本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
[スロットマシンの構成]
まず、本実施の形態に用いたスロットマシン1について以下に説明すると、本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「ベル」、「リプレイ」、「スイカA」、「白7」、「黒BAR」、「チェリー」、「スイカB」、「ブランク」、「白BAR」、および「黒7」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ20個ずつ描かれている。「ベル」の図柄は、全体的に黄色の絵柄となり、「スイカA」および「スイカB」の図柄は、全体的に緑色の絵柄となり、「チェリー」の図柄は、全体的に赤色の絵柄からなる。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネルの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、3つのリール2L、2C、2Rのうち、左リール2Lを第1停止することを左第1停止、中リール2Cを第1停止することを中第1停止、右リール2Rを第1停止することを右第1停止と称する。
また、本実施の形態では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作する手順(押し順ともいう)には、順押し、順挟み押し、中左押し、中右押し、逆挟み押し、および逆押しが含まれる。順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる押し順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる押し順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる押し順をいう。
前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、役の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態、後述する打止状態、および遊技状態(たとえば、AT(アシストタイム))などを解除(初期化)するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
また、店員などが前面扉1bを開放した後でないと、リセットスイッチ23は操作できないようになっている。したがって、遊技者などは、リセットスイッチ23を操作できないようになっている。
また、スロットマシンが設置された遊技場における店員などによりリセットスイッチ23が操作されると、遊技制御基板40のRAM41cに格納されているフラグ、および、演出制御基板90のRAM91cに格納されているフラグ(AT当選フラグ)などが全て消去(ラムクリア)されることにより初期化される。また、本実施の形態のスロットマシン1において店員がリセットスイッチ23を操作して、スロットマシン1の設定を初期化することにより、スロットマシン1のエラー状態、打止状態、および遊技状態(たとえば、AT状態)などを解除(初期化)することができる。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1が有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが後述する小役や再遊技役などの図柄組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。なお、本実施の形態においては、これらの役を「入賞役」や「入賞」ともいい、いずれかの役を構成する図柄の組合せが入賞ライン上に停止することを、入賞する、入賞が発生するなどともいう。
本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1のみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
たとえば、入賞ラインは、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とを含んでいてもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。
なお、本実施の形態では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施の形態では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
また、電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、RAM41cには、CBフラグが格納される。CBフラグとは、CBに当選したことを特定できるフラグである。本実施の形態においては、CB当選すると、CBに入賞するまでRAM91cにCBフラグが格納され、CBに入賞したときに、当該CBフラグはクリアされる。これにより、CB当選したが遊技者がCB入賞させることができなかったときには、CB当選を次ゲーム以降に持ち越すことができる。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(メイン)を実行し、一定時間間隔ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。次に、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。このように電断処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。ここで、遊技制御基板40から演出制御基板90へは、たとえば、ダイオードやトランジスタなどの単方向性回路などを用いて、一方向(遊技制御基板40から演出制御基板90への方向)のみにしか信号が通過できないように構成されている。そのため、遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、およびリールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させるようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
また、RAM91cには、AT当選フラグ、煽り演出フラグが格納されることが可能となる。AT当選フラグは、AT当選したこと、および、ATに制御され得ることを特定できるフラグである。サブ制御部91は、AT当選フラグがRAM91cに格納されているときに、ATに制御することができる。また、煽り演出フラグは、後述する煽り演出が実行され得ることを特定できるフラグである。サブ制御部91は、煽り演出フラグがRAM91cに格納されているときに、煽り演出を実行することができる。
[設定値]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。払出率は、たとえば、所定ゲームの間において、「メダルが払出された枚数」/「メダルの消費枚数」で算出される。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
また、RT1とRT0とで、各設定値に対応するメダルの払出率は異なるように設計されている。たとえば、RT1では、設定値1〜6それぞれについて、メダルの払出率は、98%、100%、102%、104%、106%、108%となるように定められているのに対し、RT0では、設定値1〜6それぞれについて、メダルの払出率は、88%、90%、92%、94%、96%、98%となるように定められている。本実施の形態においては、RT1の方がRT0よりも、いずれの設定値においてもメダルの払出率が高くなるように設定されている。したがって、RT1の方がRT0よりも有利な状態であるといえる。
[電断処理]
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、サブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
[初期化]
次に、店員によりリセットスイッチ23が操作されたときなどにより実行されるメイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データなど、初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数など、初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
また、店員によりリセットスイッチ23が操作されることにより、サブ制御部91のRAM91cも初期化される(RAM91cに格納されている全てのフラグがクリアされる)。
本実施の形態においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
[入賞ライン]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1が有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ラインL1上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、メダルを用いることなく賭数が自動設定されて次のゲームを行うことが可能な再遊技役とがある。なお、本実施の形態では、小役と再遊技役のみを備える構成であるが、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役を備えていてもよい。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。なお、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
[内部抽選]
以下、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。なお、内部当選フラグ格納ワークに設定された当選フラグは、1ゲームごとにクリアされる。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、セキュリティチェックプログラムに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスとからなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した20の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も20であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から20番図柄に対して、それぞれ1〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
[送信コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施の形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、フリーズ解除コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、判定用役当選コマンド、およびAT信号出力コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を特定できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、フリーズ(ゲームの進行を所定時間遅延させる制御状態)の開始を特定可能なコマンドであり、フリーズの開始時に送信される。
フリーズ解除コマンドは、実行中のフリーズを解除したことを特定可能なコマンドであり、フリーズの解除時に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインL1に揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、ならびに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
状態コマンドは、次ゲームの状態が後述するRT0であるかまたはRT1であるかを特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。また、サブ制御部91により、状態コマンドから特定される遊技状態を示す状態フラグがRAM91cに格納される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、打止状態が開始した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間ごとに送信される。また、操作検出コマンドは、遊技の進行に関連する操作スイッチの検出状態のみならず、リセットスイッチ23の検出状態も示すコマンドである。
判定用役当選コマンドは、判定用役(本実施の形態においては、押し順リプ1、押し順リプ2、通常リプ)に当選したこと、および当選した判定用役の種類を示すコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されて判定用役に当選した場合にゲームが開始したときにコマンドバッファに格納された後送信される。
ここで、判定用役とは、当選したときにメイン制御部41により所定の停止順種別が抽選によって決定される役であり、メイン制御部41は、停止順種別によって特定される押し順と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解したことを特定する。なお、判定用役当選コマンドには停止順種別を示す情報も付加される。本実施の形態においては、判定用役として、押し順リプ1、押し順リプ2、および通常リプが定められている。
AT信号出力コマンドは、AT(アシストタイム)への制御を示すAT信号を外部出力したことを示すコマンドであり、AT信号の出力命令を設定した際にコマンドバッファに格納された後送信される。
ATとは、後述するナビストックを獲得することにより、所定ゲーム数の間、遊技者にとって有利となるナビ演出が実行される期間のことである。ナビ演出とは、AT中に所定の役に当選したときに、遊技者にとって有利となるストップスイッチの押し順を想起させるメッセージが、液晶表示器51に表示されたり、スピーカ53、54によって音声出力されたりする演出のことである。遊技者は、このナビ演出に従ってストップスイッチを操作することにより、純増枚数を増やせるなど有利に遊技を進めることができるようになっている。
本実施の形態におけるナビ演出には、判定用ナビ演出と、通常のナビ演出とが含まれている。判定用ナビ演出とは、メイン制御部41が、AT中であるか否かを判定するために用いられるナビ演出であり、通常のナビ演出とは、判定用ナビ演出とは異なり、AT中であるか否かを判定するためには用いられないナビ演出である。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路の送信データレジスタに転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。なお、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行されるごとに、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、シリアル通信回路に転送することで、サブ制御部91に送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41から特定のコマンドを受信した場合に、該特定のコマンドに対応する制御パターンによる演出を行う。たとえば、エラーコマンドを受信した場合に、エラー状態に対応する制御パターンにてエラー報知演出を行い、待機コマンドを受信した場合に、待機状態を示すデモ演出を行う。
また、サブ制御部91は、操作検出コマンドから特定されるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)を時系列にて複数個バッファしておくとともに、これらバッファされているMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)に基づいて、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態が変化したか否かを特定可能とされており、これらの検出状態の変化を特定することで、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況を特定できるようになっている。
また、本実施の形態において、サブ制御部91は、AT中にメイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信した場合に、判定用ナビ演出処理を実行する。メイン制御部41は、この判定用ナビ演出に従って遊技者が操作したストップスイッチの押し順に基づき、AT中であるか否かを判定することができるようになっている。
また、本実施の形態において、サブ制御部91は、メイン制御部41からAT信号出力コマンドを受信した場合に、AT信号出力フラグ制御処理を実行する。AT信号出力フラグは、AT信号が出力されたことを示すフラグであり、サブ制御部91はAT信号出力フラグがセットされているか否かによって、AT中にAT信号が出力されたか否かを識別する。そして、AT中にAT信号が出力されるまでは判定用ナビ演出を実行し、AT信号の出力後以降は判定用ナビ演出ではなく、通常のナビ演出を実行する。
[入賞役]
本実施の形態のスロットマシン1においては、入賞ラインL1上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、大きく分けて、遊技者にとって有利な状態に移行させるCB(チャンスボーナス)と、メダルの払い出しを伴う小役と、再遊技役とがある。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
図5は、CBおよび小役の種類、CBおよび小役の図柄組み合わせ、払出枚数、およびCBおよび小役に関連する技術事項について説明するための図である。図6は、再遊技役の種類、再遊技役の図柄組み合わせ、作動、および再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。
図5を参照して、入賞役のうちCBについて説明する。CBは、「ブランク−ブランク−ブランク」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。なお、ブランクの図柄とは、たとえば、左リール2Lの図柄番号「8」の星柄図柄である。図5を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、通常ベル、左スイカ1枚1〜8、左リプ1枚1〜16、チェリー1〜3、スイカ1〜8、チャンス1、2、1枚1〜3が含まれる。小役は、入賞ラインL1において、図5に示す各々の役に対応する図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
たとえば、通常ベルは、入賞ラインL1上に「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、賭数を設定するためのメダル枚数(3枚)よりも多い8枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、通常ベルの構成図柄のうちベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。そのため、後述する内部抽選において通常ベルに単独当選しているときには、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役に入賞するようになっている。つまり、通常ベルは取りこぼしのない役である。
次に、左スイカ1枚1〜8について説明する。左スイカ1枚1〜8のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、左スイカ1枚1〜8の構成図柄のうちスイカAおよびスイカBは、左リール2Lにおいてそれぞれ5コマ以内に配置されていない。そのため、左スイカ1枚1〜8のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、左スイカ1枚1〜8のうち複数の役が同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、左リプ1枚1〜16について説明する。左リプ1枚1〜16のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、左リプ1枚1〜16の構成図柄のうち白7、黒7、黒BAR、および白BARは、左リール2Lにおいてそれぞれ5コマ以内に配置されていない。そのため、左リプ1枚1〜16のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、左リプ1枚1〜16のうち複数の役と通常ベルとが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、チェリー1〜3について説明する。チェリー1〜3のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。チェリー1またはチェリー2に入賞したときには、左リール2Lにおいてチェリーの図柄が下段に停止する。そのため、チェリー1およびチェリー2は、下段チェリーまたは弱チェリーともいう。チェリー3に入賞したときには、左リール2Lにおいてチェリーの図柄が中段に停止する。そのため、チェリー3は、中段チェリーまたは中チェリーともいう。ここで、図3を参照すると、チェリー1〜3の構成図柄のうち黒7、黒BAR、およびスイカBは、左リール2Lにおいてそれぞれ5コマ以内に配置されていない。そのため、チェリー1〜3のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、スイカ1〜8について説明する。スイカ1〜8のいずれかに入賞したときには、5枚のメダルが払い出される。また、スイカ1〜8のいずれかに入賞したときには、スイカ図柄が一直線上に揃うように表示結果が導出される。さらに、スイカ7またはスイカ8に入賞したときには、左リール2Lにおいてチェリーの図柄が中段に停止する。そのため、スイカ7およびスイカ8は、中段チェリーまたは強チェリーともいう。ここで、図3を参照すると、スイカ1〜8の構成図柄のうちスイカAは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。そのため、スイカ1〜8のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、チャンス1およびチャンス2について説明する。チャンス1およびチャンス2のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、チャンス1およびチャンス2の構成図柄のうち白BARは、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていない。そのため、チャンス1またはチャンス2に単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、1枚1〜3について説明する。1枚1〜3のいずれかに入賞したときには、1枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、1枚1〜3の構成図柄のうち白BAR、黒7、およびチェリーは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。そのため、1枚1〜3のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、図6を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプ、ベルリプ1〜5、7揃いリプ、および7フェイクリプ1〜5が含まれる。再遊技役は、入賞ラインL1において、図6に示す各々の役に対応する図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
たとえば、通常リプは、入賞ラインL1上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ここで、図3を参照すると、通常リプの構成図柄であるリプレイは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。そのため、通常リプに単独当選しているときには、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役に入賞するようになっている。つまり、通常リプは取りこぼしのない役である。
次に、ベルリプ1〜4について説明する。ベルリプ1〜4は、入賞ラインL1上にベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。図6に示すように、ベルリプ1〜4のそれぞれは、異なる図柄の組み合わせから構成されている。そのため、入賞ラインL1上にベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄の組み合わせが揃っても、見た目上、入賞ラインL1上にハズレ表示結果が導出されたと遊技者に認識させるようになっている。
さらに、ベルリプ1〜4に入賞したときには、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、および右リール2Rの上段のそれぞれにベル図柄が停止する。このように、ベルリプ1〜4のいずれかに入賞したときには、入賞ラインL1上にベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄の組み合わせが表示されるとともに、入賞ラインL1上とは異なるリールの上段に跨った位置にメダルの付与を伴う通常ベルに対応する図柄の組み合わせが表示される。
なお、図3を参照すると、ベルリプ1〜4の構成図柄のうち白7、黒7、黒BAR、および白BARは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていない。そのため、ベルリプ1〜4に単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。なお、本実施の形態においては、ベルリプ1〜4すべてと通常リプとが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
次に、ベルリプ5について説明する。ベルリプ5は、入賞ラインL1上にベルリプ5に対応する図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。図6に示すように、ベルリプ5は、異なる図柄の組み合わせから構成されている。そのため、入賞ラインL1上にベルリプ5に対応する図柄の組み合わせが揃っても、見た目上、入賞ラインL1上にハズレ表示結果が導出されたと遊技者に認識させるようになっている。
さらに、ベルリプ5に入賞したときには、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、および右リール2Rの下段のそれぞれにベル図柄が停止する。このように、ベルリプ5に入賞したときには、入賞ラインL1上にベルリプ5に対応する図柄の組み合わせが表示されるとともに、入賞ラインL1上とは異なる左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、および右リール2Rの下段に跨った位置にメダルの付与を伴う通常ベルに対応する図柄の組み合わせが表示される。
なお、図3を参照すると、ベルリプ5の構成図柄のうちリプレイおよびベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。そのため、ベルリプ5に単独当選しているときには、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役に入賞するようになっている。つまり、ベルリプ5は取りこぼしのない役である。なお、本実施の形態においては、ベルリプ5と通常リプとが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
また、本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、メイン制御部41により、ベルリプフリーズ実行処理によって、ゲームの進行を遅延するベルリプフリーズが実行される。フリーズとは、ゲームの進行を遅延させるためにメイン制御部41が実行する制御のことである。特に、ベルリプフリーズとは、ベルリプ1〜5のいずれかが入賞したときのみ行われるフリーズである。ベルリプフリーズが発生すると、これを解除する特定条件が成立するまでの間、次のゲームのスタート操作が無効化される。特定条件は、ベルリプフリーズの開始から所定時間(本実施の形態においては、30秒)経過したこと、MAXBETスイッチ6を用いたMAXBET操作があったこと、および精算スイッチ10を用いたクレジット精算操作があったこと、のいずれかである。ただし、ベルリプフリーズを解除するときのMAXBET操作においては、メダルの消費がされることがない。また、ベルリプフリーズを解除するときのクレジット精算操作においては、クレジットが精算されることがない。
前述したように、ベルリプ1〜5の入賞図柄の組み合わせは、見た目上、遊技者にハズレ表示結果が導出されたと認識させるようになっている。そのため、仮に、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、同時に通常ベルに対応する図柄の組み合わせが表示されないとすると、ハズレ表示結果が導出されたように見えるにもかかわらず、メダルを消費することなく次のゲームのための賭数が自動設定されるため、遊技者に違和感を与えてしまう。しかしながら、本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかの入賞が発生したときに、遊技者に対して、一見、通常ベルの入賞が発生したかのように認識させることができる。しかも、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに行われるベルリプフリーズを解除するためにはMAXBET操作をする必要があるため、制御的にはベルリプ1〜5のいずれかの入賞によって賭数が自動設定されていても、遊技者に対して通常ベルが入賞した後にMAXBET操作を伴い次のゲームを開始できるようになったかのように思わせることができ、違和感を感じさせない。あるいは、ベルリプフリーズを解除するためにはクレジット精算操作をする必要があるため、通常ベルが入賞した後にクレジット精算操作をして遊技を終えようとした遊技者に対しては、一向に精算されない上に次のゲームのための賭数が自動設定されるため、導出された結果がベルリプ1〜5のいずれかであると理解させることができ、違和感を感じさせることがない。
さらに、本実施の形態において、通常ベルに入賞したときには、ゲームを開始可能とするために賭数を設定するときに用いられるメダル枚数(3枚)よりも多い8枚のメダルが払い出される。これにより、ベルリプ1〜5のいずれかの入賞が発生したときに、通常ベルの入賞が発生したときにメダルが付与されたときと同じように、遊技者に対してMAXBETスイッチ6や精算スイッチ10の操作を自然に促すことができる。
ここで、本実施の形態のように、通常ベルに入賞したときには、ゲームを開始可能とするために賭数を設定するときに用いられるメダル枚数(3枚)よりも多い8枚のメダルが払い出されるものではなく、仮に、賭数を設定するときに用いられるメダル枚数(3枚)よりも少ない1枚や2枚のメダルが払い出される場合、遊技者は次のゲームを開始するためにメダルを投入する可能性がある。この場合、ベルリプフリーズを解除するために、メダルが投入されたことを検知するための装置をメダルセレクタとは別に設ける必要があり、その分、製作コストが掛かったり、処理時間が増えてしまうといった問題がある。しかしながら、本実施の形態におけるスロットマシン1は、通常ベルに入賞したときには、ゲームを開始可能とするために賭数を設定するときに用いられるメダル枚数(3枚)よりも多い8枚のメダルが払い出されるため、遊技者は自然とMAXBETスイッチ6や精算スイッチ10の操作を行うため、上記のような問題は生じない。
次に、7揃いリプについて説明する。7揃いリプに入賞したときには、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。ここで、図3を参照すると、7揃いリプの構成図柄のうち白7は、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。そのため、7揃いリプに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
次に、7フェイクリプ1〜5について説明する。7フェイクリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。ここで、図3を参照すると、7フェイクリプ1〜5の構成図柄のうち白7、黒7、黒BAR、白BARは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていない。そのため、7フェイクリプ1〜5のいずれかに単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはない。
[遊技状態について]
次に、図7を用いて、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。図7は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図7に示すように、本実施の形態のスロットマシン1は、主にRT0とRT1の2つの遊技状態を備える。また、RT0は、通常RT0および特定RT0を含む状態である。以下に説明するように、通常RT0と特定RT0とは、同一のRT0状態であるが、説明の都合上、使い分けて説明する。
RT1は、RT0においてCB当選すると制御される状態である。また、RT1は当該当選したCBが持ち越された状態である。また、RT1で、CBが入賞するとCB中(CBゲーム)に制御される。また、RT0は、当該CB中において、所定の終了条件が成立することによりCBゲームが終了すると制御される状態であり、つまり、CBが当選していない状態である。所定の終了条件とは、たとえば、CBゲーム中において所定枚数のメダルが払い出されることにより成立する条件や、CBゲームが所定ゲーム消化されることにより成立する条件である。
また、前述では、店員によりリセットスイッチ23が操作されることにより、スロットマシン1が初期化されると説明したが、RT1において当該初期化がされると、特定RT0に制御される。つまり、リセットスイッチ23が操作されたときには、スロットマシン1のエラー状態、打止状態、および遊技状態(たとえば、AT状態)などが解除されるとともに、RT1から特定RT0に制御される。また、特定RT0において、CB当選すると、RT1に制御される。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、殆どのゲームをRT1に制御されている状態で遊技者に遊技させるものであり、RT0に制御されている状態のゲームについては、滅多に遊技者に遊技させないようになっている。つまり、通常は、遊技者に対してRT1に制御されている状態で遊技させるが、稀にCBが入賞してしまうことでRT0に制御されてしまう。これにより、殆どのゲームをCBの当選が持ち越されている状態(つまりRT1)で遊技者に遊技させることができ、斬新なゲーム性を実現できる。後述するように、殆どのゲームは、RT1に制御された状態で遊技者により遊技されることから、通常時のゲームはRT1に制御された状態で遊技させることになる。
また、本実施の形態においては、RT1は、定められた設計値に基づいたメダルの払出率が担保された状態であるが、RT0では、通常、遊技することが想定されていないので、RT0は、RT1よりも後述するメダル払出率が低く設定されている。つまり、RT0では、RT1のときのメダルの払出率が担保されていないということになる。これは、RT0でのメダルの払出率は、通常時(つまりRT1)でのメダルの払出率とは異なることから、RT0は、通常時(つまりRT1)の設計値に基づいたメダルの払出率が担保されていない状態であることを意味する。
また、本実施の形態において、サブ制御部91は、「次ゲームの状態がRT0であることが特定される状態コマンド」および「リセットスイッチ23の操作が検出されたことが特定される操作検出コマンド」をメイン制御部41から受信したときには、次ゲームの状態が「特定RT0」である旨を特定する。また、サブ制御部91は、「次ゲームの状態がRT0であることが特定される状態コマンド」をメイン制御部41から受信したが、「リセットスイッチ23の操作が検出されたことが特定される操作検出コマンド」をメイン制御部41から受信しなかったときには、次ゲームの状態が「通常RT0」である旨を特定する。また、サブ制御部91が、「リセットスイッチ23の操作が検出されたことが特定される操作検出コマンド」を受信したときに、RAM91cにRT0が特定される状態フラグが格納されていれば、次のゲームが「特定RT0」である旨を特定するようにしてもよい。また、店員などによりリセットスイッチ23が操作されたときに、メイン制御部41は、特定RT0が特定される状態コマンドをサブ制御部91に送信するようにしてもよい。そして、サブ制御部91が、特定RT0が特定される状態コマンドを受信すると、次のゲームが特定RT0であるとして特定するようにしてもよい。なお、サブ制御部91は、次のゲームが特定RT0であることを特定すると、特定RT0を特定できる状態フラグをRAM91cに格納する。
また、スロットマシン1は、殆どのゲームをRT1に制御されている状態で遊技者に遊技させるものである。当該RT1において、再遊技役の当選確率の高低によって、遊技者間での有利度合いが変化するものではないが、その分、ATに制御されることは遊技者にとって非常に重要となる。つまり、再遊技役の当選確率が遊技状態に応じて変化しないスロットマシン1では、図8で示したようにAT中に通常ベルを入賞させてメダルの純増枚数を増やすことで有利に遊技を進めることが、勝敗を分ける重要な要素となる。
本実施の形態においては、メイン制御部41がサブ制御部91によってATに制御されたことを特定したときに外部出力制御処理においてAT信号を外部出力することで、データ表示端末などの外部機器により、ATに移行した旨、およびATのセット回数を画面に表示するなどして遊技者に報知するようになっている。これにより、外部機器により、ATに移行した旨、およびATのセット回数が報知されたときには、ATに対する大きな期待をもっている遊技者に対して、大きな喜びを享受させることができるようになっている。
[抽選対象役]
次に、図8、図9を参照して、抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施の形態では、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図8、図9においては、抽選対象役ごとに入賞役の組み合わせ、所定の設定値(たとえば設定値1)における判定値数、およびリール制御についての内容を示す。入賞役の組み合わせにおいては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。判定値数においては、その分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「9309」が設定されている抽選対象役である押し順ベル1の当選確率は、9309/65536となる。なお、本実施の形態においては、通常、遊技者が遊技を進行するに際に遊技状態は変化しない。そのため、図8、図9に示すように、それぞれの抽選対象役に対して判定値数は1つだけ設定されている。
図8に示すように、本実施の形態における小役の抽選対象役としては、CB、押し順ベル1〜4、左スイカ1〜4、チェリー1〜3、スイカ1〜8、チャンス1、2、および1枚1〜3が設定されている。また、各々の抽選対象役については、対応する入賞役が読み出される。
CBは、CB+スイカ1が読み出される抽選対象役である。CBは、RT0であるときの判定値数として「6553」が設定されている。このため、RT0であるときには、CBは、おおよそ10ゲームに1回ほどの頻度で当選するようになっている。一方、RT1は、CBが内部当選している状態であることからRT1であるときの判定値数として「0」が設定されている。なお、以下で説明する通常リプおよび全ての小役の判定値数は、RT0およびRT1で同一の値が設定されている。
押し順ベル1は、通常ベル+左リプ1枚1+左リプ1枚6+左リプ1枚11+左リプ1枚16+左スイカ1枚1〜8が読み出される抽選対象役である。押し順ベル2は、通常ベル+左リプ1枚2+左リプ1枚5+左リプ1枚12+左リプ1枚15+左スイカ1枚1〜8が読み出される抽選対象役である。押し順ベル3は、通常ベル+左リプ1枚3+左リプ1枚8+左リプ1枚9+左リプ1枚14+左スイカ1枚1〜8が読み出される抽選対象役である。押し順ベル4は、通常ベル+左リプ1枚4+左リプ1枚7+左リプ1枚10+左リプ1枚13+左スイカ1枚1〜8が読み出される抽選対象役である。なお、押し順ベル1〜4は、それぞれ判定値数として「9309」が設定されている。そのため、押し順ベル1〜4のいずれかには、おおよそ2ゲームに1回ほどの頻度で当選するようになっている。
左スイカ1は、左スイカ1枚1+左スイカ1枚4が読み出される抽選対象役である。左スイカ2は、左スイカ1枚2+左スイカ1枚3が読み出される抽選対象役である。左スイカ3は、左スイカ1枚5+左スイカ1枚8が読み出される抽選対象役である。左スイカ4は、左スイカ1枚6+左スイカ1枚7が読み出される抽選対象役である。ここで、左スイカ1枚1〜8は、それぞれ単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはないが、図8に示すように、左スイカ1枚1〜8のうち複数の役が同時当選することにより、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。
チェリー1〜3は、チェリー1〜3がそれぞれ読み出される抽選対象役である。スイカ1〜8は、スイカ1〜8がそれぞれ読み出される抽選対象役である。チャンス1、2は、チャンス1、2がそれぞれ読み出される抽選対象役である。1枚1〜3は、1枚1〜3がそれぞれ読み出される抽選対象役である。
図9に示すように、本実施の形態における再遊技役の抽選対象役としては、通常リプ、押し順リプ1、押し順リプ2、7揃いリプ、フェイクリプ1、およびフェイクリプ2が設定されている。通常リプは、通常リプが読み出される抽選対象役である。なお、RT0およびRT1において、通常リプは、判定値数として「8978」が設定されている。そのため、通常リプには、おおよそ7ゲームに1回ほどの頻度で当選するようになっている。また、通常リプ以外の再遊技役については、RT1では、図9に示す判定値が設定されているが、RT0では、全て「0」に設定されている。
押し順リプ1は、通常リプ+ベルリプ1+ベルリプ2+ベルリプ3+ベルリプ4が読み出される抽選対象役である。ここで、ベルリプ1〜4は、それぞれ単独当選しても、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ、当選している役に入賞することはないが、図9に示すように、ベルリプ1〜4すべてと通常リプとが同時当選するため、ストップスイッチの操作タイミングにかかわらず当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。押し順リプ2は、通常リプ+ベルリプ5が読み出される抽選対象役である。通常リプおよびベルリプ5は取りこぼしがない役であるため、押し順リプ2に当選したときには、当選している役のうちいずれかに入賞するようになっている。なお、押し順リプ1および押し順リプ2は、それぞれ判定値数として「8714」が設定されている。そのため、押し順リプ1および押し順リプ2のいずれかには、おおよそ3ゲームに1回ほどの頻度で当選するようになっている。
7揃いリプは、7揃いリプが読み出される抽選対象役である。フェイクリプ1は、7フェイクリプ1+7フェイクリプ2+7フェイクリプ3+7フェイクリプ4が読み出される抽選対象役である。フェイクリプ2は、7フェイクリプ5が読み出される抽選対象役である。
また、RT0において再遊技役として通常リプしか当選せずに、当該通常リプの判定値が8978であることから、おおよそ7ゲームに1回の頻度で再遊技役(通常リプ)が当選するが、RT1においては、全ての再遊技役のうちいずれかに当選し、これらの再遊技役の判定値の合計値は26540になることから、おおよそ3ゲームに1回の頻度で再遊技役のいずれかに当選することになる。
また、本実施の形態においては、RT0、RT1ともに、当選した(または当選が持ち越されている)CBと共に、小役またはリプレイが当選した場合には、CBを入賞させずに、当選した小役またはリプレイを優先して入賞させる。また、当選した小役またはリプレイを入賞させることができる適正タイミング以外のタイミングで遊技者によりストップスイッチが操作されたとき(つまり、当選した小役を取りこぼしたとき)には、当該当選した小役またはリプレイを入賞させないとともに、CBも入賞させないようにする。具体的には、CBの構成図柄よりも、小役または小役の取りこぼし出目の構成図柄を優先的に導出しようとすることから、CBが入賞されないリール制御が行われる。このようにすることにより、CB当選したRT0においてもCBには入賞させず、CB当選が持ち越されるRT1に移行させることができる。
つまり、RT1においてCBが入賞するときというのは、CBが単独当選したとき(小役やリプレイが当選しなかったとき)であり、かつ、「ブランク−ブランク−ブランク」の組合せが揃ったときである。ここで、図8および図9に示すように、RT1であるときの、全ての小役および全ての再遊技役の判定値数を合算すると、「65535」となる。つまり、RT1においては、殆どの場合において(65535/65536の確率で)、全ての小役および全ての再遊技役のうちいずれかが当選することになる。一方、1/65536の確率で、全ての小役および全ての再遊技役のうちいずれにも当選しないことになり、CBが単独当選することになる。つまり、RT1において、1/65536の確率で、CBが入賞可能な状態(RT0に制御される可能性のある状態であり、以下では「CB入賞可能状態」という。)になり、当該CB入賞可能状態は、滅多にならない状態であるといえる。
このように、RT1では、RT0に制御される可能性のある状態には、滅多にならないようにすることにより、殆どのゲームをRT1で遊技者に遊技させることができるので、斬新なゲームを実現することができる。
なお、CB入賞可能状態になる確率は、1/65536としたが、他の小役または再遊技役のいずれかに当選する確率よりも低ければ、如何なる値でもよい。
[押し順ベル当選時のリール制御]
次に、図8を用いて、押し順ベル1〜4のいずれかに当選した時のリール制御について説明する。
押し順ベル1が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうち引き込み範囲内で左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中左押しされたときには、当選した役のうち通常ベルに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中右押しされたときには、当選した役のうち左スイカ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。右第1停止されたときには、当選した役のうち左スイカ5〜8のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
押し順ベル2が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうち引き込み範囲内で左リプ1枚2、左リプ1枚5、左リプ1枚12、および左リプ1枚15のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中左押しされたときには、当選した役のうち左スイカ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中右押しされたときには、当選した役のうち通常ベルに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。右第1停止されたときには、当選した役のうち左スイカ5〜8のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
押し順ベル3が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうち引き込み範囲内で左リプ1枚3、左リプ1枚8、左リプ1枚9、および左リプ1枚14のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中第1停止されたときには、当選した役のうち左スイカ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。逆挟み押しされたときには、当選した役のうち通常ベルに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。逆押しされたときには、当選した役のうち左スイカ5〜8のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
押し順ベル4が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうち引き込み範囲内で左リプ1枚4、左リプ1枚7、左リプ1枚10、および左リプ1枚13のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。中第1停止されたときには、当選した役のうち左スイカ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。逆挟み押しされたときには、当選した役のうち左スイカ5〜8のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。逆押しされたときには、当選した役のうち通常ベルに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
ここで、上記のようなリール制御が行われる理由は、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるかが、一義的に決められているからである。
たとえば、押し順ベル1に当選したときに遊技者が左第1停止をした場合には、当選した役のうち入賞の可能性が高い左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかを入賞させるための図柄である「リプレイ」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。
入賞の可能性が高い左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかを入賞させるための図柄を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させる具体例を以下に説明する。たとえば、押し順ベル1に当選したときに遊技者が左第1停止をした場合には、図5に示すように、押し順ベル1に含まれるいずれかの役を入賞させるためには、「ベル」、「リプレイ」、「スイカA」、「スイカB」のいずれかを入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させる必要がある。ここで、「ベル」を入賞ラインL1に引き込むよりも、「スイカA」や「スイカB」、もしくは「リプレイ」を入賞ラインL1に引き込んだ方が入賞役の選択肢が多い(たとえば、「ベル」を停止させると入賞役の選択肢は通常ベルの1種類のみだが、「リプレイ」を停止させると入賞役の選択肢は左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16の4種類ある)。そのため、本実施の形態においては、押し順ベル1に当選したときに遊技者が左第1停止をした場合には、入賞の可能性が高い左リプ1枚1、左リプ1枚6、左リプ1枚11、および左リプ1枚16のいずれかを入賞させるための図柄である「リプレイ」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。
また、押し順ベル1に当選したときに遊技者が中第1停止をした場合には、当選した役のうち入賞の可能性が高い通常ベルおよび左スイカ1枚1〜4のいずれかを入賞させるための図柄である「ベル」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。その後、遊技者が第2停止として左リール2Lを停止させた場合には、入賞の可能性が残った通常ベルおよび左スイカ1枚1〜4のうち払出枚数が多い通常ベルを入賞させるための図柄である「ベル」を入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるようになっている。
このように、本実施の形態においては、遊技者がストップスイッチを操作したときに、払出枚数が多い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させるか、あるいは、入賞の可能性が高い入賞役を入賞させるための図柄を優先的に入賞ラインL1に引き込んでリールを停止させることで、当選した役のうち押し順に応じて入賞する役を異ならせている。
なお、本実施の形態においては、後述するAT中ではない、非AT中のゲームにおいて左第1停止させなかった場合には、左第1停止させたときには科されることのない遊技者にとって不利な所定のペナルティを生じさせる制御が行われる。これは、演出状態が非AT中のゲームにおいて遊技者に中第1停止または右第1停止することを促すためである。つまり、本実施の形態のスロットマシン1は、非AT中のゲームにおいて遊技者に左第1停止させるように設計されている。
所定のペナルティとしては、後述するナビストックを付与するか否かのAT抽選において、AT当選確率や付与されるナビストック数の期待値が低下されたり、後述するATフリーズが実行されなくなったりする。これにより、ペナルティが科されてしまうと、遊技者にとって有利となるATに制御されにくくなるため、ペナルティが科されないように、遊技者は非AT中に左第1停止でストップスイッチを操作するようになる。
図8で示したように、非AT中に押し順ベル1〜4のいずれかに当選したときには、遊技者が左第1停止をする限り、左リプ1枚1〜16のいずれかに入賞する。また、仮に遊技者がペナルティを犯しながら中第1停止または右第1停止をしても、払い出しの多い通常ベルを入賞させるための押し順は分からない。そのため、非AT中においては、おおよそ2ゲームに1回ほどの頻度でメダル1枚の払い出しとなる。その結果、非AT中においては、メダルの純増枚数を増やすことが困難となる。
一方、AT中に押し順ベル1〜4のいずれかに当選したときには、中第1停止または右第1停止をしてもペナルティが科されないため、後述するナビ演出に従ってストップスイッチを操作することにより、通常ベルに入賞する。そのため、AT中においては、おおよそ2ゲームに1回ほどの頻度でメダル8枚の払い出しとなる。その結果、AT中においては、非AT中に比べてメダルの純増枚数を増やすことが可能となる。
[押し順リプ当選時のリール制御]
次に、図9を用いて、押し順リプ1および押し順リプ2のいずれかに当選した時のリール制御について説明する。
押し順リプ1が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうちベルリプ1〜4のいずれかに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。一方、押し順リプ1が当選したゲームにおいて中第1停止または右第1停止されたときには、当選した役のうち通常リプに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
押し順リプ2が当選したゲームにおいて左第1停止されたときには、当選した役のうちベルリプ5に対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。一方、押し順リプ2が当選したゲームにおいて中第1停止または右第1停止されたときには、当選した役のうち通常リプに対応する図柄組み合わせを入賞ラインL1に揃えて停止させるリール制御が行われる。
このように、本実施の形態においては、遊技者によるストップスイッチの操作態様に応じて、ベルリプ1〜5および通常リプのうち発生する入賞が異なるため、いずれにおいてもメダルを用いることなく次のゲームを行うことができる点では同じでも、入賞の種類を異ならせることにより異なる遊技性をもたせることができる。
また、図9で示したように、非AT中に押し順リプ1または押し順リプ2に当選したときには、遊技者が左第1停止をする限り、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞する。そのため、非AT中においては、おおよそ3ゲームに1回ほどの頻度でベルリプ1〜5が入賞して、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。ここで、前述したように、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、遊技者に対して、見た目上、通常ベルに入賞したかのように思わせることができる。そのため、非AT中においては、実際は、おおよそ3ゲームに1回ほどの頻度で次のゲームが再遊技となっているが、遊技者の中には、おおよそ3ゲームに1回ほどの頻度で通常ベルの入賞によって、賭数に用いられるメダル枚数以上のメダル払い出しを受けているかのように思わせることができる。
一方、AT中に押し順リプ1または押し順リプ2に当選したときには、遊技者は中第1停止または右第1停止をしてもペナルティが科されないため、中第1停止または右第1停止を促す後述のナビ演出に従ってストップスイッチを操作することにより、通常リプに入賞する。そのため、AT中においては、通常リプに単独当選したときにおおよそ7ゲームに1回ほどの頻度で通常リプが入賞するのに加えて、押し順リプ1または押し順リプ2に当選したときにもおおよそ3ゲームに1回ほどの頻度で通常リプが入賞して、メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる。これにより、実際は、遊技状態の移行はないため再遊技役の当選確率は向上しないが、遊技者に対して、ATに制御されたと同時に遊技状態が移行してあたかも再遊技役の当選確率が向上したかのように思わせることができる。
このように、本実施の形態においては、ATに制御されたか否かに応じて、ベルリプ1〜5および通常リプのうち発生する入賞が異なるため、ATに制御されたか否か、さらには、いずれの再遊技役を入賞させるためのナビ演出を実行するかに応じて、入賞の種類を異ならせることができ、遊技の進行に応じた制御を実行することができる。
[外部出力について]
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。これら外部出力信号は、メイン制御部41の制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータやスロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などの外部機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、ATの開始を示すAT信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
なお、本実施の形態では、他のスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態を示す予備の信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
外部出力基板には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号ごとの端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、AT信号は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、AT信号は、情報提供端子板1010を介して外部機器へ出力される。一方、外部出力基板から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号に再変換されて外部機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。このため本実施の形態では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板を介して、外部機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
なお、本実施の形態のように、外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、および払出エラー信号をまとめてセキュリティ信号に変換して外部出力するものに限らない。たとえば、ドア開放信号のみを、設定変更信号、投入エラー信号、および払出エラー信号とは別の信号で外部出力するものであってもよい。つまり、設定変更信号、投入エラー信号、および払出エラー信号は、セキュリティ信号に含まれて外部出力され、ドア開放信号は、セキュリティ信号とは別のドア開放信号によって外部出力されるものであってもよい。このようにすれば、メダルを補充するときなどのように、エラー時や設定変更時よりも頻繁に行われる可能性のあるドア開放時においては、エラー時や設定変更時とは別の信号が出力されることになる。その結果、セキュリティ信号に一つにまとめて出力される場合と比べて、エラー時や設定変更時と、ドア開放時とを切り分ける判定時間を省略することができ、判定処理を簡素化することができる。さらに、エラー時や設定変更時においては、必ずドア開放も同時にされることになるため、セキュリティ信号による検出とドア開放信号による検出とで2重チェックをすることができ、より詳細により正確に、エラーや設定変更の発生有無を判定することができる。
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[ゲーム処理]
次に、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容について説明する。ゲーム処理では、BET処理、内部抽選処理、リール回転処理、入賞判定処理、払出処理、ゲーム終了時処理を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
BET処理では、メイン制御部41は、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、メイン制御部41は、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAM41cに設定する。
内部抽選処理では、メイン制御部41は、スタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
リール回転処理では、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
また、メイン制御部41は、演出制御状態判定処理を実行するようにしてもよい。演出制御状態判定処理では、メイン制御部41は、サブ制御部91が制御する演出制御状態を特定し、特定した演出制御状態に基づき、所定制御を実行する。なお、本実施の形態において、メイン制御部41は、サブ制御部91の演出制御状態として、AT中であるか否かを特定する。また、メイン制御部41は、AT中であると特定したときには、所定制御として、AT信号を外部出力するとともに、ATフリーズを実行可能な状態にゲームを制御する。
ATフリーズとは、後述するAT抽選役に当選したときにAT抽選とともに実行される可能性のあるフリーズである。ATフリーズは、AT抽選役に当選したときに、50%の確率で実行され、すべてのリールが回転したまま、所定時間(本実施の形態においては、30秒間)経過するまでゲームの進行が遅延される。このATフリーズが実行されることにより、AT抽選において、より多くのナビストックがより高確率で付与されるため、遊技者は有利な結果を得る可能性が高くなる。なお、本実施の形態においては、ATフリーズが実行可能とする状態への制御をATフリーズ実行可能制御とも称し、ATフリーズ実行可能制御がされている期間をATフリーズ実行可能期間とも称する。
入賞判定処理では、メイン制御部41は、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
また、メイン制御部41は、ベルリプ1〜5のいずれかが入賞したときに、ベルリプフリーズを実行する。
また、べルリプフリーズが実行された場合において、べルリプフリーズ解除処理が実行される。ベルリプフリーズ解除処理では、メイン制御部41は、ベルリプフリーズの制御中において、特定条件が成立したときに、ベルリプフリーズを解除する。
払出処理では、メイン制御部41は、入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算ならびにメダルの払出などの処理を行う。また、払出処理では、メイン制御部41は、クレジットの加算ならびにメダルの払出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
ゲーム終了時処理では、メイン制御部41は、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
[所定制御実行処理]
次に、メイン制御部41が定期的(約0.56ms)にゲーム処理などに割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)において実行する所定制御実行処理について説明する。
所定制御実行処理において、メイン制御部41は、まず、RAM41cの所定領域に所定制御フラグがセットされているか否かを判定する。メイン制御部41は、所定制御フラグがセットされている場合には、所定制御を実行する。
より具体的には、メイン制御部41は、所定制御フラグに基づき、AT信号の出力命令を設定し、後述する外部出力制御処理においてAT信号を外部出力する。なお、AT信号を受信したデータ表示端末などの外部機器は、ATに移行した旨、およびATのセット回数を画面に表示するなどして遊技者に報知する。さらに、メイン制御部41は、所定制御フラグに基づき、ATフリーズ実行可能制御を行い、ATフリーズを実行可能な状態にゲームを制御する。
[外部出力制御処理]
次に、メイン制御部41が定期的(約0.56ms)にゲーム処理などに割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)において実行する外部出力制御処理について説明する。
外部出力制御処理において、メイン制御部41は、まず、AT信号の出力命令が設定されているか否かを判定する。メイン制御部41は、AT信号の出力命令が設定されていれば、AT信号を外部出力する。これにより、データ表示端末などの外部機器において、ATに移行した旨、およびATのセット回数が画像で表示されるなどして遊技者に報知される。なお、その他の信号(メダルIN信号、メダルOUT信号など)も外部出力制御処理において外部出力されるようになっている。
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91が実行する各種制御内容を以下に説明する。
[タイマ割込処理(サブ)]
サブ制御部91が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)のフローチャートである。
タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する。次に、サブ制御部91は、停電判定処理を行う。停電判定処理では、サブ制御部91は、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
停電判定処理の後、サブ制御部91は、電断フラグが設定されているか否かを判定し、電断フラグが設定されていた場合には、電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、サブ制御部91は、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
サブ制御部91は、電断フラグが設定されていない場合には、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、サブ制御部91は、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
次に、サブ制御部91は、ナビストックを付与するか否かを決定するAT抽選処理を実行する。
次に、サブ制御部91は、Sb5のAT抽選処理におけるAT抽選に当選した場合に、通常状態(非AT)からナビ演出が実行されるAT(アシストタイム)に制御し、ATでのゲームを実行するAT制御処理を実行する。ATの終了条件が成立したときのナビストックが残っている場合には、ナビストックを1つ消化するとともに新たな1セットのATを継続して実行する。
次に、サブ制御部91は、メイン制御部41がAT信号を出力したことを示すAT信号出力フラグをセットまたはクリアなどすることにより、メイン制御部41がAT信号を出力済みであるか否かを識別するAT信号出力フラグ制御処理を実行する。
次に、サブ制御部91は、AT中に判定用役に当選した場合に判定用ナビ演出を実行する判定用ナビ演出処理を実行する。
[RT0とRT1との一致点・相違点について]
次に、図10を用いてRT0とRT1の一致点・相違点などについて説明する。図10では、各遊技状態の一致点・相違点を簡単に説明し、詳細については図11〜図15等で説明する。図10では、項目A「それぞれの状態へ制御される制御契機」、項目B「ATへ制御されるか否か」、項目C「AT抽選が実行されるか否か」、項目D「煽り演出が実行されるか否か」、項目E「AT当選報知が実行されるか否か」、項目F「AT抽選に関する有利度について」、項目G「リプレイ当選確率について」、項目H「全体のゲーム数に対する割合について」が規定されている。
まず、項目Aの「それぞれの遊技状態の制御契機」について説明する。図7に示したように、RT1への制御契機は、RT0に制御されているときにおいて、CB(図10参照)に当選することである。また、RT1は、当該当選したCBが入賞されるまで制御される状態である。つまり、RT1は、CBが当選している状態である。一方、通常RT0への制御契機は、RT1において、当選が持ち越されているCBが入賞することである。また、RT1において、CBが入賞すると、通常RT0のうちのCB中RT0に制御される。また、CB中RT0において、CBゲームが終了すると、非CB中RT0に制御される。
項目Bの「ATへの制御」については、RT1では、所定のAT成立条件が成立し、AT当選した(図13参照)後に、AT状態へ制御される一方、通常RT0および特定RT0では、所定のAT成立条件が成立し、AT当選したとしても、ATには制御されない。通常RT0および特定RT0でのAT当選は保留され、RT1に制御された後に、ATへ制御される。
次に、項目Cの「AT抽選」については、遊技状態に関わらず(RT1であるか、通常RT0であるか、特定RT0であるかに関わらず)、実行される。次に項目Dの「煽り演出」および項目Eの「AT当選報知」については、RT1および特定RT0では実行される一方、RT0では実行されない。なお、通常RT0中において当選したATに関する煽り演出やAT当選報知は、通常RT0からRT1に制御された以降において実行されることになる。
また、項目Fの「AT抽選に関する有利度」について説明する。本実施の形態においては、AT抽選に関する有利度とは、AT当選確率や、AT当選したときに付与されるナビストック数の期待値である。ナビストック数の期待値とは、「付与されるナビストック数×当該ナビストック数が付与される確率」の和である。図13でも説明するように、RT1よりもRT0(通常RT0および特定RT0)のときの方がATに関する有利度は低く設定されている。また、項目Gの「リプレイ当選確率」については、図9でも説明したように、RT1であるときは1/3であるのに対し、通常RT0および特定RT0であるときは1/7である。また、項目Hの「全体のゲーム数に対する割合」については、通常RT0および特定RT0は極少(滅多に制御されない)に設定されている一方、RT1は多く設定されている(殆どのゲームにおいて制御される)。なぜならば、RT1においては、1/65536の確率でRT0に制御される可能性のある状況(つまり、CB単独当選している状況)になるからである。
このように、項目Bの「ATへ制御されるか否か」、項目Dの「煽り演出が実行されるか否か」、項目Eの「AT当選報知が実行されるか否か」、項目Fの「AT抽選に関する有利度」、項目Gの「リプレイ当選確率」の観点からも、遊技者にとって、RT1の方が通常RT0よりも有利であるといえる。
また、本実施の形態では、RT1の方がRT0よりも、各設定値に対応するメダルの払出率が高くなるように設定されているが、これは、RT1の方がRT0よりも、リプレイ当選確率が高いことに起因している。
[RT状態と煽り演出との関係などについて]
次に、RT状態と煽り演出の関係などについて説明する。煽り演出とは、遊技者に対して、AT当選したか否かを煽る演出である。換言すれば、煽り演出とは、AT当選した可能性を報知する演出でもある。煽り演出を実行することにより、遊技者に対して、AT当選したかもしれない、といった期待を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、AT当選については、後述する図13で説明する。なお、本実施の形態の煽り演出では、AT当選したか否かのみを報知するものであり、付与されるナビストック数については、報知されない。したがって、付与されるナビストック数を把握させずにAT当選したことのみを把握させることができるので、付与されるナビストック数に対する期待感を持たせることができる。
本実施の形態の煽り演出は、複数ゲームに亘って実行される連続演出であり、たとえば、バトル演出である。バトル演出の一例として、液晶表示器51において、味方キャラクタと敵キャラクタがバトルを行い、味方キャラクタが勝利すると、当該勝利した旨とともに、AT当選した旨が報知(以下、「AT当選報知」という。)され、バトル演出が終了する。一方、味方キャラクタが敗北すると、AT当選されなかった旨が報知(以下、「AT非当選報知」という。)され、バトル演出が終了する。AT当選報知とは、たとえば、「AT当選!!おめでとう!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させ、AT非当選報知とは、「残念!!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させるものである。また、AT当選している場合には、煽り演出(バトル演出)が終了した後、所定タイミングで(たとえば、所定ゲーム消化後)、ATに制御される。
図11を用いて、RT状態と煽り演出との関係を説明する。図11は、RT状態と煽り演出との関係などを示した図である。(A)は、RT0であるか否かを示し、(B)は、RT1であるか否かを示し、(C)(E)は、AT当選した否かを示し、(D)(F)は、煽り演出が実行されるか否かを示したものである。
また、(A)について、「ON」はRT0に制御されていることを示し、「OFF」はRT0に制御されていないことを示す。(B)について、「ON」はRT1に制御されていることを示し、「OFF」はRT1に制御されていないことを示す。(C)(E)について、「ON」はAT当選したことを示し、「OFF」はAT当選していないことを示す。(D)(F)について、「ON」は煽り演出が実行されていることを示し、「OFF」は煽り演出が実行されていないことを示す。
図11(A)(B)に示すように、RT0に制御されているときにおいて、CB当選すると、RT1に制御される(図7、図10の項目Aも参照)。また、本実施の形態においては、図11(C)(E)に示すように、RT0であるかRT1であるかに関わらず、AT抽選が実行される(図10の項目C参照)。このような構成により、RT0に制御されているからといってAT抽選が実行されないといったことはなく、遊技者に不利益を与えることを防止することができる。
また、図11(C)(D)に示すように、RT0でAT当選したとしても、RT0に制御されているときには、煽り演出は実行されず、RT1に制御された後に、煽り演出の実行が開始される(図10の項目D参照)。また、図11(E)(F)に示すように、RT1でAT当選したときには、当該RT1に制御されているときに、所定タイミング(たとえば、所定ゲーム消化後)で煽り演出が実行される(図10の項目D参照)。
また、本実施の形態においては、RT0でAT当選したとしても、当該RT0でATに制御されず、RT1に制御された後に当該ATに制御される(図10の項目B参照)。さらに、図11(D)で説明したように、RT0においては煽り演出は実行されない。もし、ATに制御されないRT0において、「ATに制御される可能性を報知する煽り演出」を実行してしまうと、遊技者に、「RT0でATに制御されるかもしれない」という期待を抱かせることになり、遊技者の混乱を招いてしまう。そこで、本実施の形態では、RT0においては、煽り演出を実行しないことにより、このような遊技者の混乱を招くことを防止することができる。また、RT1において、煽り演出を実行することにより、遊技者に適切に、「ATに制御されるかもしれない」という期待を抱かせることができる。
また、AT当選報知は、AT当選したときにおいて、最後のゲームで実行される煽り演出で行われるものである。もし、ATに制御されないRT0において、「AT当選報知」を実行してしまうと、遊技者に「RT0でATに制御される」という期待を抱かせることになり、遊技者の混乱を招いてしまう。そこで、本実施の形態では、RT0においては、AT当選報知を実行しないことにより、このような遊技者の混乱を招くことを防止することができる。また、RT1において、AT当選報知を実行することにより、遊技者に適切に「ATに制御される」という期待を抱かせることができる。
また、本実施の形態の煽り演出やAT当選報知は、RT0では実行されず、RT1で実行される。したがって、煽り演出が実行されることにより、「制御されている遊技状態がRT1である」旨を遊技者や店員に容易に認識させることができる。
[AT関連処理および煽り演出関連処理について]
次に、AT関連処理および煽り演出関連処理について説明する。まず、図12を用いて、AT関連処理について説明する。図12は、AT関連処理のフローチャートの一例を説明するための図である。AT関連処理は、AT抽選条件が成立したときに、サブ制御部91により実行される処理である。AT抽選条件が成立すると、S410においてAT抽選処理が実行される。図13を用いて、AT抽選条件およびAT抽選に関連する事項について説明する。図13は、AT抽選条件、AT当選確率、付与ナビストック数の振分率の一例が設定されたAT抽選テーブルである。
本実施の形態においてサブ制御部91は、AT抽選役(本実施の形態では、弱チェリー、中チェリー、チャンス1、チャンス2、7揃いリプ、強チェリー)に当選した場合にATに制御するか否かを決定するAT抽選を実行する。AT抽選では、ナビストック数を付与するか否かおよび付与する場合にはその個数が決定される。なお、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信された内部当選コマンドを解析することにより、AT抽選役に当選した否かを判断することができる。
また、ナビストック数とは、所定ゲーム数(本実施の形態では1セット50ゲーム)にわたりATに制御される権利の数を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数の間、ATに制御され、その間ナビ演出(判定用ナビ演出と通常のナビ演出を含む)が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。なお、ナビストック数が残っているときに、ナビストック数を新たに獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
本実施の形態では、AT抽選役の種類に応じてAT抽選におけるナビストックの平均当選個数が異なる。さらに、AT抽選役に当選した場合において、RT0に制御されているときには、RT1に制御されているときよりも、AT当選する確率(ナビストック数が付与される確率)が低く、また、付与される場合のナビストック数の期待値も少ない。
より具体的には、図13に示すように、弱チェリーが当選する第1抽選条件が成立した場合におけるナビストック付与の当選確率は、RT0に制御されているときには5%に設定され、RT1に制御されているときには20%に設定されている。また、RT0に制御されているときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が100%に設定され、2個となる当選確率が0%に設定され、3個となる当選確率が0%に設定されている。一方、RT1に制御されているときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が0%に設定され、2個となる当選確率が100%に設定され、3個となる当選確率が0%に設定されている。
中チェリーが当選する第2抽選条件が成立した場合におけるナビストック付与の当選確率は、RT0に制御されているときには10%に設定され、RT1に制御されているときには40%に設定されている。また、RT0に制御されているときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が80%に設定され、2個となる当選確率が20%に設定され、3個となる当選確率が0%に設定されている。一方、RT1に制御されているときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が0%に設定され、2個となる当選確率が80%に設定され、3個となる当選確率が20%に設定されている。
チャンス1またはチャンス2が当選する第3抽選条件が成立した場合におけるナビストック付与の当選確率は、RT0に制御されているときには12%に設定され、RT1に制御されているときには60%に設定されている。また、RT0に制御されているときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が60%に設定され、2個となる当選確率が40%に設定され、3個となる当選確率が0%に設定されている。一方、RT1に制御されているときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が0%に設定され、2個となる当選確率が60%に設定され、3個となる当選確率が40%に設定されている。
7揃いリプが当選する第4抽選条件が成立した場合におけるナビストック付与の当選確率は、RT0では、7揃いリプは当選しないため、RT0に制御されているときには設定されておらず、RT1に制御されているときには80%に設定されている。また、RT0に制御されているときには、付与されるナビストック数は設定されていない。一方、RT1に制御されているときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が0%に設定され、2個となる当選確率が40%に設定され、3個となる当選確率が60%に設定されている。
強チェリーが当選する第5抽選条件が成立した場合におけるナビストック付与の当選確率は、RT0に制御されているときには20%に設定され、RT1に制御されているときには100%に設定されている。また、RT0に制御されているときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が20%に設定され、2個となる当選確率が80%に設定され、3個となる当選確率が0%に設定されている。一方、RT1に制御されているときには、付与されるナビストック数が1個となる当選確率が0%に設定され、2個となる当選確率が20%に設定され、3個となる当選確率が80%に設定されている。
このように、本実施の形態においては、当選したAT抽選役の種類に応じて、ナビストック付与の当選確率が異なる。さらに、AT抽選役に当選した場合において、RT0に制御されているときには、RT1に制御されているときよりも、AT当選する確率(ナビストック数が付与される確率)が低く、また、付与される場合のナビストック数の期待値も少なくなるように設計されている(図10の項目F参照)。したがって、RT1に制御されているときにおいて稀に発生するCB入賞可能状態であっても、遊技者に対してCBを入賞させないことを推奨することができる。さらにRT1に制御されている場合において、遊技者に対して、AT抽選が実行されたことを認識させることでナビストック獲得の期待をもたせることができ、さらに、AT抽選においてより多くのナビストック数が付与されることに対して大きな期待をもたせることができる。
説明を図12に戻す。S410の処理が終了すると、S420の処理に移行される。S420においては、AT当選したか否かが判断される。AT当選したと判断されたときには(S420のYES)、S430の処理に移行し、AT当選しなかったと判断されたときには(S420のNO)、S430の処理には移行せず、S440の処理に移行する。S430においては、AT当選フラグがRAM91cに格納される。
S440においては、煽り演出抽選テーブルを用いて、RAM91cに格納されているAT当選フラグの有無および状態フラグに基づいて煽り演出抽選を実行する。煽り演出抽選とは、煽り演出を実行するか否かを抽選により決定する処理である。図14を用いて、煽り演出抽選テーブルについて説明する。図14は、煽り演出抽選テーブルの一例を示した図である。なお、煽り演出抽選テーブルは、ROM91bに格納されている。
図14に示す煽り演出抽選テーブルでは、遊技状態(通常RT0、RT1、特定RT0)ごとに、AT当選フラグの有無に応じて、煽り演出が実行される確率が規定されている。通常RT0に制御されているときの煽り演出の実行確率は、AT当選フラグの有無にかかわらず、0%に規定されている。つまり、通常RT0に制御されているときには、AT当選フラグの有無にかかわらず、煽り演出は実行されない(図10の項目Dおよび図11の(D)(E)参照)。
また、RT1に制御されているときの煽り演出の実行確率は、AT当選フラグが格納されていないときには、30%に規定されているが、AT当選フラグが格納されているときには、90%に規定されている。つまり、RT1に制御されているときにおいて、30%の確率で、いわゆるガセ演出としての煽り演出が実行される。このように、ガセ演出としての煽り演出も実行可能とすることにより、煽り演出に対する緊張感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、10%の確率で、煽り演出が実行されずに突然ATに制御される場合もある。このように、煽り演出を実行せずに、ATに制御させることで、遊技者に唐突感を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定RT0(図7参照)に制御されているときの煽り演出が実行される確率は、ATフラグが格納されていないときには、0%に規定されているが、ATフラグが格納されているときには、100%に規定されている。このように、特定RT0においては、RT0に含まれる状態であるにもかかわらず、ATフラグが格納されているときには、必ず、煽り演出が実行される(図10の項目D参照)。この理由を以下に説明する。
たとえば、ホール閉店後やホール開店前においては、店員はスロットマシンを初期化する(リセットスイッチ23を操作する)場合があり、この場合には、当該初期化により、遊技状態は特定RT0に制御される(図7および図10の項目A参照)。店員は、特定RT0からRT1に制御させるために、CB当選するまで、ゲームを消化する(ゲームを回す)。なお、特定RT0でCBに当選する確率は、図8に示すように、1/10である。また、店員が当該ゲームを消化している間に、AT当選する場合がある。もし、店員が当該AT当選に気付かずに、AT当選しておりかつRT1に制御された状態で、ホールを開店させると、遊技者はAT当選した状態(有利な状態)から遊技を開始することになり、いわゆるモーニングサービス(店員がホール開店前に有利な状態になるように仕込むサービス)の状態で、遊技者に遊技させることになり、設計通りの出玉とならない場合がある。
そこで、本実施の形態においては、リセットスイッチ23が操作されることにより制御される特定RT0において、AT当選した場合には、必ず、煽り演出を実行する。また、煽り演出は、AT当選した時から短期間(たとえば、AT当選した直後やAT当選したゲームが終了するまでの間など)で実行されることが好ましい。これにより、店員がスロットマシンを初期化した後に、特定RT0からRT1に制御させるためにCB当選するまで消化されるゲームの間において、AT当選したとしても、店員は、実行された煽り演出を認識することで、当該特定RT0中のAT当選を認識することができる。また、特定RT0中にAT当選すると、店員は再びリセットスイッチ23を操作することにより、当該AT当選に対応するAT当選フラグがクリアされた特定RT0に制御させた後に、CB当選するまでゲームを消化させる。
このように、特定RT0においてAT当選したときには、必ず、煽り演出を実行する。したがって、店員の初期化により制御された特定RT0から、RT1に制御される間にAT当選したとしても、店員は当該AT当選を把握することができ、モーニングサービスのような状態にしないようにすることができる。
また、特定RT0で実行される煽り演出と、RT1で実行される煽り演出とは、同一の煽り演出である。したがって、特定RT0とRT1とで個別の煽り演出データを保持する必要はなく、煽り演出のデータ容量を削減できる。また、特定RT0で実行される煽り演出として、1ゲームでAT当選報知を実行するようにしてもよい。
説明を図12に戻す。S440の処理が終了すると、S450に移行される。S450においては、S440の煽り演出抽選により、煽り演出が実行されるか否かが判定される。煽り演出が実行されると判定されると(S450のYES)、S460に移行され、煽り演出が実行されないと判定されると(S450のNO)、S460には移行されず、AT関連処理は終了する。S460においては、煽り演出フラグがRAM91cに格納される。煽り演出は、後述する図15のS540〜S570で説明するように、煽り演出フラグRAM91cに格納されているときに実行され、煽り演出フラグRAM91cに格納されていないときには実行されない。
次に、図15を用いて煽り演出関連処理について説明する。図15は、煽り演出関連処理のフローチャートを示した図である。煽り演出関連処理は、1ゲーム消化に関連するタイミング(たとえば、1ゲーム開始時や1ゲーム終了時など)に、サブ制御部91により実行される処理である。
S520において、毎ゲーム終了時にメイン制御部41から送信される状態コマンドから特定される遊技状態(以下、「送信遊技状態」という。)が、RAM91cに格納されている状態フラグから特定される遊技状態(以下、「格納遊技状態」という。)と同一であるか否かが判断される。送信遊技状態が格納遊技状態とは異なると判断されると、S530に移行され、送信遊技状態が格納遊技状態と同一であると判断されると、S530には移行されずに、S540に移行される。
S530においては、状態フラグが更新される。たとえば、格納遊技状態がRT1であり、送信遊技状態がRT0であるときには(つまり、RT1においてCB入賞したときは)、状態フラグは、RT1を特定するフラグに更新される。また、格納遊技状態がRT0であり、送信遊技状態がRT1であるときには(つまり、RT0においてCB当選したときは)状態フラグは、RT0を特定するフラグに更新される。また、格納遊技状態がRT1であるときに、送信遊技状態がRT0であり、かつ、リセットスイッチ23が操作された旨の操作コマンドが送信されたときには、状態フラグは特定RT0を特定するフラグに更新される。
S540においては、煽り演出フラグ(図12のS460参照)が格納されているか否かが判断される。煽り演出フラグが格納されていないと判断されると(S540のNO)、煽り演出関連処理は終了する。また、煽り演出フラグが格納されていると判断されると(S540のYES)、S550の処理に移行する。
S550の処理において、RAM91cに格納されている状態フラグから特定される格納遊技状態がRT1であるか否かが判断される。S550において、格納遊技状態がRT1であると判定されると(S550のYES)、S560に移行される。S560においては、煽り演出の実行が開始される。その後、S570において、格納されていた煽り演出フラグはクリアされる。また、S550の判定処理においてYESと判定されたときにおいて、所定条件が満たした後に、S560の処理を実行するようにしてもよい。当該所定条件とは、所定ゲーム数が消化されたことや、所定入賞に当選あるいは入賞したこと、特定のハズレ出目が導出されたことなどにより成立する条件である。
なお、特定RT0においての当該所定条件は、1ゲームで成立するものとしてもよい。これにより、特定RT0では、1ゲームで完結する煽り演出を実行することができる。
また、S550において、格納遊技状態が、RT1ではない(つまり、RT0である)と判定されると(S550のNO)、S560の煽り演出の実行処理などを行わずに、煽り演出関連処理を終了させる(図11(D)参照)。つまり、図12で説明したAT関連処理および図15で説明した煽り演出関連処理により、RT0で煽り演出が実行されると決定された場合でも(図12のS450のYES)、煽り演出フラグの格納が継続され、RT0であるときには煽り演出フラグに基づいた煽り演出は実行されず(S550のNO)、RT0からRT1に制御されたときに、煽り演出フラグに基づいた煽り演出が実行される(S550のYES)。
[ナビ演出]
次に、サブ制御部91が実行するナビ演出の具体的な内容について説明する。本実施の形態のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。
たとえば、通常のナビ演出であれば、押し順ベル1〜4や押し順リプ1、2に当選したときに、「中だ!」(中第1停止を報知)や「右だ!」(右第1停止を報知)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とが液晶表示器51に表示される。また、スピーカ53、54からもストップスイッチの押下順序を示す音声が出力される。
また、たとえば、判定用ナビ演出であれば、通常リプや押し順リプ1、2に当選したときに、「中だ!左だ!右だ!」(中左押しを報知)や「右だ!左だ!中だ!」(逆挟み押しを報知)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とが液晶表示器51に表示される。また、スピーカ53、54からもストップスイッチの押下順序を示す音声が出力される。
[CBゲームについて]
次に、本実施形態のCBゲーム(図7のCB中RT0中のゲーム)について説明する。本実施形態のCB時の賭数はメダル2枚であるとする。本実施形態のCBゲームでは、内部抽選を行わず、各ゲームにおいて全ての小役の当選フラグが設定されるようになっており、必ず全ての小役が当選することとなるが、CB中のゲームでも内部抽選を行うが、内部抽選の結果に関わらず、全ての小役の当選フラグを設定し、必ず全ての小役が当選するようにしてもよい。具体的には、図8に示す押し順ベル1〜1枚3の全てが当選する。また、CBではないゲームにおいては、入賞することにより払出されるメダルの枚数は、図5に示す通り1枚、5枚、8枚のいずれかであるがCB中においては、いずれの小役が入賞したとしても一律に2枚のメダルが払出されるとする。これにより、CB中においてはいずれかの小役に入賞することから、遊技の興趣を向上させることができる一方、払い出されるメダルの枚数を抑えることができることから、射幸性が高まりすぎないようにすることができる。なお、CB中に払出される枚数は、最も多いメダルの払出枚数(本実施の形態では、8枚)と最も少ないメダルの払出枚数(本実施の形態では、1枚)の間の値であれば如何なる値(たとえば、3枚や4枚)でもよい。
また、以下では、CBで払出される枚数(2枚)よりも、払出枚数の少ない小役を「少払出小役」といい、払出枚数の多い小役を「多払出小役」という。また、1枚、5枚、8枚が払出される小役をそれぞれ「1枚払出小役」「5枚払出小役」「8枚払出小役」という。本実施の形態のCBゲームにおいては、少払出小役を多払出小役よりも優先して入賞させる。具体的には、払出枚数が1枚の小役(図5の左スイカ1枚1〜チェリー3)が最も優先的に入賞され、それに続いて、払出枚数が5枚の小役(図5のスイカ1〜スイカ8)、払出枚数が8枚の小役(図5の通常ベル)の順番で、優先的に入賞される。
もし、CBゲームにおいて、多払出小役(たとえば、5枚払出小役や8枚払出小役)を少払出小役(たとえば、1枚払出小役)よりも優先して入賞させるCBゲームである場合には、8枚払出小役が入賞したとしても、実際は、2枚しか払出されないことから、遊技者に損失感を与えてしまうことになる。本実施の形態のCBゲームのように、少払出小役を多払出小役よりも優先して入賞させる構成であれば、このような損失感を与える頻度を低下させることができる。
また、本実施の形態では、8枚払出小役よりも5枚払出小役を優先して入賞させる。8枚払出小役が入賞されても5枚払出小役が入賞されても、払い出されるメダルの枚数は2枚であることから、いずれの場合でも、遊技者に損失感を与えるが、8枚払出小役が入賞されたときの方が5枚払出小役が入賞されたときよりも、遊技者に与える損失感は大きい。したがって、8枚払出小役よりも5枚払出小役を優先して入賞させることにより遊技者に対して与える損失感を抑制することができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。また、前述した本実施の形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよい。
[RT0およびRT1について]
本実施の形態においては、予め定められた設計値に基づいたメダルの払出率が担保された状態である適正状態をRT1とし、RT1の設計値設計値に基づいたメダルの払出率が担保されておらず、異なる払出率が担保されている状態である非適正状態をRT0とし、さらに、RT1は、RT0においてCB当選されたことにより制御される状態であり、RT0は、RT1においてCB入賞されたことにより制御される状態であるとして説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、たとえば、非適正状態はペナルティが生じたことにより、所定のペナルティ期間制御される状態としてもよく、適正状態はペナルティが生じていない状態としてもよい。また、非適正状態において、所定のペナルティ期間が経過すると適正状態に制御される。また、ペナルティの発生条件は、非AT中において、順押し以外の押し順(以下、「変則押し」という。)でストップスイッチを操作するなどにより成立する条件である。
また、当該所定のペナルティ期間とは、AT当選確率や付与されるナビストック数の期待値がRT1よりも低下される期間である。つまり、ペナルティが生じることでRT0に制御されることにより、メダル払出率は、RT1のときよりも低下する。したがって、ペナルティ期間であるRT0は、RT1とは異なる払出率が担保されている状態となる。
[RT0について]
(1) 本実施の形態では、図7で説明したように、RT0は、CB中RT0、非CB中RT0、特定RT0を含むとして説明したが、これに限られるものではない。たとえば、CB中RT0(つまり、CBに制御されている状態)、および特定RT0のうち少なくとも一方は、RT0とは異なる状態としてもよい。たとえば、CB中RT0が、RT0とは異なる状態とした場合には、RT1、RT0、CB状態の3つの遊技状態を備えることになる。この場合には、RT1でCB入賞すると、CB状態に移行させて、CBゲームが終了すると、RT0に移行されることになる。
[RT0およびRT1の制御契機について]
(1) 本実施の形態においては、RT1への制御契機は、RT0においてCB当選することであるとし、RT0への制御契機は、RT1においてCB入賞することであるとして説明した。しかしながらRT1への制御契機およびRT0への制御契機は、CB当選、CB入賞に限られるものではなく、図8および図9に記載されている所定役の入賞または当選や、図8および図9に記載されていない特定役の入賞または当選、遊技者にとって有利な状態への移行を伴う特別役の当選、および入賞などであれば如何なるものでもよい。たとえば、特別役とは、ビッグボーナス(以下、「BB」という。)としてもよい。BBは入賞することにより、BB状態に移行されるものである。BB状態とは、小役等の当選確率がBBではない状態のときよりも高くなる状態である。この場合のスロットマシンは、通常のゲームをBBが当選している状態で遊技者に遊技させることなり、斬新なゲーム性を実現できる。
(2) また、以下のようなスロットマシンであってもよい。たとえば、RT1において、いずれの入賞役にも当選しなかったとき、つまり、CB入賞可能状態となったときには、所定の演出を実行することによりCB入賞可能状態である旨を報知するようにしてもよい。このような所定の演出を実行することにより、CB入賞可能状態である旨を遊技者に認識させることができ、遊技者にCB入賞しないような操作をさせることができる。
当該所定の演出とは、たとえば、液晶表示器51に「CBが入賞するかも!!」といったメッセージを報知するような演出であってもよい。また、当該所定の演出とは、フリーズ演出など遊技者に直感的にCB入賞可能状態である旨を認識させるような演出であってもよい。また、CBを入賞させないために、CB構成図柄(ブランク−ブランク−ブランク)とは異なる図柄を導出させるナビ演出を実行するようにしてもよい。当該異なる図柄とは、たとえば、入賞を発生させない役の図柄であって、特徴的な図柄(たとえば、白7−黒7−白7)とすることが好ましい。また、当該異なる図柄については、入賞を発生させる役の構成図柄でもよく、入賞を発生させない役の構成図柄でもよい。
また、CB入賞可能状態になったときには、所定の特典(たとえばATゲーム数)を付与するようにしてもよい。また、当該特典の付与については、当該所定の演出が実行された後に行うようにしてもよく、所定の演出を実行せずに、行うようにしてもよい。
[特典について]
(1) 本実施形態において、AT当選することにより付与される特典はナビストックである、として説明した。しかしながら、これに限らず、その他の特典であってもよい。たとえば、特典をATゲーム数としてもよい。ATゲーム数とは、ATに制御されるゲーム数をいう。つまり、ATゲーム数を保有している状態において、1のATゲームを消化することにより、ATゲーム数を1減算する。
また、直接的にメダルの獲得に繋がる特典に限らず、キャラクタ画像の画像データや音楽データなど、遊技者にとって有益となるものであれば何れの特典であってもよい。このような構成の場合には所定の条件が成立すると、当該成立した条件に応じた数のキャラクタ画像や音楽データが遊技者に対して付与される。
[有利度について]
本実施の形態では、有利度として、AT当選確率およびナビストックの期待値であるとして説明したが、遊技者にとって有利となる度合いであればこれに限られるものではない。たとえば、キャラクタ画像の画像データや音楽データが付与される確率としてもよい。つまり、RT1ではRT0よりもキャラクタ画像の画像データや音楽データが付与される確率が高い、などとしてもよい。
[有利期間について]
本実施の形態において、有利期間として、ATであるとして説明したが、遊技者にとって有利な期間であれば、他の期間であってもよい。たとえば、全ての当選役のうち、所定の当選役についての当選確率が向上するような期間であってもよい。
[煽り演出について]
(1) 本実施の形態では、煽り演出は、AT当選の可能性を報知する演出であるとして説明したがこれに限られるものではない。煽り演出は、ATに関連する情報を報知する演出であれば、如何なる情報を報知する演出であっても構わない。
たとえば、煽り演出は、付与されるナビストック数を煽る演出でもよい。たとえば、煽り演出が複数ゲームに亘ってバトル演出である場合には、各ゲームにおいて、付与されるナビストック数が徐々に多くなるように液晶表示器51に表示され、バトル演出の最終ゲームで表示されたナビストック数が付与されるようにしてもよい。
(2) また、本実施の形態において、たとえば、AT当選したときに、ATゲーム数(本実施の形態では、ナビストック)が付与されるような構成にしてもよい。このような構成の場合において、ATゲーム数が「0」であるときに、AT当選することを「AT初当たり」といい、ATゲーム数が残存しているときにAT当選することを「AT上乗せ」という。
このような構成の場合には、煽り演出は、AT初当たりの可能性を報知する演出であってもよい。たとえば、煽り演出がバトル演出である場合には、最終ゲームのバトル演出において、味方キャラクタが勝利することにより、AT初当たりに当選した旨を報知し、味方キャラクタが敗北したことにより、AT初当たりに当選しなかった旨を報知するようにしてもよい。
また、煽り演出は、AT上乗せの可能性を報知する演出であってもよい。たとえば、煽り演出がバトル演出である場合には、最終ゲームのバトル演出において、味方キャラクタが勝利することにより、AT上乗せに当選した旨を報知し、味方キャラクタが敗北したことにより、AT上乗せに当選しなかった旨を報知するようにしてもよい。
(3) 本実施の形態では、煽り演出がバトル演出であるとして説明したが、煽り演出は、他の演出であってもよい。他の演出とは、たとえば、フリーズ演出や遊技者に操作を要求する演出である。
まず、フリーズ演出について説明する。フリーズ演出が実行されていないゲームにおいては、スタートスイッチ7が操作されると、前回ゲーム開始時から所定のウェイトタイムが経過していることを条件として、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち少なくともいずれかの操作が有効化される。フリーズ演出は、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち少なくともいずれかの操作を有効化するタイミングを遅延させる演出である。フリーズ演出は、操作を有効化するタイミングを遅延させる演出であればよく、その対象が1のストップスイッチであってもよく、また2以上のストップスイッチであってもよい。また、操作を有効化するタイミングを遅延させている期間をフリーズ期間という。
このように、煽り演出がフリーズ演出である場合には、複数ゲームにわたり実行される演出であってもよく、1ゲームで実行される演出であってもよい。フリーズ演出が行われ、フリーズ期間が終了すると、液晶表示器51にAT当選した旨などを報知する。
また、要求演出とは、遊技者に対して、1ゲームまたは複数ゲームにわたって、遊技の進行に関係のない操作(以下、「演出用操作」という。)を要求する演出である。演出用操作とは、遊技を進行させる操作部ではない特別操作部(たとえば、特別操作スイッチであり、図示せず)を操作することである。要求演出は、たとえば、複数ゲームにわたって、液晶表示器51に、「特別操作スイッチを押せ!」といったメッセージを表示することである。また、演出用操作は、ゲームを進行させるための操作部(たとえば、MAXBETスイッチ6など)への操作としてもよい。この場合の演出用操作は、当該操作部への操作が無効となる無効期間(つまり、当該操作部へ操作されたとしても有効とならない期間)中の操作である。当該操作とは、たとえば、スタートスイッチ7の操作後のMAXBETスイッチ6の操作である。
(4) 本実施の形態においては、煽り演出は複数ゲームに亘って実行されるとして説明したが、煽り演出は1ゲームで実行される演出としてもよい。このような構成の場合において、AT当選している場合には、液晶表示器51に「AT当選!おめでとう!」といったメッセージを表示させ、AT当選していない場合には、液晶表示器51に「残念!」といったメッセージを表示させる。
(5) さらに、煽り演出については以下のような演出を行うようにしてもよい。この例では、煽り演出をバトル演出であるとして説明する。前述のバトル演出については、「味方キャラクタと敵キャラクタがバトルを行い、味方キャラクタが勝利すると、当該勝利した旨とともにAT当選報知がされ、バトル演出が終了する一方、味方キャラクタが敗北すると、当該敗北した旨と共にAT非当選報知がされ、バトル演出が終了する」としたが、これに限られるものではない。たとえば、以下の(5−1)〜(5−3)のうちいずれかのバトル演出を実行するようにしてもよい。なお、(5−1)〜(5−3)については、上乗せされるATゲーム数の報知手法について説明するが、初当たりにより付与されるATゲーム数の報知手法や、上乗せや初当たりにより付与されるナビストックの報知手法として適用してもよい。
(5−1) バトル演出は複数ゲームに亘って実行される。そこで、バトル演出が実行される毎に、上乗せされるATゲーム数が徐々に多くなるように液晶表示器51に表示され、バトル演出の最終ゲームで表示されたATゲーム数が現在のATゲーム数に上乗せされる。たとえば、5ゲームに亘ってバトル演出が実行される場合には、「AT上乗せ10ゲームだ!」、「AT上乗せ20ゲームだ!」、「AT上乗せ30ゲームだ!」、「AT上乗せ40ゲームだ!」、「AT上乗せ50ゲームだ!」というようなメッセージが1ゲーム〜5ゲーム目までのバトル演出それぞれにおいて表示される。そして、5ゲーム目(最終ゲーム)で表示された50ゲームがATゲーム数に上乗せされる。具体的な制御手法の一例としては、5ゲームに亘ってバトル演出が実行されることが決定された場合には、最終的に上乗せされるATゲーム数(この例では、50ゲーム)が決定され、5ゲームそれぞれのバトル演出において表示されるATゲーム数が決定され、5ゲームそれぞれのバトル演出で、当該決定されたATゲーム数が表示される。
このように上乗せゲーム数を報知するバトル演出を実行することにより、バトル演出が進むにつれて表示されるATゲーム数が増加することから、ATゲーム数の増加に対して、遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5−2) また、上乗せされると決定されたATゲーム数を、バトル演出が実行される複数ゲームに亘って、複数に分割して表示するようにしてもよい。たとえば、上乗せされるATゲーム数として100ゲームが決定された場合に、5ゲームに亘ってバトル演出を実行することが決定されたとする。この場合には、「AT上乗せが、+10ゲームだ!」、「AT上乗せが、さらに+10ゲームだ!」、「AT上乗せが、さらに+20ゲームだ!」、「AT上乗せが、さらに+20ゲームだ!」、「AT上乗せが、さらに+40ゲームだ!」、「AT上乗せが+10ゲームだ!」というようなメッセージが、バトル演出中の1ゲーム〜5ゲーム目それぞれにおいて表示される。そして、全5ゲームで表示されたATゲーム数の和がATゲーム数に上乗せされる。具体的な制御手法の一例としては、上乗せされるATゲーム数が決定された後、5ゲームに亘ってバトル演出が実行されることが決定された場合には、5ゲームそれぞれのバトル演出において表示されるATゲーム数が割り振られ、5ゲームそれぞれのバトル演出で、当該割り振られたATゲーム数が表示される。
このようなバトル演出を実行することにより、バトル演出が進むにつれて表示されるATゲーム数が加算されることから、ATゲーム数の増加に対して、遊技者に注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5−3) また、前述の実施形態では、「味方キャラクタが敗北すると、当該敗北した旨と共に上乗せされなかった旨が報知され、バトル演出が終了する」としてもよいが、味方キャラクタが勝利したときの方が、敗北したときよりも、上乗せされるATゲーム数を多くするようにしてもよい。たとえば、味方キャラクタが勝利したときには、「おめでとう!100ゲームGet!」などのメッセージを表示させ、味方キャラクタが敗北したときには、「残念!10ゲームGet!」などのメッセージを表示させる。
このようなバトル演出を実行することにより、バトル演出の結果に対して、遊技者の注目を集めることができるので遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 本実施の形態において、図14で説明したように、RT1において、ATフラグがRAM91に格納されているときには、90%の確率で、煽り演出が実行されるとして説明したがこれに限られるものではない。RT1において、ATフラグがRAM91に格納されているときには100%の確率で(つまり、必ず)、煽り演出が実行されるようにしてもよい。このような構成により、煽り演出が実行されることにより、必ずATに制御される旨を遊技者に認識させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) 本実施の形態において、煽り演出は、液晶表示器51に表示される演出であるとして説明したが、これに限られるものではなく、他の演出手段を用いて実行するようにしてもよい。たとえば、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55、演出用スイッチ56のうち、少なくとも1つを用いて、実行するようにしてもよい。また、当該少なくとも1つの演出手段と、液晶表示器51とを組み合わせて実行するようにしてもよい。
(8) 本実施の形態の煽り演出は、AT当選したか否かの結果を報知する演出を含む連続演出であるとして説明したが、これに限られるものではない。たとえば、煽り演出は、AT当選したか否かを煽るが、AT当選したか否かの結果を報知しない前兆演出であってもよい。以下に前兆演出の具体例を説明する。たとえば、第1具体例として、前兆演出は、AT当選すると、所定期間(たとえば、10ゲーム)、通常ゲームとは異なる背景画像にする演出である。ここで、通常ゲームとは、RT1でありかつ非ATに制御されているゲームである。たとえば、通常時の背景画像が青であるときには、前兆演出時の背景画像は赤となる。このような前兆演出を実行することにより、遊技者に対してAT当選しているのではないかという期待を抱かせることができる。また、AT当選しているか否かに応じた割合で、前兆演出の演出態様が選択されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技者は、前兆演出を目視することにより、AT当選したか否かを予想することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、前兆演出の第2具体例として、通常ゲームで起こり得る演出の実行頻度が高くなる演出としてもよい。たとえば、通常ゲームにおいて所定確率で所定キャラクタAを液晶表示器51に表示させるときには、前兆演出が実行されているゲームにおいては、当該所定確率よりも高い確率で、当該所定キャラクタAを液晶表示器51に表示させる。したがって、このような前兆演出が実行されたとしても、遊技者に対してAT当選しているのではないかという期待を抱かせることができる。
また、煽り演出は、AT当選したか否かの結果を報知する連続演出(バトル演出など)、および、当該連続演出の前に実行される前兆演出を含むものとしてもよい。この場合には、前兆演出は、たとえば、最終ゲームの連続演出において報知されるAT当選したか否かの結果に応じた割合で決定される演出態様で実行されるようにしてもよい。たとえば、前兆演出が第1具体例である場合には、当該前兆演出の背景として、AT当選しているときには(最終ゲームの連続演出でAT当選した旨が報知されるときには)赤色とされ、AT当選していないときには(最終ゲームの連続演出でAT当選していない旨が報知されるときには)青色とされる。また、前兆演出が第2具体例である場合には、AT当選しているときの方が、AT当選していないときよりも、所定キャラクタAを表示させる頻度を高くする。このように、煽り演出は連続演出および前兆演出を含むものとすることにより、連続演出の結果に対する期待を遊技者に抱かせることができる。
また、前兆演出は、複数ゲームに亘って実行されるものでもよく、1ゲームで実行されるものであってもよい。
[特定RT0について]
(1) 本実施の形態においては、特定RT0においては、AT抽選が実行されるとして説明したが、当該特定RT0においては、AT抽選が実行されないようにしてもよい。このように特定RT0においては、AT抽選が実行されないことから、AT当選することはない。したがって、前述のモーニングサービスのようになることはない。さらに、AT当選しないことから、AT当選報知を実行する必要もなく、AT当選報知の処理コストも削減できる。
(2) 本実施の形態において、特定RT0でAT当選したときには、RT1と同様の煽り演出を実行するとして説明した。しかしながら、特定RT0においてAT当選したときには、店員がAT当選した旨を把握することができる演出であれば、煽り演出である必要はなく如何なる演出であってもよい。たとえば、AT当選報知(AT当選したときに服すゲームに亘って実行されるバトル演出のうち最後のゲームで実行される報知演出)を実行するようにしてもよい。また、他の具体例として、特定RT0において、AT当選したときには、演出効果LED52を点滅させるなどとしてもよい。
(3) 本実施の形態において、特定RT0に制御される契機は、リセットスイッチ23が操作されるころであるとして説明したが、他の操作であってもよい。たとえば、設定値を変更するリセット/設定スイッチ38の操作などとしてもよい。また、初期化する際には、ATなどの遊技状況も初期化するとして説明したが、初期化したとしても、当該遊技状況は残存させるようにしてもよい。
(4) 本実施の形態において、特定RT0に制御されているときには、煽り演出やAT当選報知を実行しないとして説明したが、煽り演出やAT当選報知を実行するようにしてもよい。このようにすることにより、通常RT0時での処理内容と特定RT0時での処理内容を近づけることができ処理コストを削減できる。
[初期化について]
本実施の形態においては、リセットスイッチ23が操作されることにより、RAM41cおよびRAM91cが初期化されるとして説明した。しかしながらこれに限らず、他の操作により当該初期化がされ、さらに、RT1から特定RT0に制御されるようにしてもよい。当該他の操作とは、たとえば、リセット/設定スイッチ38への操作である。リセット/設定スイッチ38とは、設定値を変更させるためなどに操作される操作部である。また当該他の操作は、「メイン制御基板40に接続されたコネクタ(たとえば、電源基板101からのコネクタ」を外す操作」としてもよい。なお、「メイン制御基板40に接続されたコネクタを外す操作」は、たとえば、メイン制御基板40の周辺機器などを交換するために作業員などにより行われる。
[エラーについて]
本実施の形態では、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっている、として説明したが、これに限られるものではなく、RAM異常エラー状態はリセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作することにより、解除されるようにしてもよい。また、複数のエラーの中には、ラムクリア(リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38)のみで解除できるものがあってもよい。
[CBゲームについて]
(1) 前述したCBゲームにおいては、入賞した小役に関わらず、2枚のメダルが払出されるとして説明したが、払出枚数をたとえば賭数である3枚以上としてもよい。これにより、CBゲームにおいては、メダルの純増数が増え、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本実施の形態では、RT0において抽選対象役としてのCBは、CB+スイカ1であるとして説明したがCBとともに当選する当選役は、スイカ1に限られず、他の当選役であってもよい。当該他の当選役とは、たとえば、取りこぼしのない役(たとえば、通常リプ)としてもよい。このように、他の当選役を取りこぼしのない役とすることにより、図8で説明した「当選した小役を取りこぼしたとしてもCBには入賞させない」という制御処理を省略することができる。
また、RT0において抽選対象役としてのCBについては、CB単独当選(他の役が同時当選しない)としてもよい。この場合には、当該CBが単独当選したRT0において、CB入賞するという状況が起こり得る。このような場合には、CB入賞するとCBゲームに移行されて、CBゲームが終了すると、RT0に移行されることになる。なお、この場合においても、「CB入賞可能状態」とは、RT1において、全ての小役および全ての再遊技役のうちいずれにも当選せずにCB単独当選している状態であり、RT1においてCB入賞する確率については、極めて小さい値(本実施の形態の例では1/65536)となる。
また、CBについての抽選対象役として、「CBが単独当選する第1当選役」および「CBが他の当選役とともに当選する第2当選役」の2つの当選役を備えるようにしてもよい。このように、第1当選役および第2当選役を備えることにより、CB入賞する状況とCB入賞しない状況とが起こり得ることから、遊技の興趣を向上させることができる。
[CB入賞可能状態の確率について]
本実施の形態において、CB入賞可能状態になる確率(以下、「CB入賞可能状態確率」という。)は、1/65536として説明したがこれに限られるものではない。CB入賞可能状態確率は、所定期間および当該所定期間でCB入賞可能状態を発生させる頻度(回数)から定めるようにしてもよい。具体的には、1台のスロットマシンに対して当該所定期間に遊技される推定回数を用いるようにすればよい。以下の説明では、当該所定期間を1日とし、CB入賞可能状態を発生させる頻度を1回とし、つまり、CB入賞可能状態確率は、当該推定回数の逆数となる。
ところで、本実施の形態においては、1ゲームを消化するために必要な最低時間としてウェイトタイムが定められている。具体的には、ウェイトタイムとは、リール回転が開始した時から、当該リール回転が開始したゲームの次のゲームのリール回転開始時までに経過する必要のある時間である。つまり、リール回転した時から、ウェイトタイム経過するまでは、当該リール回転したゲームが終了して次のゲームのスタートスイッチ7が操作されても、リール回転せずにリールは停止しており、ウェイトタイム経過した時に、リール回転が開始する。また、本実施形態のスロットマシンのウェイトタイムは4、1秒(つまり、約5秒)に設定されている。
ここで、遊技店の営業時間が12時間であり、かつ当該12時間の間において休止することなく継続して遊技されたと仮定すると、1日の遊技回数は、約8640回であると推定することができる。そして、1日に1回、CB入賞可能状態を発生させるためには、CB入賞可能状態確率を1/8640、「1/8640」に近似される値、または1/8640未満とすればよい。また、約8640回はあくまで推定値であることから、経験則上、推定値として、8640から妥当であると考えられる値(たとえば、10000)などとしてもよい。
また、前述の説明では、所定期間を1日とし、CB入賞可能状態が発生される頻度を1回としたが、所定期間および当該頻度を適宜変更してもよい。たとえば、所定期間を1月とし、当該頻度を1回としてもよい。
[リプレイ当選について]
本実施の形態の再遊技役の当選役として、図9に示したものであるとして説明したが、これに限られるものではなく、再遊技役の当選役として、たとえば、全てのリプレイ役(本実施形態では、通常リプ、ベルリプ1〜5、7揃いリプ、7フェイクリプ1〜5)が当選する「オールリプ」を備えるものであってもよい。当該オールリプを備えることにより、オールリプに当選したときには遊技者による操作手順により、導出させるリプレイの種類を異ならせるようにすることができる。したがって、オールリプに当選したときにおいて、遊技の進行上導出させたいリプレイがあるときには、サブ制御部91は、当該導出させたいリプレイを導出させるようにナビ演出などをすることも可能となる。
また、全てのリプレイ役のうち、少なくとも2つのリプレイ役が同時当選する当選役を備えるようにしてもよい。たとえば、7揃いリプおよび7フェイクリプ1〜5が同時当選する特殊リプを備え、当該特殊リプが当選したときには、操作手順に応じて、7揃いリプおよび7フェイクリプ1〜5のうちいずれかが導出されるようにすることが好ましい。たとえば、7揃いリプが入賞することにより、所定の特典(たとえば、ATゲーム数)が付与される構成とした場合には、操作手順に応じて当該所定の特典が付与されるか否かが決定されることになるので、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、特殊リプが当選したときにおいて、ナビ演出などにより、7揃いリプを入賞させる操作手順を報知することにより、遊技者は、より一層7揃いリプを入賞させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[通常ベルとベルリプ1〜5との関係について]
本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、入賞ラインL1上に入賞したベルリプ1〜5のいずれかに対応する図柄組み合わせが表示されるとともに、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段に跨った位置、もしくは左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段に跨った位置に通常ベルの図柄組み合わせである「ベル−ベル−ベル」が表示されるものであった。しかしながら、その他の役や図柄組み合わせ、表示位置であってもよい。
たとえば、通常ベルに限らず、チェリーやスイカなどその他の小役であってもよい。また、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に表示される図柄組み合わせは、通常ベルのように「ベル」図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果に限らず、スイカ1〜8のように「スイカ」図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、チェリー1〜3のように「チェリー」図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、あるいは「チェリー」図柄とその他の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、あるいは複数のリールのうちいずれかのリールの一部に「チェリー」図柄が導出される表示結果であってもよい。つまり、他の一般的なスロットマシンで小役として用いられていることで遊技者が経験則から小役であると認識しがちな、「ベル」図柄揃い、「スイカ」図柄揃い、「チェリー」図柄揃い、あるいは「チェリー」図柄とその他の図柄からなるものであってもよい。
また、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に表示される図柄組み合わせは、通常ベルのように「ベル」図柄を想定させるような黄色の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果に限らず、スイカ1〜8のように「スイカ」図柄を想定させるような緑色の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、チェリー1〜3のように「チェリー」図柄を想定させるような赤色の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果、あるいは「チェリー」図柄を想定させるような赤色の図柄とその他の図柄が一直線上に並んだ構成を有する表示結果」、あるいは複数のリールのうちいずれかのリールの一部に「チェリー」図柄を想定させるような赤色の図柄が導出される表示結果であってもよい。つまり、他の一般的なスロットマシンで小役として用いられていることで遊技者が経験則から小役であると認識しがちな、黄色の図柄揃い、緑色の図柄揃い、赤色の図柄揃い、あるいは赤色の図柄とその他の図柄からなるものであってもよい。
さらに、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に表示される図柄組み合わせは、通常ベルのような小役の図柄組み合わせに限らず、遊技者に小役と認識させる図柄組み合わせであればよい。言い換えると、遊技者に再遊技役やハズレの図柄組み合わせが導出されたと認識させる図柄組み合わせ以外の図柄組み合わせであればよい。遊技者に再遊技役が導出されたと認識させる図柄組み合わせとしては、「再」、「再遊技」、「再遊戯」、「リプレイ」、「リプ」、「りぷ」、「りぷれい」、「R」、「RE」、「REP」、「RP」、および「REPLAY」のうちいずれかの文字が付された図柄から構成される図柄組み合わせがある。また、所定の果物(たとえば、ベル、スイカ、チェリー)の図柄から構成される図柄組み合わせが小役であるものとすれば、遊技者に再遊技役が導出されたと認識させる図柄組み合わせとしては、所定の果物(たとえば、ベル、スイカ、チェリー)以外の果物の図柄から構成される図柄組み合わせがある。また、小役が導出されたときに払い出し音が鳴るものであれば、導出されたときに、その払い出し音が鳴る図柄組み合わせは、遊技者に小役と認識させる図柄組み合わせとなる。
また、本実施の形態においては、「通常ベル」が入賞することでメダルの払い出しがあるが、「通常ベル」が入賞してもメダルが払い出されないものであってもよい。たとえば、「通常ベル」が入賞することで、次のゲームがメダルを消費することなく行えるものであってもよい。この場合でも、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に通常ベルの図柄組み合わせが導出されることで、遊技者は他の一般的なスロットマシンで小役として認識しているために、メダルが払い出されるものだと認識させることができる。
さらに、たとえば、「通常ベル」は入賞しないハズレ図柄の組み合わせであってもよい。この場合でも、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに、その他の位置に通常ベルの図柄組み合わせが導出されることで、遊技者は他の一般的なスロットマシンで小役として認識しているために、メダルが払い出されるものだと認識させることができる。
なお、「通常ベル」の図柄組み合わせにおいて、スロットマシン固有の図柄、たとえば、ロゴや小役によく用いられる色(黄色、緑色、赤色)以外の色の図柄を用いる場合には、他の一般的なスロットマシンで小役として認識されていないため、入賞によってメダルの払い出しが行われるものである必要がある。
また、左リール2Lの中段、中リール2Cの中段、右リール2Rの中段に跨った入賞ラインL1に限らず、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段に跨って設定された入賞ラインL2、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段に跨って設定された入賞ラインL3、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段に跨って設定された入賞ラインL4、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段に跨って設定された入賞ラインL5などを用いてもよい。さらに、1本の入賞ラインに限らず、複数本の入賞ラインが設定されているものであってもよい。上記のような入賞ラインを設定するものであっても、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、入賞ライン上に入賞したベルリプ1〜5のいずれかに対応する図柄組み合わせが表示されるとともに、入賞ライン以外のラインに通常ベルの図柄組み合わせが表示されるものであればよい。
また、本実施の形態においては、入賞が発生する位置にベルリプ1〜5のいずれかの図柄組み合わせが導出したときに、入賞が発生しない位置に通常ベルの図柄組み合わせが導出するパターンを用いていたが、これに限らない。たとえば、入賞が発生する位置にベルリプ1〜5のいずれかの図柄組み合わせが導出したときに、入賞が発生する位置に通常ベルの図柄組み合わせが導出するパターンであってもよい。また、たとえば、入賞が発生しない位置にベルリプ1〜5のいずれかの図柄組み合わせが導出したときに、入賞が発生する位置に通常ベルの図柄組み合わせが導出するパターンであってもよい。また、たとえば、入賞が発生しない位置にベルリプ1〜5のいずれかの図柄組み合わせが導出したときに、入賞が発生しない位置に通常ベルの図柄組み合わせが導出するパターンであってもよい。
また、本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかの図柄組み合わせが導出したことによってベルリプ1〜5のいずれかが入賞し、かつその他の位置に導出された通常ベルの図柄組み合わせによっては入賞しないパターンを用いていたが、これに限らない。たとえば、ベルリプ1〜5のいずれかの図柄組み合わせが導出したことによってはベルリプ1〜5が入賞せず、かつその他の位置に導出された通常ベルの図柄組み合わせによっては入賞するパターンであってもよい。また、たとえば、ベルリプ1〜5のいずれかの図柄組み合わせが導出したことによってはベルリプ1〜5が入賞せず、かつその他の位置に導出された通常ベルの図柄組み合わせによっても入賞しないパターンであってもよい。
[遊技状態について]
本実施の形態においては、RT0およびRT1の2つの遊技状態のみが設定されていたが、これに限らず、役の当選や入賞などに応じて複数の遊技状態の間を遷移するようなスロットマシンであってもよい。
また、本実施の形態においては、遊技者にとって有利なBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)、もしくはCB(チャンスボーナス)などの特別遊技状態に制御されるものであってもよい。
また、複数の遊技状態の間を遷移するようなスロットマシンであれば、特定の再遊技役に入賞したときに制御中の遊技状態から有利度合いの異なる遊技状態に制御されるものであってもよい。たとえば、通常RTにおいてベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、通常RTよりも再遊技役の当選確率が向上する有利RTに移行(昇格)するものであってもよい。あるいは、有利RTにおいてベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときには、通常RTに移行(転落)するものであってもよい。これによれば、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したことを遊技者に分かりにくくすることで、いずれの遊技状態で遊技をしているかを把握しにくくすることができ、遊技者の遊技状態に対する興味を惹きつけ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、本実施の形態においては、ベルリプ1〜5のいずれかに入賞したときに通常ベルが入賞したかのように遊技者に思わせることができるため、いずれの遊技状態で遊技をしているかをより把握しにくくすることができる。
[AT抽選について]
(1) 本実施の形態においては、RT1に制御されることで、AT抽選においてナビストック数が付与される確率および付与される場合のナビストック数が多くなる確率が高くなり、遊技者の有利度合いを向上させるものであった。しかしながら、遊技者の有利度合いを向上させる方法としては、その他の方法でもよい。
たとえば、RT1に制御されることで、AT抽選の実行契機となるAT抽選役の種類が所定ゲーム数の間だけ増えるものであってもよい。RT1に制御されるときには、RT0であるときよりも、遊技者の有利度合いが向上するものであれば、いずれの方法を用いてもよい。
(2) 本実施の形態において、AT抽選が実行される条件は、図13に示すAT抽選役に当選することにより成立する条件であるとして説明したが、これに限られるものではない。たとえば、AT抽選役を他の当選役としてもよい。また、AT抽選が実行される条件は、所定役が入賞することにより成立する条件としてもよい。また、AT抽選が実行される条件は、所定ゲーム毎に乱数抽選を行うことにより所定範囲の乱数が生成されることで成立する条件としてもよい。
(3) 本実施の形態において、図13で示したように、RT0のときに3個のナビストックが付与される確率、および、RT1のときに1個のナビストックが付与される確率は共に0%であるとして説明したが、これに限られるものではなく、これらの確率のうち少なくとも一方を所定確率割り振るようにしてもよい。
(4) 本実施の形態において、図13の第5抽選条件に示すように、RT0においては強チェリー当選したときのAT当選確率は20%であるとして説明したが、これに限られるものではなく、100%としてもよい。RT1のときにおいて強チェリー当選すると、100%の確率でAT当選する一方で、RT0のときにおいて強チェリー当選したとしても、AT当選しないと、強チェリー当選に対する不信感を遊技者に抱かせる場合がある。そこで、強チェリー当選したときのAT当選確率を100%とすることにより、強チェリー当選に対する不信感を遊技者に抱かせないようにすることができる。
[判定用ナビ演出について]
本実施の形態では、判定用ナビ演出が行われるための判定用役として、通常リプや押し順リプを用いるものであったが、これに限らず、その他の役であってもよい。また、本実施の形態では、メイン制御部41は、所定の判定用ナビ演出をサブ制御部91にさせることによって、AT中であるか否かを特定していたが、その他の演出状態を特定するものであってもよい。たとえば、メイン制御部41は、サブ制御部91側における、AT抽選での抽選モード(高確率モード、低確率モード)などの有利な遊技状態に関する抽選確率、獲得されたナビストック数やナビストックの有無などの有利な遊技状態へ移行させるための権利に関するもの、有利な遊技状態のゲーム数や継続率、プレミア演出や設定示唆演出の実行されやすさ、演出種類、遊技者に携帯端末の壁紙や音楽を付与するための二次元コードの表示の有無、携帯端末の壁紙や音楽の付与の有無など、本実施の形態と異なる態様の演出制御状態を特定するものであってもよい。さらには、メイン制御部41が、サブ制御部91の制御する有利度以外の制御状態、たとえば、サブ制御部91側が判定した異常、不正行為の可能性、時間などをメイン制御部41が特定するものであってもよい。
[本実施の形態におけるその他の変形例や実施の形態の特徴点について]
(1) ナビストック数が残存している状態で遊技者にとって有利なボーナスに当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(たとえば「0」)する処理を行うものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行うものであってもよく、所定数減算する処理を行うものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行うものであってもよく、また当該ボーナス当選ごとにいずれの処理を行うかを決定し、該決定された処理を行うものであってもよい。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施の形態では、メダルならびにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施の形態では、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
(3) 本実施の形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組み合わせに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組み合わせに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(4) 本実施の形態では、複数のナビストックが付与されたときに再度のATに移行する権利が付与されるようにした例を挙げたが、この実施の形態に限らず、たとえば、AT中の所定条件の成立で再度のATに移行する権利が付与される、ATの終了時の抽選に当選すると再度のATに移行する権利が付与されるなど、上記実施例と異なる態様で再度の有利状態に制御するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。なお、再度のATに移行する権利が付与されている場合には一旦終了させずにATを連続的に継続してもよいし、セットの区切りで一旦ATを終了させてもよい。
(5) 本実施の形態では、1セットのATを抽選で決定したゲーム数を消化したときに終了する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、たとえば、固定された所定ゲーム数のゲームを行うと1セットのATが終了する、AT中に所定役に当選または所定役が入賞すると1セットのATが終了する、AT中に実行する抽選に当選すると1セットのATが終了するなど、上記実施例と異なる態様で有利状態の終了条件が成立するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
(6) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、遊技機の一例としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、本実施の形態はパチンコ遊技機に適用することも可能である。この場合、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すパチンコ遊技機を採用してもよく、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のパチンコ遊技機を採用してもよい。封入式のパチンコ遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉をパチンコ遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、パチンコ遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成であるが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均などの意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。