図1は、本発明が適用された本実施形態の遊技用システムの構成を示す図である。
[遊技用システム]
本実施形態の遊技用システムは、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設された複数の機種のスロットマシン1と、該スロットマシン1に対して1対1に対応設置された呼び出しランプ装置200と、各スロットマシン1の遊技情報を収集する収集ユニット50、該収集ユニット50にて収集された各遊技情報に基づく遊技情報データをホールコンピュータ140に中継する中継ユニット60と、各中継ユニット60にて中継された当該遊技場に設置されている各スロットマシン1の遊技情報を含む遊技情報データを受信し、該受信した遊技情報データに含まれる各スロットマシン1の遊技情報などを管理するホールコンピュータ140とを含む。
本実施形態の遊技島には、図1に示すように、複数のスロットマシン1が設置されているとともに、呼び出しランプ装置200が、対応するスロットマシン1の上方位置に設けられており、本実施形態に用いた該呼び出しランプ装置200は、通常のランプの点灯機能に加えて、その前面に表示部を有することで、各種の遊技情報やメッセージなどの表示機能を有している。
また、本実施形態のスロットマシン1と収集ユニット50とは、図1に示すように信号ケーブル59を介して接続されており、各収集ユニット50はさらに通信ケーブル61を介して中継ユニット60と接続されており、これら収集ユニット50と中継ユニット60とは簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、収集ユニット50が各スロットマシン1から出力される後述する各種の信号の入力により収集した遊技情報含む遊技情報データや、遊技状態履歴(状態別データ)を含む遊技状態履歴データを送信するようになっている。
更に、これら各中継ユニット60はハブ57を介して通信ケーブル58にてホールコンピュータ140に接続されていて、中継ユニット60とホールコンピュータ140とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされており、前記中継ユニット60にて各収集ユニット50から送信された送信データが中継されてホールコンピュータ140に送信されることで、該ホールコンピュータ140が各スロットマシン1に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
また、本実施形態の呼び出しランプ装置200も、収集ユニット50と同様に中継ユニット60を介してホールコンピュータ140に接続されており、これら中継ユニット60を介して呼び出しランプ装置200とホールコンピュータ140とが、双方向のデータ通信を実施できるようになっており、各呼び出しランプ装置200が対応するスロットマシン1の機種設定や、遊技情報に関する各種の条件設定などをホールコンピュータ140において実施できるようになっている。
[スロットマシン1の構成]
本実施形態のスロットマシン1は、図2に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図3に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図2に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「黒BAR」、「白BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が、所定間隔毎に所定順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。所定間隔とは、1リールの外周に21図柄が配列される場合の間隔をいう。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、基本的に、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3内であって各リールに対応する所定位置である上中下の3箇所の位置(三段)に停止表示される。一方、後述するように、フリーズ中においては、透視窓3内における所定位置のみならず、所定位置とは異なる特定位置にも図柄を仮停止表示可能となる。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図5参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3の所定位置に図柄を表示結果として導出されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図2に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施形態では3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。特に、本実施形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rと、が前面扉1bを構成する操作パネル1cの前面、すなわち同一面上に設けられている。尚、本実施形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止という。また、左第1停止を推奨操作手順または順押しといい、中第1停止および右第1停止を非推奨操作手順または変則押しという。
また、前面扉1bには、図2に示すように、クレジットとしてメイン制御部41のRAMに記憶されている遊技者所有のメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図5参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図5参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば後述のRT2終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(例えば後述のRT2終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図3参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図5参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図3に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図5参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図5参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図5参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図5参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図5参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35a(図5参照)が設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、図3に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
尚、電源ボックスは、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図2参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施形態では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施形態では、図2に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施形態では、図2に示すように、無効ラインLM1〜LM4の4種類が無効ラインとして定められている。
入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、入賞が発生する。「入賞」とは、所定の価値を付与することをいい、たとえば、メダルを払出すことや、ボーナスなどの条件装置を作動すること、メダルやクレジットを用いることなく賭数の自動設定を作動することなどが含まれる。一方、「非入賞」とは、少なくともメダル払出を伴わないことをいい、入賞役以外のいわゆるはずれとなる図柄の組合せが導出されると「非入賞」となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図2参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施形態では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図5は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。尚、演出制御基板に対して電源を供給する電源供給ラインが遊技制御基板40を介さず、電源基板101から演出制御基板90に直接接続され、電源基板101から演出制御基板90に対して直接電源が供給される構成としてもよい。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施形態では、タイマ回路(図視せず)にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施形態では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、演出用停止LED57a〜57d、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、演出用停止LED57a〜57d、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、演出用停止LED57a〜57d、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、AT抽選等において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAMに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施形態のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にメイン制御部41のRAMのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてメイン制御部41のRAMのデータが正常であることを条件に、メイン制御部41のRAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、メイン制御部41のRAMデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAMの初期化について説明する。メイン制御部41のRAMの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
本実施形態においてメイン制御部41は、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RT2終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でメイン制御部41のRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化0は、RAM異常エラー時に行う初期化であり、初期化0では、メイン制御部41のRAMの全ての領域が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち重要ワークおよび特別ワーク以外の領域が初期化される。初期化2は、RT2終了時に行う初期化であり、初期化2では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつメイン制御部41のRAMのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、メイン制御部41のRAMの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。尚、本実施形態では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行ったりするようにしてもよい。
メイン制御部41が設定変更処理の後にゲーム処理を実行する。ゲーム処理では、BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、入賞判定処理、払出処理、ゲーム終了時処理を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
BET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されていることを条件としてスタートスイッチ7への操作が有効となる。スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。また、BET処理では、メダル投入やメダル精算が許可状態となる。許可状態とは、メダル投入部4から投入されたメダルの流路がホッパータンク34a側となるように流路切替ソレノイド30が切り替えられ、かつ、精算スイッチ10への操作が有効化された状態をいい、メダル投入部4から投入されたメダルの流路がメダル払出口9側となるように流路切替ソレノイド30が切り替えられ、かつ、精算スイッチ10への操作が無効化された状態を不許可状態という。スタート操作がされて内部抽選処理に移行されると不許可状態に制御される。許可状態においてメダルが投入されると、そのメダル枚数分がクレジットに加算される。なお、クレジットが上限値(たとえば50)に達している場合には、不許可状態に制御される。
本実施形態のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数(本実施形態ではいずれの遊技状態であっても3)が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。そして、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。
一般的なスロットマシンにおいて入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
本実施形態では、上記の役のうち特別役を備えず、小役、再遊技役のみ内部抽選および入賞の対象となる構成であるが、特別役を備え、特別役が内部抽選および入賞の対象となる構成としてもよい。内部抽選処理では、スタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAMに当選フラグが設定される。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAMに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。また、特別役を備える構成とした場合には、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をメイン制御部41のRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態(RTの種類)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態(RTの種類)、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態(現在のRTの種類)および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをメイン制御部41のRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。尚、本実施形態では、特別役を備えていない構成であるため、上記内部当選フラグ格納ワークのうち一般役格納ワークのみが用いられる。また、特別役格納ワークを設けない構成でもよい。
また、本実施形態では、抽選対象役毎に当選と判定される判定値の数である判定値数を定めておくとともに、抽選対象役毎に判定値数を乱数値に順次加算(減算)し、オーバーフローした場合に、判定値数に対応する役の当選を判定する構成であるが、抽選対象役毎に当選と判定される乱数値の範囲を定めておくとともに、乱数値が属する範囲に対応する役の当選を判定する構成としてもよい。
内部抽選処理が行われた後のリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数(引込コマ数ともいう。)に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態(RTの種類)における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態(RTの種類)、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。
尚、本実施形態では、特別役を備えない構成であるが、特別役を備える構成においては、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行うようにすればよい。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。
また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。また、特別役を備える構成においては、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われるようにすればよい。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
また、本実施形態では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としてもよい。
本実施形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施形態においてメイン制御部41は、通常遊技中における停止操作に伴い、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際、入賞判定処理を行う。つまり、通常遊技において停止された表示結果について入賞判定を行う。入賞判定処理では、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rの入賞ラインLN上に導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。遊技状態の移行を伴う表示結果が停止されたときに、RTフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。入賞判定処理では、フリーズ中の擬似遊技において停止された表示結果について入賞判定を行うことはない。
払出処理では、入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出などの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。また、再遊技役が揃っている場合には、リプレイゲームを付与する制御等を行う。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、次ゲームからRT2が開始する場合及びRT2が当該ゲームで終了した場合には、RT2信号の出力命令をメイン制御部41のRAMに設定する。すなわち、RT2信号の出力命令は、RT2への制御契機となる特殊リプレイに入賞したとき、およびRT2の終了契機となる移行出目が停止したときに設定される。
また、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズ(制御の進行を所定時間遅延させる制御状態)の種別、フリーズの開始タイミングおよびフリーズの解除タイミングを特定可能なコマンドであり、フリーズに制御されるゲームの内部当選コマンドの送信後に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。なお、スタートスイッチ7が操作されたときにフリーズが発生する場合には、当該フリーズによるリール回転が終了した後、すべてのリールが再回転するときにリール回転開始コマンドは送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RT0〜3のいずれか)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理においてに生成され、メイン制御部41のRAMに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、演出用停止LED57a〜57d、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、演出用停止LED57a〜57dの点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
図6および図7は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。また、図7の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。たとえば、図7の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。
図8は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図9は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図10は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図10の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜3のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかのRTに制御される(図9の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図10の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図10の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
図11および図12は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。たとえば、ベルは、RT〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。
図13は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。たとえば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
図14および図15は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せが入賞ラインLNに停止させるリール制御が行われる。たとえば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、たとえば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
リプレイGR1〜6、GR11〜13、GR21〜23をまとめて「押し順リプレイ」という。また、「リプレイGR1〜GR6のいずれかにおいて、昇格リプレイを入賞させる手順」、「リプレイGR11〜GR13のいずれかにおいて、通常リプレイを入賞させる手順」、「リプレイGR21〜GR23のいずれかにおいて、特殊リプレイを入賞させる手順」をまとめて、「押し順リプレイの対応手順」という。
左ベル、中ベル、右ベルをまとめて「押し順ベル」という。押し順ベルのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の操作態様(操作手順)で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で上段ベルが揃うが、3/4で上段ベルが揃わず移行出目が揃うこともある。以下では、押し順ベル当選時に右下がりベルまたは中段ベルを入賞させる手順を「対応手順」という。
このため、押し順ベルの当選時には、対応手順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に対応手順を把握することはできないことから、押し順ベルの当選時に左リールを第1停止とした場合には、1/11の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、10/11の割合でさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。また、押し順ベルの当選時に左リール以外のリールを第1停止とした場合には、5/11の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、6/11の割合でさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。また、特にRT0、2、3においては、移行出目が停止することでRT1へ移行することとなる。
また、特に図示しないが、ベル(中段ベル+右下がりベル)が当選した場合には、リールの停止順および操作のタイミングに関わらず、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃うように制御される。
本実施形態では、図9および図10に示すように、遊技状態がRT0〜3のいずれかに制御される。RT0は、RT1において昇格リプレイが入賞したとき(RT1においてリプレイGR1〜6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)に移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特殊リプレイの入賞によりRT2に移行することで終了する。
RT0における再遊技役の当選確率は、約1/2.08であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、特殊リプレイが入賞し得る。
RT1は、RT0、RT2、RT3において移行出目が停止するか、RT0において転落リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT1は、昇格リプレイが入賞してRT0に移行することで終了する。
RT1における再遊技役の当選確率は、約1/7.31であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR1〜6のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、昇格リプレイが入賞し得る。
RT2は、RT0において特殊リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT2は、移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。RT2における再遊技役の当選確率は、約1/1.37であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、特別リプレイのみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、特別リプレイが入賞し得る。
RT3は、設定変更後に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。RT3における再遊技役の当選確率は、約1/7.31であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイのみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイのみが入賞し得る。
RT0〜3のうちRT0、2は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。さらにRT2は、RT0よりもさらに再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT0に比較して高い点において、RT0よりも有利な状態といえる。
本実施形態におけるスロットマシンは、遊技状態がRT0〜3であるときに、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
ここで本実施形態の遊技状態の移行状況について説明すると、図9に示すように、設定変更後にRT3に移行する。RT3では、移行出目が停止することで、RT1に移行する。RT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、設定変更後に移行したRT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、RT1に移行することとなる。
RT1では、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行する。RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、RT1では、リプレイGR1〜6が当選し、停止順に正解することでRT0へ移行することとなる。
RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行し、特殊リプレイが入賞することでRT2へ移行する。RT0においてリプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解であると転落リプレイが入賞する。また、リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解すると特殊リプレイが入賞する。また、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT0では、リプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行し、リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解することでRT2へ移行することとなる。
RT2では、移行出目が停止することでRT1に移行する。RT2において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT2では左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。
サブ制御部91は、後述のATに制御されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23である。また、RT0、1、2のいずれにおいても、押し順ベルが共通のナビ対象役である。
本実施形態のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。ナビ画像として、例えば、リプレイGR1や左ベルに当選したときには、「123」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「132」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とを表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「左右中!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチの押下順序を示す音声を出力する。尚、ナビ音声は、遊技者が最初あるいは次に押下すべきストップスイッチのみが出力される。したがって、全リールの回転中であれば、例えば最初に「左!」と出力され、リール2Lを停止させると次に「中!」と出力され、リール2Lおよびリール2Cを停止させると次に「右!」といった音声が出力される。他の対象役に関しても、当選した対象役に応じたナビ画像が液晶表示器51から表示されるとともにナビ音声がスピーカ53、54から出力される。
リプレイGR1〜6に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための停止順(図14参照)が報知される。リプレイGR11〜13に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプレイを回避するための停止順(図14参照)が報知される。リプレイGR21〜23に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて特殊リプレイを入賞させるための停止順(図14参照)が報知される。また、押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させるための停止順(図15参照)が報知される。
以上のように、本実施形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様(操作手順)を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイの入賞、移行出目の停止を回避させることができる。尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
[AT抽選について]
本実施形態においてサブ制御部91は、AT抽選対象役(本実施形態では、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー)が当選した場合にAT抽選を実行する。AT抽選とは、ATゲーム数を付与するか否かの決定、およびATゲーム数を付与することが決定された場合には、付与されるATゲーム数の決定を行うものである。
ATゲーム数とは、ATに制御可能なゲーム数を示す。このため、決定されたATゲーム数が多い程、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。尚、ATゲーム数が残っているときに、ATゲーム数を新たに獲得したときには、残っているATゲーム数に今回獲得したATゲーム数を上乗せ加算させる。
AT抽選は、AT抽選テーブルに基づいて実行される。図16は、該AT抽選テーブルの一例である。図16の例では、たとえば、AT抽選対象役としての弱スイカが当選したときには、30%の確率でAT当選する。また、AT当選した場合には、40%の確率でATゲーム数が30付与され、60%の確率でATゲーム数が50付与される。AT抽選対象役としての弱スイカが当選したときにおいて、ATゲーム数が100付与される確率、ATゲーム数が300付与される確率はともに0%である。他のAT抽選対象役(弱チェリー、強スイカ)が当選したときのAT当選確率、および付与されるATゲーム数の振分率については、図16に示す通りである。
また、弱スイカ当選時に付与されるATゲーム数の期待値は、0.3×(30×0.4+50×0.6+100×0+300×0)=12.6ゲームとなる。
同様に、弱チェリー当選時、強スイカ当選時に付与されるATゲーム数の期待値は、約47ゲーム、115ゲームとなる。したがって、図16の例では、弱スイカ当選時、弱チェリー当選時、強スイカ当選時の順番で、付与されるATゲーム数の期待値は多くなるように設定されている。
また、全てのAT抽選対象役において、AT当選したときに付与されるATゲーム数の期待値も、弱スイカ当選時、弱チェリー当選時、強スイカ当選時の順番で多くなるように設定されている。
さらに、本実施形態では、強チェリーが当選すると、所定確率で特別ATに制御するか否かを決定するAT抽選を行う。特別ATに制御されることが決定されると、サブ制御部91は、特別ATに制御させる。特別ATについては、図21〜図23で説明するように、特別AT以外のATよりも有利である。
また、本実施形態では、特別ATが終了して、所定ゲーム数(たとえば、500ゲーム)消化すると(天井ゲーム数に到達すると)、AT抽選が行われる。当該AT抽選では、必ずATゲーム数が付与される。
次に、サブ制御部91が行うATの制御の流れについて説明する。サブ制御部91は、ATゲーム抽選において1以上のATゲームが決定されたときに、ATゲーム数をRAM91cの所定領域に格納する。そして、RAM91cのATゲームの有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。1以上のATゲームが残っている場合には、AT確定報知を経てATの当選が報知された後にATに制御する。このATに制御される期間を準備状態と呼ぶ。
準備状態の制御を開始すると、対象役が当選した場合にナビ演出を実行する。まず、準備状態に移行後は、RT1に制御されており、この間は、リプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する。これにより報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイが入賞して、RT1からRT0に移行させることが可能となる。尚、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、昇格リプレイが入賞しなかった場合は、その時点で準備状態の制御も終了する。
また、準備状態の制御開始後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時にはベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得することも可能となる。
RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13の当選時に、転落リプレイの入賞を回避する停止順をナビ演出により報知する。リプレイGR11〜13の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより転落リプレイの入賞を回避して、RT0からRT1への移行を回避することが可能となる。尚、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、転落リプレイが入賞してRT1へ移行した場合は、その時点で準備状態の制御も終了する。
また、RT0に移行した後、リプレイGR21〜23の当選時に、特殊リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する。リプレイGR21〜23の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させて、RT0からRT2へ移行させることが可能となり、特殊リプレイが入賞してRT2へ移行する。尚、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、通常リプレイが入賞した場合は、準備状態の制御を継続する。
RT0において特殊リプレイが当選して次ゲームのスタート操作を契機に(図19、図20参照)、ATゲーム数を1消費(減算)する。
AT開始後は、1ゲーム毎に、押し順ベル、ATゲーム抽選の対象役が当選しているか、特別リプレイが入賞したか、を判定し、押し順ベルが当選している場合には、ベルを入賞させる停止順を報知するナビ演出を実行する。押し順ベルの当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことによりベルを入賞させることができるとともに、RT1への移行を回避することが可能となる。
また、AT中においては、対象役(本実施形態では、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、特別リプレイ)が当選した場合にATのゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選では、0を含む複数のゲーム数からいずれかのゲーム数を決定することにより、ATのゲーム数を上乗せするか否かおよび上乗せする場合にはそのゲーム数が決定される。上乗せ抽選でATのゲーム数の上乗せを決定した場合には、決定したゲーム数をRAM91cの残りゲーム数に加算する。
AT開始後の1ゲーム毎の判定においてATゲーム抽選の対象役が当選している場合には、ATゲーム抽選を行い、1以上のATゲームが当選した場合にはATゲーム数を加算(上乗せ)する。また、AT開始後の各ゲームでは、1ゲームの開始毎にATの残りゲーム数を1ずつ減算するようになっており、減算後の残りゲーム数が0となった場合には、ATの終了が報知されるAT終了報知を行う。
さらにAT終了報知の後、ATゲームが残っているか否かを判定し、ATゲームが残っていれば、次ゲームのスタート操作を待って、ATの制御を再開する。一方、ATゲームが残っていない場合には、ATの制御を終了させる。これに伴い、押し順ベルが当選してもナビ演出が実行されないため、移行出目が停止する可能性が高まり、移行出目が停止することでRT1に移行することとなる。
また、ATに制御されていないときなど、ナビ演出が実行されていないゲームで、変則押しされるとサブ制御部91によりペナルティが付与される。ペナルティの付与回数が所定数に到達するとペナルティ期間に制御される。ペナルティ期間では、ATゲーム抽選の対象役に当選しても、ATゲーム抽選が実行されない。したがって、ペナルティが付与されると、遊技者にとって不利となる。また、ナビ演出が実行されたゲームで、当該ナビ演出で報知された操作手順通りに操作された場合には、当該報知された操作手順が変則押しであっても、ペナルティは付与されない。また、ナビ演出で報知された操作手順以外の操作手順で操作された場合にはペナルティが付与される。
[モード選択について]
次に、本実施形態のモード選択について説明する。AT抽選対象役が当選すると、AT当選しているか否かに関わらず、該AT抽選対象役が当選したゲームの開始時(スタートスイッチ7の操作時)にサブ制御部91は、図17に示す選択画面を液晶表示器51に表示する。図17の例では、バトル演出モード512と、一発報知モード514を遊技者が選択可能とする選択画面である。このように、選択画面を表示させることで、AT当選しているのではないかという期待感を遊技者に抱かせることができる。当該選択画面が表示されると、遊技者は、演出用スイッチ56(図2参照)を操作することでカーソルを移動させることができる。遊技者は所望のモードにカーソルを合わせた後に、MAXBETスイッチを操作することにより、該カーソルに合わせられたモードが決定される。なお、図17の例では、カーソルは、バトル演出モードに合わせられている。
ここで、バトル演出モードとは、1以上のゲーム数に亘ってバトル演出が実行され、最終のゲームで第3停止されたときに、AT抽選の結果が報知されるモードである。バトル演出とは、液晶表示器51において、味方キャラAと敵キャラBがバトルを行う演出である。AT当選したときには、味方キャラAが勝利するバトル演出(以下、「勝利バトル演出」という。)が実行される。一方、AT非当選のときには、味方キャラAが敗北するバトル演出(以下、「敗北バトル演出」という。)が実行される。
たとえば、AT当選しているときにおいて、3ゲームのバトル演出(勝利バトル演出)が実行される場合について説明する。この場合には、3ゲームのバトル演出(味方キャラAと敵キャラBとが戦う演出)が実行され、最終ゲーム(バトル演出が開始されたゲームから3ゲーム目のゲーム)の第3停止時に、味方キャラAが勝利している画面と、AT抽選結果の報知として、「AT当選おめでとう!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
また、AT非当選であるときにおいて、3ゲームのバトル演出(敗北バトル演出)が実行される場合について説明する。この場合には、3ゲームのバトル演出(味方キャラAと敵キャラBとが戦う演出)が実行され、最終ゲーム(バトル演出が開始されたゲームから3ゲーム目のゲーム)の第3停止時に、味方キャラAが敗北している画面と、AT抽選結果の報知として、「残念!AT非当選」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
このように、AT抽選結果が報知されるゲームの前でバトル演出が実行されることにより、AT当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
次に、一発報知モードについて説明する。一発報知モードとは、バトル演出が実行されずに、1ゲーム内でAT抽選結果(AT当選またはAT非当選)を報知するモードである。このように、バトル演出を実行せずに、唐突に1ゲーム内でAT抽選結果を報知することにより、遊技者に意外感を与えることができる。また、AT抽選の結果を早く知りたい遊技者に対し、AT抽選の結果の報知を長引かせることにより不快感を与えてしまうことを防止できる。
本実施形態では、AT抽選対象役が当選したときに選択画面が表示される。該選択画面で一発報知モードが選択されたタイミングで、該AT抽選対象役の当選が契機となるAT抽選の結果が報知される。一発報知モードのAT抽選結果の報知は、バトル演出モードが選択された場合と同様に、AT当選しているときでは「AT当選おめでとう!」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、AT非当選であるときでは「残念!AT非当選」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。
また、選択画面が表示されたときから、モード選択されることなく所定時間(たとえば、20秒)経過したときには、一発報知モードおよびバトル演出モードのうちのいずれかのモードがサブ制御部91によりランダムで決定される。
[バトル演出のゲーム数抽選について]
次に、バトル演出モードが選択された場合のバトル演出のゲーム数抽選について説明する。バトル演出のゲーム数抽選とは、バトル演出が実行されるゲーム数を決定する乱数抽選である。バトル演出モードが選択されたときには、図18の抽選テーブルを用いてバトル演出のゲーム数が決定される。なお、一発報知モードが選択されたときには、バトル演出のゲーム数抽選は実行されない。
図18に示すように、弱スイカ当選してかつAT当選した場合において、バトル演出の実行ゲーム数が3ゲーム、4ゲーム、5ゲームに決定される確率は、それぞれ70%、30%、0%となる。また、弱チェリー当選してかつAT当選した場合において、バトル演出の実行ゲーム数が3ゲーム、4ゲーム、5ゲームに決定される確率は、それぞれ50%、40%、10%となる。また、強スイカ当選してかつAT当選した場合において、バトル演出の実行ゲーム数が3ゲーム、4ゲーム、5ゲームに決定される確率は、それぞれ0%、40%、60%となる。
また、弱スイカ当選または弱チェリー当選したがAT非当選である場合において、バトル演出の実行ゲーム数が3ゲーム、4ゲーム、5ゲームに決定される確率は、それぞれ95%、4%、1%となる。
ここで、弱スイカ当選時のバトル演出のゲーム数の期待値は、
3×0.7+4×0.3+5×0=3.3となる。
また、弱チェリー当選時のバトル演出のゲーム数の期待値は、
3×0.5+4×0.4+5×0.1=3.6となる。
また、強スイカ当選時のバトル演出のゲーム数の期待値は、
3×0+4×0.4+5×0.6=4.6となる。
また、弱スイカ当選または弱チェリー当選したがAT非当選であるときのバトル演出のゲーム数の期待値は、
3×0.95+4×0.04+5×0.01=3.06となる。
このように、バトル演出ゲーム数の期待値は、「弱スイカ当選または弱チェリー当選したがAT非当選時」「弱スイカ当選しかつAT当選時」「弱チェリー当選しかつAT当選時」「強スイカ当選しかつAT当選時」の順番に多くなるように構成されている。つまり、バトル演出のゲーム数の期待値は、付与されるATゲーム数の期待値の多さに応じた値に設定されている。したがって、実行されるバトル演出のゲーム数が多いほど、多くのATゲーム数が付与されるのではないかという期待を遊技者に抱かせることができる。
また、AT当選したときにおいて、該AT当選した契機が、弱スイカ当選である確率、弱チェリー当選である確率、強スイカ当選である確率は、それぞれ、30/210、80/210、100/210となる(図16のAT当選確率参照)。したがって、AT当選したときにおいて、バトル演出モードが選択されたときのバトル演出のゲーム数の期待値は、3.3×(30/210)+3.6×(80/210)+4.6×(100/210)の式から演算され、約4ゲームとなる。
一方、AT当選したときにおいて、一発報知モードが選択された場合には、バトル演出は実行されないことから(バトル演出のゲーム数は0であることから)、バトル演出のゲーム数の期待値は0ゲームとなる。
このように、一発報知モードが選択されたときとバトル演出モードが選択されたときとで、実行されるバトル演出のゲーム数の期待値の差異を明確にすることができる。
[上乗せ期間中関連処理について]
次に、サブ制御部91により実行される上乗せ期間中関連処理について説明する。AT抽選対象役が当選してかつAT当選すると、該AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでの間、上乗せ期間に制御される(図20も参照)。図19に、上乗せ期間に制御されたときに、サブ制御部91により実行される上乗せ期間中関連処理のフローチャート図を示す。また、上乗せ期間中関連処理は、上乗せ期間中において、1ゲーム開始毎(内部当選コマンドを受信する毎)に実行される処理である。
まず、S14において上乗せ抽選が実行される。上乗せ抽選とは、AT当選により付与されたATゲーム数に対して上乗せされるATゲーム数(0も含む)を乱数抽選により決定する処理である。たとえば、本実施形態の上乗せ抽選は、90%の確率で、5ゲーム上乗せされ、10%の確率で上乗せされないものとする。したがって、上乗せ期間に制御されると、遊技者にとって有利となる。上乗せされたATゲーム数を特定できる上乗せゲーム数データはRAM91cに格納される。
また、上乗せ期間中には、特定演出が実行される。該特定演出とは、たとえば、「チャンス」といった文字を液晶表示器51に表示させる演出である。AT抽選対象役に当選したがAT非当選である場合にも、該特定演出と同一の演出が実行される。したがって、遊技者からは、実行されている特定演出を見ただけでは、上乗せ期間に制御されているか否か(つまり、AT当選したか否か)を把握させないようにすることができる。
次にS16において、許容期間であるか否かが判断される。ここで、上乗せ期間には、バトル演出期間、制限期間、許容期間とが含まれる(図20も参照)。S16において、許容期間であると判断されると(S16のYes)、S18において押し順ベルに当選したか否かが判断される。押し順ベルに当選したときと判断されると(S18のYes)、S20において、押し順ベルに応じた対応手順を報知する。一方、S16において、Noと判断されたとき(つまり、バトル演出期間または制限期間であるとき)には、上乗せ期間中関連処理は終了する。
S20の処理が終了すると、S24において第3停止されるまで待機する。S24において、第3停止されたと判断されると(S24のYes)、S26に進む。S26において、報知された対応手順で操作されたか否かが判断される。報知された対応手順で操作されたと判断されると(S26のYes)、S28に進む。S28では、ATフラグがRAM91cに格納される。ATフラグが格納されると、該ATフラグが格納されたゲームの次のゲームからATに制御される。S28の処理が終了する、上乗せ期間中関連処理は終了する。
一方、S26において、報知された対応手順とは異なる手順で操作されたと判断されると(S26のNo)、S30に進む。S30においては、報知された対応手順とは異なる手順で操作されたことに対するペナルティとして、上乗せ期間で付与された上乗せゲーム数を消去する処理を実行する。具体的には、S30において、RAM91cに格納された上乗せゲーム数データは消去される。S30の処理が終了すると、S28に進む。
このように、許容期間とは、押し順ベルが当選したときにおいて、ATに制御させる対応手順を報知する期間であることから、ATに制御させることを許容する期間である。一方、バトル演出期間および制限期間とは、押し順ベルが当選しても対応手順を報知しないことから、ATに制御させることを許容しない(制限する)期間である。
許容期間に制御されているときにおいて、押し順ベルが当選したときには、対応手順が報知されるが、該対応手順通りに操作されたときであるか否かに関わらず(S26でYesかNoであるかに関わらず)、ATフラグはONされる(S28)。したがって、押し順ベルが当選したときにおいて、熟練度の低い遊技者などが、報知された対応手順通りに操作しなかった場合でも、ATに制御されることから、遊技者の熟練度の差異による不公平感を解消できる。
なお、AT当選していないときにおいて、AT抽選が実行されたゲームから6ゲーム目のゲーム開始時から、押し順ベルが当選したときには、対応手順を報知する。したがって、押し順ベルが当選したときの対応手順の報知により、AT当選しているか否かが遊技者に特定されることはない。また、AT当選していないときには、報知された対応手順で操作されても、ATには制御されない。
[上乗せ期間中のタイミングチャート]
図20は、AT当選したときの上乗せ期間中のタイミングチャートを示した図である。図20(A)は、一発報知モードが選択されたときを示した図である。図20(B)〜(D)はバトル演出モードが選択されたときを示した図であり、更に具体的には、図20(B)は、3ゲームのバトル演出が実行されたことを示した図であり、図20(C)は、4ゲームのバトル演出が実行されたことを示した図であり、図20(D)は、5ゲームのバトル演出が実行されたことを示した図である。また、AT当選した(AT抽選が実行された)ゲームを「1ゲーム目」として起算する。また、図20の「G」は「ゲーム」を意味する。たとえば、図20に示すように、AT当選したゲームから、許容期間が開始されるゲーム(6ゲーム目のゲーム)までのゲーム数は「5ゲーム」として計数する。また、AT当選したゲームから、20ゲーム目のゲームでATに制御される場合には、AT当選したゲームから、ATに制御されるゲーム(20ゲーム目のゲーム)までのゲーム数は「19ゲーム」として計数する。
図20(A)の例では、AT当選したゲーム内でAT当選が報知されていることを示す。具体的には、AT抽選したときに表示される選択画面(図17参照)で一発報知モードが選択されたタイミングでAT当選が報知される。図20(A)の例では、当該AT当選したゲームから、5ゲーム目のゲーム終了時までは制限期間に制御され、6ゲーム目のゲーム開始時から許容期間(図19のS16参照)に制御される。ここで、「ゲーム開始時」とは、「スタートスイッチ7が操作された時」であり、「ゲーム終了時」とは「第3停止時」をいう。
許容期間中に、押し順ベルが当選すると(S20のYes)、対応手順が報知される。報知された対応手順で操作されたときには(S26のYes)、次のゲームからATに制御される。
なお、ATゲーム数は、ATに制御されたときから減少し、押し順ベル当選時に対応手順が報知されたとしても(ナビ演出が実行されたとしても)、許容期間中は減少しない。
図20(B)の例では、3ゲーム間のバトル演出が実行され、3ゲーム目のゲーム終了時にAT当選報知を実行する。4ゲーム目のゲーム開始時から5ゲーム目のゲーム終了時までは、制限期間に制御され、6ゲーム目のゲーム開始時から許容期間(図19のS16参照)に制御される。
図20(C)の例では、4ゲーム間のバトル演出が実行され、4ゲーム目のゲーム終了時にAT当選報知を実行する。5ゲーム目のゲーム開始時からゲーム終了時までは、制限期間に制御され、6ゲーム目のゲーム開始時から許容期間に制御される。
図20(D)の例では、5ゲーム間のバトル演出が実行され、5ゲーム目のゲーム終了時にAT当選報知を実行する。また、5ゲームのバトル演出が実行された場合には、制限期間に制御されず、6ゲーム目のゲーム開始時から許容期間に制御される。
[AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでのゲーム数の期待値について]
ここで、図20(A)〜(D)それぞれに示される、一発報知、3ゲームバトル演出、4ゲームバトル演出、5ゲームバトル演出(以下、「4種類の演出」という。)のいずれが実行された場合であっても、AT当選したゲームから、ATに制御されるゲームまでのゲーム数の期待値が同一となることを説明する。
4種類の演出いずれが実行されても、AT当選したゲーム(1ゲーム目)から5ゲーム目のゲーム終了時までの期間は、制限期間またはバトル演出期間に制御され、6ゲーム目のゲーム開始時から許容期間に制御される。図19のS16で説明したように、制限期間、およびバトル演出期間(つまり許容期間以外の期間)では、AT当選していたとしてもATに制御させない。したがって、4種類の演出いずれが実行されても、AT当選したゲームから5ゲーム間はATに制御されることはない。
また、図19のS20〜S30で示したように、許容期間においては、押し順ベルが当選したときには、ATに制御される。4種類の演出いずれが実行されても、許容期間での押し順ベルの当選確率は、16500/65536である。したがって、4種類の演出いずれが実行されても、許容期間に制御されたゲームからATに制御されるゲーム(つまり、押し順ベルに当選するゲーム)までのゲーム数の期待値は同一となる。当該同一の期待値をSとする。
したがって、4種類の演出いずれが実行されても、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでのゲーム数の期待値は「5+S」となり、同一となる。
このように、本実施形態では、バトル演出モードが選択された場合において、L(Lは自然数)ゲームのバトル演出が実行された場合には、AT抽選が実行されたゲームからL−1ゲーム経過したゲームの第3停止時に、AT抽選の結果が報知される。たとえば、図20(A)に示すように、3ゲームのバトル演出が実行されたときには、AT抽選が実行されたゲーム(1ゲーム目)から2ゲーム経過したゲーム(3ゲーム目)の第3停止時に、AT抽選の結果が報知される。また、一発報知モードが選択された場合には、AT抽選が実行されたゲーム(1ゲーム目)から0ゲーム経過後のゲーム、つまり、AT抽選が実行されたゲームにおいて、AT抽選の結果が報知される。
[特別ATについて]
次に、特別ATについて説明する。前述のように、特別ATは、強チェリーが当選すると所定確率で制御されるATである。また、特別ATとは、第1ATと、第1AT準備と、第2ATと、第2AT準備とを含むものである。第1AT準備とは、第1ATに制御される前に制御される状態であり、ナビ演出が実行される状態である。第2AT準備とは、第2ATに制御される前に制御される状態であり、ナビ演出が実行される状態である。第1AT準備、および第2AT準備に制御される期間については、図23などで説明する。
第1ATとはナビ演出が実行される状態であるとともに、所定ゲーム数(たとえば、20ゲーム)、継続される状態である。第1AT準備中、および第1AT中は、1ゲーム毎に第1特別抽選が実行される。第1特別抽選とは、第1ATから第2ATに昇格させるか否か、および第1ATのゲーム数を上乗せ加算するか否かを決定する乱数抽選である。第1ATのゲーム数の上乗せ加算数は、乱数抽選により決定される。以下では、第1ATの上乗せ加算数の期待値を第1の期待値という。
第1特別抽選により、第1ATから第2ATに昇格させることが決定されると、第1AT終了後に第2AT準備に制御される。当該第2AT準備が終了すると、第2ATに制御される。また、第1特別抽選により、第1ATのゲーム数の上乗せ加算数が決定されると、該決定された上乗せ加算数が第1ATの残りゲーム数に加算されて第1ATは継続される。また、第1特別抽選により、第2ATに昇格されること、および第1ATのゲーム数が上乗せ加算されることのいずれにも決定されないまま、第1ATが終了すると、特別ATは終了し、非AT(ATではない状態)に制御される。
また、第2ATとはナビ演出が実行される状態であるとともに、所定ゲーム数(たとえば、20ゲーム)、継続される状態である。第2AT準備中、および第2AT中は、1ゲーム毎に第2特別抽選が実行される。第2特別抽選は、第2ATのゲーム数を上乗せ加算するか否かを決定する乱数抽選である。第2ATのゲーム数の上乗せ加算数は、乱数抽選により決定される。以下では、第2ATの上乗せ加算数の期待値を第2の期待値という。
第2特別抽選により、第2ATのゲーム数の上乗せ加算数が決定されると、該決定された上乗せ加算数が第2ATの残りゲーム数に加算されて第2ATは継続される。第2ATが終了すると、第1AT準備に制御される。
ここで、第1の期待値<第2の期待値となるように構成されている。したがって、遊技者にとっての有利度は、「第1AT準備および第1AT」<「第2AT準備および第2ATとなる。
特別AT中において(第1AT準備、第1AT、第2AT準備、第2ATいずれにもおいても)、押し順リプレイが当選したときには、ナビ演出として、該押し順リプレイに対応する手順を報知する。したがって、特別ATに制御されると、RT1に制御されているときには、高い割合で昇格リプレイが入賞することによりRT0に制御される。また、RT0に制御されているときには、高い割合で特殊リプレイが入賞することによりRT2に制御される。
特別AT中において、押し順ベルが当選したときには、ナビ演出として、特別AT中のATの種別(第1AT準備、第1AT、第2AT準備、第2AT)に応じた手順(図23(A)参照)を報知する。
サブ制御部91は、第1ATと、第1AT準備と、第2ATと、第2AT準備とにおいて、これらの状態に対応した演出を実行する。たとえば、第1ATでは、味方キャラAと敵キャラCとがバトルをする第1バトル演出が実行される。また、第1ATから第2ATに制御されるとき、または上乗せ当選したときは、味方キャラAが勝利する演出が実行される。第2ATでは、味方キャラAと敵キャラDとがバトルをする第2バトル演出が実行される。上乗せ当選したときは、味方キャラAが勝利する演出が実行される。第1AT準備では、味方キャラAが、第1バトル演出でのバトルに備えた修行を実行する第1準備演出が実行される。第2AT準備では、味方キャラAが、第2バトル演出でのバトルに備えた修行を実行する第2準備演出が実行される。
[AT信号について]
遊技制御基板40に接続されている外部出力基板1000は、ランプ装置200や収集ユニット50経由でホールコンピュータ140に対して、第1AT信号または第2AT信号を出力する。ここで、第1AT信号とは、第1ATに制御されていることを特定可能な信号である。また、第2AT信号とは、第2ATに制御されていることを特定可能な信号である。
ランプ装置200は、第1ATに制御された回数、および第2ATに制御された回数を表示可能である。ランプ装置200において、第1ATに制御された回数が表示される領域と、および第2ATに制御された回数が表示される領域とは別領域となる。これにより、遊技者は、第1ATに制御された回数、および第2ATに制御された回数を明確に認識することができる。ランプ装置200は、第1AT信号を受信したときに、第1ATに制御された回数の表示を1加算するように更新する。ランプ装置200は、第2AT信号を受信したときに、第2ATに制御された回数の表示を1加算するように更新する。
また、第1AT信号、および第2AT信号は、収集ユニット50、および中継ユニット50を経由して、ホールコンピュータ140に送信される。ホールコンピュータ140では、第1ATに制御された回数、および第2ATに制御された回数を記憶、および表示することができる。したがって、遊技店の責任者なども、第1ATに制御された回数、および第2ATに制御された回数を把握することができる。
外部出力基板1000は、第1AT信号を出力する第1端子(図示せず)と、第2AT信号を出力する第2端子(図示せず)とを備える。このように、第1AT信号を出力する端子と、第2AT信号を出力する端子とを分けることで、ランプ装置200は、第1ATに制御された回数および第2ATに制御された回数を適切に表示でき、また、ホールコンピュータ140は、第1ATに制御された回数、および第2ATに制御された回数を適切に記憶および表示できる。
図21は、メイン制御部41のAT信号出力状態の遷移を説明するための図である。メイン制御部41は、AT信号出力状態として、第1AT信号ON状態、第2AT信号ON状態、およびAT信号OFF状態のうちのいずれかの状態に制御される。第1AT信号ON状態は、AT信号のうちの第1AT信号のみを出力している状態である。第2AT信号ON状態は、AT信号のうちの第2AT信号のみを出力している状態である。AT信号OFF状態は、第1AT信号および第2AT信号のいずれのAT信号も出力していない状態である。また、メイン制御部41は、これら3つの状態のうちいずれかの状態に制御されているときにおいて、当該制御されている状態を特定できるフラグをメイン制御部41のRAMに格納する。具体的には、第1AT信号ON状態に制御されているときには、第1AT信号ONフラグがメイン制御部41のRAMに記憶される。第2AT信号ON状態に制御されているときには、第2AT信号ONフラグがメイン制御部41のRAMに記憶される。AT信号OFF状態に制御されているときには、AT信号OFFフラグがメイン制御部41のRAMに記憶される。
図22は、AT信号出力状態が遷移する条件などを示した図である。メイン制御部41が、左欄の「条件成立前のAT信号出力状態」に制御されているときに、中央欄に示された「条件」が成立すると、右欄の「条件成立後のAT信号出力状態」に遷移する。
図22で示される第1手順とは、中ベル当選時において、中右左(中第1停止、右第2停止、左第3停止)であり、右ベル当選時では、右中左(右第1停止、中第2停止、左第3停止)である。また、第2手順とは、中ベル当選時において、中左右(中第1停止、左第2停止、右第3停止)であり、右ベル当選時では、右中左(右第1停止、中第2停止、左第3停止)である。以下では、中ベルおよび右ベルをまとめて「中右ベル」という。つまり、中右ベル当選時とは、中ベル1〜4および右ベル1〜4のいずれかが当選したことをいう。中右ベル当選時において、中段ベルを入賞させる手順を「中右ベル対応手順」という。第1手順および第2手順は、中右ベル対応手順でもある。
中右ベル当選時において第1手順および第2手順のうちのいずれの手順で操作されても、中段ベル(8枚のメダル払出)が入賞する。したがって、中右ベル当選時において第1手順および第2手順のうちのいずれの手順で操作されても、遊技者にとっての有利度の差異はない。
図22に示すように、AT信号OFF状態において、中右ベル当選時に第1手順で操作されたゲームが2連続したとき(条件Aが成立したとき)に、第1AT信号ON状態に遷移される。AT信号OFF状態において、中右ベル当選時に第2手順で操作されたゲームが2連続したとき(条件Bが成立したとき)に、第2AT信号ON状態に遷移される。
第1AT信号ON状態において、中右ベル当選時に第1手順で操作されたとき(条件Cが成立したとき)、または、中右ベル当選時に中右ベル対応手順とは異なる手順で操作されたゲームが2連続したとき(条件Dが成立したとき)に、AT信号OFF状態に遷移される。中右ベル当選時に中右ベル対応手順とは異なる手順で操作されたゲームとは、中段ベルが入賞されないという「中段ベル取りこぼし」が発生したゲームである。第1AT信号ON状態において、中右ベル当選時に第2手順で操作されたときには、第1AT信号ON状態から他の状態には遷移せずに第1AT信号ON状態は維持される。
第2AT信号ON状態において、中右ベル当選時に第1手順で操作されたとき(条件Eが成立したとき)に、AT信号OFF状態に遷移される。第2AT信号ON状態において、中右ベル当選時に第2手順の操作されたときには、第2AT信号ON状態から他の状態には遷移せずに第2AT信号ON状態は維持される。
第1手順および第2手順は、双方とも変則押しである。ナビ演出が実行されていないときに、変則押しで操作されると、サブ制御部91によりペナルティが付与される。したがって、通常、遊技者は、ナビ演出が実行されていないときには、変則押しで操作せずに順押しで操作する。
一方、ナビ演出が実行されているときにおいて、中右ベル当選時に第1手順が報知されると、通常、遊技者は、報知された第1手順での操作を行う。このように、メイン制御部41は、AT信号OFF状態であるときにおいて、第1手順での操作が所定回(本実施形態では2回)行われると、ナビ演出が実行されている(ATに制御されている)と特定することにより、第1AT信号を出力する(第1AT信号ON状態に制御する)。同様に、ナビ演出が実行されているときにおいて、中右ベル当選時に第2手順が報知されると、通常、遊技者は、報知された第2手順での操作を行う。このように、メイン制御部41は、AT信号OFF状態であるときにおいて、第2手順での操作が所定回(本実施形態では2回)行われると、ナビ演出が実行されている(ATに制御されている)と特定することにより、第2AT信号を出力する(第2AT信号ON状態に制御する)。
図23は、メイン制御部41によるAT信号の出力状態と、サブ制御部91によりナビ演出で報知される報知手順との関係を示したものである。図23(A)は、AT状態の種別、およびサブ制御部91によるナビ演出で報知される、ストップスイッチの操作手順(以下、「報知手順」という。)を示したものである。また、サブ制御部91は、第1AT準備では第1手順を報知し、第1ATでは第2手順を報知し、第2AT準備では第1手順または第2手順を報知し、第2ATで第2手順を報知する。
図23(A)において、ONはAT(第1AT準備、第1AT、第2AT準備、第2ATのいずれか)に制御されていることを示し、OFFは、ATに制御されていないことを示す。図23(B)において、ONは、第1AT信号ON状態(メイン制御部41から第1AT信号が出力されている状態)を示し、OFFは、メイン制御部41から第1AT信号が出力されていない状態を示す。図23(C)において、ONは、第2AT信号ON状態(メイン制御部41から第2AT信号が出力されている状態)を示し、OFFは、メイン制御部41から第2AT信号が出力されていない状態を示す。図23(B)(C)の双方において、OFFであるということは、AT信号OFF状態に制御されているということである。
図23(A)に示すように、サブ制御部91により非ATから第1AT準備に制御されたときにおいて(この時点では、メイン制御部41により、AT信号OFF状態に制御されている)、当該第1AT準備のときには、サブ制御部91は、中右ベル当選時には第1手順を報知する。この場合には、遊技者は、通常、報知された第1手順で操作する。AT信号OFF状態において、遊技者により第1手順で操作されたゲームが2連続したことにより条件Aが成立したときには、第1AT信号ON状態に制御される。
メイン制御部41は、第1AT信号ON状態に制御されたときに、ランプ装置200および収集ユニット50に対して第1AT信号を送信するとともに、サブ制御部91に対して、第1AT信号ON状態コマンドを送信する。第1AT信号ON状態コマンドは、メイン制御部41により第1AT信号ON状態に制御されたことを特定可能なコマンドである。サブ制御部91は、第1AT信号ON状態コマンドを受信すると、第1AT準備から第1ATに制御させる。つまり、サブ制御部91は、第1準備演出を終了させて第1バトル演出を実行させる。このように、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、第1AT信号ON状態コマンドを送信することにより、メイン制御部41により第1AT信号の出力が開始されるタイミングで、サブ制御部91に第1ATに制御させるようにすることができる。
第1AT中(第1AT信号ON状態)では、サブ制御部91は、中右ベル当選時には第2手順を報知する。この場合には、遊技者は、通常、報知された第2手順で操作することから、第1AT信号ON状態は維持される。第1ATが終了し、第2AT準備に制御されたときには(この時点では、メイン制御部41により、第1AT信号ON状態に制御されている)、サブ制御部91は、中右ベル当選時には第1手順を報知する。この場合には、遊技者は、通常、報知された第1手順で操作することにより条件Cが成立することから、第1AT信号ON状態からAT信号OFF状態に制御される。また、第1AT信号ON状態からAT信号OFF状態に制御されることにより、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、AT信号OFF状態コマンドを送信する。AT信号OFF状態コマンドは、AT信号OFF状態に制御されたことを特定可能なコマンドである。サブ制御部91は、第2AT準備において、AT信号OFF状態コマンドを受信する前は、中右ベル当選時には第1手順を報知するが、第2AT準備において、AT信号OFF状態コマンドを受信した以降、中右ベル当選時には第2手順を報知する。
AT信号OFF状態コマンドを受信した以降、第2AT準備(この時点では、メイン制御部41によりAT信号OFF状態に制御されている)のときに、サブ制御部91は、中右ベル当選時には第2手順を報知する。この場合には、遊技者は、通常、報知された第2手順で操作する。AT信号OFF状態において、遊技者により第2手順で操作されたゲーム数が2ゲームに到達したことにより条件Bが成立したときには、第2AT信号ON状態に制御される。
メイン制御部41は、第2AT信号ON状態に制御されたときに、ランプ装置200および収集ユニット50に対して第2AT信号を送信するとともに、サブ制御部91に対して、第2AT信号ON状態コマンドを送信する。第2AT信号ON状態コマンドは、メイン制御部41により第2AT信号ON状態に制御されたことを特定可能なコマンドである。サブ制御部91は、第2AT信号ON状態コマンドを受信すると、第2AT準備から第2ATに制御させる。つまり、サブ制御部91は、第2準備演出を終了させて第2バトル演出を実行させる。このように、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、第2AT信号ON状態コマンドを送信することにより、メイン制御部41により第2AT信号の出力が開始されるタイミングで、サブ制御部91に第2ATに制御させるようにすることができる。
第2AT(この時点では、メイン制御部41により第2AT信号ON状態に制御されている)では、サブ制御部91は、中右ベル当選時には第2手順を報知する。この場合には、遊技者は、通常、報知された第2手順で操作することから、第2AT信号ON状態は維持される。第2ATが終了し、第1AT準備に制御されたときには(この時点では、メイン制御部41は、第2AT信号ON状態に制御されている)、サブ制御部91は、中右ベル当選時には第1手順を報知する。この場合には、遊技者は、通常、報知された第1手順で操作することにより条件Eが成立することから、第2AT信号ON状態からAT信号OFF状態に制御される。
特別ATが終了したことにより第1ATが終了したときには(この時点では、第1AT信号ON状態に制御されている)、ナビ演出が実行されない非ATに制御される。つまり、非AT中では、遊技者は、ペナルティが付与されないように、順押しでの操作を行う。中右ベル当選時において、順押しでの操作が行われると、中段ベル取りこぼしが発生する。メイン制御部41は、第1AT信号ON状態中に、中右ベル当選時での中段ベル取りこぼしが2回発生すると、ATが終了した(ナビ演出が実行されない非ATに制御された)と特定し、AT信号OFFに制御する。
メイン制御部41は、条件Dが成立すると、当該条件Dが成立したゲームの次のゲームから消化ゲーム数の計数を開始する。メイン制御部41は、計数した消化ゲーム数をランプ装置200に表示させる。また、メイン制御部41は、消化ゲーム数の計数を開始したときには、計数開始コマンドをサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、計数開始コマンドを受信したゲームから、液晶表示器51に表示されている消化ゲーム数の更新を開始する。たとえば、サブ制御部91は、1ゲーム消化に関連するコマンド(たとえば、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンドのうちいずれかのコマンド)を受信する毎に、液晶表示器51に表示されている消化ゲーム数を更新する。
つまり、条件Dが成立した次のゲームから、メイン制御部41の制御によりランプ装置200の消化ゲーム数の表示を更新するとともに、サブ制御部91の制御により液晶表示器51の消化ゲーム数の表示を更新する。これにより、ランプ装置200および液晶表示器51の双方で、消化ゲーム数を表示することができる。したがって、ランプ装置200および液晶表示器51の双方で、遊技者は、天井ゲーム数までの必要ゲーム数を把握することができる。
以下に、本実施形態におけるスロットマシン1により奏される効果について説明する。
(1) 本実施形態では、図20(A)〜(D)で説明したように、4種類の演出いずれが実行されても、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでのゲーム数の期待値を同一(=5+S)とすることができる。また、再遊技役が入賞したゲームを除いては、1ゲームを開始させるために必要なメダル数(クレジット数)は、「3」である。したがって、4種類の演出いずれが実行されても、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでのメダル消費量の期待値も同一とすることができる。よって4種類の演出いずれが実行されても、メダル消費量の期待値の差異が生じることなく、公平性を担保できる。
(2) AT当選すると上乗せ期間に制御され、該上乗せ期間では、1ゲーム毎に、上乗せ抽選が実行される(図19のS14参照)。したがって、上乗せ期間での遊技の興趣を向上させる。また、4種類の演出いずれが実行されても、上乗せ期間のゲーム数(つまり、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでのゲーム数)の期待値は同一となる(図20参照)。したがって、4種類の演出いずれが実行されても、上乗せされるATゲーム数の期待値を同一とすることができ、上乗せ期間での有利度の公平性を担保できる。
(3) また、1ゲーム内で、AT当選の結果が報知される場合(一発報知)と、3〜5ゲームバトル演出が実行された後のゲームでAT当選の結果が報知される場合がある。したがって、AT当選の結果の報知態様を多様にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) また、バトル演出モードが選択されたときには、3種類のバトル演出のいずれかが実行される。したがって、バトル演出を多様にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、AT当選したときにおいて、バトル演出モードが選択されたときのバトル演出のゲーム数の期待値は、約4ゲームとなる。一方、AT当選したときにおいて、一発報知モードが選択された場合には、バトル演出は実行されないことから(バトル演出のゲーム数は0であることから)、バトル演出のゲーム数の期待値は0ゲームとなる。したがって、バトル演出モードが選択されたときと、一発報知モードが選択されたときとで、バトル演出が実行されるゲーム数を明確に異ならせることができる。
(5) また、図17に示すように、遊技者は、バトル演出モード512と一発報知モード514とを選択することができる。したがって、遊技者の嗜好に応じた遊技を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) また、図19に示すように、許容期間において、報知された対応手順とは異なる手順で操作されたときには、上乗せ期間で付与された上乗せゲーム数が消去される(図19のS30)。したがって、許容期間中での操作手順の報知に対する緊張感を増加させることができる。
(7) また、図20に示すように、一発報知であるかバトル演出を実行するか、およびバトル演出が実行されるゲーム数に応じてAT当選報知を実行するタイミングを異ならせている。したがって、AT当選報知を実行するタイミングを多様にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) また、中右ベル当選時において中段ベルが入賞することにより条件Cは成立する。一方、中右ベル当選時において、中段ベル取りこぼしが2回発生することにより条件Dは成立する。したがって、条件Cが成立したときには、条件Dが成立したときよりも、遊技者にとっての有利度は大きい。よって、第1AT信号の出力を停止させるために、条件Cを成立させたとしても、遊技者に不満を感じさせることはない。
また、第1AT信号の出力を停止させるために、遊技者にとって不利となる条件を成立させる必要はないことから、スロットマシンの設計の自由度を低下させないようにすることができる。また、条件Cまたは条件Dが成立したときに、メイン制御部41は第1AT信号の出力を停止する。このように、本実施形態のスロットマシンは、第1AT信号の出力を停止させる条件が2つあることから、当該条件が1つであるスロットマシンよりも、第1AT信号の出力に関する設計の自由度を向上させることができる。
(9) AT中であって、第1AT信号の出力を停止させる条件Cは、ナビ演出により報知された手順で操作されることにより成立する条件である。したがって、容易に条件Cを成立させることができる。また、条件Cは、メダルが8枚払出される中段ベルが入賞することにより成立する条件であることから、遊技者に不満を感じさせることはないようにすることができる。
(10) 特別AT終了後である非AT中では、変則押しされることにより、ペナルティが付与される。したがって、当該非AT中においては、通常、遊技者は順押し操作を行う。また、第1AT信号の出力を停止させる条件Dは、中右ベル当選時に中段ベル取りこぼしが2回発生したときに成立する条件である。したがって、サブ制御部91により、特別ATを終了させたときには、メイン制御部41により第1AT信号ON状態からAT信号OFF状態に切り替えることができる。
(11) 図22に示すように、AT信号OFF状態から第1AT信号ON状態に遷移される条件Aは、中右ベル当選時に第1手順で操作されたゲームが2ゲームに到達したことにより成立する条件である。また、第1AT信号ON状態からAT信号OFF状態に遷移される条件Cは、中右ベル当選時に第1手順で操作されたことにより成立する条件である。したがって、条件Aは、条件Cが成立し、さらに、次のゲーム以降で中右ベル当選時に第1手順で操作されたことにより成立する条件である。このように、条件Cは、AT信号OFF状態から第1AT信号ON状態に遷移される条件のみならず、AT信号OFF状態から第1AT信号ON状態に遷移される条件にも用いられる。したがって、AT信号OFF状態から第1AT信号ON状態に遷移させる処理、および第1AT信号ON状態からAT信号OFF状態に制御させる処理の一部を共通化することができ、スロットマシン1の処理負担を軽減できる。
(12) サブ制御部91は、第1ATおよび第2ATといった複数のATのうちのいずれかのATに制御させることができる。また、図21に示すように、メイン制御部41は、第1AT信号ON状態および第2AT信号ON状態のいずれの状態に制御されているときでも、共通のAT信号OFF状態に制御される。したがって、第1AT信号ON状態および第2AT信号ON状態のいずれの状態に制御されているときでも、次に制御される状態を共通化することができ、スロットマシン1の処理負担を軽減できる。
(13) 図23(B)に示すように、メイン制御部41は条件Dが成立したゲームの次のゲームから消化ゲーム数の計数を開始することにより、ランプ装置200に表示されたゲーム数の更新を開始するとともに、サブ制御部91に対して計数開始コマンドを送信する。サブ制御部91は、計数開始コマンドを受信すると、液晶表示器51に表示されたゲーム数の更新を開始する。したがって、ランプ装置200と液晶表示器51とで、表示されている消化ゲーム数のズレを防止できる。さらに、遊技者は、ランプ装置200と液晶表示器51との双方で、特別AT終了後の消化ゲーム数を把握することができる。
(14) 第1ATから第2ATへの切替、および第2ATから第1ATへの切替は、同一の特別AT内においての切替であり、非ATに切替えるものではない。図23に示すように、第1ATから第2ATへの切替は条件Cおよび条件Bを用いる。また、第2ATから第1ATへの切替は条件Eおよび条件Aを用いる。これらの条件A〜C、Eは、全て中右ベル当選時において、中段ベルが入賞することにより成立する条件である。したがって、遊技者に不満を抱かせることなく、同一の特別AT内において、第1ATから第2ATへの切替、および第2ATから第1ATへの切替を実行できる。
(15) 中右ベル当選時に成立し得る条件である、条件A、条件B、条件C、条件Eを成立させるための操作手順はそれぞれ異なるが、入賞する表示結果(中段ベル)は同一である。つまり、中右ベル当選時において、第1手順および第2手順のうちのいずれの手順で操作されても、遊技者にとっての有利は同一となる。したがって、遊技者に違和感を抱かせることなく、かつ有利度の公平性を担保しつつ、条件A、条件B、条件C、条件Eを成立させることができるので、第1AT信号の出力および停止、第2AT信号の出力および停止を実行することができる。
(16) 第1AT信号の出力を停止させる条件Cおよび条件D、および第2AT信号の出力を停止させる条件Eは全て、中右ベル当選時であるときに成立し得る条件である。したがって、第1AT信号および第2AT信号の出力を停止させる条件が成立し得る状況を共通化することができるのでスロットマシン1の処理負担を軽減できる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。本発明は、上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。
[ATに制御させる条件について]
本実施形態では、図20に示されるように、ATに制御させる条件(以下、「AT制御条件」という。)は、「許容期間中に押し順ベルが当選したときにおいて、報知された対応手順で操作したとき」であるとして説明した。しかしながら、AT制御条件は、4種類の演出のうちのいずれかが実行されたとしても、AT当選したゲームから当該AT制御条件が成立するまでのゲーム数の期待値が同一であれば、如何なる条件であってもよい。また、以下の説明では、本実施形態と同様に、AT当選したゲームから6ゲーム目のゲーム開始時から許容期間に制御されるとする。
(1) たとえば、「4種類の演出のいずれが実行されたとしても、許容期間に制御されたゲームからNゲーム目のゲームでの所定タイミング(たとえば、スタートスイッチ操作タイミング)で、内部抽選の当選状況に関わらず押し順を報知する構成」を採用してもよい。ただし、Nは自然数であり、予め定められた値とする。このような構成を採用した場合には、AT制御条件は、「該報知された押し順通りに操作されることにより成立する条件」としてもよい。
このような構成によれば、AT当選したゲームから5+Nゲーム消化後で必ず押し順を報知でき、該押し順通りに操作されるとATに制御させることができる。したがって、4種類の演出のいずれが実行されたとしても、AT当選したゲームからATに制御させるゲームまでのゲーム数を同一(本変形例では、5+N)とすることができる。よって、4種類の演出のいずれが実行されたとしても、上乗せ期間中のメダル消費量や上乗せされるATゲーム数を同一にでき、有利度の公平性を担保できる。
(2) また、AT制御条件を、「許容期間に制御されたゲームから、Mゲーム消化されたことにより成立する条件」としてもよい。ただし、Mは自然数であり、予め定められた値とする。
このような構成によれば、4種類の演出のいずれが実行されたとしても、AT当選したゲームからATに制御させるゲームまでのゲーム数(つまり、上乗せ期間のゲーム数)を同一(本変形例では、5+M)とすることができる。したがって、4種類の演出のいずれが実行されたとしても、上乗せ期間中のメダル消費量や上乗せされるATゲーム数を同一にでき、有利度の公平性を担保できる。さらに、許容期間において、押し順が報知されることなく、ATに制御されることから、遊技者に意外感を与えることができる。
(3) また、許容期間中に、ATに制御させるか否かの乱数抽選を行う構成を採用してもよい。この場合のAT制御条件は、「該乱数抽選によりATに制御させることが決定されたことにより成立する条件」としてもよい。このような構成によれば、4種類の演出のいずれが実行されたとしても、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでのゲーム数の期待値を同一とすることができる。さらに、許容期間において、押し順が報知されることなく、ATに制御されることから、遊技者に意外感を与えることができる。
(4) 本実施形態では、図19のS20〜S28で示されるように、押し順ベルが当選すると、報知された対応手順で操作されたか否かに関わらず、ATフラグが格納されるとして説明した。しかしながら、押し順ベルが当選して、報知された対応手順で操作されたときには、ATフラグを格納させる一方、報知された対応手順とは異なる手順で操作されたときには、ATフラグを格納させない(つまり、ATに制御させない)ようにしてもよい。このような構成によれば、報知された対応手順通りに操作することに対する緊張感を遊技者に抱かせることができる。
また、押し順ベルが当選して報知された対応手順とは異なる手順で操作されたときにATフラグを格納させない構成を採用した場合には、上乗せ期間を延長するようにしてもよい。このような延長を行う構成である場合には、該延長された期間において押し順ベルが当選したときに、対応手順を報知し、該対応手順通りに操作されたときには、ATフラグを格納するようにしてもよい。これにより、たとえば、遊技者が誤操作したことにより、報知された対応手順とは異なる手順で操作してしまった場合でも、上乗せ期間が延長されることにより、該遊技者を救済することができる。
ところで、上乗せ期間の延長を行う構成を採用した場合には、悪意のある遊技者が、押し順ベル当選時に報知された対応手順とは異なる手順で意図的に操作することにより、上乗せ期間を故意に引き延ばす虞がある。しかし、このような場合であっても、押し順ベル当選時に報知された対応手順とは異なる手順で操作されたときには、不利制御(図19のS30参照)が実行されることから、上乗せ期間を故意に引き延ばすことを抑制することができる。
(5) また、AT制御条件は、RT2に制御されたときに成立する条件とする構成としてもよい。このような構成を採用した場合には、サブ制御部91は、許容期間中では、押し順リプレイ当選時に、押し順リプレイ対応手順を報知する。
ATに制御されていないときには、通常、遊技者は、RT1で遊技する。AT当選して許容期間に制御されると、サブ制御部91は、押し順リプレイ当選時に、押し順リプレイ対応手順を報知する。遊技者が、報知された押し順リプレイ対応手順通りに操作すると、RT1→RT0→RT2の順番で状態が移行され(図9参照)、RT2に制御されたときに、AT制御条件が成立したとして、サブ制御部91は、ATを開始する。
このような構成を採用している場合には、許容期間において、押し順リプレイ当選時で報知される手順とは異なる手順で操作されたときには、RT2に移行されないことから、上乗せ期間である許容期間が延長されることになる。したがって、悪意のある遊技者が、押し順リプレイ当選時に報知された手順とは異なる手順で意図的に操作することにより、上乗せ期間を故意に引き延ばす虞がある。しかし、このような場合であっても、押し順リプレイ当選時に報知された対応手順とは異なる手順で操作されたときには、不利制御(図19のS30参照)が実行されることから、上乗せ期間を故意に引き延ばすことを抑制することができる。
(6) 本実施形態では、ATへ制御される条件(ATフラグが格納される条件)は、押し順ベル当選であるとして説明した。しかしながら、ATへの制御は他の役(以下、「特定役」という。)が当選したときとしてもよい。ここで特定役は、たとえば、3つのリール全てにおいて、特定図柄が導出されたことにより入賞する役である。特定図柄とは、プレミア感のある図柄(たとえば、黒7)としてもよい。また、特定役は、許容期間中において比較的、高確率で当選する役であることが好ましい。
たとえば、特定役とは、特殊再遊技役とし、特定図柄を「黒7」とする。このような構成の場合には、許容期間中に、特殊再遊技役が当選したときには、サブ制御部91は「黒7を揃えろ!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる。遊技者により、全てのリールにおいて黒7が導出されたときには、ATフラグがRAM91cに格納される。また、全てのリールで黒7が導出されない場合において、ATフラグをRAM91cに格納するようにしてもよく、格納しないようにしてもよい(次のゲームからATに制御させてもATに制御させなくてもよい)。
(7) 図19のS26では、第3停止された後に、サブ制御部91により報知された手順で操作されたか否かが判断されるとして説明した。しかしながら、サブ制御部91により報知された手順で操作されたか否かの判断は、第3停止された後に限らず、他のタイミングであってもよい。たとえば、該判断は、第1停止後、第2停止後に実行されるようにしてもよい。
(8) 本実施形態では、許容期間において、押し順を報知する操作部はストップスイッチであるとして説明した。しかしながら、該操作部は、ストップスイッチに限らず、他の操作部であってもよい。たとえば、該操作部は、演出用スイッチ56などであってもよい。
[AT抽選結果の報知について]
本実施形態では、AT抽選でAT当選した旨を報知し、AT非当選の場合であっても、AT非当選である旨を報知するとして説明した。しかしながら、AT非当選の場合には、AT非当選である旨を報知しないようにしてもよい。これにより、AT非当選時の報知処理の負担を軽減できる。
[演出について]
(1) 本実施形態では、一発報知であるかバトル演出を実行するか、およびバトル演出が実行されるゲーム数に応じてAT当選報知を実行するタイミングを異ならせている、として説明した。しかしながら、バトル演出を実行しないことにより、AT当選報知を実行するタイミングを異ならせるようにしてもよい。
この場合には、遊技者により、モード選択させることなく、サブ制御部91は、たとえば、AT抽選時(またはAT抽選以降の所定タイミング)にAT当選報知するタイミングを乱数抽選などにより決定する。サブ制御部91は、乱数抽選により決定されたタイミングでAT当選報知する。
また、バトル演出を実行するが、バトル演出の開始タイミングを異ならせることによりAT当選報知するタイミングを異ならせるようにしてもよい。
(2)本実施形態では、AT当選したか否かを煽る煽り演出、および第1ATおよび第2ATで実行される上乗せ当選を煽る煽り演出は、バトル演出であるとして説明した。しかしながら、該煽り演出は、AT当選していること、および上乗せ当選していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができれば、他の演出であってもよい。たとえば、他の煽り演出とは、遊技が進行するにつれて、所定のキャラクタが成長するような演出であってもよい。また、他の煽り演出は、楽曲としてもよく、またドラマおよび映画等の映像としてもよい。このような場合において、煽り演出として1曲分の楽曲やプロモーションビデオ、1話分のドラマ、映画等の映像が出力されるようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、選択画面で一発報知モードが選択されたタイミングでAT抽選結果を報知するとして説明した。しかしながら、選択画面で一発報知モードが選択された場合において、ATに制御される前であれば、一発報知モードが選択されたタイミングタイミングとは異なるタイミングでAT抽選結果を報知するようにしてもよい。たとえば、選択画面で一発報知モードが選択されたゲームより後のゲームの所定のタイミングでAT抽選結果を報知するようにしてもよい。この場合には、唐突にAT抽選の結果が報知されることになるから、遊技者に意外感を与えることができる。
(4) また、一発報知モードが選択された場合には、AT抽選の結果が報知されるゲーム内であれば、該AT抽選の結果が報知されるタイミングよりも前に所定の演出を実行するようにしてもよい。ここで、所定の演出とは、たとえば、AT当選報知されることを想起させる演出を実行することである。具体的には、AT当選報知されることを想起させる文字(たとえば、「結果を報知するぞ」などの文字)を表示させるようにしてもよい。
(5) 本実施形態では、選択画面でバトル演出モードが選択されたタイミングでバトル演出が実行されるとして説明した。しかしながら、ATに制御される前であれば、バトル演出モードが選択されたタイミングとは異なるタイミングでバトル演出を開始するようにしてもよい。たとえば、選択画面でバトル演出モードが選択されたゲームより後のゲームの所定のタイミングでバトル演出を実行するようにしてもよい。
(6) 本実施形態では、バトル演出モードが選択されたときには、3〜5ゲームに亘って実行されるバトル演出のうちのいずれかを決定するとして説明した。しかしながら、バトル演出が実行されるゲーム数は、3〜5ゲームに限られず、他のゲーム数であってもよい。たとえば、バトル演出は1ゲームであってもよい。1ゲームのバトル演出が実行される場合において、AT当選している場合には、バトル演出が開始されたゲームの第3停止時に味方キャラAが勝利している画面が表示され、次のゲームの開始時にAT当選していることが報知される。また、1ゲームのバトル演出が実行される場合において、AT非当選の場合には、味方キャラAが敗北している画面が表示され、次のゲームでAT当選していないことが報知される。
(7) 本実施形態では、図20に示すように、AT当選報知されるタイミング(以下、「AT当選報知タイミング」という。)が予め定められており(図20の例では、4パターン)、かつ制限期間のゲーム数が予め定められていることにより、4種類の演出のいずれが実行された場合でも、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでのゲーム数の期待値を同一にするとして説明した。しかし、AT当選報知タイミングのパターンを予め決定せず、サブ制御部91が乱数抽選などによりAT当選報知タイミングを決定するようにしてもよい。この場合には、サブ制御部91が、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでのゲーム数(または該ゲーム数の期待値)が同一となるように、制限期間のゲーム数を調整する。このような構成によれば、AT当選報知タイミングを多様にすることができつつ、上乗せ期間でのメダル消費量の期待値の差異や有利度の差異を低減できる。
また、サブ制御部91が乱数抽選などによりAT当選報知タイミングを決定する構成の場合には、AT抽選が実行されてAT当選したゲームの所定タイミング(たとえば、スタートスイッチ7の操作タイミング)で、AT当選報知を実行するゲーム(何ゲーム目のゲームにするか)を決定するようにしてもよい。そして、該決定されたAT当選報知を実行するゲームにおいて、AT当選報知を実行する。
また、該構成の場合には、AT抽選が実行されてAT当選したゲーム以降の1ゲーム毎にAT当選報知を実行するか否かを決定する決定処理を実行するようにしてもよい。この場合には、該決定処理によりAT当選報知の実行が決定されたゲームにおいて、AT当選報知を実行する。
(8) 本実施形態では、AT抽選が実行されたゲームを「1ゲーム目」として起算し、Lゲームのバトル演出が実行された場合には、AT抽選が実行されたゲームからL−1ゲームが経過したゲームの第3停止時に、AT抽選の結果が報知されるとして説明した。しかしながら、AT抽選が実行されたゲームを「0ゲーム目」として起算するようにしてもよい。この場合には、Lゲームのバトル演出が実行された場合には、AT抽選が実行されたゲームからLゲームが経過したゲームの第3停止時に、AT抽選の結果が報知されることになる。
[特典について]
(1) 本実施形態では、ATゲーム数を特典とし、また、ATへの制御を特典制御として説明した。しかしながら、特典は、遊技者にとって有利なものであれば如何なるものであってもよく、特典制御も特典に応じた制御であれば、如何なる制御であってもよい。
ここで、特典とは、たとえば、ボーナス当選としてもよい。この場合には、特典制御は、ボーナス状態への移行である。ここで、ボーナス状態とは、たとえば、所定の小役や所定の再遊技役の当選確率が、ボーナス状態とは異なる状態よりも高くなる状態である。また、特典とは、たとえば、有利RT当選としてもよい。この場合には、特典制御は、有利RTへの移行である。ここで、有利RTとは、所定の再遊技役の当選確率が、有利RTとは異なる状態よりも高くなる状態である。また、特典は、ナビストックとしてもよい。ナビストックとは、所定数(たとえば、50)のATゲーム数をいう。
また、特典は、「メダルの払出率に直接影響を及ぼさない特典」の付与の決定としてもよい。この場合には、特典制御は、該特典を付与する制御である。「メダルの払出率に直接影響を及ぼさない特典」とは、たとえば、液晶表示器51に音声とともに特典演出の実行(特別キャラクタ出現など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を液晶表示器51において表示などであってもよい。
(2) 本実施形態では、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでの特定期間は、AT当選したことにより付与されたATゲーム数に対して上乗せするか否かの上乗せ抽選を実行する上乗せ期間であるとして説明した。その他の例として、該上乗せ抽選では、所定の確率で付与されたATゲーム数が減少する抽選としてもよい。これにより、特定期間では、付与されたATゲーム数が上乗せされる場合と減少される(つまり、付与されたATゲーム数が変化する)場合があり、特定期間での緊張感を遊技者に抱かせることができる。
(3) 本実施形態では、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでの特定期間は、所定条件成立する毎に(本実施形態では、1ゲーム消化する毎に)、ATゲーム数の上乗せ抽選を実行する上乗せ期間であるとして説明した。しかしながら、特定期間は、他の制御を実行する期間であってもよい。たとえば、ATは、該AT中の所定タイミングで継続抽選を実行し、該継続抽選により継続決定された場合に、該ATを継続させる態様であってもよい。この場合には、特定期間では、該継続抽選において継続決定される確率を向上させるか否かを決定する継続率抽選を所定条件が成立する毎に実行するものであってもよい。ここで、所定条件とは、1ゲーム消化することにより成立する条件としてもよく、また、他の条件としてもよい。
また、特典をATゲーム数ではなく、ナビストックとした場合には、特定期間では、所定条件が成立する毎に、ナビストックの上乗せ抽選を実行するようにしてもよい。
また、特典が他のものである場合には([特典について]の“(1)”参照)、特定期間では、特典制御に関する有利度を変化させる制御(たとえば、抽選)を実行するようにしてもよい。
(4) また、特定期間では、ナビ演出を実行するようにしてもよい。この場合には、特定期間とAT期間とで、ナビ対象役を同一にしてもよく、異ならせるようにしてもよい。特定期間とAT期間とで、ナビ対象役を異ならせる場合には、たとえば、AT期間でのナビ対象役の一部を特定期間でのナビ対象役としてもよい。たとえば、AT期間でのナビ対象役を「押し順リプレイ」および「押し順ベル」とし、特定期間でのナビ対象役を「押し順ベル」としてもよい。この場合において、特定期間でナビ演出が実行されたときには、付与されたATゲーム数を減少させないようにしてもよい。これにより、特定期間でナビ演出が実行されたとしても、ATゲーム数は減少されないことから遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 本実施形態では、上乗せ期間(特定期間)において、上乗せ抽選を実行する上乗せ抽選条件は、1ゲーム消化であるとして説明した(図19のS14参照)。しかしながら、該上乗せ抽選条件は、他の条件であってもよい。たとえば、上乗せ抽選条件は、所定役が当選したときに成立する条件としてもよい。また、上乗せ抽選条件は、該所定役が入賞したときに成立する条件としてもよい。
[モードについて]
(1) 本実施形態では、図17に示すように、遊技者が選択できるモードは、一発報知モードおよびバトル演出モードであるとして説明した。その他のモードとして、お任せモードを遊技者が選択可能としてもよい。お任せモードは、サブ制御部91による乱数抽選などにより、一発報知モードおよびバトル演出モードのいずれかが乱数抽選などにより選択されるモードである。遊技者がお任せモードを選択可能とすることにより、一発報知モードおよびバトル演出モードのいずれが選択されるかに対する緊張感を遊技者に抱かせることができる。また、一発報知モードおよびバトル演出モードのいずれが選択されても、AT当選したゲームからATに制御されるゲームまでのゲーム数の期待値を同一とすることができるので、上乗せ期間のメダル消費量の期待値、および上乗せ期間の有利度を同一にすることができる。
(2) また、バトル演出モードとして、さらに、ショートバトル演出モードとロングバトル演出モードを遊技者が選択可能としてもよい。ショートバトル演出モードが選択されると、複数種類のショートバトル演出のうちいずれかが実行され、ロングバトル演出モードが選択されると、複数種類のロングバトル演出のうちいずれかが実行される。複数種類のロングバトル演出の期待値Aは、複数種類のショートバトル演出の期待値Bより長くなる。
ロングバトル演出とは、4ゲームのバトル演出、5ゲームのバトル演出、6ゲームのバトル演出である。ロングバトル演出モードが選択されると、ロングバトル演出として、4ゲームのバトル演出、5ゲームのバトル演出、6ゲームのバトル演出がそれぞれ、30%、30%、40%の確率で決定されるようにしてもよい。この場合には、複数種類のロングバトル演出の期待値Aは、4×0.3+5×0.3+6×0.4=5.1となる。
また、ショートバトル演出とは、1ゲームのバトル演出、2ゲームのバトル演出、3ゲームのバトル演出である。ショートバトル演出モードが選択されると、ショートバトル演出として1ゲームのバトル演出、2ゲームのバトル演出、3ゲームのバトル演出がそれぞれ、30%、30%、40%の確率で決定されるようにしてもよい。この場合には、複数種類のショートバトル演出の期待値Bは、1×0.3+2×0.3+3×0.4=2.1となる。このように、複数種類のロングバトル演出の期待値Aは、複数種類のショートバトル演出の期待値Bより長くなる。
バトル演出モードとして、ショートバトル演出モードとロングバトル演出モードとのいずれかを選択可能とすることにより、短い期間のバトル演出および長い期間のバトル演出のいずれかを遊技者に楽しませるようにすることができ、さらに、バトル演出を多様にすることができる。
(3) 本実施形態では、図17に示すように、各種のモードはストップスイッチで選択され、MAXBETスイッチで決定されるとして説明した。しかし、各種のモードは他の操作部で選択され、決定されるようにしてもよい。また、遊技者の操作部への操作に限られず、各種のモードは、他の方式(たとえば、遊技者の音声など)で、選択・決定されるようにしてもよい。
(4) 本実施形態では、AT抽選対象役が当選したときに、図17に示す選択画面を表示するとして説明した。しかしながら、選択画面が表示される条件は、AT抽選対象役が当選した時に限られず、他の条件としてもよい。他の条件とは、たとえば、所定の操作部(たとえば、演出用スイッチ56)が操作されたときに成立する条件としてもよい。
(5) 本実施形態では、図17に示す選択画面は、AT当選しているか否かに関わらず、AT抽選対象役が当選したゲームの開始時に表示されるとして説明した。しかしながら、選択画面は、AT抽選対象役に当選したゲームにおいて、所定確率で表示するようにしてもよい。
また、選択画面は、AT抽選対象役に当選したゲームにおいて、AT当選したときには、AT当選しなかったときよりも高確率で表示されるようにしてもよい。これにより、選択画面が表示された場合には、AT当選したのではないかという期待感を遊技者に抱かせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 本実施形態では、図17に示す選択画面が表示されるタイミングは、AT抽選対象役が当選したゲームの開始時であるとして説明した。しかしながら、選択画面が表示されるタイミングは、このタイミングに限られない。たとえば、AT抽選対象役が当選したゲームの第2停止時や、終了時などとしてもよい。
[不利制御について]
本実施形態の不利制御(図19のS30参照)は、上乗せ期間で付与された上乗せゲーム数が消去される制御であるとして説明した。しかしながら、不利制御は遊技者にとって不利となる制御であれば如何なる制御でもよい。たとえば、不利制御が実行されていない上乗せ期間中にナビ演出を実行するものであれば、不利制御は、該上乗せ期間中に、該ナビ演出が実行されない制御としてもよい。また、上乗せ期間中に、報知された対応手順とは異なる手順で操作されたゲーム以降において、不利制御として上乗せ抽選を実行しない制御としてもよい。
[AT信号の出力を停止させる条件について]
(1) 本実施形態では、条件Cは中段ベルが入賞することであり、かつ条件Dは中段ベルを取りこぼすことであることにより、条件Cの方が条件Dよりも成立したときに有利になるとして説明した。しかしながら、条件Cの方が条件Dよりも成立したときに有利となるのであれば条件C、および条件Dは以下のようにしてもよい。
たとえば、事象A〜Hを以下のように定義する。
事象A・・・X枚のメダルが付与される役Aが導出
事象B・・・Y(X>Y)枚のメダルが付与される役Bが導出
事象C・・・メダルが付与されない役Cが導出
事象D・・・遊技状態が有利な状態に制御される昇格役Dが導出事象E・・・遊技状態が維持される維持役Eが導出
事象F・・・遊技状態が不利な状態に制御される転落役Fが導出
事象G・・・再遊技が付与される役Gが導出
事象H・・・再遊技役が付与されない役Hが導出
ここで、遊技状態とは、メイン制御部41により制御されるRTとしてもよく、サブ制御部91により制御される状態としてもよい。また、遊技状態をサブ制御部91により制御される状態とした場合には、事象Dの「有利な状態」とは、AT当選する確率が通常状態よりも高い状態とし、また、事象Fの「不利な状態」とは、AT当選する確率が通常状態よりも低い状態としてもよい。
また、図14に示されるように、たとえば、昇格役Dとは昇格リプレイであり、維持役Eとは通常リプレイであり、転落役Fとは転落リプレイとしてもよい。また、事象A〜Hはあくまで一例であり、他の事象が存在していてもよい。
事象A〜Fにおいて、遊技者にとっての有利度は、事象A>事象B>事象C、事象D>事象E>事象F、事象A>事象E>事象F、事象B>事象E>事象F、事象C>事象F、事象G>事象Hとなる。以下では、条件Cおよび条件Dの組合せが、事象A、事象Bである場合に、(事象A、事象B)と示すとする。
この場合には、条件Cおよび条件Dの組合せは(事象A、事象B)、(事象A、事象C)、(事象B、事象C)、(事象D、事象E)、(事象D、事象F)、(事象E、事象F)、(事象A、事象E)、(事象A、事象F)、(事象B、事象E)、(事象B、事象F)、(事象C、事象F)、(事象G、事象H)のうちの少なくとも1つの組合せとしてもよい。
また、1回の単位遊技で消費されるメダル枚数をZ枚とした場合であり、X>Z>Yの場合には、条件Cおよび条件Dの組合せは(事象A、事象G)としてもよい。また、X>Y>Zの場合には、条件Cおよび条件Dの組合せは(事象B、事象G)としてもよい。
以下では、条件A〜Eを成立させ得る当選役をそれぞれ「条件A当選役」、「条件B当選役」、「条件C当選役」、「条件D当選役」、「条件E当選役」という。また、「条件A当選役」、「条件B当選役」、「条件C当選役」、「条件D当選役」、「条件E当選役」をまとめて「条件当選役」という。
また、本実施形態では、条件C当選役と条件D当選役とは、双方とも中右ベルであり、条件C当選役と条件D当選役とは同一であるとして説明した。しかし、条件C当選役と条件D当選役とは、異なっていてもよい。たとえば、条件Cおよび条件Dの組合せが(事象A、事象F)とした場合には、条件C当選役は第1手順で操作されたときに役Aが導出される役であり、条件D当選役は順押しで操作されたときに役Fが導出される役としてもよい。
また、条件C当選役と条件D当選役とは同一であり、かつ中右ベルとは異なる役であってもよい。たとえば、条件Cおよび条件Dの組合せが(事象A、事象F)である場合には、条件C当選役と条件D当選役は、役Aと役Fとが同時当選する役である。さらに、条件C当選役と条件D当選役は第1手順で操作されたときに役Aが導出される役であり、順押しで操作されたときに役Fが導出される役としてもよい。
条件Cおよび条件Dの組合せが本変形例で示したものである場合においても、図23の例と同様に、第1ATが終了すると、条件Cを成立させるための第1手順を報知する。また、特別ATが終了すると、たとえば、操作手順を報知しないようにすることにより、条件Dを成立させる。
また、条件Cおよび条件Dの組合せがこのような場合において、本実施形態と同様に、第1手順および第2手順のうちいずれで操作されても、条件A、条件B、条件C、条件Eが成立したときの遊技者にとっての有利度は同一であることが好ましい。
(2) 本実施形態では、条件E当選役は、条件C当選役、および条件D当選役と同一であるとして説明した。しかしながら、条件E当選役は、条件C当選役および条件D当選役少なくとも一方と異なるようにしてもよい。また、条件Eは、条件A〜条件Cそれぞれと比較して、成立時の遊技者の有利度が同一であることが好ましい。この場合には、条件E当選役は、前述した役A〜役Hのいずれかが当選した役としてもよい。
(3) 本実施形態では、条件A当選役および条件B当選役は、それぞれ条件C当選役、条件D当選役、および条件E当選役と同一であるとして説明した。しかし、条件A当選役および条件B当選役のうち少なくとも一方は、それぞれ条件C当選役、条件D当選役、および条件E当選役と異なるようにしてもよい。また、条件A、Bは、条件Cと比較して、成立時の遊技者の有利度が同一であることが好ましい。この場合には、条件A当選役および条件B当選役は、前述した役A〜役Hのいずれかが当選した役としてもよい。
(4) 本実施形態では、条件当選役は、押し順ベルまたは特定押し順リプレイであるとして説明した。しかしながら、条件当選役は他の押し順役であってもよい。ここで、押し順役とは、対応する対応手順で操作されたときには、対応手順とは異なる手順で操作されたときよりも有利な表示結果が導出される役である。また、「条件A当選役」、「条件B当選役」、「条件C当選役」、「条件D当選役」、「条件E当選役」のうち少なくとも1つの当選役、残りの当選役と異なるようにしてもよい。
(5) 本実施形態では、遊技者にとって有利な期間としてのATに関する決定および制御を、サブ制御部が実行する例について説明した。より具体的に、サブ制御部はATに制御するか否か、およびATゲーム数を決定するAT抽選の結果に基づいてATに制御するAT制御とを実行する例について説明した。
しかし、有利な期間としてのATに関する決定および制御については、メイン制御部のみにより実行するようにしてもよい。メイン制御部のみにより実行する例としては、たとえば、メイン制御部によりナビストック抽選を行い、その結果に基づいてATに制御するためのATフラグを設定し、ATフラグ設定中の内部抽選の結果に応じてナビ演出を実行させる場合に内部抽選の結果に応じた操作手順を特定可能なナビ演出を実行させるためのナビコマンドをサブ制御部に送信するようにしてもよい。これにより、サブ制御部は、ナビコマンドに基づいて操作手順を特定可能なナビ演出を実行するようにしてもよい。なお、メイン制御部は、ナビコマンドを送信するものに限らず、内部結果コマンドと、AT中であることを特定可能なAT中コマンドとをサブ制御部に送信し、サブ制御部は、受信したAT中コマンドからAT中であると判定しているゲームにおいて、ナビ演出を実行させる内部結果コマンドを受信したときに、対応する操作手順を特定可能なナビ演出を実行するようにしてもよい。
また、有利な期間としてのATに関する決定および制御をメイン制御部のみにより実行するようにした場合には、AT中であることを報知可能な報知手段(たとえば、各リールに対応する演出効果LEDなどの発光手段)をメイン制御部自身により制御するようにしてもよい。また、メイン制御部が直接管理するAT中であるか否かをメイン制御部自身が判定(ATフラグが設定されているか否か判定)し、その判定結果に応じて、メイン制御部は、AT中である旨を示すAT中信号を外部出力するようにしてもよい。
このように、メイン制御部41が、ナビストック抽選およびAT制御を実行する構成の場合にはメイン制御部41およびサブ制御部91は以下の処理を実行する。この場合には、メイン制御部41は、条件A〜条件Eが成立したか否かを判断する必要はない。
メイン制御部41が、第1AT準備への制御を開始し、第1AT準備から第1ATへ制御した場合には、メイン制御部41は第1AT信号を出力する(AT信号OFF状態から第1AT信号ON状態へ制御する)。第1ATから第2AT準備へ制御した場合には、メイン制御部41は、第1AT信号の出力を停止する(第1AT信号ON状態からAT信号OFF状態へ制御する)。第2AT準備から第2ATへ制御した場合には、メイン制御部41は第2AT信号を出力する(AT信号OFF状態から第2AT信号ON状態へ制御する)。第2ATから第1AT準備へ制御した場合には、メイン制御部41は、第1AT信号の出力を停止する(第2AT信号ON状態からAT信号OFF状態へ制御する)。
また、メイン制御部41は、特別ATを終了させるときには、第1AT信号の停止を終了させる(第1AT信号ON状態からAT信号OFF状態へ制御する)。
このように、メイン制御部41が、ナビストック抽選およびAT制御を実行する構成の場合には条件A〜条件Eが成立したか否かを判断する必要はないことから、処理を簡素化できる。
(6) 本実施形態では、メイン制御部41のAT信号出力状態の遷移図として図21を説明したが、たとえば、図24のようなものであってもよい。図21と図24とで相違する点は、AT信号OFF状態に通常状態および準備状態が含まれていること、および各状態に遷移する条件が異なっていることである。また、通常状態および準備状態は、第1AT信号および第2AT信号のいずれも出力されていない状態である。
また、本変形例では、押し順役として、中右リプと押し順ベルとが存在する。中右リプは、対応手順が中第1停止、または右第1停止である手順である。また、押し順ベルは、本実施形態と同様のものである。中右リプに対応する対応手順として、第1手順と、当該第1手順と異なる第2手順が含まれる。中右リプ当選時に、対応手順で操作されたときには(第1手順および第2手順のいずれで操作されても)、有利表示結果として、有利なRTに移行させる昇格リプレイや、現状のRTを維持する維持リプが入賞する。一方、中右リプ当選時に、対応手順とは異なる手順で操作されたときには、有利表示結果よりも不利な表示結果が導出される。不利な表示結果とは、たとえば、現状のRTよりも不利なRTに転落する転落リプなどである。
条件Pは中右リプ当選時に、対応手順のうちの第1手順で操作されたときに成立する条件とする。条件Qは押し順ベル当選時に対応手順で操作されたときに成立する条件とする。条件Rは中右リプ当選時に対応手順のうちの第2手順で操作された時に成立する条件とする。条件Sは押し順ベル当選時または中右リプ当選時に取りこぼしが2回発生したことにより成立する条件とする。
サブ制御部91は、特別AT(第1AT準備、第1AT、第2AT準備、第2AT)において、共通して、押し順ベル当選時には、押し順ベル対応手順を報知する。また、第1AT準備中は、中右リプ当選時には、第1手順を報知する。第1AT中は、中右リプ当選時には第2手順を報知する。第2AT準備中は、中右リプ当選時において、メイン制御部41が第1AT信号ON状態の場合には第1手順を報知し、メイン制御部41がAT信号OFF状態になった以降は第2手順を報知する。第2AT中は、中右リプ当選時において、第2手順を報知する。
このような構成によれば、通常状態とは別に準備状態を設けることができる。これにより、所定の状態から他の状態へ遷移する場合には、第1AT信号ON状態から通常状態へ制御されるとき以外は、共通の通常状態に制御される。したがって、通常状態、第1AT信号ON状態、および第2AT信号ON状態のいずれの状態に制御されているときでも、次に制御される状態を共通化することができ、スロットマシン1の処理負担を軽減できる。
また、図24の例では、第2AT信号ON状態から準備状態および第1AT信号ON状態を経由しなければ、通常状態に遷移されないように構成されている。しかし、第2AT信号ON状態から直接、通常状態に制御させるようにしてもよい。
(7) また、条件Cを成立させるために以下のようにしてもよい。たとえば、所定役当選時において、第1AT中では、ナビ演出を実行せずに、第2AT準備に制御されると、順押しとは異なる押し順(変則押し)を報知するナビ演出を実行する。遊技者は、第1AT中であっても、ナビ演出が実行されなければ、通常、順押し操作を実行する。したがって、メイン制御部41は、第1AT信号ON状態であるときにおいて、所定役当選時に、変則押しされた場合には、条件Cが成立したとして、第1AT信号ON状態からAT信号OFF状態に遷移させるようにしてもよい。
同様に、条件Eを成立させるために以下のようにしてもよい。たとえば、所定役当選時において、第2AT中では、ナビ演出を実行せずに、第1AT準備に制御されると、順押しとは異なる押し順(変則押し)を報知するナビ演出を実行する。遊技者は、第2AT中であっても、ナビ演出が実行されなければ、通常、順押し操作を実行する。したがって、メイン制御部41は、第2AT信号ON状態であるときにおいて、所定役当選時に、変則押しされた場合には、条件Eが成立したとして、第2AT信号ON状態からAT信号OFF状態に遷移させるようにしてもよい。
また、所定役とは、順押しおよび変則押しのいずれが実行されても、入賞する役であることが好ましい。
(8) 条件Aは、中右ベル当選時に第1手順で操作されたゲーム数が2ゲーム(以下、「条件Aの到達ゲーム数」という。)に到達したときに成立する条件であるとして説明した。条件Aの到達ゲーム数は、1ゲームであってもよく、3ゲーム以上であってもよい。条件Bは、中右ベル当選時に第2手順で操作されたゲーム数が2ゲーム(以下、「条件Bの到達ゲーム数」という。)に到達したときに成立する条件であるとして説明した。条件Bの到達ゲーム数は、1ゲームであってもよく、3ゲーム以上であってもよい。
条件Cおよび条件Eは、中右ベル当選時に第1手順で操作されたときに成立する条件であるとして説明した。条件Cおよび条件Eのうち少なくとも一方の条件は、中右ベル当選時に第1手順で操作されたゲーム数が、2以上の所定ゲーム数に到達したときに成立する条件としてもよい。
条件Dは、中段ベル取りこぼしが2回されたときに成立する条件であるとして説明した。条件Dが成立されるための押し順ベルの取りこぼし回数は、1回でもよく、3回以上としてもよい。
(9) 本実施形態では、メイン制御部41は、第1AT信号ON状態コマンドをサブ制御部91に対して送信することにより、AT信号OFF状態から第1AT信号ON状態に制御されたタイミングで、第1ATに対応する演出(第1バトル演出)を実行するとして説明した。メイン制御部41は、第1AT信号ON状態コマンドを送信した時点で、第1バトル演出が実行される前に第1ATに関連する演出を実行するようにしてもよい。ここで、第1ATに関連する演出とは、フリーズである。フリーズとは、メイン制御部41により、遊技の進行を遅延させる制御であり、フリーズに制御されている期間(以下、「フリーズ制御期間」という。)は、遊技を進行させる操作(たとえば、スタートスイッチ7の操作、ストップスイッチ8の操作など)が無効となる。また、フリーズ制御期間でのリールの回転態様は、フリーズに制御されていない期間(以下、「フリーズ非制御期間」という。)でのリールの回転態様と異ならせるようにしてもよい。たとえば、フリーズ制御期間では、フリーズ非制御期間のリールの回転方向と逆方向にリールを回転させる制御、および、フリーズ非制御期間のリールの回転速度とは異なる速度でリールを回転させる制御のうち、少なくとも一方の制御を実行するようにしてもよい。また、第1バトル演出が実行される前に実行されるフリーズを「第1フリーズ」という。
また、メイン制御部41は、第2AT信号ON状態コマンドをサブ制御部91に対して送信することにより、AT信号OFF状態から第2AT信号ON状態に制御されたタイミングで、第2ATに対応する演出(第2バトル演出)を実行するとして説明した。メイン制御部41は、第2AT信号ON状態コマンドを送信した時点で、第2バトル演出が実行される前に第2ATに関連する演出(以下、「第2フリーズ」という。)を実行するようにしてもよい。
第1フリーズおよび第2フリーズを実行するか否かは、乱数抽選などにより決定される。
第1フリーズが終了すると、該終了したことを特定できる第1フリーズ終了コマンドをメイン制御部41はサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、第1フリーズ終了コマンドを受信すると、第1フリーズが終了したことを特定し、第1バトル演出を実行する。また、第2フリーズが終了すると、該終了したことを特定できる第2フリーズ終了コマンドをメイン制御部41はサブ制御部91に対して送信する。サブ制御部91は、第2フリーズ終了コマンドを受信すると、第2フリーズが終了したことを特定し、第2バトル演出を実行する。
このように、第1バトル演出、および第2バトル演出の前にフリーズを実行することにより、遊技者に対して、バトル演出に対する期待感を増大させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1フリーズと第2フリーズとで、リールの回転態様を異ならせるようにしてもよい。たとえば、リールの回転態様を第2フリーズの方が第1フリーズよりも遊技者の注目を集める態様にすることが好ましい。たとえば、第2フリーズの方が、第1フリーズよりもリールの回転速度が速い、フリーズ期間が長い等である。このようにすることで、第2フリーズが実行されることで、第2バトル演出が実行されるか否かに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、メイン制御部41は、第1AT信号ON状態コマンドおよび第2AT信号ON状態コマンドを送信しないようにしてもよい。このようにすることにより、これらのコマンドの送信負担を軽減できる。
(10) 本実施形態では、条件Cが成立したときには中段ベルが入賞し、条件Dが成立したときには、中右ベルが取りこぼされるとして説明した。しかし、条件Cが成立したときには、条件Dが成立したときよりも遊技者にとって有利であれば、条件Cおよび条件Dは如何なる条件であってもよい。
また、条件Cが成立したときは、所定の特典が付与され、条件Dが成立したときには、当該所定の特典が付与されないものとしてもよい。
(11) 本実施形態では、条件Dは、第1AT信号ON状態において、中右ベルの取りこぼしが発生したゲームが2ゲームに到達したときに成立し、条件Dが成立したゲームの次のゲームから、メイン制御部41は、消化ゲーム数を計数するとして説明した。その他の例として、条件Dは、第1AT信号ON状態において、移行出目が導出されたときに成立する条件としてもよい。特別AT中は、リプレイGR1〜GR6のいずれかに当選すると、昇格リプレイを入賞させる手順が報知され、リプレイGR11〜13のいずれかに当選すると、通常リプレイを入賞させる手順が報知され、リプレイGR21〜GR23のいずれかに当選すると、特殊リプレイを入賞させる手順が報知される。したがって、特別ATに制御されると、高い割合でRT0またはRT2に制御される。
条件Dが成立したときには、制御されているRT0またはRT2から、RT1に制御(転落)される。したがって、メイン制御部41は、RT1に制御されているときの消化ゲーム数を計数することができる。よって、メイン制御部41は、ランプ装置200に、RT1に制御されているときの消化ゲーム数を表示させることができる。それとともに、メイン制御部41は、計数開始コマンドをサブ制御部91に対して送信することにより、サブ制御部91は、RT1に制御されているときの消化ゲーム数を液晶表示器51に表示させることができる。たとえば、RT1に制御されているときの消化ゲーム数が所定ゲーム数(天井ゲーム数)に到達したときに、所定の特典が付与される構成の場合には、遊技者は、ランプ装置200または液晶表示器51の双方で、RT1中の消化ゲーム数を把握することができる。また、ランプ装置200で表示されているRT1中の消化ゲーム数と、液晶表示器51に表示されているRT1中の消化ゲーム数とのズレを防止することができる。
(12) 本実施形態では、条件Dが成立すると、メイン制御部41が消化ゲーム数を計数するとして説明した。しかしながら、条件Dが成立すると、サブ制御部91が消化ゲーム数を計数するようにしてもよい。
(13) 本実施形態では、条件Aが成立したときから、条件Cが成立するまで、第1AT信号の出力を継続する(第1AT信号ON状態に制御する)として説明した。しかし、条件Aが成立したときに、第1ATへの制御が開始されたことを特定できる第1AT開始コマンドをランプ装置200および収集ユニット50に送信し、条件Cが成立したときに、第1ATへの制御が終了されたことを特定できる第1AT終了コマンドをランプ装置200および収集ユニット50に送信するようにしてもよい。この場合には、第1AT開始コマンドが送信されてから、第1AT終了コマンドを送信するまでは、第1ATに関連するコマンドは何ら送信しなくてもよい。したがって、コマンドの送信負担を軽減できる。
また、本実施形態では、条件Bが成立したときから、条件Eが成立するまで、第2AT信号の出力を継続する(第2AT信号ON状態に制御する)として説明した。しかし、条件Bが成立したときに、第2ATへの制御が開始されたことを特定できる第2AT開始コマンドをランプ装置200および収集ユニット50に送信し、条件Eが成立したときに、第2ATへの制御が終了されたことを特定できる第2AT終了コマンドをランプ装置200および収集ユニット50に送信するようにしてもよい。この場合には、第2AT開始コマンドが送信されてから、第2AT終了コマンドを送信するまでは、第2ATに関連するコマンドは何ら送信しなくてもよい。したがって、コマンドの送信負担を軽減できる。
また、抽選により、第2ATが終了した場合に第1ATに制御させるか、特別ATを終了させるかを決定するようにしてもよい。第1ATに制御させる場合には、図23の説明と同様である。また、第2ATから第1ATには制御されず、特別ATを終了させる場合には、図23に示す条件Eは、中右ベル当選時に中右ベル対応手順とは異なる手順で操作されたゲームが2連続したことにより成立する条件としてもよい。
[ATについて]
(1) 本実施形態では、ATの種類数は、第1ATと第2ATの2つであるとして説明した。しかしながら、ATの種類数は、N(Nは3以上の整数)としてもよい。このような場合であっても、メイン制御部41は、それぞれのATを特定できるAT信号を出力可能である。また、N個のATのうち制御されているATを特定可能なAT信号を出力している状態において、当該制御されているATが終了すると、共通してAT信号OFF状態に制御させることが好ましい。
(2) 本実施形態では、第1ATと第2ATとでは、上乗せ加算数の期待値が異なることにより有利度が異なるとして説明した。しかしながら、第1ATと第2ATとを他の要因で有利度を異ならせるようにしてもよい。たとえば、第2ATは、該第2ATよりもさらに有利な第3ATに制御可能なATである一方、第1ATは該第3ATへは制御不可能としてもよい。ここで、第3ATとは、たとえば、第1ATおよび第2ATよりも上乗せ加算数の期待値が多いATである。また、第1ATと第2ATとにおいて、有利度ではなく他の態様が異なるようなものであってもよい。たとえば、第1ATと第2ATとで、ナビ演出の態様が異なるものであってもよい。「ナビ演出の態様」とは、たとえば、押し順の報知態様である。
(3) 本実施形態で説明した。第1AT準備および第2AT準備のうちの少なくとも1つを省略するようにしてもよい。たとえば、第1AT準備が省略された場合には、非AT状態から直接第1ATに制御される。また、第2ATが終了すると、直接第1ATに制御される。また、第2AT準備が省略された場合には、第1ATから直接第2ATに制御される。
[演出について]
[ペナルティについて]
本実施形態では、ペナルティとは、所定回数付与されると、ペナルティ期間に制御されるものであるとして説明した。しかしながら、ペナルティは、これに限られるものではなく、遊技者にとって不利になるものであれば、如何なるものであってもよい。たとえば、ペナルティは、ペナルティが付与されていないときと比較して、所定の入賞役の当選確率が減少するものとしてもよい。また、ペナルティは、当該ペナルティが付与されていないときと比較して、特別演出が実行される確率を減少するものとしてもよい。ここで、特別演出とは、遊技者にとって有利な特典が付与されたときに、実行される演出である。つまり、特別演出とは、特典が付与されたか否かの期待感を遊技者に抱かせる演出である。
[操作手順について]
本実施形態の操作手順とは、主に「操作順序(押し順)」を意味していたが、操作手順を「操作タイミング」および「操作順序」を含めるような概念としてもよい。また、操作手順を「操作タイミング」を意味するようにしてもよい。
[スロットマシンについて]
前述した実施形態では、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能なリールを複数備え、リールを変動表示した後、リールの変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数のリールの表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであれば、3つのリールを備えるものに限らず、1のリールしか備えないものや、3以外の複数のリールを備えるスロットマシンであってもよい。
換言すれば、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
また、上記の実施形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、上記の実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
本実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。このような封入式のスロットマシンにおいて、前述した実施形態におけるメダル投入に相当する構成は、たとえば、遊技者が投資した金額に応じて付与される遊技者所有の持点を、スロットマシンにおける遊技に用いることが可能となる遊技点に移行させることなどである。
なお、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
なお、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
なお、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。