JP2014144610A - 画像処理装置及び方法、プログラム並びに画像形成装置 - Google Patents

画像処理装置及び方法、プログラム並びに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録ヘッドの記録素子に不良が発生した場合でも、アーティファクトの発生や粒状の悪化を抑えて、高品位の画像を生成する。
【解決手段】マスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正し、マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域と、それ以外の第2の画像領域について異なる量子化を行う。少なくとも一部の階調において、第1の画像領域に適用する第1の量子化方法により得られる第1の量子化パターンは、第2の画像領域に適用する第2の量子化方法により得られる第2の量子化パターンと比較して、記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な第1の方向の空間周波数成分が、第1の方向と直交する第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制されたパターン特性を持つ。
【選択図】図19

Description

本発明は画像処理装置及び方法、プログラム並びに画像形成装置に係り、特に、インクジェット記録装置などドットの記録によって階調表現を行うためのデジタルハーフトーニング技術に関する。
画像形成装置の一つであるインクジェット記録装置は、複数のインク吐出口(ノズル)が配列された記録ヘッドと用紙(記録媒体)とを相対移動させ、ノズルからインク滴を吐出することにより、用紙上に所望の画像を形成する。高精細な画像出力を実現するために、記録ヘッドには、多数のノズルを2次元的に配列させたノズルレイアウトにより記録解像度を向上させた2次元ノズル配列ヘッドが用いられる。
また、プリント生産性を高めるために、用紙の送り方向(以下「紙送り方向」又は「y方向」という。)に直交する用紙幅方向(以下「紙送り垂直方向」又は「x方向」という。)について描画領域の全範囲をカバーするノズル配列を備えた長尺のラインヘッドを用い、このラインヘッドに対して記録媒体を1回だけ相対移動させることにより、記録媒体上に所定解像度の画像を形成するシングルパス方式の構成も知られている(特許文献1〜3)。
特許第4670696号明細書 特許第4614076号明細書 特許第4143560号明細書
シングルパス方式のインクジェット記録装置では、吐出曲がりや不吐出などの吐出異常により、用紙送り方向に沿ったスジ状のムラ(スジムラ)が発生することがある。その対策として、異常ノズルをマスクして打滴に使用しないものとし、その異常ノズルが本来記録すべき画素の両脇の記録位置について印刷濃度を上げて、スジの視認性を低下させる画像補正が行われる。このような画像補正は「ムラ補正」或いは「濃度補正」などと呼ばれる。本明細書では濃度補正という用語を用いる。
図32は濃度補正の概念図である。図32において、符号500はラインヘッドのノズル列を表し、符号510-i(i=1,2,…17)はx方向に沿って並ぶ各ノズルを表している(i=1,2,…17)。図中の符号510−5で示したノズルと、510−15で示したノズルが吐出異常ノズルであり、これらのノズルはマスクして記録に使用しないものとし、不吐出ノズルとして扱う。
図32では、濃度補正前の画像(符号520)として、各ノズルに対応した画素位置について一定の入力階調値の均一濃度画像が例示されている。
図32の下段に示した符号530は濃度補正後の画像を表している。不吐出ノズル510-5、510-15はマスクされ、これら不吐出ノズル510−5、510−15に対応する画像位置540-5、540−15の画素列は無記録となり、その左右両側の隣接画素の位置(540−4、540−6、及び540−14、540−16)の画素列について、画像濃度を高めるように信号値の補正が行われる。したがって、濃度補正後の画像530は、不吐出ノズルに対応する画像位置540−5、540−15の左右両脇の画素列(符号540−4、540−6、540−14、540−16の位置)の画像濃度が濃くなる。
このような濃度補正後の画像530について、ディザ法や誤差拡散法などのハーフトーン処理(量子化処理)が行われ、2値又は多値のドットデータに変換され、このドットデータに基づいて各ノズルの吐出制御が行われる。
しかし、このように特定ノズルをマスクすると、マスクした部位のハーフトーン形状が崩れることにより、粒状悪化やアーティファクト発生という画質劣化を招く。これは濃度補正ないしマスクによる、ラスタ状の周波数特性と、量子化パターンの周波数特性に起因するビートとして理解することができる。
ビートとは、近接した周波数の波を重ねると、元の周波数差に対応するうなりが発生することである。例えば、周波数f1と周波数f2の波が重なると、周波数|f1-f2|のうなりが発生する。仮に、f1とf2が近い場合は、うなりの周波数は0に近くなるので、低周波なうなりが発生する。
図32の符号530で示したように、量子化処理は、紙送り方向に沿った走査線(ラスタ)と平行なラスタ状の濃度補正後の画像に対して行われるため、量子化パターンの空間周波数成分と、濃度補正後の画像の空間周波数成分に関しても同様にビート現象が発生する。すなわち、量子化パターンとラスタ状の濃度補正後の画像が、近接した周波数成分を保持していると、その差分に対応する低周波なうなりが発生し、これが粒状悪化ないしアーティファクトとして視認される。ラスタ状の濃度補正後の画像に従来の一般的な量子化処理を適用すると、一般に上記の問題が発生する。
図33は一般的な量子化パターンの周波数特性を模式的に示したものである。縦軸は紙送り方向(ラスタ方向)の空間周波数、横軸は紙送り方向と直交する方向(以下、紙送り垂直方向という。)の空間周波数を示している。図33において、周波数成分を濃淡で表しており、図中の灰色部550が一般的な量子化パターンの周波数特性を示している。
人の目の視覚特性は略等方的であり、かつ高周波なほど視認されない特性を有する。そのため、図33の灰色部550で示したように、低周波領域には成分を持たず(図33の白部分)、高周波な領域には等方的に成分を持つようにパターンを生成すると、ドットのパターンを極力視認させないように中間階調を表現することが可能である。従来の一般的なハーフトーン処理はこのような周波数特性(図31)を持つ量子化パターンを生成する。
次に、濃度補正について考察する。図32で説明したように、濃度補正では、補正前の画像520の画像データを紙送り方向と平行な縞々の濃度分布の画像(濃度補正後の画像530)に変換する。
これを図33の周波数空間で見ると、補正前の画像は符号560の破線円で囲んだ領域に周波数成分を持つ。つまり、ラスタ状の濃度補正無し(補正前)の場合のハーフトーン入力画像成分は、破線円560で囲んだ範囲のものとなる。
一方、ラスタ状の濃度補正を行った補正後の画像(符号530)は、紙送り方向には均一濃度であるので、紙送り方向の周波数成分が必ず「0」の箇所のどこかに周波数成分のピークが発生する。
紙送り垂直方向に関しては、読み込んだ画像のムラ(スジムラと濃度ムラを包括して「ムラ」と呼ぶ。)の状態に依存し、その周波数特性はランダム、若しくは機械に依存する。どちらにせよラスタ状の濃度補正では図33の符号564で示した領域(紙送り方向周波数ky=0(縦軸)付近の領域)のどこかに成分のピークを持つ。
以上から、一般的な量子化処理により得られる量子化パターンは、図33の灰色部550に成分を持ち、ラスタ状の濃度補正された画像は符号564で示す領域内に成分を持つことが分かる。したがって、両者の重複領域、つまり、図33の符号568で示す一点鎖線で囲んだ領域に関しては、ラスタ状の濃度補正後画像と、量子化パターンとがともに成分を持っていることが分かる。
ラスタ状の濃度補正無しの場合(符号560)は、量子化パターンの成分(灰色部550)と互いに近しい成分がないので目で見えるビートは発生しない。その一方で、ラスタ状の濃度補正をかけたことにより、互いに近しい成分(符号568で囲んだ領域)が生成され、これらは周波数帯が近いので、干渉により低周波なうなりが発生する。すなわち、ラスタ状の濃度補正と一般的な量子化パターンを組み合わせたことによりアーティファクトが発生する。
特許文献1〜3では、濃度補正をかけると粒状が悪化するという課題について言及しているが、必ずしも上記課題(ビートによるうなり)に対して十分に対応できていない。
特許文献1では、各ノズルの特性をもとに閾値マトリクスの値を変更することでスジ部の濃度補正(本明細書でいう「ラスタ状の濃度補正」に相当)を行い、かつ同一列内で閾値を置換することで粒状の悪化を抑制する技術が開示されている。この方法では、同一列(紙送り方向)のみで見た場合の粒状悪化は改善する可能性があるが、紙送り垂直方向の任意の位置にスジが発生した際に濃度補正を行った場合の粒状悪化に対応することができない。特にスジムラが高周波かつランダムな場合や、不吐出が密に発生する場合は、図33の符号568で説明した領域にラスタ補正成分が発生する。この場合、量子化パターンとラスタ状の補正に起因するうなりは、紙送り垂直方向にも発生するが、閾値マトリクスの置き換え補正は紙送り方向のみに行われるので、結果として紙送り垂直方向のアーティファクトを除去することはできない。
また特許文献2では、ノズル抜け(不吐出ノズル)が発生した場合の画質低下の程度を評価しながらドット配置の最適化を行うことで、ノズル抜けによってアーティファクトの発生が起こりにくいパターン生成方法が開示されている。この最適化によって求められるドット配置は上記課題に対して、良好な結果を得る可能性がある。
しかし、特許文献2の最適化によって得られるドット配置は、予め想定されたノズル抜けのみに最適化されているため、任意周期のスジムラが発生した場合にアーティファクト発生しないことを保証するものではない。また特許文献2ではパターン最適化が基本的には等方的な粒状評価値及び異方性評価値に関して行われているため、最適化された量子化パターンは図33のような一般的な量子化パターンの周波数特性を持つ傾向にある。したがって、図33の符号568で示した領域の成分が少なからず残ることとなるため、上記課題のビートによるアーティファクトを完全に抑制することはできない。
一方で特許文献3においては、ドットパターンの少なくとも主走査方向(本明細書でいう「紙送り垂直方向」に相当)に関する周波数成分が弱められた閾値マトリクスが提案されている。この特許文献3においては、スジムラ補正特有の課題に関して考慮されていないが、この閾値マトリクスを転用することでノズル抜けによるアーティファクトを抑制できる可能性がある。
しかし、全階調においてこのようなアーティファクトを抑制するような周波数特性を持つ閾値マトリクスを生成した場合、ノズル抜けが発生している部分以外の正常な領域においてもこの閾値マトリクスを使用すると、特にドットが少ない領域において著しく粒状が悪化する。これはドットが少ない領域では等方的な周波数特性を持ったパターンの方が、粒状が良いためである。すなわち、特許文献3の方法では、ノズル抜けによるアーティファクトの抑制と、粒状を両立できない。
上記の課題はインクジェット記録装置に限らず、ドットの記録によって階調表現を行う画像形成装置に共通の課題として把握される。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、任意の空間周期で多数のスジムラやノズル抜け(記録素子の不良)が発生した場合であっても、若しくはこれらが発生しない場合に関しても、アーティファクトの発生や粒状の悪化なく、高品位の画像生成が可能な画像処理方法及び装置、プログラム並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、次の発明を提供する。
(第1態様) :複数の記録素子が配列された記録ヘッドにおける不良記録素子の情報を取得する不良情報取得工程と、不良情報取得工程で取得した不良記録素子情報に基づき不良記録素子を使用不能にするマスク処理を行うマスク処理工程と、マスク処理に伴うスジ状の画像欠陥の視認性を下げるために、入力画像データのうちマスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正する画像補正工程と、画像補正工程による濃度補正後の画像データを量子化し、濃度補正後の画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の画像データに変換する量子化処理工程と、を含み、量子化処理工程は、マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域について第1の量子化方法を適用して量子化を行う第1の量子化工程と、第1の画像領域以外の第2の画像領域について第1の量子化方法とは異なる第2の量子化方法を適用して量子化を行う第2の量子化工程と、を有し、少なくとも一部の階調において、第1の量子化方法を適用した量子化によって得られる第1の量子化パターンは、第2の量子化方法を適用した量子化によって得られる第2の量子化パターンと比較して、記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な第1の方向の空間周波数成分が、第1の方向と直交する第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つ画像処理方法。
この第1態様によれば、マスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正し、マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域(不良記録素子近傍領域)と、それ以外の第2の画像領域(正常領域)について異なる量子化を行う。少なくとも一部の階調で、第1の画像領域に適用する第1の量子化方法は、第2の画像領域に適用する第2の量子化方法と比較して、記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な方向(第1方向)の空間周波数の低周波成分が抑制された量子化パターンが実現されるため、複数の不良記録素子が発生した場合でも、複数の第1の画像領域間のアーティファクトが抑制できる。
また、第1の画像領域の量子化では、第2の画像領域の量子化と比較して、第1の方向の低周波成分が抑制された第1のパターン特性が広い階調域で維持される。これにより、画像濃度の補正に伴うアーティファクトを抑制できる。さらに、第2の画像領域については、第1のパターン特性と異なる第2のパターン特性のドット配置とすることができるので、第2の画像領域についての粒状の悪化を回避できる。
(第2態様):第1態様に記載の画像処理方法において、第1の量子化方法と第2の量子化方法は、基準となる特定の中間階調に対して共通の量子化パターンが実現されるものであり、特定の中間階調を含む第1の階調域とは異なる第2の階調域において、第2の量子化方法は第1のパターン特性とは異なる第2のパターン特性を示す量子化パターンを生成する一方、第1の量子化方法は第2の量子化方法と比較して第1のパターン特性を維持する量子化パターンを生成する構成とすることができる。
この第2態様によれば、共通の量子化パターンを基に量子化方法が定められている。したがって、その共通のパターンに対応する特定の階調(基準の中間階調)に対しては、共通のパターンが実現されるため(また、基準をもとに生成した他の階調においても第1の画像領域、第2の画像領域ともに共通の量子化パターンの特性が維持されるため)、第1の画像領域と第2の画像領域との間で量子化後のパターンの連続性が維持されるので、異なる量子化方法を適用した場合の両画像領域間の不連続性に起因するアーティファクトを抑制することができる。
(第3態様):第2態様に記載の画像処理方法において、共通の量子化パターンは、第1の方向の空間周波数成分が、第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つ構成とすることができる。
この第3態様によれば、基準となる共通の量子化パターンに第1のパターン特性が適用されるので第1のパターン特性が広い階調域で維持されるため、より広い階調域において画像濃度の補正に伴うアーティファクトを抑制できる。
(第4態様):第2態様又は第3態様に記載の画像処理方法において、量子化処理工程は、第1の画像領域と第2の画像領域のそれぞれの領域ごとに異なる閾値マトリクスを適用して量子化を行うものであり、第1の量子化工程において第1の画像領域に適用される第1の閾値マトリクスと、第2の量子化工程において第2の画像領域に適用される第2の閾値マトリクスとは、共通の量子化パターンを基にして生成されており、第1の閾値マトリクスは、第2の閾値マトリクスよりも多くの階調において第1のパターン特性が維持されている構成とすることができる。
(第5態様):第4態様に記載の画像処理方法において、量子化処理工程は、第1の閾値マトリクス又は第2の閾値マトリクスを用いた量子化によって発生する量子化誤差を周囲の未量子化画素に拡散する工程を含む構成とすることができる。
(第6態様):第2態様又は第3態様に記載の画像処理方法において、第1の量子化方法と第2の量子化方法は、共通の閾値マトリクスを利用して量子化を行うものであり、共通の閾値マトリクスは、第1の階調域のみならず第2の階調域までも第1のパターン特性が維持されており、第1の画像領域では、第1の階調域及び第2の階調域において共通の閾値マトリクスを参照して量子化を行い、第2の画像領域では、第1の階調域において共通の閾値マトリクスを参照して量子化を行う一方、第2の階調域においては共通の量子化パターン又はこれに近い階調の閾値マトリクスパターンをドット配置の制約条件とする誤差拡散法により量子化を行う構成とすることができる。
(第7態様):第1態様から第6態様のいずれか1項に記載の画像処理方法において、第1のパターン特性は、第1の方向の空間周波数成分のうち10サイクル/mm以下の低周波成分が抑制されている構成とすることが好ましい。
(第8態様):第7態様に記載の画像処理方法において、第1のパターン特性は、二次元フーリエ変換により得られる空間周波数スペクトルを第1の方向と平行な断面線でその分布を見たとき、第1の方向の空間周波数成分のうち10サイクル/mm以下の低周波成分に該当する領域で成分の極小値を持つ構成とすることが好ましい。
(第9態様):複数の記録素子が配列された記録ヘッドにおける不良記録素子の情報を取得する不良情報取得手段と、不良情報取得手段で取得した不良記録素子情報に基づき不良記録素子を使用不能にするマスク処理を行うマスク処理手段と、マスク処理に伴うスジ状の画像欠陥の視認性を下げるために、入力画像データのうちマスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正する画像補正手段と、画像補正手段による濃度補正後の画像データを量子化し、濃度補正後の画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の画像データに変換する量子化処理手段と、を備え、量子化処理手段は、マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域について第1の量子化方法を適用して量子化を行う第1の量子化手段と、第1の画像領域以外の第2の画像領域について第1の量子化方法とは異なる第2の量子化方法を適用して量子化を行う第2の量子化手段と、を有し、少なくとも一部の階調において、第1の量子化方法を適用した量子化によって得られる第1の量子化パターンは、第2の量子化方法を適用した量子化によって得られる第2の量子化パターンと比較して、記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な第1の方向の空間周波数成分が、第1の方向と直交する第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つ画像処理装置。
(第10態様):第9態様に記載の画像処理装置において、第1の量子化方法と第2の量子化方法は、基準となる特定の中間階調に対して共通の量子化パターンが実現されるものであり、特定の中間階調を含む第1の階調域とは異なる第2の階調域において、第2の量子化方法は第1のパターン特性とは異なる第2のパターン特性を示す量子化パターンを生成する一方、第1の量子化方法は第2の量子化方法と比較して第1のパターン特性を維持する量子化パターンを生成する構成とすることができる。
(第11態様):第10態様に記載の画像処理装置において、共通の量子化パターンは、第1の方向の空間周波数成分が、第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つ構成とすることができる。
また、第9態様から第11態様に係る画像処理装置において、第2態様から第6態様に記載の特定事項と同様の特定事項を適宜組み合わせることができる。この場合、「工程」として特定される事項は、これに対応する「手段」として特定される。
(第12態様):第10態様又は第11態様に記載の画像処理装置において、量子化処理手段は、第1の画像領域と第2の画像領域のそれぞれの領域ごとに異なる閾値マトリクスを適用して量子化を行うものであり、第1の量子化手段において第1の画像領域に適用される第1の閾値マトリクスと、第2の量子化手段において第2の画像領域に適用される第2の閾値マトリクスとは、共通の量子化パターンを基にして生成されており、第1の閾値マトリクスは、第2の閾値マトリクスよりも多くの階調において第1のパターン特性が維持されている構成とすることができる。
(第13態様):第12態様に記載の画像処理装置において、量子化処理手段は、第1の閾値マトリクス又は第2の閾値マトリクスを用いた量子化によって発生する量子化誤差を周囲の未量子化画素に拡散する手段を含む構成とすることができる。
(第14態様):第11態様に記載の画像処理装置において、第1の量子化方法と第2の量子化方法は、共通の閾値マトリクスを利用して量子化を行うものであり、共通の閾値マトリクスは、第1の階調域のみならず第2の階調域までも第1のパターン特性が維持されており、第1の画像領域では、第1の階調域及び第2の階調域において共通の閾値マトリクスを参照して量子化を行い、第2の画像領域では、第1の階調域において共通の閾値マトリクスを参照して量子化を行う一方、第2の階調域においては共通の量子化パターン又はこれに近い階調の閾値マトリクスパターンをドット配置の制約条件とする誤差拡散法により量子化を行う構成とすることができる。
(第15態様):コンピュータに、複数の記録素子が配列された記録ヘッドにおける不良記録素子の情報を取得する不良情報取得工程と、不良情報取得工程で取得した不良記録素子情報に基づき不良記録素子を使用不能にするマスク処理を行うマスク処理工程と、マスク処理に伴うスジ状の画像欠陥の視認性を下げるために、入力画像データのうちマスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正する画像補正工程と、画像補正工程による濃度補正後の画像データを量子化し、濃度補正後の画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の画像データに変換する量子化処理工程と、を実行させるためのプログラムであって、量子化処理工程は、マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域について第1の量子化方法を適用して量子化を行う第1の量子化工程と、第1の画像領域以外の第2の画像領域について第1の量子化方法とは異なる第2の量子化方法を適用して量子化を行う第2の量子化工程と、を有し、少なくとも一部の階調において、第1の量子化方法を適用した量子化によって得られる第1の量子化パターンは、第2の量子化方法を適用した量子化によって得られる第2の量子化パターンと比較して、記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な第1の方向の空間周波数成分が、第1の方向と直交する第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つプログラム。
この第15態様に係るプログラムにおいて、第2態様から第8態様に記載の特定事項と同様の特定事項を適宜組み合わせることができる。
(第16態様):複数の記録素子が配列された記録ヘッドと、記録ヘッドに対して記録媒体を相対移動させる相対移動手段と、記録ヘッドにおける不良記録素子の情報を取得する不良情報取得手段と、不良情報取得手段で取得した不良記録素子情報に基づき不良記録素子を使用不能にするマスク処理を行うマスク処理手段と、マスク処理に伴うスジ状の画像欠陥の視認性を下げるために、入力画像データのうちマスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正する画像補正手段と、画像補正手段による濃度補正後の画像データを量子化し、濃度補正後の画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の画像データに変換する量子化処理手段と、量子化処理手段によって生成された2値又は多値の画像データに基づいて記録ヘッドの記録素子による記録動作を制御する制御手段と、を備え、量子化処理手段は、マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域について第1の量子化方法を適用して量子化を行う第1の量子化手段と、第1の画像領域以外の第2の画像領域について第1の量子化方法とは異なる第2の量子化方法を適用して量子化を行う第2の量子化手段と、を有し、少なくとも一部の階調において、第1の量子化方法を適用した量子化によって得られる第1の量子化パターンは、第2の量子化方法を適用した量子化によって得られる第2の量子化パターンと比較して、記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な第1の方向の空間周波数成分が、第1の方向と直交する第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つ画像形成装置。
この第16態様に係る画像形成装置において、第2態様から第8態様に記載の特定事項と同様の特定事項を適宜組み合わせることができる。この場合、「工程」として特定される事項は、これに対応する「手段」として特定される。
本発明によれば、記録ヘッドの記録素子列における任意の位置に、任意の個数で記録素子の不良が発生した場合であっても、画像補正と量子化の処理の組み合わせによって、アーティファクトの発生や粒状の悪化を抑えて、高品位のドット画像を生成することができる。
本発明の実施形態に係る画像処理方法の全体的な流れを示すフローチャート 濃度補正処理のフローチャート 濃度補正テーブルの概念図 濃度補正テーブルを適用して階調変換した補正後画像の概念図 一般的な量子化パターンの例を示す図 図5に示した量子化パターンの周波数特性を示す図 図7(a)は一般的な閾値マトリクスの周波数スペクトルの模式図、図7(b)は図7(a)の周波数スペクトルの紙送り方向断面図 本実施形態による閾値マトリクスから得られる量子化パターンの例を示す図 図8に示した量子化パターンの周波数特性を示す図 図10(a)は本実施形態による閾値マトリクスの周波数スペクトルの模式図、図10(b)は図10(a)の周波数スペクトルの紙送り方向断面図 他の実施形態による閾値マトリクスの周波数スペクトルの例を示す模式図 他の実施形態による閾値マトリクスの周波数スペクトルの例を示す模式図 各階調のパターン生成処理の例を示すフローチャート 画素入れ替え処理の例を示すフローチャート 評価フィルタを生成する方法の例を示す概念図 評価フィルタを用いて生成されるパターンの周波数特性を模式的に示した図 PSF(Point Spread Function)フィルタの具体例を示した図 紙送り方向の周波数成分が抑制されたサブマトリクスの例を示す図 本実施形態による量子化処理の流れを示したフローチャート 等方的なPSFフィルタの具体例を示した図 誤差拡散マトリクスの例を示す図 閾値マトリクスと誤差拡散を併用する量子化処理の例を示すフローチャート 量子化処理によるドット種類別のドット比率を例示したグラフ 一般的な量子化パターン(比較例)と本実施形態によって得られた量子化パターン(本実施例)とを対比して示した図 本実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図 他の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図 本発明の実施形態に係る画像形成装置の要部構成を示すブロック図 実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 インクジェットヘッドの構成例を示す平面透視図 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 ドラム搬送方式が適用されるインクジェット記録装置の構成例を示す要部構成図 濃度補正(ムラ補正)の処理の概念図 一般的な量子化パターンの周波数特性を模式的に示した図
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像処理の全体フロー>
まず、本実施形態による画像処理の全体的な流れを説明する。図1は本発明の実施形態に係る画像処理方法の全体的な流れを示すフローチャートである。ここでは画像出力機としてインクジェット記録装置を用いる例を説明する。本実施形態による画像処理は、入力された画像(入力画像D10)に対して、濃度補正(ムラ補正)と量子化の処理を行い(ステップS12〜S20)、最終的にインクジェット記録装置によるドット記録に適したドット画像(出力ドットパターンD22)に変換する処理を行う。
図1に示したように、入力された画像(入力画像D10)は、インクジェット記録装置で使用するインクの色ごとに分版される(ステップS12)。この際に目標の色と合うように各色の比率が決定される(「分版処理/色変換処理」)。これにより入力画像D10は、インクの色別の単色画像(単色画像×色数)に分解される。例えば、インクジェット記録装置がシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)の4色のインクを用いて画像を記録する構成の場合、これら各色(色数=4色)の単色画像に分解され、C画像、M画像、Y画像、K画像が得られる。
色別に分解された画像(各色の分版画像)は、シングルパス方式のインクジェット記録装置における各ノズルと画像の位置(画素位置)との対応をとった後、各ノズルの記録位置(主走査方向位置)に対応するラスタ(走査線)ごとに濃度変換される(ステップS14、「画像補正工程」に相当)。
なお、記録ヘッドの各ノズルと画像データの画素の対応関係を整えるために必要に応じて解像度変換処理が行われる。また、各色の画像データに対して、ガンマ補正処理(入力信号と出力濃度の非線形性を補正する処理)が施される。
ラスタ(或いはノズル)ごとの濃度変換の処理(ステップS14)は、ノズルの特性が反映された濃度補正テーブルD18を参照して行われる。濃度補正テーブルD18を生成する濃度補正処理(ステップS16)の内容については後述する(図2参照)。
濃度補正テーブルD18を用いた濃度変換処理(ステップS14)により、出力される画像濃度の不均一性が補正される。こうして画像補正処理(ステップS114の濃度変換処理)が行われた画像に対して量子化が行われる(ステップS20、「量子化処理」に相当)。量子化処理(ステップS20)により生成された出力ドットパターンD22に従ってインクジェット記録装置の記録ヘッドの吐出が制御され、描画が行われる。
<濃度補正処理(ステップS16)について>
濃度補正テーブルD18を生成する濃度補正処理(図1のステップS16)では、テストチャートの印字結果から紙送り垂直方向の濃度不均一性、及びノズルの状態(不吐出や吐出曲がりなど)を読み取り、これらの濃度不均一性を補正するための階調テーブル(入力階調値に対する出力階調値の関係を示すルックアップテーブル)を、各ラスタごと(すなわち、各ノズルごと)に生成する。
図2に濃度補正処理のフローチャートを示す。図2の濃度補正処理は、ノズルごとの記録特性による濃度ムラと不吐出ノズルによる記録欠陥(スジムラ)を補正するための階調変換に用いる濃度補正テーブルD18(図1参照)を生成する処理である。
濃度補正処理においては、まず、異常ノズルの検知が行われる(「異常ノズル検知工程」ステップS32、「不良情報取得工程」に相当)。紙送り方向と平行な方向のスジによる濃度ムラを補正するにあたっては、ノズルの位置と補正する画像の位置(画素位置)が適切に対応している必要がある。例えば、ノズルからの吐出がノズル位置と画素位置の関係性を崩すほどに大きく曲がった場合(着弾位置が大きくずれた場合)は、通常とは異なる処理が必要となる。また、ノズル抜けが発生した場合は特殊な方法で補正を行うことが望ましい。これら吐出異常の判定を行うために、本処理では異常ノズルを検知する(ステップS32)。ここでの「異常ノズル」とは、例えば、不吐出、大曲、吐出滴量異常、吐出不安定ノズルなどである。これらの異常ノズルは、例えば、ノズルごとにライン(線分)を描画し、この線の描画結果から吐出曲がり量(着弾位置誤差)を求めたり、ライン線の有無を判定したりすることで特定することができる。異常ノズルは「不良記録素子」に相当する。
ステップS32の工程で検知された異常ノズルは、それぞれの特定に応じて処理される(ステップS34、S36)。例えば、大きく曲がったノズルや不吐出のノズルなどは、描画に使用しないように(使用を禁止するノズルとして)、マスクされる(「異常ノズルマスク工程」ステップS34、「マスク処理工程」に相当)。異常ノズルがマスクされると、そのノズルが本来記録すべき画素位置の濃度が減少するため、その近傍の正常ノズルに対応する画素の濃度(画像信号値)を上げる補正が行われ、濃度が補償される(「異常ノズル補正工程」ステップS36)。
次に、ラスタごと(若しくはノズルごと)の濃度特性が測定される(「濃度検知工程」ステップS38)。例えば、記録媒体(用紙)に、記録ヘッドの描画幅(x方向のノズル列幅)の全域にわたって、階調ごとの平網を出力し、その出力結果を光学スキャナで読み取り、ラスタごと(若しくはノズルごと)の各階調の出力濃度値を取得する。
階調ごとの平網の一例として、適度な階調刻み(間隔)による複数段の離散的な階調値を入力値とする濃度パッチを出力することができる。具体例として、画像の信号値を256階調(0-255)で表す場合、「32」刻みによる8段階の各階調値による濃度パッチを出力することにより、ラスタごとの各階調の濃度値を求めることができる。実際に測定したサンプリング点以外の階調(サンプリング点の間の階調)に関しては、前後の階調の濃度値を用いて補間することで、濃度値を求めることができる。こうして、すべての階調値(全定義域)について、ラスタごと(ノズルごと)に入力階調値と出力濃度の関係を表す濃度特性が得られる。
ステップS38によって得られたラスタごと(ノズルごと)の濃度特性を基に、ラスタごと(ノズルごと)に均一な濃度になるように、読み取った濃度特性(階調特性)を逆転するテーブルを、それぞれのラスタで生成し、濃度補正テーブルとして保存する(「濃度補正演算工程」ステップS40、「濃度補正テーブル生成処理」ステップS42)。
<濃度補正テーブルを用いた画像補正の効果について>
ラスタごとの濃度補正テーブル(階調テーブル)の概念図を図3に示す。また、当該濃度補正テーブルを適用して階調変換した画像(補正後画像)の概念図を図4に示す。
図3の上段には、初期化した状態の濃度補正テーブル(「オリジナル濃度補正テーブル」という。)が示され、図3の下段には、図2のフローによって生成された濃度補正演算後の濃度補正テーブルの概念図が示されている。
濃度補正テーブルは、ラスタごと(つまりノズルごと)に入力階調と出力階調の関係を特定したルックアップテーブルとして構成される。図3における横軸はノズルの位置を表している。つまり、図示したテーブルの横方向に並ぶ各セルは、各ノズル(ラスタ)に対応した位置(ノズル位置、或いはラスタ位置)を表す。また、テーブルの縦方向(縦軸)は入力階調を示しており、各セルの濃淡は出力階調を表している。図3では、図示を簡略化するために、テーブルの縦方向に10段の入力階調値ごとのセルを示しているが、実際のテーブルは、さらに細かい段数の階調刻みとなっている。例えば、256階調の画像信号を取り扱う場合、0-255の各入力階調値に対して、0-255の範囲で出力階調値が対応付けられる。
図3の下段に示したノズル列のうち、符号「x」で示したノズルは異常ノズルとして検出されたノズルであり、マスク処理によって不吐出(使用不能)となるノズルの位置である。図2で説明した濃度補正処理によって作成される濃度補正演算後の濃度補正テーブルは、マスクしたノズルの両脇に位置する画素の濃度を高める値に修正する。また、ノズル列における各ノズルの吐出特性に合わせて各ノズル位置の出力階調が定められている。
図3の下段に示した濃度補正演算後の濃度補正テーブルを適用する画像補正の効果について図4で説明する。図4の上段は、濃度補正テーブルを適用する画像補正前の元の画像データ(補正前画像)であり、図4の下段は、濃度補正テーブルを適用した画像補正後の画像データ(補正後画像)を表している。
図4の上段に示した補正前画像は、階調値Laで特定される均一階調画像である。この階調値Laを入力階調値とする各ノズル位置の出力階調値は、図3の下段に示した濃度補正テーブルのうち、破線で囲んだ1行分のセル群に規定されている。したがって、濃度補正後の画像は、この濃度補正テーブルに従って、各ラスタの階調値が定まり、図4の下段に示すようなものになる。このように、補正後画像は、図4の縦方向(紙送り方向)の画素列の単位で濃度が修正され、縦縞状の画像となり、マスクされたノズルに対応するラスタの近傍で濃淡の振幅が大きくなる。
このような濃度補正(ムラ補正)に関しては公知の方法を用いることができる。
<量子化方法について>
本実施形態における量子化処理(図1のステップS20)においては、濃度補正が掛かるラスタ方向(紙送り方向)の低周波成分が抑制された閾値マトリクスを参照して行う。まずこの閾値マトリクスの特性について説明する。
〔本実施形態で用いる閾値マトリクスの特性〕
[発明が解決しようとする課題]欄で説明したように、ラスタ方向に沿った画素列に濃度補正を行った場合にアーティファクトや粒状悪化が生じる原因は、ラスタ状濃度補正で発生する紙送り方向の空間周波数の低周波成分と、量子化パターンの周波数成分のビートである。
本実施形態では、このビートを解消するために、量子化パターンから紙送り方向低周波成分を抑制する。これにより、周波数成分の干渉が抑制され、その結果、アーティファクトや粒状の悪化を抑制することができる。
本実施形態で用いる閾値マトリクス(ディザマトリクス)は、特定の中間階調域(「少なくとも一部の階調」に相当)について紙送り方向低周波成分を抑制したドット配置(量子化パターン)を実現するものである。
〔一般的なハーフトーンパターンについて〕
比較のために、従来の一般的な量子化パターンについて説明する。図5はある中間階調の一般的な量子化パターンの例を示し、図6はその周波数特性を示している。図5の横方向が紙送り方向を表し、縦方向が紙送り垂直方向(ノズルの並び方向)である。図5のハーフトーンパターンを2次元フーリエ変換したものが図6であり、図6では周波数成分の強度を濃淡で表している。図6の横方向は紙送り方向の空間周波数を表し、縦方向が紙送り垂直方向の空間周波数を示している。図6を模式的に表したものが図7(a)である。
図7(a)は、一般的な閾値マトリクスの周波数スペクトルの模式図、図7(b)は図7(a)の周波数スペクトルの紙送り方向断面図である。図7(a)(b)の横方向は紙送り方向、縦方向が紙送り垂直方向を示している。図6及び図7(a)に示す周波数空間座標系の原点(0,0)を通る縦軸の近傍領域(符号564の破線長方形で囲んだ領域)が紙送り方向の低周波成分に相当する部分である。この符号564で示す領域を「紙送り方向低周波成分域」と呼ぶ。
一般的な量子化パターンは、紙送り方向低周波成分域564において、符号568の太波線で囲んだ領域の濃度を濃く表示した部分に周波数成分(ハーフトーン成分)を持つ。つまり、紙送り方向低周波成分域564にハーフトーン成分があり、これによりビート(うなり)が発生し、低周波成分が視認されるところとなり、粒状が悪化する。この課題は[発明が解決しようとする課題]の欄で説明したとおりである。
〔本実施形態による量子化パターンについて〕
これに対し、本実施形態による量子化パターンは、上記課題を解決するため、紙送り方向低周波成分が抑制されている。図8は本実施形態による閾値マトリクスから得られる量子化パターンの例を示し、図9はその周波数特性である。図8の横方向が紙送り方向を表し、縦方向が紙送り垂直方向(ノズルの並び方向)である。図8の量子化パターンを2次元フーリエ変換したものが図9である。図9の横方向は紙送り方向の成分を表し、縦方向が紙送り垂直方向を示している。図9を模式的に表したものが図10(a)である。
図10(a)は、本実施形態に係る閾値マトリクスの周波数スペクトルの模式図、図10(b)は図10(a)の周波数スペクトルの紙送り方向断面図である。図8〜図10(a)(b)は、それぞれ図5〜図7(a)(b)と対比できる図となっている。
本実施形態による閾値マトリクスの場合、図9及び図10(a)(b)に示したとおり、符号564の破線長方形で囲んだ領域(紙送り方向低周波成分域)において、すべての紙送り方向垂直成分について(紙送り垂直方向の成分によらず)、紙送り方向低周波成分が抑制されている。すなわち、図9において、符号564の破線長方形で囲んだ紙送り方向低周波成分域の中で濃度が濃い成分が殆どない、若しくは、図10(b)のように、紙送り方向断面線でその分布をプロットしたとき、どの断面線も紙送り方向低周波成分域(564)に該当する領域で極小値を持つ。
このように、紙送り垂直方向の成分によらず、紙送り方向の低周波成分がすべて抑制されているので、紙送り垂直方向(ノズル並び方向)にどのような空間周期で不吐出(マスク処理)が発生しても、濃度補正による紙送り方向の濃度分布(不吐出ノズル低周波成分が発生しない。ゆえに、アーティファクトや粒状の悪化は発生しない。
なお、抑制される紙送り方向の低周波成分は、10cycle/mm以下であることが望ましい。発生するうなりは量子化パターンの空間周波数(fx,fy)とラスタ状の濃度補正後画像の空間周波数(fx',0)の差分である。これは、fx'=fxのムラが発生したとき最も低周波なうなりが発生し、このときのうなりの周波数はfy−0=fyである。うなりの周波数がfy>10cycle/mm 程度であると、人の目の周波数特性(人の目の視覚特性)から視認され難くなるので、これより低周波な成分を抑制することが望ましい。つまり、10cycle/mm以下の低周波成分を抑制することが望ましい。
図9乃至図10で例示した周波数特性に限らず、本実施形態の閾値マトリクスによる周波数スペクトルは、紙送り方向の低周波成分が抑制されていればよく、図9乃至図10で例示した周波数スペクトル以外の物でも構わない。図11及び図12に他の周波数スペクトルの例を示す。図11や図12に示すような周波数スペクトルを持つ量子化パターンとすることができる。
このような周波数スペクトルを持つ量子化パターンによれば、仮に、紙送り方向低周波成分域の中でスジなどが発生しても、そもそも当該領域に周波数成分がない(極小化され、抑制されている)ので、粒状が悪化しない。
<閾値マトリクス作成方法>
上記の紙送り方向(すなわちラスタ方向)の低周波成分が抑制された閾値マトリクスは様々な方法で作成することができる。以下その作成方法について例示する。
<<階調パターン生成例の概要>>
各階調のパターン生成例を図13に示す。各階調パターンの生成処理は、ドットを配置するセル(画素)の位置を入れ替える処理を行う際のドットの入れ替え処理位置を制限する条件である制約条件を基に、乱数により発生させた初期パターン(初期パターン生成処理)を、前記制約条件とパターンの評価値に従い、ドットを順次入れ替える処理を通じて、評価値に関してパターンを最適化することで生成される。
図13は各階調のパターンを生成する処理のフローチャートである。図13のフローチャートの構成要素について以下に説明する。
ステップS61の階調制約条件設定処理は、後述の画素入れ替え処理(ステップS66)において、ドットの入れ替えが許される領域(すなわち、評価値を指標とする最適化によりドットの配置を変更できる領域)を指定する処理である。例えば、以下に例示する2つの制約条件を設定する。
(制約条件1):ディザマトリクス一般に必要な条件である、高階調パターンは低階調パターンを内包するという条件。
(制約条件2):画質向上などを目的として、パターンに特定の特性を持たせるために、ドットを置く位置を制限する条件。本実施形態の場合、図9乃至図12で説明したように、紙送り方向低周波成分を抑制したパターン特性を持つパターンを制約条件2として適用することが可能である。また図16も前記特性を満たすのでこのパターンを制約条件として適用する構成も可能である。一方で前記特性の実現は後述の工程でも導入可能であるので、制約条件2を実施しない構成も可能である。
ステップS62の評価フィルタ設定処理は、画素入れ替え処理(ステップS66)、評価値算出処理(ステップS67)等で使用する評価フィルタを指定する処理である。評価フィルタとは、周波数成分ごとの重みを示す周波数フィルタであり、ドットパターンに周波数空間で乗算(実空間で畳み込み)する際に使用される。この評価フィルタの特性が、パターンの特性に反映される。したがって、本実施形態においては、最適化の結果、紙送り方向低周波成分を抑制したパターン特性となるような評価フィルタを生成することで、目的を達成することも可能である。
この評価フィルタは以下の処理で使用される。
(1)画素入れ替え処理(ステップS66)において、入れ替えるドットの位置を指定するために使用される。
(2)評価値算出処理(ステップS67)、評価値比較(ステップS68)、保存パターン/評価値更新処理(ステップS69)においてパターンの評価値を決定するために使用される。なお、評価フィルタは、階調ごとに異なるフィルタを設定することが可能である。詳細は後述する。
図13におけるステップS63の初期パターン生成処理は、パターン(ドットの配置)を最適化するにあたり初期のパターンを設定する。パターンは以下の処理手順に従い設定される。
(手順1)階調に必要なドット/空白数を求める。例えば、8bit の階調Lなら、必要なドット数は(L/2)×マトリクスサイズである。
(手順2)マトリクスサイズと同じサイズの乱数を発生させる。
(手順3)階調制約条件でドットの入れ替えが許されている領域について、乱数の値が高い箇所から順に、ドットを(手順1)で指定した数配置する。なお、対象階調の上下のパターンがすでに決定されている場合は、適宜それらをパターンに反映させる。つまり、すでに決定されるパターンを崩さずに、高階調パターンが低階調パターンを内包する関係を維持する。
ステップS64では、カウンターの値(n)を「0」にリセットする。
ステップS66の画素入れ替え処理では、例えば、図14(a)〜(c)に例示するフローに従い、ドットパターンを更新する。
図14(a)〜(c)では3つのフローチャートを例示した。いずれのフローチャートにおいても、まずドットパターンに評価フィルタを乗算(畳み込み)し、評価用の濃度分布を算出する。次に入れ替え制約条件を満たす領域にあり、かつ濃度が高いドットを、濃度が低い空白と入れ替える、という基本的な流れは共通している。
図14(a)は、上記の処理を1ステップで行うフローである。図14(b)、(c)は、2ステップで行う処理の例である。画素入れ替え処理(ステップS66)は最適化の過程で繰り返し行われるが、例えば、常に図14(a)に示す「画素入れ替え処理1」のみ行う構成にしても良いし、図14(b)に示す「画素入れ替え処理2」、図14(c)に示す「画素入れ替え処理3」を含めて各画素入れ替え処理1〜3をランダムに選択しても良い。図14(a)の画素入れ替え処理1は、評価フィルタの畳み込み数が他の処理2〜3より少なく、演算が高速であるため、最適化の初期に多用する構成にしても良い。また階調ごとに処理1〜3の選択方法を変化させても良い。
図13におけるステップS67の評価値算出処理、ステップS68の評価値比較処理、ステップS69〜S73の保存パターン/評価値更新処理は、次のとおりである。
評価値算出処理(ステップS67)は、ステップS66の画素入れ替え処理で変更されたドットパターンに評価フィルタを乗算(畳み込み)し、評価用の濃度分布を算出する。そして、この濃度分布の標準偏差を算出し、これを評価値とする。ステップS66〜S72で画素入れ替え処理(ステップS66)、並びに評価値算出処理(ステップS67)を繰り返し行い、評価値比較(ステップS68)にて評価値が向上した場合は、当該するパターン並びに評価値を保存する(ステップS69)。次回以降は、保存した評価値と算出した評価値を比較して(ステップS68)、良化したか否か判断する。
以上の画素入れ替え処理、並びに評価値算出処理をパターン更新がされなくなるまで、繰り返し行うことで(ステップS66〜72)、当該階調のパターンを評価値に関して最適化する。最適化して得られた階調パターンを保存して(ステップS73)、処理を終了する。
〔閾値マトリクス作成方法の具体例1〕
点広がり関数(PSF:Point Spread Function)と低周波フィルタを使用する方法について説明する。ここでいう低周波フィルタとは、カットオフ周波数未満では成分が強調若しくは抑制され、カットオフ周波数以上では成分が維持されるフィルタのことである。これにより判別された低周波成分に関して適宜の処理が施される。カットオフ周波数未満に対して成分を強調するか、抑制するかについては、アルゴリズム次第であるため、どちらの態様もありうる。以下の説明では、カットオフ周波数未満の成分を強調するフィルタを例示する。
紙送り方向に各ラスタでドット配置を均一化するフィルタ、並びに、低周波成分を強調するフィルタをドットパターンに対して畳み込み、その乗算結果が平坦化するようにドット配置を置き換えることを繰り返すことで、目的の閾値マトリクスを生成することができる。
例えば、低周波成分及び紙送り方向低周波成分を強調するような評価フィルタを生成し、この評価フィルタを前記工程(すなわち評価フィルタをドットパターンに対して畳み込み、その乗算結果が平坦化するようにドット配置を置き換えることを繰り返すこと)に適用することで、強調された成分がなくなる(平坦化)されたパターン、すなわち送り方向の低周波成分が抑制されたパターンが生成される。
なお、以下では低周波成分を強調するフィルタ(低周波フィルタ)と紙送り方向低周波成分を強調するフィルタ(PSF)を掛け合わせて、評価フィルタ(低周波フィルタ×fft(PSF))を生成する方法を示す。
図15は低周波フィルタとPSFを掛け合わせて評価フィルタを生成する方法の概念図である。同図では、低周波フィルタ、PSF、評価フィルタのそれぞれの周波数特性を模式的に示しており、各フィルタによって強調される周波数空間の成分を灰色部として示した。図15の最左に示した低周波フィルタは、紙送り方向成分、紙送り垂直成分の両成分について等方的に低周波成分を強調するものとなっている。図15の中央に示したPSFは、紙送り方向成分の低周波成分を強調するため、図示のように紙送り垂直方向に長い楕円形状の特性となる。図15の最右に示した評価フィルタは、低周波フィルタとPSFを掛け合わせて生成されるため、両者の特性を重ね合わせた特性を持つ。評価フィルタによって、符号580で示した灰色部の成分が強調される。つまり、この評価フィルタによって強調される符号580で示した低周波成分が、すなわち抑制される成分である。
図16は、図15の評価フィルタを適用して生成されるパターンの周波数特性を示した模式図である。図16に示したとおり、生成されるパターンは、評価フィルタで強調される成分が抑制されたものとなる。
<<PSFの具体例(実空間)>>
PSF(x,y)の例として、図17に示すマトリクスを用いることができる。図17の縦方向は紙送り方向、横方向が紙送り垂直方向である。なお、このマトリクスはフーリエ変換すると、紙送り方向成分が垂直方向成分と比較してより高周波成分まで強調されるフィルタである。したがって、このようなフィルタを適用することで紙送り方向成分の低周波成分をより高周波側まで抑制するパターンを生成することができる。
<<低周波フィルタ例について>>
低周波フィルタの目的は、目で視認される成分を判別することにあるので、視認性を基にしたカットオフ周波数以下の成分が強調されるフィルタであることが望ましい。
例えば、以下のようにすることができる。
ただし、kは動径方向周波数(k≧0)である。θ(x)は単位ステップ関数であり、θ(x)=1(x≧0)、θ(x)=0(x<0)である。k0はカットオフ周波数であり、おおよそ人の視認性をもとに決定される。
Lo、nはフィッティングパラメータであり任意の実数をとれるが、それぞれLo>1、n≧2の実数を使用することが望ましい。
このフィルタは、カットオフ周波数ko以上では1となり成分を保存し、カットオフ周波数未満では0に近づくにつれて1からL0に次第に大きくなり、成分を強調する。
<<畳み込み演算後のドット配置の置き換えの具体例>>
(例1)
ドットパターンをimg(y,x)とすると、
ステップ1:パターンにPSF(図17)と低周波フィルタを畳み込む。
IM(y,x)=ifft( fft(img) * fft(PSF) * F(k) )
なお、上式の「fft」は高速フーリエ変換を表し、「ifft」は高速逆フーリエ変換を表す。
ステップ2:畳み込まれたパターンの最大のドットあり部と最小ドットなし部を入れ替える。
ステップ3:評価値を算出し、評価値が向上していたらパターンを保存する。
上記のステップ1〜3を繰り返す。
上述の「例1」で説明した方法に限らず、図14(b)(c)の方法を用いることもできる。
なお、各階調において適用する低周波フィルタ及びPSFを変更することで、紙送り方向低周波成分の抑制度合いを変更することができる。例えば、評価フィルタをより等方的にする(一例として、図20(a)や図20(b)のようにPSF(実空間)により等方性を持たせたり、等方的な低周波フィルタの各成分を大きくすることで異方的なPSFの重みを結果として小さくしたりする)ことで紙送り方向低周波成分の抑制度合いを小さくすることができる。
〔閾値マトリクス作成方法の具体例2〕
ホワイトノイズに帯域フィルタをかけた後、2値化したパターンをドット配置候補として(すなわち、既述の「制約条件2」として)閾値配列を決定する方法を採用することができる。
特許文献3に記載されている方法を応用することで、図9乃至図12で説明した目的のパターン特性(紙送り方向低周波成分が抑制された特性)を持つ閾値マトリクスを作成することができる。すなわち、図9乃至図12で説明した紙送り方向の低周波特性を抑制した周波数特性をホワイトノイズパターンにかけた後に二値化し、その領域内をドット配置候補とすることで、上記パターン特性を保持した閾値マトリクスを生成することができる。なお、本例においては上述の制約条件を課す/課さないを階調ごとに決定することで、上記特性を変化させることができる。
〔閾値マトリクス作成方法の具体例3〕
ラスタ方向の低周波成分が抑制されたサブマトリクスに、各サブマトリクス内のドット数が保存されるようにドット配置を決定する方法を採用することができる。
紙送り方向低周波成分が抑制された特性を保持したサブマトリクスを用意し、サブマトリクス内のドット数を保存しながらドット配置を決定する。これによりサブマトリクスの特性を維持したままドット配置が決定できるので、各階調にて前記特性を維持することができる。サブマトリクスとしては、例えば、図18に示すような形状を使うことができる。
<本実施形態による閾値マトリクスを利用した量子化方法について>
次に、本実施形態による量子化方法について説明する。図19は本実施形態による量子化処理の流れを示したフローチャートである。図19のフローは図1のステップS20に示した量子化処理に相当している。本実施形態の量子化処理は、マスク処理された不吐出ノズルに対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む不吐近傍領域(「第1の画像領域」に相当)と、それ以外の領域(以下「正常領域」という、「第2の画像領域」に相当)とで異なる量子化方法を適用している。不吐近傍領域に適用する量子化方法を第1の量子化方法、正常領域に適用する量子化方法を第2の量子化方法と呼ぶことにする。
図19に示す量子化処理がスタートすると、まず、画像データの中から量子化の処理対象とする画素を特定する(図19のステップS82)。そして、この対象画素(注目画素)が不吐近傍領域に属する画素であるか以下かの判定がなされる(ステップS84)。
対象画素が不吐近傍領域の画素である場合には、第1の量子化方法による量子化(第1の量子化)が行われる(ステップS86、「第1の量子化工程」に相当)。その一方、ステップS84において、対象画素が正常領域に属する画素であると判断された場合は、ステップS88に進み、当該対象画素に対して、第2の量子化方法による量子化(第2の量子化)が行われる(「第2の量子化工程」に相当)。
ステップS86又はS88にて、対象画素の量子化が行われた後、未処理の画素が残存しているか否かの判断が行われる(ステップS90)。ステップS90にて、未処理の画素が残っていれば、ステップS82に戻り、次の処理対象となる画素を特定し、上述の処理(ステップS82〜S90)を繰り返す。
画像データの全画素について量子化の処理が完了し、ステップS90にて未処理画素がないと判断されたら、本処理を終了する。
図19のステップS86、S88で述べた第1の量子化及び第2の量子化の具体的な例について説明する。
(1)複数の閾値マトリクスを使用する方法
量子化処理の際に、不吐近傍領域とそれ以外の領域(「正常領域」という。)にそれぞれ別々の閾値マトリクスを使用する例を説明する。第1の量子化に用いる第1の閾値マトリクスと、第2の量子化に用いる第2の閾値マトリクスは、いずれも図9乃至図12で説明した空間周波数特性(紙送り方向の低周波成分が抑制されたパターン特性、「第1のパターン特性」に相当)を持つ共通のパターンを参照して生成されている。ここでいう共通のパターンは、例えば、基準となる特定の中間階調(基準階調L)の均一濃度画像を表す量子化パターンである。このパターンを「共通パターン」或いは「基準パターン」という。基準階調Lとしては、適宜の値を選択することができるが、最大階調を100%とするときの、50%前後の階調を選択することが好ましく、50%から若干ずらすのがさらに望ましい。
不吐近傍領域にて使用される第1の閾値マトリクスは、正常領域にて使用される第2の閾値マトリクスよりも、多くの階調において(広い階調域において)、前記パターン特性が維持されている。つまり、第2の閾値マトリクスは、基準階調Lよりも下側の階調Lと上側の階調Lとで規定される階調域(階調L以上L以下)で前記パターン特性が維持されている。一方、第1の閾値マトリクスは、階調Lよりもさらに下側の階調L(L<L)と、階調L以上の階調L(L≦L)とで規定されるさらに広い階調域(階調L以上L以下)で前記パターン特性が維持されている。このような閾値マトリクスは、各階調のパターンを生成する際の評価関数を変えることで実現することができる。
最小階調値Lminから最大階調値Lmaxまでの範囲(定義域)で規定される階調域の中で、上記の基準階調L、階調L、L、L、Lの各値は、Lmin≦L<L<L<L≦L≦Lmaxの関係を満たして適宜設定することができる。
第1の閾値マトリクスと第2の閾値マトリクスの両者が前記パターン特性を維持している階調域(階調L以上L以下)が「第1の階調域」に相当し、第1の閾値マトリクスのみが前記パターン特性を維持している階調域(階調L以上L未満、又は階調Lを超え階調L以下)が「第2の階調域」に相当する。
〔共通パターンから各閾値マトリクスを生成する処理の具体例〕
基本的には、共通パターンと同様な方法で各階調のパターン(ドット配置)を生成し、各階調のパターンから閾値マトリクスのセルの値を定めていき、閾値マトリクスを生成する。
なお、共通パターン(基準となる初期階調パターン)を決める際には、他の階調値のドット配置が未決定であるため、他の階調のドット配置との関係で制約条件はないが、共通パターンを基にして、他の階調値のドット配置を決定する際には、通常のディザ生成における制約条件(stacking constraint)と同様の制約条件(ドットを発生させる場所は前後の階調パターンに依存するという制約条件)がある点で相違する。
共通パターンと同様な特性を出したい階調においては、例えば、図17で説明したPSFを使用してパターンを生成し、それ以外においては、例えば、より等方的なPSFを使用する。
図17のPSFよりも等方的なPSFの具体例として、図20(a)や図20(b)に示すものを用いることができる。
図20(a)(b)に例示する等方的なPSFを使用することにより、等方的なパターン特性(「第2のパターン特性」に相当)を有するドット配置(量子化パターン)を得ることができる。
(2)ディザと誤差拡散を併用する方法
上記の例(1)と同様に、複数の閾値マトリクスを使用し、さらに、量子化の誤差を未処理の周辺画素に拡散することで、粒状をより一層改善できる。不吐近傍領域と正常領域とで使用する閾値マトリクスを切り替える点を除き、処理のアルゴリズムとしては既存の技術を利用することができる。例えば、図21に示すような誤差拡散マトリクスと図22に示すような量子化処理のフローを利用することができる。
図21は誤差拡散マトリクスの例を示している。図中の「x」が量子化対象画素の位置を表し、矢印は量子化処理の処理順を表す。注目画素(量子化対象画素x)に隣接する4つの未処理画素(右横、右斜め下、真下、左斜め下)に対して、それぞれ量子化誤差が配分される。誤差の配分比率を規定する誤差拡散マトリクスの成分A〜Dのうち、横方向に拡散させる誤差成分(図中の「A」)を、均等拡散させる場合の値(例えば、4等分として、それぞれ1/4の配分比率となる)よりも大きい配分とすることが望ましい。つまり、図21の場合、「A」の成分を0.25よりも大きい値とすることが望ましい。このように、量子化誤差を横方向(x方向)に多めに分配することで、横方向にドットが分散され、全体として分散性が向上し、粒状が良化する。
<量子化処理のフローチャートの具体例>
ここでは、ディザマトリクス(「閾値マトリクス」と同義)と誤差拡散法を併用する量子化処理の例について説明する。図22は各画素の量子化処理を示すフローチャートである。図22において、dither[x][y]は二次元ディザマトリクスの成分を表す。th_dth[i][level]はディザマトリクスと比較する閾値を示す(i=0,1,2)。th_edf[level]は誤差拡散閾値を示す。dot[j][level]は階調値(level)ごとに{滴なし、小滴、中滴、大滴}のうちいずれかのドットサイズに対応付けられる(j=0,1,2,3)。
各画素量子化処理がスタートすると、最初に、対象画素の元の階調値と、誤差拡散により当該対象画素に拡散された周辺誤差の和をとることで、周辺誤差を含んだ階調値を算出する(ステップS101)。
次に、ディザマトリクスの値(dither[x][y])と閾値th_dth[i][level]とを比較することにより、画像の領域を分割する。この閾値th_dth[i][level]は、対象画素の階調値(level)ごとに設定されるものであり、予め所定のメモリに記憶されている。ここでは、第1の閾値th_dth[0][level]、第2の閾値th_dth[1][level]、及び第3の閾値th_dth[2][level]を用いて、4領域に分割される。
まず、ディザマトリクスの値と第1の閾値th_dth[0][level]との比較を行う(ステップS102)。比較の結果、ディザマトリクスの値の方が小さい場合は、dot[0][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS103)。
ステップS102において、ディザマトリクスの値が第1の閾値以上の場合は、続いてディザマトリクスの値と第2の閾値th_dth[1][level]との比較を行う(ステップS104)。比較の結果、ディザマトリクスの値の方が小さい場合は、dot[1][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS105)。
ステップS104において、ディザマトリクスの値が第2の閾値以上の場合は、さらにディザマトリクスの値と第3の閾値th_dth[2][level]との比較を行う(ステップS106)。ディザマトリクスの値が第3の閾値th_dth[2][level]以下の場合は、ステップS107に進み、周辺誤差を含んだ階調値と誤差拡散閾値th_edf[level]との比較を行う(ステップS107)。この誤差拡散閾値th_edf[level]についても、対象画素の階調値ごとに設定されるものであり、予め所定のメモリに記憶されている。ステップS107における比較の結果、周辺誤差を含んだ階調値の方が誤差拡散閾値よりも小さい場合は、dot[2][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS108)。
一方、ステップS107において、周辺誤差を含んだ階調値が誤差拡散閾値以上である場合は、dot[3][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS109)。このように、ディザ閾値が第3の閾値以下(かつ第2の閾値以上)の領域では、誤差拡散法による2値化の処理が行われる。
また、ステップS106において、ディザマトリクスの値の方が第3の閾値よりも大きい場合は、dot[4][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS110)。
なお、各dot[j][level]のドットサイズは階調値ごとに適宜決めることができる。例えば、ある階調値に対して、dot[0][level]は小滴、dot[1][level]は中滴、dot[2][level]は滴無し、dot[3][level]は大滴、及びdot[4][level]は大滴、のように決めることができる。基本的に、dot[3][level]>dot[2][level]を満たしていればよく、量子化誤差が大きいと大きいドットを打ち、小さいと小さいドットを打つように各値を定める。
対象画素が不吐近傍領域に属する画素である場合には第1の閾値マトリクスが用いられ、正常領域に属する画素である場合には第2の閾値マトリクスが用いられて、量子化が行われる。以上のように対象画素のドットサイズを選択後、量子化誤差を算出する(ステップS111)。量子化誤差は、周辺誤差を含んだ階調値を量子化したことによって発生する誤差であり、周辺画素を含んだ階調値と量子化閾値との差である。量子化閾値は、各dot[0][level]、dot[1][level]、dot[2][level]、dot[3][level]、dot[4][level]にそれぞれ対応付けられた階調値である。
この算出した量子化誤差を所定の誤差拡散マトリクスに従って周辺の画素へ拡散する(ステップS112)。続いて量子化の対象画素を隣接画素へ移行し、同様の処理を行うことで、すべての画素の量子化を行う。
上記の量子化処理によれば、ステップS103、S105、S110に該当する各領域のdot[0][level]、dot[1][level]、dot[4][level]の記録率は、ディザマトリクスに従って決定され、残りの領域は、誤差拡散法で2値化することによって決定される(ステップS108、S109)。このように量子化を行うことで、4値の記録率を階調ごとに一意に決定することができる。
本例では、各閾値th_dth[i][level]は、対象画素の元の階調値における閾値を用いたが、周辺誤差を含んだ階調値における閾値を用いてもよい。
(3)不吐近傍領域とそれ以外(正常領域)で共通の閾値マトリクスを活用するディザ及び誤差拡散の併用方法
不吐近傍領域と正常領域で共通の閾値マトリクスを活用するディザ/誤差拡散アルゴリズムとしては、図22のフローと同様のものを使用する。ここで用いる「共通の閾値マトリクス」は、ドット数が少ない階調まで比較的広い階調域(例えば、階調値Lmin〜L)の範囲で前記パターン特性(紙送り方向の低周波成分が抑制されたパターン特性)が維持されている(図23参照)。
量子化処理に際して、ドット数が少ない階調(例えば、ハイライト側の階調Lmin以上L未満)においては、不吐近傍領域では当該閾値マトリクスのドット数が少ない階調(マトリクスの閾値)を参照して量子化を行い、正常領域では共通パターンに近い階調(例えば、基準階調L又はこれに近い値の階調)の閾値マトリクスパターン(閾値マトリクスによって実現されるドット配置)を参照して、この閾値マトリクスパターンの中にドットを置くことができるという制約条件の下で誤差拡散法により量子化(2値化又は多値化)を行う。「基準階調Lに近い値の階調」とは、ドット配置の制約条件として利用できる程度にドットの分布形態が近い階調の範囲を意味している。
なお、ドット数が多い階調(例えば、階調L以上)については、不吐近傍領域、正常領域ともに閾値マトリクスの閾値を参照した量子化を行うことができる。
図23は、共通の閾値マトリクスによって実現されるハーフトーンパターンにおけるドット種類別の比率を例示したものである。横軸は入力信号値(階調値)を表し、縦軸は単位面積あたりにおける小ドット、中ドット、大ドットのインクドットの記録割合(ドット比率)を示した量である。例えば、図23の縦軸は、最大で100画素のインク打滴できる画素領域(「単位面積」に相当)に、大中小のサイズのインクドットがそれぞれ何個ずつ打たれるかの割合を示した量である。入力信号値に対して各種ドットをどのような比率で使用するかについては量子化方法の具体的な設定によって適宜設計することができる。
図23の例では、正常領域のハイライト側(階調L以下)について、誤差拡散法による量子化が行われる。これにより、ドットが疎らに配置される階調域で正常領域のドット配置を概ね等方的な配置とすることができる。
<本実施形態による画像処理方法の利点>
(1)不吐近傍領域とそれ以外の正常領域とで、紙送り方向(すなわち、記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向)の空間周波数成分の低周波成分を抑制した共通のパターンに基づいた量子化方法を採用している。このため、不吐近傍領域とそれ以外の正常領域の領域間のパターン連続性が保持される。また、このようなパターンは紙送り方向(スジに平行な方向)の空間周波数成分が抑制されているので、多数の不良ノズルが発生しても、アーティファクトなく、高品位に補正を行うことができる。
(2)不吐近傍領域とそれ以外の正常領域で異なる量子化を行い、不吐近傍領域に適用される量子化は、正常領域に適用される量子化に比べて相対的に前記パターン特性がより広い階調域で維持される。不吐近傍領域とそれ以外の正常領域とで別々の量子化を行うため、正常領域においても粒状が悪化することがない。また、不吐近傍領域でも前記パターン特性が満たされるため、アーティファクトが発生することはない。
(3)本実施形態によれば、濃度補正(ムラ補正)と量子化処理とが相まって、異常ノズルのマスクに伴うパターン欠陥に起因するアーティファクトを抑制することができる。また、不吐近傍領域と正常領域の量子化方法を異ならせ、それぞれに適切な量子化を行うことができるため、正常領域においても粒状が悪化することがない。本実施形態によれば、アーティファクト抑制と正常領域の粒状を両立することができる。
このような本実施形態の作用効果を図24に例示する。図24は、従来の方法によって得られる量子化パターン(比較例)と、本実施形態の画像処理によって得られる量子化パターン(実施例)とを対比させて示した。ここでは、入力階調値として基準階調Lの均一画像とした。
図24の最上段から下に向かって、順に、2画素周期の不吐出(ノズル抜け)が発生したときのパターン、3画素周期の不吐出(ノズル抜け)が発生したときのパターン、4画素周期の不吐(ノズル抜け)が発生したときのパターン、不吐無しのパターン、をそれぞれ示している。図24の左側が通常の量子化処理(比較例)では、記録ヘッドに不吐出ノズルが発生すると、まだらな白抜け(スジ)が発生し、粒状が極度に悪化している。
これに対し、本実施例(図24の右側)では、不吐が多数発生しているにもかかわらず、図示したどの周期(2画素周期〜4画素周期)のノズル抜けに対しても、パターンの白抜けが均一でアーティファクトが発生していない。
図24では不吐出(ノズル抜け)の場合を示したが、不吐以外の濃度ムラに対して濃度補正を行った場合のアーティファクトに対しても同様の効果が得られる。不吐によるスジの方が不吐以外の濃度ムラよりも濃淡の振幅が大きいため、より一層アーティファクトが発生しやすい。したがって、本実施形態によれば、不吐によるアーティファクト抑制の効果が得られるのと同様に、不吐以外の濃度ムラによるアーティファクト抑制の効果が得られる。
<画像処理装置の構成例>
次に、上述した画像処理方法を具現化する装置構成の例について説明する。
図25は、本実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。ここでは、複数の閾値マトリクス(第1の閾値マトリクス36、第2の閾値マトリクス38)を使用して量子化を行う例を説明する。本実施形態の画像処理装置10は、画像データ入力部12と、色変換/分版処理部14と、マスク処理部16(「マスク処理手段」に相当)と、濃度補正処理部18(「画像補正手段」に相当)と、異常ノズル情報取得部20(「不良情報取得手段」に相当)と、異常ノズル情報記憶部22と、濃度補正テーブル記憶部24と、量子化処理部26(「量子化処理手段」に相当)と、画像データ出力部28と、を備える。量子化処理部26は、処理対象の画素の領域を判断する領域判断部30と、第1の量子化部32(「第1の量子化手段」に相当)と、第2の量子化部34(「第2の量子化手段」に相当)と、を含む。第1の量子化部32は、不吐近傍領域の画素を量子化する手段であり、第1の閾値マトリクス36を参照して量子化を行う(「第1の量子化方法」に相当)。第2の量子化部34は、不吐近傍領域以外の正常領域の画素を量子化する手段であり、第2の閾値マトリクス38を参照して量子化を行う(「第2の量子化方法」に相当)。各閾値マトリクス(36,38)の特性や量子化処理の内容については、図9乃至図22等で説明したとおりである。
図25の画像データ入力部12は、画像データを取り込むためのデータ取得部として機能する。画像データ入力部12は、外部又は装置内の他の信号処理部から画像データを取り込むデータ入力端子で構成することができる。また、画像データ入力部12には、有線又は無線の通信インターフェース部を採用してもよいし、メモリカードなどの外部記憶媒体(リムーバブルディスク)の読み書きを行うメディアインターフェース部を採用してもよく、若しくは、これら態様の適宜の組み合わせであってもよい。
画像データ入力部12から入力された画像データ(図1の符号D10)は、色変換/分版処理部14に送られ、出力機としてのインクジェット記録装置で使用されるインク色と同じ色種、色数並びに解像度を持った色別の階調画像に分解される。例えば、CMYK4色インクで出力解像度1200dpiを実現するインクジェット記録装置の場合に、CMYKの各色それぞれ8bit (256階調)の画像データが得られる。
なお、印刷しようとする画像の画像データの形式は種々のものがあり得る。インクジェット記録装置で使用するインク色の種類や解像度と異なる色の組み合わせや解像度の形式で特定される画像データを取り扱う場合に、色変換/分版処理部14にて解像度変換や色変換などを行う態様に代えて、又はこれと組み合わせて、画像データ入力部12の前段において、図示しない前処理部により、色変換や解像度変などの処理を行い、インクジェット記録装置で使用するインク色及び解像度の画像データに変換した後に、画像データ入力部12から入力する構成を採用してもよい。
一例として、もとの画像データがRGBの画像データである場合に、前処理部に相当するRIP(Raster Image Processor)装置などにて、RGB→CMYKの色変換処理や解像度変換処理を行い、RGB画像データからインクジェット記録装置に適合したCMYKデータ(入力画像データ)に変換してから画像データ入力部12に入力することができる。
マスク処理部16は、異常ノズル情報記憶部22に格納されている異常ノズル情報を基に、異常ノズルのマスク(不吐出化、不使用化)処理を行う。異常ノズルの情報は異常ノズル情報取得部20から取り込まれ、異常ノズル情報記憶部22に記憶される。異常ノズル情報取得部20は、テストパターンの印刷結果を読み取り結果を基に、異常ノズルの位置を検出する処理を行う異常ノズル検出部を含むことができる。また、異常ノズル情報取得部20は、テストパターンの印刷結果を読み取る読取装置(例えば、スキャナや濃度計など)を含んでもよい。或いはまた、異常ノズル情報取得部20は、テストパターンの測定結果から検出された異常ノズルの情報をデータとして取り込むためのデータ入力インターフェースで構成することもできる。
濃度補正処理部18は、濃度補正テーブルを生成する機能と、その濃度補正テーブルを用いて画像補正を行う補正機能と、を有する。濃度補正処理部18にて生成された濃度補正テーブルは濃度補正テーブル記憶部24に格納される。濃度補正処理部18は、マスク処理を経た画像データについて濃度補正テーブルを用いて濃度補正を行う。
濃度補正処理部18にて補正された画像データは量子化処理部26に送られ、不吐近傍領域と、正常領域とに対してそれぞれ別の量子化方法が適用され、量子化が行われる。
量子化処理部26にて生成されたドットデータは、画像データ出力部28から出力される。画像データ出力部28は、外部又は装置内の他の信号処理部に画像データを出力するデータ出力端子で構成することができる。また、画像データ出力部28には、有線又は無線の通信インターフェース部を採用してもよいし、メモリカードなどの外部記憶媒体(リムーバブルディスク)の読み書きを行うメディアインターフェース部を採用してもよく、若しくは、これら態様の適宜の組み合わせであってもよい。
第1の量子化部32、第2の量子化部34は、図21及び図22で説明したように、閾値マトリクスと誤差拡散の手段を組み合わせた構成とすることができる。また、第2の量子化部34は第2の閾値マトリクス38を用いる構成に代えて、図23で説明したように、第1の閾値マトリクス36と共通の閾値マトリクスを用い、ドット数の少ない階調における正常領域について、閾値マトリクスパターンを制約条件とする誤差拡散法を採用する構成とすることができる。
図25に例示した本実施形態の画像処理装置10における各部の機能は、集積回路などのハードウエア、又は、CPU(中央演算処理装置)などを動作させるソフトウェア(プログラム)、或いはこれらの適宜の組み合わせによって実現することができる。
すなわち、本実施形態の画像処理装置10の各部の機能、或いは、図1、図2、図19、図22等で説明した本実施形態の画像処理方法を実現する各工程は、コンピュータに実行させることができる。本実施形態で説明した処理機能をコンピュータに実現させるためのプログラムは、コンピュータに予めインストールされていてもよいし、当該プログラムを記憶させた磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカードその他のコンピュータ可読媒体(情報記憶媒体)を提供することも可能である。また、このような有体物たる記憶媒体にプログラムを記憶させて提供する態様に代えて、インターネットなどの通信ネットワークを利用してプログラム信号をダウンロードサービスとして提供することも可能である。
図26は、他の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図である。同図に示す画像処理装置100は、インクジェット記録装置において、入力画像データから出力画像(ハーフトーン画像)を生成する画像処理部に適用することができる。この画像処理装置100は、装置全体を統括制御するシステム制御部102と、入力画像データを取得する入力画像データ取得部104と、インクジェットヘッド(不図示)の異常ノズルを検知する異常ノズル検知部106と、異常ノズル情報が記憶される異常ノズル情報記憶部108と、異常ノズルに対してマスク処理を施すマスク処理部110(マスク処理手段)と、を具備している。
また、画像処理装置100は、各ノズルの出力特性情報を取得するノズル出力特性情報取得部112と、取得されたノズル出力特性情報がノズルごとのルックアップテーブル形式で記憶される濃度補正LUT記憶部114と、濃度補正LUTを参照して各画素の画素値を補正する画素値補正部116(「画像補正手段」に相当)と、を具備している。
濃度補正LUT記憶部114は、図1で説明した濃度補正テーブルD18が記憶される記憶部であり、図25の濃度補正テーブル記憶部24に相当するものである。
さらに、図26の画像処理装置100は、画素値補正部116による濃度補正後の画像データに対して量子化処理を施す量子化処理部122(量子化処理手段)と、量子化処理に用いられる閾値マトリクスが記憶される閾値マトリクス記憶部124と、メモリ128と、を具備している。メモリ128はデータの一次記憶領域や各部の演算領域として使用される。量子化処理部122は、図25で説明した量子化処理部26に相当するものである。図26に図示した各部は、図1から図12を用いて説明した画像処理方法の各工程に対応しているので、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、装置各部の処理(演算)に用いられる各種パラメータや変換テーブルなどが記憶されるパラメータ記憶部や、装置各部の処理(演算)に用いられるプログラム(ソフトウェア)が記憶されるプログラム記憶部を備えてもよい。
<本実施形態による画像形成装置の構成について>
図27は、本実施形態に係る画像形成装置の要部構成を示すブロック図である。画像形成装置150は、記録ヘッド160と、記録ヘッド160による記録動作を制御する制御装置170(「制御手段」に相当)と、用紙搬送部180(「相対移動手段」に相当)とを含んで構成される。ここでは、図示を簡略化するために、1色分の記録ヘッド160を示しているが、画像形成装置150は、複数のインク色の各色にそれぞれ対応した複数のインクジェットヘッドを備える。
記録ヘッド160の詳細な構造は図示しないが、記録ヘッド160は各ノズルに対応してインク吐出に必要な吐出エネルギーを発生させる吐出エネルギー発生素子としての複数の圧電素子162と、各圧電素子162の駆動/非駆動を切り換えるスイッチIC164と、を備える。
記録ヘッド160におけるノズル数やノズル密度、ノズルの配列形態は特に限定されず、様々な形態があり得る。例えば、主走査方向について所定の記録解像度を実現できるように、多数のノズルが一定の間隔で直線上に(一列に)並ぶ一次元ノズル配列であってもよいし、2本のノズル列を互いにそれぞれのノズル列内におけるノズル間隔(ノズル間ピッチ)の1/2ピッチだけノズル列方向にずらして配置した、いわゆる千鳥状配列であってもよい。また、更なる高記録解像度を実現するために、3本以上のノズル列を並べたマトリクス配列など、インク吐出面(ノズル面)に多数のノズルを二次元的に配列させる構成とすることができる。
二次元ノズル配列を有するインクジェットヘッドの場合、当該二次元ノズル配列における各ノズルを用紙幅方向(主走査方向に相当)に沿って並ぶように投影(正射影)した投影ノズル列は、主走査方向(媒体幅方向)について、記録解像度を達成するノズル密度でノズルが概ね等間隔で並ぶ一列のノズル列と等価なものと考えることができる。ここでいう「等間隔」とは、インクジェット印刷システムで記録可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差や着弾干渉による媒体上での液滴の移動を考慮して僅かに間隔を異ならせたものなどが含まれている場合も「等間隔」の概念に含まれる。投影ノズル列(「実質的なノズル列」ともいう。)を考慮すると、主走査方向に沿って並ぶ投影ノズルの並び順に、ノズル位置(ノズル番号)を対応付けることができる。以下の説明で「ノズル位置」という場合、この実質的なノズル列におけるノズルの位置を指す。
制御装置170は、システム制御部171と、記録すべき画像の元画像データ(多階調画像データ)を受け入れる入力インターフェース部として機能する画像データ入力部172と、入力された画像データに対して、濃度補正や量子化処理を行う画像処理部174を備える。また、制御装置170は、駆動波形生成部176とヘッドドライバ178を備える。
画像処理部174における処理内容については、図1〜図26等で説明したとおりである。
画像処理部174は、入力された画像データから2値又は多値のドットデータに変換する信号処理手段である。量子化処理(ハーフトーン処理)の手段としては、すでに説明した閾値マトリクスを用いる態様、閾値マトリクスと誤差拡散法とを組み合わせた態様などを適用できる。
量子化処理は、一般に、M値(Mは3以上の整数)の階調画像データをN値(Nは2以上M未満の整数)の階調画像データに変換する。最も単純な例では、2値(ドットのオン/オフ)のドット画像データに変換するが、量子化処理において、ドットサイズの種類(例えば、大ドット、中ドット、小ドットなどの3種類)に対応した多値の量子化を行うことも可能である。
画像処理部174にて生成された2値又は多値の画像データ(トットデータ)は、各ノズルの駆動(オン)/非駆動(オフ)、さらに、多値の場合には液滴量(ドットサイズ)を制御するインク吐出制御データ(打滴制御データ)として利用される。画像処理部174で生成されたドットデータ(打滴制御データ)は、ヘッドドライバ178に与えられ、記録ヘッド160のインク吐出動作が制御される。
駆動波形生成部176は、記録ヘッド160の各ノズルに対応した圧電素子162を駆動するための駆動電圧信号波形を生成する手段である。駆動電圧信号の波形データは予めROM等の記憶手段に格納されており、必要に応じて使用する波形データが出力される。駆動波形生成部176で生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ178に供給される。なお、駆動波形生成部176から出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
本例に示す画像形成装置150は、記録ヘッド160の各圧電素子162に対して、スイッチIC164を介して共通の駆動電力波形信号を供給し、各ノズルの吐出タイミングに応じて、該当する圧電素子162の個別電極に接続されたスイッチ素子のオン/オフを切り換えることで、各圧電素子162に対応するノズルからインクを吐出させる駆動方式が採用されている。記録ヘッド160は、ヘッドドライバ178から与えられる駆動信号及び吐出制御信号に従い、オンデマンドでインク液滴を吐出する。
図27におけるシステム制御部171、画像データ入力部172、及び画像処理部174の組み合わせが「画像処理装置」に相当する。
システム制御部171は、用紙搬送制御部182を介して用紙搬送部180を制御する。これにより、記録ヘッド160に対して図示せぬ用紙(記録媒体)が搬送される。用紙搬送制御部182及び用紙搬送部180が「相対移動手段」に相当する。
<インクジェット記録装置への適用例>
次に、上述した画像処理方法及び装置をインクジェット記録装置(「画像形成装置」に相当)に適用した例について説明する。
図28は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すインクジェット記録装置300は、記録媒体302(「記録媒体」に相当)を保持して搬送する記録媒体搬送部304と、記録媒体搬送部304に保持された記録媒体302に対して、K、C、M、Yの各カラーインクを吐出させるインクジェットヘッド306K,306C,306M,306Yを含む印字部307と、を備える。記録媒体搬送部304は「相対移動手段」に相当する。
記録媒体搬送部304は、記録媒体302が保持される記録媒体保持領域に多数の吸着穴(不図示)が設けられた無端状の搬送ベルト308と、搬送ベルト308が巻き掛けられる搬送ローラ(駆動ローラ310、従動ローラ312)と、記録媒体保持領域の搬送ベルト308の裏側(記録媒体302が保持される記録媒体保持面と反対側の面)に設けられ、記録媒体保持領域に設けられた不図示の吸着穴にと連通しているチャンバー314と、チャンバー314に負圧を発生させる真空ポンプ316と、を含んでいる。
記録媒体302が搬入される搬入部318には、記録媒体302の浮きを防止するための押圧ローラ320が設けられるとともに、記録媒体302が排出される排出部322にもまた、押圧ローラ324が設けられている。
搬入部318から搬入された記録媒体302は、記録媒体保持領域に設けられた吸着穴から負圧が付与され、搬送ベルト308の記録媒体保持領域に吸着保持される。
記録媒体302の搬送路上には、印字部307の前段側(記録媒体搬送方向上流側)に、記録媒体302の表面温度を所定範囲に調整するための温度調節部326が設けられるとともに、印字部307の後段側(記録媒体搬送方向下流側)に、記録媒体302上に記録された画像を読み取る読取装置(読取センサ)328が設けられている。
搬入部318から搬入された記録媒体302は、搬送ベルト308の記録媒体保持領域に吸着保持され、温度調節部326による温度調節処理が施された後に、印字部307において画像記録が行われる。
記録媒体302が搬送され、インクジェットヘッド306K,306C,306M,306Yの直下を記録媒体302が通過する際に、記録媒体302に対してKCMYの各色のインクを吐出させて、所望のカラー画像が形成される。
なお、印字部307は上述した形態に限定されない。例えば、LC(ライトシアン)やLM(ライトマゼンタ)、他の特別色のインクに対応するインクジェットヘッドを具備してもよい。また、インクジェットヘッド306K,306C,306M,306Yの配置順も適宜変更可能である。
印字部307により画像記録がされた記録媒体302は、読取装置328によって記録画像(テストパターンを含む)が読み取られた後に、排出部322から排出される。読取装置328の読取結果は、インクジェットヘッド306K,306C,306M,306Yの吐出異常の判断や濃度補正テーブルの生成に用いられる。
なお、図28には示されていないが、インクジェット記録装置300は、インク供給部を具備している。インク供給部は、各インクジェットヘッド306K,306C,306M,306Yに供給されるインクを貯蔵するインクタンクを色ごと(ヘッドごと)に備えている。色ごとのインクタンクのそれぞれとインクジェットヘッド306K,306C,306M,306Yとは、不図示のインク供給路により連通されている。
<印字部の構成>
図29はインクジェットヘッドの構造例を示す透視平面図(インク吐出面の反対側面から透視した図)である。印字部307の各インクジェットヘッド306K,306C,306M,306Yは同様の構造を適用することができるので、ここではヘッドを代表して、共通の符号306を付して説明する。
図29のように、インクジェットヘッド306は、記録媒体302の主走査方向(x方向)における全幅の長さ対応する長さにわたって、複数のノズル350及び圧力室352が含まれる吐出素子(記録素子)354が配置されたページワイドのフルライン型ヘッドである。フルライン型のインクジェットヘッド306と記録媒体302とを相対的に一回だけ移動させるシングルパス方式により、記録媒体302全域にわたって記録画像を記録することができる。
図29に示すインクジェットヘッド306は、主走査方向(x方向)に沿う行方向、及び副走査方向(y方向)とそれぞれ直交しない斜めの列方向に沿って複数のノズル350(吐出素子354)がマトリクス配置された構造を有している。このように複数のノズル350をマトリクス配置させることで、主走査方向(x方向)の実質的なノズル配置密度が高密度化される。なお、インクジェットヘッドのノズル配置は図29に図示したマトリクス配置に限定されない。
インクジェットヘッド306の吐出方式は、圧電素子のたわみ変形を利用する圧電方式や、インクの膜沸騰現象を利用するサーマル方式などの各種吐出方式が適用可能である。圧電方式が適用されるインクジェットヘッド306は、ノズル350と連通する圧力室352の少なくとも一壁面に圧電素子162を備えている。
圧電素子162は、上部電極及び下部電極に圧電体がはさまれた構造を有し、上部電極と下部電極との間に駆動電圧を印加することでたわみ変形が生じ、圧電素子のたわみ変形により圧力室352が変形することで、圧力室352の内部に収容されているインクがノズル350から吐出される。
また、サーマル方式が適用されるインクジェットヘッドは、圧力室(液室)352の内部に収容されるインクを加熱するヒータを備え、圧力室352の内部のインクを瞬間的に加熱することで気泡を発生させ、ノズル350からインクを吐出させている。
<制御系の説明>
図30は、インクジェット記録装置300の制御系の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置300は、通信インターフェース360、システム制御部362、搬送制御部364、画像処理部366、ヘッド駆動部368を備えるとともに、画像メモリ370、ROM372等を備えている。
通信インターフェース360は、ホストコンピュータ374から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース360は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルインターフェースを適用してもよいし、セントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用してもよい。通信インターフェース360は、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
システム制御部362は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置300の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能し、さらに、画像メモリ370及びROM372のメモリコントローラとして機能する。
すなわち、システム制御部362は、通信インターフェース360、搬送制御部364等の各部を制御し、ホストコンピュータ374との間の通信制御、画像メモリ370及びROM372の読み書き制御等を行うとともに、上記の各部を制御する制御信号を生成する。
ホストコンピュータ374から送出された画像データ(記録画像のデータ)は通信インターフェース360を介してインクジェット記録装置300に取り込まれ、画像処理部366によって所定の画像処理が施される。
画像処理部366は、画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号(画像)処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッド駆動部368に供給する制御部である。
画像処理部366において所要の信号処理が施されると、該印字データ(ハーフトーン画像データ)に基づいて、ヘッド駆動部368を介してインクジェットヘッド306の吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。
これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。なお、ヘッド駆動部368には、インクジェットヘッド306の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
図30の画像処理部366は、図25で説明した画像処理装置10や図26で説明した画像処理装置100の画像処理機能を果たす。また、図30に示すインクジェット記録装置300の制御系は、図26に示した各構成と適宜共通化することが可能である。
図30の搬送制御部364は、画像処理部366により生成された印字データに基づいて記録媒体の搬送タイミング及び搬送速度を制御する。搬送駆動部376は、記録媒体を搬送する記録媒体搬送部304の駆動ローラ310(312)を駆動するモータが含まれており、搬送制御部364は該モータのドライバとして機能している。
画像メモリ(一時記憶メモリ)370は、通信インターフェース360を介して入力された画像データを一旦格納する一時記憶手段としての機能や、ROM372に記憶されている各種プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域(例えば、画像処理部366の作業領域)としての機能を有している。画像メモリ370には、逐次読み書きが可能な揮発性メモリ(RAM)が用いられる。
ROM372は、システム制御部362のCPUが実行するプログラムや、装置各部の制御に必要な各種データ、制御パラメータなどが格納されており、システム制御部362を通じてデータの読み書きが行われる。ROM372は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。また、外部インターフェースを備え、着脱可能な記憶媒体を用いてもよい。
パラメータ記憶部378は、インクジェット記録装置300の動作に必要な各種制御パラメータが記憶されている。システム制御部362は、制御に必要なパラメータを適宜読み出すとともに、必要に応じて各種パラメータの更新(書換)を実行する。
プログラム格納部380は、インクジェット記録装置300を動作させるための制御プログラムが格納されている記憶手段である。システム制御部362(又は装置各部)は、装置各部の制御を実行する際にプログラム格納部380から必要な制御プログラムが読み出され、該制御プログラムは適宜実行される。
表示部382は、システム制御部362から送出される各種情報を表示する手段であり、LCDモニタなどの汎用ディスプレイ装置が適用される。なお、表示部382の表示形態には、ランプの点灯(点滅、消灯)を適用してもよい。また、スピーカーなどの音(音声)出力手段を備えてもよい。
入力インターフェース(I/F)384は、キーボード、マウス、ジョイスティックなどの情報入力手段が適用される。入力インターフェース384を介して入力された情報は、システム制御部362へ送出される。
なお、記録媒体の搬送はベルト搬送方式に限定されず、ドラム搬送方式やローラ搬送方式など、他の搬送方式を適用することができる。
<他の装置構成例>
図31は、記録媒体の搬送にドラム搬送方式が適用されるインクジェット記録装置400の概略構成を示す全体構成図である。同図に示すインクジェット記録装置400は、描画ドラム414の外周面に記録媒体(図31中図示せず)を固定して、描画ドラム414を回転させることで描画ドラム414の外周面に沿って記録媒体を回転搬送させる搬送方式が適用されている。
インクジェットヘッド416K,416C,416M,416Yは、描画ドラム414の外周面に沿って、水平面に対して斜めに傾けられて配置される。印字部417を構成する各インクジェットヘッド416K,416C,416M,416Yは、図29に図示したインクジェットヘッド306K,306C,306M,306Yの構成を適用することができる。
不図示の給紙部から送り出された記録媒体は、渡し胴428に保持され、描画ドラム414に受け渡される。印字部417により画像形成がされた記録媒体は、描画ドラム414から後段側の渡し胴432へ受け渡される。
なお、図31に図示されたインクジェット記録装置400には、画像形成の前工程(記録媒体の前処理工程等)や後工程(乾燥工程、定着工程等)を追加してもよい。
なお、図28から図31を用いて説明したインクジェット記録装置の構成は一例であり、構成の追加、削除、変更を適宜することが可能である。
<ヘッドと用紙を相対移動させる手段について>
上述の実施形態では、停止した記録ヘッドに対して記録媒体を搬送する構成を例示したが、本発明の実施に際しては、停止した記録媒体に対して記録ヘッドを移動させる構成も可能である。なお、シングルパス方式のラインヘッドは、通常、記録媒体の送り方向(搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿って記録ヘッドを配置する態様もあり得る。
<記録媒体について>
「記録媒体」は、記録ヘッドによってドットが記録される媒体の総称であり、記録媒体、印字媒体、被記録媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体など様々な用語で呼ばれるものが含まれる。本発明の実施に際して、記録媒体の材質や形状等は、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フィルム、布、不織布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々な媒体に適用できる。
<装置応用例>
上記の実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト記録装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを描画するインクジェット装置に広く適用できる。
<インクジェット方式以外の記録ヘッドの利用形態について>
上述の説明では、記録ヘッドを用いる画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。インクジェット方式以外では、サーマル素子を記録素子とする記録ヘッドを備えた熱転写記録装置、LED素子を記録素子とする記録ヘッドを備えたLED電子写真プリンタ、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンタなど、ドット記録を行う各種方式の画像形成装置についても本発明を適用することが可能である。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
10…画像処理装置、12…画像データ入力部、16…マスク処理部、18…濃度補正処理部、20…異常ノズル情報取得部、22…異常ノズル情報記憶部、24…濃度補正テーブル記憶部、26…量子化処理部、30…領域判断部、32…第1の量子化部、34…第2の量子化部、100…画像処理装置、106…異常ノズル検知部、110…マスク処理部、122…量子化処理部、124…閾値マトリクス記憶部、114…濃度補正LUT記憶部、116…画素値補正部、150…画像形成装置、160…記録ヘッド、170…制御装置、178…ヘッドドライバ、180…用紙搬送部、300…インクジェット記録装置、302…記録媒体、304…記録媒体搬送部、306K,306C,306M,306Y…インクジェットヘッド、350…ノズル、362…システム制御部、364…搬送制御部、376…搬送駆動部、368…ヘッド駆動部、400…インクジェット記録装置、414…描画ドラム、416K,416C,416M,416Y…インクジェットヘッド

Claims (16)

  1. 複数の記録素子が配列された記録ヘッドにおける不良記録素子の情報を取得する不良情報取得工程と、
    前記不良情報取得工程で取得した不良記録素子情報に基づき不良記録素子を使用不能にするマスク処理を行うマスク処理工程と、
    前記マスク処理に伴うスジ状の画像欠陥の視認性を下げるために、入力画像データのうち前記マスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正する画像補正工程と、
    前記画像補正工程による濃度補正後の画像データを量子化し、前記濃度補正後の画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の画像データに変換する量子化処理工程と、を含み、
    前記量子化処理工程は、前記マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域について第1の量子化方法を適用して量子化を行う第1の量子化工程と、
    前記第1の画像領域以外の第2の画像領域について前記第1の量子化方法とは異なる第2の量子化方法を適用して量子化を行う第2の量子化工程と、を有し、
    少なくとも一部の階調において、前記第1の量子化方法を適用した量子化によって得られる第1の量子化パターンは、前記第2の量子化方法を適用した量子化によって得られる第2の量子化パターンと比較して、前記記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な第1の方向の空間周波数成分が、前記第1の方向と直交する第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つ画像処理方法。
  2. 前記第1の量子化方法と前記第2の量子化方法は、基準となる特定の中間階調に対して共通の量子化パターンが実現されるものであり、
    前記特定の中間階調を含む第1の階調域とは異なる第2の階調域において、前記第2の量子化方法は前記第1のパターン特性とは異なる第2のパターン特性を示す量子化パターンを生成する一方、前記第1の量子化方法は前記第2の量子化方法と比較して前記第1のパターン特性を維持する量子化パターンを生成する請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記共通の量子化パターンは、前記第1の方向の空間周波数成分が、前記第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された前記第1のパターン特性を持つことを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 前記量子化処理工程は、前記第1の画像領域と前記第2の画像領域のそれぞれの領域ごとに異なる閾値マトリクスを適用して量子化を行うものであり、
    前記第1の量子化工程において前記第1の画像領域に適用される第1の閾値マトリクスと、前記第2の量子化工程において前記第2の画像領域に適用される第2の閾値マトリクスとは、前記共通の量子化パターンを基にして生成されており、
    前記第1の閾値マトリクスは、前記第2の閾値マトリクスよりも多くの階調において前記第1のパターン特性が維持されている請求項2又は3に記載の画像処理方法。
  5. 前記量子化処理工程は、前記第1の閾値マトリクス又は前記第2の閾値マトリクスを用いた量子化によって発生する量子化誤差を周囲の未量子化画素に拡散する工程を含む請求項4に記載の画像処理方法。
  6. 前記第1の量子化方法と前記第2の量子化方法は、共通の閾値マトリクスを利用して量子化を行うものであり、
    前記共通の閾値マトリクスは、前記第1の階調域のみならず前記第2の階調域までも前記第1のパターン特性が維持されており、
    前記第1の画像領域では、前記第1の階調域及び前記第2の階調域において前記共通の閾値マトリクスを参照して量子化を行い、
    前記第2の画像領域では、前記第1の階調域において前記共通の閾値マトリクスを参照して量子化を行う一方、前記第2の階調域においては前記共通の量子化パターン又はこれに近い階調の閾値マトリクスパターンをドット配置の制約条件とする誤差拡散法により量子化を行う請求項2又は3に記載の画像処理方法。
  7. 前記第1のパターン特性は、前記第1の方向の空間周波数成分のうち10サイクル/mm以下の低周波成分が抑制されている請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  8. 前記第1のパターン特性は、二次元フーリエ変換により得られる空間周波数スペクトルを前記第1の方向と平行な断面線でその分布を見たとき、前記第1の方向の空間周波数成分のうち10サイクル/mm以下の低周波成分に該当する領域で成分の極小値を持つ請求項7に記載の画像処理方法。
  9. 複数の記録素子が配列された記録ヘッドにおける不良記録素子の情報を取得する不良情報取得手段と、
    前記不良情報取得手段で取得した不良記録素子情報に基づき不良記録素子を使用不能にするマスク処理を行うマスク処理手段と、
    前記マスク処理に伴うスジ状の画像欠陥の視認性を下げるために、入力画像データのうち前記マスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正する画像補正手段と、
    前記画像補正手段による濃度補正後の画像データを量子化し、前記濃度補正後の画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の画像データに変換する量子化処理手段と、を備え、
    前記量子化処理手段は、前記マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域について第1の量子化方法を適用して量子化を行う第1の量子化手段と、
    前記第1の画像領域以外の第2の画像領域について前記第1の量子化方法とは異なる第2の量子化方法を適用して量子化を行う第2の量子化手段と、を有し、
    少なくとも一部の階調において、前記第1の量子化方法を適用した量子化によって得られる第1の量子化パターンは、前記第2の量子化方法を適用した量子化によって得られる第2の量子化パターンと比較して、前記記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な第1の方向の空間周波数成分が、前記第1の方向と直交する第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つ画像処理装置。
  10. 前記第1の量子化方法と前記第2の量子化方法は、基準となる特定の中間階調に対して共通の量子化パターンが実現されるものであり、
    前記特定の中間階調を含む第1の階調域とは異なる第2の階調域において、前記第2の量子化方法は前記第1のパターン特性とは異なる第2のパターン特性を示す量子化パターンを生成する一方、前記第1の量子化方法は前記第2の量子化方法と比較して前記第1のパターン特性を維持する量子化パターンを生成する請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記共通の量子化パターンは、前記第1の方向の空間周波数成分が、前記第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された前記第1のパターン特性を持つことを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記量子化処理手段は、前記第1の画像領域と前記第2の画像領域のそれぞれの領域ごとに異なる閾値マトリクスを適用して量子化を行うものであり、
    前記第1の量子化手段において前記第1の画像領域に適用される第1の閾値マトリクスと、前記第2の量子化手段において前記第2の画像領域に適用される第2の閾値マトリクスとは、前記共通の量子化パターンを基にして生成されており、
    前記第1の閾値マトリクスは、前記第2の閾値マトリクスよりも多くの階調において前記第1のパターン特性が維持されている請求項10又は11に記載の画像処理装置。
  13. 前記量子化処理手段は、前記第1の閾値マトリクス又は前記第2の閾値マトリクスを用いた量子化によって発生する量子化誤差を周囲の未量子化画素に拡散する手段を含む請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記第1の量子化方法と前記第2の量子化方法は、共通の閾値マトリクスを利用して量子化を行うものであり、
    前記共通の閾値マトリクスは、前記第1の階調域のみならず前記第2の階調域までも前記第1のパターン特性が維持されており、
    前記第1の画像領域では、前記第1の階調域及び前記第2の階調域において前記共通の閾値マトリクスを参照して量子化を行い、
    前記第2の画像領域では、前記第1の階調域において前記共通の閾値マトリクスを参照して量子化を行う一方、前記第2の階調域においては前記共通の量子化パターン又はこれに近い階調の閾値マトリクスパターンをドット配置の制約条件とする誤差拡散法により量子化を行う請求項11に記載の画像処理装置。
  15. コンピュータに、
    複数の記録素子が配列された記録ヘッドにおける不良記録素子の情報を取得する不良情報取得工程と、
    前記不良情報取得工程で取得した不良記録素子情報に基づき不良記録素子を使用不能にするマスク処理を行うマスク処理工程と、
    前記マスク処理に伴うスジ状の画像欠陥の視認性を下げるために、入力画像データのうち前記マスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正する画像補正工程と、
    前記画像補正工程による濃度補正後の画像データを量子化し、前記濃度補正後の画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の画像データに変換する量子化処理工程と、を実行させるためのプログラムであって、
    前記量子化処理工程は、前記マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域について第1の量子化方法を適用して量子化を行う第1の量子化工程と、
    前記第1の画像領域以外の第2の画像領域について前記第1の量子化方法とは異なる第2の量子化方法を適用して量子化を行う第2の量子化工程と、を有し、
    少なくとも一部の階調において、前記第1の量子化方法を適用した量子化によって得られる第1の量子化パターンは、前記第2の量子化方法を適用した量子化によって得られる第2の量子化パターンと比較して、前記記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な第1の方向の空間周波数成分が、前記第1の方向と直交する第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つプログラム。
  16. 複数の記録素子が配列された記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに対して記録媒体を相対移動させる相対移動手段と、
    前記記録ヘッドにおける不良記録素子の情報を取得する不良情報取得手段と、
    前記不良情報取得手段で取得した不良記録素子情報に基づき不良記録素子を使用不能にするマスク処理を行うマスク処理手段と、
    前記マスク処理に伴うスジ状の画像欠陥の視認性を下げるために、入力画像データのうち前記マスク処理された不良記録素子に対応する画素列に隣接する画素列の画像濃度を補正する画像補正手段と、
    前記画像補正手段による濃度補正後の画像データを量子化し、前記濃度補正後の画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の画像データに変換する量子化処理手段と、
    前記量子化処理手段によって生成された前記2値又は多値の画像データに基づいて前記記録ヘッドの前記記録素子による記録動作を制御する制御手段と、を備え、
    前記量子化処理手段は、前記マスク処理された不良記録素子に対応する画素列及びこれに隣接する画素列を含む第1の画像領域について第1の量子化方法を適用して量子化を行う第1の量子化手段と、
    前記第1の画像領域以外の第2の画像領域について前記第1の量子化方法とは異なる第2の量子化方法を適用して量子化を行う第2の量子化手段と、を有し、
    少なくとも一部の階調において、前記第1の量子化方法を適用した量子化によって得られる第1の量子化パターンは、前記第2の量子化方法を適用した量子化によって得られる第2の量子化パターンと比較して、前記記録ヘッドに対する記録媒体の相対移動方向と平行な第1の方向の空間周波数成分が、前記第1の方向と直交する第2の方向のすべての空間周波数成分に対して抑制された第1のパターン特性を持つ画像形成装置。
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