JP2014143850A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンバイナの移動に伴う振動の発生を抑制可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】マイクロコンピュータ100は、コンバイナ3の移動速度を変化させるべくステッピングモータ62を制御している時間帯の少なくとも一部分においては、ステッピングモータ62のステップ角の間隔よりも小さな角度ずつ励磁信号の電気角が変化するマイクロステップ駆動によりステッピングモータ62の駆動を制御する。
【選択図】図8

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイ装置に関する。
自動車等の車両においては、運転に必要な情報や車両の状態を表す情報を運転者に提供するために、種々の計器類を組み込んだメータユニット(表示装置)が運転席前方に装備されている。このような表示装置に関して、従来より、視認性の向上等を目的として様々な技術が開発されている。
例えば、表示面上に虚像として結像されたナビゲーション情報等の各種情報を含む表示像と外景とを重畳して車両の乗員に視認させるための装置であるヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置と称する場合がある。)が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。一般的に、HUD装置では、表示する光の像を光投射装置からコンバイナ(反射板、ハーフミラー又は透明板)の表面に向けて投射する。そして、運転者は、コンバイナの表面で反射した像を視認する。
特開2005−208436号公報 特開2012−23806号公報
ところで、車両用のHUD装置は、光学系に可動部を有している場合がある。例えば、HUD装置が結像する虚像が見える視点の位置を調整するために、光の像を反射するコンバイナ等の部材の位置や傾きを調整する機構を有する場合がある。また、使用者がHUD装置を使用しない時にはコンバイナをインストルメントパネルの内空間に格納し、使用するときにだけコンバイナをポップアップ状態でインストルメントパネルの上方に露出させる機能を有する場合もある。
例えば、特許文献1に開示されているHUD装置においては、コンバイナに相当する反射手段の傾きを調整する駆動機構を有しており、当該反射手段を開閉できるように構成してある。また、特許文献1においては、反射手段を開閉するための駆動機構に直流モータを用い、反射手段の傾きの角度を調整するための駆動機構にステッピングモータを用いている。
また、特許文献2に開示されているHUD装置においては、コンバイナに相当する反射鏡の傾きを調整するために、ステッピングモータを用いている。さらに、ステッピングモータを駆動する際に、フルステップ駆動とマイクロステップ駆動とを使い分けるように制御している。より具体的には、反射鏡の傾きの調整動作において、傾きを連続調整する場合にはマイクロステップ駆動を使用し、傾きを微調整する場合にはフルステップ駆動を使用している。当該連続調整と微調整とは、使用者による操作の継続時間の長さに基づいて判別している。
一般的に、電気モータは回転可能な回転子(ロータ)と、その外側に配置された固定子とで構成される。また、PM(永久磁石)型のステッピングモータの場合には、円周上にN極とS極とを交互に着磁した磁性体がマグネットロータとして用いられる。また、ステッピングモータの固定子には、複数の巻線が用意される。巻線の構成に関しては、二相(二組の巻線)が一般的であるが、三相構成の巻線を用いる場合もある。固定子の各巻線に電流を流して励磁することにより、固定子の各極と回転子の各極との間に磁気吸引力又は磁気反発力が働き、特定の位置まで回転子が回転し安定した状態で停止する。また、固定子の各巻線に流す電流を順次に切り替えることにより、回転子を特定の方向に回転させたり逆方向に回転させたりすることができる。
このような構造であるため、ステッピングモータには、マグネットロータの回転位置が定まる安定点が励磁信号の所定の電気角毎に存在している。固定子の各巻線に流す電流のオンオフを二値的に順次に切り替えることにより、前記安定点の間隔に相当するステップ角度ずつ電気角を変化させて、回転子の回転量を制御することができる。このような制御がフルステップ駆動である。
一方、固定子の複数の各巻線に流す電流の比率を調整すれば、前記安定点の間隔よりも小さな角度ずつ電気角を変化させて、回転子の回転位置を制御することができ、回転子の回転位置を滑らかに変更することができる。このような制御がマイクロステップ駆動である。
ところで、例えばポップアップ式のHUD装置において、格納状態であるコンバイナをインストルメントパネルの上方に露出させる場合のように、コンバイナ等の可動部を比較的長い距離に亘って移動しようとする場合、短い時間で目標位置まで移動することが好ましい。したがって、駆動源にステッピングモータを採用している場合には、フルステップ駆動でモータを制御することが一般的である。一方、コンバイナの傾きを調整する場合のように、位置の微調整を必要とする場合には、マイクロステップ駆動でモータを制御することが一般的である。
ところが、従来のHUD装置においては、コンバイナ等の可動部を比較的長い距離に亘って移動しようとする場合、コンバイナ等の部材に物理的な振動が発生し、表示像にブレが生じたり、比較的大きな作動音が生じたりする場合があった。この振動の原因については、駆動時に発生する振動の周波数と、ステッピングモータ等の駆動部の固有振動数とが一致して共振するためであると考えられる。特に、コンバイナ等の部材を移動して停止する直前に、或いはコンバイナ等の部材の格納位置への移動を開始した直後、つまりステッピングモータの加速・減速時に振動が発生しやすい。
また、ステッピングモータの駆動軸と可動部であるコンバイナ等の部材とを連結する駆動機構には、複数の歯車が用いられている場合が多く、歯車同士が噛み合っている箇所に存在する遊びによるバックラッシュがある。このようなバックラッシュの影響によっても、上述した移動停止直前又は移動開始直後における、コンバイナ等の部材に生じる振動が大きくなる傾向があると本願の発明者は認識している。
この結果、HUD装置の可動部が滑らかに動いていないような印象や、作動による不快感を使用者に与えてしまい、商品価値が低下してしまう虞があった。
仮に、コンバイナ等の可動部を比較的長い距離に亘って移動しようとする際に、上述のマイクロステップ駆動を採用すれば、振動の発生を抑制できるので、コンバイナ等の部材のぶれや作動音の発生を抑制可能である。しかしながら、後述するように、マイクロステップ駆動の場合には、フルステップ駆動と比べて駆動トルクが低下する(例えば、70%程度低下する。)ので(図11参照。)、モータの最大応答周波数が下がってしまうという問題がある。即ち、マイクロステップ駆動では、コンバイナ等を比較的長い距離に亘って短時間で移動させる必要のある用途では、所望の移動速度が得られない場合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みて為されたものであり、コンバイナの移動に伴う振動の発生を抑制可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 制御部と、
該制御部により駆動が制御されるステッピングモータと、
該ステッピングモータを収容する筐体と、
該筐体から展開可能に且つ該筐体に格納可能に設けられ、前記ステッピングモータの駆動力により、該筐体から展開した展開位置と前記筐体に格納した格納位置との間でスライド移動するコンバイナと、
を備えるヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記制御部は、前記展開位置と前記格納位置との間における駆動開始位置から目標位置まで前記コンバイナが移動するように前記ステッピングモータの駆動を制御する際に、
前記コンバイナの移動速度を変化させるべく制御している時間帯の少なくとも一部分においては、前記ステッピングモータのステップ角の間隔よりも小さな角度ずつ励磁信号の電気角が変化するマイクロステップ駆動により制御する、
こと。
上記(1)の構成のヘッドアップディスプレイ装置によれば、展開位置と格納位置との間における駆動開始位置から目標位置までコンバイナが移動する際に、回転子に振動が発生し易い時間帯である、コンバイナの移動速度が変化する加速時及び減速時の少なくとも一部分において、回転子の回転位置を滑らかに変更可能なマイクロステップ駆動によってステッピングモータの駆動が制御される。したがって、コンバイナの移動に伴う振動の発生が抑制される。
(2) 上記(1)の構成のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記制御部は、前記駆動開始位置から前記目標位置まで前記コンバイナが移動するように前記ステッピングモータの駆動を制御する際に、
前記コンバイナの駆動開始後、前記コンバイナを所定の速度まで加速させるべく制御している時間帯においては、前記マイクロステップ駆動により制御し、
当該時間帯の後においては、前記ステップ角の間隔ずつ前記電気角が変化するフルステップ駆動に切り替えて制御する、
こと。
上記(2)の構成のヘッドアップディスプレイ装置によれば、コンバイナの移動速度を所定の速度まで増加させる際にマイクロステップ駆動を適用するので、コンバイナの振動の発生を抑制できる。また、当該所定の速度まで加速した後はフルステップ駆動に切り替えるので、移動に要する時間を低減できる。例えば、マイクロステップ駆動によってコンバイナの移動速度が共振速度帯を超えるまで加速し、その後、フルステップ駆動に切り替え、一定速度で移動させる又は更に加速させることが考えられる。これにより、コンバイナに振動が発生し易い速度帯ではマイクロステップ駆動を適用して振動の発生を抑制しつつ、それ以外の速度帯ではフルステップ駆動を適用して移動時間を低減できる。
(3) 上記(2)の構成のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記制御部は、前記駆動開始位置から前記目標位置まで前記コンバイナが移動するように前記ステッピングモータの駆動を制御する際に、
前記コンバイナの駆動開始後、該コンバイナを所定の速度まで加速させるべく制御している時間帯においては、前記マイクロステップ駆動により制御し、
当該時間帯の後、前記コンバイナを該所定の速度で移動させるべく制御している時間帯においては、前記フルステップ駆動に切り替えて制御する、
こと。
上記(3)の構成のヘッドアップディスプレイ装置によれば、コンバイナの移動速度を所定の速度まで増加させる際にマイクロステップ駆動を適用するので、コンバイナの振動の発生を抑制できる。また、当該所定の速度まで加速した後、当該所定の速度(一定速度)で移動させる際にはフルステップ駆動を適用するので、移動に要する時間を低減できる。
(4) 上記(2)及び(3)のいずれか1つの構成のヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記制御部は、前記電気角が前記ステップ角と一致する時点で、前記ステッピングモータの駆動が、前記マイクロステップ駆動から、前記フルステップ駆動に切り替わるように前記ステッピングモータの駆動を制御する、
こと。
上記(4)の構成のヘッドアップディスプレイ装置によれば、電気角がステップ角と一致する時点で、マイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替わるため、円滑な切り替えが可能になり振動の発生を防止できる。
本発明のヘッドアップディスプレイ装置によれば、コンバイナの移動に伴う振動の発生を抑制可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、HUD装置を搭載した車両の車室内の外観を示す斜視図である。 図2は、HUD装置の外観を示す斜視図である。 図3は、図1に示した車両におけるHUD装置の断面構造の概要を示す縦断面図である。 図4(A)〜図4(C)は、実施形態のHUD装置においてコンバイナを動かすための機構部の3種類の状態のそれぞれを示す斜視図である。 図5は、実施形態のHUD装置の電気回路の構成を示すブロック図である。 図6は、実施形態のHUD装置におけるコンバイナ起動制御の内容を示すフローチャートである。 図7は、実施形態のHUD装置におけるコンバイナ格納制御の内容を示すフローチャートである。 図8は、図6に示したコンバイナ起動制御に対応する各部の動作タイミングの具体例を示すタイムチャートである。 図9(a)〜図9(d)は、図8の動作における各部の状態変化を表す状態遷移図である。 図10は、図7に示したコンバイナ格納制御に対応する各部の動作タイミングの具体例を示すタイムチャートである。 図11は、マイクロステップ駆動及びフルステップ駆動に関する周波数―トルク特性の具体例を示すグラフである。 図12は、マイクロステップ駆動及びフルステップ駆動に関するベクトル図である。 図13は、加速時におけるマイクロステップ駆動及びフルステップ駆動の制御信号の切り替えタイミングと回転角度との関係を示すグラフである。 図14は、加速時におけるマイクロステップ駆動及びフルステップ駆動の切り替えタイミングと負荷の大きさとの関係を示すグラフである。
本発明のHUD装置に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<装置の設置形態及び外観の説明>
図1は、HUD装置1を搭載した車両の車室内の外観の具体例を示す斜視図、図2は、HUD装置1の外観を示す斜視図である。
図1に示したHUD装置1は、運転席の前方のインストルメントパネルPに一部分が埋め込まれ一部分が上方に露出した状態で設置されている。また、図2に示すように、HUD装置1はコンバイナ3を備えている。コンバイナ3はハーフミラーや透明板、又はスモーク系の色の板であり、表面に光反射面を有し、且つ背面側(フロントウインドシールドW側)から入射した光を透過する特性を有している。
HUD装置1が表示する可視情報を含む光は、HUD装置1の本体内部からコンバイナ3に投射され、コンバイナ3の表面で反射した光の像が、この車両を運転する運転者の目の位置(図3中の「アイポイント」の位置)に投影される。
したがって、運転者は、HUD装置1のコンバイナ3で反射して投影された光の像と、フロントウインドシールド(窓ガラス)Wを通して見える前方の風景とを重ね合わせた状態で同時に視認することができる。HUD装置1が投影する光の像は、実際には存在しない位置に虚像として結像され運転者に視認される。
<装置構成の概要の説明>
図3は、図1に示した車両におけるHUD装置1の断面構造の概要を示す縦断面図である。図3に示すように、HUD装置1は、ベース2、コンバイナ3、光投影部4、カバー5、駆動部6、案内部10等を備え、これらの構成要素のほとんどはインストルメントパネルPの下方に配置されている。
ベース2は、車体側に固定されており、移動可能な状態でコンバイナ3を支持している。HUD装置1は、ベース2を含んで構成される筺体(以下、単にベース2と称する場合がある。)の内部に各部材が収容されて構成される。コンバイナ3は、案内部10に沿って上下方向(Z軸方向)にスライド移動可能であり、ベース2の内側に格納した格納位置と、図3に示したようにベース2から展開した展開位置との間で位置を変えることができる。カバー5は、コンバイナ3がベース2の内側に格納した状態の時に、コンバイナ3の上方を覆うことができる。
また、コンバイナ3は後述する機構を介して駆動部6と連結されている。駆動部6は、コンバイナ3を格納位置と展開位置との間で位置決めすることができる。
インストルメントパネルPの下方に配置されている光投影部4は、様々な可視情報を表示可能な透過型の液晶表示パネル及びバックライトを備えている。液晶表示パネルの画面に表示される可視情報の像は、背面のバックライトにより照明される。この照明光により、可視情報を含む光の像が、図3に示すようにインストルメントパネルPの開口部を経由して、コンバイナ3に投射される。そして、コンバイナ3の表面で反射した光が、アイポイントに向かって投影される。このアイポイントから見える可視情報は、例えば図3に示すS1の位置に虚像として結像される。
<機構部の説明>
図4(A)〜図4(C)は、図3に示したHUD装置1においてコンバイナ3を動かすために設けられた機構部の3種類の状態のそれぞれを示す斜視図である。図4(A)はコンバイナ3がベース2に格納している状態を表している。図4(B)及び図4(C)は、コンバイナ3がベース2から展開した位置に移動した状態を表している。また、図4(C)に示すように、コンバイナ3は、前方に向けて回転することによって傾きを変更できる。
尚、以下、説明の簡略化のために、HUD装置1の機構部については簡潔に説明する。当該機構の詳細に関しては、必要であれば、例えば本願の出願人による先の出願である特願2012−185024の記載を参考にされたい。
<構成の概要>
図4(A)〜図4(C)に示したように、コンバイナ3は保持部材7に保持されている。また、保持部材7には、移動部材8が回動自在に連結されている。また、保持部材7を移動部材8に近接させる力を与えるためにコイルばね9が設けてある。このコイルばね9は、一端が保持部材7に固定され、他端が移動部材8に固定されている。
案内部10は、ベース2に対して移動部材8が上下方向(展開方向/格納方向)に沿ってスライド移動できるように案内する。案内部10は、一対のプレート16を有している。また、各プレート16には、ガイド溝16A及びラック16Bが形成されている。
また、コンバイナ3の傾きを調整するために、リンク部材11が設けられている。リンク部材11は、一端側が駆動部6に回動自在に軸支され、他端側が保持部材7に回動自在に軸支されている。
駆動部6は、雌ねじ部60、送りねじ61、ステッピングモータ62、駆動ギア63、従動ギア64等の構成要素を備えている。雌ねじ部60は、保持部材7の上端部にリンク部材11を介して連結されている。送りねじ61は、雌ねじ部60と螺合している。ステッピングモータ62は、送りねじ61を回転させる。駆動ギア63は、ステッピングモータ62の駆動軸に固定されている。従動ギア64は、駆動ギア63と噛み合って、駆動力を送りねじ61に伝達する。これらの各部材は支柱65により支持されている。
<コンバイナ移動時の動作>
ステッピングモータ62を駆動すると、ステッピングモータ62の駆動力が駆動ギア63から従動ギア64に伝達され、送りねじ61が回転する。これにより、送りねじ61の雄ねじと雌ねじ部60との相対回転に伴って雌ねじ部60が展開方向(上方)に移動し、雌ねじ部60に固定されている移動部材8及び保持部材7が展開方向に移動する。これによりコンバイナ3が移動し、ガイド溝16Aの上端部まで図示しないガイドピンが到達すると、上方向への移動が機械的に規制され移動が止まる。上記の動作が、図4(A)に示した状態から図4(B)に示した状態への変化に相当する。即ち、コンバイナ3は、ベース2(筺体)から展開可能且つベース2に格納可能に設けられ、ステッピングモータ62の駆動力により、展開位置と格納位置との間でスライド移動可能に設けられている。
<角度変更時の動作>
図4(B)に示す状態においてステッピングモータ62を駆動すると、リンク部材11の一端側が更に上方に移動され、これに伴ってリンク部材11の他端側に連結された保持部材7が回動され、保持部材7が移動部材8から離れる方向に傾倒する。これにより、保持部材7に保持されているコンバイナ3が傾き、図4(C)に示す状態となる。
つまり、図4(A)に示すように、コンバイナ3が格納位置にある状況から、ステッピングモータ62を所定方向に駆動することにより、図4に示す状態(B)のように、展開位置まで移動し、更に図4に示す状態(C)のようにコンバイナ3を所望の傾きに調整することができる。
また、ステッピングモータ62を逆方向に駆動すれば、図4(C)の状態から、図4(B)の状態を経由して、図4(A)に示す格納位置までコンバイナ3の位置を移動することができる。
<電気回路の構成>
図5は、HUD装置1の電気回路の構成を示すブロック図である。図5に示した電気回路には、HUD装置1の制御を実施するマイクロコンピュータ(CPU:Central Processing Unit)100が備わっている。マイクロコンピュータ100は、制御部として機能し、内部メモリ上に予め保持されている所定のプログラムを実行することにより、HUD装置1の制御に必要な様々な機能を実現する。マイクロコンピュータ100の具体的な動作については後で説明する。
図5に示すように、マイクロコンピュータ100の入力ポート及び出力ポートには、検出回路111、駆動バッファ112、インタフェース(I/F)113,115、電源部114、起動/格納スイッチ(UP/DOWNSW)116、調整スイッチ(ADJ.F SW,ADJ.R SW)117,118、及び表示駆動部130が接続されている。
検出回路111は、HUD装置1の筐体内部に配置されているマイクロスイッチSW1,SW2が出力する電気信号を処理してマイクロコンピュータ100に与える。
一方のマイクロスイッチSW1は、コンバイナ3が格納位置の近傍で特定の位置を横切って移動する時に、当該移動を検知して出力のオンオフ状態が切り替わる。もう一方のマイクロスイッチSW2は、コンバイナ3が展開位置の近傍で特定の位置を横切って移動する時に、当該移動を検知して出力のオンオフ状態が切り替わる。
マイクロコンピュータ100は、マイクロスイッチSW1,SW2から出力される信号の状態を検出回路111を介して監視することにより、コンバイナ3の現在の位置を把握することができる。
駆動バッファ112は、マイクロコンピュータ100から出力される制御信号に従ってステッピングモータ62の各励磁コイルの通電を制御する。ステッピングモータ62は、後述するように、固定子側にA相とB相の2組の励磁コイルを有している。駆動バッファ112は、ステッピングモータ62の2組の励磁コイルの各々の一端及び他端に印加する電圧を独立して切り替える複数のスイッチング素子(トランジスタ等)を内蔵している。また、駆動バッファ112は、パルス幅制御(PWM:pulse width modulation)により各励磁コイルに流す電流の大きさを調整することもできる。また、駆動バッファ112は、A相とB相の2組の励磁コイルに流す電流の比率を細かく調整することにより、マイクロステップ駆動によりステッピングモータ62を駆動することができる。ステッピングモータ62の駆動方式の詳細については後述する。
表示駆動部130は、マイクロコンピュータ100の制御に従って、光投影部4に備わっている表示デバイスの表示を制御する。この表示デバイスは、具体的には透過型の液晶表示パネルである。マイクロコンピュータ100は、表示駆動部130を介して、液晶表示パネルの表示/非表示、表示する可視情報(文字、図形、画像等)の内容、表示濃度等を制御することができる。尚、マイクロコンピュータ100にグラフィック制御機能が無い場合には、表示駆動制御用としてGDC(Graphic Display Controller)を使用しても構わない。
この液晶表示パネルを背面側から照明するためにバックライト131が備わっている。インタフェース113は、マイクロコンピュータ100から出力される制御信号に従って、バックライト131の通電を制御し、照明の点灯/消灯及び照明の明るさを制御することができる。
電源部114は、車上バッテリー121から供給される直流電力(例えば、+12V。)に基づき、マイクロコンピュータ100等の回路の動作に必要な安定した直流電圧(例えば、+5V。)を生成し各回路に供給する。
インタフェース115は、車両に備わっているイグニッションスイッチIGSのオンオフ状態を表す電気信号をマイクロコンピュータ100の入力ポートに与える。
起動/格納スイッチ116は、使用者(運転者)が操作可能なスイッチであり、HUD装置1に起動及び格納の指示を与えるために使用される。HUD装置1が起動していない初期状態で使用者が起動/格納スイッチ116を押下すると、「起動」の指示が発生する。この「起動」の指示に従って、後述するように、コンバイナ3はベース2の内部に格納し格納されている状態から、ベース2から展開する位置まで移動する。また、HUD装置1が既に起動している状態で使用者が起動/格納スイッチ116を押下すると、「格納」の指示が発生する。この「格納」の指示にしたがって、後述するように、コンバイナ3はベース2から展開した位置から、ベース2の内部に格納した位置まで移動する。
調整スイッチ117及び118は、使用者が操作可能なスイッチであり、HUD装置1使用時のコンバイナ3の傾きを調整するために利用される。調整スイッチ117はコンバイナ3の傾きをF(フロント)側に向けて調整する際に使用され、調整スイッチ118はR(リア)側に向けて調整する際に使用される。
<装置の主要な制御動作の説明>
<コンバイナ起動制御>
本実施形態のHUD装置1におけるコンバイナ起動制御の内容を図6に示す。即ち、HUD装置1を起動するために、コンバイナ3を図4(A)に示す格納位置から図4(C)に示す展開位置まで移動する際に、マイクロコンピュータ100が図6に示した制御を実施する。図6に示した制御の内容について以下に説明する。尚、以下に説明するように、本実施形態のHUD装置1では、マイクロコンピュータ100は、ステッピングモータ62の駆動を制御することによって、コンバイナ3を含む可動部の駆動を制御する。
ステップS11では、マイクロコンピュータ100は、マイクロコンピュータ100に対する起動指示(ウエイクアップ指示)が入力されるまで例えばスリープ状態で待機して、起動の指示が入力されると、次のステップS12に進む。実際には、マイクロコンピュータ100は、起動前の状態において、イグニッションスイッチIGSのオフからオンへの切り替わり、車両ドアの開状態の検出、他の電子制御ユニットからの通信による指示等をウエイクアップ指示と看做してステップS12に進む。
ステップS12では、マイクロコンピュータ100は駆動バッファ112を制御し、ステッピングモータ62の各励磁コイルに対する通電動作を開始する。
ステップS13では、マイクロコンピュータ100は各励磁コイルの励磁状態を制御して、ステッピングモータ62を所定方向に比較的低速である一定の速度V0で回転駆動し、コンバイナ3を含む可動部を、速度V0に対応する一定の速度S0で初期状態の格納位置から上方に移動させる。当該格納位置は、可動部が下限位置のストッパに当接した状態である。
ステップS14では、マイクロコンピュータ100はコンバイナ3が原点位置に到達したか否かを識別し、未到達であればステップS13の処理を繰り返し、到達した場合はその位置でステッピングモータ62の回転駆動を停止させて次のステップS15に進む。実際には、原点位置に到達した時にマイクロスイッチSW1がオフからオンに切り替わるので、ステップS14ではマイクロコンピュータ100はマイクロスイッチSW1の出力する信号を監視している。原点の位置は、格納位置よりも少し上方(展開方向)に進んだ位置にある。
ステップS15では、マイクロコンピュータ100は起動/格納スイッチ116の状態を監視することにより、HUD起動要求を検出するまで待機し、HUD起動要求を検出すると次のステップS16に進む。即ち、HUD装置1の使用を開始するために使用者が起動/格納スイッチ116を押下すると、マイクロコンピュータ100は当該押下をHUD起動要求と看做してステップS16に進む。
ステップS16では、マイクロコンピュータ100は各励磁コイルの励磁状態を制御してステッピングモータ62を回転駆動させ、コンバイナ3を含む可動部の上昇動作を開始させる。また、この際には、マイクロコンピュータ100は「マイクロステップ駆動」によりステッピングモータ62を制御し、回転速度Vが目標速度V1に向けて一定の加速度(角加速度)で加速するように制御する。これにより、コンバイナ3が、目標速度V1に対応する目標速度S1に向けて一定の加速度で加速される。
ステップS17では、マイクロコンピュータ100はステッピングモータ62の現在の回転速度V(加速中)を監視して、回転速度Vが事前に定めた目標速度V1に到達したか否かを識別し、目標速度V1に到達すると次のステップS18に進む。尚、マイクロコンピュータ100は、ステッピングモータ62の現在の回転速度Vを、例えば励磁状態を制御するパルス信号に基づき把握することができる。換言すれば、ステップS17では、マイクロコンピュータ100は、コンバイナ3の移動速度が目標速度S1に到達したか否かを識別している。
ステップS18では、マイクロコンピュータ100は、ステッピングモータ62の駆動方式を、「マイクロステップ駆動」から「フルステップ駆動」に切り替える。また、回転速度Vが目標速度V1に到達しているので、加速を終了させて一定の速度(V1)での駆動を継続させる。これにより、コンバイナ3が一定の速度(S1)で移動する。
ステップS19では、マイクロコンピュータ100は、コンバイナ3の位置が、減速を開始すべき位置(減速開始位置)に到達したか否かを識別し、減速開始位置に到達したときに次のステップS20に進む。マイクロコンピュータ100は、コンバイナ3の現在位置を、前記原点位置からの移動量(ステッピングモータ62の駆動ステップ数)により把握することができる。ステップS19では、マイクロコンピュータ100は、内部メモリ上に保持されている減速開始位置を表す定数と現在位置とを比較する。
ステップS20では、マイクロコンピュータ100は、ステッピングモータ62の駆動方式を、「フルステップ駆動」から「マイクロステップ駆動」に切り替える。また、回転速度Vを一定の加速度で低下させて目標速度V2に向けて減速するように制御する。これにより、コンバイナ3が、目標速度V2に対応する目標速度S2に向けて一定の加速度で減速される。
ステップS21では、マイクロコンピュータ100は、ステッピングモータ62の現在の回転速度V(減速中)を監視して、事前に定めた目標速度V2に到達したか否かを識別し、目標速度V2に到達したときに減速を終了して次のステップS22に進む。前述したステップS17の場合と同様に換言すれば、ステップS21では、マイクロコンピュータ100は、コンバイナ3の移動速度が目標速度S2に到達したか否かを識別している。尚、本実施形態では、後述するように、コンバイナ3等の可動部の上昇方向への直線的な移動が停止され、コンバイナ3の傾きの変化が開始される位置である展開位置にコンバイナ3が到達した時に、回転速度Vが目標速度V2となるように、ステッピングモータ62の駆動が制御されている。
ステップS22では、マイクロコンピュータ100は、ステッピングモータ62の回転速度を一定(V2)に維持した状態で、予め定めた表示開始位置に到達するまでコンバイナ3を移動させる。実際には、減速を終了した後、所定の位置を横切るときにマイクロスイッチSW2の状態がオフからオンに切り替わる。そして、マイクロコンピュータ100は、マイクロスイッチSW2の状態がオンに切り替わった位置(時点)からの移動距離(ステップ数)として前記表示開始位置を把握する。つまり、マイクロコンピュータ100はマイクロスイッチSW2の信号がオンになった後の移動距離と事前に定めた定数とを比較して、コンバイナ3が表示開始位置に到達したか否かを識別する。コンバイナ3が表示開始位置に到達すると、当該位置でステッピングモータ62の回転駆動を停止させる。
ステップS23では、マイクロコンピュータ100はHUD装置1による表示を開始する。即ち、表示すべき可視情報(文字、図形等)を光投影部4の表示デバイスの画面に表示し、バックライト131の照明光により、表示デバイスに表示された可視情報を含む光の像をコンバイナ3に向けて投射する。この投射光がコンバイナ3で反射され、図3のように運転者の視点(アイポイント)に到達する。
以上説明した処理により、本実施形態に係るHUD装置1では、起動時においてコンバイナ3が格納位置から展開位置まで移動する際に、コンバイナ3が所定の速度(S1)まで加速している時間帯においては、マイクロステップ駆動が用いられ、当該時間帯の後、コンバイナ3が当該所定の速度(S1)で移動している時間帯においては、フルステップ駆動が用いられる。そして、その後、コンバイナ3が所定の速度(S2)まで減速している時間帯においては、マイクロステップ駆動が用いられる。これにより、ステッピングモータ62の回転子に振動が発生し易い時間帯である、コンバイナ3の移動速度が変化する加速時及び減速時において、回転子の回転位置を滑らかに変更可能なマイクロステップ駆動によってステッピングモータ62の駆動が制御される。このため、従来のHUD装置のように、コンバイナ3が格納位置から展開位置まで移動するまでの全ての時間帯においてフルステップ駆動が用いられる場合と比較して、コンバイナ3の移動に伴う振動の発生が抑制されている。
<コンバイナ格納制御>
本実施形態のHUD装置1におけるコンバイナ格納制御の内容を図7に示す。即ち、起動しているHUD装置1の使用の終了に伴って、コンバイナ3を図4(C)に示す展開位置から図4(A)に示す格納位置まで移動するために、マイクロコンピュータ100が図7に示した制御を実施する。図7に示した制御の内容について以下に説明する。
ステップS31では、マイクロコンピュータ100は起動/格納スイッチ116の状態を監視することにより、HUD格納要求を検出するまで待機し、HUD格納要求を検出すると次のステップS32に進む。即ち、HUDの使用を終了する際に、使用者が起動/格納スイッチ116を押下すると、当該押下をHUD格納要求と看做してステップS32に進む。
ステップS32では、マイクロコンピュータ100はコンバイナ3の格納準備を開始する。具体的には、ステッピングモータ62の励磁状態を制御して、比較的低速である一定の速度V2でステッピングモータ62を回転駆動し、後述する加速開始位置に向けて(下方に)コンバイナ3を速度S2で移動させる。
ステップS33では、マイクロコンピュータ100はマイクロスイッチSW2が出力する信号の状態を監視する。マイクロコンピュータ100は、マイクロスイッチSW2の信号がオンの状態であればステップS32の動作を再度実行し、マイクロスイッチSW2の信号のオンからオフへの切り替わりを検出すると次のステップS34に進む。
ステップS34では、マイクロコンピュータ100は、コンバイナ3の現在位置が予め定めた格納時の加速開始位置まで到達したか否かを識別し、到達した場合は次のステップS35に進む。実際には、ステップS33でマイクロスイッチSW2の信号のオンからオフへの切り替わりを検出した位置からの移動量(駆動ステップ数)が所定量になった時に、加速開始位置まで到達したと看做す。尚、本実施形態では、加速開始位置は展開位置と一致する。即ち、コンバイナの駆動が、傾きの変化から直線的なスライド移動に変化する位置と一致する。
ステップS35では、マイクロコンピュータ100は、ステッピングモータ62の励磁状態を制御して、コンバイナ3の加速を開始させる。この加速動作の際には、「マイクロステップ駆動」を用いてステッピングモータ62を制御する。
ステップS36では、マイクロコンピュータ100はステッピングモータ62の現在の回転速度Vを監視して、当該回転速度Vが事前に定めた目標速度V1に到達したか否かを識別し、目標速度V1に到達するとステップS37に進む。換言すれば、ステップS36では、マイクロコンピュータ100は、コンバイナ3の移動速度が目標速度S1に到達したか否かを識別している。
ステップS37では、マイクロコンピュータ100は、ステッピングモータ62の駆動方式を「マイクロステップ駆動」から「フルステップ駆動」に切り替える。また、ステップS36で目標速度V1までの加速が終了しているので、回転速度Vを一定速度(V1)としてステッピングモータ62の駆動を継続する。これにより、コンバイナ3が一定速度(S1)でスライド移動する。
ステップS38では、マイクロコンピュータ100は、コンバイナ3の現在位置が事前に定めた減速開始位置まで到達したか否かを識別し、到達したときに次のステップS39に進む。当該減速開始位置については、マイクロスイッチSW2の信号がオンからオフに切り替わった位置、又は前記加速開始位置からの移動量(駆動ステップ数)として把握できる。つまり、マイクロコンピュータ100は現在の移動量を、内部メモリ上に保持されている減速開始位置を表す定数と比較して位置を識別する。
ステップS39では、マイクロコンピュータ100は、ステッピングモータ62の駆動方式を「フルステップ駆動」から「マイクロステップ駆動」に切り替える。また、回転速度Vの減速を開始させ、回転速度Vを速度V1から速度V0まで減速する。そして、回転速度Vが速度V0になると、回転速度Vを当該速度で一定に維持させる。これにより、コンバイナ3の移動速度が速度S1から速度S0まで減速され、その後、一定速度(S0)で維持される。
ステップS40では、マイクロコンピュータ100はマイクロスイッチSW1が出力する信号の状態を監視し、マイクロスイッチSW2の信号のオンからオフへの切り替わりを検出した時に次のステップS41に進む。
ステップS41では、マイクロコンピュータ100は可動部の現在位置が事前に定めた格納位置に到達するまで速度V0でステッピングモータ62の回転駆動を継続し、格納位置に到達したら回転駆動を停止させる。これにより、コンバイナ3が速度S0で格納時の位置まで移動する。コンバイナ3の現在位置については、ステップS40でマイクロスイッチSW2の信号のオンからオフへの切り替わりを検出した時からの駆動ステップ数として把握し、この位置を事前に定めた定数と比較することにより格納位置に到達したか否かを識別する。
ステップS42では、マイクロコンピュータ100は駆動バッファ112を制御してステッピングモータ62の励磁出力をオフ(通電終了)にする。
<動作タイミングの具体例>
<コンバイナ起動制御の場合>
図6に示したコンバイナ起動制御に対応する各部の動作タイミングの具体例を図8に示す。また、図8の動作における各部の状態変化を図9に示す。即ち、HUD装置1の状態は、図9(a)、図9(b)、図9(c)の順に変化する。また、図9(c)に示す状態から、図9(d)に示すようにコンバイナ3の傾きを調整することもできる。図8に示した各タイミングの動作について以下に説明する。
初期状態においては、図9(a)に示すように、コンバイナ3が筺体内部に格納した格納位置にあり、コンバイナ3を含む可動部は下限ストッパに当接した状態で停止している。また、カバー5は閉じている。
図6に示したステップS11で検知されるウエイクアップの指示に従って、図8の時刻t11でステッピングモータ62の回転駆動が開始される(ステップS13)。この時にはステッピングモータ62は「マイクロステップ駆動」で制御される。また、この時、ステッピングモータ62の回転速度Vは速度V0であり、コンバイナ3の移動速度は速度V0に対応する速度S0である。
可動部が所定位置まで移動すると、マイクロスイッチSW1の信号の状態がオフ(高レベル)からオン(低レベル)に切り替わる。図8の時刻t12でマイクロスイッチSW1の信号がオンに変化すると、この時の位置を起点として特定される原点位置に可動部が到達するのを待って、時刻t13でステッピングモータ62の回転駆動が停止される(ステップS14)。
起動/格納スイッチ116の操作が時刻t14で検知された場合には、これをHUD装置1への起動要求と看做してステッピングモータ62の駆動が開始される。この場合、回転速度Vは一定の加速度で徐々に加速される(ステップS16)。このとき、ステッピングモータ62は「マイクロステップ駆動」で制御される。
時刻t15で回転速度Vが目標速度V1に到達すると、この時点から、回転速度Vを一定に維持した状態でステッピングモータ62が駆動される。即ち、時刻t15でコンバイナ3の移動速度が目標速度S1に到達し、当該到達時点から、移動速度を一定(S1)に維持した状態でコンバイナ3が移動する。また、目標速度V1までの加速が終了したので、ステッピングモータ62の駆動方式が「マイクロステップ駆動」から「フルステップ駆動」に切り替わる(ステップS18)。
尚、図8に示した例では目標速度V1までの加速が終了したタイミングで「マイクロステップ駆動」から「フルステップ駆動」に切り替えているが、加速が終了する前の任意の時点で「フルステップ駆動」に切り替えても構わない。即ち、加速動作の際には、加速を開始してからしばらくの間は振動が発生しやすい(図14参照)ので、「マイクロステップ駆動」を利用するのが効果的である。これに対して、加速を開始してから所定の時間を経過した後は、加速中であっても大きな振動は生じにくい傾向があるので、加速が終了する前に「フルステップ駆動」に切り替えることもできる。
続いて、時刻t16では、移動中の可動部の現在位置が減速開始位置に到達したので(ステップS19)、ステッピングモータ62の駆動方式が「フルステップ駆動」から「マイクロステップ駆動」に切り替わり(ステップS20)、減速動作が開始される。そして、時刻t17までの動作により、回転速度Vが速度V1から速度V2に減速され、図9(b)に示すように、コンバイナ3は展開位置まで移動し、カバー5は開いた状態となる。
尚、「フルステップ駆動」から「マイクロステップ駆動」への切り替えは、減速動作の開始と異なるタイミングで行うこともできる。即ち、減速動作が開始するタイミング(t16)よりも後に「マイクロステップ駆動」への切り替えを行うこともできる。
続いて、時刻t17では、回転速度Vの目標速度V2までの減速が終了した状態であるので、この時点から回転速度Vが一定(V2)に維持される(ステップS21,S22)。回転速度Vが目標速度V2に到達した後(コンバイナ3が展開位置に到達した後)、コンバイナ3等の可動部の上昇方向への直線的な移動が停止され、図9(c)に示すようにコンバイナ3の傾きが変化する。このとき、コンバイナ3は目標速度V2に対応する目標速度S2で回転する。
コンバイナ3の速度S2で回転中において、コンバイナ3の位置が表示開始位置に到達する前の所定の位置で、マイクロスイッチSW2がオフからオンに切り替わる(時刻t18)。したがって、時刻t18における位置を基準として更に所定ステップ移動した後の位置が表示開始位置になる。この表示開始位置まで可動部が移動した時刻t19で、ステッピングモータ62の回転駆動は停止される(ステップS22)。つまり、図9(c)に示す位置で可動部は停止する。その後、HUD装置1による表示が開始される。
また、当該停止状態から、使用者は、調整スイッチ117又は調整スイッチ118を操作することにより、図9(d)に示すようにコンバイナ3の傾きを調整し、表示位置を変更することができる。即ち、図8の時刻t20で調整スイッチの信号がオンになると、ステッピングモータ62が一定の速度(V3)で指定された方向に駆動され、コンバイナ3の傾きが、速度V3に対応した速度S3で変化する。
<コンバイナ格納制御の場合>
図7に示したコンバイナ格納制御に対応する各部の動作タイミングの具体例を図10に示す。尚、コンバイナ格納時のHUD装置1の状態変化は図9の逆方向への変化であり、図9(c)、図9(b)、図9(a)の順に状態が変化する。図10に示した各タイミングの動作について以下に説明する。
図10の時刻t31では、起動/格納スイッチ116の信号のオフからオンへの変化に従って、ステッピングモータ62の格納方向への回転駆動が開始される(ステップS31,S32)。この時には、回転速度Vは一定の速度(V2)であり、ステッピングモータ62は「マイクロステップ駆動」により制御される。また、コンバイナ3の回転速度は速度S2である。
マイクロスイッチSW2の信号がオンからオフに切り替わった時点から、更に所定ステップだけコンバイナ3が移動した位置が加速開始位置である。当該加速開始位置に到達した時刻t32から、加速動作が開始される(ステップS34,S35)。この時にも、ステッピングモータ62は「マイクロステップ駆動」により制御される。尚、前述したように、本実施形態では、加速開始位置はコンバイナ3の展開位置と一致する。
時刻t33では、目標速度V1までの加速が終了したので、回転速度が一定(V1)になる。また、加速が終了したので、ステッピングモータ62の駆動方式が「マイクロステップ駆動」から「フルステップ駆動」に切り替わる(ステップS37)。このとき、コンバイナ3の移動速度も一定(S1)となる。
時刻t34では、可動部が減速開始位置まで到達した状態となり、回転速度Vの減速が開始される。また、この時にステッピングモータ62の駆動方式が「フルステップ駆動」から「マイクロステップ駆動」に切り替わる(ステップS39)。また、この減速動作は、回転速度Vが所定の速度V0になるまで継続され、これにより、コンバイナ3の移動速度が速度S0となる。時刻t35では、回転速度Vが速度V0に到達したので減速は終了し、回転速度は一定(V0)となる。
回転速度Vが速度V0に到達した後、可動部が特定の位置を通過するときにマイクロスイッチSW1の信号がオンからオフに切り替わる。マイクロスイッチSW1の信号がオフになった時の位置から、可動部が更に所定ステップ移動すると、ステッピングモータ62の回転駆動が停止し回転速度Vが0となる(時刻t36、ステップS41)。
<ステッピングモータ62の駆動の説明>
図11は、マイクロステップ駆動及びフルステップ駆動に関する周波数―トルク特性の具体例を示すグラフ、図12は、マイクロステップ駆動及びフルステップ駆動に関するベクトル図、図13は、加速時におけるマイクロステップ駆動及びフルステップ駆動の制御信号の切り替えタイミングと回転角度との関係を示すグラフ、図14は、加速時におけるマイクロステップ駆動及びフルステップ駆動の切り替えタイミングと負荷の大きさとの関係を示すグラフである。
<一般的なマイクロステップ、フルステップの説明>
ステッピングモータには、マグネットロータの回転位置が定まる安定点が励磁信号の所定の電気角毎(ステップ角度毎)に存在している。即ち、マグネットロータの各磁極と固定子側の各励磁コイルにより形成される磁極との磁気吸引力によって、特定の角度の位置で安定的にマグネットロータの回転位置が決まる。例えば、ステッピングモータ62のように固定子の励磁コイルがA相、B相の2相のコイルで構成される場合には、A相+(順方向)、B相+(順方向)、A相−(逆方向)、B相−(逆方向)、A相+(順方向)、・・・と順番に切り替え、パルス状に電流を流して励磁する。このような駆動パルスにより、ステップ角度ずつ電気角を変化させて、ステッピングモータの駆動状態を制御することができる。この制御方式が、フルステップ駆動である。
上記フルステップ駆動の場合には、各励磁コイルに流す電流を単純にオンオフしてパルス状に切り替える。一方、各々の励磁コイルに流す電流の大きさを例えば正弦波の波形に合わせて細かく調整することも可能であり、A相、B相の電流の比率を調整することも可能である。このような電流の調整を行う場合には、前記ステップ角度よりも小さい角度ずつ電気角を変化させて、ステッピングモータの回転角度を制御することができる。この制御方式が、マイクロステップ駆動である。
例えば、図12に示すベクトル図のように、フルステップの場合は、A相+、B相+、A相−、B相−を順次に励磁することにより、電気角における90度を基本ステップとして回転を制御することができる。また、マイクロステップの場合には、電気角における90度を更に分割した細かい角度毎に回転を制御することができる。例えば、滑らかな回転のために正弦波の波形を用いて駆動する場合には、電流の実効値がピーク値の約70%になる。このとき、マイクロステップ駆動の場合のステッピングモータの駆動トルクは、図11に示すように、フルステップ駆動の場合の70%になる。このように、マイクロステップ駆動の場合には、フルステップ駆動と比べて駆動トルクが低下するので、モータの最大応答周波数が下がってしまう。このため、マイクロステップ駆動では、コンバイナ等を比較的長い距離に亘って短時間で移動させる必要のある用途では、所望の移動速度が得られない場合がある。
<本実施形態におけるマイクロステップ、フルステップの切り替え>
図8及び図10に示したように、本実施形態ではステッピングモータ62が加速及び減速を行う時間帯においては、「マイクロステップ駆動」を用いている。また、当該時間帯以外の時間帯であるステッピングモータ62が定速で回転する時間帯には、「フルステップ駆動」を用いている。
加速制御を行う際には、図13に示すような各タイミングで「マイクロステップ駆動」を行う。また、加速が終了して「マイクロステップ駆動」から「フルステップ駆動」に切り替える際には、マイクロステップのステップ角とフルステップのステップ角とが一致する励磁位置のタイミングTcで切り替えを実施する。即ち、励磁ベクトルが一致する時点で、マイクロステップ駆動からフルステップ駆動に切り替える。これにより、駆動モードを切り替え時における振動の発生を抑制することができる。また、減速時には同様に、両者のステップ角が一致する励磁位置のタイミングで「フルステップ駆動」から「マイクロステップ駆動」に切り替える。
「マイクロステップ駆動」と「フルステップ駆動」とを切り替える励磁位置のタイミングTcについては、様々な方法を利用して、適切な励磁位置で駆動モードを切り替えることが可能である。例えば、駆動開始ステップ、速度、加速度等のパラメータに基づき、適切なタイミングTcで切り替えることもできる。また、タイミングTcを最初に決定し、前記パラメータに基づき加速開始位置、或いは駆動開始位置を逆算して認識することも可能である。
尚、「フルステップ駆動」における最大の目標速度V1については、加速度や励磁ステップの更新間隔、発生トルク等を考慮して決定することができる。また、「マイクロステップ駆動」から「フルステップ駆動」への切り替えについては、加速の段階で、速度がモータ又は可動部の自起動周波数や共振周波数を超えた後の任意の時点で実施しても構わない。即ち、図14に示すように、「フルステップ駆動」の場合には加速初期の段階で、比較的大きな振動が発生し、これがコンバイナ3を含む可動部の振動の原因となる。このため、例えば、マイクロステップ駆動によってコンバイナ3の移動速度が共振速度帯を超えるまで加速し、その後、フルステップ駆動に切り替え、一定速度で移動させる又は更に加速させることが考えられる。これにより、コンバイナ3に振動が発生し易い速度帯ではマイクロステップ駆動を適用して振動の発生を抑制しつつ、それ以外の速度帯ではフルステップ駆動を適用して移動に要する時間を低減できる。
<HUD装置1の作用及び効果の説明>
以下では、実施形態に係るHUD装置1の作用及び効果について説明する。
本実施形態に係るHUD装置1は、マイクロコンピュータ100(制御部)と、マイクロコンピュータ100により駆動が制御されるステッピングモータ62と、ステッピングモータ62を収容するベース2(筐体)と、ベース2から展開可能に且つベース2に格納可能に設けられ、ステッピングモータ62の駆動力により、ベース2から展開した展開位置(図4(B)に示す位置に相当)とベース2に格納した格納位置(図4(A)に示す位置に相当)との間でスライド移動するコンバイナ3と、を備えている。また、マイクロコンピュータ100は、展開位置と格納位置との間における駆動開始位置から目標位置までコンバイナ3が移動するようにステッピングモータ62の駆動を制御する際に、図8及び図10に示すように、コンバイナ3の移動速度を変化させるべくステッピングモータ62を制御している時間帯(時刻t14−t15,時刻t16−t17,時刻t32−t33,時刻t34−t35)の少なくとも一部分においては、ステッピングモータ62のステップ角の間隔よりも小さな角度ずつ励磁信号の電気角が変化するマイクロステップ駆動により前記ステッピングモータ62の駆動を制御する(ステップS16,S20,S35,S39)。
これにより、展開位置と格納位置との間における駆動開始位置から目標位置までコンバイナ3が移動する際に、回転子(ロータ)に振動が発生し易い時間帯である、コンバイナ3の移動速度が変化する加速時及び減速時の少なくとも一部分において、回転子の回転位置を滑らかに変更可能なマイクロステップ駆動によってステッピングモータ62の駆動が制御される。したがって、従来のように、コンバイナが格納位置から展開位置まで移動するまでの全ての時間帯においてフルステップ駆動が用いられる場合と比較して、コンバイナの移動に伴う振動の発生が抑制される。
また、本実施形態に係るHUD装置1では、マイクロコンピュータ100は、前記駆動開始位置から前記目標位置までコンバイナ3が移動するようにステッピングモータ62の駆動を制御する際に、コンバイナ3の駆動開始後、コンバイナ3を所定の速度(V1)まで加速させるべくステッピングモータ62の駆動を制御している時間帯(時刻t14−t15)においては、マイクロステップ駆動によりステッピングモータ62の駆動を制御し(ステップS16)、当該時間帯の後においては、前記ステップ角の間隔ずつ電気角が変化するフルステップ駆動に切り替えてステッピングモータ62の駆動を制御する(ステップS18)。
これにより、コンバイナ3の移動速度を所定の速度(V1)まで増加させる際にマイクロステップ駆動を適用するので、コンバイナ3の振動の発生を抑制できる。また、当該所定の速度(V1)まで加速した後はフルステップ駆動に切り替えるので、移動に要する時間を低減できる。
また、本実施形態に係るHUD装置1では、マイクロコンピュータ100は、前記駆動開始位置から前記目標位置までコンバイナ3が移動するようにステッピングモータ62の駆動を制御する際に、コンバイナ3の駆動開始後、コンバイナ3を所定の速度(V1)まで加速させるべくステッピングモータ62の駆動を制御している時間帯(時刻t14−t15)においては、マイクロステップ駆動によりステッピングモータ62の駆動を制御し(ステップS16)、当該時間帯の後、コンバイナ3を当該所定の速度(V1)で移動させるべくステッピングモータ62の駆動を制御している時間帯(時刻t15−t16)においては、前記ステップ角の間隔に対応した比較的大きい電気角毎に制御信号が変化するフルステップ駆動に切り替えてステッピングモータ62の駆動を制御する(ステップS18)。
これにより、コンバイナ3の移動速度を所定の速度(V1)まで増加させる際にマイクロステップ駆動を適用するので、コンバイナ3の振動の発生を抑制できる。また、当該所定の速度(V1)まで加速した後、当該所定の速度(V1)で移動させる際にはフルステップ駆動を適用するので、当該所定の速度(V1)よりも速い速度まで更に加速することが可能になり、移動に要する時間を低減できる。
また、本実施形態に係るHUD装置1では、マイクロコンピュータ100は、図13に示すように、電気角が前記安定点と一致する時点(Tc)で、ステッピングモータ62の駆動が、マイクロステップ駆動から、フルステップ駆動に切り替わるようにステッピングモータ62の駆動を制御する。
これにより、円滑な切り替えが可能になり余分な振動の発生を防止できる。
また、本実施形態に係るHUD装置1では、マイクロコンピュータ100は、前記駆動開始位置から前記目標位置までコンバイナ3が移動するようにステッピングモータ62の駆動を制御する際に、コンバイナ3を前記目標位置での停止に向けて減速させるべく制御している時間帯(t16−t17)においては、マイクロステップ駆動によりステッピングモータ62の駆動を制御する。
これにより、コンバイナ3の移動速度を減少させる際にマイクロステップ駆動を適用するので、コンバイナ3の振動の発生を抑制できる。
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
例えば、上述の実施形態では、図4(A)に示す状態から図4(B)に示す状態までの直線的な移動と、図4(C)に示すのようなコンバイナ3の傾き調整のための回動とを共通の駆動機構により実現しているが、これらを互いに独立した機構で駆動しても構わない。この場合、直線的な移動を行う駆動系において、加速/減速の際に「マイクロステップ駆動」を適用することが望ましい。即ち、長い距離に渡って直線的な移動を行う際には速度を上げる必要があり、加速/減速の際に挙動が生じやすいので、「マイクロステップ駆動」と「フルステップ駆動」とを切り替えて使用することが効果的である。
また、上述の実施形態では、可動部(コンバイナ3)の位置を検出するセンサとして2つのマイクロスイッチSW1,SW2を用いているが、光学センサ、磁気センサ等他のセンサに置き換えても構わない。また、位置を検出するセンサの数は1つでも構わない。
また、上述の実施形態では、回転速度Vを、駆動開始後、一定の加速度で加速して速度V1とした後、当該速度V1で移動させ、その後、一定の加速度で減速する構成としたが、加速及び減速している時間帯の少なくなくとも一部分において、マイクロステップ駆動を適用する構成であればよく、加速及び減速の態様はこれに限られない。例えば、時間に比例して増加する加速度で加速しても構わない。
また、上述の実施形態では、コンバイナ3が、展開位置から格納位置まで(格納時)、或いは格納位置から展開位置まで(起動時)、スライド移動する場合について説明した。即ち、展開位置及び格納位置のいずれか一方を駆動開始位置とし、他方を目標位置とするコンバイナ3の移動に適用する場合について説明したが、展開位置と格納位置との間における、任意の位置を駆動開始位置とし、当該位置とは異なる位置を目標位置とするコンバイナ3の移動に適用しても構わない。
1 ヘッドアップディスプレイ装置
2 ベース(筺体)
3 コンバイナ
4 光投影部
5 カバー
6 駆動部
7 保持部材
8 移動部材
9 コイルばね
10 案内部
11 リンク部材
16 プレート
62 ステッピングモータ
63 駆動ギア
64 従動ギア
65 支柱
100 マイクロコンピュータ(制御部)
111 検出回路
112 駆動バッファ
113,115 インタフェース
114 電源部
116 起動/格納スイッチ
117,118 調整スイッチ
121 車上バッテリー
130 表示駆動部
131 バックライト
IGS イグニッションスイッチ
SW1,SW2 マイクロスイッチ
P インストルメントパネル
W フロントウインドシールド

Claims (4)

  1. 制御部と、
    該制御部により駆動が制御されるステッピングモータと、
    該ステッピングモータを収容する筐体と、
    該筐体から展開可能に且つ該筐体に格納可能に設けられ、前記ステッピングモータの駆動力により、該筐体から展開した展開位置と前記筐体に格納した格納位置との間でスライド移動するコンバイナと、
    を備えるヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記制御部は、前記展開位置と前記格納位置との間における駆動開始位置から目標位置まで前記コンバイナが移動するように前記ステッピングモータの駆動を制御する際に、
    前記コンバイナの移動速度を変化させるべく制御している時間帯の少なくとも一部分においては、前記ステッピングモータのステップ角の間隔よりも小さな角度ずつ励磁信号の電気角が変化するマイクロステップ駆動により制御する、
    ことを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記制御部は、前記駆動開始位置から前記目標位置まで前記コンバイナが移動するように前記ステッピングモータの駆動を制御する際に、
    前記コンバイナの駆動開始後、前記コンバイナを所定の速度まで加速させるべく制御している時間帯においては、前記マイクロステップ駆動により制御し、
    当該時間帯の後においては、前記ステップ角の間隔ずつ前記電気角が変化するフルステップ駆動に切り替えて制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記制御部は、前記駆動開始位置から前記目標位置まで前記コンバイナが移動するように前記ステッピングモータの駆動を制御する際に、
    前記コンバイナの駆動開始後、該コンバイナを所定の速度まで加速させるべく制御している時間帯においては、前記マイクロステップ駆動により制御し、
    当該時間帯の後、前記コンバイナを該所定の速度で移動させるべく制御している時間帯においては、前記フルステップ駆動に切り替えて制御する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記制御部は、前記電気角が前記ステップ角と一致する時点で、前記ステッピングモータの駆動が、前記マイクロステップ駆動から、前記フルステップ駆動に切り替わるように前記ステッピングモータの駆動を制御する、
    ことを特徴とする請求項2及び請求項3のいずれかに記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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