本発明に係る情報表示装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。図1は、本実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造図である。本実施の形態におけるスロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筐体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「白7a」(たとえば、左リール2Lの領域番号16の図柄)、「白7b」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「白7c」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)、「スイカa」(たとえば、左リール2Lの領域番号15の図柄)、「スイカb」(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号2の図柄)、「ベルa」(たとえば、左リール2Lの領域番号21の図柄)、「ベルb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「白7b」、「白7c」は、ともに、「白7a」の図柄をベースとする点で共通しており、「白7b」は左上隅に縦方向に線が追加されている点、および「白7c」は底辺に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「白7a」〜「白7c」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめて白7ともいう。「スイカb」は、「スイカa」の図柄をベースとする点で共通しており、上部に横方向に線が追加されている点で異なっている。このため、「スイカa」および「スイカb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてスイカともいう。「ベルb」は、「ベルa」の図柄をベースとする点で共通しており、舌の球の部分の色が黒い点で異なっている。このため、「ベルa」および「ベルb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてベルともいう。「リプb」は、「リプa」の図柄をベースとする点で共通しており、REPLAYの文字に下線が追加されている点で異なっている。このため、「リプa」および「リプb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてリプともいう。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1cの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長の長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、および演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。なお、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT3終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。後述するCB(チャレンジボーナス)時ではない非CB時においては、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として非CB時では遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
有効ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが非CB時の有効ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、非CB時では1本の有効ラインのみを適用しているが、複数の有効ラインを適用してもよい。
また、本実施の形態では、非CB時において入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。CB時以外では、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではない。入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに特定の図柄の組合せ(たとえば、ベルa−ベルa−ベルa)が揃うことで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施の形態においては、CB時では規定数の賭数として1枚が定められており、賭数が設定されると、図13に示すように、入賞ラインLN、無効ラインLM4、および無効ラインLM3の一部と無効ラインLM4の一部によって形成されるV字型のライン(以下、V字ラインと称する)が有効ラインとして有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
また、有効ライン上に、遊技状態の移行を伴なう図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施の形態では、図10を用いて後述するように、リプ4〜7が入賞、あるいは、特殊出目が停止すると、リプレイ確率が異なるRT0〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのみリールを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組合せに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は非CB時においては190ms(ミリ秒)に設定されている。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインLN上に表示させることができる。
なお、本実施の形態においては、後述するCB時に限って、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は75ms(ミリ秒)に設定されている。75msの間では最大で1コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから1コマ先までにある図柄、合計2コマ分の図柄となる。このため、CB時においては、遊技者の目押しの技量に大きく依存して入賞が可能となる。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインとが一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、および電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、およびリールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、および設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、およびリールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、およびリセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するメイン制御部のROMに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPUの動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施の形態では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるROMには、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。たとえば、ROMには、メイン制御部41のCPUが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROMには、CPUが遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAMには、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。RAMとしては、たとえばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。メイン制御部41のCPUには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。たとえば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPUがROMから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPUにおける1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。ここで、メイン制御部41からサブ制御部91へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(メイン制御部41からサブ制御部91への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。メイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、メイン制御部41とサブ制御部91とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、CTCに含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとに後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限らず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成される。演出制御基板90には、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路などが搭載されている。サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、CBの当選確率については、設定値に依存することなくいずれの遊技状態においても一定の当選確率となっている。なお、CBについても他の小役などと同様に設定値に応じた当選確率を用いてもよい。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタをメイン制御部41のRAMのスタックに退避し、RAMにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施の形態では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAMに格納する処理を行うようになっている。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAMの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAMの初期化について説明する。メイン制御部41のRAMの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうちいずれに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAMのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT3など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる種類の初期化を行う。
[ゲーム処理]
図5は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、非CB時において、遊技状態に応じた規定数(たとえば3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。また、本実施の形態においては、CB時に限って、規定数(たとえば1)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLN、無効ラインLM4、およびV字ラインが有効ラインとして有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された有効ライン上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、CB入賞可能なCB役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、メイン制御部41のRAMに当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。
内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、メイン制御部41のRAMに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態およびCBであるか否かに応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、RTを特定するためのRTフラグの値、CBであるか否かを特定するためのCBフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値、CBフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
図5に戻り、Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、メイン制御部41のROMに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリール2L、2C、2Rが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、非CB時において滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインLN上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインLN上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLN上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施の形態のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行う。サブ制御部91側において、AT中ではない、つまり非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させるようにするためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。また、本実施の形態においては、AT中のゲームにおいて、後述するナビ演出によって報知された操作手順に従わなかったときにも、遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行われる。所定のペナルティについて、本実施の形態においては、一定期間(たとえば、50ゲームなど)に亘ってATに制御されなくなるペナルティが科される。なお、所定のペナルティとしては、その他、たとえば、後述するAT抽選におけるAT当選確率を低確率に変更すること、あるいは、AT抽選を行わないことなど、遊技者にとって不利となる制御を行うものであってもよい。なお、非AT中において左第1停止をしなかったときにペナルティが生じるものに限らず、たとえば、左第1停止をしたときにペナルティが生じるものであってもよい。
ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。
図5に戻り、Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。Sd4においては、遊技状態の移行を伴なう表示結果が停止されたときに、RTフラグおよびCBフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払い出などの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払い出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をメイン制御部41のRAMに設定する。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、後述するフリーズ状態に制御する旨およびフリーズに制御する期間を示すコマンドであり、フリーズ状態に制御するときに送信される。本実施の形態においては、図5で示したゲーム処理におけるSd4において7リプ入賞してRT3に制御されると判定されたときに、所定期間(たとえば10秒間)に亘ってフリーズ状態にする制御を開始するとともに、フリーズコマンドが送信される。このフリーズ状態においては、サブ制御部91側において、RT3に制御される旨が報知される。
また、図5で示したゲーム処理のおけるSd2において、左リール2Lを第1停止させる限り7リプ入賞となる特定の抽選対象役(後述する押し順役7)に当選したことを条件として、所定期間(たとえば10秒間)に亘ってフリーズ状態にする制御を開始するとともに、フリーズコマンドが送信される。このフリーズ状態においては、サブ制御部91側において、7リプ入賞となる旨を煽る演出が行われる。
また、RT3への制御や特定の抽選対象役当選に限らず、所定条件が成立したときにフリーズ状態に制御するか否かを決定するためのフリーズ抽選を行い、当該抽選で当選したときにおいても、所定期間(たとえば10秒間)に亘ってフリーズ状態にする制御を開始するとともに、フリーズコマンドが送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴なう停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、有効ラインに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RTの種類、CBの有無など)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴なってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、サブ制御部91に送信される。
本実施の形態のスロットマシン1においては、いずれかの有効ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴なう移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
[入賞役、特殊出目]
図6〜図8は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図9は、所定の小役を取りこぼしたときにのみ有効ライン上に停止される特殊出目を説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
先ず、図10(a)を参照しながら、本実施の形態におけるスロットマシン1が制御する遊技状態の遷移について説明する。本実施の形態においては、RT0(準備遊技状態)、RT1(通常遊技状態)、RT2(途中遊技状態)、およびRT3(有利遊技状態)のいずれかに制御されながら遊技が進行する。
RT0は、設定変更状態の後に移行制御される遊技状態であり、後述する特殊出目が導出されることによりRT1に遊技状態が移行する。RT1は、RT0から移行可能な遊技状態であり、通常、遊技者が最も多くの時間を費やす可能性がある遊技状態である。RT1では、後述するリプ4に入賞することでRT2に遊技状態が移行する。また、RT1では、後述するリプ6、7に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。RT2は、RT1から移行可能な遊技状態であり、RT1よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。RT2では、リプ6、7に入賞することでRT3に遊技状態が移行する。このように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態を移行するために経由される途中の遊技状態でもある。また、RT2では、特殊出目の導出または後述するリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。RT3は、RT1またはRT2から移行可能な遊技状態であり、RT1およびRT2よりも再遊技役の当選確率が高くなる遊技状態である。そのため、RT3は、遊技者にとって、最もメダルを消費することなく遊技できる点で有利な遊技状態となる。RT3では、特殊出目の導出またはリプ5に入賞することでRT1に遊技状態が移行する。
入賞役のうち再遊技役には、図6および図7に示すリプ1〜7の7種類の再遊技役が含まれる。リプ1は、有効ラインに「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
本実施の形態における図柄組合せの説明における「/」は、“または”という意味を示し、「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。よって、たとえば「リプa/リプb−リプa/リプb−リプa/リプb/スイカa/スイカb」とは、図6に示すように、「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプa−リプa−スイカa」、「リプa−リプa−スイカb」、「リプa−リプb−リプa」、「リプa−リプb−リプb」、「リプa−リプb−スイカa」、「リプa−リプb−スイカb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、「リプb−リプa−スイカa」、「リプb−リプa−スイカb」、「リプb−リプb−リプa」、「リプb−リプb−リプb」、「リプb−リプb−スイカa」、および「リプb−リプb−スイカb」という、16種類の図柄の組合せを意味する。
リプ1は、有効ラインにリプaまたはリプbの図柄が少なくとも左リール2Lおよび中リール2Cに停止することにより入賞となるため、中段通常リプともいう。
リプ2は、有効ラインに「白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c−リプa/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ3は、有効ラインに「白7a/白7b/白7c−リプa/リプb−白7a/白7b/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプ4は、有効ラインに「ベルa/ベルb−リプa/リプb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。図10に示されるように、RT1においてリプ4に入賞した後は、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2に制御される。このため、リプ4を昇格リプともいう。
リプ5は、有効ラインに「リプa/リプb−リプa/リプb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。図10に示されるように、RT1よりも遊技者にとって有利なRT2やRT3においてリプ5に入賞した後は、RT1に制御される。このため、リプ5を転落リプともいう。なお、RT1でリプ5に入賞したときには、遊技状態がRT1で維持される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lについては、ベルaの1つ下の位置にリプaが配置され、右リール2Rについては、ベルaの1つ上の位置にリプaが配置されている。そのため、リプ4の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「リプa−リプa−リプa」の組み合わせが右上がり、すなわち形態同一または形態類似の図柄が無効ラインLM4に揃うこととなる。一方、リプ5(転落リプ)が入賞した場合は、リプ4が入賞したときのようにいずれのラインにおいても形態同一または形態類似の図柄が揃うことがない。
たとえば、図10(b)は、RT2からRT1への移行の契機となるリプ5(転落リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。
図10(b)では、左リール2Lの領域番号7〜9が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「リプa−リプa−ベルa」の転落リプの図柄組合せが停止されている。
これに対して、図10(c)は、RT1からRT2への移行の契機となるリプ4(昇格リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。図10(c)では、左リール2Lの領域番号8〜10が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号7〜9が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「ベルa−リプa−ベルa」の昇格リプ入賞の図柄組合せが停止されている。また、昇格リプ入賞時には無効ラインLM4上において「リプa−リプa−リプa」の図柄組合せが揃って停止されている。これにより昇格リプ入賞を遊技者が認識しやすくすることができる。また、昇格リプは、遊技者にとって有利なRT2への制御契機となる入賞役である。その結果、RT2へ制御されたことを遊技者が認識し易くすることができる。
図7に戻り、リプ6は、有効ラインに「ベルb/チェリー/スイカa−白7a/白7b/白7c−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルb/チェリー/スイカa各々の1つ上の位置に白7が配置され、右リール2Rのベルaの1つ下の位置に白7が配置され、中リール2Cは白7であるため、リプ7の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。このため、リプ6は、右下7リプともいう。
リプ7は、有効ラインに「リプa/リプb−白7a/白7b/白7c−リプa/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプa/リプb各々の1つ下の位置に白7が配置され、右リール2Rのリプa/スイカa/スイカbの1つ上の位置に白7が配置され、中リール2Cは白7であるため、リプ8の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「白7−白7−白7」の組合せが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。このため、リプ7は、右上7リプともいう。なお、7リプとは、前述したように、右下7リプ、および右上7リプをまとめた総称をいう。
また、図10に示されるように、RT1またはRT2において7リプに入賞した後、すなわち、いずれかの無効ラインLMに「白7−白7−白7」の組合せが停止した後は、遊技者にとって有利なRT3に制御される。
リプ1〜7を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてリプ1〜7のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ(リプが複数当選しているときにはいずれかのリプ)を入賞させることができる役といえる。後述するように、複数のリプに当選しているときには、操作手順に応じたリプが入賞するようにリール制御が行われる。
リプ1〜7のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
CBは、入賞ラインLNに「白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。このように、入賞ラインLNにおいて「白7−白7−白7」が停止する組合せを中段7揃いともいう。また、CBは、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−ベルa−リプa/リプb」の組合せが揃ったときにも入賞となる。このように、入賞ラインLNにおいて「白7−白7−白7」が停止する代わりに導出される「ベルa/ベルb−ベルa−リプa/リプb」の組合せを非中段7揃いともいう。
CBを構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてCBに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているCBを入賞させることができる役といえる。つまり、CBは取りこぼしのない役である。また、後述するように、CBに当選しているときには、操作手順に応じた図柄組合せ(中段7揃いまたは非中段7揃い)が導出されるようにリール制御が行われる。
CBに当選したときには、中段7揃いおよび非中段7揃いのいずれの図柄組合せが導出されたとしても同じCBに入賞する。より具体的には、本実施の形態においては、CB入賞前後でRTの状態が変わらず、また、CB中の抽選対象役および当選確率がいずれの図柄組合せで入賞しても変わらない。そのため、本実施の形態においては、中段7揃いが導出された場合と非中段7揃いが導出された場合とで入賞前後の遊技状態に違いはない。
次に、図8を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ベル1、ベル2、押し順ベル1、押し順ベル2、押し順ベル3、押し順ベル4、押し順ベル5、押し順ベル6、押し順ベル7、押し順ベル8、チェリー1、チェリー2、チェリー3、スイカ1、スイカ2、スイカ3、スイカ4、1枚1、1枚2、および14枚役が含まれる。
ベル1は、有効ラインに「ベルa/ベルb−ベルa−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル1は、入賞ラインLNにおいて「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、中段ベルともいう。
ベル2は、有効ラインに「リプa/リプb−ベルa−リプa/リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル2は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下ベルともいう。
ベル1およびベル2を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてベル1またはベル2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているベル1またはベル2を入賞させることができる。
押し順ベル1は、有効ラインに「リプa−白7a/白7c−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル2は、有効ラインに「リプa−白7a/白7c−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル3は、有効ラインに「リプa−白7b−白7a/白7a」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル4は、有効ラインに「リプa−白7b−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル5は、有効ラインに「リプb−白7a/白7c−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル6は、有効ラインに「リプb−白7a/白7c−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル7は、有効ラインに「リプb−白7b−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル8は、有効ラインに「リプb−白7b−白7b」の組合せが揃ったときに入賞となる。
押し順ベル1〜8は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「ベル−ベル−ベル」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段ベルともいう。
押し順ベル1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において押し順ベル1〜8のいずれかに当選していても、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している押し順ベルに入賞することはない。ベル1、ベル2、および押し順ベル1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルが15枚払い出される。
チェリー1は、有効ラインに「チェリー−白7a/白7b/白7c/ベルa−リプa/スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。チェリー1は、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上に位置することにより入賞するため、中段チェリーともいう。
チェリー2は、有効ラインに「白7c/スイカb−リプa/リプb−ベルa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
チェリー3は、有効ラインに「白7c/スイカb−ベルa/チェリー−any」の組合せが揃ったときに入賞となる。
チェリー2およびチェリー3は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、左リール2Lの「チェリー」が上段または下段に停止することにより入賞となるため、角チェリーともいう。
チェリー1〜3各々を構成する図柄のうち左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてチェリー1〜3のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが2枚払い出される。
スイカ1は、有効ラインに「ベルa−リプb−リプb/チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ1は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、上段スイカともいう。
スイカ2は、有効ラインに「スイカa/スイカb−スイカa/スイカb−スイカa/スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ2は、入賞ラインLN上に「スイカ−スイカ−スイカ」が停止することによって入賞となるため、中段スイカともいう。
スイカ3は、有効ラインに「ベルa−スイカa/スイカb−白7a/白7c」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ3は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右下スイカともいう。
スイカ4は、有効ラインに「白7a/チェリー−スイカa/スイカb−リプb/チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。スイカ4は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM4において「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが停止することにより入賞となるため、右上スイカともいう。
スイカ1〜4各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてスイカ1〜4のいずれかに当選していても、スイカ1〜4のうち当選しているスイカの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。スイカ1〜4のいずれかに入賞したときには、メダルが6枚払い出される。
1枚1は、有効ラインに「白7b−スイカb−チェリー」の組合せが揃ったときに入賞となる。
1枚2は、有効ラインに「白7b−スイカb−スイカb」の組合せが揃ったときに入賞となる。
1枚1および1枚2各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において1枚1または1枚2に当選していても、1枚1および1枚2のうち当選している1枚の入賞役に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している1枚の入賞役に入賞することはない。1枚1または1枚2に入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
14枚役は、有効ラインに「any−リプa/リプb−ベルa」の組合せが揃ったときに入賞となる。なお、左リールは、「スイカb」、「リプa」、および「リプb」以外のいずれの図柄でもよい。
14枚役を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選において14枚役に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、14枚役を入賞させることができる。14枚役に入賞したときには、メダルが14枚払い出される。
次に、図9を用いて特殊出目を説明する。特殊出目は、小役のうち押し順ベル1〜8に当選(後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選)しているゲームにおいて、当選している入賞役のうちいずれをも発生させることができない場合(取りこぼす場合)において、入賞ラインLNに停止する特定のはずれの図柄組合せである。
特殊出目は、図9に示すように、右ベルこぼし目、中ベルこぼし目、および、左ベルこぼし目を含む。右ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−白7a/白7b/白7c−ベルa」が停止された図柄組合せをいう。中ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−ベルa−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組合せをいう。左ベルこぼし目は、入賞ラインLNに「ベルa/ベルb−白7a/白7b/白7c−白7a/白7b/白7c」が停止された図柄組合せをいう。
右ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する右ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、中ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する中ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、左ベルこぼし目は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する左ベル1〜4のいずれかであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。
また、図10に示されるように、RT0、RT2、およびRT3において、いずれの入賞も発生することなく、特殊出目が停止した後は、RT1に制御される。
[非CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図11を参照して、非CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図11においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
たとえば、内部抽選において、抽選対象役のうち共通ベルが読み出されたときには、共通ベルに対応する入賞役であるベル2についての当否抽選が行われ、左ベル1が読み出されたときには、左ベル1に対応する入賞役の組合せであるベル2、押し順ベル1、および押し順ベル4すべてについての当否抽選が行われる。以下、同様に、左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、共通役、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、押し順役1〜7、およびCBが内部抽選において読み出されたときには、当該読み出された抽選対象役に対応する入賞役の組合せ欄に示されている入賞役あるいは入賞役の組合せについて抽選される。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、無印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。なお、内部抽選において、いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
遊技状態がRT0であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、および通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、共通役、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、押し順役1〜7、およびCBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、共通役、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、およびCBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、通常リプ、維持転リプ1〜3、押し順役1〜6、およびCBが内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT0〜RT3のいずれの遊技状態においても、共通ベル、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、14枚役、弱スイカ、強スイカ、およびCBについては、抽選対象役に定められており、遊技状態にかかわらず共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役およびCBに当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の判定値数を比較すると、中ベル1〜4、右ベル1〜4よりも左ベル1〜4の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカの判定値数を比較すると、それぞれ、「弱」が付された抽選対象役(弱チェリー、弱一枚、弱スイカ)よりも「強」が付された抽選対象役(強チェリー、強一枚、強スイカ)の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、中段チェリーと、弱チェリーおよび強チェリーとの判定値数を比較すると、中段チェリーが最も小さく、当選確率が最も低くなるように設定されている。
後述するように、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカに当選したときにAT抽選が行われ、「弱」が付された抽選対象役当選時よりも「強」が付された抽選対象役当選時の方が高い確率でAT当選し、「強」が付された抽選対象役当選時よりも中段チェリー当選時の方が高い確率でAT当選する。これにより、「弱」が付された抽選対象役よりも「強」が付された抽選対象役に当選すること、および、「強」が付された抽選対象役よりも中段チェリーに当選することに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。
次に、通常リプ、共通役、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、および押し順役1〜7の判定値数を、遊技状態ごとに比較する。いずれかの再遊技役に当選する確率は、RT3が最も高く、続いて、RT2、RT1の順となっており、RT0が最も低くなるように、判定値数が設定されている。
また、RT1における昇転リプ1〜5の判定値数を比較すると、昇転リプ2〜5よりも昇転リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。また、RT1における押し順役1〜6の判定値数を比較すると、押し順役3〜6よりも押し順役1、2の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。このため、後述するように左リール2Lを第1停止させる限り、リプ4やリプ6に入賞し難くすることができる。
また、RT1においては、極めて低確率ではあるものの、共通役および押し順役7に当選する。このため、RT1からRT2を介さずに直接RT3に移行可能となっている。よって、RT1中においては、共通役や押し順役7に当選することに対する期待感およびプレミア感を抱かせることができる。
なお、押し順役7は、設定値に応じて異なる判定値数が設定されており、設定値1に対して「10」が設定されており、設定値が1上がるごとに2ずつ多い判定値数が設定され、設定値6に対して「20」が設定されている。その結果、設定値が高い程、遊技者にとって有利といえる。
また、RT2における維持転リプ1〜3の判定値数を比較すると、維持転リプ2、3よりも維持転リプ1の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。一方、RT2における押し順役1〜6の判定値数は、同じ値であり、同じ当選確率となるように設定されている。
また、RT3における押し順役1〜6の判定値数は、RT2であるときよりも小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、RT2における維持転リプ1〜3の判定値数は、RT1であるときよりも大きく、当選確率が高くなるように設定されている。その一方で、RT2における維持転リプ1〜3の判定値数は、RT3であるときよりも小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
ここで、RT1〜3において読み出されるそれぞれの再遊技役の判定値数を合算し、その値を比較する。RT1における再遊技役の合算した判定値数は、最大となる設定値6で「8987」となる。RT2における再遊技役の合算した判定値数は、最大となる設定値6で「21428」となる。RT3における再遊技役の合算した判定値数は、最大となる設定値6で「51576」となる。RT1とRT2とで、合算判定値数を比較すると、RT2の方がRT1よりも大きく、高い確率で再遊技役に当選するようになっている。これは、図10に示すように、RT2は、RT1からRT3へ遊技状態が移行するために経由される途中の遊技状態でもあり、RT1からRT2に遊技状態が移行した遊技者に対して、その後、RT3に遊技状態が移行するまでのRT2での期間において極力メダルを消費させないようにするためである。また、RT3の合算判定値数は、RT1およびRT2における合算判定値数よりも大きく、最も高い確率で再遊技役に当選するようになっている。これにより、RT3は、メダルの消費を最小限に抑えながら遊技できる点で、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。したがって、RT1、RT2に対するRT3の優位性を確保することができる。
また、本実施の形態においては、非AT中に左第1停止以外の停止操作をするとペナルティが課されるため、遊技者は非AT中に左第1停止をする傾向にあるが、左第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇転リプ1は、中第1停止や右第1停止によってリプ4(昇格リプ)を入賞可能な昇転リプ2〜5よりも判定値数が低く、当選しにくくなっている。そのため、非AT中に遊技者が左第1停止をする限りは、RT2に移行しにくくなっている。このような状況で仮に運よくRT1からRT2に移行できたとしても、最も有利度合いの高いRT3へは、さらにRT2においてリプ6またはリプ7を入賞させなくてはならない。また、左第1停止によって、RT1からRT3へ直接移行するためには、押し順役1、2、および7といった当選確率の非常に低い役に当選する必要がある。いずれにしても、非AT中におけるRT1からRT3への移行は簡単ではない。そのため、RT1からRT3へ移行する際に経由するRT2においては、再遊技役の合算判定値数をRT1よりも高く設定して極力メダルを消費させないようにすることで、遊技者の負担を軽減し、遊技の興趣を低下させないようになっている。また、RT2からRT3へは、押し順役1、2の当選確率をRT1よりも高く設定していることで、RT1からRT2への移行よりも、非AT中において移行しやすくなっている。これにより、非AT中に運よくRT1からRT2へ移行した遊技者に対して、なかなかRT3へ移行しないことに対する不満を感じさせることを極力防止し、遊技の興趣を低下させないようになっている。
また、14枚役は、RT0〜3のいずれの遊技状態であっても判定値数が「1」しか設定されていない。つまり、非CB時において、14枚役は、ベル、チェリー、スイカなどの小役に比べて入賞の発生確率が低く設定されている。
次に、図11の右欄に記載されているリール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を入賞ラインLN上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて、ベル1あるいはベル2を入賞ラインLN上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
左ベル1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうち押し順ベル1または押し順ベル4を引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、押し順ベル1および押し順ベル4を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、押し順ベル1または押し順ベル4のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベル1または押し順ベル4に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2〜4のいずれかが当選しているゲームにおいても同様に、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。一方、左ベル2〜4のいずれかが当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルを引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行う。前述したように、押し順ベルを構成する図柄は、いずれも、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選している押し順ベルに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応する押し順ベルに入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、特殊出目のうち左ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選しているときも同様である。すなわち、中ベル1〜4のいずれかに当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中リール2C以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち中ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、右ベル1〜4のいずれかが当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右リール2R以外のリールであった場合には、押し順ベル1〜8のうち当選している押し順ベルの図柄組合せを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行い、当選している押し順ベルの図柄組合せを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、特殊出目のうち右ベルこぼし目を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
このように、左ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行われ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、中ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、右ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベルを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、特殊出目を導出させるようにリール制御が行われる。
以上のように本実施の形態では、左ベルが当選したか、中ベルが当選したか、右ベルが当選したかによって、ベル1あるいは2を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ特殊出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、中ベルや右ベルよりも、左ベルの当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、演出状態が非AT中のゲームにおいて、左リール2Lを第1停止させなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、特に中ベルや右ベルに当選したときに、ベルを確実に入賞させることが困難となる。よって、非AT中のときに仮にRT2に制御された場合であっても、高い確率で特殊出目が停止されるため、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、左ベル、中ベル、および右ベルに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、ベルを確実に入賞させることができ、RT1に転落することを回避させることができる。
中段チェリーに当選しているゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上にしか停止されないようにリール制御が行われる。一方、弱チェリーあるいは強チェリーに当選しているゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止されるようにリール制御が行われる。これにより、左リール2Lのチェリーが中段に停止してチェリー入賞が発生したときには中段チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができ、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止してチェリー入賞が発生したときには、中段チェリーではなく弱チェリーあるいは強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
また、強チェリーに当選しているゲームにおいてのみ、左リール2Lのチェリーが停止された無効ライン上において、中リール2Cおよび右リール2R各々のチェリーを停止させて、「チェリー−チェリー−チェリー」を停止させるリール制御が行われ得る。これにより、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止し、かつ当該チェリーが停止された無効ライン上に「チェリー−チェリー−チェリー」が停止されたときには、弱チェリーではなく強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
弱一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目と異なる予め定められた弱チャンス目(たとえば、入賞ラインLNに「白7b−スイカb−チェリー」など)を停止させるリール制御を行う。また、強一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組合せのうち、特殊出目とも弱チャンス目とも異なる予め定められた強チャンス目(たとえば、入賞ラインLNに「白7b−スイカb−スイカb」など)を停止させるリール制御を行う。チャンス目は、弱一枚や強一枚を取りこぼしたときだけでなく、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカなどを取りこぼしたときにも停止し得るように、リール制御が行われる。
14枚役に当選しているゲームにおいては、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順にかかわらず、14枚役の図柄組合せをを入賞ラインLNに引き込み、14枚役を入賞させるリール制御が行われる。
弱スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ1よりもスイカ3または4を優先して入賞ラインLNに引き込み、右下スイカあるいは右上スイカを停止させ、スイカ3および4を引き込むことができない場合には、スイカ1も引き込むことができない場合であるため、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
強スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ3、4よりもスイカ1または2を優先して入賞ラインLNに引き込み、上段または中段にスイカを停止させ、スイカ1または2を引き込むことができない場合にはスイカ3、4を引き込み、スイカ3、4をも引き込むことができない場合には、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行う。
また、通常リプに当選しているゲームにおいては、操作手順にかかわらず、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに引き込み、中段にリプを停止させるリール制御を行う。
共通役に当選しているゲームにおいては、左リール2Lを第1停止させた場合、または、中リール2Cを第1停止させその後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行う。また、共通役に当選しているゲームにおいては、右リール2Rを第1停止させた場合、または、中リール2Cを第1停止させその後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行う。
また、昇転リプ1〜5のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、昇格リプであるリプ4を入賞させる制御が行われる。
昇転リプ1に当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、転落リプであるリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ2に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合には、リプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ3に当選しているゲームにおいて、中リール2Cを第1停止させ、その後右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ4に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
昇転リプ5に当選しているゲームにおいて、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2Lを第1停止させた場合にはリプ1を入賞させ、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
RT1において転落リプであるリプ5に入賞した場合には、RT1が維持されるため、遊技状態が移行されるか否かの観点においてはリプ1が入賞した場合と同じとなる。このように、昇転リプ1〜5のいずれに当選したかによって、昇格リプであるリプ4を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、昇転リプ2〜5よりも、昇転リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。一方、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、昇転リプ1に当選したときにはRT2に制御され得るが、昇転リプ2〜5に当選したときには実質的に昇格リプを入賞させることができず、RT2へ制御させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、昇転リプに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、昇格リプを確実に入賞させることができ、確実にRT2へ制御させることができる。
また、維持転リプ1〜3のうちいずれかに当選している場合には、第1停止されたリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかなどに応じて、通常リプであるリプ1を入賞させる制御か、転落リプであるリプ5を入賞させる制御が行われる。
維持転リプ1が当選しているゲームにおける第1停止リールが、左リール2Lであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ2が当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、中リール2C以外の左リール2Lまたは右リール2Rであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
維持転リプ3が当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した再遊技役のうち、リプ1の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行い、右リール2R以外の左リール2Lまたは中リール2Cであった場合にはリプ5を入賞させるリール制御を行う。
このように、維持転リプ1〜3のいずれに当選したかによって、通常リプであるリプ1および転落リプであるリプ5を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、RT2においては、維持転リプ2および3よりも、維持転リプ1の当選確率は低くなるように設定されている。一方、前述したように、本実施の形態におけるスロットマシン1では、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、維持転リプ1に当選したときには転落リプ入賞を回避させ得るが、維持転リプ2または3に当選したときには実質的に転落リプ入賞を回避させることができず、非AT中においてRT2へ制御されていたとしても、当該RT2を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、維持転リプに当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、転落リプ入賞を確実に回避させることができ、RT2への制御を維持させることができる。
また、押し順役1〜6のうちいずれかに当選している場合には、当該押し順役1〜6に対応した停止操作順に応じて、RT3への移行を伴なう7リプであるリプ6、7のいずれかを入賞させる制御か、遊技状態の移行を伴わないリプ1〜3のいずれかを入賞させる制御が行われる。
押し順役1が当選しているゲームにおいて、左中右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
押し順役2が当選しているゲームにおいて、左右中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1またはリプ2を入賞させる制御を行う。
押し順役3が当選しているゲームにおいて、中左右の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
押し順役4が当選しているゲームにおいて、中右左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
押し順役5が当選しているゲームにおいて、右左中の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ2またはリプ3を入賞させる制御を行う。
押し順役6が当選しているゲームにおいて、右中左の順で停止操作が行われた場合には、当選した再遊技役のうちリプ7の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順で停止操作が行われた場合には、リプ1〜3のいずれかを入賞させる制御を行う。
このように、押し順役1〜6のいずれに当選したかによって、7リプであるリプ6あるいはリプ7のいずれかを入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、非AT中のときにおいて左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、非AT中のときには、押し順役1または2に当選したときにはリプ6を入賞させ得るが、押し順役3〜6のいずれかに当選したときには実質的にリプ6および7のいずれをも入賞させることができず、RT3へ制御されることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、RT2において、押し順役1〜6に当選したときにおけるナビ演出に従った操作手順で停止操作を行うことにより、7リプを確実に入賞させることができ、RT3へ制御させることができる。
また、RT1においては、前述したように、押し順役3〜6よりも、押し順役1、2の当選確率は低くなるように設定されている。このため、非AT中のゲームにおいては、押し順役1、2に当選したときにはRT3に制御され得るが、押し順役3〜6に当選したときには実質的に7リプを入賞させることができず、RT3へ制御させることが困難となる。
押し順役7が当選しているゲームにおいては、第1停止リールが、左リール2Lであった場合に、当選した再遊技役のうちリプ6の図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左リール2L以外であった場合にはリプ1を入賞させる制御を行う。このように、押し順役7が内部抽選の対象となるRT1において、押し順役7が当選していれば、左リール2Lを第1停止することにより、必ず、リプ6が入賞して、RT3へ移行させることとなる。このため、演出状態がAT中であるか否かにかかわらず、押し順役7に当選したときには、リプ6を入賞させてRT3へ制御させることができる。
なお、内部抽選において押し順役7に当選したときには、所定期間に亘って、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作を受付けないことによりゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御され、この間において、リプ6に入賞してRT3に制御されることを煽る演出が行われる。
CBが当選しているゲームにおいては、左第1停止であった場合に非中段7揃いの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中第1停止または右第1停止であった場合に中段7揃いの図柄組合せを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に応じて、リール制御を行い、表示結果にしたがってメダル払い出しや遊技状態移行を行う。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
[ゲームの流れ]
ここで、図10を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、図10に示されるように、設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、高い確率でベルおよび押し順ベルを取りこぼして、入賞ラインLNに特殊出目が停止され、いつまでも特殊出目が停止されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。本実施の形態におけるスロットマシン1では、前述したように、RT0〜RT3において非AT中のときに、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、非AT中のときには、左リール2Lを第1停止させるように停止操作を行う。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT1では、リプ4やリプ6、7に入賞することにより、RT2やRT3に移行される。リプ4やリプ6、7に入賞するためには、図11で示したように、共通役に当選するか、押し順役1〜7のいずれかに当選しかつ7リプ入賞させるための操作手順で停止操作するか、昇転リプ1〜5のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、共通役や押し順役7の当選確率は極めて低く設定されている。このため、共通役や押し順役7に当選することにより、リプ6、7に入賞する可能性は極めて低い。また、左リール2Lが第1停止されたときに昇格リプ入賞させる昇転リプ1の当選確率は、その他の昇転リプ2〜5の当選確率よりも低くなるように設定されている。このため、昇転リプ1〜5に当選することにより、昇格リプであるリプ4に入賞する可能性も高いとはいえない。よって、左リール2Lを第1停止させる限り、RT2に移行される可能性は低い。
また、RT1において左リール2Lを第1停止させながら、運よくリプ4に入賞し、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、押し順ベルのうち、左リール2Lを第1停止させた場合にベル入賞となる左ベル1〜4の当選確率がその他の中ベル1〜4や右ベル1〜4の当選確率よりも極めて低くなるように設定されており高い確率で特殊出目が停止され、また、維持転リプ1〜3のうち、左リール2Lが第1停止されたときにリプ1を停止させる維持転リプ1の当選確率は、その他の維持転リプ2および3の当選確率よりも低くなるように設定されており高い確率でリプ1を入賞させることができず転落リプが入賞する。このため、本実施の形態のスロットマシン1において、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、共通役、押し順役1〜7、および昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときに、リプ4やリプ6、7を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ4入賞によりRT2に移行させ、リプ6、7入賞によりRT3に移行させることができる。
また、RT2では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT2を維持させることができる。
さらに、RT2では、共通役、押し順役1〜6のいずれかに当選したときに、リプ6あるいはリプ7を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ6あるいはリプ7入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに、通常リプであるリプ1を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、リプ1入賞によりRT2を維持させることができる。
また、少なくともRT1〜3では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱一枚、強一枚、弱スイカ、強スイカなど、所定の操作手順で停止操作しなければ入賞させることができない抽選対象役に当選したときに、当該抽選対象役に応じて遊技者にとって有利となる操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、小役の取りこぼしを防止して、メダルを確実に獲得することができる。また、特殊出目が停止されることを回避して、現在制御されている遊技状態への制御を維持することができる。
さらに、本実施の形態においては、RT0〜3のいずれにおいても、CBに当選したときには中段7揃いを入賞ラインLNに導出させるためのナビ演出が所定の確率で実行される。これにより、遊技者に中段7揃いを入賞ラインLNに導出させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
また、本実施の形態においては、いずれのRT状態においてもCB入賞することによって、RT状態を維持したままCB中のゲームに移行する。
[CB時の抽選対象役、判定値数、リール制御]
次に、図12を参照して、CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数について説明する。本実施の形態では、遊技状態が、RT0〜RT3のいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図12においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役ごとの抽選される遊技状態の内容を示している。
本実施の形態のCB(チャレンジボーナス)は、全ての小役の当選が同時に成立し、所定の条件(本実施の形態においては、15枚以上のメダルの払い出し)が成立するまで、遊技者の目押しにより小役の入賞を毎ゲーム可能とする。また、再遊技役については、CBが発生した遊技状態に応じて、すべての小役と同時当選する役が予め定められている。
たとえば、遊技状態がRT0であるときには、リプ当選以外の全ての小役および通常リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、リプ当選以外の全ての小役、通常リプ、共通役、昇転リプ1〜5、維持転リプ1〜3、および押し順役1〜7が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、リプ当選以外の全ての小役、通常リプ、共通役、維持転リプ1〜3、および押し順役1〜6が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、リプ当選以外の全ての小役、通常リプ、維持転リプ1〜3、および押し順役1〜6が内部抽選の対象役として順に読み出される。
次に、CB時のリール制御について説明する。CB時のゲームでいずれの再遊技役にも当選しなかった場合には、リプ当選以外のすべての小役のみが当選したことになる。この場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB時のゲームで通常リプとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB時のゲームで共通役とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB時のゲームで昇転リプ1〜5のいずれかとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB時のゲームで維持転リプ1とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、中第1停止または右第1停止であれば15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われ、左第1停止であれば14枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。維持転リプ2とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止または右第1停止であれば15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われ、中第1停止であれば14枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。維持転リプ3とリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止または中第1停止であれば15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われ、右第1停止であれば14枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
CB時のゲームで押し順役1〜7のいずれかとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合には、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のいずれであっても15枚のメダルが払い出されるようにリール制御が行われる。
ここで、図13は、CB時の入賞について説明するための図である。図13(a)は、CB時の1ゲーム内においてメダルを14枚払い出すときの入賞態様を示している。また、図13(b)は、CB時の1ゲーム内においてメダルを15枚払い出すときの入賞態様を示している。
図13に示すように、本実施の形態においては、CB時であるときに入賞ラインLN、無効ラインLM4、およびV字ラインが有効ラインとして有効化される。より具体的には、入賞ラインLN上に入賞図柄が導出されたとき、無効ラインLM4上に入賞図柄が導出されたとき、およびV字ライン上に入賞図柄が導出されたときにメダルの払い出しが行われる。
図13(a)に示すように、CB時の入賞において、メダルが14枚払い出される場合は、入賞ラインLNのみに入賞図柄が導出されるリール制御がされる。より具体的には、CB時のゲームで通常リプとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合において中第1停止されたときには、小役のうち14枚役の入賞図柄が入賞ラインLNに導出されるようになっている。また、CB時の入賞において、維持転リプ1〜3のいずれかとリプ当選以外のすべての小役が同時当選した場合において左第1停止されたときには、小役のうち14枚役の入賞図柄が入賞ラインLNに導出されるようになっている。このように、メダルを14枚払い出すときには入賞ラインLNにのみ14枚役の入賞図柄が導出されるようになっている。
また、図13(b)に示すように、CB時の入賞において、15枚のメダルが払い出される場合は、入賞ラインLN、無効ラインLM4、V字ラインのうちのいずれか2以上の有効ラインに小役のうち14枚役とその他の小役が導出されるようになっている。
ここで、本実施の形態においては、1ゲームで払い出されるメダルは15枚が最大である。そのため、図13(b)に示すように、2ラインでの入賞のうち一方の有効ラインで14枚役が導出されてメダルが14枚払い出された場合、他方の有効ラインではいずれの小役が導出されても合計でメダルの払出枚数が15枚以上になるため、実際に払い出されるメダルは最大の15枚となる。さらに、本実施の形態のCBは、メダルが15枚払い出されることで終了するため、図13(b)に示すように、CBの1ゲーム目からメダルが15枚払い出される場合は1ゲームでCBが終了してしまう。それに対して、図13(a)に示すようにCBの1ゲーム目でメダルが14枚払い出される場合は、未だ終了条件の15枚に到達していないため、2ゲーム目も遊技することができ、当該2ゲーム目でさらに14枚や15枚のメダルが払い出されることにより、結果的に15枚以上のメダルを遊技者が獲得することができる。つまり、CB時においては1ゲーム目から14枚の払い出しが行われるときの方が、1ゲーム目から15枚の払い出しが行われるときよりも遊技者にとって有利であるといえる。
また、図12に示されたCB時の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数は、リプ当選以外の全ての小役が当選していることを除いて、図11で示された非CB時の内部抽選において読み出される抽選対象役および抽選対象役の判定値数と同じである。つまり、再遊技役の抽選対象役および判定値数は、CB入賞前後で変更されないようになっている。そのため、CB入賞前のRT状態が遊技者にとって有利な状態であれば、CB入賞後においても、遊技者にとって有利な状態を維持したままでCB中のゲームが行われることになる。たとえば、CB入賞前がRT3であれば、CB入賞後においても、RT3と同じ再遊技役の抽選対象役および判定値数を維持したままでCB中のゲームが行われる。
さらに、図12に示すCB時の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、1ゲーム内で14枚のメダルが払い出されるリール制御が行われる抽選対象役(維持転リプ1〜3)は、RT3が最も当選しやすくなっている。そのため、すべての遊技状態の中でRT3のときにCB入賞した場合が、CB内で2ゲーム目以降のゲームをすることができる確率が最も高くなり、遊技者にとって最も有利となる。
ここで、図12に示すCB時の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、RT2においては、メダルの消費を抑えるために、維持転リプ1〜3の当選確率がRT1よりも敢えて高く設定されている。ここで、仮に、RT2における維持転リプ1〜3の当選確率を高く上げすぎた場合、RT2における維持転リプ1〜3の当選確率がRT3と同様、もしくはそれ以上に高くなってしまう虞が生じる。この場合、CB中の1ゲーム目で14枚のメダルが払い出される確率もRT2とRT3とが同様、もしくはRT2の方がRT3よりも高くなってしまい、RT2の方がRT3と同様、もしくはそれ以上にCB中における有利度合いが向上してしまうような事態が起こり得る。その結果、RT1からRT3への途中段階で極力メダルを消費させないために、再遊技役への当選確率を高く設定しているにすぎないRT2において、RT3と同様に、CBに制御されたときの有利度合いが高まりすぎてしまう虞が生じる。しかしながら、本実施の形態においては、図12に示すように、RT2の方がRT3よりも維持転リプ1〜3の当選確率が低く設定されているため、RT2の方がRT3よりもCB中における有利度合いが向上してしまうような事態が起こりにくい。その結果、RT1からRT3に移行するときに経由されるRT2において再遊技役への当選確率を高くしてもRT2における有利度合いが高まりすぎてしまうことがない。
なお、本実施の形態においては、後述するように、AT状態でCB入賞した場合、CB時のゲーム内で維持転リプ1〜3が当選したときには、入賞ラインLNに14枚役の入賞図柄を導出させるためのナビ演出が実行されるようになっている。そのため、AT時においては、非AT時に比べて、1ゲーム内で14枚のメダルが払い出される可能性が高く、遊技者にとって有利となる。このように、維持転リプ2または維持転リプ3が当選したゲームでは、RT2とRT3とにおける有利度合いの差が維持転リプ2、3の当選確率に加えてAT中であるか否かによっても依存する。一方、本実施の形態においては左第1停止が推奨手順であることから、維持転リプ1が当選したゲームでは、AT中であるか否かにかかわらずに、RT2とRT3とにおける有利度合いの差が維持転リプ1の当選確率のみに依存する。
また、図12に示すように、維持転リプ1の判定値数は、その他の維持転リプ2および維持転リプ3よりも小さく、当選確率が低くなっている。これは、左第1停止が推奨手順であるため、左第1停止で操作したときに14枚の払い出しが行われる維持転リプ1が高確率で当選してしまうと、AT中であるか否かにかかわらずにほとんどの遊技者が14枚払出しの恩恵を受けることになるからである。そのため、ナビ演出によって操作手順が報知されるといったATでの優位性を失わないように、維持転リプ1は、その他の維持転リプ2および維持転リプ3よりも当選確率が低くなっている。
また、図11に示す非CB時の抽選対象役、判定値数によると、14枚役はいずれの遊技状態においても判定値数が1である。そのため、非CB時においては、その他の入賞役が14枚役よりも高い確率で入賞が発生可能となる。つまり、非CB時では、14枚役が入賞可能なメインの役ではない。これに対して、図12に示すCB時の抽選対象役および抽選対象役の判定値数によると、全ての小役が再遊技役と同時当選し、さらにいずれの抽選対象役が当選しても14枚役が導出されるため、14枚役がその他の入賞役よりも高い確率で入賞が発生可能となる。つまり、CB時では、14枚役が入賞可能なメインの役となる。
このように、非CB時においては14枚役よりも高い確率でその他の入賞役が発生可能となり、CB時においては当該その他の入賞役よりも高い確率で14枚役が発生可能となる。ここで、本実施の形態においては、14枚役に入賞しても、払い出し以外の特典は付与されないが、14枚役に入賞したときに、何らかの特典(たとえば、ナビストックやプレミア演出の実行など)が付与されるものであってもよい。このようにすると、14枚役が当選して14枚役の図柄組合せが導出されることによって直接的に特典が付与されることに対する期待感を抱かせることができるとともに、14枚役の発生確率が高まることにより14枚役の図柄組合せが導出される確率も高まるCBに制御されることによる遊技者にとっての価値をより一層高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[サブ制御部の演出制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、左リール2Lが第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行う。さらに、サブ制御部91では、AT中のゲームにおいて、受信したリール停止コマンドに基づき、実行したナビ演出に従わない停止操作がされた場合にも、所定のペナルティを科す制御を行う。
なお、単なる操作ミスにより左リール2Lを第1停止させることができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左リール2L以外のリールを第1停止させていること、あるいは遊技者が意図的にナビ演出に従わない停止操作をしている蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行うようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左リール2L以外のリールが第1停止された回数やナビ演出に従わない停止操作をした回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中のゲームにおいて、受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役とは、たとえば、RT1中においてはベル1や転落リプが該当し、RT2中においては、ベル1や、維持転リプ2または維持転リプ3に当選時のリプ1、押し順役3〜6当選時のリプ6〜8などが該当する。
[ペナルティフラグ制御処理]
図14は、ペナルティフラグ制御処理を実行するためのフローチャートである。このペナルティフラグ制御処理では、AT中において実行されたナビ演出に従わずに遊技者がリールを停止操作させたときに、所定のペナルティを科すためのペナルティフラグがセットされる。
先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41から、遊技状態コマンドを受信したか否かを判定する(Sb1)。サブ制御部91は、遊技状態コマンドを受信していない場合には(Sb1においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、遊技状態コマンドを受信した場合には(Sb1においてYES)、遊技状態がRT2であるか否かを判定する(Sb2)。サブ制御部91は、RT2である場合には(Sb2においてYES)、メイン制御部41から、内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(Sb3)。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信していない場合には(Sb3においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。
サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した場合には(Sb3においてYES)、ナビ対象役に当選したか否かを判定する(Sb4)。サブ制御部91は、ナビ対象役に当選していない場合には(Sb4においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、いずれかのナビ対象役に当選している場合には(Sb4においてYES)、メイン制御部41からリール停止コマンドを受信したか否かを判定する(Sb5)。サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信していない場合には(Sb5においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。
サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信した場合には(Sb5においてYES)、リール停止コマンドに基づいてストップスイッチの操作がナビ演出に従った停止操作であったか否かを判定する(Sb6)。サブ制御部91は、ナビ演出に従った停止操作がされた場合には(Sb6においてYES)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、ナビ演出に従った停止操作がされなかった場合には(Sb6においてNO)、ペナルティフラグをセットする(Sb7)。その後、サブ制御部91は、ペナルティフラグ制御処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、Sb2において遊技状態がRT2でないと判定した場合には(Sb2においてNO)、遊技状態がRT3であるか否かを判定する(Sb8)。サブ制御部91は、RT3でない場合には(Sb8においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、RT3である場合には(Sb8においてYES)、ペナルティフラグがセットされているか否かを判定する(Sb9)。サブ制御部91は、ペナルティフラグがセットされていない場合には(Sb9においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。一方、サブ制御部91は、ペナルティフラグがセットされている場合には(Sb9においてYES)、ペナルティフラグをクリアする(Sb10)。その後、サブ制御部91は、ペナルティフラグ制御処理を終了する。
ここで、仮に、RT2のゲームにおいてナビ演出に従わずに停止操作がされてペナルティが科された場合、一定期間(たとえば、50ゲーム)に亘って非ATに制御される。この場合、本来、ナビ演出に従って停止操作していれば、ペナルティが科されることなくリプ6またはリプ7に当選したゲームでナビ演出が実行され、リプ6またはリプ7に入賞してRT3でゲームを行うことができたはずなのに、ペナルティが科されてしまうことでナビ演出が実行されることなく特殊出目の導出やリプ5入賞によりRT1に移行した状態で遊技者に遊技を進めさせることになる。この場合、せっかくナビストックを獲得していたにもかかわらず、ペナルティが科されてナビ演出が実行されなくなったことにより、RT3よりも不利な遊技状態で遊技者に遊技を進めさせることになり、本来意図している遊技性を保つことができないといった不具合が生じてしまう。
しかしながら、本実施の形態におけるペナルティフラグ制御処理では、RT2でペナルティフラグをセットしても、その後のゲームにおいてナビ演出に頼らずに自力でリプ6またはリプ7に入賞してRT1からRT3に移行した遊技者に対しては、RT3に移行したときにペナルティフラグをクリアするものとした。これにより、ペナルティが科されているにもかかわらず自力でRT3に移行した遊技者に対してペナルティが科され続け、その結果、再びRT1に移行してしまうような事態が生じることがなく、遊技者の遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。そして、ペナルティを科すことにより、本来意図している遊技性を保つことができないといった不具合を解消することができる。
なお、図14は、RT2においてナビ演出に従わなかった場合にペナルティフラグをセットする例を示しているが、これに限らず、RT3においてナビ演出に従わなかった場合にペナルティフラグをセットするものであってもよい。具体的には、図14のSb2の処理で、サブ制御部91が、遊技状態がRT3であるか否かを判定し、RT3である場合には、Sb3の処理に移行し、RT3でない場合には、Sb8の処理に移行するものであってもよい。
これにより、たとえば、RT3のゲームにおいてナビ演出に従わずに停止操作がされてペナルティが科された場合に、一定期間(たとえば、50ゲーム)に亘って非ATに制御されることになる。そして、この場合、本来、ナビ演出に従って停止操作していれば、ペナルティが科されることなくナビ演出によってRT3を維持したままゲームを続けることができたはずなのに、ペナルティが科されてしまうことでナビ演出が実行されることなく特殊出目の導出やリプ5入賞によりRT1に移行した状態で遊技者に遊技を進めさせることになる。この場合、せっかくナビストックを獲得していたにもかかわらず、ペナルティが科されてナビ演出が実行されなくなったことにより、RT3よりも不利な遊技状態で遊技者に遊技を進めさせることになり、本来意図している遊技性を保つことができないといった不具合が生じてしまう。
しかしながら、RT3でペナルティフラグをセットしても、その後のゲームにおいてナビ演出に頼らずに自力でRT1からRT3に移行した遊技者に対しては、RT3に移行したときにペナルティフラグをクリアするものとすれば、ペナルティが科されているにもかかわらず自力でRT3に移行した遊技者に対してペナルティが科され続け、その結果、再びRT1に移行してしまうような事態が生じることがなく、遊技者の遊技に対する興趣の低下を防ぐことができる。そして、ペナルティを科すことにより、本来意図している遊技性を保つことができないといった不具合を解消することができる。
[AT関連処理]
次に、サブ制御部91側において行われる処理のうち、ATに関連する処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行う。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(たとえば、ATに制御されてから100ゲーム)、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図15は、AT抽選に用いるAT抽選用テーブルを説明するための図である。AT抽選条件は、RT状態、AT状態、および、当選状況やゲーム進行状況などのその他の条件の組合せにより成立する。サブ制御部91は、成立したAT抽選条件に定められた当選確率に従ってAT当選し、AT当選した場合には振分率に従ってナビストックを付与する。
なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの遊技状態コマンド、内部当選コマンド、入賞判定コマンドに基づき、制御されているRT状態および当選状況を判定するとともに、AT中にセットされるATフラグに基づきAT中か否かを判定する。
第1AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、弱チェリー、弱一枚、および弱スイカのうちいずれかに当選したときに成立する。第1AT抽選条件が成立したときには、3%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、50%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」に決定される。なお、AT抽選は、たとえば乱数などを用いて、設定されている確率あるいは振分率にしたがってランダムに行われる。よって、第1AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.5+2×0.3+3×0.2)×0.03=0.051となる。
第2AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、強チェリー、強一枚、および強スイカのうちいずれかに当選したときに成立する。第2AT抽選条件が成立したときには、10%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、30%の確率で「1」に、30%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、10%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第2AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.3+2×0.3+3×0.2+4×0.1+5×0.1)×0.1=0.24となる。
第3AT抽選条件は、AT中であるか否かにかかわらず、RT状態がRT0〜3であるときに、中段チェリーに当選したときに成立する。第3AT抽選条件が成立したときには、30%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、30%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、10%の確率で「5」に決定される。よって、第3AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.3+4×0.2+5×0.1)×0.3=0.84となる。
また、第1〜第3AT抽選条件は、各々、AT中であるか非AT中であるかにかかわらず、当選確率および振分率が同じである例について説明したが、これに限らず、AT中であるか否かに応じて当選確率および振分率を異ならせてもよい。たとえば、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも高い当選確率でナビ付与抽選を行い、また、AT中であるときの方が非AT中であるときよりも期待ナビストック数が大きくなるようにナビストック数抽選を行うようにしてもよい。
なお、第1〜第3AT抽選条件は、所定の入賞役に当選することにより成立する例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、第1AT抽選条件は、チェリー2またはチェリー3に入賞することにより成立するようにしてもよい。
第4AT抽選条件は、非AT中であって、遊技状態がRT1〜3であるときに、前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したときに成立する。第4AT抽選条件が成立したときには、100%の確率でAT当選し、付与されるナビストック数が、60%の確率で「1」に、40%の確率で「2」に決定される。よって、第4AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.6+2×0.4)×1.0=1.4となる。
なお、サブ制御部91は、AT中にセットされるATフラグに基づきART終了を特定するとともに、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づき、ART終了から消化したゲーム数を特定するための終了後ゲーム数を計数し、当該終了後ゲーム数に基づき前回ARTが終了してから1000ゲーム消化したか否かを特定し、第4AT抽選条件の成否を判定する。
第5AT抽選条件は、遊技状態がRT2またはRT3であり、演出状態がAT中である場合において、押し順役1〜6のいずれかに当選したときに成立する。第5AT抽選条件が成立したときには、5%の確率でAT当選し、AT当選した場合には付与されるナビストック数が、20%の確率で「1」に、20%の確率で「2」に、20%の確率で「3」、20%の確率で「4」に、20%の確率で「5」に決定される。よって、第6AT抽選条件が成立したときに獲得することが期待され得る期待ナビストック数は、(1×0.2+2×0.2+3×0.2+4×0.2+5×0.2)×0.05=0.15となる。
このように、メイン制御部41からのコマンドに基づきサブ制御部91によってAT制御のためのナビストックを付与するか否かが決定されて、当該決定に応じてナビストックが付与されるため、遊技者に対して、サブ制御部91の処理に注目させることができる。
以上、AT抽選用テーブルに示すように、RT2とRT3とでは、メダルの払い出しとは異なる特典であるナビストック付与に関する有利度合いが同一である。より具体的には、RT2とRT3とで、AT状態、その他の条件、当選確率、付与ナビストック数の振分率といったAT抽選の条件が同一である。これにより、RT3と同様に、RT2においても優位性を確保することができる。
[AT制御処理]
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施の形態においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、たとえば、非AT中でかつRT1中であるときには昇転リプ1〜5のいずれか、または押し順役1〜6のうちいずれかに当選したときに成立し、非AT中でかつRT2中であるときには、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、維持転リプ1〜3、および押し順役1〜6のいずれかに当選したときに成立する。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。
なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1またはRT2においてATフラグからATである旨が特定されたときに、ATへの制御を開始する。これにより、ナビ演出が実行される。このため、RT1においては、昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときに昇格リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。
また、RT2においては、押し順役1〜6のいずれかに当選したときにナビ演出が実行され、リプ6、7のいずれかに入賞する可能性が高くなり、その結果、RT3へ制御されやすくなる。このとき、ナビ演出に従わずにストップスイッチを停止操作した遊技者に対してはペナルティが科される。そのため、遊技者にRT2からRT3へと遊技状態を移行制御させるため、ナビ演出に従った操作手順での操作を促すことができ、その結果、意図しない遊技の進行をさせないようにすることができる。また、RT2においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに特殊出目停止や転落リプ入賞を回避させ、その結果、RT2への制御を維持させやすくなる。
RT1またはRT2においては、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。AT中におけるRT1において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたとき、およびRT1においてリプ6、7のいずれかに入賞することによりRT3に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。
RT3に制御されたときには、ナビストック数を1消費(減算)して、所定回数(たとえば100)ゲームを消化する間、RT3かつATであるARTに制御可能となる。なお、ナビストック数を1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。
一方、リプ6、7のいずれかに入賞した場合であっても、RT1やRT2において非AT中のゲームであった場合には、左リール2L以外のリールを第1停止させた場合であるため、ATに制御させないといったペナルティが科される。このため、RT3に制御されたとしてもATに制御されずナビ演出が実行されないため、当該RT3を維持することが困難となり、特殊出目停止あるいは転落リプ入賞によりRT1に移行されることになる。
サブ制御部91は、ARTに制御すると、ATに制御されることが確定しているATゲーム数を報知するとともに、ゲーム消化に応じてATゲーム数を更新させる。具体的に、たとえば、ARTに制御されたときに、液晶表示器51において「AT残り100ゲーム」といったメッセージを表示し、ゲーム消化に応じて残りゲーム数を更新表示する。これにより、少なくともナビストック1に対応してATに制御される旨が報知される。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかに当選したときに特殊出目が停止されやすく、かつ、維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときに転落リプ入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT3からRT1へ制御される可能性が高まる。
一方、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が1以上であれば、サブ制御部91は、たとえば「まだまだー!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ナビストック数を1減算させた値に更新してARTへの制御を継続させる。
以上のように、RT3であるときには、ナビストック数を1消費することにより、所定回数ゲームを消化する間ARTに制御される。また、ARTにおいて所定回数ゲームを消化して1ナビストックに対応するATが終了したときであっても、未だナビストック数が1以上であるときにはさらにナビストックを1消費させてATへの制御が継続される。これにより、AT抽選の結果に応じて設定されるナビストック数に応じた回数だけ、ATに繰り返し制御可能となるといえる。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
[非CB時のナビ演出]
ここで、非CB時において、遊技状態に応じたナビ対象役について図11を用いて説明する。まず、RT1に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、昇格リプを含む昇転リプ1〜5、転落リプを含む維持転リプ1〜3、および7リプを含む押し順役1〜7が定められている。
また、RT2に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、転落リプを含む維持転リプ1〜3、および7リプを含む押し順役1〜6が定められている。
また、RT3に応じたナビ対象役としては、押し順ベルを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、転落リプを含む維持転リプ1〜3、および7リプを含む押し順役1〜6が定められている。
さらに、RT1〜3で共通のナビ対象役として、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカ、CBが定められている。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてベル1または2を確実に入賞させて特殊出目停止を回避させるための押し順が報知される。たとえば、左ベル1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベル2に当選したときのナビ演出としては、「中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
昇転リプ1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを確実に入賞させるための押し順が報知される。たとえば、昇転リプ3に当選したときのナビ演出としては、「中右左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、昇転リプ5に当選したときのナビ演出としては、「右中左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
維持転リプ1〜3のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させるための押し順が報知される。たとえば、維持転リプ1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、維持転リプ3に当選したときのナビ演出としては、「右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
中段チェリー、弱チェリー、および強チェリーのいずれかに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「チェリーを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、チェリー当選している旨が報知される。
弱スイカ、または強スイカに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「スイカを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、スイカ当選している旨が報知される。
CBに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「中または右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。つまり、この場合、入賞ラインLNに中段7揃いを導出させるためのナビ演出が実行される。なお、このナビ演出は、AT状態であればCBに当選したときに必ず行われるものではなく、後述するCB当選時ナビ演出実行テーブルに基づき所定確率で行われる。
押し順役1〜7のいずれかに当選したときには、原則として、7リプを確実に入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行される。たとえば、押し順役3に当選したときのナビ演出としては、「中左右」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順役6に当選したときのナビ演出としては、「右中左」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。押し順役7に当選したときのナビ演出としては、「左中右」(左右中でもよい)といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
押し順役1〜6のいずれかに当選したときであっても、RT3中であるART中であるときには、RT1中やRT2中と異なり、7リプ入賞時のフリーズ状態中において行われる報知モード選択演出において選択された報知モードに応じて、異なるナビ演出が実行される。
また、AT中において、ナビ演出から特定される操作手順以外の手順で操作した場合において、特殊出目停止や転落リプ入賞した場合には、RT1に制御されてしまう。このようにAT中でありながら、操作ミスによってRT1に制御されてしまった場合には、制裁措置としてその時点でATを終了(ナビストックを消去)させるようにしてもよく、これとは逆に、救済措置としてATを継続して再びRT3へ制御させるようにナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
ここで、非CB時においてCB当選したときにサブ制御部91が実行するナビ演出について説明する。図16は、非CB時のCB当選時ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。サブ制御部91は、CB当選時ナビ演出実行処理を実行することにより、RT状態およびAT状態に応じて、入賞ラインLNに中段7揃いを導出させるナビ演出を所定の確率に基づき実行する。
図16に示すように、先ずサブ制御部91は、メイン制御部41からCB当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S10)。サブ制御部91は、CB当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S10においてNO)、CB当選時ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、CB当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S10においてYES)、現在のRT状態およびAT状態に応じて、図17のCB当選時ナビ演出実行テーブルに基づきナビ演出実行抽選を行う(ステップS15)。なお、RT状態は、前回のゲーム終了時に受信した遊技状態コマンドによってサブ制御部91により判定される。また、AT状態は、RAM91cの所定領域に格納されたATフラグに基づきサブ制御部91によりAT制御の有無が判定される。
ここで、図17のCB当選時ナビ演出実行テーブルについて説明する。なお、CB当選時ナビ演出実行テーブルは、RAM91cに格納されている。
CB当選時ナビ演出実行テーブルにおいては、RT状態およびAT状態に対応してナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、このCB当選時ナビ演出実行テーブルを参照することによって、RT状態およびAT状態に応じて、ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
たとえば、RT状態がRT0であるときには、非ATであれば0%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。つまり、この場合、一切ナビ演出は実行されないようになっている。一方、AT中であれば10%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。
RT状態がRT1であるときには、非ATであれば一切ナビ演出は実行されないようになっている。一方、AT中であれば20%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。
RT状態がRT2であるときには、非ATであれば一切ナビ演出は実行されないようになっている。一方、AT中であれば50%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。
RT状態がRT3であるときには、非ATであれば一切ナビ演出は実行されないようになっている。一方、AT中であれば70%の確率でナビ演出が実行されるようになっている。
ここで、本実施の形態においては、CB当選時において中第1停止または右第1停止をすることにより入賞ラインLNに中段7揃いを導出させることができ、左第1停止をすることにより入賞ラインLNに非中段7揃いを導出させることができるが、いずれの図柄組合せが導出されたとしても、CB入賞は必ず発生するようになっている。そして、CB入賞の前後でRT状態は変化しないようになっており、AT制御の状態も変化しない。そのため、導出された図柄組合せによって入賞するCBに有利度の違いはない。つまり、CB当選時において中段7揃いが導出されても非中段7揃いが導出されても、結局は、RT状態もAT状態も同じCBに制御される。なお、本実施の形態のように、所定のRT状態のときにCB入賞するとRT状態が変化せずにCB中のゲームが実行され、その後、CBが終了した後もRT状態は変化しないようなCBを、貫通型のCBともいう。
たとえば、図18は、非CB時のCB当選時のナビ演出について説明するための図である。
図18(a)に示すように、たとえば、RT状態がRT2のときにCB当選したときには、中第1停止または右第1停止することにより中段7揃いが導出され、左第1停止したときには非中段7揃いが導出される。そして、CB入賞前がRT2であれば、いずれの図柄組合せが導出されたとしても、CB入賞後も同じRT2を維持したままでCBが開始される。また、AT制御の有無もCB入賞前後で変わらない。
また、図18(b)に示すように、たとえば、RT状態がRT3のときにCB当選したときには、中第1停止または右第1停止することにより中段7揃いが導出され、左第1停止したときには非中段7揃いが導出される。そして、CB入賞前がRT3であれば、いずれの図柄組合せが導出されたとしても、CB入賞後も同じRT3を維持したままでCBが開始される。また、AT制御の有無もCB入賞前後で変わらない。
さらに、前述したようにナビ演出は、図17のCB当選時ナビ演出実行テーブルに基づき抽選で行われるため、たとえば、図18(a)に示すように、RT状態がRT2のときにCB当選したときには、AT時であれば50%の確率で中段7揃いを導出させるナビ演出が実行され、非AT時であればナビ演出は実行されない。
また、図18(b)に示すように、RT状態がRT3のときにCB当選したときには、AT時であれば70%の確率で中段7揃いを導出させるナビ演出が実行され、非AT時であればナビ演出は実行されない。
なお、本実施の形態においては、AT状態であれば、CB時のゲーム内で通常リプや維持転リプ1〜3が当選したときには、入賞ラインLNに14枚役の入賞図柄を導出させるためのナビ演出が実行されるため、AT状態でのCBの方が非AT状態でのCBよりも遊技者にとって有利となる。
このように、本実施の形態においては、中段7揃いおよび非中段7揃いのいずれが導出された場合でも同じCBに制御される。つまり、AT状態もRT状態もCB入賞前後で変化しないため、異なる種類の図柄組合せが導出された場合でも同じ有利度のCBに制御される。したがって、導出された図柄組合せの種類に応じて異なる有利度のCBに振り分けて制御させるものと比べてメイン制御部41の処理負担を軽減することができる。
また、RT状態およびAT状態に応じてナビ演出の実行割合が異なるため、ナビ演出の実行有無によって、たとえば、RT3のように有利度の高い状態であったり、AT状態のように有利度の高い状態であったりすることによりCB中において1ゲーム目から14枚の払い出しが期待できる。このように、CB当選時におけるナビ演出の実行有無によって、有利度が高い状態であることに対する期待感を遊技者に享受させることができる。さらに、AT状態であるときには、押し順を報知するナビ演出がCB当選前後で変わらず実行される。そのため、CB当選前に押し順ベルなどのナビ対象役に当選したときに押し順を報知するナビ演出と同じように、CB当選時においても中段7揃いを導出させるための押し順を報知するナビ演出を実行することによって、遊技者にテンポよく遊技を進めさせることができる。さらに、AT状態のときには、非中段7揃いのような遊技者にとってはあたかも外れたかのように思わせるハズレ目風の出目が導出される可能性が低いため、テンポよくAT状態での遊技を楽しんでいた遊技者の遊技に対する興趣を低下させるようなことがない。
また、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順を誤った場合でも、CB当選時には中段7揃いまたは非中段7揃いを導出させることができるため、取りこぼすことなくいずれにしてもCBへ制御させることができる。
また、中段7揃いと非中段7揃いとを区別することなくCB入賞させるための図柄組合せの導出を許容することが決定したとき、つまり、CB当選という一のフラグであっても、ストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順に応じて中段7揃いを導出させるか、もしくは非中段7揃いを導出させるかを判別することができるため、たとえば、中段7揃いを導出させるための当選フラグおよび非中段7揃いを導出させるための当選フラグを予め準備しておいて、それに基づき導出内容を区別して決定するものに比べて処理を簡略化することができる。
図16に戻り、サブ制御部91は、ナビ演出実行抽選を行った後、抽選の結果、ナビ演出を実行するか否かを判定する(S20)。サブ制御部91は、ナビ演出を実行しないと判定したときには(S20においてNO)、CB当選時ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、ナビ演出を実行すると判定したときには(S20においてYES)、入賞ラインLNに中段7揃いを導出させるナビ演出を実行し(S25)、CB当選時ナビ演出実行処理を終了する。
[CB中のナビ演出]
次に、CB中においてサブ制御部91が実行するナビ演出について説明する。図19は、CB中ナビ演出実行処理を実行するためのフローチャートである。サブ制御部91は、CB中ナビ演出実行処理を実行することにより、RT状態およびAT状態に応じて、ナビ演出を所定の確率に基づき実行する。
図19に示すように、先ずサブ制御部91は、メイン制御部41から維持転リプ1〜3に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S110)。サブ制御部91は、維持転リプ1〜3に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S110においてNO)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、維持転リプ1〜3に当選した旨を特定する内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S110においてYES)、現在のRT状態およびAT状態に応じて、図20のCB中ナビ演出実行テーブルに基づきナビ演出実行抽選を行う(ステップS115)。
ここで、図20のCB中ナビ演出実行テーブルについて説明する。なお、CB中ナビ演出実行テーブルは、RAM91cに格納されている。
CB中ナビ演出実行テーブルにおいては、RT状態およびCBゲーム数に対応してナビ演出の実行確率が設定されている。サブ制御部91は、このCB中ナビ演出実行テーブルを参照することによって、RT状態およびCBゲーム数に応じて、ナビ演出を実行するか否かを抽選によって決定する。
たとえば、RT状態がRT0であるときには、CB1ゲーム目であれば10%の確率で14枚払出しのためのナビ演出が実行され、90%の確率で15枚払出しのためのナビ演出が実行される。ここで、14枚払出しのためのナビ演出とは、図13(a)で示したように、入賞ラインLNのみに14枚役を入賞させるための押し順を報知する演出である。また、15枚払出しのためのナビ演出とは、図13(b)で示したように、いずれか2以上の有効ラインに小役のうち14枚役とその他の小役を入賞させるための押し順を報知する演出である。そして、CB1ゲーム目で14枚払出しがされてCB2ゲーム目に突入した場合には、CB2ゲーム目において100%の確率で14枚払出しのためのナビ演出が実行され、15枚払出しのためのナビ演出は実行されない。
RT状態がRT1であるときには、CB1ゲーム目であれば30%の確率で14枚払出しのためのナビ演出が実行され、70%の確率で15枚払出しのためのナビ演出が実行される。そして、CB1ゲーム目で14枚払出しがされてCB2ゲーム目に突入した場合には、CB2ゲーム目において90%の確率で14枚払出しのためのナビ演出が実行され、10%の確率で15枚払出しのためのナビ演出が実行される。
RT状態がRT2であるときには、CB1ゲーム目であれば50%の確率で14枚払出しのためのナビ演出が実行され、50%の確率で15枚払出しのためのナビ演出が実行される。そして、CB1ゲーム目で14枚払出しがされてCB2ゲーム目に突入した場合には、CB2ゲーム目において50%の確率で14枚払出しのためのナビ演出が実行され、50%の確率で15枚払出しのためのナビ演出が実行される。
RT状態がRT3であるときには、CB1ゲーム目であれば100%の確率で14枚払出しのためのナビ演出が実行され、15枚払出しのためのナビ演出は実行されない。そして、CB1ゲーム目で14枚払出しがされてCB2ゲーム目に突入した場合には、CB2ゲーム目において14枚払出しのためのナビ演出は実行されず、100%の確率で15枚払出しのためのナビ演出が実行される。
このように、本実施の形態においては、AT状態であれば、CB時のゲーム内で維持転リプ1〜3が当選したときには、所定の確率で入賞ラインLNに14枚役の入賞図柄を導出させるためのナビ演出が実行される。そのため、CB中に2ゲーム行うことが可能となり、CB終了条件の15枚よりも多くの払い出しが期待できる。
さらに、RT状態に応じて14枚払出しのためのナビ演出が実行される確率が異なっている。より具体的には、RT0やRT1であるときには、RT2やRT3に比べてCB1ゲーム目から14枚払出しのためのナビ演出が実行される確率が低くなっている。そして、RT2は、RT3よりもCB1ゲーム目から14枚払出しのためのナビ演出が実行される確率が低くなっている。そのため、RT3でCB入賞したときには、RT2でCB入賞したときよりも、CB1ゲーム目から14枚のメダルを獲得する確率が高く、CB中の2ゲームを通してRT2よりも多くのメダル枚数を獲得することができる可能性がある。したがって、RT3においては、遊技者にとって最も有利なCB中のゲームを行うことができる。
このように、RT1からRT3に移行するときに経由されるRT2において、RT3への移行までのメダルの消費を抑えるために、再遊技役当選となる確率をRT1よりも高めたとしても、RT2の方がRT3よりも低い確率で、CBにおいて維持転リプ1〜3のいずれかが当選したときに遊技者にとっての有利度合いを高めることができるナビ演出(つまり、CB1ゲーム目における14枚払出しのためのナビ演出)が実行されるようになっている。これにより、RT2の方がRT3よりも高い確率で遊技者にとっての有利度合いを高めることができるナビ演出が実行されてしまうことで、RT2の方がRT3よりもCBにおける有利度合いが向上してしまうような事態が起こりにくい。その結果、RT1からRT3に移行するときに経由されるRT2において再遊技役への当選確率を高くしてもRT2における有利度合いが高まりすぎてしまうことがない。
また、本実施の形態においては、CB1ゲーム目で14枚払出しのためのナビ演出が実行されて、CB2ゲーム目に突入した場合、RT0では0%、RT1では10%、RT2では50%、RT3では100%の確率で15枚払出しのためのナビ演出が実行される。そのため、遊技状態がRT0からRT3へと昇格していくごとにCB中のゲームを通して最大限の払い出しを受けることができ、それぞれの遊技状態における有利度合いを異ならせることができる。なお、ナビ演出実行確率は、図20に示す値に限らないが、RT3よりもRT2の方がCB中の有利度合いが高くなるようにナビ演出実行確率が設定されている方が好ましい。
また、本実施の形態においては、14枚払出しのためのナビ演出だけではなく、15枚払出しのためのナビ演出も実行される。そのため、CB中にナビ演出が実行されたことで必ずしも14枚払出しになることがなく、ナビ演出が実行されても入賞結果が分かるまで遊技者を楽しませることができる。
図19に戻り、サブ制御部91は、ナビ演出実行抽選を行った後、抽選の結果、ナビ演出を実行するか否かを判定する(S120)。サブ制御部91は、ナビ演出を実行しないと判定したときには(S120においてNO)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、ナビ演出を実行すると判定したときには(S120においてYES)、ナビ演出を実行し(S125)、CB中ナビ演出実行処理を終了する。
以上のように、本実施の形態においては、CB中の1ゲーム目から14枚のメダルの払い出しをすることによって、CB中に2ゲームの遊技を行わせることができ、その結果、CB中のメダルの払い出し枚数を多くすることができるようになっている。それを実現する手段の一例として、RT3やAT状態であるときには、図12に示すように、CB中に14枚払出すための維持転リプ1〜3を当選しやすくし、また、図20に示すように、CB中の1ゲーム目から14枚払出しのためのナビ演出を実行しやすくしている。そのため、RT3やAT状態であるときには、図17に示すように、非CB時においてCB当選したときに中段7揃いを導出させるためのナビ演出を実行しやすくしている。これにより、CB当選時に行われる中段7揃いのナビ演出の実行有無に注目させることでより多くのメダルの払い出しに対する期待感を遊技者に享受させることができる。
[変形例について]
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[ペナルティフラグ制御処理について]
本実施の形態においては、図14に示したペナルティフラグ制御処理でペナルティフラグがセットされたときには、一定期間(たとえば、50ゲーム)に亘って非ATに制御されるペナルティが科されるものであった。しかしながら、これに限らず、たとえば、AT抽選を実行しない、あるいは、不利なテーブルを用いてAT抽選を実行するなど、ナビ演出は実行されるが、その他の遊技における条件が不利となるものであってもよい。
上記のようにペナルティが科されたときでもナビ演出が実行される場合において、図14に示したペナルティフラグ制御処理のようにRT3に移行したときにペナルティフラグをクリアすることで、以下のような効果も奏する。つまり、RT2でセットしたペナルティフラグをRT2よりも有利なRT3への移行とともに終了するようにすることで、有利なRT3に移行したにもかかわらず、ペナルティが付与され続けて遊技への興趣が低下するなど、ペナルティを一定期間付与することによる不具合を解消することができる。
さらに、上記のようにペナルティが科されたときでもナビ演出が実行される場合におけるペナルティフラグ制御処理としては、図14に示したペナルティフラグ制御処理に置き換えて図21に示すペナルティフラグ制御処理を実行するものであってもよい。
より具体的には、図21に示すように、先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41から、遊技状態コマンドを受信したか否かを判定する(Sc1)。サブ制御部91は、遊技状態コマンドを受信していない場合には(Sc1においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、遊技状態コマンドを受信した場合には(Sc1においてYES)、遊技状態がRT2であるか否かを判定する(Sc2)。サブ制御部91は、RT2である場合には(Sc2においてYES)、メイン制御部41から、内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(Sc3)。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信していない場合には(Sc3においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。
サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した場合には(Sc3においてYES)、ナビ対象役に当選したか否かを判定する(Sc4)。サブ制御部91は、ナビ対象役に当選していない場合には(Sc4においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、いずれかのナビ対象役に当選している場合には(Sc4においてYES)、ペナルティフラグがセットされているか否かを判定する(Sc5)。サブ制御部91は、ペナルティフラグがセットされていない場合には(Sc5においてNO)、メイン制御部41からリール停止コマンドを受信したか否かを判定する(Sc6)。サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信していない場合には(Sc6においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。
サブ制御部91は、リール停止コマンドを受信した場合には(Sc6においてYES)、リール停止コマンドに基づいてストップスイッチの操作がナビ演出に従った停止操作であったか否かを判定する(Sc7)。サブ制御部91は、ナビ演出に従った停止操作がされた場合には(Sc7においてYES)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。サブ制御部91は、ナビ演出に従った停止操作がされなかった場合には(Sc7においてNO)、ペナルティフラグをセットする(Sb8)。その後、サブ制御部91は、ペナルティフラグ制御処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、Sc5においてペナルティフラグがセットされていた場合には(Sc5においてYES)、リプ6またはリプ7に対するナビ演出が実行されたか否かを判定する(Sc9)。サブ制御部91は、リプ6またはリプ7に対するナビ演出が実行されていない場合には(Sc9においてNO)、ペナルティフラグ制御処理を終了する。一方、サブ制御部91hが、リプ6またはリプ7に対するナビ演出が実行された場合には(Sb9においてYES)、ペナルティフラグをクリアする(Sc10)。その後、サブ制御部91は、ペナルティフラグ制御処理を終了する。
これにより、RT2でセットしたペナルティフラグをリプ6またはリプ7に対するナビ演出が実行されたときにクリアし、ペナルティの付与がナビ演出の実行とともに終了するようにすることで、有利なRT3に移行したにもかかわらず、ペナルティが付与され続けて遊技への興趣が低下するなど、ペナルティを一定期間付与することによる不具合を解消することができる。
また、本実施の形態においては、図14、図21に示すペナルティフラグ制御処理において、ペナルティを科すことにより、本来意図している遊技性を保つことができないといった不具合を解消することを効果として挙げている。しかしながら、RT1やRT2において、RT3よりも有利なことが生じるものであれば、その他の効果も奏することができる。たとえば、RT1やRT2の方が、RT3よりもAT抽選が行われる頻度が高かったり、AT抽選に当選したときに付与されるナビストック数が多かったりした場合、遊技者はRT3よりもむしろ、RT1やRT2での遊技を希望して、故意にペナルティを科す行為をする可能性がある。この場合、ナビ演出に従って操作していた遊技者とナビ演出に従わずに故意に操作せずにペナルティが科された遊技者との間で不公平が生じてしまうといった不具合が生じる。しかしながら、本実施の形態におけるペナルティフラグ制御処理においては、RT3に移行したときやRT3に移行するためのリプ6またはリプ7に対するナビ演出が実行されたときに、ペナルティフラグをクリアするため(図14のSb10、図21のSc10)、このような正当な遊技をする遊技者とそうでない遊技者との間の不公平を生じさせることがないという効果を奏する。
[特別遊技について]
本実施の形態においては、特別遊技の一例として、CBを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の遊技を用いてもよい。たとえば、特別遊技は、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB)などであってもよい。また、特別遊技は、ミニゲームなどで入賞が発生するものであってもよい。
本実施の形態におけるCBは、15枚のメダル払い出しで終了するものであることを例示した。しかしながら、これに限らず、たとえば30枚や45枚など、所定枚数のメダル払い出しで終了するものであってもよい。
また、本実施の形態においては、CBが行われるときにはRT状態が変化せずにCB中のゲームが実行され、その後、CBが終了した後もRT状態は変化しない、貫通型のCBを例示した。しかしながら、CBが終了した後には、CBが行われる前のRT状態およびCB中のRT状態とは異なるRT状態に変化するものであってもよい。
[遊技状態について]
本実施の形態においては、第1遊技状態としてRT1(通常遊技状態)を、第2遊技状態としてRT2(途中遊技状態)を、第3遊技状態としてRT3(有利遊技状態)を、例示した。しかしながら、これに限らず、その他の遊技状態を当て嵌めて採用してもよい。たとえば、第1遊技状態としてRT0(準備遊技状態)を、第2遊技状態としてRT1(通常遊技状態)を、第3遊技状態としてRT3(有利遊技状態)を採用してもよい。第2遊技状態が第1遊技状態よりも特定再遊技決定結果となる確率が高く、かつ第2遊技状態においては第3遊技状態に制御可能になっている関係であればよい。
[特定再遊技決定結果について]
本実施の形態においては、特定再遊技決定結果の一例として、維持転リプ1〜3への当選を例示した。しかしながら、これに限らず、特定再遊技決定結果は、たとえば通常リプや昇転リプなど、その他の役当選であってもよく、CBなどの特別遊技における有利度合いを所定条件の成立に基づき向上させることが可能なものであればよい。
また、特定再遊技決定結果は、昇格リプや転落リプなど遊技状態の遷移に関係する入賞が発生しない役であってもよい。これにより、CB中において、RT3よりもRT2の方が有利度合いを低くするために、1ゲーム目から14枚のメダルを取ることが可能な役の当選確率を低く設定しても、遊技状態の移行確率などに影響を与えることがなく遊技状態ごとのメダル払出率などにも影響を与えることがない。したがって、より簡単な設計でRT2の方がRT3よりもCB中における有利度合いが向上してしまうような事態を防ぐことができる。
なお、特定再遊技決定結果が昇格リプや転落リプなど遊技状態の遷移に関係する入賞が発生する役である場合でも、1ゲーム目から14枚のメダルを取ることが可能な役の当選確率を低く設定することなく、図20で示したように、CB中において、RT3よりもRT2の方がナビ演出実行確率を低くするだけで、遊技状態の移行確率などに影響を与えることがなく遊技状態ごとのメダル払出率などにも影響を与えることがない。したがって、CB中のナビ演出実行確率を調整するだけで、メダル払出率などを考慮することなく、より簡単な設計でRT2の方がRT3よりもCB中における有利度合いが向上してしまうような事態を防ぐことができる。
[特別遊技における有利度合いについて]
本実施の形態においては、特定再遊技決定結果によって向上させることが可能な特別遊技における有利度合いの例として、CB中において払い出されたメダル枚数を例示していた。しかしながら、これに限らず、CB中に遊技者にとって有利となるものであれば、メダルの払い出しに関するものに限らず、たとえばナビストックの付与やプレミア演出の実行など、その他有利となるものであればよい。
また、本実施の形態においては、特別遊技における有利度合いを向上させる手法として、維持転リプ1〜3に当選したゲームで操作手順の一致によって、CB中の1ゲーム目から14枚払出しが行われてCB2ゲーム目に突入し、その結果、CB中の2ゲームを通して15枚以上のメダル払い出しが行われることを例示した。しかしながら、これに限らず、CB中における維持転リプ1〜3の当選確率が高くなることによって、CB中における有利度合いが向上するものであれば、いずれの手法を用いてもよい。あるいは、CB中において維持転リプ1〜3が当選したときに実行されるナビ演出の実行確率が高くなることによって、CB中における有利度合いが向上するものであれば、いずれの手法を用いてもよい。
[特典について]
本実施の形態においては、第2遊技状態と前記第3遊技状態とで有利度合いを同一または略同一(あるいは、所定範囲内)とする特典の一例として、ナビストックを例示した。しかしながら、これに限らず、たとえば、プレミア演出や遊技に使用可能な遊技ポイントなど、遊技用価値とは異なる特典であれば、いずれの特典であってもよい。
また、本実施の形態においては、第2遊技状態と前記第3遊技状態とで特典に関する有利度合いが同一である例として、図15に示すように、AT抽選において、RT2とRT3とで、AT状態、その他の条件、当選確率、付与ナビストック数の振分率といったAT抽選の条件が完全に同一であることを例示した。しかしながら、このように、特典に関する有利度合いは完全に同一である必要はなく、略同一(あるいは、所定範囲内)であってもよい。この略同一(あるいは、所定範囲内)の例として、たとえば、RT3における有利度合いをRT2における有利度合いの±1%の範囲内とすることなどが考えられる。本実施の形態において具体的に説明すると、図15に示したその他の条件には所定の再遊技役の当選が条件として含まれていないが、たとえば、維持転リプ1の当選が条件として含まれていてもよい。このようにすると、図11、図12に示すように、RT2とRT3とで、維持転リプ1の当選確率は異なるため(たとえば、維持転リプ1の判定値数は、RT2が「1562」で、RT3が「2146」である)、AT抽選の条件は完全に同一にはならないが、AT抽選によってナビストックを獲得できる期待値(つまり、特典に関する有利度合い)は、略同一(あるいは、所定範囲内)になる。また、ATの抽選条件(たとえば、AT抽選が行われる条件と、その当選確率)を全く同一にし、当選したときに付与されるナビストック数の大きさをRT2とRT3とで異ならせることで、特典に関する有利度合いを略同一(あるいは、所定範囲内)にするものであってもよい。遊技者がRT2とRT3とで、特典に関する有利度合いが同一に近いもの(たとえば、略同一)であると認識する範囲であれば、略同一(あるいは、所定範囲内)はいずれの範囲であってもよい。
[特殊表示結果について]
本実施の形態においては、特殊表示結果の一例として、第1特殊表示結果を中段7揃いの図柄組合せを例示し、第2特殊表示結果を非中段7揃いの図柄組合せを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の表示結果を用いてもよい。たとえば、第1特殊表示結果を左下から右上に揃える右上7揃いの図柄組合せとし、第2特殊表示結果を非右上7揃いの図柄組合せとしてもよい。また、7揃いに限らず、リプレイやチェリーなど、その他の図柄を用いてもよいし、本実施の形態にはない図柄(たとえば、キャラクタが表示された図柄)を用いてもよい。
[報知演出について]
本実施の形態においては、報知演出の一例として、液晶表示器51に押し順のメッセージ画像を表示させるナビ演出であることを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の報知演出を用いてもよい。たとえば、スピーカ53、54を用いて音声によって押し順をナビするものであってもよい。
また、押し順を報知するナビ演出を実行するものに限らず、遊技者の目押しをナビするナビ演出を実行するものであってもよい。たとえば、CB当選時に中段7揃いを導出させるために、「中リールに7を停止させろ!!」や「中停止ボタンから押して下さい」というように遊技者の目押しをナビするナビ演出が実行されるものであってもよい。
また、本実施の形態においては、図17に示すように、RT状態やAT状態に応じて、CB当選時のナビ演出の実行確率を異ならせていた。しかしながら、これに限らず、たとえば、AT制御されることは前提で、当該AT制御の期間が長い(たとえば、付与されるナビストック数が多い)ことに応じてCB当選時のナビ演出の実行確率を異ならせてもよい。
[ナビ演出実行抽選について]
本実施の形態においては、図17や図20のテーブルに格納されたナビ演出実行確率の情報に基づきナビ演出を実行するか否かを判定することを例示した。しかしながら、これに限らず、ナビ演出実行確率の値はその他の値を用いてもよい。たとえば、本実施の形態においては、非ATのときには一切ナビ演出が行われないようにナビ演出実行確率が0%の設定されていたが、これに限らず、非ATであっても所定確率に基づきナビ演出が実行される場合があってもよい。なお、AT状態に制御されていたり、有利なRT状態に制御されていたりする方が、よりナビ演出が実行されるように確率設定される方が好ましいが、これに限らず、非AT状態のようにAT状態よりも遊技者にとって不利な状態の方がナビ演出が実行されやすくなっていたり、RT1のようにRT3よりも不利な状態の方がナビ演出が実行されやすくなっていてもよい。さらに、AT状態およびRT状態の双方に基づいてナビ演出実行確率が設定されるものに限らず、いずれか一方に基づいてナビ演出実行確率が設定されるものであってもよい。
[遊技状態の遷移について]
本実施の形態においては、昇格リプ(リプ4)が導出されたときにRT1からRT2に制御され、右下7リプ(リプ6)または右上7リプ(リプ7)が導出されたときにRT2からRT3に制御されることを例示した。しかしながら、これに限らず、その他の図柄組合せが導出されたときにRT2やRT3に制御されるものであってもよい。この場合、特に、現在のRT状態がRT2やRT3であることを遊技者が把握しにくい図柄組合せである方が、現在のRT状態が有利であることに対してCB当選時に行われるナビ演出の実行有無によってより期待感を与えることができるため好ましい。
また、遊技状態の遷移は、図10に示したものに限らない。たとえば、RT1からRT3へは直接移行できずに、RT2を必ず経由しなければならないものであってもよい。
[その他の変形例]
上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均などの意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。