JP3384113B2 - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP3384113B2 JP13117894A JP13117894A JP3384113B2 JP 3384113 B2 JP3384113 B2 JP 3384113B2 JP 13117894 A JP13117894 A JP 13117894A JP 13117894 A JP13117894 A JP 13117894A JP 3384113 B2 JP3384113 B2 JP 3384113B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、昇華型熱転写記録に好
適な熱転写シートに関する。さらに詳しくは、本発明
は、特定の樹脂で形成した耐熱滑性層を設けることによ
りスティッキングを防止した熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、印画紙等の被転写体と、熱転
写シート(インクリボン)のインク層とを重ね合わせ、
それをサーマルヘッドやレーザ等の加熱手段を用いて画
像信号に応じて加熱し、熱転写シートのインク層から被
転写体に染料を転写させて画像を形成する熱転写記録方
法が広く行われている。
【0003】熱転写記録方法としては、熱転写シートの
インク層を熱可塑性樹脂等のバインダー樹脂と染料もし
くは顔料から形成し、そのインク層を熱溶融により被転
写体に転写させる熱溶融型熱転写記録方法と、インク層
に分散染料などの昇華性又は熱拡散性染料を用い、この
熱拡散性染料を被転写体に昇華又は熱拡散により移行さ
せる昇華型熱転写記録方法が知られているが、中でも昇
華型熱転写記録方法は、加熱エネルギーに応じて画像に
階調性が得られ、銀塩カラー写真に匹敵する高品位のカ
ラー画像を得ることができるので、近年、ビデオカメ
ラ、テレビカメラ、コンピュータグラフィック等で得ら
れる画像をハードコピーする技術として注目されてい
る。
【0004】図1は、このような熱転写記録に使用する
一般的な熱転写シート1の断面図である。同図に示した
ように、熱転写シート1は、シート状の基材2の一方の
面上にインク層3を有しており、また、その反対側の面
には耐熱滑性層4を有している。この耐熱滑性層4は、
熱転写時に熱転写シートとサーマルヘッドとが融着し、
熱転写シートの走行不良を引き起こすというスティッキ
ングを防止するために設けられている。
【0005】耐熱滑性層については種々の構成が提案さ
れているが、形成コストが高くつく蒸着等の工程を必要
とすることなく、コーティング等の低コストの方法で形
成できるものとして、例えばポリビニルブチラール、ポ
リイソシアネート、及びリン酸エステル系化合物から形
成したもの(特開昭60−184883号公報の特許請
求の範囲)や、さらに充填剤を加えて形成したもの(特
開昭61−14991号公報の特許請求の範囲)が提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ポリビニルブチラール、ポリイソシアネート、及びリン
酸エステル系化合物から形成した耐熱滑性層は、高階調
画像の印画時のようにサーマルヘッドが高温の時には、
耐熱滑性層の表面に十分なリン酸エステル系化合物がし
み出てくるので良好な潤滑性能を示すが、低〜中階調画
像印画時のようにサーマルヘッドが低温の時には摩擦係
数が高く、そのためにスティッキングが生じるという問
題があった。
【0007】このような低〜中階調画像印画時のスティ
ッキングの解消のためには、耐熱滑性層へリン酸エステ
ル系化合物を多く配合することが考えられる。しかしこ
の場合には、転写シートの一般的な形態での保管中、即
ち転写シートを巻き回し、耐熱滑性層とインク層とが重
なった状態で放置している間に、インク層から耐熱滑性
層へ染料が移行するという染料の裏移りの問題が生じ、
そのためにインク層中の染料濃度が減少し、熱転写時の
印画濃度が低下するという問題があった。特に、近年で
は画像感度を向上させるためにインク層における染料濃
度を増加させているので、このような問題が顕著となっ
ていた。
【0008】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、高階調印画時のようなサー
マルヘッドの高温時だけでなく、低〜中階調画像印画時
のようなサーマルヘッドの低温時においてもスティッキ
ングを防止し、かつ染料の裏移の発生も防止することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、サーマルヘ
ッドの低温時のスティッキングの防止には炭素数10〜
22の直鎖脂肪酸が有効であること、したがって、サー
マルヘッドの高温時のスティッキングの防止に対しては
主にリン酸エステル系界面活性剤を作用させ、低温時の
スティッキングの防止に対しては主に炭素数10〜22
の直鎖脂肪酸を作用させるようにすると上述の目的が達
成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、シート状基材の一方の面
にインク層を有し、他方の面に耐熱滑性層を有する熱転
写シートにおいて、耐熱滑性層が、ポリビニルアセター
ル系樹脂、ポリイソシアネート、リン酸エステル系界面
活性剤及び炭素数10〜22の直鎖脂肪酸からなること
を特徴とする熱転写シートを提供する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の熱転写シートも、図1に示した熱
転写シートと同様に、基本的な層構成としては、シート
状基材2とインク層3と耐熱滑性層4とを有する。そし
て本発明においては、耐熱滑性層が、ポリビニルアセタ
ール系樹脂、ポリイソシアネート、リン酸エステル系界
面活性剤及び炭素数10〜22の直鎖脂肪酸からなるこ
と、即ち、耐熱滑性層の形成材料として、少なくとも、
ポリビニルアセタール系樹脂、ポリイソシアネート、リ
ン酸エステル系界面活性剤及び炭素数10〜22の直鎖
脂肪酸の各成分を用いることを特徴としている。
【0013】ここで、ポリビニルアセタール系樹脂は、
耐熱滑性層の耐熱性を向上させ、また耐熱滑性層形成時
の成膜性を向上させるために使用されている。ポリビニ
ルアセタール系樹脂としては、例えば、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルブチラール等、又はこれらの混合物
もしくは共重合体等を使用することができる。
【0014】ポリイソシアネートは、架橋剤の機能を果
たし、耐熱滑性層の耐熱性を向上させるために使用され
ている。ポリイソシアネートとしては、分子中に少なく
とも2つ以上のイソシアネート基を有するイソシアネー
ト化合物であれば特に限定されず、例えば、トリレンジ
イソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、4,4´−キシレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス
(シクロヘキシル)イソシアネート、メチルシクロヘキ
サン−2,4(又は2,6)−ジイソシアネート、1,
3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソ
ホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジ
イソシアネート等を使用することができる。また、ジイ
ソシアネートとポリオールとを部分的に付加反応させた
ポリイソシアネートのアダクト体(ポリイソシアネート
プレポリマー)、例えば、トリレンジイソシアネートと
トリメチルプロパンとを反応させたアダクト体を使用す
ることができる。
【0015】リン酸エステル系界面活性剤は、主にサー
マルヘッドが高温のときの潤滑性能を向上させるために
使用されている。リン酸エステル系界面活性剤として
は、次の一般式で示されるものを使用することができ
る。
【0016】
【化1】〔RO(CHCHO)PO(OM)
(OH) (式中、Rはアルキル基又はアルキルアリル基、Mはア
ルカリ又はアルカリ土類金属、nはエチレンオキサイド
の付加数、xは1〜3の整数、yは0〜2の整数、zは
0〜2の整数を表し、x+y+z=3である。) 炭素数10〜22の直鎖脂肪酸は、主にサーマルヘッド
が低温〜中温のときの潤滑性能を向上させるために使用
されている。直鎖脂肪酸の炭素数が10未満であると潤
滑性能を向上させることが困難となり、炭素数が22を
超えると溶媒に溶けにくくなって耐熱滑性層を平滑に塗
布形成することが困難となるので、本発明においては炭
素数10〜22の脂肪酸を使用する。また、脂肪酸が分
岐を有すると潤滑性能の向上効果が低いので、直鎖脂肪
酸を使用する。脂肪酸が飽和脂肪酸であるか不飽和脂肪
酸であるかについては特に限定はない。本発明で使用す
る直鎖脂肪酸の好ましい例としては、カプリン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ベヘニン酸、オレイン酸、エルカ酸等をあげることがで
きる。
【0017】また、耐熱滑性層には、必要に応じて潤滑
性能を向上させるために無機充填剤を含有させることが
できる。無機充填剤としては、シリカ、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、ゼオライト、酸化チタン、酸化亜
鉛等を使用することができ、また窒化ホウ素、二硫化モ
リブデン、カーボングラファイト等の固体潤滑剤も使用
することができる。この他、耐熱滑性層には、必要に応
じて、シリコーンオイル等を含有させることができる。
【0018】耐熱滑性層をこのような各成分から形成す
るに際しては、各成分を予め混合して耐熱滑性層用組成
物を調製し、これをシート状基材にワイヤーバー等を用
いて塗布するか、又は印刷により塗布し、次いで加熱等
により硬化させればよい。
【0019】この場合、耐熱滑性層用組成物の組成とし
ては、その全固形分に対して、ポリビニルアセタール系
樹脂30〜80重量%、ポリイソシアネート5〜50%
重量%、リン酸エステル系界面活性剤5〜30重量%、
炭素数10〜22の直鎖脂肪酸1〜20重量%とするこ
とが好ましい。ここで、リン酸エステル系界面活性剤が
少なすぎると、サーマルヘッドが高温のときのスティッ
キングを防止することが困難となり、多すぎると裏移り
が生じる。また、炭素数10〜22の直鎖脂肪酸が少な
すぎるとサーマルヘッドが低温〜中温のときのスティッ
キングを防止することが困難となり、多すぎると裏移り
が生じる。さらに、これらリン酸エステル系界面活性剤
と炭素数10〜22の直鎖脂肪酸との合計量は、30重
量%以下とすることが好ましい。これにより、裏移りを
大きく抑制することができる。また、必要に応じて耐熱
滑性層に無機充填剤を含有させる場合には、耐熱滑性層
用組成物の固形分中、無機充填剤は1〜20重量%とす
ることが好ましい。 本発明の熱転写シートは、耐熱滑
性層を上記のような成分から形成する以外は従来の熱転
写シートと同様に構成することができる。
【0020】例えば、シート状基材は、ポリエステルフ
ィルム、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィル
ム等の樹脂シートや、コンデンサペーパ−、グラシン紙
等の紙類を使用することができる。
【0021】また、インク層としては、必要に応じて昇
華型熱転写記録用インク層あるいは熱溶融型熱転写記録
用インク層のいずれも設けることができるが、昇華型熱
転写記録用インク層を設けた場合には従来の裏移りの問
題を解消することができるので好ましい。昇華型熱転写
記録用インク層を設ける場合、このインク層は染料及び
バインダー樹脂から形成することができる。ここで染料
としては、昇華性染料等の種々の熱拡散性染料を使用す
ることができる。また、バインダー樹脂としては、例え
ば、ポリビニルブチラール(PVB)、セルロースアセ
テート(CAB)、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)、ポリスチレン(PS)等を使用することができ
る。
【0022】この他、インク層には、必要に応じて硬化
剤、触媒、剥離助剤(シリコーン樹脂等)等の種々の添
加剤を含有させることができる。
【0023】また、インク層は、一色のもののみ形成し
てもよく、複数色のものを面順次に形成してもよい。例
えば、図2(a)に示したように、イエローY、マゼン
タM、シアンC、ブラックBの各色の領域を順次形成す
ることができる。
【0024】また、被転写体に形成した転写画像の定着
性や耐擦過性等を向上させるために、被転写体に形成し
た転写画像上にラミネート層を形成する場合があるが、
このようなラミネート層を熱転写シートを用いて形成で
きるようにするために、図2(b)に示したように、熱
転写シートのインク層と同一面レベルに熱転写性のラミ
ネート層pを形成してもよい。この場合、ラミネート層
は、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等から形成すること
ができる。
【0025】さらに、染料受容層が形成されていない被
転写体に対しても良好に染料画像を形成できるように、
染料画像の転写に先立って、熱転写シートから被転写体
に染料受容層を転写する場合があるが、このような染料
受容層の転写のために、図2(c)に示したように、熱
転写シートのインク層と同一面レベルに熱転写性の染料
受容層qを形成してもよい。この場合、染料受容層は、
ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩
化ビニル等の染着性のよい熱可塑性樹脂から形成するこ
とができる。
【0026】本発明の熱転写シートは、シート状基材、
インク層及び耐熱滑性層の他、さらに必要に応じて、こ
れらの層間に各層の相互の接着性を向上させるために、
プライマー層を形成してもよい。このようなプライマー
層は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオー
ルとジイソシアネートからなるプレポリマー等から形成
することができる。
【0027】本発明の熱転写シートは、常法にしたがっ
て製造することができる。例えば、シート状基材の片面
に上述の耐熱滑性層用組成物を塗布し、硬化させて耐熱
滑性層を形成し、次に、シート状基材の反対面にインク
層形成用塗料を塗布し、加熱乾燥させてインク層を形成
することにより得ることができる。
【0028】また、本発明の熱転写シートは従来の昇華
型あるいは熱溶融型熱転写記録装置で使用することがで
きる。
【0029】
【作用】本発明の熱転写シートにおいては、耐熱滑性層
にリン酸エステル系界面活性剤と炭素数10〜22の直
鎖脂肪酸が配合されている。このリン酸エステル系界面
活性剤と直鎖脂肪酸はいずれも熱転写シートの潤滑性能
を向上させるが、このうちリン酸エステル系界面活性剤
は、高階調印画時のようにサーマルヘッドの高温時に内
部から表面にしみだし、潤滑性能を大きく向上させる。
一方、直鎖脂肪酸は、低〜中階調印画時のようにサーマ
ルへッドの低温〜中温時にも大きな潤滑性能を発揮す
る。
【0030】したがって、本発明の熱転写シートは、サ
ーマルヘッドの温度によらず、安定的に優れた耐熱滑性
を示すものとなる。
【0031】また、本発明によれば、サーマルへッドの
低温〜中温時の耐熱滑性を高めるために、耐熱滑性層中
にリン酸エステル系界面活性剤を高濃度に含有させるこ
とが不要となるので、裏移りの問題も解消することが可
能となる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0033】実施例1〜7、比較例1〜5 表1、表2に示した組成の耐熱滑性層用組成物を調製
し、これをPETフィルム(厚6μm)の一方の面上に
グラビアコータを用いて塗布し、50℃で48時間硬化
させ、乾燥厚1.0μmの耐熱滑性層を形成した。次
に、このPETフィルムの他方の面に、表3に示した組
成のインクを塗布し、乾燥させて乾燥厚1.0μmのイ
ンク層を形成し、実施例及び比較例の熱転写シートを作
製した。
【0034】
【表1】 注(*1)ポリビニルブチラール樹脂、BX−55、積水化
学(株)製 (*2)ポリイソシアネート、コロネートL、日本ウレタン
(株)製 (*3)リン酸エステル、プライサーフA208S、第一工
業製薬(株)製 (*4)タルク、ミクロエースL−1、日本タルク(株)製 (*5)アミン系触媒、デスモラピッドPP、住友バイエル
ウレタン(株)製 (*6)ミリスチン酸(炭素数14)、ルナックMY−9
8、花王(株)製 (*7)ステアリン酸(炭素数18)、ルナックS−90、
花王(株)製 (*8)オレイン酸(炭素数18)、ルナックO−LL、花
王(株)製 (*9)カプリン酸(炭素数10)、ルナック10−98、
花王(株)製 (*10) ベヘニン酸(炭素数22)、ルナックBA、花王
(株)製
【0035】
【表2】 注(*1)ポリビニルブチラール樹脂、BX−55、積水化
学(株)製 (*2)ポリイソシアネート、コロネートL、日本ウレタン
(株)製 (*3)リン酸エステル、プライサーフA208S、第一工
業製薬(株)製 (*4)タルク、ミクロエースL−1、日本タルク(株)製 (*5)アミン系触媒、デスモラピッドPP、住友バイエル
ウレタン(株)製 (*11) カプリル酸(炭素数8)、ルナック8−98、花
王(株)製 (*12) リグノセリン酸(炭素数24)、東京化成工業
(株)製、一級試薬 (*13) イソステアリン酸(炭素数18)、東京化成工業
(株)製、一級試薬
【0036】
【表3】 得られた熱転写シートを小巻にし、フルカラープリンタ
ー(UP−3000、ソニー(株)製)にて印画紙(U
P−3000用プリントメディアUPC3010、ソニ
ー(株)製)に12階調ステップ印画を行い、スティッ
キングの発生の有無を目視で調べた。そして、○:発生
しなかったもの、△:わずかに発生したもの、×:発生
したものの3段階に評価した。また、小巻にした熱転写
シートを60℃のオーブンに48時間保存し、その後、
耐熱滑性層上のマゼンタ染料の濃度をマクベス社製濃度
計TR−924を用いて測定した。そして、染料の耐熱
滑性層への移行の程度(裏移り)を、◎:濃度0.05
未満、○:濃度0.1未満、×:0.1以上の3段階に
評価した。この結果を表4に示す。
【0037】
【表4】 表4から、耐熱滑性層に、リン酸エステルと炭素数10
〜22の直鎖脂肪酸を含有する本発明の実施例において
は、スティッキングの発生がなく、裏移りも生じないこ
とがわかる。一方、リン酸エステルは実施例1と同濃度
含有するが、直鎖脂肪酸は含有しない比較例1において
は、裏移りは生じないがスティッキングが発生するこ
と、これに対して比較例2のように、リン酸エステル濃
度を増加させるとスティッキングの発生は防止できる
が、裏移りが生じることがわかる。また、比較例3、4
のように直鎖脂肪酸の炭素数が10〜22の範囲を逸脱
すると、スティッキングの防止効果が劣ることがわか
る。
【0038】
【発明の効果】本発明の熱転写シートによれば、高階調
印画時のようなサーマルヘッドの高温時だけでなく、低
〜中階調画像印画時のようなサーマルヘッドの低温時に
おいてもスティッキングを防止し、かつ染料の裏移りを
防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な熱転写シートの断面図である。
【図2】熱転写シートのインク層側の平面図である。
【符号の説明】
1 熱転写シート 2 シート状基材 3 インク層 4 耐熱滑性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基材の一方の面にインク層を有
    し、他方の面に耐熱滑性層を有する熱転写シートにおい
    て、耐熱滑性層が、固形分中ポリビニルアセタール系樹
    30〜80重量%、ポリイソシアネート5〜50重量
    、リン酸エステル系界面活性剤5〜30重量%及び炭
    素数10〜22の直鎖脂肪酸1〜20重量%を含有し、
    かつリン酸エステル系界面活性剤と炭素数10〜22の
    直鎖脂肪酸とを合計量で30重量%以下含有する耐熱滑
    性層用組成物の硬化物からなることを特徴とする熱転写
    シート。
  2. 【請求項2】 耐熱滑性層が、無機充填剤を含有する請
    求項1記載の熱転写シート。
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