示される。これにより、CB中7リプ入賞時演出が行われることによって、遊技者に、ナビストックを獲得した可能性が非常に高いことを認識させることができる。さらに、非CB中7リプ入賞時演出における文字画像は「チャンス」であるのに対して、CB中7リプ入賞時演出における文字画像は「大チャンス」であるため、CB中7リプ入賞時演出が実行されたときには、非CB中7リプ入賞時演出が実行されたときよりも、遊技者に、よりナビストックの獲得に対して期待させることができる。
ここで、図14は、CB中の入賞について説明するための図である。図14(a)は、CB中においてメダルを14枚払い出すときの入賞態様を示している。また、図14(b)は、CB中においてメダルを15枚払い出すときの入賞態様を示している。
図14に示すように、本実施の形態においては、CB中であるときに入賞ラインLN、無効ラインLM4、およびV字ラインが有効ラインとして有効化される。より具体的には、入賞ラインLN上に入賞図柄が導出されたとき、無効ラインLM4上に入賞図柄が導出されたとき、およびV字ライン上に入賞図柄が導出されたときにメダルの払い出しが行われる。
図14(a)に示すように、CB中の入賞において、メダルが14枚払い出される場合は、入賞ラインLNのみに入賞図柄が導出されるリール制御がされる。CB中のゲームで維持転リプ2とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合において中第1停止されたときには、小役のうち14枚役の入賞図柄が入賞ラインLNに導出されるようになっている。このように、メダルを14枚払い出すときには入賞ラインLNにのみ14枚役の入賞図柄が導出されるようになっている。
また、図14(b)に示すように、CB中の入賞において、15枚のメダルが払い出される場合は、入賞ラインLN、無効ラインLM4、V字ラインのうちのいずれか2以上の有効ラインに小役のうち14枚役とその他の小役が導出されるようになっている。
ここで、本実施の形態においては、1ゲームで払い出されるメダルは15枚が最大である。そのため、図14(b)に示すように、2ラインでの入賞のうち一方の有効ラインで14枚役が導出されてメダルが14枚払い出された場合、他方の有効ラインではいずれの小役が導出されても合計でメダルの払出枚数が15枚以上になるため、実際に払い出されるメダルは最大の15枚となる。
さらに、本実施の形態のCBは、メダルが15枚払い出されることで終了するため、図14(b)に示すように、CB中の最初の払い出しでメダルが15枚払い出される場合はそのゲームを最後にCBが終了してしまう。それに対して、図14(a)に示すようにCB中の最初の払い出しでメダルが14枚払い出される場合は、未だ終了条件の15枚に到達していないため、次のゲームも遊技することができ、その後のゲームでさらに14枚や15枚のメダルが払い出されることにより、結果的に15枚以上のメダルを遊技者が獲得することができる。つまり、CB中においては最初の払い出しで14枚の払い出しが行われるときの方が、最初の払い出しで15枚の払い出しが行われるときよりも遊技者にとって有利であるといえる。
また、図13に示されたCB中の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数は、リプ当選以外の全ての小役が当選していることを除いて、図12で示された非CB中の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数と同じである。つまり、再遊技役の抽選対象役および判定値数は、CB入賞前後で変更されないようになっている。そのため、CB入賞前のRT状態が遊技者にとって有利な状態であれば、CB入賞後においても、遊技者にとって有利な状態を維持したままでCB中のゲームが行われることになる。たとえば、CB入賞前がRT3であれば、CB入賞後においても、RT3と同じ再遊技役の抽選対象役および判定値数を維持したままでCB中のゲームが行われる。
さらに、図13に示すCB中の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、1ゲーム内で14枚のメダルが払い出されるリール制御が行われる抽選対象役(維持転リプ1〜3)は、RT3が最も当選しやすくなっている。そのため、すべての遊技状態の中でRT3のときにCB入賞した場合が、CB内で2回の払い出しを受けられる確率が最も高くなり、遊技者にとって最も有利となる。
ここで、図13に示すCB中の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、RT2においては、メダルの消費を抑えるために、維持転リプ1〜3の当選確率がRT1よりも敢えて高く設定されている。仮に、RT2における維持転リプ1〜3の当選確率を高く上げすぎた場合、RT2における維持転リプ1〜3の当選確率がRT3と同様、もしくはそれ以上に高くなってしまう虞が生じる。この場合、CB中の最初の払い出しで14枚のメダルが払い出される確率もRT2とRT3とが同様、もしくはRT2の方がRT3よりも高くなってしまい、RT2の方がRT3と同様、もしくはそれ以上にCB中における有利度合いが向上してしまうような事態が起こり得る。その結果、RT1からRT3への途中段階で極力メダルを消費させないために、再遊技役への当選確率を高く設定しているにすぎないRT2において、RT3と同様に、CBに制御されたときの有利度合いが高まりすぎてしまう虞が生じる。
しかしながら、本実施の形態においては、図13に示すように、RT2の方がRT3よりも維持転リプ1〜3の当選確率が低く設定されているため、RT2の方がRT3よりもCB中における有利度合いが向上してしまうような事態が起こりにくい。その結果、RT1からRT3に移行するときに経由されるRT2において再遊技役への当選確率を高くしてもRT2における有利度合いが高まりすぎてしまうことがない。
なお、本実施の形態においては、後述するように、AT状態でCB入賞した場合、CB中のゲーム内で維持転リプ1〜3が当選したときには、入賞ラインLNに14枚役の入賞図柄を導出させるための通常ナビ演出が実行されるようになっている。そのため、AT時においては、非AT時に比べて、1ゲーム内で14枚のメダルが払い出される可能性が高く、遊技者にとって有利となる。このように、維持転リプ2または維持転リプ3が当選したゲームでは、RT2とRT3とにおける有利度合いの差が維持転リプ2、3の当選確率に加えてAT中であるか否かによっても依存する。一方、本実施の形態においては左第1停止が推奨手順であることから、維持転リプ1が当選したゲームでは、AT中であるか否かにかかわらずに、RT2とRT3とにおける有利度合いの差が維持転リプ1の当選確率のみに依存する。
また、図11に示す非CB中の抽選対象役、判定値数によると、14枚役はいずれの遊技状態においても判定値数が1である。そのため、非CB中においては、その他の入賞役が14枚役よりも高い確率で入賞が発生可能となる。つまり、非CB中では、14枚役が入賞可能なメインの役ではない。これに対して、図13に示すCB中の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、全ての小役が再遊技役と同時当選し、さらに通常リプや特殊リプが当選する以外は、いずれの抽選対象役が当選しても14枚役が導出される。このため、14枚役がその他の入賞役よりも高い確率で入賞が発生可能となる。つまり、CB中では、14枚役が入賞可能なメインの役となる。
このように、非CB中においては14枚役よりも高い確率でその他の入賞役が発生可能となり、CB中においては当該その他の入賞役よりも高い確率で14枚役が発生可能となる。ここで、本実施の形態においては、14枚役に入賞しても、払い出し以外の特典は付与されないが、14枚役に入賞したときに、何らかの特典(たとえば、ナビストックやプレミア演出の実行など)が付与されるものであってもよい。このようにすると、14枚役が当選して14枚役の図柄組合せが導出されることによって直接的に特典が付与されることに対する期待感を抱かせることができるとともに、14枚役の発生確率が高まることにより14枚役の図柄組合せが導出される確率も高まるCBに制御されることによる遊技者にとっての価値をより一層高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[サブ制御部の演出制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、左第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行う。さらに、サブ制御部91では、AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、実行した通常ナビ演出に従わない停止操作がされた場合にも、所定のペナルティを科す制御を行う。
なお、単なる操作ミスにより左第1停止させることができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左第1停止以外をしていること、あるいは遊技者が意図的に通常ナビ演出に従わない停止操作をしている蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左第1停止以外がされた回数や通常ナビ演出に従わない停止操作をした回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中のゲームにおいて、受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左第1停止させている限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左第1停止させている限り入賞しない入賞役とは、たとえば、RT1中においてはベル1や転落リプが該当し、RT2中においては、ベル1や、維持転リプ1〜3に当選時のリプ1、押し順役3〜6当選時のリプ6などが該当する。
[AT関連処理]
次に、サブ制御部91側において行われる処理のうち、ATに関連する処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、通常ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行う。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(たとえば、ATに制御されてから100ゲーム)、ATに制御され、その間通常ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図15は、AT抽選に用いるAT抽選用テーブルを説明するための図である。AT抽選条件は、RT状態、AT状態、および、当選状況やゲーム進行状況などのその他の条件の組合せにより成立する。サブ制御部91は、成立したAT抽選条件に定められた当選確率に従ってAT当選し、AT当選した場合には振分率に従ってナビストックを付与する。
なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンド、内部当選コマンド、入賞判定コマンドに基づき、制御されているRT状態および当選状況を判定するとともに、AT中にセットされるATフラグに基づきAT中か否かを判定する。
第1AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、弱チェリー、弱一枚、および弱スイカのうちいずれかに当選したときに成立する。第1AT抽選条件が成立したときには、3%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」に決定される。なお、AT抽選は、たとえば乱数などを用いて、設定されている確率あるいは振分率にしたがってランダムに行われる。よって、第1AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.5+2×0.3+3×0.2)×0.03=0.051となる。
第2AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、強チェリー、強一枚、および強スイカのうちいずれかに当選したときに成立する。第2AT抽選条件が成立したときには、10%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、30%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第2AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.3+2×0.3+3×0.2+4×0.1+5×0.1)×0.1=0.24となる。
第3AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、中段チェリーに当選したときに成立する。第3AT抽選条件が成立したときには、30%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、30%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.3+4×0.2+5×0.1)×0.3=0.84となる。
また、第1〜第3AT抽選条件は、各々、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、当選確率および振分率が同じである例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて当選確率および振分率を異ならせてもよい。たとえば、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも高い当選確率でナビ付与抽選を行い、また、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも期待ナビストック数が大きくなるようにナビストック数抽選を行うようにしてもよい。
なお、第1〜第3AT抽選条件は、所定の入賞役に当選することにより成立する例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、第1AT抽選条件は、チェリー2またはチェリー3に入賞することにより成立するようにしてもよい。
第4AT抽選条件は、非AT中であって、RT状態がRT1〜3であるときに、前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したときに成立する。第4AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、付与されるナビストック数が、60%の確率で「1」に、40%の確率で「2」に決定される。よって、第4AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.6+2×0.4)×1.0=1.4となる。
なお、サブ制御部91は、AT中にセットされるATフラグに基づきART終了を特定するとともに、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、ART終了から消化したゲーム数を特定するための終了後ゲーム数を計数し、当該終了後ゲーム数に基づき前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したか否かを特定し、第4AT抽選条件の成否を判定する。
第5AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT1〜3であるときに、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに成立する。第5AT抽選条件が成立したときには、20%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、80%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に決定される。よって、第5AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.8+2×0.2)×0.2=0.24となる。
第6AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT1〜3であるときに、非CB中で特殊リプに当選したときに成立する。第6AT抽選条件が成立したときには、80%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「3」に、30%の確率で「4」に、20%の確率で「5」に決定される。よって、第6AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(3×0.5+4×0.3+5×0.2)×0.8=2.96となる。
なお、第6AT抽選条件の成立に基づきナビストックが付与されたときには、7リプの入賞とともに、非CB中7リプ入賞時演出が実行される。
第7AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT1〜3であるときに、CB中で特殊リプに当選したときに成立する。第6AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「3」に、30%の確率で「4」に、20%の確率で「5」に決定される。よって、第6AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(3×0.5+4×0.3+5×0.2)×1.0=3.7となる。
なお、第7AT抽選条件の成立に基づきナビストックが付与されたときには、7リプの入賞とともに、CB中7リプ入賞時演出が実行される。
このように、メイン制御部41からのコマンドに基づきサブ制御部91によってAT制御のためのナビストックを付与するか否かが決定されて、当該決定に応じてナビストックが付与されるため、遊技者に対して、サブ制御部91の処理に注目させることができる。
以上、AT抽選用テーブルに示すように、RT2とRT3とでは、メダルの払い出しとは異なる特典であるナビストック付与に関する有利度合いが同一である。より具体的には、RT2とRT3とで、AT状態、その他の条件、当選確率、付与ナビストック数の振分率といったAT抽選の条件が同一である。これにより、RT3と同様に、RT2においても優位性を確保することができる。
また、特殊リプが当選したことを条件とする第6AT抽選条件または第7AT抽選条件が成立したときには、維持転リプ1〜3が当選したことを条件とする第5AT抽選条件が成立したときよりも、AT当選によってナビストックが付与される確率が高くなっており、さらに付与されるナビストック数も多くなるように期待ナビストック数が設定されている。そのため、CBであるか否かにかかわらず、特殊リプが当選したときには、維持転リプ1〜3が当選したときよりも遊技者にとって有利となる。
[AT制御処理]
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施の形態においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、たとえば、非AT中でかつRT1中であるときには昇転リプ1〜5のいずれか、押し順役1〜6のいずれか、または特殊リプに当選したときに成立し、非AT中でかつRT2中であるときには、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6のいずれか、または特殊リプに当選したときに成立する。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。
なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1またはRT2においてATフラグからATである旨が特定されたときに、ATへの制御を開始する。これにより、通常ナビ演出が実行される。このため、RT1においては、昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。
また、RT2においては、押し順役1〜6、特殊リプのいずれかに当選したときに通常ナビ演出が実行され、リプ6またはリプ7に入賞する可能性が高くなり、その結果、RT3へ制御されやすくなる。このとき、通常ナビ演出に従わずにストップスイッチを停止操作した遊技者に対してはペナルティが科される。そのため、遊技者にRT2からRT3へと遊技状態を移行制御させるため、通常ナビ演出に従った操作手順での操作を促すことができ、その結果、意図しない遊技の進行をさせないようにすることができる。また、RT2においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに特殊出目停止や転落リプ入賞を回避させ、その結果、RT2への制御を維持させやすくなる。
RT1またはRT2においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、通常ナビ演出が実行可能となる。AT中におけるRT1において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたとき、およびRT1においてリプ6またはリプ7に入賞することによりRT3に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。
RT3に制御されたときには、ナビストック数を1消費(減算)して、所定回数(たとえば100)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。なお、ナビストック数を1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。
一方、リプ6、7のいずれかに入賞した場合であっても、RT1やRT2において非AT中のゲームであった場合には、左リール2L以外のリールを第1停止させた場合であるため、ATに制御させないといったペナルティが科される。このため、RT3に制御されたとしてもATに制御されず通常ナビ演出が実行されないため、当該RT3を維持することが困難となり、特殊出目停止あるいは転落リプ入賞によりRT1に移行されることになる。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、ATに制御されることが確定しているATゲーム数を報知するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、たとえば、ARTに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り10ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する有利演出が実行される。これにより、少なくともナビストック1個に対応してATに制御されている旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、通常ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかに当選したときに特殊出目が停止されやすく、かつ、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに転落リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。
ここで、本実施の形態においては、ATに制御される状態およびATに制御されない状態(非AT)の他に、潜伏時ATにも制御される。潜伏時ATとは、ナビストックが消費されないが、後述するナビ対象役に当選したときに限っては通常ナビ演出が実行される期間である。さらに、潜伏時ATにおいては、有利演出が実行されないようになっているため、遊技者がAT中であることを演出上では認識できないようになっているとともに、再びATに制御されることに対して期待することができる。なお、潜伏時ATである期間を潜伏期間ともいう。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0になれば一旦ATでない旨を示すATフラグに更新する。そして、残りのナビストック数が1以上であれば、先ず潜伏抽選を実行する。潜伏抽選とは、たとえば、乱数抽選によって潜伏時ATに制御するか否かを決定する抽選である。サブ制御部91は、潜伏抽選に当選したときには、潜伏時ATである旨を示す潜伏フラグをRAM91cの所定領域に格納する。これにより、潜伏時ATに制御される。
潜伏時ATは、所定期間(たとえば、32ゲーム)経過するまで制御される。サブ制御部91は、潜伏時ATが終了すると、AT復帰報知を実行するとともに、ナビストックを1消費してATである旨を示すATフラグに更新してATに制御する。AT復帰報知とは、潜伏時ATからATへと復帰する際に行われる報知であり、たとえば、「まだまだー!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、AT残りゲーム数が0になったときにおいて、残りのナビストック数が0である場合には、潜伏抽選を実行せずに非ATに移行される。
なお、本実施の形態においては、潜伏時ATにおいて1回でも通常ナビ演出が実行されたときには、その時点でAT復帰報知が行われる。その理由は、潜伏時ATは、有利演出が実行されないことによって、ナビストックが残っているか否かを遊技者に判別されない状態であり、再びATに制御されることに対して期待をもたせる状態である。それにもかかわらず、通常ナビ演出が実行されることによって、遊技者にまだナビストックが残っていることがばれてしまうからである。この場合でも、AT復帰報知後に、所定期間(たとえば、所定ゲーム数)経過するまでは潜伏時ATに制御され、その後、ナビストックを1消費してATである旨を示すATフラグに更新して、ATに再び制御される。この場合のAT復帰報知としては、「もうすぐATに戻るよ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示されることにより、所定ゲーム数消化すると、ATへ復帰する旨が報知される。
なお、潜伏時ATにおいて1回でも通常ナビ演出が実行されたときには、AT復帰報知が行われるとともにその時点でナビストックを1消費してATに制御するものであってもよい。
一方、サブ制御部91は、潜伏抽選に当選しなかったときには、前回のATが終了した後すぐにAT復帰報知が行われるとともに、ナビストックを1消費してATへの制御を継続させる。
このように、潜伏時ATに制御されることにより、ATが終了して非ATに制御された場合でも、再び、ATに制御されるかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技への興趣を向上させることができる。
以上のように、RT3であるときには、ナビストック数を1消費することにより、所定回数ゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して1ナビストックに対応するATが終了したときであっても、未だナビストック数が1以上であるときにはさらにナビストックを1消費させてARTへの制御が継続される。これにより、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となる。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応する通常ナビ演出を実行する。
[非CB中の通常ナビ演出]
ここで、非CB中において、遊技状態に応じたナビ対象役について図11、図12を用いて説明する。まず、RT1に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、昇格リプを含む昇転リプ1〜5、転落リプを含む維持転リプ1〜3、および7リプを含む押し順役1〜6と特殊リプが定められている。
また、RT2に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、転落リプを含む維持転リプ1〜3、および7リプを含む押し順役1〜6と特殊リプが定められている。
また、RT3に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、転落リプを含む維持転リプ1〜3、および7リプを含む押し順役1〜6と特殊リプが定められている。
さらに、RT1〜3で共通のナビ対象役として、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、CBが定められている。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選したときの通常ナビ演出としては、当選状況に応じてベル1または2を確実に入賞させて特殊出目停止を回避させるための押し順が報知される。たとえば、左ベル1に当選したときの通常ナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベル2に当選したときの通常ナビ演出としては、「中だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときの通常ナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを確実に入賞させるための押し順が報知される。たとえば、昇転リプ3に当選したときの通常ナビ演出としては、「中右左」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、昇転リプ5に当選したときの通常ナビ演出としては、「右中左」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときの通常ナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させるための押し順が報知される。たとえば、維持転リプ1に当選したときの通常ナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、維持転リプ3に当選したときの通常ナビ演出としては、「右だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
中段チェリー、弱チェリー、および強チェリーのいずれかに当選したときの通常ナビ演出としては、たとえば、「チェリーを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、チェリー当選している旨が報知される。
弱スイカ、または強スイカに当選したときの通常ナビ演出としては、たとえば、「スイカを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、スイカ当選している旨が報知される。
CBに当選したときの通常ナビ演出としては、たとえば、「中または右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。つまり、この場合、入賞ラインLNに中段7揃いを導出させるための通常ナビ演出が実行される。なお、この通常ナビ演出は、AT状態であればCBに当選したときに必ず行われるものではなく、後述する非CB中通常ナビ演出実行テーブルBに基づき所定確率で行われる。
押し順役1〜6のいずれかに当選したときには、原則として、7リプを確実に入賞させるための押し順を報知する通常ナビ演出が実行される。たとえば、押し順役3に当選したときの通常ナビ演出としては、「中左右」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順役6に当選したときの通常ナビ演出としては、「右中左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
特殊リプに当選したときには、CB中であるか否かに応じて入賞させる役の種類が異なるように通常ナビ演出が実行される。たとえば、非CB中に特殊リプに当選したときには、リプ6を入賞させるための押し順を報知する通常ナビ演出が実行され、「中だ!!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。また、CB中に特殊リプに当選したときには、リプ7を入賞させるための押し順を報知する通常ナビ演出が実行され、「中だ!!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
このように、非CB中に小役とともに特殊リプに当選したときには、リプ6が入賞して「白7−白7−白7」の組合せが右下がりに導出されることで遊技者にナビストック付与を期待させるのに対し、CB中に小役とともに特殊リプに当選したときには、非CB中には入賞しないリプ7が入賞して「白7−白7−白7」の組合せが右上がりに導出されることで遊技者にナビストック付与を期待させることができる。これにより、CB中においては非CB中とは異なる図柄組み合わせとなる7リプを導出させることで、遊技者に対して、よりナビストック付与を期待させ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT中において、通常ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、特殊出目停止や転落リプ入賞した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了(ナビストックを消去)させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるように通常ナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、通常ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、通常ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
次に、図16〜図19を用いて、サブ制御部91により実行される非CB中通常ナビ演出実行処理について具体的に説明する。図16は、非CB中通常ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。
サブ制御部91は、メイン制御部41からCB以外のナビ対象役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S11)。サブ制御部91は、CB以外のナビ対象役に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S11においてYES)、現在のAT状態を確認した上で、図16の非CB中通常ナビ演出実行テーブルAに基づき通常ナビ演出実行抽選を行う(ステップS12)。なお、このとき、サブ制御部91は、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていなければ非ATである旨を特定し、RAM91cの所定領域にATフラグが格納されていればATである旨を特定し、RAM91cの所定領域に潜伏フラグが格納されていれば潜伏時ATである旨を特定する。
ここで、図17の非CB中通常ナビ演出実行テーブルAについて説明する。なお、非CB中通常ナビ演出実行テーブルAは、RAM91cに格納されている。
非CB中通常ナビ演出実行テーブルAにおいては、AT状態に対応して通常ナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、この非CB中通常ナビ演出実行テーブルAを参照することによって、AT状態に応じて、通常ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
図17に示すように、たとえば、非ATであれば、CB以外のナビ対象役に当選していても通常ナビ演出は実行されないようになっている。
一方、ATまたは潜伏時ATであれば、CB以外のナビ対象役に当選していれば100%の確率で通常ナビ演出が実行されるようになっている。
このように、内部抽選の結果が、押し順によって有利度が異なるナビ対象役に当選した結果となったときには、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、同じ確率で通常ナビ演出が実行される。このため、ATに制御された場合であっても、一旦潜伏時ATに制御された場合であっても、遊技者は、同じ確率でCB以外のナビ対象役に対応する押し順に正解することができる。そのため、ATに制御された場合と一旦潜伏時ATに制御された場合とで、有利度の差を生じにくくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図16に戻り、S11において、サブ制御部91は、当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S11においてNO)、CBに当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S17)。CBに当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S17においてNO)、はずれかナビ対象役以外の役に当選しているため、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、CBに当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S17においてYES)、現在のAT状態およびRT状態を確認した上で、図18の非CB中通常ナビ演出実行テーブルBに基づき通常ナビ演出実行抽選を行う(ステップS18)。
ここで、図18の非CB中通常ナビ演出実行テーブルBについて説明する。なお、非CB中通常ナビ演出実行テーブルBは、RAM91cに格納されている。
非CB中通常ナビ演出実行テーブルBにおいては、AT状態およびRT状態に対応して通常ナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、この非CB中通常ナビ演出実行テーブルBを参照することによって、AT状態およびRT状態に応じて、CB当選時に通常ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
図18に示すように、たとえば、RT状態がRT0であるときには、非ATであれば、CBに当選していても通常ナビ演出は実行されないようになっている。一方、ATまたは潜伏時ATであれば10%の確率で通常ナビ演出が実行されるようになっている。
RT状態がRT1であるときには、非ATであればCBに当選していても通常ナビ演出は実行されないようになっている。一方、ATまたは潜伏時ATであれば20%の確率で通常ナビ演出が実行されるようになっている。
RT状態がRT2であるときには、非ATであればCBに当選していても通常ナビ演出は実行されないようになっている。一方、ATまたは潜伏時ATであれば50%の確率で通常ナビ演出が実行されるようになっている。
RT状態がRT3であるときには、非ATであればCBに当選していても通常ナビ演出は実行されないようになっている。一方、ATまたは潜伏時ATであれば70%の確率で通常ナビ演出が実行されるようになっている。
図16に戻り、サブ制御部91は、S12またはS18で通常ナビ演出実行抽選を行った後、抽選の結果、通常ナビ演出を実行するか否かを判定する(S13)。サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行しないと判定したときには(S13においてNO)、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行すると判定したときには(S13においてYES)、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であるか否かを判定する(S14)。サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であると判定したときには(S14においてYES)、潜伏時ATにおいて初めて通常ナビ演出を実行したことになるため、AT復帰報知が実行される(S15)。その後、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行し(S16)、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
なお、本実施の形態においては、AT復帰報知の後に、通常ナビ演出を実行するようになっているが、通常ナビ演出を実行した後に、AT復帰報知を実行するようにしてもよいし、通常ナビ演出とAT復帰報知とを同時に実行するものであってもよい。
一方、サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施ではないと判定したときには(S14においてNO)、潜伏時ATではないか、あるいは潜伏時ATにおいてすでにAT復帰報知が実行されたことになるため、AT復帰報知をすることなく、通常ナビ演出を実行し(S16)、非CB中通常ナビ演出実行処理を終了する。
ここで、CB当選時の通常ナビ演出について説明する。本実施の形態においては、CB当選時において中第1停止または右第1停止をすることにより入賞ラインLNに中段7揃いを導出させることができ、左第1停止をすることにより入賞ラインLNに非中段7揃いを導出させることができるが、いずれの図柄組合せが導出されたとしても、CB入賞は必ず発生するようになっている。そして、CB入賞の前後でRT状態は変化しないようになっており、AT制御の状態も変化しない。そのため、導出された図柄組合せによって入賞するCBに有利度の違いはない。つまり、CB当選時において中段7揃いが導出されても非中段7揃いが導出されても、結局は、RT状態もAT状態も同じCBに制御される。
なお、本実施の形態のように、所定のRT状態のときにCB入賞するとRT状態が変化せずにCB中のゲームが実行され、その後、CBが終了した後もRT状態は変化しないようなCBを、貫通型のCBともいう。
たとえば、図19は、非CB中のCB当選時の通常ナビ演出について説明するための図である。
図19(a)に示すように、たとえば、RT状態がRT2のときにCB当選したときには、中第1停止または右第1停止することにより中段7揃いが導出され、左第1停止したときには非中段7揃いが導出される。そして、CB入賞前がRT2であれば、いずれの図柄組合せが導出されたとしても、CB入賞後も同じRT2を維持したままでCBが開始される。また、ATや潜伏時ATの有無もCB入賞前後で変わらない。
また、図19(b)に示すように、たとえば、RT状態がRT3のときにCB当選したときには、中第1停止または右第1停止することにより中段7揃いが導出され、左第1停止したときには非中段7揃いが導出される。そして、CB入賞前がRT3であれば、いずれの図柄組合せが導出されたとしても、CB入賞後も同じRT3を維持したままでCBが開始される。また、AT制御の有無もCB入賞前後で変わらない。
さらに、前述したようにCB当選時の通常ナビ演出は、図18の非CB中通常ナビ演出実行テーブルBに基づき抽選で行われるため、たとえば、図19(a)に示すように、RT状態がRT2のときにCB当選したときには、ATまたは潜伏時AT時であれば50%の確率で中段7揃いを導出させる通常ナビ演出が実行され、非AT時であれば通常ナビ演出は実行されない。
また、図19(b)に示すように、RT状態がRT3のときにCB当選したときには、ATまたは潜伏時AT時であれば70%の確率で中段7揃いを導出させる通常ナビ演出が実行され、非AT時であれば通常ナビ演出は実行されない。
なお、本実施の形態においては、ATまたは潜伏時ATであれば、CB中のゲーム内で維持転リプ1〜3に当選したときには、入賞ラインLNに14枚役の入賞図柄を導出させるための通常ナビ演出が実行されるため、ATまたは潜伏時ATでのCBの方が非AT状態でのCBよりも遊技者にとって有利となる。
このように、本実施の形態においては、中段7揃いおよび非中段7揃いのいずれが導出された場合でも同じCBに制御される。つまり、AT状態もRT状態もCB入賞前後で変化しないため、異なる種類の図柄組合せが導出された場合でも同じ有利度のCBに制御される。したがって、導出された図柄組合せの種類に応じて異なる有利度のCBに振り分けて制御させるものと比べてメイン制御部41の処理負担を軽減することができる。
また、RT状態およびAT状態に応じて通常ナビ演出の実行割合が異なるため、通常ナビ演出の実行有無によって、たとえば、RT3のように有利度の高い状態であったり、AT状態のように有利度の高い状態であったりすることによりCB中の最初の払い出しから14枚の払い出しが期待できる。このように、CB当選時における通常ナビ演出の実行有無によって、有利度が高い状態であることに対する期待感を遊技者に享受させることができる。
さらに、AT状態であるときには、押し順を報知する通常ナビ演出がCB当選前後で変わらず実行される。そのため、CB当選前に押し順ベルなどのナビ対象役に当選したときに押し順を報知する通常ナビ演出と同じように、CB当選時においても中段7揃いを導出させるための押し順を報知する通常ナビ演出を実行することによって、遊技者にテンポよく遊技を進めさせることができる。さらに、AT状態のときには、非中段7揃いのような遊技者にとってはあたかも外れたかのように思わせるハズレ目風の出目が導出される可能性が低いため、テンポよくAT状態での遊技を楽しんでいた遊技者の遊技に対する興趣を低下させるようなことがない。
また、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を誤った場合でも、CB当選時には中段7揃いまたは非中段7揃いを導出させることができるため、取りこぼすことなくいずれにしてもCBへ制御させることができる。
また、中段7揃いと非中段7揃いとを区別することなくCB入賞させるための図柄組合せの導出を許容することが決定したとき、つまり、CB当選という一のフラグであっても、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順に応じて中段7揃いを導出させるか、もしくは非中段7揃いを導出させるかを判別することができるため、たとえば、中段7揃いを導出させるための当選フラグおよび非中段7揃いを導出させるための当選フラグを予め準備しておいて、それに基づき導出内容を区別して決定するものに比べて処理を簡略化することができる。
[CB中のナビ演出]
次に、CB中においてサブ制御部91が実行するナビ演出について説明する。本実施の形態において、CB中で実行されるナビ演出として、通常ナビ演出と防止ナビ演出とがある。
ここで、防止ナビ演出について説明する。前述したように、非ATのとき(つまり、通常ナビ演出が実行されないとき)に遊技者が変則押しを実行すると、ペナルティが科される。また、非ATのときにCB入賞した場合には、遊技者はCB入賞図柄が導出されたことを確認することにより、CB入賞したことを認識する。特に、RT3のときにCB入賞した場合には、全ての小役とともに維持転リプ1〜3に当選する確率が高まり、「CB入賞すると全ての小役とともに維持転リプ1〜3が当選する可能性がある」ことを把握している遊技者は、「変則押しすることにより最初の払い出しが14枚払い出しとなる可能性がある」と認識し、率先して変則押しを実行しようとする。ところが、非AT中に変則押しが実行されると、ペナルティが付与されるので、遊技者は不本意な不利益を被ることになる。
そこで、本実施の形態では、非ATでありかつRT3のとき(特定期間)のCB中において、維持転リプ1〜3のいずれかに当選した場合には、防止ナビ演出によって推奨押し順(左第1停止)を報知することで、遊技者に順押しさせるようになっている。具体的には、「左だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。遊技者が当該報知を認識して順押しすることにより、ペナルティが科されることがないようになっている。
このように、CB入賞中においての通常ナビ演出とは、AT中であるときに実行される演出であって、維持転リプ1〜3のいずれかに当選した場合に最初の払い出しで14枚払い出しをさせるための押し順を報知する演出である。たとえば、ART中にCB入賞した場合において、最初の払い出しで全ての小役とともに維持転リプ1〜3のいずれかに当選した場合には、通常ナビ演出として、中第1停止させる押し順を報知する。具体的には、「中だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。なお、通常ナビ演出は、非AT中であっても、低確率で実行するようにしてもよい。
一方、防止ナビ演出とは、CB入賞したときにおいて、非ATでありかつRT3のとき(特定期間)に、維持転リプ1〜3のいずれかに当選した場合に実行される演出であって、順押しをさせるための押し順(推奨押し順)を報知する演出である。たとえば、非ATでありかつRT3のときにCB入賞した場合において、防止ナビ演出として、左第1停止させる押し順を報知する。具体的には、「左だ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
図20は、維持転リプ当選時のCB中ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。サブ制御部91は、CB中ナビ演出実行処理を実行することにより、RT状態およびAT状態に応じて、通常ナビ演出または防止ナビ演出を所定の確率に基づき実行する。
図20に示すように、先ずサブ制御部91は、メイン制御部41から維持転リプ1〜3に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S21)。サブ制御部91は、維持転リプ1〜3に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S21においてNO)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、維持転リプ1〜3に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S21においてYES)、現在のRT状態およびAT状態に応じて、図21のCB中ナビ演出実行テーブルに基づきナビ演出実行抽選を行う(ステップS22)。
ここで、図21のCB中ナビ演出実行テーブルについて説明する。なお、CB中ナビ演出実行テーブルは、RAM91cに格納されている。
CB中ナビ演出実行テーブルにおいては、RT状態、AT状態、および払い出し済みのメダル枚数に対応して通常ナビ演出と防止ナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、このCB中ナビ演出実行テーブルを参照することによって、RT状態、AT状態、および払い出し済みのメダル枚数に応じて、通常ナビ演出と防止ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
たとえば、いずれのRT状態であっても、非ATであれば、通常ナビ演出は実行されないようになっている。
また、ATや潜伏時ATであれば、RT状態に応じて以下のように通常ナビ演出が実行される。たとえば、RT状態がRT0であるときには、払い出し済み枚数が0枚であれば10%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、90%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。
ここで、14枚払い出しのための通常ナビ演出とは、図14(a)で示したように、入賞ラインLNのみに14枚役を入賞させるための押し順を報知する演出である。また、15枚払い出しのための通常ナビ演出とは、図14(b)で示したように、いずれか2以上の有効ラインに小役のうち14枚役とその他の小役を入賞させるための押し順を報知する演出である。
そして、CBの最初の払い出しで14枚払い出しがされてその後のゲームに突入した場合には、100%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、15枚払い出しのための通常ナビ演出は実行されない。
RT状態がRT1であるときには、払い出し済み枚数が0枚であれば30%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、70%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。そして、CBの最初の払い出しで14枚払い出しがされてその後のゲームに突入した場合には、90%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、10%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。
RT状態がRT2であるときには、払い出し済み枚数が0枚であれば50%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、50%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。そして、CBの最初の払い出しで14枚払い出しがされてその後のゲームに突入した場合には、50%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、50%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。
RT状態がRT3であるときには、払い出し済み枚数が0枚であれば100%の確率で14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行され、15枚払い出しのための通常ナビ演出は実行されない。そして、CBの最初の払い出しで14枚払い出しがされてその後のゲームに突入した場合には、14枚払い出しのための通常ナビ演出は実行されず、100%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。
このように、本実施の形態においては、ATや潜伏時ATであれば、CB中のゲーム内で維持転リプ1〜3が当選したときには、所定の確率で入賞ラインLNに14枚役の入賞図柄を導出させるための通常ナビ演出が実行される。そのため、CB中に2回のメダル払い出しを受けることが可能となり、CB終了条件の15枚よりも多くの払い出しが期待できる。
さらに、RT状態に応じて14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される確率が異なっている。より具体的には、RT0やRT1であるときには、RT2やRT3に比べてCBの最初の払い出しから14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される確率が低くなっている。そして、RT2は、RT3よりもCBの最初の払い出しから14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される確率が低くなっている。そのため、RT3でCB入賞したときには、RT2でCB入賞したときよりも、CBの最初の払い出しから14枚のメダルを獲得する確率が高く、2回のメダル払い出しを受けることで、RT2よりも多くのメダル枚数を獲得することができる可能性がある。したがって、RT3においては、遊技者にとって最も有利なCB中のゲームを行うことができる。
このように、RT1からRT3に移行するときに経由されるRT2において、RT3への移行までのメダルの消費を抑えるために、再遊技役当選となる確率をRT1よりも高めたとしても、RT2の方がRT3よりも低い確率で、CBにおいて維持転リプ1〜3のいずれかが当選したときに遊技者にとっての有利度合いを高めることができる通常ナビ演出(つまり、CBの最初の払い出しでの14枚払い出しのための通常ナビ演出)が実行されるようになっている。これにより、RT2の方がRT3よりも高い確率で遊技者にとっての有利度合いを高めることができる通常ナビ演出が実行されてしまうことで、RT2の方がRT3よりもCBにおける有利度合いが向上してしまうような事態が起こりにくい。その結果、RT1からRT3に移行するときに経由されるRT2において再遊技役への当選確率を高くしてもRT2における有利度合いが高まりすぎてしまうことがない。
また、本実施の形態においては、CBの最初の払い出しで14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行されて、次のゲームに突入した場合、RT0では0%、RT1では10%、RT2では50%、RT3では100%の確率で15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。そのため、遊技状態がRT0からRT3へと昇格していくごとにCB中のゲームを通して最大限の払い出しを受けることができ、それぞれの遊技状態における有利度合いを異ならせることができる。なお、通常ナビ演出実行確率は、図21に示す値に限らないが、RT3よりもRT2の方がCB中の有利度合いが高くなるように通常ナビ演出実行確率が設定されている方が好ましい。
また、本実施の形態においては、14枚払い出しのための通常ナビ演出だけではなく、15枚払い出しのための通常ナビ演出も実行される。そのため、CB中に通常ナビ演出が実行されたことで必ずしも14枚払い出しになることがなく、通常ナビ演出が実行されても入賞結果が分かるまで遊技者を楽しませることができる。
さらに、RT3であり、かつ非ATであれば、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、100%の確率で防止ナビ演出が実行される。
図20に戻り、サブ制御部91は、通常ナビ演出実行抽選を行った後、抽選の結果、通常ナビ演出を実行するか否かを判定する(S23)。サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行しないと判定したときには(S23においてNO)、抽選の結果、防止ナビ演出を実行するか否かを判定する(S27)。サブ制御部91は、防止ナビ演出を実行しないと判定したときには(S27においてNO)CB中ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、防止ナビ演出を実行すると判定したときには(S27においてYES)、防止ナビ演出を実行し(S28)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
また、サブ制御部91は、S23において、通常ナビ演出を実行すると判定したときには(S23においてYES)、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であるか否かを判定する(S24)。サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施であると判定したときには(S24でYES)、潜伏時ATにおいて初めて通常ナビ演出を実行したことになるため、AT復帰報知が実行される(S25)。その後、サブ制御部91は、通常ナビ演出を実行し(S26)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
なお、本実施の形態においては、AT復帰報知の後に、通常ナビ演出を実行するようになっているが、通常ナビ演出を実行した後に、AT復帰報知を実行するようにしてもよいし、通常ナビ演出とAT復帰報知とを同時に実行するものであってもよい。
一方、サブ制御部91は、潜伏時ATであり、かつAT復帰報知が未実施ではないと判定したときには(S24でNO)、潜伏時ATではないか、あるいは潜伏時ATにおいてすでにAT復帰報知が実行されたことになるため、AT復帰報知をすることなく、通常ナビ演出を実行し(S26)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
以上のように、本実施の形態においては、CBの最初の払い出しから14枚のメダルの払い出しをすることによって、CB中に2回のメダル払い出しを行わせることができ、その結果、CB中のメダルの払い出し枚数を多くすることができるようになっている。それを実現する手段の一例として、RT3やAT状態であるときには、図13に示すように、CB中に14枚払い出しための維持転リプ1〜3を当選しやすくし、また、図21に示すように、CBの最初の払い出しから14枚払い出しのための通常ナビ演出を実行しやすくしている。そのため、RT3やAT状態であるときには、図19に示すように、非CB中においてCB当選したときに中段7揃いを導出させるための通常ナビ演出を実行しやすくしている。これにより、CB当選時に行われる中段7揃いの通常ナビ演出の実行有無に注目させることでより多くのメダルの払い出しに対する期待感を遊技者に享受させることができる。
[AT時のCB中の払い出しに関するタイミングチャートの一例]
次に、図22を用いて、AT時のCB中の払い出しに関する一例を説明する。図22は、AT時のCB中の払い出しに関するタイミングチャートの一例を説明するための図である。図22(a)および図22(b)の各々には、(A)「CB制御」と、(B)「当選」と、(C)「通常ナビ演出」と、(D)「払い出し」との関係が示されている。
(A)では、CBに制御されている状態を「ON」、CBに制御されていない状態を「OFF」で示す。(B)では、当選のタイミングを「OFF」から「ON」するパルスの立ち上がりで示す。(C)では、通常ナビ演出に実行されている状態を「ON」、通常ナビ演出が実行されていない状態を「OFF」で示す。(D)では、メダルの払い出しのタイミングを「OFF」から「ON」するパルスの立ち上がりで示すとともに、メダルの払出枚数を示す。
なお、図22では、RT3のときにCBが行われた例が示されている。RT3のときにCBが行われると、RT状態が変化せずにCB中のゲームが実行され、その後、CBが終了した後もRT状態は変化しない。RT3においては、通常リプに当選する確率が高まっているため、CB中においても頻繁に通常リプが当選するようになっている。
図22(a)は、RT3において、CBの最初の払い出しが維持転リプ1〜3に基づかない場合のタイミングチャートを示している。
図22(a)の例では、CB1ゲーム目のタイミングt1で、通常リプに当選している。このとき、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、再遊技役であるリプ1が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。
次に、CB2ゲーム目のタイミングt2で、再度、通常リプに当選している。このときも、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することで再遊技役であるリプ1が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。
次に、CB3ゲーム目のタイミングt3で、昇転リプに当選している。このとき、タイミングt4で、15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。その結果、タイミングt5で15枚のメダルが払い出されてCBが終了する。
このように、図22(a)の例では、CB中は3ゲームが行われ、最初のメダル払い出しが維持転リプに基づくものではないため、最初から15枚のメダル払い出しを受けてCBが終了している。そのため、3ゲームで15枚のメダルが払い出されたことになるため、この場合におけるCB中の1ゲームあたりのメダル払出率は5枚となる。
次に、図22(b)は、RT3において、CBの最初の払い出しが維持転リプ1〜3に基づく場合のタイミングチャートを示している。
図22(b)の例では、CB1ゲーム目のタイミングt1で、通常リプに当選している。このとき、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、再遊技役であるリプ1が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。
次に、CB2ゲーム目のタイミングt2で、維持転リプに当選している。このとき、タイミングt3で、14枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。その結果、タイミングt4で14枚のメダルが払い出されて次のゲームに進む。
次に、CB3ゲーム目のタイミングt4で、再度、通常リプに当選している。このときも、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することで再遊技役であるリプ1が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。
次に、CB4ゲーム目のタイミングt5で、特殊リプに当選している。このとき、タイミングt6で、リプ7を入賞させるための通常ナビ演出が実行される。その結果、再遊技役であるリプ7が入賞し、メダルが払い出されることなく次のゲームに進む。なお、このとき、CB中7リプ入賞時演出が行われるため、CB中においても遊技者はナビストックの獲得に対して期待することができる。
次に、CB5ゲーム目のタイミングt7で、昇転リプに当選している。このとき、タイミングt8で、15枚払い出しのための通常ナビ演出が実行される。その結果、タイミングt9で15枚のメダルが払い出されてCBが終了する。
このように、図22(b)の例では、CB中は5ゲームが行われ、最初のメダル払い出しにおいて維持転リプに基づいて14枚のメダル払い出しがされ、その後、15枚のメダルが払い出されてCBが終了している。そのため、5ゲームで29枚のメダルが払い出されたことになるため、この場合におけるCB中の1ゲームあたりのメダル払出率は約6枚となる。
ここで、本実施の形態のように、RT1やRT2よりもRT3の方がCBにおいて2回の払い出しがされる可能性が高い場合、RT1やRT2よりもRT3の方がCB中のメダルの払出率が高まりがちになる。たとえば、仮に、RT3におけるCBで毎ゲーム必ず小役が入賞するものであれば、1ゲーム目で14枚の払い出し、その後、2ゲーム目で15枚の払い出しがされるようになり、メダルの払出枚数がCBの終了条件である15枚に2ゲームという短期間で到達してしまう。この場合、2ゲームで29枚のメダルが払い出されたことになるため、CB中の1ゲームあたりのメダル払出率は約15枚となってしまう。その結果、CB中の1ゲームに対するメダルの払出率が高まりすぎてしまい、遊技者の射幸心を過剰に煽ってしまう虞がある。
しかし、本実施の形態においては、RT3中のCBにおいて小役とともに通常リプが当選しているときには、当選した役のうち、小役よりも再遊技役であるリプ1が優先的に入賞する上に、通常リプの当選確率は、RT1やRT2よりもRT3の方が高くなっている。これにより、RT3中のCBにおいては、小役よりもリプ1が頻繁に入賞することによって、CB中のゲーム数が増加することになる。その結果、図22(b)の例において、CB中の1ゲームに対するメダルの払出率が約6枚であるように、CB中の1ゲームに対するメダルの払出率が高まりすぎることがなく、CB中における遊技者の射幸心を過剰に煽ってしまうことを防止することができる。
さらに、本実施の形態におけるCBは、貫通型のCBであるため、CB入賞前後においてRT状態は変化しない。そのため、RT3においてCBに移行したときには、CB中であっても、非CB中であるときと同様に、通常リプに当選することでリプ1に入賞する可能性が高くなっている。言い換えると、CB中であっても頻繁にリプ1が入賞することになる。これにより、CB中であっても頻繁にリプ1が入賞することで、遊技状態がRT3であることを遊技者に認識させることができ、メダルを消費することなく遊技できる可能性が高いことに対して遊技者に期待させることができる。
また、RT3中のCBにおいて小役とともに維持転リプに当選していたときには、CB中に払い出されたメダルの累積量がCB終了条件である15枚を超えないように14枚払い出しの小役が入賞し、それ以降のCB中のゲームにおいて、小役とともに維持転リプに当選していたときには、CB中に払い出されたメダルの累積量が15枚を超えるように14枚または15枚払い出しの小役が入賞する。このように、RT3中のCBにおいて、小役とともに維持転リプに当選していたときには、優先的に入賞させる小役の種類に基づき払い出されるメダルの枚数を調整することによって、CB中に払い出されるメダルの累積量を大きくすることができる。その結果、RT3中のCBにおいて小役とともに維持転リプに当選したことを利用して、遊技者の利益を大きくすることで、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、CB以外のゲームにおいては、通常リプおよび維持転リプのいずれに当選しても、リプ1が入賞する可能性があり、さらに、通常リプと維持転リプ1とについては、左第1停止する限り同じ再遊技役であるリプ1が入賞する。これにより、CB以外のゲームにおいては、通常リプおよび維持転リプのいずれに当選したかに対して、意識させないで遊技者に遊技させることができる。
また、CBであるか否かにかかわらず、通常リプに当選したときにリプ1またはリプ2が入賞したときには、いずれにしても同じ演出である通常リプ入賞時演出が実行される。これにより、RT3中のCBにおいて通常リプに当選したときにリプ1またはリプ2が優先的に入賞したとしても、遊技者が違和感を感じることなく遊技を実行することができる。
また、CBにおいて小役とともに特殊リプに当選したときには、当選した役のうち、小役よりも押し順に応じて再遊技役であるリプ6またはリプ7が優先的に入賞し、CB以外のゲームにおいて特殊リプに当選したときにも、小役よりも再遊技役であるリプ6が優先的に入賞する。さらに、特殊リプに当選したときには、維持転リプに当選したときよりも高い確率でナビストックが付与される上に、付与されるナビストック数も多くなっている。これにより、CB以外のゲームにおいては、リプ6が入賞して7揃いの出目が導出された上でナビストックが付与されるのに対して、CBにおいては、リプ6が入賞せずにその他の出目が導出されてナビストックが付与されてしまう事態が生じない。つまり、本実施の形態においては、非CB中ではリプ6が入賞して7揃いの出目が導出され、CB中でもリプ6またはリプ7が入賞して7揃いの出目が導出される。その結果、遊技者が何を契機としてナビストックが付与されたのかを認識することができず、せっかくナビストックを付与しても遊技者の興趣が低下してしまうといった事態が生じることを防止することができる。
さらに、CBにおいて、小役とともに特殊リプに当選したときには、CB以外のゲームで特殊リプに当選したときには入賞しないリプ7に入賞することが可能である。つまり、本実施の形態においては、CBにおいてはリプ6が入賞することで「白7−白7−白7」の組合せが右下がりに揃う出目が導出されるのに対して、CBにおいてはリプ7が入賞することで「白7−白7−白7」の組合せが右上がりに揃う特別な出目が導出される。このように、CBのときにのみリプ7が入賞することになり、リプ7の入賞出目が導出されたときには、特別な出目が導出されたと遊技者に思わせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、CBであるか否かにかかわらず、内部抽選において特殊リプに当選したときには、所定期間に亘ってフリーズ状態に制御するとともに、当該フリーズ状態において7リプ入賞となる旨を煽る特殊リプ当選時演出が行われる。このように、特殊リプに当選したときには、CBであるときと非CBであるときとで同じ特殊リプ当選時演出が実行されるため、CBであるか否かにかかわらず、当該演出によって、遊技者にナビストック獲得に対して期待させることができる。
また、非CB中に特殊リプに当選し、ナビストックが付与されて7リプ(リプ6)に入賞したときには、非CB中7リプ入賞時演出が実行されるのに対し、CB中に特殊リプに当選し、ナビストックが付与されて7リプ(リプ6またはリプ7)に入賞したときには、CB中7リプ入賞時演出が実行される。このように、特殊リプに当選してナビストックが付与された場合には、CBであるときとCB以外のときとで異なる演出が実行されるため、CBであるか否かにかかわらず同じくナビストックが付与される場合でも、CBであるか否かに応じた異なる演出によって異なる期待感を遊技者にもたせることができる。
[防止ナビ演出に関するタイミングチャートの一例]
次に、図23を用いて、防止ナビ演出に関するタイミングチャートの一例について説明する。図23は、防止ナビ演出に関するタイミングチャートの一例を説明するための図である。図23には、(A)「AT」と、(B)「RT3」と、(C)「RT1」と、(D)「CB」と、(E)「防止ナビ演出」との関係が示されている。
(A)では、ATに制御されている状態を「ON」、ATに制御されていない状態を「OFF」で示す。(B)では、RT3に制御されている状態を「ON」、RT3に制御されていない状態を「OFF」で示す。(C)では、RT1に制御されている状態を「ON」、RT1に制御されていない状態を「OFF」で示す。(D)では、CBに制御されている状態を「ON」、CBに制御されていない状態を「OFF」で示す。(E)では、防止ナビ演出に実行されている状態を「ON」、防止ナビ演出が実行されていない状態を「OFF」で示す。なお、非ATでありかつRT3である期間を特定期間と示し、RT3からRT1に転落して当該RT1に維持されている期間を転落期間と示している。
ART中のタイミングt1でAT終了条件を満たすと、非ATに制御される。この場合、通常ナビ演出が実行されなくなることから、RT3のときに特殊出目が導出されたり、転落リプが入賞することにより、RT1に転落する。これにより、タイミングt1から特定期間に移行する。
特定期間におけるタイミングt2からt3の間でCBが実行された場合には、その間、防止ナビ演出の実行期間となる。これにより、CB入賞した旨を把握した遊技者に対して、変則押しさせることを防止することで、遊技者にとって意図せぬペナルティが付与されてしまうことを防止することができる。
さらに、特定期間であっても転落期間であっても通常演出が実行されることから、演出内容からは、遊技者に対して特定期間であるか転落期間であるかを把握させないようにすることができる。そのため、ATが終了した後のRT状態を遊技者に把握させないようにすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、転落期間であっても防止ナビ演出を実行するようにしてもよい。
[変形例について]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[特別遊技について]
本実施の形態においては、特別遊技の一例として、CBを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の遊技であってもよい。たとえば、特別遊技は、1ゲーム遊技されたことを条件として終了するとともに、当該1ゲームにおいては小役の当選確率が向上するシングルボーナス(SB)であってもよい。また、特別遊技は、所定の終了条件(たとえば、所定枚数の払い出しや所定回数の入賞)が成立するまで遊技者にとって有利な状態に制御されるビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB) であってもよい。また、特別遊技は、入賞が発生しやすくなる状態となるミニゲームであってもよい。
本実施の形態におけるCBは、15枚のメダル払い出しで終了するものであることを例示した。しかしながら、これに限らず、たとえば30枚や45枚など、所定枚数のメダル払い出しで終了するものであってもよい。
本実施の形態では、「前記付与入賞の発生を許容可能となる確率が所定確率よりも高まった特別遊技」の一例として、付与入賞の発生を許容可能となる確率が100%であるCBを示したが、「所定確率よりも高い確率」としては、必ずしも100%である必要はない。たとえば、特別遊技を上記のビッグボーナスとしたときには、通常遊技状態(たとえば、RT1)におけるビッグボーナスの発生前の小役当選確率よりも高い確率が「所定確率よりも高い確率」に該当する。つまり、特別遊技は、付与入賞(小役入賞)の当選確率が、所定条件の成立(たとえば、ビッグボーナスなどの特別遊技役の入賞)を契機とし所定条件の成立前よりも高まった遊技のことである。
[通常リプと維持転リプとの関係について]
本実施の形態においては、図13に示すように、CB中に全ての小役と通常リプとが同時当選したときには、常に再遊技役であるリプ1が入賞するのに対し、CB中に全ての小役と維持転リプとが同時当選したときには、常に小役が入賞するものであった。しかしながら、これに限らない。
CB中に全ての小役と通常リプとが同時当選したときには、小役が1/3の確率で入賞して再遊技役であるリプ1が2/3の確率で入賞するものであってもよい。たとえば、図13においては、CB中に全ての小役と通常リプとが同時当選したときには、いずれの押し順であっても、再遊技役であるリプ1が入賞するものであったが、左第1停止のときに小役が入賞し、中第1停止または右第1停止のときに再遊技役であるリプ1が入賞するものであってもよい。また、これに対して、CB中に全ての小役と維持転リプとが同時当選したときには、維持転リプに対応する再遊技役が1/3の確率で入賞して小役が2/3の確率で入賞するものであってもよい。たとえば、図13においては、CB中に全ての小役と維持転リプとが同時当選したときには、いずれの押し順であっても、小役が入賞するものであったが、左第1停止のときに維持転リプに対応する再遊技役が入賞し、中第1停止または右第1停止のときに小役が入賞するものであってもよい。
[維持転リプと特殊リプとの関係について]
本実施の形態においては、AT抽選によってナビストックが付与される役として維持転リプを例示し、さらに、維持転リプよりも高い確率でナビストックが付与される上に付与されるナビストック数も多くなる役として特殊リプを例示した。しかし、維持転リプや特殊リプに限らず、その他のものであってもよい。
たとえば、維持転リプや特殊リプとは異なる再遊技役を用いてもよいし、再遊技役でなくてもよい。再遊技役でない場合としては、シングルボーナス(SB)の役であってもよいし、ビッグボーナス(BB)の役やレギュラーボーナス(RB)の役であってもよい。
さらに、維持転リプや特殊リプのように、内部抽選によって入賞の発生が許容されている結果に限らず、内部抽選によって入賞の発生が許容されていない結果(すなわち、ハズレ結果)であってもよい。たとえば、入賞ライン上にチェリー図柄が1つ並ぶハズレ結果を弱ハズレ、入賞ライン上にチェリー図柄が2つ並ぶハズレ結果を強ハズレとする実施例であれば、維持転リプを弱ハズレに置き換え、特殊リプを強ハズレに置き換えることができる。つまり、内部抽選の結果で強ハズレとなったときには、弱ハズレとなったときよりも高い確率でナビストックが付与される上に付与されるナビストック数が多くなる。また、CB中に全ての小役と弱ハズレとが内部抽選で決定されているときには、弱ハズレに対応する表示結果よりも、小役を入賞させる表示結果が優先的に導出され、CB中に全ての小役と強ハズレとが内部抽選で決定されているときには、小役を入賞させる表示結果よりも、強ハズレに対応する表示結果が優先的に導出されるものになる。
また、本実施の形態においては、図13に示すように、CB中に全ての小役と維持転リプとが同時当選したときには、常に小役が入賞するのに対し、CB中に全ての小役と特殊リプとが同時当選したときには、常に特殊リプに対応するリプ6やリプ7が入賞するものであった。しかしながら、これに限らない。
CB中に全ての小役と維持転リプとが同時当選したときには、維持転リプに対応する再遊技役が1/3の確率で入賞して小役が2/3の確率で入賞するものであってもよい。たとえば、図13においては、CB中に全ての小役と維持転リプとが同時当選したときには、いずれの押し順であっても、小役が入賞するものであったが、左第1停止のときに維持転リプに対応する再遊技役が入賞し、中第1停止または右第1停止のときに小役が入賞するものであってもよい。また、これに対して、CB中に全ての小役と特殊リプとが同時当選したときには、小役が1/3の確率で入賞して特殊リプに対応するリプ6やリプ7が2/3の確率で入賞するものであってもよい。たとえば、図13においては、CB中に全ての小役と特殊リプとが同時当選したときには、押し順に応じてリプ6またはリプ7が入賞するものであったが、左第1停止のときに小役が入賞し、中第1停止または右第1停止のときにリプ6またはリプ7が入賞するものであってもよい。
[CB中におけるリプ1、リプ6、およびリプ7の入賞について]
本実施の形態においては、CB中に限って、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は75ms(ミリ秒)に設定されているめ、最大で1コマの図柄しか引き込むことができなかった。そのため、CB中において通常リプに当選したときでも、遊技者のストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によっては、リプ1を構成する図柄を引き込めない場合がある。また、同様に、CB中において特殊リプに当選したときでも、遊技者のストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によっては、リプ6やリプ7を構成する図柄を引き込めない場合がある。よって、このような場合においては、他の再遊技役を入賞させることができれば、当該他の再遊技役を構成する図柄を引き込んで停止させてもよいし、他の再遊技役を構成する図柄も引き込めないときは、小役を構成する図柄を引き込んで停止させてもよい。
[通常リプの当選確率について]
本実施の形態においては、通常リプの当選確率が、RT1では770/65536であるのに対して、RT3では32764/65536に設定されていた。このように、通常リプの当選確率は、RT1よりもRT3の方が高くなることで、CB中のRT3においても頻繁に通常リプに対応する再遊技役であるリプ1が入賞するものとなっていた。しかしながら、これに限らない。
たとえば、通常リプは、RT1では当選しないのに対して(すなわち、当選確率0%)、RT3では当選するものであってもよい。
[演出の内容について]
本実施の形態においては、サブ制御部91が実行する、通常リプ入賞時演出、特殊リプ当選時演出、非CB中7リプ入賞時演出、およびCB中7リプ入賞時演出などの演出内容について説明したが、これらの演出内容はその他のものであってもよい。なお、非CB中7リプ入賞時演出とCB中7リプ入賞時演出とは異なる演出である方が好ましい。
[特殊リプ当選時の入賞結果について]
本実施の形態においては、非CB中に特殊リプに当選したときには、押し順に応じて、リプ6を入賞させ、CB中に特殊リプに当選したときには、リプ6またはリプ7を入賞させるものであった。これにより、CB中であるか否かにかかわらず、7揃い出目となる7リプ(リプ6、リプ7)が入賞することで、遊技者が何を契機としてナビストックが付与されたのかを認識することができず、せっかくナビストックを付与しても遊技者の興趣が低下してしまうといった事態が生じることを防止するようになっていた。
しかし、非CB中に特殊リプに当選したときには、リプ6を常に入賞させるのに対し、CB中に特殊リプに当選したときには、リプ7を常に入賞させるものであってもよい。この場合でも、CB中であるか否かにかかわらず、7揃い出目となる7リプが入賞することになる。
[通常リプまたは維持転リプ当選時の所定操作について]
本実施の形態においては、通常リプと維持転リプ1とについては、CB以外のゲームにおいて当選したときに、左第1停止する限り同じ再遊技役であるリプ1が入賞するものであった。しかしながら、これに限らず、中第1停止や右第1停止でもリプ1が入賞するものであってもよい。
[防止ナビ演出の変形例について]
(1) 本実施の形態においては、防止ナビ演出として、推奨押し順を報知するものであるとして説明したが、防止ナビ演出が報知する情報としては、これに限られるものではない。以下に、第1変形例の防止ナビ演出について説明する。第1変形例の防止ナビ演出を実行するスロットマシンとしては、図3に示した図柄配列や入賞役などが本実施の形態のスロットマシンと異なり、以下のような図柄配列や小役を備えるスロットマシンを例示する。また、当該スロットマシンのCB時の入賞役については、図7と同様である。当該スロットマシンは、特定役を備え、当該特定役が当選した場合において、推奨押し順でストップスイッチを操作したときの方が、推奨押し順以外の押し順でストップスイッチを操作したときよりも高確率で、当該特定役が入賞する。そして、第1変形例の防止ナビ演出が報知する情報は、当該特定役が当選した旨を特定できる情報である。これにより、遊技者は、特定役が当選したことを把握することにより、推奨押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより、変則押しさせることを防止することができる。
当該スロットマシンの具体例について説明する。当該スロットマシンの図柄配列や入賞役については上述したものではなく以下のものであるとする。特定役としては、複数種類の小役が設定されている。具体的に、特定役は、「チェリー−チェリー−any」が入賞図柄の組合せとなるチェリー役、「スイカ−スイカ−any」が入賞図柄の組合せとなるスイカ役、「ベル−ベル−any」が入賞図柄の組合せとなるベル役である。そして、チェリー役、スイカ役、およびベル役のいずれかに入賞したときには、メダルが所定数払い出される。
そして、当該変形例でのリールの図柄配列として、左リール2Lは、チェリー図柄、スイカ図柄、およびベル図柄のすべてが5コマ以内に配置されている箇所が存在するように、複数の図柄が配列されている。一方、中リール2Cは、チェリー図柄、スイカ図柄、およびベル図柄各々がすべて5コマ以上離れて配置されているように、複数の図柄が配列されている。このため、チェリー役、スイカ役、およびベル役のいずれに当選しているか特定することができない場合でも、左リールのチェリー図柄、スイカ図柄、およびベル図柄のすべてが5コマ以内に配置されている箇所の最初の図柄を狙って第1停止させることにより、当選している役を構成する図柄を入賞ライン上に停止させることができ、これにより当選している役の種類を特定することが可能となる。一方、中リールを第1停止させた場合には、チェリー図柄、スイカ図柄、およびベル図柄のすべてを入賞ライン上に引き込み可能なタイミングがないため、当選している役の種類を特定することができない。なお、右リール2Rの図柄配列については、如何なるものでもよい。
このような前提のスロットマシンにおいて、AT中であるか否かにかかわらず、チェリー役、スイカ役、およびベル役のうちいずれかに当選したときに、「チェリー、スイカ、ベルのうちいずれかが当選しているかも!」といったメッセージを表示する。当該メッセージは、特定役(チェリー役、スイカ役、ベル役のいずれか)に当選している可能性がある旨を示す情報である。これにより、左リールを特定タイミングで第1停止させることにより当選している役の種類を特定可能となることを理解している遊技者については、左リール2Lを特定タイミングで第1停止させることができる。
また、CBに制御されているゲームの場合について説明する。上述のように、CBに制御されている場合には、全ての小役が同時当選するのであるが、この例では、チェリー役、スイカ役、ベル役を含む全ての小役が同時当選する。この場合の、当該変形例の防止ナビ演出として、「チェリー、スイカ、ベルのうちいずれかが当選しているかも!」といったメッセージを表示する。当該メッセージを認識した遊技者は、左リール2Lにチェリー図柄、スイカ図柄、ベル図柄のうちいずれかを導出させるために、左リールを特定タイミングで第1停止させることができる。このように、当該メッセージの報知により、遊技者に対して、左第1停止(つまり、順押し)を促すことができる。なお、CB中においては、チェリー役、スイカ役、ベル役を含む小役のうち、いずれに入賞した場合でも、メダルの払出枚数は15枚である。
(2) また、以下に示す構成を有するスロットマシンでもよい。当該スロットマシンは、特定役(小役)として、「チェリ−any−any」が入賞図柄の組合せとなる単チェリー役を備えている。通常においては単チェリー当選を報知すると、単チェリー入賞が確定となる左リール2Lを遊技者が第1停止させる可能性が極めて高い。そして、CBに制御されているゲームにおいては、単チェリー役を含む全ての小役が同時当選する。また、左リール2Lの図柄配列については、特定タイミングでストップスイッチ8Lを操作することにより、チェリー図柄を導出することができる、とする。この場合には、当該変形例の防止ナビ演出として、「単チェリー!」といったメッセージを表示する。当該メッセージを認識した遊技者は、左リール2Lにチェリー図柄を導出させるために、左第1停止を実行する。したがって、当該メッセージの報知により、遊技者に対して、左第1停止(つまり、順押し)を促すことができる。
また、当該(1)または(2)の説明では、遊技者が、左第1停止することにより、必ず、当選役を入賞させることができる例について説明したが、これに限られるものではない。たとえば、左第1停止させた場合の方が、中第1停止または右第1停止させるときよりも高い確率で、特定役を入賞させる構成のスロットマシンにおいて、当該変形例の防止ナビ演出として、当該特定役が当選したことを報知するようにしてもよい。
(3) また、以下に示す構成を有するスロットマシンでもよい。当該スロットマシンの小役、図柄組合せは以下のようになる。
左チェリー役・・・チェリーa−チェリーa−any
中チェリー役・・・チェリーb−チェリーb−any
右チェリー役・・・any−チェリーc−チェリーc
左スイカ役・・・スイカa−スイカa−any
中スイカ役・・・スイカb−スイカb−any
右スイカ役・・・any−スイカc−スイカc
そして、当該(3)のスロットマシンは以下のようなリール配列がなされている。左第1停止した場合には、チェリーaまたはスイカaが引き込み可能であるが中第1停止した場合には、チェリーaまたはスイカaを引込可能な共通の停止操作タイミングが存在しない。また、中第1停止した場合には、チェリーbまたはスイカbが引き込み可能であるが、左第1停止した場合には、チェリーbまたはスイカbを引込可能な共通の停止操作タイミングが存在しない。また、右第1停止した場合には、チェリーcまたはスイカcが引き込み可能であるが、中第1停止した場合には、チェリーcまたはスイカcを引込可能な共通の停止操作タイミングが存在しない。
また、当該(3)のスロットマシンにおいて、当該(3)の防止ナビ演出が報知する押し順が、推奨押し順であるか変則押し順であるかにかかわらず、当該押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したとしてもペナルティは付与されないとする。
そして、このようなリール配列がなされている場合において、特定期間中にCB入賞して、かつ、たとえば、通常リプ2が当選した場合には、当該変形例の防止演出として、「右チェリーか右スイカだ!」などのメッセージを報知をする。当該報知を認識した遊技者は、反射的に右第1停止を実行することから、不本意なペナルティが付与されることを防止できる。また、特定期間中にCB入賞して、かつ、通常リプ3が当選した場合には、当該変形例の防止演出として、「左チェリーだ!か右スイカだ!」などのメッセージを報知する。当該報知を認識した遊技者は、反射的に左第1停止を実行することから、不本意なペナルティが付与されることを防止できる。このように、防止演出は、ペナルティを回避しかつ有利な表示結果を導出させる特定操作手順と異なる操作手順を報知する演出であれば、左第1停止させるための情報を報知する演出に限るものではない。
また、上記(1)〜(3)において、当該特定役が当選した旨を特定できる情報については、「チェリーorスイカorベル!」や「チェリー!」といったメッセージに限られず、たとえば、チェリーなどを想起させるキャラクターであってもよい。また、スピーカ53、54から「チェリーorスイカorベル!」や「チェリー!」の音声を出力するようにしてもよい。
(4) 防止ナビ演出で報知する情報は、本実施の形態では推奨押し順を特定できる情報であり、当該変形例の(1)(2)では推奨押し順で操作することにより高い確率で入賞させることができる入賞役が当選している旨を特定できる情報であるとして説明した。しかし、防止ナビ演出で報知する情報はこれに限られるものではない。たとえば、CB入賞した場合には、第2変形例の防止ナビ演出として、たとえば、「変則押しするとペナルティ!!」といった警告的なメッセージを液晶表示器51に表示することにより、遊技者に変則押しさせず、結果として順押しさせるようにする。また、「変則押しすればペナルティが与えられる」旨を報知できれば、どのような態様の演出であってもよい。
(5) また、以下のスロットマシンであってもよい。当該(5)のスロットマシンにおいて、当該(3)の防止ナビ演出が報知する押し順が、推奨押し順であるか変則押し順であるかにかかわらず、当該押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したとしてもペナルティは付与されないとする。また、CB中に当選した第1当選役に対応する特定押し順および推奨押し順以外の押し順を「特別押し順」という。たとえば、CB中に通常リプ2に当選した場合には、特定押し順は「中第1停止」となり、推奨押し順は「左第1停止」となることから、特別押し順は「右第1停止」となる。
このような構成のスロットマシンにおいて、特定期間中にCB入賞した場合には、特別押し順を報知するようにしてもよい。このようにすることで、14枚払い出し役を入賞させないことができる。上述のように、当該特定期間とは、通常演出が実行されている期間でもあるが、14枚払い出し役を入賞させないことで、AT中(有利演出が実行されている期間)と有利度の差を設けることができ、有利の興趣を向上させることができる。
(6) また、本実施の形態において、防止ナビ演出で報知する情報は、推奨押し順であるとして説明したが、これに限られるものではなく、防止ナビ演出で報知する情報は、推奨押し順を特定できる情報であればどのような情報であってもよい。たとえば、液晶表示器51に所定のキャラクターを表示させることにより推奨押し順を報知するようにしてもよい。また、推奨押し順は、液晶表示器51で報知するのではなく、他の手段(たとえば、演出効果LED52や、リールLED55やスピーカ53、54)で報知するようにしてもよい。
[CB中の有利度を変化させる当選役について]
本実施の形態においては、CB中に2回の払い出しをさせてメダルの付与に関する有利度合いを高くする当選役として、維持転リプを用いていた。しかしながら、これに限らず、たとえば通常リプや昇転リプなど、その他の役当選であってもよい。
また、昇格リプや転落リプなど遊技状態の遷移に関係する入賞が発生しない役であってもよい。これにより、CB中において、RT3よりもRT2の方が有利度合いを低くするために、最初の払い出しから14枚のメダルを取ることが可能な役の当選確率を低く設定しても、遊技状態の移行確率などに影響を与えることがなく遊技状態ごとのメダル払出率などにも影響を与えることがない。したがって、より簡単な設計でRT2の方がRT3よりもCB中における有利度合いが向上してしまうような事態を防ぐことができる。
なお、昇格リプや転落リプなど遊技状態の遷移に関係する入賞が発生する役である場合でも、最初の払い出しから14枚のメダルを取ることが可能な役の当選確率を低く設定することなく、図21で示したように、CB中において、RT3よりもRT2の方が通常ナビ演出実行確率を低くするだけで、遊技状態の移行確率などに影響を与えることがなく遊技状態ごとのメダル払出率などにも影響を与えることがない。したがって、CB中の通常ナビ演出実行確率を調整するだけで、メダル払出率などを考慮することなく、より簡単な設計でRT2の方がRT3よりもCB中における有利度合いが向上してしまうような事態を防ぐことができる。
[特典について]
本実施の形態においては、遊技者が得られる特典の一例として、ナビストックを例示した。しかしながら、これに限らず、たとえば、プレミア演出や遊技に使用可能な遊技ポイントなど、遊技用価値とは異なる特典であれば、いずれの特典であってもよい。
[CB入賞時の表示結果について]
本実施の形態においては、CB入賞時の表示結果の一例として、中段7揃いの図柄組合せと、非中段7揃いの図柄組合せとを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の表示結果を用いてもよい。たとえば、左下から右上に揃える右上7揃いの図柄組合せであってもよい。また、7揃いに限らず、リプレイやチェリーなど、その他の図柄を用いてもよいし、本実施の形態にはない図柄(たとえば、キャラクタが表示された図柄)を用いてもよい。
[通常ナビ演出の実行確率について]
本実施の形態においては、図17、図18、および図21のテーブルに格納された通常ナビ演出の実行確率を例示した。しかしながら、これに限らず、通常ナビ演出の実行確率はその他の値を用いてもよい。たとえば、本実施の形態においては、非ATのときには一切通常ナビ演出が行われないように通常ナビ演出の実行確率が0%の設定されていたが、これに限らず、非ATであっても所定確率に基づき通常ナビ演出が実行される場合があってもよい。なお、AT状態に制御されていたり、有利なRT状態に制御されていたりする方が、より通常ナビ演出が実行されるように確率設定される方が好ましいが、これに限らず、非AT状態のようにAT状態よりも遊技者にとって不利な状態の方が通常ナビ演出が実行されやすくなっていたり、RT1のようにRT3よりも不利な状態の方が通常ナビ演出が実行されやすくなっていてもよい。さらに、AT状態およびRT状態の双方に基づいて通常ナビ演出の実行確率が設定されるものに限らず、いずれか一方に基づいて通常ナビ演出の実行確率が設定されるものであってもよい。
[遊技状態の遷移について]
本実施の形態においては、昇格リプ(リプ4)が導出されたときにRT1からRT2に制御され、右下7リプ(リプ6)または右上7リプ(リプ7)が導出されたときにRT2からRT3に制御されることを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の図柄組合せが導出されたときにRT2やRT3に制御されるものであってもよい。この場合、特に、現在のRT状態がRT2やRT3であることを遊技者が把握しにくい図柄組合せである方が、現在のRT状態が有利であることに対してCB当選時に行われる通常ナビ演出の実行有無によってより期待感を与えることができるため好ましい。
また、遊技状態の遷移は、図10に示したものに限らない。たとえば、RT1からRT3へは直接移行できずに、RT2を必ず経由しなければならないものであってもよい。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均などの意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン、2L、2C、2R リール、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L、8C、8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、51 液晶表示器、56 演出用スイッチ、90 演出制御基板、91 サブ制御部。

Claims (1)

  1. 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、当該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
    前記可変表示装置に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
    前記遊技用価値の付与を伴う付与入賞と、前記遊技用価値を用いることなく次のゲームを行うことが可能な再遊技入賞とを含む複数種類の入賞のうち、発生が許容された入賞の表示結果を前記可変表示装置に導出させる制御を行う導出制御手段とを備え、
    前記付与入賞には、前記所定数の賭数を設定するときに用いられる前記遊技用価値よりも大きい前記遊技用価値の付与を伴う入賞が含まれ、
    前記事前決定手段による前記再遊技入賞の発生を許容する旨の決定結果には、第1再遊技決定結果と、第2再遊技決定結果とが含まれ、
    前記スロットマシンは、
    前記付与入賞の発生を許容可能となる確率が所定確率よりも高まった特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
    所定遊技状態と、当該所定遊技状態よりも前記特別遊技中における前記遊技用価値の付与に関する有利度合いが高い有利遊技状態とに制御可能な遊技状態制御手段とをさらに備え、
    前記導出制御手段は、
    前記有利遊技状態中の前記特別遊技において前記付与入賞の発生が許容されているとともに前記第1再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されているときには、前記付与入賞を発生可能な全ての表示結果のいずれも導出しない一方で、前記再遊技入賞を発生可能な表示結果を導出し、
    前記有利遊技状態中の前記特別遊技において前記付与入賞の発生が許容されているとともに前記第2再遊技決定結果に基づいて前記再遊技入賞の発生が許容されているときには、前記再遊技入賞を発生可能な表示結果を導出しない一方で、前記付与入賞を発生可能な表示結果を導出し、
    前記事前決定手段の決定結果が前記第1再遊技決定結果となる確率は、前記所定遊技状態よりも前記有利遊技状態の方が高い、スロットマシン。
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