JP2014142511A - 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】現像開始初期から画像濃度に優れ、且つ、現像の繰り返しによるキャリア被覆層の剥がれが発生しにくい静電荷像現像用キャリアを提供する。
【解決手段】芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆し、ポリフェニレンエーテル並びに、含窒素単量体及び下記一般式(1)で表される単量体が重合されてなる重合体を含む被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリアである。一般式(1)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表す。

【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
特許文献1には「コア材の表面に、含窒素ビニル系モノマーの分子量1000〜5500を有する重合体に、ビニル系モノマーがグラフト重合したグラフト共重合体を含有する被覆層を有することを特徴とする磁気ブラシ現像剤用キャリア」が提案されている。
特許文献2には「芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆し、ポリフェニレンエーテルを含有する被覆樹脂と粒子とを含む被覆層と、を有する静電荷像現像用キャリア」が提案されている。
特開平4−188159号公報 特開2012−68524号公報
本発明の目的は、現像開始初期から画像濃度に優れ、且つ、キャリア被覆層の剥がれが発生しにくい静電荷像現像用キャリアを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
芯材粒子と、
前記芯材粒子の表面を被覆し、ポリフェニレンエーテル並びに、含窒素単量体及び下記一般式(1)で表される単量体が重合されてなる重合体を含む被覆層と、
を有する静電荷像現像用キャリア。
一般式(1)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表す。
請求項2に係る発明は、
前記被覆層に含まれる前記ポリフェニレンエーテルと前記重合体の総量における前記ポリフェニレンエーテルの割合が60質量%以上99.4質量%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
請求項3に係る発明は、
トナーと、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用キャリアと、を含む静電荷像現像剤。
請求項4に係る発明は、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、画像形成装置に着脱される現像剤カートリッジ。
請求項5に係る発明は、
請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、潜像保持体の表面に形成された静電潜像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項6に係る発明は、
潜像保持体と、
前記潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電された前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記潜像保持体の表面に形成された前記静電荷像を請求項3に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項7に係る発明は、
潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電された前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
前記潜像保持体の表面に形成された前記静電荷像を請求項3に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項1、3に係る発明によれば、被覆層がポリフェニレンエーテルと前記重合体のうち一方しか含まない場合に比べ、現像開始初期から画像濃度に優れ、且つ、キャリア被覆層の剥がれが発生しにくい静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤が提供される。
請求項2に係る発明によれば、被覆層に含まれるポリフェニレンエーテルと前記重合体の総量におけるポリフェニレンエーテルの割合が前記範囲でない場合に比べ、画像濃度の変化が少なく、且つ、キャリア被覆層の剥がれがより発生しにくい静電荷像現像用キャリアが提供される。
請求項4に係る発明によれば、現像開始初期から画像濃度に優れ、且つ、キャリア被覆層の剥がれが発生しにくい現像剤カートリッジが提供される。
請求項5、6、7に係る発明によれば、画像形成開始初期から画像濃度に優れ、且つ、キャリア被覆層の剥がれが発生しにくいプロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法が提供される。
本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 他の本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
<静電荷像現像用キャリア>
本実施形態の静電荷像現像用キャリア(以下、「キャリア」とも称する。)は、芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆する被覆層と、を有する。そして、前記被覆層は、ポリフェニレンエーテルと、含窒素単量体及び下記一般式(1)で表される単量体が重合されてなる重合体(以下、「特定含窒素重合体」とも称する。)と、を含む。
一般式(1)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表す。
本実施形態のキャリアは、上記構成であることにより、現像開始初期から画像濃度に優れ、且つ、キャリア被覆層の剥がれが発生しにくい。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
従来、トナー・キャリア間の電荷交換性を向上させ画像濃度を高める等の目的で、キャリアの被覆層用の樹脂として、含窒素単量体が重合されてなる重合体(以下、「含窒素重合体」という。)を用いる技術がある。しかし、含窒素重合体からなる被覆層は剥がれ易い傾向があり、現像の繰り返しによって被覆層が剥がれた場合、キャリアの帯電性能が下がり、その結果、現像の繰り返しにともなって画像欠陥(例えば、画像濃度の低下等)が発生することがあった。
ほかに、ポリフェニレンエーテルをキャリアの被覆層用の樹脂として用いる技術がある。ポリフェニレンエーテルは、含窒素重合体に比べて、トナー・キャリア間の電荷交換性は低いが、樹脂の硬度が高く剥がれ難い。したがって、ポリフェニレンエーテルからなる被覆層で被覆されたキャリアを使用した場合、含窒素重合体からなる被覆層で被覆されたキャリアを使用した場合に比べて、現像開始初期に画像濃度が低いため(特に低温低湿下で低い傾向がある。)、ある程度の回数現像を繰り返した時点での画像濃度と差が生じてしまう場合があるが、長期に現像を繰り返したときの画像欠陥は発生しにくい。
含窒素重合体とポリフェニレンエーテルとはそれぞれ上記の性質を有するので、両樹脂を共に被覆層に含むキャリアは、被覆層に一方を含むが他方を含まないキャリアに比べて、現像開始初期から優れた画像濃度を達成しつつ、且つ、現像の繰り返しによるキャリア被覆層の剥がれが発生しにくいと推測される。
しかし、実際にキャリアの被覆層に両者を併用することは容易ではなかった。この理由は、含窒素重合体とポリフェニレンエーテルとの相溶性が低く、キャリアの製造時に両者の混合が容易でなかったためである。
これに対し、本実施形態では、キャリアの被覆層は、ポリフェニレンエーテルと特定含窒素重合体とを含む。特定含窒素重合体は、それ以外の含窒素重合体に比べて、ポリフェニレンエーテルとの相溶性が高いので、キャリアの製造時にポリフェニレンエーテルと混合し易く、その結果、キャリアの被覆層が両者を含み易いと考えられる。
そして、本実施形態のキャリアは、特定含窒素重合体が有するトナー・キャリア間の電荷交換性の高さと、ポリフェニレンエーテルが有する硬度の高さとから、現像開始初期から優れた画像濃度を達成しつつ、且つ、現像の繰り返しによる画像欠陥が発生しにくいと推測される。
以下に、本実施形態の静電荷像現像用キャリアを構成する構成要素、及び構成要素に含まれる原料成分について説明する。
〔芯材粒子〕
芯材粒子は、特に限定されるものではなく、キャリアの芯材粒子として用いられる公知の粒子が適用される。具体的には、磁性材料を含む磁性粒子を芯材粒子として用いてもよいし、磁性粒子が樹脂中に分散された磁性粒子分散樹脂粒子を芯材粒子として用いてもよいし、ガラスビーズ等を芯材粒子として用いてもよい。
磁性粒子に含まれる磁性材料としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属;これらの磁性金属とマンガン、クロム、希土類等との合金;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;等が挙げられる。
磁性粒子を芯材粒子として用いる場合、造粒、焼結により磁性粒子が形成されるが、その前処理として、磁性材料を粉砕してもよい。粉砕方法は特に問わず、公知の粉砕方法でよく、具体的には例えば、乳鉢、ボールミル、ジェットミル等が挙げられる。
焼結温度は、材質によって異なるが、例えば500℃以上1200℃以下であってよく、600℃以上1000℃以下であってもよい。焼結温度を低く抑える方法としては、例えば、焼結工程において、仮焼結を段階的に行う方法が挙げられ、その場合、全体の焼結にかける時間は長くしてもよい。
磁性粒子分散樹脂粒子を芯材粒子として用いる場合、芯材粒子中における磁性粒子の含有量は、例えば80質量%以上99質量%以下であってよく、95質量%以上99質量%以下であってもよい。
磁性粒子分散樹脂粒子に含まれる磁性粒子の体積平均粒径は、例えば0.05μm以上5.0μm以下であってよく、0.1μm以上1.0μm以下であってもよい。磁性粒子の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定される。
磁性粒子分散樹脂粒子に含まれる磁性粒子の作製方法は、例えば、磁性材料の粉末粒子に機械的せん断力等を加える方法であり、必要に応じて表面改質剤としてカップリング剤を用いて表面改質してもよい。
磁性粒子分散樹脂粒子に用いられる樹脂は特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ホウ素架橋樹脂等が挙げられる。
磁性粒子分散樹脂粒子には、目的に応じて、さらに、帯電制御剤やフッ素含有粒子等のその他の成分を含有させてもよい。
磁性粒子分散樹脂粒子の製造方法としては、例えば、バンバリーミキサーやニーダー等を用いる溶融混練法、懸濁重合法、噴霧乾燥法等が挙げられる。
芯材粒子の体積平均粒子径は、例えば10μm以上500μm以下であってよく、30μm以上150μm以下であってもよい。
芯材粒子の磁力は、例えば3000エルステッドにおける飽和磁化が50emu/g以上であってよく、60emu/g以上であってもよい。ここに、芯材粒子の磁力の測定では、測定装置として振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大3000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。なお、芯材粒子の飽和磁化は、3000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
芯材粒子の体積電気抵抗(体積抵抗率)は、例えば10Ω・cm以上10Ω・cm以下であってよく、10Ω・cm以上10Ω・cm以下であってもよい。
ここに、芯材粒子の体積電気抵抗(Ω・cm)は以下のように測定する。20cmの電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象物を1mm以上3mm以下の厚さになるように平坦に載せ、層を形成する。この上に前記20cmの電極板を載せて層を挟み込む。測定対象物間の空隙をなくすため、層上に配置した電極板の上に4kgの荷重をかけてから層の厚み(cm)を測定する。層の上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取る。測定環境は、温度20℃、湿度50%RHとする。測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下記式に示す通りである。
R=E×20/(I−I)/L
上記式中、Rは測定対象物の体積電気抵抗(Ω・cm)、Eは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、Iは印加電圧0Vにおける電流値(A)、Lは層の厚み(cm)をそれぞれ表す。係数20は、電極板の面積(cm)を表す。
〔被覆層〕
被覆層は、ポリフェニレンエーテルと特定含窒素重合体とを含み、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。
被覆層に含まれるポリフェニレンエーテルと特定含窒素重合体の総量におけるポリフェニレンエーテルの割合は、60質量%以上99.4質量%以下が望ましい。ポリフェニレンエーテルの割合が60質量%以上であると、60質量%未満である場合に比べて、現像の繰り返しによる画像欠陥が発生しにくい点で望ましい。ポリフェニレンエーテルの割合が99.4質量%以下であると、99.4質量%超である場合に比べて、画像濃度の変化が少ない点で望ましい。
ポリフェニレンエーテルと特定含窒素重合体の総量におけるポリフェニレンエーテルの割合は、70質量%以上99.4質量%以下がより望ましく、80質量%以上99.4質量%以下が更に望ましい。
被覆層に含まれるポリフェニレンエーテルと特定含窒素重合体の総量におけるポリフェニレンエーテルの割合は、キャリアの被覆層を溶出し、IR分析及びNMR分析による、構造解析とポリフェニレンエーテルに由来するエーテル結合の割合を算出することとによって確認される。
被覆層全量におけるポリフェニレンエーテルと特定含窒素重合体の総量の割合は、50質量%以上100質量%以下が望ましく、60質量%以上90質量%以下がより望ましく、60質量%以上70質量%以下が更に望ましい。
(ポリフェニレンエーテル)
ポリフェニレンエーテルは、特に限定されず、純粋なポリフェニレンエーテルでもよく、変性ポリフェニレンエーテルでもよいが、純粋なポリフェニレンエーテルが望ましい。
変性ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリスチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリフェニレンスルファイド等の他の合成樹脂とアロイ化されたものが挙げられる。
ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は、5000以上20000以下が望ましい。ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が上記範囲であると、上記範囲から外れた場合に比べて、強度の高い被覆層が形成される点で望ましい。
ポリフェニレンエーテルの数平均分子量は、7000以上17000以下がより望ましく、8000以上16000以下が更に望ましい。
ポリフェニレンエーテルの重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される。GPCによる分子量測定は、東ソー社製のHLC−8120GPCを使用し、カラム温度40℃、ポンプ流量0.4mL/分、検出器としてRI(GPC本体に内蔵されている)を用いる。データ処理は、予め分子量が既知の標準PEGの検量線(分子量1000以上での検量)を用いて、PEG換算分子量として分子量を得る。なお、測定条件は以下の通りである。
使用カラム:SuperAWM−H+SuperAWM−H+SuperAW3000
移動相:10mM LiBr+N−メチルピロリドン
注入量:20μl
サンプル濃度:0.1%(w/w)
ポリフェニレンエーテルの線膨張係数は、例えば4.0×10−5/℃以上6.5×10−5/℃以下であってよい。
(特定含窒素重合体)
特定含窒素重合体は、含窒素単量体及び前記一般式(1)で表される単量体が重合されてなる重合体であり、更にその他の単量体が重合されていてもよい。
含窒素単量体としては、例えば、アミド基を有する化合物、アミノ基を有する化合物、マレイミド構造を有する化合物等が挙げられる。具体的には例えば、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジン、2−ビニル−5−メチルピリジン、4−ブテニルピリジン、4−ペンテニルピリジン、N−ビニルピペリジン、4−ビニルピぺリジン、N−ビニルジヒドロピリジン、N−ビニルピロール、2−ビニルピロール、N−ビニルピロリン、N−ビニルピロリジン、2−ビニルピロリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニルカルバゾール、ジメチルアミノメチルアクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジブチルアミノエチルアクリレート、ジブチルアミノメチルメタクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
上記具体例の中でも、トナー・キャリア間の電荷交換性を向上させ現像開始初期からより高い画像濃度を達成する観点で、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート等が望ましい。
また、上記観点に加え、電荷をより安定に保ち、現像後期にも適度な画像濃度を達成する観点で、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が望ましい。
含窒素単量体は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
次に前記一般式(1)で表される単量体(以下、「スチレン類」とも称する。)について説明する。
前記一般式(1)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表す。
炭素数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
前記一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基)が望ましく、水素原子又はメチル基がより望ましく、水素原子が更に望ましい。
前記一般式(1)中、Rは、水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基)が望ましく、水素原子又はメチル基がより望ましく、水素原子が更に望ましい。
前記一般式(1)で表される単量体としては、スチレンが最も望ましい。
前記一般式(1)で表される単量体は、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
特定含窒素重合体に重合されていてもよいその他の単量体としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等が挙げられる。
特定含窒素重合体を構成する含窒素単量体と前記一般式(1)で表される単量体の総量における前記一般式(1)で表される単量体の割合は、10質量%以上90質量%以下が望ましい。前記一般式(1)で表される単量体の割合が10質量%以上であると、10質量%未満である場合に比べて、ポリフェニレンエーテルとの相溶性が高い点で望ましい。前記一般式(1)で表される単量体の割合が90質量%以下であると、90質量%超である場合に比べて、トナー・キャリア間の電荷交換性が高い点で望ましい。
含窒素単量体と前記一般式(1)で表される単量体の総量における前記一般式(1)で表される単量体の割合は、20質量%以上80質量%以下がより望ましく、40質量%以上70質量%以下が更に望ましい。
特定含窒素重合体を構成する単量体の総量における含窒素単量体及び前記一般式(1)で表される単量体の総量の割合は、40質量%以上100質量%以下が望ましく、70質量%以上100質量%以下がより望ましく、90質量%以上100質量%以下が更に望ましい。
(その他の成分)
被覆層は、ポリフェニレンエーテルと特定含窒素重合体のほかに、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば、ポリフェニレンエーテル及び特定含窒素重合体以外のその他の樹脂、被覆層用粒子、帯電制御剤等が挙げられる。
(その他の樹脂)
被覆層に含まれるその他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル系又はポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
(被覆層用粒子)
被覆層に含まれてもよい粒子(被覆層用粒子)としては、樹脂粒子や無機粒子が挙げられる。被覆層は、樹脂粒子を含むことにより、例えばキャリア全体の帯電を制御し易くなり、無機粒子を含むことにより、例えば電気抵抗の調整がし易くなる。
樹脂粒子は、例えば帯電制御付与性のある粒子であり、具体的には例えば、メラミン樹脂粒子、尿素樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、アクリル樹脂粒子等が挙げられる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば0.01μm以上1μm以下であってよく、0.03μm以上0.3μm以下であってもよい。
樹脂粒子の添加量は、キャリア全量に対して例えば0.01質量%以上1質量%以下であってよく、0.1質量%以上0.5質量%以下であってもよい。被覆層全量に対する樹脂粒子の含有量は、例えば10質量%以上30質量%以下であってよい。
無機粒子としては、例えば、カーボンブラック;金、銀、銅等の金属;硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、アンチモンをドープされた酸化錫、錫をドープされた酸化インジウム、アルミニウムをドープされた酸化亜鉛;金属で被覆した樹脂粒子;等が挙げられる。
電気抵抗を調製する目的で無機粒子を用いる場合、無機粒子の体積固有抵抗は、例えば10−4Ω・cm以上10Ω・cm以下であってよい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば0.005μm以上0.5μm以下であってよい。
無機粒子の添加量は、キャリア全量に対して例えば0.1質量%以上1質量%以下であってよい。被覆層全量に対する無機粒子の含有量は、例えば3質量%以上30質量%以下であってよく、5質量%以上20質量%以下であってもよい。
被覆層用粒子としては、メラミン樹脂粒子が望ましく、他の種類の被覆層用粒子を用いた場合に比べて、被覆層用粒子の離脱がおきにくい。
その理由は定かではないが、メラミン樹脂粒子を構成するメラミン樹脂は芳香環を有するため、被覆層に含まれるポリフェニレンエーテルの芳香環との間でπ電子相互作用が働き、メラミン樹脂とポリフェニレンエーテルとの分子間の引力が働き易くなると考えられる。そのため、芯材粒子に被覆層を形成する際の溶媒を除去する工程で加熱することによって被覆層用粒子の体積変化による応力がかかっても、メラミン樹脂とポリフェニレンエーテルと間に働く上記引力の作用で密着性がよく、被覆層用粒子が離脱しにくくなると推測される。
(被覆層の形成方法)
被覆層を芯材粒子表面に形成する方法としては、例えば、湿式塗布法及び乾式塗布法が挙げられる。
乾式塗布法としては、例えば、芯材粒子と被膜層形成材料との混合物を乾燥状態で加熱して被覆層を形成する方法が挙げられる。具体的には例えば、溶媒を用いずに、芯材粒子と被膜層形成材料とを気相中で混合して加熱溶融し、被膜層を形成する。
湿式塗布法としては、例えば、芯材粒子を被覆層形成溶液中に浸漬して被覆する浸漬法、被覆層形成溶液を芯材粒子表面に噴霧するスプレー法、芯材粒子を流動床中に流動化させた状態で被覆層形成溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材粒子と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。中でもニーダーコーター法が好適である。
湿式塗布法において用いられる被覆樹脂溶液には、ポリフェニレンエーテル、特定含窒素重合体、及び必要に応じて用いられるその他の成分のほか、これらを溶解又は分散させる溶剤が含まれる。溶剤としては、ポリフェニレンエーテル及び特定含窒素重合体を溶解するものであれば特に限定されないが、具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類などが使用される。
被覆層の膜厚は、例えば0.1μm以上10μm以下であってよく、0.3μm以上5μm以下であってもよい。
被覆層の平均膜厚(μm)は、芯材粒子の真比重をρ(無次元)、芯材粒子の体積平均粒径をd(μm)、被覆層の平均比重をρC、芯材粒子1質量部に対する被覆層の全含有量をWC(質量部)とすると、下記式で求められる。
平均膜厚(μm)
=[キャリア1個当たりの被覆樹脂量(導電粉等の添加物もすべて含む)/キャリア1個当たりの表面積]÷被覆層の平均比重
=[4/3π・(d/2)・ρ・WC]/[4π・(d/2)]÷ρC
=(1/6)・(d・ρ・WC/ρC)
被覆層による芯材粒子表面の被覆率としては、例えば80%以上であってよく、90%以上であってもよく、100%であってもよい。
被覆層の被覆率は、XPS測定(X線光電子分光測定)により求められる。XPS測定装置としては、日本電子製、JPS80を使用し、測定は、X線源としてMgKα線を用い、加速電圧を10kV、エミッション電流を20mVに設定して実施し、被覆層を構成する主たる元素(通常は炭素)と、芯材粒子を構成する主たる元素(例えば芯材粒子がマグネタイトなどの酸化鉄系材料の場合は鉄および酸素)とについて測定する。
以下、芯材粒子が、酸化鉄系である場合を前提に説明する。ここで、炭素についてはC1sスペクトルを、鉄についてはFe2p3/2スペクトルを、酸素についてはO1sスペクトルを測定する。これらの各々の元素のスペクトルに基づいて、炭素、酸素、及び鉄の元素個数(それぞれ、「AC」、「AO」、及び「AFe」と表す)を求めて、得られた炭素、酸素、鉄の元素個数比率より下記式(i)に基づいて、芯材粒子単体、及び、芯材粒子を被覆層で被覆した後(キャリア)の鉄量率を求め、続いて、下記式(ii)により被覆率を求める。
・式(i)
鉄量率(atomic%)=AFe/(AC+AO+AFe)×100
・式(ii)
被覆率(%)={1−(キャリアの鉄量率)/(芯材粒子単体の鉄量率)}×100
芯材粒子として、酸化鉄系以外の材料を用いる場合には、酸素の他に芯材粒子を構成する金属元素のスペクトルを測定し、上述の式(i)及び式(ii)に準じて同様の計算を行えば被覆率が求められる。
(キャリアの物性)
キャリアの体積平均粒径は、例えば15μm以上510μm以下であってよい。
キャリアの形状係数SF1は、例えば120以上145以下であってよい。キャリアの形状係数SF1は、後述するトナー粒子の形状係数SF1と同様にして求める。
キャリアの飽和磁化は、例えば40emu/g以上であってよく、50emu/g以上であってもよい。
ここに、飽和磁化の測定は、測定装置として振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。上記キャリアの飽和磁化は、1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗(25℃)は、例えば1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下であってよく、1×10Ω・cm以上1×1014Ω・cm以下であってもよく、1×10Ω・cm以上1×1013Ω・cm以下であってもよい。キャリアの体積電気抵抗は、芯材粒子の体積電気抵抗と同様にして測定を行う。
<静電荷像現像剤>
本実施形態の静電荷像現像剤(以下、「現像剤」とも称する。)は、トナーと本実施形態のキャリアとを含む。
すなわち現像剤は、トナーと本実施形態のキャリアとを適切な配合割合で混合することにより調製される。予め現像装置内に収容される現像剤の場合、現像剤中のキャリアの含有量は、例えば85質量%以上99質量%以下であってよく、87質量%以上98質量%以下であってもよく、89質量%以上97質量%以下であってもよい。
本実施形態の現像剤は、現像によって消費されるトナーと一緒にキャリアを追加し、現像器内のキャリアを少しずつ入れ替える現像方式(いわゆるトリクル現像方式)に使用される補給用現像剤でもよい。
トリクル現像方式に使用される補給用現像剤の場合、トナーとキャリアの混合質量比は、例えばトナー質量/キャリア質量が2以上であってよく、3以上であってもよく、5以上であってもよい。
〔トナー〕
トナーとしては、特に制限はなく、公知のトナーが用いられる。例えば、結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子を含む着色トナーが挙げられ、着色剤の代わりに赤外線吸収剤を用いた赤外線吸収トナーも挙げられる。トナーは、必要に応じて離型剤や各種の内添剤、外添剤等を含んでいてもよい。
結着樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
結着樹脂の軟化温度は、例えば70℃以上150℃以下であってよく、結着樹脂のガラス転移温度は、例えば40℃以上70℃以下であってよい。結着樹脂の数平均分子量は、例えば2000以上50000以下であってよく、結着樹脂の重量平均分子量は、例えば8000以上150000以下であってよい。結着樹脂の酸価は、例えば5以上30以下であってよく、結着樹脂の水酸基価は、例えば5以上40以下であってよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3等が挙げられる。
トナーは、必要に応じてトナー粒子内部に帯電制御剤を含んでもよい。その際、特に着色トナーにおいては、色調に影響を与えない無色又は淡色の帯電制御剤が望ましい。帯電制御剤としては、公知のものを使用してもよいが、例えば、アゾ系金属錯体;サルチル酸若しくはアルキルサルチル酸の金属錯体若しくは金属塩;ニグロシン;四級アンモニウム塩;等が挙げられる。
トナーは、オフセットの防止等を目的として、トナー粒子内部に離型剤を含んでもよい。
離型剤としては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、個分子アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等が挙げられる。誘導体は、酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。
トナーは、トナー粒子内部に無機酸化物粒子を含んでもよい。無機酸化物粒子としては、例えば、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。中でも特に、シリカ粒子、チタニア粒子が望ましい。無機酸化物粒子の表面は、必ずしも予め疎水化処理されている必要はないが、疎水化処理されていてもよい。
トナーは、トナー粒子表面に粒子を含んでもよい。粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ等の流動化剤や、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子等のクリーニング助剤若しくは転写助剤等の外添剤が挙げられる。
トナー粒子の形状係数SF1は、例えば110以上145以下であってもよく、120以上135以下であってもよい。
形状係数SF1は、例えば、顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡画像を、画像解析装置を用いて解析することによって数値化される。具体的には、例えば、スライドグラス上に散布したトナー粒子の光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個のトナー粒子について下記式によりSF1を計算し、その平均値を求める。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100
ここで、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積である。
トナー粒子の体積平均粒径は、例えば30μm以下であってよく、4μm以上20μm以下であってもよい。
トナー粒子の体積平均粒度分布GSDvは、例えば1.15以上1.25以下であってよい。
体積平均粒度分布GSDvの測定は、例えば、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液としてISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して測定し、測定によって得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径をD16v、累積50%となる粒径をD50v、累積84%となる粒径をD84vと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布GSDvは、(D84v/D16v1/2として算出される。また、体積平均粒径は、上記D50vとして得られた値である。
トナー粒子の製造方法としては、例えば、結着樹脂と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等とを混練、粉砕、分級する混練粉砕法;混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力又は熱エネルギーにて形状を変化させる方法;結着樹脂を乳化して分散した分散液と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化凝集法;結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法;結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法;結着樹脂と着色剤、及び必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液とを水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法;等が使用される。
また上記方法で得られた粒子をコアにして、さらに樹脂粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造を持たせたトナー粒子を製造する方法でもよい。
以上のようにして得られたトナー粒子は、そのままトナーとして用いてよいし、上記のようにトナー粒子の表面に外添剤を外添させたものをトナーとして用いてもよい。
<画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ、及び現像剤カートリッジ>
本実施形態の画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、前記潜像保持体の表面に形成された前記静電荷像を本実施形態の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を備える。
本実施形態の画像形成装置により、潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、前記潜像保持体の表面に形成された前記静電荷像を本実施形態の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着工程と、を有する本実施形態の画像形成方法が実施される。
本実施形態の画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。該プロセスカートリッジとしては、本実施形態の現像剤を収容し、潜像保持体の表面に形成された静電潜像を前記現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱される本実施形態のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
また、本実施形態の画像形成装置において、現像剤を収容する部分が、画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジ構造(現像剤カートリッジ)であってもよい。該現像剤カートリッジとしては、本実施形態の現像剤を収容し、画像形成装置に着脱される本実施形態の現像剤カートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。
本実施形態の画像形成装置101は、図1に示すように、例えば、矢印Aで示すように時計回り方向に回転する電子写真感光体10(潜像保持体の一例)と、電子写真感光体10の上方に、電子写真感光体10に相対して設けられ、電子写真感光体10の表面を帯電させる帯電装置20(帯電手段の一例)と、帯電装置20により帯電した電子写真感光体10の表面に露光して静電潜像を形成する露光装置30(静電潜像形成手段の一例)と、露光装置30により形成された静電潜像に現像剤に含まれるトナーを付着させて電子写真感光体10の表面にトナー像を形成する現像装置40(現像手段の一例)と、記録紙P(被転写体の一例)に電子写真感光体10上のトナー像を転写させる転写装置50(転写手段の一例)と、トナー像が転写された記録紙Pを搬送しつつトナー像を定着させる定着装置60(定着手段の一例)とを備える。
そして、本実施形態の画像形成装置101は、電子写真感光体10の表面をクリーニングするクリーニング装置70(トナー除去手段の一例)が設けられている。
以下、本実施形態の画像形成装置101における主な構成部材の詳細について説明する。
(電子写真感光体)
電子写真感光体10としては、例えば、導電性基体上に設けられる感光層が無機材料で構成される無機感光体や、感光層が有機材料で構成される有機感光体などが挙げられる。 有機感光体としては、導電性基体上に、導電性露光により電荷を発生する電荷発生層と、電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離型の感光体や、導電性基体上に、電荷を発生する機能と電荷を輸送する機能を同一の層が果たす単層型感光層を設けた感光体が挙げられる。また、無機感光体としては、導電性基体上に、アモルファスシリコンにより構成された感光層を設けた感光体が挙げられる。
電子写真感光体10の形状は、円筒状に限らず、例えば、シート状、プレート状等の、公知の形状であってよい。
(帯電装置)
帯電装置20としては、例えば、導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が挙げられる。
帯電装置20としては、例えば、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等の公知の帯電器等も挙げられる。
(露光装置)
露光装置30としては、例えば、電子写真感光体10表面に、半導体レーザー光、LED光、液晶シャッタ光等の光を像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体10の分光感度領域にあるものがよい。半導体レーザーの波長としては、例えば、780nm前後に発振波長を有する近赤外がよい。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザーや青色レーザーとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザーも利用してもよい。
露光装置30としては、例えば、カラー画像形成のためにはマルチビーム出力するタイプの面発光型のレーザー光源も有効である。
(現像装置)
現像装置40としては、現像機能を有している限り特に制限はなく、二成分現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置であってよい。例えば、現像装置40として、現像剤を収容する容器内に、現像領域で電子写真感光体10に対向して配置された現像ロール41を備える構成が挙げられる。
ほかに、現像装置40は、例えば、現像剤を収容する容器内に現像剤が補給され、前記容器内に収容された現像剤のうちの過剰分を排出しつつ現像するトリクル現像方式の現像装置でもよい。排出される現像剤の過剰分は、現像装置40内で攪拌されることにより劣化した現像剤を含む。
(転写装置)
転写装置50としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等の公知の転写帯電器が挙げられる。
(定着装置)
定着装置60としては、例えば、加熱ロールと加圧ロールとを有し加熱加圧によりトナー像を定着する熱定着器や、フラッシュランプ等による光照射によりトナー像を加熱して定着する光定着器などが採用される。
(クリーニング装置)
クリーニング装置70は、例えば、筐体71と、クリーニングブレード72と、クリーニングブラシ73と、を含んで構成される。クリーニングブラシ73には、例えば固形状の潤滑剤74が接触して配置されている。
以下、本実施形態の画像形成装置101の動作について説明する。
まず、電子写真感光体10が矢印Aで示される方向に沿って回転すると同時に、帯電装置20により負に帯電する。
帯電装置20によって表面が負に帯電した電子写真感光体10は、露光装置30により露光され、表面に潜像が形成される。
電子写真感光体10における潜像の形成された部分が現像装置40に近づくと、現像装置40(現像ロール41)により潜像にトナーが付着し、トナー像が形成される。
トナー像が形成された電子写真感光体10が矢印Aに方向にさらに回転すると、転写装置50によりトナー像は記録紙Pに転写される。これにより、記録紙Pにトナー像が形成される。
画像が形成された記録紙Pは、定着装置60でトナー像が定着される。
本実施形態の画像形成装置101は、例えば図2に示すように、筐体11内に、電子写真感光体10、帯電装置20、露光装置30、現像装置40、及びクリーニング装置70を一体に収容させたプロセスカートリッジ101Aを備えた形態であってもよい。プロセスカートリッジ101Aは、複数の部材を一体的に収容し、画像形成装置101に脱着させるものである。
プロセスカートリッジ101Aの構成は、上記に限られず、現像装置40のほかには、電子写真感光体10、帯電装置20、露光装置30、転写装置50、及びクリーニング装置70の少なくとも1種を選択的に組み合わせてもよい。
本実施形態の画像形成装置101は、上記構成に限られず、例えば、電子写真感光体10の周囲であって、転写装置50よりも電子写真感光体10の回転方向下流側でクリーニング装置70よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、残留したトナーの極性を揃え、クリーニングブラシで除去し易くするための第1除電装置を設けた形態であってもよいし、クリーニング装置70よりも電子写真感光体の回転方向下流側で帯電装置20よりも電子写真感光体の回転方向上流側に、電子写真感光体10の表面を除電する第2除電装置を設けた形態であってもよい。
本実施形態の画像形成装置101は、上記構成に限られず、周知の構成、例えば、電子写真感光体10に形成したトナー像を中間転写体に転写した後、記録紙Pに転写する中間転写方式の画像形成装置を採用してもよいし、タンデム方式の画像形成装置を採用してもよい。
以下、実施例を挙げ、本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
<ポリフェニレンエーテルの準備>
ポリフェニレンエーテルは、下記の3種類を用意した。
・ポリフェニレンエーテル(1):旭化成ケミカルズ社製、標準グレード品、数平均分子量19000、線膨張係数5×10−5/℃。
・ポリフェニレンエーテル(2):旭化成ケミカルズ社製、低粘度グレード品、数平均分子量16000、線膨張係数5×10−5/℃。
・ポリフェニレンエーテル(3):下記合成方法で得たポリフェニレンエーテル、数平均分子量5500、線膨張係数5.0×10−5/℃。
攪拌翼、温度計、還流冷却器を備えた反応槽に、下記の材料を窒素ガスを吹き込みながら入れ、攪拌して混合した。酸素を導入しながら150分間40℃を維持した。エチレンジアミン四酢酸三カリウム塩の45%水溶液を0.5部添加し重合反応を終了させ、10分後の反応溶液を抜き出し、メタノールを反応溶液の5倍量加えて濾過した後、120℃で5時間真空乾燥して乾燥ポリフェニレンエーテルを得た。
・2,6−ジメチルフェノール 175部
・塩化第二銅二水和物 0.20部
・35%塩酸 0.84部
・ジ−n−ブチルアミン 0.83部
・N,N,N’,N’−テトラメチルプロパンジアミン 4.98部
・キシレン/ブタノール/メタノール混合液(質量比率75/10/15) 318部
<特定樹脂及び比較用樹脂の準備>
特定含窒素重合体として、下記の特定樹脂(1)〜(7)を用意した。比較用の樹脂として、下記の比較用樹脂(1)〜(3)を用意した。
・特定樹脂(1):ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)/スチレン共重合体。重合比(質量比)50/50。
・特定樹脂(2):DMAEMA/スチレン共重合体。重合比(質量比)20/80。
・特定樹脂(3):DMAEMA/スチレン共重合体。重合比(質量比)60/40。
・特定樹脂(4):DMAEMA/スチレン/メチルメタクリレート(MMA)共重合体。重合比(質量比)20/70/10。
・特定樹脂(5):DMAEMA/スチレン共重合体。重合比(質量比)80/20。
・特定樹脂(6):N−シクロヘキシルマレイミド/スチレン共重合体。重合比(質量比)20/80。
・特定樹脂(7):N−フェニルマレイミド/スチレン共重合体。重合比(質量比)50/50。
・比較用樹脂(1):DMAEMA/MMA共重合体。重合比(質量比)50/50。
・比較用樹脂(2):ポリスチレン。
・比較用樹脂(3):スチレン/MMA共重合体。重合比(質量比)50/50。
<キャリア(1)の製造>
フェライト粒子を除く下記材料をホモミキサーで10分間分散し、被覆層形成用溶液を調製した。この被覆層形成用溶液とフェライト粒子とを60℃に維持された真空脱気型ニーダーで30分間攪拌した後、5kPaの減圧下100℃で60分間維持してトルエンを留去した。こうしてフェライト粒子のまわりに被覆層を形成してキャリア(1)を得た。被覆層に含まれるポリフェニレンエーテルと特定含窒素重合体の総量におけるポリフェニレンエーテルの割合を前述の方法で調べたところ、90%であった。
・フェライト粒子(パウダーテック社製F300、体積平均粒径50μm) 100部
・トルエン 15部
・ポリフェニレンエーテル(1) 2.25部
・特定樹脂(1) 0.25部
・メラミン樹脂粒子(日本触媒社製エポスターS、体積平均粒径100nm)0.7部
<キャリア(2)〜(13)の製造>
キャリア(1)の製造と同様の方法で、ただし、ポリフェニレンエーテル及び樹脂を表1に示す種類及び部数に変更して、キャリア(2)〜(13)を製造した。各キャリアについて、被覆層に含まれるポリフェニレンエーテルと特定含窒素重合体の総量におけるポリフェニレンエーテルの割合(質量%)を調べた。その結果を、表1の「被覆層中のポリフェニレンエーテルの割合」欄に示す。
<キャリア(C1)〜(C6)の製造>
キャリア(1)の製造と同様の方法で、ただし、ポリフェニレンエーテル及び樹脂を表1に示す種類及び部数に変更して、キャリア(C1)〜(C6)を製造した。各キャリアについて、被覆層に含まれるポリフェニレンエーテルと比較用樹脂の総量におけるポリフェニレンエーテルの割合(質量%)を調べた。その結果を、表1の「被覆層中のポリフェニレンエーテルの割合」欄に示す。
キャリア(C4)においては、ポリフェニレンエーテル(1)と含窒素重合体である比較用樹脂(1)との相溶性が、ポリフェニレンエーテル(1)と特定含窒素重合体である特定樹脂(1)との相溶性に比べて劣るため、樹脂の混ざりに偏りが生じ、コア芯材との密着性が悪化したために、コア芯材の露出が多い状態となった。該キャリアは、被覆層の強度が低いものと予想された。また、該キャリアは、現像剤に使用した際に、適度な帯電付与や帯電保持が困難と予想された。
<トナー(1)の製造>
(着色剤粒子分散液(1)の調製)
下記の材料を混合し、IKA社製ウルトラタラックスにより5分間、更に超音波バスにより10分間分散し、固形分21%の着色剤粒子分散液(1)を得た。粒度測定器LA−700(堀場製作所製)にて体積平均粒径を測定したところ、160nmであった。
・シアン顔料(大日精化工業社製、銅フタロシアニンB15:3) 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンSC) 5部
・イオン交換水 200部
(離型剤粒子分散液(1)の調製)
下記の材料を耐熱容器中で混合し、90℃に昇温して30分間撹拌を行った。次いで、容器底部より溶融液をゴーリンホモジナイザーへと流通し、5MPaの圧力下、3パス相当の循環運転を行った後、圧力を35MPaに昇圧し、更に3パス相当の循環運転を行った。こうして出来た乳化液を前記耐熱溶液中で40℃以下になるまで冷却し、離型剤粒子分散液(1)を得た。粒度測定器LA−700(堀場製作所製)にて体積平均粒径を測定したところ、240nmであった。
・パラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9) 19部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンSC) 1部
・イオン交換水 80部
(樹脂粒子分散液(1)の調製)
下記の油層の材料と水層(1)の材料をフラスコに入れて撹拌混合し単量体乳化分散液とした。別途、反応容器に下記水層(2)の材料を投入し、容器内を窒素で置換し、撹拌しながらオイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。反応容器内に上記の単量体乳化分散液を3時間かけて徐々に滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後、更に75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させ、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−油層−
・スチレン(和光純薬工業社製) 30部
・アクリル酸n−ブチル(和光純薬工業社製) 10部
・β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華社製) 1.3部
・ドデカンチオール(和光純薬工業社製) 0.4部
−水層(1)−
・イオン交換水 17部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製DAWFAX2A1) 0.4部
−水層(2)−
・イオン交換水 40部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製DAWFAX2A1) 0.05部
・ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬工業社製) 0.4部
(トナー(1)の調製)
下記の材料をステンレス製フラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスを用い混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で80分保持した後、ここに樹脂粒子分散液(1)を70部追加した。
・樹脂粒子分散液(1) 150部
・着色剤粒子分散液(1) 30部
・離型剤粒子分散液(1) 40部
・ポリ塩化アルミニウム 0.5部
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを5.5に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら97℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を1℃/分で冷却し、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これを更に40℃のイオン交換水3000部を用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌し洗浄した。この洗浄操作を更に5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A濾紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の形状係数SF1は125であり、体積平均粒度分布GSDvは、1.20であった。
このトナー粒子に、ヘキサメチルジシラザンで表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO)粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランとの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物粒子とを、トナー粒子の表面被覆率が40%となるように添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、トナー(1)を作製した。
<実施例1〜13>
キャリア(1)〜(13)のいずれか100部と、トナー(1)6部とを混合し、現像剤(1)〜(13)を得た。
<比較例1〜6>
キャリア(C1)〜(C6)のいずれか100部と、トナー(1)6部とを混合し、現像剤(C1)〜(C6)を得た。
<評価>
各実施例・比較例の現像剤を、富士ゼロックス社製「700 Digital Color Press」の現像機に収納して、低温低湿(10℃/12%RH)の環境下で、画像エリアカバレッジ20%でベタ画像(トナーのり量0.6mg/cm)を形成した。用紙は富士ゼロックス社製P紙A4を用いた。
100枚目と10000枚目について、ベタ画像の中央部の10cm×5cmの範囲中でランダムに10点の濃度を計測した。濃度計測には、画像濃度計X−Rite938(X−Rite社製)を用いた。
下記の基準で、画像濃度、画像濃度差、及び被覆層の剥がれの評価を行った。結果を表2に示す。
(画像濃度)
10点の平均濃度を求め画像濃度とし、以下の基準で評価した。
A:100枚目、10000枚目共に1.7以上
B:100枚目及び10000枚目の一方が1.7以上、他方が1.7未満
C:100枚目、10000枚目共に1.7未満
(画像濃度差)
100枚目の画像濃度と10000枚目の画像濃度との差(|100枚目−10000万枚目|)を画像濃度差とし、以下の基準で評価した。
A:0.1未満
B:0.1以上0.15未満
C:0.15以上
(キャリア被覆層の剥がれ)
キャリア被覆層の剥がれを、下記の方法で評価した。
上記の10000枚目の画像形成が終了した時点で、現像機から現像剤を取り出し、キャリアを分離し、以下の測定機器及び測定条件でXPS分析を実施した。
・測定機器:日本電子株式会社製JPS−9000MX
・測定強度:10kV、30mA
・Emission電流:20mA
・線源:MgKα
・Arガス:3×10−2Pa
・加速電圧:400V、6mA〜7mA
・エッジング時間:5秒
・分析領域:6mm×6mm
XPS分析にて得られた各元素に由来するピーク強度からFe元素の含有量を算出した。なお、測定深さはエッジング時間5秒で最表面から15nm程度と考えられた。
10000枚目の画像形成が終了した時点のキャリアのFe元素の検出結果をAとし、未使用キャリアのFe元素の検出結果をBとしたときのA/Bの値を求め、以下の基準で評価した。
A:0.95≦A/B≦1.03
B:0.90≦A/B<0.95
C:0.80≦A/B<0.90
D:A/B<0.80
表2から分かるとおり、実施例は、比較例に比べ、現像開始初期から画像濃度に優れ、且つ、現像の繰り返しによるキャリア被覆層の剥がれが発生しにくい。
10 電子写真感光体
11 筐体
20 帯電装置
30 露光装置
40 現像装置
41 現像ロール
50 転写装置
60 定着装置
70 クリーニング装置
71 筐体
72 クリーニングブレード
73 クリーニングブラシ
74 潤滑剤
101 画像形成装置
101A プロセスカートリッジ
P 記録紙

Claims (7)

  1. 芯材粒子と、
    前記芯材粒子の表面を被覆し、ポリフェニレンエーテル並びに、含窒素単量体及び下記一般式(1)で表される単量体が重合されてなる重合体を含む被覆層と、
    を有する静電荷像現像用キャリア。

    (一般式(1)中、R、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1以上6以下のアルキル基を表す。)
  2. 前記被覆層に含まれる前記ポリフェニレンエーテルと前記重合体の総量における前記ポリフェニレンエーテルの割合が60質量%以上99.4質量%以下である請求項1に記載の静電荷像現像用キャリア。
  3. トナーと、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用キャリアと、を含む静電荷像現像剤。
  4. 請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、画像形成装置に着脱される現像剤カートリッジ。
  5. 請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容し、潜像保持体の表面に形成された静電潜像を前記静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  6. 潜像保持体と、
    前記潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電された前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    前記潜像保持体の表面に形成された前記静電荷像を請求項3に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  7. 潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電された前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    前記潜像保持体の表面に形成された前記静電荷像を請求項3に記載の静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記潜像保持体の表面に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
    前記記録媒体に転写された前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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