JP2014148805A - 建物の柱設置構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震等により基礎上で柱が横揺れする場合において基礎に破損が生じるのを抑制することができる建物の柱設置構造を提供する。
【解決手段】建物は、複数の建物ユニット20が互いに連結されることにより構成されている。建物ユニット20の柱21は、平板状のセッティングプレート30を介して外周基礎11上に設置されている。セッティングプレート30は、外周基礎11の天端19上に載置されている。外周基礎11の天端19には、セッティングプレート30の端辺部30a,30bに沿って凹部35a,35bが形成されている。その凹部35a,35bによって外周基礎11とセッティングプレート30の端辺部30a,30bとの間には所定の隙間39a,39bが形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】建物は、複数の建物ユニット20が互いに連結されることにより構成されている。建物ユニット20の柱21は、平板状のセッティングプレート30を介して外周基礎11上に設置されている。セッティングプレート30は、外周基礎11の天端19上に載置されている。外周基礎11の天端19には、セッティングプレート30の端辺部30a,30bに沿って凹部35a,35bが形成されている。その凹部35a,35bによって外周基礎11とセッティングプレート30の端辺部30a,30bとの間には所定の隙間39a,39bが形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、建物の柱設置構造に関する。
ユニット式建物は、基礎上に複数の建物ユニットが並べられ、それら建物ユニット同士が互いに連結されることにより構築されている(例えば特許文献1参照)。建物ユニットは、梁及び柱を有して直方体状に形成され、各柱がそれぞれ基礎上に載置されることにより設置されている。
建物ユニットの柱は基礎上にセッティングプレートを介して設置される場合がある。セッティングプレートは、柱を基礎上において所定位置に設置する等の目的で用いられるものであり、例えば矩形平板状の鋼板よりなる。セッティングプレートは、基礎上において各柱の設置箇所にそれぞれ配設され、その配設された各セッティングプレート上にそれぞれ柱が設置される。
ところで、地震や強風等により建物に外力が加わる場合には、基礎上で建物ユニットが横揺れし、ひいては建物ユニットの各柱が左右に横揺れすることが考えられる。ここで、基礎上に柱がセッティングプレートを介して設置される上述の構成において、柱が基礎上すなわちセッティングプレート上で横揺れする場合、セッティングプレートが基礎上で柱の揺れに追従しながら左右に傾く(ばたつく)ことが考えられる。その場合、セッティングプレートが基礎の天端に対して斜めに傾いたときに、セッティングプレートの端縁部が基礎の天端に線接触して基礎に局所的に過大な荷重が加わるおそれがあり、基礎に亀裂や剥落等の破損が生じることが懸念される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、地震等により基礎上で柱が横揺れする場合において基礎に破損が生じるのを抑制することができる建物の柱設置構造を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物の柱設置構造は、基礎上に建物の柱が設置されている建物の柱設置構造であって、前記柱の下端部には、前記基礎の上面に載置されて当該柱からの荷重を受ける載置プレートが設けられており、前記基礎の上面には、前記載置プレートの端縁部に沿って凹部が形成されており、その凹部によって前記基礎と前記載置プレートの当該端縁部との間に所定の隙間が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、基礎の上面に載置プレートの端縁部に沿って凹部が形成されており、その凹部によって基礎と載置プレートの当該端縁部との間に所定の隙間が形成されている。このような構成では、地震等で建物に外力が加わることで、基礎上で建物ユニットの柱が横揺れしその揺れに追従して柱下端部の載置プレートが基礎上で傾いた場合に、載置プレートの当該端縁部を凹部(隙間)に入り込ませることができる。これにより、載置プレートの当該端縁部が基礎と干渉するのを抑制することができ、その結果当該端縁部を介して基礎に局所的に過大な荷重が加わるのを抑制することができる。よって、この場合、基礎に破損が生じるのを抑制することができる。
第2の発明の建物の柱設置構造は、第1の発明において、前記凹部は、前記載置プレートにおける前記基礎の側面側の端縁部に沿って形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、載置プレートにおける基礎の側面側の端縁部に沿って凹部(ひいては隙間)が形成されているため、柱の横揺れに追従して載置プレートが傾いた際に載置プレートの基礎側面側の端縁部が基礎に干渉するのを抑制することができる。これにより、基礎の天端において比較的破損が生じ易い基礎側面側にて破損が生じるのを好適に抑制することができる。
第3の発明の建物の柱設置構造は、第1又は第2の発明において、前記基礎において前記凹部の底面は、その凹部に沿って延びる前記載置プレートの端縁部と直交する方向において前記基礎の上面から前記載置プレートの外側に向けて下方傾斜する傾斜面となっていることを特徴とする。
本発明によれば、基礎において凹部の底面が基礎の上面から下方傾斜した傾斜面として形成されているため、基礎の上面における凹部側の端部がエッジ(鋭角)となってしまうことが抑制されている。これにより、基礎上で載置プレートが傾いた際同プレートが基礎の上面における当該端部上に載ることで、当該端部に柱ひいては建物ユニットの荷重が加わった場合に、当該端部に応力集中が生じるのを抑制することができる。そのため、当該端部周辺で基礎に破損が生じるのを抑制することができる。
第4の発明の建物の柱設置構造は、第3の発明において、前記直交する方向における前記傾斜面の勾配が、前記建物においてあらかじめ定められた層間変形角の最大値よりも大きくなっていることを特徴とする。
建物に揺れが生じることで、基礎上で建物ユニット(ひいては柱)が傾き層間変位した場合に、その層間変形角がαになると、柱の揺れに追従して傾く載置プレートも基礎の天端に対して同じ角度αだけ傾くことが想定される。そこで本発明では、この点に着目し、凹部の底面となる傾斜面の勾配を建物において予め定められた層間変形角の最大値(例えば1/120)よりも大きく設定している。これにより、あらかじめ想定した範囲内で建物に最大限の揺れが生じたとしても、載置プレートの端縁部が基礎に干渉するのを回避することができ、その結果基礎に破損が生じるのを確実に防止することができる。
第5の発明の建物の柱設置構造は、第1乃至第4のいずれかの発明において、互いに直交する方向に延びる2つの前記基礎がL字状に交差する交差部上に、前記柱が設置されているとともに前記載置プレートが載置されており、前記凹部は、前記載置プレートにおいて互いに直交する方向に延びかつそれぞれ屋外側に位置した各端縁部に沿って形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、2つの基礎がL字状に交差する交差部上に柱が設置されているとともに載置プレートが載置されている。そして、載置プレートにおいて互いに直交する方向に延びかつそれぞれ屋外側に位置した各端縁部に沿って凹部(ひいては隙間)が形成されている。この場合、柱の横揺れ時に載置プレートに傾きが生じた際、これら屋外側の各端縁部については基礎と干渉することを抑制することができる。したがって、基礎の上面において特に破損が生じ易い(L字コーナ外側の角部となる)出隅部分での破損を好適に抑制することができる。
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、建物としてユニット式建物について具体化している。ユニット式建物は複数の建物ユニットを互いに連結することにより構成される建物である。そこでまず、建物ユニットの構成を図3を用いながら説明する。図3は建物ユニットを示す斜視図である。
図3に示すように、建物ユニット20は、その四隅に配設される4本の柱21と、各柱21の上端部及び下端部をそれぞれ連結する各4本の天井大梁22及び床大梁23とを備えている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。
建物ユニット20の長辺部の相対する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に設けられている。例えば、天井小梁25はリップ溝形鋼よりなり、床小梁26は角形鋼よりなる。天井小梁25によって天井面材27が支持され、床小梁26によって床面材28が支持されている。
次に、ユニット式建物としての建物10について、図4を用いながら説明する。図4は、基礎11,12上に建物ユニット20が設置された状態を示す斜視図である。なお図4では便宜上、紙面手前側の建物ユニット20の図示を省略している。
図4に示すように、基礎11,12上には複数の建物ユニット20が並べて設置されており、それら各建物ユニット20が互いに連結されることによりユニット式の建物10が構築されている。基礎11,12には、建物10の外周部に沿って設けられた外周基礎11と、外周基礎11により囲まれた内側空間(床下空間)に設けられた柱受け基礎12とがある。外周基礎11は鉄筋コンクリート造の布基礎よりなり、床下地盤の内部に埋設されたフーチング部(図示略)と、そのフーチング部から上方に立ち上がる立ち上がり部11aとを有する。
柱受け基礎12は、鉄筋コンクリート造の独立基礎よりなり、床下地盤の内部に埋設されたフーチング部(図示略)と、そのフーチング部から上方に立ち上がる四角柱状の立ち上がり部12aとを有する。柱受け基礎12は、建物ユニット20の柱21の設置位置に対応して複数箇所に配置されている。
建物ユニット20は、各柱21をそれぞれ基礎11,12上に載置した状態で設置されている。具体的には、建物ユニット20の各柱21のうち建物外周部に配置される柱21は外周基礎11上に設置され、屋内側に配置される柱21は柱受け基礎12上に設置されている。
建物ユニット20の各柱21はそれぞれセッティングプレート30を介して基礎11,12上に設置されている。セッティングプレート30は矩形平板状の鋼板よりなる。セッティングプレート30は基礎11,12上において各柱21の設置箇所にそれぞれ載置されており、それら載置された各セッティングプレート30上にそれぞれ建物ユニット20の柱21が立設されている。なおここで、セッティングプレート30が載置プレートに相当する。
なお、セッティングプレート30は基礎11,12に対してボルト等の締結具や固定金具を用いて固定されておらず、柱21に対してもボルト等の締結具や固定金具を用いて固定されてはいない。
次に、外周基礎11上に柱21が設置された柱設置構造について説明する。ここでは、特に、建物10の出隅部に配置された柱21の設置構造について図1を用いながら説明する。図1において(a)が建物10の出隅部において外周基礎11上に設置された柱21の設置構成を示す平面図であり、(b)が(a)のA−A線断面図である。
図1(a)及び(b)に示すように、建物10の出隅部では、平面視で互いに直交する方向に延びる2つの外周基礎11がL字状に交差しており、それら各外周基礎11が交差する交差部17上に建物ユニット20の柱21がセッティングプレート30を介して設置されている。以下の説明では、場合によって、交差部17で交差しあう各外周基礎11の符号にそれぞれA及びBを付す。また、各外周基礎11A,11Bにおいて交差部17とは異なる部分、すなわち外周基礎11A,11B同士が交差していない直線状の部分を直線部18(換言すると非交差部)ともいう。また、外周基礎11Aの屋外側の側面を外側面37、外周基礎11Bの屋外側の側面を外側面38という。これら各外側面37,38は交差部17におけるコーナ外側にて出隅を形成している。
セッティングプレート30は、外周基礎11の交差部17における天端19上に載置された状態で設けられている。詳しくは、セッティングプレート30は、隣り合う2つの端辺部30a,30bをそれぞれ各外周基礎11A,11Bの延びる方向に向けて載置されている。
セッティングプレート30の上面には、建物ユニット20の柱21が設置されている。柱21の下端部には平板状のエンドプレート32が溶接により固定されており、そのエンドプレート32がセッティングプレート30上に載置されることにより柱21が設置されている。この場合、柱21の荷重ひいては建物ユニット20の荷重はセッティングプレート30を介して外周基礎11に伝達される。
なお、交差部17の天端19はサンダー等の研磨工具により平坦状に仕上げられている。これにより、セッティングプレート30が交差部17の天端19上でがたつくことなく安定した状態で載置されている。
ところで、地震等で建物10に外力が加わった場合には、外周基礎11上詳しくはセッティングプレート30上で柱21が横揺れすることが想定される。さらには、柱21の横揺れに追従してセッティングプレート30が外周基礎11上で左右に傾く(ばたつく)ことが想定される。この場合、外周基礎11上で傾くセッティングプレート30の端縁部が外周基礎11の天端19に線接触して、当該天端19に局所的に過大な荷重が加わるおそれがある。そうなると、外周基礎11の天端19側に亀裂や剥落といった破損が生じることが懸念される。そこで本実施形態では、このような点に鑑みて、セッティングプレート30が外周基礎11上で傾いた際に、その端縁部が外周基礎11と干渉するのを回避するための特徴的な構成を有している。以下、かかる本実施形態の特徴的構成について図1に加えて図2を用いながら説明する。なお、図2において(a)が建物10の出隅部における外周基礎11を示す平面図であり、(b)が斜視図である。
図1及び図2に示すように、外周基礎11の交差部17における天端19には凹部35が形成されている。凹部35は、セッティングプレート30における隣り合う2つの屋外側の端辺部30a,30bに沿ってそれぞれ形成されている。具体的には、凹部35は、セッティングプレート30の端辺部30aに沿って形成された凹部35aと、端辺部30bに沿って形成された凹部35bとを有しており、それら各凹部35a,35bが互いに連続することにより形成されている。なお、図2(a)では便宜上、交差部17において凹部35以外の部分すなわち天端19の部分にハッチングを付している。
凹部35aは、セッティングプレート30の端辺部30aにおけるほぼ全域に亘って延びている。交差部17において凹部35aの底面は、水平方向に拡がる天端19に対して傾斜した傾斜面36aとなっている。この傾斜面36aは、セッティングプレート30の端辺部30aに対して交差する所定方向に交差部17の天端19から外側面37にかけて下方傾斜している。詳しくは、傾斜面36aは、端辺部30aと直交する方向において屋外側(外側面37)に向けて下方傾斜しているとともに、端辺部30aの延びる方向において屋外側(外側面38)に向けて下方傾斜している。
凹部35bは、凹部35aと基本的に同じ構成である。すなわち、凹部35bは、セッティングプレート30の端辺部30bにおけるほぼ全域に亘って延びており、その底面が、当該端辺部30bに対して交差する所定方向に交差部17の天端19から外側面38にかけて下方傾斜した傾斜面36bとなっている。詳しくは、傾斜面36bは、端辺部30bと直交する方向において屋外側(外側面38)に向けて下方傾斜しているとともに、端辺部30bの延びる方向において屋外側(外側面37)に向けて下方傾斜している。
なお、各傾斜面36a,36bの境界部は凹部35底面における山部41(換言すると隅棟部)となっており、その山部41は平面視において交差部17の出隅と入隅とを結ぶ対角線に沿って延びている。そして、各傾斜面36a,36b(凹部35a,35b)はその山部41を基準として対称の形状を有している。
上記の凹部35aによって、外周基礎11とセッティングプレート30の端辺部30aとの間には隙間39aが形成されている。隙間39aは、その隙間幅(上下幅)が、傾斜面36aの傾斜によって、セッティングプレート30の端辺部30aと直交する方向において屋外側に向かうにつれ大きくなっており、また当該端辺部30aの延びる方向において屋外側に向かうにつれ大きくなっている。
これと同じく、上記の凹部35bによって、外周基礎11とセッティングプレート30の端辺部30bとの間には隙間39bが形成されている。隙間39bは、その隙間幅(上下幅)が、傾斜面36bの傾斜によって、セッティングプレート30の端辺部30bと直交する方向において屋外側に向かうにつれ大きくなっており、また当該端辺部30bの延びる方向において屋外側に向かうにつれ大きくなっている。そして、隙間39aと隙間39bとによって、セッティングプレート30の両端辺部30a,30bに沿って連続する略L字状の隙間39が形成されている。
なお、凹部35(傾斜面36a,36b)は、例えばサンダー等の研磨工具を用いて外周基礎11の天端19を研磨することにより形成される。
次に、上述した柱21の設置構造において、地震等で建物10に揺れが生じ柱21に横揺れが生じた場合の隙間39(凹部35)の作用について図5に基づいて説明する。なお、図5はかかる作用を説明するための説明図である。
図5では、地震等により建物10にセッティングプレート30の端辺部30aと直交する方向への外力Fが加わることで、外周基礎11A,11Bの交差部17上で建物ユニット20の柱21が同方向に横揺れしている。そして、その柱21の揺れに追従して、セッティングプレート30が交差部17上で左右に傾いて(ばたついて)いる。
この場合、セッティングプレート30は、交差部17上で傾いた際、その端辺部30aが凹部35(35a)に入り込む。そのため、当該端辺部30aが外周基礎11と干渉するのを抑制又は回避することができる。これにより、当該端辺部30aを介して外周基礎11に局所的に過大な荷重が加わるのを抑制又は防止することができ、その結果外周基礎11に亀裂や剥落等の破損が生じるのを抑制又は防止することができる。
また、図示は省略するが、建物10にセッティングプレート30の端辺部30bと直交する方向への外力が加わることで柱21が同方向に横揺れし、それに追従してセッティングプレート30が左右に傾いた場合には、同プレート30の端辺部30bが凹部35(35b)に入り込む。そのため、当該端辺部30bが外周基礎11と干渉するのを抑制又は回避することができる。これにより、当該端辺部30bを介して外周基礎11に局所的に過大な荷重が加わるのを抑制又は防止することができ、その結果外周基礎11に破損が生じるのを抑制又は防止することができる。
ところで、図6に示すように、建物10に外力が加わることで、外周基礎11上で建物ユニット20が横揺れする場合、建物ユニット20(ひいては柱21)はその高さhに対してδだけ層間変位する。この場合、層間変形角はδ/hとなる。本建物10では、その層間変形角(δ/h)が、建築基準法に基づき1/120以下となるように設計されている。
ここで、外周基礎11上で柱21が傾いて、その層間変形角(δ/h)がαになった場合、柱21の揺れに追従して傾くセッティングプレート30も外周基礎11の天端19に対して同じ角度αだけ傾くことが考えられる。そこで本実施形態では、この点に着目し、外周基礎11の傾斜面36aの勾配(H/L)、詳しくは端辺部30aと直交する方向における傾斜面36aの勾配(H/L)を、建物10において予め定められた層間変形角(δ/h)の最大値すなわち1/120よりも大きく設定している。これにより、あらかじめ想定した範囲内で建物10に端辺部30aと直交する方向への最大限の揺れが生じたとしても、セッティングプレート30の端辺部30aが外周基礎11に干渉するのを回避することができる。その結果、外周基礎11に破損が生じるのを確実に防止することができる。
また、これと同様に、傾斜面36bの勾配詳しくは端辺部30bと直交する方向における傾斜面36bの勾配についても、1/120よりも大きく設定している。したがって、あらかじめ想定した範囲内で建物10に同方向への最大限の揺れが生じたとしても、セッティングプレート30の端辺部30bが外周基礎11に干渉するのを回避することができ、外周基礎11に破損が生じるのを確実に防止することができる。
なお、傾斜面36a(36b)の勾配H/Lは、必ずしも建物10において予め定められた層間変形角(δ/h)の最大値(つまり1/120)より大きくする必要はなく、最大値以下としてもよい。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
外周基礎11の天端19において、凹部35a,35bを、セッティングプレート30における外周基礎11の外側面37,38側の端辺部30a,30bに沿って形成した。この場合、柱21の横揺れに追従してセッティングプレート30が傾いた際、同プレート30におけるそれら基礎側面側の端辺部30a,30bが外周基礎11に干渉するのを抑制することができる。これにより、外周基礎11の天端19において比較的破損が生じ易い基礎側面側にて破損が生じるのを好適に抑制することができる。
凹部35a,35bの底面を、セッティングプレート30の端辺部30a,30bと直交する方向において外周基礎11の天端19から屋外側(換言するとプレート外側)に向けて下方傾斜する傾斜面36a,36bとした。この場合、外周基礎11の天端19における凹部35a,35b側の端部がエッジ(鋭角)となってしまうのを抑制することができる。これにより、外周基礎11上でセッティングプレート30が傾いた際、同プレート30が外周基礎11の天端19における当該端部上に載ることで、当該端部に柱21(ひいては建物ユニット20)の荷重が加わった場合に、当該端部に応力集中が生じるのを抑制することができる。そのため、当該端部周辺で外周基礎11に破損が生じるのを抑制することができる。
互いに直交する2つの外周基礎11A,11Bが交差する交差部17上に、セッティングプレート30を介して柱21が設置されている構成において、凹部35a,35bを、セッティングプレート30において互いに直交しかつ屋外側に位置する各端辺部30a,30bに沿ってそれぞれ形成した。この場合、柱21の横揺れ時にセッティングプレート30に傾きが生じた際、これら屋外側の各端辺部30a,30bが外周基礎11と干渉するのを抑制することができる。したがって、外周基礎11の天端19において特に破損が生じ易い外周基礎11(交差部17)の出隅部分での破損を好適に抑制することができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)凹部35(35a,35b)の形状は必ずしも上記実施形態のものに限定されない。例えば上記実施形態では、凹部35a(35b)の底面となる傾斜面36a(36b)を、セッティングプレート30の端辺部30a(30b)の延びる方向、及び、端辺部30a(30b)と直交する方向の両方向に下方傾斜させたが、これら両方向のうちいずれかの方向にのみ下方傾斜させてもよい。また、凹部35a,35bの底面を傾斜面36a,36bに代えて水平面としてもよい。これらの場合にも、凹部によって、セッティングプレート30の端辺部30a(30b)が外周基礎11と干渉するのを抑制することができ、外周基礎11の破損を抑制することができる。
また、上記実施形態では、凹部35a,35b(隙間39a,39b)を、セッティングプレート30において隣り合う屋外側の各端辺部30a,30bに沿って形成したが、これに代えて又は加えて、同プレート30において隣り合う屋内側の各端辺部に沿って形成してもよい。
(2)上記実施形態では、外周基礎11A,11Bの交差部17上に設置された柱21に本発明の柱設置構造を適用したが、外周基礎11における交差部17以外の部位、すなわち外周基礎11の直線部18に設置された柱21に本発明を適用してもよい。図7にその具体例を示す。図7では、外周基礎11の直線部18上に柱21がセッティングプレート30を介して設置されている。外周基礎11の天端19には、セッティングプレート30において外周基礎11の両側面56,57側に位置する各端辺部30c,30dに沿ってそれぞれ凹部48,49が形成されている。これらの凹部48,49は、端辺部30c,30d全域に亘って延びている。凹部48の底面は、セッティングプレート30の端辺部30cと直交する方向において外周基礎11の天端19から側面56にかけて(プレート外側に向け)下方傾斜した傾斜面51となっている。また、凹部49の底面は、セッティングプレート30の端辺部30dと直交する方向において外周基礎11の天端19から側面57にかけて(プレート外側に向け)下方傾斜した傾斜面52となっている。この場合、凹部48によって端辺部30cと外周基礎11との間に隙間53が形成され、凹部49によって端辺部30dと外周基礎11との間に隙間54が形成されている。
かかる構成によれば、柱21の横揺れに追従してセッティングプレート30が傾いた際、同プレート30において外周基礎11の両側面56,57側にそれぞれ位置する各端辺部30c,30dが外周基礎11に干渉するのを抑制することができる。これにより、外周基礎11の天端19において比較的破損が生じ易い両側面56,57側のそれぞれにおいて破損が生じるのを好適に抑制することができる。
また、柱受け基礎12上に設置される柱21に本発明の柱設置構造を適用してもよい。
(3)上記実施形態では、外周基礎11上に柱21をセッティングプレート30を介して設置したが、外周基礎11上に柱21をセッティングプレート30を介さず直に設置することも考えられる。この場合、外周基礎11上に柱21のエンドプレート32が載置され、その載置状態で柱21が外周基礎11上に設置される。つまり、この場合には、エンドプレート32が載置プレートに相当する部材となる。かかる構成では、エンドプレート32の端縁部と外周基礎11との間に隙間39が形成され、エンドプレート32が傾いた際にエンドプレート32の端縁部と外周基礎11との干渉が抑制される。したがって、この場合にも、外周基礎11の破損を抑制することができる。
(4)図8に示すように、セッティングプレート45に、同プレート45の端辺部45a,45bから下方に延びて屋外側から隙間39を覆う爪部46,47を設けてもよい。この場合、柱21の揺れに追従してセッティングプレート45が傾こうとすると、爪部46,47が外周基礎11(詳しくは立ち上がり部11a)の側面に当たって、外周基礎11の側面を押さえることとなる。これにより、セッティングプレート45が柱21の揺れに追従して左右に傾くことによる外周基礎11の亀裂や剥落を抑制する効果がある。
(5)上記実施形態では、ユニット式建物への適用例を説明したが、鉄骨軸組工法により構築される建物等、他の構造の建物にも本発明を適用できる。
10…建物、11…基礎としての外周基礎、12…基礎としての柱受け基礎、17…交差部、19…天端、20…建物ユニット、21…柱、30…載置プレートとしてのセッティングプレート、35…凹部、36a,36b…傾斜面、39…隙間。
Claims (5)
- 基礎上に建物の柱が設置されている建物の柱設置構造であって、
前記柱の下端部には、前記基礎の上面に載置されて当該柱からの荷重を受ける平板状の載置プレートが設けられており、
前記基礎の上面には、前記載置プレートの端縁部に沿って凹部が形成されており、
その凹部によって前記基礎と前記載置プレートの当該端縁部との間に所定の隙間が形成されていることを特徴とする建物の柱設置構造。 - 前記凹部は、前記載置プレートにおける前記基礎の側面側の端縁部に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の建物の柱設置構造。
- 前記基礎において前記凹部の底面は、その凹部に沿って延びる前記載置プレートの端縁部と直交する方向において前記基礎の上面から前記載置プレートの外側に向けて下方傾斜する傾斜面となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の柱設置構造。
- 前記直交する方向における前記傾斜面の勾配が、前記建物においてあらかじめ定められた層間変形角の最大値よりも大きくなっていることを特徴とする請求項3に記載の建物の柱設置構造。
- 互いに直交する方向に延びる2つの前記基礎がL字状に交差する交差部上に、前記柱が設置されているとともに前記載置プレートが載置されており、
前記凹部は、前記載置プレートにおいて互いに直交する方向に延びかつそれぞれ屋外側に位置した各端縁部に沿って形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物の柱設置構造。
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JP2013017342A JP2014148805A (ja) | 2013-01-31 | 2013-01-31 | 建物の柱設置構造 |
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JP2013017342A JP2014148805A (ja) | 2013-01-31 | 2013-01-31 | 建物の柱設置構造 |
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2013
- 2013-01-31 JP JP2013017342A patent/JP2014148805A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020007809A (ja) * | 2018-07-10 | 2020-01-16 | トヨタホーム株式会社 | 柱脚 |
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