JP2014142005A - バルブアクチュエータ及びバルブ装置並びにバルブアクチュエータの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動源11と、外部の弁体12に駆動源11の駆動力を伝える動力伝達機構13と、弁体12の位置を検出する位置計測手段14とを備えたバルブアクチュエータ10において、動力伝達機構13に生じているトルクを測定するトルク計測手段39と、トルク計測手段39の測定値を基に駆動源11を停止させる制御手段15とが設けられ、制御手段15は、駆動源11に停止信号を送るトリガーとなる、トルク計測手段39の測定値の判定基準値を、位置計測手段14を介して検知する弁体12の位置に応じて切り替える。
【選択図】図1
Description
また、閉動作中の弁体がバルブシートに接するとバルブアクチュエータに生じているトルクが上昇するため、定格トルクの値を超えたことをトリガーにして駆動源を停止することで、弁体を締め切った状態(閉状態)で駆動源を停止することもできる。
駆動源の出力は減速機構によって減速されて弁体を駆動するのが一般的で、駆動源に停止信号が送信されてから、実際に弁体が停止するまでは、惰性によって弁体が閉方向に移動することが、本発明の発明者らによって確認されている。
このため、弁体を締め切った状態で生じているトルクの値を事前に計測し、その値を単純にトルクリミッタに設定した場合、弁体が停止した際にバルブシートにかかっている接触圧は、想定した値より大きくなる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、バルブシートに対して過度の接触圧をかけることなく弁体を締め切ることが可能なバルブアクチュエータ及びバルブ装置並びにバルブアクチュエータの制御方法を提供することを目的とする。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係るバルブアクチュエータ10は、駆動源11と、外部の弁体12に駆動源11の駆動力を伝える動力伝達機構13と、弁体12の位置を検出する位置計測手段14と、動力伝達機構13に生じているトルクを基に駆動源11を停止させる制御手段15とを備えている。
駆動源11は、外部から電力が供給され、駆動することによって出力軸16を回転し、出力軸16に固定されているギア18及びギア18に噛み合っているギア19を介して、ギア19が固定されたシャフト20に回転力を与え回転させる。シャフト20は、軸受け21、22、22aによって回転自在に支持された状態で水平に保たれている。
軸受けハウジング26によって回転自在に支持されて鉛直に保たれたスリーブ24は、雌ねじ構造を備え、この雌ねじ構造には、鉛直に配置された雄ねじであるスピンドル28が噛み合っている。スピンドル28は、駆動源11の駆動によりシャフト20と共にスリーブ24が回転するのに伴って、昇降する。
バルブアクチュエータ10は、弁体12を降下させて弁体12の下端部を枠体30に取り付けられたバルブシート32に当接させることで流路を閉じ、弁体12を上昇させて弁体12の下端部をバルブシート32から離すことで流路を開く。
また、バルブアクチュエータ10は、図2に示すように、シャフト20が挿通するハウジング33を備え、ハウジング33は、シャフト20に対して力を作用させる皿ばね34を内包している。皿ばね34は、一側にギア19が取り付けられたシャフト20のギア19から離れた位置に設けられ、シャフト20の軸方向でギア19のある向きの力をシャフト20に対して作用させている。本実施の形態では、軸受け22aが固定されているのに対し、軸受け22はシャフト20と共に移動するように設計されており、皿ばね34は軸受け22を介してシャフト20に力を作用させている。
なお、皿ばね34の代わりに、皿ばねではない弾性体を採用することもでき、例えばコイルばねを用いても良い。
シャフト20には、スライド軸35を介してポテンショメータ36が連結されている。スライド軸35は、シャフト20がシャフト20の軸方向に移動するのに伴ってシャフト20と一体的に移動する態様でシャフト20に連結されている。支持部材37によって支持されたポテンショメータ36は、スライド軸35の移動量からシャフト20の移動量を計測し、その計測値を出力することができる。
本実施の形態では、主として、スライド軸35、ポテンショメータ36及び演算器38によって、シャフト20に生じているトルクを測定するトルク計測手段39が構成されている。ポテンショメータ36は、連続的にスライド軸35の移動量を検出できるので、トルク計測手段39は、シャフト20に生じているトルクを正確に計測可能である。
なお、トルク計測手段39の代わりに、動力伝達機構13のシャフト20以外の部材に生じているトルクを測定するトルク計測手段を用いてもよく、更に、シャフト20の移動により回転する軸とその軸の回転角度からシャフト20の移動量を計測するポテンショメータによってトルク計測手段を構成することもできる。また、制御手段15及び演算器38はそれぞれ、マイクロコンピュータによって構成可能である。
ここで、制御手段15が駆動源11に停止信号を送るトリガーとなるトルク計測手段39の測定値を判定基準値とすると、制御手段15は、閉動作中の弁体12の位置に応じて2つの異なる判定基準値を使い分け、駆動源11に停止信号を送るタイミングを決定する。
制御手段15は、演算器43に接続され、位置計測手段14を介して弁体12の位置を検知可能に設計されている。
なお、例えば、第1の値は80〜120Nmの範囲の値で、第2の値は20〜60Nmの範囲の値であり、シャフト20が移動する第3の値は第2の値より小さい10〜20Nmの範囲の値である。また、本実施の形態では、判定基準値を切り替える弁体12の位置を1%にしているが、これに限定されず、例えば、0.5〜5%の範囲の位置にすることができる。
図4に示すように、駆動源11の作動により弁体12の閉動作が開始する(ステップS1)と、制御手段15は、位置計測手段14を介して弁体12の位置を検出し(ステップS2)、検出した弁体12の位置が1%以下か否かを判定する(ステップS3)。
そして、制御手段15は、弁体12の位置が1%を超える場合、判定基準値に第1の値を設定し(ステップS4)、弁体12の位置が1%以下の場合、判定基準値に第2の値を設定する(ステップS4’)。
ステップS6において、トルク計測手段39から取得した測定値が第1の値を超える原因としては、障害物により弁体12の閉動作や、動力伝達機構13の動作が妨げられていることが考えられる。
そして、ステップS9で、弁体12の位置が1%以下でない(即ち、弁体12の位置が1%を超える)と判定された場合、ステップS5に戻る。
ステップS10の後、制御手段15は、トルク計測手段39からシャフト20のトルクの測定値を取得し、その測定値と第2の値を比較する(ステップS11)。
一方、制御手段15は、トルク計測手段39から取得した測定値が第2の値を超える場合、駆動源11に停止信号を送信して駆動源11を停止させる(ステップS13)。
このようにして、制御手段15は、弁体12が閉動作中、判定基準値を、弁体12の位置に応じて切り替え、駆動源11に対して停止信号を送るタイミングを決定している。
ステップS15において、制御手段15は、トルク計測手段39の測定値、又は、位置計測手段14の測定値が所定時間、変化していないのを検知することによって、弁体12が閉状態(締め切った状態)となって停止したことを検出できる。
従って、弁体12がバルブシート32を押圧する力は、駆動源11が作動を停止してから弁体12が実際に停止するまで増加する。
制御手段15は、ステップS15で得たトルク計測手段39の測定値(以下、「弁締め切り値」ともいう)と予め定められた目標値を比較し、弁締め切り値と目標値の大小関係に応じて第2の値を補正し、第2の値の更新を行う(ステップS16)。
このような補正を行うことによって、閉動作を行った弁体12が停止した際の弁締め切り値は目標値に近づき、バルブシート32の破損や、バルブシート32の過度な摩耗を確実に防止することができる。
なお、弁締め切り値が目標値と等しい場合は、第2の値を補正せず、次回の弁体12の閉動作時に既存の値を用いる。
そして、制御手段15は、弁体12を開く際に、判定基準値を第1の値で固定して、駆動源11に停止信号を送信するタイミングを決定する。
バルブアクチュエータ50は、主に、スリーブとスピンドルの連結と位置計測手段の構成とがバルブアクチュエータ10と異なっている。
以下、バルブアクチュエータ50について、バルブアクチュエータ10と異なる構成を中心に説明する。
スピンドル53は、駆動源11の駆動によってスリーブ52と一体的に回転する。
バルブ装置51は、主として、バルブアクチュエータ50と、スピンドル53に固定され、スピンドル53と一体的に回転する板状で円形の弁体54と、弁体54を回転可能に支持する枠体55とによって構成されている。
枠体55の内側には、締め切り位置に配置された弁体54が当接するバルブシート56が取り付けられ、バルブシート56に弁体54を押し付けることで流路を確実に密閉する設計がなされている。
例えば、第2の値は補正することなく同じ値で維持してもよく、この場合、第2の値を補正する場合よりも短期間でバルブシートを取り替えることで、弁体を確実に締め切った上で、バルブシートの損傷を防止することができる。
Claims (10)
- 駆動源と、外部の弁体に前記駆動源の駆動力を伝える動力伝達機構と、前記弁体の位置を検出する位置計測手段とを備えたバルブアクチュエータにおいて、
前記動力伝達機構に生じているトルクを測定するトルク計測手段と、前記トルク計測手段の測定値を基に前記駆動源を停止させる制御手段とが設けられ、前記制御手段は、前記駆動源に停止信号を送るトリガーとなる、前記トルク計測手段の測定値の判定基準値を、前記位置計測手段を介して検知する前記弁体の位置に応じて切り替えることを特徴とするバルブアクチュエータ。 - 請求項1記載のバルブアクチュエータにおいて、前記制御手段は、前記弁体が予め定められた位置まで閉じられたのを検知することによって、前記判定基準値を、第1の値から該第1の値より小さい第2の値に切り替えることを特徴とするバルブアクチュエータ。
- 請求項2記載のバルブアクチュエータにおいて、前記制御手段は、前記弁体が閉状態となって停止した際に前記トルク計測手段が測定する弁締め切り値が、目標値より大きい際に前記第2の値を既存の値より小さい値に補正し、前記弁締め切り値が前記目標値より小さい際に前記第2の値を既存の値より大きい値に補正することを特徴とするバルブアクチュエータ。
- 請求項2又は3記載のバルブアクチュエータにおいて、前記動力伝達機構は、該動力伝達機構に生じているトルクが前記第2の値より小さい第3の値以上になることにより移動するシャフトを備え、前記トルク計測手段は、前記シャフトの移動量を計測するポテンショメータを有することを特徴とするバルブアクチュエータ。
- 流路を開閉する弁体と、駆動源と、前記弁体に前記駆動源の駆動力を伝える動力伝達機構と、前記弁体の位置を検出する位置計測手段とを備えたバルブ装置において、
前記動力伝達機構に生じているトルクを測定するトルク計測手段と、前記トルク計測手段の測定値を基に前記駆動源を停止させる制御手段とが設けられ、前記制御手段は、前記駆動源に停止信号を送るトリガーとなる、前記トルク計測手段の測定値の判定基準値を、前記位置計測手段を介して検知する前記弁体の位置に応じて切り替えることを特徴とするバルブ装置。 - 請求項5記載のバルブ装置において、前記制御手段は、前記弁体が予め定められた位置まで閉じられたのを検知することによって、前記判定基準値を、第1の値から該第1の値より小さい第2の値に切り替えることを特徴とするバルブ装置。
- 請求項6記載のバルブ装置において、前記制御手段は、前記弁体が閉状態となって停止した際に前記トルク計測手段が測定する弁締め切り値が、目標値より大きい際に前記第2の値を既存の値より小さい値に補正し、前記弁締め切り値が前記目標値より小さい際に前記第2の値を既存の値より大きい値に補正することを特徴とするバルブ装置。
- 駆動源の駆動力を動力伝達機構を介して与え弁体を開閉するバルブアクチュエータの制御方法において、
前記動力伝達機構に生じているトルクを測定するトルク計測手段を設け、前記駆動源に停止信号を送るトリガーとなる、前記トルク計測手段の測定値の判定基準値を、前記弁体の位置に応じて切り替えることを特徴とするバルブアクチュエータの制御方法。 - 請求項8記載のバルブアクチュエータの制御方法において、前記判定基準値を、前記弁体が予め定められた位置まで閉じられた際に、第1の値から該第1の値より小さい第2の値に切り替えることを特徴とするバルブアクチュエータの制御方法。
- 請求項9記載のバルブアクチュエータの制御方法において、前記弁体が閉状態となって停止した際に前記動力伝達機構に生じていたトルクの弁締め切り値が、目標値より大きい際に前記第2の値を既存の値より小さい値に補正し、前記弁締め切り値が前記目標値より小さい際に前記第2の値を既存の値より大きい値に補正することを特徴とするバルブアクチュエータの制御方法。
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