図1は、本発明が適用された本実施例の遊技用システムの構成を示す図である。
本実施例の遊技用システムは、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設された複数の機種のスロットマシン1と、該スロットマシン1に対して1対1に対応設置された呼び出しランプ装置200と、各スロットマシン1の遊技情報を収集する収集ユニット50、該収集ユニット50にて収集された各遊技情報に基づく遊技情報データをホールコンピュータ140に中継する中継ユニット60と、各中継ユニット60にて中継された当該遊技場に設置されている各スロットマシン1の遊技情報を含む遊技情報データを受信し、該受信した遊技情報データに含まれる各スロットマシン1の遊技情報などを管理するホールコンピュータ1406とを含む。
本実施例の遊技島には、図1に示すように、複数のスロットマシン1が設置されているとともに、呼び出しランプ装置200が、対応するスロットマシン1の上方位置に設けられており、本実施例に用いた該呼び出しランプ装置200は、通常のランプの点灯機能に加えて、その前面に表示部を有することで、各種の遊技情報やメッセージなどの表示機能を有している。
また、本実施例のスロットマシン1と収集ユニット50とは、図1に示すように信号ケーブル59を介して接続されており、各収集ユニット50はさらに通信ケーブル61を介して中継ユニット60と接続されており、これら収集ユニット50と中継ユニット60とは簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、収集ユニット50が各スロットマシン1から出力される後述する各種の信号の入力により収集した遊技情報含む遊技情報データや、遊技状態履歴(状態別データ)を含む遊技状態履歴データを送信するようになっている。
更に、これら各中継ユニット60はハブ57を介して通信ケーブル58にてホールコンピュータ140に接続されていて、中継ユニット60とホールコンピュータ140とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされており、前記中継ユニット60にて各収集ユニット50から送信された送信データが中継されてホールコンピュータ140に送信されることで、該ホールコンピュータ140が各スロットマシン1に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
また、本実施例の呼び出しランプ装置200も、収集ユニット50と同様に中継ユニット60を介してホールコンピュータ140に接続されており、これら中継ユニット60を介して呼び出しランプ装置200とホールコンピュータ140とが、双方向のデータ通信を実施できるようになっており、各呼び出しランプ装置200が対応するスロットマシン1の機種設定や、遊技情報に関する各種の条件設定などをホールコンピュータ140において実施できるようになっている。
まず、本実施例に用いたスロットマシン1について図2、図3を用いて以下に説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図3に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図2に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「スイカ」(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)、「ベル」(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)、「リプb」(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)、「赤7」(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)、「リプa」(たとえば、左リール2Lの領域番号9の図柄)、「BAR」(たとえば、左リール2Lの領域番号8の図柄)、「チェリー」(たとえば、左リール2Lの領域番号7の図柄)、および「白7」(たとえば、左リール2Lの領域番号3の図柄)といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
「リプb」は、「リプa」の図柄をベースとする点で共通しており、「REPLAY」という文字の下に線が追加されている点で異なっている。このため、「リプa」および「リプb」は、種類が異なる図柄であるが、外形が類似の図柄であるため、これらをまとめてリプともいう。外形が類似の図柄とは、外形が共通しているために、需要者である遊技者の視覚を通じて起こさせる美感(印象)が共通する図柄をいい、その結果、観念的に同じ図柄であると認識できる(異なる図柄であると認識し難い)図柄をいう。前述したように、「リプa」と「リプb」とは、「REPLAY」という文字の下に線が追加されている点のみで異なりその他の点で共通しているため、外形が類似する図柄といえる。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図5参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始(ゲーム結果を導出するためのリール回転開始)から一定期間経過していないためにゲーム結果を導出するためのリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図5参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図5参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定条件成立時(たとえば後述するRT2終了時など、遊技者にとって有利な状態終了後)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定条件成立時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図3参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図5参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図3に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図5参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図2参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図2に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(たとえば、リプ−リプ−リプ)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図2に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図2参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。本実施例では、図20(a)を用いて後述するように、昇格リプレイ、転落リプレイ、および特殊リプレイなどが入賞、あるいは、移行出目が停止すると、リプレイ確率が異なるRT0〜3のうち対応する遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを適用した例について説明しているが、1つのみリールを備え、この1つのリールの表示結果に応じて入賞が判定されるものでもよいし、2つのリールを備え、2つのリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでもよいし、4つ以上のリールを備え、これらリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞が判定されるものでもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図5は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するROM506に記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、たとえば図6に示すようなメイン制御部41の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、たとえば図6に示すようなメイン制御部41の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路43により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路42により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすればよい。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPU505の動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
図6は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図6に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、固有情報記憶回路503と、リセット/割込コントローラ504と、CPU505と、ROM506と、RAM507と、CTC(カウンタ/タイマサーキット)508と、乱数回路509と、PIP(パラレルインプットポート)510と、シリアル通信回路511と、アドレスデコード回路512とを備えて構成される。
図6に示すメイン制御部41が備える外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバスおよび各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。たとえば、外部バスインタフェース501は、メイン制御部41に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであればよい。この実施の形態において、外部バスインタフェース501には、内部リソースアクセス制御回路501Aが含まれている。
内部リソースアクセス制御回路501Aは、外部バスインタフェース501を介した外部装置からメイン制御部41の内部データに対するアクセスを制御して、たとえばROM506に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、外部バスインタフェース501には、たとえばインサーキットエミュレータ(ICE)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
メイン制御部41が備えるクロック回路502は、たとえば制御用外部クロック端子EXCに入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。本実施例では、制御用外部クロック端子EXCに制御用クロック生成回路42が生成した制御用クロックCCLKが入力される。クロック回路502により生成された内部システムクロックSCLKは、たとえばCPU505といった、メイン制御部41において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックSCLKは、乱数回路509にも供給され、乱数用クロック生成回路43から供給される乱数用クロックRCLKの周波数を監視するために用いられる。さらに、内部システムクロックSCLKは、クロック回路502に接続されたシステムクロック出力端子CLKOから、メイン制御部41の外部へと出力されてもよい。
メイン制御部41が備える固有情報記憶回路503は、たとえばメイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。一例として、固有情報記憶回路503は、ROMコード、チップ個別ナンバー、IDナンバーといった3種類の固有情報を記憶する。ROM506コードは、ROM506の所定領域における記憶データから生成される4バイトの数値であり、生成方法の異なる4つの数値が準備されればよい。チップ個別ナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される4バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。IDナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される8バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。ここで、チップ個別ナンバーはユーザプログラムから読み取ることができる一方、IDナンバーはユーザプログラムから読み取ることができないように設定されていればよい。なお、固有情報記憶回路503は、たとえばROM506の所定領域を用いることなどにより、ROM506に含まれるようにしてもよい。或いは、固有情報記憶回路503は、たとえばCPU505の内蔵レジスタを用いることなどにより、CPU505に含まれるようにしてもよい。
メイン制御部41が備えるリセット/割込コントローラ504は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ504が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子XSRSTに一定の期間にわたりローレベル信号(システムリセット信号)が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、外部ユーザリセット端子XURSTに一定の期間にわたりローレベルの信号(ユーザリセット信号)が入力されたとき、または内蔵ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。なお、本実施例では前述のように内蔵ウォッチドッグタイマを使用せずにリセット回路49に搭載されたウォッチドッグタイマ(WDT)を用いているため、外部ユーザリセット端子XURSTにユーザリセット信号が入力されるか、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生することでユーザリセットが発生することとなる。
リセット/割込コントローラ504が制御する割込には、ノンマスカブル割込NMIとマスカブル割込INTが含まれている。ノンマスカブル割込NMIは、CPU505の割込禁止状態でも無条件に受け付けられる割込であり、外部ノンマスカブル割込端子XNMI(入力ポートP4と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生する割込である。マスカブル割込INTは、CPU505の設定命令により、割込要求の受け付けを許可/禁止できる割込であり、優先順位設定による多重割込の実行が可能である。マスカブル割込INTの要因としては、外部マスカブル割込端子XINT(入力ポートP3と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたこと、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、シリアル通信回路511にてデータ送信による割込要因が発生したこと、乱数回路509にて乱数値となる数値データの取り込みによる割込要因が発生したことなど、複数種類の割込要因が予め定められていればよい。
メイン制御部41が備えるCPU505は、ROM506から読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、CPU505がROM506から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU505がRAM507に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU505がRAM507に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU505が外部バスインタフェース501やPIP510などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU505が外部バスインタフェース501やシリアル通信回路511などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行なわれる。
このように、メイン制御部41では、CPU505がROM506に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(またはCPU505)が実行する(または処理を行なう)ということは、具体的には、CPU505がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データなどが記憶されている。また、ROM506には、セキュリティチェックプログラム506Aが記憶されている。CPU505は、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM506に記憶されたセキュリティチェックプログラム506Aを読み出し、ROM506の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。なお、セキュリティチェックプログラム506Aは、ROM506とは異なる内蔵メモリに記憶されてもよい。また、セキュリティチェックプログラム506Aは、たとえば外部バスインタフェース501を介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであってもよい。
メイン制御部41が備えるRAM507は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM507の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の少なくとも一部の内容が保存される。なお、本実施例では、RAM507の全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるCTC508は、たとえば8ビットのプログラマブルタイマを3チャネル(PTC0−PTC2)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測を可能とするタイマ回路を含んでいる。各プログラマブルタイマPTC0−PTC2は、内部システムクロックSCLKに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(たとえばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであればよい。また、CTC508は、たとえば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(PCC0−PCC3)内蔵してもよい。各プログラマブルカウンタPCC0−PCC3は、内部システムクロックSCLKの信号変化、或いは、プログラマブルカウンタPCC0−PCC3のいずれかにおけるタイムアウトの発生などに応じて、カウント値が更新されるものであればよい。CTC508は、セキュリティ時間を延長する際の延長時間(可変設定時間)をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタや、乱数回路509にて生成される乱数のスタート値をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタなどを、含んでもよい。或いは、これらのフリーランカウンタは、たとえばRAM507のバックアップ領域といった、CTC508とは異なるメイン制御部41の内部回路に含まれてもよい。
メイン制御部41が備える乱数回路509は、たとえば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。CPU505は、乱数回路509から抽出した数値データに基づき、乱数回路509とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしてもよい。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路509からCPU505により抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。なお、乱数回路509は、メイン制御部41に内蔵されるものであってもよいし、メイン制御部41とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであってもよい。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるPIP510は、たとえば6ビット幅の入力専用ポートであり、専用端子となる入力ポートP0〜入力ポートP2と、機能兼用端子となる入力ポートP3〜入力ポートP5とを含んでいる。入力ポートP3は、CPU505などに接続される外部マスカブル割込端子XINTと兼用される。入力ポートP4は、CPU505などに接続される外部ノンマスカブル割込端子XNMIと兼用される。入力ポートP5は、シリアル通信回路511が使用する第1チャネル受信端子RXAと兼用される。入力ポートP3〜入力ポートP5の使用設定は、プログラム管理エリアに記憶される機能設定KFCSにより指示される。
図6に示すメイン制御部41が備えるアドレスデコード回路512は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行なうための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、或いは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU505からのアクセスが可能となる。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラム506Aの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。たとえば、ROM506には、CPU505が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM506には、CPU505が遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM507には、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM507としては、たとえばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU505には、このリフレッシュ動作を行なうためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。たとえば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU505がROM506から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU505における1命令の実行時間ごとに行なわれることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路511を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
液晶表示器51においては、後述するように、遊技状態がRT3またはRT1であるときにATに制御されると、「AT中」といったメッセージ画像が小さく表示される。また、AT中のRT1において3択リプ4〜6に当選したときには、当選ゲームにおいてリプ5(特殊リプ)に入賞したか否かにかかわらず、当選ゲームが終了したときにATが開始される旨を報知して50ゲームのカウントを開始するAT開始演出が実行される。より具体的には、液晶表示器51の画面に「AT開始!!」といったメッセージ画像が大きく表示されるとともに、ATに制御される残りゲーム数がカウントダウン形式で表示される。
また、本実施例では、AT中のRT3からRT1に移行したときには、「RT2までもう少し」といったメッセージ画像が液晶表示器51の画面に表示される。これに対して、AT中のRT1からRT2に移行したときには、AT開始演出が行なわれる(すでに開始されている場合有り)とともに液晶表示器51における背景画像も変化する。このように、本実施例では、AT中におけるRT3からRT1への移行前後の演出態様の変化度合いよりも、AT中におけるRT1からRT2への移行前後の演出態様の変化度合いの方が大きくなるように演出が実行される。
なお、ATとは、サブ制御部91によって制御される演出状態であって、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイムをいう。
また、液晶表示器51においては、AT中におけるメダルの純増数を報知する。「純増数」とは、AT中におけるメダルの払出枚数からAT中における賭数の設定に用いたメダルの投入数を減算した値である。つまり、純増数とは、AT中における遊技者の儲けを示す値である。遊技者は、液晶表示器51の画面上に表示されたメダルの純増数を確認することによってAT中におけるメダルの純増数を把握することができるようになっている。なお、AT中におけるメダルの純増数を報知する演出を純増数報知演出ともいう。
なお、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行なうこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM507に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行ない、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM507のスタックに退避し、RAM507にいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM507に格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはRAM507の該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAM507の全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM507に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施例では、RAM507に格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM507のデータが正常であると判定した場合に、RAM507の格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM507に格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、メイン制御部41のRAM507の初期化について説明する。メイン制御部41のRAM507の格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、初期化すると不都合があるデータに加え、遊技状態がRT0〜3のうちいずれに制御されているかを特定するためのRTフラグが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM507のデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、所定遊技状態(たとえば後述するRT2など、遊技者にとって有利な状態)中のメダル払出総数、後述する遊技状態フラグなど、所定遊技状態終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM507の格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、所定遊技状態終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM507のデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行なう。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化1では、RAM507の格納領域のうち、重要ワークおよび使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化1が実行された後は、遊技状態として後述するRT0に制御される。初期化2は、所定遊技状態終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM507の格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM507のデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM507の格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行なっているが、設定変更状態の終了時に行なったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行なうようにしてもよい。
このように本実施例では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図7に示すように、メイン制御部41の制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータやスロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などの外部機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、入賞役のうち、後述するように入賞ラインLNに「ベル−リプa−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞発生となるリプ5(以下、特殊リプともいう)入賞したことによってRT2へ移行した旨を示すART信号、遊技状態が後述するビッグボーナス(BBとも称する)中またはレギュラーボーナス(RBとも称する)中である旨を示すBB+RB信号、遊技状態がRB中である旨を示すRB信号、遊技状態がBB中である旨を示すBB信号、遊技者によるMAXBETスイッチ6やスタートスイッチ7などの操作待ちによる次の遊技動作への遊技待ち状態である旨を示す遊技待ち表示信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、設定確認モードに移行している旨を示す設定確認信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。なお、ART信号は、前述したとおりRT2へ移行した旨を示す信号であるが、後述するようにRT2は実質的にAT中でなければ制御されない状態であるため、RT2に制御されたときにはAT+RT2のART中であることを示す信号ともいえる。
なお、本実施例では、他のスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板1000との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態を示す予備の信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、BB+RB信号、ART信号、RB信号、BB信号、予備信号、および遊技待ち表示信号は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、BB+RB信号、ART信号、RB信号、BB信号、予備信号、および遊技待ち表示信号は、情報提供端子板1010を介して外部機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号に再変換されて外部機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。
このため本実施例では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、外部機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、設定確認信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
次に、本実施例におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容、特に外部出力制御に関連する制御内容を中心に、図8〜図10に基づいて以下に説明する。
メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図8のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行なう。また、ユーザリセット信号が入力された場合には、起動処理(メイン)のSa2のステップから処理を開始する。すなわち電源投入に伴う起動の場合のみセキュリティチェック処理を行なうセキュリティモードから開始する一方、ウォッチドッグタイマのタイムアップによる起動の場合には、セキュリティチェック処理を省略してROM506に記憶されたユーザプログラムを実行するユーザモードから開始されることになる。
システムリセット信号の入力に伴う起動処理(メイン)では、まず、CPU505がROM506から読み出したセキュリティチェックプログラム506Aに基づき、セキュリティチェック処理を実行する(Sa1)。このとき、メイン制御部41は、セキュリティモードとなり、ROM506に記憶されているゲーム制御用のユーザプログラムは未だ実行されない状態となる。
Sa1のステップにおけるセキュリティチェック処理の終了後、メイン制御部41の動作状態がセキュリティモードからユーザモードへと移行し、ROM506に記憶されたユーザプログラムの実行が開始されることになる。なお、前述のようにユーザリセット信号の入力に伴う起動時には、セキュリティモードを経ずにユーザモードから開始することとなる。
ユーザモードではまず、シリアル通信回路511などの内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ、スイッチ類の検出状態、外部出力信号の出力状態などを初期化した後(Sa2)、IレジスタおよびIYレジスタの値を初期化する(Sa3)。IレジスタおよびIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM507の格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM507へのアクセスを許可し(Sa4)、RAM507の全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算する(Sa5)。次いで、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、メイン制御部41の特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定した後(Sa6)、停電が検知された旨を示す電断フラグをクリアする(Sa7)。
次いで、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理(メイン)が行なわれていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM507に格納されているデータが正常ではなく、この場合には、RAM507の格納領域のうち、使用中スタック領域、非初期化領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa22)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa23)、設定キースイッチ37がonであれば、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。
Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa24)、割込を許可して(Sa25)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
Sa8のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa9)。正常に電断処理(メイン)が行なわれていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM507のデータが正常ではないので、Sa22のステップに移行して初期化1を実行し、その後、Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がonであれば、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理に移行する。また、Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードの設定(Sa24)、割込を許可して(Sa25)、エラー処理に移行する。
Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM507のデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa10)、RAM507の非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域を初期化する初期化3を行なった後(Sa11)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa12)、設定キースイッチ37がonであれば、Sa20のステップに移行して初期化1を実行し、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理に移行する。
Sa12のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa13)、復帰後の状態においてRT2へ移行した旨を示すART信号の出力制御中であるかを判定する(Sa14)。Sa14のステップにおいて復帰後の状態においてART信号の出力制御中でなければ、さらに復帰後の状態がRT2中であるか否かを判定する(Sa15)。Sa15のステップにおいて復帰後の状態がRT2中でなければ、Sa17のステップに進み、Sa14のステップにおいて復帰後の状態においてART信号の出力制御中であるか、Sa15のステップにおいて復帰後の状態がRT2中であれば、ART信号の出力命令をRAM41cに設定した後(Sa16)、Sa17のステップに進む。
Sa17のステップでは、復帰後の遊技状態がBB中またはRB中であるか否かを判定し、復帰後の遊技状態がBB中またはRB中でなければSa18のステップに進み、復帰後の遊技状態がBB中またはRB中であれば、BB信号またはRB信号の変更命令をRAM41cに設定した後(Sa18)、Sa19のステップに進む。
Sa19のステップでは、割込を許可し、その後、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
図9は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施例では、遊技状態に応じた規定数(たとえば3)の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とを含む。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行なう。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM507に当選フラグが設定される。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM507に割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM507に割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM507に割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、たとえば2バイトの格納領域にて構成されている。一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークをクリアする。
図9に戻り、Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
ここで、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM506Aに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。
なお、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行なうようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例のスロットマシン1では、メイン制御部41側において、遊技者の停止操作通りにリールの回転を停止させる制御を行なうが、演出状態がAT中でないときには左リール2Lを第1停止させるようにするために、サブ制御部91側において、AT中でなくかつナビ演出を実行していないときに左リール2Lを第1停止させなかった場合には、左リール2Lを第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを科す制御が行なわれる。つまり、本実施例のスロットマシン1は、AT中でなくかつナビ演出を実行していないときに左リール2Lを第1停止させるように設計されている。
図9に戻り、Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。Sd4においては、遊技状態の移行を伴う表示結果が停止されたときに、RTフラグを当該表示結果に応じた遊技状態を特定するための値に更新する。これにより、表示結果に応じた遊技状態に移行させることができる。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出などの処理を行なう。また、払出処理では、クレジットの加算並びにメダルの払出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、次ゲームからBBまたはRBのゲームが開始される場合にはBB信号またはRB信号をONに変更する旨の変更命令をRAM41cに設定する。また、RT2が当該ゲームで終了した場合にはART信号をOFFに変更する旨の変更命令をRAM41cに設定する。また、RT1において特殊リプに入賞した場合には、ART信号の出力命令をRAM41cに設定する。
図10は、メイン制御部41が定期的(約0.56ms)にゲーム処理などに割り込んで実行する前述したタイマ割込処理(メイン)を4回実行する毎に1回実行する外部出力制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
外部出力制御処理では、まず、ART信号の出力命令が設定されているか否かを判定し(Sk101)、ART信号の出力命令が設定されていればSk102に移行する。ART信号の出力命令は、前述したように、特殊リプに入賞した場合に設定される。
Sk102においては、出力命令をクリアし、Sk103においてART信号の出力を開始し、Sk104においてART信号を出力している期間を特定するためのART出力中カウンタの値を1加算し、Sk114に移行する。ART出力中カウンタの値は、RAM41cにおいて記憶される。
一方、Sk101においてART信号の出力命令が設定されていないと判定されたときには、Sk105に移行して、ART信号を出力中(出力制御中)であるか否かを判定する。
Sk105において、ART信号が出力中であると判定されたときには、Sk106においてART出力中カウンタの値を1加算し、Sk107に移行する。Sk107においては、1ゲームが終了したときで、かつメダルOUT信号を出力していた場合にはその出力が完了した後であるか否かが判定される。具体的には、ART信号の出力を開始してから新たに開始されたゲームが終了して、図9のSd6におけるゲーム終了時処理に移行されたか否か、およびメダルOUT信号を出力中でないか否かが判定される。Sk107では、1ゲームが終了し、かつメダルOUT信号が出力されていないときか、あるいは1ゲームが終了した後でかつメダルOUT信号の出力が完了したときにSk108に移行する。
Sk107において、1ゲームが終了したときであって、かつメダルOUT信号を出力していた場合にはその出力が完了した後であると判定されたときには、Sk108において、ART出力中カウンタの値が、2000ms以上相当の値に到達したか否かが判定される。2000ms以上相当の値とは、本実施例においては、2000÷(外部出力制御処理が実行される間隔=0.56×4)≒892.8であるから、893以上の値となる。Sk108では、ART信号の出力を開始してから新たに開始されたゲームが終了するまでに2000ms以上経過していれば、2000ms以上相当の値に到達したと判定される。
Sk108においてART出力中カウンタの値が2000ms以上相当の値に到達していると判定されたときには、Sk109においてART信号の出力を停止させるとともに、ART出力中カウンタの値をリセットしてSk114へ移行する。
一方、Sk108において、ART出力中カウンタの値が2000ms以上相当の値に到達していないと判定されたときには、Sk110において到達していない旨を示す時間未達フラグをRAM41cに設定する。時間未達フラグが設定されるのは、ART信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、新たにゲームを開始して終了させたときである。このため、時間未達フラグが設定される場合とは、たとえば、前回ゲームが終了してから今回ゲームを即座に開始させた後、直ちにストップスイッチを操作して終了させた場合などが該当する。Sk110において時間未達フラグが設定された場合には、ART信号の出力を停止させることなく、Sk114へ移行させる。
Sk107において、1ゲーム終了時でないか、1ゲーム終了時であってもメダルOUT信号を出力中であると判定されたときには、Sk111において時間未達フラグが設定されているか否かが判定される。すなわち、ART信号を出力させた後であって新たに1ゲームが終了した後であるが、当該1ゲームが終了したときに2000ms経過していなかったために、未だART信号を出力している状態であるか否かが判定される。
Sk111において、時間未達フラグが設定されていると判定されたときには、Sk112においてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであるか否かが判定される。すなわち、ART信号を出力させた後であって新たに開始された1ゲームが終了し、次に開始されたゲームのメダルIN信号の出力を終了したタイミングであるか否かが判定される。
Sk112においてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであると判定されたときには、Sk113においてART信号の出力を停止させるとともに、ART出力中カウンタの値をリセットし、時間未達フラグをクリアして、Sk114へ移行する。
Sk105においてART信号を出力中でないと判定されたとき、Sk111において時間未達フラグが設定されていないと判定されたとき、あるいは、Sk112においてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングでないと判定されたときは、Sk114へ移行する。
Sk114においては、メダルIN信号の出力制御中か否かを判定する。メダルIN信号は、約25msの信号が、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力されるようになっており、メダルIN信号の出力命令が設定された後、未だ指定された数のメダルIN信号の出力制御が終了していない状態であればSk116のステップに進む。一方、メダルIN信号の出力制御中でなければ、メダルIN信号の出力命令が設定されているか否かを判定し(Sk115)、メダルIN信号の出力命令が設定されていれば、Sk116のステップに進む。
Sk116のステップでは、メダルIN信号出力処理を行なった後、外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。メダルIN信号出力処理では、メダルIN信号の出力命令が設定されている場合には、メダルIN信号の出力命令をクリアするとともに、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルIN信号の出力制御を開始し、約25msの信号を、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力する制御を行なうとともに、メダルIN信号の出力制御中であり、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルIN信号の出力制御が完了していない状態であれば、引き続きメダルIN信号の出力制御を行ない、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルIN信号の出力が完了していれば、メダルIN信号の出力制御を終了する。
Sk115のステップにおいて、メダルIN信号の出力命令が設定されていない場合には、メダルOUT信号の出力制御中か否かを判定する(Sk117)。メダルOUT信号は、約25msの信号が、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力されるようになっており、メダルOUT信号の出力命令が設定された後、未だ指定された数のメダルOUT信号の出力が終了していない状態であればSk119のステップに進む。一方、メダルOUT信号の出力制御中でなければ、メダルOUT信号の出力命令が設定されているか否かを判定し(Sk118)、メダルOUT信号の出力命令が設定されていれば、Sk119のステップに進む。
Sk119のステップでは、メダルOUT信号出力処理を行なった後、外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。メダルOUT信号出力処理では、メダルOUT信号の出力命令が設定されている場合には、メダルOUT信号の出力命令をクリアするとともに、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルOUT信号の出力制御を開始し、約25msの信号を、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力する制御を行なうとともに、メダルOUT信号の出力制御中であり、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルOUT信号の出力制御が完了していない状態であれば、引き続きメダルOUT信号の出力制御を行ない、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルOUT信号の出力が完了していれば、メダルOUT信号の出力制御を終了する。
Sk118のステップにおいて、メダルOUT信号の出力命令が設定されていない場合には、BB信号またはRB信号の変更命令が設定されているか否かを判定し(Sk120)、BB信号またはRB信号の変更命令が設定されている場合には、命令に応じてBB信号またはRB信号の出力状態(ON/OFF)を変更するとともに変更命令をクリアし(Sk121)、外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。
また、Sk120のステップにおいてBB信号またはRB信号の変更命令が設定されていない場合には、そのまま外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。
このように本実施例のスロットマシン1におけるメイン制御部41は、起動処理(メイン)やゲーム処理において外部出力信号の出力命令などを設定し、その後、起動処理やゲーム処理に割り込んで実行されるタイマ割込処理(メイン)において設定された出力命令などに応じて外部出力信号の出力制御を行なうようになっている。
これにより、BET処理においてゲームの開始条件となる賭数が設定され、ゲーム開始操作が行なわれることでゲームを開始させる制御が行なわれる毎に、当該ゲームの賭数の設定に用いられた数分のメダルIN信号を出力する制御が行なわれる。また、払出処理においてメダルが払い出されたときに、払出メダル数分のメダルOUT信号を出力する制御が行なわれる。
外部機器では、ART信号に基づいてRT2、すなわち遊技者にとって有利な遊技状態の開始を特定することが可能であり、メダルIN信号に基づいて消費されたメダル数を特定し、メダルOUT信号に基づいて払い出されたメダル数を特定することが可能となる。また、メダルIN信号は、ゲームの開始に伴って出力させる信号であるため、メダルIN信号の出力をゲームの開始と判断することも可能である。
ART信号を最短でも2000msにわたり出力するのは、遊技状態の信号を検出するのに比較的長い時間を要する古いホールコンなどの外部機器でもART信号を確実に検出できるようにするものであるが、この時間は、ゲーム終了後、遊技者がゲームの開始条件となる賭数の設定操作を行ない、かつゲームの開始操作を行なうまでに要する時間よりも長い時間であるため、ART信号の出力開始から2000ms経過するまでに、遊技者がゲームの開始条件となる賭数の設定操作を行ない、ゲームの開始操作が行なわれてゲームを開始させる制御が行なわれた場合には、ART信号と被ってメダルIN信号が出力される可能性がある。特に、本実施例のように特殊リプの入賞を契機にRT2へ移行する場合には、次ゲームの賭数が自動的に行なわれるため、このような場合には、ART信号と被ってメダルIN信号が出力される可能性が一層高まることとなる。
ART信号とメダルIN信号が被って出力されると、メダルIN信号により特定される消費メダル数がRT2の開始後のものであるのか、RT2の開始前のものであるのか、を確実に特定できなかったり、メダルIN信号により特定されるゲームが、RT2の開始後のゲームであるのか、RT2の開始前のゲームであるのか、を確実に特定できなかったりするという問題が生じる。
このような問題を解消するために、ART信号の出力期間が終了するまで、次ゲームの賭数の設定操作またはゲームの開始操作を無効化する方法も考えられるが、このような構成とすることで、ART信号とメダルIN信号の出力が被ることはないものの、ゲームの進行が遅れてしまうこととなり、賭数の設定操作またはゲームの開始操作が無効化されることで、遊技者に対して違和感を与えてしまう虞もある。
これに対して本実施例では、RT2が開始する直前のゲームの終了時にART信号を外部出力信号として出力する制御を開始するとともに、ART信号が出力中であっても、ART信号が出力されていないときと同じように、ゲームの進行に応じて、メダルIN信号およびメダルOUT信号を出力させた後、当該ゲームを終了させる。
また、ART信号は、出力を開始した後に新たに開始されたゲームが終了したタイミング、すなわち、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得る予め定められた期間に含まれない特定タイミングで停止される。なお、ゲームが終了したタイミングが、ART信号出力開始から2000ms経過していないときには、前述したように外部機器で当該信号を確実に特定できない虞があるため、さらに次のゲームにおいてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミング、すなわち、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得る予め定められた期間に含まれない所定タイミングで停止される。
これにより、外部機器では、たとえば、RT2であることが特定されていないときに、ART信号の出力が停止したときに、RT2に制御されたことを特定し、終了タイミングが1ゲーム終了時であったときには当該終了したゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT2中におけるメダルと判定し、終了タイミングがメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであったときには、実行中の今回ゲームおよび前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルをRT2中におけるメダルと判定する。
ここで、図11〜図15を参照して、ART信号出力の開始タイミングおよび終了タイミングについて説明する。図11および図12は、特殊リプに入賞したゲームのゲーム制御が終了しART信号の出力を開始してから、2000ms経過した後に次のゲームが終了したときのタイミングチャートであり、図11は、次のゲームでメダル払出がなかった場合を示し、図12は、次のゲームでメダル払出が生じた場合を示している。
図11および図12に示すように、ART信号の出力は、特殊リプに入賞したゲームのゲーム制御が終了したときに開始される。その後、次のゲームのゲーム開始操作が行なわれて、新たに次のゲームが開始されたときにメダルIN信号が所定期間に亘り出力され、当該ゲームのゲーム制御が終了したときに、ART信号の出力が終了する。メダルIN信号が出力される期間は、メダルの賭数に応じて一定となるように定められている。賭数が3であるときのメダルIN信号が出力される期間は、図11に示すように、25×5=125msとなる。
図12では、次のゲームにおいてメダル払出が生じているため、メダルOUT信号が所定期間に亘り出力された後にゲーム制御が終了している。メダルOUT信号が出力される期間は、メダルの払出数に応じて一定となるように定められている。払出数が8であるときのメダルOUT信号が出力される期間は、図12に示すように、25×(8+7)=375msとなる。ART信号の出力を停止するゲームにおいてメダルの払出が発生した場合には、全リールが停止してからメダルOUT信号が出力される期間経過した後であってメダルOUT信号の出力が完了した後に、ART信号の出力を停止させる。
図13は、特殊リプに入賞したゲームのゲーム制御が終了しART信号の出力を開始してから、2000ms経過するまでに次のゲームが終了したときのタイミングチャートである。ART信号の出力は、出力開始後において新たに開始された次のゲームが終了しても終了せず、さらに次々ゲームが開始されてメダルIN信号の所定期間に亘る出力が完了した後にART信号の出力を終了している。
一方、電源投入時において電断前の状態に復帰する際に、ART信号の出力制御中の状態に復帰する場合には、復帰前にART信号の出力命令が設定され、その時点から改めてART信号を出力するようになっている。
このため、図14および図15に示すように、スロットマシン1の電源投入後、ART信号の出力制御中の状態に復帰した場合でも、改めてART信号が出力されるので、外部機器側で、ART信号を確実に受信することができる。なお、図14は、改めてART信号の出力を開始してから2000ms経過した後にゲームが終了したときの例を示し、図15は、改めてART信号の出力を開始してから2000ms経過するまでにゲームが終了したときの例を示している。
このため、図15に示すように、スロットマシン1の電源投入後、RT2の状態に復帰した場合には、RT2の開始時または終了時でなくともART信号が出力されるので、前日のRT2の状態が残ったままの状態で開店した場合でも、外部機器に対して、当該RT2を本日のRT2として認識させることができる。
また、本実施例では、図13および図15で示したように、ART信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、次のゲームが終了したときには、次々ゲームにおけるメダルIN信号の出力を完了した後に、ART信号の出力を停止する例について説明したが、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間に出力するものであり、かつ、2000ms以上経過していたときに停止するタイミング(本実施例では次のゲームのゲーム制御終了時)と異なるタイミングであれば、どのようなタイミングでART信号の出力を停止するものであってもよい。また、ART信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、次のゲームが終了したときには、図16に示すように、ART信号の出力を開始してから2000ms経過したときであって、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間において、ART信号の出力を停止するようにしてもよい。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、後述するフリーズ状態に制御する旨およびフリーズに制御する期間を示すコマンドであり、フリーズ状態に制御するときに送信される。本実施例においては、図9で示したゲーム処理におけるSd2の内部抽選でボーナスや強チェリーに当選することなどにより所定の実行条件が成立したときにフリーズ状態に制御するか否かを決定するためのフリーズ抽選を行ない、当該抽選で当選したことを条件として所定期間(たとえば10秒間)に亘ってフリーズ状態にする制御を開始するとともに、ボーナス当選あるいは強チェリー当選のいずれを契機とするフリーズであるかを特定可能なフリーズコマンドが送信される。
また、本実施例においては、特殊リプ当選したゲームが終了して、次のゲームが開始されるときにも、所定期間(たとえば10秒間)に亘ってフリーズ状態にする制御を開始するとともに、AT開始を特定可能なフリーズコマンドが送信される。
フリーズを発生させない場合、メイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させると直ちに加速し、全てのリールが定速回転となった時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。一方、フリーズを発生させる場合、メイン制御部41は、ゲーム開始から所定期間が経過するまで、各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化せず、所定期間が経過した時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化することにより、ゲームの進行を遅延させてフリーズを発生させる。
サブ制御部91では、ボーナス当選あるいは強チェリー当選を特定可能なフリーズコマンドを受信すると、所定期間に亘り、ボーナス当選、あるいは強チェリー当選を契機とするナビストック付与を煽る演出を実行する。また、サブ制御部91では、ボーナス当選あるいは強チェリー当選を特定可能なフリーズコマンドを受信すると、AT開始を特定可能なフリーズコマンドを受信すると、所定期間に亘り、ATが開始されることを報知する演出を実行する。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行なわれる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態およびRTの種類を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、所定遊技状態終了後、打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのかおよび他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。また、入賞となる役には、遊技状態の移行を伴う移行役が含まれる。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
図17〜図19は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、および、入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図20は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
入賞役のうちBB1は、入賞ラインLNに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。入賞役のうちRB1は、入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1に入賞すると、ビッグボーナスに制御される。遊技状態がビッグボーナスに制御されている間は、BB信号がRAM41cに設定される。また、ビッグボーナスに制御されている間は、所定の入賞役(たとえば小役)の当選確率が所定確率に向上したBB時用のRBに制御される。BB時用のRBに制御されている間は、RB信号がRAM41cに設定される。すなわち、BB信号がRAM41cに設定されている間は、毎ゲーム、RB信号が設定された状態に制御される。BB1の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、247枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RB1に入賞すると、レギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている間は、RB信号がRAM41cに設定される。RB1の入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、5ゲーム遊技もしくは何れかの入賞役に5回入賞することを条件として終了する。
図20(a)に示すように、BB1またはRB1に内部当選してから入賞するまでは、RT4に遊技状態が制御される。また、BB1またはRB1が終了した後は、RT0に遊技状態が制御される。
内部抽選においてBB1またはRB1に当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1またはRB1を構成する図柄(「赤7」、「BAR」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。
入賞役のうち再遊技役には、図17に示すリプ1〜7の7種類の再遊技役が含まれる。
リプ1は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−リプa−リプa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
本実施例における図柄組合せの説明における「/」は、“または”という意味を示し、「−」は、“隣り合うリールの区切り”を示し、左が“左リール2Lの図柄”を示し、真ん中が“中リール2Cの図柄”を示し、右が“右リール2Rの図柄”を示している。よって、たとえば「リプa−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプa」という2種類の図柄の組合せを意味する。
リプ1は、入賞ラインLNにリプaまたはリプbの図柄が少なくとも左リール2Lおよび中リール2Cに停止することにより入賞となるため、中段通常リプともいう。
リプ2は、入賞ラインLNに「赤7/白7/BAR/スイカ−オレンジ/ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。よって、図17に示すように、「赤7−オレンジ−ベル」、「赤7−ベル−ベル」、「白7−オレンジ−ベル」、「白7−ベル−ベル」、「BAR−オレンジ−ベル」、「BAR−ベル−ベル」、「スイカ−オレンジ−ベル」、および「スイカ−ベル−ベル」という、8種類の図柄の組合せを意味する。
リプ3は、入賞ラインLNに「ベル−リプa−リプa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。図20(a)に示されるように、RT1においてリプ3に入賞した後は、RT3に制御される。RT1とRT3とを比較した場合、RT1は、少なくともRT2への制御契機となる特殊リプレイについて当選し得る状態である点において、RT3よりも遊技者にとって有利な状態であるといえる。このため、リプ3を転落リプともいう。
リプ4は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−リプa−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。よって、図17に示すように、「リプa−リプa−ベル」、「リプb−リプa−ベル」という、2種類の図柄の組合せを意味する。図20(a)に示されるように、RT3においてリプ4に入賞した後は、RT3よりも遊技者にとって有利なRT1に制御される。このため、リプ4を昇格リプともいう。
リプ5は、入賞ラインLNに「ベル−リプa−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。図20(a)に示されるように、RT1においてリプ5に入賞した後は、RT1よりも遊技者にとってさらに有利なRT2に制御される。なお、前述したようにリプ5を特殊リプともいう。
ここで、図4を参照すると、左リール2Lについては、ベルの1つ下の位置にリプaまたはリプbが配置され、右リール2Rについては、ベルの1つ上の位置にリプaが配置されている。そのため、リプ5の図柄組合せが入賞ラインLNに揃うと、「リプa/リプb−リプa−リプa」の組み合わせが右上がり、すなわち外形同一または外形類似の図柄が無効ラインLM4に揃うこととなる。一方、リプ4(昇格リプ)が入賞した場合は、リプ5が入賞したときのようにいずれのラインにおいても外形同一または外形類似の図柄が揃うことがない。
たとえば、図20(b)は、RT3からRT1への移行の契機となるリプ4(昇格リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。
図20(b)では、左リール2Lの領域番号8〜10が停止され、中リール2Cの領域番号9〜11が停止され、右リール2Rの領域番号9〜11が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「リプa−リプa−ベル」の昇格リプの図柄組合せが停止されている。ここで、入賞ラインLNと異なる無効ラインのいずれにおいても外形同一または外形類似の図柄の組合せが揃って停止されることはない。
これに対して、図20(c)は、RT1からRT2への移行の契機となるリプ5(特殊リプ)入賞時のリール停止出目の一例を説明するための図である。図20(c)では、左リール2Lの領域番号14〜16が停止され、中リール2Cの領域番号14〜16が停止され、右リール2Rの領域番号6〜8が停止されている。その結果、入賞ラインLN上には「ベル−リプa−ベル」の特殊リプ入賞の図柄組合せが停止されている。また、特殊リプ入賞時には無効ラインLM4上において「リプb−リプa−リプa」という外形同一の図柄と外形類似の図柄とから構成される組合せが揃って停止されている。これにより特殊リプ入賞を遊技者が認識しやすくすることができる。また、特殊リプは、遊技者にとって有利なRT2への制御契機となる入賞役である。その結果、RT2へ制御されたことを遊技者が認識し易くすることができる。
図17に戻り、リプ6は、入賞ラインLNに「白7−白7/リプa−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプ6は、入賞ラインLNにおいて「白7−白7−白7」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、中段7リプともいう。なお、リプ6はRT2のときにのみ入賞することが可能であり、RT2において中段7リプが導出されてリプ6に入賞した場合には、後述するナビストックが必ず付与されるようになっている。
リプ7は、入賞ラインLNに「ベル−白7/スイカ/チェリー−赤7/白7/オレンジ/チェリー」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。よって、図17に示すように、「ベル−白7−赤7」、「ベル−白7−白7」、「ベル−白7−オレンジ」、「ベル−白7−チェリー」、「ベル−スイカ−赤7」、「ベル−スイカ−白7」、「ベル−スイカ−オレンジ」、「ベル−スイカ−チェリー」、「ベル−チェリー−赤7」、「ベル−チェリー−白7」、「ベル−チェリー−オレンジ」、「ベル−チェリー−チェリー」という、12種類の図柄の組合せを意味する。
リプ1〜7を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてリプ1〜7のいずれかに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているリプ(リプが複数当選しているときにはいずれかのリプ)を入賞させることができる役といえる。後述するように、複数のリプに当選しているときには、操作手順に応じたリプが入賞するようにリール制御が行なわれる。
リプ1〜7のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
次に、図18を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、ベル1、ベル2、AT1、AT2、AT3、AT4、AT5、AT6、AT7、AT8、チェリー1、チェリー2、スイカ1、スイカ2、一枚1、一枚2、および一枚3が含まれる。
ベル1は、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ベル1は、入賞ラインLNにおいて「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、中段ベルともいう。
ベル2は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−ベル−リプa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ベル2は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、右下ベルともいう。
ベル1およびベル2各々を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、内部抽選においてベル1またはベル2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず、当選しているベル1またはベル2を入賞させることができる役といえる。
AT1は、入賞ラインLNに「リプa−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。AT2は、入賞ラインLNに「リプa−BAR−チェリー/プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。AT3は、入賞ラインLNに「リプa−チェリー−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。AT4は、入賞ラインLNに「リプa−チェリー−チェリー/プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
AT5は、入賞ラインLNに「リプb−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。AT6は、入賞ラインLNに「リプb−BAR−チェリー/プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。AT7は、入賞ラインLNに「リプb−チェリー−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。AT8は、入賞ラインLNに「リプb−チェリー−チェリー/プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
AT1〜8は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM1において「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、上段ベルともいう。
AT1〜8各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてAT1〜8のいずれかに当選していても、AT1〜8のうち当選しているATの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているATに入賞することはない。ベル1、ベル2、およびAT1〜8のいずれかに入賞したときには、メダルが13枚払い出される。
チェリー1は、入賞ラインLNに「チェリー−ANY−ANY」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。チェリー1は、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上に位置することにより入賞するため、中段チェリーともいう。
チェリー2は、入賞ラインLNに「BAR−ANY−赤7/白7/オレンジ/リプa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。チェリー2は、各々、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、左リール2Lの「チェリー」が下段に停止して入賞となるため、角チェリーともいう。
チェリー1、2各々を構成する図柄のうち左リール2Lの図柄は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてチェリー1、2のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、当選しているチェリーに入賞することはない。チェリー1、2のいずれかに入賞したときには、メダルが4枚払い出される。
スイカ1は、入賞ラインLNに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。そのため、スイカ1は、中段スイカともいう。
スイカ2は、入賞ラインLNに「ベル−スイカ−BAR/プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。スイカ2は、入賞ラインLNにおいて入賞となる図柄が停止したときに、無効ラインLM3において「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが停止することにより入賞となるため、右下スイカともいう。
スイカ1、2各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてスイカ1、2のいずれかに当選していても、スイカ1、2のうち当選しているスイカの種類に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選しているスイカに入賞することはない。スイカ1、2のいずれかに入賞したときには、メダルが10枚払い出される。
一枚1は、入賞ラインLNに「オレンジ−オレンジ−オレンジ/リプa」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。一枚2は、入賞ラインLNに「赤7−BAR−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。一枚3は、入賞ラインLNに「赤7−オレンジ−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
一枚1〜3各々を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において一枚1〜3のいずれかに当選していても、一枚1〜3のうち当選している一枚の入賞役に応じた適正なタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rを操作しなければ、当選している一枚の入賞役に入賞することはない。一枚1〜3のいずれかに入賞したときには、メダルが1枚払い出される。
次に、移行出目を説明する。移行出目は、小役のうちAT1〜8に当選(後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選)しているゲームにおいて、当選している入賞役のうちいずれをも発生させることができない場合(取りこぼす場合)において、入賞ラインLNに停止する特定のはずれの図柄組合せである。
移行出目は、図19に示すように、ベル取りこぼし1、ベル取りこぼし2、および、ベル取りこぼし3を含む。ベル取りこぼし1は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−BAR/チェリー−ベル」が停止された図柄組み合わせをいう。ベル取りこぼし2は、入賞ラインLNに「リプa/リプb−ベル−BAR/チェリー/プラム」が停止された図柄組み合わせをいう。ベル取りこぼし3は、入賞ラインLNに「スイカ−BAR/チェリー−BAR/チェリー−プラム」が停止された図柄組み合わせをいう。
ベル取りこぼし1は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する右ベルであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、ベル取りこぼし2は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する中ベルであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。また、ベル取りこぼし3は、内部抽選において当選した抽選対象役が後述する左ベルであった場合で、入賞を発生させることができないときに停止される。
また、図20に示されるように、RT0、RT1、およびRT2において、いずれの入賞も発生することなく、移行出目が停止した後は、RT3に制御される。
次に、図21〜図23を参照して、内部抽選において読み出される抽選対象役、抽選対象役の判定値数、および抽選対象役に当選しているゲームにおけるリール制御について説明する。本実施例では、遊技状態が、RT0〜RT4、およびRB、BBのいずれであるかによって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。図21〜図23においては、縦の欄に、内部抽選で読み出され得る抽選対象役の種類を示し、横の欄に、抽選対象役毎の、入賞役の組合せ、抽選される遊技状態、およびリール制御の内容を示している。
抽選対象役は、一の入賞役のみについて内部抽選される役と、複数の入賞役について同時に内部抽選される役とが設けられている。抽選対象役に対応して内部抽選される役については、入賞役の組合せの欄に示している。
また、抽選対象役に対応する遊技状態の欄の○印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときの内部抽選において当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行なわれる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「256」が設定されている抽選対象役の当選確率は、256/65536となる。なお、内部抽選において、いずれの抽選対象役にも当選しなかったときには、はずれとなる。
図21、22に示すように、遊技状態がRT0であるときには、BB1、BB1+リプ、BB1+強チェリー、BB1+弱チェリー、BB1+強一枚、BB1+弱一枚1、BB1+弱一枚2、BB1+弱一枚3、BB1+強スイカ、BB1+弱スイカ、RB1、RB1+リプ、RB1+強チェリー、RB1+弱チェリー、RB1+強一枚、RB1+弱一枚1、RB1+弱一枚2、RB1+弱一枚3、RB1+強スイカ、RB1+弱スイカ、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、およびリプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT1であるときには、BB1、BB1+リプ、BB1+強チェリー、BB1+弱チェリー、BB1+強一枚、BB1+弱一枚1、BB1+弱一枚2、BB1+弱一枚3、BB1+強スイカ、BB1+弱スイカ、RB1、RB1+リプ、RB1+強チェリー、RB1+弱チェリー、RB1+強一枚、RB1+弱一枚1、RB1+弱一枚2、RB1+弱一枚3、RB1+強スイカ、RB1+弱スイカ、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および3択リプ1〜6が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT2であるときには、BB1、BB1+リプ、BB1+強チェリー、BB1+弱チェリー、BB1+強一枚、BB1+弱一枚1、BB1+弱一枚2、BB1+弱一枚3、BB1+強スイカ、BB1+弱スイカ、RB1、RB1+リプ、RB1+強チェリー、RB1+弱チェリー、RB1+強一枚、RB1+弱一枚1、RB1+弱一枚2、RB1+弱一枚3、RB1+強スイカ、RB1+弱スイカ、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、リプ、7揃いリプ、および7聴牌リプが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT3であるときには、BB1、BB1+リプ、BB1+強チェリー、BB1+弱チェリー、BB1+強一枚、BB1+弱一枚1、BB1+弱一枚2、BB1+弱一枚3、BB1+強スイカ、BB1+弱スイカ、RB1、RB1+リプ、RB1+強チェリー、RB1+弱チェリー、RB1+強一枚、RB1+弱一枚1、RB1+弱一枚2、RB1+弱一枚3、RB1+強スイカ、RB1+弱スイカ、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、リプ、および6択リプ1〜6が内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT4であるときには、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、リプ、および6択リプ1、2が内部抽選の対象役として順に読み出される。
RT0〜RT4のいずれの遊技状態においても、強チェリー、弱チェリー、強一枚、弱一枚1、弱一枚2、弱一枚3、強スイカ、弱スイカ、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4については、抽選対象役に定められており、遊技状態にかかわらず共通の判定値数が定められている。すなわち、内部抽選において小役に当選する当選確率は、遊技状態にかかわらず一定である。なお、内部抽選において小役に当選する当選確率は、設定されている設定値に応じて異なるように定められているものであってもよい。
また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4の判定値数を比較すると、中ベル1〜4、右ベル1〜4よりも左ベル1〜4の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
また、弱チェリー、強チェリー、弱一枚1〜3、強一枚、弱スイカ、強スイカの判定値数を比較すると、それぞれ、「弱」が付された抽選対象役(弱チェリー、弱一枚、弱スイカ)よりも「強」が付された抽選対象役(強チェリー、強一枚、強スイカ)の方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。
後述するように、弱チェリー、強チェリー、強スイカに当選したときにAT抽選が行なわれ、「弱」が付された抽選対象役当選時よりも「強」が付された抽選対象役当選時の方が高い確率でAT当選する。これにより、「弱」が付された抽選対象役よりも「強」が付された抽選対象役に当選することに対し遊技者が抱く期待感を高めることができる。
次に、リプ、6択リプ1〜6、3択リプ1〜6、7揃いリプ、および7聴牌リプの判定値数を、遊技状態毎に比較する。いずれかの再遊技役に当選する確率は、RT2が最も高く、続いて、RT1、RT3、およびRT4がほぼ同じ確率でRT2よりも低くなるように、判定値数が設定されている。
また、RT2におけるリプと7揃いリプおよび7聴牌リプの判定値数を比較すると、リプよりも7揃いリプおよび7聴牌リプの方が小さく、当選確率が低くなるように設定されている。その中でも、7揃いリプは極めて低確率で当選するように設定されている。さらに、本実施例では、7揃いリプに当選したときにおいて白7の図柄が揃うリプ6が入賞した場合には、後述するナビストックが必ず付与されるようになっている。そのため、RT2中においては、7揃いリプに当選することに対する期待感およびプレミア感を抱かせることができる。
次に、図23に示すように、遊技状態がRBであるときには、RB左ベルおよびRB右ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がBBであるときには、全役、BB役揃い1〜3、およびBB役聴牌1〜3が内部抽選の対象役として順に読み出される。
次に、リール制御の内容について説明する。当選した抽選対象役の種類(当選している入賞役)およびストップスイッチ8L〜8Rの操作手順に応じて定められた入賞役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選している場合には、最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール2L、中リール2C、右リール2Rのいずれであるかに応じて、ベル1あるいはベル2を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
左ベル1が当選し、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。一方、左ベル1が当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうちAT1またはAT4を引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行なう。前述したように、AT1およびAT4を構成する図柄は、各々、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、AT1またはAT4のうちいずれかに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するAT1またはAT4に入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、移行出目のうちベル取りこぼし3を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
左ベル2〜4のいずれかが当選しているゲームにおいても同様に、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した小役のうちベル2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。一方、左ベル2〜4のいずれかが当選し、中リール2Cまたは右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した小役のうちATを引込可能範囲で入賞ラインLN上に揃えて停止させる制御を行なう。前述したように、ATを構成する図柄は、いずれも、左リール2L、中リール2C、および右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていない。よって、ストップスイッチ8L〜8R各々が、当選しているATに応じた適正なタイミングで停止操作されたときには、対応するATに入賞し得るが、適正なタイミングで停止操作されなかったときには、入賞せずに、移行出目のうちベル取りこぼし3を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
また、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選しているときも同様である。すなわち、中ベル1〜4のいずれかに当選しているゲームにおける第1停止リールが、中リール2Cであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中リール2C以外のリールであった場合には、AT1〜8のうち当選しているATの図柄組み合わせを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行ない、当選しているATの図柄組み合わせを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、移行出目のうちベル取りこぼし2を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
また、右ベル1〜4のいずれかが当選しているゲームにおける第1停止リールが、右リール2Rであった場合には、当選した小役のうちベル1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、右リール2R以外のリールであった場合には、AT1〜8のうち当選しているATの図柄組み合わせを引込可能範囲で入賞ラインLNに引き込み停止させる制御を行ない、当選しているATの図柄組み合わせを入賞ラインLNに引き込み停止させることができない場合に、移行出目のうちベル取りこぼし1を入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、左ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときに確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行なわれ、左リール2L以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているATを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、移行出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、中ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行なわれ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているATを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、移行出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
また、右ベル1〜4のいずれかに当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させたときに確実にベル1を入賞させるようにリール制御が行なわれ、右リール2R以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選しているATを入賞させ、引き込み不可能な場合にすべて取りこぼし、移行出目を導出させるようにリール制御が行なわれる。
以上のように本実施例では、左ベルが当選したか、中ベルが当選したか、右ベルが当選したかによって、ベル1あるいは2を確実に入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより、入賞させるための操作手順(入賞用操作手順)であり、かつ移行出目の導出を回避するための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、中ベルや右ベルよりも、左ベルの当選確率は低くなるように設定されている。また、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、演出状態がAT中でなくかつナビ演出を実行していないときに左リール2Lを第1停止させなかった場合に遊技者にとって不利な所定のペナルティを科すことにより、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、AT中でないときには、特に中ベルや右ベルに当選したときに、ベルを確実に入賞させることが困難となる。よって、仮にRT1のときにATが終了して非ATに制御されたときは、高い確率で移行出目が停止されるため、当該RT1を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときあるいは所定条件成立時においてナビ演出が実行されたときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、左ベル、中ベル、および右ベルに当選したときにおけるナビ演出にしたがった操作手順で停止操作を行なうことにより、ベルを確実に入賞させることができ、遊技状態がRT1やRT2であっても、RT3に転落することを回避させることができる。
チェリー1(中段チェリー)が入賞したゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上にしか停止されない。一方、チェリー2(角チェリー)に入賞したゲームにおいては、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止される。また、チェリー1は強チェリーが当選したときでしか入賞しないが、チェリー2は強チェリーまたは弱チェリーが当選したときに入賞可能である。これにより、左リール2Lのチェリーが中段に停止してチェリー入賞が発生したときには強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができ、左リール2Lのチェリーが上段または下段に停止してチェリー入賞が発生したときには、弱チェリーあるいは強チェリーに当選していたことを遊技者に報知することができる。
弱一枚1〜3に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組み合わせのうち、移行出目と異なる予め定められた弱チャンス目を停止させるリール制御を行なう。また、強一枚に当選しているゲームにおいては、はずれ図柄の組み合わせのうち、移行出目とも弱チャンス目とも異なる予め定められた強チャンス目を停止させるリール制御を行なう。チャンス目は、弱一枚や強一枚を取りこぼしたときだけでなく、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカなどを取りこぼしたときにも停止し得るように、リール制御が行なわれる。
弱スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ1よりもスイカ2を優先して入賞ラインLNに引き込み、右下スイカを停止させ、スイカ2を引き込むことができない場合には、スイカ1も引き込むことができない場合であるため、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行なう。
強スイカに当選しているゲームにおいては、引込可能範囲でスイカ2よりもスイカ1を優先して入賞ラインLNに引き込み、中段スイカを停止させ、スイカ1を引き込むことができない場合にはスイカ2を引き込み、スイカ2をも引き込むことができない場合には、前述した弱チャンス目あるいは強チャンス目を停止させるリール制御を行なう。
また、リプに当選しているゲームにおいては、第1停止されたリールが左リール2Lであるか否かなどに応じて、リプ1またはリプ2を入賞させる制御が行なわれる。左リール2L以外の中リール2Cまたは右リール2Rであった場合には、リプ2を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ1に当選しているゲームにおいては、左リール2Lを第1停止させ、その後、中リール2C、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ2に当選しているゲームにおいては、左リール2Lを第1停止させ、その後、右リール2R、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ3に当選しているゲームにおいては、中リール2Cを第1停止させ、その後、左リール2L、右リール2Rの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ4に当選しているゲームにおいては、中リール2Cを第1停止させ、その後、右リール2R、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ5に当選しているゲームにおいては、右リール2Rを第1停止させ、その後、左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ2の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
6択リプ6に当選しているゲームにおいては、右リール2Rを第1停止させ、その後、中リール2C、左リール2Lの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、右リール2Rを第1停止させ、その後、左リール2L、中リール2Cの順で停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ2の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、これら以外の操作手順で停止させた場合にはリプ1を入賞させるリール制御を行なう。
このように、6択リプ1〜6のいずれに当選したかによって、昇格リプであるリプ4を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
ここで、RT3であるときには、左リール2Lを第1停止させた場合に昇格リプが入賞する6択リプ1、2が当選する確率は0%である。また、本実施例では、非AT中において左リール2Lを第1停止させるように設計されている。そのため、非AT中では、昇格リプを入賞させることができないようになっており、遊技者はRT1に移行することなく、ATに制御されるまでRT3で遊技を行なうようになっている。
3択リプ1に当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ2に当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ3に当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ4の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ4に当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ5の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ5に当選したときにおいては、中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ5の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
3択リプ6に当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち、リプ5の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、リプ3を入賞させるリール制御を行なう。
このように、3択リプ1〜3のいずれに当選したかによって、リプ4またはリプ3を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。また、3択リプ4〜6のいずれに当選したかによって、RT2への移行を伴うリプレイ5(特殊リプ)またはリプレイ3を入賞させるための操作手順を異ならせることができる。
なお、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では、非AT中において左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、AT中でないときに3択リプ1または3択リプ4に当選したときには転落リプ入賞を回避させ得るが、それ以外の3択リプに当選したときには実質的に転落リプ入賞を回避させることができず、非AT中においてRT1へ制御されていたとしても、当該RT1を維持させることが困難となる。これに対し、演出状態がAT中であるときあるいは所定条件成立時においてナビ演出が実行されたときには、左リール2Lを第1停止させないことによってはペナルティが科されないため、3択リプに当選したときにおけるナビ演出にしたがった操作手順で停止操作を行なうことにより、転落リプ入賞を確実に回避させることができ、RT1への制御を維持させることができる。
また、上記のように、3択リプ4〜6のうちいずれかに当選している場合には、停止操作順に応じて、RT2への移行を伴うリプレイ5(特殊リプ)を入賞させる制御か、RT3への移行を伴なうリプレイ3を入賞させる制御が行なわれる。
なお、内部抽選において3択リプ4〜6に当選して特殊リプに入賞したときには、所定期間に亘って、ストップスイッチ8L〜8Rへの操作を有効に受付けないことによりゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御される。
7揃いリプに当選したときにおいては、右リール2Rを第1停止させて、かつ白7の図柄を狙ったときには、リプ6の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行なう。また、右リール2Rを第1停止させたが、白7の図柄を狙わなかったときには、リプ7の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行なう。さらに、右リール2R以外を第1停止させたときには、リプ1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行なう。なお、本実施例では、リプ6を入賞させたときにはナビストックが必ず付与される。
7聴牌リプに当選した場合において、右リール2Rを第1停止させたときには、リプ7の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させたときには、リプ1を入賞させるリール制御を行なう。
遊技状態がBBであるときには、いずれの役が当選したときにおいても、ベル1の図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行なう。
RB左ベルが当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときには、AT1〜8のいずれかの図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、ベル取りこぼし1〜3のいずれかを入賞させるリール制御を行なう。
RB右ベルが当選したときにおいては、左リール2Lを第1停止させたときには、ベル取りこぼし1〜3のいずれかの図柄組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させるリール制御を行ない、それ以外を第1停止させた場合には、AT1〜8のいずれかを入賞させるリール制御を行なう。
このように、メイン制御部41は、遊技状態に応じた抽選対象役について内部抽選し、当該抽選結果およびストップスイッチ8L〜8Rの操作手順に応じて、リール制御を行ない、表示結果にしたがってメダル払出や遊技状態移行を行なう。また、メイン制御部41は、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信する。
ここで、図20(a)を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。本実施例におけるスロットマシン1では、図20(a)に示されるように、設定変更状態が終了した後やボーナスが終了した後において、RT0に制御される。RT0では、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、高い確率でベルおよびATを取りこぼして、入賞ラインLNに移行出目が停止され、いつまでも移行出目が停止されずにRT3に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。RT1〜4においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。
まず、AT中でないときのゲームの流れについて説明する。本実施例におけるスロットマシン1では、前述したように、AT中でないときに、左リール2Lを第1停止させるように設計されている。このため、遊技者は、AT中でないときには、左リール2Lを第1停止させるように停止操作を行なう。その結果、ゲームの流れは以下のようになる。
RT3では、リプ4(昇格リプ)に入賞することにより、RT1に移行される。リプ4に入賞するためには、図22で示したように、6択リプ1〜6のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
しかし、左リール2Lが第1停止されたときに昇格リプ入賞させる6択リプ1、2の当選確率は0%である。さらに、非AT中においては左リール2Lを第1停止させるように設計されているため、ATが行なわれない限り、RT1に移行される可能性はない。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT3では、6択リプ1〜6のいずれかに当選したときに、リプ4を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ4入賞によりRT1に移行させることができる。
また、RT1では、3択リプ1〜3のいずれかに当選したときに、リプ4を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ4入賞によりRT1を維持させることができる。
さらに、RT1では、3択リプ4〜6のいずれかに当選したときに、リプ5(特殊リプ)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ5入賞によりRT2に移行させることができる。
なお、RT1においてATが終了して非ATに制御された場合は、3択リプ1〜6のいずれかに当選してもナビ演出が実行されないため、リプ3が入賞することによってRT3に移行されてしまう。
RT2では、7揃いリプに当選したときに、リプ6を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。より具体的には、たとえば、右リール2Rを第1停止させる旨と白7の図柄を揃える旨とを報知するナビ演出が実行される。このため、ナビ演出にしたがって停止操作を行なうことにより、リプ6入賞によりナビストックを付与させることができる。
また、RT2では、7聴牌リプに当選したときに、7揃いリプに当選したときと同じナビ演出が実行される。ここで、7聴牌リプが当選した場合は操作手順に従うか否かにかかわらず、リプ1またはリプ7といった通常のリプレイが入賞するが、このように、7聴牌リプが当選したことに対してもナビ演出を行なうことによって、もしかしたら7揃いリプに当選したかもしれないと遊技者に思わせることができ、遊技に対する期待感を向上させることができる。なお、7揃いリプの当選確率は低く滅多に当選することがないが、このように、7聴牌リプに対してもナビ演出を行なうことによって、遊技者がナビストック付与に対して期待する機会を多くもうけることができる。
このように、本実施例のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。本実施例では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。
また、本実施の形態におけるATは、1セット(ナビストック1消費して)50ゲームである。AT中におけるRT1においては、内部当選結果が特定結果(本実施の形態においては、3択リプ4〜6に当選)となったときに、リプ5(特殊リプ)に入賞したか否かにかかわらず、50ゲームのカウントを開始する旨を報知するAT開始演出が実行される。なお、RT2でATに制御された場合においては、ATに制御後すぐにAT開始演出が実行される。
さらに、AT中のRT3からRT1に移行したときには、「RT2までもう少し」といったメッセージ画像が液晶表示器51の画面に表示されるのに対し、AT中のRT1からRT2に移行したときには、T開始演出が行なわれるとともに液晶表示器51における背景画像も変化するようになっている。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行なう。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行なう。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行なうのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行なわれることがある。
また、サブ制御部91では、非AT中でかつナビ演出が実行されていないときに受信したリール停止コマンドに基づき、左リール2Lが第1停止されているか否かを判定し、当該判定結果に応じて所定のペナルティを科す制御を行なう。所定のペナルティとは、たとえば、所定期間(2000ゲーム)に亘ってATへ制御させないように規制すること、後述するAT抽選におけるAT当選確率を低確率に変更すること、あるいは、AT抽選を行なわないことなど、遊技者にとって不利となる制御を行なうことなどをいう。
なお、単なる操作ミスにより左リール2Lを第1停止させることができない場合も考えられ、このような場合には、善意の遊技者に対してもペナルティを科すことになる。これを解消するために、遊技者が意図的に左リール2L以外のリールを第1停止させている蓋然性が高いことを推認できる所定のペナルティ条件を満たした場合に、ペナルティを科す制御を行なうようにしてもよい。
所定のペナルティ条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに左リール2L以外のリールが第1停止された回数が所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよく、また、非AT中に受信した内部当選コマンド、入賞判定コマンド、および遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役に入賞したと判定されたときや、このように判定された回数が所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化するまでに所定回数(5回)に到達することにより成立するものであってもよい。なお、遊技状態に応じて左リール2Lを第1停止させている限り入賞しない入賞役とは、たとえば、RT3中においては6択リプ3〜6の当選時におけるリプ4の入賞などが該当する。
次に、サブ制御部91側において行なわれる処理のうち、ATに関連する処理について説明する。サブ制御部91は、遊技状態に応じて、演出状態をATに制御するとともに、ナビ演出を実行するためのAT関連処理を行なう。
サブ制御部91は、AT関連処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行なう。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ナビストック数を付与するか否かを決定するナビ付与抽選と、付与するナビストック数を決定するナビストック数抽選とを含む。
ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定期間に亘りゲームを消化するまで(たとえば、RT2に制御されてから50ゲーム)、ATに制御され、その間ナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図24は、サブ制御部91により実行されるAT抽選関連処理を説明するためのフローチャートである。AT抽選関連処理では、AT抽選条件の成立に応じて、ナビストック数を付与するか否か、および、付与する場合にナビストック数をいくつ付与するかを抽選するAT抽選と、成立したAT抽選条件に対応する演出を設定するための処理とが行なわれる。AT抽選関連処理は、ゲーム開始に関連するタイミングで実行される。
Ss1では、AT抽選条件が成立したか否かが判定される。本実施例におけるAT抽選条件としては、ボーナスと同時ではなく単独で弱チェリー当選することにより成立する第1条件と、ボーナスと同時ではなく単独で強チェリー当選することにより成立する第2条件と、ボーナスと同時ではなく単独で強スイカ当選することにより成立する第3条件と、前回のボーナス終了あるいはAT終了からボーナス当選あるいはAT開始されることなく消化したゲーム数が所定ゲーム数(たとえば1000ゲーム)に到達(以下、天井到達ともいう)することにより成立する第4条件とが定められている。第1〜第3条件の成否は、メイン制御部41から送信される内部当選コマンドから特定される。また、第4条件の成否は、サブ制御部91において更新されるボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値がから特定される。
なお、第1〜第3条件は、所定の抽選対象役に当選することにより成立する例について説明するが、抽選対象役に含まれる所定の入賞役(第1、第2条件であればチェリー、第3条件であればスイカ)に入賞することにより成立するものであってもよい。また、第4条件は、消化ゲーム数が所定ゲーム数に到達した後のタイミングに成立するものであればよく、到達したときに成立するものであってもよく、また到達してから数ゲーム消化した後に成立するものであってもよい。また、AT抽選条件は、前述した第1〜第4条件に限らず、たとえば、ボーナス当選あるいは入賞により成立する条件を含むものであってもよい。
Ss1においていずれかのAT抽選条件が成立していると判定されたときには、Ss2において現在制御されている遊技状態が、RT4(ボーナス当選したゲームを含む)でもボーナス中でもないかが判定される。現在制御されている遊技状態については、メイン制御部41から送信される遊技状態コマンドから特定される。Ss2においてRT4あるいはボーナス中のいずれかであると判定されたときには、後述するAT抽選を行なうことなくAT抽選関連処理を終了する。このように、本実施例におけるスロットマシン1では、ボーナス当選してからボーナス終了するまでの間において、AT抽選が行なわれない。
一方、Ss2においてRT4でもボーナス中でもないと判定されたときには、Ss3においてAT抽選が行なわれる。
図25は、AT抽選に用いるAT抽選テーブルを説明するための図である。図25に示すように本実施例では、成立したAT抽選条件に対応して定められた抽選確率に従ってナビストックが付与されるようになっている。AT抽選テーブルにおいては、ナビストック数(0個、1個、2個、3個、5個、10個)に対応して所定のAT抽選条件毎にナビストックが付与される振分率が設定されている。
より具体的に、弱チェリー当選となり第1条件が成立したときには、付与されるナビストックが0個となる確率が30%、1個となる確率が30%、2個となる確率が25%、3個となる確率が10%、5個となる確率が5%に設定されている。
強チェリー当選となり第2条件が成立したときには、付与されるナビストックが0個となる確率が15%、1個となる確率が35%、2個となる確率が35%、3個となる確率が10%、5個となる確率が5%に設定されている。
強スイカ当選となり第3条件が成立したときには、付与されるナビストックが0個となる確率が15%、1個となる確率が10%、2個となる確率が10%、3個となる確率が35%、5個となる確率が35%に設定されている。
天井到達となり第4条件が成立したときには、100%の確率で付与されるナビストック数として10個が決定される。
このように、AT抽選条件が成立したときにナビストックが付与される確率は、天井到達の場合には100%であり、次に強スイカ当選、強チェリー当選の順となるように設定されており、弱チェリー当選であるときに最も低くなるように設定されている。また、付与されるナビストック数の期待数(たとえば確率×個数の和)は、天井到達が最も大きく、次に強スイカ当選、強チェリー当選の順となるように設定されており、弱チェリー当選であるときに最も小さくなるように設定されている。
図示を省略しているが、前述したように、RT2においてリプ6に入賞したときにもAT抽選条件が成立し、この場合には、ナビストックが必ず付与されるようにAT抽選が行なわれる。なお、RT2においては、リプ6に入賞せずとも、リプ6に当選することによりAT抽選条件が成立し、ナビストックが必ず付与されるようにしてもよい。
図24に戻り、Ss4においては、成立したAT抽選条件に対応する演出を設定しAT抽選関連処理を終了する。これにより、設定された演出が、今回開始されるゲームにおいて実行される。AT抽選条件に対応する演出としては、たとえば、弱チェリー当選に対応して、液晶表示器51に「チェリー」の画像を表示させる演出が定められている。また、強チェリー当選時であって後述するメイン制御部41側においてフリーズを発生させなかったときにも、弱チェリー当選時と同じ演出が設定される。これにより、「チェリー」の画像が液晶表示器51に表示されることにより、ナビストックが付与されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、強スイカ当選時に対応して、所定の連続演出(以下では強スイカ用連続演出ともいう)が定められている。強スイカ用連続演出としては、たとえば、3ゲームに亘り味方キャラクタと敵方キャラクタとがバトルを繰り広げる演出を行なって、ナビストックを獲得したか否かを煽り、3ゲーム目においてバトルの結果を報知する。ナビストックが付与されたときには味方キャラクタが勝利し、ナビストックが付与されなかったときには味方キャラクタが敗北する演出が行なわれる。これにより、強スイカ用連続演出が実行されたときには、ナビストックが付与されることおよびより多くのナビストック数が付与されることに対して、「チェリー」の画像が液晶表示器51に表示されたときよりも大きな期待感を遊技者に抱かせることができる。
なお、サブ制御部91は、いずれかのボーナスに当選したとき(ボーナス当選ゲームを含む)、および所定条件が成立したとき(たとえば、ボーナスと同時に当選し得る抽選対象役(図21に示すリプ、強一枚、弱スイカなど)に単独当選したとき)には、強スイカ当選時と同様に、所定の連続演出(以下ではボーナス用連続演出ともいう)を実行する。ボーナス用連続演出としては、たとえば、5ゲームに亘り味方キャラクタと敵方キャラクタとがバトルを繰り広げる演出を行なって、ボーナスに当選しているか否かを煽り、5ゲーム目においてバトルの結果を報知する。ボーナス当選していたときには味方キャラクタが勝利し、ボーナス当選していなかったときには味方キャラクタが敗北する演出が行なわれる。
また、天井到達に対応する演出としては、液晶表示器51に「天井到達!ナビストック10獲得!」といったメッセージを表示する演出が行なわれる。
サブ制御部91は、AT抽選において1以上のナビストック数が決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストック数の有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。ナビストック数が残っているときに、さらにAT抽選によってナビストック数を獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。本実施例においては、AT抽選で決定されたナビストック数の合計数に応じて、ATに制御される。
非AT中であるときにおいてナビストックを獲得した場合、サブ制御部91は、所定のAT開始条件が成立したときにATに制御する。所定のAT開始条件は、特定の当選状況となったときに成立する。特定の当選状況となったときの一例としては、たとえば、非AT中でかつRT3中であるときには6択リプ3〜6のいずれかに当選したときに成立し、非AT中でかつRT1中であるときには、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および3択リプ1〜6のいずれかに当選したときに成立する。
サブ制御部91は、非AT中かつナビストックが1以上付与されているときにおいて、AT開始条件が成立したときに、ATである旨を示すATフラグをRAM91cの所定領域に格納してATに制御する。
なお、AT開始条件は、当選状況に応じて成立するものに限らず、ナビストックを獲得したことを契機として複数ゲームに亘り所定の連続演出を実行した後、当該連続演出の演出結果によってナビストックを獲得した旨が報知されたときに成立するようにしてもよい。この場合、連続演出は、ナビストックを獲得していないときにも所定確率にしたがって実行される。これにより、連続演出が実行されることによりナビストックを獲得したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
サブ制御部91は、RT1〜3においてATフラグからATである旨が特定されたことを条件として、ATに制御される旨を報知するATの確定報知を行なった後、ATへの制御を開始する。これにより、ナビ演出が実行される。このため、RT3においては、6択リプ3〜6のいずれかに当選したときにリプ4(昇格リプ)入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT1へ制御されやすくなる。また、RT1においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および3択リプ1〜6のいずれかに当選したときに移行出目停止やリプ3(転落リプ)入賞を回避させ、その結果、RT1への制御を維持させやすくなり、さらに、3択リプ4〜6に当選したときにリプ6(特殊リプ)入賞となる可能性が高くなり、その結果、RT2へ制御されやすくなる。
RT3またはRT1においては、原則として、ナビストック数を消費(減算)することなく、ATに制御されて、ナビ演出が実行可能となる。このとき、サブ制御部91は、液晶表示器51の画面上に「AT中」といったメッセージ画像を表示させる。また、AT中のRT3からRT1に移行したときには、「RT2までもう少し」といったメッセージ画像が液晶表示器51の画面に表示される。なお、AT中におけるRT3においてリプ4(昇格リプ)入賞によりRT1に制御されたときにも当該ATへの制御が継続される。
AT中のRT1において3択リプ4〜6に当選したときには、当選ゲームにおいてリプ5(特殊リプ)に入賞したか否かにかかわらず、当選ゲーム終了後にナビストック数を1消費(減算)して、AT開始演出が実行されるとともに50ゲームを消化する間、ATに制御可能となる。なお、ナビストック数を1消費したときには、RAM91cに記憶されているナビストック数を1減算させた値に更新される。さらに、AT中のRT1において3択リプ4〜6に当選してリプ5(特殊リプ)に入賞した結果、RT3に移行したときには、AT開始演出が行なわれるとともに液晶表示器51における背景画像も変化する。なお、すでにRT1において3択リプ4〜6に当選したがリプ5に入賞せずにAT開始演出が実行されているときには、新たにAT開始演出を行なわないものであってもよい。
一方、非AT中のRT1においてリプ4(昇格リプ)入賞した場合であっても、非AT中におけるRT1において6択リプ3〜6のいずれかに当選していた場合には、左リール2L以外のリールを第1停止させた場合であるため、ATに制御させないといったペナルティが科される。このため、RT1に制御されたとしてもATに制御されずナビ演出が実行されないため、当該RT1を維持することが困難となり、移行出目停止あるいはリプ3(転落リプ)入賞によりRT3に移行されることになる。
また、RT1においてリプ5(特殊リプ)入賞した場合には、前述したように、メイン制御部41からフリーズコマンドが送信される。サブ制御部91は、RT2への制御に関連してフリーズコマンドを受信したときであって、ARTに制御する場合には、フリーズコマンドを受信したときから次のゲームが開始されるまでフリーズ状態に制御する。
サブ制御部91は、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が0であれば、「AT終了!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、ATでない旨を示すATフラグに更新させて一連のATを終了させる。これにより、ナビ演出が実行されなくなるため、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかに当選したときに移行出目が停止されやすくなり、その結果、RT3へ制御される可能性が高まる。
一方、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が1以上であれば、サブ制御部91は、AT継続演出を実行して、ナビストック数を1減算させた値に更新してATへの制御を継続させる。AT継続演出は、たとえば「まだまだー!」といったメッセージを液晶表示器51に表示することにより実行される。
サブ制御部91は、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
ここで、遊技状態に応じたナビ対象役について説明する。まず、RT3に応じたナビ対象役としては、ATを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および6択リプ1〜6が定められている。
また、RT1に応じたナビ対象役としては、ATを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、および3択リプ1〜6が定められている。
また、RT2に応じたナビ対象役としては、ATを含む左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、7揃いリプ、および7聴牌リプが定められている。
さらに、RT1〜3で共通のナビ対象役として、中段チェリー、弱チェリー、強チェリー、弱スイカ、強スイカが定められている。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてベル2を確実に入賞させて移行出目停止を回避させるための押し順が報知される。たとえば、左ベル1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、中ベル2に当選したときのナビ演出としては、「中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
6択リプ1〜6のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを確実に入賞させるための押し順が報知される。たとえば、6択リプ3に当選したときのナビ演出としては、「まず中だ!その次に右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、6択リプ5に当選したときのナビ演出としては、「まず右だ!その次に中だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
3択リプ1〜6のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを確実に入賞させるための押し順が報知される。たとえば、3択リプ1に当選したときのナビ演出としては、「左だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、3択リプ3に当選したときのナビ演出としては、「右だ!」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
中段チェリー、弱チェリー、および強チェリーのいずれかに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「チェリーを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、チェリー当選している旨が報知される。
弱スイカ、または強スイカに当選したときのナビ演出としては、たとえば、「スイカを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させて、スイカ当選している旨が報知される。
7揃いリプに当選したときには、リプ6を確実に入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行される。たとえば、「右だ!」といったメッセージとともに「白7を狙え」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
7聴牌リプに当選したときには、リプ7を確実に入賞させるための押し順を報知するナビ演出が実行されるが、ナビ演出においては、7揃いリプに当選したときと同様に、たとえば、「右だ!」といったメッセージとともに「白7を狙え」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
なお、ナビ演出の態様は、上述したような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
また、サブ制御部91は、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの電気部品を用いて実行する。
次に、フリーズに関連する処理について説明する。本実施例におけるスロットマシン1では、ボーナスに当選しているときや、AT抽選条件のうち第1条件よりも遊技者にとって有利度が高い第2条件が成立(すなわち強チェリー単独当選)しているときに、所定期間に亘ってフリーズ状態に制御する演出(以下、フリーズ演出ともいう)が行なわれる。
図26は、フリーズ演出を実行するか否かを決定するフリーズ演出抽選処理を説明するためのフローチャートである。フリーズ演出抽選処理は、メイン制御部41によりボーナス中以外の遊技状態であるときに実行される処理であって、たとえばゲーム開始時に実行される。より具体的に、フリーズ演出抽選処理は、ボーナス中以外であって、ゲーム処理のうち内部抽選処理に含まれており内部抽選が終了した後に実行される。なお、フリーズ演出抽選処理は、ゲーム開始時に実行されるものに限らず、ゲーム終了時や、BET時、リール回転中の所定タイミングなどで実行されるものであってもよい。
Se1においては、いずれかのボーナスに当選(今回のゲーム開始時における内部抽選でのボーナス当選を含む)しているか否かが判定される。ボーナスに当選しているか否かは、ボーナスの当選フラグに基づき特定される。Se1においていずれかのボーナスに当選していると判定されたときには、Se2において天井到達までの残りゲーム数が30ゲーム以内であり天井到達間近であることを示す天井直前フラグが設定されているか否かが判定される。天井直前フラグを設定するための処理については、図28〜図31を用いて後述する。
Se2において天井直前フラグが設定されていないと判定されたときには、Se3において、ボーナス当選あるいは所定条件成立を契機として実行されるボーナス用連続演出が終了して、ボーナス当選している旨が報知(以下、確定報知)されたことを示す確定報知済フラグが設定されているか否かが判定される。確定報知済フラグを設定するための処理については、図32を用いて後述する。
Se3において確定報知済フラグが設定されていないと判定されたときには、Se4においてフリーズ演出を実行するか否かを決定するフリーズ抽選を行ない、Se5へ移行する。Se5では、Se4におけるフリーズ抽選でフリーズ演出を実行すると決定されたか否かが判定される。フリーズ演出を実行すると決定されなかったときには、Se6へ移行し、フリーズ演出を実行すると決定されたときにはフリーズ演出抽選処理を終了する。
一方、Se2において天井直前フラグが設定されていると判定されたとき、またはSe3において確定報知済フラグが設定されていると判定されたときには、Se1においてボーナス当選中であると判定されたときであっても、Se4におけるフリーズ抽選を実行することなく、フリーズ演出抽選処理を終了する。これにより、あと数ゲーム消化することにより天井到達してナビストックが10個付与されることを遊技者が認識しているときや、既にボーナス当選していることを遊技者が認識しているときに、フリーズ演出が実行されることを禁止することができる。
Se1においてボーナス当選中でないと判定されたとき、および、Se1においてボーナス当選中であると判定されたときであっても天井到達間近でもなく確定報知済フラグも設定されておらずフリーズ演出を実行する旨決定されていないときには、Se6においてボーナスと同時ではなく単独で強チェリーに当選しているか否かが判定される。Se6においてボーナスと同時ではなく単独で強チェリーに当選していると判定されたときには、Se7において天井直前フラグが設定されているか否かが判定される。Se7において天井直前フラグが設定されていないと判定されたときには、Se8において強チェリー当選を契機として実行される強スイカ用連続演出中であることを示す強スイカ用連続演出中フラグが設定されているか否かが判定される。強スイカ用連続演出中フラグを設定するための処理については、図32を用いて後述する。Se8において強スイカ用連続演出中フラグが設定されていないと判定されたときには、Se9においてフリーズ抽選を行ないフリーズ演出抽選処理を終了する。
一方、Se7において天井直前フラグが設定されているとき、また、Se8において強スイカ用連続演出中フラグが設定されていると判定されたときには、Se6において強チェリー当選していると判定されたときであっても、Se9におけるフリーズ抽選を実行することなく、フリーズ演出抽選処理を終了する。これにより、あと数ゲーム消化することにより天井到達してナビストックが10個付与されることを遊技者が認識しているとき、強チェリー当選よりも有利度が高いAT抽選が行なわれる強スイカ当選していることを遊技者が認識しているときに、強チェリー当選を契機とするフリーズ演出が実行されることを禁止することができる。
また、Se9のフリーズ抽選が行なわれるのは、Se1においてボーナス当選中でないと判定されたとき、および、Se1においてボーナス当選中であると判定された後であってSe3において確定報知済フラグが設定されていると判定されたときである。一方、図24のSs2で示したように、ボーナス当選中においてはAT抽選が行なわれず、AT抽選条件が成立してもナビストックが付与されない。このように、AT抽選条件が成立してもナビストックが付与されない状態であることが遊技者に対して報知済であるときには、Se3においてYESと判定されることにより、強チェリー当選を契機としてフリーズ演出が実行されることを禁止することができる。Se6において強チェリー当選していないと判定されたときには、フリーズ演出抽選処理を終了する。
図26のSe4およびSe9におけるフリーズ抽選では、図27に示すフリーズ抽選用テーブルが参照される。ボーナス当選を契機として実行されるフリーズ抽選においては、80%の確率でフリーズ不実行に決定され、20%の確率でフリーズ実行に決定される。強チェリー当選(ボーナス同時当選時を除く)を契機として実行されるフリーズ抽選では、10%の確率でフリーズ不実行に決定され、90%の確率でフリーズ実行に決定される。なお、フリーズ演出を実行する確率は、図27に示す確率に限らず、また、特定付与条件であるボーナス当選あるいは強チェリー当選となりSe4やSe9に移行されたときには必ずフリーズ演出を実行させるものであってもよい。
フリーズ抽選でフリーズ実行に決定されたときには、前述したように、ボーナス当選あるいは強チェリー当選のいずれを契機とするフリーズであるかを特定可能なフリーズコマンドをサブ制御部91に出力するとともに、今回ゲーム開始から所定期間が経過するまで、各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化せず、所定期間が経過した時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化することにより、ゲームの進行を遅延させてフリーズを発生させる。
サブ制御部91では、フリーズコマンドを受信すると、所定期間に亘り、ボーナス当選あるいは強チェリー当選によるナビストック当選を煽るフリーズ中演出を実行する。フリーズ中演出としては、フリーズ期間中において、対応する画像を液晶表示器51に表示するとともに、対応するパターンで演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を制御することにより行なわれる。
なお、メイン制御部41側において制御されるフリーズは、ボーナス当選を契機として実行される場合と、強チェリー当選を契機として実行される場合とで態様を異ならせる(たとえば遅延期間を異ならせるなど)ようにしてもよい。また、サブ制御部91側において制御されるフリーズ中演出は、ボーナス当選を契機として実行される場合と、強チェリー当選を契機として実行される場合とで態様を異ならせる(たとえば演出期間および演出内容を異ならせる)ようにしてもよい。
次に図28〜図31を参照し、天井直前フラグの設定に関連する処理について説明する。図28は、メイン制御部41により実行されるメイン側天井関連第1処理を説明するためのフローチャートである。メイン側天井関連第1処理は、ゲーム開始時に関連するタイミングで実行される。より具体的に、メイン側天井関連第1処理は、ゲーム処理のうち内部抽選処理に含まれており、内部抽選が終了した後であって、前述したフリーズ演出抽選処理を実行するまでの間に実行される。
Se10においては、前述した6択リプ1〜6のいずれかに当選しているか否かが判定される。Se10において6択リプ1〜6のいずれにも当選していないと判定されたときには、そのままメイン側天井関連第1処理を終了する。
一方、Se10において6択リプ1〜6のいずれかに当選していると判定されたときには、Se11において、当選している6択リプ1〜6の種類に応じて、リプ4入賞とならず、かつ、左リール2Lを第1停止とする操作手順を除く操作手順のうちから1の操作手順を決定する。6択リプ3に当選しているときには、リプ4入賞となる中→左→右の操作手順とならず、かつ左リール2Lを第1停止とする操作手順を除く操作手順、すなわち、中→右→左の操作手順、右→左→中の操作手順、および、右→中→左の操作手順のうちから1の操作手順を決定する。決定された操作手順は、当該ゲームが終了するまでRAM507の所定領域において記憶される。
Se12においては、Se11において決定された1の操作手順を特定可能な操作手順情報をサブ制御部91に出力し、メイン側天井関連第1処理を終了する。操作手順情報は、内部当選コマンドから特定可能となるように当該情報を含めて出力するものであってもよく、また、専用のコマンドから特定可能となるように出力するものであってもよい。
図29は、サブ制御部91により実行されるサブ側天井関連第1処理を説明するためのフローチャートである。サブ側天井関連第1処理は、ゲーム開始時に関連するタイミングで実行される。
Ss11においては、今回のゲームがボーナス当選ゲームであるか否かが判定される。Ss11においてボーナス当選ゲームでないと判定されたときには、Ss12において今回のゲームがAT突入ゲームであるか否かが判定される。AT突入ゲームとは、RT3などにおいてATへの制御が開始されたゲームをいう。
Ss11またはSs12においてYESと判定されたときには、Ss19において、前回のボーナス終了あるいは前回のAT終了から消化したゲーム数を特定するためのボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値をリセット(0クリア)し、サブ側天井関連第1処理を終了する。なお、ボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値は、サブ制御部91のRAM91cの所定領域において格納される。
一方、Ss12においてAT突入ゲームでもないと判定されたときには、Ss13においてボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値を1加算する。これにより、前回のボーナス終了あるいは前回のAT終了から消化したゲーム数を特定することができる。Ss14においては、操作手順一致フラグが設定されているか否かが判定される。操作手順一致フラグとは、後述するようにサブ側天井関連第2処理において操作手順が一致したと判定されたときにセットされるフラグである。
Ss14において操作手順一致フラグが設定されていると判定されたときには、サブ側天井関連第1処理を終了する。Ss14において操作手順一致フラグが設定されていないと判定されたときには、Ss15においてボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値が「970」以上であるか否かが判定される。ボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値が「970」以上であると判定されたときには、Ss16において6択リプ1〜6のいずれかに当選しているゲームであるか否かが判定される。Ss15またはSs16においてNOと判定されたときには、サブ側天井関連第1処理を終了する。
なお、本実施例におけるスロットマシン1では、ボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値を報知する構成を備えていないが、たとえばスロットマシン1の上方に設置され当該スロットマシンの遊技履歴などを表示する情報表示装置(たとえば、データカウンタ)により、当該スロットマシンにおいて前回ボーナス終了から消化したゲーム数が報知されることにより、遊技者が認識可能となっている。なお、天井到達間近(たとえば、970ゲームに到達した後)においては、液晶表示器51において天井到達までの残りゲーム数を報知するようにしてもよい。また、天井到達間近であるか否かに関わらず、ボーナスあるいはATが終了した直後から、液晶表示器51の所定表示領域において、ボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値に応じて消化したゲーム数を常に報知(ボーナスあるいはATが終了した直後のゲームにおいては、たとえば、液晶表示器51の右下の所定領域において「消化ゲーム:1G目」といった表示など)するものであってもよい。
一方、Ss16において6択リプ1〜6のいずれかに当選しているゲームであると判定されたときには、Ss17において図28のSe12において出力される操作手順情報から特定される操作手順を特定可能なナビ演出を実行し、Ss18において天井到達間近においてナビ演出が実行された旨を示す天井直前ナビ実行フラグを設定し、ナビ側天井関連第1処理を終了する。天井直前ナビ実行フラグは、サブ制御部91のRAM91cの所定領域において格納され、次のゲームが開始されたときに消去される。
このように、サブ側天井関連第1処理においては、AT中でないときであっても、ボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値が「970」以上であり、6択リプ1〜6のいずれかに当選しているゲームであると判定されたときには、メイン制御部41から出力される操作手順情報から特定される操作手順を特定可能なナビ演出を実行し、遊技者に当該操作手順で操作させることができる。なお、この場合は、左リール2Lを第1停止させる操作手順とならず、本来であれば前述したようにペナルティが科されるところ、サブ側天井関連第1処理においてナビ演出が実行されているゲームにおいて左リール2Lを第1停止させなかった場合でもペナルティを科す制御は行なわれない。
図30は、メイン制御部41により実行されるメイン側天井関連第2処理を説明するためのフローチャートである。メイン側天井関連第2処理は、ゲーム終了時に関連するタイミングにおいて実行される。
Se21においては、非AT中における6択リプ1〜6のいずれかに当選したゲームが終了したか否かが判定される。Se21において非AT中における6択リプ1〜6のいずれかに当選したゲームが終了したと判定されたときには、Se22において当該ゲーム開始時に図28のSe11において決定されサブ制御部91に出力された操作手順と、今回終了したゲームにおいて実際に操作された操作手順とが一致したか否かが判定される。なお、前述したように、本実施例におけるスロットマシン1では非AT中において左リール2Lを第1停止させることが推奨されており、かつ図28のSe11において決定される操作手順からは左リール2Lを第1停止させる操作手順が除かれていることから、原則として、非AT中においてSe22においてYESと判定されることはない。しかし、図29のSs15〜Ss17で示したように、天井到達間近であるときにはナビ演出が実行され、この場合には、非AT中であってもSe22においてYESと判定されることとなる。
Se22において操作手順が一致したと判定されたときには、図29のSs15においてボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値が「970」以上であり天井到達間近であると判定されてSs17においてナビ演出が実行された場合であるから、天井到達間近であることを示す天井直前フラグを設定し、メイン側天井関連第2処理を終了する。天井直前フラグは、メイン制御部41のRAM507の所定領域において格納される。
一方、Se21において終了したゲームが非AT中でないかあるいは6択リプ1〜6のいずれにも当選していなかったとき、およびSe22において操作手順が一致しないと判定されたときには、天井到達間近でない可能性が高いため、そのままメイン側天井関連第2処理を終了する。
なお、図28のSe11およびSe12では、当選している6択リプ1〜6の種類に応じて、リプ4入賞とならず、かつ、左リール2Lを第1停止とする操作手順を除く操作手順のうちから1の操作手順を決定して、当該操作手順を特定可能な情報が出力され、図29のSs17では決定された1の操作手順を特定するナビ演出を実行する例について説明したが、これに限らず、たとえば、メイン制御部41では、当選している6択リプ1〜6の種類に応じて、リプ4入賞とならず、かつ、左リール2Lを第1停止とする操作手順を除くすべての操作手順を特定可能な情報を出力し、サブ制御部91では、情報から特定される操作手順のうちから1の操作手順を決定して、当該操作手順を特定するナビ演出を実行するようにしてもよい。この場合、Se22では、今回終了したゲームにおいて実際に操作された操作手順が、当該ゲーム開始時に出力された操作手順に含まれるか否かを判定するようにし、含まれると判定されたときにSe23において天井直前フラグを設定するようにしてもよい。
図31は、サブ制御部91により実行されるサブ側天井関連第2処理を説明するためのフローチャートである。サブ側天井関連第2処理は、ゲーム終了時に関連するタイミングで実行される。
Ss31においては、天井直前ナビ実行フラグが設定されているか否かが判定される。すなわち、今回終了したゲームが、天井到達間近においてナビ演出が実行されたゲームであるか否かが判定される。
Ss31において天井直前ナビ実行フラグが設定されていると判定されたときには、Ss32において図28のSe12において出力された操作手順情報から特定される操作手順と、今回終了したゲームにおいて実際に操作された操作手順とが一致したか否かが判定される。
Ss32において操作手順が一致したと判定されたときには、メイン制御部41側において天井直前フラグが設定されて天井到達間近であることが特定可能となったため、Ss33において操作手順が一致した旨を特定するための操作手順一致フラグを設定し、サブ側天井関連第2処理を終了する。これにより、天井到達までのゲームにおいてSs17のナビ演出が繰り返し実行されてしまうことを防止できる。操作手順一致フラグは、サブ制御部91のRAM91cの所定領域において格納され、天井到達により第4条件が成立するか、ボーナス当選・AT突入するまで維持される。
一方、Ss31において天井直前ナビ実行フラグが設定されていないと判定されたとき、およびSs32において操作手順が一致していないと判定されたときには、サブ側天井関連第2処理をそのまま終了する。
これにより、メイン制御部41は、天井直前フラグが設定されていることにより、天井到達間近であることを特定することができる。
なお、図28〜図31で示した例では、メイン制御部41におけるSe22において1回YESと判定されると、天井到達間近であると判定して天井直前フラグを設定する例について説明したが、これに限らず、メイン制御部41において非AT中における6択リプに当選したゲームにおいて操作手順が一致したと判定されてから、次に6択リプに当選したゲームにおいても操作手順が一致したと判定されたときに、天井到達間近であると判定して天井直前フラグを設定するようにしてもよい。また、連続する2回のゲームに限らず、3回以上のゲームにおいて操作手順が一致したと判定されたときに、天井到達間近であると判定するようにしてもよい。この場合には、サブ制御部91側でも、メイン制御部41が天井到達間近であると判定するに要する回数分の6択リプ当選ゲームにおいて、ナビ演出を実行するように構成すればよい。これにより、ナビ演出が実行されていないときに遊技者が操作手順を誤って偶然メイン制御部41が決定した1の操作手順などと一致すると判定し、誤って天井到達間近であると判定される不都合を回避することができる。すなわち、メイン制御部41側において天井到達間近であると判定されたときに、実際にサブ制御部91側における演出状態が天井到達間近である正確性を高めることができる。
次に図32を参照し、確定報知済フラグおよび強スイカ用連続演出中フラグの設定に関連する処理について説明する。図32は、メイン制御部41により実行されるメイン側演出特定処理を説明するためのフローチャートである。メイン側演出特定処理では、ボーナス当選した後サブ制御部91により実行されるボーナス用連続演出によりボーナス当選の確定報知がなされた後であるか、あるいは強スイカ当選に応じてサブ制御部91により強スイカ用連続演出を実行中であるか否かが特定される。メイン側演出特定処理は、ゲーム開始時に関連するタイミングで実行される。より具体的に、メイン側演出特定処理は、ゲーム処理のうち内部抽選処理に含まれており内部抽選が終了した後であって、前述したフリーズ演出抽選処理を実行するまでの間に実行される。
まず、Se31においては、ボーナス当選(ボーナス当選ゲームを含む)中であるか否かが判定される。Se31においてボーナス当選中であると判定されたときには、既に確定報知済フラグが設定されているか否かが判定される。
Se32において確定報知済フラグが設定されていないと判定されたとき、すなわち未だボーナス当選が確定報知されていないと判定されたときには、Se33においてボーナス当選してから消化したゲーム数を特定するための当選中ゲーム数カウンタの値を1加算し、Se34において当該当選中ゲーム数カウンタの値が「6」に到達したか否かが判定される。なお、当選中ゲーム数カウンタの値は、メイン制御部41のRAM507の所定領域において格納される。
Se34において当選中ゲーム数カウンタの値が「6」に到達したと判定されたときには、5ゲームに亘るボーナス用連続演出のバトル結果によりボーナス当選の確定報知がなされた後であるため、Se35において確定報知済フラグを設定し、Se36において当選中ゲーム数カウンタの値をリセット(0クリア)し、Se37へ移行する。なお、確定報知済フラグは、メイン制御部41のRAM507の所定領域において格納される。確定報知済フラグの設定状態は、少なくとも当選しているボーナスに入賞するまで維持される。
一方、Se31においてボーナス当選していないと判定されたとき、Se32において確定報知済フラグが設定されていると判定されたとき、あるいはSe34において当選中ゲーム数カウンタの値が「6」に到達していないと判定されたときには、Se37へ移行する。
Se37においては、ボーナスと同時ではなく単独で強スイカ当選しているか否かが判定される。Se37において強スイカ単独当選したと判定されたときには、Se38において強スイカ用連続演出中フラグが設定され、メイン側演出特定処理を終了する。なお、強スイカ用連続演出中フラグは、メイン制御部41のRAM507の所定領域において格納される。強スイカ用連続演出中フラグの設定状態は、少なくとも強スイカ用連続演出が終了(3ゲーム消化)するまで維持される。
一方、Se37において強スイカ単独当選していないと判定されたときには、そのままメイン側演出特定処理を終了する。
これにより、メイン制御部41は、確定報知済フラグが設定されていることにより、ボーナス当選中であってすでにボーナス当選していることが確定報知されていることを特定し、強スイカ用連続演出中フラグが設定されていることにより、強チェリー当選よりも有利度が高いAT抽選が行なわれる強スイカ当選による強スイカ用連続演出を実行中であることを特定することができる。
次に、サブ制御部91側において行なわれる処理のうち、純増数カウント処理について説明する。
サブ制御部91は、純増数カウント処理を実行することにより、AT中における純増数をカウントする。また、サブ制御部91は、純増数報知処理を実行することにより、カウントした純増数を液晶表示器51によって報知する純増数報知演出を実行する。さらに、サブ制御部91は、AT開始演出処理を実行することにより、残りのATゲーム数を液晶表示器51によって報知するAT開始演出を実行する。
ここで、AT中における純増数のカウントに関して、図33を用いて具体的に説明する。図33は、カウントされたメダルの純増数、および報知された純増数の推移を示すタイミングチャートである。
本実施例では、RT1においてATに制御された後、遊技者にとって有利なRT2へ直ちに昇格するのではなく、RT1において3択リプ4〜6のいずれかに当選してナビ演出が行なわれ、その結果、リプ5(特殊リプ)に入賞することで初めてRT2へ昇格する。つまり、3択リプ4〜6のいずれかの当選に基づくナビ演出に従って遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作し、その結果、特殊リプに入賞した場合には、RT2へ昇格する。一方、ナビ演出に従わずに遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを誤って操作し、その結果、リプ3(転落リプ)に入賞した場合には、RT3に移行する。
そして、サブ制御部91は、ナビ演出に従ってRT2に移行するか、ナビ演出に従わずにRT3に転落されたことにより、ATゲーム数報知処理を行なって、1セット50ゲームのATゲーム数を液晶表示器51に表示する。表示されたATゲーム数は、ATゲームを1ゲーム消化するごとにカウントダウンされる。
さらに、本実施例では、サブ制御部91は、ATに制御されたときから、純増数カウント処理によってAT中における純増数のカウントを先ず「0」にリセットして純増数のカウントを開始する。そして、サブ制御部91は、ナビ演出に従ってRT2に移行するか、ナビ演出に従わずにRT3に転落されたときに、純増数報知演出を行なって、カウントした純増数の値を液晶表示器51に表示する。
ここで、RT2においては、RT1よりもリプレイの当選確率が高いため、RT1よりも純増数が増加する傾向にある。一方、RT1においては、RT2よりもリプレイに当選しにくいため、純増数が減少する傾向にある。そのため、RT1においてATに制御された後、RT2へ昇格するまでは、メダルの純増数は減少する可能性が高く、RT2へ昇格後、増加に転ずる可能性が高い。そのため、本実施例では、純増数報知演出によって純増数を報知するときにおいて、カウントしていた純増数が「0」未満の場合(すなわち、マイナスの場合)には、実際にカウントされた純増数の値(マイナス値)にかかわらず「0」が表示される。
より具体的には、RT1においてナビ演出に従ってRT2に移行するか、ナビ演出に従わずにRT3に転落された後に1セット50ゲームのATゲームが開始した時点で、純増数カウント処理によってカウントされた純増数が「0」以下であれば、サブ制御部91は、カウントした純増数の値をリセットして「0」にする。そして、サブ制御部91は、1セット50ゲームのATゲームが開始した時点からの純増数を再びカウントする。一方、1セット50ゲームのATゲームが開始した時点で、純増数カウント処理によってカウントされた純増数が「1」以上であれば、サブ制御部91は、カウントした純増数の値をそのまま継続して用いる。
たとえば、図33(a)は、AT中におけるRT1からナビ演出に従ってRT2に移行したときのカウントされたメダルの純増数、および報知された純増数の推移を示している。図33(a)では、縦軸に純増数、横軸にAT中におけるゲーム数を示している。RT1においてATへの制御が開始された時点から純増数のカウントが開始される。
そして、所定タイミングで3択リプ4〜6のいずれかに当選したときに、1セット50ゲームのATゲームが開始されたことを報知するAT開始演出が液晶表示器51において実行され、ATゲーム数の減算が開始される。
また、AT開始演出が実行されるとカウントしていた純増数を報知する純増数報知演出が実行される。ここで、AT制御から3択リプ4〜6のいずれかに当選するまでの間はRT1の遊技状態であるため、AT制御が開始されてからの純増数のカウントは減少する傾向にある。そのため、3択リプ4〜6のいずれかに当選する時点では純増数のカウントが「0」以下になる場合がある。なお、純増数のカウントが「0」以下の場合、純増数報知演出として、純増数が0である旨を報知する演出が実行される。
本実施例では、3択リプ4〜6のいずれかに当選すると、ナビ演出に従ってRT2に昇格するか否かにかかわらず、純増数のカウントが「0」以下であれば当該カウントは「0」にリセットされる。その後、図33(a)の例のように、ナビ演出に従うことで特殊リプに入賞してRT2に移行すると、純増数は増加する傾向にあるため、液晶表示器51における純増数の表示も「0」から増加する。
一方、図33(b)は、AT中におけるRT1からナビ演出に従わずにRT3に転落したときのカウントされたメダルの純増数、および報知された純増数の推移を示している。図33(b)の例では、図33(a)の例と同様に、RT1においてATへの制御が開始されたときから純増数のカウントが開始される。
そして、3択リプ4〜6のいずれかに当選したゲームが終了したときに、1セット50ゲームのATゲームが開始されたことを報知するAT開始演出が液晶表示器51において実行され、次のゲームからATゲーム数の減算が開始される。
また、AT開始演出が実行されるとカウントしていた純増数を報知する純増数報知演出が実行される。ここで、AT制御から3択リプ4〜6のいずれかに当選するまでの間はRT1の遊技状態であるため、AT制御が開始されてからの純増数のカウントは減少する傾向にある。そのため、3択リプ4〜6のいずれかに当選する時点では純増数のカウントが「0」以下になる場合がある。
そこで、本実施例では、3択リプ4〜6のいずれかに当選すると、ナビ演出に従ってRT2に昇格するか否かにかかわらず、純増数のカウントが「0」以下であれば当該カウントは「0」にリセットされる。その後、図33(b)の例のように、ナビ演出に従わなかったために転落リプに入賞してRT3に転落すると、純増数はさらに減少する傾向になり、液晶表示器51における純増数の表示も「0」が表示される。
このように、RT1から当該RT1よりも有利なRT2へ移行するまでのATにおけるメダルの純増数が「0」未満であったとしても、RT2へ移行するときには、純増数が「0」に設定されるため、AT開始演出が実行された後の純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
なお、純増数カウント処理によってカウントされた純増数が「0」未満であるときにカウントした純増数の値をリセットして「0」にするものに限らず、たとえば、メダルの純増数が「10」や「−10」などその他の数値を基準値として用いてもよい。
最も滞在する割合の高いRT3において、ATの確定報知が行なわれた後、直ちに遊技者にとって有利なRT2へ移行するのではなく、その後、RT3において6択リプ1〜5が当選し、昇格リプレイが入賞してRT1に移行し、さらにRT1において3択リプ4〜6が当選し、特殊リプレイが入賞することで初めてRT2へ移行し、この時点でARTの制御が開始され、ATの残りゲーム数の計数を開始するようになっている。このため、ATの確定報知が行なわれた後、RT2へ移行するまでは、メダルの純増数は減少することとなり、RT2に移行後、増加に転ずることとなる。そして、液晶表示器51に表示される純増数は、純増数カウンタの値が1以上の場合のみ純増数カウンタの値を表示する一方、純増数カウンタの値が0以下の場合には、純増数カウンタの値に関わらず、常に0を表示するようになっている。
ATの確定報知が行なわれてATの制御が開始した場合には、その時点で純増数カウンタの値の計数が開始されることとなるが、特殊リプが入賞してRT2に移行するまで0未満の値となる可能性が高く、その後、RT2に移行し、純増数カウンタの値が1以上となるまでは、液晶表示器51には純増数として0が表示され、純増数カウンタの値が0を超えた時点から純増数カウンタの値が純増数として液晶表示器51に表示されることとなる。
また、特殊リプに当選してAT開始演出が行なわれた時点では、純増数カウンタの値が0を超えていない可能性が高い。このような場合には、AT開始演出が行なわれた時点で純増数カウンタの値をクリアして0とし、改めて純増数カウンタの計数を開始するようになっており、AT開始演出が行なわれた後、純増数カウンタの値をクリアしない場合に比較して早い段階で液晶表示器51に表示された純増数が増加することとなる。また、AT開始演出が行なわれた後の純増数が目減りしている印象を遊技者に与えてしまうことを防止できる。
次に、前述した実施例により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 前述した実施例では、図26および図27で示したように、ボーナス当選、あるいは強チェリー当選しているときには、フリーズ演出が実行される。また、ボーナス当選しているときには、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに制御されるという特典が付与される。また、強チェリー当選しているときには、図25で示したように、AT抽選が行なわれて所定確率にしたがってナビストックという特典が付与され得る。このため、フリーズ演出が実行されることにより、特典が付与されることへの期待感を向上させることができる。
一方、前述した実施例におけるスロットマシン1では、ボーナス当選や強チェリー当選以外にも特典を付与する契機が定められている。たとえば、図25で示したように、強スイカ当選や天井到達である。
このうち、天井到達した場合には、10個のナビストックが付与されるため、約10×50ゲーム=500ゲームに亘りAT+RT2に制御されることとなる。また、AT+RT2であるときには、図21および図22に示す判定値数から、はずれとなる確率が低く、高確率でリプレイ当選となり、さらに左ベル、中ベル、右ベル当選時にナビ演出が実行されるため操作手順を誤らなければベル入賞となる。その結果、AT+RT2に制御されると、賭数に用いたメダル枚数よりも払い出されるメダル枚数の方が多くなる。仮に、AT+RT2中の1ゲーム当たり平均でメダルが1枚純増するとした場合、天井到達した後において、500×1=500枚のメダルを獲得することができることになる。
これに対し、ボーナス当選した場合には、図17で示したように500枚以上のメダルを獲得することができない。また、強チェリー当選した場合には、ナビストックを平均1.6(=1×0.35+2×0.35+3×0.1+5×0.05)しか獲得できず、その結果80(=1.6×50×1)枚しかメダルを獲得することができない。よって、ボーナス当選および強チェリー当選と、天井到達とを比較した場合には、天井到達の方が遊技者にとっての有利度が高い。
また、天井到達は、前回ボーナス終了あるいは前回AT終了から1000ゲーム消化すると必ず成立することが示唆され、遊技者間において認識されている。このため、たとえば、1000ゲームまで残り30ゲームになる特定タイミングにおいては天井到達まで残りわずかであることが示唆されることとなる。その結果、残り30ゲームとなる特定タイミング以降においては、1000ゲーム到達までのゲームに対するメダルを消費したとしても天井到達することに対し期待感を抱き、ボーナス当選や強チェリー当選によりフリーズ演出が実行されることによりボーナス当選あるいはAT突入が報知されてしまうと、逆に遊技者に対して不満感を抱かせてしまう。
しかし、図26で示したように、ボーナス当選や強チェリー当選したときであっても、天井到達間近であることを示す天井直前フラグが設定されているときには、フリーズ抽選が行なわれず、フリーズ演出が実行されることを禁止している。
また、強スイカ当選した場合も同様である。強スイカ当選した場合には、ナビストックを平均3.1(=1×0.1+2×0.1+3×0.35+5×0.35)獲得でき、その結果151(=3.1×50×1)枚メダルを獲得することができる。よって、強チェリー当選と、強スイカ当選とを比較した場合には、強スイカ当選の方が遊技者にとっての有利度が高い。
また、強スイカ当選した場合には、サブ制御部91側の処理により、強スイカ用連続演出が実行されることにより強スイカ当選が示唆され、強スイカ当選したことが遊技者間において認識されている。このため、強スイカ用連続演出が開始されることにより、強スイカ当選しており強チェリー当選よりも有利度が高いAT抽選が行なわれることが示唆されることとなる。その結果、強スイカ用連続演出実行中においては、バトル演出において味方キャラクタが勝利することに対し期待感を抱き、強チェリー当選によりフリーズ演出が実行されることによりAT突入が報知されてしまうと、逆に遊技者に対して不満感を抱かせてしまう。
しかし、図26で示したように、強チェリー当選したときであっても、強スイカ用連続演出が実行されていることを示す強スイカ用連続演出中フラグが設定されているときには、フリーズ抽選が行なわれず、フリーズ演出が実行されることを禁止している。
その結果、フリーズ演出が実行されることにより、遊技者に対して不満感を抱かせてしまうことを極力防止しつつ、フリーズ演出に応じた特典が付与されることへの期待感を向上させることができる。
(1−2) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、ボーナス当選してもボーナス入賞させるまで賭数設定のためにメダルを費やす一方、内部抽選においてさらにボーナス当選することはない。また、スロットマシンによっては、ボーナス当選することにより制御される遊技状態(スロットマシン1ではRT4)におけるリプレイ確率を通常よりも高めたものも存在し、このようなものにおいては当該遊技状態を維持する方が遊技者にとっての有利度が高いため、意図的にボーナス入賞を遅延させるようにゲームが行なわれてしまう虞もある。このような不都合を解消するために、スロットマシン1が属する遊技機の分野では、ボーナス当選したときには、極力早期にボーナス入賞させるためにボーナス確定報知を行なうとともに、ボーナス入賞の遅延を助長しかねないAT抽選を行なわないように設計されており、このことは遊技者間においても認識されている。このため、本実施例におけるスロットマシン1においても、図24のSs2で示したように、RT4やボーナス中に強チェリー当選したとしてもAT抽選が行なわれないように構成されている。このため、強チェリーが、RT4やボーナス中以外の状態において当選したときよりもRT4またはボーナス中の状態において当選したときの方が、遊技者にとっての有利度が低くなる。その結果、ボーナス中や、RT4のうちボーナス当選の確定報知がされた後において、強チェリー当選によりフリーズ演出が実行されることにより報知されると、逆に遊技者に対して不満感を抱かせてしまう。
しかし、図26で示したフリーズ演出抽選処理はボーナス中以外の遊技状態であるときに実行され、さらに、強チェリー当選したときであっても、ボーナス当選中でありかつ確定報知済フラグが設定されておりボーナス当選中であることが示唆されているときには、図26のSe1においてYES、あるいはSe3においてYESと判定されるために、強チェリー当選を契機とするフリーズ抽選(Se9)が行なわれず、強チェリー当選を契機とするフリーズ演出が実行されることを禁止している。
また、ボーナス当選を契機とするフリーズ演出が、ボーナス当選の確定報知がされるまでに実行されたときよりも、ボーナス当選中であることが示唆されてボーナス当選確定報知済となってから実行されたときの方が、遊技者にとっての有利度が低くなる。すでに遊技者に対してボーナス当選していることが報知済であるためである。その結果、ボーナス当選確定報知済において、ボーナス当選を契機とするフリーズ演出が実行されることにより重複してボーナス当選が報知されると、逆に遊技者に対して不満感を抱かせてしまう。
しかし、図26で示したフリーズ演出抽選処理では、ボーナス当選しているときであっても、すでにボーナス当選中であることが示唆されてボーナス当選確定報知済であるときには、フリーズ抽選が行なわれず、フリーズ演出が実行されることを禁止している。
その結果、フリーズ演出が実行されることにより、遊技者に対して不満感を抱かせてしまうことを極力防止しつつ、フリーズ演出に応じた特典が付与されることへの期待感を向上させることができる。
(2) 前述した実施例における、ボーナス当選あるい強チェリー当選により実行され得る演出は、ゲーム開始から所定期間が経過するまで、各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化せず、所定期間が経過した時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する処理により実行されるフリーズ演出である。このため、ボーナス当選あるい強チェリー当選したことをインパクトのある演出によって確実に遊技者に認識させることができる。
(3) 前述した実施例においては、強チェリー当選によりフリーズ演出が実行されなかったときに、図24のSs4で示すように、ナビストックが付与される確率および付与されることを期待できるナビストック数が強チェリー当選時よりも低い弱チェリー当選時と同じ演出が実行される。これにより、強チェリー当選によるフリーズ演出を実行することにより遊技者に対して不満感を抱かせてしまうことを極力防止しつつ、なんらの演出をも実行させないものと比較して特典が付与されることへの期待感を抱かせることができる。
(4) 前述した実施例におけるメイン制御部41は、図28のSe11およびSe12で示したように、6択リプ1〜6のいずれかに当選したときに、1の操作手順を決定して当該操作手順を特定するための操作手順情報をサブ制御部91に出力する。サブ制御部91は、図29のSs15以降で示したように、ボーナス・AT間ゲーム数カウンタの値が「970」以上に到達しており天井到達まで残りわずかであるときに、6択リプ1〜6のいずれかに当選しているゲームにおいて、操作手順情報から特定される操作手順を特定するためのナビ演出を実行し、遊技者に当該操作手順で操作させる。メイン制御部41は、図30のSe22およびSe23で示したように、操作手順が一致した場合に、天井到達間近であることを特定することができる。その結果、メイン制御部41側において、サブ制御部91側において制御される演出状態を踏まえた上で、フリーズ演出の実行を禁止すべきか否かを判定することが可能となる。
(5) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、制御された旨を報知する必要性がRT1よりも高いRT2に制御するためのリプ5「ベル−リプa−ベル」の組合せを入賞ラインLN上に導出させるときには、当該入賞ラインLNと異なるラインLM4上に、外形が同一および/または類似の図柄のみから構成される組合せである「リプb−リプa−リプa」を同時に停止させる。このため、制御された旨を報知する必要性が高いRT2に制御することを遊技者に明確に認識させることができる。
さらに、前述した実施例におけるスロットマシン1によれば、以下の課題を解決することができる。従来のスロットマシンにおいては、一般的に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間が、所定時間(たとえば190ms(ミリ秒))に制限されている。このため、操作タイミングに関わらず取りこぼしが発生しない入賞役を設ける場合には、各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内(本実施例では、5コマ以内)に、当該入賞役を構成する図柄を配置する必要がある。その結果、取りこぼしが発生しない入賞役の数が多くなるほど、入賞役各々を構成する専用図柄として数多くの種類を要することとなる。
一方、複数(通常は3つ)のリールに描かれる識別情報としての図柄については、無限に設けることができるものではなく、ある程度の制限が科される。たとえば、3つのリール各々に描かれる図柄の数は、1リールに対して最大21個に制限されており、さらに3つのリールに描かれる図柄の種類は全部で最大10種類に制限されている。
このような従来のスロットマシンを背景とした場合、たとえば所定の遊技状態への移行を伴なう移行役について同一の図柄により構成しようとした場合、小役(たとえば、ベル1など)や再遊技役(たとえば、リプ1など)などの一般役と同様に、移行役用の専用図柄を用意する必要がある。このため、図柄の数や種類の制限範囲内で移行役のための専用図柄を設けることが設計上困難となる虞があった。また、所定の押し順でリールを停止させること(いわゆる押し順正解)で移行役が入賞し得るように構成する場合においては、所定時間内で引き込み可能な範囲内に当該移行役を構成する専用図柄を配置する必要があり、専用図柄の数を多くせざるを得なくなり、益々設計が困難になってしまう虞があった。
このような課題を解決するために、前述した実施例におけるスロットマシン1においては、制御された旨を報知する必要性がRT1よりも高いRT2に制御するための移行役の入賞ラインLN上の図柄組合せを非特定組合せ(図柄の種類が異なる組合せ)とする代わりに、入賞ラインLNと異なるラインLM4上に、外形が同一および/または類似の図柄のみから構成される組合せである「リプb−リプa−リプa」を同時に停止させるように構成した。これにより、移行役のための専用図柄を必ずしも設ける必要がなく、図柄の数と種類を増大させてしまうことを回避でき、図柄の数、種類、および配置の制限内で、制御された旨を報知する必要性が高いRT2に制御することを遊技者に明確に認識させることができる。
(6) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2に制御されることによりATゲーム数の減算が開始されるため、RT2は、制御された旨を報知する必要性が高い。このようなRT2に制御されるときにはLM4上に「リプb−リプa−リプa」が導出されることにより、ATゲーム数の減算が開始されることをも遊技者に対して明確に認識させることができる。
(7) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2に制御されることによりRT1に制御されたときよりも制御前の遊技状態との有利度合いの差が大きく変化するため、RT2は、制御された旨を報知する必要性が高い。このようなRT2に制御されるときにはLM4上に「リプb−リプa−リプa」が導出されることにより、RT1に制御されたときよりも制御前の遊技状態との有利度合いの差が大きく変化したことを遊技者に対して明確に認識させることができる。
(8) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2に制御されることによりRT1への制御前後における演出態様の変化度合いよりも大きく演出態様が変化するため、RT2は、制御された旨を報知する必要性が高い。このようなRT2に制御されるときにはLM4上に「リプb−リプa−リプa」が導出されることにより、RT1への制御前後における演出態様の変化度合いよりも大きく演出態様が変化することを遊技者に対して明確に認識させることができる。
(9) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2に制御されることによりRT1であるときよりもナビ演出を報知する割合が高くなるため、RT2は、制御された旨を報知する必要性が高い。このようなRT2に制御されるときにはLM4上に「リプb−リプa−リプa」が導出されることにより、RT1であるときよりもナビ演出を報知する割合が高くなることを遊技者に対して明確に認識させることができる。
(10) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2に制御されることによりRT1であるときよりも遊技者にとっての有利度合いが高くなるため、RT2は、制御された旨を報知する必要性が高い。このようなRT2に制御されるときにはLM4上に「リプb−リプa−リプa」が導出されることにより、RT1であるときよりも遊技者にとっての有利度合いが高くなることを遊技者に明確に認識させることができる。
(11) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2に制御されたときにはゲームの進行が設定された遅延期間に亘ってフリーズ制御されるため、LM4上に「リプb−リプa−リプa」を導出することとともにより確実にRT2に制御することを遊技者に対して明確に認識させることができる。
(12) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2に制御させるナビストックが付与され、ATに制御された後、複数種類の当選役のうちの3択リプ4〜6が決定され、特定の表示結果が導出されることでRT2へ制御するまでの間に、AT開始後の純増数が「0」に対してマイナスとなった場合でも、AT開始演出が実行された時点で純増数を「0」に戻して以後のカウントを行なうので、AT開始後の純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
(13) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、AT開始演出が実行された場合には、RT2へ制御されない場合であっても、その終了条件の判定対象となるATゲーム数のカウントが開始するので、ATにおいてナビ演出が行なわれた場合に、ナビ演出により特定される操作態様でのストップスイッチ8L〜8Rの操作を促すことができる。
(14) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、ART信号の出力は、新たに次のゲームが開始された後であってメダルIN信号やメダルOUT信号が出力される期間に含まれない特定タイミングに到達するまでART信号の出力を継続されるため、呼び出しランプ装置200などの外部機器がART信号を受信するのに必要となる時間をゲームの進行を阻害することなく確保でき、かつメダルIN信号やメダルOUT信号などを出力しているときにART信号が出力終了されることがないので、呼び出しランプ装置200などの外部機器側において受信したメダルIN信号やメダルOUT信号などがRT2中のものであるか否かを容易に特定することができる。
(15) 前述した実施例では、AT中にナビ演出を実行したゲームにおいて、当該ナビ演出から特定される操作手順と異なる手順で操作されたと判定されたときには、遊技者にとって不利なAT中のペナルティを科す制御が行なわれる。これにより、たとえば、RT3中に6択リプ3〜6に当選しているゲームにおいて、リプ4を入賞させるためのナビ演出が実行されていないにも関わらず、リプ4を入賞させるための操作手順で操作されてRT3中の表示結果として「リプa/リプb−リプa−ベル」が停止されてしまうといった、本来停止されるべきではなかったときに停止されてしまう不都合の発生を防止することができる。
(16) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2への制御契機であるリプ5入賞が成立してRT2への制御が開始されたときにART信号を出力することができるため、外部機器側においてRT2への制御タイミングを適切に特定することができる。
なお、割込処理との関係で、リプ5入賞タイミングと、RT2への制御を開始するタイミングとに若干のズレが生じる場合(たとえば、一の割込処理においてリプ5入賞と判定され、次の割込処理でRT2への制御が開始されるような場合)には、ART信号を7リプ入賞時に出力するものであってもよい。
(17) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、ART信号を少なくとも所定期間(2秒)にわたり出力する。このため、ART信号を検出するのに比較的長い時間を要する古い外部機器でもART信号を確実に検出できる。
(18) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、図10のSk110〜Sk113、図13、図15で示したように、ART信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、新たに開始されたゲームが終了したときには、特定タイミングであるゲーム終了時と異なるメダルIN信号の出力が完了したときにART信号の出力を終了する。このため、外部機器においてART信号を確実に検出できるとともに、検出タイミングが特定タイミングであったか、特定タイミングと異なる所定タイミングであったかに応じて、受信したメダルIN信号やメダルOUT信号などがRT2中における信号であるか否かを明確に特定することができる。
なお、特定タイミングと、ゲーム終了時とは必ずしも一致するものに限らず、若干のズレが生じるものであってもよい。たとえば、一の割込処理において次のゲームが実際に終了したと判定され、次の割込処理で特定タイミングに到達したと判定されるものであってもよい。
(19) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、図8のSa14、Sa16、および図14などで示したように、ART信号出力中に電断復帰したときには、復帰後に少なくとも所定期間にわたりART信号が出力される。このため、ART信号出力中に電断が生じても、復帰後に、外部機器側でART信号を確実に受信することができる。
(20) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、図8のSa15、Sa16、および図14などで示したように、電断復帰したときの遊技状態がRT2であるときには、復帰後に少なくとも所定期間にわたりART信号が出力される。このため、外部機器側で電断復帰後の遊技状態がRT2であるか否かを特定することができるとともに、開店時に、前日のRT2が復帰した場合でも、外部機器に対して、当該RT2を本日のRT2として認識させることができる。
本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[特定演出および特定付与条件について]
前述した実施例においては、特定演出としてフリーズ演出を例示した。しかし、特定演出は、フリーズ演出に限らず、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの電気部品を用いて実行する特定の演出であってもよい。また、前述した実施例においては、特定付与条件としてボーナス当選および強チェリー当選を例示した。しかし、特定付与条件は、これらに限らず、予め定められた条件であればよい。たとえば、特定付与条件は、図25で示した第1〜第3条件であってもよく、第1〜第3条件のいずれかが成立することにより特定演出を実行するようにしてもよい。
この場合、天井直前フラグが設定されているときには、第1〜第3条件が成立することによってAT突入する可能性があり有利度が低くなるため、第1〜第3条件が成立したときであっても、特定演出を実行するか否かの抽選を行なわないことにより、特定演出の実行を禁止するようにしてもよい。また、確定報知済フラグが設定されているときには、第1〜第3条件が成立したとしてもAT抽選が行なわれないため、第1〜第3条件が成立したときであっても、特定演出を実行するか否かの抽選を行なわないことにより、特定演出の実行を禁止するようにしてもよい。これにより、前述した実施例で説明した同様の効果を奏する。
なお、前述した実施例における図26のSe8で示したように、強スイカ当選を契機とする強スイカ用連続演出が実行されているときには、当該強スイカ当選によりナビストックが付与されているか否か、すなわち特典が付与されるか否かに関わらず、強チェリー当選を契機とする特定演出の実行を禁止する例について説明した。しかし、特定演出の実行が禁止されるのは、別の契機によって特典が付与されていること、あるいは付与されることが確定していることを前提条件としてもよい。たとえば、強スイカ用連続演出の契機となる強スイカ当選により特典が付与されないときには、当該強スイカ用連続演出実行中であっても、強チェリー当選など特定付与条件が成立することによる特定演出の実行を禁止することなく、実行可能に構成してもよい。
[天井直前フラグを設定する境界ゲームについて]
前述した実施例においては、天井直前フラグを設定する境界ゲームとして970を例示した。しかし、天井直前フラグを設定する境界ゲームとしては、たとえば、天井到達によりその後において獲得することが期待できる遊技用価値(たとえば払出メダル数)から、天井到達となるまでに要する遊技者所有の遊技用価値(たとえば賭数)を差し引いた差引遊技用価値の方が、特定付与条件成立によりその後において獲得することが期待できる遊技用価値よりも多くなるゲーム数であれば、970に限るものではない。たとえば、天井到達により獲得することが期待できる遊技用価値が500、強チェリー当選により獲得することが期待できる遊技用価値が80、非AT中における1ゲーム当たりに消費するメダル数を2.5枚と仮定した場合において、境界ゲーム数Xは、500−2.5X>80の関係を成立させる値であればよく、この場合にはX<168であればよい。
[強チェリー当選したときの強スイカ当選による特典について]
前述した実施例では、強スイカ当選を契機としてAT抽選が実行されてナビストックが付与されるとともに強スイカ連続演出が実行されているときにおいて、強チェリー当選しても、強スイカ当選により付与されたナビストックが変化しない例について説明した。しかし、強スイカ当選を契機としてAT抽選が実行されてナビストックが付与されるとともに強スイカ連続演出が実行されているときにおいて、強チェリー当選した場合には、逆に、既に強スイカ当選により付与されているナビストックの価値を変化させるようにしてもよく、たとえば、付与されているナビストック数を減少あるいは消去するようにしてもよい。この場合、強スイカ連続演出実行中において強チェリー当選によるフリーズ演出が実行されてしまうと、強スイカ当選によるナビストックの価値が低下してしまうことを報知することになる。しかし、前述した実施例におけるスロットマシン1では、図26のSe8で示したように、強スイカ用連続演出実行中においては、強チェリー当選によるフリーズ演出の実行が禁止される。その結果、遊技者に対して不満感を抱かせてしまうことを極力防止しつつ、フリーズ演出に応じた特典が付与されることへの期待感を向上させることができる。
[操作手順により演出状態を特定する対象について]
前述した実施例においては、図28〜図31で示したように、メイン制御部41側により決定された操作手順と、実際に操作された操作手順とが合致するか否かにより、天井到達間近か否かを特定する例について説明したが、特定する対象はこれに限るものではない。たとえば、図26のSe3の判定対象となるボーナス確定報知済であるか否かを特定するものであってもよく、また、Se8の判定対象となる強スイカ用連続演出中であるか否かを特定するものであってもよい。ボーナス確定報知済であるか否かは、サブ制御部91側においてボーナス当選を確定報知してから当該ボーナス入賞するまでの間に操作手順情報を受信したときにのみ当該操作手順を特定可能なナビ演出を実行することにより特定可能となる。また、強スイカ用連続演出中であるか否かは、サブ制御部91側においてボ強スイカ用連続演出を開始してから終了するまでの間に操作手順情報を受信したときにのみ当該操作手順を特定可能なナビ演出を実行することにより特定可能となる。
[天井到達間近か否かの特定方法について]
前述した実施例においては、天井到達間近か否かを、図28〜図31で示したように、メイン制御部41側により決定された操作手順と実際に操作された操作手順とが合致するか否かにより特定する例について説明したが、特定方法についてはこれに限るものではない。たとえば、前述した実施例におけるスロットマシン1では、メイン制御部41側においてボーナス当選したことを特定することができ、さらに、非AT中においては左リール2Lを第1停止させることを推奨していることから非AT中においてRT1やRT2に制御されない。この点に着目して、メイン制御部41においては、1ゲーム消化する毎に1カウントし、ボーナス当選したとき、あるいはRT1・RT2に制御されたときに当該カウントをリセット(0クリア)する処理を行ない、当該カウントされた値がたとえば970に到達することにより天井直前フラグを設定するようにしてもよい。
[ボーナス用連続演出実行中においてフリーズ発生]
前述した実施例においては、ボーナス用連続演出実行中においてフリーズ演出が発生し得るが、この場合には、フリーズ演出発生によりボーナス当選が確定報知されるため、当該フリーズ演出が発生したゲームにおいて、ボーナス用連続演出のバトル結果を報知してボーナス用連続演出を終了するようにしてもよい。また、ボーナス用連続演出実行中においてフリーズ演出が発生しないように、フリーズ演出の実行を禁止するようにしてもよい。
[有利度および特典について]
前述した実施例においては、遊技者にとって有利度が高い例として、ATに制御可能にするゲーム数を特定するためのナビストックの付与確率が高いことや期待できる付与数が多いことを例示した。しかし、遊技者にとって有利度が高いとは、ナビストックの有無あるいは付与数に限らず、たとえば、ATに制御可能なゲーム数を決定し、当該決定されたゲーム数消化するまでATに制御する場合、ATに制御可能にするゲーム数そのものが多いことであってもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数が多いことであってもよい。
また、前述した実施例では、特典としてナビストックなどメダルの払出率に直接影響を及ぼすものを付与する例について説明した。しかし、特典は、遊技者にとっての有利度を向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的には、たとえば、サブ制御部91がAT抽選の当選確率に高い高確率状態と当選確率の低い低確率状態とに制御可能なスロットマシンにおいては高確率状態であるか否かを示唆するための示唆演出の実行すること、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出を実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)すること、所定の達成条件を提示して所定期間内に達成することにより価値を付与するミッション演出を実行すること、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行すること、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与すること、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能なQRコード(登録商標)を液晶表示器51において表示することなどであってもよい。
[遅延制御中の演出について]
フリーズを発生させている期間、すなわちゲーム開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅らせている期間において実行する演出として、リールを変動(回転)させることによりリール演出制御を行なうようにしてもよい。フリーズ中におけるリール演出制御とは、たとえば、変動(回転)する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせ(白7の3つ揃い)が一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させる演出を行なう制御などをいう。フリーズ発生契機(ボーナス当選、強チェリー当選)が成立したときに、このようなリール演出制御を実行するか否かを決定し、リール演出制御を実行すると決定したときに、フリーズを発生させてリール演出制御を行なうようにしてもよい。
また、フリーズを発生させている期間におけるリール演出制御を行なって、変動が停止した状態または規定速度とは異なる速度で識別情報(図柄)を移動させる状態のいずれか一方の状態である特定状態(停止状態ともいう)とする前後において、以下に示す制御を行なうものであってもよい。なお、以下の例におけるスロットマシンの構成は、前述した実施例と同一の構成を含むため、以下の例では異なる点について主に説明する。
(i) 例1
フリーズを発生させるゲームの開始後、リール演出制御の前に初期位置検出制御を行なう。初期位置検出制御とは、停止している3つのリールを、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する制御である。なお、初期位置検出制御では、全てのリールの基準位置にて各リール同士の相対的な位置関係が特定できることから、リール演出制御では、ここで特定した各リール同士の相対的な位置関係に基づいて各リールの制御を行なうようになっている。また、初期位置検出制御では、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係だけでなく、リール基準位置が検出されるまでのステップ数を計数することにより、3つのリールの回転開始時における初期位置も特定されるようになっている。
また、例1では、全てのリールの基準位置を確実に検出するために、初期位置検出制御にて停止している3つのリールを、1回転同期回転させる制御を行なっており、この際、1つのリールでも基準位置を検出できない場合には、リールに異常が生じていると判断してエラー制御を行なうようになっている。
次いで、メインCPU41aは、初期位置検出制御の後、リール演出制御を行なう。リール演出制御では、リールの回転を維持しつつ、対応する図柄(たとえば白7)が一直線上に並ぶように各リール同士の相対的な位置関係を制御する。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御の後、初期位置復帰制御を行なう。初期位置復帰制御では、リールの回転を維持しつつ、初期位置検出制御にて特定したリール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係となるように各リール同士の相対的な位置関係を制御する。
次いで、メインCPU41aは、初期位置復帰制御の後、初期位置報知制御を行なう。初期位置報知制御では、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知し、その後、初期位置関係のまま再度リールの回転を開始する。
そして、メインCPU41aは、初期位置報知制御の後、リールの回転速度を加速させ、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
また、サブCPU91aは、フリーズ期間において初期位置検出制御、リール演出制御、初期位置復帰制御、初期位置報知制御にそれぞれ合わせて、リールLED55の点灯/消灯制御を行なうことにより、リールの視認性を変化させる制御を行なう。これら初期位置検出制御、リール演出制御、初期位置復帰制御、初期位置報知制御に合わせたリールLED55の点灯/消灯制御は、前述したリール演出コマンドから、リールの回転開始時における各リール同士の相対位置関係である初期位置関係を特定し、特定した初期位置関係から各リールの表示位置を特定し、特定した表示位置に応じて行なわれるようになっている。
このような構成によれば、ゲームの開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅延させているフリーズ期間において、3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係(「白7」が一直線上に並ぶ位置関係)となるように制御するリール演出制御が行なわれるため、フリーズ期間におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
なお、例1では、複数の可変表示領域同士の前記識別情報の相対的な位置関係が特定位置関係となるように前記複数の可変表示領域の変動制御を行なう特殊変動制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させるリール演出制御を適用しているが、例えば、「白7」が並んだ状態で上下に移動しつつ表示させるリール演出制御、「白7」が並んだ状態が透視窓3に対応する位置で停止させる制御、停止はしないものの「白7」が並んだ状態が透視窓3に対応する位置を通過する場合に、他の図柄が通過するよりも遅い速度で回転させる制御を適用してもよい。この点については、以下説明する例2〜9についても同様である。
また、上記のように3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係、例えば「白7−白7−白7」の並びとなるリール演出制御を行なった後、そのままの位置関係でリールの停止操作を有効とすると、遊技者が適当に連続してトップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合、最初に停止操作を行なったタイミングが偶然、「白7」の引込範囲であれば、他のリールの停止操作のタイミングも「白7」の引込範囲となる可能性が高くなり、リール演出制御を行なわなかった場合、すなわち3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係ではない場合に、遊技者が適当に連続してトップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合に比較して、「白7−白7−白7」が揃う可能性が高まってしまうこととなる。このように、リール演出制御を行なうことにより、リール同士の相対的な位置関係と、リールの停止操作との間に一定の規則性が生まれることによってリールの停止操作の技術介入の度合いが変化してしまう虞がある。
これに対して、例1では、前回のゲームにおける各リールの停止位置をRAM41cのワーク領域などに保持しておくことがなく、リール演出制御を行なう場合には、ゲーム開始後、リール演出制御を行なう前に、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する初期位置検出制御を行なうとともに、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、初期位置関係、すなわちリールの回転開始時における相対的な位置関係に戻すようになっており、「白7」が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出制御を行なった場合であっても、このようなリール演出制御を行なわなかった場合であっても、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、各リール同士の相対的な位置関係が、前回のゲームのリール停止時と同じ位置関係、すなわち規則性のない位置関係に戻されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例1では、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、初期位置関係に戻すだけでなく、初期位置関係に戻した後、初期位置関係に戻った旨を示唆する制御、すなわちリール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知する制御を行なうようになっており、各リール同士の位置関係がリール演出制御によって何らかの図柄が一直線上に揃った位置関係のままではなく、初期位置関係に戻ったことを遊技者に対して知らせることができ、何らかの図柄が一直線上に揃った位置関係であると誤解してストップスイッチ8L、8C、8Rによりリールの停止操作が行なわれてしまうことを防止できる。
尚、例1では、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させることにより、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知するようになっているが、少なくとも初期位置に戻った旨が遊技者に報知される構成であればよく、例えば、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま通常よりもゆっくりと1回転以上同期回転させることにより、初期位置に戻った旨を遊技者に報知する構成、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置が通過する際に、該当する停止位置の通過に合わせて該当するエリアをリールLED55で照射することにより、初期位置に戻った旨を遊技者に報知する構成などでも、上記と同様の効果を得られる。
また、例1では、リール演出制御を行なうにあたり、ゲーム開始後、まず、停止している3つのリールを、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する初期位置検出制御を行なうことにより、リール演出制御によって各リール同士の位置関係が変更される前の初期位置関係を特定するようになっており、リール演出制御の終了後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時の位置関係に確実に戻すことができる。
これにより、例えば、前回のゲームでリールが脱調した場合や遊技場側でリールの位置を手動で移動させた場合など、メインCPU41aが前回のゲームにおけるリール停止時において特定した各リールの位置と、実際の各リールの位置と、が異なる場合であっても、リール演出制御の終了後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時の位置関係に戻すことが可能となる。
また、例1では、リール演出制御を行なう場合に初期位置検出制御を行なって初期位置関係を特定しているので、前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持しておく必要がなく、RAM41cのワーク領域として必要な領域を節約することができる。
尚、例1では、前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持しない構成であるが、前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持する構成としてもよく、このような構成とすることで、例えば、前回のゲームにおける各リールの停止位置から特定される位置関係と、初期位置検出制御により特定された初期位置関係と、を比較し、これらが一致しない場合に、リールの脱調などが生じていることを検出することが可能となる。そして、前回のゲームにおける各リールの停止位置から特定される位置関係と、初期位置検出制御により特定された初期位置関係と、を比較した結果、不一致が判定された場合にエラー状態に制御することにより、脱調などの不具合が生じていることを容易に特定することが可能となる。また、前回のゲームにおける各リールの停止位置から特定される位置関係と、初期位置検出制御により特定された初期位置関係と、を比較した結果、不一致が判定された場合に、常にエラー状態に制御するものに限られず、例えば、連続して不一致が判定された場合や、一定割合以上で不一致が判定された場合のみエラー状態に制御するようにしてもよく、このようにすることで、たまたま脱調が起きただけで、頻繁に発生するわけではないのに、エラー状態に制御され、遊技が中断してしまうことを防止できる。
尚、上述のように前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持して、前回のゲームにおける各リールの停止位置から特定される位置関係と、初期位置検出制御により特定された初期位置関係と、を比較する場合には、少なくとも初期位置検出制御が初期位置関係を特定し、該初期位置関係と比較するまで前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持する構成であればよく、その後は保持されない構成としてもよいし、ゲーム終了時まで保持する構成としてもよい。また、初期位置検出制御(リール演出制御)を行なわない旨が確定したときは、その時点以降、ゲーム終了時の各リールの停止位置やその位置関係を保持しない構成としてもよい。また、例1のように前回のゲームにおいてリール演出制御(フリーズ状態)を行なうか否かを決定する構成においては、次ゲームにおいてリール演出制御(フリーズ状態)を行なうと決定された場合のみ、ゲーム終了時の各リールの停止位置やその位置関係を、少なくとも初期位置検出制御が初期位置関係を特定し、該初期位置関係と比較するまで保持する構成であればよい。
また、フリーズ期間においてリール演出制御を行なうとともに、これに伴いリールLED55の点灯/消灯制御を行なうことによりリールの視認性を変更させる演出を行ない、リール演出制御に伴うリールの変動態様による演出効果を高めることができるうえに、リール演出制御の後の初期位置報知制御において初期位置関係に戻ったことを遊技者に対して効果的に知らせることができる。
また、リールLED55の点灯/消灯制御によりリールの視認性を変更させる演出は、フリーズ期間、すなわちストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化されるまでの期間においてのみ行なわれ、ストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効となった後、全てのリールが停止するまでは、全ての領域に対応するリールLED55が点灯状態で維持され、リールの視認性が変化しないようになっており、ストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度を変化させることなく、リールの視認性を変化させる演出を行なうことが可能となる。
(ii) 例2
例1では、リール演出制御を行なう前に、停止している3つのリールを、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する初期位置検出制御を行なうのに対して、例2では、初期位置検出制御を行なわず、前回のゲームの終了時における各リールの停止位置が次回ゲームの終了時まで保持されるようになっており、この前回ゲームの終了時における各リールの停止位置から初期位置関係を特定するようになっている。
例2においてメインCPU41aは、図34に示すように、フリーズ状態に制御する場合に、ゲームの開始後、直ちにリール演出制御を開始する。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御の後、図34に示すように、初期位置復帰制御を行なう。初期位置復帰制御では、リールの回転を維持しつつ、前回のゲームの終了時における各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係となるように各リール同士の相対的な位置関係を制御する。例2では、前述のように前回のゲームの終了時における各リールの停止位置が次回ゲームの終了時まで保持されるようになっており、この前回ゲームの終了時における各リールの停止位置から、初期位置関係を特定できるようになっている。
次いで、メインCPU41aは、初期位置復帰制御の後、図34に示すように、初期位置報知制御を行なう。初期位置報知制御では、前回のゲームの終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、前回のゲームの終了時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知し、その後、初期位置関係のまま再度リールの回転を開始する。
そして、メインCPU41aは、初期位置報知制御の後、リールの回転速度を加速させ、図34に示すように、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
また、例2においてサブCPU91aは、フリーズ期間においてリール演出制御、初期位置復帰制御、初期位置報知制御にそれぞれ合わせて、リールLED55の点灯/消灯制御を行なうことにより、リールの視認性を変化させる制御を行なう。これらリール演出制御、初期位置復帰制御、初期位置報知制御に合わせたリールLED55の点灯/消灯制御は、前述したリール停止コマンドから、各リール停止時における各リールの表示位置を特定し、特定した表示位置に応じて行なわれるようになっている。
リール演出制御中においては、リールの回転に合わせて順次上段の図柄に対応する領域からリールLED55を消灯する制御を行なうとともに、リール演出制御にて揃い得る図柄、すなわち「白7」の通過に合わせて、当該図柄が通過する領域のリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行ない、制御パターンに対応する図柄が一直線上に並ぶ位置関係となった後、当該一直線上に並んだ図柄の通過に合わせて、当該図柄が通過する領域のリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行なう。例えば、「白7」が一直線上に揃った状態であれば、「白7」の通過に合わせて、当該「白7」が通過する領域を点灯させ、それ以外の領域を消灯させることにより、揃っている図柄を強調するようにリールの視認性を変化させる。
次いで、初期位置復帰制御中においては、一旦、全ての領域のリールLED55を消灯した後、各リール同士の相対的な位置関係が初期位置関係に戻った時点で、前回のゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置となる3つの連続する図柄の通過に合わせてリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行なう。
次いで、初期位置報知制御では、前回のゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置が一旦停止した時点で全ての領域のリールLED55を点滅表示させることで、前回のゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置に戻ったことを強調する。次いで、リールの回転が再度開始した時点で、全ての領域のリールLED55を点灯状態とし、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化され、全てのリールが停止操作に伴って停止するまでは、全ての領域のリールLED55の点灯状態を維持するようになっている。
以上説明したように例2のスロットマシンでは、ゲーム終了時の各リールの停止位置を次回ゲームの終了時まで保持しておくとともに、リール演出制御を行なう場合には、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、初期位置関係、すなわち前回ゲーム終了時の各リールの停止位置から特定される前回のゲーム終了時における相対的な位置関係に戻すようになっており、「白7」が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出制御を行なった場合であっても、このようなリール演出制御を行なわなかった場合であっても、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、各リール同士の相対的な位置関係が、前回のゲームのリール停止時と同じ位置関係、すなわち規則性のない位置関係に戻されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例2では、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、初期位置関係に戻すだけでなく、初期位置関係に戻した後、初期位置関係に戻った旨を示唆する制御、すなわち前回ゲーム終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、前回ゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知する制御を行なうようになっており、各リール同士の位置関係がリール演出制御によって何らかの図柄が一直線上に揃った位置関係のままではなく、初期位置関係に戻ったことを遊技者に対して知らせることができ、何らかの図柄が一直線上に揃った位置関係であると誤解してストップスイッチ8L、8C、8Rによりリールの停止操作が行なわれてしまうことを防止できる。
尚、例2では、前回ゲーム終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、前回ゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させることにより、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知するようになっているが、少なくとも初期位置に戻った旨が遊技者に報知される構成であればよく、例えば、前回ゲーム終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま通常よりもゆっくりと1回転以上同期回転させることにより、初期位置に戻った旨を遊技者に報知する構成、前回ゲーム終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、前回ゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置が通過する際に、該当する停止位置の通過に合わせて該当するエリアをリールLED55で照射することにより、初期位置に戻った旨を遊技者に報知する構成などでも、上記と同様の効果を得られる。
また、例2では、ゲーム終了時の各リールの停止位置を次回ゲームの終了時まで保持しておくことにより、前回ゲーム終了時の各リールの停止位置が特定可能となり、前回ゲーム終了時の各リールの停止位置から、リール演出制御によって各リール同士の位置関係が変更される前の初期位置関係を特定するようになっており、ゲーム開始後、その時点の各リール同士の位置関係を検出する制御を行なうことなく、すなわち全てのリールにおいて基準位置が検出されるのを待つまでもなく、直ちにリール演出制御を開始することができる。
尚、例2では、ゲーム終了時の各リールの停止位置を次回ゲームの終了時まで保持しているが、少なくともリール演出制御の終了後、初期位置復帰制御が行なわれるまで保持される構成であればよく、その後は保持されない構成としてもよい。また、リール演出制御を行なわない旨が確定したときは、その時点以降、ゲーム終了時の各リールの停止位置を保持しない構成としてもよい。また、例2のように前回のゲームにおいてリール演出制御(フリーズ状態)を行なうか否かを決定する構成においては、次ゲームにおいてリール演出制御を行なうと決定された場合のみ、ゲーム終了時の各リールの停止位置を、少なくともリール演出制御の終了後、初期位置復帰制御が行なわれるまで保持する構成であればよい。
(iii) 例3
例1では、メインCPU41aは、リール演出制御の後、初期位置復帰制御を行なう構成であったのに対して、例3では、初期位置復帰制御ではなく、リール演出制御の後、各リールの相対的な位置関係がランダムとなるようにこれらの位置関係を変更する位置関係変更制御を行なう。このため、例3では、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する必要はなく、例1のようにリール演出制御を行なう前に、初期位置検出制御を行なったり、例2のように各リールの停止位置が次回ゲームの終了時まで保持されることもない。
例3においてメインCPU41aは、図35に示すように、フリーズ状態に制御する場合に、ゲームの開始後、直ちにリール演出制御を開始する。また、フリーズ抽選に当選した場合には、それと同時、すなわちリール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後の位置関係変更制御によって変更する位置関係がランダムとなるようにその位置関係を決定する位置関係決定処理を行なう。
位置関係決定処理では、各リール毎に現在の位置に対する変更量を0、1、2、3、4図柄の範囲でランダムに決定する変更量決定抽選をそれぞれ行なう。
図36に示すように、変更量決定抽選では、左リール、中リール、右リールに対してそれぞれ更新範囲の総数が異なる乱数を用いて抽選が行なわれる。詳しくは、左リールの変更量を決定する抽選では、0〜996の範囲で更新される乱数が用いられ、中リールの変更量を決定する抽選では、0〜997の範囲で更新される乱数が用いられ、右リールの変更量を決定する抽選では、0〜998の範囲で更新される乱数が用いられる。
これらの乱数は、ともにタイマ割込処理(メイン)が行なわれる毎に更新されるソフト乱数を用いているが、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、乱数同士の更新周期が同期し難いようになっている。
一方、図37に示すように、変更量決定抽選では、いずれのリールにおいても変更量として0〜4図柄がほぼ均等な割合で当選するようになっているが、前述のように乱数同士の更新周期が同期しない構成であるため、各リールの変更量として同じ変更量が決定され難い構成となる。
また、それぞれの乱数の総数である997、998、999が同期することとなる最小公倍数は、994010994であり、例3では、それぞれの乱数がタイマ割込処理(メイン)毎に更新され、その間隔が0.56msであり、1秒間に約1786回更新されるので、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのは、約154.6時間後であり、遊技店の営業時間は、通常13時間程度なので、1日の間に同じ乱数の組み合わせが抽出されて変更量決定抽選が行なわれることはなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの変更量の組み合わせとして同じ変更量の組み合わせが決定され難い構成となる。
そしてメインCPU41aは、それぞれの変更量決定抽選を行なうことにより、これら3つのリールの相対的な位置関係を決定する。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御を行なうとともに、その後、図35に示すように、変更量決定抽選の結果に基づいて各リールの相対的な位置関係を変更する位置関係変更制御を行なう。位置関係変更制御では、リールの回転を維持しつつ、まず、左リールと他のリールとの位置関係とが左リールの変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、左リールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す。次いで、中リールと他のリールとの位置関係とが中リールの変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、中リールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す。最後に、右リールと他のリールとの位置関係とが右リールの変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、右リールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す。これにより、各リール同士の位置関係がランダムな位置関係となる。
そして、メインCPU41aは、位置関係変更制御により各リール同士の位置関係をランダムな位置関係とした後、全てのリールの回転速度を加速させ、図35に示すように、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
また、例3においてサブCPU91aは、フリーズ期間においてリール演出制御、位置関係変更制御にそれぞれ合わせて、リールLED55の点灯/消灯制御を行なうことにより、リールの視認性を変化させる制御を行なう。これらリール演出制御、位置関係変更制御に合わせたリールLED55の点灯/消灯制御は、前述したリール停止コマンドから、各リール停止時における各リールの表示位置を特定し、特定した表示位置に応じて行なわれるようになっている。
リール演出制御中においては、リールの回転に合わせて順次上段の図柄に対応する領域からリールLED55を消灯する制御を行なうとともに、リール演出制御にて揃い得る図柄、たとえば「白7」の通過に合わせて、当該図柄が通過する領域のリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行ない、制御パターンに対応する図柄が一直線上に並ぶ位置関係となった後、当該一直線上に並んだ図柄の通過に合わせて、当該図柄が通過する領域のリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行なう。例えば、「白7」が一直線上に揃った状態であれば、「白7」の通過に合わせて、当該「白7」が通過する領域を点灯させ、それ以外の領域を消灯させることにより、揃っている図柄を強調するようにリールの視認性を変化させる。
次いで、位置関係変更制御中においては、一旦、全ての領域のリールLED55を消灯した後、各リールの相対的な位置関係がランダムな位置関係となった時点で、全ての領域のリールLED55を点灯状態とし、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化され、全てのリールが停止操作に伴って停止するまでは、全ての領域のリールLED55の点灯状態を維持するようになっている。
以上説明したように例3のスロットマシンでは、リール演出制御を行なう場合には、各リール同士の相対的な位置関係がランダムとなるようにその位置関係を決定し、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、リール演出制御の前に決定されたランダムな位置関係に変更するようになっており、「白7」が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出制御を行なった場合であっても、このようなリール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、各リール同士の相対的な位置関係がランダムな位置関係、すなわち規則性のない位置関係に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例3では、ゲーム終了時の各リール同士の位置関係とは関係なく、リール演出制御の後、各リール同士の相対的な位置関係をランダムな位置関係に変更することで、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない構成であるので、ゲーム開始後、その時点の各リール同士の位置関係を検出する制御を行なうことなく、すなわち全てのリールにおいて基準位置が検出されるのを待つまでもなく、直ちにリール演出制御を開始することができる。
また、例3では、リール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後の位置関係変更制御によって変更する位置関係がランダムとなるようにその位置関係を決定する位置関係決定処理を行なうようになっており、フリーズ抽選、すなわちリール演出制御を行なうか否かを決定するための処理と位置関係決定処理とを、リール演出制御を挟まずに連続して行なうことが可能となり、処理の流れが簡素化できるとともに、リール演出制御の終了後、直ちに位置関係変更制御に移行させることができる。
尚、例3では、リール演出制御を開始する前の段階で位置関係決定処理を行なう構成であるが、図38に示すように、リール演出制御の後に、位置関係決定処理を行ない、その結果に基づいて位置関係変更制御を行なう構成でもよく、このような構成とすることで、リール演出制御の期間にわたり、位置関係変更制御にて用いる各リール同士の相対的な位置関係を特定するデータを保持しておく必要が無く、例えば、リール演出制御の期間中に電断した場合などにおいても、電断復帰まで保持しておくデータ量を軽減することができる。
また、例3のように、位置関係決定処理において各リール毎に現在の位置に対する変更量を決定する変更量決定抽選を行なう構成であれば、相対的な位置関係を変更するリールの変更量決定抽選を行ない、直ちに当該リールの位置関係変更制御(変更量決定抽選にて当選した変更量だけずらす制御)を行なう制御を、各リール毎に順番に行なう構成としてもよく、このような構成とすることで、位置関係変更制御にて位置を変更するリール以外のリールについての変更量を保持せずに済むこととなる。
また、例3では、リール演出制御の後、一のリールと他のリールとの位置関係とが変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、一のリールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す制御により、リール同士の相対的な位置関係を変更する構成であるが、変更量決定抽選にて図柄数ではなく、複数の異なる変更時間からいずれかの変更時間を決定し、一のリールと他のリールとの位置関係とが変更量決定抽選にて当選した変更時間が経過するまで、一のリールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す制御により、リール同士の相対的な位置関係を変更する構成としてもよい。
また、リール演出制御の後、一のリールの加速を開始するとともに、一のリールと他のリールとの位置関係とが変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、他のリールの加速の開始を遅らせることによりリール同士の相対的な位置関係を変更する構成としてもよい。さらには、変更量決定抽選にて図柄数ではなく、複数の異なる変更時間からいずれかの変更時間を決定し、一のリールの加速を開始するとともに、一のリールと他のリールとの位置関係とが変更量決定抽選にて当選した変更時間が経過するまで、他のリールの加速の開始を遅らせることによりリール同士の相対的な位置関係を変更する構成としてもよい。
また、例3では、各リール毎に現在の位置に対する変更量を0、1、2、3、4図柄の範囲でランダムに決定する変更量決定抽選をそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係が決定されるようになっており、それぞれのリールの位置関係との関連性がより不規則なものとなり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化された際の各リール同士の相対的な位置関係をより不規則なものにできる。
また、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、それぞれの乱数同士の更新周期が、それぞれの乱数の総数の最小公倍数となるまで同期することがなく、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける変更量をよりばらつかせることができる。これにより、「白7」が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出制御を行なった場合であっても、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化された際にリール演出制御における位置関係が維持されてしまうことを極力回避できる。
尚、例3では、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、各リールの変更量として同じ変更量が決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、それぞれの乱数毎に、1周期毎に開始値がランダムに変更されるようにした乱数を用いたり、各リールの変更量決定抽選を行なうタイミングをずらすことにより、各リールの変更量として同じ変更量が決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることで、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける変更量をよりばらつかせることができるだけでなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの変更量の組み合わせとして同じ変更量の組み合わせが決定される割合を下げることもできるので、リール演出制御が行なわれる毎に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。
また、例3では、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに、一般的な遊技店の営業時間よりも長い時間を要する構成であり、同じ遊技者が同じ日に遊技を行ない、2回以上リール演出制御が行なわれた場合であっても、リール演出制御後の位置関係が同じ位置関係となることがないようになっている。また、リール演出制御を行なうにあたり、変更量決定抽選を行なう際に、前回の同じ乱数の組み合わせが抽出されること自体がごく希な現象であるため、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに1ゲームを超える時間を要するもの、すなわち1ゲームの間に2回以上3つの乱数が同期することのない構成であれば、リール演出制御が行なわれる毎に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。
尚、例3では、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの変更量の組み合わせとして同じ変更量の組み合わせが決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、リール演出制御を行なう毎に変更量決定抽選を行なうタイミングをずらすこと(例えば、リール演出制御前に変更量決定抽選を行なった場合には、次回リール演出制御を行なう場合に、リール演出制御後に変更量決定抽選を行なうなど)により、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの変更量の組み合わせとして同じ変更量の組み合わせが決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、例3の変更量決定抽選では、各リール毎に現在の位置に対する変更量が引込範囲に対応する0、1、2、3、4図柄の範囲でランダムに決定される構成であるが、変更量の範囲は、上記で例示した0、1、2、3、4図柄の範囲に限るものではなく、それ以上の範囲を適用してもよいし、それよりも少ない範囲、例えば、0〜1図柄に対して割り当てられた範囲を適用してもよい。また、前述のように変更量決定抽選で、変更時間を決定する場合に決定される範囲も、図柄数の場合と同様に任意に選択可能である。
また、例3では、各リール毎に現在の位置に対する変更量をランダムに決定する変更量決定抽選をそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係が決定される構成であるが、いずれか一のリールに対する他のリールの位置関係を残りのリール毎にランダムに決定する抽選を行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係が決定される構成としてもよい。
また、予め異なるように複数定められた各リール同士の相対的な位置関係からいずれか位置関係をランダムに選択する位置関係決定抽選を行ない、選択された位置関係を、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係として決定する構成としてもよい。例えば、図39に示すように、左リールを基準とした場合の中リールの図柄単位毎の相対的位置、左リール及び中リールを基準とした場合の右リールの図柄単位毎の相対的位置を定めておくとともに、これらの位置関係からいずれか一の位置関係を位置関係決定抽選により決定すればよい。このように予め異なるように複数定められた各リール同士の相対的な位置関係からいずれか位置関係をランダムに選択する位置関係決定抽選を行ない、選択された位置関係を、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係として決定する構成とすることで、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じてしまうことを防止できる。
(iv) 例4
前述した例1では、リール演出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させる制御を行なう構成であったが、例4では、リール演出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させるとともに、同一図柄の組み合わせが透視窓3に表示される範囲で、所定時間にわたり上下にうねるように各リールを移動させる制御を行なうようになっている。
次いで、メインCPU41aは、例1と同様に初期位置検出制御を行なった後、リール演出制御を行なう。リール演出制御では、リールの回転を維持しつつ、対応する図柄が一直線上に並ぶように各リール同士の相対的な位置関係を制御するとともに、対応する図柄が一直線上に並んだ後、これらの図柄が透視窓3に対応する領域まで移動した時点で、透視窓3に表示される範囲で、上下にうねるように各リールを移動させる制御を所定時間にわたり行なう。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御の後、例1と同様に初期位置復帰制御を行なう。初期位置復帰制御では、リールを回転させつつ、初期位置検出制御にて特定したリール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係となるように各リール同士の相対的な位置関係を制御する。
次いで、メインCPU41aは、例1と同様に、初期位置復帰制御の後、初期位置報知制御を行なう。初期位置報知制御では、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知し、その後、初期位置関係のまま再度リールの回転を開始する。
そして、メインCPU41aは、初期位置報知制御の後、リールの回転速度を加速させ、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
以上説明したように、例4のスロットマシンでは、ゲームの開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅延させているフリーズ期間において、たとえば「白7」の図柄が並んだ状態で、これら図柄を所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御が行なわれるため、フリーズ期間におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
また、上記のように所定時間にわたり特定の図柄を表示領域内に表示させるリール演出制御を行なった場合、特定の図柄が表示されている状態からの回転開始後、遊技者が引き込むことを望む図柄の引込範囲までのタイミングを把握しておくことで、リールの変動態様からタイミングをはからずとも、遊技者の望む図柄の引込範囲で停止操作を行なうことが可能となり、リール演出制御を行なわなかった場合、すなわち特定の図柄が表示領域内に表示されていない状態で、リールが回転を開始した場合に比較して、遊技者の望む図柄を狙った操作が容易となってしまうこととなる。このように、リール演出制御を行なうことにより、特定の図柄が表示された状態からリールの回転が開始することと、リールの停止操作との間に一定の規則性が生まれることによってリールの停止操作の技術介入の度合いが変化してしまう虞がある。
これに対して例4では、3つのリールの回転開始時における初期位置を特定する初期位置検出制御を行なうとともに、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時に各リールに停止していた初期位置に各リールを戻すようになっており、たとえば「白7」が並んだ状態を所定時間にわたり表示させるリール演出制御を行なった場合であっても、このようなリール演出制御を行なわなかった場合であっても、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、各リールの停止位置が、前回のゲームのリール停止時と同じ停止位置、すなわち規則性のない停止位置に戻されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
尚、例4では、可変表示領域に特定の識別情報を表示させる特殊変動制御として、たとえば「白7」が並んだ状態で所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御、すなわち所定時間にわたり特定の図柄を表示領域内で移動させつつ表示させる制御を適用しているが、例えば、特定の図柄を所定時間にわたり透視窓3に対応する位置で停止させる制御や、停止はしないものの特定の図柄が透視窓3に対応する位置を通過する場合に、他の図柄が通過するよりも遅い速度で回転させる制御を適用してもよい。
また、例4では、リール演出制御を行なう前に、停止している3つのリールを、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における初期位置を特定する初期位置検出制御を行ない、この初期位置検出制御に基づいて特定された初期位置に基づいて、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時に各リールに停止していた初期位置に各リールを戻す制御を行なう構成であったが、例2と同様に、初期位置検出制御を行なわず、前回のゲームの終了時における各リールの停止位置を次回ゲームの終了時まで保持し、保持されている各リールの停止位置に基づいてリール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時に各リールに停止していた初期位置に各リールを戻す制御を行なう構成としてもよい。
また、例4では、複数のリールを備える構成であるが、1つのリールのみを備える構成において、特定の図柄が所定期間にわたり表示されるリール演出制御を行なった場合であっても、その後、ストップスイッチの操作が有効化される前に、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置に各リールを戻す制御を行なう構成とすることで、リール演出制御を行なった場合であっても、リール演出制御を行なわなかった場合であっても、その後、ストップスイッチの操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
(v) 例5
例3では、リール演出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させる制御を行なう構成であったが、例5では、例4と同様にリール演出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させるとともに、同一図柄の組み合わせが透視窓3に表示される範囲で、所定時間にわたり上下にうねるように各リールを移動させる制御を行なうようになっている。
例5においてメインCPU41aは、図40に示すように、フリーズ状態に制御する場合に、ゲームの開始後、直ちにリール演出制御を開始する。また、フリーズ抽選に当選した場合には、それと同時、すなわちリール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後、定速回転となるまでの加速制御に要する加速時間をリール毎にランダムに決定する加速時間決定処理を行なう。
加速時間決定処理では、各リールの加速時間をT(最短加速時間)+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msの範囲でランダムに決定する加速時間決定抽選をそれぞれ行なう。例5において停止操作が有効となる定速回転時においてリールが1図柄移動するのに約38ms要する構成であることから、これらいずれかの加速時間が選択されることにより、定速回転となった時点で、最大で4図柄分のずれが生じることとなる。
加速時間決定抽選では、左リール、中リール、右リールに対してそれぞれ更新範囲の総数が異なる乱数を用いて抽選が行なわれる。詳しくは、変更量決定抽選と同様に、左リールの加速時間を決定する抽選では、0〜996の範囲で更新される乱数が用いられ、中リールの加速時間を決定する抽選では、0〜997の範囲で更新される乱数が用いられ、右リールの加速時間を決定する抽選では、0〜998の範囲で更新される乱数が用いられる。
これらの乱数は、ともにタイマ割込処理(メイン)が行なわれる毎に更新されるソフト乱数を用いているが、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、乱数同士の更新周期が同期し難いようになっている。
一方、変更量決定抽選と同様に、加速時間決定抽選では、いずれのリールにおいても加速時間としてT+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msがほぼ均等な割合で当選するようになっているが、前述のように乱数同士の更新周期が同期しない構成であるため、各リールの加速時間として同じ加速時間が決定され難い構成となる。
また、変更量決定抽選と同様に、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのは、約154.6時間後であり、遊技店の営業時間は、通常13時間程度なので、1日の間に同じ乱数の組み合わせが抽出されて変更量決定抽選が行なわれることはなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定され難い構成となる。
そしてメインCPU41aは、それぞれの加速時間決定抽選を行なうことにより、これら3つのリールの加速時間を決定する。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御を行なうとともに、その後、図40に示すように、加速時間決定抽選の結果に基づいて各リールを定速回転となるまで加速させる加速制御を行なう。加速制御では、各リールの加速を開始させた後、各リール毎に決定された加速時間にて定速回転に到達するように各リールを加速させる制御が行なわれる。
これにより、各リール同士で、定速回転に到達するタイミングがランダムとなり、さらにリール演出制御において揃っていた各リール同士の位置関係もランダムな位置関係となる。
そして、メインCPU41aは、加速制御により全てのリールが定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
以上説明したように例5のスロットマシンでは、ゲームの開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅延させているフリーズ期間において、たとえば「白7」の図柄が並んだ状態で、これら図柄を所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御が行なわれるため、フリーズ期間におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
また、例5では、リール演出制御により「白7」の図柄が並んだ状態でこれらの図柄が表示された場合に、その後、定速回転となるまでの加速時間をランダムに変更することで、リールの加速開始時点からの経過時間により引込範囲を超える図柄を引き込めるタイミングを予測することが困難となるので、「白7」が並んだ状態を所定時間にわたり表示させるリール演出制御を行なった場合でも、このようなリール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、リールの加速開始後、定速回転となるまでの加速時間がランダムに、すなわち規則性のない加速時間に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
尚、例5では、可変表示領域に特定の識別情報を表示させる特殊変動制御として、「白7」が並んだ状態で所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御、すなわち所定時間にわたり特定の図柄を表示領域内で移動させつつ表示させる制御を適用しているが、例えば、特定の図柄を所定時間にわたり透視窓3に対応する位置で停止させる制御や、停止はしないものの特定の図柄が透視窓3に対応する位置を通過する場合に、他の図柄が通過するよりも遅い速度で回転させる制御を適用してもよい。
また、例5では、リール演出制御により「白7」の図柄が並んだ状態でこれらの図柄が表示された場合に、その後、定速回転となるまでの加速時間を各リール毎にランダムに変更する構成であり、定速回転に到達するタイミングだけでなく、リール演出制御において揃っていた各リール同士の位置関係もランダムな位置関係となる構成であるが、ランダムに決定された一の加速時間を全てのリールの加速時間として適用する構成としてもよく、このような構成であっても、リールの加速開始時点からの経過時間によって、引込範囲を超える図柄を引き込めるタイミングを予測することが困難となるので、リール演出制御を行なった場合であっても、リール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、リールの加速開始後、定速回転となるまでの加速時間がランダムに、すなわち規則性のない加速時間に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例5では、複数のリールを備える構成であるが、1つのリールのみを備える構成において、特定の図柄が所定期間にわたり表示されるリール演出制御を行なった場合であっても、その後、リールの加速を開始し、定速回転となるまでの加速時間をランダムに変更する構成とすることで、リールの加速開始時点からの経過時間によって、引込範囲を超える図柄を引き込めるタイミングを予測することが困難となるので、リール演出制御を行なった場合であっても、リール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチの操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、リールの加速開始後、定速回転となるまでの加速時間がランダムに、すなわち規則性のない加速時間に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例5では、ゲーム終了時の各リール同士の位置関係とは関係なく、リール演出制御の後、各リールの加速時間をランダムに変更することで、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない構成であるので、ゲーム開始後、その時点の各リール同士の位置関係を検出する制御を行なうことなく、すなわち全てのリールにおいて基準位置が検出されるのを待つまでもなく、直ちにリール演出制御を開始することができる。
また、例5では、リール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後の加速制御に適用する加速時間をランダムに決定する加速時間決定処理を行なうようになっており、フリーズ抽選、すなわちリール演出制御を行なうか否かを決定するための処理と加速時間決定処理とを、リール演出制御を挟まずに連続して行なうことが可能となり、処理の流れが簡素化できるとともに、リール演出制御の終了後、直ちに加速制御に移行させることができる。
尚、例5では、リール演出制御を開始する前の段階で加速時間決定処理を行なう構成であるが、リール演出制御の後に、加速時間決定処理を行ない、その結果に基づいて加速制御を行なう構成でもよく、このような構成とすることで、リール演出制御の期間にわたり、加速制御にて用いる各リールの加速時間を特定するデータを保持しておく必要が無く、例えば、リール演出制御の期間中に電断した場合などにおいても、電断復帰まで保持しておくデータ量を軽減することができる。
また、例5では、各リールの加速時間をランダムに決定する変更量決定抽選をリール毎にそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールのそれぞれの加速時間が決定されるようになっており、それぞれのリールの加速時間との関連性がより不規則なものとなり、加速を開始してから定速回転となるまでの時間をより不規則なものにできる。
また、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、それぞれの乱数同士の更新周期が、それぞれの乱数の総数の最小公倍数となるまで同期することがなく、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける加速時間をよりばらつかせることができる。
尚、例5では、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、各リールの加速時間として同じ加速時間が決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、それぞれの乱数毎に、1周期毎に開始値がランダムに変更されるようにした乱数を用いたり、各リールの加速時間決定抽選を行なうタイミングをずらすことにより、各リールの加速時間として同じ加速時間が決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることで、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける加速時間をよりばらつかせることができるだけでなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定される割合を下げることもできるので、リール演出制御が行なわれる毎に、リール演出制御後、加速を開始して定速回転となるまでの加速時間に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の各リール毎の加速時間の組み合わせが同じ組み合わせとなりやすくなることを防止できる。
また、例5では、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに、一般的な遊技店の営業時間よりも長い時間を要する構成であり、同じ遊技者が同じ日に遊技を行ない、2回以上リール演出制御が行なわれた場合であっても、リール演出制御後の加速時間の組み合わせが同じ組み合わせとなることがないようになっている。また、リール演出制御を行なうにあたり、加速時間決定抽選を行なう際に、前回の同じ乱数の組み合わせが抽出されること自体がごく希な現象であるため、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに1ゲームを超える時間を要するもの、すなわち1ゲームの間に2回以上3つの乱数が同期することのない構成であれば、リール演出制御が行なわれる毎に、リール演出制御後、加速を開始して定速回転となるまでの加速時間に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の各リール毎の加速時間の組み合わせが同じ組み合わせとなりやすくなることを防止できる。
尚、例5では、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、リール演出制御を行なう毎に加速時間決定抽選を行なうタイミングをずらすこと(例えば、リール演出制御前に加速時間決定抽選を行なった場合には、次回リール演出制御を行なう場合に、リール演出制御後に加速時間決定抽選を行なうなど)により、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、例5の加速時間決定抽選では、各リール毎に加速時間が引込範囲に対応する0、1、2、3、4図柄分のずれを生じるT+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msの範囲でランダムに決定される構成であるが、加速時間の範囲は、上記で例示したT+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msの範囲に限るものではなく、それ以上の範囲を適用してもよいし、それよりも少ない範囲、例えば、0〜38msに対して割り当てられた範囲を適用してもよい。
また、例5では、各リール毎に加速時間をランダムに決定する加速時間決定抽選をそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの加速時間が決定される構成であるが、いずれか一のリールの加速時間に対する他のリールの加速時間の差分をランダムに決定する抽選を行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの加速時間が決定される構成としてもよい。
また、予め異なるように複数定められた各リールの加速時間の組み合わせからいずれかの組み合わせをランダムに選択する加速時間組み合わせ決定抽選を行ない、選択された加速時間の組み合わせに基づいて、リール演出制御後の、これら3つのリールの加速制御を行なう構成としてもよく、このような構成とすることで、リール演出制御の後、複数のリール毎の加速時間に偏りが生じてしまうことを防止できる。
(vi) 例6
図41は、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出制御の終了後にメイン制御部41が実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。例6におけるリール演出制御とは、たとえば、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させる制御(同一図柄の組み合わせが透視窓3に表示される範囲で、所定時間にわたり上下にうねるように各リールを移動させる制御を含む)などをいう。なお、以下に示す例7〜例9におけるリール演出制御についても例6と同様である。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S1)、全てのリールが停止するまで待機する。例6では、リール演出制御が終了した後に全てのリールが停止した状態に制御される。S1ではこのような状態に制御されているか否かが判定される。この点は、以下に示す例7〜例9におけるリール演出後加速処理においても同様である。
S1のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S2)。図42に示すように、左遅延用乱数値(Lr)は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に0〜996(総数997)の範囲で1ずつ加算更新される左遅延用乱数カウンタから抽出され、中遅延用乱数値(Cr)は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に0〜997(総数998)の範囲で1ずつ加算更新される中遅延用乱数カウンタから抽出され、右遅延用乱数値(Rr)は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に0〜998(総数999)の範囲で1ずつ加算更新される左遅延用乱数カウンタから抽出される。
次いで、S2のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)をそれぞれ算出し、RAM507に設定する(S3)。
詳しくは、図43に示すように、左リール用タイマ値(Lt)は、左遅延用乱数値(Lr)を21で除して余った値であり、中リール用タイマ値(Ct)は、中遅延用乱数値(Cr)を21で除して余った値であり、右リール用タイマ値(Rt)は、右遅延用乱数値(Rr)を21で除して余った値であり、いずれも0〜20の値となる。
次いで、S3のステップにおいて設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをシリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送し、サブ制御部91に送信する(S4)。
リール遅延コマンドとは、フリーズ状態において実行されるリール演出制御が行なわれた後、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能なコマンドである。より詳しくは、各リールの遅延時間を特定可能な左、中、右リール用タイマ値が格納され、サブ制御部91側で、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能なコマンドであり、リール演出後、最初に回転を開始する左リールの回転開始前に送信される。なお、この例では、フリーズコマンドとは別個にリール遅延コマンドを出力する例について説明するが、これに限らず、たとえば、フリーズを開始するまでに、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを決定し、これらの情報を含むフリーズコマンドをフリーズを開始するときに出力するように構成してもよい。なお、リール遅延コマンドについては、以下に示す例7〜例9においても例6と同様に適用するものとする。
リール遅延コマンドを受信したことに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S5)、左リールの加速が完了したか否か、すなわち左リールが定速回転となったか否かを判定する(S6)。
ここで、リールが定速回転となったか否かの判断方法について説明する。メイン制御部41がリールを回転開始するにあたり、リールモータのステップ幅が異なる複数の制御状態を段階的に切り替えることによりリールを加速する制御行ない、最終的に定速回転時のステップ幅の制御状態に到達後、このステップ幅を維持する制御を行なうこととなる。この際、メイン制御部41は、各段階の制御状態を示す制御フラグがRAM507に設定され、当該制御フラグを参照することで、制御状態を切り替える。そして、リールが定速回転となったか否かは、定速回転時のステップ幅の制御状態を示す制御フラグが設定されているか否かにより判定し、当該制御フラグが設定されている場合にリールが定速回転となったと判定することとなる。
尚、リールが定速回転となったか否かの判断方法はこれに限らず、例えば、リールの基準位置が検出されてから次回基準位置が検出されるまでの時間を計測し、この計測した時間が規定回数以上、定速回転時の時間と一致することで、リールが定速回転となったと判定する構成、すなわち物理的にリールの速度を検出し、定速回転となったか否かを判定する構成としてもよい。
S6のステップにおいて左リールの加速が完了したと判定された後、RAM507に割り当てられた遅延用タイマカウンタにS3のステップにおいて設定された左リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S7)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S8)。
S8のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S9)、中リールの加速が完了したか否か、すなわち中リールが定速回転となったか否かを判定する(S10)。
遅延用タイマカウンタ値は、約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、((左リール用タイマ値×60)×0.56)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように左リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例6では、約33.6ms要することとなるので、左リールの加速完了後、0〜リール1周するまでのタイミングで中リールの回転が開始することとなる。
S10のステップにおいて中リールの加速が完了したと判定された後、遅延用タイマカウンタにS3のステップにおいて設定された中リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S11)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S12)。
S12のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S13)、右リールの加速が完了したか否か、すなわち右リールが定速回転となったか否かを判定する(S14)。
前述のように遅延用タイマカウンタ値は、約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎に1ずつ減算されることとなり、((中リール用タイマ値×60)/0.56)msの時間が計時されることとなり、中リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例6では、約33.6ms要することとなるので、中リールの加速完了後、0〜リール1周するまでのタイミングで右リールの回転が開始することとなる。
S14のステップにおいて右リールの加速が完了したと判定された後、遅延用タイマカウンタにS3のステップにおいて設定された右リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S15)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S16)。
S16のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S17)、リール演出後加速処理を終了する。
前述のように遅延用タイマカウンタ値は、約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎に1ずつ減算されることとなり、((右リール用タイマ値×60)/0.56)msの時間が計時されることとなり、右リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例6では、約33.6ms要することとなるので、右リールの加速完了後、0〜リール1周するまでのタイミングでリールの停止操作が有効となる。
フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図45に示すように、全てのリールが停止している状態から左リールの回転を開始し、定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、右リールの回転を開始し、定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例6では、ゲームの開始後、停止操作の有効化を遅延させているフリーズ状態において、3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係、すなわち「白7−白7−白7」の組み合わせが一直線上に並ぶ位置関係となるように制御するリール演出制御が行なわれるため、フリーズ状態におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
尚、例6では、複数の可変表示領域を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように前記複数の可変表示領域の変動制御を行なう特殊変動制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを停止させるリール演出制御を適用しているが、このような演出に限るものではなく、単に3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に並んだ状態で同期回転させるだけの演出を適用してもよい。また、同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うものだけでなく、異なる図柄の組み合わせであるが、透視窓に表示されている図柄を用いて遊技者が特定の役の当選やナビストックの当選などを示唆することが可能な表示態様(例えば、リーチ目やチャンス目など)を停止させたり、その状態で同期回転させる演出を適用してもよい。
また、上記のように3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係、例えば「白7−白7−白7」の並びとなるリール演出制御を行なった後、そのままの位置関係でリールの停止操作を有効とすると、遊技者が適当に連続してトップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合、最初に停止操作を行なったタイミングが偶然、「白7」の引込範囲であれば、他のリールの停止操作のタイミングも「白7」の引込範囲となる可能性が高くなり、リール演出制御を行なわなかった場合、すなわち3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係ではない場合に、遊技者が適当に連続してトップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合に比較して、「白7−白7−白7」が揃う可能性が高まってしまうこととなる。このように、リール演出制御を行なうことにより、リール同士の相対的な位置関係と、リールの停止操作との間に一定の規則性が生まれることによってリールの停止操作の技術介入の度合いが変化してしまう虞がある。
これに対して、例6では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、その後一のリールが回転を開始した後、次のリールが回転を開始するまでの時間がランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、最初に回転を開始する左リールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例6では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例6では、最後に回転が開始する右リールの加速完了後、右リールに対する遅延時間が経過した後に、停止操作が有効となる構成であるが、最後に回転が開始する右リールの加速完了後、すぐに停止操作を有効とした場合でも、3つのリールの相対的位置関係はランダムな位置関係となるので、この時点で停止操作を有効化する構成としてもよい。
また、例6では、左リール、中リール、右リールの順番で回転を開始する構成であるが、予め定められた他の順番でリールの回転を開始する構成としてもよいし、リール回転開始順が変化する構成でもよい。
また、例6では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングで全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例6では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例6では、一のリールの加速が完了した後、次のリールの回転を開始するまでに遅延時間を設定しているため、各リールに対して遅延時間を計時するためのカウンタをRAM507に割り当てる必要がなく、全てのリールに対して共通の遅延用タイマカウンタを割り当てるのみで各リールに対する遅延時間を計時することが可能となる。特に、例6のよう0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎にカウンタ値を減算することで計時する構成においては、最大でリールが1周する時間の遅延時間を設定する場合に、リール用タイマ値の最大値(20)×60=1260を格納可能な11ビットの領域、実質的には2バイトの領域が必要であり、各リール毎に設けると、実質的には6バイトの領域が必要となるが、例6のように、左、中、右リール用タイマ値の領域としてそれぞれ1バイトずつ割り当てたとしても、共通の遅延用タイマカウンタの領域と合わせて4バイトの領域で済むこととなる。
尚、例6はこれに限らず、各リール毎に遅延用タイマカウンタが割り当てられる構成であってもよい。
また、例6では、1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数である60とリール用タイマ値を乗算した値を遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算することで遅延時間を計時するようになっているので、遅延時間の計時についてタイマ割込処理(メイン)の実行回数毎に異なる処理を行なう必要がなく、遅延時間の計時に関してタイマ割込処理(メイン)の回数に対して分岐を設けることなく、処理を共通化することができる。
尚、1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数/N(Nは自然数、かつ1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数を割り切れる値)とリール用タイマ値を乗算した値を遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)がN回実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算することで遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とすることで、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、遅延用タイマカウンタに割り当てるRAM507の容量も削減することができる。
さらにタイマ割込処理(メイン)がM(1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数)回実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算することで遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とすることで、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、遅延用タイマカウンタに割り当てるRAM507の容量をさらに削減することができる。
また、例6では、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値を設定するための左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)が、それぞれ更新範囲の異なる左遅延用乱数カウンタ、中遅延用乱数カウンタ、右遅延用乱数カウンタを用いて抽出しているので、それぞれのリールについて更新範囲が同じ周期の乱数カウンタを用いた場合に比較して、各リールに対応する遅延時間をよりばらつかせることができる。これにより、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことを極力回避できる。
また、これらの乱数カウンタとして、ともにタイマ割込処理(メイン)が行なわれる毎に更新されるソフト乱数カウンタを用いているが、それぞれの更新範囲の総数が、互いに素の関係となる乱数カウンタを用いているため、それぞれの乱数カウンタ同士の更新周期が、それぞれの乱数カウンタの更新範囲の総数の最小公倍数となるまで同期することがなく、同じ周期の乱数カウンタを用いた場合に比較して、リール演出が行なわれる毎に、停止操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。これにより、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことをより確実に回避できる。
また、それぞれの乱数カウンタの総数である997、998、999が同期することとなる最小公倍数は、994010994であり、例6では、それぞれの乱数がタイマ割込処理(メイン)毎に更新され、その間隔が0.56msであり、1秒間に約1786回更新されるので、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのは、約154.6時間後であり、遊技店の営業時間は、通常13時間程度なので、1日の間に同じ乱数の組み合わせが抽出されて左、中、右リールタイマ値が算出されることがない。
すなわち一度同期した後に次回3つの乱数カウンタの値が同期するのに、一般的な遊技店の営業時間よりも長い時間を要する構成であり、同じ遊技者が同じ日に遊技を行ない、2回以上リール演出が行なわれた場合であっても、リール演出後の位置関係が同じ位置関係となることがないようになっている。また、リール演出を行なうにあたり、左、中、右リールタイマ値を設定する際に、前回の同じ乱数の組み合わせが抽出されること自体がごく希な現象であるため、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに1ゲームを超える時間を要するもの、すなわち1ゲームの間に2回以上3つの乱数が同期することのない構成であれば、リール演出が行なわれる毎に、停止操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。これにより、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことをさらに確実に回避できる。
尚、例6では、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値を設定するための左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)が、それぞれ更新範囲の異なる左遅延用乱数カウンタ、中遅延用乱数カウンタ、右遅延用乱数カウンタを用いて抽出する構成であるが、少なくとも更新範囲または更新規則が異なる乱数カウンタを用いる構成であれば上記と同様に、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことを極力回避できる。
以下に、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値として、更新規則の異なる乱数カウンタの値を用いた例を図44に基づいて説明する。
この例では、RAM507に今回の左リール用タイマ値LT、前回の左リール用タイマ値bLT、今回の中リール用タイマ値CT、前回の中リール用タイマ値bCT、今回の右リール用タイマ値RT、前回の右リール用タイマ値bRTがそれぞれ割り当てられている。そして、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、図44に示す演算がされ、上記の値がそれぞれ更新されるようになっている。
詳しくは、まず、LTの値を、bLTの値に13(予め定められた素数であればよい)を加算し、加算後の値を21で除して余った値に更新する。次いで、CTの値を、bCTの値にLTの値を加算し、加算後の値を21で除して余った値に更新する。次いで、RTの値を、bRTの値にCTの値を加算し、加算後の値を21で除して余った値に更新する。
そして、メイン制御部41は、リール演出後加速処理を行なうにあたり、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値を抽出し、これら抽出した値をそれぞれ遅延させる時点で遅延用タイマカウンタに設定する。
この例においては、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値が、それぞれ更新規則の異なる乱数カウンタを用いて抽出されるので、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことを極力回避できる。
また、乱数カウンタの値が0〜20となり、そのまま左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値として用いることが可能となるので、値の算出または加工に係る負荷を軽減できる。
(vii) 例7
図46は、例7においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後に実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S101)、全てのリールが停止するまで待機する。
S101のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S102)。
次いで、S102のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)をそれぞれ算出し、RAM507に設定する(S103)。
次いで、S103のステップにおいて設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをシリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送し、サブ制御部91に送信する(S104)。これに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、RAM507に割り当てられた遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された左リール用タイマ値に60を乗算した値にさらに240を加算した値を設定し(S105)、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S106)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S107)。
ここで、左リール用タイマ値に60を乗算した値に加算される240は、リールの回転開始後、定速回転となるまで、すなわち加速が完了されるまでに実行されるタイマ割込処理(メイン)の実行回数であり、S107のステップでは、リールの加速時間と左リール用タイマ値に基づく遅延時間を合わせた時間が経過するまで待機することとなる。
S107のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された中リール用タイマ値に60を乗算した値にさらに240を加算した値を設定し(S108)、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S109)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S110)。すなわちリールの加速時間と中リール用タイマ値に基づく遅延時間を合わせた時間が経過するまで待機することとなる。
S110のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された右リール用タイマ値に60を乗算した値にさらに240を加算した値を設定し(S111)、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S112)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S113)。すなわちリールの加速時間と右リール用タイマ値に基づく遅延時間を合わせた時間が経過するまで待機することとなる。
S113のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S114)、リール演出後加速処理を終了する。
例7では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図47に示すように、全てのリールが停止している状態から左リールの回転を開始し、左リールの回転が開始した時点から左リールが定速回転となるまでの加速時間と0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×60×0.56ms)とを合算した時間が経過した時点で、中リールの回転を開始し、中リールの回転が開始した時点から中リールが定速回転となるまでの加速時間と定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×60×0.56ms)とを合算した時間が経過した時点で、右リールの回転を開始し、右リールの回転が開始した時点から右リールが定速回転となるまでの加速時間と定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×60×0.56ms)とを合算した時間が経過した時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例7では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、その後一のリールが回転を開始した後、次のリールが回転を開始するまでの時間がランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、最初に回転を開始する左リールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例7では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例7では、最後に回転が開始する右リールの回転が開始した後、右リールの加速時間と右リールに対する遅延時間の合算値が経過した後に、停止操作が有効となる構成であるが、最後に回転が開始する右リールの加速時間経過後、すぐに停止操作を有効とした場合でも、3つのリールの相対的位置関係はランダムな位置関係となるので、この時点で停止操作を有効化する構成としてもよい。
また、例7では、左リール、中リール、右リールの順番で回転を開始する構成であるが、予め定められた他の順番でリールの回転を開始する構成としてもよいし、リール回転開始順が変化する構成でもよい。
また、例7では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングで全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例7では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例7では、一のリールに対する加速時間と遅延時間の計時が完了した後、次のリールに対する加速時間と遅延時間を設定しているため、各リールに対して加速時間と遅延時間を計時するためのカウンタをRAM507に割り当てる必要がなく、全てのリールに対して共通の遅延用タイマカウンタを割り当てるのみで各リールに対する加速時間と遅延時間を計時することが可能となる。特に、例7のよう0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎にカウンタ値を減算することで計時する構成においては、最大でリールが1周する時間の遅延時間にさらに加速時間を合算した時間を設定する場合に、リール用タイマ値の最大値(20)×60+240=1500を格納可能な11ビットの領域、実質的には2バイトの領域が必要であり、各リール毎に設けると、実質的には6バイトの領域が必要となるが、例7のように、左、中、右リール用タイマ値の領域としてそれぞれ1バイトずつ割り当てたとしても、共通の遅延用タイマカウンタの領域と合わせて4バイトの領域で済むこととなる。
尚、例7はこれに限らず、各リール毎に遅延用タイマカウンタが割り当てられる構成であってもよい。
(viii) 例8
図48は、例8においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後に実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S201)、全てのリールが停止するまで待機する。
S201のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S202)。
次いで、S202のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)をそれぞれ算出し、RAM507に設定する(S203)。
次いで、S203のステップにおいて設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをシリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送し、サブ制御部91に送信する(S204)。これに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、RAM507に割り当てられた遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された左リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S205)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S206)。
S206のステップでは、左リール用タイマ値に基づく遅延時間が経過するまで待機することとなる。
S206のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S207)、遅延用タイマカウンタにS203のステップにおいて設定された中リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S208)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S209)。すなわち中リール用タイマ値に基づく遅延時間が経過するまで待機することとなる。
S209のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S210)、遅延用タイマカウンタにS203のステップにおいて設定された右リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S211)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S212)。すなわち右リール用タイマ値に基づく遅延時間が経過するまで待機することとなる。
S212のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S213)、右リールが定速回転となるまで、すなわち右リールの加速が完了するまで待機し(S214)、右リールの加速が完了した後、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S215)、リール演出後加速処理を終了する。
例8では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図49に示すように、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、左リールの回転を開始し、左リールの回転が開始した時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、中リールの回転が開始した時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した後、右リールが定速回転となった時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例8では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、その後一のリールが回転を開始した後、次のリールが回転を開始するまでの時間がランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、最初に回転を開始する左リールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例8では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例8では、最初に回転が開始する左リールの回転が開始する前に遅延時間を設定し、遅延時間が経過した後に左リールが回転を開始する構成であるが、最初に回転を開始するリールの回転開始前に遅延時間を設けない構成とした場合でも、3つのリールの相対的位置関係はランダムな位置関係となるので、最初に回転を開始するリールの回転開始前に遅延時間を設けず直ちに回転を開始する構成としてもよい。
また、例8では、左リール、中リール、右リールの順番で回転を開始する構成であるが、予め定められた他の順番でリールの回転を開始する構成としてもよいし、リール回転開始順が変化する構成でもよい。
また、例8では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階詳しくは、左リールの遅延時間の計時前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングで全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例8では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例8では、一のリールに対する遅延時間の計時が完了した後、次のリールに対する遅延時間を設定しているため、各リールに対して遅延時間を計時するためのカウンタをRAM507に割り当てる必要がなく、全てのリールに対して共通の遅延用タイマカウンタを割り当てるのみで各リールに対する遅延時間を計時することが可能となる。特に、例8のよう0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎にカウンタ値を減算することで計時する構成においては、最大でリールが1周する時間の遅延時間を設定する場合に、リール用タイマ値の最大値(20)×60=1260を格納可能な11ビットの領域、実質的には2バイトの領域が必要であり、各リール毎に設けると、実質的には6バイトの領域が必要となるが、例8のように、左、中、右リール用タイマ値の領域としてそれぞれ1バイトずつ割り当てたとしても、共通の遅延用タイマカウンタの領域と合わせて4バイトの領域で済むこととなる。
尚、例8はこれに限らず、各リール毎に遅延用タイマカウンタが割り当てられる構成であってもよい。
(ix) 例9
図50は、例9においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後に実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S301)、全てのリールが停止するまで待機する。
S301のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S302)。
次いで、S302のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)を算出し、RAM507に割り当てられた左遅延用タイマカウンタに設定し(S303)、S302のステップにおいて抽出された中遅延用乱数値(Cr)に基づいて中リール用タイマ値(Ct)を算出し、RAM507に割り当てられた中遅延用タイマカウンタに設定し(S304)、S302のステップにおいて抽出された右遅延用乱数値(Rr)に基づいて右リール用タイマ値(Rt)を算出し、RAM507に割り当てられた右遅延用タイマカウンタに設定する(S305)。
次いで、S303、S304、S305のステップにおいてそれぞれ設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをシリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送し、サブ制御部91に送信する(S306)。これに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、左リールが回転開始しているか否かを判定し(S307)、左リールが回転開始していればS310のステップに進む。一方、左リールが回転開始していない場合には、左遅延用タイマカウンタの値が0か否かを判定する(S308)。
S308のステップにおいて左遅延用タイマカウンタの値が0でなければS310のステップに進む。一方、左遅延用タイマカウンタの値が0であれば、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S309)、S310のステップに進む。
ここで、左遅延用タイマカウンタ値、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタは、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、左遅延用タイマカウンタにより(左リール用タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように左リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例9では、約33.6ms要することとなるので、リール演出後に全てのリールが一旦停止した後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで左リールの回転が開始することとなる。
S310のステップでは、中リールが回転開始しているか否かを判定し、中リールが回転開始していればS313のステップに進む。一方、中リールが回転開始していない場合には、中遅延用タイマカウンタの値が0か否かを判定する(S311)。
S311のステップにおいて中遅延用タイマカウンタの値が0でなければS313のステップに進む。一方、中遅延用タイマカウンタの値が0であれば、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S312)、S313のステップに進む。
ここで、前述のように左遅延用タイマカウンタ値、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタは、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、中遅延用タイマカウンタにより(左リール用タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように中リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例9では、約33.6ms要することとなるので、リール演出後に全てのリールが一旦停止した後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで中リールの回転が開始することとなる。
S313のステップでは、右リールが回転開始しているか否かを判定し、右リールが回転開始していればS316のステップに進む。一方、右リールが回転開始していない場合には、右遅延用タイマカウンタの値が0か否かを判定する(S314)。
S314のステップにおいて右遅延用タイマカウンタの値が0でなければS316のステップに進む。一方、右遅延用タイマカウンタの値が0であれば、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S315)、S316のステップに進む。
ここで、前述のように左遅延用タイマカウンタ値、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタは、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、右遅延用タイマカウンタにより(右リール用タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように右リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例9では、約33.6ms要することとなるので、リール演出後に全てのリールが一旦停止した後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで右リールの回転が開始することとなる。
S316のステップでは、全てのリールが回転開始しているか否かを判定し、いずれか1つのリールでも回転開始していないリールがあればS307のステップに戻り、全てのリールが回転開始していればS317のステップに進み、全てのリールの加速が完了するまで待機する。
S317のステップにおいて全てのリールの加速が完了すると、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S318)、リール演出後加速処理を終了する。
例9では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図51に示すように、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した時点で、左リールの回転を開始し、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した後、中リールの回転を開始し、全てのリールが定速回転となった時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例9では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、それぞれのリールが回転するまでの時間が、それぞれのリール毎にランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、いずれかのリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例9では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例9では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、それぞれランダムに変化する左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を決定し、決定した左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、それぞれランダムに変化する左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を決定し、決定した左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングでそれぞれランダムに変化する左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を決定し、決定した左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例9では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例9では、タイマ割込処理(メイン)がM(1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数)回実行される毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタを1ずつ減算することで遅延時間を計時するようになっているので、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに割り当てるRAM507の容量も削減することができる。
尚、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値それぞれに1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数/N(Nは自然数、かつ1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数を割り切れる値)を乗算した値を左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)がN回実行される毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタを1ずつ減算することでそれぞれの遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とした場合でも、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに割り当てるRAM507の容量も削減することができる。
また、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値それぞれに1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数を乗算した値を左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタを1ずつ減算することで遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とすることで、遅延時間の計時についてタイマ割込処理(メイン)の実行回数毎に異なる処理を行なう必要がなく、遅延時間の計時に関してタイマ割込処理(メイン)の回数に対して分岐を設けることなく、処理を共通化することができる。
以上、例1〜例9を説明したが、フリーズを発生させている期間におけるリール演出制御はこれらの例に限定されるものではなく、各例で示した発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、他の例と同一もしくは類似する構成については、他の例で説明したものと同様の効果を有するものである。また、他の例において例示した変形例についても各例について適用可能である。
また、前記した例および実施例では、可変表示装置として外周に複数種の図柄が配列されたリールを回転させることにより図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される構成であるが、リールに替えて外周に複数種の図柄が配列されたベルトを移動させることにより図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される可変表示装置を適用してもよい。さらに液晶表示器などの画像表示装置に、図柄画像などの識別情報を所定の順番で周期的に移動させる画像を表示させることで表示画面上に識別情報が連続的に変化しつつ表示される可変表示装置を適用してもよい。
[遊技機について]
前述した実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
また、前述した実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
また、本発明を具現化する遊技機としては、前述したようなスロットマシンに限定されるものではなく、遊技者が所定の遊技を行なうことが可能である遊技機であればよい。遊技機としては、たとえば、所定の遊技領域に遊技媒体(たとえばパチンコ球)を打ち込み、該打ち込まれた遊技媒体が遊技領域に設けられた始動領域(たとえば始動口)を通過(入賞)することにより、可変表示装置における表示状態を変化させることが可能となり、当該可変表示装置の表示結果が特定表示結果(たとえば大当り図柄の組合せ)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大入賞口を所定の態様で開放させる当り状態)に制御するパチンコ遊技機、あるいは封入された遊技媒体を用いる封入式パチンコ遊技機であってもよい。
このような遊技機においては、当りの種類として、たとえば以下の4種類が設けられている。
i)大入賞口を短い時間(たとえば0.1秒)に亘り少ない回数(たとえば2回)開放する小当り(以下、「小当り」ともいう)
ii)小当りと同じ態様で大入賞口を開放させた後、大当り状態に制御すると決定される確率が向上した確率変動状態(以下、「確変」ともいう)への制御を伴なう大当り(以下、「突確大当り」ともいう)
iii)大入賞口を長い時間(たとえば20秒)に亘り多い回数(たとえば16回)開放する大当り(以下、「通常大当り」ともいう)
iv)通常大当たりと同じ態様で大入賞口を開放させた後、確変への制御を伴なう大当り(以下、「確変大当り」ともいう)
上記の当りの遊技者にとっての有利度を比較すると、図52(a)で示す関係となる。
また、上記の遊技機においては、打ち込まれた遊技媒体が遊技領域に設けられた始動領域を通過したときに当りにするか否かおよび当りにする場合にどの種類にするかが事前に決定され、当該決定結果に基づき、当りになっているか、あるいはどの種類の当りであるかを事前に報知する予告演出が行なわれる。たとえば、突確大当りにすると決定されたときには、突確大当り予告演出(たとえば、液晶表示器などの「突確だ!」といったメッセージを表示など)を実行可能であり、また、通常大当りにすると決定されたときには、通常大当り予告演出(たとえば、液晶表示器などの「通常大当りだ!」といったメッセージを表示など)を実行可能であり、また、確変大当りにすると決定されたときには、確変大当り予告演出(たとえば、液晶表示器などの「確変大当りだ!」といったメッセージを表示など)を実行可能である。
このような遊技機においては、たとえば、確変大当り中であり、当該大当りが終了した後には次回大当り発生まで確変に制御されることが示唆されているときに、通常大当り予告演出が実行されてしまうと、大当り終了後に制御される確変が即座終了してしまうことが示唆され、その結果、当該通常大当り予告演出が実行されずに当該大当りが終了した後における確変よりも有利度が低くなる旨が示唆されてしまう。よって、本発明をパチンコ遊技機などに適用する場合には、たとえば、図52(b)に示すように、少なくとも確変大当り中における特定タイミングにおいては、通常大当り予告演出の実行を禁止するように構成すればよい。また、確変大当りが終了した後においても、確変に制御されることによる有利性を所定度合い以上遊技者に提供するまでの期間(たとえば、200回変動表示するまでなど)においては、通常大当り予告演出の実行を禁止するように構成してもよい。
また、大当りの確率状態が確変中ではない非確変中において、突確大当り予告演出が実行されると、大当り終了後に確変に制御されるため遊技者にとっての有利度が高いといえる一方、すでに確変中であるときに突確大当り予告演出が実行されたとしても、大当り終了後においても確変が維持されるため遊技者にとっての有利度に変化がない。すなわち、突確大当り予告演出は、非確変中に実行されたときよりも確変中に実行されたときの方が遊技者にとっての有利度が低くなる演出である。よって、本発明をパチンコ遊技機などに適用する場合には、たとえば、図52(c)に示すように、確率状態が非確変中であるときには、突確大当り予告演出を実行可能とし、確率状態が確変中であるときには、突確大当り予告演出の実行を禁止するように構成すればよい。
このように構成することにより、通常大当り予告演出や突確大当り予告演出が実行されることにより、遊技者に対して不満感を抱かせてしまうことを極力防止しつつ、予告演出に応じた特典が付与されることへの期待感を向上させることができる。
[外形が同一および/または類似の識別情報について]
前述した実施例においては、「リプa」および「リプb」を用いて外形が同一および/または類似の識別情報について説明したが、図53に示すようにスイカ図柄を用いて外形が同一および/または類似の識別情報について説明することもできる。図53は、スイカ図柄を例にしたときの同一および/または類似の図柄について説明するための図である。図53には、本実施例におけるスイカ図柄を一の識別情報としたときに、他の識別情報と比較したときの外形が同一、類似、または非類似の判定結果を示している。
図53(x)には、一の識別情報としてスイカ図柄を示しており、これと同一、類似、および非類似となる他の識別情報を図53(a)〜(j)に示している。まず、図53(a)、(b)を用いて一の識別情報と外形が同一の識別情報について説明する。
図53(a)に示すように、一の識別情報と外形が同じで全体の色や模様が異なる点で相違する他の識別情報は、一の識別情報と外形が同一の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄と外形が同じで全体の色や模様が異なるスイカ図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が同一の図柄である。
図53(b)に示すように、一の識別情報と外形が同じで一部の色や模様が異なる点で相違する他の識別情報は、一の識別情報と外形が同一の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄と外形が同じで一部の色や模様が異なるスイカ図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が同一の図柄である。
次に、図53(c)〜(i)を用いて一の識別情報と外形が類似の識別情報について説明する。
図53(c)に示すように、一の識別情報と大きさのみが異なる点で相違する他の識別情報は、一の識別情報と外形が類似の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄と大きさのみが異なるスイカ図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が類似の図柄である。
図53(d)に示すように、一の識別情報と外形が同一の識別情報が複数からなる点で相違する他の識別情報は、一の識別情報と外形が類似の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄と外形が同一のスイカ図柄が複数重なるようなスイカ図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が類似の図柄である。
図53(e1)、(e2)に示すように、一の識別情報にキャラクタが付加されている点で相違する他の識別情報は、一の識別情報と外形が類似の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄の果肉の上の部分にキャラクタがついたスイカ図柄や、本実施例におけるスイカ図柄の果肉の下の部分にキャラクタがついたスイカ図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が類似の図柄である。
図53(f)に示すように、一の識別情報と向きが異なる点で相違するものの一の識別情報と観念的に同じものを想起させる他の識別情報は、一の識別情報と外形が類似の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄と向きが異なるスイカ図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が類似の図柄である。
図53(g)に示すように、一の識別情報の一部が欠けている点で相違するが全体としての外形が同じになる他の識別情報は、一の識別情報と外形が類似の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄の果肉の一部分が欠けているが全体として外形が同じになるスイカ図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が類似の図柄である。
図53(h1)、(h2)に示すように、一の識別情報の一部が隆起している点で相違するが全体としての外形が同じになる他の識別情報は、一の識別情報と外形が類似の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄の果肉の一部分が隆起しているが全体として外形が同じになるスイカ図柄や、スイカ図柄の果肉の一部分の形状が異なるが全体として外形が同じになるスイカ図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が類似の図柄である。
図53(i)に示すように、一の識別情報と観念的に同じものを想起させる他の識別情報は、一の識別情報と外形が類似の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄のように約1/4にカットされているスイカ図柄ではなく約1/2にカットされている点(カットが異なる点)で相違するスイカ図柄であっても、同じ「スイカ」を観念的に想起させるようなスイカ図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が類似の図柄である。
また、一の識別情報と図53(c)〜(i)で示した相違点が複数の点で相違する識別情報であっても、一の識別情報と観念的に同じ識別情報であると認識できる識別情報であれば、一の識別情報と外形が類似の識別情報となる。たとえば、図53(c)で示した点と、図53(d)で示した点とにおいて相違するスイカ図柄であっても、本実施例におけるスイカ図柄と外形が類似の図柄といえる。
次に、図53(j)を用いて一の識別情報と外形が非類似の識別情報について説明する。
図53(j)に示すように、図53(a)、(b)で説明した一の識別情報と外形が同一の識別情報や図53(c)〜(i)で説明した一の識別情報と外形が類似の識別情報以外の他の識別情報は、一の識別情報と外形が非類似の識別情報となる。たとえば、本実施例におけるスイカ図柄と外形が全く異なるベル図柄は、本実施例におけるスイカ図柄と外形が非類似の図柄である。
なお、図53では、図53(x)に示す一の識別情報と図53(a)(b)に示す他の識別情報とが同一であり、図53(x)に示す一の識別情報と図53(c)〜(i)に示す他の識別情報とが類似の関係にある点について説明したが、図53(a)〜(i)のうち一の識別情報と他の識別情報とも同一または類似の関係にあるといえる。すなわち、図53(x)および(a)〜(j)に示す識別情報はそれぞれの外形が互いに同一または類似の関係にある識別情報群である。
[RT2からRT3への移行条件について]
前述した実施例においては、RT2において移行出目が停止することによりRT3に移行される例について説明した。しかし、RT2からRT3への移行条件は、たとえば、所定ゲーム数消化で成立するものであってもよく、また、特定役(たとえば転落リプ)の入賞発生で成立するものであってもよい。
[特定組合せについて]
前述した実施例においては、図20(c)のLM4上に導出される特定組合せとして、図20(c)のLM4上に導出される「リプb−リプa−リプa」を用いて説明した。つまり、本実施例では、特定組合せとして、外形が同一および類似の図柄のみから構成される組合せを用いて説明するとともに、その一例として「リプb−リプa−リプa」であることを説明した。しかしながら、外形が同一および類似の図柄のみから構成される特定組合せとしては、その他の図柄組合せであってもよい。また、特定組合せとしては、外形が同一または類似の図柄のみから構成される特定組合せであってもよい。
たとえば、外形が同一および類似の図柄のみから構成される特定組合せとしては、「リプb−リプa−リプb」、「リプb−リプb−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、もしくは「リプa−リプb−リプa」などであってもよい。つまり、特定組合せを構成するそれぞれの図柄が同一または類似するとともに、すべての図柄が同一の図柄にならない組合せであればよい。
また、外形が同一または類似の図柄のみから構成される特定組合せとしては、「リプa−リプa−リプa」または「リプb−リプb−リプb」などであってもよい。つまり、特定組合せを構成するそれぞれの図柄が、類似する関係にある「リプa」または「リプb」のうちいずれかのみから構成されるものであればよい。
また、前述した実施例においては、図20(c)に示すように、入賞ラインLN上にリプ5「ベル−リプa−ベル」の非特定組合せが導出されたときにはラインLM4上に「リプb−リプa−リプa」の特定組合せが導出されるものであったが、ラインLM4上に導出されるものに限らず、その他のライン上に特定組合せが導出されるものであってもよい。さらに、たとえば、入賞ラインLN上にリプ5「ベル−リプa−ベル」の非特定組合せが導出されたときには、1のラインに特定組合せを導出させるものに限らず、複数のライン上に同時に特定組合せが導出されるものであってもよい。また、このときの特定組合せは同じ特定組合せに限らず、異なる特定組合せが複数のライン上に同時に導出されるものであってもよい。また、特定組合せが導出されたライン数が多い程、遊技者にとって有利な遊技状態に制御されるようにしてもよい。
[第1遊技状態、第2遊技状態について]
前述した実施例においては、第1遊技状態としてRT1を例示し、有利状態(以下では第2遊技状態ともいう)としてRT2を例示した。しかし、第1遊技状態および第2遊技状態は、第2遊技状態が制御された旨を報知する必要性が第1遊技状態よりも高い状態であればこれに限るものではない。たとえば、第2遊技状態は、第1遊技状態を経由しなければ制御されない遊技状態に限らず、第1遊技状態を経由せずに他の遊技状態から直で制御される遊技状態であってもよい。
[純増数の計数および表示について]
前述した実施例のスロットマシンのように、たとえばATゲーム数が0となったときでも、ナビストックが1以上残っているときにはナビストックを消費して即座に再びATに制御するものにおいては、以下のように純増数を計数し表示するようにしてもよい。
(a) ATの確定報知が行なわれてATに制御されたときには、純増数を基準値である0に設定し、特殊リプ入賞時に該入賞以前の純増数が0以上であれば該純増数から引き続き計数し、0未満であれば純増数を0に設定してから計数し、AT継続演出が実行されて再びATに制御されるときに該実行以前の純増数が0以上であれば該純増数から引き続き計数し、0未満であれば純増数を0に設定してから計数するものであってもよい。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合において、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行ない、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たさない停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に前記所定組合せ以外の表示結果(転落リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行なう導出制御手段と、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な有利状態(AT+RT2(AT・RT2))に移行させる権利(ナビストック)が付与されることで、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)を特定可能な特定報知(ナビ演出)が行なわれる特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)に制御する特定報知状態制御手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果として前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されることで、前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記有利状態に移行させる権利(ナビストック)に基づく一の前記有利状態(AT+RT2)の終了条件が成立した場合(残りゲーム数が0となった場合)において前記有利状態に移行させる権利(ナビストック)が付与されている場合に、前記通常状態(非AT・RT1)へ移行させることなく該権利(ナビストック)を消費して前記有利状態(AT+RT2)に制御する有利状態再制御手段と、
前記有利状態再制御手段により前記有利状態(AT+RT2)に制御された場合に該有利状態が改めて開始した旨を示す有利状態再開始演出(AT継続演出)を実行する有利状態再開始演出実行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始された場合に前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されて前記有利状態(AT+RT2)に移行した場合において前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、
前記有利状態再制御手段により前記有利状態(AT+RT2)に制御された場合において前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、該計数値を前記基準値(0)に設定する第3の基準値設定手段とを備えるものであってもよい。
この特徴によれば、有利状態に移行させる権利が付与され、特定報知状態に制御された後、複数種類の特定結果のうちのいずれかの種類の特定結果が決定され、所定組合せが導出されることで前記有利状態に移行するまでの間に、特定報知状態開始後の純増数が基準値に対してマイナスとなった場合でも、所定組合せが導出されて有利状態に移行した時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定報知状態開始後の純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、有利状態へ移行させる権利に基づく一の有利状態の終了条件が成立した場合において、有利状態へ移行させる権利が残っており、再度有利状態に制御し、その旨を示す有利状態再開始演出が実行された時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで通常状態に移行せずに連続する一連の有利状態における純増数が表示される一方で、再度有利状態に制御し、その旨を示す有利状態再開始演出が実行された時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、再度有利状態に制御し、その旨を示す有利状態再開始演出が実行された時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、通常状態に移行せずに連続する一連の有利状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
(b) ATの確定報知が行なわれてATに制御されているときにおいて、特殊リプ入賞時に該入賞以前の純増数に関わらず純増数を0に設定してから計数し、AT継続演出が実行されて再びATに制御されるときに該実行以前の純増数が0以上であれば該純増数から引き続き計数し、0未満であれば純増数を0に設定してから計数するものであってもよい。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合において、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行ない、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たさない停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に前記所定組合せ以外の表示結果(転落リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行なう導出制御手段と、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な有利状態(AT+RT2)に移行させる権利(ナビストック)が付与されることで、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)を特定可能な特定報知(ナビ演出)が行なわれる特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)に制御する特定報知状態制御手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果として前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されることで、前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記有利状態に移行させる権利(ナビストック)に基づく一の前記有利状態(AT+RT2)の終了条件が成立した場合(残りゲーム数が0となった場合)において前記有利状態に移行させる権利(ナビストック)が付与されている場合に、前記通常状態(非AT・RT1)へ移行させることなく該権利(ナビストック)を消費して前記有利状態(AT+RT2)に制御する有利状態再制御手段と、
前記有利状態再制御手段により前記有利状態(AT+RT2)に制御された場合に該有利状態が改めて開始した旨を示す有利状態再開始演出(AT継続演出)を実行する有利状態再開始演出実行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されて前記有利状態(AT+RT2)に移行した場合に、前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記有利状態再制御手段により前記有利状態(AT+RT2)に制御された場合において前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、を備えるものであってもよい。
この特徴によれば、有利状態に移行させる権利が付与され、特定報知状態に制御された後、複数種類の特定結果のうちのいずれかの種類の特定結果が決定され、所定組合せが導出されることで前記有利状態に移行するまでの間に、特定報知状態開始後の純増数が基準値に対してマイナスとなった場合でも、所定組合せが導出されて有利状態に移行した時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定報知状態開始後の純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、有利状態へ移行させる権利に基づく一の有利状態の終了条件が成立した場合において、有利状態へ移行させる権利が残っており、再度有利状態に制御し、その旨を示す有利状態再開始演出が実行された時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで通常状態に移行せずに連続する一連の有利状態における純増数が表示される一方で、再度有利状態に制御し、その旨を示す有利状態再開始演出が実行された時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、再度有利状態に制御し、その旨を示す有利状態再開始演出が実行された時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、通常状態に移行せずに連続する一連の有利状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
(c) ATの確定報知が行なわれてATに制御されているときにおいて、AT開始演出が実行されたときに該実行以前の純増数に関わらず純増数を0に設定してから計数し、AT継続演出が実行されて再びATに制御されるときに該実行以前の純増数が0以上であれば該純増数から引き続き計数し、0未満であれば純増数を0に設定してから計数する。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合において、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行ない、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たさない停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に前記所定組合せ以外の表示結果(転落リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行なう導出制御手段と、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な有利状態(AT+RT2(AT・RT2))に移行させる権利(ナビストック)が付与されることで、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)を特定可能な特定報知(ナビ演出)が行なわれる特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)に制御する特定報知状態制御手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果として前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されることで、前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記有利状態(AT+RT2)へ移行した場合、または前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となり前記特定報知(ナビ演出)が行なわれたにも関わらず前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されなかった場合に、数値(残りゲーム数)の更新を開始する数値更新手段と、
前記数値更新手段により更新される数値が終了条件を満たす場合(残りゲーム数が0となった場合)に前記有利状態へ移行させる権利(ナビストック)に基づく一の前記有利状態(AT+RT2)を終了させる有利状態終了手段と、
前記数値更新手段が前記数値(残りゲーム数)の更新を開始する場合に該数値の更新を開始する旨を示す更新開始演出(AT開始演出)を実行する更新開始演出実行手段と、
前記有利状態に移行させる権利(ナビストック)に基づく一の前記有利状態(AT+RT2)の終了条件が成立した場合(残りゲーム数が0となった場合)において前記有利状態に移行させる権利(ナビストック)が付与されている場合に、前記通常状態(非AT・RT1)へ移行させることなく該権利(ナビストック)を消費して前記有利状態(AT+RT2)に制御する有利状態再制御手段と、
前記有利状態再制御手段により前記有利状態(AT+RT2)に制御された場合に該有利状態が改めて開始した旨を示す有利状態再開始演出(AT継続演出)を実行する有利状態再開始演出実行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記更新開始演出(AT開始演出)が実行される際に、前記有利状態(AT+RT2)に移行したか否かに関わらず、前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記有利状態再制御手段により前記有利状態(AT+RT2)に制御された場合において前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、を備えるものであってもよい。
この特徴によれば、有利状態に移行させる権利が付与され、特定報知状態に制御された後、複数種類の特定結果のうちのいずれかの種類の特定結果が決定され、所定組合せが導出されることで前記有利状態へ移行するまでの間に、特定報知状態開始後の純増数が基準値に対してマイナスとなった場合でも、更新開始演出が実行された時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定報知状態開始後の純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、有利状態へ移行させる権利に基づく一の有利状態の終了条件が成立した場合において、有利状態へ移行させる権利が残っており、再度有利状態に制御し、その旨を示す有利状態再開始演出が実行された時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで通常状態に移行せずに連続する一連の有利状態における純増数が表示される一方で、再度有利状態に制御し、その旨を示す有利状態再開始演出が実行された時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、再度有利状態に制御し、その旨を示す有利状態再開始演出が実行された時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、通常状態に移行せずに連続する一連の有利状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、更新開始演出が実行された場合には、有利状態へ移行しない場合であっても、その終了条件の判定対象となる数値の更新が開始するので、特定報知状態において特定報知が行なわれた場合に、特定報知により特定される操作態様での導出操作手段の操作を促すことができる。
なお、上記(a)〜(c)において事前決定手段の決定結果として、特定報知状態においてのみ複数種類の特定結果が決定され得る構成でもよいし、通常状態及び特定報知状態の双方で複数種類の特定結果が決定され得る構成でもよい。また、特定報知状態が、通常状態から移行する第1の状態と、第1の状態において移行条件が成立することで移行する第2の状態と、からなり、第2の状態でのみ複数種類の特定結果が決定され得る構成でもよい。
また、上記(a)〜(c)において特定報知状態は、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様を特定可能な特定報知が行なわれる点で少なくとも通常状態よりも有利な状態であるが、それ以外で通常状態よりも有利な状態であるか否かは問わない。
また、上記(a)〜(c)において前記有利状態とは、遊技者にとって有利な表示結果が導出される確率、遊技者にとって有利な表示結果の導出が許容される確率が通常状態よりも高くなったり、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知されること等により、純増数の増加率が通常状態よりも高くなる状態である。
また、上記(c)において数値更新手段により更新される数値とは、有利状態終了手段が終了条件を満たすか否かを判定する際に用いる数値であり、例えば、ゲーム数、内部抽選の結果が所定の結果となった回数、複数の可変表示領域に表示結果が所定の表示結果となった回数、付与された遊技用価値の合算値、上記の純増数などが該当する。
また、上記(c)において数値更新手段は、一律に数値を減算または加算する構成である必要はなく、減算条件の成立で減算され、加算条件の成立で加算されるといったように増減しうる構成でもよい。
また、上記(c)において更新開始演出は、少なくとも前記特定報知状態において前記有利状態へ移行した場合、または前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となり前記特定報知が行なわれたにも関わらず前記所定組合せが導出されなかった場合に実行されるものであれば良く、これら以外の契機で実行される構成でもよい。
また、上記(a)〜(c)において有利状態再制御手段は、前記有利状態に移行させる権利に基づく一の前記有利状態の終了条件が成立した後、直ちに有利状態に制御させるものでもよいし、前記有利状態に移行させる権利に基づく一の前記有利状態の終了条件が成立した後、一旦前記有利状態を終了させた後、所定の条件が成立した時点で有利状態に移行させるものでもよい。
また、前述した実施例では、純増数カウント処理によってAT中における純増数をカウントする例について説明したが、これに限らず、ATが終了しても特定条件が成立するまで純増数のカウントを継続し、特定条件が成立するまでにATの確定報知が行なわれて再びATに制御されるときには、カウントしている純増数を引き継いで、当該純増数からカウントし、特定条件が成立するまでにATの確定報知が行なわれなかったときに純増数をリセットしてもよい。すなわち特定条件が成立するまでに連続して発生したATからなる一連の期間における純増数を維持するものであってもよい。また、AT中のみならず、ボーナス中についてもATと同様に、純増数をカウントするようにしてもよい。たとえば、ATやボーナスが終了しても特定条件が成立するまで純増数のカウントを継続し、特定条件が成立するまでにATの確定報知やボーナスの当選確定報知が行なわれて再びATや御b-那須に制御されるときには、カウントしている純増数を引き継いで、当該純増数からカウントし、特定条件が成立するまでにATの確定報知やボーナスの当選確定報知が行なわれなかったときに純増数をリセットしてもよい。すなわち特定条件が成立するまでに連続して発生したATやボーナスからなる一連の期間における純増数を維持するものであってもよい。なお、特定条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば32ゲーム)消化することなどにより成立するものであってもよい。
また、前述した実施例では、AT残りゲーム数が0に到達したときに、残りのナビストック数が1以上であれば即座に新たなナビストックを用いてATに制御する例について説明したが、これに限らず、AT残りゲーム数が0に到達したときには、残りのナビストック数が1以上であっても、一旦ATを終了させた後、純増数のリセット条件である特定条件が成立するまでに再びATの確定報知ATに制御するようにしてもよい。具体的には、残りのナビストック数が1以上であっても、ナビストック数が存在せずにARTが終了したときと同じようにナビ演出を実行せずにATを潜伏させる潜伏期間に制御するようにしてもよい。潜伏期間は、特定条件が成立するまでの期間であってもよく、逆に、特定条件は、潜伏期間が経過した後に成立する条件であってもよい。このようなスロットマシンにおいては、以下のように純増数を計数し表示するようにしてもよい。
(i) 特定条件が成立した以降においてATの確定報知が行なわれてATに制御されたときには、純増数を基準値である0に設定し、その後特殊リプ入賞時に該入賞以前の純増数が0以上であれば該純増数から引き続き計数し、0未満であれば純増数を0に設定してから計数するのに対し、特定条件が成立するまでにATの確定報知が行なわれてATに制御されたときには、該ATの確定報知以前の純増数が0以上であれば該純増数から引き続き計数し、0未満であれば純増数を0に設定してから計数するようにしてもよい。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合において、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行ない、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たさない停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に前記所定組合せ以外の表示結果(転落リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行なう導出制御手段と、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な有利状態(AT+RT2(AT・RT2))に移行させる権利(ナビストック)が付与されることで、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)を特定可能な特定報知(ナビ演出)が行なわれる特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)に制御する特定報知状態制御手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果として前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されることで、前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記有利状態(AT+RT2)へ移行した場合、または前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となり前記特定報知(ナビ演出)が行なわれたにも関わらず前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されなかった場合に、数値(残りゲーム数)の更新を開始する数値更新手段と、
前記数値更新手段により更新される数値が終了条件を満たす場合(残りゲーム数が0となった場合)に前記有利状態へ移行させる権利(ナビストック)に基づく一の前記有利状態(AT+RT2)を終了させる有利状態終了手段と、
前記数値更新手段が前記数値(残りゲーム数)の更新を開始する場合に該数値の更新を開始する旨を示す更新開始演出(AT開始演出)を実行する更新開始演出実行手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、前記通常状態(非AT・RT1)へ移行させる通常状態移行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)以外で前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始された場合に前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、前記特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)以外で前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始され、該特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されて前記有利状態(AT+RT2)に移行した場合において前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、前記特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)で前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始され、該特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記更新開始演出(AT開始演出)が実行される際に前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、前記有利状態(AT+RT2)に移行したか否かに関わらず、該計数値(0)を前記基準値に設定する第3の基準値設定手段と、を備えるものであってもよい。
この特徴によれば、有利状態に移行させる権利が付与され、特定報知状態に制御された後、複数種類の特定結果のうちのいずれかの種類の特定結果が決定され、所定組合せが導出されることで前記有利状態に移行するまでの間に、特定報知状態開始後の純増数が基準値に対してマイナスとなった場合でも、所定組合せが導出されて有利状態に移行した時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定報知状態開始後の純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、有利状態の終了後、特定条件が成立するまでの期間で再度特定報知状態の制御が開始された場合に、更新開始演出が実行された時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで特定条件が成立するまでに連続する一連の有利状態における純増数が表示される一方で、有利状態へ移行するまでの間に前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合となった場合には、有利状態開始演出が実行された時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定条件が成立するまでに連続する一連の有利状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、更新開始演出が実行された場合には、有利状態へ移行しない場合であっても、その終了条件の判定対象となる数値の更新が開始するので、特定報知状態において特定報知が行なわれた場合に、特定報知により特定される操作態様での導出操作手段の操作を促すことができる。
(ii) 特定条件が成立した以降においてATの確定報知が行なわれてATに制御された後の特殊リプ入賞時には、該入賞以前の純増数に関わらず純増数を0に設定してから計数し、特定条件が成立するまでにATの確定報知が行なわれてATに制御された後の特殊リプ入賞時には、該入賞以前の純増数が0以上であれば該純増数から引き続き計数し、0未満であれば純増数を0に設定してから計数するようにしてもよい。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合において、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行ない、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たさない停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に前記所定組合せ以外の表示結果(転落リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行なう導出制御手段と、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な有利状態(AT+RT2(AT・RT2))に移行させる権利(ナビストック)が付与されることで、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)を特定可能な特定報知(ナビ演出)が行なわれる特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)に制御する特定報知状態制御手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果として前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されることで、前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、前記通常状態(非AT・RT1)へ移行させる通常状態移行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)以外で前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始され、該特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されて前記有利状態(AT+RT2)に移行した場合に、前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)で前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始され、該特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されて前記有利状態(AT+RT2)に移行した場合において前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、を備えるものであってもよい。
この特徴によれば、有利状態に移行させる権利が付与され、特定報知状態に制御された後、複数種類の特定結果のうちのいずれかの種類の特定結果が決定され、所定組合せが導出されることで前記有利状態に移行するまでの間に、特定報知状態開始後の純増数が基準値に対してマイナスとなった場合でも、所定組合せが導出されて有利状態に移行した時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定報知状態開始後の純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、有利状態の終了後、特定条件が成立するまでの期間で再度特定報知状態の制御が開始された場合に、所定組合せが導出されることで有利状態に移行した時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで特定条件が成立するまでに連続する一連の有利状態における純増数が表示される一方で、所定組合せが導出されることで有利状態に移行した時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、所定組合せが導出されることで有利状態に移行した時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定条件が成立するまでに連続する一連の有利状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
(iii) 特定条件が成立した以降においてATの確定報知が行なわれてATに制御された後の特殊リプ入賞時には、該入賞以前の純増数に関わらず純増数を0に設定してから計数し、特定条件が成立するまでにATの確定報知が行なわれてATに制御されたときには残りのATゲーム数を液晶表示器51によって報知するAT開始演出が実行される時に該実行以前の純増数が0以上であれば該純増数から引き続き計数し、0未満であれば純増数を0に設定してから計数するようにしてもよい。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合において、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行ない、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たさない停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に前記所定組合せ以外の表示結果(転落リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行なう導出制御手段と、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な有利状態(AT+RT2(AT・RT2))に移行させる権利(ナビストック)が付与されることで、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)を特定可能な特定報知(ナビ演出)が行なわれる特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)に制御する特定報知状態制御手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果として前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されることで、前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記有利状態(AT+RT2)へ移行した場合、または前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となり前記特定報知(ナビ演出)が行なわれたにも関わらず前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されなかった場合に、数値(残りゲーム数)の更新を開始する数値更新手段と、
前記数値更新手段により更新される数値が終了条件を満たす場合(残りゲーム数が0となった場合)に前記有利状態へ移行させる権利(ナビストック)に基づく一の前記有利状態(AT+RT2)を終了させる有利状態終了手段と、
前記数値更新手段が前記数値(残りゲーム数)の更新を開始する場合に該数値の更新を開始する旨を示す更新開始演出(AT開始演出)を実行する更新開始演出実行手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、前記通常状態(非AT・RT1)へ移行させる通常状態移行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)以外で前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始され、該特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されて前記有利状態(AT+RT2)に移行した場合に、前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、前記特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)で前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始され、該特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記更新開始演出(AT開始演出)が実行される際に前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、前記有利状態(AT+RT2)に移行したか否かに関わらず、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、を備えるものであってもよい。
この特徴によれば、有利状態に移行させる権利が付与され、特定報知状態に制御された後、複数種類の特定結果のうちのいずれかの種類の特定結果が決定され、所定組合せが導出されることで前記有利状態に移行するまでの間に、特定報知状態開始後の純増数が基準値に対してマイナスとなった場合でも、所定組合せが導出されて有利状態に移行した時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定報知状態開始後の純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、有利状態の終了後、特定条件が成立するまでの期間で再度特定報知状態の制御が開始された場合に、有利状態の開始を示唆する有利状態開始演出が実行された時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで特定条件が成立するまでに連続する一連の有利状態における純増数が表示される一方で、有利状態へ移行するまでの間に前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、更新開始演出が実行された時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定条件が成立するまでに連続する一連の有利状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、更新開始演出が実行された場合には、有利状態へ移行しない場合であっても、その終了条件の判定対象となる数値の更新が開始するので、特定報知状態において特定報知が行なわれた場合に、特定報知により特定される操作態様での導出操作手段の操作を促すことができる。
(iv) 特定条件が成立した以降においてATの確定報知が行なわれてATに制御されたときにはAT開始演出が実行されるときに、特殊リプ入賞してRT2に制御されたか否かに関わらず、AT開始演出実行以前の純増数に関わらず純増数を0に設定してから計数し、特定条件が成立するまでにATの確定報知が行なわれてATに制御されたときにはAT開始演出時が実行されるときに、AT開始演出実行以前の純増数が0以上であれば該純増数から引き続き計数し、0未満であれば純増数を0に設定してから計数するようにしてもよい。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合において、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行ない、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たさない停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に前記所定組合せ以外の表示結果(転落リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行なう導出制御手段と、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な有利状態(AT+RT2(AT・RT2))に移行させる権利(ナビストック)が付与されることで、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様(特殊リプレイの入賞条件を満たす停止順)を特定可能な特定報知(ナビ演出)が行なわれる特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)に制御する特定報知状態制御手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果として前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されることで、前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記有利状態(AT+RT2)へ移行した場合、または前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となり前記特定報知(ナビ演出)が行なわれたにも関わらず前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されなかった場合に、数値(残りゲーム数)の更新を開始する数値更新手段と、
前記数値更新手段により更新される数値が終了条件を満たす場合(残りゲーム数が0となった場合)に前記有利状態へ移行させる権利(ナビストック)に基づく一の前記有利状態(AT+RT2)を終了させる有利状態終了手段と、
前記数値更新手段が前記数値(残りゲーム数)の更新を開始する場合に該数値の更新を開始する旨を示す更新開始演出(AT開始演出)を実行する更新開始演出実行手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、前記通常状態(非AT・RT1)へ移行させる通常状態移行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)以外で前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始され、該特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記更新開始演出(AT開始演出)が実行される際に、前記有利状態(AT+RT2)に移行したか否かに関わらず、前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、前記特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)で前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)の制御が開始され、該特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記更新開始演出(AT開始演出)が実行される際に前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、前記有利状態(AT+RT2)に移行したか否かに関わらず、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、を備えるものであてもよい。
この特徴によれば、有利状態に移行させる権利が付与され、特定報知状態に制御された後、複数種類の特定結果のうちのいずれかの種類の特定結果が決定され、所定組合せが導出されることで前記有利状態へ移行するまでの間に、特定報知状態開始後の純増数が基準値に対してマイナスとなった場合でも、更新開始演出が実行された時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定報知状態開始後の純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、有利状態の終了後、特定条件が成立するまでの期間で再度特定報知状態の制御が開始された場合に、有利状態の開始を示唆する有利状態開始演出が実行された時点で前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで特定条件が成立するまでに連続する一連の有利状態における純増数が表示される一方で、有利状態へ移行するまでの間に前回の有利状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、更新開始演出が実行された時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特定条件が成立するまでに連続する一連の有利状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
なお、上記(i)〜(iv)において事前決定手段の決定結果として、特定報知状態においてのみ複数種類の特定結果が決定され得る構成でもよいし、通常状態及び特定報知状態の双方で複数種類の特定結果が決定され得る構成でもよい。また、特定報知状態が、通常状態から移行する第1の状態と、第1の状態において移行条件が成立することで移行する第2の状態と、からなり、第2の状態でのみ複数種類の特定結果が決定され得る構成でもよい。
また、上記(i)〜(iv)において特定報知状態は、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様を特定可能な特定報知が行なわれる点で少なくとも通常状態よりも有利な状態であるが、それ以外で通常状態よりも有利な状態であるか否かは問わない。
また、上記(i)〜(iv)において前記有利状態とは、遊技者にとって有利な表示結果が導出される確率、遊技者にとって有利な表示結果の導出が許容される確率が通常状態よりも高くなったり、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知されること等により、純増数の増加率が通常状態よりも高くなる状態である。
また、上記(i)、(iii)、および(iv)において数値更新手段により更新される数値とは、有利状態終了手段が終了条件を満たすか否かを判定する際に用いる数値であり、例えば、ゲーム数、内部抽選の結果が所定の結果となった回数、複数の可変表示領域に表示結果が所定の表示結果となった回数、付与された遊技用価値の合算値、上記の純増数などが該当する。
また、上記(i)、(iii)、および(iv)において数値更新手段は、一律に数値を減算または加算する構成である必要はなく、減算条件の成立で減算され、加算条件の成立で加算されるといったように増減しうる構成でもよい。
また、上記(i)、(iii)、および(iv)において更新開始演出は、少なくとも前記特定報知状態において前記有利状態へ移行した場合、または前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となり前記特定報知が行なわれたにも関わらず前記所定組合せが導出されなかった場合に実行されるものであれば良く、これら以外の契機で実行される構成でもよい。
(v) ボーナス入賞に関連するタイミング(ボーナスの当選確定報知タイミング、ボーナス入賞タイミングなど)で、純増数を基準値である0に設定し、ボーナス終了後から特定条件が成立するまでにATの確定報知が行なわれてATに制御された後、特殊リプ入賞時における純増数が0未満であれば純増数を0に設定してから計数する。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合において、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様(昇格リプレイの入賞条件を満たす停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行ない、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様(昇格リプレイの入賞条件を満たさない停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に前記所定組合せ以外の表示結果(転落リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行なう導出制御手段と、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(ボーナス)に移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記特別遊技状態(ボーナス)の終了後、前記通常状態(非AT・RT1)へ移行させる通常状態移行手段と、
前記特別遊技状態(ボーナス)とは異なる遊技状態であり前記通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な有利状態(AT+RT2)に移行させる権利(ナビストック)が付与されることで、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様(昇格リプレイの入賞条件を満たす停止順)を特定可能な特定報知(ナビ演出)が行なわれる特定報知状態(AT・RT1、RT2)に制御する特定報知状態制御手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果として前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されることで、前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記特別遊技状態(ボーナス)の開始に関連するタイミング(特別役の入賞)で前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記特別遊技状態(ボーナス)の終了後、特定条件(32ゲーム経過までの期間)が成立するまでの期間で前記特定報知状態(AT・RT1、RT2)の制御が開始され、該特定報知状態(AT・RT1、RT2)において前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されて前記有利状態(AT+RT2)に移行した場合において前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段とを備えるものであってもよい。
この特徴によれば、特別遊技状態の終了後、特定条件が成立するまでの期間で特定報知状態の制御が開始された場合に、所定組合せが導出されることで有利状態に移行した時点で特別遊技状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで特別遊技状態の終了後、特定条件が成立するまでに連続して移行した一連の有利状態における純増数が表示される一方で、所定組合せが導出されることで有利状態に移行した時点で特別遊技状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、所定組合せが導出されることで有利状態に移行した時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特別遊技状態の終了後、特定条件が成立するまでに連続して移行した一連の有利状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
(vi) ボーナス入賞に関連するタイミング(ボーナスの当選確定報知タイミング、ボーナス入賞タイミングなど)で、純増数を基準値である0に設定し、ボーナス終了後から特定条件が成立するまでにATの確定報知が行なわれてATに制御された後、AT開始演出が実行される時に該実行以前の純増数が0未満であれば純増数を0に設定してから計数する。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果が導出される前に、前記入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合において、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様(昇格リプレイの入賞条件を満たす停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行ない、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定結果の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様(昇格リプレイの入賞条件を満たさない停止順)にて操作された場合に前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)に前記所定組合せ以外の表示結果(転落リプレイの入賞態様)を導出させる制御を行なう導出制御手段と、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(ボーナス)に移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記特別遊技状態(ボーナス)の終了後、前記通常状態(非AT・RT1)へ移行させる通常状態移行手段と、
前記特別遊技状態(ボーナス)とは異なる遊技状態であり前記通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な有利状態(AT+RT2)に移行させる権利(ナビストック)が付与されることで、前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様(昇格リプレイの入賞条件を満たす停止順)を特定可能な特定報知(ナビ演出)が行なわれる特定報知状態(AT・RT1、RT2)に制御する特定報知状態制御手段と、
前記可変表示装置(リール2L、2C、2R)の表示結果として前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されることで、前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記特定報知状態(AT+RT3、AT+RT1)において前記有利状態(AT+RT2)へ移行した場合、または前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果(3択リプ4〜6のいずれか)となり前記特定報知(ナビ演出)が行なわれたにも関わらず前記所定組合せ(特殊リプレイの入賞態様)が導出されなかった場合に、数値(残りゲーム数)の更新を開始する数値更新手段と、
前記数値更新手段により更新される数値が終了条件を満たす場合(残りゲーム数が0となった場合)に前記有利状態へ移行させる権利(ナビストック)に基づく一の前記有利状態(AT+RT2)を終了させる有利状態終了手段と、
前記数値更新手段が前記数値(残りゲーム数)の更新を開始する場合に該数値の更新を開始する旨を示す更新開始演出(AT開始演出)を実行する更新開始演出実行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記特別遊技状態(ボーナス)の開始に関連するタイミング(特別役の入賞)で前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記特別遊技状態(ボーナス)の終了後、前記特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)で前記特定報知状態(AT・RT1、RT2)の制御が開始され、該特定報知状態(AT・RT1、RT2)において前記更新開始演出(AT開始演出)が実行される際に前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、前記有利状態(AT+RT2)に移行したか否かに関わらず、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、を備えるものであってもよい。
この特徴によれば、特別遊技状態の終了後、特定条件が成立するまでの期間で特定報知状態の制御が開始された場合に、更新開始演出が実行された時点で特別遊技状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで特別遊技状態の終了後、特定条件が成立するまでに連続して移行した一連の有利状態における純増数が表示される一方で、有利状態へ移行するまでの間に特別遊技状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、有利状態開始演出が実行された時点で純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、特別遊技状態の終了後、特定条件が成立するまでに連続して移行した一連の有利状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
また、更新開始演出が実行された場合には、有利状態へ移行しない場合であっても、その終了条件の判定対象となる数値の更新が開始するので、特定報知状態において特定報知が行なわれた場合に、特定報知により特定される操作態様での導出操作手段の操作を促すことができる。
なお、上記(v)および(vi)において事前決定手段の決定結果として、特定報知状態においてのみ複数種類の特定結果が決定され得る構成でもよいし、通常状態及び特定報知状態の双方で複数種類の特定結果が決定され得る構成でもよい。また、特定報知状態が、通常状態から移行する第1の状態と、第1の状態において移行条件が成立することで移行する第2の状態と、からなり、第2の状態でのみ複数種類の特定結果が決定され得る構成でもよい。
また、上記(v)および(vi)において特定報知状態は、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となった場合に該特定結果の種類に応じた前記特定の操作態様を特定可能な特定報知が行なわれる点で少なくとも通常状態よりも有利な状態であるが、それ以外で通常状態よりも有利な状態であるか否かは問わない。
また、上記(v)および(vi)において前記有利状態とは、遊技者にとって有利な表示結果が導出される確率、遊技者にとって有利な表示結果の導出が許容される確率が通常状態よりも高くなったり、遊技者にとって有利な表示結果を導出させるための操作態様が報知されること等により、純増数の増加率が通常状態よりも高くなる状態である。
また、上記(vi)において数値更新手段により更新される数値とは、有利状態終了手段が終了条件を満たすか否かを判定する際に用いる数値であり、例えば、ゲーム数、内部抽選の結果が所定の結果となった回数、複数の可変表示領域に表示結果が所定の表示結果となった回数、付与された遊技用価値の合算値、上記の純増数などが該当する。
また、上記(vi)において数値更新手段は、一律に数値を減算または加算する構成である必要はなく、減算条件の成立で減算され、加算条件の成立で加算されるといったように増減しうる構成でもよい。
また、上記(vi)において更新開始演出は、少なくとも前記特定報知状態において前記有利状態へ移行した場合、または前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のうちいずれかの種類の特定結果となり前記特定報知が行なわれたにも関わらず前記所定組合せが導出されなかった場合に実行されるものであれば良く、これら以外の契機で実行される構成でもよい。
また、上記(v)および(vi)において特別遊技状態の開始に関連するタイミングとは、特別遊技状態に移行することが決定されたタイミング、特別遊技状態への移行条件が成立したタイミング、特別遊技状態が開始したタイミングなどが該当する。
(vii) ATへの制御に関連するタイミング(ATの確定報知タイミング、AT開始演出実行タイミングなど)で純増数を基準値である0に設定し、AT中にボーナス当選した場合に当該ボーナス入賞に関連するタイミング(ボーナスの当選確定報知タイミング、ボーナス入賞タイミングなど)でATを中断させるとともに、当該ボーナス入賞に関連するタイミングにおける純増数が0未満であれば純増数を0に設定してから計数する。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(ボーナス)に移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記特別遊技状態(ボーナス)とは異なる有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記有利状態(AT+RT2)において前記特別遊技状態(ボーナス)への移行が決定された場合に、該特別遊技状態(ボーナス)への移行に関連するタイミングで該有利状態(AT+RT2)を中断させる有利状態中断手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記有利状態(AT+RT2)の開始に関連するタイミングで前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記有利状態(AT+RT2)において前記特別遊技状態(ボーナス)への移行が決定され、該有利状態(AT+RT2)が中断した場合において該特別遊技状態(ボーナス)の開始に関連するタイミングで前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、を備えるものであってもよい。
この特徴によれば、有利状態に移行後、特別遊技状態への移行が決定され、有利状態が中断した場合に、該特別遊技状態の開始に関連するタイミングで有利状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで有利状態に続く一連の特別遊技状態における純増数が表示される一方で、該特別遊技状態の開始に関連するタイミングで有利状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、該特別遊技状態の開始に関連するタイミングで純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、有利状態に続く一連の特別遊技状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
(viii) ATへの制御に関連するタイミング(ATの確定報知タイミング、AT開始演出実行タイミングなど)で純増数を基準値である0に設定し、当該AT終了後から特定条件が成立するまでにボーナス当選した場合に当該ボーナス入賞に関連するタイミング(ボーナスの当選確定報知タイミング、ボーナス入賞タイミングなど)における純増数が0未満であれば純増数を0に設定してから計数する。たとえば、以下の構成を備えるスロットマシンであってもよい。
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
通常状態(非AT・RT1)よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(ボーナス)に移行させる特別遊技状態移行手段と、
前記特別遊技状態(ボーナス)とは異なる遊技状態であり前記スロットマシンは、さらに、
前記有利状態(AT+RT2)に移行させる有利状態移行手段と、
前記入賞のうち付与入賞(小役)が発生した場合に前記遊技用価値(メダル)を付与する遊技用価値付与手段と、
前記遊技用価値付与手段により付与された遊技用価値(払出枚数)から前記賭数の設定に用いた遊技用価値(投入枚数)を減算した純増数(純増数)を表示する純増数表示手段(液晶表示器51内の純増数表示)と、
前記純増数表示手段による前記純増数(液晶表示器51内の純増数表示)の表示に用いる値を計数する計数手段(純増数カウンタ)と、
前記有利状態(AT+RT2)の開始に関連するタイミングで前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値を基準値(0)に設定する第1の基準値設定手段と、
前記有利状態(AT+RT2)の終了後、特定条件が成立するまでの期間(32ゲーム経過までの期間)で前記特別遊技状態(ボーナス)への移行が決定された場合において該特別遊技状態(ボーナス)の開始に関連するタイミングで前記計数手段(純増数カウンタ)による計数値が前記基準値(0)未満の場合に、該計数値を前記基準値(0)に設定する第2の基準値設定手段と、を備えるものであってもよい。
この特徴によれば、有利状態の終了後、特定条件が成立するまでの期間で特別遊技状態への移行が決定された場合に、該特別遊技状態の開始に関連するタイミングで有利状態から継続して計数されている純増数が基準値以上であれば、当該純増数をそのまま維持することで有利状態の終了後、特定条件が成立するまでに連続して移行することが決定された一連の特別遊技状態における純増数が表示される一方で、該特別遊技状態の開始に関連するタイミングで遊技状態から継続して計数されている純増数が基準値に対してマイナスとなった場合には、該特別遊技状態の開始に関連するタイミングで純増数を基準値に戻して以後の計数を行なうので、有利状態の終了後、特定条件が成立するまでに連続して移行することが決定された一連の特別遊技状態における純増数が目減りしている印象を遊技者に対して与えてしまうことを防止できる。
尚、上記(vii)において特別遊技状態への移行に関連するタイミングとは、特別遊技状態に移行することが決定されたタイミング、特別遊技状態への移行条件が成立したタイミングなどが該当する。
また、上記(vii)および(viii)において有利状態の開始に関連するタイミングとは、有利状態に移行することが決定されたタイミング、有利状態への移行条件が成立したタイミング、有利状態が開始したタイミングなどが該当する。
また上記(vii)および(viii)において特別遊技状態の開始に関連するタイミングとは、特別遊技状態に移行することが決定されたタイミング、特別遊技状態への移行条件が成立したタイミング、特別遊技状態が開始したタイミングなどが該当する。
[ATの潜伏について]
前述した実施例では、ART中において残りナビストックが存在する限り、ARTへの制御が継続される例について説明した。しかし、これに限らず、ART中において残りナビストックが存在する場合であっても、ARTが終了したときと同じようにナビ演出を実行せずにATを潜伏させる潜伏期間に制御するようにしてもよい。たとえば、1ナビストックに対応するATが終了するときに、残りナビストックが存在する場合であっても、所定確率で潜伏期間に制御し、当該潜伏期間が経過した後に再びナビストックを消費してATに制御するようにしてもよい。
[RTの終了条件について]
前述した実施例では、RT0〜3は、各々、特定役に入賞することや特殊出目が停止することにより終了する例について説明した。しかし、RT0〜3は、各々、所定ゲーム数消化することにより終了するものであってもよい。
[遊技状態移行前後における演出態様の変化度合いについて]
前述した実施例では、AT中のRT3からRT1への制御前後における演出態様の変化度合いを、「RT2までもう少し」といったメッセージ画像が液晶表示器51の画面に表示されることによる演出態様の変化であることを例示して説明した。そして、AT中のRT1からRT2への制御前後における演出態様の変化度合いを、AT開始演出が行なわれるとともに液晶表示器51における背景画像も変化することによる演出態様の変化であることを例示して説明した。しかしながら、このような演出態様の変化に限らず、その他の演出態様の変化によって、RT1への制御前後における演出態様の変化度合いよりも、RT2への制御前後における演出態様の変化度合いの方が大きくなるものであってもよい。
たとえば、RT1への制御前後ではスピーカ53、54からの出力音量が少しだけ上がるのに対し、RT2への制御前後ではスピーカ53、54からの出力音量が大きく上がるものであってもよい。また、たとえば、RT1への制御前後では液晶表示器51の画面上のキャラクタが少しだけ成長する(たとえば、身長が5cm伸びる、年齢が3歳上がるなど)のに対し、RT2への制御前後では液晶表示器51の画面上のキャラクタが大きく成長する(たとえば、身長が10cm伸びる、年齢が10歳上がるなど)ものであってもよい。また、たとえば、RT1への制御前後ではスピーカ53、54による演出が追加される(演出手段が1種類追加される)のに対し、RT2への制御前後ではスピーカ53、54による演出と演出効果LED52による演出が追加される(演出手段が2種類追加される)ものであってもよい。このように、1の演出手段による演出態様の変化度合いが大きくなったり、演出手段の数や種類が多くなったりするなどして、遊技者が感覚的にRT1への制御前後における演出態様の変化度合いよりも、RT2への制御前後における演出態様の変化度合いの方が大きくなったと感じるものであればよい。
[その他の変形例について]
(1) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2への制御契機であるリプ5入賞が成立したときにART信号を出力する例について説明したが、ART信号を出力する契機は、これに限るものではない。以下に具体例を説明する。
(a) RT2の開始後、前述のATにおいてのみ導出される可能性が高まる役(RT2においてナビ演出がないと出現する可能性が極めて低い役)の入賞が成立したときに、ART信号を出力する。これにより、外部機器側では、ART信号を受信することにより、RT2中であることに加えてATに制御されている可能性が高いことを特定することができる。
(b) RT2の開始後、前述のATがなしの場合にRT2が終了するゲーム数の期待値よりも多い特定ゲーム数の経過時において、未だRT2への制御が継続していると判定されたときに、ART信号を出力するものであってもよい。また、RT2の開始後、前述のATがなしの場合に獲得することを期待できるメダル枚数の期待値よりも多いメダル枚数を獲得している時に、ART信号を出力するものであってもよい。これにより、外部機器側では、ART信号を受信することにより、RT2中であることに加えてATに制御されている可能性が高いことを特定することができる。
(2) 前述した実施例におけるスロットマシン1においては、RT2への制御に関連してART信号を毎回出力する例について説明した。しかし、AT中であってRT2中において、遊技者の操作ミスやボーナスの当選などによりATおよびRT2が中断された場合に、その後、再びATおよびRT2へ移行させることも可能となるが、この場合、一連のATに対してART信号を複数回送信してしまい、外部機器において初当りAT回数を正確に把握することができない。よって、一連のAT中において1回だけART信号を出力するようにしてもよい。
一連のATをナビストック1消費に対応する50ゲームのATとした場合、前述した実施例では、ナビストック1消費する毎にART信号を出力することができず、外部機器において一連のATへの制御回数を正確に把握することができない。これを解消するために、たとえば、次のような処理を行なって、ART信号を出力してもよい。
たとえば、RT2への制御に起因してART信号を出力した後であって、さらに、当該RT2へ制御されてからナビストック1消費に対応するゲーム数(50ゲーム)を消化した後から、非ATの場合にRT2が終了するゲーム数の期待値よりも多い特定ゲーム数(中ベル、右ベルなどの判定値数を考慮して、たとえば8ゲーム)の経過時において、未だRT2への制御が継続していると判定されたときに、ART信号を再び出力するようにしてよい。すなわち、メイン制御部41は、ナビストック1消費に対応するゲーム数を消化した後、ATなしではRT2への制御を維持できないゲーム数消化してもなおRT2に制御されていると判定したときに、次のナビストックが消費されて制御されたART中であるとみなして、ART信号を再び出力する。これにより、一連のATをナビストック1消費に対応する50ゲームのATとした場合でも、ART信号を受信した回数から、外部機器において一連のATへの制御回数を正確に把握することができる。
(3) 前述した実施例におけるスロットマシン1では、ART信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、当該ART信号の出力を停止させる特定タイミングに到達し得るために、この場合には特定タイミング以降の所定タイミングに到達するまでART信号の出力を継続させる例について説明した。
しかし、特定タイミングは、遊技者からの操作に関わらず、ART信号の出力を開始してから必ず所定期間経過した後となるタイミングとなるように設定してもよい。たとえば、ART信号の出力を開始した後の2回目のゲーム終了時に、当該ART信号の出力を停止するようにしてもよい。この場合、外部機器側では、たとえば、RT2であることが特定されていないときに、ART信号の出力が停止したときに、RT2に制御されたことを特定し、今回終了したゲームと前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT2中におけるメダルと判定することができる。また、RT2であることが特定されているときに、ART信号の出力が停止したときに、RT2が終了したことを特定し、当該終了したゲームと前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT2中ではないメダルと判定することができる。これにより、外部機器においてART信号を確実に検出できるとともに、ART信号の出力を開始してから特定タイミングに到達したときに未だ所定期間経過していないとった不都合の発生を未然に防止することができる。
また、スロットマシン1においては、ART信号の出力を開始してから、特定タイミングに到達するまでには、少なくとも、新たなゲームを開始するためにスタートスイッチ7を操作するための時間、リール2L〜2Rの回転が開始されてからリール2L〜2Rが一定速になるまでの時間、および、ストップスイッチ8L〜8Rすべてを操作するための時間を要する。このことから、スロットマシン1においては、ART信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに特定タイミングに到達するといった状況が発生し難い。また、外部機器においてART信号を確実に検出するために要する時間を、スロットマシン1において1ゲーム消化するのに要する最短時間よりも短くすることも可能であり、このような場合には、そもそも、ART信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、当該ART信号の出力を停止させる特定タイミングに到達するという状況が発生しない。よって、ART信号の出力時間を計時する処理、およびART信号の出力時間に応じてART信号の出力を終了させるタイミングを遅延させる処理を行なわないものであってもよい。具体的には、図10のSk104、Sk106、Sk108、Sk110、Sk111〜Sk113の処理を行なわず、Sk103からSk114へ移行させ、Sk105においてYESの場合にはSk107へ移行させ、Sk107においてYESの場合にはSk109へ移行させ、Sk107においてNOの場合にはSk114に移行させるようにしてもよい。これにより、ART信号の出力に要する処理負担を軽減することができる。
(4) 前述した実施例では、外部に出力されるゲーム関連信号としてメダルIN信号やメダルOUT信号を例示したが、ゲーム関連信号はこれに限るものではない。ゲーム関連信号は、ゲームの進行に応じて出力される信号であれば、例えば、ゲーム開始を示すゲーム開始信号、リールの停止を示すリール停止信号、メダルが投入された旨を示すメダル投入信号、クレジットや設定済みの賭数の精算がなされた旨を示す精算信号などであってもよい。特定遊技状態信号としてのART信号の出力は、これらのゲーム関連信号が出力され得る期間に含まれないタイミングで終了させるように構成すればよい。
(5) 前述した実施例における呼び出しランプ装置200などの外部機器である遊技用装置は、実施例におけるスロットマシン1やその他の種類のスロットマシンに対応させて設けられる。また、実施例におけるスロットマシン1に対応させる場合には、当該スロットマシン1からのART信号の受信を完了したときに、受信完了タイミングに応じたゲーム数分遡って、ART期間中の賭数や払出数を特定して集計する必要がある。このため、呼び出しランプ装置200などの遊技用装置は、ART信号受信完了時から遡るゲーム数(たとえば、前回ゲーム、前々回ゲームなど)を設定するための設定手段を備えているものであってもよい。さらに、当該設定手段は、ART信号受信タイミング(ゲーム終了時かメダルIN信号受信時かなど)に応じて、遡るゲーム数を設定するものであってもよい。これにより、実施例におけるスロットマシン1やその他の種類のスロットマシンを含む複数種類のスロットマシンに対応させて、ART中の情報を正確に集計することができる。
前述した実施例では、ART信号を最低でも2000msにわたり出力する構成であるが、少なくとも外部機器側で特定可能な時間であれば良く、接続が想定される外部機器に合わせて出力時間は適宜に選択可能である。また、スロットマシン側でART信号の最低出力時間を設定するための設定手段を備え、接続される外部機器に合わせて任意に設定できる構成としてもよい。この場合、図10のSk108では、設定手段により設定された最低出力時間経過したか否かを判定し、経過している場合にはSk109へ移行し、経過していないときにはSK110へ移行するようにしてもよい。
また、前述した実施例では、所定期間にわたり外部出力信号を出力することで外部機器にその状態が通知される遊技状態として再遊技役の当選確率が高いRT2を適用しているが、他の遊技状態、例えば、いわゆるビッグボーナスやレギュラーボーナスなど、通常よりも小役の当選確率が高まる状態、全ての小役が許容される状態(リールの引込が一部制限されるとともに、全小役の入賞が許容されるCB(チャレンジボーナス)やCT(チャレンジタイム)など))、さらには、これら遊技者にとって有利な状態への移行確率が通常よりも高い遊技状態などを適用してもよい。さらに、遊技者にとって有利な遊技状態に限るものではなく、例えば、その遊技状態自体は、遊技者にとって不利であるが、一定ゲーム数後に有利な状態に移行し得るなど、当該遊技状態の開始や終了などを特定することで有用な情報を得られる遊技状態であれば不利な遊技状態を適用してもよい。
(6) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。