JP2014143182A - シートに液状物を含浸させる方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シート(1)を連続的に一対のロール(3a、3b)の間に挟んで搬送する操作において、一対のロールのそれぞれのロールの軸線が平行で、かつ一対のロールはそれぞれのロールの軸線が水平面と平行なように設置されており、一対のロールの間に液状物を含浸可能なシートが供給され、一対のロールのいずれか一方のロールと当該シートの境界に液状物(6)を供給し、液状物をシートに含浸させる方法。
【選択図】図1
Description
さて、燃料電池用ガス拡散電極基材は、従来、機械的強度を高くするために、炭素短繊維の抄紙体や不織布に、加熱により炭素化する樹脂組成物の有機溶液をdip−nip法やキスコート法等で含浸した後、有機溶剤を除去し、樹脂組成物を炭素化することにより製造される、ペーパー状の炭素−炭素複合体からなる多孔質電極基材であった(特許文献3参照)。
一方、湿潤状態での加工性やハンドリングの観点から、バインダーフリーの抄紙体をベースとする方法が開示されている(特許文献4参照)。特許文献4で開示されるようなウエブに対しては、特許文献3で開示されるような樹脂含浸方法では、繊維の脱落が著しい。また、一般にdip−nip法ではシートに付着させるのに必要な樹脂量よりも大量の樹脂を含浸槽に準備する必要があり、樹脂のロスが多いという問題点があった。一方、スプレー法は樹脂のロスは少ないが、噴霧範囲を広げようとすると粒子が細かくなり、シートに付着しにくくなる。そのため、シートの幅方向に均一に塗布するにはスプレーノズルを複数並べねばならず、また粘度が高かったり固形分が多かったりするとノズルが詰まりやすいという問題があった。
本発明の方法で使用できるシートは、液状物を含浸できるものであればよく、例えば、液状物透過性を有する繊維構造物が挙げられる。具体的には、紙、不織布(湿式不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、フラッシュ紡糸不織布、トウ開繊不織布)、織物(織物、多軸織物、三次元織物)、編物(たて編、よこ編、多軸編物)、等が挙げられる。
多孔質電極基材を構成する1つの繊維である炭素短繊維(A)は、交絡接合構造体中で厚み方向に交絡されることができる。炭素短繊維(A)としては、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(以下「PAN系炭素繊維」と称する)、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等の炭素繊維を適当な長さに切断したものが挙げられる。多孔質電極基材の機械的強度の観点から、PAN系炭素繊維が好ましい。
炭素繊維前駆体短繊維(b)は、長繊維状の炭素繊維前駆体繊維を適当な長さにカットしたものであることができる。また、この長繊維状の炭素繊維前駆体繊維は、後述するポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)から構成されることができる。
フィブリル状繊維は、炭素短繊維(A)と一緒に分散し、炭素短繊維(A)の再集束を防止すると共に、シートを自立シートたらしめる役割を果たす。また、樹脂によっては、樹脂の硬化に縮合水を生成するものもあるが、フィブリル状繊維には、その水を吸収、排出する役割も期待できる。そのため、水との親和性にも優れているものが好ましい。具体的なフィブリル状繊維としては、フィブリル化されたポリエチレン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維などの合成パルプが用いられる。フィブリル状繊維は、炭素化処理後に残炭があるもの、ないもの、どちらでも良い。
繊維(b’−1)を構成するポリマーは、炭素化後に、炭素短繊維(A)と共に多孔質電極基材の構造を成立させる観点から、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。このようなポリマーとしては、例えばアクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーを挙げることができる。
繊維(b’−2)は、長繊維状の易割繊性海島複合繊維を適当な長さにカットしたものを、リファイナーやパルパーなどによって叩解しフィブリル化したものであることができる。易割繊性海島複合繊維は、叩解によってフィブリル化する。長繊維状の易割繊性海島複合繊維は、共通の溶剤に溶解し、かつ非相溶性である2種類以上の異種ポリマーを用いて製造することができる。その際、炭素化後に、炭素短繊維(A)と共に多孔質電極基材の構造を成立させる観点から、少なくとも1種類のポリマーは、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。
本発明において、炭素短繊維(A)が3次元交絡構造を形成しているか否かは、シート状の測定対象物(多孔質電極基材)の断面観察を行い、断面における炭素短繊維(A)とシート面との角度を測定することにより判定できる。なお、断面観察を行う断面は、シート状の測定対象物のシート面に対して垂直方向の断面である。
本発明で用いるシートは、例えば以下の[1]や[2]の方法によって製造できる。
[1]炭素短繊維(A)を分散し、シートとする
[2]炭素短繊維(A)を分散してシートとし、更にシートを交絡処理する
<<<[1]炭素短繊維(A)を分散し、シートとする方法>>>
シートを製造するにあたっては、液体の媒体中に、炭素短繊維(A)を分散させて抄造する湿式法、空気中に、炭素短繊維(A)を分散させて降り積もらせる乾式法などの抄紙方法を適用できる。好ましくは湿式法である。
炭素短繊維(A)を分散してシートとする方法は、上記[1]の通りである。そうして得られたシートを交絡処理することで、炭素短繊維(A)が3次元に交絡した交絡構造を有するシート(交絡構造シート)を形成することができる。上記[1]において、炭素繊維(A)と共に、炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b’)を分散させた場合は、シートを交絡処理することで、炭素短繊維(A)と炭素繊維前駆体短繊維(b)および/またはフィブリル状繊維(b’)とが3次元に交絡した交絡構造を有するシート(交絡構造シート)を形成することができる。
一対のロール(液状物添加上流側ロール3a及び液状物添加下流側ロール3bからなる一対のロール)は、連続的にシート1を搬送する役割に加え、シート1と前記一対のロールを構成するロールのうち、軸線が高い方のロールとの境界に液状物6を一時的に貯め、液状物をシートに含浸させる役割を果たす。なお、前記一対のロールに対し、液状物絞りトップロール5aおよび液状物絞りボトムロール5bからなる一対のロールがある側を「下流側」、その反対側を「上流側」とする。シートの蛇行防止の観点から、一対のロール(3a及び3bからなる一対のロール)はそれぞれのロール(3a、3b)の軸線が平行であり、また、液状物を貯める観点から、それぞれのロール(3a、3b)の軸線が水平面と平行となるように設置する。
本発明において、シートは連続的に一対のロールに挟まれて搬送される。シートは速度制御および/または張力制御によって搬送されることが好ましい。速度制御の場合は、例えば、液状物絞りトップロール5aおよび液状物絞りボトムロール5bからなる一対のロールに速度計を備え、当該一対のロールの回転速度を制御することでシートを搬送することができる。一方、張力制御の場合は、例えば、液状物絞りトップロール5aおよび液状物絞りボトムロール5bからなる一対のロールよりも下流側に巻取り機を配し、シート張力を制御しながら巻取ることによって、実質的にシートを搬送することができる。張力制御の場合にも、一対のロールないしガイドロールなどに速度計を備えることにより、搬送速度をモニタリングすることが好ましい。液状物6とシート1の接触時間が長いほど、液状物がシート1の裏面に浸透しやすいが、作業の効率性の観点から、シート1の搬送速度は、0.1〜20m/minが好ましく、1〜15m/minがより好ましく、2〜10m/minが特に好ましい。
液状物6は、液状物供給ユニット4を介して、図1〜3のように、シート1と一対のロール(液状物添加上流側ロール3a及び液状物添加下流側ロール3bからなる一対のロール)のうち軸線が高い方のロールとの境界に連続的に供給される。すなわち、液状物6はシート1の片面から添加される。このとき、シート1は一対のロールを構成するロールのどちらか一方のロール(図1においては3a、図2、3においては3b)表面に沿わせる。一対のロールを構成するロールの軸線の一方が他方より高い位置にある場合は、一対のロールを構成するロールのうち、ロールの軸線が上に位置するロール(図1、3においては3b、図2においては3a)と、液状物を含浸可能なシート1の上面との境界に、液状物6を供給することが好ましい。一対のロールを構成するロールの2本の軸線が同一水平面上に位置する場合、液状物6の供給は、シート1の上面と、一対のロールを構成するロールのどちらか一方のロールとの境界に、液状物を供給することが好ましい。
本発明では、上述した通り、シート1を一対のロールのどちらか一方のロール(図1においては3a、図2、3においては3b)表面に沿わせることで、シート1と前記ロールとの接触面において、毛管力によって液状物6はシート1の裏面まで浸透する。その際、シート1を沿わせているロール(図1においては3a、図2、3においては3b)とシート1が接触している範囲を円弧とするロールの中心角であるラップ角度(抱き角)θは、ロール(図1においては3a、図2、3においては3b)とシート1との接触面積をできるだけ広く取る観点から180°以下が好ましく、液状物6をシートの上に貯める観点から15°以上が好ましい。より好ましいラップ角度は30°〜90°である。
液状物6のシート1への付着量は、液状物の濃度や粘度等の調整によっても制御できるが、一対のロール(3a及び3bからなる一対のロール)およびガイドロール2の下流側に、もう一対のロール(液状物絞りトップロール5a及び液状物絞りボトムロール5bからなる一対のロール)を設け、当該ロールに液状物6を含浸させたシート1を挟んで更に押圧することで、より容易に制御可能である。押圧の圧力は、液状物を絞れる程度に高く、かつシートが破壊されて塑性変形を起こさない程度に低いことが好ましい。
液状物6の粘度は、取扱性およびシート裏面への浸透性の観点から、500mPa・s以下が好ましく、200mPa・s以下がより好ましく、100mPa・s以下が特に好ましい。また、粘度が低くても表面張力が大きいとシートに浸透しにくくなるため、液状物の表面張力は50mN/m以下が好ましい。水を分散媒または溶媒とする市販の液状物の中には、分散質または溶質の凝集を防ぐ等の目的で、あらかじめ界面活性剤などが添加されている物もあるが、さらに、表面張力を下げるため、界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤は、液状物の表面張力を下げることができれば、種類は特に限定されない。
また、フェノール樹脂等の樹脂組成物を使用しない多孔質電極基材、例えば、炭素短繊維と炭素粉と撥水性高分子からなる多孔質電極基材への利用を意図して、液状物に炭素粉と撥水性高分子を添加する場合、該炭素粉としては、カーボンブラック、またはカーボンブラックと黒鉛粉の混合物を用いることが、導電性の発現およびシート形状維持の点で好ましい。
液状物の粘度は、JIS K7117−1に従ってB型粘度計を用いて測定した。
(1)シートの製造及び加圧水流噴射による3次元交絡処理
平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのPAN系炭素短繊維(A)と、平均繊維径が4μm、平均繊維長が3mmのアクリル短繊維(B)(三菱レイヨン(株)製、商品名:D122)と、叩解によってフィブリル化するアクリル系ポリマーとジアセテート(酢酸セルロース)とからなる易割繊性アクリル系海島複合短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:ボンネルM.V.P.−C651、平均繊維長:3mm)を叩解処理したもの(C)を用意し、質量比でA:B:C=60:20:20となるように抄紙用スラリーを調製した。次いで、例えば特開2009−129633に開示される湿式連続抄紙法および連続加圧水流噴射処理による交絡処理法により、幅48cm、平均目付64g/m2の3次元交絡構造シートを得た。
シートを案内するガイドロールと、間隙が調整可能かつ平行な一対の液状物添加ロールと、前記液状物添加ロールの上方に位置する液状物供給ユニットと、間隙が調整可能かつ平行な一対の液状物絞りロールからなる連続液状物添加装置を用意した。この時、液状物添加ロールおよび液状物絞りロールのどちらも、一対のロールのそれぞれのロールの軸線が平行で、かつ一対のロールはそれぞれのロールの軸線が水平面と平行となるように設置した。シートは図1のように導紙し、液状物添加上流側ロールに対するシートのラップ角度θが90°となるように調整した。ロールはすべて幅60cmである。前記液状物供給ユニットは、液状物タンクと、3連チューブポンプ(東京理化(株)製、商品名:RP−1000)と、3本のY字分岐管からなり、計6本のチューブ端をシートの幅方向に対し均等に配置した。また、前記液状物絞りロールは、駆動機構およびエアシリンダーによる圧力制御機構を有している。
3次元交絡構造シートの導紙方法を、図2に示した方法としたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂添加シートを得た。この時、液状物添加ロールおよび液状物絞りロールのどちらも、一対のロールのそれぞれのロールの軸線が平行で、かつ一対のロールはそれぞれのロールの軸線が水平面と平行となるように設置した。液状物添加下流側ロール3bに対するシートのラップ角度θが60°となるように調整した。得られた樹脂添加シートの目付変動は長手方向に±3.3g/m2、幅方向に±2.2g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
3次元交絡構造シートの導紙方法を、図3に示した方法としたこと以外は実施例1と同様にして、樹脂添加シートを得た。この時、液状物添加ロールおよび液状物絞りロールのどちらも、一対のロールのそれぞれのロールの軸線が平行で、かつ一対のロールはそれぞれのロールの軸線が水平面と平行となるように設置した。液状物添加下流側ロール3bに対するシートのラップ角度θが30°となるように調整した。得られた樹脂添加シートの目付変動は長手方向に±3.7g/m2、幅方向に±3.0g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのPAN系炭素短繊維(A)と、平均繊維径が4μm、平均繊維長が3mmのアクリル短繊維(B)(三菱レイヨン(株)製、商品名:D122)と、市販のポリエチレンパルプ(三井化学(株)製、商品名:SWP E400)(C)を用意し、質量比でA:B:C=50:10:40となるように抄紙用スラリーを調製した。次いで、例えば特開2009−129633に開示される湿式連続抄紙法と雰囲気温度130℃での連続乾燥処理により、幅48cm、平均目付42g/m2のシートを得た。それ以外は実施例1と同様にして、前記シートに対し、樹脂の不揮発分が50質量%付着した樹脂添加シートを得た。得られた樹脂添加シートの目付変動は長手方向に±3.1g/m2、幅方向に±2.3g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
実施例4と同様にしてシートを得た。また、液状物として、レゾール型フェノール樹脂の水溶液(住友ベークライト(株)製、商品名:PR−9800D)を用意し、樹脂固形分が液状物の30質量%となるように純水で希釈し、さらに界面活性剤としてポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルを液状物の0.1質量%だけ添加し、液状物タンクに投入したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂添加シートを得た。得られた樹脂添加シートの目付変動は長手方向に±2.6g/m2、幅方向に±2.3g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
液状物としてレゾール型フェノール樹脂の水分散液(住友ベークライト(株)製、商品名:PR−14170)を用意し、樹脂固形分が液状物の10質量%となるように純水で希釈し、さらに熱分解黒鉛(伊藤黒鉛工業(株)製、商品名:PC−H)を液状物の1.0質量%だけ添加し、熱分解黒鉛が沈殿しないように液状物タンク内を攪拌しながら液状物を供給したこと以外は、実施例1と同様にして樹脂添加シートを得た。得られた樹脂添加シートの目付変動は長手方向に±3.8g/m2、幅方向に±3.6g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
実施例4と同様にしてシートを得たこと以外は、実施例6と同様にして樹脂添加シートを得た。得られた樹脂添加シートの目付変動は長手方向に±4.3g/m2、幅方向に±3.8g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
平均繊維径が7μm、平均繊維長が3mmのPAN系炭素短繊維(A)が樹脂炭化物によって結着されてなる多孔質炭素シートを用意し、また、液状物として、純水にポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルを20質量%添加したものを用意したこと以外は、実施例1と同様にして、界面活性剤で処理された多孔質炭素シートを得た。前記界面活性剤で処理された多孔質炭素シートの平均目付は62g/m2、目付変動は長手方向に±1.5g/m2、幅方向に±1.2g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
液状物として、市販のPTFEディスパージョン(商品名:31−JR、三井・デュポンフロロケミカル社製)を純水で固形分が20質量%となるよう希釈したものを用意したことと、実施例8で作製した界面活性剤で処理された多孔質炭素シートを用意したこと以外は、実施例1と同様にして、フッ素樹脂により撥水処理された多孔質炭素シートを得た。前記撥水処理された多孔質炭素シートの平均目付は74g/m2、目付変動は長手方向に±3.1g/m2、幅方向に±2.8g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
液状物添加下流側ロールを取り外して使用したこと以外は実施例1と同様にして、液状物をシート上に連続的に流下したが、液状物が幅方向に広がらず、長手方向に筋模様が形成されたのみだった。
フィルムを用い、速度2.0m/minで搬送したこと以外は実施例1と同様にして、液状物をシートに連続的に流下したが、液状物はフィルム上を流れるのみで含浸不可能であった。
液状物供給ユニットの一部として、図5に示すような形状の貯め枡(有効幅560mm、深さ50mm、奥行50mm、透明塩化ビニル製)およびスロープ(有効幅560mm、長さ120mm、透明塩化ビニル製)からなり、貯め枡の背面に6箇所の接続口を有するフローボックスを用意し、貯め枡の背面から6本のチューブを挿入して使用した。それ以外は、実施例1と同様にして、樹脂添加シートを得た。得られた樹脂添加シートの目付変動は長手方向に±1.5g/m2、幅方向に±1.2g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
実施例10と同様の方法で液状物を供給したこと以外は、実施例2と同様にして、樹脂添加シートを得た。得られた樹脂添加シートの目付変動は長手方向に±1.6g/m2、幅方向に±1.5g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。あふれた液状物への短繊維の混入はほとんど見られなかった。
ケッチェンブラック(商品名:カーボンECP、ライオン(株)製)、球状黒鉛(商品名:SG−BH8、伊藤黒鉛工業(株)製)、PTFE(商品名:L172JE、旭硝子(株)製)、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(界面活性剤)を用意し、これらがそれぞれ5.5質量%、2.5質量%、6.0質量%及び6.0質量%となるように、純水に添加し、ホモジナイザーで1時間攪拌することで、ケッチェンブラック、球状黒鉛、PTFE、界面活性剤を含有する液状物を調製した。それ以外は、実施例10と同様にして、樹脂組成物含浸シートを得た。前記シートの平均目付は108g/m2、目付変動は長手方向に±3.5g/m2、幅方向に±3.1g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。
デンカブラック(商品名:電気化学工業(株)製)、熱分解黒鉛(商品名:PC−H、伊藤黒鉛工業(株)製)、PTFE(商品名:L172JE、旭硝子(株)製)、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(界面活性剤)を用意し、これらがそれぞれ6.3質量%、0.7質量%、4.5質量%及び4.9質量%となるように、純水に添加し、ホモジナイザーで1時間攪拌することで、デンカブラック、熱分解黒鉛、PTFE、界面活性剤を含有する液状物を調製した。この液状物を用いたこと以外は実施例12と同様にして、樹脂組成物含浸シートを得た。前記シートの平均目付は92g/m2、目付変動は長手方向に±3.4g/m2、幅方向に±3.5g/m2であり、長手方向、幅方向共に均一な目付の樹脂添加シートが得られた。
2 : ガイドロール
3a:液状物添加上流側ロール
3b:液状物添加下流側ロール
4 : 液状物供給ユニット
5a:液状物絞りトップロール
5b:液状物絞りボトムロール
6 : 液状物
θ : ラップ角度
矢印: シートの進行方向
7 :シート面と平行な線
8 :貯め枡
9 :スロープ
10:チューブ
Claims (10)
- シートを連続的に一対のロールの間に挟んで搬送する操作において、一対のロールのそれぞれのロールの軸線が平行で、かつ一対のロールはそれぞれのロールの軸線が水平面と平行なように設置されており、一対のロールの間に液状物を含浸可能なシートが供給され、一対のロールのいずれか一方のロールと当該シートの境界に液状物を供給し、液状物をシートに含浸させる方法。
- 一対のロールの上流側及び下流側にシートのガイドロールを設け、一対のロールの一方のロールに対するシートのラップ角度を15°〜180°に調整することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 一対のロールおよびガイドロールの下流側に、もう一対のロールを設け、当該ロールに液状物を含浸させたシートを挟んで更に押圧することを特徴とする請求項2に記載の方法。
- シートの搬送速度が0.1〜20m/minであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 液状物の供給が、一対のロールを構成するロールの内、ロールの軸線が上に位置するロールと、液状物を含浸可能なシートの上面との境界に、液状物を供給することにより行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 一対のロールを構成するロールの軸線が同一水平面上に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 液状物の供給が、一対のロールの上流側において、行われることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
- 液状物を供給する一対のロールでシートを押圧することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 液状物が樹脂組成物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 液状物の粘度が500mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
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