JP2014144941A - 塩化ビニルモノマーの製造方法 - Google Patents

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昌紀 島田
Kaori Takemoto
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Abstract

【課題】より反応選択率を向上させて塩化ビニルモノマーを製造することができる塩化ビニルモノマーの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】固体酸触媒による触媒反応により、2−クロロエタノールを脱水して塩化ビニルモノマーを製造する方法であって、固体酸触媒が水素型ゼオライトであり、水素型ゼオライトのシリカ/アルミナ比が20超〜70未満である塩化ビニルモノマーの製造方法を提供する。水素型ゼオライトは水素型モルデナイトであることが好ましく、水素型モルデナイトのシリカ/アルミナ比は25〜60であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機化学工業における塩化ビニルモノマーの製造方法に関する。
ポリ塩化ビニル樹脂は、機械的強度、耐薬品性等に優れており、従来から配管材料、建築材料等の各種用途に用いられている。
このポリ塩化ビニル樹脂の製造原料である塩化ビニルモノマーは、従来、エチレンの直接塩素化法やオキシクロリネーション法によって合成された1,2−ジクロロエタンを熱分解することにより製造されてきた(特許文献1〜3参照)。
しかし、このような熱分解反応において、充分な反応効率を得るためには500℃、15気圧という高温高圧条件を要し、そのため高性能な設備が必要となり経済的ではないとともに、煩雑な工程が必要であった。
特許文献4には、2−クロロエタノールを固体酸触媒による触媒反応により脱水して塩化ビニルモノマーを製造する方法が記載されている。しかしながら、その反応選択率(VCM/生成物)はいまだ十分な値とは言えず、副生成物が多く発生する傾向があった。また、反応選択率を上げるために反応温度を下げると反応がほとんど起こらない(収率激減)場合があった。特許文献4には、固体酸触媒のうち、収率を上げるためには、ブレンステッド酸性を示す水素型モルデナイトが好ましいことが記載されている。
特開平5−262682号公報 特開平6−80593号公報 WO2006/098466 特開2012−214433
本発明は、より反応選択率を向上させて塩化ビニルモノマーを製造することができる塩化ビニルモノマーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の発明を提供する。
(1)固体酸触媒による触媒反応により、2−クロロエタノールを脱水して塩化ビニルモノマーを製造する方法であって、該固体酸触媒が水素型ゼオライトであり、該水素型ゼオライトのシリカ/アルミナ比が20超〜70未満であることを特徴とする塩化ビニルモノマーの製造方法。
(2)上記水素型ゼオライトが水素型モルデナイトである、(1)に記載の塩化ビニルモノマーの製造方法。
(3)上記水素型モルデナイトのシリカ/アルミナ比が25〜60である、(2)に記載の塩化ビニルモノマーの製造方法。
(4)上記水素型モルデナイトのシリカ/アルミナ比が25〜40である、(3)に記載の塩化ビニルモノマーの製造方法。
(5)反応温度が160〜250℃である(1)〜(4)の何れか1つに記載の塩化ビニルモノマーの製造方法。
本発明によれば、より反応選択率を向上させて塩化ビニルモノマーを製造することが可能となる。そのため、設備のコンパクト化や廃棄物処理にかかる費用の削減が可能である。
本発明の塩化ビニルモノマーの製造方法では、2−クロロエタノールを、固体酸触媒としての水素型ゼオライトによる触媒反応を利用して脱水する。水素型ゼオライトのシリカ/アルミナ比は20超〜70未満である。水素型ゼオライトは水素型モルデナイトであることが好ましい。
この方法で用いる2−クロロエタノールは、従来公知の任意の方法により製造したもののいずれをも用いることができる。例えば、水中に塩素を吹き込むことにより発生させた次亜塩素酸を、エチレンに付加させることにより製造したものを用いることができる。
2−クロロエタノールの純度は特に限定されず、公知の方法によって製造したものを、精製することなくそのまま用いてもよいが、効率的に塩化ビニルモノマーを製造するという観点から、好ましくは50〜100wt%、さらに好ましくは85〜100wt%のものが挙げられる。
上記水素型ゼオライトは、Na型ゼオライトのNaイオンを、アンモニウムイオンを含む水溶液中でアンモニウムイオンに交換してNH4型ゼオライトとし、500℃前後の温度で焼成することにより得ることができる。また、上記Na型ゼオライトを塩酸水溶液で処理することによって水素型ゼオライトを得ることも可能である。
水素型モルデナイトは、通常シリカ/アルミナ比10〜20(さらには10〜25)で合成されたNa型モルデナイトのNaイオンを、アンモニウムイオンを含む水溶液中でアンモニウムイオンに交換してNH4型モルデナイトとし、500℃前後の温度で焼成することにより得ることができる。しかしながら、この様なシリカ/アルミナ比が比較的小さな水素型モルデナイトは、親水性が高く吸湿しやすいため、空気中の水分の吸着と自身の酸性度との相乗効果によって結晶骨格内のアルミニウム原子が骨格外に脱離し、ブレンステッド酸性が低下することが知られている。このため、2−クロロエタノールを脱水して塩化ビニルモノマーを製造する反応における反応選択率があまり上がらず、適切ではない。
また、上記Na型モルデナイトを塩酸水溶液で処理することによって水素型モルデナイトを得る場合、結晶骨格内の脱アルミも同時に引き起こし、シリカ/アルミナ比を上げた(親水性を下げた)水素型モルデナイトを得ることができる。しかしながら、シリカ/アルミナ比を例えば60を超えて上げると酸点量は減少しやすく、更にこの減少は結晶粒子表面でより起こりやすいため、原料の拡散に不利である低温での反応では収率の減少が顕著になる場合がある。
そのため、水素型モルデナイトのシリカアルミナ比は望ましくは25〜60、さらに好ましくは25〜40である。
本発明の塩化ビニルモノマーの製造方法では、その反応形式は特に限定されず、任意の反応形式で行うことができる。例えば、固定床式(例えば、固定床気相流通式、固定床液相流通式)、流動床式(例えば、流動床気相流通式、流動床液相流通式)、移動床式(例えば、移動床気相流通式、移動床液相流通式)、懸濁床回分式、懸濁床連続式、攪拌槽式、気泡塔式等が実現し得る設備が挙げられる。なかでも、固定床気相流通式、固定床液相流通式、流動床気相流通式、及び攪拌槽式が適している。
反応温度は、副生成物の発生を抑えるため、160〜250℃が適しており、好ましくは170〜230℃、特に170〜200℃が好ましい。
反応時間は、反応形式等によって異なるが、固定床気相流通式であれば触媒との接触時間で0.1〜10秒程度が適しており、好ましくは0.5〜5秒程度である。攪拌槽式反応装置であれば、10〜120分間程度が適しており、好ましくは30〜60分間程度である。
触媒量は反応形式によって異なるが、例えば固定床気相流通式であれば、1時間に反応する2−クロロエタノール100重量部に対して、50〜5000重量部程度使用することが適しており、さらに、1000〜3000重量部程度用いることが好ましい。攪拌槽式であれば2−クロロエタノール100重量部に対して、5〜100重量部程度使用することが適しており、さらに、10〜50重量部程度用いることが好ましい。
原料として用いる2−クロロエタノールは、気体又は液体のいずれでもよいが、エタノールの脱水反応は、通常、気相で行われることから、気体のものが適している。例えば、2−クロロエタノールを気化器により気化させて用いることが好ましい。なお、2−クロロエタノールは、希釈せずに用いてもよいし、不活性ガスにより希釈して用いてもよい。希釈に用いる不活性ガスとしては、特に限定されないが、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。これら不活性ガスは単独又は2種以上を混合して用いることができる。希釈の程度は、特に限定されないが、効率的に塩化ビニルモノマーを製造するという観点から、希釈ガスの含有量を90vol%以下とすることが適しており、好ましくは50vol%以下である。
反応は、常圧下で行ってもよいし、加圧下で行ってもよい。例えば、常圧〜0.1MPa程度が挙げられる。
2−クロロエタノールの反応系への供給量又は供給速度は、例えば、触媒の容積、温度、圧力、2−クロロエタノールの性状等によって適宜調整することができる。例えば、液体及び気体で供給する場合のいずれにおいても、0.1〜10g/時程度が挙げられる。反応によって得られた塩化ビニルモノマーは、当該分野で公知の方法により回収することができ、さらに精製してもよい。例えば、冷却による副生成物の液化分離のような方法が例示される。
また、回収及び精製することなく、そのまま以下の重合に付してもよい。
このようにして得られた塩化ビニルモノマーは、重合に付すことにより、ポリ塩化ビニル樹脂として利用することができる。塩化ビニルモノマーの重合方法は、特に限定されず、従来公知の任意の重合方法を利用することができる。例えば、塊状重合方法、溶液重合方法、乳化重合方法、懸濁重合方法等が挙げられる。ポリ塩化ビニル樹脂の重合度は、特に限定されず、例えば、100〜5000程度が適しており、600〜1600程度が好ましい。
以下に、本発明の塩化ビニルモノマーの製造方法の実施例を説明する。
反応は、流通式触媒反応装置を用い、触媒は石英製の直管(内径10mm)に充填したものを用いた。
反応ガスおよび反応液は、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、商品名GC−2010)、キャピラリーカラム(Agilent J&W社製、商品名DB−1、30m×0.25mm(内径)、膜厚1.0μm)水素炎イオン化検出器(FID)を用いて定量した。
2-クロロエタノール転化率及び塩化ビニルモノマー選択率を下式で算出した。
・2-クロロエタノール転化率(%)
=[供給2-クロロエタノール量(mol)−検出2-クロロエタノール量(mol)]
/供給2-クロロエタノール量(mol) × 100
・塩化ビニルモノマー選択率(%)
=塩化ビニルモノマー量(mol)/{各生成物量(mol)×炭素数/2}× 100
ここで、{各生成物量(mol)×炭素数/2}とは、各生成物において得られる値の和であり、[Σ{各生成物量(mol)×炭素数/2}]と表すこともできる。炭素数は、各生成物分子に含まれている炭素原子の数である。
実施例1
固体酸触媒としてシリカ/アルミナ比30の水素型モルデナイト0.6gを内径10mmの石英製反応管に充填し、窒素中200℃で1時間熱処理した。その後、固体酸触媒を反応温度に調整した。
気化させた2−クロロエタノールを流量1.0g/時及び窒素流量2500ml/時で、触媒層に通し、常圧、反応温度180℃の条件下にて反応させた。
反応生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、反応経過時間1時間後において、2−クロロエタノール転化率4.1%、塩化ビニルモノマー選択率79.5%であった。
実施例2
水素型モルデナイトの充填量を6.0gとした以外は実施例1と同様にして反応を行った。
反応生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、反応経過時間1時間後において、2−クロロエタノール転化率14.6%、塩化ビニルモノマー選択率74.2%であった。
実施例3
反応温度を270℃とした以外は実施例1と同様にして反応を行った。
反応生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、反応経過時間1時間後において、2−クロロエタノール転化率17.2%、塩化ビニルモノマー選択率45.8%であった。
比較例1
固体酸触媒としてシリカ/アルミナ比240の水素型モルデナイトを用い、反応温度を200℃とした以外は実施例1と同様にして反応を行った。
反応生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、反応経過時間1時間後において、2−クロロエタノール転化率0.62%、塩化ビニルモノマー選択率49.3%であった。
比較例2
固体酸触媒としてシリカ/アルミナ比18の水素型モルデナイトを用い、反応温度を200℃とした以外は実施例1と同様にして反応を行った。
反応生成物をガスクロマトグラフで分析したところ、反応経過時間1時間後において、2−クロロエタノール転化率0.9%、塩化ビニルモノマー選択率61.4%であった。
本発明によれば、より反応選択率を向上させて塩化ビニルモノマーを製造することができる。

Claims (5)

  1. 固体酸触媒による触媒反応により、2−クロロエタノールを脱水して塩化ビニルモノマーを製造する方法であって、該固体酸触媒が水素型ゼオライトであり、該水素型ゼオライトのシリカ/アルミナ比が20超〜70未満であることを特徴とする塩化ビニルモノマーの製造方法。
  2. 前記水素型ゼオライトが水素型モルデナイトである、請求項1に記載の塩化ビニルモノマーの製造方法。
  3. 前記水素型モルデナイトのシリカ/アルミナ比が25〜60である、請求項2に記載の塩化ビニルモノマーの製造方法。
  4. 前記水素型モルデナイトのシリカ/アルミナ比が25〜40である、請求項3に記載の塩化ビニルモノマーの製造方法。
  5. 反応温度が160〜250℃である、請求項1〜4の何れか1項に記載の塩化ビニルモノマーの製造方法。
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