本発明に係る遊技機について以下に説明する。図1は、本実施の形態におけるスロットマシン1の正面図である。また、図2は、スロットマシン1の内部構造図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「白7a」(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)、「白7b」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「白7c」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)、「スイカa」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「スイカb」(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号2の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「白7b」、「白7c」は、ともに、「白7a」の図柄をベースとする点で共通しており、「白7b」は左上隅に縦方向に線が追加されている点、および「白7c」は底辺に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「白7a」〜「白7c」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめて白7ともいう。「スイカb」は、「スイカa」の図柄をベースとする点で共通しており、上部に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「スイカa」および「スイカb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてスイカともいう。「ベルb」は、「ベルa」の図柄をベースとする点で共通しており、舌の球の部分の色が黒い点で異なっている。このため、「ベルa」および「ベルb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてベルともいう。「リプb」は、「リプa」の図柄をベースとする点で共通しており、REPLAYの文字に下線が追加されている点で異なっている。このため、「リプa」および「リプb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてリプともいう。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1cの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長の長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20を備えたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
有効ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが有効ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の有効ラインのみを適用しているが、複数の有効ラインを適用してもよい。
また、本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに特定の図柄の組合せ(たとえば、ベルa−ベルa−ベルa)が揃うことで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
すべてのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
また、有効ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、図10を用いて後述するように、リプ4〜6が入賞、あるいは、特殊出目が停止すると、リプレイ確率が異なるRT0〜RT3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのみリールを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)に設定されている。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインLN上に表示させることができる。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインとが一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士がすべて接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、およびリールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、および設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、およびリールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、およびリセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するメイン制御部のROMに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。
リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPUの動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施の形態では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるROMには、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。たとえば、ROMには、メイン制御部41のCPUが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROMには、CPUが遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAMには、スロットマシン1におけるゲームの進行度を制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。RAMとしては、たとえばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。メイン制御部41のCPUには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。たとえば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPUがROMから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPUにおける1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。ここで、メイン制御部41からサブ制御部91へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(メイン制御部41からサブ制御部91への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。メイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、メイン制御部41とサブ制御部91とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、CTCに含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとに後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限らず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成される。演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタをメイン制御部41のRAMのスタックに退避し、RAMにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAMのすべての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAMに格納する処理を行うようになっている。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAMのすべての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAMの初期化について説明する。メイン制御部41のRAMの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうちいずれに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAMのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる種類の初期化を行う。
[ゲーム処理]
図5は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(S1)、内部抽選処理(S2)、リール回転処理(S3)、入賞判定処理(S4)、払出処理(S5)、ゲーム終了時処理(S6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
S1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数(たとえば3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、すべてのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された有効ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
S2のステップにおける内部抽選処理では、S1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAMに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、すべてのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。
内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、メイン制御部41のRAMに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態であるか否かに応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、RTを特定するためのRTフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値、および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
図5に戻り、S3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、すべてのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。
なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データからすべてのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開してすべてのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)のすべてが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を有効ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が有効ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、有効ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、たとえば、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施の形態のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行う。サブ制御部91側において、AT中ではない、つまり非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させるようにするためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。また、本実施の形態においては、AT中のゲームにおいて、後述するナビ演出によって報知された操作手順に従わなかったときにも、遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。
所定のペナルティについて、本実施の形態においては、一定期間(たとえば、50ゲームなど)に亘ってATに制御されなくなるペナルティが科される。なお、所定のペナルティとしては、その他、たとえば、後述するAT抽選における当選確率を低確率に変更すること、あるいは、AT抽選を行わないことなど、遊技者にとって不利となる制御を行うものであってもよい。なお、非AT中において左第1停止をしなかったときにペナルティが生じるものに限らず、たとえば、左第1停止をしたときにペナルティが生じるものであってもよい。
ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。
図5に戻り、S4のステップにおける入賞判定処理では、S3のステップにおいてすべてのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。S4においては、遊技状態の移行を伴う表示結果が停止されたときに、RTフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
S5のステップにおける払出処理では、S4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払い出などの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払い出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をメイン制御部41のRAMに設定する。
S6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
[コマンドについて]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、有効ラインに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RTの種類など)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、サブ制御部91に送信される。
[入賞役、特殊出目]
本実施の形態のスロットマシン1においては、いずれかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴う移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
図6〜図8は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図9は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される特殊出目を説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
先ず、図10(a)を参照しながら、本実施の形態におけるスロットマシン1が制御する遊技状態の遷移について説明する。本実施の形態においては、RT0(準備遊技状態)、RT1(通常遊技状態)、RT2(途中遊技状態)、およびRT3(有利遊技状態)のいずれかに制御されながら遊技が進行する。
RT0は、設定変更状態の後に移行制御される遊技状態であり、後述する特殊出目が導出されることによりRT1に遊技状態が移行する。
RT1は、RT0から移行可能な遊技状態であり、通常、遊技者が最も多くの時間を費やす可能性がある遊技状態である。RT1では、後述するリプ4に入賞することでRT2に遊技状態が移行する。また、RT1では、後述するリプ6に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。
RT2は、RT1から移行可能な遊技状態であり、RT1よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。RT2では、リプ6に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。このように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態を移行するために経由される途中の遊技状態でもある。また、RT2では、特殊出目の導出または後述するリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。
RT3は、RT1またはRT2から移行可能な遊技状態であり、RT1およびRT2よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。そのため、RT3は、遊技者にとって、最もメダルを消費することなく遊技できる点で有利な遊技状態となる。RT3では、特殊出目の導出またはリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。
入賞役のうち再遊技役には、図6および図7に示すリプ1〜6、および7リプ1、2といった8種類の再遊技役が含まれる。
本実施の形態における図柄組合せの説明における「/」は、“または”という意味を示し、「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。よって、たとえば、リプ1の組合せである「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」とは、図6に示すように、「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプa−リプa−スイカa」、「リプa−リプa−スイカb」、「リプa−リプb−リプa」、「リプa−リプb−リプb」、「リプa−リプb−スイカa」、「リプa−リプb−スイカb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、「リプb−リプa−スイカa」、「リプb−リプa−スイカb」、「リプb−リプb−リプa」、「リプb−リプb−リプb」、「リプb−リプb−スイカa」、および「リプb−リプb−スイカb」という、16種類の図柄の組合せを意味する。
このように、リプ1は、有効ラインに「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。なお、リプ1は、有効ラインにリプaまたはリプbの図柄が少なくとも左リール2Lおよび中リール2Cに停止することにより入賞となるため、中段通常リプともいう。
リプ2は、有効ラインに「白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c−リプa/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ3は、有効ラインに「白7a/白7b/白7c−リプa/リプb−白7a/白7b/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ4は、有効ラインに「ベルa/ベルb−リプa/リプb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。図10に示されるように、RT1においてリプ4に入賞した後は、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2に制御される。このため、リプ4を昇格リプともいう。
リプ5は、有効ラインに「リプa/リプb−リプa/リプb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。図10に示されるように、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2やRT3においてリプ5に入賞した後は、RT1に制御される。このため、リプ5を転落リプともいう。なお、RT1でリプ5に入賞したときには、遊技状態がRT1で維持される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lについては、ベルaの1つ下の位置にリプaが配置され、右リール2Rについては、ベルaの1つ上の位置にリプaが配置されている。そのため、リプ4の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「リプa−リプa−リプa」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。一方、リプ5(転落リプ)が入賞した場合は、リプ4が入賞したときのようにいずれのラインにおいても同一形態の図柄が揃うことがない。
たとえば、図10(b)は、RT2からRT1への移行の契機となるリプ5(転落リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。
図10(b)では、左リール2Lの領域番号7〜9が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、有効ライン上には「リプa−リプa−ベルa」の転落リプの図柄組合せが停止されている。
これに対して、図10(c)は、RT1からRT2への移行の契機となるリプ4(昇格リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。図10(c)では、左リール2Lの領域番号8〜10が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、有効ライン上には「ベルa−リプa−ベルa」の昇格リプ入賞の図柄組合せが停止されている。また、昇格リプ入賞時には無効ラインLM4上において「リプa−リプa−リプa」の図柄組合せが揃って停止されている。これにより昇格リプ入賞を遊技者が認識しやすくすることができる。また、昇格リプは、遊技者にとって有利なRT2への制御契機となる入賞役である。その結果、RT2へ制御されたことを遊技者が認識し易くすることができる。
図7に戻り、リプ6は、有効ラインに「ベルb/チェリー/スイカa−白7a/白7b/白7c−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルb/チェリー/スイカa各々の1つ上の位置に白7が配置され、右リール2Rのベルaの1つ下の位置に白7が配置され、中リール2Cは白7であるため、リプ6の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。そのため、リプ6が入賞すると、右下がりに7揃いの出目が導出されるため、遊技者は容易に遊技状態がRT3に移行することを認識することができる。
7リプ1は、有効ラインに「リプa/リプb−白7a/白7b/白7c−リプa/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプa/リプb各々の1つ下の位置に白7が配置され、右リール2Rのリプa/スイカa/スイカbの1つ上の位置に白7が配置され、中リール2Cは白7であるため、7リプ1の図柄組合せが有効ラインに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。このため、7リプ1は、右上7リプともいう。
7リプ2は、有効ラインに「白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。このように、7リプ2が入賞すると。「白7−白7−白7」の組合せが、有効ラインに揃うこととなる。このため、7リプ2は、中段7リプともいう。なお、右上7リプおよび中段7リプをまとめて7リプということもある。
また、遊技状態の種類にかかわらず7リプ1または7リプ2の入賞が許容される後述のチャンスリプ1〜6のいずれかに当選すると、AT抽選が行われる。このAT抽選においては、100%の確率でATに制御するためのATゲーム数が付与される。つまり、チャンスリプ1〜6のいずれかに当選すると、ATへの制御が確定(AT確定ともいう)する。このため、7リプ1または7リプ2が入賞して「白7−白7−白7」の組合せが導出されると、遊技者がAT確定したことを認識することができるようになっている。
リプ1〜6、および7リプ1、2を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてリプ1〜6、および7リプ1、2のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ(リプが複数当選しているときにはいずれかのリプ)を入賞させることができる役といえる。後述するように、複数のリプに当選しているときには、操作手順に応じたリプが入賞するようにリール制御が行われる。
リプ1〜6、および7リプ1、2のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
次に、図8を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ベル1、2、押し順ベル1〜8、チェリー1〜3、スイカ1〜4、および1枚1、2が含まれる。
ベル1は、有効ラインに「ベルa/ベルb−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル1は、有効ラインにおいて「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、中段ベルともいう。
ベル2は、有効ラインに「リプa/リプb−ベルa−リプa/リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル2は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下ベルともいう。
ベル1およびベル2を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてベル1またはベル2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているベル1またはベル2を入賞させることができる。
押し順ベル1は、有効ラインに「リプa−白7a/白7c−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル2は、有効ラインに「リプa−白7a/白7c−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル3は、有効ラインに「リプa−白7b−白7a/白7a」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル4は、有効ラインに「リプa−白7b−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル5は、有効ラインに「リプb−白7a/白7c−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル6は、有効ラインに「リプb−白7a/白7c−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル7は、有効ラインに「リプb−白7b−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル8は、有効ラインに「リプb−白7b−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル1〜8は、各々、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段ベルともいう。
押し順ベル1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において押し順ベル1〜8のいずれかに当選していても、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している押し順ベルに入賞することはない。ベル1、ベル2、および押し順ベル1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルが15枚払い出される。
チェリー1は、有効ラインに「チェリー−白7a/白7b/白7c/ベルa−リプa/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。チェリー1は、左リール2Lのチェリーが有効ライン上に位置することにより入賞するため、中段チェリーともいう。
チェリー2は、有効ラインに「白7c/スイカb−リプa/リプb−ベルa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
チェリー3は、有効ラインに「白7c/スイカb−ベルa/チェリー−any」の組合せが揃ったときに入賞となる。
チェリー2およびチェリー3は、各々、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、左リール2Lの「チェリー」が上段または下段に停止することにより入賞となるため、角チェリーともいう。
チェリー1〜3各々を構成する図柄のうち左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてチェリー1〜3のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが2枚払い出される。
スイカ1は、有効ラインに「ベルa−リプb−リプb/チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ1は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段スイカともいう。
スイカ2は、有効ラインに「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ2は、有効ライン上に「スイカ−スイカ−スイカ」が停止することによって入賞となるため、中段スイカともいう。
スイカ3は、有効ラインに「ベルa−スイカa/スイカb−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ3は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下スイカともいう。
スイカ4は、有効ラインに「白7a/チェリー−スイカa/スイカb−リプb/チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ4は、有効ラインにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM4において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右上スイカともいう。
スイカ1〜4各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてスイカ1〜4のいずれかに当選していても、スイカ1〜4のうち当選しているスイカの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。スイカ1〜4のいずれかに入賞したときには、メダルが6枚払い出される。
1枚1は、有効ラインに「白7b−スイカb−チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。
1枚2は、有効ラインに「白7b−スイカb−スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
1枚1および1枚2各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において1枚1または1枚2に当選していても、1枚1および1枚2のうち当選している1枚の入賞役に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している1枚の入賞役に入賞することはない。1枚1または1枚2に入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
次に、図9を用いて特殊出目を説明する。特殊出目は、小役のうち押し順ベル1〜8に当選(後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選)しているゲームにおいて、当選している入賞役のうちいずれをも発生させることができない場合(取りこぼす場合)において、有効ラインに停止する特定のはずれの図柄組合せである。
特殊出目は、図9に示すように、右ベルこぼし目、中ベルこぼし目、および、左ベルこぼし目を含む。右ベルこぼし目は、有効ラインに「リプa/リプb−白7a/白7b/白7c−ベルa」が停止された図柄組合せをいう。中ベルこぼし目は、有効ラインに「リプa/リプb−ベルa−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組合せをいう。左ベルこぼし目は、有効ラインに「ベルa/ベルb−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組合せをいう。
右ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する右ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、中ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する中ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、左ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する左ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。
また、図10に示されるように、RT0、RT2、およびRT3において、いずれの入賞も発生することなく、特殊出目が停止した後は、RT1に制御される。
[抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図11、図12を参照して、内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図11、図12においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
たとえば、内部抽選において、抽選対象役のうち共通ベルが読み出されたときには、共通ベルに対応する入賞役であるベル2についての当否抽選が行われ、左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるベル2、押し順ベル1、および押し順ベル4すべてについての当否抽選が行われる。以下、同様に、左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選において読み出されたときには、当該読み出された抽選対象役に対応する入賞役の組合せ欄に示されている入賞役あるいは入賞役の組合せについて抽選される。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。なお、内部抽選において、いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
遊技状態がRT0であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、および通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT0〜RT3のいずれの遊技状態においても、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、および強スイカについては、抽選対象役に定められており、遊技状態にかかわらず共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役に当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役に当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の判定値数を比較すると、中ベル1〜4、右ベル1〜4よりも左ベル1〜4の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカの判定値数を比較すると、それぞれ、「弱」が付された抽選対象役(弱チェリー、弱一枚、弱スイカ)よりも「強」が付された抽選対象役(強チェリー、強一枚、強スイカ)の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、中段チェリーと、弱チェリーおよび強チェリーとの判定値数を比較すると、中段チェリーが最も小さく、当選確率が最も低くなるように設定されている。
後述するように、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカに当選したときにAT抽選が行われ、「弱」が付された抽選対象役当選時よりも「強」が付された抽選対象役当選時の方が高い確率でAT当選し、「強」が付された抽選対象役当選時よりも中段チェリー当選時の方が高い確率でAT当選する。これにより、「弱」が付された抽選対象役よりも「強」が付された抽選対象役に当選すること、および、「強」が付された抽選対象役よりも中段チェリーに当選することに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。
次に、通常リプ、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、チャンスリプ1〜6、および特別リプ1〜3の判定値数を、遊技状態ごとに比較する。いずれかの再遊技役に当選する確率は、RT3が最も高く、続いて、RT2、RT1の順となっており、RT0が最も低くなるように、判定値数が設定されている。
また、RT1における昇転リプ1〜5の判定値数を比較すると、昇転リプ2〜5よりも昇転リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、昇格リプであるリプ4に入賞し難くなっている。また、RT1におけるチャンスリプ1〜6の判定値数を比較すると、チャンスリプ1およびチャンスリプ4がその他のチャンスリプよりも小さく、当選確率が低くなるように設定されている。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、AT確定を認識することができる7リプ1または7リプ2に入賞し難くなっている。また、RT1における特別リプ1〜3の判定値数を比較すると、特別リプ1がその他の特別リプよりも小さく、当選確率が低くなるように設定されている。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、リプ6に入賞し難くなっている。
また、RT2における維持転リプ1〜3の判定値数を比較すると、維持転リプ2、3よりも維持転リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、転落リプであるリプ5の入賞を回避し難くなっている。一方、RT2におけるチャンスリプ1〜6、特別リプ1〜3の判定値数は、各々同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている。
また、RT3における維持転リプ1〜3の判定値数を比較すると、維持転リプ2、3よりも維持転リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。このため、左リール2Lを第1停止させる限り、転落リプであるリプ5の入賞を回避し難くなっている。一方、RT3におけるチャンスリプ1〜6、特別リプ1〜3の判定値数は、各々同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている。
ここで、RT1〜3において読み出されるそれぞれの再遊技役の判定値数を合算した結果を比較する。
RT1とRT2とで、合算判定値数を比較すると、RT2の方がRT1よりも大きく、高い確率で再遊技役に当選するようになっている。これは、図10に示すように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態が移行するために経由される途中の遊技状態でもあり、RT1からRT2に遊技状態が移行した遊技者に対して、その後、RT3に遊技状態が移行するまでのRT2での期間において極力メダルを消費させないようにするためである。
また、RT3の合算判定値数は、RT1およびRT2における合算判定値数よりも大きく、最も高い確率で再遊技役に当選するようになっている。これにより、RT3は、メダルの消費を最小限に抑えながら遊技できる点で、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。したがって、RT1、RT2に対するRT3の優位性を確保することができる。
また、本実施の形態においては、非AT中に左第1停止以外の停止操作をするとペナルティが課されるため、遊技者は非AT中に左第1停止をする傾向にあるが、左第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇転リプ1は、中第1停止や右第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇転リプ2〜5よりも判定値数が低く、当選しにくくなっている。そのため、非AT中に遊技者が左第1停止をする限りは、RT2に移行しにくくなっている。
また、上記のような状況で仮に運よくRT1からRT2に移行できたとしても、最も有利度合いの高いRT3へは、さらにRT2においてリプ6を入賞させなくてはならない。また、左第1停止によって、RT1からRT3へ直接移行するためには、特別リプ1といった当選確率の非常に低い役に当選する必要がある。いずれにしても、非AT中におけるRT1からRT3への移行は簡単ではない。そのため、RT1からRT3へ移行する際に経由するRT2においては、再遊技役の合算判定値数をRT1よりも高く設定して極力メダルを消費させないようにすることで、遊技者の負担を軽減し、遊技の興趣を低下させないようになっている。
また、RT2からRT3へは、RT2における特別リプ1〜3の当選確率をRT1よりも高く設定していることで、RT1からRT2への移行よりも、非AT中において移行しやすくなっている。これにより、非AT中に運よくRT1からRT2へ移行した遊技者に対して、なかなかRT3へ移行しないことに対する不満を感じさせることを極力防止し、遊技の興趣を低下させないようになっている。
次に、図11、図12の右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて、ベル1あるいはベル2を有効ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうち押し順ベル1または押し順ベル4を引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、押し順ベル1および押し順ベル4を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、押し順ベル1または押し順ベル4のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベル1または押し順ベル4に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2〜4のいずれかが当選しているゲームにおいても同様に、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル2〜4のいずれかが当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルを引込可能範囲で有効ライン上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、押し順ベルを構成する図柄は、いずれも、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選している押し順ベルに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベルに入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
また、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選しているときも同様である。すなわち、中ベル1〜4のいずれかに当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、中リール2C以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で有効ラインに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを有効ラインに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち中ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
また、右ベル1〜4のいずれかが当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、右リール2R以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で有効ラインに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを有効ラインに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち右ベルこぼし目を有効ラインに揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行われ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、中ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、右ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施の形態では、左ベルが当選したか、中ベルが当選したか、右ベルが当選したかによって、ベル1あるいは2を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、中ベルや右ベルよりも、左ベルの当選確率は低くなるように設定されている。また、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左リール2Lを第1停止させなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、特に中ベルや右ベルに当選したときに、ベルを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で特殊出目が停止されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止しなくてもペナルティが科されないため、左ベル、中ベル、および右ベルに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、ベルを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
中段チェリーに当選しているゲームにおいては、入賞時に左リール2Lのチェリーが有効ライン上にしか停止されないようにリール制御が行われる。一方、弱チェリーあるいは強チェリーに当選しているゲームにおいては、入賞時に左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止されるようにリール制御が行われる。これにより、左リール2Lのチェリーが中段に停止してチェリー入賞が発生したときには中段チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができ、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止してチェリー入賞が発生したときには、中段チェリーではなく弱チェリーあるいは強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
また、強チェリーに当選しているゲームにおいてのみ、左リール2Lのチェリーが停止された無効ライン上において、中リール2Cおよび右リール2R各々のチェリーを停止させて、「チェリー−チェリー−チェリー」を停止させるリール制御が行われ得る。これにより、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止し、かつ当該チェリーが停止された無効ライン上に「チェリー−チェリー−チェリー」が停止されたときには、弱チェリーではなく強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
弱一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目と異なる予め定められた弱チャンス目(たとえば、有効ラインに「白7b−スイカb−チェリー」など)を停止させるリール制御を行う。また、強一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目とも弱チャンス目とも異なる予め定められた強チャンス目(たとえば、有効ラインに「白7b−スイカb−スイカb」など)を停止させるリール制御を行う。チャンス目は、弱一枚や強一枚を取りこぼしたときだけでなく、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカなどを取りこぼしたときにも停止し得るように、リール制御が行われる。
弱スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ1よりもスイカ3または4を優先して有効ラインに引き込み、右下スイカあるいは右上スイカを停止させ、スイカ3および4を引き込むことができない場合には、スイカ1も引き込むことができない場合であるため、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
強スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ3、4よりもスイカ1または2を優先して有効ラインに引き込み、上段または中段にスイカを停止させ、スイカ1または2を引き込むことができない場合にはスイカ3、4を引き込み、スイカ3、4をも引き込むことができない場合には、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
また、通常リプに当選しているゲームにおいては、操作手順にかかわらず、リプ1の図柄組合せを有効ラインに引き込み、中段にリプを停止させるリール制御を行う。
また、昇転リプ1〜5のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、昇格リプであるリプ4を入賞させる制御が行われる。
昇転リプ1に当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、転落リプであるリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ2に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合には、リプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ3に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ4に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ5に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
RT1において転落リプであるリプ5に入賞した場合には、RT1が維持されるため、遊技状態が移行されるか否かの観点においてはリプ1が入賞した場合と同じとなる。このように、昇転リプ1〜5のいずれに当選したかによって、昇格リプであるリプ4を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、昇転リプ2〜5よりも、昇転リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。一方、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、昇転リプ1に当選したときにはRT2に制御され得るが、昇転リプ2〜5に当選したときには実質的に昇格リプを入賞させることができず、RT2へ制御させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止しなくてもペナルティが科されないため、昇転リプに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、確実にRT2へ制御させることができる。
また、維持転リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、通常リプであるリプ1を入賞させる制御か、転落リプであるリプ5を入賞させる制御が行われる。
維持転リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
このように、維持転リプ1〜3のいずれに当選したかによって、通常リプであるリプ1および転落リプであるリプ5を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、RT2においては、維持転リプ2および維持転リプ3よりも、維持転リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。一方、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、維持転リプ1に当選したときには転落リプ入賞を回避させ得るが、維持転リプ2または3に当選したときには実質的に転落リプ入賞を回避させることができず、非AT中においてRT2へ制御されていたとしても、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止しなくてもペナルティが科されないため、維持転リプに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、転落リプ入賞を確実に回避させることができ、RT2への制御を維持させることができる。
また、チャンスリプ1〜6のうちいずれかに当選している場合には、当該チャンスリプ1〜6に対応した停止操作順に応じて、7リプである7リプ1または7リプ2を入賞させる制御か、遊技状態の移行を伴わないリプ1〜3のいずれかを入賞させる制御が行われる。
チャンスリプ1が当選しているゲームにおいて、左中右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ2が当選しているゲームにおいて、中左右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ3が当選しているゲームにおいて、右左中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ1の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ4が当選しているゲームにおいて、左右中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ2の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ5が当選しているゲームにおいて、中右左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ2の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
チャンスリプ6が当選しているゲームにおいて、右中左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうち7リプ2の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
このように、チャンスリプ1〜6のいずれに当選したかによって、7リプを入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、チャンスリプ1またはチャンスリプ4に当選したときには7リプを入賞させ得るが、それ以外のチャンスリプに当選したときには実質的に7リプを入賞させることができず、AT確定していることを遊技者が認識することは難しくなる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止しなくてもペナルティが科されないため、チャンスリプ1〜6に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、7リプを確実に入賞させることができ、AT確定していることを遊技者に認識させることができる。
また、特別リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、当該特別リプ1〜3に対応した停止操作順に応じて、特別リプであるリプ6を入賞させる制御か、遊技状態の移行を伴わないリプ1〜3のいずれかを入賞させる制御が行われる。
特別リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ6の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
特別リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ6の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
特別リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ6の図柄組合せを有効ラインに揃えて停止させるリール制御を行い、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
このように、特別リプ1〜3のいずれに当選したかによって、特別リプであるリプ6を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されているため、非AT中のときには、特別リプ1に当選したときにはリプ6を入賞させ得るが、それ以外の特別リプに当選したときには実質的にリプ6を入賞させることができず、RT3に遊技状態を移行させることが難しくなる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止しなくてもペナルティが科されないため、特別リプ1〜3に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、リプ6を確実に入賞させることができ、RT3に遊技状態を移行させることができる。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払い出しや遊技状態移行を行う。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
[ゲームの流れ]
ここで、図10を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、図10に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、高い確率でベルおよび押し順ベルを取りこぼして、有効ラインに特殊出目が停止され、いつまでも特殊出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3において非AT中のときに、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左リール2Lを第1停止させるように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、リプ4やリプ6に入賞することにより、RT2やRT3に移行される。リプ4やリプ6に入賞するためには、図12で示したように、昇転リプ1〜5のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作するか、あるいは特別リプ1〜3に当選しかつ特別リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、左リール2Lが第1停止されたときに昇格リプ入賞させる昇転リプ1の当選確率は、その他の昇転リプ2〜5の当選確率よりも低くなるように設定されている。また、左リール2Lが第1停止されたときに特別リプ入賞させる特別リプ1の当選確率は、その他の特別リプ2、3の当選確率よりも低くなるように設定されている。よって、左リール2Lを第1停止させる限り、RT2やRT3に移行される可能性は低い。
また、RT1において左リール2Lを第1停止させながら、運よくリプ4に入賞し、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、押し順ベルのうち、左リール2Lを第1停止させた場合にベル入賞となる左ベル1〜4の当選確率がその他の中ベル1〜4や右ベル1〜4の当選確率よりも極めて低くなるように設定されており高い確率で特殊出目が停止される。また、維持転リプ1〜3のうち、左リール2Lが第1停止されたときにリプ1を停止させる維持転リプ1の当選確率は、その他の維持転リプ2および3の当選確率よりも低くなるように設定されており高い確率でリプ1を入賞させることができず転落リプが入賞する。このため、本実施の形態のスロットマシン1において、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、昇転リプ1〜5、および特別リプ1〜3のいずれかに当選したときに、リプ4やリプ6を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ4入賞によりRT2に移行させ、リプ6入賞によりRT3に移行させることができる。
また、RT2では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT2を維持させることができる。
さらに、RT2では、特別リプ1〜3のいずれかに当選したときに、リプ6を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ6入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT3を維持させることができる。
また、少なくともRT1〜3では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカなど、所定の操作手順で停止操作しなければ入賞させることができない抽選対象役に当選したときに、当該抽選対象役に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、小役の取りこぼしを防止して、メダルを確実に獲得することができる。また、特殊出目が停止されることを回避して、現在制御されている遊技状態への制御を維持することができる。
さらに、本実施の形態においては、RT1〜3では、チャンスリプ1〜6のいずれかに当選したときに、7リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。これにより、AT中においては、極力7リプを入賞させることで、AT確定を遊技者に知らせることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
[サブ制御部の演出制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
また、サブ制御部91では、非AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、左リール2Lが第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行う。さらに、サブ制御部91では、AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、実行したナビ演出に従わない停止操作がされた場合にも、所定のペナルティを科す制御を行う。
なお、単なる操作ミスにより左リール2Lを第1停止させることができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左リール2L以外のリールを第1停止させていること、あるいは遊技者が意図的にナビ演出に従わない停止操作をしている蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左リール2L以外のリールが第1停止された回数やナビ演出に従わない停止操作をした回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中のゲームにおいて、受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役とは、たとえば、RT1中においてはベル1や転落リプが該当し、RT2中においては、ベル1や、維持転リプ2または維持転リプ3に当選時のリプ1などが該当する。
[AT関連処理]
次に、サブ制御部91側において行われる処理のうち、ATに関連する処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行う。
サブ制御部91は、AT関連処理に含まれるATゲーム数決定処理を実行することにより、ATに制御可能な有利量となるATゲーム数を決定するためのAT抽選を行う。
[ATゲーム数決定処理]
図13は、サブ制御部91が実行するATゲーム数決定処理の制御内容を示すフローチャートである。
サブ制御部91は、AT抽選役に対応する内部当選コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(S11)。AT抽選役とは、AT抽選を行う契機となる当選役であり、本実施の形態の場合は、チャンスリプ1〜6、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、および強スイカがこれに該当する。サブ制御部91は、AT抽選役に対応する内部当選コマンドをメイン制御部41から受信していないと判定したときには(S11でN)、ATゲーム数決定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、AT抽選役に対応する内部当選コマンドをメイン制御部41から受信したと判定したときには(S11でY)、当選したAT抽選役に応じてAT抽選を実行して、ATゲーム数を決定する(S12)。
図14は、AT抽選に用いるAT抽選テーブルを説明するための図である。AT抽選において、サブ制御部91は、まず、当選したAT抽選役に応じて、ATゲーム数を付与するか否かの抽選を行う。その抽選で当選したときには、サブ制御部91は、ATゲーム数の振分率に基づいて、付与するATゲーム数を決定する。
チャンスリプ1〜3のいずれかに当選したときにATゲーム数が付与される確率は、100%に設定されている。また、付与決定されるATゲーム数は、80%の確率で30ゲームに、20%の確率で50ゲームになるように振分率が設定されている。なお、付与決定されるATゲーム数が100ゲームとなる確率は0%に設定されている。
チャンスリプ4〜6のいずれかに当選したときにATゲーム数が付与される確率は、100%に設定されている。また、付与決定されるATゲーム数は、80%の確率で50ゲームに、20%の確率で100ゲームになるように振分率が設定されている。なお、付与決定されるATゲーム数が30ゲームとなる確率は0%に設定されている。
このように、チャンスリプ1〜6のいずれに当選したときでも、100%の確率でATゲーム数が付与決定されてAT確定となる。よって、チャンスリプ1〜6のいずれかに当選したときには、最小でも30ゲーム以上のATゲーム数が付与されることになり、7リプ1(右上7リプ)または7リプ2(中段7リプ)が入賞したときには、その7揃いの結果を見た遊技者が最低分である30ゲーム以上のAT確定を認識することができる。
ここで、チャンスリプ1〜3のいずれかに当選したときには、付与決定される最低分のゲーム数である30ゲームに当選し得るが、チャンスリプ4〜6のいずれかに当選したときには、30ゲームには決定されずに、それよりも大きいゲーム数である50ゲーム以上のATゲーム数が決定される。よって、遊技者は、チャンスリプ1〜3のいずれかに当選して7リプ1(右上7リプ)に入賞したときには30ゲーム以上のATゲーム数が付与決定されたことを認識し、チャンスリプ4〜6のいずれかに当選して7リプ2(中段7リプ)に入賞したときには30ゲームよりも大きい50ゲーム以上のATゲーム数が付与決定されたことを認識することができるようになっている。
このように、内部抽選による当選結果がチャンスリプ1〜3であるか、あるいはチャンスリプ4〜6のいずれであるかによって、付与されるATゲーム数が最低分の30ゲームに決定される可能性があるか否かを予測することができる。たとえば、左リール2Lが停止したときに下段に「7」が導出すると、当選結果が、チャンスリプ4〜6はあり得ず、チャンスリプ1〜3の当選によってATゲーム数が30ゲームに決定される可能性があることを予測することができる。これにより、内部抽選の当選結果に対して遊技者の関心を集めて、遊技の興趣を向上させることができる。
中段チェリーに当選したときにATゲーム数が付与される確率は、80%に設定されている。また、付与決定されるATゲーム数は、90%の確率で50ゲームに、10%の確率で100ゲームになるように振分率が設定されている。なお、付与決定されるATゲーム数が30ゲームとなる確率は0%に設定されている。
弱チェリーに当選したときにATゲーム数が付与される確率は、20%に設定されている。また、付与決定されるATゲーム数は、100%の確率で30ゲームになるように振分率が設定されている。なお、付与決定されるATゲーム数が50ゲームまたは100ゲームとなる確率は0%に設定されている。
強チェリーに当選したときにATゲーム数が付与される確率は、50%に設定されている。また、付与決定されるATゲーム数は、100%の確率で50ゲームになるように振分率が設定されている。なお、付与決定されるATゲーム数が30ゲームまたは100ゲームとなる確率は0%に設定されている。
弱スイカに当選したときにATゲーム数が付与される確率は、20%に設定されている。また、付与決定されるATゲーム数は、100%の確率で30ゲームになるように振分率が設定されている。なお、付与決定されるATゲーム数が50ゲームまたは100ゲームとなる確率は0%に設定されている。
強スイカに当選したときにATゲーム数が付与される確率は、50%に設定されている。また、付与決定されるATゲーム数は、100%の確率で50ゲームになるように振分率が設定されている。なお、付与決定されるATゲーム数が30ゲームまたは100ゲームとなる確率は0%に設定されている。
このように、中段チェリーは、その他のチェリー役やスイカ役と比較して、当選確率が高く設定され、さらに、ATゲーム数の付与率も大きいゲーム数が付与決定されやすくなるように設定されている。また、強チェリーや強スイカは、弱チェリーや弱スイカと比較して、当選確率が高く設定され、さらに、ATゲーム数の振分率も大きいゲーム数が付与決定されやすくなるように設定されている。このように、当選確率が低いAT抽選役ほど、付与決定されるATゲーム数の期待値が大きくなるように、当選確率およびATゲーム数の振分率が設定されている。
図13に戻り、サブ制御部91は、AT抽選において付与するATゲーム数を決定した後(S12)、現在がAT中であり、かつ当選したAT抽選役がチャンスリプ1〜6のいずれかであるか否かを判定する(S13)。サブ制御部91は、AT中であり、かつ当選したAT抽選役がチャンスリプ1〜6のいずれかではないと判定したときには(S13でN)、ATゲーム数決定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、AT中であり、かつ当選したAT抽選役がチャンスリプ1〜6のいずれかであると判定したときには(S13でY)、チャンスリプ1〜6のいずれかに対応する入賞判定コマンドを受信したか否かを判定する(S14)。サブ制御部91は、チャンスリプ1〜6のいずれかに対応する入賞判定コマンドを受信しないときには(S14でN)、受信するまで待機する。
一方、サブ制御部91は、チャンスリプ1〜6のいずれかに対応する入賞判定コマンドを受信したときには(S14でY)、AT中に実行されたナビ演出に従ってストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されて、7リプ1(右上7リプ)または7リプ2(中段7リプ)が入賞したか否かを判定する(S15)。サブ制御部91は、7リプ1(右上7リプ)または7リプ2(中段7リプ)が入賞したと判定したときには(S15でY)、ATゲーム数決定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、AT中に実行されたナビ演出に従ってストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されずに7リプ1(右上7リプ)および7リプ2(中段7リプ)のいずれにも入賞しなかったと判定したときには(S15でN)、S12で決定したAT抽選の結果を最低分の30ゲームに強制変更する(S16)。なお、AT抽選の結果がすでに30ゲームであったときには、そのままの結果が維持される。その後、サブ制御部91は、ATゲーム数決定処理を終了する。
このように、チャンスリプ1〜6のいずれかに当選したゲームでナビ演出によって押し順が報知されたときに、報知された押し順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作できなかった場合でも、ATゲーム数が最小の30ゲームに決定されるため、遊技者に対して最低限の保証をすることができる。
[AT確定処理]
次に、チャンスリプ1〜6に当選してAT確定したときに実行されるAT確定処理について説明する。AT確定処理では、AT確定したときに実行する一連の演出が決定される。図15は、サブ制御部が実行するAT確定処理の制御内容を示すフローチャートである。
サブ制御部91は、チャンスリプ1〜6のいずれかに当選時の入賞判定コマンドを受信したか否かを判定する(S21)。サブ制御部91は、チャンスリプ1〜6のいずれかに当選時の入賞判定コマンドを受信していないと判定したときには(S21でN)、AT確定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、チャンスリプ1〜6のいずれかに当選時の入賞判定コマンドを受信したと判定したときには(S21でY)、AT抽選の結果が最低分の30ゲームの獲得であったか否かを判定する(S22)。サブ制御部91は、AT抽選の結果が最低分の30ゲームの獲得ではない、つまり、50ゲームまたは100ゲームを獲得したと判定したときには(S22でN)、報知演出処理を実行し(S23)、AT確定処理を終了する。報知演出は、AT抽選によって決定されたATゲーム数を上限として、それ以下のゲーム数を遊技者に事前報知する演出である。なお、決定されたATゲーム数が最低分の30ゲームであるときには、報知演出は省略されるようになっている。
一方、サブ制御部91は、AT抽選の結果が最低分の30ゲームの獲得であったと判定したときには(S22でY)、入賞結果が7リプ(右上7リプまたは中段7リプ)であったか否かを判定する(S25)。
サブ制御部91は、入賞結果が7リプでなかったと判定したときには(S25でN)、表示演出処理を実行する。表示演出は、遊技者にとって有利な状態の制御を示す演出であり、本実施の形態においては、有利な状態であるATの制御中であることを遊技者に報知する演出である。サブ制御部91は、表示演出処理を実行した後、AT確定処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、入賞結果が7リプ(右上7リプまたは中段7リプ)であったと判定したときには(S25でY)、代用演出処理を実行する。代用演出は、報知演出を実行する代わりに行われる場合がある演出であり、ゲーム数に関する情報ではなく、AT抽選によってATゲーム数が決定された事実を遊技者に示す演出である。サブ制御部91は、代用演出処理を実行した後、表示演出を経て(S24)、AT確定処理を終了する。
このように、AT抽選の結果が最低分の30ゲームの獲得であったときには、報知演出によって、決定されたATゲーム数が事前報知されないようになっている。この理由は、獲得したゲーム数が最低分であるにもかかわらず、そのことが事前報知されてしまうと、最低分の獲得という遊技者にとってあまり喜ばしくない事実が事前報知されることになり、最低分のATゲーム数を獲得したことが強調されることになるため、遊技者を落胆させてしまうことになるからである。
さらに、AT抽選の結果が最低分の獲得であったゲームで7リプ入賞されたときには、すでに遊技者が30ゲーム以上のAT確定を認識しているため、報知演出の代わりに、最低限、ATゲーム数が決定された事実だけを遊技者に示す代用演出が実行される。これにより、7リプ入賞したにもかかわらずATゲーム数を獲得していないかもしれないと心配する遊技者を安心させることができる。
[報知演出処理]
次に、報知演出処理について説明する。図16は、サブ制御部が実行する報知演出処理の制御内容を示すフローチャートである。
サブ制御部91は、入賞結果が7リプ(右上7リプまたは中段7リプ)であったか否かを判定する(S31)。サブ制御部91は、入賞結果が7リプでなかったと判定したときには(S31でN)、報知演出で報知するゲーム数Nを、N≦獲得ゲーム数の範囲で決定する(S32)。
ここで、入賞結果が7リプでないため、遊技者が最低分である30ゲーム以上のAT確定を認識することはできない。そのため、サブ制御部91は、報知演出で報知するゲーム数Nを、N<30ゲームの範囲からも決定するようになっている。
なお、この決定に関して、報知するゲーム数Nは、獲得したゲーム数に応じて予め定められているものであってもよいし、抽選によって決定されるものであってもよい。
サブ制御部91は、S32で決定した報知するゲーム数を、報知演出1によって報知し(S33)、報知演出処理を終了する。なお、報知演出1は、複数種類の報知演出の中の一の演出であり、その態様は図18で説明する。
一方、サブ制御部91は、入賞結果が7リプであったと判定したときには(S31でY)、報知演出で報知するゲーム数Nを、30ゲーム<N≦獲得ゲーム数の範囲で決定する(S34)。
ここで、入賞結果が7リプであるため、遊技者が最低分である30ゲーム以上のAT確定を認識することができる。そのため、サブ制御部91は、報知演出によって報知するゲーム数Nを、N<30ゲームの範囲からは決定しないようになっている。より具体的には、7リプの入賞によって遊技者が30ゲーム以上のAT確定を認識したにもかかわらず、その後に、30ゲームより下のゲーム数が事前報知されてしまうと、AT抽選によって30ゲームより下のゲーム数に決定されることがあるのではないかと遊技者に誤解される虞があり、遊技者に不信感を抱かせてしまう。そのため、サブ制御部91は、報知演出によって報知するゲーム数Nを、N<30ゲームの範囲からは決定しない。また、7リプの入賞によって遊技者が30ゲーム以上のAT確定を認識したにもかかわらず、その後に、N=30ゲームのゲーム数が事前報知されてしまうと、7リプの入賞によってすでに認識している事実であり、しかも、最低分の獲得という遊技者にとってあまり喜ばしくない事実を再度報知したことになるからである。
なお、この決定に関して、報知するゲーム数Nは、獲得したゲーム数に応じて予め定められているものであってもよいし、抽選によって決定されるものであってもよい。
サブ制御部91は、7リプ入賞がチャンスリプ1〜6のいずれかに当選時のナビ演出に従った結果、なされたものであるか否かを判定する(S35)。サブ制御部91は、7リプ入賞がナビ演出に従ったものではない、つまり、ナビ演出が実行されることなく、遊技者が自力で7リプ入賞をしたものであると判定したときには(S35でN)、S34で決定した報知するゲーム数を、報知演出1によって報知する(S33)。その後、サブ制御部91は、報知演出処理を終了する。
サブ制御部91は、7リプ入賞がナビ演出に従ったものである、つまり、ナビ演出が実行されて遊技者がナビ演出に従った結果、7リプ入賞がなされたと判定したときには(S35でY)、S34で決定した報知するゲーム数を、報知演出2によって報知する(S36)。その後、サブ制御部91は、報知演出処理を終了する。なお、報知演出2は、複数種類の報知演出の中の一の演出であり、その態様は図18で説明する。
このように、決定されたATゲーム数が最低分の30ゲームではなかったときには、報知演出の後に、表示演出が実行されるため、報知演出による事前報知によって、その後に行われるATに対して遊技者に期待をもたせることができる。
[AT確定時の演出パターン]
次に、サブ制御部91が、AT確定処理および報知演出処理によって決定したAT確定時の一連の演出の一例について説明する。図17は、AT確定時の演出パターンの一例を説明するための図である。また、図18は、AT確定時の演出パターンごとに対応する演出内容を説明するための図である。
(演出パターン1)
演出パターン1は、図17に示すように、チャンスリプ1〜3に当選したゲームにおいて、AT抽選によってATゲーム数が最低分である30ゲームに決定され、かつ7リプ(右上7リプ)入賞しなかったときの演出パターンの一例である。
図18(a)に示すように、この演出パターン1では、7リプではなく、リプ1に入賞した後、報知演出が実行されることなく、表示演出のみが実行される。表示演出では、遊技者にとって有利な状態に制御中であることを報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「有利中」の文字画像が表示される。なお、「有利中」の文字画像の上側には、30ゲームのATゲームが行われることを示す情報として「+30」の文字画像が表示されているが、当該文字画像は表示されていなくてもよい。
このように、演出パターン1による演出では、報知演出によって最低分のATゲーム数の獲得が事前報知されることなく、表示演出が実行されるため、最低分のATゲーム数の獲得が強調されることがなく、遊技者を落胆させてしまうことがない。さらに、表示演出によって突然ATが開始されたかのように遊技者に思わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
(演出パターン2)
演出パターン2は、図17に示すように、チャンスリプ1〜3に当選したゲームにおいて、AT抽選によってATゲーム数が最低分である30ゲームに決定され、かつ7リプ(右上7リプ)入賞したときの演出パターンの一例である。なお、演出パターン1との違いは、7リプ入賞していることである。
図18(b)に示すように、この演出パターン2では、7リプに入賞した後、報知演出の代わりに代用演出が実行され、その後、表示演出が実行される。代用演出では、ゲーム数に関する情報ではなく、AT抽選によってATゲーム数が決定された事実を報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「7」の文字画像が表示される。表示演出では、遊技者にとって有利な状態に制御中であることを報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「有利中」の文字画像が表示される。なお、「有利中」の文字画像の上側には、30ゲームのATゲームが行われることを示す情報として「+30」の文字画像が表示されているが、当該文字画像は表示されていなくてもよい。
このように、演出パターン2による演出では、最低分のATゲーム数の獲得が事前報知される代わりに代用演出が実行されるため、報知演出によって最低分のATゲーム数の獲得が強調されることにより遊技者を落胆させてしまうことを防止しつつ、代用演出によって、最低限、ATゲーム数が決定されたことについては遊技者に示すことができる。
さらに、7リプに入賞したときには、7リプ入賞の表示結果(7揃い)に応じた態様で「7」の文字画像が表示される代用演出が実行されるため、より明確にATゲーム数が決定されたことを遊技者に示すことができるとともに、入賞結果に対して遊技者の関心を集めて、遊技の興趣を向上させることができる。
(演出パターン3)
演出パターン3は、図17に示すように、チャンスリプ1〜3に当選したゲームにおいて、AT抽選によってATゲーム数が最低分ではない50ゲームに決定され、かつ7リプ(右上7リプ)入賞しなかったときの演出パターンの一例である。なお、演出パターン1との違いは、獲得したATゲーム数が最低分ではない50ゲームであることである。
図18(c)に示すように、この演出パターン3では、7リプではなく、リプ1に入賞した後、報知演出1が実行され、その後、表示演出が実行される。報知演出1では、AT抽選によって決定されたATゲーム数を上限として、それ以下のゲーム数を遊技者に事前報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「PUSH!!」の文字画像が表示されて遊技者による演出用スイッチ56の操作を促し、遊技者によって操作されたときには、液晶表示器51の画面上に「30ゲーム獲得!!」の文字画像が表示される。表示演出では、遊技者にとって有利な状態に制御中であることを報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「有利中」の文字画像が表示される。なお、「有利中」の文字画像の上側には、30ゲームのATゲームが行われることを示す情報として「+30」の文字画像が表示されているが、当該文字画像は表示されていなくてもよい。
なお、演出パターン3の例では、7リプ入賞していないため、報知演出で報知するゲーム数Nは、N≦50ゲームの範囲で決定される。この演出パターン3の例では、報知演出および表示演出によって30ゲームが報知されている。この場合、残りの20ゲームは非報知状態(潜伏状態)となり、その後の所定タイミングで報知される。
このように、演出パターン3による演出では、報知演出1の後に、表示演出が実行されるため、報知演出1による事前報知によって、その後に行われるATに対して遊技者に期待をもたせることができる。
(演出パターン4)
演出パターン4は、図17に示すように、チャンスリプ1〜3に当選したゲームにおいて、AT抽選によってATゲーム数が最低分ではない50ゲームに決定され、かつナビ演出に頼らずに7リプ(右上7リプ)入賞したときの演出パターンの一例である。なお、演出パターン3との違いは、獲得したATゲーム数が50ゲームであること、および7リプ入賞していることである。
図18(d)に示すように、この演出パターン4では、7リプに入賞した後、報知演出1が実行され、その後、表示演出が実行される。報知演出1では、液晶表示器51の画面上に「PUSH!!」の文字画像が表示されて遊技者による演出用スイッチ56の操作を促し、遊技者によって操作されたときには、液晶表示器51の画面上に「50ゲーム獲得!!」の文字画像が表示される。その後、表示演出では、遊技者にとって有利な状態に制御中であることを報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「有利中」の文字画像が表示される。なお、「有利中」の文字画像の上側には、50ゲームのATゲームが行われることを示す情報として「+50」の文字画像が表示されているが、当該文字画像は表示されていなくてもよい。
なお、演出パターン4の例では、7リプ入賞しているため、報知演出で報知するゲーム数Nは、30ゲーム<N≦50ゲームの範囲で決定される。この演出パターン4の例では、報知演出1および表示演出によって50ゲームが報知されている。
このように、演出パターン4による演出では、報知演出1の後に、表示演出が実行されるため、報知演出1による事前報知によって、その後に行われるATに対して遊技者に期待をもたせることができる。
(演出パターン5)
演出パターン5は、図17に示すように、チャンスリプ1〜3に当選したゲームにおいて、AT抽選によってATゲーム数が最低分ではない50ゲームに決定され、かつナビ演出によって7リプ(右上7リプ)入賞したときの演出パターンの一例である。なお、演出パターン4との違いは、ナビ演出に従って押し順正解したことで7リプ入賞していることである。
図18(e)に示すように、この演出パターン5では、7リプに入賞した後、報知演出2が実行され、その後、表示演出が実行される。報知演出2では、液晶表示器51の画面上に「何か当った?」の文字画像が表示されて遊技者に期待をもたせた後、液晶表示器51の画面上に「50ゲーム獲得!!」の文字画像が表示される。その後、表示演出では、遊技者にとって有利な状態に制御中であることを報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「有利中」の文字画像が表示される。なお、「有利中」の文字画像の上側には、50ゲームのATゲームが行われることを示す情報として「+50」の文字画像が表示されているが、当該文字画像は表示されていなくてもよい。
なお、演出パターン5の例では、7リプ(右上7リプ)が入賞しているため、報知演出で報知するゲーム数Nは、30ゲーム<N≦50ゲームの範囲で決定される。この演出パターン5の例では、報知演出2および表示演出によって50ゲームが報知されている。
このように、演出パターン5による演出では、報知演出2の後に、表示演出が実行されるため、報知演出2による事前報知によって、その後に行われるATに対して遊技者に期待をもたせることができる。
さらに、演出パターン4および演出パターン5のように、チャンスリプ1〜3のいずれかに当選したときにストップスイッチ8L、8C、8Rが7リプ入賞する押し順で操作されたゲームでは、ナビ演出の実行の有無により、報知演出1および報知演出2のうち事前報知の報知態様を選択する割合が異なるため(本実施の形態では、ナビ演出が行われなかった場合に100%の確率で報知演出1を選択、ナビ演出が行われた場合に100%の確率で報知演出2を選択)、報知演出の報知態様が多種多様となり、遊技の興趣を向上させることができる。
(演出パターン6)
演出パターン6は、図17に示すように、チャンスリプ4〜6に当選したゲームにおいて、AT抽選によってATゲーム数が最低分ではない100ゲームに決定され、かつ7リプ(右上7リプ)入賞しなかったときの演出パターンの一例である。なお、演出パターン3との違いは、チャンスリプ4〜6に当選していること、および獲得したATゲーム数が100ゲームであることである。
図18(f)に示すように、この演出パターン6では、7リプではなく、リプ1に入賞した後、報知演出1が実行され、その後、表示演出が実行される。報知演出1では、液晶表示器51の画面上に「PUSH!!」の文字画像が表示されて遊技者による演出用スイッチ56の操作を促し、遊技者によって操作されたときには、液晶表示器51の画面上に「30ゲーム獲得!!」の文字画像が表示される。表示演出では、遊技者にとって有利な状態に制御中であることを報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「有利中」の文字画像が表示される。なお、「有利中」の文字画像の上側には、30ゲームのATゲームが行われることを示す情報として「+30」の文字画像が表示されているが、当該文字画像は表示されていなくてもよい。
なお、演出パターン6の例では、7リプ入賞していないため、報知演出で報知するゲーム数Nは、N≦100ゲームの範囲で決定される。この演出パターン3の例では、報知演出および表示演出によって30ゲームが報知されている。この場合、残りの70ゲームは非報知状態(潜伏状態)となり、その後の所定タイミングで報知される。
このように、演出パターン6による演出では、報知演出1の後に、表示演出が実行されるため、報知演出1による事前報知によって、その後に行われるATに対して遊技者に期待をもたせることができる。
(演出パターン7)
演出パターン7は、図17に示すように、チャンスリプ4〜6に当選したゲームにおいて、AT抽選によってATゲーム数が最低分ではない100ゲームに決定され、かつナビ演出に頼らずに7リプ(中段7リプ)入賞したときの演出パターンの一例である。なお、演出パターン4との違いは、チャンスリプ4〜6に当選していること、および獲得したATゲーム数が100ゲームであることである。
図18(g)に示すように、この演出パターン7では、7リプに入賞した後、報知演出1が実行され、その後、表示演出が実行される。報知演出1では、液晶表示器51の画面上に「PUSH!!」の文字画像が表示されて遊技者による演出用スイッチ56の操作を促し、遊技者によって操作されたときには、液晶表示器51の画面上に「100ゲーム獲得!!」の文字画像が表示される。その後、表示演出では、遊技者にとって有利な状態に制御中であることを報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「有利中」の文字画像が表示される。なお、「有利中」の文字画像の上側には、100ゲームのATゲームが行われることを示す情報として「+100」の文字画像が表示されているが、当該文字画像は表示されていなくてもよい。
なお、演出パターン7の例では、7リプ入賞しているため、報知演出で報知するゲーム数Nは、30ゲーム<N≦100ゲームの範囲で決定される。この演出パターン7の例では、報知演出1および表示演出によって100ゲームが報知されている。
このように、演出パターン7による演出では、報知演出1の後に、表示演出が実行されるため、報知演出1による事前報知によって、その後に行われるATに対して遊技者に期待をもたせることができる。
(演出パターン8)
演出パターン8は、図17に示すように、チャンスリプ4〜6に当選したゲームにおいて、AT抽選によってATゲーム数が最低分ではない100ゲームに決定され、かつナビ演出によって7リプ(中段7リプ)入賞したときの演出パターンの一例である。なお、演出パターン5との違いは、チャンスリプ4〜6に当選していること、および獲得したATゲーム数が100ゲームであることである。
図18(h)に示すように、この演出パターン8では、7リプに入賞した後、報知演出2が実行され、その後、表示演出が実行される。報知演出2では、液晶表示器51の画面上に「何か当った?」の文字画像が表示されて遊技者に期待をもたせた後、液晶表示器51の画面上に「100ゲーム獲得!!」の文字画像が表示される。その後、表示演出では、遊技者にとって有利な状態に制御中であることを報知する演出として、液晶表示器51の画面上に「有利中」の文字画像が表示される。なお、「有利中」の文字画像の上側には、100ゲームのATゲームが行われることを示す情報として「+100」の文字画像が表示されているが、当該文字画像は表示されていなくてもよい。
なお、演出パターン8の例では、7リプが入賞しているため、報知演出で報知するゲーム数Nは、30ゲーム<N≦100ゲームの範囲で決定される。この演出パターン8の例では、報知演出2および表示演出によって100ゲームが報知されている。
このように、演出パターン8による演出では、報知演出2の後に、表示演出が実行されるため、報知演出2による事前報知によって、その後に行われるATに対して遊技者に期待をもたせることができる。
さらに、演出パターン7および演出パターン8のように、チャンスリプ4〜6のいずれかに当選したときにストップスイッチ8L、8C、8Rが7リプ入賞する押し順で操作されたゲームでは、ナビ演出の実行の有無により、報知演出1および報知演出2のうち事前報知の報知態様を選択する割合が異なるため(本実施の形態では、ナビ演出が行われなかった場合に100%の確率で報知演出1を選択、ナビ演出が行われた場合に100%の確率で報知演出2を選択)、報知演出の報知態様が多種多様となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、チャンスリプ4〜6に当選したときには、AT抽選によって最低分である30ゲームには決定されず、それよりも多い50ゲームや100ゲームにATゲーム数が決定されるため、演出パターン1や演出パターン2のように、報知演出が省略されたり、報知演出の代わりに代用演出が実行されたりすることはない。
以上、演出パターン3〜8で説明したように、決定されたATゲーム数が最低分の30ゲームでなかったときには、当該決定されたATゲーム数以下のゲーム数が報知演出1、2によって事前報知された後に、表示演出によって有利中であることが報知されるため、報知演出1、2による事前報知によって、その後に行われるATに対して遊技者に期待をもたせることができる。
一方、演出パターン1、2で説明したように、決定されたATゲーム数が最低分の30ゲームであったときには、決定されたATゲーム数が事前報知されることなく表示演出によって有利中であることが報知されるため、報知演出1、2による事前報知によって最低分のATゲーム数が決定されたことが強調されることがなく、遊技者を落胆させてしまうことがない。
また、演出パターン2で説明したように、報知演出1による事前報知によって最低分のATゲーム数が決定されたことが強調されることにより遊技者を落胆させてしまうことを防止しつつ、代用演出によって、最低限、ATゲーム数が決定されたことについては遊技者に示すことができる。
また、演出パターン2で説明したように、入賞結果に応じた態様で代用演出が実行されるため、より明確にATゲーム数が決定されたことを遊技者に示すことができるとともに、入賞結果に対して遊技者の関心を集めて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出パターン4と演出パターン5、および演出パターン7と演出パターン8で説明したように、ストップスイッチ8L、8C、8Rが7リプ入賞させる押し順で操作されたゲームでは、ナビ演出の実行の有無により、報知演出の報知態様を選択する割合が異なるため、報知演出の報知態様が多種多様となり、遊技の興趣を向上させることができる。
[AT制御処理]
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のATゲーム数が決定されたときに、ATゲーム数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのATゲーム数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ATゲーム数が残っているときに、さらにAT抽選によってATゲーム数を獲得したときには、残っているATゲーム数に今回獲得したATゲーム数を上乗せ加算させる。本実施の形態においては、AT抽選で決定されたATゲーム数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてATゲーム数を獲得した場合、サブ制御部91は、表示演出の実行後にATに制御する。
ATに制御されたきには、RT1においては、昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。
また、RT2においては、特別リプ1〜3のいずれかに当選したときにナビ演出が実行され、リプ6に入賞する可能性が高くなり、その結果、RT3へ制御されやすくなる。このとき、ナビ演出に従わずにストップスイッチを停止操作した遊技者に対してはペナルティが科される。そのため、遊技者にRT2からRT3へと遊技状態を移行制御させるため、ナビ演出に従った操作手順での操作を促すことができ、その結果、意図しない遊技の進行をさせないようにすることができる。また、RT2においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに特殊出目停止や転落リプ入賞を回避させ、その結果、RT2への制御を維持させやすくなる。
RT3に制御されたときには、所定回数(たとえば100)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、ATに制御されることが確定しているATゲーム数を報知するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、たとえば、ARTに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り100ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する。これにより、少なくともATゲーム数に対応してATに制御される旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、一連のATを終了させる。これにより、ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかに当選したときに特殊出目が停止されやすく、かつ、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに転落リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。
一方、AT残りゲーム数が0に到達したときに、潜伏状態の残りのATゲーム数が1以上であれば、サブ制御部91は、たとえば「まだまだー!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ARTへの制御を継続させる。
以上のように、RT3であるときには、所定回数ゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化してATが終了したときであっても、潜伏状態のATゲーム数が1以上であるときにはさらにATへの制御が継続される。これにより、AT抽選の結果に応じて獲得したATゲーム数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となるといえる。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
[ナビ演出]
ここで、遊技状態に応じたナビ対象役について図11、図12を用いて説明する。まず、RT1に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、昇格リプを含む昇転リプ1〜5、転落リプを含む維持転リプ1〜3、7リプを含むチャンスリプ1〜6、およびリプ6を含む特別リプ1〜3が定められている。
また、RT2に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、転落リプを含む維持転リプ1〜3、7リプを含むチャンスリプ1〜6、およびリプ6を含む特別リプ1〜3が定められている。
また、RT3に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、転落リプを含む維持転リプ1〜3、7リプを含むチャンスリプ1〜6、およびリプ6を含む特別リプ1〜3が定められている。
さらに、RT1〜3で共通のナビ対象役として、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカが定められている。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてベル1または2を入賞させて特殊出目停止を回避させるための押し順が報知される。たとえば、左ベル1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベル2に当選したときのナビ演出としては、「中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを入賞させるための押し順が報知される。たとえば、昇転リプ3に当選したときのナビ演出としては、「中右左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、昇転リプ5に当選したときのナビ演出としては、「右中左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させるための押し順が報知される。たとえば、維持転リプ1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、維持転リプ3に当選したときのナビ演出としては、「右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
中段チェリー、弱チェリー、および強チェリーのいずれかに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「チェリーを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、チェリー当選している旨が報知される。
弱スイカ、または強スイカに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「スイカを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、スイカ当選している旨が報知される。
チャンスリプ1〜6のいずれかに当選したときには、7リプを入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行される。たとえば、チャンスリプ3に当選したときのナビ演出としては、「右左中」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、チャンスリプ6に当選したときのナビ演出としては、「右中左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
特別リプ1〜3のいずれかに当選したときには、リプ6を確実に入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行される。たとえば、特別リプ3に当選したときのナビ演出としては、「右だ!!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、AT中において、ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、特殊出目停止や転落リプ入賞した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるようにナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
[変形例について]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[パチンコ遊技機における実施形態について]
本実施の形態においては、スロットマシン1についての一例を説明した。しかし、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機においても本発明を適用することができる。
パチンコ遊技機においては、遊技球などの遊技媒体が発射装置によって遊技領域に発射され、該遊技領域に設けられている入賞口などの始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われる。たとえば、本実施の形態におけるパチンコ遊技機においては、遊技盤の所定位置に特別図柄表示装置が設けられている。特別図柄表示装置は、たとえば7セグメントのLEDなどから構成され、特別図柄ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、可変可能に表示(可変表示)される。
特別図柄表示装置による特別図柄ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特別図柄ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、大入賞口を所定回数に亘って開閉する遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」とも称する)を実行する大当り遊技状態に制御される。
たとえば、本実施の形態におけるパチンコ遊技機では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号などから構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。また、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、それ以外の数字を示す特別図柄をハズレ図柄とする。
特別図柄ゲームにおいて大当り図柄が停止表示されて「大当り」となった後、大当り遊技状態において、所定の上限時間(たとえば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(たとえば7個)の入賞球が発生するまでの期間に亘り、大入賞口が開閉される。これにより、大入賞口を遊技者にとって有利な開状態とするラウンドが所定期間実行される。
本実施の形態においては、大当りの種類として、確変状態に制御されない通常大当りと、大当り遊技終了後に確変状態に制御される確変大当りとが設けられている。さらに、確変大当りに当選したときには、時短制御可能な時短回数を付与するか否かを決定する時短決定抽選をし、当選したときには、時短回数抽選によって、10回、50回、100回のうちから制御可能な時短回数が決定される。通常大当りは、大当り抽選によって当選し、かつ「1」の特別図柄が停止表示されれば成立する。確変大当りは、大当り抽選によって当選し、かつ「3」、「5」、「7」のいずれかの特別図柄が停止表示されれば成立する。
なお、「確変状態」とは、通常の状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動する状態のことをいう。「時短状態」とは、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が通常の状態に比べて短縮される状態のことをいう。
上記のようなパチンコ遊技機において、たとえば、確変大当りが発生したときに制御可能な時短回数が決定されると、当該決定された時短回数を、大当り遊技の前に事前報知する報知演出を実行し、その後、大当り遊技の終了後に時短回数を付与して時短制御に移行する表示演出が実行されるものであってもよい。たとえば、報知演出としては、液晶画面に「30回獲得!!」といった文字画像が表示される。また、表示演出としては、液晶画面に「時短中!!」といった文字画像が表示される。
さらに、時短回数抽選において、最低分である10回の時短回数に決定されたときには、報知演出を実行せずに、大当り遊技の終了後に表示演出のみを実行するものであってもよい。
これにより、報知演出による事前報知によって、その後に行われる時短制御に対して遊技者に期待をもたせることができる。一方、決定された時短回数が最低分の10回であったときには、決定された時短回数が事前報知されることなく表示演出によって時短中であることが報知されるため、報知演出による事前報知によって最低分の時短回数が決定されたことが強調されることがなく、遊技者を落胆させてしまうことがない。
また、最低分である10回の時短回数に決定されたときに報知演出を省略するときには、確変大当りが発生したことで、最低限、10回の時短回数に決定されたことを示す代用演出を報知演出の代わりに実行するものであってもよい。たとえば、代用演出としては、液晶画面に「時短!!」という文字画像が表示される。
これにより、報知演出による事前報知によって最低分の時短回数が決定されたことが強調されることにより遊技者を落胆させてしまうことを防止しつつ、代用演出によって、最低限、時短回数が決定されたことについては遊技者に示すことができる。
さらに、代用演出では、停止した特別図柄に対応する文字画像が表示される演出であってもよい。たとえば、「5」の特別図柄が停止表示されたときの確変大当りにおいて10回の時短回数に決定されたときには、代用演出として、「5」という文字画像が表示されるものであってもよい。
これにより、確変大当りの発生時における特別図柄の表示結果に応じた態様で代用演出が実行されるため、より明確に時短回数が決定されたことを遊技者に示すことができるとともに、特別図柄の表示結果に対して遊技者の関心を集めて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変大当りを複数種類設けて、その種類に応じて、時短回数を決定するものであってもよい。たとえば、第1〜第3確変大当りの3種類の確変大当りを設け、第1確変大当りが発生したときには10回と50回のうちから時短回数が決定され、第2確変大当りが発生したときには50回と100回のうちから時短回数が決定され、第3確変大当りが発生したときには100回の時短回数が決定されるものであってもよい。この場合においては、第1確変大当りが発生したときに10回の時短回数が決定されたときに、報知演出が省略されるものであってもよい。
これにより、確変大当りの種類によって、最低分の時短回数に決定されたか否かを予測することができるため、確変大当りの種類に対して遊技者の関心を集めて、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上記の例では、報知演出は、時短回数を対象にして報知しているが、これに限らない。たとえば、大当り遊技中のラウンド回数、確変状態となるラウンド回数などを対象にして報知するものであってもよい。
[ATの有利量について]
本実施の形態においては、ATの有利量として、ATゲーム数を用いて説明したが、これに限らない。
たとえば、1消費するごとに50ゲーム分のATゲームが実行可能な「ナビストック」をATの有利量として用いてもよい。この場合、AT抽選においては、ナビストック数が抽選によって決定され、最低分のナビストック数に決定されると、報知演出の実行を省略するものであってもよい。
たとえば、1セット50ゲームのATを連続して継続させるか否かの継続抽選に用いる「継続率」をATの有利量として用いてもよい。つまり、継続率に基づく継続抽選で当選する限りATが継続し、非当選となったときにATが終了するものであってもよい。この場合、AT抽選においては、継続率が抽選によって決定され、最低分の継続率に決定されると、報知演出の実行を省略するものであってもよい。
たとえば、上限が定められた「ナビ演出の実行回数」をATの有利量として用いてもよい。つまり、AT中において予め定められた実行回数のナビ演出をすべて消化すると、ATが終了するものであってもよい。この場合、AT抽選においては、ナビ演出の実行回数が抽選によって決定され、最低分のナビ演出の実行回数に決定されると、報知演出の実行を省略するものであってもよい。
たとえば、上限が定められた「払出枚数」をATの有利量として用いてもよい。つまり、AT中において予め定められた枚数のメダルが払い出されると、ATが終了するものであってもよい。この場合、AT抽選においては、払出枚数が抽選によって決定され、最低分の払出枚数に決定されると、報知演出の実行を省略するものであってもよい。
たとえば、上限が定められた「純増枚数」をATの有利量として用いてもよい。つまり、AT中において予め定められた枚数のメダルを獲得すると、ATが終了するものであってもよい。この場合、AT抽選においては、純増枚数が抽選によって決定され、最低分の純増枚数に決定されると、報知演出の実行を省略するものであってもよい。
[AT抽選の実行契機となる役の入賞図柄について]
本実施の形態においては、AT抽選の実行契機となる役であるチャンスリプ1〜6の入賞図柄は、7揃いが導出された位置によって、区別することができるものであった。たとえば、チャンスリプ1〜3の入賞結果は、「白7−白7−白7」の組合せが右上がりに揃う右上7リプであり、チャンスリプ4〜6の入賞結果は、「白7−白7−白7」の組合せが有効ラインに揃う中段7リプであった。そして、この7揃いが導出された位置を頼って、遊技者が7リプ1および7リプ2のいずれの入賞であったかを認識するものであった。しかしながら、これに限らず、その他の入賞結果を用いて、チャンスリプ1〜3とチャンスリプ4〜6の入賞を区別できるものであってもよい。
たとえば、チャンスリプ1〜6の入賞結果は、7揃いに限らず、スイカやメロンなど、その他の図柄揃いが導出された位置によって、区別することができるものであってもよい。
また、たとえば、チャンスリプ1〜6の入賞結果は、7揃いが導出された位置に限らず、7図柄の色によって区別することができるものであってもよい。たとえば、チャンスリプ1〜3の入賞結果が赤色の7図柄が有効ライン上に揃うものであり、チャンスリプ4〜6の入賞結果が青色の7図柄が有効ライン上に揃うものであってもよい。
[AT抽選について]
本実施の形態においては、図14に示したAT抽選テーブルにおいて、ATゲーム数が付与される当選確率と、付与されるATゲーム数の振分率とが設定されるものであった。しかしながら、これに限らず、ATゲーム数が付与される当選確率、および付与されるATゲーム数の振分率は、その他の確率が設定されるものであってもよい。
たとえば、チャンスリプ1〜6のいずれに当選しても、ATゲーム数が付与される当選確率は100%であったが、チャンスリプ4〜6に当選したときの方がチャンスリプ1〜3に当選したときよりもATゲーム数が付与される当選確率が高く設定されているものであってもよい。なお、この場合、チャンスリプ1〜6に当選しても、AT抽選で当選しないこともあるため、付与されるATゲーム数の最低分には0ゲームが含まれることになる。
また、チャンスリプ1〜3の当選時は、最低分である30ゲームのみ当選するものであってもよい。さらに、チャンスリプ4〜6の当選時であっても最低分である30ゲームにするものであってもよい。この場合において、チャンスリプ4〜6の当選時は、チャンスリプ1〜3の当選時よりも、最低分である30ゲームに当選する確率が低く設定されるものであってもよい。
[AT抽選の契機について]
本実施の形態においては、チャンスリプ1〜6のいずれかに当選したときにAT抽選を実行するものであった。つまり、表示結果が導出される前から内部抽選の結果に応じてAT抽選が実行されて付与されるATゲーム数が決定されるものであった。しかしながら、これに限らず、チャンスリプ1〜6に対応する入賞結果が導出されたときにAT抽選を実行するものであってもよい。この場合において、7リプが導出されたときには、7リプが導出されなかったときよりも、多くのATゲーム数が付与されるものであってもよい。また、7リプが導出されたときには100%の確率でATゲーム数が付与されるのに対して、7リプが導出されなかったときには100%以下の確率でATゲーム数が付与されるものであってもよい。この場合、ナビ演出においては、7リプ入賞させるための押し順(つまり、遊技者にとって有利な押し順)を報知するものとなる。
さらに、チャンスリプ1〜6のいずれかに当選したときに、7リプ入賞させるためのナビ演出が実行され、当該ナビ演出に従わずに7リプ以外の入賞結果が導出されたときには、AT抽選の結果にかかわらず、強制的に最低分のATゲーム数に決定されるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、AT初当り時におけるAT抽選で獲得したATゲーム数に応じて、報知演出を省略するか否かを決めるものであったが、これに限らず、すでにATゲーム数を獲得している状態において、さらなる上乗せAT抽選によって上乗せ決定されたATゲーム数に応じて、報知演出を省略するか否かを決めるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、報知演出が実行される契機となるAT抽選役としてのチャンスリプ1〜6は、各々が必ず入賞可能な抽選対象役であった。しかし、これに限らず、たとえば、遊技者の操作如何によっては、入賞不可能な役を報知演出が実行される契機となるAT抽選役として用いてもよい。この場合において、入賞したときには100%の確率で最低分以上のATゲーム数が付与され(つまり、AT確定)、入賞しなかったときにはATゲーム数が付与されないものであってもよい。また、最低分のATゲーム数に決定されたときには報知演出が省略され、最低分以外のATゲーム数に決定されたときには報知演出が省略されないものであって、さらに、入賞していたときに報知演出を実行するときには最低分よりも大きいATゲーム数を報知するものであってもよい。
[報知演出について]
本実施の形態においては、報知演出は、図18の演出パターン3と演出パターン5で示したように、2種類の演出が設けられていたが、これに限らない。
たとえば、報知演出は、3種類や4種類など、2種類以上の演出が設けられていてもよい。さらに、チャンスリプ1〜6に当選したゲームで7リプ入賞したときには、その7リプ入賞がナビ演出の実行によって押し順正解したのか、あるいは、ナビ演出が実行されずに自力で押し順正解したのかに応じて、異なる選択確率で複数種類の報知演出から一の報知演出が選択されるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、報知演出の一例として、液晶表示器51に文字画像を表示させることを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の報知演出を用いてもよい。たとえば、スピーカ53、54を用いて音声による報知をするものであってもよい。
また、報知演出は、AT抽選において最小(最低分)のATゲーム数である30ゲームに決定されたときに報知演出を省略するものであったが、これに限らない。たとえば、最小のATゲーム数に限らず、最小から2番目に小さい数に決定されたときにも報知演出を省略するものであってもよい。すなわち、AT抽選で、所定数以下の有利量に決定されたときには報知演出を省略し、所定数よりも大きい有利量に決定されたときには、報知演出を省略しないものであってもよい。
また、報知演出は、最低分以外のATゲーム数に決定されたときに100%実行されるものに限らず、所定確率で実行されるものであってもよい。たとえば、最低分以外のATゲーム数に決定されたときにおいて、7リプ入賞したか否かに応じて、報知演出を実行するものであってもよい。具体的には、最低分以外のATゲーム数に決定されたときにおいて、7リプ入賞したときには10%の確率で報知演出を実行し、7リプ入賞しなかったときには90%の確率で報知演出を実行するものであってもよい。あるいは、最低分以外のATゲーム数に決定されたときにおいて、7リプ入賞したときには90%の確率で報知演出を実行し、7リプ入賞しなかったときには10%の確率で報知演出を実行するものであってもよい。
また、7リプ入賞した場合であっても、その入賞がナビ演出に従って押し順正解したことに基づく入賞なのか、あるいは、ナビ演出が実行されることなく自力で押し順正解したことに基づく入賞なのかに応じて、報知演出を実行するものであってもよい。具体的には、最低分以外のATゲーム数に決定されたときにおいて、ナビ演出に従って7リプ入賞したときには10%の確率で報知演出を実行し、ナビ演出に頼らずに7リプ入賞したときには90%の確率で報知演出を実行するものであってもよい。あるいは、最低分以外のATゲーム数に決定されたときにおいて、ナビ演出に従って7リプ入賞したときには90%の確率で報知演出を実行し、ナビ演出に頼らずに7リプ入賞したときには10%の確率で報知演出を実行するものであってもよい。
さらに、本実施の形態のようにチャンスリプ1〜6のいずれかに当選したときにAT抽選を実行する実施形態に限らず、チャンスリプ1〜6に対応する入賞結果が導出されたときにAT抽選を実行する実施形態においても、7リプ入賞させるための有利な押し順を報知するナビ演出に従って7リプ入賞させたときと、ナビ演出に頼らずに7リプ入賞させたときとで、報知演出の選択割合や実行割合を異ならせるものであってもよい。
[代用演出について]
本実施の形態においては、代用演出として、演出パターン2のように、「7」の文字画像を表示する演出が実行されるものであったが、これに限らない。たとえば、チャンスリプ1〜6が各々色違いの7揃いの図柄組合せを入賞結果とするならば、入賞結果に対応して同じ色が付された「7」の文字画像を表示する代用演出が実行されるものであってもよい。
また、代用演出は、7リプに入賞したときのみ実行するものに限らず、7リプに入賞しないとき(たとえば、演出パターン1のとき)にも実行するものであってもよい。
また、本実施の形態においては、代用演出の一例として、液晶表示器51に文字画像を表示させることを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の代用演出を用いてもよい。たとえば、スピーカ53、54を用いて音声による報知をするものであってもよい。
[特別遊技について]
本実施の形態においては、遊技者にとって有利な特別遊技を設けていないが、特別遊技として、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、あるいは、内部抽選の結果にかかわらず小役などの所定役を入賞させることが可能なチャレンジボーナス(CB)などを設けてもよい。また、特別遊技は、ミニゲームなどで入賞が発生するものであってもよい。
[遊技状態について]
本実施の形態においては、第1遊技状態としてRT1(通常遊技状態)を、第2遊技状態としてRT2(途中遊技状態)を、第3遊技状態としてRT3(有利遊技状態)を、例示した。しかしながら、これに限らず、その他の遊技状態を当て嵌めて採用してもよい。たとえば、第1遊技状態としてRT0(準備遊技状態)を、第2遊技状態としてRT1(通常遊技状態)を、第3遊技状態としてRT3(有利遊技状態)を採用してもよい。第2遊技状態が第1遊技状態よりも特定再遊技決定結果となる確率が高く、かつ第2遊技状態においては第3遊技状態に制御可能になっている関係であればよい。
[ナビ演出について]
本実施の形態においては、液晶表示器51に押し順のメッセージ画像を表示させるナビ演出を例示した。しかしながら、これに限らず、その他の報知演出を用いてもよい。たとえば、スピーカ53、54を用いて音声によって押し順をナビするものであってもよい。
また、押し順を報知するナビ演出を実行するものに限らず、遊技者の目押しをナビするナビ演出を実行するものであってもよい。たとえば、中段7揃いを導出させるために、「中リールに7を停止させろ!!」や「中停止ボタンから押して下さい」というように遊技者の目押しをナビするナビ演出が実行されるものであってもよい。
[遊技状態の遷移について]
本実施の形態においては、昇格リプ(リプ4)が導出されたときにRT1からRT2に制御され、リプ6が導出されたときにRT2からRT3に制御されることを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の図柄組合せが導出されたときにRT2やRT3に制御されるものであってもよい。この場合、特に、現在のRT状態がRT2やRT3であることを遊技者が把握しにくい図柄組合せである方が、現在のRT状態が有利であることに対してナビ演出の実行有無によってより期待感を与えることができるため好ましい。
また、遊技状態の遷移は、図10に示したものに限らない。たとえば、RT1からRT3へは直接移行できずに、RT2を必ず経由しなければならないものであってもよい。
[本実施形態におけるその他の変形例や実施の形態の特徴点について]
(1) 本実施形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施形態においては、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
(2) 本実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(3) 本実施形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、遊技機の一例としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、本実施の形態はパチンコ遊技機に適用することも可能である。この場合、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すパチンコ遊技機を採用してもよく、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のパチンコ遊技機を採用してもよい。封入式のパチンコ遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉をパチンコ遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、パチンコ遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成であるが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。