以下、添付図面を参照して、実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。すなわち、透視窓3は、各リールに配列された図柄のうち連続する3つの図柄を、上段、中段、および下段各々の位置において視認可能に構成されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)」、「黒BAR(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)」、「星(たとえば、左リール2Lの領域番号14の図柄)」、「ブドウ(たとえば、左リール2Lの領域番号13の図柄)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号10の図柄)」、「白BAR(たとえば、左リール2Lの領域番号6の図柄)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号5の図柄)」、「星7(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、規定数の賭数として、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス(以下、ボーナスともいう)であることに応じて「2」が定められて、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス以外の遊技状態(以下、一般遊技あるいは一般遊技状態ともいう)であることに応じて「3」が定められている。
また、前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。
遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)の対応するラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために予め設定されているラインである。本実施の形態では、図1に示すように、入賞ラインL1〜L4の4種類が入賞ラインとして定められている。
入賞ラインL1は、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL2は、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL3は、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL4は、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。なお、入賞ラインは、L1〜L4に示すラインに限らず、たとえば各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨るラインなどを含むものであってもよい。
ビッグボーナスおよびレギュラーボーナス以外の一般遊技状態であるときに規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。ビッグボーナスおよびレギュラーボーナスであるときに規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL2〜L4が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、12枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化された入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、日時を計時するためのリアルタイムクロック50(以下、RTC50という)、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
また、RTC50は、現在の「年(西暦)」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」、「秒」を示すために計時を行なう装置である。メイン制御部41は、たとえば、RTC50が計時した日時を特定するための日時情報を取得(抽出)し、当該取得した日時情報に基づき、液晶表示器51などの演出手段における演出内容やリール2L〜2R各々を制御するためのリール制御パターンを決定して、該決定に基づいて演出制御やリール制御を実行する。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行なわれる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。メイン制御部41からのコマンドを取得したときに、当該コマンドをバッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
スロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、および設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作など、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施の形態では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行なうようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
なお、本実施の形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態(以下では、単に「通常」ともいう)か、RT1〜3のいずれであるかなどの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしてもよい。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態に制御される場合には残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
なお、設定変更モードに移行させた場合(すなわち設定変更操作が行なわれた場合)、遊技状態フラグは、原則として、後述する通常遊技状態に関する情報に更新される。これにより、たとえば、RT中やボーナス中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後において通常遊技状態に制御される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選している内部中RT中に設定変更モードに移行させた場合には、通常遊技状態に制御される。このように、設定変更に関連して、遊技状態フラグを通常遊技状態に対応する値に書き換えられる(初期化)。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化され、通常遊技状態に制御される。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行なう例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図6に示すように、メイン制御部41により、通常遊技状態、再遊技役の当選確率が通常遊技状態よりも向上されるRT1〜RT3および内部中RT、および所定枚数払出されるまで小役の当選確率が向上されるビッグボーナスやレギュラーボーナスのうち、いずれかに制御される。また、本実施の形態におけるスロットマシンは、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
図5を参照して、入賞役のうち特別役には、3種類のビッグボーナス1〜3(以下、各々のビッグボーナスをBBとも称する)と、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBとも称する)とが含まれる。
BB1は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインのいずれかに「星7−星7−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、ビッグボーナスに制御される。遊技状態がビッグボーナスに制御されている間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、ビッグボーナスに制御されている間は、小役の所定確率に向上したBB時用のRBに制御される。BB時用のRBに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、毎ゲーム、レギュラーボーナス中フラグがON状態に設定された状態に制御される。
BB1またはBB2の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、361枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB3の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、241枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RBは、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−星7」あるいは「星7−星7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。RBの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの入賞役に4回入賞することを条件として終了する。
図6に示すように、BB1〜BB3およびRBのいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。また、図6に示すように、BB1〜BB3やRBが終了した後は、RT1に遊技状態が制御される。
内部抽選においてBB1〜BB3およびRBのうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB3およびRBを構成する図柄(「黒7」、「白7」、「星7」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。なお、内部抽選においてBB1〜BB3およびRBのうちいずれかに当選しているときには、当選しているボーナスに入賞するまで、当該ボーナスの当選フラグが持ち越される。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、1枚役、ブドウ、メロン1〜メロン4、イチゴが含まれる。
小役のうち1枚役は、入賞ラインのいずれかに「星−黒BAR−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役が入賞すると1枚メダルが払い出される。1枚役は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。1枚役を構成する図柄(「星」、「黒BAR」、「黒7」)は、左リール2L〜右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちブドウは、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。ブドウを構成する図柄(「ブドウ」)は、左リール2L〜右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちメロン1は、入賞ラインのいずれかに「any−メロン−any」あるいは「メロン−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。このため、メロン1は、中リール2Cの「メロン」の図柄が有効な入賞ラインに停止表示されることにより、左リール2Lおよび右リール2Rの図柄との組合せに関わらず、入賞が発生し得る入賞役といえる。
メロン1は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞する。メロン1を構成する図柄(たとえば、「メロン」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているためである。
次に、メロン2〜4について説明する。メロン2は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−白7−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン3は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン4は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−黒BAR−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、メロン2〜4各々を構成する図柄は、少なくとも、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてメロン2〜4のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているメロン2〜4のうち当選しているメロンに入賞することはない。
しかしながら、メロン2〜4は、後述するように、ビッグボーナス中を除いて、常にメロン1と同時に抽選対象役として読み出されて当選する。このため、メロン2〜4に当選しているときには、ビッグボーナス中を除いて、メロン1を入賞させることができる。
メロン1の図柄組合せが入賞ラインL2上に停止した出目を転落出目ともいう。すなわち、転落出目とは、中リール2Cの「メロン」が上段に停止、あるいは「メロン−黒BAR−メロン」が入賞ラインL2上に停止することにより、メロン1入賞を発生させる出目をいう。
図6に示すように、RT1〜RT3のいずれかにおいて転落出目となった後は、通常遊技状態に制御される。内部中RTにおいて転落出目となっても、通常遊技状態に制御されない。また、通常遊技状態において転落出目となっても、当該通常遊技状態への制御が維持される。
また、中リール2Cの「メロン」が中段に停止することにより入賞ラインL1にメロン1の図柄組合せが停止してメロン1に入賞しかつ12枚払出となる出目を、チャンス出目ともいう。
小役のうちイチゴは、入賞ラインのいずれかに「イチゴ−白7−バナナ」、「イチゴ−黒7−バナナ」、「イチゴ−星7−バナナ」、および「イチゴ−ブドウ−バナナ」のうちいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。イチゴは、当選していてもストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。イチゴを構成する左リール2Lの図柄(「イチゴ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
遊技者は、一般遊技状態中であってATに制御されていないときには、当該イチゴ入賞させるための操作手順で停止操作することにより、イチゴの取りこぼしを防止できる。
次に、ブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞したときに払出されるメダルの枚数について説明する。ブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞すると、当該入賞したゲームが開始されたときの遊技状態および入賞ライン数に応じた枚数分のメダルが払い出される。
一般遊技状態においてブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞したときには、4枚メダルが払い出される。一方、一般遊技状態と異なるボーナスにおいてブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞したときには、8枚メダルが払い出される。
なお、入賞ラインL1、L3、L4は、中リール2Cの中段において交差している。また、メロン1の「any−メロン−any」は、中リール2Cの停止図柄のみより入賞が発生し得る。このため、メロン1は、複数の入賞ラインにおいて発生し得る入賞役といえる。このため、メロン1の「any−メロン−any」が停止されることによりメロン1に入賞したときには、入賞ライン数に応じた枚数のメダルが払い出される。たとえば、中リール2Cの「メロン」が中段に停止されたときには、一般遊技状態において入賞ラインL1、L3、L4において入賞することになるため4×3=12枚メダルが払い出され、ボーナスにおいて入賞ラインL3、L4において入賞することになるため8×2=16となり払出上限の12枚メダルが払い出される。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ1〜リプレイ11が含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常リプレイを構成する図柄(「バナナ」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。リプレイ1は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプともいう。
リプレイ2は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ2を構成する図柄(「バナナ」、「メロン」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、通常遊技状態においてリプレイ2に入賞した後は、通常遊技状態よりもリプレイ当選確率が向上したRT2に制御される。このため、リプレイ2は、以下では昇格リプともいう。後述するように、リプレイ2は、RT1における内部抽選においては当選しないように設定されており、通常遊技状態における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、RT1においてはリプレイ2に入賞しない。その結果、RT1から直接RT2に制御されないように構成されており、通常遊技状態に制御された後、リプレイ2に入賞することにより、RT2に制御されるように構成されている。
なお、通常遊技状態以外の遊技状態(たとえば、RT1)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)でリプレイ2について抽選して当選し得るようにし、通常遊技状態以外の遊技状態からもRT2に制御されるように構成してもよい。
リプレイ3は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−白7」あるいは「バナナ−バナナ−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ3を構成する左図柄および中図柄(「バナナ」)は、左リール2Lおよび中リール2C各々において5コマ以内に配置されており、リプレイ3を構成する右図柄(「白7」および「イチゴ」)は、右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、RT2においてリプレイ3に入賞した後は、RT2よりもリプレイ当選確率がさらに向上したRT3に制御される。このため、リプレイ3は、以下では突入リプともいう。後述するように、リプレイ3は、通常遊技状態、およびRT1における内部抽選においては当選しないように設定されており、RT2における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、通常遊技状態、およびRT1においてはリプレイ3に入賞しない。その結果、通常遊技状態、およびRT1から直接RT3に制御されないように構成されており、RT2に制御された後、リプレイ3に入賞することにより、RT3に制御されるように構成されている。
なお、RT2以外の遊技状態(たとえば、通常遊技状態、およびRT1)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)でリプレイ3について抽選して当選し得るようにし、RT2以外の遊技状態からも有利RTに制御されるように構成してもよい。
RT3へ一旦制御されると、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選するか転落出目停止あるいは転落リプ入賞発生となるまでの間、当該RT3への制御が維持される。
RT3へは、通常遊技状態において昇格リプを入賞させ、さらにRT2において突入リプを入賞させなければ制御されない。このことから、RT3に制御されたときには、後述するAT中に制御されておりナビ演出が実行されていた可能性が高い。AT中でありナビ演出が実行されている場合には、このナビ演出から特定される操作手順で操作することにより、RT2やRT3に制御されている場合に当該RT2やRT3から通常遊技状態へ制御されてしまう転落出目の停止や転落リプ入賞が発生してしまうことを回避することができる。しかし、AT中であっても、操作ミスなどにより遊技者が誤った手順で操作してしまった場合には、転落出目の停止や転落リプ入賞が発生する虞があり、この場合にRT3やRT2から通常遊技状態へ制御されてしまう。本実施の形態におけるスロットマシンでは、AT中でありながら転落出目の停止や転落リプ入賞が発生することにより通常遊技状態に転落した後(通常遊技状態からRT2に制御された後を含む)においても、後述するようにATゲーム数は減算される。しかし、AT中でありながら転落出目の停止や転落リプ入賞が発生することにより通常遊技状態に転落した後(通常遊技状態からRT2に制御された後を含む)においても、通常遊技状態に転落するまでのAT+RT3であるART中と同様の条件成立によりAT抽選が行なわれて、ATゲーム数が上乗せされることに対する期待感を抱かせることができる。
リプレイ4は、入賞ラインのいずれかに「メロン−イチゴ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ4を構成する図柄(「メロン」「イチゴ」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ4については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図6に示すように、RT2においてリプレイ4に入賞したときには、通常遊技状態に制御される。このため、リプレイ4は、以下では転落リプともいう。
リプレイ5は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−黒BAR−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ6は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−黒BAR−白7」あるいは「黒BAR−黒BAR−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ7は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−白7−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ8は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−バナナ−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ9は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ10は、入賞ラインのいずれかに「白7−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ11は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−星」の組合せが揃ったときに入賞となる。
なお、リプレイ5は、黒BARの3つ揃いであるため、リプレイ5をBARリプともいう。また、リプレイ6〜11は、各々、黒BARが2つ揃い、すなわち黒BARがテンパイ状態となるため、テンパイリプa〜テンパイリプfともいう。
リプレイ5〜11各々を構成する図柄は、少なくとも1以上のリールにおいて、5コマ以内に配置されていない図柄を含む。このため、内部抽選においてリプレイ5〜11のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L〜8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞しない。
しかし、リプレイ5〜11は、各々、他のリプレイと同時に当選するため、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず、当選しているいずれかのリプレイを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、リプレイ5〜11は、原則として、当選しても入賞させることができない場合も生じるが、いずれかのリプレイを入賞させることができる役といえる。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図7および図8を参照して、内部抽選において抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せおよび判定値数について説明する。図7および図8においては、各々、左2列により、“抽選対象役の名称”およびその名称に対応する“抽選対象役の組合せ”が示され、左3列目から、“遊技状態”が示されている。抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の数値は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときに内部抽選において読み出されること、および当該抽選対象役の内部抽選で用いる判定値数を示す。図7および図8では、判定値数として、たとえば設定値1であるときの判定値数を示すが、設定値2〜6であるときの判定値数も特定可能にROM41bに格納されている。また、抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の×印は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときの内部抽選において読み出されないあるいは読み出されたとしても当選しないことを示している。
なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「413」が設定されている抽選対象役(図7の通常遊技状態などにおける弱イチゴ1)の当選確率は、413/65536となる。
また、スロットマシン1においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下では、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7は、一般遊技状態における特別役・小役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
遊技状態が、通常遊技状態およびRT1〜RT3のうちいずれかであるときには、弱イチゴ1、弱イチゴ2、弱イチゴ3、弱イチゴ4、強イチゴ1、強イチゴ2、強イチゴ3、強イチゴ4、押し順メロン1、押し順メロン2、押し順メロン3、押し順メロン4、押し順メロン5、12枚メロン1、12枚メロン2、12枚メロン3、12枚メロン4、弱ブドウ1、弱ブドウ2、弱ブドウ3、弱ブドウ4、強ブドウ1、強ブドウ2、強ブドウ3、強ブドウ4、1枚役1、1枚役2、1枚役3、1枚役4、RB、BB3、BB2、BB1が内部抽選の対象役となり内部抽選の対象役として順に読出される。
弱イチゴ1とは、イチゴを読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ2とは、イチゴ+RBを読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ3とは、イチゴ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ4とは、イチゴ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ1とは、イチゴ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ2とは、イチゴ+1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ3とは、イチゴ+1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ4とは、イチゴ+1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
押し順メロン1とは、メロン1+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン2とは、メロン1+メロン3を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン3とは、メロン1+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン4とは、メロン1を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン5とは、メロン1+メロン3+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。
12枚メロン1とは、メロン1+ブドウ+イチゴを読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン2とは、メロン1+ブドウ+イチゴ+RBを読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン3とは、メロン1+ブドウ+イチゴ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン4とは、メロン1+ブドウ+イチゴ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
弱ブドウ1とは、ブドウを読み出す抽選対象役をいう。弱ブドウ2とは、ブドウ+RBを読み出す抽選対象役をいう。弱ブドウ3とは、ブドウ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。弱ブドウ4とは、ブドウ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ1とは、ブドウ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ2とは、ブドウ+1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ3とは、ブドウ+1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ4とは、ブドウ+1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
1枚役1とは、1枚役を読み出す抽選対象役をいう。1枚役2とは、1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。1枚役3とは、1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。1枚役4とは、1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態が内部中RTであるときには、弱イチゴ1、強イチゴ1、押し順メロン1、押し順メロン2、押し順メロン3、押し順メロン4、押し順メロン5、12枚メロン1、弱ブドウ1、強ブドウ1、1枚役1が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
図8は、一般遊技状態における再遊技役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
遊技状態が、通常遊技状態であるときには、通常リプレイ、押し順昇格リプレイ1、押し順昇格リプレイ2、押し順昇格リプレイ3、押し順昇格リプレイ4、押し順昇格リプレイ5、押し順昇格リプレイ6、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
通常リプレイとは、通常リプを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ1とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ2とは、通常リプ+昇格リプ+突入リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ3とは、通常リプ+昇格リプ+転落リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ4とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプa+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ5とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプb+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ6とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプc+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。
BARテンパイリプレイ1とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。BARテンパイリプレイ2とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+RBを読み出す抽選対象役をいう。BARテンパイリプレイ3とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+BB3を読み出す抽選対象役をいう。BARテンパイリプレイ4とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+BB2を読み出す抽選対象役をいう。BARリプレイとは、通常リプ+BARリプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+テンパイリプfを読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態が、RT1、RT3、および内部中RTのいずれかであるときには、通常リプレイ、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
遊技状態がRT2であるときには、通常リプレイ、押し順維持リプレイ1、押し順維持リプレイ2、押し順維持リプレイ3、押し順維持リプレイ4、押し順維持リプレイ5、押し順突入リプレイ1、押し順突入リプレイ2、押し順突入リプレイ3、押し順突入リプレイ4、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
押し順維持リプレイ1とは、昇格リプ+転落リプ+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順維持リプレイ2とは、通常リプ+昇格リプ+転落リプ+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順維持リプレイ3とは、昇格リプ+突入リプ+転落リプ+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順維持リプレイ4とは、昇格リプ+転落リプ+テンパイリプa+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順維持リプレイ5とは、昇格リプ+転落リプ+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。
押し順突入リプレイ1とは、突入リプ+転落リプを読み出す抽選対象役をいう。押し順突入リプレイ2とは、突入リプ+転落リプ+テンパイリプbを読み出す抽選対象役をいう。押し順突入リプレイ3とは、突入リプ+転落リプ+テンパイリプcを読み出す抽選対象役をいう。押し順突入リプレイ4とは、突入リプ+転落リプ+テンパイリプaを読み出す抽選対象役をいう。
また、図示を省略するが、BB中におけるRBであるときには、イチゴ、BB強イチゴ、12枚メロン1、BBメロン、8枚メロンが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。ここで、イチゴとは、イチゴを読み出す抽選対象役をいう。BB強イチゴとは、イチゴ+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン1とは、メロン1+ブドウ+イチゴを読み出す抽選対象役をいう。BBメロンとは、メロン3+メロン4+ブドウ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。8枚メロンとは、メロン1を読み出す抽選対象役をいう。
また、遊技状態が非BB中におけるRBであるときには、イチゴ、左メロン、中右メロン、12枚メロン1、強ブドウ1が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。左メロンとは、メロン1+メロン3+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。中右メロンとは、メロン1+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなるように設定されている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、RB、BB2、およびBB3は、小役や再遊技役と同時に当選し得る。たとえば、イチゴに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴ1〜4および強イチゴ1〜4各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱イチゴ1〜4当選時と強イチゴ1〜4当選時とで異なるリール制御が行なわれるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、ブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱ブドウ1〜4および強ブドウ1〜4各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱ブドウ1〜4当選時と強ブドウ1〜4当選時とで異なるリール制御が行なわれるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、イチゴあるいはブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、ブドウに当選しているときよりも、イチゴに当選しているときの方が高くなるように、判定値数が設定されている。
一般遊技状態においては、図7に示すように、押し順メロン1〜押し順メロン5各々が「2305」に設定されており、押し順メロン1〜押し順メロン5のいずれかが2305×5/65536=11525/65536の確率で当選するように、他の抽選対象役と比較して高い確率で当選するように判定値数が設定されている。
次に、図8の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態毎に再遊技役の当選確率を比較する。通常遊技状態においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「2734」が、押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかが読み出されるときの判定値数として「1020」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、通常遊技状態においていずれかのリプレイに当選する確率は、8980/65536となる。また、通常遊技状態からRT2に昇格させる可能性のある押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選する確率は、1020×6/65536=6120/65536となる。
RT1においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「8856」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT1においていずれかのリプレイに当選する確率は、8982/65536となる。なお、RT1においては、RT2やRT3に移行させるための昇格リプや突入リプに当選しないように設定されている。
RT2においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「715」が、押し順維持リプレイ1〜5のいずれかが読み出されるときの判定値数として「6586」が、押し順突入リプレイ1〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「3500」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT2においていずれかのリプレイに当選する確率は、47771/65536となる。また、RT2から通常遊技状態に転落させる可能性のある押し順維持リプレイ1〜5および押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選する確率は、(6586×5)+(3500×4)/65536=46930/65536となる。また、RT2からRT3に突入させる可能性のある押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選する確率は、3500×4/65536=14000/65536となる。
RT3においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「47836」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT3においていずれかのリプレイに当選する確率は、47962/65536となる。
内部中RTにおいては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「17000」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT3においていずれかのリプレイに当選する確率は、17126/65536となる。
これらより、本実施の形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、RT2、RT3、および内部中RTであるときに、通常遊技状態、RT1であるときよりも高くなるように設定されている。このため、RT2、RT3、および内部中RTは、通常遊技状態、RT1であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、RT2では、リプレイの当選確率が高くなるものの転落リプの当選確率も高くなる。また、メロン1に当選しているときには、転落出目と成り得る。このため、後述するATに制御されていないときには当該RT2を維持させること、および突入リプを入賞させてRT3に制御させることが困難となるように構成されている。一方、RT3は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選するか転落出目となるまで当該RT3への制御が維持される。このため、RT3は、RT2よりも有利な遊技状態であるといえる。
また、内部中RTであるときには、RT3などであるときよりも後述するようにリール制御においてボーナスよりも優先的に引き込まれるリプレイの当選確率が低くなるように設定されているため、RT3であるときと同じリプレイの当選確率が設定されている場合と比較して、当選しているボーナスを入賞させることができる割合を高めることができる。
BB中におけるRBであるときには、メロン1入賞することとなる12枚メロン1の判定値数が高確率で当選するように判定値数が設定されている。また、いずれの入賞役にも当選しないはずれについても、「12」に設定されており、極めて低い確率で生じる。また、非BB中におけるRBであるときには、メロン1を含む左メロンおよび中右メロンの判定値数が各々高確率で当選するように設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、たとえば、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミングでストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。すなわち、停止制御テーブルにより、リールの領域番号に対応する図柄毎に、当該図柄が停止基準位置(下段)を通過しているときにストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数を特定することができる。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号(たとえば下段の図柄)を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴなど)に当選した場合や、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場や、特別役と再遊技役が同時に当選している場合などでは、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(たとえば、押し順昇格リプレイ1など)には、図9〜図11に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つの左リール2L〜右リール2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
図9は、押し順昇格リプレイ1〜6のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、押し順昇格リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順押し以外の操作手順で操作された場合には、通常リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
押し順昇格リプレイ2〜6のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順昇格リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、通常リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、昇格リプを入賞させてRT2に昇格させるための操作手順として、当選している押し順昇格リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、通常遊技状態において押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選したとしても、当選している押し順昇格リプレイの種類を特定することができない限り、1/6の確率でしか昇格リプを入賞させてRT2に制御させないようにすることができ、5/6の確率で通常リプを入賞させて通常遊技状態が維持されるように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、昇格リプに入賞し難くして極力RT2に制御されないようにしつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させてRT2に制御されるように制御することができる。
図10は、押し順維持リプレイ1〜5のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、押し順維持リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
押し順維持リプレイ2〜5のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順維持リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、昇格リプを入賞させてRT2を維持させるための操作手順、および転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落させるための操作手順として、当選している押し順維持リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、RT2において、押し順維持リプレイのいずれかに当選したときには、当選している押し順維持リプレイの種類を特定することができない限り、1/5の確率でしか昇格リプを入賞させて当該RT2を維持できず、4/5の確率で転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落するように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、運良くRT2に制御されていても転落リプに入賞し易くして極力当該RT2が維持されないように制御しつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させて当該RT2を意図的に維持させることができるように制御することができる。
図11は、押し順突入リプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、押し順突入リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち突入リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
押し順突入リプレイ2〜4のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順突入リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、突入リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、突入リプを入賞させてRT3に突入させるための操作手順、および転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落させるための操作手順として、当選している押し順突入リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、RT2において、押し順突入リプレイのいずれかに当選したときには、当選している押し順突入リプレイの種類を特定することができない限り、1/4の確率でしか突入リプを入賞させてRT3に突入させることができず、3/4の確率で転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落するように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、突入リプに入賞し難くして極力RT3に制御されないようにし、運良くRT2に制御されていても転落リプに入賞し易くして極力当該RT2が維持されないように制御しつつ、ATに制御されているときには、突入リプに入賞させてRT3に制御されるように制御することができる。
また、BARテンパイリプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときには、当選しているいずれかのリプレイを入賞させつつ、入賞ラインL1〜L4およびリール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨る下段ラインのいずれかに「黒BAR」を2つ揃わせてテンパイさせるリール制御を行なう。
また、BARリプレイに当選したときには、引込可能コマ数の範囲内で、「黒BAR」を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させてBARリプを入賞させるリール制御を行なうとともに、BARリプを入賞させることができない場合には、当選しているいずれかのリプレイを入賞させつつ、BARテンパイリプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときと同様に、入賞ラインL1〜L4および下段ラインのいずれかに「黒BAR」を2つ揃わせてテンパイさせるリール制御を行なう。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合(イチゴ+1枚役など)には、払出枚数が多い小役が払出枚数の少ない小役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれる。
複数種類の小役が同時に当選している場合として、たとえば押し順メロン1〜5のいずれかに当選している場合には、図12に示すように、当選している押し順メロンの種類および操作手順に応じて、異なるリール制御が行なわれる。
図12は、押し順メロン1〜5のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、押し順メロン1が当選したときには、順押しとなる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、当該停止操作に対応して停止させるリールの「メロン」を上段に停止させる制御を行なう。すなわち、押し順メロン1が当選したときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL1、L3、L4の3ラインに停止してチャンス出目となるため、メダルが12枚払い出されるのに対し、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止して転落出目となるため、メダルが4枚払い出されるに留まり、さらにRT1〜RT3のいずれかであったときには通常遊技状態に制御されてしまう。また、押し順メロン1が当選したときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、左リール2Lおよび右リール2Rの「メロン」を上・中・下段のいずれかに停止させるのに対し、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、対応するリールの「メロン」を上段に停止させるリール制御が行なわれる。
押し順メロン2〜5のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順メロンの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させてチャンス出目となる制御を行ないメダルを12枚払い出し、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止させて転落出目となる制御を行ないメダルを4枚払い出しかつRT1〜RT3のいずれかであるときには通常遊技状態に制御させる。
このように、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させるための操作手順、および有利なRT2やRT3への制御を維持するための操作手順として、当選している押し順メロンの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときには、当選している押し順メロンの種類を特定することができない限り、1/5の確率でしか入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させることができず、4/5の確率で中リール2Cの「メロン」を入賞ラインL2にのみ停止させてメダルが4枚しか払い出され、かつ有利なRT2やRT3への制御を維持できないように構成されている。これにより、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときに、後述するATに制御されていないときには極力4枚しかメダルが払い出されずかつ有利なRT2やRT3への制御を維持させないようにし、ATに制御されているときには意図的に入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させることを可能にし、12枚メダルが払い出されかつ有利なRT2やRT3への制御を維持させるように制御することができる。
また、12枚メロン1〜4のうちいずれかに当選したときには、操作手順に関わらず、中リール2Cの「メロン」を入賞ラインL1、L3、L4の3ラインに停止させるとともに、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、メダルを12枚払い出させるリール制御を行なう。
なお、図12において、メダルを12枚払い出させる押し順以外となる操作手順で操作された場合には、中リール2Cについて「メロン」を上段に停止させるリール制御を行なうものであればよく、たとえば、左リール2Lおよび右リール2Rの「メロン」については、上・中・下段のいずれかに停止させるものであってもよい。これにより、左リール2Lおよび右リール2Rの「メロン」の停止位置から、押し順が正解しているか否か、メダルを12枚払い出させるか否かを特定不能にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、弱イチゴ1〜4、強イチゴ1〜4、弱ブドウ1〜4、および強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選したときのリール制御について説明する。
たとえば、弱イチゴ1〜4あるいは弱ブドウ1〜4のうちいずれかが当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、当選しているイチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを、入賞ラインL2〜L4のうちいずれかに停止させる制御、すなわち左リール2Lに着目した場合「イチゴ」あるいは「ブドウ」を極力上段または下段に停止させる制御を行なう。
これに対し、強イチゴ1〜4あるいは強ブドウ1〜4が当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、当選しているイチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを、入賞ラインL1に停止させる制御、すなわち左リール2Lに着目した場合「イチゴ」あるいは「ブドウ」を極力中段に停止させる制御を行なう。
図7を用いて説明したように、イチゴに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴ1〜4および強イチゴ1〜4各々の判定値数が設定されており、また、ブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱ブドウ1〜4および強ブドウ1〜4各々の判定値数が設定されている。
このため、イチゴあるいはブドウに入賞したときの左リール2Lの「イチゴ」あるいは「ブドウ」が、上段または下段に停止しているときよりも、中段に停止しているときの方が、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合が高いため、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、図7を用いて説明したように、イチゴあるいはブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、ブドウに当選しているときよりも、イチゴに当選しているときの方が高くなるように、判定値数が設定されている。
このため、左リール2Lの「イチゴ」あるいは「ブドウ」が中段に停止してイチゴやブドウに入賞したときであっても、イチゴに入賞しているときの方がRB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合が高いため、遊技者の期待感を向上させることができる。
次に、非BB中のRBにおいて左メロンおよび中右メロンのうちいずれかに当選したときのリール制御について説明する。
たとえば、左メロンが当選しているときにおいて、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、左リール2L以外を第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させる制御を行なう。すなわち、左メロンが当選したときに、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL3、L4の2ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、左リール2L以外を第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが8枚払い出されるに留まる。
また、中右メロンが当選しているときにおいて、中リール2Cあるいは右リール2Rを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させる制御を行なう。すなわち、中右メロンが当選したときに、中リール2Cあるいは右リール2Rを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL3、L4の2ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが8枚払い出されるに留まる。
このように、非BB中のRBにおいて、入賞ラインL1、L3およびL4のうちいずれかに「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させるための操作手順として、左メロンに当選しているときと中右メロンに当選しているときとで、異なる操作手順が設定されている。このため、左メロンに当選しているのか中右メロンに当選しているのかを特定することができない限り、1/2の確率でしか入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させることができず、1/2の確率で入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルが8枚しか払い出されないように構成されている。一方、非BB中のRBは、4回入賞することにより終了する。このため、非BB中のRBにおける操作手順によって、当該RBにおける純増枚数を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
BB中におけるRBにおいて、抽選対象役のいずれかに当選したときには、抽選対象役に含まれる入賞役の図柄組合せを入賞ライン上に引込可能コマ数の範囲内で引き込み停止させるリール制御が行なわれる。その際、抽選対象役に含まれる入賞役の図柄組合せを、入賞ラインL2上よりも、入賞ラインL3またはL4上に優先して停止させるリール制御が行なわれる。このため、入賞役の図柄組合せは、入賞ラインL2上よりも、入賞ラインL3またはL4上に優先して停止され、当該図柄組合せのうち中リール2Cの図柄については上段よりも中段に停止されることになる。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、MAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入部4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定するといった内部抽選を行なう内部抽選処理を行なう。内部抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、内部抽選処理では、BB1〜BB3およびRBのいずれかに当選したときに、内部中RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行なわれる。
内部抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。通常時においては、リールモータ32L、32C、32Rを通常態様で回転駆動させる。本実施の形態では、通常態様として、リールモータ32L、32C、32R各々を、同時にかつ所定速度に到達するまで所定の加速度で回転駆動させる。これにより、通常態様で回転駆動されたときには、左、中、右すべてを同時にかつ所定の加速度で回転開始することができる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。本実施の形態におけるスロットマシン1は、ストップスイッチを操作することにより対応するリールの回転を停止させる例について説明するが、たとえば、リール回転開始から所定時間経過したときにストップスイッチが操作されたか否かに関わらず、回転中のリールを強制的に停止させるようにしてもよい。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、BB1〜BB3およびRBのうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。
また、通常遊技状態における入賞判定処理において、昇格リプに入賞したと判断されたときには、RT2に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT2の値を設定など)が行なわれる。また、RT2における入賞判定処理において、突入リプに入賞したと判断されたときには、RT3に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT3の値を設定など)が行なわれる。また、RT2における入賞判定処理において、転落リプに入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。また、入賞判定処理において、RT1〜RT3のいずれかにおいて、メロン1が転落出目の態様で入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行なわれる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、RT1に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT1フラグの値を設定など)が行なわれる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(RT1〜RT3のいずれであるか、通常遊技状態であるか、内部中RTであるか、BBであるか、非BB中のRBであるかなど)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行なわれ、特別ワークに格納されるBBやRBのボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
また、ゲーム制御処理では、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延させることによりフリーズを発生させるフリーズ発生処理が行なわれる。本実施の形態におけるフリーズ発生処理は、ボーナス中以外であって、ゲーム開始時(たとえば、スタートスイッチ7が操作されて内部抽選処理が行なわれた後のリール回転処理が開始されたとき)に実行される。なお、フリーズ発生処理は、ゲーム開始時に実行されるものに限らず、ゲーム終了時や、BET時、リール回転中の所定タイミングなどで実行されるものであってもよく、また、ボーナス中以外の遊技状態に限らず、ボーナス中など特定の遊技状態中において実行するものであってもよい。
フリーズを発生させない場合、メイン制御部41は、ゲームの開始(リール回転開始)後、前述したとおり、リールの回転を開始させると直ちに加速し、全てのリールが定速回転となった時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。一方、フリーズを発生させる場合、メイン制御部41は、ゲーム開始(リール回転開始)から所定期間が経過するまで、各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化せず、所定期間が経過した時点で各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化することにより、ゲームの進行を遅延させる。
また、フリーズ発生処理では、フリーズを発生させている期間において、リール2L〜2Rを通常態様とは異なる態様(特定態様)で回転制御および停止制御させることによるフリーズ演出を実行させるための処理が行なわれる。フリーズ演出については、図23を用いて後述する。なお、フリーズを発生させている期間は、ゲームの進行を遅延させるものであればよく、リール2L〜2Rによるフリーズ演出を実行させないものであってもよい。
フリーズ発生処理では、内部抽選処理における当選状況などに応じて所定の実行条件が成立したときに、フリーズに制御するか否かを決定するためのフリーズ抽選を行ない、当該抽選で当選したことを条件として、所定期間に亘ってフリーズ状態にする制御を開始する。また、フリーズ発生処理では、フリーズ状態にする制御を開始したときに、フリーズ状態に制御する旨およびフリーズに制御する期間を示すフリーズコマンドをサブ制御部91に送信する。これにより、サブ制御部91では、メイン制御部41によりフリーズが発生していることを特定可能となり、フリーズに対応する演出を実行する。
本実施の形態では、所定の実行条件が成立したときにフリーズコマンドが送信される。また、所定の実行条件は、当選状況に応じて成立する。このため、本実施の形態では、内部当選コマンドとフリーズコマンドとがゲーム開始のタイミングで送信されることになる。また、フリーズが発生した場合におけるリール回転コマンドは、フリーズが終了した後において通常時の回転制御へ移行されるタイミングで送信されることになる。
図13は、フリーズ抽選で参照されるフリーズ抽選用テーブルを説明するための図である。本実施の形態では、フリーズ抽選契機となる所定の実行条件として、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態において、ブドウあるいはイチゴに当選すること、BARテンパイリプレイに当選すること、BARリプレイに当選することが定められている。なお、所定の実行条件は、所定の入賞役に当選することにより成立するものに限らず、入賞することにより成立するものや、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより成立するもの、乱数抽選により所定確率で成立するものなどであってもよい。
ブドウあるいはイチゴ当選により所定の実行条件が成立したときには、99%の確率でフリーズ不実行に決定され、1%の確率でフリーズ実行に決定される。また、BARテンパイリプレイ当選により所定の実行条件が成立したときには、80%の確率でフリーズ不実行に決定され、20%の確率でフリーズ実行に決定される。また、BARリプレイ当選により所定の実行条件が成立したときには、30%の確率でフリーズ不実行に決定され、70%の確率でフリーズ実行に決定される。
なお、フリーズ実行に決定された場合に、当該決定に基づくフリーズを、当該決定がなされたゲームにおいて発生させるものや、次のゲームにおいて発生させるもの、ゲームを所定回数消化した後のゲームにおいて発生させるもの、所定の実行抽選で当選したゲームにおいて発生させるものであってもよい。また、フリーズ実行に決定された場合であっても、当該決定の契機となった入賞役に入賞したことを条件として、その後に当該決定に基づくフリーズを発生させるようにしてもよい。
フリーズ抽選でフリーズ実行に決定されてフリーズを発生させるときには、前述したように、フリーズコマンドをサブ制御部91に出力するとともに、所定期間が経過するまで、ゲームの進行を遅延させ(たとえば各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化せず)、所定期間が経過した時点でゲームの進行を再開する(たとえば各リールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する)ことによりフリーズを発生させる。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、RT1〜RT3、内部中RT、通常遊技状態、ボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行なう。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行なわれる。遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果として停止した図柄を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブル、すなわち図3の各リールにおける図柄配列を特定するための配列特定テーブルが予め記憶されており、この配列特定テーブルを参照して、リール停止コマンドに含まれる情報から対応するリールに停止した図柄を特定するための停止図柄特定処理を行ない、特定された図柄が停止図柄テーブルに登録される。これにより、リール2L〜2R各々について、表示結果として停止された図柄を特定することができる。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて演出状態をATなどの遊技者にとって有利度合いが高い状態に制御するための演出状態制御処理、遊技状態等に応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
演出状態制御処理のAT抽選において獲得したATゲーム数は、一のタイミングで報知されるかあるいは分割して複数のタイミングに分けて報知される。ATゲーム数が報知されるとATへの制御が開始される。ATへの制御は、ナビ演出にしたがってRT3への移行契機である押し順突入リプレイに当選した次のゲームから獲得したATゲーム数消化するまで維持される。なお、AT+RT3であるARTにおいて転落出目停止や転落リプ入賞発生により通常遊技状態に制御された後においても、ATゲーム数が残存している場合には、当該ATゲーム数を消費するまでATへの制御が継続され、残りのATゲーム数に応じて行なわれるナビ演出にしたがって停止操作することにより再びARTに制御可能となる。ART中においてもAT抽選が行なわれる。また、ART中から通常遊技状態に制御(転落)されてから再びARTに制御されるまでの間(AT+通常中、AT+RT2中)においても、転落するまでのART中と同様に、AT抽選が行なわれる。以下に、ATに関する処理について説明する。
[AT抽選処理]
サブ制御部91は、演出状態制御処理に含まれるAT抽選処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行なう。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選では、ATに制御するか否か、およびATに制御可能となるゲーム数を示すATゲーム数が決定される。決定されたATゲーム数を特定するための情報は、RAM91cの所定領域において記憶される。RAM91cの所定領域における記憶情報から、ATゲーム数が0であるときには、決定されたATゲーム数を特定するための記憶情報に更新され、ATゲーム数が1以上であるときには、該ATゲーム数に対して決定されたATゲーム数を加算したゲーム数を特定するための記憶情報に更新される。ATには、ATゲーム数を消化する間制御され、当該AT中において後述するナビ演出が実行可能となる。このため、決定されたATゲーム数が多いゲーム数である程、長い期間に亘りATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
図14は、AT抽選を実行する契機となるAT抽選条件の一例を説明するための図である。また、図15は、AT抽選条件成立時のAT抽選の一例を説明するための図である。また、図16は、AT抽選で参照されるテーブルの一例を説明するための図である。図17は、優遇期間に移行するか否かの優遇期間移行抽選で参照されるテーブルの一例を説明するための図である。優遇期間とは、AT当選する確率および獲得することを期待できるATゲーム数の期待値が大きく遊技者にとって有利な期間をいう。
AT抽選条件は、図14に示すように、第1〜第5の条件が設定されている。AT抽選は、AT抽選条件が成立することにより行なわれる。以下では、ATゲーム数を獲得しておらずAT中でないときにAT抽選で当選することをAT初当りあるいは初当りといい、すでにATゲーム数を獲得しているときにAT抽選で当選することを上乗せ当選という。上乗せ当選したときには、決定されたATゲーム数が上乗せ加算される。
第1のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であるときであって、ブドウおよびイチゴのいずれかに当選している当選状況、あるいは図8で示したBARテンパイリプレイ1〜4のいずれかに当選している当選状況となることにより成立する。なお、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4のいずれかに当選したが、当該当選により、メイン制御部41側におけるフリーズ抽選で当選してフリーズを発生させる旨のフリーズコマンドを受信しているときには、第1のAT抽選条件は成立とならず、後述する第5のAT抽選条件が成立することとなる。つまり、第1のAT抽選条件は、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4のいずれかに当選し、かつ当該当選によってフリーズが発生しないときに成立する。なお、第1のAT抽選条件の成立契機は、所定役に当選することではなく、所定役に入賞することにより成立するものであってもよい。たとえば、入賞ラインL1においてブドウあるいはイチゴが入賞(すなわち中段においてブドウあるいはイチゴ入賞)することや、入賞ラインL1〜L4および下段ラインのいずれかにおいて「黒BAR」が2つ揃ってBARリプがテンパイすることにより成立するものであってもよい。
第1のAT抽選条件成立時におけるAT抽選は、設定されているモードの種類に応じたテーブルを参照して実行される。モードの種類によって、AT抽選でATに制御すると決定する確率、およびATゲーム数の振分率が特定される。本実施の形態では、モードAとモードBとが設けられており、たとえばデモ演出中において、遊技者がストップスイッチ8L〜8RやMAXBETスイッチ6などの操作手段を操作することにより、操作選択可能に構成されており、当該操作選択に応じた種類のモードにサブ制御部91により制御される。
なお、モードは、モードAおよびモードBの2種類に限らず、3種類以上設けられているものであってもよく、また、遊技者によって選択可能に構成されているものに限らず、サブ制御部91側において乱数などを用いた抽選によってランダムに決定されるものであってもよい。
また、たとえば、ボーナスのうちBB1が終了した後から50ゲーム消化する間に亘りモードBに制御され、50ゲーム消化した後においてはモードAに制御し、当該モードAであるときに所定条件が成立することにより、乱数などを用いてモードBに制御するか否かをランダムに決定するためのモード抽選が行なわれ、当該モード抽選でモードBに制御すると決定されたときには以後30ゲーム消化する間に亘りモードBに制御され、モードBが終了した後は、再びモードAに制御される。サブ制御部91は、所定のモード設定処理を行なうことにより、成立条件に応じて、いずれかのモードに制御するものであってもよい。なお、モードB中であるときにボーナス当選したときには、当該モードBにおいて消化したゲーム数および当選したボーナスの種類に関わらず、当該ボーナス終了後から50ゲーム消化する間に亘りモードBに制御されるようにしてもよい。また、モードは、RTCによって計時される日時に基づき、設定されるようにしてもよい。
図15(a)を参照して、第1のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、モードAであるときに図16(a)に示す第1テーブルが参照され、モードBであるときに図16(b)に示す第2テーブルが参照される。
第1テーブルが参照されたときには、図16(a)に示すように、50%の確率でAT初当りあるいは上乗せ当選としない非当選に決定され、残り50%の確率でAT初当りあるいは上乗せ当選である当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、20%の確率で「10ゲーム」に、12%の確率で「20ゲーム」に、7%の確率で「30ゲーム」に、5%の確率で「40ゲーム」に、3%の確率で「50ゲーム」に、1%の確率で「100ゲーム」に、1%の確率で「150ゲーム」に、1%の確率で「200ゲーム」に決定される。
第1テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.2×10)+(0.12×20)+(0.07×30)+(0.05×40)+(0.03×50)+(0.01×100)+(0.01×150)+(0.01×200)≒14.5となる。
第2テーブルが参照されたときには、図16(b)に示すように、85.8%の確率で非当選に決定され、残りの確率でAT初当りあるいは上乗せ当選である当選に決定される。AT抽選で当選するときには、ATゲーム数として、2%の確率で「30ゲーム」に、0.8%の確率で「40ゲーム」に、5%の確率で「50ゲーム」に、2%の確率で「100ゲーム」に、1.4%の確率で「150ゲーム」に、1%の確率で「200ゲーム」に、2%の確率で「250ゲーム」に決定される。
第2テーブルが参照されたときには、第1テーブルが参照されたときよりも、AT初当りあるいは上乗せ当選する可能性が低いが、AT初当りあるいは上乗せ当選したときには、ATゲーム数としてより多いゲーム数に決定される可能性が高くなり、かつ第1テーブルが参照されたときには決定されることがない「250ゲーム」に決定され得るように設定されている。
また、第2テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定されるATゲーム数との関係から、(0.02×30)+(0.008×40)+(0.05×50)+(0.02×100)+(0.014×150)+(0.01×200)+(0.02×250)≒14.5となり、第1テーブルが参照されたときのATゲーム数の期待値とほぼ同じになるように設定されている。これにより、遊技者にとっての実質的な有利度合いに差を生じさせることなく、いずれのモードを選択するかといった面白みを提供することができる。
なお、ATゲーム数の期待値は、第1テーブルと第2テーブルとで全く同じ値となるように設定してもよい。また、ATゲーム数の期待値は、第1テーブルおよび第2テーブルのうちいずれか一方の方が他方よりも大きくなるように、たとえば、第2テーブルの方が第1テーブルよりも大きくなるように設定されているものであってもよい。
図14に戻り、第2のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であるときに、BARリプレイに当選することにより成立する。なお、BARリプレイに当選したが、当該当選により、メイン制御部41側におけるフリーズ抽選で当選してフリーズを発生させる旨のフリーズコマンドを受信しているときには、第2のAT抽選条件は成立とならず、後述する第5のAT抽選条件が成立することとなる。つまり、第2のAT抽選条件は、BARリプレイに当選し、かつ当該当選によってフリーズが発生しないときに成立する。なお、第2のAT抽選条件の成立契機は、BARリプレイに当選することではなく、入賞ラインL1〜L4のいずれかにおいてBARリプの図柄組合せが停止して入賞することにより成立するものであってもよい。
第2のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、図15(a)に示すように、モードに関わらず、第3テーブルが参照される。第3テーブルが参照されたときには、図16(c)に示すように、必ず当選、すなわちAT初当りあるいは上乗せ当選する。第3テーブルが参照されたAT抽選では、ATゲーム数として、「10ゲーム」、「20ゲーム」、「30ゲーム」、「40ゲーム」、「50ゲーム」、「150ゲーム」、「200ゲーム」、および「250ゲーム」各々が10%の確率で決定され、残り20%の確率で「100ゲーム」に決定される。
第3テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、0.1×(10+20+30+40+50+150+200+250)+0.2×100≒95となる。すなわち、第3テーブルが参照された場合には、第1あるいは第2テーブルが参照されたときよりも、遊技者にとって有利な態様でAT抽選が行なわれる。このため、第2のAT抽選条件の方が、第1のAT抽選条件よりも遊技者にとって有利度合いが高いAT抽選条件であるといえる。
なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドや遊技状態コマンドに基づき、ボーナス以外であって内部中RT以外の遊技状態であるか否かを特定し、内部当選コマンド(AT抽選条件を入賞により成立させる場合にはリール停止コマンド、入賞判定コマンド)に基づき、第1あるいは第2のAT抽選条件が成立したか否かを特定する。
図14に戻り、第3のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であるときであって、優遇期間においてゲームが開始される毎に成立する。なお、第3のAT抽選条件は、優遇期間において毎ゲーム成立するものに限らず、優遇期間において、所定の入賞役の当選あるいは入賞したときや、所定の抽選で当選したときなどに成立するものであってもよい。
優遇期間には、優遇期間に移行させるか否かの優遇期間移行抽選で当選すると、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム)消化するまでの間に亘り移行される。優遇期間移行抽選は、第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときにおいて、図17に示す優遇期間移行抽選テーブルを参照して抽選が行なわれる。
優遇期間移行抽選テーブルは、AT抽選で当選しなかったときの状態に応じて異なる割合で優遇期間に移行するように、優遇期間移行確率が設定(具体的には、優遇期間移行確率となるように判定値数が設定)されている。
当選しなかったときの状態が、非AT中であってかつ通常遊技状態やRT2であったときには、10%の確率で優遇期間に移行する旨が決定される。一方、非AT中であってRT3であるときや、AT中であったときには、30%の確率で優遇期間に移行する旨が決定される。このため、非当選となったときでも、そのときの状態が非AT+通常や非AT+RT2中であるときよりも、非AT+RT3中やAT中であったときの方が、高い割合で優遇期間移行抽選において当選し、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム)消化するまでの間に亘り優遇期間に移行される。このため、非AT+RT3中やAT中においては、優遇期間に移行されることに対する期待感を抱かせることができ、かつ優遇期間においてATゲーム数が上乗せされることに対する期待感を向上させることができる。なお、図17で示す「AT中」とは、ATに制御されている状態であればよく、メイン制御部41により制御されている遊技状態がRT3であるときのみならず、通常遊技状態やRT2である場合も含まれる。
本実施の形態における優遇期間移行抽選は、AT中であるか否かにかかわらず、第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときであれば行なわれる例について説明したが、これに限らず、AT中であるときにのみ行なわれるようにしてもよい。たとえば、優遇期間移行抽選は、既にATゲーム数を獲得しておりATに制御されているときにおいて第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときに行なわれるようにしてもよい。
また、本実施の形態における優遇期間移行抽選は、第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときに行なわれる例について説明したが、これに限らず、所定の入賞役に当選や、所定入賞役に入賞など、所定条件が成立することにより行なわれるものであればよい。たとえば、優遇期間移行抽選は、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイのうちいずれかに当選(あるいは入賞)したときに行なわれるようにしてもよい。この場合、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイのうちいずれに当選(あるいは入賞)したかに応じて、つまり成立した所定条件の種類に応じて、優遇期間移行確率を異ならせるようにしてもよい。
また、本実施の形態における優遇期間移行抽選は、AT中であるか否かにかかわらず、所定条件が成立しさえすれば行なわれる例について説明したが、これに限らず、所定条件が成立したときであってもAT中であることを条件として行なわれるようにしてもよい。たとえば、優遇期間移行抽選は、既にATゲーム数を獲得しておりATに制御されているときにおいて、第1のAT抽選条件が成立したがAT抽選で当選しなかったときに行なわれるようにしてもよい。この場合においても、優遇期間移行抽選を行なう契機に応じて、優遇期間移行確率を異ならせるようにしてもよい。
優遇期間に移行されると、優遇期間において消化したゲーム数を特定するために優遇期間ゲーム数カウンタの値を1加算し、当該優遇期間ゲーム数カウンタの値が所定ゲーム数に対応するゲーム数(10)に到達することにより優遇期間を終了させる。なお、サブ制御部91は、優遇期間に移行しているときに、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドを受信したことに基づき、第3のAT抽選条件が成立したか否かを特定する。
第3のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、図15(b)に示すように、優遇期間の最終ゲーム(10ゲーム目)であるか、最終ゲーム以外のゲーム(1〜9ゲーム目)であるかに応じて、異なる割合にしたがってAT抽選が行なわれる。最終ゲームであるか否かは、前述した優遇期間ゲーム数カウンタの値に基づき特定される。
優遇期間における最終ゲーム以外のゲームであるときには、ATゲーム数として、80%の確率で「10ゲーム」に、20%の確率で「20ゲーム」に決定される。よって、優遇期間における最終ゲーム以外のゲームであるときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、0.8×10+0.2×20≒12となる。
これに対し、優遇期間における最終ゲームであるときには、ATゲーム数として、50%の確率で「10ゲーム」に、30%の確率で「20ゲーム」に、20%の確率で「30ゲーム」に決定される。よって、優遇期間における最終ゲームであるときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定され得るATゲーム数との関係から、0.5×10+0.3×20+0.2×30≒17となる。
このように、優遇期間においては、ゲーム毎にAT当選し決定されたATゲーム数が加算される。また、10ゲームに亘る優遇期間に移行されることにより獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、12×9+17=125となり、たとえば図16(c)に示す第3テーブルを参照してのAT抽選におけるATゲーム数の期待値よりも大きくなる。このため、優遇期間においては、優遇期間でないときよりも遊技者にとって有利となるようにAT抽選が行なわれる。
また、優遇期間のうちでも、最終ゲームにおいては、最終ゲーム以外のゲームであるときよりもATゲーム数の期待値が大きくなるように設定されている。このため、優遇期間の最終ゲームに対する期待感を高めることができる。なお、優遇期間のうちATゲーム数の期待値が大きくなるタイミングは、最終ゲームに限らず、5ゲーム目など所定タイミング以降に設定されているものであればよい。
図14に戻り、第4のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であって、ATゲーム数が報知されているとき(ATゲーム数の減算が開始されているとき)において通常リプレイ(通常リプ単独の抽選対象役)に当選することにより成立する。つまり、第4のAT抽選条件は、AT当選してATゲーム数が報知されるまでの間においては通常リプレイに当選しても成立せず、AT当選してATゲーム数が報知された後において通常リプレイに当選することで成立する。なお、サブ制御部91は、ATゲーム数報知中に、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドに基づき通常リプレイに当選しているか否かにより、第4のAT抽選条件が成立したか否かを特定する。
第4のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、図15(c)に示すように、第4のAT抽選条件が成立したときの遊技状態が、通常遊技状態、RT2、およびRT3のうちいずれであるかに応じて、異なる割合にしたがってAT抽選が行なわれる。
通常遊技状態であるときには1.19%の確率で「100ゲーム」が、RT2であるときには4.58%の確率で「100ゲーム」が、RT3であるときには0.0685%の確率で「100ゲーム」が、ATゲーム数として決定される。
第4のAT抽選条件成立の契機となる通常リプレイには、遊技状態に応じて異なる割合で当選し、かつ、通常リプレイ当選により第4のAT抽選条件が成立したときにも、遊技状態に応じて異なる割合でAT当選する。しかし、いずれの遊技状態であっても、1ゲーム当たりに第4のAT抽選条件が成立してAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は以下に説明するようにほぼ同じとなる。
通常リプレイ(通常リプ単独の抽選対象役)に当選して第4のAT抽選条件が成立する確率は、図8に示すように、通常遊技状態において2734/65536、RT2において715/65536、RT3において47836/65536となるように設定されている。また、第4のAT抽選条件が成立したときにAT当選する確率は、図15(c)に示す通りである。
よって、1ゲーム当たりに第4のAT抽選条件が成立してAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、通常遊技状態において2734/65536×0.0119×100≒0.0496、RT2において715/65536×0.0458×100≒0.0499、RT3において47836/65536×0.000685×100≒0.0499となり、ほぼ同じとなる。このため、AT中において100ゲーム消化することにより、遊技状態に関わらず、平均的にATゲーム数が5ゲーム上乗せされることになる。これにより、ARTが終了してしまってATのみの状態になっても、上乗せゲーム数に対する期待値が変化しないので、遊技への興趣が低下することを防止できる。
図14に戻り、第5のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であって、メイン制御部41からのフリーズコマンドを受信してフリーズ発生が特定されることにより成立する。本実施の形態では、優遇期間中においてフリーズコマンドを受信したときには、第3のAT抽選条件ではなく第5のAT抽選条件を成立させるが、第5のAT抽選条件ではなく第3のAT抽選条件を成立させるようにしてもよい。
第5のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、図15(d)に示すように第4テーブルが参照される。図16(d)は、第4テーブルを説明するための図である。第4テーブルが参照されたときには、図16(d)に示すように、必ずAT初当りあるいは上乗せ当選である当選に決定される。ATゲーム数としては、5%の確率で「50ゲーム」に、5%の確率で「100ゲーム」に、10%の確率で「150ゲーム」に、20%の確率で「200ゲーム」に、60%の確率で「250ゲーム」に決定される。
第4テーブルが参照されたときのAT抽選において獲得することが期待されるATゲーム数の期待値は、振分率と決定されるATゲーム数との関係から、(0.05×50)+(0.05×100)+(0.1×150)+(0.2×200)+(0.6×250)=212.5となり、いずれのテーブルが参照されたときよりもATゲーム数の期待値が大きくなるように設定されている。
また、フリーズ発生を契機として成立する第5のAT抽選条件が成立したときには、他のAT抽選条件が成立したときよりも高い割合で、AT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームに決定されるように設定されている。このため、結果的に、上限である250ゲームに決定されたときには、250ゲーム未満に決定されたときよりも高い割合で、フリーズ発生することとなる。
以上のように、本実施の形態においては、サブ制御部91により行なわれるAT抽選処理により、AT抽選条件が成立したか否かが判定され、AT抽選条件が成立したときにはAT抽選が行なわれる。
サブ制御部91は、AT抽選においてAT初当りしたときに、ATに制御可能なゲーム数であって未だ報知されていないATゲーム数である未報知ゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報をRAM91cの所定領域に格納する。獲得したATゲーム数は、後述するATゲーム数報知処理により、1回あるいは複数回に切り分けて分割して報知される。サブ制御部91は、AT初当り後、RT3への制御契機となる押し順突入リプレイに当選したゲームが終了したとき(当該ゲームにおいて突入リプ入賞してRT3に制御されたか否かにかかわらない)に、報知すると決定されているATゲーム数を報知し、すでにRT3中であるとき(AT終了後のRT3を含む)や優遇期間であるときには当該ゲームにおいて報知すると決定されているATゲーム数を報知して、次ゲームからATゲーム数の減算を行なう。
サブ制御部91は、ATゲーム数報知処理により報知されると、報知されたゲーム数分減算した未報知ゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。たとえば、「30ゲーム」を特定するための未報知ゲーム数情報が記憶されているときにおいて、「20ゲーム」が報知されたときには、「10ゲーム」を特定するための未報知ゲーム数情報に更新される。
また、未報知ゲーム数情報から未報知のATゲーム数が残存しているときに、再びAT抽選で当選すなわち上乗せ当選したときには、未報知ゲーム数情報から特定される未報知のATゲーム数に今回獲得したATゲーム数を上乗せ加算したゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。たとえば、「30ゲーム」を特定するための未報知ゲーム数情報が記憶されているときに、AT抽選において上乗せ当選して「20ゲーム」に決定されたときには、30+20=50となり、「50ゲーム」を特定するための未報知ゲーム数情報に更新される。
[ATゲーム数報知処理]
サブ制御部91は、演出状態制御処理に含まれるATゲーム数報知処理を実行することにより、未報知のATゲーム数の範囲内でゲーム数を設定して報知するとともに、1ゲーム消化に応じて1ずつ減算表示することにより行なわれる。本実施の形態におけるゲーム数の報知は、たとえば、液晶表示器51の所定表示領域に表示することにより行なわれ、1ゲームが開始するとき(あるいは1ゲームが終了するとき)に1ずつ減算表示される。
図18は、サブ制御部91により実行されるATゲーム数報知処理を説明するためのフローチャートである。ATゲーム数報知処理は、たとえば、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態において1ゲームが開始されるときに実行される。
ATゲーム数報知処理においては、S01において未報知ゲーム数情報に基づき、未報知ゲーム数が0より大きいか否かすなわち未報知ゲーム数が存在するか否かが判定される。AT抽選でAT初当りあるいは上乗せ当選したときには、必ず未報知ゲーム数が存在することになる。S01において、未報知ゲーム数が0であると判定されたときには、S15に移行し、未報知ゲーム数が0より大きいと判定されたときには、S02に移行する。
S02においてAT初当りしたか否かが判定される。すなわち、非AT中においても成立し得る第1〜第3のAT抽選条件のうちいずれかが成立しAT抽選が行なわれて、当該AT抽選でAT初当りしたか否かが判定される。S02においてAT初当りしたと判定されたときには、S03において、図19(a)に示す初当り時テーブルを参照して、獲得したATゲーム数の範囲内で、初回に報知するゲーム数(以下、初回ゲーム数ともいう)を決定し、S10に移行して未報知ゲーム数から今回決定された初回ゲーム数を減算した後の残りゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。
一方、S02においてAT初当りしていないと判定されたときには、AT中にAT抽選条件が成立することにより行なわれたAT抽選で上乗せ当選したか否かがS04において判定される。すなわち、第1〜第5のAT抽選条件のうちいずれかが成立しAT抽選が行なわれて、当該AT抽選で上乗せ当選したか否かが判定される。S04において上乗せ当選したと判定されたときには、S05において、図19(b)に示す上乗せ時テーブルを参照して、未報知のATゲーム数の範囲内で、上乗せ報知するゲーム数(以下、上乗せゲーム数ともいう)を決定し、S10に移行して未報知ゲーム数から今回報知すると決定された上乗せゲーム数を減算した後の残りゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。
S04において上乗せ当選していないと判定されたときには、S06において、未報知のATゲーム数がありながら、現在報知されている報知ゲーム数が1であって今から開始されるゲームで0になってしまう状況(すなわち後述するS16で表示されているゲーム数が0となってしまう状況)であるか否かが判定される。S06において報知ゲーム数(現在報知中のATゲーム数)が1であると判定されたときには、S07において、図19(c)に示す終了時テーブルを参照して、未報知のATゲーム数の範囲内で、上乗せ報知する上乗せゲーム数を決定し、S10に移行して未報知ゲーム数から今回報知すると決定された上乗せゲーム数を減算した後の残りゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。
S06において報知ゲーム数が1でないと判定されたときには、S08において予め定められた特定の当選状況であるか否かが判定される。予め定められた特定の当選状況とは、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4、およびBARリプレイのうちいずれかに当選している状況、およびいずれの入賞役にも当選していない状況を言う。よって、S08では、今から開始されるゲームの内部抽選状況が特定の当選状況であるか否かが判定される。
S08においてATゲーム数を現在報知中であってかつ予め定められた特定の当選状況であると判定されたときには、S09において図19(d)に示す特定時テーブルを参照して、未報知のATゲーム数の範囲内で、上乗せ報知する上乗せゲーム数を決定し、S10に移行して未報知ゲーム数から今回決定された上乗せゲーム数を減算した後の残りゲーム数を特定するための未報知ゲーム数情報に更新する。S08において予め定められた特定の当選状況でないと判定されたときには、S11に移行される。
S11においては、S03、S05、S07、およびS09のうちいずれかで、初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数が決定されたか否かが判定される。S11において、決定されていないと判定されたときには、S15に移行される。
一方、S11において、決定されていると判定されたときには、S12において、該決定された初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数に応じたゲーム数報知演出を設定する。初回ゲーム数を報知するゲーム数報知演出は、RT3への制御契機となる押し順突入リプレイに当選したゲームが終了したときか、すでにRT3中であるとき(AT終了後のRT3を含む)や優遇期間であるときにはそのゲームが終了したときに行なわれる。たとえば、初回ゲーム数として「50ゲーム」が決定されたときには、ゲーム数報知演出として、キャラクタを表示させるとともに所定のメッセージが液晶表示器51に表示された後、「AT当選!50ゲーム獲得!」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、続いて、「残り50ゲーム」といったメッセージが右上領域に表示され、画面中央において「AT開始」といったメッセージが表示される。
上乗せゲーム数を報知するゲーム数報知演出は、ゲームの進行状況に応じたタイミングで行なわれる。上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定されたときには、ゲーム数報知演出として、キャラクタを表示させるとともに所定のメッセージが液晶表示器51に表示された後、「30ゲーム上乗せ!」といったメッセージが液晶表示器51に表示される。たとえば、上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定されたときには、ゲーム数報知演出として、キャラクタを表示させるとともに所定のメッセージが液晶表示器51に表示された後、「+30ゲーム」といったメッセージが液晶表示器51に表示され、続いて、上乗せゲーム数が加算された残りゲーム数を特定するためのメッセージが右上領域に表示される。上乗せ当選したときの、ゲームの進行状況に応じたタイミングとは、AT初当り後においてART中や優遇期間であるときの上乗せ分は、この上乗せ当選されたゲームが終了したときをいう。また、AT初当り後のARTにおいて転落リプ入賞や転落出目停止などによりAT+通常に制御されてから再びRT3に制御されてARTに移行されるまでの間(つまり転落後のAT+通常中やAT+RT2中などの特別期間)における上乗せ分についてのゲームの進行状況に応じたタイミングは、報知ゲーム数が0となったときか、報知ゲーム数が0となるまでに再びARTに移行されたときには当該ARTに移行されたときをいう。報知ゲーム数が1となったときや特定の当選状況となったときの、ゲームの進行状況に応じたタイミングとは、そのゲームが終了したときをいう。
ゲーム数報知演出は、報知すると決定されたゲーム数を1のタイミングで報知する。しかし、ゲーム数報知演出は、報知すると決定されたゲーム数が結果的に報知されるものであればこれに限るものではない。ゲーム数報知演出は、たとえば、前回ゲームの出目停止あるいは今回ゲームの賭数設定操作がされてから、次ゲームの賭数の設定操作が行なわれるまで(次ゲームの賭数の設定操作により演出が実行される場合には当該演出が終了するまでの間を含む)の所定期間内において、報知すると決定されたゲーム数を分割して複数タイミング(たとえば、第1停止時、第2停止時、第3停止時、次ゲームの賭数設定時など)に分けて報知するようにしてもよい。
報知すると決定されたゲーム数を所定期間内の複数タイミングに分けて報知するものとしては、報知すると決定されたゲーム数(たとえば50ゲーム)を、A、B、Cに分けて(たとえば、A〜Cは同じゲーム数となるものであってもよく、また段階的に大きくなるように、10、15、25となるものであってもよい)、第1停止操作がされたときにAを報知し、第2停止操作がされたときにBを報知し、第3停止操作が行なわれたときにCを報知するものであってもよい。
また、ゲーム数報知演出として表示するキャラクタから発せられるメッセージは、複数種類設けられている。たとえば、その後においてフリーズ発生する場合には、フリーズ発生しない場合よりも高い割合で、第1態様のメッセージ(後述する図23(l)に示す「やった〜」)が選択される。
また、ATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されないときであっても、ゲーム数報知演出として表示するキャラクタと同様のキャラクタを表示してメッセージを表示する。この場合において、その後にATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されるときには、ATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されないときよりも高い割合で、第2態様のメッセージ(後述する図23(p)に示す「チャンスかも」)が選択される。これとは逆に、その後にATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されないときには、ATゲーム数が報知(上乗せ報知を含む)されるときよりも高い割合で、第3態様のメッセージ(たとえば「運次第」)が選択される。これにより、表示するキャラクタから発せられるメッセージから、その後にフリーズが発生すること、およびその後にATゲーム数が報知されることに対する期待感を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ゲーム数報知演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者がATに制御され得るゲーム数を特定可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ゲーム数報知演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
S13においては、報知されたゲーム数を特定するための報知ゲーム数情報が更新される。たとえば、初回ゲーム数として「50ゲーム」が決定されたときには、50を特定するための報知ゲーム数情報を設定し、上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定されたときであって、それまでの報知ゲーム数情報から特定される報知ゲーム数が「28」であるときには、30+28=58を特定するための報知ゲーム数情報に更新される。この報知ゲーム数情報から、液晶表示器51において報知されているゲーム数を特定することができる。なお、報知ゲーム数情報は、RAM91cの所定領域に格納される。
S14においては、S03、S05、S07、およびS09のうちいずれかで決定された初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数をリセットし、S15に移行する。
S15においては、RT1でなく、かつ報知ゲーム数情報に基づき報知されている報知ゲーム数が0より大きいか否かが判定される。S15において、RT1であるか、あるいは報知ゲーム数が0(あるいは報知されていない)であると判定されたときには、そのままATゲーム数報知処理を終了する。一方、S15において、RT1でなく、かつ報知ゲーム数が0より大きいと判定されたときには、S16において、報知ゲーム数を1減算させたゲーム数となるように、報知ゲーム数情報を1減算更新するとともに、液晶表示器51に表示している報知ゲーム数の値を1減算表示させ、ATゲーム数報知処理を終了する。なお、前述した優遇期間に移行されているときには、報知ゲーム数情報を1減算更新しないようにしてもよい。つまり、優遇期間中は、AT抽選において有利となるものに替えてあるいは加えて、ATゲーム数が消費されないようにして、遊技者にとって有利となるようにしてもよい。
本実施の形態におけるスロットマシンでは、AT中でありながら転落出目の停止や転落リプ入賞が発生することにより通常遊技状態に転落した後においても、ATへの制御を継続し、S15でYESと判定されることにより報知ゲーム数が1減算される。また、ARTから一旦通常遊技状態に制御された後においても、第1〜第3、第5のAT抽選条件のみならず第4のAT抽選条件が成立することによりAT抽選が行なわれ、抽選結果に応じてATゲーム数が上乗せ加算される。また、ARTから一旦通常遊技状態に制御された後においても、図17に示すように、有利な態様で優遇期間移行抽選が行なわれる。
図19は、ATゲーム数報知処理で参照されるテーブルであって、未報知のATゲーム数の範囲内で報知する初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数を決定するために用いるテーブルを説明するための図である。
図19(a)は、初当り時テーブルを示している。初当り時テーブルは、ゲームの進行状況がどのような状況であるか、および、未報知ゲーム数が所定ゲーム数以上であるか否かに応じて、初回ゲーム数を決定するための振分率が定められている。
まず、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT終了後のRT3中であるときについて説明する。未報知のATゲーム数が40ゲーム未満であるときには、100%の確率で必ず「未報知ゲーム数分」が報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、未報知のATゲーム数が「40〜200ゲーム」であると判定されたときには、80%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「40ゲーム」が、報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。また、未報知のATゲーム数がAT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームであるときには、100%の確率で必ず「未報知ゲーム数分」が報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。
次に、ゲームの進行状況が優遇期間でも、AT終了後のRT3中でもないときについて説明する。未報知のATゲーム数が40ゲーム未満であるときには、60%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「10ゲーム」が、20%の確率で「20ゲーム」が、報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、未報知のATゲーム数が「40〜200ゲーム」であると判定されたときには、10%の確率で「未報知ゲーム数分」が、18%の確率で「10ゲーム」、「20ゲーム」、「30ゲーム」、「40ゲーム」、および「50ゲーム」のうちいずれかが、初回ゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。また、未報知のATゲーム数がAT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームであるときには、80%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「50ゲーム」が、報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。
これにより、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT終了後のRT3中であるときには、そうでないときよりも高い割合で、「未報知ゲーム数分」に決定されて、獲得したATゲーム数を分割することなく一のタイミングで報知することができる。また、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT終了後のRT3中であるときでも、さらに、未報知のATゲーム数が40未満であるときには、必ず「未報知ゲーム数分」に決定されて、獲得したATゲーム数を分割することなく一のタイミングで報知することができる。
また、ゲームの進行状況が優遇期間でもAT終了後のRT3中でもないときにおいては、未報知のATゲーム数が多いときに、未報知のATゲーム数が少なく、比較的切り分けて分割報知しにくい状況であるときよりも、高い割合で切り分けて分割報知されやすいように、振分率が設定されている。
また、AT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームに決定されたときには、そうでないときよりも高い割合で、「未報知ゲーム数分」に決定されて、獲得したATゲーム数を分割することなく一のタイミングで報知することができる。特に、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT終了後のRT3中であるときにおいて、AT抽選で当選し得る上限である250ゲームに決定されたときには、必ず「未報知ゲーム数分」に決定されて、獲得したATゲーム数を分割することなく一のタイミングで報知することができる。
図19(b)は、上乗せ時テーブルを説明するための図である。上乗せ時テーブルは、ゲームの進行状況がどのような状況であるか、および、上乗せ当選により上乗せすると決定されたゲーム数(今回上乗せゲーム数)が所定ゲーム数以上であるか否かに応じて、上乗せゲーム数を決定するための振分率が設定されている。
まず、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT+通常中、AT+RT2中であるときについて説明する。今回上乗せゲーム数が40ゲーム未満であるときには、100%の確率で必ず「今回上乗せゲーム数分」が報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、今回上乗せゲーム数が「40〜200ゲーム」であると判定されたときには、80%の確率で「今回上乗せゲーム数分」が、20%の確率で「40ゲーム」が、報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。また、今回上乗せゲーム数がAT抽選で当選し得る上限である250ゲームであるときには、100%の確率で必ず「未報知ゲーム数分」が報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。
なお、ゲームの進行状況がARTにおいて操作ミスなどによって制御されたAT+通常中やAT+RT2中であるときに報知すると決定されたゲーム数は、決定されたタイミングで報知するようにしてもよく、または、所定条件が成立したタイミングで報知するように構成してもよい。所定条件は、たとえば、現在報知しているゲーム数が0に到達するか、あるいは、ゲーム数が0に到達するまでにRT3に制御されて再びARTに制御されることなどにより成立するものであってもよい。
次に、ゲームの進行状況が優遇期間でも、AT+通常中、AT+RT2中のいずれでもないときについて説明する。今回上乗せゲーム数が40ゲーム未満であるときには、60%の確率で「今回上乗せゲーム数分」が、20%の確率で「10ゲーム」が、20%の確率で「20ゲーム」が、報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、今回上乗せゲーム数が「40ゲーム」以上であると判定されたときには、10%の確率で「今回上乗せゲーム数分」が、18%の確率で「10ゲーム」、「20ゲーム」、「30ゲーム」、「40ゲーム」、および「50ゲーム」のうちいずれかが、報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。また、今回上乗せゲーム数がAT抽選で当選し得る上限である250ゲームであるときには、80%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「50ゲーム」が、報知する初回ゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。
これにより、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT+通常中、AT+RT2中であるときには、そうでないときよりも高い割合で、「今回上乗せゲーム数分」に決定されて、獲得したATゲーム数を分割することなく一のタイミングで報知することができる。また、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT+通常中、AT+RT2中であるときでも、さらに、今回上乗せゲーム数が40未満であるときには、必ず「今回上乗せゲーム数分」に決定されて、獲得したATゲーム数を分割することなく一のタイミングで報知することができる。
また、ゲームの進行状況が優遇期間でも、AT+通常中やAT+RT2中でもないときにおいては、今回上乗せゲーム数が多いときには、今回上乗せゲーム数が少なく、比較的切り分けて分割報知しにくい状況であるときよりも、高い割合で切り分けて分割報知されやすいように、振分率が設定されている。
また、AT抽選で当選し得る上限である250ゲームに決定されたときには、そうでないときよりも高い割合で、「今回上乗せゲーム数分」に決定されて、獲得したATゲーム数を分割することなく一のタイミングで報知することができる。特に、ゲームの進行状況が優遇期間に移行されているときや、AT+通常中、AT+RT2中であるときにおいて、AT抽選で当選し得る上限である250ゲームに決定されたときには、必ず「未報知ゲーム数分」に決定されて、獲得したATゲーム数を分割することなく一のタイミングで報知することができる。
図19(c)は、終了時テーブルを説明するための図である。終了時テーブルは、ゲームの進行状況がどのような状況であるかに応じて、上乗せゲーム数を決定するための振分率が定められている。
ゲームの進行状況がAT+通常中やAT+RT2中であるときには、100%の確率で必ず「未報知ゲーム数分」が報知する上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が設定されている。一方、AT+通常中やAT+RT2中のいずれでもないときには、20%の確率で「5ゲーム」、「10ゲーム」、「15ゲーム」、「20ゲーム」、および「25ゲーム」のうちいずれかが、上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。
図19(d)は、特定時テーブルを説明するための図である。特定時テーブルは、上乗せゲーム数を決定する契機が、はずれであったか、特定の入賞役に当選したかに応じて異なる振分率が定められ、かつ特定の入賞役当選したときにはさらに未報知ゲーム数が所定ゲーム以上であるか否かに応じて異なる振分率が定められている。
上乗せゲーム数を決定する契機がはずれであったときには、95%の確率で「報知なし」が、3%の確率で「5ゲーム」が、2%の確率で「10ゲーム」が、上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。
また、上乗せゲーム数を決定する契機が特定の入賞役当選したときであって、未報知のATゲーム数が「40ゲーム」未満であると判定されたときには、20%の確率で「報知なし」が、40%の確率で「未報知ゲーム数分」が、20%の確率で「5ゲーム」が、20%の確率で「10ゲーム」が、上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。
一方、上乗せゲーム数を決定する契機が特定の入賞役当選したときであって、未報知のATゲーム数が「40ゲーム」以上であると判定されたときには、5%の確率で「報知なし」が、10%の確率で「未報知ゲーム数分」が、17%の確率で「5ゲーム」、「10ゲーム」、「15ゲーム」、「20ゲーム」、および「25ゲーム」のうちいずれかが、上乗せゲーム数に決定されるように、振分率が定められている。これにより、未報知のATゲーム数が多いときには、未報知のATゲーム数が少なく、比較的切り分けて分割報知しにくい状況であるときよりも、高い割合で切り分けて分割報知されやすいように、振分率が設定されている。
なお、図19で示したテーブルが参照されて決定された初回ゲーム数および上乗せゲーム数が、現在の未報知ゲーム数より大きいゲーム数であったときには、「未報知ゲーム数」が、初回ゲーム数あるいは上乗せゲーム数に決定される。
図20は、ゲームの進行に応じた、報知ゲーム数および未報知ゲーム数の変化の一例を説明するためのタイミングチャートである。図20では、AT抽選の当選状況、報知ゲーム数情報から特定され液晶表示器51において報知されている報知ゲーム数、および未報知ゲーム数情報から特定される未報知ゲーム数が示されている。
図20のタイミング1は、一例として、非AT中においてAT初当りし、「50ゲーム」がATゲーム数に決定され、当該「50ゲーム」のうち、図18のS03において「20ゲーム」が報知ゲーム数に決定された場合を示している。つまり、獲得したATゲーム数を分割して複数のタイミングに分けて報知する例を示している。
AT初当りしたときには、図18のS12で示したとおり、ゲーム数報知演出として「AT当選!20ゲーム獲得!」といった演出が実行された後、報知ゲーム数として「20ゲーム」が報知されている。また、未報知ゲーム数は、50−20=30ゲームとなっている。AT初当り時の初回ゲーム数は、前述したように、RT3への制御契機となる押し順突入リプレイに当選したゲームが終了したときか、すでにRT3中であるとき(AT終了後のRT3を含む)や優遇期間であるにはそのゲームが終了したときに報知される。なお、報知ゲーム数は、図18のS16で示したとおり、ゲーム消化される毎に1ずつ減算表示される。
タイミング2は、特定の当選状況となり、未報知ゲーム数「30ゲーム」のうち、図18のS09において「20ゲーム」が上乗せゲーム数に決定された場合を示している。なお、図20では、当該上乗せ前の報知ゲーム数が「12ゲーム」であるときを例示している。特定の当選状況となったときの上乗せゲーム数は、前述したようにそのゲームが終了したときに報知される。
上乗せゲーム数が決定されたときには、図18のS12で示したとおり、ゲーム数報知演出として「20ゲーム上乗せ!」といった演出が実行された後、報知ゲーム数として12+20=「32ゲーム」が報知されている。また、未報知ゲーム数は、30−20=10ゲームとなっている。
タイミング3は、上乗せ当選して「30ゲーム」が上乗せされるATゲーム数に決定され、未報知ゲーム数が一旦10+30=「40ゲーム」となり、上乗せされるATゲーム数である「30ゲーム」のうち、当該上乗せ当選により図18のS05において「20ゲーム」が上乗せゲーム数に決定された場合を示している。なお、図20では、当該上乗せ前の報知ゲーム数が「4ゲーム」であるときを例示する。
上乗せゲーム数が決定されたときには、図18のS12で示したとおり、ゲーム数報知演出として「20ゲーム上乗せ!」といった演出が実行された後、報知ゲーム数として4+20=「24ゲーム」が報知されている。また、未報知ゲーム数は、40−20=20ゲームとなっている。上乗せ当選したときの上乗せゲーム数は、前述したように、AT+通常中やAT+RT2などであるときには再びRT3に制御されてARTに移行されたとき(それ以前に報知ゲーム数が0となったときにはそのタイミング)に報知され、それ以外の優遇期間を含む期間であるときにはそのゲームが終了したときに報知される。
タイミング4は、報知ゲーム数が1となったとき、すなわち図18のS06において「YES」と判定されたときにおいて、図18のS07において未報知ゲーム数「20ゲーム」のうち「10ゲーム」が上乗せゲーム数に決定された場合を示している。
報知ゲーム数が1となることを契機として上乗せゲーム数が決定されたときには、前述したように、図18のS16において報知ゲーム数が1減算表示されて一旦「0ゲーム」となった後に、ゲーム数報知演出として「10ゲーム上乗せ!」といった演出が実行されるため、「10ゲーム」が報知されている。また、未報知ゲーム数は、20−10=10ゲームとなっている。報知ゲーム数が1となったときの上乗せゲーム数は、前述したようにそのゲームが終了したときに報知される。
このように、獲得したATゲーム数を、1回あるいは複数回に切り分けて分割して報知することにより、ATに制御されるゲーム数を示す報知ゲーム数が上乗せされる機会を増やすことができる。また、報知ゲーム数の上乗せも、当選状況に応じて実行され得る。このため、ATゲーム数を獲得した後の当選状況によって、まるで新たにATゲーム数を獲得したかのような印象を効果的に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、通常遊技状態、RT2、あるいはRT3であるときに、演出状態制御処理に含まれるAT管理処理を行なうことにより、図18のS13およびS16において更新される報知ゲーム数情報に基づき、報知ゲーム数が1以上であるときに、ATに制御する。
具体的に、サブ制御部91は、通常遊技状態、RT2、あるいはRT3であるときにおいて、1以上の報知ゲーム数情報が設定されているときには、ATに制御する。なお、通常遊技状態あるいはRT2においてATに制御されたときには、当該通常遊技状態およびRT2においては、1ゲーム消化しても、ATゲーム数を1減算させずに、ATに制御しナビ演出が実行可能となる。AT中における通常遊技状態において昇格リプ入賞によりRT2に制御されたときには、当該RT2においても当該ATへの制御が継続される。AT中におけるRT2において突入リプ入賞によりRT3に制御されたときには、RT3かつATであるARTに制御する。報知ゲーム数情報に基づき、報知ゲーム数が0になると、ATが終了する。なお、一旦ARTに制御された後に、操作ミスなどにより再びAT+通常中やAT+RT2中となっても、その場合には、ゲーム消化毎に報知ゲーム数が1減算される。
ATに制御されている間、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したゲームにおいて対応するナビ演出が実行される。遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常遊技状態であるときには昇格リプを含む押し順昇格リプレイ1〜6をいい、RT2であるときには突入リプあるいは転落リプを含む押し順維持リプレイ1〜5、および押し順突入リプレイ1〜4をいい、RT2およびRT3であるときには押し順メロン1〜5をいう。これにより、AT中においては、意図的に当選した昇格リプ入賞、転落リプ入賞回避、突入リプ入賞、およびメロン1入賞(12枚払出)させることができる。
[遊技演出実行処理]
サブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を実行することにより、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを入賞させてRT2に制御させるための押し順(図9参照)が報知される。たとえば、押し順昇格リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順昇格リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、押し順維持リプレイ1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させかつ昇格リプを入賞させてRT2を維持させるための押し順(図10参照)が報知される。たとえば、押し順維持リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順維持リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させかつ突入リプを入賞させてRT3に制御させるための押し順(図11参照)が報知される。たとえば、押し順突入リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順突入リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、RT2やRT3において押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて中リール2Cの「メロン」を中段に停止させてメダルを12枚払いださせるための押し順(すなわちチャンス出目によりメロン1入賞させるための押し順、図12参照)が報知される。たとえば、押し順メロン1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順メロン2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作手順を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作手順で操作することができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
また、サブ制御部91は、遊技状態演出実行処理を行なうことにより、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品を用いて実行する。
遊技状態演出としては、たとえば、遊技状態に関わらず非AT中(潜伏期間中を含む)であるときには、通常演出(たとえば、液晶表示器51に「通常中」といったメッセージを表示など)が行なわれる。また、遊技状態に関わらずAT中であるときには、特別演出(たとえば、液晶表示器51に「AT中」といったメッセージ、あるいはART中画像であるキャラクタを表示など)が行なわれる。また、ATに制御されるとき、およびAT中であるときには、遊技状態演出として、前述したゲーム数報知演出や、報知ゲーム数の表示が行なわれる。
また、本実施の形態においては、BB2、BB3、およびRBのいずれかと比較的高い確率で同時当選し得るイチゴやブドウに当選したことを条件として、所定期間(たとえば、5ゲーム)に亘り、ボーナス当選していることを煽るための演出が行なわれる。すなわち、遊技状態演出として、イチゴやブドウに当選したことを条件として所定期間に亘り、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出が行なわれる。この連続演出は、所定期間にわたり一連の物語を展開する演出を行なった後に、物語の結末としてボーナス当選の有無および種類を報知するボーナス当選報知を行なう演出である。これにより、所定期間に亘って、ボーナス当選しているかもしれないことを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、サブ制御部91により実行される演出制御処理では、フリーズコマンドを受信すると、所定期間に亘り、フリーズ中演出(ゲーム数報知演出に含まれる)を実行するための処理を行なう。フリーズ中演出としては、フリーズ期間中において、対応する画像を液晶表示器51に表示するとともに、対応するパターンで演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を制御することにより行なわれる。
なお、メイン制御部41側において制御されるフリーズは、当該フリーズを実行する契機となった実行条件の種類に応じて態様を異ならせる(たとえば遅延期間を異ならせるなど)ようにしてもよい。この場合、メイン制御部41は、実行条件の種類を特定可能なフリーズコマンドを送信するようにしてもよい。また、サブ制御部91側において制御されるフリーズ中演出は、フリーズコマンドから特定される実行条件の種類に応じて態様を異ならせる(たとえば演出期間および演出内容を異ならせる)ようにしてもよい。
次に、ART中における操作ミスなどにより転落出目停止や転落リプ入賞により当該ARTが終了してAT+通常に制御された後、再度ARTが開始されるまでの期間でAT抽選(上乗せ抽選)を行なう具体例について図21および図22を用いて説明する。
まず、AT初当り後のAT+RT2のゲームで押し順突入リプレイに当選し、ナビ演出にしたがって突入リプ入賞となるように、リール2L、2C、2Rが停止し、図21(a)に示すように、入賞ラインL1に「バナナ−バナナ−白7」の組合せが揃って突入リプが入賞したとする。
突入リプが入賞するとRT2からRT3に移行してARTへの制御が開始となる。このときに、ATゲーム数の報知が行なわれるとともにATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知も行なわれる。図21(a)では、ATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知として、液晶表示器51から「AT開始」との文字201が表示されている。また、ATゲーム数報知として、AT初当り時にATゲーム数報知処理において初回ゲーム数として決定されていたゲーム数が表示される。図21(a)では、初回ゲーム数として50に決定されていた場合の例として「残り50ゲーム」の文字200が表示されている。なお、図示はしないが、ATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知はARTのゲームが開始(すなわち、同図(a)の次ゲームが開始)されるとともに終了し、ARTのゲームでは、ART中画像であるキャラクタ204(同図(d))が表示される。そして、同図のゲームの次ゲームからATのゲーム数が減算される。
なお、押し順突入リプレイに当選したが、操作ミスなどにより突入リプが入賞しなかった場合にはRT3に制御されないためARTは開始されないが、この場合にはARTが開始されなくてもATゲーム数の減算は開始することが好ましい。つまり、AT+RT2において押し順突入リプレイに当選したゲームが終了すると、図21(a)と同じ報知とATゲーム数報知とを行なう。これにより、意図的に突入リプを入賞させないことによりいつまでたってもATゲーム数の減算を開始させないような本来意図しないゲーム進行が行なわれてしまうことを防止することができる。
なお、前述したように、すでにRT3中であるとき(AT終了後のRT3を含む)や優遇期間であるときにAT初当りしたときには、そのゲーム終了後においてATゲーム数報知などが開始される。
図21(b)に示すように、例えば、ARTで42ゲームが行なわれ、残り8ゲームであることを示す文字200が表示されているときに、リール2Cを第1停止、リール2Lを第2停止、リール2Rを第3停止とすることを促す「中左押し」(図21では「2−1−3」)といったナビ画像202が表示されたとする。そして、遊技者がストップスイッチの操作を誤り、リール2Lを最初に停止させてしまったとする。
図21(c)に示すように、上記の結果、遊技者が全てのリールを停止させたところ、例えばリール2Cのメロンが上段に停止してメロン入賞する移行出目の組合せが揃ったとする。これにより、RT3から通常遊技状態に移行され、ARTが終了し、AT+通常に制御されてしまう。また、液晶表示器51からはストップスイッチの操作順序を誤ったことを報知する「Miss」の文字203が表示される。
図21(d)に示すように、ARTが終了したものの、ATのゲーム数が残っているので、液晶表示器51からは「残り7ゲーム」の文字200を表示するとともに、ART中画像であるキャラクタ204の表示を継続することにより、ART中画像の表示を継続する。このように、ART中画像の表示を継続することにより、ARTが終了したときに遊技者がゲームを中止してしまうことを防止することが可能になり、スロットマシンの稼働率が低下することを防止できる。
以降もATゲーム数が存在する限り、ATが維持されてナビ演出が実行されるため、ナビ演出にしたがった操作手順で操作することにより、通常遊技状態からRT2へ移行させ、RT2からRT3へ移行させることにより再びARTに制御されることになる。
また、AT+通常中やAT+RT2中においても、ART中と同じ態様でAT抽選や優遇期間移行抽選が行なわれる。このため、ATゲーム数が上乗せされる場合がある。ARTからAT+通常に制御されて再びARTに制御されるまでに上乗せされた未報知ゲーム数については、再びRT3に制御されてARTに移行されたとき(それ以前に報知ゲーム数が0となったときにはそのタイミング)に報知される。なお、優遇期間において上乗せされた場合には、報知すると決定されたゲーム数をそのゲーム終了時に報知する。
なお、ARTからAT+通常に制御されて再びARTに制御されるまでに上乗せされずとも、最初から未報知ゲーム数が存在している場合もある。この場合には、報知ゲーム数が1となったゲーム(終了時に報知されているATゲーム数が0となるゲーム)や特定の当選状況となったゲームが終了したときに報知する。
図21(e)では、報知されていたATゲーム数が0となったときに、未報知ゲーム数が30存在していた場合を例示している。図21(e)に示すように、ゲーム数報知演出として、液晶表示器51において「+30ゲーム」の文字205が表示される。なお、図21(e)では図示していないが、ゲーム数報知演出では、文字205が表示されるまでに、キャラクタを表示させるとともに所定のメッセージを表示することにより、報知ゲーム数が上乗せされることを煽る演出が実行される。この場合におけるメッセージの内容によって、前述したように、その後において実際にフリーズ発生すること、およびATゲーム数が上乗せ報知されることに対する期待感を異ならせることができる。図21(f)に示すように、30ゲームが上乗せされた結果、ATの残りゲーム数が30ゲームであることを示す文字200が表示される。
図22(g)は、通常遊技状態からRT2に移行された後であって、ATが残り24ゲームになったゲーム(図中「残り24ゲーム」の文字200が表示された状態)で押し順突入リプレイ(ここでは中左押しあるいは中右押しで突入リプ入賞となる押し順突入リプレイ3)に当選した場合を示している。この場合、図22(g)に示すように、リール2Cを第1停止、リール2Lを第2停止、リール2Rを第3停止とすることを促す「中左押し」(図21では「2−1−3」)ナビ画像206が表示される。なお、ナビ画像206はナビ画像202と表示態様が異なり、ナビ画像202に網掛けした態様になっている。本実施の形態では、網掛けなしの態様では押し順で有利度が異なるベルに当選したことを報知し、網掛け有りの態様では押し順で有利度が異なるリプレイに当選したことを報知している。
図22(h)に示すように、遊技者はナビ画像206に従い、リール2Cが第1停止となるようにストップスイッチ8Cを操作し、続いて、図22(i)に示すように、リール2Lが第2停止となるようにストップスイッチ8Lを操作し、最後に、図22(j)に示すように、リール2Rが第3停止となるようにストップスイッチ8Rを操作したとする。これにより、入賞ラインに「バナナ−バナナ−白7」の組合せが揃って、例えば突入リプが入賞したとする。突入リプが入賞するとRT2からRT3に移行し、再びARTが再開される。ARTが開始されると図21(a)に戻って同様の流れで遊技が行なわれる。
なお、図22(h)〜図22(j)に示すゲームの次ゲームでは、図21(a)のように、ATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知が行なわれず、液晶表示器51から「AT開始」との文字201は表示されない。これにより、ATゲーム数に応じたATへの制御が開始された旨の報知が繰り返し行なわれることへの煩わしさを解消でき、ゲームの進行をスムーズに感じさせることができる。
以上のように、ART中でなくてもAT中であればAT上乗せ抽選を行なうので、ARTが終了した時点でATのゲーム数が残っていればATゲーム数が上乗せされる可能性がある。よって、ARTが終了してもARTが再開されること(すなわち、AT中に再びRT3に移行すること)への期待感を抱かせることが可能になり、ARTが終了してからARTが再開するまでの期間での遊技者の遊技の興趣を高めることができる。また、遊技者がストップスイッチの操作ミスを行なってしまってARTが終了しても、ATが残っていればATゲーム数が上乗せされる可能性があるので、遊技者がストップスイッチの操作ミスを行なってしまっても遊技への興趣が低下することを防止できる。
次に、フリーズ演出、フリーズ中演出、および、ゲーム数報知演出の具体例について図23を用いて説明する。図23(k)は、ATのゲーム数が残り8ゲームである旨が報知されているゲームが終了したときを示している。図23(l)〜(o)では、図23(k)で終了したゲームの次のゲーム開始時においてフリーズ演出が実行されるとともに、当該フリーズ発生によりATゲーム数として上限の250ゲームを獲得し、報知するゲーム数として250ゲームに決定されたときのゲーム数報知演出の一例を説明する。なお、図16(d)を参照して説明したように、AT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームに決定されたときには、結果的に高い割合でフリーズが発生することとなる。
フリーズが発生した場合には、リール2L〜2Rにおいてフリーズ演出が実行される。フリーズ演出としては、図23(l)に示すように、通常態様とは異なる特定態様(たとえば、回転速度が通常時よりも遅い、図23(l)では波線で示す)で回転制御を行ない、図23(m)に示すように、特定の図柄組み合わせ(たとえば、星7の3つ揃い)を停止させる停止制御を行なった後、図23(n)に示すように、再び回転制御を行なって通常の回転に移行させるための制御を行なう。フリーズ演出が実行されることにより、図16(d)で示したように、より多くのATゲーム数が付与されていること、および最大ATゲーム数が付与されていることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、フリーズ開始時におけるゲーム報知演出としては、まず、図23(l)に示すように、リール2L〜2Rの回転制御に対応させて、キャラクタが「やった〜」といったメッセージを発する表示を行なう。前述したように、その後においてフリーズが発生する場合には、ゲーム報知演出の態様として、高い割合で第1態様に決定される。
また、フリーズ中におけるフリーズ中演出としては、図23(m)に示すように、リール2L〜2Rの停止制御に対応させて、キャラクタが「やったね!」といったメッセージを発する表示を行なった後、図23(n)に示すように、リール2L〜2Rの再回転制御に対応させて、キャラクタが「大量!」といったメッセージを発する表示を行なう。
また、フリーズが発生するとともにゲーム数報知演出が実行されたゲームにおいて表示結果が導出された当該ゲームが終了したときには、ゲーム数報知演出として、図23(o)に示すように、報知ゲーム数が表示される。ここでは、前述したとおり、上限の250ゲームを獲得し報知すると決定された場合であるため、液晶表示器51において「+250ゲーム」の文字205が表示されて次のゲームに移行される。
図23(p)および(q)では、フリーズが発生しないがATゲーム数が報知される場合について説明する。ここでは、ATゲーム数として100ゲームを獲得し、報知するゲーム数として30ゲームに決定されたときのゲーム数報知演出の一例を説明する。ゲーム報知演出としては、図23(p)に示すように、キャラクタが「チャンスかも」といったメッセージを発する表示を行なった後、当該ゲームが終了したときに図23(q)に示すように、報知すると決定されたATゲーム数に対応して「+30ゲーム」のも文字205が表示されて次のゲームに移行される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 前述した実施の形態においては、図19で示したように、AT当選して付与されたATゲーム数を、1ゲームにおいて報知(すべて報知)するか、複数ゲームに亘り複数回に分けて報知する。また、AT抽選において当選し得る最大ATゲーム数である250に決定されたときには、図19(a)および(b)に示すように、ゲームの進行状況が優遇期間などの特定の進行状況であるときには必ず1ゲームにおいて報知し、特定の進行状況でないときでも高い割合で1ゲームにおいて報知する。このため、ATゲーム数が複数回に分けて報知されたときには複数回AT当選してATゲーム数が複数回付与されたかのような印象を抱かせることができるとともに、最大ATゲーム数が付与されたときには複数回に分けて報知されることを極力防止することにより、最大ATゲーム数が付与されたことによる優越感を確実に遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(1−2) 前述した実施の形態においては、図16(d)で示したように、フリーズ発生を契機として成立する第5のAT抽選条件が成立したときには、他のAT抽選条件が成立したときよりも高い割合で、AT抽選で当選し得るATゲーム数の上限である250ゲームに決定されるように設定されている。このため、上限である250ゲームに決定されたときには、250ゲーム未満に決定されたときよりも高い割合で、フリーズ発生することとなる。その結果、フリーズが発生してフリーズ演出が実行されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(1−3) 前述した実施の形態においては、AT当選してATゲーム数が付与されることに対する期待感が向上している優遇期間において付与されたATゲーム数については、図19(a)および(b)に示すように、付与されたATゲーム数が40未満であるときには必ず1ゲームにおいて報知し、40以上であるときでも高い割合で1ゲームにおいて報知する。このため、ATゲーム数が複数回に分けて報知されたときには複数回AT当選してATゲーム数が複数回付与されたかのような印象を抱かせることができるとともに、優遇期間においては複数回に分けて報知されることを極力防止することにより、当該優遇期間における有利性を遊技者に体感させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、AT当選して付与されたATゲーム数が報知されることに応じて設定される報知ゲーム数情報は、図18のS15およびS16で示したように、報知ゲーム数が報知(表示)された後において、ARTでのゲームの進行状況に応じて減少するように更新されるとともに、転落出目停止によりARTを中断する中断条件が成立した後のAT+通常中やAT+RT2中などの特別期間においても更新されてしまう。一方、特別期間であるときには、図14で示したように、ART中と同様に、AT抽選が行なわれてATゲーム数が上乗せされ得る。すなわち、特別期間において報知ゲーム数が減算されてしまうだけのものと比較して、ART中と同様に、AT抽選が行なわれ得ることにより遊技者にとっての有利性を補填することができる。その結果、特別期間における遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態では、図15(b)で示したように、優遇期間であるときに付与されるATゲーム数は高い割合で付与可能なATゲーム数のうちで最小の10ゲームが決定されるものの、図19で示したように1ゲームにおいて報知されるため、最小の10ゲームが複数回に分けて報知されてしまうことなどにより優遇期間における遊技の興趣を低下させてしまうことを防止できる。
(3) 前述した実施の形態では、図14に示したように、優遇期間においては毎ゲームにおいてATゲーム数が付与されるため、優遇期間における遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前述した実施の形態では、図19(a)で示したように、AT終了後のRT3、すなわち非AT+RT3中であるときに付与されたATゲーム数については、高い割合で1ゲームにおいて報知される。このため、ARTに再び制御されることに対する喜びを減衰させてしまうことを極力防止できる。
(5) 前述した実施の形態では、図15(b)で示したように、優遇期間のうち最終ゲームにおいては、ATゲーム数の期待値が大きくなる。このため、優遇期間のうち最終ゲームにおいて遊技者に対して満足感を抱かせることができる可能性が高まり、優遇期間における遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 前述した実施の形態では、図19(b)で示したように、ARTから転落したAT+通常中やAT+RT2中においてAT抽選が行なわれて付与されたATゲーム数については、高い割合で1ゲームにおいて報知されるため、複数回に分けて報知するものと比較して、AT+通常中やAT+RT2中においては多くのATゲーム数が上乗せされるかのような印象を遊技者に抱かせることができる。また、ARTから転落したAT+通常中やAT+RT2中において上乗せされたATゲーム数は、報知ゲーム数が0になったときか、報知ゲーム数が0となるまでに再びARTに移行されたときには当該ARTに移行されたことを条件として報知される。このため、AT+通常中やAT+RT2中においては、報知ゲーム数が0となるか再びARTに移行されるまで、報知ゲーム数が上乗せされる可能性があることに対さ増加有利量が加算される可能性があることに対する期待感を持続させることができる。その結果、AT+通常中やAT+RT2中における遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 前述した実施の形態においては、図20で示したように、タイミング1で獲得したATゲーム数である「50ゲーム」のうち、「20ゲーム」を切り分けて分割して報知されるとともに、残りの未報知ゲーム数である「30ゲーム」が、タイミング2で示したように、その後において新たに開始されるゲームにおける当選状況に応じて、切り分けて分割して報知される。このため、ATゲーム数を実際に獲得した後に開始されるゲームの当選状況によって、実際には上乗せ当選していないにも関わらず、まるで新たにATゲーム数が上乗せされたかのような印象を効果的に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 前述した実施の形態においては、ATゲーム数を獲得した後において新たに開始されるゲームのうち、図20のタイミング3で示したように、上乗せ当選してATゲーム数を実際に上乗せする契機となったゲームにおいては、タイミング1において獲得したATゲーム数のうち未報知ゲーム数分を報知するのではなく、今回新たに獲得した上乗せゲーム数を1回または複数回に切り分けて分割して報知する。すなわち、先に獲得していたATゲーム数については、新たに上乗せされたゲーム以降の他の機会においてさらに報知することができるため、先に獲得していたATゲーム数のうち未報知ゲーム数を報知する機会を先延ばしすることができ、まるで新たにATゲーム数が付与されたかのような印象を抱かせる機会をも先延ばしして、期待感を抱かせる期間を長くすることができる。
(9) 前述した実施の形態においては、ATゲーム数を獲得した後において、上乗せ当選してATゲーム数が実際に上乗せされた場合には、図19(b)の上乗せ時テーブルを参照して、今回新たに獲得した上乗せゲーム数を1回または複数回に切り分けて分割して報知する。また、図19(b)の上乗せ時テーブルは、今回上乗せゲーム数が「40ゲーム」未満であるときよりも、「40ゲーム」以上であるときの方が高い割合で、今回上乗せゲーム数が切り分けて分割して報知される。このため、今回上乗せゲーム数が少ないゲーム数であるにも関わらず、その少ないゲーム数がさらに切り分けて分割されて報知されてしまうことにより遊技者の期待を逆に損ねてしまうといった不都合の発生を低減することができる。
(10) 前述した実施の形態において、AT抽選条件を成立させて上乗せ当選させ得る契機が成立(たとえば、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4、BARリプレイのうちいずれかに内部当選)したときには、上乗せ当選したことにより図18のS05において決定された上乗せゲーム数や、実際に上乗せ当選しなかった場合であっても、S09において決定された上乗せゲーム数が報知され得る。このため、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4、BARリプレイのうちいずれかに当選したときに新たにATゲーム数が上乗せされたかのような印象を抱かせることができる頻度を高めることができ、ブドウ、イチゴ、BARテンパイリプレイ1〜4、BARリプレイのうちいずれかに当選することに対する期待感を向上させることができる。
(11) 前述した実施の形態において、ATゲーム数が付与された後においては、AT抽選条件を成立させるものではなく上乗せ契機となっていない「はずれ」となったときにも、図18のS09で示したように、未報知ゲーム数が報知され得る。このため、「はずれ」となったときにもATゲーム数が付与されたかのような印象を抱かせることができ、未報知ゲーム数が上乗せ報知されることに対して意外性を抱かせることができる。
また、このように構成しても、「はずれ」となったときには、AT抽選条件を成立させて上乗せ当選させ得る契機となる内部当選状況となったときよりも、低い確率でしか上乗せ報知されないため、擬似的な上乗せ報知が頻発することを抑止することができる。
(12) 前述した実施の形態では、未報知ゲーム数が存在する場合において、報知ゲーム数が1であり、当該ゲームにおいて報知ゲーム数が0となる状況、すなわち報知された報知ゲーム数分だけATに制御された状況においては、図18のS06、S07で示したように、未報知ゲーム数の範囲内で再び報知ゲーム数が上乗せされ得る。このため、報知ゲーム数分だけATに制御された後においても、さらに報知ゲーム数が上乗せされることに対する期待感を持続させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(13) 前述した実施の形態では、たとえば、図18のS03で参照される図19の(a)の初当り時テーブルで示したように、未報知ゲーム数が「40ゲーム」未満であるときよりも、「40ゲーム」以上であるときの方が高い割合で、未報知ゲーム数が切り分けて分割して報知される。また、図19の(d)の当選状況時テーブルが参照されたときも同様である。このため、未報知ATゲーム数が少ないゲーム数であるにも関わらず、その少ないゲーム数がさらに切り分けて分割されて報知されてしまうことにより遊技者の期待を逆に損ねてしまうといった不都合の発生を低減することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。
[最大ATゲーム数獲得時における報知について]
前述した実施の形態では、図19(a)および(b)で示したように、最大ATゲーム数を獲得したときであっても、ゲームの進行状況が優遇期間などの特定の進行状況でないときには分割して複数のタイミングに分けて報知される例について説明した。しかし、最大ATゲーム数を獲得したときには、必ず、一のタイミング(所定期間)で報知されるようにしてもよい。具体的には、ゲームの進行状況が特定の進行状況であるか否かにかかわらず、報知ゲーム数として、必ず未報知ゲーム数あるいは今回上乗せゲーム数に決定されるようにしてもよい。
また、図16(d)で示したように、フリーズ発生時には、獲得することを期待できるATゲーム数が大きくなるように設定されている。このため、フリーズ発生したときに獲得しているATゲーム数の大きさに対する期待感が向上している。よって、フリーズ発生時においてATゲーム数として少ないゲーム数が報知されてしまうと、遊技者の期待感を低減させてしまう虞がある。このような不都合を回避するために、フリーズ発生時において獲得したATゲーム数については、必ず(あるいはフリーズ非発生時よりも高い割合で)、一のタイミング(所定期間)で報知されるようにしてもよい。これにより、フリーズ発生したときに獲得したATゲーム数を分割して報知される場合より向上した期待感が低減されてしまうことを極力回避することができる。
[優遇期間における報知について]
前述した実施の形態では、優遇期間において獲得したATゲーム数であっても、当該ATゲーム数が40以上であるときには分割して複数のタイミングに分けて報知される例について説明した。しかし、優遇期間において獲得したATゲーム数については、必ず、一のタイミング(所定期間)で報知されるようにしてもよい。具体的には、獲得したATゲーム数にかかわらず、報知ゲーム数として、必ず未報知ゲーム数あるいは今回上乗せゲーム数に決定されるようにしてもよい。また、優遇期間に限らず、図19(a)に示すAT終了後のRT3中や、図19(b)に示すAT+通常中やAT+RT2中において獲得したATゲーム数についても、必ず、一のタイミング(所定期間)で報知されるようにしてもよい。
[所定期間内あるいは一のタイミングにおける報知について]
前述した実施の形態では、ゲームが開始されてから次のゲームが開始されるまでの所定期間内にゲーム数報知演出を実行して報知すると決定されたATゲーム数を報知し、その場合に当該ATゲーム数を1回で報知するものに限らず、複数回に分けて報知するようにしてもよい例について説明した。所定期間内あるいは一のタイミングにおいて複数回に分けて報知する場合、当該所定期間内において分割したATゲーム数を個々に報知して、報知されたATゲーム数を遊技者自身が加算することにより獲得したATゲーム数を特定可能になるものであってもよく、当該所定期間内において最初に報知したATゲーム数に対して2回目以降に報知するATゲーム数を加算させて報知することにより最終的に報知されたゲーム数から獲得したATゲーム数を特定可能になるものであってもよい。
[複数ゲーム期間あるいは複数タイミングについて]
前述した実施の形態では、獲得したATゲーム数を分割して複数回に分けて報知する場合、図18のS06やS08などにおいてYESと判定されない限り分割されたATゲーム数が報知されない。その結果、獲得したATゲーム数が報知される期間、すなわち複数ゲーム期間、タイミング、報知回数はその都度変化する期間となる。しかし、複数ゲーム期間あるいは複数タイミングは、このように変化する期間に限らず、予め定められた期間(たとえば所定ゲーム数消化するまでに要する期間など)、予め定められたタイミング、予め定められた報知回数であってもよい。
[ATゲーム数の表示および減算について]
前述した実施の形態では、ATゲーム数の表示および減算を、突入リプ当選し、当該突入リプ入賞したか否か(RT3に制御されたか否か)にかかわらず、当該ゲームの次のゲームから開始する例について説明した。しかし、ATゲーム数の表示は、突入リプ当選したか否かにかかわらず所定のタイミングで開始し、ATゲーム数の減算を突入リプ入賞(RT3に制御)したゲームの次のゲームから開始するようにしてもよい。この場合、図14の第4のAT抽選条件に示すように、AT当選後、意図的にATゲーム数が減算されない通常遊技状態などを維持させ、その間に第4のAT抽選条件を成立させてATゲーム数の上乗せを図るような、本来設定されているゲーム進行とは異なるゲーム進行が行なわれてしまう不都合が生じてしまう虞がある。しかし、前述したように、第4のAT抽選条件は、AT当選してATゲーム数が報知されるまでの間においては通常リプレイに当選しても成立せず、AT当選した後、ATゲーム数が報知された後において通常リプレイに当選することで成立するため、上記不都合が生じてしまうことを防止できる。
[報知ゲーム数について]
前述した実施の形態では、図19(c)(d)に示すように、報知ゲーム数の最小ゲーム数が5に設定されている例について説明した。しかし、報知ゲーム数の最小ゲーム数は、これに限らず、たとえば図15および図16に示される、獲得可能なATゲーム数の最小ゲーム数と同じゲーム数にしてもよい。具体的に、前述した実施の形態におけるスロットマシンでは、報知ゲーム数の最小ゲーム数を10となるように設定してもよい。
[上乗せ抽選の有利度について]
前述した実施の形態では、ARTにおいて転落出目が停止して転落したAT+通常中やAT+RT2中における上乗せ抽選の有利度(AT当選確率、AT当選時に期待できるATゲーム数など)と、ART中における上乗せ抽選の有利度とが同じである例について説明した。しかし、ARTにおいて転落出目が停止して転落したAT+通常中やAT+RT2中における上乗せ抽選の有利度と、ART中における上乗せ抽選の有利度とは、異なるものであってもよい。たとえば、ARTにおいて転落出目が停止して転落したAT+通常中やAT+RT2中における上乗せ抽選の有利度の方が、ART中における上乗せ抽選の有利度よりも高くなるものであってもよく、逆に低くなるものであってもよい。
[ATの潜伏について]
前述した実施の形態では、ART中において残りATゲーム数が存在する限り、ARTへの制御が継続される例について説明した。しかし、これに限らず、ART中において残りATゲーム数が存在する場合であっても、報知ゲーム数が0となった場合には、ARTが終了したときと同じようにナビ演出を実行せずにATを潜伏させる潜伏期間に制御するようにしてもよい。たとえば、報知ゲーム数が0となったときに、未報知ATゲーム数が存在する場合であっても、所定確率で潜伏期間に制御し、当該潜伏期間が経過した後に再び未報知ATゲーム数を報知してATに制御するようにしてもよい。
[有利状態および有利量について]
前述した実施の形態では、有利状態として、ナビ演出が実行されるATを例示したが、有利状態は遊技者にとって有利な状態であればこれに限らず、所定入賞役の当選確率が向上した状態(ビッグボーナス、レギュラーボーナス、チャレンジボーナス、RTなど)や、遊技者にとってさらに有利となる特定の状態に制御される確率が向上した状態(確率変動状態)、達成条件を提示して所定期間において当該達成条件を成立させることにより特定の状態に制御されることを示唆する状態(ミッション)など、どのような状態であってもよい。
また、前述した実施の形態では、有利量として、ATに制御可能となるATゲーム数を例示したが、有利量は有利状態に制御可能となる期間を特定するものであればこれに限らず、たとえば、1つ消費することにより所定ゲーム数にわたり有利状態に制御することを特定可能となる値(たとえばナビストック)や、特定操作手順で操作されることにより発生する所定入賞役に当選したときに操作手順を報知する回数(たとえばナビ演出実行可能回数)など、どのようなものであってもよい。
[遅延制御中の演出について]
前述した実施の形態では、フリーズを発生させている期間、すなわちゲーム開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅らせている期間において実行する演出として、リールを変動(回転)させることによりリール演出制御を行なう例について説明した。また、フリーズ中におけるリール演出制御として、たとえば、通常と異なる態様で3つのリールを変動(回転)させた後、同一図柄の組み合わせ(星7の3つ揃い)が一直線上に揃うようにリールを同期させて停止させる演出を行なう制御を例示した。しかし、フリーズ中におけるリール演出制御としては、これに限らず、回転させた後、同一図柄の組み合わせ(星7の3つ揃い)が一直線上に揃うように同期回転させてゆっくりと移動させるものであってもよい。また、このようなリール演出制御を行なう前後において、さらに、以下に示す制御を行なうものであってもよい。なお、以下の例におけるスロットマシンの構成は、前述した実施の形態と同一の構成を含むため、以下の例では異なる点について主に説明する。
(i) 例1
フリーズを発生させるゲームの開始後、リール演出制御の前に初期位置検出制御を行なう。初期位置検出制御とは、停止している3つのリールを、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する制御である。なお、初期位置検出制御では、全てのリールの基準位置にて各リール同士の相対的な位置関係が特定できることから、リール演出制御では、ここで特定した各リール同士の相対的な位置関係に基づいて各リールの制御を行なうようになっている。また、初期位置検出制御では、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係だけでなく、リール基準位置が検出されるまでのステップ数を計数することにより、3つのリールの回転開始時における初期位置も特定されるようになっている。
また、例1では、全てのリールの基準位置を確実に検出するために、初期位置検出制御にて停止している3つのリールを、1回転同期回転させる制御を行なっており、この際、1つのリールでも基準位置を検出できない場合には、リールに異常が生じていると判断してエラー制御を行なうようになっている。
次いで、メインCPU41aは、初期位置検出制御の後、リール演出制御を行なう。リール演出制御では、リールの回転を維持しつつ、対応する図柄(たとえば白7)が一直線上に並ぶように各リール同士の相対的な位置関係を制御する。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御の後、初期位置復帰制御を行なう。初期位置復帰制御では、リールの回転を維持しつつ、初期位置検出制御にて特定したリール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係となるように各リール同士の相対的な位置関係を制御する。
次いで、メインCPU41aは、初期位置復帰制御の後、初期位置報知制御を行なう。初期位置報知制御では、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知し、その後、初期位置関係のまま再度リールの回転を開始する。
そして、メインCPU41aは、初期位置報知制御の後、リールの回転速度を加速させ、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
また、サブCPU91aは、フリーズ期間において初期位置検出制御、リール演出制御、初期位置復帰制御、初期位置報知制御にそれぞれ合わせて、リールLED55の点灯/消灯制御を行なうことにより、リールの視認性を変化させる制御を行なう。これら初期位置検出制御、リール演出制御、初期位置復帰制御、初期位置報知制御に合わせたリールLED55の点灯/消灯制御は、前述したリール演出コマンドから、リールの回転開始時における各リール同士の相対位置関係である初期位置関係を特定し、特定した初期位置関係から各リールの表示位置を特定し、特定した表示位置に応じて行なわれるようになっている。
このような構成によれば、ゲームの開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅延させているフリーズ期間において、3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係(「白7」が一直線上に並ぶ位置関係)となるように制御するリール演出制御が行なわれるため、フリーズ期間におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
なお、例1では、複数の可変表示領域同士の前記識別情報の相対的な位置関係が特定位置関係となるように前記複数の可変表示領域の変動制御を行なう特殊変動制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させるリール演出制御を適用しているが、例えば、「白7」が並んだ状態で上下に移動しつつ表示させるリール演出制御、「白7」が並んだ状態が透視窓3に対応する位置で停止させる制御、停止はしないものの「白7」が並んだ状態が透視窓3に対応する位置を通過する場合に、他の図柄が通過するよりも遅い速度で回転させる制御を適用してもよい。この点については、以下説明する例2〜9についても同様である。
また、上記のように3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係、例えば「白7−白7−白7」の並びとなるリール演出制御を行なった後、そのままの位置関係でリールの停止操作を有効とすると、遊技者が適当に連続してストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合、最初に停止操作を行なったタイミングが偶然、「白7」の引込範囲であれば、他のリールの停止操作のタイミングも「白7」の引込範囲となる可能性が高くなり、リール演出制御を行なわなかった場合、すなわち3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係ではない場合に、遊技者が適当に連続してストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合に比較して、「白7−白7−白7」が揃う可能性が高まってしまうこととなる。このように、リール演出制御を行なうことにより、リール同士の相対的な位置関係と、リールの停止操作との間に一定の規則性が生まれることによってリールの停止操作の技術介入の度合いが変化してしまう虞がある。
これに対して、例1では、前回のゲームにおける各リールの停止位置をRAM41cのワーク領域などに保持しておくことがなく、リール演出制御を行なう場合には、ゲーム開始後、リール演出制御を行なう前に、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する初期位置検出制御を行なうとともに、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、初期位置関係、すなわちリールの回転開始時における相対的な位置関係に戻すようになっており、「白7」が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出制御を行なった場合であっても、このようなリール演出制御を行なわなかった場合であっても、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、各リール同士の相対的な位置関係が、前回のゲームのリール停止時と同じ位置関係、すなわち規則性のない位置関係に戻されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例1では、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、初期位置関係に戻すだけでなく、初期位置関係に戻した後、初期位置関係に戻った旨を示唆する制御、すなわちリール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知する制御を行なうようになっており、各リール同士の位置関係がリール演出制御によって何らかの図柄が一直線上に揃った位置関係のままではなく、初期位置関係に戻ったことを遊技者に対して知らせることができ、何らかの図柄が一直線上に揃った位置関係であると誤解してストップスイッチ8L、8C、8Rによりリールの停止操作が行なわれてしまうことを防止できる。
尚、例1では、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させることにより、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知するようになっているが、少なくとも初期位置に戻った旨が遊技者に報知される構成であればよく、例えば、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま通常よりもゆっくりと1回転以上同期回転させることにより、初期位置に戻った旨を遊技者に報知する構成、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置が通過する際に、該当する停止位置の通過に合わせて該当するエリアをリールLED55で照射することにより、初期位置に戻った旨を遊技者に報知する構成などでも、上記と同様の効果を得られる。
また、例1では、リール演出制御を行なうにあたり、ゲーム開始後、まず、停止している3つのリールを、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する初期位置検出制御を行なうことにより、リール演出制御によって各リール同士の位置関係が変更される前の初期位置関係を特定するようになっており、リール演出制御の終了後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時の位置関係に確実に戻すことができる。
これにより、例えば、前回のゲームでリールが脱調した場合や遊技場側でリールの位置を手動で移動させた場合など、メインCPU41aが前回のゲームにおけるリール停止時において特定した各リールの位置と、実際の各リールの位置と、が異なる場合であっても、リール演出制御の終了後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時の位置関係に戻すことが可能となる。
また、例1では、リール演出制御を行なう場合に初期位置検出制御を行なって初期位置関係を特定しているので、前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持しておく必要がなく、RAM41cのワーク領域として必要な領域を節約することができる。
尚、例1では、前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持しない構成であるが、前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持する構成としてもよく、このような構成とすることで、例えば、前回のゲームにおける各リールの停止位置から特定される位置関係と、初期位置検出制御により特定された初期位置関係と、を比較し、これらが一致しない場合に、リールの脱調などが生じていることを検出することが可能となる。そして、前回のゲームにおける各リールの停止位置から特定される位置関係と、初期位置検出制御により特定された初期位置関係と、を比較した結果、不一致が判定された場合にエラー状態に制御することにより、脱調などの不具合が生じていることを容易に特定することが可能となる。また、前回のゲームにおける各リールの停止位置から特定される位置関係と、初期位置検出制御により特定された初期位置関係と、を比較した結果、不一致が判定された場合に、常にエラー状態に制御するものに限られず、例えば、連続して不一致が判定された場合や、一定割合以上で不一致が判定された場合のみエラー状態に制御するようにしてもよく、このようにすることで、たまたま脱調が起きただけで、頻繁に発生するわけではないのに、エラー状態に制御され、遊技が中断してしまうことを防止できる。
尚、上述のように前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持して、前回のゲームにおける各リールの停止位置から特定される位置関係と、初期位置検出制御により特定された初期位置関係と、を比較する場合には、少なくとも初期位置検出制御が初期位置関係を特定し、該初期位置関係と比較するまで前回のゲームにおける各リールの停止位置やその時点の停止位置関係を保持する構成であればよく、その後は保持されない構成としてもよいし、ゲーム終了時まで保持する構成としてもよい。また、初期位置検出制御(リール演出制御)を行なわない旨が確定したときは、その時点以降、ゲーム終了時の各リールの停止位置やその位置関係を保持しない構成としてもよい。また、例1のように前回のゲームにおいてリール演出制御(フリーズ状態)を行なうか否かを決定する構成においては、次ゲームにおいてリール演出制御(フリーズ状態)を行なうと決定された場合のみ、ゲーム終了時の各リールの停止位置やその位置関係を、少なくとも初期位置検出制御が初期位置関係を特定し、該初期位置関係と比較するまで保持する構成であればよい。
また、フリーズ期間においてリール演出制御を行なうとともに、これに伴いリールLED55の点灯/消灯制御を行なうことによりリールの視認性を変更させる演出を行ない、リール演出制御に伴うリールの変動態様による演出効果を高めることができるうえに、リール演出制御の後の初期位置報知制御において初期位置関係に戻ったことを遊技者に対して効果的に知らせることができる。
また、リールLED55の点灯/消灯制御によりリールの視認性を変更させる演出は、フリーズ期間、すなわちストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化されるまでの期間においてのみ行なわれ、ストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効となった後、全てのリールが停止するまでは、全ての領域に対応するリールLED55が点灯状態で維持され、リールの視認性が変化しないようになっており、ストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度を変化させることなく、リールの視認性を変化させる演出を行なうことが可能となる。
(ii) 例2
例1では、リール演出制御を行なう前に、停止している3つのリールを、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する初期位置検出制御を行なうのに対して、例2では、初期位置検出制御を行なわず、前回のゲームの終了時における各リールの停止位置が次回ゲームの終了時まで保持されるようになっており、この前回ゲームの終了時における各リールの停止位置から初期位置関係を特定するようになっている。
例2においてメインCPU41aは、図24に示すように、フリーズ状態に制御する場合に、ゲームの開始後、直ちにリール演出制御を開始する。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御の後、図24に示すように、初期位置復帰制御を行なう。初期位置復帰制御では、リールの回転を維持しつつ、前回のゲームの終了時における各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係となるように各リール同士の相対的な位置関係を制御する。例2では、前述のように前回のゲームの終了時における各リールの停止位置が次回ゲームの終了時まで保持されるようになっており、この前回ゲームの終了時における各リールの停止位置から、初期位置関係を特定できるようになっている。
次いで、メインCPU41aは、初期位置復帰制御の後、図24に示すように、初期位置報知制御を行なう。初期位置報知制御では、前回のゲームの終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、前回のゲームの終了時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知し、その後、初期位置関係のまま再度リールの回転を開始する。
そして、メインCPU41aは、初期位置報知制御の後、リールの回転速度を加速させ、図24に示すように、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
また、例2においてサブCPU91aは、フリーズ期間においてリール演出制御、初期位置復帰制御、初期位置報知制御にそれぞれ合わせて、リールLED55の点灯/消灯制御を行なうことにより、リールの視認性を変化させる制御を行なう。これらリール演出制御、初期位置復帰制御、初期位置報知制御に合わせたリールLED55の点灯/消灯制御は、前述したリール停止コマンドから、各リール停止時における各リールの表示位置を特定し、特定した表示位置に応じて行なわれるようになっている。
リール演出制御中においては、リールの回転に合わせて順次上段の図柄に対応する領域からリールLED55を消灯する制御を行なうとともに、リール演出制御にて揃い得る図柄、すなわち「白7」の通過に合わせて、当該図柄が通過する領域のリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行ない、制御パターンに対応する図柄が一直線上に並ぶ位置関係となった後、当該一直線上に並んだ図柄の通過に合わせて、当該図柄が通過する領域のリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行なう。例えば、「白7」が一直線上に揃った状態であれば、「白7」の通過に合わせて、当該「白7」が通過する領域を点灯させ、それ以外の領域を消灯させることにより、揃っている図柄を強調するようにリールの視認性を変化させる。
次いで、初期位置復帰制御中においては、一旦、全ての領域のリールLED55を消灯した後、各リール同士の相対的な位置関係が初期位置関係に戻った時点で、前回のゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置となる3つの連続する図柄の通過に合わせてリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行なう。
次いで、初期位置報知制御では、前回のゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置が一旦停止した時点で全ての領域のリールLED55を点滅表示させることで、前回のゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置に戻ったことを強調する。次いで、リールの回転が再度開始した時点で、全ての領域のリールLED55を点灯状態とし、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化され、全てのリールが停止操作に伴って停止するまでは、全ての領域のリールLED55の点灯状態を維持するようになっている。
以上説明したように例2のスロットマシンでは、ゲーム終了時の各リールの停止位置を次回ゲームの終了時まで保持しておくとともに、リール演出制御を行なう場合には、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、初期位置関係、すなわち前回ゲーム終了時の各リールの停止位置から特定される前回のゲーム終了時における相対的な位置関係に戻すようになっており、「白7」が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出制御を行なった場合であっても、このようなリール演出制御を行なわなかった場合であっても、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、各リール同士の相対的な位置関係が、前回のゲームのリール停止時と同じ位置関係、すなわち規則性のない位置関係に戻されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例2では、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、初期位置関係に戻すだけでなく、初期位置関係に戻した後、初期位置関係に戻った旨を示唆する制御、すなわち前回ゲーム終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、前回ゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知する制御を行なうようになっており、各リール同士の位置関係がリール演出制御によって何らかの図柄が一直線上に揃った位置関係のままではなく、初期位置関係に戻ったことを遊技者に対して知らせることができ、何らかの図柄が一直線上に揃った位置関係であると誤解してストップスイッチ8L、8C、8Rによりリールの停止操作が行なわれてしまうことを防止できる。
尚、例2では、前回ゲーム終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、前回ゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させることにより、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知するようになっているが、少なくとも初期位置に戻った旨が遊技者に報知される構成であればよく、例えば、前回ゲーム終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま通常よりもゆっくりと1回転以上同期回転させることにより、初期位置に戻った旨を遊技者に報知する構成、前回ゲーム終了時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、前回ゲーム終了時に各リールに停止していた停止位置が通過する際に、該当する停止位置の通過に合わせて該当するエリアをリールLED55で照射することにより、初期位置に戻った旨を遊技者に報知する構成などでも、上記と同様の効果を得られる。
また、例2では、ゲーム終了時の各リールの停止位置を次回ゲームの終了時まで保持しておくことにより、前回ゲーム終了時の各リールの停止位置が特定可能となり、前回ゲーム終了時の各リールの停止位置から、リール演出制御によって各リール同士の位置関係が変更される前の初期位置関係を特定するようになっており、ゲーム開始後、その時点の各リール同士の位置関係を検出する制御を行なうことなく、すなわち全てのリールにおいて基準位置が検出されるのを待つまでもなく、直ちにリール演出制御を開始することができる。
尚、例2では、ゲーム終了時の各リールの停止位置を次回ゲームの終了時まで保持しているが、少なくともリール演出制御の終了後、初期位置復帰制御が行なわれるまで保持される構成であればよく、その後は保持されない構成としてもよい。また、リール演出制御を行なわない旨が確定したときは、その時点以降、ゲーム終了時の各リールの停止位置を保持しない構成としてもよい。また、例2のように前回のゲームにおいてリール演出制御(フリーズ状態)を行なうか否かを決定する構成においては、次ゲームにおいてリール演出制御を行なうと決定された場合のみ、ゲーム終了時の各リールの停止位置を、少なくともリール演出制御の終了後、初期位置復帰制御が行なわれるまで保持する構成であればよい。
(iii) 例3
例1では、メインCPU41aは、リール演出制御の後、初期位置復帰制御を行なう構成であったのに対して、例3では、初期位置復帰制御ではなく、リール演出制御の後、各リールの相対的な位置関係がランダムとなるようにこれらの位置関係を変更する位置関係変更制御を行なう。このため、例3では、3つのリールの回転開始時における相対的な位置関係である初期位置関係を特定する必要はなく、例1のようにリール演出制御を行なう前に、初期位置検出制御を行なったり、例2のように各リールの停止位置が次回ゲームの終了時まで保持されることもない。
例3においてメインCPU41aは、図25に示すように、フリーズ状態に制御する場合に、ゲームの開始後、直ちにリール演出制御を開始する。また、フリーズ抽選に当選した場合には、それと同時、すなわちリール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後の位置関係変更制御によって変更する位置関係がランダムとなるようにその位置関係を決定する位置関係決定処理を行なう。
位置関係決定処理では、各リール毎に現在の位置に対する変更量を0、1、2、3、4図柄の範囲でランダムに決定する変更量決定抽選をそれぞれ行なう。
図26に示すように、変更量決定抽選では、左リール、中リール、右リールに対してそれぞれ更新範囲の総数が異なる乱数を用いて抽選が行なわれる。詳しくは、左リールの変更量を決定する抽選では、0〜996の範囲で更新される乱数が用いられ、中リールの変更量を決定する抽選では、0〜997の範囲で更新される乱数が用いられ、右リールの変更量を決定する抽選では、0〜998の範囲で更新される乱数が用いられる。
これらの乱数は、ともにタイマ割込処理(メイン)が行なわれる毎に更新されるソフト乱数を用いているが、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、乱数同士の更新周期が同期し難いようになっている。
一方、図27に示すように、変更量決定抽選では、いずれのリールにおいても変更量として0〜4図柄がほぼ均等な割合で当選するようになっているが、前述のように乱数同士の更新周期が同期しない構成であるため、各リールの変更量として同じ変更量が決定され難い構成となる。
また、それぞれの乱数の総数である997、998、999が同期することとなる最小公倍数は、994010994であり、例3では、それぞれの乱数がタイマ割込処理(メイン)毎に更新され、その間隔が0.56msであり、1秒間に約1786回更新されるので、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのは、約154.6時間後であり、遊技店の営業時間は、通常13時間程度なので、1日の間に同じ乱数の組み合わせが抽出されて変更量決定抽選が行なわれることはなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの変更量の組み合わせとして同じ変更量の組み合わせが決定され難い構成となる。
そしてメインCPU41aは、それぞれの変更量決定抽選を行なうことにより、これら3つのリールの相対的な位置関係を決定する。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御を行なうとともに、その後、図25に示すように、変更量決定抽選の結果に基づいて各リールの相対的な位置関係を変更する位置関係変更制御を行なう。位置関係変更制御では、リールの回転を維持しつつ、まず、左リールと他のリールとの位置関係とが左リールの変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、左リールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す。次いで、中リールと他のリールとの位置関係とが中リールの変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、中リールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す。最後に、右リールと他のリールとの位置関係とが右リールの変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、右リールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す。これにより、各リール同士の位置関係がランダムな位置関係となる。
そして、メインCPU41aは、位置関係変更制御により各リール同士の位置関係をランダムな位置関係とした後、全てのリールの回転速度を加速させ、図25に示すように、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
また、例3においてサブCPU91aは、フリーズ期間においてリール演出制御、位置関係変更制御にそれぞれ合わせて、リールLED55の点灯/消灯制御を行なうことにより、リールの視認性を変化させる制御を行なう。これらリール演出制御、位置関係変更制御に合わせたリールLED55の点灯/消灯制御は、前述したリール停止コマンドから、各リール停止時における各リールの表示位置を特定し、特定した表示位置に応じて行なわれるようになっている。
リール演出制御中においては、リールの回転に合わせて順次上段の図柄に対応する領域からリールLED55を消灯する制御を行なうとともに、リール演出制御にて揃い得る図柄、たとえば「白7」の通過に合わせて、当該図柄が通過する領域のリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行ない、制御パターンに対応する図柄が一直線上に並ぶ位置関係となった後、当該一直線上に並んだ図柄の通過に合わせて、当該図柄が通過する領域のリールLED55を点灯させ、それ以外の領域を消灯する制御を行なう。例えば、「白7」が一直線上に揃った状態であれば、「白7」の通過に合わせて、当該「白7」が通過する領域を点灯させ、それ以外の領域を消灯させることにより、揃っている図柄を強調するようにリールの視認性を変化させる。
次いで、位置関係変更制御中においては、一旦、全ての領域のリールLED55を消灯した後、各リールの相対的な位置関係がランダムな位置関係となった時点で、全ての領域のリールLED55を点灯状態とし、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化され、全てのリールが停止操作に伴って停止するまでは、全ての領域のリールLED55の点灯状態を維持するようになっている。
以上説明したように例3のスロットマシンでは、リール演出制御を行なう場合には、各リール同士の相対的な位置関係がランダムとなるようにその位置関係を決定し、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係を、リール演出制御の前に決定されたランダムな位置関係に変更するようになっており、「白7」が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出制御を行なった場合であっても、このようなリール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、各リール同士の相対的な位置関係がランダムな位置関係、すなわち規則性のない位置関係に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例3では、ゲーム終了時の各リール同士の位置関係とは関係なく、リール演出制御の後、各リール同士の相対的な位置関係をランダムな位置関係に変更することで、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない構成であるので、ゲーム開始後、その時点の各リール同士の位置関係を検出する制御を行なうことなく、すなわち全てのリールにおいて基準位置が検出されるのを待つまでもなく、直ちにリール演出制御を開始することができる。
また、例3では、リール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後の位置関係変更制御によって変更する位置関係がランダムとなるようにその位置関係を決定する位置関係決定処理を行なうようになっており、フリーズ抽選、すなわちリール演出制御を行なうか否かを決定するための処理と位置関係決定処理とを、リール演出制御を挟まずに連続して行なうことが可能となり、処理の流れが簡素化できるとともに、リール演出制御の終了後、直ちに位置関係変更制御に移行させることができる。
尚、例3では、リール演出制御を開始する前の段階で位置関係決定処理を行なう構成であるが、図28に示すように、リール演出制御の後に、位置関係決定処理を行ない、その結果に基づいて位置関係変更制御を行なう構成でもよく、このような構成とすることで、リール演出制御の期間にわたり、位置関係変更制御にて用いる各リール同士の相対的な位置関係を特定するデータを保持しておく必要が無く、例えば、リール演出制御の期間中に電断した場合などにおいても、電断復帰まで保持しておくデータ量を軽減することができる。
また、例3のように、位置関係決定処理において各リール毎に現在の位置に対する変更量を決定する変更量決定抽選を行なう構成であれば、相対的な位置関係を変更するリールの変更量決定抽選を行ない、直ちに当該リールの位置関係変更制御(変更量決定抽選にて当選した変更量だけずらす制御)を行なう制御を、各リール毎に順番に行なう構成としてもよく、このような構成とすることで、位置関係変更制御にて位置を変更するリール以外のリールについての変更量を保持せずに済むこととなる。
また、例3では、リール演出制御の後、一のリールと他のリールとの位置関係とが変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、一のリールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す制御により、リール同士の相対的な位置関係を変更する構成であるが、変更量決定抽選にて図柄数ではなく、複数の異なる変更時間からいずれかの変更時間を決定し、一のリールと他のリールとの位置関係とが変更量決定抽選にて当選した変更時間が経過するまで、一のリールの回転速度を他のリールよりも遅く制御した後、他のリールの回転速度と同じ速度に戻す制御により、リール同士の相対的な位置関係を変更する構成としてもよい。
また、リール演出制御の後、一のリールの加速を開始するとともに、一のリールと他のリールとの位置関係とが変更量決定抽選にて当選した図柄数だけずれるまで、他のリールの加速の開始を遅らせることによりリール同士の相対的な位置関係を変更する構成としてもよい。さらには、変更量決定抽選にて図柄数ではなく、複数の異なる変更時間からいずれかの変更時間を決定し、一のリールの加速を開始するとともに、一のリールと他のリールとの位置関係とが変更量決定抽選にて当選した変更時間が経過するまで、他のリールの加速の開始を遅らせることによりリール同士の相対的な位置関係を変更する構成としてもよい。
また、例3では、各リール毎に現在の位置に対する変更量を0、1、2、3、4図柄の範囲でランダムに決定する変更量決定抽選をそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係が決定されるようになっており、それぞれのリールの位置関係との関連性がより不規則なものとなり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化された際の各リール同士の相対的な位置関係をより不規則なものにできる。
また、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、それぞれの乱数同士の更新周期が、それぞれの乱数の総数の最小公倍数となるまで同期することがなく、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける変更量をよりばらつかせることができる。これにより、「白7」が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出制御を行なった場合であっても、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化された際にリール演出制御における位置関係が維持されてしまうことを極力回避できる。
尚、例3では、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、各リールの変更量として同じ変更量が決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、それぞれの乱数毎に、1周期毎に開始値がランダムに変更されるようにした乱数を用いたり、各リールの変更量決定抽選を行なうタイミングをずらすことにより、各リールの変更量として同じ変更量が決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることで、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける変更量をよりばらつかせることができるだけでなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの変更量の組み合わせとして同じ変更量の組み合わせが決定される割合を下げることもできるので、リール演出制御が行なわれる毎に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。
また、例3では、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに、一般的な遊技店の営業時間よりも長い時間を要する構成であり、同じ遊技者が同じ日に遊技を行ない、2回以上リール演出制御が行なわれた場合であっても、リール演出制御後の位置関係が同じ位置関係となることがないようになっている。また、リール演出制御を行なうにあたり、変更量決定抽選を行なう際に、前回の同じ乱数の組み合わせが抽出されること自体がごく希な現象であるため、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに1ゲームを超える時間を要するもの、すなわち1ゲームの間に2回以上3つの乱数が同期することのない構成であれば、リール演出制御が行なわれる毎に、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。
尚、例3では、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの変更量の組み合わせとして同じ変更量の組み合わせが決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう変更量決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、リール演出制御を行なう毎に変更量決定抽選を行なうタイミングをずらすこと(例えば、リール演出制御前に変更量決定抽選を行なった場合には、次回リール演出制御を行なう場合に、リール演出制御後に変更量決定抽選を行なうなど)により、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの変更量の組み合わせとして同じ変更量の組み合わせが決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、例3の変更量決定抽選では、各リール毎に現在の位置に対する変更量が引込範囲に対応する0、1、2、3、4図柄の範囲でランダムに決定される構成であるが、変更量の範囲は、上記で例示した0、1、2、3、4図柄の範囲に限るものではなく、それ以上の範囲を適用してもよいし、それよりも少ない範囲、例えば、0〜1図柄に対して割り当てられた範囲を適用してもよい。また、前述のように変更量決定抽選で、変更時間を決定する場合に決定される範囲も、図柄数の場合と同様に任意に選択可能である。
また、例3では、各リール毎に現在の位置に対する変更量をランダムに決定する変更量決定抽選をそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係が決定される構成であるが、いずれか一のリールに対する他のリールの位置関係を残りのリール毎にランダムに決定する抽選を行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係が決定される構成としてもよい。
また、予め異なるように複数定められた各リール同士の相対的な位置関係からいずれか位置関係をランダムに選択する位置関係決定抽選を行ない、選択された位置関係を、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係として決定する構成としてもよい。例えば、図29に示すように、左リールを基準とした場合の中リールの図柄単位毎の相対的位置、左リール及び中リールを基準とした場合の右リールの図柄単位毎の相対的位置を定めておくとともに、これらの位置関係からいずれか一の位置関係を位置関係決定抽選により決定すればよい。このように予め異なるように複数定められた各リール同士の相対的な位置関係からいずれか位置関係をランダムに選択する位置関係決定抽選を行ない、選択された位置関係を、リール演出制御後の、これら3つのリールの相対的な位置関係として決定する構成とすることで、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じてしまうことを防止できる。
(iv) 例4
前述した例1では、リール演出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させる制御を行なう構成であったが、例4では、リール演出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させるとともに、同一図柄の組み合わせが透視窓3に表示される範囲で、所定時間にわたり上下にうねるように各リールを移動させる制御を行なうようになっている。
次いで、メインCPU41aは、例1と同様に初期位置検出制御を行なった後、リール演出制御を行なう。リール演出制御では、リールの回転を維持しつつ、対応する図柄が一直線上に並ぶように各リール同士の相対的な位置関係を制御するとともに、対応する図柄が一直線上に並んだ後、これらの図柄が透視窓3に対応する領域まで移動した時点で、透視窓3に表示される範囲で、上下にうねるように各リールを移動させる制御を所定時間にわたり行なう。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御の後、例1と同様に初期位置復帰制御を行なう。初期位置復帰制御では、リールを回転させつつ、初期位置検出制御にて特定したリール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係となるように各リール同士の相対的な位置関係を制御する。
次いで、メインCPU41aは、例1と同様に、初期位置復帰制御の後、初期位置報知制御を行なう。初期位置報知制御では、リール回転開始時の各リール同士の相対的な位置関係である初期位置関係のまま、同期回転させた後、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置で各リールを一旦停止させて、初期位置に戻った旨を遊技者に対して報知し、その後、初期位置関係のまま再度リールの回転を開始する。
そして、メインCPU41aは、初期位置報知制御の後、リールの回転速度を加速させ、定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
以上説明したように、例4のスロットマシンでは、ゲームの開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅延させているフリーズ期間において、たとえば「白7」の図柄が並んだ状態で、これら図柄を所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御が行なわれるため、フリーズ期間におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
また、上記のように所定時間にわたり特定の図柄を表示領域内に表示させるリール演出制御を行なった場合、特定の図柄が表示されている状態からの回転開始後、遊技者が引き込むことを望む図柄の引込範囲までのタイミングを把握しておくことで、リールの変動態様からタイミングをはからずとも、遊技者の望む図柄の引込範囲で停止操作を行なうことが可能となり、リール演出制御を行なわなかった場合、すなわち特定の図柄が表示領域内に表示されていない状態で、リールが回転を開始した場合に比較して、遊技者の望む図柄を狙った操作が容易となってしまうこととなる。このように、リール演出制御を行なうことにより、特定の図柄が表示された状態からリールの回転が開始することと、リールの停止操作との間に一定の規則性が生まれることによってリールの停止操作の技術介入の度合いが変化してしまう虞がある。
これに対して例4では、3つのリールの回転開始時における初期位置を特定する初期位置検出制御を行なうとともに、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時に各リールに停止していた初期位置に各リールを戻すようになっており、たとえば「白7」が並んだ状態を所定時間にわたり表示させるリール演出制御を行なった場合であっても、このようなリール演出制御を行なわなかった場合であっても、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、各リールの停止位置が、前回のゲームのリール停止時と同じ停止位置、すなわち規則性のない停止位置に戻されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
尚、例4では、可変表示領域に特定の識別情報を表示させる特殊変動制御として、たとえば「白7」が並んだ状態で所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御、すなわち所定時間にわたり特定の図柄を表示領域内で移動させつつ表示させる制御を適用しているが、例えば、特定の図柄を所定時間にわたり透視窓3に対応する位置で停止させる制御や、停止はしないものの特定の図柄が透視窓3に対応する位置を通過する場合に、他の図柄が通過するよりも遅い速度で回転させる制御を適用してもよい。
また、例4では、リール演出制御を行なう前に、停止している3つのリールを、少なくとも全てのリールの基準位置が検出されるまで全てのリールを同じ方向に同期回転させることにより、3つのリールの回転開始時における初期位置を特定する初期位置検出制御を行ない、この初期位置検出制御に基づいて特定された初期位置に基づいて、リール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時に各リールに停止していた初期位置に各リールを戻す制御を行なう構成であったが、例2と同様に、初期位置検出制御を行なわず、前回のゲームの終了時における各リールの停止位置を次回ゲームの終了時まで保持し、保持されている各リールの停止位置に基づいてリール演出制御の後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される前に、リール回転開始時に各リールに停止していた初期位置に各リールを戻す制御を行なう構成としてもよい。
また、例4では、複数のリールを備える構成であるが、1つのリールのみを備える構成において、特定の図柄が所定期間にわたり表示されるリール演出制御を行なった場合であっても、その後、ストップスイッチの操作が有効化される前に、リール回転開始時に各リールに停止していた停止位置に各リールを戻す制御を行なう構成とすることで、リール演出制御を行なった場合であっても、リール演出制御を行なわなかった場合であっても、その後、ストップスイッチの操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
(v) 例5
例3では、リール演出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させる制御を行なう構成であったが、例5では、例4と同様にリール演出制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させるとともに、同一図柄の組み合わせが透視窓3に表示される範囲で、所定時間にわたり上下にうねるように各リールを移動させる制御を行なうようになっている。
例5においてメインCPU41aは、図30に示すように、フリーズ状態に制御する場合に、ゲームの開始後、直ちにリール演出制御を開始する。また、フリーズ抽選に当選した場合には、それと同時、すなわちリール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後、定速回転となるまでの加速制御に要する加速時間をリール毎にランダムに決定する加速時間決定処理を行なう。
加速時間決定処理では、各リールの加速時間をT(最短加速時間)+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msの範囲でランダムに決定する加速時間決定抽選をそれぞれ行なう。例5において停止操作が有効となる定速回転時においてリールが1図柄移動するのに約38ms要する構成であることから、これらいずれかの加速時間が選択されることにより、定速回転となった時点で、最大で4図柄分のずれが生じることとなる。
加速時間決定抽選では、左リール、中リール、右リールに対してそれぞれ更新範囲の総数が異なる乱数を用いて抽選が行なわれる。詳しくは、変更量決定抽選と同様に、左リールの加速時間を決定する抽選では、0〜996の範囲で更新される乱数が用いられ、中リールの加速時間を決定する抽選では、0〜997の範囲で更新される乱数が用いられ、右リールの加速時間を決定する抽選では、0〜998の範囲で更新される乱数が用いられる。
これらの乱数は、ともにタイマ割込処理(メイン)が行なわれる毎に更新されるソフト乱数を用いているが、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、乱数同士の更新周期が同期し難いようになっている。
一方、変更量決定抽選と同様に、加速時間決定抽選では、いずれのリールにおいても加速時間としてT+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msがほぼ均等な割合で当選するようになっているが、前述のように乱数同士の更新周期が同期しない構成であるため、各リールの加速時間として同じ加速時間が決定され難い構成となる。
また、変更量決定抽選と同様に、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのは、約154.6時間後であり、遊技店の営業時間は、通常13時間程度なので、1日の間に同じ乱数の組み合わせが抽出されて変更量決定抽選が行なわれることはなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定され難い構成となる。
そしてメインCPU41aは、それぞれの加速時間決定抽選を行なうことにより、これら3つのリールの加速時間を決定する。
次いで、メインCPU41aは、リール演出制御を行なうとともに、その後、図30に示すように、加速時間決定抽選の結果に基づいて各リールを定速回転となるまで加速させる加速制御を行なう。加速制御では、各リールの加速を開始させた後、各リール毎に決定された加速時間にて定速回転に到達するように各リールを加速させる制御が行なわれる。
これにより、各リール同士で、定速回転に到達するタイミングがランダムとなり、さらにリール演出制御において揃っていた各リール同士の位置関係もランダムな位置関係となる。
そして、メインCPU41aは、加速制御により全てのリールが定速回転となった時点で、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
以上説明したように例5のスロットマシンでは、ゲームの開始後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化を遅延させているフリーズ期間において、たとえば「白7」の図柄が並んだ状態で、これら図柄を所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御が行なわれるため、フリーズ期間におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
また、例5では、リール演出制御により「白7」の図柄が並んだ状態でこれらの図柄が表示された場合に、その後、定速回転となるまでの加速時間をランダムに変更することで、リールの加速開始時点からの経過時間により引込範囲を超える図柄を引き込めるタイミングを予測することが困難となるので、「白7」が並んだ状態を所定時間にわたり表示させるリール演出制御を行なった場合でも、このようなリール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、これらストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、リールの加速開始後、定速回転となるまでの加速時間がランダムに、すなわち規則性のない加速時間に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
尚、例5では、可変表示領域に特定の識別情報を表示させる特殊変動制御として、「白7」が並んだ状態で所定時間にわたり上下に移動しつつ表示させるリール演出制御、すなわち所定時間にわたり特定の図柄を表示領域内で移動させつつ表示させる制御を適用しているが、例えば、特定の図柄を所定時間にわたり透視窓3に対応する位置で停止させる制御や、停止はしないものの特定の図柄が透視窓3に対応する位置を通過する場合に、他の図柄が通過するよりも遅い速度で回転させる制御を適用してもよい。
また、例5では、リール演出制御により「白7」の図柄が並んだ状態でこれらの図柄が表示された場合に、その後、定速回転となるまでの加速時間を各リール毎にランダムに変更する構成であり、定速回転に到達するタイミングだけでなく、リール演出制御において揃っていた各リール同士の位置関係もランダムな位置関係となる構成であるが、ランダムに決定された一の加速時間を全てのリールの加速時間として適用する構成としてもよく、このような構成であっても、リールの加速開始時点からの経過時間によって、引込範囲を超える図柄を引き込めるタイミングを予測することが困難となるので、リール演出制御を行なった場合であっても、リール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、リールの加速開始後、定速回転となるまでの加速時間がランダムに、すなわち規則性のない加速時間に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例5では、複数のリールを備える構成であるが、1つのリールのみを備える構成において、特定の図柄が所定期間にわたり表示されるリール演出制御を行なった場合であっても、その後、リールの加速を開始し、定速回転となるまでの加速時間をランダムに変更する構成とすることで、リールの加速開始時点からの経過時間によって、引込範囲を超える図柄を引き込めるタイミングを予測することが困難となるので、リール演出制御を行なった場合であっても、リール演出制御を行なわなかった場合に比較して、その後、ストップスイッチの操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が極端に低くなるようなことがない。すなわち、リール演出制御を行なった場合でも、リールの加速開始後、定速回転となるまでの加速時間がランダムに、すなわち規則性のない加速時間に変更されることで、リール演出制御を行なっても、リール演出制御を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、例5では、ゲーム終了時の各リール同士の位置関係とは関係なく、リール演出制御の後、各リールの加速時間をランダムに変更することで、リール演出制御を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない構成であるので、ゲーム開始後、その時点の各リール同士の位置関係を検出する制御を行なうことなく、すなわち全てのリールにおいて基準位置が検出されるのを待つまでもなく、直ちにリール演出制御を開始することができる。
また、例5では、リール演出制御を開始する前の段階で、リール演出制御の終了後の加速制御に適用する加速時間をランダムに決定する加速時間決定処理を行なうようになっており、フリーズ抽選、すなわちリール演出制御を行なうか否かを決定するための処理と加速時間決定処理とを、リール演出制御を挟まずに連続して行なうことが可能となり、処理の流れが簡素化できるとともに、リール演出制御の終了後、直ちに加速制御に移行させることができる。
尚、例5では、リール演出制御を開始する前の段階で加速時間決定処理を行なう構成であるが、リール演出制御の後に、加速時間決定処理を行ない、その結果に基づいて加速制御を行なう構成でもよく、このような構成とすることで、リール演出制御の期間にわたり、加速制御にて用いる各リールの加速時間を特定するデータを保持しておく必要が無く、例えば、リール演出制御の期間中に電断した場合などにおいても、電断復帰まで保持しておくデータ量を軽減することができる。
また、例5では、各リールの加速時間をランダムに決定する変更量決定抽選をリール毎にそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールのそれぞれの加速時間が決定されるようになっており、それぞれのリールの加速時間との関連性がより不規則なものとなり、加速を開始してから定速回転となるまでの時間をより不規則なものにできる。
また、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いているため、それぞれの乱数同士の更新周期が、それぞれの乱数の総数の最小公倍数となるまで同期することがなく、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける加速時間をよりばらつかせることができる。
尚、例5では、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、各リールの加速時間として同じ加速時間が決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、それぞれの乱数毎に、1周期毎に開始値がランダムに変更されるようにした乱数を用いたり、各リールの加速時間決定抽選を行なうタイミングをずらすことにより、各リールの加速時間として同じ加速時間が決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることで、同じ周期の乱数を用いた場合に比較して、各リールにおける加速時間をよりばらつかせることができるだけでなく、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定される割合を下げることもできるので、リール演出制御が行なわれる毎に、リール演出制御後、加速を開始して定速回転となるまでの加速時間に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の各リール毎の加速時間の組み合わせが同じ組み合わせとなりやすくなることを防止できる。
また、例5では、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに、一般的な遊技店の営業時間よりも長い時間を要する構成であり、同じ遊技者が同じ日に遊技を行ない、2回以上リール演出制御が行なわれた場合であっても、リール演出制御後の加速時間の組み合わせが同じ組み合わせとなることがないようになっている。また、リール演出制御を行なうにあたり、加速時間決定抽選を行なう際に、前回の同じ乱数の組み合わせが抽出されること自体がごく希な現象であるため、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに1ゲームを超える時間を要するもの、すなわち1ゲームの間に2回以上3つの乱数が同期することのない構成であれば、リール演出制御が行なわれる毎に、リール演出制御後、加速を開始して定速回転となるまでの加速時間に偏りが生じること、すなわちリール演出制御後の各リール毎の加速時間の組み合わせが同じ組み合わせとなりやすくなることを防止できる。
尚、例5では、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、それぞれの乱数の総数が、互いに素の関係となる乱数を用いることにより、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定され難い構成としているが、例えば、各リール毎に行なう加速時間決定抽選において、更新周期が同じ乱数を用いた場合でも、リール演出制御を行なう毎に加速時間決定抽選を行なうタイミングをずらすこと(例えば、リール演出制御前に加速時間決定抽選を行なった場合には、次回リール演出制御を行なう場合に、リール演出制御後に加速時間決定抽選を行なうなど)により、リール演出制御が行なわれる毎に、各リールの加速時間の組み合わせとして同じ加速時間の組み合わせが決定され難い構成とした場合であっても上記と同様の効果を得られる。
また、例5の加速時間決定抽選では、各リール毎に加速時間が引込範囲に対応する0、1、2、3、4図柄分のずれを生じるT+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msの範囲でランダムに決定される構成であるが、加速時間の範囲は、上記で例示したT+0ms、T+38ms、T+76ms、T+114ms、T+152msの範囲に限るものではなく、それ以上の範囲を適用してもよいし、それよりも少ない範囲、例えば、0〜38msに対して割り当てられた範囲を適用してもよい。
また、例5では、各リール毎に加速時間をランダムに決定する加速時間決定抽選をそれぞれ行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの加速時間が決定される構成であるが、いずれか一のリールの加速時間に対する他のリールの加速時間の差分をランダムに決定する抽選を行なうことで、リール演出制御後の、これら3つのリールの加速時間が決定される構成としてもよい。
また、予め異なるように複数定められた各リールの加速時間の組み合わせからいずれかの組み合わせをランダムに選択する加速時間組み合わせ決定抽選を行ない、選択された加速時間の組み合わせに基づいて、リール演出制御後の、これら3つのリールの加速制御を行なう構成としてもよく、このような構成とすることで、リール演出制御の後、複数のリール毎の加速時間に偏りが生じてしまうことを防止できる。
(vi) 例6
図31は、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出制御の終了後にメイン制御部41が実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。例6におけるリール演出制御とは、たとえば、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを同期させて回転させる制御(同一図柄の組み合わせが透視窓3に表示される範囲で、所定時間にわたり上下にうねるように各リールを移動させる制御を含む)などをいう。なお、以下に示す例7〜例9におけるリール演出制御についても例6と同様である。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S1)、全てのリールが停止するまで待機する。例6では、リール演出制御が終了した後に全てのリールが停止した状態に制御される。S1ではこのような状態に制御されているか否かが判定される。この点は、以下に示す例7〜例9におけるリール演出後加速処理においても同様である。
S1のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S2)。図32に示すように、左遅延用乱数値(Lr)は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に0〜996(総数997)の範囲で1ずつ加算更新される左遅延用乱数カウンタから抽出され、中遅延用乱数値(Cr)は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に0〜997(総数998)の範囲で1ずつ加算更新される中遅延用乱数カウンタから抽出され、右遅延用乱数値(Rr)は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に0〜998(総数999)の範囲で1ずつ加算更新される左遅延用乱数カウンタから抽出される。
次いで、S2のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)をそれぞれ算出し、RAM507に設定する(S3)。
詳しくは、図33に示すように、左リール用タイマ値(Lt)は、左遅延用乱数値(Lr)を21で除して余った値であり、中リール用タイマ値(Ct)は、中遅延用乱数値(Cr)を21で除して余った値であり、右リール用タイマ値(Rt)は、右遅延用乱数値(Rr)を21で除して余った値であり、いずれも0〜20の値となる。
次いで、S3のステップにおいて設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをシリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送し、サブ制御部91に送信する(S4)。
リール遅延コマンドとは、フリーズ状態において実行されるリール演出制御が行なわれた後、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能なコマンドである。より詳しくは、各リールの遅延時間を特定可能な左、中、右リール用タイマ値が格納され、サブ制御部91側で、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能なコマンドであり、リール演出後、最初に回転を開始する左リールの回転開始前に送信される。なお、この例では、フリーズコマンドとは別個にリール遅延コマンドを出力する例について説明するが、これに限らず、たとえば、フリーズを開始するまでに、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを決定し、これらの情報を含むフリーズコマンドをフリーズを開始するときに出力するように構成してもよい。なお、リール遅延コマンドについては、以下に示す例7〜例9においても例6と同様に適用するものとする。
リール遅延コマンドを受信したことに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S5)、左リールの加速が完了したか否か、すなわち左リールが定速回転となったか否かを判定する(S6)。
ここで、リールが定速回転となったか否かの判断方法について説明する。メイン制御部41がリールを回転開始するにあたり、リールモータのステップ幅が異なる複数の制御状態を段階的に切り替えることによりリールを加速する制御行ない、最終的に定速回転時のステップ幅の制御状態に到達後、このステップ幅を維持する制御を行なうこととなる。この際、メイン制御部41は、各段階の制御状態を示す制御フラグがRAM507に設定され、当該制御フラグを参照することで、制御状態を切り替える。そして、リールが定速回転となったか否かは、定速回転時のステップ幅の制御状態を示す制御フラグが設定されているか否かにより判定し、当該制御フラグが設定されている場合にリールが定速回転となったと判定することとなる。
尚、リールが定速回転となったか否かの判断方法はこれに限らず、例えば、リールの基準位置が検出されてから次回基準位置が検出されるまでの時間を計測し、この計測した時間が規定回数以上、定速回転時の時間と一致することで、リールが定速回転となったと判定する構成、すなわち物理的にリールの速度を検出し、定速回転となったか否かを判定する構成としてもよい。
S6のステップにおいて左リールの加速が完了したと判定された後、RAM507に割り当てられた遅延用タイマカウンタにS3のステップにおいて設定された左リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S7)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S8)。
S8のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S9)、中リールの加速が完了したか否か、すなわち中リールが定速回転となったか否かを判定する(S10)。
遅延用タイマカウンタ値は、約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、((左リール用タイマ値×60)×0.56)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように左リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例6では、約33.6ms要することとなるので、左リールの加速完了後、0〜リール1周するまでのタイミングで中リールの回転が開始することとなる。
S10のステップにおいて中リールの加速が完了したと判定された後、遅延用タイマカウンタにS3のステップにおいて設定された中リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S11)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S12)。
S12のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S13)、右リールの加速が完了したか否か、すなわち右リールが定速回転となったか否かを判定する(S14)。
前述のように遅延用タイマカウンタ値は、約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎に1ずつ減算されることとなり、((中リール用タイマ値×60)/0.56)msの時間が計時されることとなり、中リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例6では、約33.6ms要することとなるので、中リールの加速完了後、0〜リール1周するまでのタイミングで右リールの回転が開始することとなる。
S14のステップにおいて右リールの加速が完了したと判定された後、遅延用タイマカウンタにS3のステップにおいて設定された右リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S15)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S16)。
S16のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S17)、リール演出後加速処理を終了する。
前述のように遅延用タイマカウンタ値は、約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎に1ずつ減算されることとなり、((右リール用タイマ値×60)/0.56)msの時間が計時されることとなり、右リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例6では、約33.6ms要することとなるので、右リールの加速完了後、0〜リール1周するまでのタイミングでリールの停止操作が有効となる。
フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図35に示すように、全てのリールが停止している状態から左リールの回転を開始し、定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、右リールの回転を開始し、定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例6では、ゲームの開始後、停止操作の有効化を遅延させているフリーズ状態において、3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係、すなわち「白7−白7−白7」の組み合わせが一直線上に並ぶ位置関係となるように制御するリール演出制御が行なわれるため、フリーズ状態におけるリールの変動態様にてインパクトある演出を行なうことができる。
尚、例6では、複数の可変表示領域を構成する表示帯同士の相対的な位置関係が特定位置関係となるように前記複数の可変表示領域の変動制御を行なう特殊変動制御として、回転する3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うようにリールを停止させるリール演出制御を適用しているが、このような演出に限るものではなく、単に3つのリールにおいて同一図柄の組み合わせが一直線上に並んだ状態で同期回転させるだけの演出を適用してもよい。また、同一図柄の組み合わせが一直線上に揃うものだけでなく、異なる図柄の組み合わせであるが、透視窓に表示されている図柄を用いて遊技者が特定の役の当選やナビストックの当選などを示唆することが可能な表示態様(例えば、リーチ目やチャンス目など)を停止させたり、その状態で同期回転させる演出を適用してもよい。
また、上記のように3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係、例えば「白7−白7−白7」の並びとなるリール演出制御を行なった後、そのままの位置関係でリールの停止操作を有効とすると、遊技者が適当に連続してトップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合、最初に停止操作を行なったタイミングが偶然、「白7」の引込範囲であれば、他のリールの停止操作のタイミングも「白7」の引込範囲となる可能性が高くなり、リール演出制御を行なわなかった場合、すなわち3つのリール同士の相対的な位置関係が特定位置関係ではない場合に、遊技者が適当に連続してトップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行なった場合に比較して、「白7−白7−白7」が揃う可能性が高まってしまうこととなる。このように、リール演出制御を行なうことにより、リール同士の相対的な位置関係と、リールの停止操作との間に一定の規則性が生まれることによってリールの停止操作の技術介入の度合いが変化してしまう虞がある。
これに対して、例6では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、その後一のリールが回転を開始した後、次のリールが回転を開始するまでの時間がランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、最初に回転を開始する左リールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例6では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例6では、最後に回転が開始する右リールの加速完了後、右リールに対する遅延時間が経過した後に、停止操作が有効となる構成であるが、最後に回転が開始する右リールの加速完了後、すぐに停止操作を有効とした場合でも、3つのリールの相対的位置関係はランダムな位置関係となるので、この時点で停止操作を有効化する構成としてもよい。
また、例6では、左リール、中リール、右リールの順番で回転を開始する構成であるが、予め定められた他の順番でリールの回転を開始する構成としてもよいし、リール回転開始順が変化する構成でもよい。
また、例6では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングで全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例6では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例6では、一のリールの加速が完了した後、次のリールの回転を開始するまでに遅延時間を設定しているため、各リールに対して遅延時間を計時するためのカウンタをRAM507に割り当てる必要がなく、全てのリールに対して共通の遅延用タイマカウンタを割り当てるのみで各リールに対する遅延時間を計時することが可能となる。特に、例6のよう0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎にカウンタ値を減算することで計時する構成においては、最大でリールが1周する時間の遅延時間を設定する場合に、リール用タイマ値の最大値(20)×60=1260を格納可能な11ビットの領域、実質的には2バイトの領域が必要であり、各リール毎に設けると、実質的には6バイトの領域が必要となるが、例6のように、左、中、右リール用タイマ値の領域としてそれぞれ1バイトずつ割り当てたとしても、共通の遅延用タイマカウンタの領域と合わせて4バイトの領域で済むこととなる。
尚、例6はこれに限らず、各リール毎に遅延用タイマカウンタが割り当てられる構成であってもよい。
また、例6では、1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数である60とリール用タイマ値を乗算した値を遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算することで遅延時間を計時するようになっているので、遅延時間の計時についてタイマ割込処理(メイン)の実行回数毎に異なる処理を行なう必要がなく、遅延時間の計時に関してタイマ割込処理(メイン)の回数に対して分岐を設けることなく、処理を共通化することができる。
尚、1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数/N(Nは自然数、かつ1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数を割り切れる値)とリール用タイマ値を乗算した値を遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)がN回実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算することで遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とすることで、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、遅延用タイマカウンタに割り当てるRAM507の容量も削減することができる。
さらにタイマ割込処理(メイン)がM(1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数)回実行される毎に遅延用タイマカウンタ値を1ずつ減算することで遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とすることで、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、遅延用タイマカウンタに割り当てるRAM507の容量をさらに削減することができる。
また、例6では、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値を設定するための左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)が、それぞれ更新範囲の異なる左遅延用乱数カウンタ、中遅延用乱数カウンタ、右遅延用乱数カウンタを用いて抽出しているので、それぞれのリールについて更新範囲が同じ周期の乱数カウンタを用いた場合に比較して、各リールに対応する遅延時間をよりばらつかせることができる。これにより、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことを極力回避できる。
また、これらの乱数カウンタとして、ともにタイマ割込処理(メイン)が行なわれる毎に更新されるソフト乱数カウンタを用いているが、それぞれの更新範囲の総数が、互いに素の関係となる乱数カウンタを用いているため、それぞれの乱数カウンタ同士の更新周期が、それぞれの乱数カウンタの更新範囲の総数の最小公倍数となるまで同期することがなく、同じ周期の乱数カウンタを用いた場合に比較して、リール演出が行なわれる毎に、停止操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。これにより、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことをより確実に回避できる。
また、それぞれの乱数カウンタの総数である997、998、999が同期することとなる最小公倍数は、994010994であり、例6では、それぞれの乱数がタイマ割込処理(メイン)毎に更新され、その間隔が0.56msであり、1秒間に約1786回更新されるので、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのは、約154.6時間後であり、遊技店の営業時間は、通常13時間程度なので、1日の間に同じ乱数の組み合わせが抽出されて左、中、右リールタイマ値が算出されることがない。
すなわち一度同期した後に次回3つの乱数カウンタの値が同期するのに、一般的な遊技店の営業時間よりも長い時間を要する構成であり、同じ遊技者が同じ日に遊技を行ない、2回以上リール演出が行なわれた場合であっても、リール演出後の位置関係が同じ位置関係となることがないようになっている。また、リール演出を行なうにあたり、左、中、右リールタイマ値を設定する際に、前回の同じ乱数の組み合わせが抽出されること自体がごく希な現象であるため、一度同期した後に次回3つの乱数が同期するのに1ゲームを超える時間を要するもの、すなわち1ゲームの間に2回以上3つの乱数が同期することのない構成であれば、リール演出が行なわれる毎に、停止操作が有効化された際の各リール同士の位置関係に偏りが生じること、すなわちリール演出後の位置関係が同じ位置関係となりやすくなることを防止できる。これにより、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことをさらに確実に回避できる。
尚、例6では、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値を設定するための左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)が、それぞれ更新範囲の異なる左遅延用乱数カウンタ、中遅延用乱数カウンタ、右遅延用乱数カウンタを用いて抽出する構成であるが、少なくとも更新範囲または更新規則が異なる乱数カウンタを用いる構成であれば上記と同様に、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことを極力回避できる。
以下に、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値として、更新規則の異なる乱数カウンタの値を用いた例を図34に基づいて説明する。
この例では、RAM507に今回の左リール用タイマ値LT、前回の左リール用タイマ値bLT、今回の中リール用タイマ値CT、前回の中リール用タイマ値bCT、今回の右リール用タイマ値RT、前回の右リール用タイマ値bRTがそれぞれ割り当てられている。そして、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、図34に示す演算がされ、上記の値がそれぞれ更新されるようになっている。
詳しくは、まず、LTの値を、bLTの値に13(予め定められた素数であればよい)を加算し、加算後の値を21で除して余った値に更新する。次いで、CTの値を、bCTの値にLTの値を加算し、加算後の値を21で除して余った値に更新する。次いで、RTの値を、bRTの値にCTの値を加算し、加算後の値を21で除して余った値に更新する。
そして、メイン制御部41は、リール演出後加速処理を行なうにあたり、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値を抽出し、これら抽出した値をそれぞれ遅延させる時点で遅延用タイマカウンタに設定する。
この例においては、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値が、それぞれ更新規則の異なる乱数カウンタを用いて抽出されるので、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、停止操作が有効化された際にリール演出後の位置関係に規則性が出てしまうことを極力回避できる。
また、乱数カウンタの値が0〜20となり、そのまま左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値として用いることが可能となるので、値の算出または加工に係る負荷を軽減できる。
(vii) 例7
図36は、例7においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後に実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S101)、全てのリールが停止するまで待機する。
S101のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S102)。
次いで、S102のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)をそれぞれ算出し、RAM507に設定する(S103)。
次いで、S103のステップにおいて設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをシリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送し、サブ制御部91に送信する(S104)。これに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、RAM507に割り当てられた遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された左リール用タイマ値に60を乗算した値にさらに240を加算した値を設定し(S105)、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S106)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S107)。
ここで、左リール用タイマ値に60を乗算した値に加算される240は、リールの回転開始後、定速回転となるまで、すなわち加速が完了されるまでに実行されるタイマ割込処理(メイン)の実行回数であり、S107のステップでは、リールの加速時間と左リール用タイマ値に基づく遅延時間を合わせた時間が経過するまで待機することとなる。
S107のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された中リール用タイマ値に60を乗算した値にさらに240を加算した値を設定し(S108)、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S109)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S110)。すなわちリールの加速時間と中リール用タイマ値に基づく遅延時間を合わせた時間が経過するまで待機することとなる。
S110のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された右リール用タイマ値に60を乗算した値にさらに240を加算した値を設定し(S111)、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S112)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S113)。すなわちリールの加速時間と右リール用タイマ値に基づく遅延時間を合わせた時間が経過するまで待機することとなる。
S113のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S114)、リール演出後加速処理を終了する。
例7では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図37に示すように、全てのリールが停止している状態から左リールの回転を開始し、左リールの回転が開始した時点から左リールが定速回転となるまでの加速時間と0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×60×0.56ms)とを合算した時間が経過した時点で、中リールの回転を開始し、中リールの回転が開始した時点から中リールが定速回転となるまでの加速時間と定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×60×0.56ms)とを合算した時間が経過した時点で、右リールの回転を開始し、右リールの回転が開始した時点から右リールが定速回転となるまでの加速時間と定速回転となった時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×60×0.56ms)とを合算した時間が経過した時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例7では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、その後一のリールが回転を開始した後、次のリールが回転を開始するまでの時間がランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、最初に回転を開始する左リールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例7では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例7では、最後に回転が開始する右リールの回転が開始した後、右リールの加速時間と右リールに対する遅延時間の合算値が経過した後に、停止操作が有効となる構成であるが、最後に回転が開始する右リールの加速時間経過後、すぐに停止操作を有効とした場合でも、3つのリールの相対的位置関係はランダムな位置関係となるので、この時点で停止操作を有効化する構成としてもよい。
また、例7では、左リール、中リール、右リールの順番で回転を開始する構成であるが、予め定められた他の順番でリールの回転を開始する構成としてもよいし、リール回転開始順が変化する構成でもよい。
また、例7では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングで全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例7では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例7では、一のリールに対する加速時間と遅延時間の計時が完了した後、次のリールに対する加速時間と遅延時間を設定しているため、各リールに対して加速時間と遅延時間を計時するためのカウンタをRAM507に割り当てる必要がなく、全てのリールに対して共通の遅延用タイマカウンタを割り当てるのみで各リールに対する加速時間と遅延時間を計時することが可能となる。特に、例7のよう0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎にカウンタ値を減算することで計時する構成においては、最大でリールが1周する時間の遅延時間にさらに加速時間を合算した時間を設定する場合に、リール用タイマ値の最大値(20)×60+240=1500を格納可能な11ビットの領域、実質的には2バイトの領域が必要であり、各リール毎に設けると、実質的には6バイトの領域が必要となるが、例7のように、左、中、右リール用タイマ値の領域としてそれぞれ1バイトずつ割り当てたとしても、共通の遅延用タイマカウンタの領域と合わせて4バイトの領域で済むこととなる。
尚、例7はこれに限らず、各リール毎に遅延用タイマカウンタが割り当てられる構成であってもよい。
(viii) 例8
図38は、例8においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後に実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S201)、全てのリールが停止するまで待機する。
S201のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S202)。
次いで、S202のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)をそれぞれ算出し、RAM507に設定する(S203)。
次いで、S203のステップにおいて設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをシリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送し、サブ制御部91に送信する(S204)。これに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、RAM507に割り当てられた遅延用タイマカウンタにS103のステップにおいて設定された左リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S205)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S206)。
S206のステップでは、左リール用タイマ値に基づく遅延時間が経過するまで待機することとなる。
S206のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S207)、遅延用タイマカウンタにS203のステップにおいて設定された中リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S208)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S209)。すなわち中リール用タイマ値に基づく遅延時間が経過するまで待機することとなる。
S209のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S210)、遅延用タイマカウンタにS203のステップにおいて設定された右リール用タイマ値に60を乗算した値を設定し(S211)、遅延用タイマカウンタ値が0となるまで待機する(S212)。すなわち右リール用タイマ値に基づく遅延時間が経過するまで待機することとなる。
S212のステップにおいて遅延用カウンタ値が0となると、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S213)、右リールが定速回転となるまで、すなわち右リールの加速が完了するまで待機し(S214)、右リールの加速が完了した後、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S215)、リール演出後加速処理を終了する。
例8では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図39に示すように、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、左リールの回転を開始し、左リールの回転が開始した時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、中リールの回転が開始した時点から0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×60×0.56ms)が経過した後、右リールが定速回転となった時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例8では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、その後一のリールが回転を開始した後、次のリールが回転を開始するまでの時間がランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、最初に回転を開始する左リールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例8では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例8では、最初に回転が開始する左リールの回転が開始する前に遅延時間を設定し、遅延時間が経過した後に左リールが回転を開始する構成であるが、最初に回転を開始するリールの回転開始前に遅延時間を設けない構成とした場合でも、3つのリールの相対的位置関係はランダムな位置関係となるので、最初に回転を開始するリールの回転開始前に遅延時間を設けず直ちに回転を開始する構成としてもよい。
また、例8では、左リール、中リール、右リールの順番で回転を開始する構成であるが、予め定められた他の順番でリールの回転を開始する構成としてもよいし、リール回転開始順が変化する構成でもよい。
また、例8では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階詳しくは、左リールの遅延時間の計時前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングで全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例8では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例8では、一のリールに対する遅延時間の計時が完了した後、次のリールに対する遅延時間を設定しているため、各リールに対して遅延時間を計時するためのカウンタをRAM507に割り当てる必要がなく、全てのリールに対して共通の遅延用タイマカウンタを割り当てるのみで各リールに対する遅延時間を計時することが可能となる。特に、例8のよう0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される毎にカウンタ値を減算することで計時する構成においては、最大でリールが1周する時間の遅延時間を設定する場合に、リール用タイマ値の最大値(20)×60=1260を格納可能な11ビットの領域、実質的には2バイトの領域が必要であり、各リール毎に設けると、実質的には6バイトの領域が必要となるが、例8のように、左、中、右リール用タイマ値の領域としてそれぞれ1バイトずつ割り当てたとしても、共通の遅延用タイマカウンタの領域と合わせて4バイトの領域で済むこととなる。
尚、例8はこれに限らず、各リール毎に遅延用タイマカウンタが割り当てられる構成であってもよい。
(ix) 例9
図40は、例9においてメイン制御部41がフリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後に実行するリール演出後加速処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール演出後加速処理では、まず、全てのリールが停止しているか否かを判定し(S301)、全てのリールが停止するまで待機する。
S301のステップにおいて全てのリールが停止していると判定された後、左遅延用乱数値(Lr)、中遅延用乱数値(Cr)、右遅延用乱数値(Rr)をそれぞれ抽出する(S302)。
次いで、S302のステップにおいて抽出された左遅延用乱数値(Lr)に基づいて左リール用タイマ値(Lt)を算出し、RAM507に割り当てられた左遅延用タイマカウンタに設定し(S303)、S302のステップにおいて抽出された中遅延用乱数値(Cr)に基づいて中リール用タイマ値(Ct)を算出し、RAM507に割り当てられた中遅延用タイマカウンタに設定し(S304)、S302のステップにおいて抽出された右遅延用乱数値(Rr)に基づいて右リール用タイマ値(Rt)を算出し、RAM507に割り当てられた右遅延用タイマカウンタに設定する(S305)。
次いで、S303、S304、S305のステップにおいてそれぞれ設定された左リール用タイマ値(Lt)、中リール用タイマ値(Ct)、右リール用タイマ値(Rt)を特定可能なリール遅延コマンドをシリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送し、サブ制御部91に送信する(S306)。これに伴いサブ制御部91は、リールの加速時間などを加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。
次いで、左リールが回転開始しているか否かを判定し(S307)、左リールが回転開始していればS310のステップに進む。一方、左リールが回転開始していない場合には、左遅延用タイマカウンタの値が0か否かを判定する(S308)。
S308のステップにおいて左遅延用タイマカウンタの値が0でなければS310のステップに進む。一方、左遅延用タイマカウンタの値が0であれば、左リールの回転開始の設定を行ない、左リールの回転を開始した後(S309)、S310のステップに進む。
ここで、左遅延用タイマカウンタ値、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタは、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、左遅延用タイマカウンタにより(左リール用タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように左リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例9では、約33.6ms要することとなるので、リール演出後に全てのリールが一旦停止した後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで左リールの回転が開始することとなる。
S310のステップでは、中リールが回転開始しているか否かを判定し、中リールが回転開始していればS313のステップに進む。一方、中リールが回転開始していない場合には、中遅延用タイマカウンタの値が0か否かを判定する(S311)。
S311のステップにおいて中遅延用タイマカウンタの値が0でなければS313のステップに進む。一方、中遅延用タイマカウンタの値が0であれば、中リールの回転開始の設定を行ない、中リールの回転を開始した後(S312)、S313のステップに進む。
ここで、前述のように左遅延用タイマカウンタ値、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタは、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、中遅延用タイマカウンタにより(左リール用タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように中リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例9では、約33.6ms要することとなるので、リール演出後に全てのリールが一旦停止した後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで中リールの回転が開始することとなる。
S313のステップでは、右リールが回転開始しているか否かを判定し、右リールが回転開始していればS316のステップに進む。一方、右リールが回転開始していない場合には、右遅延用タイマカウンタの値が0か否かを判定する(S314)。
S314のステップにおいて右遅延用タイマカウンタの値が0でなければS316のステップに進む。一方、右遅延用タイマカウンタの値が0であれば、右リールの回転開始の設定を行ない、右リールの回転を開始した後(S315)、S316のステップに進む。
ここで、前述のように左遅延用タイマカウンタ値、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタは、それぞれ約0.56ms毎に実行されるタイマ割込処理(メイン)が60回実行される毎に1ずつ減算されることとなるため、右遅延用タイマカウンタにより(右リール用タイマ値×0.56×60)msの時間が計時されることとなる。また、前述のように右リール用タイマ値は0〜20の範囲の値であり、リールが1図柄移動するのに例9では、約33.6ms要することとなるので、リール演出後に全てのリールが一旦停止した後、0〜リール1周するまでの範囲でランダムに変化するタイミングで右リールの回転が開始することとなる。
S316のステップでは、全てのリールが回転開始しているか否かを判定し、いずれか1つのリールでも回転開始していないリールがあればS307のステップに戻り、全てのリールが回転開始していればS317のステップに進み、全てのリールの加速が完了するまで待機する。
S317のステップにおいて全てのリールの加速が完了すると、停止操作の有効化を設定し、これに伴い各リールの停止操作が有効化され(S318)、リール演出後加速処理を終了する。
例9では、フリーズ状態に制御されることに伴うリール演出の終了後、上記のリール演出後加速処理を実行することで、図41に示すように、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する左リール遅延時間(左リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した時点で、左リールの回転を開始し、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する中リール遅延時間(中リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した時点で、中リールの回転を開始し、全てのリールの停止後、0〜リール1周するまでの範囲で変動する右リール遅延時間(右リール用タイマ値×0.56×60ms)が経過した後、中リールの回転を開始し、全てのリールが定速回転となった時点で各リールの停止操作が有効となる。
このように例9では、リール演出の後、複数のリール全てが一旦停止し、それぞれのリールが回転するまでの時間が、それぞれのリール毎にランダムに変化することで、リール演出の後、停止操作が有効化される前に、3つのリールの相対的な位置関係がランダムに変化するようになっており、特定の図柄が一直線上に並ぶ位置関係とするリール演出を行なった場合であっても、このようなリール演出を行なわなかった場合であっても、その後、停止操作が有効となった後、リールの停止操作の難易度が変化することがない。すなわち、リール演出を行なった場合でも、リール演出を行なわなかった場合には生じることのない一定の規則性が生まれることがなく、リール演出を行なうことによって遊技者による技術介入により表示結果を導出させるというスロットマシンの遊技性が損なわれてしまうことがない。
また、いずれかのリールの回転を開始するよりも前の段階で、全てのリールに対するそれぞれランダムに変動するリールタイマ値を決定し、決定したリールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信するようになっている。また、リールの加速時間は一定であるので、リール遅延コマンドを受信したサブ制御部91は、そのタイミングに対してリールの加速時間を加味することで各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定可能となる。このため、メイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
尚、例9では、リール演出の後、全てのリールを一旦停止させた後、リールの回転を開始させるタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成であるが、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも遅い第1の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて加速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としたり、リール演出の後、全てのリールを定速回転の速度よりも速い第2の速度とした後、リールの速度を定速回転に向けて減速するタイミングをずらすことでリール同士の相対的な位置関係をランダムとする構成としてもよい。
また、例9では、リール演出の後、最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、それぞれランダムに変化する左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を決定し、決定した左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であるが、少なくとも最初に回転を開始するリールの回転を開始するよりも前の段階で、それぞれランダムに変化する左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を決定し、決定した左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成であれば、上記と同様の効果が得られるものであり、例えば、ゲームの開始操作がされ、ゲームが開始したタイミング、すなわちフリーズ状態に制御される前のタイミングでそれぞれランダムに変化する左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を決定し、決定した左リールタイマ値、中リールタイマ値、右リールタイマ値を特定可能なリール遅延コマンドをサブ制御部91に送信する構成とした場合でも、上記と同様にメイン制御部41が、各リールの回転開始毎または加速完了毎にその旨のコマンドを送信することなく、サブ制御部91は、各リールが回転を開始するタイミング、定速回転となるタイミング及び停止操作が有効となるタイミングを特定して、これら特定したタイミングに合わせた演出等の制御を行なうことが可能となる。
また、例9では、各リールの遅延時間が、リールが0〜1周する時間の範囲でランダムに変動するようになっており、相対的な位置関係を最大限ずらすことが可能であり、かつ必要以上にリールの遅延時間が長くなってしまうことを防止できる。
また、例9では、タイマ割込処理(メイン)がM(1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数)回実行される毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタを1ずつ減算することで遅延時間を計時するようになっているので、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに割り当てるRAM507の容量も削減することができる。
尚、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値それぞれに1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数/N(Nは自然数、かつ1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数を割り切れる値)を乗算した値を左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)がN回実行される毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタを1ずつ減算することでそれぞれの遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とした場合でも、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタの更新を行なう必要が無く、計時に係るタイマ割込処理(メイン)の負荷を軽減できるとともに、左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに割り当てるRAM507の容量も削減することができる。
また、左リール用タイマ値、中リール用タイマ値、右リール用タイマ値それぞれに1図柄が移動する間に実行されるタイマ割込処理(メイン)が実行される回数を乗算した値を左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタに設定し、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に左遅延用タイマカウンタ、中遅延用タイマカウンタ、右遅延用タイマカウンタを1ずつ減算することで遅延時間を計時する構成としてもよく、このような構成とすることで、遅延時間の計時についてタイマ割込処理(メイン)の実行回数毎に異なる処理を行なう必要がなく、遅延時間の計時に関してタイマ割込処理(メイン)の回数に対して分岐を設けることなく、処理を共通化することができる。
以上、例1〜例9を説明したが、フリーズを発生させている期間におけるリール演出制御はこれらの例に限定されるものではなく、各例で示した発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。また、他の例と同一もしくは類似する構成については、他の例で説明したものと同様の効果を有するものである。また、他の例において例示した変形例についても各例について適用可能である。
また、前記した例および実施の形態では、可変表示装置として外周に複数種の図柄が配列されたリールを回転させることにより図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される構成であるが、リールに替えて外周に複数種の図柄が配列されたベルトを移動させることにより図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される可変表示装置を適用してもよい。さらに液晶表示器などの画像表示装置に、図柄画像などの識別情報を所定の順番で周期的に移動させる画像を表示させることで表示画面上に識別情報が連続的に変化しつつ表示される可変表示装置を適用してもよい。
[未報知ゲーム数が切り分けて分割して報知される割合について]
前述した実施の形態においては、図19(a)および(d)で示したように、未報知ゲーム数が所定ゲーム数(40)以上であるときの方が、所定ゲーム数未満であるときよりも高い割合で、未報知ゲーム数が切り分けて分割して報知される例について説明したが、これに代えてあるいは加えて、現在報知されている報知ゲーム数が所定のゲーム数(たとえば、60ゲーム)以上であるときの方が、所定のゲーム数未満であるときよりも高い割合で、未報知ゲーム数が切り分けて分割して報知されるようにしてもよい。これにより、報知ゲーム数が所定のゲーム数以上であるときには、未報知ゲーム数を極力切り分けて分割して報知されるため、報知ゲーム数が少なくなったときにさらに報知ゲーム数が上乗せされる可能性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前述した実施の形態においては、図19(b)で示したように、今回上乗せゲーム数が所定ゲーム数(40)以上であるときの方が、所定ゲーム数未満であるときよりも高い割合で、今回上乗せゲーム数が切り分けて分割して報知される例について説明したが、これに代えてあるいは加えて、現在報知されている報知ゲーム数が所定のゲーム数(たとえば、60ゲーム)以上であるときの方が、所定のゲーム数未満であるときよりも高い割合で、今回上乗せゲーム数が切り分けて分割して報知されるようにしてもよい。これにより、報知ゲーム数が所定のゲーム数以上であるときには、今回上乗せゲーム数を極力切り分けて分割して報知されるため、報知ゲーム数が少なくなったときにさらに報知ゲーム数が上乗せされる可能性を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、未報知ゲーム数、今回上乗せゲーム数、あるいは報知ゲーム数のうち、振分率を特定するための対象となるゲーム数が、所定ゲーム数未満であるときには、未報知ゲーム数あるいは今回上乗せゲーム数を切り分けて分割して報知せず、所定ゲーム数以上であるときにのみ、未報知ゲーム数あるいは今回上乗せゲーム数を切り分けて分割して報知するようにしてもよい。
[ATと報知ゲーム数との関係について]
前述した実施の形態において、未報知ゲーム数が残存している状態で報知ゲーム数が0となるときには、図18のS06およびS07の処理により必ず上乗せゲーム数が決定されて、当該ゲームにおいて加算されてATへの制御が継続し、未報知ゲーム数が残存していない状態で報知ゲーム数が0となったときには、当該ゲームにおいてATが終了する例について説明した。しかし、未報知ゲーム数が残存している状態で報知ゲーム数が0となるときであっても、上乗せゲーム数が決定されない場合も生じるようにし、上乗せゲーム数が0であったときに一旦ATを終了させた後、所定条件が成立したときに未報知ゲーム数の範囲内におけるゲーム数を報知してATに制御するようにしてもよい。所定条件は、たとえば、所定ゲーム数(たとえば、10ゲーム、あるいは複数種類からランダムに決定されたゲーム数)消化すること、所定の入賞役に当選すること、所定の図柄組合せが入賞ライン上に停止することなどにより成立するものなどであってもよい。これにより、一旦ATが終了した後において、再びATに制御されたかのような印象を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、未報知ゲーム数が残存している状態で報知ゲーム数が0となるタイミングで、上乗せゲーム数を加算するものに限らず、たとえば、報知ゲーム数が所定ゲーム数(10ゲーム)以下となったときに、上乗せゲーム数を加算するタイミングを乱数などを用いてランダムに決定するようにしてもよい。これにより、報知ゲーム数が所定ゲーム数以下となったときに、上乗せゲーム数が加算されることに対する期待感を抱かせることができる。
[切り分け分割して報知する回数について]
前述した実施の形態においては、1回のAT抽選で獲得したATゲーム数について、図18のATゲーム数報知処理の抽選結果に応じて、複数回に切り分けて分割して報知される例について説明した。しかし、1回のAT抽選で獲得したATゲーム数が極端に多い回数に分けて分割して報知されると、逆に遊技者を混乱させてしまう虞がある。このため、1回のAT抽選で獲得したATゲーム数について切り分けて分割して報知する回数に上限を設けてもよい。たとえば、1回のAT抽選で獲得したATゲーム数を報知する上限回数として10回を設定し、10回目の報知のときに、当該1回のAT抽選で獲得したATゲーム数の残りをすべて報知するようにしてもよい。
[スロットマシンについて]
前述した実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
また、前述した実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。
[その他の変形例について]
(1) 報知ゲーム数情報および未報知ゲーム数情報はボーナス当選したときにクリアする処理を行なうものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行なうものであってもよく、所定数減算する処理を行なうものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行なうものであってもよく、また当該ボーナス当選毎にいずれの処理を行なうかを決定し、該決定された処理を行なうものであってもよい。これにより、報知ゲーム数および未報知ゲーム数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施の形態においては、図9〜図12で示したように、昇格リプの入賞手順、突入リプの入賞手順、転落リプレイの回避手順、および中リール2Cの「メロン」を中段停止させる手順が、各々、停止操作の押し順である例について説明したが、これに限らず、停止操作タイミングが含まれるものであってもよく、押し順だけのものや、停止操作タイミングだけのものに限らず、押し順+停止操作タイミングとなるものであってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、メロン1当選時において転落出目が導出されることにより、RT1〜RT3のいずれかから通常遊技状態に移行する例について説明したが、通常遊技状態への移行契機はこれに限るものではない。たとえば、メロン1当選時に限らず、特定の入賞役当選時において当該特定の入賞役(特定の小役、特定の再遊技役)の入賞を発生させることができないときに停止される出目(特定のはずれ出目を含む)であってもよく、また、特定の入賞役と同時に当選し得る他の特定の入賞役に入賞することであってもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、昇格リプ入賞することにより、通常遊技状態からRT2に昇格し、突入リプ入賞することによりRT2からRT3に移行する例について説明したが、通常遊技状態からRT2への昇格契機およびRT2からRT3への移行契機はこれに限らず、たとえば、所定の入賞役の取りこぼし時にのみ停止する図柄組合せが停止されることであってもよい。これにより、所定の入賞役を取りこぼす代わりに遊技状態が移行されるという面白みを付加することができる。
(5) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。