JP2014147368A - ホエイ加工食品の製造方法 - Google Patents

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【課題】 本発明は、ホエイを用いた新規な加工食品およびその製造方法を提供することを目的とする。より詳しくは、本発明は、ホエイを酵素処理して加熱処理することにより得られるキャラメル様の食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、ホエイを、乳糖分解活性を有する酵素を用いて処理した後、糖類を添加するか又は添加することなく、加熱処理することにより、得られるキャラメル様の食品及びその製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホエイを用いた加工食品およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、ホエイを酵素処理して、加熱処理することにより得られるキャラメル様の食品及びその製造方法に関する。
ホエイ(whey)は、乳清とも呼ばれ、乳からカゼインや乳脂肪分を除いたものである。ホエイの成分は、乳たんぱく質、乳糖のほかに、各種必須アミノ酸、水溶性ビタミン類及び各種ミネラル類等を含んでおり、栄養学的にも優れた乳製品由来の食品素材として注目されている。
しかしながら、ホエイは変質しやすく保存性が低いことや、特有の風味を有することから、食品分野で十分に利用されていない。ホエイは、飼料や乾燥ホエイとして利用されるほか、多くは産業廃棄物として処理されていて、有効資源の活用や廃棄物減少の観点から、いっそうの有効利用が望まれている。
ホエイを有効利用するための発明については、種々報告されている。例えば、甘性ホエー由来の不良な風味を改善し、15℃以上での貯蔵でも褐変せず、食品素材として広範な用途を有する、乳糖加水分解物等を構成成分として含有する乳糖分解甘性ホエー濃縮物の製造方法(特許文献1)が開示されている。また、乳清の用途を広げ、その有効利用を図るために、乳清を限外濾過膜で濾過し、膜非透過の濃縮液に乳糖分解酵素を加えて乳糖を分解し、その酵素分解液に糖類を混合することを特徴とする乳清食品の製造方法(特許文献2)が開示されている。
一方、乳製品を加熱処理することにより得られる代表的な加工食品としてキャラメルがあり、そのキャラメルに関連する発明としては、例えば、練乳等の中の乳糖を分解し、褐変に充分な大気圧以上の圧力下で加熱して得られた、キャラメル風味を有する新規な食品素材(特許文献3)が開示されている。また、例えば、豊かなキャラメル風味を有し、ブロッキングやケーキングを生じない安定なキャラメルパウダーを得るために、糖類と乳製品を原料とし、原料中の無脂乳固形分の量及び原料中の糖類固形分の量を制御した混合物を加圧下で加熱して得られたキャラメルを噴霧乾燥するキャラメルパウダーの製造法(特許文献4)が開示されている。前者は、練乳等を出発原料とするキャラメル風味を有する練乳に関する発明であり、無糖練乳を原料に用いた場合は、練乳に相当する程度の量のショ糖を加えることが明示されており、糖類の添加が必須である。後者は、キャラメルの原料として糖類及び乳製品を用いるものであり、砂糖等の糖類及び脱脂粉乳や加糖練乳等の乳製品が配合されている。
特開平8−56568号公報 特開2006−320273号公報 特開平8−256680号公報 特開2009−82038号公報
ホエイは栄養学的に優れた乳製品由来の食品素材であり、有効資源の活用や廃棄物減少の観点から、ホエイの一層の有効利用が望まれている。
上記課題を解決するために、本発明は、ホエイを用いた新規な加工食品およびその製造方法を提供することを目的とする。より詳しくは、本発明は、ホエイを酵素処理して加熱処理することにより得られるキャラメル様の食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ホエイ加工食品に着目して鋭意研究を行った結果、ホエイを酵素処理した後、加熱処理することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、ホエイを、乳糖分解活性を有する酵素を用いて処理した後、糖類を添加するか又は添加することなく、加熱処理することにより、得られるキャラメル様の食品及びその製造方法を提供するものである。
本発明には、下記の態様が含まれる。
項(1)
ホエイを、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理した後、糖類を添加するか又は添加することなく、加熱処理することを特徴とするホエイ加工食品の製造方法。
項(2)
ホエイ加工食品がキャラメル様の風味を有するものであることを特徴とする項(1)記載の製造方法。
項(3)
乳糖の分解率が20%以上である項(1)記載の製造方法。
項(4)
加熱処理が、常圧下又は加圧条件下で行われる、項(1)乃至項(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
項(5)
加熱処理が、90〜300℃で行われる、項(1)乃至項(4)のいずれか1項に記載の製造方法。
項(6)
項(1)乃至項(5)のいずれか1項に記載の製造方法により得られるホエイ加工食品。
本発明によれば、嗜好性に優れたホエイ加工食品を提供することでき、ホエイの食品への用途を広げその有効利用を図ることができる。また、本発明によれば、糖類を添加するか又は添加することなく加熱処理して得られるキャラメル様の風味を有する嗜好性に優れた新規なホエイ加工食品及びその製造方法を提供することができる。
本発明は、ホエイを、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理した後、加熱処理することを特徴とするホエイ加工食品の製造方法である。さらに、本発明は、ホエイを、乳糖分解活性を有する酵素を用いて処理した後、糖類を添加するか又は添加することなく、加熱処理することにより、得られるキャラメル様の食品及びその製造方法を提供するものである。以下に、本発明について詳細を記載する。
本発明において、原料のホエイは、一般に食品加工原料に供されるホエイであればいずれを用いてもよい。原料のホエイの由来となる乳は、特に限定されないが、好ましくは牛、羊、山羊、水牛、驢馬のうち少なくとも1種の乳であり、より好ましくは牛乳である。また、本発明において用いる原料のホエイは、その物性を問わず、液体又は乾燥粉末化したもののいずれを用いてもよい。また、本発明で用いる原料のホエイは、脱塩処理したものであっても、脱塩処理していないものであっても、いずれを用いてもよいが、好ましくは、脱塩処理したホエイである。
本発明においては、原料のホエイの水分値を調整することが好ましい。原料のホエイの水分値は、30〜70重量%の範囲内にあることが好ましく、液体のホエイを用いる場合、その水分値が該範囲内にあれば、水分値を調整しなくても、そのまま用いることができる。また、その水分値が該範囲内になければ、常法により加水又は濃縮処理を行い、その水分値を調整して用いることができる。
本発明において、原料のホエイは、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理を行う前に、常法により、殺菌処理を行うことが好ましい。殺菌処理する方法は、原料のホエイ中に含まれる微生物を殺菌する方法であればいずれでもよく、例えば、高温殺菌、蒸気加熱殺菌、高温高圧殺菌等が挙げられ、それらから適宜選択して用いることができる。殺菌処理の条件は、殺菌の方法により適宜設定することができるが、例えば、加熱殺菌における温度及び時間では、通常、常圧下80℃以上で5〜120分間、加圧下110〜140℃で0.1〜60分間を例示することができる。
本発明において、原料のホエイは、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理を行う。本発明において用いる乳糖分解活性を有する酵素は、食品に用いることができる乳糖分解活性を有する酵素であればいずれでもよく、また、酵素製剤の形で用いることもできる。乳糖分解活性を有する酵素としては、例えば、乳糖分解酵素製剤であるGODO−YNL(合同酒精株式会社製)、スミラクトL(新日本化学工業株式会社製)、ラクターゼF「アマノ」(天野エンザイム株式会社製)等が挙げられる。
本発明において、原料のホエイを、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理したとき、得られた酵素処理物は、原料のホエイに含まれる乳糖が分解されている。このとき、乳糖の分解率は、少なくともキャラメル化ができる程度に該乳糖が分解されていればよいが、好ましくは、該乳糖の20%以上、より好ましくは、40%以上、特に好ましくは、60%以上である。
本発明において、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理する温度は、通常10〜75℃、好ましくは10〜65℃、より好ましくは25〜65℃である。また、本発明において、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理する時間は、通常0.1〜48時間、好ましくは0.2〜24時間、より好ましくは0.5〜18時間、特に好ましくは1〜12時間である。また、本発明において、乳糖分解活性を有する酵素の添加量は、処理温度及び処理時間により適宜変更することができるが、例えば、製剤として、通常0.005〜2重量%、好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.02〜0.5重量%である。
本発明において、原料のホエイを、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理した後、糖類を添加するか又は添加することなく、加熱処理を行う。原料のホエイを、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理して得られた酵素処理物中の乳糖は分解されているため、糖類を添加することなく、該酵素処理物のみを加熱処理することによりキャラメル様食品を得ることができる。また、キャラメル化を促進するために、該酵素処理物に糖類を添加して加熱処理することによりキャラメル様の食品を得ることができる。本発明において、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理した原料のホエイに糖類を添加する場合に用いることができる糖類としては、ブドウ糖、果糖等の単糖類;砂糖、マルトース、ラクトース、トレハロース等の二糖類;オリゴ糖、水飴、糖蜜、蜂蜜、メープルシロップ等が挙げられ、これらの少なくとも1種を用いることができる。このうち、風味、味等の点で、砂糖、又は砂糖と上記他の糖類との混合物が好ましい。
本発明において、原料のホエイの加熱処理は、常圧下又は加圧条件下のいずれでも行うことができる。本発明において、原料のホエイを加熱処理する温度は、通常90℃以上300℃以下であるが、好ましくは90〜200℃、より好ましくは90〜150℃、特に好ましくは90〜130℃である。なお、加熱温度が300℃以上となると、焦げ等が発生し、風味良好なキャラメル様の加工食品を得ることができない。本発明において、原料のホエイを加熱処理する時間は、その加熱温度により適宜変更されるが、通常、加熱温度が90℃達温時点から0.1〜24時間、好ましくは0.1〜12時間、より好ましくは0.1〜6時間、特に好ましくは0.1〜3時間である。
本発明において、原料のホエイを加熱処理する方法は、特に限定はされず、例えば、蒸気加熱や過熱水蒸気といった湿式加熱、直火加熱や電熱加熱、赤外線加熱、電磁加熱といった乾式加熱、また、高周波加熱等を挙げることができる。本発明において、原料のホエイを加熱処理する装置は、特に限定はされず、密閉容器であっても、非密閉(開放)容器であってもよい。例えば、密閉容器であれば、耐圧密閉加熱釜(オートクレイブ)等が挙げられ、非密閉容器であれば、平釜、斜軸釜、ニーダー等が挙げられ、また、いずれにおいても、撹拌装置が備わっていることが好ましい。
本発明において得られるホエイ加工食品は、加熱処理することで褐変し着色される。その外観は、キャラメル様の外観色を呈していればよいが、例えば、色差計等を用いて測定する反射色のL値(明度)により表現したときでは、L=50以下であればよく、好ましくはL=46以下、より好ましくはL=43以下、特に好ましくはL=40以下であればよい。なお、L値は、その上限値である100のときに最も明るい(白っぽい)ことを示し、その下限値である0のときに最も暗い(黒っぽい)ことを示す。
本発明により得られるホエイ加工食品は、風味が良好で嗜好性に優れていることから、そのままの形態でも利用することができる。また、本発明により得られるホエイ加工食品は、常法により濃縮機等で処理して濃縮物として用いてもよく、また、乾燥して用いてもよい。乾燥方法は、特に限定されず、公知の手段を用いて乾燥することができる。乾燥方法としては、例えば、スプレードライヤー、ドラムドライヤー、フリーズドライヤー、エアードライヤー等の公知の手段を用いることができる。また、デキストリン等の賦形剤を添加して乾燥してもよい。さらに、乾燥により得られたものを粉砕後、粉末等として用いてもよく、必要に応じて造粒機等を用いて顆粒品とすることができる。また、水等で希釈して利用することができる。
さらに、本発明により得られるホエイ加工食品は、種々の加工食品、例えば、即席食品、乳製品、菓子類、調味料、茶飲料、野菜飲料、大豆飲料、豆乳飲料等の各種飲食品に適宜添加、配合して用いることもできる。
本発明により得られるホエイ加工食品は、特定保健用食品、機能性食品、栄養補助食品といった食品等に用いることができる。形態としては、アンプル、カプセル、丸剤、錠剤、粉末、顆粒、固形、液剤、ゲル、エアロゾル等とすることができるほか、各種製品中に配合することができる。これら製品の調製に当たっては、賦形剤、結合剤、潤沢剤等を適宜配合することができる。
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。なお、本実施例において、各原料及び素材の配合比率、含有比率、濃度は断りのない限り全て重量部基準である。
[実施例1](乳糖分解率の異なるホエイ酵素処理物の加熱処理)
市販のホエイ粉末(水分含量:3.0重量%)1600gと温水2400gとを撹拌しながら混合し、90℃まで加温して予備殺菌を行った。ついで、42℃まで冷却した後、乳糖分解酵素製剤であるGODO−YNL(合同酒精株式会社製)を表1に示した量になるようそれぞれ添加して、42℃で3時間酵素処理を行った。このとき、得られた各酵素処理物について、乳糖及びグルコースの濃度を測定し、さらに、乳糖分解率を求めた。乳糖濃度は、高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」という)により、下記の条件にて求めた。結果を表1に示す。
上記により得られた乳糖分解率の異なる各酵素処理物を、撹拌装置付きの平釜中で、常圧下撹拌をしながら、加熱温度が90℃達温時点から1.83時間(110分間)加熱処理することで、ホエイ加工食品(試料1〜試料4)を得た。このとき、加熱処理終了時の加熱温度は、いずれも112℃〜115℃の範囲内であった。
得られた各ホエイ加工食品について、その着色度合い(色調)としてL値(明度)を測定し評価した。L値は、分光測色計CM−3500d(ミノルタ株式会社製)を用いて測定した。さらに、各ホエイ加工食品が有するキャラメル様の風味について官能評価を行った。官能評価は、表2に記載の評価指標に基づいてモニター5人がそれぞれ採点し、その平均値を算出した。また、酵素処理をしない以外は上記各ホエイ加工食品と同様に処理して得られた酵素未処理ホエイ加工食品(対照)についても同様に評価した。結果を表2に示す。
<HPLCの測定条件(乳糖濃度)>
検出器:示差屈折率検出器
カラム:Wakosil 5NH(内径4.6mm、長さ250mm)
移動相:アセトニトリル:水=75:25
流速:0.6ml/分
カラム温度:40℃
標品:ラクトース一水和物(和光純薬工業株式会社製)を移動相に希釈し、検量線を作成した。
検体:試料を移動相に適宜希釈して分析した。
Figure 2014147368
Figure 2014147368
表2に示すとおり、試料1〜試料4のホエイ加工食品は、いずれもキャラメル様の風味を呈し、特に試料1〜試料3については、ミルク臭と糖をローストした香ばしさを併せ持ち、嗜好性の優れた風味豊かなキャラメル様の加工食品となった。対照である酵素未処理ホエイ加工食品は、若干の甘味を有するのみで、また、香ばしさは全くないため、キャラメル様の風味とは程遠く、とても単独で喫食できる程度の嗜好性を有するものではなかった。さらに、その着色度合いについては、試料1〜試料4のホエイ加工食品は、いずれもキャラメル様の色調を有しL値が50以下であり、特に試料1〜試料3について着色が顕著であったが、対照である酵素未処理ホエイ加工食品は、色調が白味を帯びてL値が77.3と高く、その性状もボソボソとしていて、その風味と同様、キャラメル様の加工食品とはならなかった。
[比較例1](無糖練乳酵素処理物の加熱処理)
市販の無糖練乳(水分含量:63.7重量%)4000gを撹拌しながら、90℃まで加温して予備殺菌を行った。ついで、42℃まで冷却した後、乳糖分解酵素製剤であるGODO−YNL(合同酒精株式会社製)を0.1重量%になるよう添加して、42℃で3時間酵素処理を行った。このとき、得られた酵素処理物について実施例1と同様にして乳糖分解率を求めたところ、その乳糖分解率は、92%であった。
得られた酵素処理物を、撹拌装置付きの平釜中で、実施例1と同様にして加熱処理したところ、処理中に焦げ付きが生じ、さらにダマが発生して、滑らかなペースト状のキャラメル様の加工食品を得ることができなかった。
[実施例2](ホエイ酵素処理物に加糖して加熱処理)
実施例1にて用いたホエイ粉末1600gと温水2400gとを撹拌しながら混合し、90℃まで加温して予備殺菌を行った。ついで、42℃まで冷却した後、乳糖分解酵素製剤であるGODO−YNL(合同酒精株式会社製)を0.3重量%になるよう添加して、42℃で3時間酵素処理を行った。このとき、得られた酵素処理物について実施例1と同様にして乳糖分解率を求めたところ、その乳糖分解率は、83%であった。
得られた酵素処理物に上白糖800gを加えて、撹拌装置付きの平釜中で、常圧下撹拌をしながら、加熱温度が90℃達温時点から1.67時間(100分間)加熱処理することで、ホエイ加工食品(実施例2)を得た。このとき、加熱処理終了時の加熱温度は、117℃であった。
得られたホエイ加工食品について、実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表3に示す。
Figure 2014147368
表3に示すとおり、実施例2の酵素処理を行ったホエイ加工食品は、キャラメル様の風味を呈し、ミルク臭と糖をローストした香ばしさを併せ持ち、嗜好性の優れた風味豊かな加工食品となった。さらに、その着色度合いについては、実施例2の酵素処理を行ったホエイ加工食品は、キャラメル様の色調を有しており、着色が顕著であった。
[実施例3](ホエイ酵素処理物の加圧加熱処理)
市販の脱塩ホエイ粉末(水分含量:3.5重量%)1500gと温水1500gとを撹拌しながら混合し、90℃まで加温して予備殺菌を行った。ついで、55℃まで冷却した後、乳糖分解酵素製剤であるスミラクトL(新日本化学工業株式会社製)を0.5重量%になるよう添加して、55℃で7時間酵素処理を行った。このとき、得られた酵素処理物について実施例1と同様にして乳糖分解率を求めたところ、その乳糖分解率は70%であった。
得られた酵素処理物を、撹拌装置付きの耐圧密閉加熱釜中で、加圧下撹拌をしながら、加熱温度が90℃達温時点から1時間(60分間)加熱処理することで、ホエイ加工食品(実施例3)を得た。このとき、加熱処理終了時の加熱温度は、105℃であった。
得られたホエイ加工食品について、実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表4に示す。
[比較例2](無糖練乳酵素処理物の加圧加熱処理)
市販の無糖練乳(水分含量:63.7重量%)3000gを撹拌しながら、90℃まで加温して予備殺菌を行った。ついで、55℃まで冷却した後、乳糖分解酵素製剤であるスミラクトL(新日本化学工業株式会社製)を0.1重量%になるよう添加して、55℃で7時間酵素処理を行った。このとき、得られた無糖練乳酵素処理物について実施例1と同様にして乳糖分解率を求めたところ、その乳糖分解率は、83%であった。
得られた無糖練乳酵素処理物を、撹拌装置付きの耐圧密閉加熱釜中で、加圧下撹拌をしながら、加熱温度が90℃達温時点から1時間加熱処理することで、無糖練乳加工品(比較例2)を得た。このとき加熱処理終了時の加熱温度は、108℃であった。
得られた無糖練乳加工品について、実施例1と同様にして評価を実施した。結果を表4に示す。
Figure 2014147368
表4に示すとおり、実施例3の酵素処理を行ったホエイ加工食品は、キャラメル様の風味を呈し、ミルク臭と糖をローストした香ばしさを併せ持ち、嗜好性の優れた風味豊かなキャラメル様の加工食品となった。しかし、比較例2の酵素処理を行った無糖練乳加工品は、香ばしさも、キャラメル様の風味も、いずれも非常に弱いものであり、キャラメル様の加工食品といえるものではなかった。さらに、その着色度合いについては、実施例3の酵素処理を行ったホエイ加工食品は、キャラメル様の色調を有しており、着色が顕著であったが、比較例2の酵素処理を行った無糖練乳加工品は、着色が弱く、キャラメル様の色調を有するものとはならなかった。したがって、糖類を添加しない無糖練乳の酵素処理物を加熱処理しても、風味良好なキャラメル様の加工食品を得ることはできないことがわかる。

Claims (6)

  1. ホエイを、乳糖分解活性を有する酵素を用いて酵素処理した後、糖類を添加するか又は添加することなく、加熱処理することを特徴とするホエイ加工食品の製造方法。
  2. ホエイ加工食品がキャラメル様の風味を有するものであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 乳糖の分解率が20%以上である請求項1記載の製造方法。
  4. 加熱処理が、常圧下又は加圧条件下で行われる、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 加熱処理が、90〜300℃で行われる、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の製造方法により得られるホエイ加工食品。
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