JP5901584B2 - 量子化方法及び画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は量子化方法及び画像処理装置に係り、特に連続階調画像を2値又は多値のドット画像に変換する量子化技術に関する。
印刷分野では、印刷対象の連続階調画像(例えば、m階調の画像)をディザ法や誤差拡散法などの量子化処理によって2値又は多値のドット画像(n値画像)に変換し、得られたドット画像のデータに基づいて画像形成が行われる(ただしm,nは、2≦n<mを満たす整数、特許文献1、非特許文献1参照)。
例えば、カラー画像の形成を行うインクジェット記録装置においては、色再現域を拡大させるために、通常のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)のインクに加え、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、特別色など、インク色種を増やすことが行われる場合がある。使用するインクの色種を増やす方法は色再現域の拡大に効果的である一方、装置コストが増大する課題がある。
特許第4143560号明細書
Ulichney, RobertA. "Dithering with blue noise."Proceedings of the IEEE 76.1(1988): 56-79.
色再現域を拡大するための別の方法として、階調を表現するドットパターンにおいて、できるだけドット同士を互いに重なり無く、かつ、画像面内に均等に配置することで、インク色種を増やさずに色再現域を広げることができる。
例えば、二次元画像の画素配列に対応する正方格子上にドットを印字可能であると仮定すると、色再現域に効く記録率50%のドットパターンの中で、最も理想的なパターンは、水平方向(x方向)と垂直方向(y方向)にそれぞれ2画素(px)周期でドットのオン(ドット有り)/オフ(ドット無し)が交互に繰り返されるドット配置を持つ市松パターンである。この市松パターンを量子化に利用することにより、色再現域を広げることが可能である。
しかしながら、ドット画像において市松パターンを多用すると、次のような理由によりアーティファクトが発生しやすいという問題がある。
(課題1)位相の異なる市松パターンの領域の境界部が不規則に視認される。
(課題2)周期性(長距離自己相関)の高い市松パターンを使用した場合、インクジェットヘッドの印字動作と市松パターンが干渉することで、同一タイミングのインク吐出量が増大し、クロストーク(ヘッド内流路を通じた流体的相互干渉)に起因するアーティファクトが発生する。
(課題3)周期性の高い市松パターンを使用した場合、インクジェット記録装置の機械的な振動誤差(例えば、用紙搬送系の機械的振動)などと市松パターンが干渉し、アーティファクトが目立つことがある。
非特許文献1に示されているように、ブルーノイズパターンを使うことで、上記のようなアーティファクトの課題はある程度解消できる。ブルーノイズパターンとは、高周波側でホワイトノイズ、低周波側でエネルギーが抑制されたスペクトルを持つパターンのことである。ブルーノイズパターンは市松パターン部分の周期性が低いため、上記の「課題1」〜「課題3」が抑制される。
しかし、ブルーノイズパターンは、高周波側のスペクトルが相対的に抑制されるため、色再現域の拡大に有益な市松パターンが高い頻度で存在するとは言えず、色再現域の観点からは不十分なものである。すなわち、従来の技術では、色再現域を拡大しようとしたとき、色再現域とアーティファクトがトレードオフ関係にある。
上記の課題はインクジェット記録装置に限らず、ドットの記録によって階調表現を行う各種の画像形成装置に共通の課題として把握される。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、色再現域の拡大と、アーティファクトの抑制を両立することができる量子化パターンの生成が可能な量子化方法及び画像処理装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、次の発明を提供する。
(第1態様):第1態様に係る量子化方法は、二次元のドット配置における特定パターンの繰り返し単位として用いられる基調パターンが繰り返し並べられたパターン画像の空間周波数成分の極大値を基調周波数とするとき、パターンの空間周波数成分のうち基調周波数を含む基調周波数近傍部の成分が他の成分と比較して相対的に抑制され、基調周波数近傍部の外側における基調周波数外側周辺部の成分に極大値を持ち、かつ低周波成分が抑制された空間周波数特性を持つ基本パターンを利用して第1画像データを量子化し、第1画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の量子化パターンを表す第2画像データに変換する量子化方法である。
第1態様における基本パターンは、基調パターンの発生頻度が高く、かつ、基調パターンの長距離自己相関(周期性)を抑えて、異なる種類の基調パターンの塊が画像面内に概ね均一に分布したパターンとなる。この基本パターンを利用して量子化を行うことにより、基本パターンのパターン特性を反映した量子化パターンを得ることができる。
第1画像データは量子化前のデータであり、例えば、m階調の連続画像データである。第2画像データは、第1画像データを量子化して得られるn値の量子化画像である(m,nは、2≦n<mを満たす整数)。
第1態様の量子化方法によれば、基本パターンの特性を備えた量子化パターンを生成することができ、色再現域の拡大とアーティファクトの抑制を両立できる。
なお、基本パターンは、ある特定の階調(基準の中間階調、例えば記録率50%)に対応するパターンとして規定される。量子化の処理に際して、基本パターンに対応する階調値に対しては、基本パターンのドット配置が実現される。また、基本パターンを基準にして生成された他の階調値(中間階調)の量子化パターンにおいても、基本パターンの特性が概ね維持される。
「基調周波数近傍部」の「近傍」の範囲については、印刷解像度などに応じて適宜の範囲を設計することができるが、一例として印刷解像度1200dpiの場合の1画素([px])を単位として、1/20[cycle/px]から1/3[cycle/px]程度以内の周波数差の範囲は近傍の範囲とすることができる。
「低周波成分」は、人の目の周波数特性を考慮して視認性に影響する低周波側の周波数成分を意味しており、目安として概ね10サイクル/mm以下の低周波領域の成分がこれに相当する。
「基本パターンを利用して」とは、基本パターンのドット配置を直接的に利用する場合に限らず、基本パターンを基に生成された閾値マトリクスを利用して量子化を行うなど、基本パターンを間接的に利用する態様も含む。
(第2態様):第1態様に記載の量子化方法において、基本パターンは、基調周波数近傍部の成分が他の成分に比べて相対的に抑制され、かつ基調周波数外側周辺部に成分の極大値を持つ第1パターンを生成する工程と、第1パターンにおける基調周波数近傍部及び基調周波数外側周辺部のパターン特性を維持しながら、第1パターンよりも低周波成分を抑制する工程と、を経て生成されるパターンである構成とすることができる。
基本パターンを生成する方法として、基調周波数近傍部の成分が他の成分に比べて相対的に抑制され、かつ基調周波数外側周辺部に成分の極大値を持つ第1パターンを生成する工程と、第1パターンにおける基調周波数近傍部及び基調周波数外側周辺部のパターン特性を維持しながら、第1パターンよりも低周波成分を抑制する工程と、を含むプロセスにより、基本パターンを得ることができる。
(第3態様):第2態様に記載の量子化方法において、第1パターンを生成する工程は、2以上のN種類の領域に分割されたN領域の分割パターンであって、空間周波数成分のうち第1周波数Fminよりも低い低周波成分と、第1周波数Fminよりも高い第2周波数Fmaxよりもさらに高い高周波成分とが抑制されたパターン特性を有する分割パターンを生成する工程と、分割パターンにおけるN領域のそれぞれの領域に、互いに単位面積あたりの濃度が同一で、少なくともパターンの位相若しくは基調周波数のどちらかが異なるN種類の基調パターンを畳み込む工程と、を含み、第1パターンよりも低周波成分を抑制する工程は、畳み込む工程によって生成された第1パターンからN種類の互いに異なる基調パターンのそれぞれの基調周波数成分と低周波成分とを抑制した第2パターンに変更する工程を含む構成とすることができる。
(第4態様):第3態様に記載の量子化方法において、分割パターンを生成する工程は、ホワイトノイズパターンに対して、第1周波数Fminよりも低い低周波成分と、第2周波数Fmaxよりもさらに高い高周波成分とを抑制するバンドパスフィルタを適用する工程と、バンドパスフィルタの適用結果に対して、N−1個の閾値を適用することによりN領域に分割する工程と、を含む構成とすることができる。
(第5態様):第2態様から第4態様のいずれか1項に記載の量子化方法において、第1パターンよりも低周波成分を抑制する工程は、パターンに対してフィルタ処理を行う工程と、パターンにおける相対的に濃度の高いドット部と、相対的に濃度の低い非ドット部とでドットの入れ替えを行う工程と、を含み、フィルタ処理は、パターンの低周波成分及び基調周波数近傍成分を他の成分と比較して強調するフィルタを用いる処理である構成とすることができる。
(第6態様):第態様又は第4態様に記載の量子化方法において、第1パターンよりも低周波成分を抑制する工程は、第1パターンのN領域の境界部を含む境界領域を抽出し、境界領域のみの範囲でドット配置を変更する工程である構成とすることができる。
境界領域の範囲内に限ってドット配置を修正することにより、基調周波数付近のパターン特性を維持しつつ、低周波成分を抑制することができる。
(第7態様):第1態様から第6態様のいずれか1項に記載の量子化方法において、基本パターンにおける記録率は50%である構成とすることができる。
基本パターンの記録率については、色再現域の拡大に最も効果の高い記録率50%のパターンであることが好ましい。ただし、発明の実施に際しては、記録率50%に限定されず、50%付近の中間階調であればよい。50%付近の許容範囲については、例えば、50%±10%程度の範囲が許容される。
(第8態様):第1態様から第7態様のいずれか1項に記載の量子化方法において、基本パターンを基に生成された閾値マトリクスを用いて量子化を行う構成とすることができる。
(第9態様):第1態様から第8態様のいずれか1項に記載の量子化方法において、基本パターンをドット配置の制約条件として利用して誤差拡散法により量子化を行う構成とすることができる。
第8態様で述べた閾値マトリクスを用いる量子化と、第9態様で述べた誤差拡散法による量子化とを併用する態様も可能である。
(第10態様):第10態様に係る画像処理装置は、第1画像データを取り込む画像入力部と、第1画像データを量子化し、第1画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の量子化パターンを表す第2画像データに変換する量子化処理部と、を備える画像処理装置であって、量子化処理部は、二次元のドット配置における特定パターンの繰り返し単位として用いられる基調パターンが繰り返し並べられたパターン画像の空間周波数成分の極大値を基調周波数とするとき、パターンの空間周波数成分のうち基調周波数を含む基調周波数近傍部の成分が他の成分と比較して相対的に抑制され、基調周波数近傍部の外側における基調周波数外側周辺部の成分に極大値を持ち、かつ低周波成分が抑制された空間周波数特性を持つ基本パターンを利用して第1画像データを量子化し、第2画像データに変換する処理を行う画像処理装置である。
この態様の画像処理装置は、量子化前の第1画像データを量子化して、量子化後の第2画像データ(量子化パターン)に変換する処理を行う。本態様の画像処理装置で得られる量子化パターンは、基調パターンの発生頻度が高く、かつ、異なる種類の基調パターンの塊が画像面内に概ね均一に分布したものとなり、色再現域の拡大とアーティファクトの抑制を両立できる。
第10態様の画像処理装置において、第2態様から第7態様で述べた「基本パターン」に関する特定事項と同様の事項を適宜組み合わせることが可能である。
(第11態様):第10態様に記載の画像処理装置において、画像処理装置は、基本パターンを基に生成された閾値マトリクスが記憶される閾値マトリクス格納部を備え、量子化処理部は、閾値マトリクスを利用して量子化を行う構成とすることができる。
(第12態様):第10態様又は第11態様に記載の画像処理装置において、画像処理装置は、基本パターンが記憶される基本パターン格納部を備え、量子化処理部は、基本パターンをドット配置の制約条件として用い、誤差拡散法によって量子化を行う構成とすることができる。
本発明によれば、色再現域の拡大とアーティファクトの抑制を両立させた高品位のドット画像良好なドット画像を生成することができる。
位相の異なる市松パターンの説明図 本実施形態によって生成される好ましいパターンの例を示す図 課題未解決の比較例によるパターンの例を示す図 好ましいパターンの周波数特性(2次元空間周波数スペクトル)の概略図 理想的な(望ましい)空間周波数特性の模式図 本実施形態によって得られるパターンの空間周波数特性を示す図 比較例に係るパターンの空間周波数特性を示す図 本実施形態による基本パターンの生成方法を示すフローチャート 図9は、N(N=2)領域分割パターンD(x)の例を示す図 N領域分割パターンD(x)の周波数特性を示す図 図9における左上部分の一部領域を拡大した説明図 第1パターンの生成処理の流れを整理したフローチャート 図13(A)は工程A−1と工程A−2の処理によって生成される第1パターンの例、図13(B)は図13(A)の左上部分の一部領域の拡大図、図13(C)は図13(A)に示したパターンの周波数特性(二次元空間周波数スペクトル)を示す図 図14(A)は工程Bの処理によって最終的に生成されるパターン(基本パターンに相当)の例、図14(B)は図14(A)の左上部分の一部領域の拡大図、図14(C)は図14(A)に示したパターンの周波数特性(二次元空間周波数スペクトル)を示す図 実施例1で適用するドットの入れ替え処理の例を示すフローチャート ドット選択フィルタの周波数特性の説明図 ドット選択フィルタの動径方向のフィルタ強度を示す図 PSF(Point SpreadFunction)フィルタの具体例を示した図 実施例2で適用するドット入れ替え処理のフローチャート 市松パターンの塊とその境界部を分かりやすく表示した拡大図 本実施形態によるパターンの生成方法の概要を整理した説明図 本実施形態によるパターン生成装置の構成例を示すブロック図 本実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図 他の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図 誤差拡散マトリクスの例を示す図 閾値マトリクスと誤差拡散を併用する量子化処理の例を示すフローチャート 他の実施形態に係る画像処理装置の構成例を示すブロック図 基調パターンの他の例を示す説明図 市松パターンの実空間画像の説明図 図29の高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)画像の説明図 1×2画素市松パターンの実空間画像の説明図 図31のFFT画像の説明図 インクジェット記録装置の要部構成を示すブロック図
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について詳細に説明する。
<課題の整理と解決原理の説明>
ここでは説明を簡単にするために、色再現域の拡大に効果のある、空間的周期性を持つ基調パターンとして「市松パターン」を例に説明する。既に説明したとおり、画像面内で市松パターンの使用頻度を高めたときの課題はアーティファクトである。既述した(課題1)〜(課題3)の観点をドット配置によるパターンにおける課題と、その対策として捉え直すと以下のように整理される。
〔課題A〕(課題1)の観点は、市松パターンの境界部(或いは市松パターンの塊)が低周波成分を持って分布しているので境界部(塊の輪郭)が視認されやすい、という課題として把握することができる。
〔対策A〕課題Aへの対策として、市松パターンの境界部(或いは市松パターンの塊)の空間周波数成分を抑制することが求められる。
〔課題B〕(課題2)及び(課題3)の観点は、市松パターンの頻度を高めると周期性が高まりやすく、広い範囲でアーティファクトが発生する、という課題として把握することができる。
「周期性が高まる」とは、パターンの長距離自己相関が高くなることを意味している。つまり、市松パターンの頻度を高めるとパターンの長距離自己相関が高まり易く、長距離レンジにおこる誤差要因(例えば、装置の機械的振動やインクジェットヘッドにおける複数ノズルの同時吐出に伴うクロストークなど)が発生すると、広い範囲でアーティファクトが発生する。
〔対策B〕課題Bへの対策として、パターン、若しくは、市松パターンの境界部(或いは市松パターンの塊)の周期性(=長距離相関)を抑制することが求められる。
すなわち、一般的に連続階調画像からドットパターン画像に変換する量子化においては、パターンの低周波成分を抑制することが求められるが、これに加えて、市松パターンの境界部(或いは市松パターンの塊)を制御することで(対策A,B)、上記の課題A及び課題Bを解決できる。
<市松パターンの位相について>
図1は位相の異なる市松パターンの説明図である。市松パターンは二次元の画像格子のx方向(画像面の水平方向)とy方向(画像面の垂直方向)の両方向について、ドットのオン(ドット有り)とオフ(ドット無し)が交互に繰り返されるパターンである。
図1では、正方格子で表される画像格子の各セルが「画素」に対応しており、白部の画素は非印字(ドット無し)の画素を表し、黒部の画素は印字される画素(ドットが配置される画素、「ドット有り」)を表している。白部で示すドット無し(オフ)の非ドット画像部(画素)を「off部」、黒部で示すドット有り(オン)の画像部(画素)を「on部」と呼ぶ場合がある。
図1の市松パターン1A,1Bは、記録率50%のパターンである。記録率は、単位面積あたりの画素の総数に対する印字される画素の数(ドットの数)の割合を表す。記録率100%とは、全画素にドットが配置(記録)される状態を意味し、記録率50%とはn画素中、n/2個の画素にドットが配置される状態を意味している。図1では、8×8画素の画像範囲が例示されており、64画素中32個の画素にドットが配置されている(印字ドット数が32個)。なお、図1では、8×8画素の範囲を示してあるが、市松パターン1A,1Bにおける基本的な最小繰り返し単位は2×2画素である。
図1の左側に示した市松パターン1Aと、右側に示した市松パターン1Bとでは、白部(off部)と黒部(on部)の配置が逆の関係になっており、ドットの有り/無しの空間的な繰り返し周期の位相が異なっている。市松パターンは符号1A,1Bで示したように、位相の異なる2種類のパターンがある。
説明の便宜上、図1の左側の市松パターン1Aを「位相0」の市松パターンと呼び、図1の右側の市松パターン1Bを「位相1」の市松パターンと呼ぶ。
<好ましいパターンの例>
図2に、本実施形態によって生成される好ましいドットパターンの例を示す。ここでは、記録率50%のドットパターンが示されている。また、図3には比較のために課題A,Bが未解決のパターンの例を示した。
なお、図2及び図3では、説明の便宜上、図1で説明した異なる位相の市松パターン1A,1Bをそれぞれ異なる明度(グレー色と黒色)で表示した。図2及び図3において、ドットon部をグレー色で示したパターンの表示部分は、図1の符号1Aで示した「位相0」の市松パターンに対応し、図2及び図3において、ドットon部を黒色で示したパターンの表示部分は、図1の符号1Bで示した「位相1」の市松パターンに対応している。
市松パターンの位相の違いによってパターンを区分け(領域分け)すると、図2や図3のようになる。説明の便宜上、本明細書では、同じ位相の市松パターンによる閉じた領域を「市松パターンの塊」といい、市松パターンの塊の境界(輪郭)部分を「市松パターンの境界部」という。
図2に示した本実施形態によるドットパターンは、パターンの低周波成分が抑制されており、かつ市松パターン1A,1Bが高い頻度で発生し、かつ位相の異なる2種類の市松パターンが概ね均一に混合している。
これに対し、図3に示した比較例によるドットパターンは、パターンの周波数成分が抑制されており、かつ市松パターンが高い頻度で発生しているものの、図2に比べると、位相の異なる市松パターンの混合が不均一である。
<パターンの周波数特性について>
図2に示したような市松パターンの境界部と塊を空間周波数特性で表現すると、これらは市松パターンの基調周波数成分に近い成分(図4の破線円5A,5B,5C,5D)に該当し、またさらに、その「基調周波数成分に近い成分」の量が市松パターンの頻度に該当する。
図4は周波数特性(2次元空間周波数スペクトル)の概略図である。図4の横軸は紙送り方向周波数、縦軸は紙送り垂直方向周波数を表している。図4の原点を中心とする一点鎖線円6の内側領域(円内部分)がパターンの低周波数成分に相当する。
図4の四隅の部分、つまり破線円5A〜5Dのそれぞれの中心部分は市松パターンの基調周波数(1/2 [cycle/px])に該当する。図1で説明したように、市松パターン1A,1Bの場合、最も細かい空間周期は2画素(ピクセル[px])で1周期、つまり周波数は1/2=0.5[cycle/px]となり、これが最大の周波数であり、「基調周波数」に相当する。
各破線円5A〜5D内の中心付近7A〜7Dは市松パターンの塊の低周波成分に相当する。また、各破線円5A〜5Dの中心付近7A〜7D及びその外側周辺部である破線の付近8A〜8Dの成分は、市松パターンの頻度に相当している。
つまり、市松パターンの頻度を高めつつ破線円5A〜5D部の中心付近7A〜7D(市松パターンの塊の低周波成分)を抑制して破線円5A〜5Dの破線の付近8A〜8Dの成分を増大させ、さらに図4の一点鎖線円6部分(パターン低周波成分)を抑制することで、課題A,Bを解決できる。
破線円5A〜5D部の中心付近7A〜7Dは、基調周波数を含み基調周波数に最も近い近傍部(基調周波数最近傍部)であり、「基調周波数近傍部」に相当する。破線円5A〜5Dの破線の付近8A〜8Dの成分は、「基調周波数近傍部の外側における基調周波数外側周辺部」に相当する。
図5に理想的な(望ましい)空間周波数特性の模式図を示した。図5では、成分量を濃淡(明度)で表現しており、明るい(輝度が高い)部分ほど成分量が大きく、暗い(輝度が低い)部分ほど成分量が小さいことを示す。黒色は成分としての値無し(「成分=0」)を示し、白色は値が十分に大きいこと(極大値付近)を示している。
図5に示すように、望ましい空間周波数スペクトルは、パターン低周波成分(符号6で示した円内領域の成分)と、市松パターンの塊の低周波成分(符号7A〜7Dで示した四隅頂点付近の領域の成分、「基調周波数近傍部」と呼ぶ)が他の成分と比較して相対的に抑制され、かつ、市松パターンの頻度(符号8A〜8Dの部分の成分、「基調周波数外側周辺部」と呼ぶ、若しくは符号7A〜7Dの部分(「基調周波数近傍部」)が増大したもの、すなわち、基調周波数外側周辺部の成分に極大値を持つものである。図5における網掛けの部分9の成分量については、ある程度の任意性があるが、「0」(無)に近いことが望ましい。
図6は本実施形態によって得られるパターンの空間周波数特性である。図6は図2に示したパターンの二次元空間周波数スペクトルであり、成分量を濃淡で示した。濃淡の表示ルールは図5と同様である。図7は比較例に係るパターンの空間周波数特性である。図7は図3に例示したパターンの二次元空間周波数スペクトルである。
図6に示した本実施形態によるパターンの周波数特性は図5で説明した特性の条件を満たしている。一方、図7に示した比較例によるパターンの周波数特性は、基調周波数周辺の強度が高いため市松パターンは高頻度で発生するが、基調周波数に最も近い成分(図5で説明した符号7A〜7Dの部分)が抑制されておらず、条件を満たさない。結果として市松パターンの塊が不均一に分布し(図3参照)、課題A,Bを解決することができない。つまり、色再現性は良いが、アーティファクトが発生する。
<パターンの生成方法>
図5及び図6で説明した望ましい周波数特性を持つパターンを「基本パターン」と呼ぶことにする。以下、基本パターンを生成する方法について説明する。
図8は、本実施形態による基本パターンの生成方法を示すフローチャートである。本実施形態による基本パターンの生成方法は、以下のプロセス(工程A及び工程B)を含む。
(工程A)パターンの空間周波数成分のうち基調周波数近傍部の成分を抑制し、かつ、その周辺部(基調周波数外側周辺部)の頻度(つまり成分強度)を高めたパターン(「第1パターン」という。)を生成する工程(図8のステップS10)。
つまり、この工程Aは、図5で説明した望ましい周波数特性図における四隅の部分の特性を作る工程である。
(工程B)上記工程A(図8のステップS10)で得られた特性を維持しながら、低周波成分を抑制する工程(図8のステップS20)。
つまり、この工程Bは、図5で説明した望ましい周波数特性図の原点近傍(中央部分)の特性を作る工程である。
上記の工程Aと工程B(図8のステップS10,S20)を経て作られた基本パターンを量子化の処理に利用することにより、色再現域の拡大とアーティファクトの抑制を両立できるドット画像を得ることができる。
次に、工程A及び工程Bについてさらに詳細に説明する。
<<工程A(図8のステップS10)について>>
基調周波数近傍部の成分を抑制し、かつ基調周波数外側周辺部の頻度を高めた第1パターンは、以下のプロセスで作成できる。
(工程A−1)低周波成分及び高周波成分を抑制したパターンをN値化し、N領域に分割する。ここでいう「N」は使用される基調パターンの位相の種類数(位相数)であり、2以上の整数を表す。図1で説明した位相の異なる2種類の市松パターン1A,1Bを用いる場合、使用される基調パターンの位相数はN=2である。
「低周波成分及び高周波成分を抑制したパターン」とは、概ねグリーンノイズ特性(バンドパス特性)を持つドットパターンである。
具体例として、ホワイトノイズパターンにバンドパスフィルタ(低周波成分及び高周波成分を抑制したフィルタ)を畳み込み、これにN−1個の閾値を適用してN領域に分割する。位相が異なる2種類の市松パターン1A,1B(図1)を用いる場合、1個の閾値を適用して2領域に分割する。
ホワイトノイズパターンは、パターンサイズを指定して擬似乱数を発生させることで生成することができる。
・ホワイトノイズ(WN)=rand(パターンサイズ)
・バンドパスフィルタ例(BPF(f));
If( BPFmin < f(=周波数) < BPFmax) then, BPF(f)=1; else, BPF(f)=0; end
なお、BPFmin、BPFmaxにより、市松パターンの塊のサイズが決まる。
BPFmin、BPFmaxは印刷解像度によっても最適な値は異なるが、例えば、以下の条件を満たすことが適当である。
Fmax < 1/3 cycle/px
1/20 < Fmin < 1/3 cycle/px
すなわち、市松パターンの塊のサイズが3pxより大きく、上限としては20px程度まで、とすることが妥当である。
・畳み込みの演算は、次式を用いることができる。
d(x) =ifft( fft(WN) BPF(f) );
fftは、高速フーリエ変換関数を表す。
ifftは、逆高速フーリエ変換関数を表す。
・閾値との比較によるN領域(ここではN=2を例示)への領域分割については、次の演算で行うことができる。
N(N=2)領域分割パターンD(x):
If( d(x)> th ) then, D(x) =1; elseD(x)=0; end
式中の「th」は閾値を示す。
こうして、2値(「0」又は「1」)で領域分割されたパターンD(x)が得られる。
図9は、N(N=2)領域分割パターンD(x)の例であり、図10はD(x)の周波数特性を示している。
(工程A−2)次に、N領域に分割されたパターンD(x)におけるそれぞれの領域に対し、特性が同じで位相が異なる基調パターン(ここでは、図1に示した2種類の市松パターン1A、1B)を埋め込む処理を行う(図11参照)。
図1の市松パターン1Aを「位相0」の市松パターン、市松パターン1Bを「位相1」の市松パターンと呼ぶことにすると、図9に示した2値のN(N=2)領域分割パターンD(x)の白部の領域と黒部の領域とに分けて、白部の領域に「位相0」の市松パターン1Aを埋め込み、黒部の領域に「位相1」の市松パターン1Bを埋め込む(畳み込む)処理を行う。
図11は、図9における左上部分の一部領域を拡大した説明図である。図11において、白部の領域に「位相0」の市松パターン1Aが埋め込まれ、黒部の領域に「位相1」の市松パターン1Bが埋め込まれる。こうして第1パターンが生成される。
図12は、上述した工程A−1、工程A−2による第1パターンの生成処理の流れを整理したフローチャートである。図12に示すように、第1パターンの生成処理では、まず、ホワイトノイズパターンの生成処理(ステップS11)、バンドパスフィルタの畳み込み処理(ステップS12)によって、低周波成分と高周波成分が抑制されたグリーンノイズパターンを生成し、このグリーンノイズパターンに対して、N−1個の閾値を適用して、N領域分割パターンを生成する(ステップS13、図9参照)。
そして、得られたN領域分割パターンのN領域のそれぞれに異なる種類の基調パターンを畳み込む処理を行う(図12のステップS14、図11参照)。
図12におけるステップS11〜ステップS13が「工程A−1」に相当し、図12におけるステップS14が「工程A−2」に相当する。
図13(A)は「工程A−1」と「工程A−2」の処理によって生成される第1パターンの例であり、図13(B)は図13(A)の左上部分の一部領域の拡大図である。また、図13(C)は図13(A)に示したパターンの周波数特性(二次元空間周波数スペクトル)である。
図13(A)〜(C)に示したとおり、「工程A−1」、「工程A−2」を経て生成される第1パターンは、基調周波数近傍部が抑制され、かつ、基調周波数外側周辺部の頻度を高めたパターンとなっている。ただし、理想的なパターン(図2、図6)と比較して、低周波成分の抑制が不十分なものである。したがって、次の工程Bにて、低周波成分を減少させる処理を行う。
<<工程B(図8のステップS20)について>
工程B(図8のステップS20)では、上述した工程A−2で得られた基調周波数近傍部及びその外側周辺部の特性を維持しながら、低周波成分を減少させるパターン最適化の処理を行う。
処理の結果を先に示すと、図14(A)は「工程B」の処理によって最終的に生成されるパターン(「基本パターン」に相当)の例であり、図14(B)は図14(A)の左上部分の一部領域の拡大図である。また、図14(C)は図14(A)に示したパターンの周波数特性(二次元空間周波数スペクトル)である。図14(A)は図2に示したパターンと同等のものである。また、図14(C)の周波数特性は図6と同等であり、図5で説明した理想的な周波数特性の条件に合致するものとなっている。
ここで、工程Bにおける具体的な処理内容の例を説明する。
(実施例1:周波数制御法)
工程Bに適用される実施例1の方法では、図15のフローチャートに示すドットの入れ替え処理を所定回数繰り返すことにより、基調周波数近傍部及びその外側周辺部のパターン特性を維持しながら低周波成分を減少させたパターン特性になるように最適化を行う。
図15に示すドットの入れ替え処理が開始されると、まず、工程A−2で得た第1パターンに対して、ドット選択フィルタを畳み込む処理を行う(ステップS22)。
ドット選択フィルタとは、パターンの低周波成分及び基調周波数の近傍成分を強調するように生成してあるフィルタである。以下では、低周波成分を強調するフィルタ(FL)と基調周波数の近傍成分を強調するフィルタ(FS)、及び周波から基調周波数にかけて傾きを持った、遷移フィルタ(FT)を掛け合わせてドット選択フィルタを生成する例を示す。
図16はドット選択フィルタの周波数特性の説明図(二次元表示)である。図17は、図16の二次元周波数空間において原点から右上隅に向かう動径方向(図16中の白色直線の方向)についてのドット選択フィルタのフィルタ強度(図16中の白色直線の断面図)を示したものである。図17の横軸は動径方向の周波数(「動径周波数」と表記)、縦軸はフィルタ強度を対数表示したものである。
図17に示すように、ドット選択フィルタFは、低周波フィルタFL、基調周波数フィルタFS、遷移フィルタFTの積で表される。
低周波フィルタの目的は、目で視認される成分を判別することにあるので、視認性を基にしたカットオフ周波数以下の成分が強調されるフィルタであることが望ましい。低周波成分を強調するフィルタ(低周波フィルタFL)は、例えば次式の[数1]で表されるフィルタを使用することができる。
ただし、kは動径方向の周波数(k≧0)である。klcf は低周波成分のカットオフ周波数であり、おおよそ人の視認性をもとに決定される。θ(x)はステップ関数である。
Lo、nはフィッティングパラメータであり任意の実数をとれるが、それぞれLo>1、n≧2の実数を使用することが望ましい。
また基調周波数成分近傍を強調するフィルタ(基調周波数フィルタFS)には、例えば次の[数2]で表されるフィルタを使用することができる。
ここで複数の基調周波数があることを示すsについて積をとった。
kscl は各基調周波数成分の周辺のカットオフ周波数であり、既述のバンドパスフィルタの周波数と同等若しくはそれよりも小さくとることが望ましい。
遷移フィルタFTとしては、例として市松状のパターンにする場合は、市松の逆数フィルタに対応する点拡がり関数(PSF:Point Spread Function)をフーリエ変換した下記のフィルタを使用する。
FT=abs(fft(PSF))
ただし、PSFは例えば図18に示すようなものである。
このような遷移フィルタFTは、低周波フィルタFLで抑制された成分を基調周波数成分周辺のバンド成分(|BPFmax-BPFmin|幅成分)に遷移させる役目を持つ。
ドット選択フィルタFはこれら3種類のフィルタ(FL、FS、FT)の掛け合わせ(積)であり、次式で表される。
このドット選択フィルタFを「工程A」で生成したパターンに畳み込むと、工程Aで生成したパターンの低周波成分、及び基調値成分(基調周波数及びその近傍の成分を「基調値成分」と表記した)を強調することができる。
次に、図15のフローチャートにおけるステップS24に進む。
ステップS24では、濃度に応じたドットの入れ替え処理を行う。すなわち、ステップS22でドット選択フィルタの畳み込みを演算した上で、得られたパターンにおける濃度の高いドット部と、濃度の低い非ドット部を入れ替える処理を行う(ステップS24)。このような処理によりドット配置が変更された新たなパターンが生成され、多くの場合、低周波成分及び調値成分を抑制することができる。この新たなパターンは「第2パターン」に相当する。
次に、ステップS24で生成された新パターンについて評価値の算出を行う(ステップS26)。ステップS24のドット入れ替え処理は多くの場合、低周波成分及び調値成分を抑制するが、必ずしもそうはならないことがある。そこで、ステップS26では、ドット入れ替えの処理(ステップS24)によって低周波成分及び基調値成分が抑制されたものになったか否か、その抑制効果を確認するために評価値を算出する。
この評価値は、「工程Aで得られた基調周波数付近の特性を維持しながら、低周波成分が減少した」ことと相関する指標を使用する。例えば、評価値の一例として、図17で説明したドット選択フィルタを、ステップS24で得られたパターンに畳み込み、濃淡の標準偏差をとった値(次式の[数4])を使用することができる。
なお、Evalは、評価値を定義する評価関数であり、stdev関数は、母集団の標準偏差を求める関数である。
ステップS26の評価値算出により、評価値が良化したか否かを判定する(ステップS28)。ステップS24によるドットの入れ替え後と、入れ替え前とで評価値が改善していれば(評価値が小さくなっていれば)、良化したと判定される。
ステップS28にて良化が確認された場合は、パターン(ドット配置)をステップS4で得られた新パターンに更新する(ステップS30)。
一方、ステップS28にて良化が確認されなかった場合はパターンを更新しない(ステップS32)。
図15のフローを繰り返し行うことで、評価値がより一層良化したパターンに更新され、パターンを最適化することが可能である。
(実施例2:境界領域最適化法)
実施例1ではドット選択フィルタに基調周波数フィルタを盛り込むことで、基調周波数成分を抑制した。実施例2では基調周波数成分の抑制をドット入れ替え処理の実空間における制約条件を入れることで実現する。
図19は実施例2で適用するドット入れ替え処理のフローチャートである。図19のフローチャートにおいて、図15のフローチャートと同一又は類似する工程には同一のステップ番号を付した。図19に示したように、基本的な処理の流れは図15(実施例1)と同様である。
図19のステップS22で適用するドット選択フィルタは、図15(実施例1)と同じように、[数3]で表されるフィルタを使用してもよいが、本実施例2においては基調周波数成分の抑制は実空間で行うため、次式([数5])とする方がより好ましい。
図19のステップS24Aでは、ドットの入れ替えに際して「制約条件」を設定しておき、制約条件を満たすように、濃度の高いドットと濃度の低い非ドットを入れ替えた新パターンを生成する。ここでは、基調周波数成分の抑制を制約条件として導入する。
すなわち、基調周波数成分のパターン特性が実空間上で最も顕著に表れている部位は、市松パターンの塊部である。したがって、「市松パターンの塊の境界より内側はドット配置を変更せずに、境界部のみドット配置を変更する」という制約条件の下、図15(実施例1)のステップS24と同様に、ドットの入れ替え処理を行うことにより、基調周波数成分の抑制を維持しながら、低周波成分を減少させた新パターンを生成する(図19のステップS24A)。
図20は、第1パターンにおける市松パターンの塊とその境界部を分かりやすく表示した拡大図である。図20において黒部で示したパターン領域は市松パターンの塊22を表し、グレー部で表示した部分は市松パターンの塊22の境界部24を表している。
図20のように、第1パターンの中からグレー部で示した境界部24を含む画素領域(境界領域)を抽出し、この境界領域(グレー部)の中のみでドットの入れ替えを行うという制約条件の下で、新パターンが生成される(図19のステップS24A)。
その後の評価値算出処理(ステップS26)と、評価値の良化判定(ステップS28)に基づくパターンの更新(ステップS30)又は更新しない(ステップS32)の処理については、実施例1(図15)と同様である。
図15や図20に例示される工程Bの処理により、第1パターンのドット配置が修正され、目的とする周波数特性(図6)を有する基本パターンを得ることができる。
図21は、図8〜図20で詳述した(工程A−1)→(工程A−2)→(工程B)の処理概要を「実空間」のパターンと、「虚空間」(周波数空間)の強度パターンとして並べて整理した説明図である。
図21の最上段は(工程A−1)で得られるパターン、中段は(工程A−2)で得られるパターン、下段は(工程B)で得られるパターンである。また、図21の左側の列は実空間のパターンを示し、右列は虚空間(周波数空間)の強度分布を示している。図21最上段左図は図11、図21最上段右図は図10、図21中段左図は図13(B)、図21中段右図は図13(C)、図21下段左図は図14(B)、図21下段右図は図14(C)と同等である。
図21に示すようなプロセスを経て、目的の周波数特性を有するパターンを得ることができる。
<N領域分割パターンの各領域への基調パターンの畳み込みについて>
工程A−1から工程A−2の説明に関して、工程A−1で得られた周波数特性が工程A−2において基調周波数の周辺に展開されることの理由をさらに詳細に説明する。
(工程A−1)でN領域(ここではN=2を例示)に分割された画像をG(x)とする。つまり、図21の最上段左図に示した画像がG(x)である。添字iはN領域に分けられたN種類の領域を区別する添字であり、1以上N以下の自然数をとる。N=2の場合、例えば、i=1のGはパターンの黒部、i=2のGはパターンの白部を表す。
また、N領域に分割されたG(x)に埋め込まれる畳み込み画像をp(x)とする。本例では、図1で説明した異なる位相の2種類の市松パターン(千鳥画像)1A、1BがP(x)に相当する。
そして、(工程A−2)によって得られるハターン画像、つまり、図21の中段左図に示した画像をI(x)と定義すると、I(x)はi={1,2}(N領域の分割の区別)として、次式で表すことができる。
これをフーリエ変換すると(つまり、虚空間に写すと)、次式となる。
ここでp(k)に着目すると、p(k)は基調周波数に極大を持ち、かつ基調周波数以外の成分はほとんど持たないため、デルタ関数δ(x)を使用して以下のように近似できる。
sは基調周波数である。[数8]の式を[数7]に代入し、図21の中段右図であるFFT画像のF[I]を求めると、次のようになる。
ところで、図21の最上段右図は、次式で表される。
[数9]の式と、[数10]の式を見比べると、[数9]の式は[数10]の式を「s’」だけずらした特性になっていることが把握される。つまり、[数9]で表される図21の中段右図は、[数10]で表される図21最上段右図を基調周波数s’だけずらした特性になっている。このことは、図21最上段右図の原点付近の周波数特性が中段右図において基調周波数(四隅)の付近に展開されたことを示している。
<本実施形態によるパターンの生成装置の構成>
図22は、図5及び図6で説明したパターン特性を有するパターン(基本パターン)を生成する機能を備えたパターン生成装置の構成例を示したブロック図である。
パターン生成装置30は、第1パターン生成部32と、第1パターン生成部32にて生成された第1パターンから基調周波数成分と低周波成分を抑制するようにパターンを変更する処理を行うパターン最適化処理部(基調周波数成分及び低周波成分抑制処理部)34を備えている。
第1パターン生成部32は、N領域分割パターン生成部40と、基調パターン畳み込み処理部50と、基調パターン格納部52とを備える。N領域分割パターン生成部40は、ホワイトノイズパターン生成部42と、バンドパスフィルタ(BPF)処理部44と、N領域分割処理部46と、N領域分割用閾値格納部48と、を備える。基調周波数成分及び低周波成分抑制処理部34は、フィルタ処理部60と、ドット入替処理部62と、評価値演算部64と、更新判定部66とを備える。
第1パターン生成部32は、図8のステップS10で説明した第1パターンの生成処理を行う。基調周波数成分及び低周波成分抑制処理部34は、図8のステップS20で説明したパターンの最適化処理を行う。
図22のN領域分割パターン生成部40は、図12のステップS11〜ステップS13で説明した処理を行う。図22のホワイトノイズパターン生成部42は、図12のステップS11で説明したホワイトノイズパターン生成処理を行う。図22のバンドパスフィルタ処理部44は図12のステップS12で説明した処理を行う。図22のN領域分割用閾値格納部48には図12のステップS13で説明したN−1個の閾値が記憶されている。図22のN領域分割処理部46は、N領域分割用閾値格納部48に格納されているN−1個の閾値を適用して、図12のステップS13で説明した処理を行う。
図22の基調パターン格納部52には、N種類の基調パターンが記憶されている。基調パターン畳み込み処理部50は、N領域分割処理部46にて生成されたN領域分割パターンのN領域のそれぞれに対して異なる種類の基調パターンを畳み込み、図12のステップS14で説明した処理を行う。
図22のフィルタ処理部60は、図15又は図19のステップS22で説明したフィルタ処理を行う。図22のドット入替処理部62は、図15のステップS24又は図19のステップS24Aで説明した処理を行う。図22の評価値演算部64は、図15又は図19のステップS26で説明した評価値の計算を行う。図22の更新判定部66は図15又は図19のステップS28〜ステップS32で説明したパターンの更新処理を行う。
基調周波数成分及び低周波成分抑制処理部34において、図15又は図19で説明したフローを複数回繰り返すことにより、パターンが最適化され、基本パターン70が生成される(図22参照)。こうして、最終的に生成される基本パターン70は、図5,図6で説明した特性を持つパターンとなる。
<量子化の処理について>
以上説明した工程A,Bを経ることで、所望の特性を持つパターン(一例として図2)が1階調分(記録率50%相当)生成された。このパターンを「基本パターン」とし、連続階調画像を2値又は多値のドット画像に変換(量子化)する際には、上記「基本パターン」を利用して量子化を行う。なお、多値の量子化パターン(ドット画像)を生成する場合、多値のそれぞれの滴量は印刷に使用する記録媒体の種類(用紙種)などに応じて変更しても良い。
(量子化の具体例1:閾値マトリクス方式)
量子化の第1例は、閾値マトリクス(「ディザマトリクス」ともいう)を使用する例である。前述の基本パターンをドット配置候補位置にして、閾値の配列を決定する。
なお、特許文献1には網パーセント50%に対応する値を有する2値画像をドット配置候補として閾値マトリクスを作成する方法が示されている。特許文献1に記載の方法を用いて、基本パターン70を基に閾値マトリクスを作成してもよい。
<記録率0〜50%までのパターンの決定方法について>
まず、記録率0%〜50%までの階調範囲に対応するドット画像を生成する方法を示す。入力画像の各階調に対応するドット配置が決まれば、各階調でそのようなドット配置を実現する閾値マトリクスを作成することができるため、各階調値に対応したドット配置(ドット画像)を決めることと、閾値マトリクスと作成することは実質的に同等の意味を持つ。
<<最小階調値に対応するパターンの決定方法>>
まず、先の工程A,Bを経て生成した基本パターンのドットオンの部分(図2において黒部で示したドットオンの画素部分、以下「on部分」と表記する)に、最小階調値に対応する数のドットを任意に配置する。
ここでいう最小階調値は、連続階調画像における階調値Lとして取りうる離散的な値(L0,L1,・・・Lmax)のうちドット無しの「L0」を除いて最も小さい階調値L1である。例えば、8ビット(0-255)で階調表現する場合、L0=0,L1=1,L2=2,…,Lmax=255のように対応付けることができる。マトリクスサイズがp行×q列であるとし、256階調の場合に、例えば、最小階調値Lmin=1に対応するドットの個数はp×q/256として、定めることができる。
その上で、基本パターンのon部分のみを選んでドットの置き換え(入れ替え)処理を行う。ドットの置き換え処理は、図15や図19で説明したフローと同様であり、違いは、ドットの入れ替え処理候補が、基本パターンの制約を受けている(基本パターンのon部分だけにドットを置くことができるという制約条件が課せられている)点である。
ドット選択フィルタとしては、図19のステップS22と同様に、[数5]のフィルタを使用することが望ましい。また、このときのパラメータを、基本パターンを生成したときのもとのから変更してもよい。
以上のドット置き換え(入れ替え)処理を繰り返すことで、最小階調値に対応するパターンを生成する。
<<最小階調値+1の階調値に対応するパターン決定方法>>
最小階調値L1に対して「+1階調」のL2に対応するパターンを生成する方法としては、最小階調値に対応するドット配置として決定されたドット部は、既にドットが配置されているとした上で、基本パターンのon部に所定個数のドットを新たに配置する。
ここでいう「所定個数」は、階調値の「+1」増加に対応した濃度増加を実現するために、ドットの個数を何個増加させるかという観点で定められたドット数である。
最も簡単な例としては、マトリクスサイズがp行×q列であるとし、256階調のとき、階調値の「+1」増加に対応するドットの増加個数はp×q/256として定めることができる。
そして、新たに配置したドットのみに対して、図15や図19と同様なドットの入れ替え処理を繰り返し実施することで、当該階調値に対応するドットパターンを最適化することができる。
後続の階調値L3,L4…も順次に、同様の処理を繰り返すことで、それぞれの階調値に対応する最適なパターンを生成することができる。こうして、記録率50%の基本パターンに対応した階調値Ls以下の各階調値に対して最適なパターンが得られる。
<記録率50〜100%までのパターンの決定方法について>
記録率50%を超える階調値に対応するドットパターンを生成するには、基本パターンのoff部に、ドットを追加していくという制約条件の下、記録率0〜50%と同様な方法を行うことで、パターンを決定することができる。
こうして、すべての階調値に対して階調値ごとに対応するパターンが生成される。
各階調値とパターンの関係が定まるため、これらの関係から閾値マトリクスを得ることができる。
以上のようにして生成した閾値マトリクスを、連続階調画像(入力画像)と比較することで量子化を行うことが可能である。
図23は、閾値マトリクスを用いて量子化処理を行う画像処理装置の構成例を示すブロック図である。画像処理装置80は、画像データ入力部82(「画像入力部」に相当)と、閾値マトリクス格納部84と、量子化処理部86と、量子化画像出力部88と、を備える。画像データ入力部82は処理対象となる連続階調画像92(「第1画像データに相当」)を取り込む画像入力部である。
画像データ入力部82は、画像データを取り込むためのデータ取得部として機能する。画像データ入力部82は、外部又は装置内の他の信号処理部から画像データを取り込むデータ入力端子で構成することができる。また、画像データ入力部82には、有線又は無線の通信インターフェース部を採用してもよいし、メモリカードなどの外部記憶媒体(リムーバブルディスク)の読み書きを行うメディアインターフェース部を採用してもよく、若しくは、これら態様の適宜の組み合わせであってもよい。
閾値マトリクス格納部84には、基本パターンを利用して作成された閾値マトリクスのデータが記憶される。量子化処理部86は、閾値マトリクス格納部84に格納されている閾値マトリクスを参照して入力画像の量子化を行う。
量子化画像出力部88は、量子化処理部86で生成された量子化パターンのドット画像94(「第2画像データ」に相当)を出力する出力部である。量子化画像出力部88は、通信インターフェース、メモリカードその他の外部記憶媒体を読み込むメディアインターフェース、画像信号の出力端子など、各種の形態があり得る。
(量子化の具体例2:誤差拡散法を利用する方式)
他の量子化方法として、基本パターンをドット配置の制約条件として用い、誤差拡散法による量子化を行うことも可能である。
例えば、ある特定の階調値以下では、基本パターンが「off」の部分はドットをoffとし、基本パターンの「on部分」のみドットを誤差拡散法でoff/on決定する。また、特定の階調値以上では、基本パターンの「on」の部分は必ず「on」とし、基本パターンの「off」の部分を誤差拡散法で「off/on」決定する。ここでいう「特定の階調値」は、基本パターンに対応する階調値とすることができる。
図24は、基本パターンを制約条件として利用し、誤差拡散法による量子化を行う画像処理装置の構成を示すブロック図である。
図24に示した画像処理装置100において、図23で説明した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図24の画像処理装置100は、画像データ入力部82と、入力された画像データにおける量子化処理の対象となる画素(処理画素)を指定する処理画素特定部104と、処理画素の階調値と周辺の量子化済み画素から拡散された量子化誤差の累積値とを加算する演算部106と(図24中「階調値+周辺誤差演算部」として表記した。)、ドット配置の制約条件に利用する基本パターンのデータを格納しておく基本パターン格納部108と、量子化判定用の閾値を格納しておく閾値格納部110と、演算部106から得られる値と、量子化判定用の閾値(「誤差拡散用閾値」ともいう。)とを比較し、さらに基本パターンの制約条件を満たすように画素値を量子化する量子化判定部112と、量子化誤差を計算して処理画素の周囲の未処理画素に拡散させる量子化誤差演算/拡散部114と、量子化結果を記憶する処理結果記憶部116と、量子化処理によって生成された量子化画像を出力する量子化画像出力部88と、を備える。量子化判定部112が「量子化処理部」として機能する。
図25は、量子化誤差演算/拡散部114で用いられる誤差拡散マトリクスの例である。図25中の「x」が量子化対象画素の位置を表し、矢印は量子化処理の処理順を表す。注目画素(量子化対象画素x)に隣接する4つの未処理画素(右横、右斜め下、真下、左斜め下)に対して、それぞれ量子化誤差が配分される。誤差の配分比率を規定する誤差拡散マトリクスの成分A〜Dは適宜の値に設定することができる。均等拡散させる場合には、例えば、4等分としてそれぞれ1/4の配分比率となる。
なお、誤差拡散法による量子化の制約条件に用いる基本パターンとして、(具体例1)で説明した閾値マトリクスを使用してもよい。
(量子化の具体例3:閾値マトリクスと誤差拡散を併用する方式)
図26には、閾値マトリクスと誤差拡散法を併用した場合の量子化処理のフローチャートを示す。図26において、dither[x][y]は位置(x,y)の閾値マトリクス値(成分)を表す。th_dth[i][level]は階調に依存した、閾値マトリクスとの比較値(閾値マトリクスと比較する閾値)を示す(i=0,1,2)。th_edf[level]は誤差拡散閾値を示す。dot[j][level]は階調値(level)ごとに{滴なし、小滴、中滴、大滴}のうちいずれかのドットサイズに対応付けられる(j=0,1,2,3)。
図26に示した各画素量子化処理がスタートすると、最初に、対象画素の元の階調値と、誤差拡散により当該対象画素に拡散された周辺誤差の和をとることで、周辺誤差を含んだ階調値を算出する(ステップS101)。
次に、閾値マトリクスの値(dither[x][y])と閾値th_dth[i][level]とを比較することにより、画像の領域を分割する。この閾値th_dth[i][level]は、対象画素の階調値(level)ごとに設定されるものであり、予め所定のメモリに記憶されている。ここでは、第1の閾値th_dth[0][level]、第2の閾値th_dth[1][level]、及び第3の閾値th_dth[2][level]を用いて、4領域に分割される。
まず、閾値マトリクスの値と第1の閾値th_dth[0][level]との比較を行う(ステップS102)。比較の結果、閾値マトリクスの値の方が小さい場合は、dot[0][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS103)。
ステップS102において、閾値マトリクスの値が第1の閾値以上の場合は、続いて閾値マトリクスの値と第2の閾値th_dth[1][level]との比較を行う(ステップS104)。比較の結果、閾値マトリクスの値の方が小さい場合は、dot[1][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS105)。
ステップS104において、閾値マトリクスの値が第2の閾値以上の場合は、さらに閾値マトリクスの値と第3の閾値th_dth[2][level]との比較を行う(ステップS106)。閾値マトリクスの値が第3の閾値th_dth[2][level]以下の場合は、ステップS107に進み、周辺誤差を含んだ階調値と誤差拡散閾値th_edf[level]との比較を行う(ステップS107)。この誤差拡散閾値th_edf[level]についても、対象画素の階調値ごとに設定されるものであり、予め所定のメモリに記憶されている。ステップS107における比較の結果、周辺誤差を含んだ階調値の方が誤差拡散閾値よりも小さい場合は、dot[2][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS108)。
一方、ステップS107において、周辺誤差を含んだ階調値が誤差拡散閾値以上である場合は、dot[3][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS109)。このように、ディザ閾値が第3の閾値以下(かつ第2の閾値以上)の領域では、誤差拡散法による2値化の処理が行われる。
また、ステップS106において、閾値マトリクスの値の方が第3の閾値よりも大きい場合は、dot[4][level]で指定されるドットサイズが選択される(ステップS110)。
なお、各dot[j][level]のドットサイズは階調値ごとに適宜決めることができる。例えば、ある階調値に対して、dot[0][level]は小滴、dot[1][level]は中滴、dot[2][level]は滴無し、dot[3][level]は大滴、及びdot[4][level]は大滴、のように決めることができる。基本的に、dot[3][level]>dot[2][level]を満たしていればよく、量子化誤差が大きいと大きいドットを打ち、小さいと小さいドットを打つように各値を定める。
以上のように対象画素のドットサイズを選択後、量子化誤差を算出する(ステップS111)。量子化誤差は、周辺誤差を含んだ階調値を量子化したことによって発生する誤差であり、周辺画素を含んだ階調値と量子化閾値との差である。量子化閾値は、各dot[0][level]、dot[1][level]、dot[2][level]、dot[3][level]、dot[4][level]にそれぞれ対応付けられた階調値である。
この算出した量子化誤差を所定の誤差拡散マトリクス(図25参照)に従って周辺の画素へ拡散する(ステップS112)。続いて量子化の対象画素を隣接画素へ移行し、同様の処理を行うことで、すべての画素の量子化を行う。
上記の量子化処理によれば、ステップS103、S105、S110に該当する各領域のdot[0][level]、dot[1][level]、dot[4][level]の記録率は、閾値マトリクスに従って決定され、残りの領域は、誤差拡散法で2値化することによって決定される(ステップS108、S109)。このように量子化を行うことで、4値の記録率を階調ごとに一意に決定することができる。
本例では、各閾値th_dth[i][level]は、対象画素の元の階調値における閾値を用いたが、周辺誤差を含んだ階調値における閾値を用いてもよい。
図27は、図26で説明した閾値マトリクスと誤差拡散を併用する量子化処理を行う画像処理装置の構成を示すブロック図である。図27の構成中、図23及び図24で説明した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図27の画像処理装置120の量子化処理部122は、閾値マトリクスを用いて量子化を行うディザ処理部86Aと、誤差拡散用閾値を適用して量子化を行う量子化判定部112Aと、を備える。この画像処理装置120は、図26で説明したフローチャートに従い、量子化を行う。
以上説明したように、基本パターンを利用した量子化を行うことで、基調パターンが頻度高く発生し、かつ、概ね均一に分布した量子化パターンを得ることができる。これにより、色再現域の拡大と、アーティファクトの抑制を両立できる。
<本実施形態のパターン生成装置や画像処理装置について>
図22に例示したパターン生成装置30や、図23に例示した画像処理装置80、図24に例示した画像処理装置100、図27に例示した画像処理装置120における各部の機能は、コンピュータや集積回路などのハードウエア、又は、CPU(中央演算処理装置)などを動作させるソフトウェア(プログラム)、或いはこれらの適宜の組み合わせによって実現することができる。
すなわち、本実施形態のパターン生成装置30、画像処理装置80、100、120の各部の機能、或いは、図8、図12、図15、図19、図26等で説明したプロセスの各工程は、コンピュータによって実行させることができる。本実施形態で説明した処理機能をコンピュータに実現させるためのプログラムは、コンピュータに予めインストールされていてもよいし、当該プログラムを記憶させた磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカードその他のコンピュータ可読媒体(情報記憶媒体)を提供することも可能である。また、このような有体物たる記憶媒体にプログラムを記憶させて提供する態様に代えて、インターネットなどの通信ネットワークを利用してプログラム信号をダウンロードサービスとして提供することも可能である。
<N領域分割パターンを生成する際のNの定義と制約について>
上述の実施形態では、説明を簡単にするために、基調パターンとして図1の市松パターン1A,2Bを使用したが、発明の実施に際しては、この例に限定されない。
基本パターンを生成するための「工程A」にてN領域に分割した際に、それぞれの領域に畳み込む(埋め込む)パターンは、互いに単位面積あたりの濃度が同一で、少なくとも位相(ドットの空間的配置の位相)若しくは基調波数のどちらかが異なるパターンである。
N領域に分割する際のNは、畳み込みに使用する異なるパターン(基調パターン)の種類数である。図1で例示した市松パターン1A,1Bの実施例の場合は、2種類の異なるパターンを使用したためN=2である。
また、別の実施例として、例えば、図28に示す4種類のパターン131A〜Dを想定することができる。これら4種類のすべてを使う場合はN=4、この中から3つのみを選んで使用する場合はN=3である。
このようなN個の(N種類の)パターンは、互いに単位面積あたりの濃度が同一で、少なくとも位相若しくは基調周波数のどちらかが異なるパターンである。
図1、図28に示したパターン(1A,1B,131A〜D)は、いずれも単位面積あたりの濃度がともに50%であるため、これら6種類の中から任意の2種類〜6種類を選ぶことが可能である。
(基調周波数について)
基調周波数とは、N領域に分けたN種類の各領域への畳み込みに使う基調パターンを、畳み込まれるパターンと同一サイズになるように繰り返し並べたパターンを周波数解析したときの極大値である。基調パターンが「特定パターン」に相当する。
(例1):図29は、市松パターンを繰り返し並べたパターンの実空間における画像(実空間の市松パターン画像)であり、図30は、実空間の市松パターン画像を高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)して得られるFFT画像である。なお、図30は、FFT画像であるため、当該FFT画像の各辺は繰り返し性があり、各辺は図示せぬ他の同画像と隣接している。
FFT画像は周波数の成分量が明度で表されており、黒は成分「0」、白は成分が大きいことを示している。市松パターンの基調周波数は、図30のFFT画像において、破線円15で囲んだ左上隅の部分の「白部」で示した周波数である。
(例2):図31は、1×2画素の単位を白部、又は黒部の最小単位とする市松パターンの場合である。図31は、図28の最左に示したパターン131Aを繰り返し並べたパタンとなっている。図32は、図31の実空間画像を高速フーリエ変換して得られるFFT画像である。図31のパターンの基調周波数は、図32の破線円25A,25Bで囲んだ部分の白部で示した2つの周波数である。
(例3):例1の市松パターンと、例2の1×2画素市松パターンとを混合させる場合、例1の市松パターンの基調周波数(1つ)と、例2の基調周波数(2つ)の計3つの基調周波数が存在することになる。
<インクジェット記録装置の構成について>
図33は、本実施形態の画像処理装置が用いられるインクジェット記録装置の要部構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置150は、記録ヘッド160と、記録ヘッド160による記録動作を制御する制御装置170(「制御手段」に相当)と、用紙搬送部180(「相対移動手段」に相当)とを含んで構成される。ここでは、図示を簡略化するために、1色分の記録ヘッド160を示しているが、インクジェット記録装置150は、複数のインク色の各色にそれぞれ対応した複数のインクジェットヘッドを備える。
記録ヘッド160の詳細な構造は図示しないが、記録ヘッド160は各ノズルに対応してインク吐出に必要な吐出エネルギーを発生させる吐出エネルギー発生素子としての複数の圧電素子162と、各圧電素子162の駆動/非駆動を切り換えるスイッチIC164と、を備える。
記録ヘッド160におけるノズル数やノズル密度、ノズルの配列形態は特に限定されず、様々な形態があり得る。例えば、主走査方向について所定の記録解像度を実現できるように、多数のノズルが一定の間隔で直線上に(一列に)並ぶ一次元ノズル配列であってもよいし、2本のノズル列を互いにそれぞれのノズル列内におけるノズル間隔(ノズル間ピッチ)の1/2ピッチだけノズル列方向にずらして配置した、いわゆる千鳥状配列であってもよい。また、更なる高記録解像度を実現するために、3本以上のノズル列を並べたマトリクス配列など、インク吐出面(ノズル面)に多数のノズルを二次元的に配列させる構成とすることができる。
二次元ノズル配列を有するインクジェットヘッドの場合、当該二次元ノズル配列における各ノズルを用紙幅方向(主走査方向に相当)に沿って並ぶように投影(正射影)した投影ノズル列は、主走査方向(媒体幅方向)について、記録解像度を達成するノズル密度でノズルが概ね等間隔で並ぶ一列のノズル列と等価なものと考えることができる。ここでいう「等間隔」とは、インクジェット印刷システムで記録可能な打滴点として実質的に等間隔であることを意味している。例えば、製造上の誤差や着弾干渉による媒体上での液滴の移動を考慮して僅かに間隔を異ならせたものなどが含まれている場合も「等間隔」の概念に含まれる。投影ノズル列(「実質的なノズル列」ともいう。)を考慮すると、主走査方向に沿って並ぶ投影ノズルの並び順に、ノズル位置(ノズル番号)を対応付けることができる。以下の説明で「ノズル位置」という場合、この実質的なノズル列におけるノズルの位置を指す。
制御装置170は、システム制御部171と、記録すべき画像の元画像データ(多階調画像データ)を受け入れる入力インターフェース部として機能する画像データ入力部172と、入力された画像データに対して、濃度補正や量子化処理を行う画像処理部174を備える。また、制御装置170は、駆動波形生成部176とヘッドドライバ178を備える。
画像処理部174は、入力された画像データから2値又は多値のドットデータ(量子化データ)に変換する信号処理手段である。この画像処理部174には、既述した画像処理装置80,100,120を適用することができる。
量子化処理(ハーフトーン処理)の手段としては、図23で説明した閾値マトリクスを用いる態様、図24で説明した誤差拡散法を用いる態様、図26及び図27で説明した閾値マトリクスと誤差拡散を併用する態様などを適用できる。
量子化処理は、一般に、m値(mは3以上の整数)の画像データを、mよりも階調数の少ないn値(nは2以上m未満の整数)の階調画像データに変換する。最も単純な例では、2値(ドットのオン/オフ)のドット画像データに変換するが、量子化処理において、ドットサイズの種類(例えば、大ドット、中ドット、小ドットなどの3種類)に対応した多値の量子化を行うことも可能である。
画像処理部174にて生成された2値又は多値の画像データ(ットデータ)は、各ノズルの駆動(オン)/非駆動(オフ)、さらに、多値の場合には液滴量(ドットサイズ)を制御するインク吐出制御データ(打滴制御データ)として利用される。画像処理部174で生成されたドットデータ(打滴制御データ)は、ヘッドドライバ178に与えられ、記録ヘッド160のインク吐出動作が制御される。
駆動波形生成部176は、記録ヘッド160の各ノズルに対応した圧電素子162を駆動するための駆動電圧信号波形を生成する手段である。駆動電圧信号の波形データは予めROM等の記憶手段に格納されており、必要に応じて使用する波形データが出力される。駆動波形生成部176で生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ178に供給される。なお、駆動波形生成部176から出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
本例に示すインクジェット記録装置150は、記録ヘッド160の各圧電素子162に対して、スイッチIC164を介して共通の駆動電力波形信号を供給し、各ノズルの吐出タイミングに応じて、該当する圧電素子162の個別電極に接続されたスイッチ素子のオン/オフを切り換えることで、各圧電素子162に対応するノズルからインクを吐出させる駆動方式が採用されている。記録ヘッド160は、ヘッドドライバ178から与えられる駆動信号及び吐出制御信号に従い、オンデマンドでインク液滴を吐出する。
33におけるシステム制御部171、画像データ入力部172、及び画像処理部174の組み合わせが「画像処理装置」に相当する。
システム制御部171は、用紙搬送制御部182を介して用紙搬送部180を制御する。これにより、記録ヘッド160に対して図示せぬ用紙(記録媒体)が搬送される。用紙搬送制御部182及び用紙搬送部180が「相対移動手段」に相当する。
<実施形態の利点>
上述した本発明の実施形態によれば、基調周波数の近接周波数の成分が抑制され、またその基調周波数外側周辺部に極大値が発生するので、基調パターンの発生頻度が高く、基調パターンの塊及び低周波成分の少ないパターンが得られる。これにより、色再現域の拡大とアーティファクト抑制を両立できる。
<ヘッドと用紙を相対移動させる手段について>
上述の実施形態では、停止した記録ヘッドに対して記録媒体を搬送する構成を例示したが、本発明の実施に際しては、停止した記録媒体に対して記録ヘッドを移動させる構成も可能である。なお、シングルパス方式のラインヘッドは、通常、記録媒体の送り方向(搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿って記録ヘッドを配置する態様もあり得る。
また、本発明は、シングルパル方式に限らず、記録ヘッドを記録媒体の搬送方向と直交する方向に走査しながら画像記録を行うシリアルスキャン方式の画像形成装置についても適用できる。
<記録媒体について>
「記録媒体」は、記録ヘッドによってドットが記録される媒体の総称であり、記録媒体、印字媒体、被記録媒体、被画像形成媒体、受像媒体、被吐出媒体など様々な用語で呼ばれるものが含まれる。本発明の実施に際して、記録媒体の材質や形状等は、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フィルム、布、不織布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々な媒体に適用できる。
<装置応用例>
上記の実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト記録装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを描画するインクジェット装置に広く適用できる。
<インクジェット方式以外の記録ヘッドの利用形態について>
上述の説明では、記録ヘッドを用いる画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。インクジェット方式以外では、サーマル素子を記録素子とする記録ヘッドを備えた熱転写記録装置、LED素子を記録素子とする記録ヘッドを備えたLED電子写真プリンタ、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンタなど、ドット記録を行う各種方式の画像形成装置についても本発明を適用することが可能である。
以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有するものにより、多くの変形が可能である。
24…境界部、70…基本パターン、80…画像処理装置、82…画像データ入力部、84…閾値マトリクス格納部、86…量子化処理部、88…量子化画像出力部、94…ドット画像、100…画像処理装置、108…基本パターン格納部、110…閾値格納部、112…量子化判定部、114…量子化誤差演算/拡散部、120…画像処理装置、122…量子化処理部

Claims (12)

  1. 二次元のドット配置における特定パターンの繰り返し単位として用いられる基調パターンが繰り返し並べられたパターン画像の空間周波数成分の極大値を基調周波数とするとき、パターンの空間周波数成分のうち基調周波数を含む基調周波数近傍部の成分が他の成分と比較して相対的に抑制され、前記基調周波数近傍部の外側における基調周波数外側周辺部の成分に極大値を持ち、かつ低周波成分が抑制された空間周波数特性を持つ基本パターンを利用して第1画像データを量子化し、前記第1画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の量子化パターンを表す第2画像データに変換する量子化方法。
  2. 前記基本パターンは、
    前記基調周波数近傍部の成分が他の成分に比べて相対的に抑制され、かつ前記基調周波数外側周辺部に成分の極大値を持つ第1パターンを生成する工程と、
    前記第1パターンにおける前記基調周波数近傍部及び前記基調周波数外側周辺部のパターン特性を維持しながら、前記第1パターンよりも低周波成分を抑制する工程と、
    を経て生成されるパターンである請求項1に記載の量子化方法。
  3. 前記第1パターンを生成する工程は、
    2以上のN種類の領域に分割されたN領域の分割パターンであって、空間周波数成分のうち第1周波数Fminよりも低い低周波成分と、前記第1周波数Fminよりも高い第2周波数Fmaxよりもさらに高い高周波成分とが抑制されたパターン特性を有する前記分割パターンを生成する工程と、
    前記分割パターンにおける前記N領域のそれぞれの領域に、互いに単位面積あたりの濃度が同一で、少なくともパターンの位相若しくは基調周波数のどちらかが異なるN種類の基調パターンを畳み込む工程と、を含み、
    前記第1パターンよりも低周波成分を抑制する工程は、
    前記畳み込む工程によって生成された前記第1パターンから前記N種類の互いに異なる基調パターンのそれぞれの基調周波数成分と低周波成分とを抑制した第2パターンに変更する工程を含む請求項2に記載の量子化方法。
  4. 前記分割パターンを生成する工程は、
    ホワイトノイズパターンに対して、前記第1周波数Fminよりも低い低周波成分と、前記第2周波数Fmaxよりもさらに高い高周波成分とを抑制するバンドパスフィルタを適用する工程と、
    前記バンドパスフィルタの適用結果に対して、N−1個の閾値を適用することにより前記N領域に分割する工程と、
    を含む請求項3に記載の量子化方法。
  5. 前記第1パターンよりも低周波成分を抑制する工程は、
    パターンに対してフィルタ処理を行う工程と、
    パターンにおける相対的に濃度の高いドット部と、相対的に濃度の低い非ドット部とでドットの入れ替えを行う工程と、
    を含み、
    前記フィルタ処理は、パターンの低周波成分及び基調周波数近傍成分を他の成分と比較して強調するフィルタを用いる処理である請求項2から4のいずれか1項に記載の量子化方法。
  6. 前記第1パターンよりも低周波成分を抑制する工程は、
    前記第1パターンの前記N領域の境界部を含む境界領域を抽出し、前記境界領域のみの範囲でドット配置を変更する工程である請求項3又は4に記載の量子化方法。
  7. 前記基本パターンにおける記録率は50%である請求項1から6のいずれか1項に記載の量子化方法。
  8. 前記基本パターンを基に生成された閾値マトリクスを用いて前記量子化を行う請求項1から7のいずれか1項に記載の量子化方法。
  9. 前記基本パターンをドット配置の制約条件として利用して誤差拡散法により前記量子化を行う請求項1から8のいずれか1項に記載の量子化方法。
  10. 第1画像データを取り込む画像入力部と、
    前記第1画像データを量子化し、前記第1画像データよりも階調数の少ない2値又は多値の量子化パターンを表す第2画像データに変換する量子化処理部と、を備える画像処理装置であって、
    前記量子化処理部は、
    二次元のドット配置における特定パターンの繰り返し単位として用いられる基調パターンが繰り返し並べられたパターン画像の空間周波数成分の極大値を基調周波数とするとき、パターンの空間周波数成分のうち基調周波数を含む基調周波数近傍部の成分が他の成分と比較して相対的に抑制され、前記基調周波数近傍部の外側における基調周波数外側周辺部の成分に極大値を持ち、かつ低周波成分が抑制された空間周波数特性を持つ基本パターンを利用して前記第1画像データを量子化し、前記第2画像データに変換する処理を行う画像処理装置。
  11. 前記画像処理装置は、前記基本パターンを基に生成された閾値マトリクスが記憶される閾値マトリクス格納部を備え、
    前記量子化処理部は、前記閾値マトリクスを利用して前記量子化を行う請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記画像処理装置は、前記基本パターンが記憶される基本パターン格納部を備え、
    前記量子化処理部は、前記基本パターンをドット配置の制約条件として用い、誤差拡散法によって前記量子化を行う請求項10又は11に記載の画像処理装置。
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