JPH10315638A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
低摩擦係数を実現することができ、しかも染料層に悪影
響を及ぼすことなく保存安定性に優れた熱転写シートを
提供する。 【解決手段】 基材シート1の一方の面に熱転写染料層
2を有するとともに、他方の面に耐熱滑性層3を有する
熱転写シートが開示される。耐熱滑性層3はポリオキシ
アルキレンソルビット脂肪酸エステルを含有する。ポリ
オキシアルキレンソルビット脂肪酸エステルは、優れた
潤滑性を示し、高温下においても低摩擦係数が達成され
る。また、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エス
テルは中性であり、染料層に悪影響を及ぼすこともな
い。耐熱滑性層3には、ポリオキシアルキレンソルビッ
ト脂肪酸エステルに加えて、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルや金属石けんを添加してもよい。
Description
し、特に、転写時の走行性及び染料の保存安定性に優れ
た熱転写シートに関するものである。
短時間の加熱によって多数の色ドットを被転写材に転写
させ、多色の色ドットによりフルカラー画像を再現する
ものである。
しては、ポリエステルフィルム等の基材シートの一方の
面に、昇華性染料とバインダとからなる染料層を設け
た,いわゆる昇華型熱転写シートが用いられる。
り画像情報に応じて熱転写シートを背後から加熱し、染
料層に含まれる染料を被転写材(印画紙)に転写させて
画像を形成する。
と接触する側の面には、低濃度印画から高濃度印画まで
安定して低摩擦であることが要求され、一般に、熱転写
シートがサーマルヘッドに融着することを防止し、スム
ーズな走行性を付与するために、染料層が形成される面
とは反対側の面に耐熱滑性層が設けられている。
トにより印画紙に印画する際には、サーマルヘッドから
耐熱滑性層に熱を加え、反対面の染料層中の染料を印画
紙に転写させるが、その発色濃度は熱量に比例し、これ
に応じてサーマルヘッドの表面温度は数百度単位で変化
する。そのため、熱転写シートがサーマルヘッド上を移
動する際、温度変化によってサーマルヘッド−耐熱滑性
層間の摩擦係数が変化しやすい。サーマルヘッド−耐熱
滑性層間の摩擦係数が変化すると、一定の速度で熱転写
シートが移動し難くなり、鮮明な画像を得ることができ
ない。
写シートの移動が一時的に遅くなり、その部分だけ濃度
が高くなる,いわゆるスティッキング(線状の印画ム
ラ)が発生する。
特に高温での摩擦係数を低減させる必要があるが、従
来、この高温下の摩擦係数を低減させるための潤滑剤と
して、燐酸エステルが用いられている。
く、これを耐熱滑性層に使用すると、様々な不都合が生
じている。
た場合、染料層と耐熱滑性層との接触が生じ、特に高温
の保存状態では、溶解力の高い燐酸エステルが染料層か
ら一部染料を溶解してしまい、印画時の濃度の低下や印
画ムラ等が発生する。
滑剤を使用すると、酸性下で分解や化学的な変化をしや
すい染料、例えばインドアニリン系色素が劣化し、発色
性の変化や転写濃度の低下が起こる。
鑑みて提案されたものであり、サーマルヘッドによる加
熱温度範囲で安定に低摩擦係数を実現することができ、
しかも染料層に悪影響を及ぼすことなく保存安定性に優
れた熱転写シートを提供することを目的とする。
めに、本発明の熱転写シートは、基材シートの一方の面
に熱転写染料層を有するとともに、他方の面に耐熱滑性
層を有してなり、上記耐熱滑性層はポリオキシアルキレ
ンソルビット脂肪酸エステルを含有することを特徴とす
るものである。
ステルは、優れた潤滑性を示し、高温下においても低摩
擦係数が達成される。
肪酸エステルは中性であり、染料層に悪影響を及ぼすこ
ともない。
図1に示すように、基材シート1上に熱転写染料層2が
形成されるとともに、これと反対側の面に耐熱滑性層3
が形成されてなるものである。
いることができ、例えば、ポリエステルフィルム、ポリ
スチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスル
ホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミド
フィルム、アラミドフィルム等を使用することができ
る。この基材シートの厚さは任意であるが、例えば1〜
30μm、好ましくは2〜10μmである。
面には、熱転写染料層2が形成されるが、この熱転写染
料層2は、単色の場合には基材シート1の全面に連続層
として形成される。また、フルカラー画像に対応するた
めには、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層2
が分離して順次形成されるのが一般的である。
イエロー色染料層2Y、マゼンタ色染料層2M、シアン
色染料層2Cが繰り返し形成された熱転写シートの一例
を示すものである。
成順序は、必ずしもこの通りでなくともよい。また、イ
エロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の繰り返し
でもよい。さらには、図3に示すように、各色染料層2
の間に検知マーク4を設けてもよい。
の繰り返しの後に、印画後の印画面に転写して印画面を
保護する透明な転写保護層5を設けてもよい。あるい
は、図5に示すように、熱転写染料層2の繰り返しの前
に、普通紙に転写するための転写型受容層6を設けてお
き、熱転写染料層2の転写に先だって普通紙表面に受容
層を形成するようにしてもよい。
料とバインダとから構成されるが、ここで、バインダと
しては従来公知のものを使用することができる。例え
ば、セルロース系、アクリル酸系、デンプン系等の水溶
性樹脂、アクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポ
リサルホン、ポリエーテルサルホン、アセチルセルロー
ス等の有機溶剤あるいは水に可溶性の樹脂等が挙げられ
る。記録感度及び転写体の保存安定性の点から言えば、
熱変形温度が70〜150℃のものが優れており、した
がって、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリカ
ーボネート、メタクリル樹脂、アクリロニトリル・スチ
レン共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩素
化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が好ましい。
ロー染料としては、アゾ系、ジシアゾ系、メチン系、ピ
リドンアゾ系等及びこれらの混合系、マゼンタ染料とし
ては、アゾ系、アントラキノン系、スチリル系、複素環
系アゾ色素及びこれらの混合系、シアン染料としては、
インドアニリン系、アントラキノン系、ナフトキノン
系、複素環系アゾ色素及びこれらの混合系が使用でき
る。
は、サーマルヘッドと接触走行するため、耐熱滑性層3
が設けられる。
リオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステルを含有す
ることが大きな特徴である。
ステルは、化3で示される化合物であり、脂肪酸の種
類、オキシアルキレン鎖の数等により、様々な化合物が
ある。これらがいずれも使用可能であるが、具体的に
は、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレン(6)ソル
ビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレン(3
0)ソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレ
ン(60)ソルビット等が使用できる。なお、各化合物
において、括弧の中の数字はオキシアルキレン鎖の数
(l,m,n,p,q,r)を表す。
キシアルキレン鎖の数(l,m,n,p,q,r)が6
の化合物が効果が高く、下記の化4で示されるヘキサス
テアリン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビットが、染
料保存性等の点で最も効果が高い。
酸エステルの添加量は、5〜50重量%の範囲内とする
ことが好ましい。この添加量が5重量%未満であると、
十分な効果が得られず、摩擦低減効果が不足する。逆
に、50重量%を越えると、耐熱滑性層3の塗膜物性を
維持することが難しくなり、また染料保存性に悪影響を
及ぼす虞れがある。
ルキレンソルビット脂肪酸エステルに加えて、下記の化
5で示されるポリグリセリン脂肪酸エステルを添加して
もよい。これによって、摩擦係数がより一層低減され
る。
ては、例えば、ジオレイン酸ジグリセリル、ペンタステ
アリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸デカグリセ
リル等を挙げることができる。
量は、脂肪酸エステル全体(ポリオキシアルキレンソル
ビット脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステル
の合計量)の添加量の50%以下とすることが好まし
い。ポリグリセリン脂肪酸エステルの占める割合が50
%を越えると、相対的にポリオキシアルキレンソルビッ
ト脂肪酸エステルの割合が減少し、高温側の摩擦係数が
上昇する。なお、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪
酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルの両者を添
加する場合、これら脂肪酸エステル全体の添加量は、5
0重量%以下とすることが好ましい。
オキシアルキレンソルビット脂肪酸エステルと下記の化
6で示される金属石けんとの混合物を添加してもよい。
これによって、摩擦係数がより一層低減される。
酸エステルaと金属石けんbとの混合比(a:b)は、
重量比で10:0.01〜1:1であることが好まし
い。金属石けんの混合比が高すぎると、有機溶剤に対す
る溶解性が低下し、塗膜の外観不良を生じる。
ト脂肪酸エステルと金属石けん混合方法は、トルエン、
キシレン、メチルエチルケトン等の有機溶剤中に、上記
混合比の範囲内で混合物を均一に溶解した後、溶剤を除
去するか、又は無溶剤系において、混合物を不活性ガス
雰囲気で均一に熱、レーザ光、電磁波等により溶融する
方法が挙げられる。
又は無水物であり、脂肪酸(R13COO)としては、ラ
ウリン酸、パルミチル酸、ステアリン酸、オレイン酸、
アラキン酸、ベヘン酸、メリシン酸のような高級脂肪
酸、又は部分的に水酸基若しくはアミン類に置換した長
鎖アルキル基、又は分岐した長鎖アルキル基をもつ脂肪
酸である。
に、Li、Cu、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Z
n、Cd、Fe、Pb、Cr、Mn、Co、Ni等の二
価の金属、又はAl、Ce、Fe等の三価の金属、又は
Ti、Zr等の四価の金属が挙げられ、これらのいずれ
か1つでもよいし、またいずれかの組み合わせであって
もよい。
13がC17H35で示されるようなステアリン酸金属[(C
17H35COO)nM・xH2O]が好ましく用いられ、ス
テアリン酸鉄、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン
酸セリウム、ステアリン酸チタンが好ましく用いられ
る。
み合わせた場合のいずれにおいても、60〜200℃で
あることが好ましい。
ト脂肪酸エステルと金属石けんとの混合物の総添加量
は、5〜50重量%であることが好ましい。また、上述
したように、この混合物に加えて、ポリグリセリン脂肪
酸を添加してもよいことはもちろんである。
優れたバインダを主体とする層とされ、これに上記脂肪
酸エステルが添加されるが、バインダとしては、従来公
知のものがいずれも使用でき、例えば酢酸セルロース
や、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等が使用可能
である。
慮すると、ポリイソシアネート化合物により架橋されて
いることが好ましく、特に先のポリオキシアルキレンソ
ルビット脂肪酸エステルやポリグリセリン脂肪酸エステ
ルも同時に架橋させることで、極めて安定に潤滑効果を
発揮する耐熱滑性層3の形成が可能である。
子中に少なくとも2以上のイソシアネート基を有するイ
ソシアネート化合物がいずれも使用できる。例えば、ト
リレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、4,4′−キシレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−メチ
レンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシ
クロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシク
ロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ
(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロン
ジイソシアネート、トリメチル・ヘキサメチレンジイソ
シアネート等や、ジイソシアネートとポリオールを部分
的に付加反応させたアダクト体(ポリイソシアネートプ
レポリマー)、例えばトリレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンとを反応させたアダクト体等を使用
することができる。
必要に応じて各種潤滑剤や充填剤を含んでいてもよい。
は、シリカ、タルク、クレー、ゼオライト、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、カーボン等の無機充填剤や、シリコン樹
脂、テフロン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等からなる有
機充填剤が使用可能である。
熱滑性層3の成膜時に乾燥不良を起こしたり、巻き取り
状態においてブロッキングの原因になりやすい。
いて、実験結果をもとに詳細に説明する。
(東レ社製、商品名ルミラー)を基材シートとし、その
一方の面に下記インク組成物を乾燥後厚さ1μmとなる
ように塗布、乾燥した。
の反対側の面に、下記の組成よりなる耐熱滑性層を乾燥
後厚さ1μmとなるように塗工し、熱転写シートを得
た。
シアルキレンソルビット脂肪酸エステルを添加、混合し
た。このとき、全体で100重量部になるように上記組
成物の量を調整した。これを基材シートに塗工した。
ポリオキシエチレン(6)ソルビットとしては日光ケミ
カル社製、商品名NIKKOL GS−6を、ヘキサス
テアリン酸ポリオキシエチレン(60)ソルビットとし
ては日光ケミカル社製、商品名NIKKOL GS−4
60を、その他のポリオキシアルキレンソルビット脂肪
酸エステルは試作品を使用した。
りに脂肪酸、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リン酸エ
ステルを添加し、実施例1〜実施例12と同様に熱転写
シートを作成した。
(花王社製、ルナックMY−98)、比較例2において
はステアリン酸ブチル(日光ケミカル社製、NIKKO
L BS)、比較例3においてはペンタステアリン酸ヘ
キサグリセリル(日光ケミカル社製、商品名NIKKO
L HEXAGLYN−5S)、比較例4においてはリ
ン酸エステル(東邦化学工業社製、商品名PHOSPH
ANOL RL−210)、比較例5においてはリン酸
エステル(東邦化学工業社製、商品名PHOSPHAN
OL RL−710)をそれぞれ用いた。
ィッキング、染料保存性を調べた。
社製フルカラープリンタ(商品名UP−D7000)に
装着し、印画紙(ソニー社製、商品名UPC7010)
に階調印画(16階調)し、目視にて走行性(印画ム
ラ、しわ発生、印画ずれ)及びスティッキングを調べ
た。走行性については、良好なものを◎、しわ等が発生
したものを×とした。スティッキングは、発生しなかっ
たものを◎、発生したものを×とした。
枚の熱転写シート(20cm×20cm)の染料層と耐
熱滑性層を重ね合わせ、2枚のガラス板に挟み、上から
5kgの重りで荷重をかけ、50℃のオーブンに入れて
48時間保存した。保存前と保存後の熱転写シートにつ
いて、ソニー社製フルカラープリンタ(商品名UP−D
7000)に装着して印画紙(ソニー社製、商品名UP
C7010)に階調印画(16階調)し、各色の最高濃
度をマクベス濃度計(商品名TR−924)による反射
濃度測定により測定した。保存後最高濃度/保存前最高
濃度×100(%)を算出し、染料保存性を評価した。
結果を表1に示す。
アルキレンソルビット脂肪酸エステルを用いた各サンプ
ル(実施例1〜実施例12)は、いずれも走行性が良好
で、摩擦増加に伴うスティッキングが確認されず、鮮明
な画像が得られた。また、染料保存性についても、大部
分で95%以上が達成され、実用上、問題のないもので
あった。染料保存性が低下すると、発色の変化や転写濃
度の低下につながり、品質の高い画像形成のためには、
染料保存性が最低でも90%程度であることが必要であ
り、95%以上であることが好ましい。
レン(6)ソルビットを使用した場合(実施例1〜実施
例3)には、染料保存性100%が達成されており、染
料層への影響が皆無で、極めて良好な染料保存性、した
がって極めて良好な画像形成が可能であることがわか
る。
脂肪酸エステルの添加量が少なすぎる場合(実施例1
1)には、その効果が不十分となって、走行性やスティ
ッキングの低下が見られた。また、ポリオキシアルキレ
ンソルビット脂肪酸エステルの添加量が多すぎる場合
(実施例12)には、染料保存性が低下した。
サンプル(比較例1〜比較例3)においては、いずれも
スティッキングが確認され、満足のいく結果が得られな
かった。
(比較例4及び比較例5)では、保存後に濃度の大幅な
低下が見られ、やはり満足のいく結果は得られなかっ
た。
ステルとポリグリセリン脂肪酸エステルを併用した例で
ある。
実施例1と同様に熱転写シートを作成した。
リグリセリン脂肪酸エステル:種類及び添加量は表2に
示す通り。
ソルビット脂肪酸エステルはヘキサステアリン酸ポリオ
キシエチレン(6)ソルビット(日光ケミカル社製、商
品名NIKKOL GS−6)、ポリグリセリン脂肪酸
エステルは日光ケミカル社製、商品名NIKKOL D
ECAGLYN−10Sである。
リグリセリン脂肪酸エステルの代わりにポリグリセリン
脂肪酸エステル単独、あるいはリン酸エステルを添加
し、実施例13〜実施例15と同様に熱転写シートを作
成した。
脂肪酸エステル(日光ケミカル社製、商品名NIKKO
L DECAGLYN−10S)、比較例7においては
リン酸エステル(第一工業製薬社製、商品名A208
S)、比較例8においてはリン酸エステル(東邦化学工
業社製、商品名PHOSPHANOL RD−720)
をそれぞれ用いた。
料保存性を測定した。なお、摩擦係数は、図6に示す摩
擦測定機を用いて測定した。この摩擦測定機は、熱転写
シート及び印画紙Rをサーマルヘッド11及びプラテン
ロール12で挟み込み、テンションゲージ13で熱転写
シート及び印画紙Rを引き上げ、テンションを測定する
ものである。測定条件は下記の通りである。
プ) ストローブ分割:1 ストローブパルス幅:20.0m秒 印字スピード:22.0m秒/1ライン クロック:3(4MHz) ヘッド電圧:18.0V 染料保存性の測定方法は、先に述べた通りである。結果
を表2に示す。
酸エステル単独で用いた場合(比較例6)に比べて、摩
擦係数の最大値が低減されている。また、染料保存性も
極めて良好である。ただし、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルの割合が多すぎると(実施例15)、摩擦係数の若
干の上昇が見られる。
(比較例7、比較例8)は、摩擦係数は低いものの、染
料保存性が極めて悪い。
ステルと金属石けんとの混合物を用いた例である。
実施例1と同様に熱転写シートを作成した。
ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルと金属石
けんとの混合物を添加、混合した。
テルと金属石けんとの混合方法は、以下のように行っ
た。予め、各々の混合比に相当する分量を計り、ポリオ
キシエチレンソルビット脂肪酸エステル(融点の低い
方)をN2ガス雰囲気下で攪拌加熱し、均一に溶解させ
た。次に、この溶液に金属石けんを徐々に加え、金属石
けんの融点まで攪拌加熱し、均一に溶解させた。その
後、混合溶液を常温まで冷却し、これを混合物とした。
ルビット脂肪酸エステルとしては、ヘキサステアリン酸
ポリオキシエチレン(6)ソルビット(日光ケミカル社
製、商品名NIKKOL GS−6)を使用した。
けんとの混合物の代わりにステアリン酸鉄(III)、ス
テアリン酸チタン、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリ
ル、あるいはリン酸エステルを添加し、実施例16〜実
施例25と同様に熱転写シートを作成した。
リン酸ヘキサグリセリル(日光ケミカル社製、商品名N
IKKOL HEXAGLYN−5S)、比較例12に
おいてはリン酸エステル(東邦化学工業社製、商品名P
HOSPHANOL RD−210)、比較例13にお
いてはリン酸エステル(東邦化学工業社製、商品名PH
OSPHANOL RD−710)をそれぞれ用いた。
キング、摩擦係数、及び染料保存性を測定した。これら
の測定方法は、先に述べた通りである。その結果を表3
に示す。なお、参考のために、実施例1の結果を併せて
表示した。
ビット脂肪酸エステルと金属石けんとの混合物を用いた
各サンプル(実施例16〜実施例25)では、いずれも
走行性が良好で、摩擦増加に伴うスティキングが確認さ
れず、鮮明な画像を得られた。特に、混合物を用いた場
合(実施例16〜実施例25)では、ポリオキシエチレ
ンソルビット脂肪酸エステルを単独で用いる場合(実施
例1)より、摩擦係数の最大値(高階調域)と最小値
(低階調域)の両方を低くでき、しかも差がみられず、
安定な走行特性を得られることがわかる。
較例9、比較例10)では、いずれもスティッキングが
確認され、満足のいく結果が得られなかった。また、ペ
ンタステアリン酸ヘキサグリセリルを用いた場合(比較
例11)では、摩擦係数が高く、摩擦係数の最大値と最
小値の差が大きく生じた。リン酸エステルを用いた場合
(比較例12、比較例13)では、濃度低下が見られ満
足のいく特性が得られなかった。
明においては、耐熱滑性層にポリオキシアルキレンソル
ビット脂肪酸エステルを用いているので、走行性及び染
料保存安定性に優れ、鮮明な画像が得られる熱転写シー
トを得ることができる。
る。
る。
トの一例を示す概略平面図である。
概略平面図である。
概略平面図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 基材シートの一方の面に熱転写染料層を
有するとともに、他方の面に耐熱滑性層を有してなり、 上記耐熱滑性層は下記の化1で示されるポリオキシアル
キレンソルビット脂肪酸エステルを含有することを特徴
とする熱転写シート。 【化1】 - 【請求項2】 上記ポリオキシアルキレンソルビット脂
肪酸エステルの含有量が5〜50重量%であることを特
徴とする請求項1記載の熱転写シート。 - 【請求項3】 上記ポリオキシアルキレンソルビット脂
肪酸エステルがステアリン酸エステルであることを特徴
とする請求項1記載の熱転写シート。 - 【請求項4】 上記ポリオキシアルキレンソルビット脂
肪酸エステルのオキシアルキレン鎖の数l,m,n,
p,q,rが6であることを特徴とする請求項1記載の
熱転写シート。 - 【請求項5】 上記耐熱滑性層はポリグリセリン脂肪酸
エステルを含有することを特徴とする請求項1記載の熱
転写シート。 - 【請求項6】 上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの含
有量がポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル
との合計量の50重量%以下であることを特徴とする請
求項5記載の熱転写シート。 - 【請求項7】 上記耐熱滑性層は、上記ポリオキシアル
キレンソルビット脂肪酸エステルと下記の化2で示され
る金属石けんとの混合物を含有することを特徴とする請
求項1記載の熱転写シート。 【化2】 - 【請求項8】 上記ポリオキシアルキレンソルビット脂
肪酸エステルと金属石けんの水和物との混合比は、重量
比で10:0.01〜1:1であることを特徴とする請
求項7記載の熱転写シート。 - 【請求項9】 上記金属石けんの官能基R13が、C17H
35であることを特徴とする請求項7記載の熱転写シー
ト。 - 【請求項10】 上記耐熱滑性層が熱可塑性樹脂を含有
し、この熱可塑性樹脂がポリイソシアネートにより架橋
されていることを特徴とする請求項1記載の熱転写シー
ト。 - 【請求項11】 上記熱可塑性樹脂がブチラール樹脂で
あることを特徴とする請求項7記載の熱転写シート。
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- 1998-03-13 US US09/041,690 patent/US5981430A/en not_active Expired - Lifetime
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