以下、添付図面を参照して、実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号20の図柄)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号19の図柄)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領域番号18の図柄)」、「黒BAR(たとえば、左リール2Lの領域番号17の図柄)」、「星(たとえば、左リール2Lの領域番号14の図柄)」、「ブドウ(たとえば、左リール2Lの領域番号13の図柄)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号10の図柄)」、「白BAR(たとえば、左リール2Lの領域番号6の図柄)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号5の図柄)」、「星7(たとえば、左リール2Lの領域番号1の図柄)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、規定数の賭数として、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス(以下、ボーナスともいう)であることに応じて「2」が定められて、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス以外の遊技状態(以下、一般遊技あるいは一般遊技状態ともいう)であることに応じて「3」が定められている。
また、前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。
遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)の対応するラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために予め設定されているラインである。本実施の形態では、図1に示すように、入賞ラインL1〜L4の4種類が入賞ラインとして定められている。
入賞ラインL1は、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL2は、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL3は、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。入賞ラインL4は、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインをいう。なお、入賞ラインは、L1〜L4に示すラインに限らず、たとえば各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨るラインなどを含むものであってもよい。
ビッグボーナスおよびレギュラーボーナス以外の一般遊技状態であるときに規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L4(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。ビッグボーナスおよびレギュラーボーナスであるときに規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL2〜L4が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、12枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化された入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行なう出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行なう構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
スロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、および設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作など、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行なうようになっている。なお、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施の形態では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行なうようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
なお、本実施の形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態か、RT1〜4のいずれであるかなどの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしてもよい。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ、SB)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態に制御される場合には残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
なお、設定変更モードに移行させた場合(すなわち設定変更操作が行なわれた場合)、遊技状態フラグは、原則として、後述する通常遊技状態に関する情報に更新される。これにより、たとえば、RT中やボーナス中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後において通常遊技状態に制御される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選している内部中RT中に設定変更モードに移行させた場合には、通常遊技状態に制御される。このように、設定変更に関連して、遊技状態フラグを通常遊技状態に対応する値に書き換えられる(初期化)。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化され、通常遊技状態に制御される。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行なう例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5(a)は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図であり、図5(b)は、予め定められた特殊出目の図柄組合せおよび特殊出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図6に示すように、メイン制御部41により、通常遊技状態、再遊技役の当選確率が通常遊技状態よりも向上されるRT1〜RT4および内部中RT、および所定枚数払出されるまで小役の当選確率が向上されるビッグボーナスやレギュラーボーナスのうち、いずれかに制御される。また、本実施の形態におけるスロットマシンは、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
図5(a)を参照して、入賞役のうち特別役には、3種類のビッグボーナス1〜3(以下、各々のビッグボーナスをBBとも称する)と、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBとも称する)とが含まれる。
BB1は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインのいずれかに「星7−星7−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、ビッグボーナスに制御される。遊技状態がビッグボーナスに制御されている間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、ビッグボーナスに制御されている間は、小役の所定確率に向上したBB時用のRBに制御される。BB時用のRBに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、毎ゲーム、レギュラーボーナス中フラグがON状態に設定された状態に制御される。
BB1またはBB2の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、361枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB3の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、241枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RBは、入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−星7」あるいは「星7−星7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。RBの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの入賞役に4回入賞することを条件として終了する。
図6に示すように、BB1〜BB3およびRBのいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。また、図6に示すように、BB1〜BB3やRBが終了した後は、RT1に遊技状態が制御される。
内部抽選においてBB1〜BB3およびRBのうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB3およびRBを構成する図柄(「黒7」、「白7」、「星7」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。なお、内部抽選においてBB1〜BB3およびRBのうちいずれかに当選しているときには、当選しているボーナスに入賞するまで、当該ボーナスの当選フラグが持ち越される。
SBは、入賞ラインのいずれかに「星−黒7−星」の組合せが揃ったときに入賞となる。SB入賞すると、小役(たとえば、メロン1)の当選確率を通常遊技状態であるときよりも向上させた遊技状態であるシングルボーナスに制御される。シングルボーナスに制御されている間は、シングルボーナス中フラグがRAM41cに設定される。SBの入賞に起因して発生したシングルボーナスは、1回ゲームが行なわれることにより終了する。
通常遊技状態、RT1、およびRT3のうちいずれかに制御されているときにSB入賞し、当該入賞に起因するシングルボーナスとしての1ゲームが終了した後は、RT2に遊技状態が制御される。一方、RT4に制御されているときにSB入賞し、当該入賞に起因するシングルボーナスとしての1ゲームが終了した後は、当該SB入賞前のRT4に引き続き制御される。なお、シングルボーナスは、1ゲームで終了する。このため、図6では、シングルボーナスを図示していないが、通常遊技状態、RT1、およびRT3のうちいずれかに制御されているときにSB入賞したときには、一旦シングルボーナスに制御された後にRT2に制御され、RT4に制御されているときにSB入賞したときには、一旦シングルボーナスに制御されるが再びRT4に制御されることになる。以下においては、便宜上、RT2およびRT4各々に、SB入賞によるシングルボーナスを概念的に含む遊技状態として説明するが、実質的には、上記したようにSB入賞によって一旦シングルボーナスに制御された後、当該SB入賞時の遊技状態に応じてRT2あるいはRT4に制御されることを意味する。
内部抽選においてSBに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。SBを構成する図柄(「星」、「黒7」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。
内部抽選においてSBに当選したゲームにおいて、当該SBに入賞しなかったときには、BB1〜BB3やRBと異なり、当該SBの当選フラグが消去される。また、内部抽選においてSBに当選したゲームにおいてSB入賞させるタイミングで停止操作がされず、当該SBの図柄組合せを入賞ライン上に引込むことができないときには、図5(b)で示す特殊出目が入賞ラインL1〜L4のいずれかに引込むように、リール制御が行なわれる。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、1枚役、ブドウ、メロン1〜メロン4、イチゴが含まれる。
小役のうち1枚役は、入賞ラインのいずれかに「星−黒BAR−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役が入賞すると1枚メダルが払い出される。1枚役は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。1枚役を構成する図柄(「星」、「黒BAR」、「黒7」)は、左リール2L〜右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちブドウは、入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となる。ブドウは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。ブドウを構成する図柄(「ブドウ」)は、左リール2L〜右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちメロン1は、入賞ラインのいずれかに「any−メロン−any」あるいは「メロン−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。このため、メロン1は、中リール2Cの「メロン」の図柄が有効な入賞ラインに停止表示されることにより、左リール2Lおよび右リール2Rの図柄との組合せに関わらず、入賞が発生し得る入賞役といえる。
メロン1は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらず入賞する。メロン1を構成する図柄(たとえば、「メロン」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されているためである。
次に、メロン2〜4について説明する。メロン2は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−白7−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン3は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロン4は、入賞ラインのいずれかに「白BAR−黒BAR−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、メロン2〜4各々を構成する図柄は、少なくとも、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選においてメロン2〜4のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選しているメロン2〜4のうち当選しているメロンに入賞することはない。
しかしながら、メロン2〜4は、後述するように、ビッグボーナス中を除いて、常にメロン1と同時に抽選対象役として読み出されて当選する。このため、メロン2〜4に当選しているときには、ビッグボーナス中を除いて、メロン1を入賞させることができる。
小役のうちイチゴは、入賞ラインのいずれかに「イチゴ−白7−バナナ」、「イチゴ−黒7−バナナ」、「イチゴ−星7−バナナ」、および「イチゴ−ブドウ−バナナ」のうちいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。イチゴは、当選していてもストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。イチゴを構成する左リール2Lの図柄(「イチゴ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
遊技者は、一般遊技状態中であってATに制御されていないときには、当該イチゴ入賞させるための操作手順で停止操作することにより、イチゴの取りこぼしを防止できるとともに、たとえば左リール2Lの図柄配列からSBを構成する左図柄である「星」を引込むことがなくSBを取りこぼすことによりSB入賞によりRT2に制御されてしまうことを防止することができる。
次に、ブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞したときに払出されるメダルの枚数について説明する。ブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞すると、当該入賞したゲームが開始されたときの遊技状態および入賞ライン数に応じた枚数分のメダルが払い出される。
一般遊技状態においてブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞したときには、4枚メダルが払い出される。一方、一般遊技状態と異なるボーナスにおいてブドウ、メロン1〜4、およびイチゴのいずれかに入賞したときには、8枚メダルが払い出される。
なお、入賞ラインL1、L3、L4は、中リール2Cの中段において交差している。また、メロン1の「any−メロン−any」は、中リール2Cの停止図柄のみより入賞が発生し得る。このため、メロン1は、複数の入賞ラインにおいて発生し得る入賞役といえる。このため、メロン1の「any−メロン−any」が停止されることによりメロン1に入賞したときには、入賞ライン数に応じた枚数のメダルが払い出される。たとえば、中リール2Cの「メロン」が中段に停止されたときには、一般遊技状態において入賞ラインL1、L3、L4において入賞することになるため4×3=12枚メダルが払い出され、ボーナスにおいて入賞ラインL3、L4において入賞することになるため8×2=16となり払出上限の12枚メダルが払い出される。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ1〜リプレイ11が含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
リプレイ1は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。通常リプレイを構成する図柄(「バナナ」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。リプレイ1は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプともいう。
リプレイ2は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ2を構成する図柄(「バナナ」、「メロン」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、通常遊技状態においてリプレイ2に入賞した後は、通常遊技状態よりもリプレイ当選確率が向上したRT3に制御される。このため、リプレイ2は、以下では昇格リプともいう。後述するように、リプレイ2は、RT1やRT2における内部抽選においては当選しないように設定されており、通常遊技状態における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、RT1やRT2においてはリプレイ2に入賞しない。その結果、RT1やRT2から直接RT3に制御されないように構成されており、通常遊技状態に制御された後、リプレイ2に入賞することにより、RT3に制御されるように構成されている。
なお、通常遊技状態以外の遊技状態(たとえば、RT1やRT2)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)でリプレイ2について抽選して当選し得るようにし、通常遊技状態以外の遊技状態からもRT3に制御されるように構成してもよい。
リプレイ3は、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−白7」あるいは「バナナ−バナナ−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ3を構成する左図柄および中図柄(「バナナ」)は、左リール2Lおよび中リール2C各々において5コマ以内に配置されており、リプレイ3を構成する右図柄(「白7」および「イチゴ」)は、右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図6に示すように、RT3においてリプレイ3に入賞した後は、RT3よりもリプレイ当選確率がさらに向上したRT4に制御される。このため、リプレイ3は、以下では突入リプともいう。後述するように、リプレイ3は、通常遊技状態、RT1、およびRT2における内部抽選においては当選しないように設定されており、RT3における内部抽選において所定確率で当選するように設定されている。このため、通常遊技状態、RT1、およびRT2においてはリプレイ3に入賞しない。その結果、通常遊技状態、RT1、およびRT2から直接RT4に制御されないように構成されており、RT3に制御された後、リプレイ3に入賞することにより、RT4に制御されるように構成されている。
なお、RT3以外の遊技状態(たとえば、通常遊技状態、RT1、およびRT2)であるときにも、所定確率(極めて低い確率、1%)でリプレイ3について抽選して当選し得るようにし、RT3以外の遊技状態からも有利RTに制御されるように構成してもよい。
RT4へ一旦制御されると、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選しない限り、50ゲーム消化するまでの間、当該RT4への制御が維持される。
リプレイ4は、入賞ラインのいずれかに「メロン−イチゴ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ4を構成する図柄(「メロン」「イチゴ」)は、左リール2L〜右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ4については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図6に示すように、RT3においてリプレイ4に入賞したときには、通常遊技状態に制御される。このため、リプレイ4は、以下では転落リプともいう。
リプレイ5は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−黒BAR−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ6は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−黒BAR−白7」あるいは「黒BAR−黒BAR−イチゴ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ7は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−白7−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ8は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−バナナ−黒BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ9は、入賞ラインのいずれかに「黒BAR−黒BAR−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ10は、入賞ラインのいずれかに「白7−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ11は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−星」の組合せが揃ったときに入賞となる。
なお、リプレイ5は、黒BARの3つ揃いであるため、リプレイ5をBARリプともいう。また、リプレイ6〜11は、各々、黒BARが2つ揃い、すなわち黒BARがテンパイ状態となるため、テンパイリプa〜テンパイリプfともいう。
リプレイ5〜11各々を構成する図柄は、少なくとも1以上のリールにおいて、5コマ以内に配置されていない図柄を含む。このため、内部抽選においてリプレイ5〜11のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L〜8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞しない。
しかし、リプレイ5〜11は、各々、他のリプレイと同時に当選するため、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず、当選しているいずれかのリプレイを構成する図柄を入賞ラインに引き込むことができる。このため、リプレイ5〜11は、原則として、当選しても入賞させることができない場合も生じるが、いずれかのリプレイを入賞させることができる役といえる。
次に、図5(b)を参照して、特殊出目について説明する。特殊出目は、「メロン−イチゴ−バナナ」である。本実施の形態において特殊出目を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させるリール制御は、いずれの遊技状態においても、SBに当選しているときであってSBを構成する図柄を入賞ライン上に引込むことができず、当該SBを取りこぼすときに行なわれる。
図6に示すように、RT1〜RT3において特殊出目が停止した後は、通常遊技状態に制御される。RT4において特殊出目が停止されたとしても、通常遊技状態に制御されない。また、通常遊技状態において特殊出目が停止されたとしても、当該通常遊技状態への制御が維持される。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図7〜図10を参照して、内部抽選において抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せおよび判定値数について説明する。図7〜図10においては、各々、左2列により、“抽選対象役の名称”およびその名称に対応する“抽選対象役の組合せ”が示され、左3列目から、“遊技状態”が示されている。抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の数値は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときに内部抽選において読み出されること、および当該抽選対象役の内部抽選で用いる判定値数を示す。図7〜図10では、判定値数として、たとえば設定値1であるときの判定値数を示すが、設定値2〜6であるときの判定値数も特定可能にROM41bに格納されている。また、抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の×印は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときの内部抽選において読み出されないあるいは読み出されたとしても当選しないことを示している。
なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「413」が設定されている抽選対象役(図7の通常遊技状態などにおける弱イチゴ1)の当選確率は、413/65536となる。
また、スロットマシン1においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下では、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図7は、一般遊技状態における特別役・小役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
遊技状態が、通常遊技状態およびRT1〜RT4のうちいずれかであるときには、弱イチゴ1、弱イチゴ2、弱イチゴ3、弱イチゴ4、強イチゴ1、強イチゴ2、強イチゴ3、強イチゴ4、押し順メロン1、押し順メロン2、押し順メロン3、押し順メロン4、押し順メロン5、12枚メロン1、12枚メロン2、12枚メロン3、12枚メロン4、弱ブドウ1、弱ブドウ2、弱ブドウ3、弱ブドウ4、強ブドウ1、強ブドウ2、強ブドウ3、強ブドウ4、1枚役1、1枚役2、1枚役3、1枚役4、SB、RB、BB3、BB2、BB1が内部抽選の対象役となり内部抽選の対象役として順に読出される。なお、前述したように、RT2およびRT4各々は、概念的にシングルボーナスを含む。図中の括弧内の数値は、RT2あるいはRT4と異なる判定値数が設定されているシングルボーナス中の判定値数を示す。
弱イチゴ1とは、イチゴを読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ2とは、イチゴ+RBを読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ3とは、イチゴ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴ4とは、イチゴ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ1とは、イチゴ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ2とは、イチゴ+1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ3とは、イチゴ+1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴ4とは、イチゴ+1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
押し順メロン1とは、メロン1+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン2とは、メロン1+メロン3を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン3とは、メロン1+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン4とは、メロン1を読み出す抽選対象役をいう。押し順メロン5とは、メロン1+メロン3+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。
12枚メロン1とは、メロン1+ブドウ+イチゴを読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン2とは、メロン1+ブドウ+イチゴ+RBを読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン3とは、メロン1+ブドウ+イチゴ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン4とは、メロン1+ブドウ+イチゴ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
弱ブドウ1とは、ブドウを読み出す抽選対象役をいう。弱ブドウ2とは、ブドウ+RBを読み出す抽選対象役をいう。弱ブドウ3とは、ブドウ+BB3を読み出す抽選対象役をいう。弱ブドウ4とは、ブドウ+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ1とは、ブドウ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ2とは、ブドウ+1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ3とは、ブドウ+1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。強ブドウ4とは、ブドウ+1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
1枚役1とは、1枚役を読み出す抽選対象役をいう。1枚役2とは、1枚役+RBを読み出す抽選対象役をいう。1枚役3とは、1枚役+BB3を読み出す抽選対象役をいう。1枚役4とは、1枚役+BB2を読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態が内部中RTであるときには、弱イチゴ1、強イチゴ1、押し順メロン1、押し順メロン2、押し順メロン3、押し順メロン4、押し順メロン5、12枚メロン1、弱ブドウ1、強ブドウ1、1枚役1が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
図8は、一般遊技状態における再遊技役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
遊技状態が、通常遊技状態であるときには、通常リプレイ、押し順昇格リプレイ1、押し順昇格リプレイ2、押し順昇格リプレイ3、押し順昇格リプレイ4、押し順昇格リプレイ5、押し順昇格リプレイ6、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
通常リプレイとは、通常リプを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ1とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ2とは、通常リプ+昇格リプ+突入リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ3とは、通常リプ+昇格リプ+転落リプ+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ4とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプa+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ5とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプb+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順昇格リプレイ6とは、通常リプ+昇格リプ+テンパイリプc+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。
BARテンパイリプレイ1とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。BARテンパイリプレイ2とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+RBを読み出す抽選対象役をいう。BARテンパイリプレイ3とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+BB3を読み出す抽選対象役をいう。BARテンパイリプレイ4とは、通常リプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+BB2を読み出す抽選対象役をいう。BARリプレイとは、通常リプ+BARリプ+テンパイリプa+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプe+テンパイリプfを読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態が、RT1、RT2、RT4、および内部中RTのいずれかであるときには、通常リプレイ、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。なお、前述したように、RT2およびRT4各々は、概念的にシングルボーナスを含む。
遊技状態がRT3であるときには、通常リプレイ、押し順維持リプレイ1、押し順維持リプレイ2、押し順維持リプレイ3、押し順維持リプレイ4、押し順維持リプレイ5、押し順突入リプレイ1、押し順突入リプレイ2、押し順突入リプレイ3、押し順突入リプレイ4、BARテンパイリプレイ1、BARテンパイリプレイ2、BARテンパイリプレイ3、BARテンパイリプレイ4、BARリプレイが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
押し順維持リプレイ1とは、昇格リプ+転落リプ+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順維持リプレイ2とは、通常リプ+昇格リプ+転落リプ+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順維持リプレイ3とは、昇格リプ+突入リプ+転落リプ+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順維持リプレイ4とは、昇格リプ+転落リプ+テンパイリプa+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。押し順維持リプレイ5とは、昇格リプ+転落リプ+テンパイリプb+テンパイリプc+テンパイリプd+テンパイリプeを読み出す抽選対象役をいう。
押し順突入リプレイ1とは、突入リプ+転落リプを読み出す抽選対象役をいう。押し順突入リプレイ2とは、突入リプ+転落リプ+テンパイリプbを読み出す抽選対象役をいう。押し順突入リプレイ3とは、突入リプ+転落リプ+テンパイリプcを読み出す抽選対象役をいう。押し順突入リプレイ4とは、突入リプ+転落リプ+テンパイリプaを読み出す抽選対象役をいう。
図9は、BB中におけるRBの抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
BB中におけるRBであるときには、イチゴ、BB強イチゴ、12枚メロン1、BBメロン、8枚メロンが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
イチゴとは、イチゴを読み出す抽選対象役をいう。BB強イチゴとは、イチゴ+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。12枚メロン1とは、メロン1+ブドウ+イチゴを読み出す抽選対象役をいう。BBメロンとは、メロン3+メロン4+ブドウ+1枚役を読み出す抽選対象役をいう。8枚メロンとは、メロン1を読み出す抽選対象役をいう。
図10は、非BB中におけるRBの抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
遊技状態が非BB中におけるRBであるときには、イチゴ、左メロン、中右メロン、12枚メロン1、強ブドウ1が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。左メロンとは、メロン1+メロン3+メロン4を読み出す抽選対象役をいう。中右メロンとは、メロン1+メロン2を読み出す抽選対象役をいう。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
ボーナスの内部抽選において取得される判定値数は、設定値が大きいほど大きくなるように設定されている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
また、RB、BB2、およびBB3は、小役や再遊技役と同時に当選し得る。たとえば、イチゴに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴ1〜4および強イチゴ1〜4各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱イチゴ1〜4当選時と強イチゴ1〜4当選時とで異なるリール制御が行なわれるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、ブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱ブドウ1〜4および強ブドウ1〜4各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱ブドウ1〜4当選時と強ブドウ1〜4当選時とで異なるリール制御が行なわれるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、イチゴあるいはブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、ブドウに当選しているときよりも、イチゴに当選しているときの方が高くなるように、判定値数が設定されている。
一般遊技状態においては、図7に示すように、押し順メロン1〜押し順メロン5各々が「2305」に設定されており、押し順メロン1〜押し順メロン5のいずれかが2305×5/65536=11525/65536の確率で当選するように、他の抽選対象役と比較して高い確率で当選するように判定値数が設定されている。
シングルボーナス中においては、たとえば、括弧内の数値に示すように、押し順メロン1の判定値数が通常遊技状態よりも1だけ大きい「2306」に設定されている。このように、SB入賞させてシングルボーナスに制御させても小役の当選確率が格段に向上するものではないのに対し、通常遊技状態、RT1、RT3のいずれかにおいてSB入賞したときにはRT2に制御される。このため、SBを入賞させるメリットが小さく、むしろ取りこぼして昇格リプ入賞によりRT3へ昇格し得る通常遊技状態に制御させる方が、遊技者にとって有利なゲーム進行であるといえる。なお、シングルボーナス中の判定値数は、図7で示すものに限るものではなく、少なくとも一の小役の当選確率が通常遊技状態であるときよりも向上するように設定されているものであればよい。
次に、図8の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態毎に再遊技役の当選確率を比較する。通常遊技状態においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「2734」が、押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかが読み出されるときの判定値数として「1020」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、通常遊技状態においていずれかのリプレイに当選する確率は、8980/65536となる。また、通常遊技状態からRT3に昇格させる可能性のある押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選する確率は、1020×6/65536=6120/65536となる。
RT1およびRT2においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「8856」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT1あるいはRT2においていずれかのリプレイに当選する確率は、8982/65536となる。なお、RT1およびRT2においては、RT3やRT4に移行させるための昇格リプや突入リプに当選しないように設定されている。
RT3においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「715」が、押し順維持リプレイ1〜5のいずれかが読み出されるときの判定値数として「6586」が、押し順突入リプレイ1〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「3500」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT3においていずれかのリプレイに当選する確率は、47771/65536となる。また、RT3から通常遊技状態に転落させる可能性のある押し順維持リプレイ1〜5および押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選する確率は、(6586×5)+(3500×4)/65536=46930/65536となる。また、RT3からRT4に突入させる可能性のある押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選する確率は、3500×4/65536=14000/65536となる。
RT4においては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「47836」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT4においていずれかのリプレイに当選する確率は、47962/65536となる。
内部中RTにおいては、通常リプレイが読み出されるときの判定値数として「17000」が、BARテンパイリプレイ1が読み出されるときの判定値数として「98」が、BARテンパイリプレイ2〜4のいずれかが読み出されるときの判定値数として「8」が、BARリプレイが読み出されるときの判定値数として「4」が設定されている。よって、RT4においていずれかのリプレイに当選する確率は、17126/65536となる。
これらより、本実施の形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率が、RT3、RT4、および内部中RTであるときに、通常遊技状態、RT1〜RT2であるときよりも高くなるように設定されている。このため、RT3、RT4、および内部中RTは、通常遊技状態、RT1〜RT2であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、RT3では、リプレイの当選確率が高くなるものの転落リプの当選確率も高くなるため、後述するATに制御されていないときには当該RT3を維持させること、および突入リプを入賞させてRT4に制御させることが困難となるように構成されている。一方、RT4は、50ゲーム消化するまで当該RT4への制御が維持される。このため、RT4は、RT3よりも有利な遊技状態であるといえる。
また、内部中RTであるときには、RT4などであるときよりも後述するようにリール制御においてボーナスよりも優先的に引き込まれるリプレイの当選確率が低くなるように設定されているため、RT4であるときと同じリプレイの当選確率が設定されている場合と比較して、当選しているボーナスを入賞させることができる割合を高めることができる。
BB中におけるRBであるときには、図9に示すように、メロン1を含む12枚メロン1の判定値数が「59578」に設定されており、59578/65536という高確率で当選するように設定されている。
非BB中におけるRBであるときには、図10に示すように、メロン1を含む左メロンおよび中右メロンの判定値数が各々「32604」に設定されており、左メロンおよび中右メロン各々が32604/65536という高確率で当選するように設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴなど)に当選した場合や、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場や、特別役と再遊技役が同時に当選している場合などでは、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(たとえば、押し順昇格リプレイ1など)には、図11〜図13に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つの左リール2L〜右リール2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
図11は、押し順昇格リプレイ1〜6のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、押し順昇格リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順押し以外の操作手順で操作された場合には、通常リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
また、押し順昇格リプレイ2が当選しているときに、順挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順挟み押し以外の操作手順で操作された場合には、通常リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
押し順昇格リプレイ3〜6のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順昇格リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、通常リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、昇格リプを入賞させてRT3に昇格させるための操作手順として、当選している押し順昇格リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、通常遊技状態において押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選したとしても、当選している押し順昇格リプレイの種類を特定することができない限り、1/6の確率でしか昇格リプを入賞させてRT3に制御させないようにすることができ、5/6の確率で通常リプを入賞させて通常遊技状態が維持されるように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、昇格リプに入賞し難くして極力RT3に制御されないようにしつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させてRT3に制御されるように制御することができる。
図12は、押し順維持リプレイ1〜5のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、押し順維持リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
また、押し順維持リプレイ2が当選しているときに、順挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
押し順維持リプレイ3〜5のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順維持リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、昇格リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、昇格リプを入賞させてRT3を維持させるための操作手順、および転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落させるための操作手順として、当選している押し順維持リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、RT3において、押し順維持リプレイのいずれかに当選したときには、当選している押し順維持リプレイの種類を特定することができない限り、1/5の確率でしか昇格リプを入賞させて当該RT3を維持できず、4/5の確率で転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落するように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、運良くRT3に制御されていても転落リプに入賞し易くして極力当該RT3が維持されないように制御しつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させて当該RT3を意図的に維持させることができるように制御することができる。
図13は、押し順突入リプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、押し順突入リプレイ1が当選しているときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち突入リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
また、押し順突入リプレイ2が当選しているときに、順挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、当選したリプレイのうち突入リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、順挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
押し順突入リプレイ3または4が当選しているときにも、同様に、当選している押し順突入リプレイの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、突入リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行ない、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、転落リプの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。
このように、突入リプを入賞させてRT4に突入させるための操作手順、および転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落させるための操作手順として、当選している押し順突入リプレイの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、RT3において、押し順突入リプレイのいずれかに当選したときには、当選している押し順突入リプレイの種類を特定することができない限り、1/4の確率でしか突入リプを入賞させてRT4に突入させることができず、3/4の確率で転落リプを入賞させて通常遊技状態に転落するように構成されている。これにより、後述するATに制御されていないときには、突入リプに入賞し難くして極力RT4に制御されないようにし、運良くRT3に制御されていても転落リプに入賞し易くして極力当該RT3が維持されないように制御しつつ、ATに制御されているときには、突入リプに入賞させてRT4に制御されるように制御することができる。
また、BARテンパイリプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときには、当選しているいずれかのリプレイを入賞させつつ、入賞ラインL1〜L4およびリール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨る下段ラインのいずれかに「黒BAR」を2つ揃わせてテンパイさせるリール制御を行なう。
また、BARリプレイに当選したときには、引込可能コマ数の範囲内で、「黒BAR」を入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止させてBARリプを入賞させるリール制御を行なうとともに、BARリプを入賞させることができない場合には、当選しているいずれかのリプレイを入賞させつつ、BARテンパイリプレイ1〜4のうちいずれかに当選したときと同様に、入賞ラインL1〜L4および下段ラインのいずれかに「黒BAR」を2つ揃わせてテンパイさせるリール制御を行なう。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合(イチゴ+1枚役など)には、払出枚数が多い小役が払出枚数の少ない小役よりも優先的に入賞ラインに引き込むリール制御が行なわれる。
複数種類の小役が同時に当選している場合として、たとえば押し順メロン1〜5のいずれかに当選している場合には、図14に示すように、当選している押し順メロンの種類および操作手順に応じて、異なるリール制御が行なわれる。
図14は、押し順メロン1〜5のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、押し順メロン1が当選したときには、順押しとなる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、当該停止操作に対応して停止させるリールの「メロン」を上段に停止させる制御を行なう。すなわち、押し順メロン1が当選したときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL1、L3、L4の3ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが4枚払い出されるに留まる。また、押し順メロン1が当選したときに、順押しとなる操作手順で操作された場合には、左リール2Lおよび右リール2Rの「メロン」を入賞ラインL1上に停止させるのに対し、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、対応するリールの「メロン」を上段に停止させるリール制御が行なわれる。
また、押し順メロン2が当選したときには、順挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、順挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、当該停止操作に対応して停止させるリールの「メロン」を上段に停止させる制御を行なう。すなわち、押し順メロン2が当選したときに、順挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL1、L3、L4の3ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、順挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが4枚払い出されるに留まる。また、押し順メロン2が当選したときに、順挟み押しとなる操作手順で操作された場合には、左リール2Lおよび右リール2Rの「メロン」を入賞ラインL1上に停止させるのに対し、順挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、対応するリールの「メロン」を上段に停止させるリール制御が行なわれる。
押し順メロン3〜5のいずれかが当選しているときにも、同様に、当選している押し順メロンの種類に応じて定められた所定の押し順となる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させる制御を行ないメダルを12枚払い出し、所定の押し順以外の操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止させる制御を行ないメダルを4枚払い出すとともに、左リール2Lおよび右リール2Rのうち当該停止操作に対応して停止させるリールの「メロン」を上段に停止させる制御を行なう。
このように、入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させるための操作手順として、当選している押し順メロンの種類毎に、異なる操作手順が設定されている。このため、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときには、当選している押し順メロンの種類を特定することができない限り、1/5の確率でしか入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させることができず、4/5の確率で中リール2Cの「メロン」を入賞ラインL2にのみ停止させてメダルが4枚しか払い出されないように構成されている。これにより、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときに、後述するATに制御されていないときには極力4枚しかメダルが払い出されないようにし、ATに制御されているときには意図的に入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させることを可能にし、12枚メダルが払い出されるように制御することができる。
また、12枚メロン1〜4のうちいずれかに当選したときには、操作手順に関わらず、中リール2Cの「メロン」を入賞ラインL1、L3、L4の3ラインに停止させるとともに、入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、メダルを12枚払い出させるリール制御を行なう。
次に、弱イチゴ1〜4、強イチゴ1〜4、弱ブドウ1〜4、および強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選したときのリール制御について説明する。図15は、弱イチゴ1〜4、強イチゴ1〜4、弱ブドウ1〜4、および強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、弱イチゴ1〜4あるいは弱ブドウ1〜4のうちいずれかが当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、当選しているイチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを、入賞ラインL2〜L4のうちいずれかに停止させる制御、すなわち左リール2Lに着目した場合「イチゴ」あるいは「ブドウ」を極力上段または下段に停止させる制御を行なう。
これに対し、強イチゴ1〜4あるいは強ブドウ1〜4が当選しているときには、引込コマ数の範囲内で、当選しているイチゴあるいはブドウを構成する図柄組合せを、入賞ラインL1に停止させる制御、すなわち左リール2Lに着目した場合「イチゴ」あるいは「ブドウ」を極力中段に停止させる制御を行なう。
図7を用いて説明したように、イチゴに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴ1〜4および強イチゴ1〜4各々の判定値数が設定されており、また、ブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときよりも、強ブドウ1〜4のうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱ブドウ1〜4および強ブドウ1〜4各々の判定値数が設定されている。
このため、イチゴあるいはブドウに入賞したときの左リール2Lの「イチゴ」あるいは「ブドウ」が、上段または下段に停止しているときよりも、中段に停止しているときの方が、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合が高いため、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、図7を用いて説明したように、イチゴあるいはブドウに当選したときに、RB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合は、ブドウに当選しているときよりも、イチゴに当選しているときの方が高くなるように、判定値数が設定されている。
このため、左リール2Lの「イチゴ」あるいは「ブドウ」が中段に停止してイチゴやブドウに入賞したときであっても、イチゴに入賞しているときの方がRB、BB2、およびBB3のうちいずれかに同時当選している割合が高いため、遊技者の期待感を向上させることができる。
次に、非BB中のRBにおいて左メロンおよび中右メロンのうちいずれかに当選したときのリール制御について説明する。図16は、非BB中のRB中において左メロンあるいは中右メロンに当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、左メロンが当選しているときにおいて、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、左リール2L以外を第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させる制御を行なう。すなわち、左メロンが当選したときに、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL3、L4の2ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、左リール2L以外を第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが8枚払い出されるに留まる。
また、中右メロンが当選しているときにおいて、中リール2Cあるいは右リール2Rを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させ、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させる制御を行なう。すなわち、中右メロンが当選したときに、中リール2Cあるいは右リール2Rを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL3、L4の2ラインに停止するため、メダルが12枚払い出されるのに対し、左リール2Lを第1停止させる操作手順で操作された場合には、中リール2Cの「メロン」が入賞ラインL2にのみ停止するため、メダルが8枚払い出されるに留まる。
このように、非BB中のRBにおいて、入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させるための操作手順として、左メロンに当選しているときと中右メロンに当選しているときとで、異なる操作手順が設定されている。このため、左メロンに当選しているのか中右メロンに当選しているのかを特定することができない限り、1/2の確率でしか入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルを12枚払い出させることができず、1/2の確率で入賞ラインL2に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せを停止させメダルが8枚しか払い出されないように構成されている。一方、非BB中のRBは、4回入賞することにより終了する。このため、非BB中のRBにおける操作手順によって、当該RBにおける純増枚数を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、BB中におけるRBにおいて、図9に示す、BB強イチゴに当選したときには、イチゴおよびメロン2の図柄組合せを入賞ライン上に停止させるリール制御を行なうが、イチゴおよびメロン2は共に操作手順によって取りこぼしが生じる入賞役である。このため、BB中におけるRBにおいて、図9に示す、BB強イチゴに当選したときであって、イチゴおよびメロン2共に取りこぼす場合には、引込可能コマ数の範囲で各リールの「白7」を中段に停止させるリール制御が行なわれる。これにより、BB中におけるRBにおいて、図9に示す、BB強イチゴに当選したときには、入賞ラインL1上に「白7−白7−白7」が停止し得るようにリール制御が行なわれる。
また、BB中におけるRBにおいては、図9に示す判定値数から、いずれの入賞役にも当選しない、はずれとなる場合が生じる。BB中におけるRBにおいてはずれとなった場合には、引込可能コマ数の範囲で各リールの「黒BAR」を中段に停止させるリール制御が行なわれる。これにより、BB中におけるRBにおいてはずれとなったときには、入賞ラインL1上に「黒BAR−黒BAR−黒BAR」が停止し得るようにリール制御が行なわれる。
なお、BB中におけるRBにおいて、入賞ラインL1に「白7−白7−白7」や「黒BAR−黒BAR−黒BAR」が停止したときには、後述するようにAT抽選が行なわれる。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、MAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定するといった内部抽選を行なう内部抽選処理を行なう。内部抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、内部抽選処理では、BB1〜BB3およびRBのいずれかに当選したときに、内部中RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行なわれる。
内部抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、操作されたストップスイッチに対応するリールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。本実施の形態におけるスロットマシン1は、ストップスイッチを操作することにより対応するリールの回転を停止させる例について説明するが、たとえば、リール回転開始から所定時間経過したときにストップスイッチが操作されたか否かに関わらず、回転中のリールを強制的に停止させるようにしてもよい。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5(a)で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、BB1〜BB3およびRBのうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。
また、RT1、通常遊技状態、およびRT3のいずれかにおける入賞判定処理において、SBに入賞したと判断されたときには、RT2に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT2の値を設定など)が行なわれる。また、通常遊技状態における入賞判定処理において、昇格リプに入賞したと判断されたときには、RT3に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT3の値を設定など)が行なわれる。また、RT3における入賞判定処理において、突入リプに入賞したと判断されたときには、RT4に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT4の値を設定など)が行なわれる。また、RT3における入賞判定処理において、転落リプに入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。
また、RT1、RT2、およびRT3においていずれの入賞も発生しておらずかつ特殊出目が入賞ラインL1〜L4のいずれかに停止していると判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞に関わらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行なわれる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、RT1に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT1フラグの値を設定など)が行なわれる。
また、RT4中における払出処理では、当該RT4中において消化したゲーム数(SB入賞してシングルボーナスに制御されたゲームを含む)を特定可能に計数し、消化したゲーム数が50ゲームに到達したか否かを判定し、50ゲームに到達したと判定したときに通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(RT1〜RT4のいずれであるか、通常遊技状態であるか、内部中RTであるか、BBであるか、非BB中のRBであるかなど)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役、SBの当選フラグ)の消去なども行なわれ、特別ワークに格納されるBBやRBのボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、RT1〜RT4、内部中RT、通常遊技状態、ボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行なう。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行なわれる。遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態等に応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、遊技状態等に応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
[AT制御処理]
AT制御処理は、ATに制御するか否かに関わるAT抽選を行なうAT抽選処理と、AT当選しているときに通常遊技状態への制御が開始されてから次回ボーナス入賞するまでATに制御するAT制御処理とを含む。
AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選は、ATフラグが設定されていないときにおいてATに制御するか否かを決定する初回AT抽選と、初回AT抽選でATに制御すると決定されたときなどに継続確率を決定する初当選時確率抽選と、ATフラグが設定されているときにおいて継続確率を昇格(向上)させるか否かを決定する昇格抽選と、昇格抽選で昇格させると決定されたときなどに継続確率を決定する昇格時確率抽選とを含む。各種抽選は、たとえば乱数などを用いて、各々設定されている確率にしたがってランダムに決定される。なお、AT抽選のうち、初回AT抽選および昇格抽選は、当選することによりその後に継続確率を決定するための抽選でもあるため、初回AT抽選と昇格抽選とをまとめて先抽選ともいう。また、AT抽選のうち、初当選時確率抽選および昇格時確率抽選は、ともに継続確率を決定するための抽選であるため、初当選時確率抽選と昇格時確率抽選とをまとめて確率抽選ともいう。
ATフラグとは、AT当選していることを示すフラグであって、初回AT抽選でATに制御すると決定されたときにRAM91cの所定領域に格納される。ATフラグは、次回ボーナス入賞するまで維持される。これにより、ATフラグが設定されているときには、次回ボーナス入賞するまでATに制御される。また、継続確率とは、制御することが確定しているATが終了した後(すなわち次回ボーナス終了後)にさらにATに制御させるか否かを決定するときに用いられる確率であって、ATに制御させると決定する確率をいう。
図17は、AT抽選を実行する契機となるAT抽選条件の一例を説明するための図である。また、図18は、AT抽選条件成立時に行なわれるAT抽選の一例を説明するための図である。また、図19は、AT抽選で参照されるテーブルの一例を説明するための図である。
AT抽選条件は、図17に示すように、第1〜第8の条件が設定されている。第1のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であるときに、入賞ラインL1〜L4のいずれかに特殊出目停止、1枚役入賞、あるいは入賞ラインL1に「メロン−メロン−メロン」の図柄組合せが停止することによるメロン入賞のうちいずれかにより成立する。なお、第1のAT抽選条件は、特殊出目停止、1枚役入賞の契機となる、SB当選、あるいは1枚役当選することにより成立するものであってもよい。また、第1のAT抽選条件は、中リール2Cの「メロン」を必ず中段に停止させる契機となる12枚メロン1〜4のいずれかに当選することにより成立するものであってもよい。第1のAT抽選条件が成立したときには、ATフラグの設定状態に応じて先抽選を行なう。具体的には、ATフラグが設定されていないときには、初回AT抽選を行ない、ATフラグが設定されているときには昇格抽選を行なう。
先抽選は、サブ制御部91により制御される確率モードに応じた当選確率にしたがって行なわれる。確率モードとは、先抽選で当選する確率を特定するモードをいう。先抽選で当選するとは、初回AT抽選においてATに制御すると決定されること、あるいは、昇格抽選において継続確率を昇格させると決定されることを示す。本実施の形態では、ボーナスのうちBB1が終了した後から50ゲーム消化する間に亘り当選確率が高い高確率モードに制御され、当該高確率モードが終了した後は当該高確率モードよりも当選確率が低い通常モードに制御される。なお、確率モードが高確率モード中であるときに再びボーナス当選したときには、当該高確率モードにおいて消化したゲーム数および当選したボーナスの種類に関わらず、当該ボーナス終了後から50ゲーム消化する間に亘り高確率モードに制御される。
図18を参照して、第1のAT抽選条件が成立したときの先抽選では、確率モードが、通常モードであるときに1%の確率で、高確率モードであるときに20%の確率で当選する。
第2のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であるときに、入賞ラインL2〜L4のいずれかにブドウあるいはイチゴの図柄組合せが停止してブドウあるいはイチゴ入賞することにより成立する。なお、第2のAT抽選条件は、弱イチゴ1〜4、弱ブドウ1〜4のいずれかに当選することにより成立するものであってもよい。第2のAT抽選条件が成立したときには、先抽選が行なわれる。第2のAT抽選条件が成立したときの先抽選では、図18に示されるように、確率モードが、通常モードであるときに1.5%の確率で、高確率モードであるときに40%の確率で当選する。
第3のAT抽選条件は、ボーナス以外でかつ内部中RT以外の遊技状態であるときに、入賞ラインL1にブドウあるいはイチゴの図柄組合せが停止してブドウあるいはイチゴ入賞すること、あるいは入賞ラインL1〜L4および下段ラインのいずれかにおいて「黒BAR」が2つ揃ってBARリプがテンパイすることにより成立する。なお、第3のAT抽選条件は、強イチゴ1〜4、強ブドウ1〜4、BARテンパイリプレイ1〜4のいずれかに当選することにより成立するものであってもよい。第3のAT抽選条件が成立したときには、AT抽選として先抽選が行なわれる。第3のAT抽選条件が成立したときの先抽選では、図18に示されるように、確率モードが、通常モードであるときに3%の確率で、高確率モードであるときに60%の確率で当選する。
第4のAT抽選条件は、入賞ラインL1〜L4のいずれかにおいてBARリプの図柄組合せが停止して入賞することにより成立する。なお、第4のAT抽選条件は、BARリプレイに当選することにより成立するものであってもよい。第4のAT抽選条件が成立したときには、図18に示されるように、AT抽選として先抽選が行なわれることなく、100%の確率で、当該先抽選で当選したときと同様に確率抽選が行なわれる。
なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドや遊技状態コマンドに基づき、ボーナス以外であって内部中RT以外の遊技状態であるか否かを特定し、リール停止コマンドや入賞判定コマンドに基づき、第1〜第4の条件が成立したか否かを特定する。
図17に戻り、第5のAT抽選条件は、遊技状態が内部中RTであるときに、ボーナス入賞することにより成立する。なお、第5のAT抽選条件は、遊技状態が内部中RT以外の状態において、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選することにより成立するものであってもよい。第5のAT抽選条件が成立したときには、AT抽選として先抽選が行なわれる。第5のAT抽選条件が成立したときの先抽選では、図18に示されるように、確率モードが、通常モードであるか高確率モードであるかに関わらず、30%の確率で当選する。
なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドや遊技状態コマンドに基づき、内部中RTであることを特定し、遊技状態コマンドや入賞判定コマンドに基づき、ボーナス入賞したことを特定する。
図17に戻り、第6のAT抽選条件は、遊技状態がBB中におけるRBであるときに、入賞ラインL1に「黒BAR−黒BAR−黒BAR」あるいは「白7−白7−白7」の図柄組合せが停止することにより成立する。なお、第6のAT抽選条件は、遊技状態がBB中におけるRBであるときに、いずれの入賞役にも当選しないことや、BB強イチゴに当選することにより成立するものであってもよい。第6のAT抽選条件が成立したときには、図18に示されるように、AT抽選として先抽選が行なわれることなく、100%の確率で当選する。
なお、サブ制御部91は、たとえばメイン制御部41からの内部当選コマンドや遊技状態コマンドに基づき、BB中におけるRBであることを特定し、リール停止コマンドに基づき、入賞ラインL1上における図柄組合せを特定する。
図17に戻り、第7のAT抽選条件は、遊技状態が非BB中におけるRBであるときに、入賞ラインL1〜L4のいずれかにブドウ入賞、または左メロンあるいは中右メロン当選時においてメダルが12枚払出されることにより成立する。なお、第7のAT抽選条件は、遊技状態が非BB中におけるRBであるときに、強ブドウ1に当選することにより成立するものであってもよい。第7のAT抽選条件が成立したときには、AT抽選として先抽選が行なわれる。第7のAT抽選条件が成立したときの先抽選では、図18に示されるように、確率モードが、通常モードであるか高確率モードであるかに関わらず、10%の確率で当選する。
図17に戻り、第8のAT抽選条件は、遊技状態が非BB中におけるRBであるときに、48枚払出されて当該RBが終了することにより成立する。第8のAT抽選条件は、RB中において左メロンや中右メロンが高確率で当選することから、第7のAT抽選条件が複数回成立することにより成立する条件であるため、少なくとも第7のAT抽選条件よりも成立確率が低い条件であるといえる。第8のAT抽選条件が成立したときには、図18に示されるように、AT抽選として先抽選が行なわれることなく、100%の確率で当選する。
ATフラグが設定されていないときであって、第1〜第3、第5、および第7のAT抽選条件が成立しかつ初回AT抽選で当選、あるいは第4、および第6のAT抽選条件が成立したときには、図18に示すように、第1抽選用テーブルを参照して初当選時確率抽選が行なわれる。
ATフラグが設定されていないときであって第8のAT抽選条件が成立したときには、図18に示すように、第2抽選用テーブルを参照して初当選時確率抽選が行なわれる。
初当選時確率抽選において第1抽選用テーブルが参照されたときには、図19(a)に示すように、50%の振分率で継続確率として「25%」に、30%の振分率で継続確率として「50%」に、20%の振分率で継続確率として「75%」に決定される。初当選時確率抽選において第1抽選用テーブルが参照されたときには、図19(b)に示すように、40%の振分率で継続確率として「25%」に、30%の振分率で継続確率として「50%」に、20%の振分率で継続確率として「75%」に、10%の振分率で継続確率として「77%」に決定される。
初当選時確率抽選において継続確率が決定されたときには、当該継続確率を特定するための継続確率特定用情報をRAM91cの所定領域に格納する。ATは、決定された継続確率にしたがって当該ATを継続させるか否かが決定される。このため、決定された継続確率が高い程、長い期間に亘りATに制御される可能性が高まるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
このように、初当選時確率抽選では、「25%」〜「77%」の範囲内における確率から一の継続確率が決定される。また、この範囲内のうち最高確率である「77%」は、図19(a)のテーブルが参照されたときには選択され得ず、図19(b)のテーブルが参照されたとき、すなわち第8のAT抽選条件が成立したときにのみ選択され得るように、初当選時確率抽選における当選確率が設定されている。
ATフラグが設定されているときであって、第1〜第3、および第5のAT抽選条件が成立しかつ昇格抽選で当選、あるいは第4、および第6のAT抽選条件が成立したときには、図18に示すように、第3抽選用テーブルを参照して昇格時確率抽選が行なわれる。
ATフラグが設定されているときであって、第7のAT抽選条件が成立しかつ昇格抽選で当選、あるいは第8のAT抽選条件が成立したときには、図18に示すように、第4抽選用テーブルを参照して昇格時確率抽選が行なわれる。
昇格時確率抽選において第3抽選用テーブルが参照されたときには、図19(c)に示すように、50%の振分率で加算確率として「2%」に、27%の振分率で継続確率として「5%」に、20%の振分率で加算確率として「10%」に、3%の振分率で上限確率(70%)となる加算確率に決定される。なお、図19(c)の第3抽選用テーブルが参照されて加算された継続確率の上限は、70%以下に制限される。このため、決定された加算確率を現在の継続確率に加算した結果70%を超える場合であっても、継続確率70%までしか更新されない。
昇格時確率抽選において第4抽選用テーブルが参照されたときには、図19(d)に示すように、45%の振分率で加算確率として「5%」に、30%の振分率で加算確率として「10%」に、20%の振分率で加算確率として「20%」に、5%の振分率で上限確率(75%)となる加算確率に決定される。なお、図19(d)の第4抽選用テーブルが参照されて加算された継続確率の上限は、75%以下に制限される。このため、決定された加算確率を現在の継続確率に加算した結果75%を超える場合であっても、継続確率75%までしか更新されない。
このように、昇格時確率抽選では、継続確率を向上させることができる。また、図19(d)のテーブルが参照されたときの方が、図19(c)のテーブルが参照されたときよりも、高い割合でより高い加算確率に決定され得る。また、加算後の継続確率の上限が、図19(d)のテーブルが参照されたときの方が、図19(c)のテーブルが参照されたときよりも、高くなるように設定されている。このため、第7あるいは第8のAT抽選条件が成立することに対する期待感を抱かせることができる。
一方、昇格時確率抽選では、初当選時確率抽選で選択され得る最高確率「77%」に到達しないように構成されている。このため、最高確率「77%」に決定され得る初当選時確率抽選に対する注目度を向上させることができ、かつ初当選時確率抽選において最高確率「77%」に決定されていないときであってもその後の昇格時確率抽選で最高確率「77%」に到達し得るものと比較して射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
[AT抽選処理における継続抽選]
AT抽選処理では、決定された継続確率にしたがって、制御されることが確定しているATが終了した後においてさらにATに制御させるか否か、すなわちさらにATを継続させるか否かを抽選する継続抽選を行なう。本実施の形態における継続抽選は、ATフラグが設定されていないときにおけるAT抽選でAT当選したとき、あるいは後述する継続回数カウンタの値として「1」が設定されているときであってボーナス当選したときに実行される例について説明する。
具体的に、ATフラグが設定されていないときにおける初回AT抽選でAT当選したときには、前述した初当選時確率抽選において決定された継続確率にしたがって、今から開始されるATが終了した後においてATを継続させるか否かの継続抽選(以下では、初当選時継続抽選ともいう)を行なう。初当選時継続抽選で当選したときには、たとえば、継続可能回数を特定するための継続回数カウンタの値として「1」を格納する。継続回数カウンタの値は、RAM91cの所定領域において更新される。
前述したATフラグは、原則として次回ボーナス入賞したときに消去される。しかし、ボーナス入賞したときに継続回数カウンタの値が1以上であるときには、当該継続回数カウンタの値を1減算するとともに、ATフラグを次回ボーナス入賞するまで維持させる。これにより、初当選時継続抽選で当選したときには、次回ボーナス入賞した後、更にその次のボーナスに入賞するまで、ATに継続して制御される。
また、初当選時継続抽選は、AT当選してから次にAT抽選条件が成立するまでに行なわれる。本実施の形態における初当選時継続抽選は、たとえば、初当選時確率抽選の行なわれたゲームが終了したときに行なわれる。これにより、初当選時確率抽選で決定された継続確率にしたがって、少なくとも1回は、継続抽選が行なわれるため、初当選時確率抽選で決定される継続確率に対し期待感を抱かせることができる。
初当選時継続抽選で当選すると、今から開始されるATがボーナス入賞によって終了した後においても、当該ボーナス終了後においてATに制御される。しかし、初当選時継続抽選で当選しなければ、ATフラグが設定されている間において継続抽選が行なわれないため、今から開始されるATがボーナス入賞によって終了したことによりATフラグがクリアされ、ATに制御されない。このため、初当選時継続抽選で当選しなければ、ATフラグが設定されているときであっても、上述した昇格時確率抽選を行なわないようにしてもよい。
また、継続回数カウンタの値が1に設定されているときにおいて、ボーナス当選したときには、初当選時確率抽選あるいは昇格時確率抽選(今回ボーナス当選に起因する昇格時確率抽選を含む)の結果に応じて現在設定されている継続確率にしたがって、継続回数カウンタに基づき制御されることが確定しているATが終了した後すなわち次回開始されるATが終了した後において、さらにATを継続させるか否かを抽選する再継続抽選を行なう。再継続抽選で当選したときには、たとえば、継続回数カウンタの値を1加算する。
再継続抽選で当選すると、現在制御されているATが終了した後に制御される次回のATがボーナス入賞によって終了した後においても、当該ボーナス終了後においてATに制御される。しかし、再継続抽選で当選しなければ、ATフラグが設定されている間において再継続抽選が行なわれないため、次回のATがボーナス入賞によって終了することによりATフラグがクリアされ、ATに制御されない。このため、再継続抽選で当選しなければ、ATフラグが設定されているときであっても、上述した昇格時確率抽選を行なわないようにしてもよい。
以上のように、AT抽選処理の結果に応じて、ATに制御される。すなわち、ATフラグが設定されていないときにAT抽選条件が成立して実行される初回AT抽選で当選すると、ATフラグを設定するとともにボーナス終了した後においてATに制御することができる。また、ATフラグが設定されているときにAT抽選条件が成立して実行される昇格抽選で当選すると、継続確率を向上させることができる。また、継続抽選は、制御することが確定しているATが終了した後にさらにATに制御させるか否かを1回の継続抽選で抽選するものであり、当該継続抽選で当選しなかったときには制御することが確定しているATが終了することによりATフラグがクリアされる。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、通常遊技状態、RT3、あるいはRT4であるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行なうことにより、AT抽選の結果に応じてセットされるATフラグ、および継続回数カウンタに基づき、ATへの制御を管理する。
具体的に、サブ制御部91は、通常遊技状態への制御が開始されるときにおいて、ATフラグからATである旨が特定されたときには、ATに制御する。ATフラグが設定されているときには、通常遊技状態への制御が開始されるときから、次回ボーナス入賞するまでATに制御される。ATに制御されているときには、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに、対応するナビ演出が実行される。遊技状態に応じたナビ対象役とは、通常遊技状態であるときには昇格リプを含む押し順昇格リプレイ1〜6をいい、RT3であるときには突入リプあるいは転落リプを含む押し順維持リプレイ1〜5、および押し順突入リプレイ1〜4をいい、RT4であるときには押し順メロン1〜5をいう。これにより、ATに制御されているときには、意図的に当選した昇格リプ入賞、転落リプ入賞回避、突入リプ入賞、およびメロン1入賞(12枚払出)させることができる。その結果、通常遊技状態から、昇格リプ入賞によりRT3かつATに制御され、突入リプ入賞によりRT4かつATであるARTに制御される。また、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときに、中リール2Cの「メロン」を中段に停止させる操作手順で操作することができ、メダルを12枚獲得することができる。
なお、本実施の形態におけるRT4は、所定ゲーム数消化することにより終了するため、ATに制御されているときであっても一旦通常遊技状態に制御されてしまう。しかし、前述のように、ATに制御されておりナビ演出が実行されるため、再びRT3を経てRT4に制御させることができる。
また、AT管理処理では、AT中にボーナス入賞したときに、前述した継続回数カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。継続回数カウンタの値が1以上であると判定されたときには、設定されている継続回数カウンタの値を1減算更新することによりATフラグを維持する。これにより、ボーナス終了後においてもATに継続して制御させることができる。一方、継続回数カウンタの値が0であると判定されたときには、ATフラグをクリアする。これにより、継続抽選において当選した回数に亘りATに制御した後、ATを終了させることができる。
一方、ATに制御されていないときには、ナビ演出が実行されない。このため、昇格リプ、転落リプ、突入リプの当選確率および当選時におけるリール制御により、昇格リプ入賞および突入リプ入賞が発生しにくく、転落リプ入賞が発生しやすくなるため、RT3やRT4へ制御されること、およびRT3への制御が継続されることを極力防止することができる。その結果、通常遊技状態で遊技が行なわれる可能性が高まる。
本実施の形態においては、ATフラグが設定されているときであっても、ボーナス中においてはATに制御されず、ナビ演出が実行されない。
また、本実施の形態においては、ATをボーナス入賞まで継続させる制御を一例として説明したが、当該制御は、ボーナス当選して制御される内部中RTにおいてATに制御されている場合における1ゲーム当りの平均増減枚数が0以下となる場合に限ってもよい。これにより、内部中RTであってATである期間を意図的に長引かせることにより遊技者の利益を増加させてしまうといった不都合の発生を未然に防止することができる。
また、内部中RTにおいてATに制御されている場合における1ゲーム当りの平均増減枚数が0より大きくなる場合には、ATをボーナス当選まで継続させ、内部中RTにおいてATに制御しないように構成してもよい。この場合には、後述するように、ATが終了したことによりボーナス当選したことを特定され難くするための遊技状態演出が行なわれる。
[遊技演出実行処理]
サブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を実行することにより、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
押し順昇格リプレイ1〜6のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプを入賞させてRT3に制御させるための押し順(図11参照)が報知される。たとえば、押し順昇格リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順昇格リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、押し順維持リプレイ1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させかつ昇格リプを入賞させてRT3を維持させるための押し順(図12参照)が報知される。たとえば、押し順維持リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順維持リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプ入賞を回避させかつ突入リプを入賞させてRT4に制御させるための押し順(図13参照)が報知される。たとえば、押し順突入リプレイ1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順突入リプレイ2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
また、押し順メロン1〜5のいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて中リール2Cの「メロン」を中段に停止させてメダルを12枚払いださせるための押し順(図14参照)が報知される。たとえば、押し順メロン1に当選したときのナビ演出としては、「順押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。また、押し順メロン2に当選したときのナビ演出としては、「順挟み押し」といったメッセージが、液晶表示器51に表示される。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作手順を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作手順で操作することができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであってもよい。
また、サブ制御部91は、遊技状態演出実行処理を行なうことにより、現在の遊技状態や演出状態に関連する遊技状態演出を、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品を用いて実行する。
遊技状態演出としては、たとえば、遊技状態に関わらず非AT中であるときには、通常演出(たとえば、液晶表示器51に「通常中」といったメッセージを表示など)が行なわれる。また、遊技状態に関わらずAT中であるときには、特別演出(たとえば、液晶表示器51に「AT中」といったメッセージを表示など)が行なわれる。
また、本実施の形態においては、BB2、BB3、およびRBのいずれかと比較的高い確率で同時当選し得るイチゴやブドウに当選したことを条件として、所定期間(たとえば、5ゲーム)に亘り、ボーナス当選していることを煽るための演出が行なわれる。すなわち、遊技状態演出として、イチゴやブドウに当選したことを条件として所定期間に亘り、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出が行なわれる。この連続演出は、所定期間にわたり一連の物語を展開する演出を行なった後に、物語の結末としてボーナス当選の有無および種類を報知するボーナス当選報知を行なう演出である。これにより、所定期間に亘って、ボーナス当選しているかもしれないことを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図17で示したAT抽選条件が成立することにより、所定期間(たとえば、5ゲーム)に亘り、ATを獲得したか否かを煽るための連続演出が遊技状態演出として行なわれる。この連続演出は、所定期間にわたり一連の物語を展開する演出を行なった後に、物語の結末としてAT獲得の有無を報知するAT獲得報知を行なう演出である。これにより、所定期間に亘って、ATを獲得したかもしれないことを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、イチゴやブドウに当選したときには、ボーナス当選したか否かおよびATを獲得したか否かを煽るための連続演出が遊技状態演出として行なわれる。この連続演出は、所定期間にわたり一連の物語を展開する演出を行なった後に、物語の結末としてAT獲得およびボーナス当選の有無を報知する演出である。これにより、所定期間に亘って、ATを獲得したかもしれないこと、およびボーナス当選したかもしれないことを煽ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技状態演出としては、所定の報知条件が成立したときに、ボーナス終了後においてATに制御されるか否かに関わる情報を報知するAT制御演出が行なわれる。AT制御演出は、たとえば、ATフラグが設定されているときに、ATフラグが設定されていないときよりも高い割合で、液晶表示器51に「ATに制御されるかも!」といったメッセージを表示することにより実行されるものであってもよい。これにより、AT制御演出が実行されたことにより、ATに制御されることに対する期待感を高めることができる。所定の報知条件とは、たとえば、ボーナス中にAT抽選条件成立により成立するものや、特定の入賞役に当選することにより成立するものや、所定ゲーム数消化したことにより成立するものなど、遊技の進行において成立し得る条件であればよい。
また、遊技状態演出としては、AT中において、所定の報知条件が成立したときに、次回ボーナス入賞した後においてATに継続して制御されることが確定しているか否かに関わる情報を報知する継続演出が行なわれる。継続演出は、たとえば、継続回数カウンタが1以上であるときに、継続回数カウンタが0であるときよりも高い割合で、液晶表示器51に「継続するかも!」といったメッセージを表示することにより実行されるものであってもよい。これにより、継続演出が実行されたことにより、ATが継続することに対する期待感を高めることができる。所定の報知条件とは、たとえば、特定の入賞役に当選することにより成立するものや、所定ゲーム数消化したことにより成立するものなど、遊技の進行において成立し得る条件であればよい。
また、遊技状態演出としては、ATフラグが設定されているときに、昇格抽選が行なわれたときに、継続確率が昇格したか否かに関わる情報を報知する昇格演出が行なわれる。昇格演出は、たとえば、継続回数カウンタが1以上であるときに、継続回数カウンタが0であるときよりも高い割合で、液晶表示器51に「継続するかも!」といったメッセージを表示することにより実行されるものであってもよい。これにより、昇格演出が実行されたことにより、ATが継続することに対する期待感を高めることができる。
また、内部中RTにおいてATに制御させた場合における1ゲーム当りの増減枚数が0より大きくなる場合において、ATをボーナス当選まで継続させ、内部中RTにおいてATに制御しないように構成した場合には、次のように遊技状態演出を実行してもよい。たとえば、ATがボーナス当選により終了したときには、内部中RTにおいてナビ演出が実行されない特定の遊技演出を実行する場合、AT中においてボーナス当選していないときであっても所定確率にしたがって所定期間(たとえば10ゲーム)に亘って特定の遊技演出と同じ遊技演出を実行するようにしてもよい。これにより、特定の遊技演出が実行されたときに、ボーナス当選したことに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。特定の遊技演出として、ボーナスに当選しているか否かに関わる情報を報知する連続演出を実行するように構成してもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、メロン1を含む押し順メロン1〜5のいずれかに当選しているときには、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に関わらず入賞ラインL1〜L4のうちいずれかにメロン1の図柄組合せを停止させることが可能となる。このため、押し順メロン1〜5のいずれかに当選しているときにおいて、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順によって入賞する場合と入賞しない場合とが起こり得るスロットマシンと比較して、当選しているにも関わらず入賞せずに取りこぼしが生じることに対して遊技者が抱く不満を軽減することができる。また、図14で示したように、押し順メロン1〜5のいずれに当選しているかによって、中リール2Cの「メロン」を中段に停止させてメロン1を入賞ラインL1、L3、L4の3ライン上において入賞させるための操作手順が異なる。このため、操作手順に応じて遊技者に払出されるメダルの枚数を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ATにおいては、内部抽選の結果に応じてナビ演出が実行される。このため、ATに制御されているときには、操作手順によって遊技者にとって有利度合いが異なる図柄組合せが停止され得る当選状況、たとえば押し順昇格リプレイ1〜6、押し順維持リプレイ1〜5、押し順突入リプレイ1〜4、および押し順メロン1〜5に当選している当選状況となったときに、意図的に遊技者にとって有利となる操作手順で操作することが可能となる。たとえば、押し順昇格リプレイ1〜6、押し順維持リプレイ1〜5、押し順突入リプレイ1〜4のいずれかに当選しているときには、意図的に昇格リプ入賞、突入リプ入賞、転落リプ入賞回避などさせる操作手順で操作することが可能となる。また、押し順メロン1〜5のいずれかに当選しているときには、意図的に中リール2Cの「メロン」を中段に停止させてメロン1を入賞ラインL1、L3、L4の3ライン上において入賞させるための操作手順で操作することが可能となる。このようなATには、ATフラグからATでない旨が特定される状態においては制御されず、ATフラグからATである旨が特定される状態であるときにのみ制御される。その結果、AT当選してATに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
ATには、図17に示すAT抽選条件が成立することにより行なわれる初回AT抽選で当選することにより制御され得る。また、ATに制御される期間は、継続確率の高低に左右されるところ、継続確率はAT抽選条件が成立してATに制御されるときに行なわれる初当選時確率抽選で決定される。このため、ATに制御されていないときにおいてAT抽選条件が成立することに注目させ、ATに制御されることおよび継続確率としてより高い確率に決定されることに期待感を抱かせることができる。
また、継続確率は、ATに制御された後であっても、AT抽選条件が成立することによって行なわれる昇格抽選で当選することにより、図19(c)および(d)のテーブルに示されるように、現在の継続確率よりも高い確率に昇格され得る。一方、ATに制御されているときにAT抽選条件が成立することにより行なわれる昇格時確率抽選では、図19(c)および(d)のテーブルに示されるように、ATに制御されていないときにAT抽選条件が成立することにより行なわれる初当選時確率抽選において決定され得る最も高い継続確率である77%未満の確率からしか継続確率を決定することができない。すなわち、継続確率として最も高い77%が決定され得るのは、ATに制御されていないときにおいてAT抽選条件が成立したときだけであり、ATに制御された後においてAT抽選条件が成立したとしても継続確率として最も高い77%に決定されることがない。このため、ATに制御されているときであってもAT抽選条件が成立することに注目させるとともに継続確率が向上することに対する期待感を抱かせつつ、ATに制御された後において最も高い継続確率に昇格し得るものと比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
(2) 前述した実施の形態における継続抽選は、初当選時確率抽選において継続確率が決定されたゲームが終了したときに、当該継続確率にしたがって行なわれる。このため、初当選時確率抽選で決定された継続確率にしたがって少なくとも1回は継続抽選を行なうことができる。その結果、ATに制御されていないときにおいてAT抽選条件が成立したときに決定される継続確率に対する注目度合いをより一層向上させることができる。
(3) 前述した実施の形態において、継続確率として最も高い「77%」が決定され得るのは、少なくとも第7のAT抽選条件よりも成立確率が低い第8のAT抽選条件が成立して図19(b)のテーブルが参照されて確率抽選が行なわれたときだけである。このため、いずれのAT抽選条件が成立した場合であっても最も高い「77%」が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、継続確率として最も高い「77%」に決定されることに対する価値を高めることができる。
(4) 前述した実施の形態における昇格時確率抽選では、設定されている継続確率よりも高い確率に決定されるが、成立したAT抽選条件の種類によって図19(c)および(d)のテーブルに示されるように遊技者にとっての有利度合いが異なっている。
まず、昇格時確率抽選において決定し得る最も高い確率は、第7あるいは第8のAT抽選条件成立時の方が、第1〜第6のAT抽選条件のうちいずれかが成立したときよりも、高確率に設定されている。具体的には、昇格時確率抽選において決定し得る最も高い「75%」は、第7あるいは第8のAT抽選条件成立時のみに決定でき、第1〜第6のAT抽選条件のうちいずれかが成立したときには決定できないように構成されている。このため、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、継続確率として昇格時確率抽選において決定し得る最も高い「75%」に決定されることに対する価値を高めることができる。
また、昇格時確率抽選において加算される平均確率は、第7あるいは第8のAT抽選条件成立時の方が、第1〜第6のAT抽選条件のうちいずれかが成立したときよりも、高確率となるように設定されている。これにより、ATに制御されているときにはAT抽選条件のうちいずれが成立するか、および第7あるいは第8のAT抽選条件が成立し得るRBに制御されることに対する注目度を向上させることができる。
(5) 前述した実施の形態においては、図14で示すように、押し順メロン1〜5のいずれかに当選している場合において、中リール2Cの「メロン」を中段に停止させてメロン1を入賞ラインL1、L3、L4の3ライン上において入賞させるための操作手順で操作できたときには、当該停止操作に応じたリールの「メロン」を中段に停止させるリール制御が行なわれ、それ以外の操作手順で操作されたときには当該停止操作に応じたリールの「メロン」を上段に停止させるリール制御が行なわれる。すなわち、操作手順に応じて、メロン1の図柄組合せを構成する中リール2Cのみならず、それ以外の左リール2Lおよび右リール2Rについても異なるリール制御が行なわれる。このため、中リール2Cが停止する以前においても、左リール2Lや右リール2Rにおける「メロン」が停止した位置から、その後中リール2Cの「メロン」が中段に停止するか否かを予測することができる。その結果、中リール2Cのみならず、左リール2Lおよび右リール2Rの停止図柄の注目度を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 前述した実施の形態においては、BB1と非BB中におけるRBとを対比すると、双方のボーナス期間において決定し得る継続確率の最高確率は、非BB中におけるRBの方が、BB1よりも高くなるように設定されているが、ボーナス期間が終了した後におけるAT抽選では、BB1終了後においては高確率モードに制御されるため、非BB中におけるRB終了後よりもBB1終了後の方が遊技者にとっての有利度合いが高くなるといえる。このため、非BB中におけるRBに制御されたときには継続確率として最高確率に決定されることに対する期待感を抱かせることができるとともに、BB1に制御されたときには特に当該BB1終了後におけるAT抽選でAT当選することに対する期待感を抱かせることができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[第8のAT抽選条件とその他のAT抽選条件との関係について]
前述した実施の形態において、継続確率として最高確率を決定し得る第8のAT抽選条件は、少なくとも第7のAT抽選条件よりも成立しにくく、成立確率が低い例について説明した。しかし、継続確率として最高確率を決定し得るような、遊技者にとって最も有利な報知条件を設定し得る契機となるAT抽選条件は、その他のAT抽選条件のうちいずれの成立確率よりも低くなるように設定してもよい。これにより、複数種類のAT抽選条件のうち、最も成立確率が低いAT抽選条件が成立したときにだけ、継続確率として最高確率を選択し得、それ以外のAT抽選条件が成立したときには選択し得ない。これにより、AT抽選条件のうちいずれが成立したときであっても最高確率を選択し得るものと比較して、射幸性が高くなりすぎてしまうことを防止することができる。
[先抽選における当選確率について]
前述した実施の形態では、図17に示したように、先抽選における当選確率を、初回AT抽選と昇格抽選とで同じである例について説明したが、先抽選における当選確率は、これに限らず、初回AT抽選と昇格抽選とで異ならせてもよい。たとえば、昇格抽選よりも、初回AT抽選の方が高い当選率を用いるようにしてもよい。この場合、ATに制御され易いが昇格し難いという遊技性を提供することができる。また、初回AT抽選よりも、昇格抽選の方が高い当選率を用いるようにしてもよい。この場合、ATに制御され難いが一旦ATに制御されると昇格し易くなるという遊技性を提供することができる。
[AT抽選条件について]
AT抽選条件は、図17で示したAT抽選条件に限るものではない。AT抽選条件は、たとえば、予め定められた回数分ゲーム消化すること、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化すること、転落リプに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役(たとえばイチゴなど)に当選した回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役に当選あるいは入賞すること、特定の図柄組合せが入賞ライン上に停止することなど、どのようなものであってもよい。
また、前述した実施の形態においては、共通のAT抽選条件が成立することを抽選契機として、初回AT抽選、昇格抽選各々の抽選が行なわれる例について説明した。すなわち、初回AT抽選、昇格抽選各々の抽選契機が同じである例について説明した。しかし、初回AT抽選、昇格抽選各々の抽選契機は、予め定められているものであればよく、初回AT抽選の抽選契機と昇格抽選の抽選契機とを異ならせてもよい。たとえば、初回AT抽選の抽選契機を図17に示すAT抽選条件を満たすことにより成立させ、昇格抽選の抽選契機をAT中(なお内部中RTを除いてもよい)において所定ゲーム数(たとえば100ゲーム)消化する毎に成立させるようにしてもよい。これにより、遊技者を注目させる契機を増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[継続抽選について]
前述した実施の形態においては、継続抽選の抽選条件が、ATフラグが設定されていないときにおけるAT抽選でAT当選したとき、あるいは継続回数カウンタの値として「1」が設定されているときであってボーナス当選したときに成立する例を説明した。しかし、継続抽選の抽選条件は、これに限るものではない。
継続抽選の抽選条件としては、たとえば、初当選時確率抽選あるいは昇格時確率抽選において継続確率が新たに設定されることにより成立するものであってもよい。まず、初当選時継続抽選として、初当選時確率抽選により設定された継続確率にしたがって継続抽選を行なう。また、再継続抽選として、昇格時確率抽選において継続確率が昇格したときに、昇格した継続確率にしたがって、継続回数カウンタに基づき制御されることが確定しているATが終了した後においてさらにATを継続させるか否かの抽選を行なう。再継続抽選で当選する毎に、たとえば、継続回数カウンタの値を1加算する。これにより、再継続抽選で当選する毎に、ATに制御される回数を増加させることができる。
また、この変形例における再継続抽選は、昇格当選してから次にAT抽選条件が成立するまでに行なわれる。たとえば、再継続抽選は、昇格時確率抽選が行なわれたゲームが終了したときに行なわれる。これにより、昇格時確率抽選において昇格した継続確率にしたがって、少なくとも1回は、継続抽選が行なわれるため、昇格時確率抽選で決定される継続確率に対し期待感を抱かせることができる。
なお、この変形例における再継続抽選は、昇格抽選で当選したときにのみ行なわれる。これにより、昇格抽選が行なわれることにより継続確率が向上することとATの継続回数が増えることに対する期待感を抱かせることができる。しかし、再継続抽選は、昇格抽選で当選したときに限らず、昇格抽選で当選しなかったときにも行なうように構成してもよい。これにより、再継続抽選が行なわれる機会を増やすことができる。
また、この変形例における継続抽選は、継続回数カウンタの値に関わらず行なわれる例について説明した。しかし、継続抽選は、継続回数カウンタの値が所定数(たとえば、5など)未満のときにだけ行なわれ、所定数以上のときには行なわれないようにしてもよい。これにより、射幸性が高まりすぎることを防止することができる。
また、継続抽選で当選する毎に当該継続回数カウンタの値に1加算する例について説明した。しかし、継続抽選で当選したときには、ATを継続させる回数を複数の回数(たとえば、1回〜10回)から決定するようにしてもよい。これにより、継続抽選における興趣を向上させることができる。
また、この変形例において継続演出を実行する場合、実行可能な継続演出を複数種類設け、継続回数カウンタの値に応じた割合にしたがって複数種類のうちから選択された継続演出を実行するようにしてもよい。たとえば、継続演出として、第1継続演出(たとえば液晶表示器51に「継続に期待!」といったメッセージを表示)と第2継続演出(たとえば液晶表示器51に「大連チャンかも!」といったメッセージを表示)とを設け、継続回数カウンタの値が3以下であるときよりも4以上であるときの方が、高い割合で第2継続演出を実行するものであってもよい。これにより、実行された継続演出の種類から、継続回数を推測するといった面白みを遊技者に提供することができる。
なお、継続抽選の抽選条件は、上記のものに限らず、たとえば、予め定められた回数分ゲーム消化すること、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化すること、転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役(たとえばイチゴ1など)に当選した回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役に当選あるいは入賞すること、特定の図柄組合せが入賞ライン上に停止することなど、どのようなものであってもよい。
[AT抽選と初当選時確率抽選、および昇格抽選と昇格時確率抽選について]
前述した実施の形態においては、図18で示す当選確率にしたがって初回AT抽選を行ない、当該初回AT当選で当選したときに図19(a)あるいは(b)のテーブルを参照して初当選時確率抽選を行なう、すなわち、初回AT抽選と初当選時確率抽選とをそれぞれ別個に行なう例について説明した。しかし、初回AT抽選と初当選時確率抽選とを一の抽選で行なうようにしてもよい。たとえば、継続確率として0%を選択し得るテーブルを設けて、当該テーブルを参照して継続確率として0%に決定されたときにはATに制御せず、1%以上に決定されたときにはATに制御することおよび決定された継続確率を設定するように構成してもよい。これにより、初回AT抽選を行なった後に別途初当選時確率抽選を行なう必要がなくなるため、処理負担を軽減することができる。なお、昇格抽選と昇格時確率抽選とについても、前述した実施の形態ではそれぞれ別個に行なう例について説明したが、上記した内容と同様に、昇格抽選と昇格時確率抽選とを一の抽選で行なうようにしてもよい。
[確率抽選について]
確率抽選では、現在設定されている継続確率に加算する確率を決定するものに限らず、変更後の継続確率そのものを決定するようにしてもよい。これにより、継続確率を設定するための処理負担を軽減することができる。
[確率降格について]
前述した実施の形態では、昇格抽選で当選したときに継続確率を向上させ、非当選であったときには継続確率を変化させない例について説明した。しかし、昇格抽選で非当選であったときには、現在設定されている継続確率よりも低い確率から一の確率を決定する、すなわち継続確率を降格(低下)させるようにしてもよい。これにより、ATに制御されている期間において、継続確率が降格することに対する緊張感を抱かせることができる。
[ATについて]
前述した実施の形態におけるATフラグをクリアする条件(以下では、単にATの終了条件ともいう)として、次回ボーナス入賞したときに継続回数カウンタが0であることを例に説明した。しかし、ATの終了条件は、所定条件が成立したときの継続回数カウンタが0であるときに成立するものであればよい。所定条件としては、たとえば、予め定められた回数分ゲーム消化すること、複数種類の回数から乱数などを用いてランダムに抽選で決定された回数分ゲームを消化すること、転落リプレイに当選してナビ演出が実行された回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役(たとえばイチゴ1など)に当選した回数が所定回数に到達すること、特定の入賞役に当選あるいは入賞すること、特定の図柄組合せが入賞ライン上に停止することなど、どのようなものであってもよい。これにより、ATにおける興趣を向上させることができる。
また、ATの終了条件は、継続回数カウンタの値に関わらず、ATへの継続回数が所定回数以上に到達したときに成立するようにしてもよい。これにより、射幸性が高まりすぎることを防止することができる。
また、ATの終了条件は、RT4を終了させ得る終了条件を満たしたときに成立するようにしてもよい。前述した実施の形態において、たとえば、ATの終了条件がRT4の残りゲーム数が所定ゲーム数(たとえば5ゲーム)に到達することにより成立するようにしてもよい。この場合、以下のように制御してもよい。
RT4の残りゲーム数が所定ゲーム数に到達したときには、決定されている継続確率にしたがって継続抽選を行ない、当該継続抽選で当選したときにATフラグをクリアせずに継続させてATに制御し、当該継続抽選で当選しなかったときにATフラグをクリアしてRT4終了後にATを終了させるようにしてもよい。RT4の残りゲーム数が所定ゲーム数に到達したときには、当該残りの所定ゲーム数に亘り、ATが継続することができるか否かを煽るための所定の煽り演出を実行し、煽り演出の結末によって継続抽選の結果を報知するようにしてもよい。。これにより、煽り演出が実行されたときの緊張感を高めるとともに、興趣を向上させることができる。
[ATの継続について]
ATが継続するとは、ATの終了条件が成立した後において必ずATに制御されることをいい、たとえば、前述した実施の形態のようにATにおいて終了条件が成立したときに一旦終了させて、ボーナスやRT1など他の状態に制御させた後、再びATに制御されるものであってもよく、ATにおいて終了条件が成立したときに一旦終了させることなくそのまま引き続きATに制御されるものであってもよい。
[報知条件および報知期間の終了条件について]
前述した実施の形態では、報知条件の一例として、図19で示したテーブルが参照されて継続確率が設定されることを示し、報知期間の終了条件の一例として継続抽選で非当選であることを示した。
しかし、報知条件は、継続確率に限らず、設定されることにより制御されるATにおける遊技者にとっての有利度合いを異ならせるものであればどのようなものであってもよい。また、報知期間の終了条件は、設定された報知条件と関連あるいは対応して変化する条件であって、ATに制御可能な状態を終了させるための条件であればどのようなものであってもよい。以下に、報知条件および報知期間の終了条件について、変形例を示す。
(第1の例)
たとえば、前述した実施の形態における継続抽選においてATを終了させるか否かを抽選するように構成してもよい。この場合には、初当選時確率抽選では、継続確率ではなく、終了確率を決定するようにしてもよい。また、昇格時確率抽選では、加算確率ではなく、減算確率を決定するようにしてもよい。具体的には、図19(a)および(b)に示すテーブルにおける「継続確率」に対応する数値を100%から差し引いた数値に置き換え、「継続確率」を「終了確率」に置き換え、さらに、図19(c)および(d)に示すテーブルにおける「加算確率」に対応する数値を100%から差し引いた数値に置き換え、「加算確率」を「減算確率」に置き換え、図19(c)の上限を25%とし、図19(d)の上限を30%としたテーブルを用いてAT抽選処理を行なうようにしてもよい。この場合、AT当選したことを条件として初当選時確率抽選で終了確率が決定され、当該終了確率にしたがって継続抽選が行なわれ、その後AT抽選条件が成立して昇格時確率抽選で減算確率が決定されたときには、当該減算確率を現在の終了確率から差し引いた確率に更新し、次回の継続抽選では当該更新された終了確率にしたがって継続抽選が行なわれる。また、継続抽選においてATを終了させると決定されたときに終了フラグを設定する。ボーナス入賞したときに終了フラグが設定されていないときには、ATフラグを次回ボーナス入賞するまで維持させ、ボーナス入賞したときに終了フラグが設定されているときには、ATフラグを消去して、報知期間を終了させるように構成してもよい。このように構成した場合であっても、終了確率として最も低い遊技者にとって有利な確率(たとえば、23%)が決定され得るのは、ATに制御されていないときにおいてAT抽選条件が成立したときだけであり、ATに制御された後においてAT抽選条件が成立したとしても終了確率として最も低い遊技者にとって有利な確率(たとえば、23%)に決定されることがない。このため、ATに制御されているときであってもAT抽選条件が成立することに注目させるとともに終了確率が低下することに対する期待感を抱かせつつ、ATに制御された後において最も低い終了確率に昇格し得るものと比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
(第2の例)
たとえば、報知条件は、1消費することにより所定ゲーム数(たとえば、50ゲーム)に亘りATに制御するナビストック数であってもよく、報知期間の終了条件は、獲得したナビストック数をすべて消費することにより成立するものであってもよい。
この場合、たとえば、AT抽選では、ナビストック数を獲得していないときにAT抽選条件が成立することにより、0〜20までの範囲内からナビストック数を抽選する初回抽選を行ない、当該初回抽選において1以上のナビストック数に決定されたときには、ATフラグを設定するとともに獲得したナビストック数を特定するためのナビストック情報を格納する。1以上のナビストック数を獲得しATフラグが設定されることにより報知期間に制御される。さらに、AT抽選では、ATフラグが設定されているときにおいてAT抽選条件が成立したときには、初回抽選において獲得し得る最大のナビストック数である20よりも上限が小さい、たとえば0〜10までの範囲内からナビストック数を抽選する報知期間中抽選を行ない、獲得したナビストック数をすでに獲得しているナビストック数に上乗せ加算された値にナビストック情報を更新する。このように、報知期間中抽選でナビストック数を獲得すると遊技者にとっての有利度合いが高まる。なお、報知期間中抽選でナビストック数を獲得したとしても、上乗せ加算後のナビストック数の上限は、初回抽選において決定し得る最大のナビストック数未満(たとえば、18)に設定されている。すなわち、ナビストック数として最大の20が決定され得るのは、ATに制御されていないときにおいてAT抽選条件が成立したときだけであり、ATに制御された後においてAT抽選条件が成立したとしてもナビストック数として最大の20に到達することがない。このため、ATに制御されているときであってもAT抽選条件が成立することに注目させるとともにナビストック数が上乗せされることに対する期待感を抱かせつつ、ATに制御された後においても最大のナビストック数に到達し得るものと比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
また、上記のように構成した場合においては、さらに、ナビストック数として最大の20が決定され得るのは、AT抽選条件のうち成立確率が低い条件(たとえば第8のAT抽選条件など)が成立して初回抽選が行なわれたときだけとなるようにしてもよい。これにより、いずれのAT抽選条件が成立した場合であってもナビストック数として最大の20が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、ナビストック数として最大の20に決定されることに対する価値を高めることができる。
また、上記のように構成した場合においては、さらに、報知期間中抽選において決定し得る最大のナビストック数である10に決定し得るのは、AT抽選条件のうち所定の条件(たとえば第8のAT抽選条件など)が成立して報知期間中抽選が行なわれたときだけとなるようにしてもよい。これにより、いずれのAT抽選条件が成立した場合であっても報知期間中抽選において決定し得る最大のナビストック数である10が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、報知期間中においていずれのAT抽選条件が成立するかに対する注目度を向上させることができる。
(第3の例)
たとえば、報知条件は、ATに制御するゲーム数であってもよく、報知期間の終了条件は、当該ゲーム数を消化することにより成立するものであってもよい。
この場合、たとえば、AT抽選では、ATに制御されていないときにAT抽選条件が成立することにより、0〜1000までの範囲内からATに制御するゲーム数であるATゲーム数を抽選する初回抽選を行ない、初回抽選において1以上のゲーム数に決定されたときにはATフラグを設定するとともにATゲーム数を特定するためのATゲーム数情報を格納する。1以上のゲーム数に決定されATフラグが設定されることにより報知期間に制御される。さらに、AT抽選では、ATフラグが設定されているときにおいてAT抽選条件が成立したときには、初回抽選において決定し得る最大のゲーム数である1000よりも上限が小さい、たとえば0〜200までの範囲内からゲーム数を抽選する報知期間中抽選を行ない、決定したゲーム数を現在のATゲーム数に上乗せ加算された値にATゲーム数情報を更新する。このように、報知期間中抽選で加算するゲーム数を獲得すると遊技者にとっての有利度合いが高まる。なお、報知期間中抽選で加算するゲーム数を獲得したとしても、上乗せ加算後のATゲーム数の上限は、初回抽選において決定し得る最大のゲーム数未満(たとえば、800)に設定されている。すなわち、ATゲーム数として最大の1000が決定され得るのは、ATに制御されていないときにおいてAT抽選条件が成立したときだけであり、ATに制御された後においてAT抽選条件が成立したとしてもATゲーム数として最大の1000に到達することがない。このため、ATに制御されているときであってもAT抽選条件が成立することに注目させるとともにATゲーム数が上乗せされることに対する期待感を抱かせつつ、ATに制御された後においても最大のATゲーム数である1000に到達し得るものと比較して、射幸性が高まりすぎてしまうといった不都合の発生を抑制することができる。
また、上記のように構成した場合においては、さらに、ATゲーム数として最大の1000が決定され得るのは、AT抽選条件のうち成立確率が低い条件(たとえば第8のAT抽選条件など)が成立して初回抽選が行なわれたときだけになるようにしてもよい。これにより、いずれのAT抽選条件が成立した場合であってもATゲーム数として最大の1000が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、ATゲーム数として最大の1000に決定されることに対する価値を高めることができる。
また、上記のように構成した場合においては、さらに、報知期間中抽選において決定し得る最大加算ゲーム数である200に決定し得るのは、AT抽選条件のうち所定の条件(たとえば第8のAT抽選条件など)が成立して報知期間中抽選が行なわれたときだけとなるようにしてもよい。これにより、いずれのAT抽選条件が成立した場合であっても報知期間中抽選において決定し得る最大加算ゲーム数である200が決定され得るものと比較して、射幸性が高まることをより一層抑制することができるとともに、報知期間中においていずれのAT抽選条件が成立するかに対する注目度を向上させることができる。
以上、実施の形態および第1〜第3の例において、報知条件および報知期間の終了条件各々の種類について説明したが、これらのうち一種類の報知条件および報知期間の終了条件のみを採用してATに制御するスロットマシンであってもよく、また、これらのうち複数種類の報知条件および報知期間の終了条件を採用し、遊技者の操作(演出用スイッチ56への操作など)やサブ制御部91による乱数を用いた抽選などにより選択された報知条件および報知期間の終了条件を用いてATに制御するスロットマシンであってもよい。
[AT抽選における先抽選について]
前述した実施の形態においては、第4、第6、第8のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、先抽選が行なわれることなく、100%の確率でナビストック数が付与される例について説明した。しかし、これに限らず、第4、第6、第8のAT抽選条件が成立したときのAT抽選においても、成立したAT抽選条件に応じて予め定められた確率にしたがって先抽選を行なうように構成してもよい。
また、第1〜第3、第5、第7のAT抽選条件が成立したときのAT抽選では、先抽選が行なわれる例について説明した。しかし、これに限らず、第1〜第3、第5、第7のAT抽選条件が成立したときのAT抽選においては、先抽選を行なうことなく、100%の確率でナビストック数が付与されるように構成してもよい。
[一般遊技状態中のナビ演出について]
前述した実施の形態におけるナビ対象役は、通常遊技状態であるときには昇格リプを含む押し順昇格リプレイ1〜6であり、RT3であるときには突入リプあるいは転落リプを含む押し順維持リプレイ1〜5、および押し順突入リプレイ1〜4であり、RT4であるときには押し順メロン1〜5である例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、ナビ対象役に、イチゴやブドウを含め、当選したときにイチゴに当選した旨あるいはブドウに当選した旨を報知するようにしてもよい。
また、通常遊技状態およびRT3であるときにおけるナビ対象役に、押し順メロン1〜5を含めてもよい。この場合、RT4に制御させることなく、RT3において遊技を継続させることによりナビストックを消費することなくメダルを純増させるようなゲーム進行を行なうことができないようにするために、RT3において実行されるナビ演出から想起される押し順と異なる押し順で停止操作されたことを条件として所定のペナルティを課す処理を行なうようにしてもよい。所定のペナルティとしては、ATに制御されるか否かにおいて、遊技者にとって不利益となるものであればよく、たとえば、AT抽選条件が成立したときに遊技者にとって有利度合いが低いAT抽選を行なわせるものであってもよい。たとえば、ATでない旨を示すATフラグに書き換えてATを強制終了させることや、AT抽選条件が成立したとしてもAT抽選を行なわないようにすることなどであってもよい。
[ボーナス中のナビ演出について]
前述した実施の形態においては、ボーナス中にナビ演出を実行しない例について説明した。しかし、ボーナス中であっても、所定の報知条件が成立しているとき(たとえば、ATである旨を示すATフラグが設定されているときなど)であって、所定の当選状況であるときには、当該当選状況に応じたナビ演出を実行するように構成してもよい。
BB中においては、入賞ラインL1に「黒BAR−黒BAR−黒BAR」あるいは「白7−白7−白7」の図柄組合せを停止することができる当選状況となったときに、ナビ演出を実行するようにしてもよい。たとえば、BB強イチゴ当選時には「白7を狙え」といったメッセージを表示するナビ演出を実行してもよく、また、はずれ時には「黒BARを狙え」といったメッセージを表示するナビ演出を実行してもよい。また、非BB中におけるRBにおいては、左メロン当選時に「左を押せ」といったメッセージを表示するナビ演出を実行してもよく、また、中右メロン当選時には「左以外を押せ」といったメッセージを表示するナビ演出を実行してもよい。これにより、ボーナス中における遊技の興趣を向上させることができるとともに、ナビストックを獲得する可能性を向上させることができる。
[メロンの入賞ラインについて]
前述した実施の形態においては、押し順メロン1〜5のいずれかが当選したときには、図14で示したように、当選した押し順メロンの種類に応じた所定の押し順となる操作手順でストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したことを条件として、中リール2Cの「メロン」を中段に停止させてメロン1を3ラインで入賞させ、所定の押し順と異なる操作手順で操作したことを条件として、中リール2Cの「メロン」を上段に停止させてメロン1を1つの入賞ラインに入賞させる例について説明した。しかし、所定の押し順となる操作手順で操作された場合にメロン1が入賞する入賞ライン数は、3つの入賞ラインに限らず、複数であれば、たとえば2つ、4つの入賞ラインであってもよい。また、所定の押し順となる操作手順以外の手順で操作された場合にメロン1が入賞する入賞ライン数は、1つの入賞ラインに限らず、所定の押し順となる操作手順で操作された場合に入賞する入賞ライン数よりも少ない入賞ライン数であれば、たとえば、複数の入賞ラインであってもよい。
また、前述した実施の形態において、メロン1を複数の入賞ラインに入賞させるリール制御が行なわれる手順として、左・中・右リールを所定の順番で停止させる手順を例に説明した。しかし、メロン1を複数の入賞ラインに入賞させるリール制御が行なわれる手順としては、これに限らず、左・中・右リールのうち所定のリールを第2に停止させる手順であってもよく、左・中・右リールのうち所定のリールを第1に停止させる手順であってもよい。これにより、メロン1を複数の入賞ラインに入賞させるリール制御が行なわれる手順のバリエーションが増えるため、興趣を向上させることができる。
[押し順メロン当選時のリール制御について]
前述した実施の形態では、図14において、押し順メロン1〜5のいずれかに当選しているときにおいて、所定の押し順となる操作手順で操作されたときと、所定の押し順となる操作手順以外の手順で操作されたときとで異なるリール制御が行なわれる一例を説明した。しかし、異なるリール制御としては、図14に示すものに限らず、たとえば、所定の押し順となる操作手順で操作されたときには、左リール2Lおよび右リール2R各々について、当選していない入賞役が入賞してしまう場合を除き、停止操作されたタイミングで停止させる制御(停止遅延させない制御)が行なわれ、所定の押し順となる操作手順以外の手順で操作されたときには、左リール2Lおよび右リール2R各々について、当選していない入賞役が入賞してしまう場合を除き、停止操作されたタイミングから停止遅延させて停止させる制御が行なわれるようにしてもよい。
[ATでない旨が特定される状態について]
前述した実施の形態では、ATフラグからATでない旨が特定される状態であるときには、ATに制御されず、ナビ演出が実行されない例について説明した。しかし、ATフラグからATでない旨が特定される状態であっても、所定確率でATに制御してもよく、また所定確率でナビ演出を実行するように構成してもよい。ATフラグからATである旨が特定される状態であるときの方が、ATフラグからATでない旨が特定される状態であるときよりも高い割合で、ATに制御され、ナビ演出が実行されるものであればよい。
[フリーズ演出について]
前述した実施の形態に示すスロットマシンにおいて、ストップスイッチ8L〜8Rやスタートスイッチ7などゲーム進行において操作される操作手段の操作を強制的に無効にするフリーズ制御を行なうようにしてもよい。たとえば、RT4、BB1〜BB3、RBへの制御の開始時あるいは終了時において、フリーズ制御を行なうようにしてもよい。また、フリーズ制御が行なわれている間に、当該フリーズ制御を行なう契機となった事象に対応した演出(たとえば、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等により特定の演出)を行なうようにしてもよい。
[リール回転開始時演出について]
前述した実施の形態に示すスロットマシンにおいて、内部抽選で特定の入賞役(たとえば、BARテンパイリプレイ1〜4、BARリプレイ、BB1など)に当選したときに、リール回転開始時にリール2L〜2Rの動作により特定の演出を実行することにより、特定の入賞役に当選したことを報知するようにしてもよい。特定の演出としては、たとえば、特定のリールのみを他のリールよりも先に回転開始させる演出、他のリールよりも先に回転開始させるリールの回転速度を通常と異なる速度で回転させた後に他のリールを回転開始させるときに通常速度に切替える演出、特定のリールを所定時間逆回転させる演出など、通常と異なる態様で行なわれるものであればどのようなものであってもよい。また、特定の演出を複数種類設け、遊技者の期待度が高い入賞役(たとえば、BARテンパイリプレイ1〜4よりもBARリプレイ、BARリプレイよりもBB1など)に当選しているときほど、特別種類の特定の演出を実行するようにしてもよい。これにより、特定の演出の種類に応じて遊技者の期待度を異ならせることができる。
[その他の変形例について]
(1) 上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
さらに、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、図11〜図14で示したように、昇格リプの入賞手順、突入リプの入賞手順、転落リプレイの回避手順、および中リール2Cの「メロン」を中段停止させる手順が、各々、停止操作の押し順である例について説明したが、これに限らず、停止操作タイミングが含まれるものであってもよく、押し順だけのものや、停止操作タイミングだけのものに限らず、押し順+停止操作タイミングとなるものであってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、SB当選時における取りこぼし出目である特殊出目が導出されることにより、RT1あるいはRT2から通常遊技状態に移行する例について説明したが、通常遊技状態への移行契機はこれに限るものではない。たとえば、SB当選時に限らず、特定の入賞役当選時において当該特定の入賞役(特定の小役、特定の再遊技役)の入賞を発生させることができないときに停止される出目であってもよく、また、特定の入賞役と同時に当選し得る他の特定の入賞役に入賞することであってもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、昇格リプ入賞することにより、通常遊技状態からRT3に昇格し、突入リプ入賞することによりRT3からRT4に移行する例について説明したが、通常遊技状態からRT3への昇格契機およびRT3からRT4への移行契機はこれに限らず、たとえば、所定の入賞役の取りこぼし時にのみ停止する図柄組合せが停止されることであってもよい。これにより、所定の入賞役を取りこぼす代わりに遊技状態が移行されるという面白みを付加することができる。
(5) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。