JP2014144548A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート Download PDF

Info

Publication number
JP2014144548A
JP2014144548A JP2013013086A JP2013013086A JP2014144548A JP 2014144548 A JP2014144548 A JP 2014144548A JP 2013013086 A JP2013013086 A JP 2013013086A JP 2013013086 A JP2013013086 A JP 2013013086A JP 2014144548 A JP2014144548 A JP 2014144548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
fatty acid
back layer
parts
thermal transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013013086A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6075085B2 (ja
Inventor
Yusaku AKIYAMA
祐作 穐山
Yasushi Yoneyama
泰史 米山
Sosuke Ieshige
宗典 家重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013013086A priority Critical patent/JP6075085B2/ja
Publication of JP2014144548A publication Critical patent/JP2014144548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6075085B2 publication Critical patent/JP6075085B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

【課題】サーマルヘッドの発熱体を腐食させることなく十分な滑性を有し、かつ平滑性に優れた背面層を有する熱転写シートを提供すること。
【解決手段】基材(1)の一方の面に色材層(3)及び/又は転写性保護層(4)が設けられ、基材の他方の面にバインダー樹脂を含有する背面層(5)が設けられた熱転写シートであって、背面層は、一般式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有しており、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、融点が25℃以下であり、一般式(1)中のRは、水素原子又は脂肪酸残基であり、Rが脂肪酸残基である割合が、Rの総数に対し50%以上であり、背面層は、酸性を有する滑剤成分を実質的に含有していない。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートに関する。
プリンターで用いられる一般的な熱転写シートとして、基材の一方の面上に色材層及び/又は転写性保護層が設けられ、基材の他方の面上に背面層が設けられた熱転写シートが知られている。この熱転写シートによれば、熱転写受像シート等の被転写体と、熱転写シートの色材層、或いは転写性保護層とが対向するように重ねた後に、背面層とサーマルヘッド等の加熱デバイスとを接触させ、該サーマルヘッド等の加熱デバイスに画像情報に応じたエネルギーを印加しながら背面層上を移動させることで被転写体上に画像を形成する、或いは画像上に転写性保護層を転写形成することができる。
ところで、画像形成時や転写性保護層の転写形成における背面層の滑性が低い場合には、画像形成時に熱転写シートにシワが生じてしまい、これに伴い形成される画像や転写性保護層に印画シワが生ずることとなる。したがって、形成される画像に印画シワを生じさせないためには、熱転写シートの背面層に十分な滑性を付与することが必要である。背面層の滑性に着目した熱転写シートについては種々の提案がなされており、例えば、特許文献1には、滑剤成分としてリン酸エステルを含有する背面層を備えた熱転写シートが提案されている。リン酸エステルは、従来公知の滑剤成分の中でも滑性が良好であり、また、背面層中において液体状で存在していることから背面層の平滑性を損ねないといった利点を有する。このような利点から、リン酸エステルは背面層の滑剤成分として広く用いられている。
ところで、リン酸エステルは、上記利点を有するものの、酸性が強く、背面層に滑性を付与すべく、滑剤成分としてリン酸エステルを単独で含有せしめた場合には、リン酸エステルが、サーマルヘッドの発熱体を腐食摩耗させてしまう。そして、発熱体が腐食摩耗したサーマルヘッドを用いて画像形成を引き続き行った場合には、形成される画像がざらついてしまう問題が生ずる。
リン酸エステルの酸によるサーマルヘッドの発熱体の腐食摩耗に着目したものではないが、特許文献2には、リン酸エステルを含有する背面層を有する熱転写シートの保存時において、リン酸エステルの酸が染料層を溶解し、印画時の濃度低下や印画ムラが生ずる問題を防止することを主たる課題とし、リン酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルとを併用して含有せしめた背面層が提案されている。具体的には、ポリグリセリン脂肪酸エステルとリン酸エステルとを含有し、ポリグリセリン脂肪酸エステルとリン酸エステルとの比率が重量比で10:1〜1:2であり、ポリグリセリン脂肪酸エステルとリン酸エステルとを合わせた含有量が耐熱滑性層全体の10〜50重量%とした背面層が提案されている。
しかしながら、特許文献2に提案がされている背面層では、リン酸エステルの含有量を減少させているものの、依然として背面層中にはリン酸エステルが含有されており、特許文献2に提案がされている構成では、サーマルヘッドの発熱体の腐食摩耗を完全に抑え込むことは困難である。また、特許文献2に提案がされているポリグリセリン脂肪酸エステルは、リン酸エステルと比較して滑性が低く、リン酸エステルをポリグリセリン脂肪酸エステルに置き換えている分だけ背面層の滑性は低下する傾向にあり、背面層に十分な滑性を付与することはできない。
サーマルヘッドの発熱体の腐食摩耗を防止する別のアプローチとしては、酸性を有するリン酸エステルを用いない背面層とする、換言すれば、中性を有する滑剤成分、例えば、金属石鹸、脂肪酸アマイド等の滑剤成分を含有する背面層とする方法がある。しかしながら、これら中性の滑剤成分は、固体滑剤であり、背面層に十分な滑性を付与できる程度まで、固体滑剤を含有せしめた場合には、背面層の表面から突出する固体滑剤の存在によって、背面層の平滑性が失われ、その結果、得られる画像にザラツキ等が生ずる。また、特許文献2に提案がされているポリグリセリン脂肪酸エステルの中には、常温で固体で存在するものもあり、このようなポリグリセリン脂肪酸エステルを背面層に含有せしめた場合にも、金属石鹸、脂肪酸アマイドと同様に、得られる画像にザラツキ等が生ずる。
特開2012−61660号公報 特許第3760554号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、サーマルヘッドの発熱体を腐食させることなく十分な滑性を有し、かつ平滑性に優れた背面層を有する熱転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面に色材層及び/又は転写性保護層が設けられ、前記基材の他方の面にバインダー樹脂を含有する背面層が設けられた熱転写シートであって、前記背面層は、下記一般式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有しており、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、融点が25℃以下であり、下記一般式(1)中のRは、水素原子又は脂肪酸残基であり、Rが脂肪酸残基である割合が、下記一般式(1)中のRの総数に対し50%以上であり、前記背面層は、酸性を有する滑剤成分を実質的に含有していないことを特徴とする。
Figure 2014144548
(式中のnは0を含む正の数である。)
また、前記背面層は、当該背面層の固形分総量に対し2質量%以上20質量%以下の範囲内で前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有していてもよい。
また、前記背面層は、当該背面層の固形分総量に対し1質量%以上8質量%以下の範囲内で金属石鹸及び/又は脂肪酸アマイドを更に含有していてもよい。
本発明の熱転写シートによれば、サーマルヘッドの発熱体に腐食摩耗に生じさせることなく、十分な滑性をもって画像形成を行うことができる。
本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 実施例、比較例で作成した熱転写シートの概略断面図である。
以下、本発明の熱転写シートについて図面を用いて具体的に説明する。なお、図1〜図3は、本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
図1〜図3に示すように、本発明の熱転写シート10は、基材1の一方の面に色材層3及び/又は転写性保護層4が設けられ、基材1の他方の面に背面層5が設けられた構成をとる。なお、図1は、基材1上に色材層3が設けられた熱転写シートの一例を示す概略断面図であり、図2は、基材1上に転写性保護層4が設けられた熱転写シートの一例を示す概略断面図であり、図3は、基材1の同一面上に色材層3と転写性保護層4が設けられた熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
本発明の熱転写シートは、基材の一方の面に色材層3及び/又は転写性保護層4が設けられ、基材の他方の面に背面層4が設けられていればよく、それ以外の構成について特に限定はない。例えば、色材層3に含まれる色材として昇華性染料を用いる場合には、基材1と色材層3との間に図示しない下引き層が設けられていてもよい。また、色材層3に含まれる色材として熱溶融性インキを用いる場合には、基材1と色材層3との間に図示しない離型層が設けられていてもよい。また、基材と色材層3との間、基材1と転写性保護層との間、基材1と背面層5との間に、図示しないプライマー層が設けられていてもよい。また、図1、図3では、基材1上に単一の色材層3が設けられた構成をとっているが、異なる色材を含む色材層が同一基材の同一面に面順次に繰り返し設けられていてもよい。
(基材)
基材1は、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
また、基材1は、色材層3及び/又は転写性保護層4が形成される側の面に接着処理が施されていても良い。接着処理を施すことで、基材1と色材層3及び/又は転写性保護層4、或いは基材1と色材層3及び/又は転写性保護層4との間に設けられる任意の層との密着性を向上させることができる。
接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を二種以上併用することもできる。
(背面層)
図1〜図3に示すように基材1の、色材層3及び/又は転写性保護層4が設けられている面とは反対側の面上には背面層5が設けられている。背面層5は、本発明の熱転写シート10における必須の構成である。また、本発明では、背面層5が以下の条件1〜3を満たすことを必須の要件としている。以下、背面層5について、各条件について言及しつつ具体的に説明する。
条件1:背面層5に酸性を有する滑剤成分が実質的に含有されていないこと。
条件2:下記一般式(1)中のRが脂肪酸残基である割合が、下記一般式(1)中のRの総数に対し50%以上であること。
条件3:条件2のポリグリセリン脂肪酸エステルの融点が25℃以下であること。
背面層5は、必須の成分としてバインダー樹脂と、下記一般式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有している。下記一般式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステルは中性を有する滑剤成分である。本発明では、条件1として、背面層5に酸性を有する滑剤成分が実質的に含有されていないことから、背面層5によってサーマルヘッドの発熱体が腐食摩耗されることがない。これにより、サーマルヘッドの発熱体が腐食摩耗することで生じ得る画像、或いは画像上に設けられる転写性保護層のざらつきが防止される。要約すれば、本発明では、条件1によってサーマルヘッドの発熱体の腐食摩耗の防止が図られている。
なお、サーマルヘッドの保護層が腐食摩耗した場合には、サーマルヘッドと熱転写シートとの接触が不均一となり、エネルギー伝達にバラつきが生じ、形成される画像にざらつきが生じやすくなる。
Figure 2014144548
(式中のRは、水素原子又は脂肪酸残基であり、n(重合度)は0を含む正の数である。)
なお、本願明細書において、「酸性を有する滑剤成分を実質的に含有していない」とは、背面層5の固形分総量に対する、酸性を有する滑剤成分の含有量が0.1質量%未満であることを意味する。酸性を有する滑剤成分の含有量が上記範囲内であれば、サーマルヘッドの発熱体に腐食摩耗が生ずることはなく、本発明の効果を奏することができる。
また、本願明細書において、「酸性を有する滑剤成分」とは、酸価が50以上の滑剤成分のことを意味する。背面層5が、酸価が50以上の滑剤成分を含有している場合には、サーマルヘッドの発熱体が腐食摩耗されてしまう。酸価が50以上の滑剤成分としては、例えば、リン酸エステル等を挙げることができる。また、酸価とは、滑剤成分1g中に含有する酸性基をすべて中和するのに必要なKOHのmg数を意味する。
本発明では、背面層5は、酸性を有する滑剤成分、例えば、背面層に良好な滑性を付与する滑剤成分として公知なリン酸エステル等を含有していないことから、背面層5に十分な滑性を付与するためには、ポリグリセリン脂肪酸エステル自体が良好な滑性を有していることが必要となる。なお、従来公知のポリグリセリン脂肪酸エステルでは、当該公知のポリグリセリン脂肪酸エステルを滑剤成分として単独で背面層に含有せしめたとしても、十分な滑性を得ることはできていない。ここで、本願発明者らは、上記一般式(1)のポリグリセリン脂肪酸エステルによって背面層5に付与される滑性について鋭意検討したところ、一般式(1)中のRの総数に対し、Rが脂肪酸残基となっている割合によって、背面層5に付与される滑性が異なり、一般式(1)のRの総数に対し、当該Rが脂肪酸残基となっている割合が50%以上である場合には、背面層5に十分な滑性を付与することができることを見出した。
そこで、本発明では、上記条件2で示すように、一般式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステルの、一般式(1)中のRの総数に対し、当該Rが脂肪酸残基である割合が50%以上であることを必須の条件としている。例えば、一般式(1)中のnが「0」である場合には、Rの総数は「4」となり、この場合、少なくとも「2」以上のRが脂肪酸残基となる。また、一般式(1)中のnが「8」である場合には、Rの総数は「12」となることから、この場合、少なくとも「6」以上のRが脂肪酸残基となる。なお、全てのRが脂肪酸残基となっていてもよい。以下、一般式(1)中の「脂肪酸残基となっているRの数/Rの総数」のことをエステル化率という場合がある。
上記条件2を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する背面層5によれば、当該ポリグリセリン脂肪酸エステルを単独で滑剤成分として用いた場合であっても、背面層に十分な滑性を付与することができ、その結果、画像形成時や、転写性保護層の転写形成時における印画シワ等の発生を防止することができる。要約すれば、条件2によって背面層5の滑性の向上が図られている。
本発明では、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率が50%であるとの条件を満たせばよいが、さらなる滑性の向上を目的とする場合には、エステル化率が75%以上となっていることが好ましい。エステル化率が75%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルによれば、更なる滑性の向上を見込むことができる。
一般式(1)中の、重合度を示すnの数について限定はなく、エステル化率が50%以上との条件を満たせば、nの数に関わらず背面層5に十分な滑性を付与することができる。上限値について特に限定はないが、通常公知のグリセリン脂肪酸エステルのnは10程度である。
また、本発明では、上記条件3に示すように、上記条件2を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルの融点が25℃以下であることを必須の条件としている。換言すれば、上記条件2を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルが常温で液体であることを必須の条件としている。なお、ポリグリセリン脂肪酸エステルの融点は、JIS K 0064(1992)に準拠して測定された融点である。
上記条件3を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルによれば、常温下において、背面層5中で液体の状態で存在していることから、当該ポリグリセリン脂肪酸エステルの存在によって背面層5の平滑性が妨げられることがない。背面層5の平滑性は、本発明の熱転写シートを用いて形成される画像のざらつきと密接的な関係を有しており、背面層5の平滑性が高いほど形成される画像にざらつきが生じにくく、高光沢の画像を得ることができる。一方、背面層の平滑性が低くなるにつれて、画像にざらつきが生じてしまい、画像の光沢度が低下していく。要約すれば、本発明では、上記条件3によって、背面層5の平滑性が維持されている。
なお、上記条件2を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルであっても、上記条件3である融点が25℃以下であるとの条件を満たさない場合、すなわち、常温下において背面層中で固体の状態で存在している場合には、当該固体のポリグリセリン脂肪酸エステルが、背面層5の表面から突出してしまい背面層5の平滑性が低下する。そして、背面層5の平滑性の低下にともない形成される画像にざらつきが生じやすくなり、画像の光沢度が低下していく。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルの1種であるデカステアリン酸デカグリセリルは、エステル化率が80%以上であり、上記条件2を満たすものの、融点が25℃を超えることから、上記条件3を満たさず、デカステアリン酸デカグリセリルを背面層に含有せしめた場合には、滑性は良好であるものの、背面層の平滑性は低く、形成される画像や、画像上に転写形成される転写性保護層のざらつきが生じてしまう。
ポリグリセリン脂肪酸エステルに含まれる脂肪酸残基について特に限定はなく、例えば、ラウリン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、イソステアリン酸残基、オレイン酸残基、カプリル酸残基、ミリスチン酸残基、ベヘン酸残基、エルカ酸基等を挙げることができる。また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、1分子中に異なる脂肪酸残基を含んでいてもよい。
脂肪酸残基の炭素鎖長について限定されることはないが、脂肪酸残基は、その炭素鎖長が長いほど、炭素鎖数が短い脂肪酸残基を含むポリグリセリン脂肪酸エステルよりも、滑性が向上する傾向にある。したがって、ポリグリセリン脂肪酸エステルには炭素鎖長が長い脂肪酸残基が含まれていることが好ましく、具体的には、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素鎖長が18以上の脂肪酸残基を含んでいることが好ましい。より具体的には、ステアリン酸残基、イソステアリン酸残基、オレイン酸残基、エルカ酸残基等を含むポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましい。
好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ジグリセリントリイソステアレート、ジグリセリンテトライソステアレート、テトラグリセリンペンタオレート、ヘキサグリセリンペンタオレート、デカグリセリンノナイソステアレート、デカグリセリンデカオレート、デカグリセリンオクタエルケート、デカグリセリンヘプタオレート等を挙げることができる。背面層5には、1種のポリグリセリン脂肪酸エステルを単独で含有せしめてもよく、2種以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを併用して含有せしめることもできる。
背面層5の固形分総量に対する上記条件2、及び条件3を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量について特に限定はないが、当該ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量が背面層5の固形分総量に対し、2質量%未満である場合には、背面層5の滑性が低下していく傾向にある。一方、20質量%を超えると、背面層の固形分総量に対するバインダー樹脂の含有量が低下することから、上記条件2、及び条件3を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルを背面層5中で十分に保持することができず、また、背面層5の耐熱性が低下する傾向にある。したがって、この点を考慮すると、背面層5の固形分総量に対し、上記条件2、及び条件3を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、2質量%以上20質量%以下の範囲内であることが好ましい。
また、背面層5には固体滑剤が含有されていてもよい。背面層5に、上記条件2、条件3を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルとともに、固体滑剤を含有せしめることで、固体滑剤の融点付近からの背面層5の滑性を更に向上させることができる。なお、背面層の固形分総量に対する固体滑剤の含有量が8質量%を超えると、背面層5の表面から突出する固体滑剤が多くなり、背面層5の平滑性が低下し、形成される画像にざらつきが生じやすくなる。したがって、この点を考慮すると、固体滑剤は背面層5の固形分総量に対し、8質量%以下の範囲内で含有されていることが好ましい。
固体滑剤としては、金属石鹸や、脂肪酸誘導体である脂肪酸アマイド等が好ましい。これらの金属石鹸としては、例えば、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、脂肪酸の多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等、より具体的には、ステアリルリン酸亜鉛や、ステアリン酸亜鉛等を挙げることができる。脂肪酸アマイドとしては、エチレンビスオレイン酸アマイドや、メチレンビスステアリン酸アマイド、ステアリン酸アマイド等を挙げることができる。
固体滑剤の融点について特に限定はないが、融点が80℃以上の固体滑剤を用いることが好ましい。
また、背面層5には、本発明の趣旨を妨げない範囲内で、これ以外の滑剤成分が含有されていてもよい。他の滑剤成分としては、グラファイトパウダー、フッ素系グラフトポリマー、シリコーンオイル、シリコーン系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体、ポリエチレン等を挙げることができる。これら、他の滑剤成分は、背面層5の固形分総量に対し、5質量%以下であることが好ましい。
<<バインダー樹脂>>
背面層5は、上記条件2、及び条件3を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルとともに、バインダー樹脂を含有する。
背面層5に含まれるバインダー樹脂について特に限定はなく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等を用いることができる。
また、バインダー樹脂は、硬化型のバインダー樹脂であってもよい。硬化型のバインダー樹脂を含む背面層5によれば、塗膜強度や耐熱性を向上させることができる。硬化型のバインダー樹脂とするための硬化剤としては、ポリイソシアネートが好適であり、特に、芳香族系イソシアネートのアダクト体を使用することが望ましい。芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートがあげられ、特に2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、又は、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物が好ましい。
バインダー樹脂の含有量について特に限定はなく、上述した必須の成分であるポリグリセリン脂肪酸エステル、及び任意の成分である固体滑剤の含有量に応じて適宜決定することができる。好ましくは、背面層5の固形分総量に対し40質量%以上90質量%以下の範囲である。
背面層5の形成方法について特に限定はなく、上記条件2、及び条件3を満たすポリグリセリン脂肪酸エステル、及びバインダー樹脂、必要に応じて添加される他の成分等を、適当な溶媒に分散又は溶解させた塗工液を、基材1の色材層3及び/又は転写性保護層4の反対側の面上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング印刷法等の公知の手段により、塗布し、乾燥することにより形成することができる。背面層5の塗工量は、耐熱性等の向上等の点から、乾燥後塗工量が3g/m2以下であることが好ましく、0.1〜2g/m2にすることがより好ましい。
(背面プライマー層)
また、基材1と背面層5との間に、基材1と背面層5との密着性を向上させるための図示しない背面プライマー層を設けてもよい。背面プライマー層の材料としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等接着性を示すものが挙げられる。
(色材層)
図1〜図3に示すように基材1の一方の面の少なくとも一部には、色材層3及び/又は転写性保護層4が設けられている。本発明では、図示する形態に限定されることはなく、図示する形態以外の形態をとることもできる。例えば、昇華性の染料を含有する色材層3と、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する色材層3とを連続した1枚の基材上に面順次に設けてもよい。なお、本発明では、基材1の一方の面上に色材層3、転写性保護層4の何れか一方が設けられていればよく、転写性保護層4が設けられている場合には、色材層3は任意の構成となる。
この色材層3は、本発明の熱転写シートが昇華型熱転写シートの場合には、昇華性の染料を含有する色材層であり、熱溶融型熱転写シートの場合には、着色剤を含む熱溶融組成物からなる熱溶融性のインクを含有する色材層となる。以下、昇華型熱転写シートの場合を中心に説明するが、本発明は、昇華型熱転写シートのみに限定されるものではない。
なお、本発明は上記条件2、及び条件3を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルによって背面層5に十分な滑性が付与されている。したがって、本発明の熱転写シートは、画像形成時に比較的高いエネルギーが加わり、背面層5に特に良好な滑性が要求される昇華型熱転写シートとする場合に特に好適である。
色材層の材料は、従来公知の染料を使用することができるが、印画材料として良好な特性を有するもの、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましく、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料が挙げられる。
上記染料を担持するためのバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が、耐熱性、染料の移行性等の点において好ましい。
色材層3には、無機微粒子、有機微粒子等の添加剤が含有されていてもよい。無機微粒子としては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、二硫化モリブデン等が挙げられ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス等が挙げられる。また、色材層3には、離型剤が含有されていてもよい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル、フッ素系材料等を挙げることができる。また、色材層3には、イソシアネート、エポキシ樹脂、カルボジイミド等の各種の硬化剤が含有されていてもよい。
一方、本発明の熱転写シート10が熱溶融型の熱転写シートである場合には、色材層3には、ポリグリセリン脂肪酸エステルに加え、熱溶融性インキと、バインダー樹脂が含まれる。熱溶融性インキとしては、公知の有機または無機の顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができ、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、退色しないものが好ましい。熱溶融性インキの色としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに限定されるものではなく、種々の色の着色剤を使用することができる。
熱溶融型の熱転写シートの色材層3に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等を使用可能である。
色材層に含有されている昇華性染料、或いは顔料の含有量について特に限定はなく、印画濃度や、保存性等を考慮し、使用される昇華性染料、或いは顔料の種類や、バインダー樹脂の種類に応じて適宜設定すればよい。例えば、昇華性染料は、色材層3に含有されているバインダー樹脂の固形分総量に対し、15質量%以上300質量%以下の範囲内で色材層3に含有されていることが好ましい。
また、熱溶融型の色材層3には、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等が含まれていてもよい。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等のワックス成分が含まれていてもよい。
色材層3の形成方法としては、適当なバインダー樹脂に、染料或いは顔料、必要に応じて添加される各種添加物を加え、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、水等の適当な溶媒に分散或いは溶解させた塗工液を、例えば、グラビア印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法、ロールコーター、バーコーター等の形成手段により、基材1、或いは基材上に設けられた任意の層上に塗工し、乾燥させることにより形成することができる。
(転写性保護層)
図2に示すように基材1の全面に転写性保護層4を設けることもでき、図3に示すように、本発明の熱転写シート10において、基材1上に上記で説明した色材層3と転写性保護層4とを面順次に設けることもできる。上述したように、基材1の一方の面上には、色材層3と転写性保護層4の何れか一方が設けられていればよく、基材1上に色材層3が設けられている場合には、転写性保護層4は任意の層となる。
転写性保護層4は、多層構造をとっていてもよいし、単層構造をとっていてもよい。多層構造をとる場合には、画像に各種の耐久性を付与するための主体となる主保護層のほか、転写性保護層4と印画物の受像面との接着性を高めるために転写性保護層4の最表面に配置される接着層や、補助的な保護層や、保護層本体の機能以外の機能を付加するための層などが含まれていてもよい。主保護層とその他の層の順序は任意であるが、通常は、転写後に主保護層が受像面の最表面層となるように、接着層と主保護層との間に他の層を配置する。
多層構造の転写性保護層4を構成する主保護層又は単層構造の転写性保護層4は、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成することができる。保護層形成用樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を例示することができる。
電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。
紫外線遮断性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
単層構造の転写性保護層4又は多層構造の転写性保護層4中に設けられた主保護層は、保護層形成用樹脂の種類にもよるが、通常は0.5〜10μm程度の厚さであることが好ましい。
転写性保護層4の最表面には接着層が形成されていてもよい。接着層は、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂のような加熱時接着性の良好な樹脂で形成することができる。接着層の厚さは、通常0.1〜5μm程度である。また、転写性保護層4と基材との間に離型層を設けてもよい。
(下引き層)
本発明においては、基材1と、色材層3及びとの間に図示しない下引き層が設けられていることが好ましい。下引き層を設けることで基材1と、色材層3との密着性を向上させ、熱転写時に熱転写受像シートへの色材層3の異常転写を防止することができる。なお、下引き層は、熱転写シート10における任意の構成である。
下引き層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
また、下引き層をコロイド状無機顔料超微粒子から構成することもできる。これにより画像形成時に色材層3の異常転写を防止できるだけでなく、色材層3から下引き層への色材の移行を防止し、熱転写受像シートの受容層側への色材の拡散を有効に行なうことができ、印画濃度を高めることができる。
コロイド状無機顔料超微粒子として、従来公知の化合物が使用できる。例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、一次平均粒径で100nm以下、好ましくは50nm以下であり、特に3〜30nmで用いることが好ましい。
下引き層は、上記で例示した樹脂や、コロイド状無機顔料超微粒子を適当な溶媒に溶解或いは分散した下引き層用塗工液をグラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来から公知の形成手段により、塗布・乾燥して形成することができる。下引き層用塗工液の塗工量は、0.02〜1.0g/m2程度であることが好ましい。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。また、特に断りがない限り、「部」及び「%」は固形分の値を示している。
(実施例1)
基材として、幅160mm、長さ:225m、厚み:5μmの長尺状の易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを準備し、この基材の一方の全面に、下記組成の背面層用塗工液1を乾燥時0.8g/m2になるように塗布し、背面層を形成した。次いで、基材の他方の面の全面に、下記組成の下引き層用塗工液を、乾燥塗布量が0.1g/m2になるように塗布、乾燥して下引き層を形成することで、背面層/基材/下引き層がこの順で積層された積層体を得た。この積層体の下引き層上に、1画面が図4に示す形態となるようにイエロー染料層用塗工液、マゼンタ染料層用塗工液、シアン染料層用塗工液をそれぞれ、乾燥時塗工量が0.6g/m2となるように塗工して、イエロー染料層(Y染料層)、マゼンタ染料層(M染料層)、シアン染料層(C染料層)を形成した。また、図4に示す形態となるように離型層用塗工液、転写性保護層用塗工液、検知マーク用塗工液を用いてそれぞれの乾燥塗布量が0.6g/m2、1.0g/m2、0.6g/m2となるように離型層、転写性保護層(保護層)、検知マークを形成した。上記積層体上に400画面分繰り返して形成し、DS40プリンター用純正リボンと同じ形態に加工することで実施例1の熱転写シートを作製した。
<背面層用塗工液1>
・ポリビニルアセタール樹脂 56.3部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 28.7部
(バーノック D750 DIC(株))
・ジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%、酸価0.5) 10.0部
(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
<下引き層用塗工液>
・コロイダルシリカ(粒子径4〜6nm、固形分10%) 30部
(スノーテックスOXS、日産化学工業(株)製)
・ポリビニルピロリドン樹脂(K−90、ISP社製) 3部
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
<イエロー染料層用塗工液>
・Solvent Yellow 93 2.0部
・Disperse Yellow 231 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<マゼンタ染料層用塗工液>
・分散染料(MSレッドG) 1.5部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<シアン染料層用塗工液>
・Solvent Blue 63 2.0部
・Disperse Blue 354 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株)製)
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
<離型層用塗工液>
・シリコーン変性アクリル系樹脂(固形分50%) 16部
(セルトップ226 ダイセル化学工業(株)製)
・アルミニウム触媒(固形分10%) 3部
(セルトップCAT−A ダイセル化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 8部
・トルエン 8部
<転写性保護層用塗工液>
・アクリル樹脂 20部
(ダイヤナールBR87、三菱レイヨン(株)製)
・メチルエチルケトン 40部
・トルエン 40部
<検知マーク用塗工液>
・カーボンブラック 60部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 100部
(#1000GK 電気化学工業(株)製)
・ウレタン樹脂 100部
(HMS−20 日本ポリウレタン(株)製)
・メチルエチルケトン 160部
・トルエン 160部
(実施例2)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液2を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液2>
・ポリビニルアセタール樹脂 61.6部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 31.4部
(バーノック D750 DIC(株))
・ジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%、酸価0.5) 2.0部
(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(実施例3)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液3を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液3>
・ポリビニルアセタール樹脂 49.7部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 25.3部
(バーノック D750 DIC(株))
・ジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%、酸価0.5) 20部
(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(実施例4)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液4を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液4>
・ポリビニルアセタール樹脂 62.3部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 31.7部
(バーノック D750 DIC(株))
・ジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%、酸価0.5) 1.0部
(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(実施例5)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液5を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液5>
・ポリビニルアセタール樹脂 48.4部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 24.6部
(バーノック D750 DIC(株))
・ジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%、酸価0.5) 22.0部
(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(実施例6)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、ジグリセリンテトライソステアレート(エステル化率100%、酸価4.8)(Sフェイス IS−204P 阪本薬品工業(株))10.0部に変更した背面層用塗工液6を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
(実施例7)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、テトラグリセリンペンタオレート(エステル化率83%、酸価2.9)(SYグリスター PO−3S 阪本薬品工業(株))10.0部に変更した背面層用塗工液7を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
(実施例8)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、ヘキサグリセリンペンタオレート(エステル化率63%、酸価12以下)(SYグリスター PO−5S 阪本薬品工業(株))10.0部に変更した背面層用塗工液8を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
(実施例9)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、デカグリセリンノナイソステアレート(エステル化率75%、酸価0.2)(Sフェイス IS−1009P 阪本薬品工業(株))10.0部に変更した背面層用塗工液9を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
(実施例10)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、デカグリセリンデカオレート(エステル化率83%、酸価1.8)(SYグリスター DAO−7S 阪本薬品工業(株))10.0部に変更した背面層用塗工液10を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例10の熱転写シートを得た。
(実施例11)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、デカグリセリンオクタエルケート(エステル化率67%、酸価0.3)(SYグリスター OE−750 阪本薬品工業(株))10.0部に変更した背面層用塗工液11を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例11の熱転写シートを得た。
(実施例12)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、デカグリセリンヘプタオレート(エステル化率58%)(NIKKOL Decaglyn 7−OV 日光ケミカルズ(株))10.0部に変更した背面層用塗工液12を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例12の熱転写シートを得た。
(実施例13)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液13を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例13の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液13>
・ポリビニルアセタール樹脂 55.0部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 28.0部
(バーノック D750 DIC(株))
・ヘキサグリセリンペンタオレート(エステル化率63%、酸価12以下) 10.0部
(SYグリスター PO−5S 阪本薬品工業(株))
・ステアリルリン酸亜鉛 2.0部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(実施例14)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液14を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例14の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液14>
・ポリビニルアセタール樹脂 51.0部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 26.0部
(バーノック D750 DIC(株))
・ヘキサグリセリンペンタオレート(エステル化率63%、酸価12以下) 10.0部
(SYグリスター PO−5S 阪本薬品工業(株))
・ステアリルリン酸亜鉛 8.0部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(実施例15)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液15を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例15の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液15>
・ポリビニルアセタール樹脂 56.0部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 28.5部
(バーノック D750 DIC(株))
・ヘキサグリセリンペンタオレート(エステル化率63%、酸価12以下) 10.0部
(SYグリスター PO−5S 阪本薬品工業(株))
・ステアリルリン酸亜鉛 0.5部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(実施例16)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液16を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例16の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液16>
・ポリビニルアセタール樹脂 49.7部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 25.3部
(バーノック D750 DIC(株))
・ヘキサグリセリンペンタオレート(エステル化率63%、酸価12以下) 10.0部
(SYグリスター PO−5S 阪本薬品工業(株))
・ステアリルリン酸亜鉛 10.0部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(実施例17)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液17を使用した以外はすべて実施例1と同様にして実施例17の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液17>
・ポリビニルアセタール樹脂 55.0部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 28.0部
(バーノック D750 DIC(株))
・ヘキサグリセリンペンタオレート(エステル化率63%、酸価12以下) 10.0部
(SYグリスター PO−5S 阪本薬品工業(株))
・ステアリン酸アマイド 2.0部
(アマイドAP−1 日本化成(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
上記背面層用塗工液1〜17に含有されているポリグリセリン脂肪酸エステルは、全て、融点が25℃以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであり、25℃で液体状態として存在している。
(比較例1)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、リン酸エステル(酸価145)(プライサーフ A208N 第一工業製薬(株))10.0部に変更した背面層用塗工液Aを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
(比較例2)
背面層用塗工液1にかえて、下記組成の背面層用塗工液Bを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液B>
・ポリビニルアセタール樹脂 55.0部
(エスレックKS−1 積水化学(株))
・ポリイソシアネート 28.0部
(バーノック D750 DIC(株))
・ジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%) 10.0部
(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))
・リン酸エステル(酸価145) 2.0部
(プライサーフ A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 5.0部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 200部
(比較例3)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、デカグリセリンモノオレート(エステル化率8%)(NIIKOL Decaglyn 1−OV 日光ケミカルズ(株))10.0部に変更した背面層用塗工液Cを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
(比較例4)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、デカグリセリンデカステアレート(エステル化率83%、融点48℃)(NIIKOL Decaglyn 10−SV 日光ケミカルズ(株))10.0部に変更した背面層用塗工液Dを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
(比較例5)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、ステアリルリン酸亜鉛(LBT−1830精製 堺化学工業(株))10.0部に変更した背面層用塗工液Eを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
(比較例6)
背面層用塗工液1にかえて、背面層用塗工液1のジグリセリントリイソステアレート(エステル化率75%)(NIIKOL DGTIS 日光ケミカルズ(株))10.0部を、ステアリン酸エチルヘキシル(NIKKOL STO 日光ケミカルズ(株))10.0部に変更した背面層用塗工液Fを使用した以外はすべて実施例1と同様にして比較例6の熱転写シートを得た。
(ヘッド摩耗評価)
上記で得られた各実施例、及び比較例の熱転写シートを、昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS−40)にセットし、低温低湿環境下(5℃、20%)に3時間放置した後に、DS−40純正受像紙に黒ベタ(255/255階調)画像を400画面連続印画した。その後、この受像紙に、195/255階調、135/255階調、75/255階調の3パターンの印画を行うことで各パターンの画像を形成した。得られた各パターンの画像にざらつきがあるかを目視により確認し、下記の評価基準に基づいてざらつきの評価を行った。評価結果を表1に示す。ざらつきとは画像着色部全体にみられる、無数の極微小の濃度ムラをいい、ざらつきがないほど、ヘッド摩耗がないことを意味する。
「評価基準」
○・・・全ての画像でざらつきの発生がなく良好である。
×・・・各画像で使用上問題となるざらつきの発生がみられる。
(印画シワ評価)
上記で得られた各実施例、及び比較例の熱転写シートを、昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS−40)にセットし、低温低湿環境下(5℃、20%)に3時間放置した後に、DS−40純正受像紙に、(1)黒ベタ画像、(2)右黒画像(左白)、(3)左黒画像(右白)、(4)中黒画像(左右白)を各5枚(計20枚)印画し、下記の評価基準に基づいて印画シワの評価を行った。なお、黒画像は(255/255階調)、白画像は(0/255階)で形成した画像である。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
◎・・・全ての画像((1)〜(4))で印画シワの発生がない
○・・・(1)〜(4)のいずれかの1種の画像でシワが発生
×・・・(1)〜(4)の2種以上の画像でシワが発生。
(光沢性評価)
上記で得られた各実施例、及び比較例の熱転写シートを、昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS−40)にセットし、DS−40純正受像紙に、黒ベタ画像を形成し、各実施例及び比較例の印画物を得た。この印画物の光沢性を、Gloss Meter VG2000(日本電色社製)を用いて、測定角度45°で測定し、以下の評価基準に基づいて光沢性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
○・・・光沢性の測定結果が80以上である。
△・・・光沢性の測定結果が60以上80未満である。
×・・・光沢性の評価結果が60未満である。
Figure 2014144548
1・・・基材
3・・・色材層
5・・・背面層
10・・・熱転写シート

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に色材層及び/又は転写性保護層が設けられ、前記基材の他方の面にバインダー樹脂を含有する背面層が設けられた熱転写シートであって、
    前記背面層は、下記一般式(1)で表されるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有しており、
    前記ポリグリセリン脂肪酸エステルは、融点が25℃以下であり、
    下記一般式(1)中のRは、水素原子又は脂肪酸残基であり、Rが脂肪酸残基である割合が、下記一般式(1)中のRの総数に対し50%以上であり、
    前記背面層は、酸性を有する滑剤成分を実質的に含有していないことを特徴とする熱転写シート。
    Figure 2014144548
    (式中のnは0を含む正の数である。)
  2. 前記背面層は、当該背面層の固形分総量に対し2質量%以上20質量%以下の範囲内で前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有していることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記背面層は、当該背面層の固形分総量に対し1質量%以上8質量%以下の範囲内で金属石鹸及び/又は脂肪酸アマイドを更に含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
JP2013013086A 2013-01-28 2013-01-28 熱転写シート Active JP6075085B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013013086A JP6075085B2 (ja) 2013-01-28 2013-01-28 熱転写シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013013086A JP6075085B2 (ja) 2013-01-28 2013-01-28 熱転写シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014144548A true JP2014144548A (ja) 2014-08-14
JP6075085B2 JP6075085B2 (ja) 2017-02-08

Family

ID=51425217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013013086A Active JP6075085B2 (ja) 2013-01-28 2013-01-28 熱転写シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6075085B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016068408A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 大日本印刷株式会社 熱転写シート

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04241990A (ja) * 1991-01-14 1992-08-28 Tokuyama Soda Co Ltd 熱転写シート
JPH0839951A (ja) * 1994-08-02 1996-02-13 Sony Corp 熱転写シート
JPH10272853A (ja) * 1997-03-28 1998-10-13 Sony Corp 熱転写シート
JPH10315638A (ja) * 1997-03-14 1998-12-02 Sony Corp 熱転写シート
JP2006281602A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Sony Corp 熱転写シート
JP2006306017A (ja) * 2005-03-30 2006-11-09 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04241990A (ja) * 1991-01-14 1992-08-28 Tokuyama Soda Co Ltd 熱転写シート
JPH0839951A (ja) * 1994-08-02 1996-02-13 Sony Corp 熱転写シート
JPH10315638A (ja) * 1997-03-14 1998-12-02 Sony Corp 熱転写シート
JPH10272853A (ja) * 1997-03-28 1998-10-13 Sony Corp 熱転写シート
JP2006306017A (ja) * 2005-03-30 2006-11-09 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP2006281602A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Sony Corp 熱転写シート

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016068408A (ja) * 2014-09-30 2016-05-09 大日本印刷株式会社 熱転写シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP6075085B2 (ja) 2017-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5482760B2 (ja) 熱転写シート
JP5573274B2 (ja) 熱転写シート
JP2012006342A (ja) 熱転写シート
JP6102998B2 (ja) 熱転写シート
JP5794080B2 (ja) 画像形成方法、熱転写シートと熱転写受像シートとの組合せ
JP6075085B2 (ja) 熱転写シート
JP6379940B2 (ja) 熱転写シート
JP5924067B2 (ja) 熱転写シート
JP5839254B2 (ja) 熱転写シート
JP4882982B2 (ja) 熱転写シート
JP2014156106A (ja) 熱転写シート
WO2019187869A1 (ja) 保護層転写シート
JP5794082B2 (ja) 熱転写シートの製造方法、及び熱転写シート
JP6051746B2 (ja) 熱転写シート、及び画像形成方法
JP5413074B2 (ja) 熱転写シート
JP6083161B2 (ja) 熱転写記録材料
JP6028482B2 (ja) 熱転写シート
JP2018171840A (ja) 熱転写受像シート、熱転写シート、受容層用塗工液、熱転写受像シートの形成方法、及び印画物の形成方法
JP2010234733A (ja) 熱転写シート
JP2014058070A (ja) 熱転写シート
JP2008188902A (ja) 感熱転写記録媒体
JP2013226806A (ja) 熱転写シート
JP6209872B2 (ja) 熱転写シート、熱転写シートの製造方法
JP6665421B2 (ja) 熱転写シート
JP5867228B2 (ja) 熱転写シート、及び画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6075085

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150