JP2010052300A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】走行性及び保存安定性を向上させる。
【解決手段】基材シート2の一方の面2aに、染料を含有する熱転写染料層3を有するとともに、他方の面2bに耐熱滑性層4を有し、耐熱滑性層4に、特定の化学構造を有する脂肪酸エステル化合物の少なくとも1種を含有させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐熱滑性層に脂肪酸エステル化合物を用いた熱転写シートに関し、特に、転写時の走行性及び染料の保存安定性に優れた熱転写シートに関するものである。
昇華染料を用いた熱転写方式は、極めて短時間の加熱によって多数の色ドットを被転写材に転写させ、多色の色ドットによりフルカラー画像を再現するものである。
この熱転写方式では、熱転写シートとして、ポリエステルフィルム等の基材シートの一方の面に、昇華性染料とバインダとからなる染料層を設けた、いわゆる昇華型熱転写シートが用いられる。
熱転写方式では、サーマルヘッドにより、画像情報に応じて熱転写シートを背後から加熱し、染料層に含まれる染料を被転写材(印画紙)に転写させて画像を形成する。
このとき、熱転写シートでは、サーマルヘッドと接触する側の面が、低濃度印画から高濃度印画まで安定して低摩擦であることが要求される。一般に、熱転写シートには、サーマルヘッドと融着することを防止し、スムーズな走行性を付与するために、染料層が形成される面とは反対側の面に耐熱滑性層が設けられている。
ところで、熱転写シートにより印画紙に印画する際には、サーマルヘッドから耐熱滑性層に熱を加え、反対面の染料層中の染料を印画紙に転写させる。その発色濃度は、熱量に比例し、これに応じてサーマルヘッドの表面温度は、数百度単位で変化する。そのため、熱転写シートは、サーマルヘッド上を移動する際、温度変化によって、サーマルヘッド−耐熱滑性層間の摩擦係数が変化しやすくなる。熱転写シートは、サーマルヘッド−耐熱滑性層間の摩擦係数が変化すると、一定の速度で移動し難くなり、鮮明な画像を得ることができない。
例えば、摩擦係数が大きいときには、熱転写シートの移動が一時的に遅くなり、その部分だけ濃度が高くなる、いわゆるスティッキング(線状の印画ムラ)が発生する。
このスティッキングを防止するためには、特に高温での摩擦係数を低減させる必要がある。従来、この高温下の摩擦係数を低減させるための潤滑剤として、リン酸エステルや脂肪酸エステルが用いられ、耐熱滑性層中にリン酸エステルや脂肪酸エステルを含有させている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、一般的によく用いられるリン酸エステルや脂肪酸エステルは、サーマルヘッドからの熱により、揮発または分解してサーマルヘッドを汚染する。この汚染されたサーマルヘッドでさらに繰り返し印画すると、サーマルヘッド表面に付着物が焼き付き、その結果、印画時の印画ムラ等が発生する。
さらに、熱転写シートを巻回状態で保存した場合では、染料層と耐熱滑性層との接触が生じるため、特に高温の保存状態において、融点が低くかつ溶解力の高いリン酸エステルや脂肪酸エステルが染料層から一部染料を溶解してしまう。これにより、印画時に濃度の低下や印画ムラ等が発生する。
また、摩擦係数を低減させるための潤滑剤としては、シリコーンオイルが用いられる(例えば、特許文献2参照。)。
シリコーンオイルを用いた熱転写シートにおいても、シリコーンオイルが常温で液体であるため、熱転写シートを巻回状態で保存した場合、染料層と耐熱滑性層との接触が生じ、染料層から一部染料を溶解してしまう。これにより、印画時に濃度の低下や印画ムラ等が発生する。
特開平10−35122号公報 特開平04−329193号公報
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、加熱手段による加熱温度範囲において、安定な低摩擦係数を実現することができ、しかも加熱手段を汚染することなく、熱転写染料層に悪影響を及ぼすことなく保存安定性に優れた熱転写シートを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係る熱転写シートは、基材シートの一方の面に、染料を含有する熱転写染料層を有するとともに、この基材シートの他方の面に耐熱滑性層を有し、耐熱滑性層は、5〜40質量%の割合で、下記の化学式1で示される化合物と下記の化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物を含有するものである。
Figure 2010052300
Figure 2010052300
なお、化学式1、化学式2中のnは2以上12以下の整数である。
本発明では、耐熱滑性層中に、5〜40質量%の割合で、化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物を含有していることによって、優れた潤滑性が得られ、高温下においても低摩擦係数を達成することができる。また、本発明では、耐熱滑性層に含有されている化学式1で示される化合物及び化学式2で示される化合物が、高い融点を有し、低揮発性かつ難分解性であるため、加熱手段や染料層に悪影響を及ぼすこともなく、保存安定性を向上させることができる。
以下、本発明を適用した熱転写シートについて、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の熱転写シート1は、例えば図1に示すように、基材シート2の一方の面2aに熱転写染料層3が形成されるとともに、基材シート2の他方の面2bに耐熱滑性層4が形成されてなるものである。
基材シート2には、従来公知の各種基材を用いることができ、例えば、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム等を使用することができる。この基材シート2の厚さは任意であるが、例えば1〜30μm、好ましくは2〜10μmである。
基材シート2の印画紙と対向する側の面には、熱転写染料層3が形成されるが、この熱転写染料層3は、単色の場合には基材シート2の全面に連続層として形成される。また、フルカラー画像に対応するためには、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の熱転写染料層3が分離して順次形成されるのが一般的である。
図2は、位置検出のための検知マーク5、イエロー色熱転写染料層3Y、マゼンタ色熱転写染料層3M、シアン色熱転写染料層3Cが繰り返し形成された熱転写シート1の一例を示すものである。
ここで、イエロー、マゼンタ、シアンの形成順序は、必ずしもこの通りでなくともよい。また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の繰り返しでもよい。さらには、図3に示すように、各色の熱転写染料層3Y,3M,3C、又は単色の場合には各熱転写染料層3の間に検知マーク5を設けてもよい。
また、図4に示すように、熱転写染料層3の繰り返しの後に、印画後の印画面に転写して印画面を保護する透明な転写保護層6を設けてもよい。あるいは、図5に示すように、熱転写染料層3の繰り返しの前に、普通紙に転写するための転写型受容層7を設けておき、熱転写染料層3の転写に先だって普通紙表面に受容層を形成するようにしてもよい。
熱転写染料層3は、少なくとも各色染料とバインダとから構成されるが、ここで、バインダとしては従来公知のものを使用することができる。例えば、セルロース系、アクリル酸系、デンプン系等の水溶性樹脂、アクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、アセチルセルロース等の有機溶剤あるいは水に可溶性の樹脂等が挙げられる。記録感度及び熱転写シート1(転写体)の保存安定性の点から言えば、熱変形温度が70〜150℃のものが優れており、したがって、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が好ましい。
染料も任意のものを使用でき、例えばイエロー染料としては、アゾ系、ジシアゾ系、メチン系、ピリドンアゾ系等及びこれらの混合系、マゼンタ染料としては、アゾ系、アントラキノン系、スチリル系、複素環系アゾ色素及びこれらの混合系、シアン染料としては、インドアニリン系、アントラキノン系、ナフトキノン系、複素環系アゾ色素及びこれらの混合系が使用できる。
一方、熱転写染料層3と反対側の面2bは、サーマルヘッドと接触走行するため、耐熱滑性層4が設けられる。
この耐熱滑性層4は、バインダを主体とし、少なくとも潤滑剤が含有されている。
バインダとしては、従来公知のものがいずれも使用でき、例えば酢酸セルロースや、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等が使用可能である。また、バインダは、耐熱安定性等を考慮して、ポリイソシアネート化合物により架橋されていてもよい。
使用するポリイソシアネート化合物としては、分子中に少なくとも2以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物がいずれも使用できる。例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、トリメチル・ヘキサメチレンジイソシアネート等や、ジイソシアネートとポリオールとを部分的に付加反応させたアダクト体(ポリイソシアネートプレポリマー)、例えばトリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとを反応させたアダクト体等を使用することができる。
潤滑剤としては、下記の化学式1で示される化合物、及び、下記の化学式2で示される化合物を挙げることができる。耐熱滑性層4には、この化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物を含有させる。
Figure 2010052300
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化学式1及び化学式2中、nは2以上12以下の整数である。nを2以上とすることによって塗工性を良くすることができる。また、nを12以下とすることによって耐熱滑性層4が層分離することを防止することができる。
化学式1で示される化合物、及び、化学式2で示される化合物は、耐熱滑性層4に潤滑性を付与し、融点が高いため、熱転写シート1を巻回して、熱転写染料層3と耐熱滑性層4とが重なり合った状態で保存しても、熱転写染料層3(3Y、3M、3C)から染料を溶解させることがない。
以下に、化学式1で示される化合物、及び、化学式2で示される化合物を具体的に示す。
Figure 2010052300
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耐熱滑性層4には、5〜40質量%の割合で、化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物を添加する。この添加量が5質量%以上とすることによって、十分な効果が得られ、摩擦低減効果が十分となる。また、この添加量を40質量%以下とすることによって、耐熱滑性層4中のバインダの含有量が少なくなり過ぎず、塗膜物性を維持することができ、また染料保存性に悪影響を及ぼすこともない。なお、化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物とは、摩擦低減効果、塗膜物性、染料保存性等において互いに同等の作用効果を有する。このため、耐熱滑性層4に、化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の何れの1種の化合物を含有させても互いに同等の作用、効果が得られる。また、耐熱滑性層4に、化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の何れか1種の化合物を含有させた場合と、化学式1で示される化合物及び化学式2で示される化合物の2種の化合物を含有させた場合とでは、互いに同等の作用、効果が得られる。
また、化学式1で示される化合物及び化学式2で示される化合物は、融点が59℃以上であり、融点が高く低揮発性かつ難分解性である。含有させる化学式1で示される化合物の融点が50℃付近の場合、巻回して高温環境下で保存した際、熱転写染料層3(3Y、3M、3C)中の染料を溶解し、染料が耐熱滑性層4に移行してしまう。化学式1で示される化合物及び化学式2で示される化合物は、融点が59℃以上であり、低揮発性かつ難分解性であることによって、巻回して高温環境下で保存しても、染料が耐熱滑性層4に移行しない。これにより、印画時に濃度が低下したり印画ムラ等が発生することを防止でき、サーマルヘッドを汚染することも防止できる。
耐熱滑性層4には、化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物に加えて他の各種潤滑剤を混合してもよい。他の潤滑剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リン酸エステル、化学式1に示す化合物及び化学式2に示す化合物以外の脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド等を挙げることができる。中でも耐熱滑性層4の摩擦低減効果が得られるリン酸エステルが特に好ましく用いられる。
他の潤滑剤を混合する際の耐熱滑性層4への添加量は、潤滑剤全体(化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物と、他の潤滑剤との合計量)の耐熱滑性層4への添加量が50質量%以下となるようにすることが好ましい。潤滑剤全体の耐熱滑性層4への添加量が50質量%を超えるようにすると、相対的に化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物の割合が減少し、高温側の摩擦係数が上昇する。
また、耐熱滑性層4には、バインダ、化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物の他、必要に応じて例えば充填剤を含有させてもよい。
耐熱滑性層4に使用可能な充填剤としては、シリカ、タルク、クレー、ゼオライト、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボン等の無機充填剤や、シリコーン樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等からなる有機充填剤が使用可能である。ここで、充填剤としてのシリコーン樹脂は、巻回して保存した際に、熱転写染料層3と耐熱滑性層4との接触面が少なくなるように、凹凸を形成するとともに、滑りを良くする。これにより、耐熱滑性層4は、熱転写シート1を巻回して保存しても、熱転写染料層3との接触面積が少ないため、染料の移行をより抑えることができ、また、サーマルヘッドとの接触面が少なく、滑りが良くなるため、サーマルヘッドに対する摩擦が低減される。
ただし、充填剤の添加量が多すぎると、耐熱滑性層4の成膜時に乾燥不良を起こしたり、巻き取り状態においてブロッキングの原因になりやすいため、適宜、添加量を調整する。
以上のような構成からなる熱転写シート1では、耐熱滑性層4中に、化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物が含有されている。これにより、熱転写シート1は、耐熱滑性層4に潤滑性が付与され、高温環境下であっても、サーマルヘッドとの間の摩擦係数を低くし、摩擦係数を安定にすることができる。また、熱転写シート1では、耐熱滑性層4中に含有されている化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物の融点が高く、低揮発性かつ難分解性である。このため、熱転写シート1は、熱により溶解せず、印画時にサーマルヘッドを汚染せず、保存時に、高温環境下で巻回し保存しても、熱転写染料層3(3Y、3M、3C)中の染料を溶解せず、熱転写染料層3(3Y、3M、3C)に悪影響を及ぼすことなく、保存安定性に優れている。したがって、この熱転写シート1を用いて印画した場合には、走行速度が一定となり、サーマルヘッドが汚染されない。このため、熱が適切に熱転写染料層3(3Y、3M、3C)に伝わり、また、保存時の染料の溶解を防止できるため、印画濃度の低下や印画ムラ等が発生せず、高品位な画像を形成することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果をもとに詳細に説明する。先ず、脂肪酸エステル化合物について説明する。
<化合物1>
エチレングリコールジステアリレート(日本油脂製、商品名ユニスターE275)を用いた。この化合物1の融点は63℃である。なお、化合物1は、上記化学式3に示す化合物である。
<化合物2の合成>
1,6-ヘキサンジオール0.5gとステアリン酸クロリド(日本油脂製)3.2gとをトルエン100ml中で、24Hr還流反応した。
次に、有機溶媒を除去、冷却して固形物を得た。この固形物をアセトンに溶解し、再結晶させ、濾過、乾燥して目的物の化合物2を得た。この化合物2の融点は、64℃である。なお、化合物2は、上記化学式5に示す化合物である。
<化合物3の合成>
1,12-ドデカンジオール1.0gとステアリン酸クロリド(日本油脂製)3.6gとをトルエン100ml中で、24Hr還流反応した。
次に、有機溶媒を除去、冷却して固形物を得た。この固形物をアセトンに溶解し、再結晶させ、濾過、乾燥して目的物の化合物3を得た。この化合物3の融点は、70℃である。なお、化合物3は、上記化学式6に示す化合物である。
上記化合物1〜3を用いて、以下の手法により熱転写シートを作成した。
先ず、厚さ6μmのポリエステルフィルム(東レ社製、商品名ルミラー)を基材シートとし、その一方の面に下記インク組成物を乾燥後厚さ1μmとなるように塗布、乾燥した。
<イエローインク>
フォロンイエロー(サンドス社製) 5.0重量部
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、商品名BX−1) 5.0重量部
メチルエチルケトン 45.0重量部
トルエン 45.0重量部
<マゼンタインク>
フォロンレッド 2.5重量部
アントラキノン系染料(住友化学社製、商品名ESC451) 2.5重量部
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、商品名BX−1) 5.0重量部
メチルエチルケトン 45.0重量部
トルエン 45.0重量部
<シアンインク>
フォロンブルー(サンドス社製) 2.5重量部
インドアニリン染料(構造式を下記の化学式12に示す。) 2.5重量部
ポリビニラール樹脂(積水化学社製、商品名BX−1) 5.0重量部
メチルエチルケトン 45.0重量部
トルエン 45.0重量部
Figure 2010052300
次に、熱転写染料層が塗布された基材シートの反対側の面に、下記の組成よりなる耐熱滑性層を乾燥後厚さ0.5μmとなるように塗工し、実施例1〜実施例13の熱転写シートを得た。
(実施例1)〜(実施例13)
<耐熱滑性層組成>
ポリアセタール系樹脂 100重量部
(電気化学工業社製、商品名デンカブチラール#3000K)
ポリイソシアネート 20重量部
(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートL 固形分濃度45wt%)
球状シリカ 3重量部
(東芝シリコーン社製、トスパールXC99)
有機溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1) 1900重量部
化合物1〜化合物3、シリコーン化合物、リン酸エステルの種類及び添加量については、以下の表1に示す。なお、表1中の質量%は、形成した耐熱滑性層4に含まれる潤滑剤の質量の割合を示す。
Figure 2010052300
なお、ここで用いたリン酸エステルは東邦化学工業社製、商品名PHOSPHANOL RL−210である。
(比較例1)〜(比較例12)
実施例1〜実施例3と同様に、熱転写染料層が塗布された基材シートの反対側の面に、下記の組成よりなる耐熱滑性層を乾燥後厚さ0.5μmとなるように塗工し、熱転写シートを得た。
<耐熱滑性層組成>
ポリアセタール系樹脂 100重量部
(電気化学工業社製、商品名デンカブチラール#3000K)
ポリイソシアネート 20重量部
(日本ポリウレタン工業社製、商品名コロネートL)
球状シリカ 3重量部
(東芝シリコーン社製、トスパールXC99)
有機溶剤(メチルエチルケトン:トルエン=1:1) 1900重量部
比較例の潤滑剤には、ミリスチン酸(花王社製、ルナックMY−98)、ステアリン酸ブチル(日光ケミカル社製、NIKKOL BS)、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル(日光ケミカル社製、商品名NIKKOL HEXAGLYN−5S)、リン酸エステル(東邦化学工業社製、商品名PHOSPHANOL RL−210)、シリコーンオイル(チッソ製、商品名FM−4425)を表1に示す割合で添加、混合し、実施例1〜実施例3と同様に熱転写シートを作成した。
これら実施例及び比較例として作成した熱転写シートについて、摩擦係数、走行性、スティッキング、染料保存性、サーマルヘッドの汚染性を測定した。なお、摩擦係数は、図6に示す摩擦測定機10を用いて測定した。この摩擦測定機10は、熱転写シート1及び印画紙Rをサーマルヘッド11及びプラテンロール12で挟み込み、テンションゲージ13で熱転写シート1及び印画紙Rを引き上げ、テンションを測定するものである。測定条件は下記の通りである。
<測定条件>
熱転写シート送りスピード:450mm/分
信号設定
印字パターン:2(Stair Step)
原稿:3(48/672ライン、14ステップ)
ストローブ分割:1
ストローブパルス幅:20.0m秒
印字スピード:22.0m秒/1ライン
クロック:3(4MHz)
ヘッド電圧:18.0V
また、走行性、スティッキング、サーマルヘッド汚染性は、以下に示す方法を用いて評価した。すなわち、得られた熱転写シートをソニー株式会社製フルカラープリンタ(商品名UP−D7000)に装着し、印画紙(ソニー株式会社製、商品名UPC7010)に階調印画(16階調)し、目視にて走行性(印画ムラ、しわ発生、印画ずれ)及びスティッキングを調べた。
走行性については、良好なものを◎、しわ等が発生したものを×とした。スティッキングは、発生しなかったものを◎、発生したものを×とした。
サーマルヘッド汚染性は、階調印画を5000回繰り返した後、光学顕微鏡にてサーマルヘッド表面を観察し、良好なものを◎、付着物が観察されて汚れていたものを×とした。
さらに、染料保存性については、得られた2枚の熱転写シート(20cm×20cm)の熱転写染料層と耐熱滑性層を重ね合わせ、2枚のガラス板に挟み、上から5kgの重りで荷重をかけ、50℃のオーブンに入れて48時間保存した。保存前と保存後の熱転写シートについて、ソニー株式会社製フルカラープリンタ(商品名UP−D7000)に装着して印画紙(ソニー株式会社製、商品名UPC7010)に階調印画(16階調)し、各色の最高濃度をマクベス濃度計(商品名TR−924)による反射濃度測定により測定した。保存後最高濃度/保存前最高濃度×100(%)を算出し、染料保存性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2010052300
表2に示す結果から、化合物1〜化合物3の何れかが耐熱滑性層に含有されている実施例1〜実施例13では、いずれも走行性が良好で、摩擦増加に伴うスティッキングが確認されず、鮮明な画像が得られた。また、実施例1〜実施例13では、染料保存性についても、大部分で90%以上が達成され、実用上、問題のないものであった。さらには、実施例1〜実施例13では、サーマルヘッドを観察したところ、サーマルヘッド表面の汚染は発生せず、繰り返し印画に影響を与えず良好な画像が得られた。
一方、脂肪酸や脂肪酸エステルを使用した比較例1〜比較例3では、いずれもサーマルヘッドを観察すると、サーマルヘッド表面に付着物が発生し、ヘッド汚染が生じていた。
リン酸エステルを単独で用いた比較例4では、染料保存性において、保存後に濃度の大幅な低下が見られ、やはり満足のいく結果は得られなかった。
シリコーンオイルを用いた比較例5では、摩擦係数の低いフィルムを得ることはできたが、やはり染料保存性において、保存後に濃度の大幅な低下が見られ、満足のいく結果は得られなかった。また、比較例5では、サーマルヘッドを観察すると、サーマルヘッド表面にオイル付着が発生し、サーマルヘッド汚染が生じていた。
また、比較例6、8、10では、それぞれ化合物1、化合物2、化合物3が少量であるため、摩擦係数において満足のいく結果が得られなかった。また、比較例7においては、染料保存性が悪く、比較例9、11においては、摩擦係数において満足のいく結果が得られなかった。さらに、比較例12においては、摩擦係数は低い結果となったが、染料保存性が悪化していた。また、この比較例12において、サーマルヘッドを観察すると、オイル状のものが付着しており、サーマルヘッドに汚染が生じていた。
以上より、熱転写シートにおいて、耐熱滑性層中に化学式1で示される化合物と化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物を含有させることによって、サーマルヘッドとの摩擦係数を低減でき、走行性が良好であり、スティッキングも防止でき、また、染料保存性も良く、サーマルヘッドの汚染も防止できるため、良好な画像が得られること分かる。
熱転写シートの構成例を示す概略断面図である。 熱転写シートの構成例を示す概略平面図である。 各染料層の間に検知マークを設けた熱転写シートの一例を示す概略平面図である。 転写保護層を設けた熱転写シートの一例を示す概略平面図である。 転写受容層を設けた熱転写シートの一例を示す概略平面図である。 摩擦測定機の概略構成を示す模式図である。
符号の説明
1 熱転写シート、2 基材シート、3 熱転写染料層、4 耐熱滑性層

Claims (3)

  1. 基材シートの一方の面に、染料を含有する熱転写染料層を有するとともに、当該基材シートの他方の面に耐熱滑性層を有し、
    上記耐熱滑性層は、5〜40質量%の割合で、下記の化学式1で示される化合物と下記の化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物を含有する熱転写シート。
    Figure 2010052300
    Figure 2010052300
    (nは2以上12以下の整数である。)
  2. 上記化学式1で示される化合物及び上記化学式2で示される化合物の融点が59℃以上である請求項1記載の熱転写シート。
  3. 上記耐熱滑性層は、さらにリン酸エステルを含有する場合には、上記化学式1で示される化合物と上記化学式2で示される化合物との内の少なくとも1種の化合物と、上記リン酸エステルと、を上記耐熱滑性層中に合計50質量%以下で含有する請求項1記載の熱転写シート。
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