JP2014141900A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の停止過程でロック制御によってロックピンを穴に没入させることができないときでも、そのロックピンの穴への没入を実現できるようにする。
【解決手段】バルブタイミング可変機構のハウジング22における穴30よりも遅角側(図中左側)の位置には、その穴30寄りも浅くロック機構28のロックピン31を没入させることが可能なラチェット溝32が、ロック機構28の穴30と繋がるように形成される。そして、内燃機関の停止過程でロック制御によりロックピン31の穴30への没入を完了できないとき、次のようにサブロック制御が実行される。すなわち、同サブロック制御では、ハウジング22に対しロータ21を回転方向における最遅角位置まで相対移動させた後、ロック機構28の油圧駆動を通じてロックピン31を穴30に対する没入方向に移動させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
自動車等の車両に搭載される内燃機関では、燃費改善や出力向上等を目的として、例えば特許文献1、2に示されるように吸気バルブ等の機関バルブのバルブタイミングを制御するバルブタイミング制御装置を適用することが知られている。
こうしたバルブタイミング制御装置は、内燃機関のクランクシャフトからの回転伝達を受けるハウジングに対し同機関のカムシャフトと一体回転するロータを回転方向について相対移動させることにより、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を可変とするバルブタイミング可変機構を備えている。同バルブタイミング可変機構の駆動を通じてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を可変とすることにより、カムシャフトによって開閉駆動される機関バルブのバルブタイミング(開閉タイミング)が可変とされる。また、バルブタイミング制御装置は、バルブタイミング可変機構のハウジングに対するロータの回転方向についての相対移動を禁止したり許可したりするロック機構も備えている。このロック機構は、バルブタイミング可変機構におけるハウジングとロータとのうちの一方に設けられた穴に対し他方に設けられたロックピンを没入させることにより、ハウジングに対するロータの相対移動を禁止する一方で、上記穴から上記ロックピンを抜き出すことにより、ハウジングに対するロータの相対移動を許可する。
こうしたロック機構によるハウジングに対するロータの相対移動の禁止については、例えば機関バルブのバルブタイミングが内燃機関の始動に適したタイミングとなる状態で行われる。すなわち、ロックピンを穴に没入させたときの機関バルブのバルブタイミングが内燃機関の始動に適したタイミングとなるよう、それらロックピンと穴との相対位置が定められる。このため、内燃機関の停止過程でロック機構における上記ロックピンを上記穴に没入させてハウジングに対するロータの相対移動を禁止しておくことにより、次回の機関始動時に機関バルブのバルブタイミングを内燃機関の始動に適したタイミングに固定した状態で同機関を始動開始することが可能になる。そして、内燃機関の始動完了後にはロック機構のロックピンを穴から抜き出すことにより、ハウジングに対するロータの相対移動が許可される。これにより、バルブタイミング可変機構の駆動を通じての機関バルブのバルブタイミング可変が可能になる。
なお、ロック機構による上記ハウジングに対するロータの相対移動の禁止については、ハウジングに対するロータの回転方向についての相対移動範囲の端以外の位置である中間ロック位置にて行うことが考えられる。これは、内燃機関の始動開始後に機関バルブのバルブタイミングを同機関の始動時に適したタイミングよりも遅角側に調整可能にし、より広い制御範囲での機関バルブのバルブタイミング制御を実現するためである。ちなみに、内燃機関の停止過程で行われるロック機構による上記ハウジングに対するロータの相対移動の禁止は、例えば特許文献2に示されるロック制御を通じて実現される。同ロック制御では、バルブタイミング可変機構の駆動を通じてロータを中間ロック位置に向けてハウジングに対し相対移動させ、且つ、その中間ロック位置にてロック機構の駆動を通じてロックピンを穴に没入させる。これにより、バルブタイミング可変機構のハウジングに対するロータの相対移動が禁止される。
特開2012−52486公報 特開2011−32904公報
ところで、バルブタイミング可変機構のハウジングに対するロータの相対位置を正しく把握できていないときや、ロック機構におけるロックピンの移動の応答性が悪いときなどには、ロック制御を実行してもロック機構のロックピンを穴に没入させることができず、ロック制御によるロックピンの穴への没入が失敗するというおそれがある。
このことに対処するため、内燃機関の停止過程でロック制御を実行してもロック機構のロックピンを穴に没入させることができないときには、例えば特許文献1に示されるように、そのときのロックピンと穴との相対位置に関わらず同ロックピンが穴に対する没入方向に移動するようロック機構を駆動することが考えられる。この場合、内燃機関の停止完了までの間に、機関バルブを開閉駆動する際のバルブスプリングの弾性力等によりカムシャフト(ロータ)にトルク変動が発生し、それに伴ってロータがハウジングに対し相対移動する途中で、ロックピンがたまたま穴に対応して位置する状況になれば、同ロックピンを穴に没入させることができるようにはなる。
ただし、内燃機関の停止完了までの間に必ずしもロックピンが穴に対応して位置する状況になるとは限らず、そうした状況にならない場合には内燃機関の停止過程でロック機構のロックピンを穴に没入させることができなくなる。その結果、次回の内燃機関の始動時に機関バルブのバルブタイミングを始動に適したタイミングとすることができなくなり、内燃機関の良好な始動を実現することが困難になる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関の停止過程でロック制御によってロックピンを穴に没入させることができないときでも、そのロックピンの穴への没入を実現できる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する内燃機関のバルブタイミング制御装置は、内燃機関のクランクシャフトからの回転伝達を受けるハウジングに対し同機関のカムシャフトと一体回転するロータを回転方向について相対移動させるバルブタイミング可変機構、及び、ハウジングに対するロータの相対移動を禁止したり許可したりするロック機構を備える。このロック機構は、ハウジングとロータとのうちの一方に設けられた穴に対し他方に設けられたロックピンを没入させることにより、ハウジングに対するロータの回転方向についての相対移動範囲の端以外の位置である中間ロック位置にて、ハウジングに対するロータの回転方向についての相対移動を禁止する。また、ロック機構は、上記穴から上記ロックピンを抜き出すことにより、ハウジングに対するロータの回転方向についての相対移動を許可する。そして、内燃機関の停止過程では、制御部により、バルブタイミング可変機構の駆動を通じてハウジングに対しロータを上記中間ロック位置に向けて相対移動させ、且つ、その中間ロック位置にてロック機構の駆動を通じてロックピンを穴に没入させるロック制御が実行される。
ここで、内燃機関の停止過程で、上記ロック制御によるロック機構のロックピンの穴への没入に失敗し、同ロックピンを穴に没入させることができないという状況が生じる可能性がある。このようにロック制御によってロックピンを穴に没入させることができないときでも、そのロックピンの穴への没入を実現できるよう、バルブタイミング制御装置は次のように構成されている。すなわち、バルブタイミング制御装置は、上記ロックピンを没入させることが可能であって、且つ、ロック機構の穴よりも遅角側の位置に同穴よりも浅いラチェット溝を同穴と繋がるように上記バルブタイミング可変機構に形成する。更に、バルブタイミング制御装置の上記制御部は、内燃機関の停止過程においてロック制御により穴にロックピンを没入させることができないとき、そのロック制御に代えて次のようにサブロック制御を実行する。このサブロック制御では、バルブタイミング可変機構の駆動を通じてハウジングに対しロータを回転方向における最遅角位置まで相対移動させた後、ロック機構の駆動を通じてロックピンを上記穴に対する没入方向に移動させる。
この場合、サブロック制御の実行後、カムシャフトの回転に伴って開閉動作される機関バルブのバルブスプリングの弾性力等によりカムシャフトにトルク変動が発生し、それに伴ってロータがハウジングに対し進角側に相対移動するとき、ロックピンがラチェット溝に達して同溝に没入する。ロックピンがラチェット溝に没入した状態では、同ロックピンは遅角側には変位不能であり、且つ進角側(穴側)には変位可能となる。このため、上記カムシャフトのトルク変動に伴って、ロータがハウジングに対し進角側に相対移動することにより、ロックピンがラチェット溝により案内されて穴に到達するまで進角側に変位する。そして、ラチェット溝に案内されたロックピンが穴に到達すると、その穴内にロックピンが没入してハウジングに対するロータの相対移動が禁止される。以上により、内燃機関の停止過程でロック制御によってロックピンを穴に没入させることができないときでも、サブロック制御を実行することによってロックピンの穴への没入を実現することができる。
なお、上記制御部によって実行されるロック制御は、バルブタイミング可変機構の駆動を通じてハウジングに対しロータを中間ロック位置に向けて相対移動させ、且つ、その中間ロック位置にてロック機構の駆動を通じてロックピンを穴に没入させるという動作を、ロックピンの前記穴への没入が完了するまで繰り返すものとすることが可能である。この場合、上記制御部は、ロック制御におけるロックピンの穴への没入が失敗した回数をカウントし、そのカウント値が定められた閾値以上になることに基づき、ロック制御に代えてサブロック制御を実行することが考えられる。
また、上記制御部によって実行されるロック制御は、バルブタイミング可変機構の駆動を通じてハウジングに対しロータを遅角側に相対移動させることにより、同ロータの中間ロック位置に向けた相対移動を実現するものであってもよい。この場合、上記制御部は、ロック制御において、ロックピンの穴への没入が失敗したときには、次回にバルブタイミング可変機構の駆動を通じてハウジングに対しロータを中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その遅角側への相対移動の量を前回よりも大きくすることが好ましい。ここで、ロック制御でのロックピンの穴への没入の失敗の原因としては、ハウジングに対するロータの遅角側への相対移動が不十分という原因が考えられる。しかし、ロック制御でハウジングに対しロータを中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その相対移動の量を上述したように前回より大きくすれば、ハウジングに対するロータの遅角側への相対移動が同ロックピンを穴に到達させるうえで不十分になることを抑制できる。従って、ロック制御でのハウジングに対するロータの遅角側への相対移動が不十分という原因で、ロック制御でのロックピンの穴への没入が繰り返し失敗することを抑制できるようになる。
更に、上記制御部によって実行されるロック制御は、ロックピンの穴への没入が失敗したとき、バルブタイミング可変機構の駆動を通じてハウジングに対しロータを中間ロック位置よりも進角側に相対移動させるものとすることが考えられる。この場合、上記制御部は、ロックピンの穴への没入が失敗したことに基づき、次回にバルブタイミング可変機構の駆動を通じてハウジングに対しロータを中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その遅角側への相対移動の量の前回値に対する増大量を次のように可変とする。すなわち、ロック制御でロックピンの穴への没入が失敗してロータを進角側に相対移動させる際、そのロータの中間ロック位置に対する進角側へのオーバーシュートが大きいほど、上記遅角側への相対移動の量の前回値に対する増大量を大きくする。ここで、上記ロータの中間ロック位置に対する進角側へのオーバーシュートが大きいほど、ロック制御でのハウジングに対するロータの中間ロック位置に向けた遅角側への相対移動の量が大きく不足していたことを意味する。従って、上記オーバーシュートが大きいほど、上記遅角側への相対移動の量の前回置に対する増大量を大きくすることにより、次回にバルブタイミング可変機構の駆動を通じてハウジングに対しロータを中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その相対移動の量が不足することを的確に抑制できる。
上記バルブタイミング制御装置は、ハウジングに対するロータの相対位置を検出する検出部を備え、更に上記制御部を次のように構成することが好ましい。すなわち、同制御部は、サブロック制御によってロックピンの穴への没入が完了したとき、上記検出部によって検出された相対位置と中間ロック位置とのずれの分だけ、上記検出部によって検出された相対位置を補正する。こうした補正が行われることにより、補正後の上記相対位置には適正からのずれがなくなるため、そのずれに起因したロック制御でのロックピンの穴への没入の失敗をなくすことができる。
バルブタイミング制御装置が適用される内燃機関全体を示す略図。 バルブタイミング可変機構の動作に基づく吸気バルブのバルブタイミングの変化態様を示すグラフ。 バルブタイミング可変機構、及び、同機構を駆動するための油圧回路を示す略図。 ロック機構の構造を示す断面図。 ロック機構の構造を示す断面図。 ロックモード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 オイル充填モード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 進角モード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 保持モード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 遅角モード時のオイルコントロールバルブ内部を示す断面図。 スプール弁の変位に伴うオイルコントロールバルブ内の各種油路の開口面積の変化を示すグラフ。 ロック制御の実行時におけるハウジングに対するロータの相対位置の変化を示すタイムチャート。 ロック制御の実行時におけるハウジングに対するロータの相対位置の変化を示すタイムチャート。 内燃機関の停止過程でのハウジングに対するロータの相対位置の変化を示すタイムチャート。 サブロック制御の実行時におけるハウジングに対するロータの相対位置の変化を示すタイムチャート。 ロック制御及びサブロック制御の実行手順を示すフローチャート。
以下、内燃機関のバルブタイミング制御装置の一実施形態について、図1〜図15を参照して説明する。
図1に示される内燃機関1は、自動車等の車両に搭載されている。この内燃機関1においては、燃焼室2に繋がる吸気通路3にスロットルバルブ13が開閉可能に設けられており、同吸気通路3を通じて燃焼室2に空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁4から同機関1の吸気ポート3aに向けて噴射された燃料が同燃焼室2に供給される。この空気と燃料とからなる混合気に対し点火プラグ5による点火が行われると、同混合気が燃焼してピストン6が往復移動し、内燃機関1の出力軸であるクランクシャフト7が回転する。一方、燃焼室2で燃焼した後の混合気は、排気として排気通路8に送り出される。
内燃機関1における燃焼室2と吸気通路3との間は、吸気バルブ11の開閉動作を通じて連通・遮断される。この吸気バルブ11は、クランクシャフト7からの回転伝達を受ける吸気カムシャフト12の回転に伴って開閉動作する。そして、吸気カムシャフト12の回転に伴い吸気バルブ11が開弁する際には、バルブスプリング11aの圧縮時の弾性力に基づき吸気カムシャフト12に対しその回転方向と逆方向のトルク(負トルク)が作用する。また、吸気カムシャフト12の回転に伴い吸気バルブ11が閉弁する際には、バルブスプリング11aの膨張時の弾性力に基づき吸気カムシャフト12に対しその回転方向と同方向のトルク(正トルク)が作用する。
一方、内燃機関1における燃焼室2と排気通路8との間は、排気バルブ14の開閉動作を通じて連通・遮断される。この排気バルブ14は、クランクシャフト7からの回転伝達を受ける排気カムシャフト15の回転に伴って開閉動作する。そして、排気カムシャフト15の回転に伴い排気バルブ14が開弁する際には、バルブスプリング14aの圧縮時の弾性力に基づき排気カムシャフト15に対しその回転方向と逆方向のトルク(負トルク)が作用する。また、排気カムシャフト15の回転に伴い排気バルブ14が閉弁する際には、バルブスプリング14aの膨張時の弾性力に基づき排気カムシャフト15に対しその回転方向と同方向のトルク(正トルク)が作用する。
内燃機関1には、吸気バルブ11の開閉タイミングを可変とすべく、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を変化させるバルブタイミング可変機構16が設けられている。このバルブタイミング可変機構16は、オイルコントロールバルブ25の駆動によるオイルの給排を通じて、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を変化させるよう油圧駆動される。こうしたバルブタイミング可変機構16の駆動により、吸気バルブ11のバルブタイミング(開閉タイミング)が可変とされる。詳しくは、図2に示すように、吸気バルブ11の開弁期間を一定に保持した状態で同バルブ11の開弁時期及び閉弁時期が共に進角又は遅角される。
次に、バルブタイミング可変機構16、及びその駆動を行うための油圧回路について詳しく説明する。
図3に示されるように、バルブタイミング可変機構16は、吸気カムシャフト12に対しボルトにより一体回転可能に固定されたロータ21と、吸気カムシャフト12と同一軸線上に上記ロータ21を囲むように設けられてクランクシャフト7(図1)からの回転伝達を受けるハウジング22とを備えている。このハウジング22の内周面には、吸気カムシャフト12の軸線に向かって突出する突部23が周方向について所定の間隔をおいて複数形成されている。また、ロータ21の外周面には、吸気カムシャフト12の軸線から離れる方向に突出する複数のベーン24がそれぞれ上記各突部23の間に位置するように形成されている。これにより、ハウジング22内における各突部23の間に位置する部分が、ベーン24により進角側油圧室26と遅角側油圧室27とに区画されている。
そして、進角側油圧室26にオイルを供給するとともに遅角側油圧室27からオイルを排出すると、ロータ21がハウジング22に対し図中の右回転方向に相対移動して吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が進角側に変化し、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングが進角側に変化する。また、遅角側油圧室27にオイルを供給するとともに進角側油圧室26からオイルを排出すると、ロータ21がハウジング22に対し図中左回転方向に相対移動して吸気カムシャフト12のクランクシャフト7に対する相対回転位相が遅角側に変化し、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングが遅角側に変化する。
バルブタイミング可変機構16は、ロータ21のハウジング22に対する相対移動を禁止する禁止動作を行うとともに、その相対移動を許可状態とする許可動作を行うロック機構28を備えている。なお、ロック機構28の許可動作は、同機構28の解除室28aへのオイルの供給を通じて同解除室28aの油圧を上昇させることによって行われる。また、ロック機構28の禁止動作は、同機構28の解除室28aからのオイルの排出を通じて同解除室28aの油圧を低下させることによって行われる。
ロック機構28によるハウジング22に対するロータ21の相対移動の禁止は、吸気バルブ11のバルブタイミングが機関始動に適したタイミングとなる状態で行われる。これは、機関停止過程でロック機構28によるハウジング22に対するロータ21の相対移動の禁止を行うことにより、次回の機関始動開始時に吸気バルブ11のバルブタイミングを機関始動に適したタイミングに固定しておき、それによって良好な機関始動を実現するためである。更に、ロック機構28によるハウジング22に対するロータ21の相対移動の禁止は、ハウジング22に対するロータ21の回転方向についての相対移動範囲の端以外の位置である中間ロック位置にて行われる。これは、機関始動完了後にロック機構28によるハウジング22に対するロータ21の相対移動の禁止を解除して同相対移動を許可したとき、吸気バルブ11のバルブタイミングを機関始動時に適したタイミングよりも遅角側に調整可能にし、より広い制御範囲での吸気バルブ11のバルブタイミング制御を実現するためである。
図4に示すように、ロック機構28には、解除室28a内の油圧に基づく力及びばね29の付勢力を受けてハウジング22に形成された穴30に対し出し入れされるロックピン31が設けられている。ハウジング22における穴30よりも遅角側(図中左側)の位置には、その穴30寄りも浅く上記ロックピン31を没入させることが可能なラチェット溝32が、同穴30と繋がるように形成されている。ロック機構28では、ロックピン31と穴30とを位置合わせした状態のもと、解除室28aからのオイルの排出を通じて同解除室28a内の油圧に基づく力を小さくすることにより、上記ばね29の付勢力でロックピン31を穴30内に没入する禁止動作が行われる。また、ロック機構28では、ロックピン31を穴30に没入した状態のもと、解除室28aに対するオイルの供給を通じて同解除室28a内の油圧に基づく力を大きくすることにより、上記ばね29の付勢力に抗して図5に示すように穴30からロックピン31を抜き出す許可動作が行われる。
なお、ロータ21には、ロック機構28の上記禁止動作が行われた状態のとき(図4)、進角側油圧室26と遅角側油圧室27とを連通する連通路17が形成されている。この連通路17は、図5に示すようにロック機構28の許可動作が完了しているときにはロックピン31により遮断状態となる。
図3に示すように、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26及び遅角側油圧室27に対するオイルの給排、並びに、ロック機構28の解除室28aに対するオイルの給排は、バルブタイミング可変機構16及びロック機構28とオイルポンプ33とを繋ぐ油圧回路を構成する複数の油路を通じて行われる。この油圧回路における複数の油路の途中には、それら油路によるバルブタイミング可変機構16及びロック機構28に対するオイルの給排態様を変更するオイルコントロールバルブ25が設けられている。そして、オイルコントロールバルブ25を用いてバルブタイミング可変機構16及びロック機構28に対するオイルの給排態様を変更することで、バルブタイミング可変機構16の上述したようにクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相が変更されたり、ロック機構28の禁止動作や許可動作が行われたりする。
オイルコントロールバルブ25は、オイルポンプ33に対し供給油路34を介して接続されるとともに、そのオイルポンプ33により汲み上げられるオイルを貯留するためのオイルパン35に対し排出油路36を介して接続されている。なお、上記供給油路34に関しては、オイルポンプ33の下流側で二つに分岐してオイルコントロールバルブ25に対し二ヶ所で繋がっている。また、オイルコントロールバルブ25は、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26に対し進角側油路37を介して接続されるとともに、同機構16の遅角側油圧室27に対し遅角側油路38を介して接続されている。更に、オイルコントロールバルブ25は、バルブタイミング可変機構16に設けられたロック機構28の解除室28aに対し解除用油路39を介して接続されている。
そして、オイルコントロールバルブ25は、機関運転状態等に応じて、複数の動作モードのうちのいずれかのモードで動作される。こうしたオイルコントロールバルブ25の動作モードとしては、例えば以下のようなロックモード、オイル充填モード、進角モード、保持モード、及び遅角モードがあげられる。
(ロックモード)
このモードは、ロック機構28の禁止動作の完了状態、すなわちロックピン31を穴30に没入した状態を維持するためのものである。このモードでは、ロック機構28の禁止動作の完了状態のもと、排出油路36が解除用油路39に接続されるとともに、進角側油路37及び遅角側油路38がそれぞれ供給油路34と排出油路36との両方に対し遮断状態とされるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、ロック機構28の解除室28aからオイルが排出される状態になるとともに、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26及び遅角側油圧室27に対するオイルの給排が禁止される。その結果、ロック機構28の禁止動作の完了した状態、言い換えればバルブタイミング可変機構16におけるハウジング22に対するロータ21の回転方向についての相対移動が禁止された状態が維持される。
(オイル充填モード)
このモードは、機関始動時などバルブタイミング可変機構16からオイルが抜けた状態であり、且つロック機構28の禁止動作の完了状態(ロックピン31が穴30に没入された状態)のもとで、バルブタイミング可変機構16の油圧駆動を開始すべく同機構16をオイルで満たすためのものである。このモードでは、供給油路34が進角側油路37に接続されるとともに、ロック機構28の解除用油路39が排出油路36に接続され、且つ遅角側油路38が供給油路34及び排出油路36に対し遮断状態とされるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26にオイルが供給されるとともに、ロック機構28の解除室28aからオイルが排出される状態となる。また、ロック機構28の禁止動作の完了状態のもとでは、進角側油圧室26と遅角側油圧室27とが連通路17(図4)によって連通するため、上述したように進角側油圧室26に供給されたオイルが連通路17を介して遅角側油圧室27に流れる。これにより、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26及び遅角側油圧室27が速やかにオイルで満たされ、それに伴ってバルブタイミング可変機構16のロータ21が速やかに動作可能な状態になる。
(進角モード)
このモードは、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12(図1)の相対回転位相を進角させ、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングを進角側に変化させるためのものである。このモードでは、図3に示す供給油路34が進角側油路37及び解除用油路39に接続されるとともに遅角側油路38が排出油路36に接続されるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26及びロック機構28の解除室28aにオイルが供給されるとともに、バルブタイミング可変機構16の遅角側油圧室27からオイルが排出される。その結果、ロック機構28が許可動作状態にされるとともに、ハウジング22に対しロータ21が図中右回転方向に相対移動して吸気バルブ11のバルブタイミングが進角側に変化する。
(保持モード)
このモードは、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を一定に保持し、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングを保持状態とするためのものである。このモードでは、供給油路34が解除用油路39に接続されるとともに、進角側油路37及び遅角側油路38がそれぞれ供給油路34と排出油路36との両方に対し遮断状態とされるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、ロック機構28の解除室28aにオイルが供給されるとともに、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26及び遅角側油圧室27に対するオイルの給排が禁止される。その結果、ロック機構28が許可動作状態とされた状況のもと、ハウジング22に対するロータ21の回転方向についての相対移動が停止して吸気バルブ11のバルブタイミングが保持状態とされる。
(遅角モード)
このモードは、クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相を遅角させ、それによって吸気バルブ11のバルブタイミングを遅角側に変化させるためのものである。このモードでは、供給油路34が遅角側油路38及び解除用油路39に接続されるとともに進角側油路37が排出油路36に接続されるよう、オイルコントロールバルブ25が動作される。これにより、バルブタイミング可変機構16の遅角側油圧室27及びロック機構28の解除室28aにオイルが供給されるとともに、バルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26からオイルが排出される。その結果、ロック機構28が許可動作状態にされるとともに、ハウジング22に対しロータ21が図中左回転方向に相対移動して吸気バルブ11のバルブタイミングが遅角側に変化する。
次に、オイルコントロールバルブ25の詳細な構造について図6〜図10を参照して説明する。なお、図6〜図10はそれぞれ、オイルコントロールバルブ25の動作モードを上述したロックモード、オイル充填モード、進角モード、保持モード、及び遅角モードとした状態を示す断面図である。
これらの図(例えば図6)に示されるオイルコントロールバルブ25においては、円筒体41内にスプール弁42が軸線方向に移動可能に設けられている。このスプール弁42は、円筒体41内に設けられたばね43の付勢力によって上記軸線方向の一端側(図中左側、以下では基準端という)に向けて付勢されている。そして、上記ばね43の付勢力に抗してスプール弁42を押圧するアクチュエータ44、及び上記ばね43によって、スプール弁42の軸線方向についての移動が実現される。すなわち、アクチュエータ44のスプール弁42に対する押圧力を調整すると、その押圧力とばね43の付勢力とが釣り合うようスプール弁42が軸線方向に移動する。こうしたスプール弁42の移動を通じて、同スプール弁42の軸線方向についての位置調整が行われる。
スプール弁42には、アクチュエータ44側の端部から順に複数の弁体45a〜45eが互いに所定の間隔をおいて形成されている。このスプール弁42が挿入される円筒体41には、油圧回路における複数の油路(供給油路34、進角側油路37、遅角側油路38、解除用油路39)と円筒体41の内周面とをそれぞれ繋ぐように、且つ円筒体41の径方向に直線状に延びるように複数の孔46a〜46eが形成されている。更に、円筒体41には、その内周面にて開口する凹部46fも形成されている。上記孔46aは進角側油路37と繋がっており、上記孔46bは遅角側油路38と繋がっている。また、上記孔46cと上記孔46dとは供給油路34と繋がっており、上記孔46eは解除用油路39と繋がっている。一方、円筒体41におけるアクチュエータ44側(図中左側)の開口端は、油圧回路における複数の油路のうちの排出油路36と繋がるとともに、スプール弁42の内部に形成された排出通路42aと連通している。なお、この排出通路42aに関しては、スプール弁42におけるアクチュエータ44側(図中左側)の端部にて開口するとともに、スプール弁42の軸線方向に延びて同スプール弁42の軸線方向の中央部、より詳しくは弁体45cと弁体45dとの間の部分の外周面でも開口している。
円筒体41における孔46a,46b,46e及び凹部46fの内部は、バルブタイミング可変機構16及びロック機構28に繋がるポートとして機能する。より詳しくは、孔46aは進角側油圧室26に繋がるポートとして機能し、孔46b及び凹部46fは遅角側油圧室27に繋がるポートとして機能し、孔46e及び凹部46fは解除室28aに繋がるポートとして機能する。そして、上記円筒体41内のスプール弁42をその軸線方向における任意の位置、例えば図6〜図10に示される位置に変位させると、上記複数のポートがスプール弁42の弁体45a〜45eによって開閉される。これにより、オイルコントロールバルブ25の動作モードが、ロックモード、オイル充填モード、進角モード、保持モード、及び遅角モードといった複数の動作モードのうちのいずれかの動作モードとされる。こうした動作モードの切り換えを通じてバルブタイミング可変機構16及びロック機構28(共に図3)に対するオイルの給排態様が変更される。そして、バルブタイミング可変機構16及びロック機構28に対するオイルの給排態様の変更により、それらバルブタイミング可変機構16及びロック機構28が油圧駆動される。
図11は、スプール弁42が軸線方向について変位する際の上記油圧回路における各種油路のオイルコントロールバルブ25内に対応する部分の開口面積の変化を示すグラフである。同図に示されるように、スプール弁42がその移動範囲の基準端(図中の横軸の左端に対応する位置)から離れるに従い、オイルコントロールバルブ25の動作モードがロックモード、オイル充填モード、進角モード、保持モード、及び遅角モードへと順に変化してゆく。
なお、同図において、実線L1はロック機構28の解除室28aからオイルを排出する油路の開口面積の変化を示しており、二点鎖線L2はバルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26にオイルを供給する油路の開口面積の変化を示している。また、破線L3は、バルブタイミング可変機構16の遅角側油圧室27からオイルを排出する油路の開口面積の変化を示しており、実線L4はロック機構28の解除室28aにオイルを供給する油路の開口面積の変化を示している。更に、二点鎖線L5はバルブタイミング可変機構16の遅角側油圧室27にオイルを供給する油路の開口面積の変化を示しており、二点鎖線L6はバルブタイミング可変機構16の進角側油圧室26からオイルを排出する油路の開口面積の変化を示している。すなわち、上述した各油路の開口面積がスプール弁42の変位に応じて図示のごとく変化するよう、スプール弁42の弁体45a〜45e、並びに、円筒体41の孔46a〜16e及び凹部46fが形成されている。
次に、内燃機関1のバルブタイミング制御装置の電気的構成について、図1を参照して詳しく説明する。
この制御装置は、内燃機関1の運転に関する各種制御を実行する電子制御装置51を備えている。同電子制御装置51には、上記制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等が設けられている。
電子制御装置51の入力ポートには、以下に示す各種センサ等が接続されている。
・吸気通路3を通過する空気の量(吸入空気量)を検出するエアフローメータ52。
・吸気カムシャフト12の回転に基づき同シャフト12の回転位置に対応した信号を出力するカムポジションセンサ53。
・クランクシャフト7の回転に対応する信号を出力するクランクポジションセンサ54。
・吸気通路3に設けられたスロットルバルブ13の開度(スロットル開度)を検出するスロットルポジションセンサ55。
・車両の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル56の踏み込み量(アクセル操作量)を検出するアクセルポジションセンサ57。
電子制御装置51の出力ポートには、燃料噴射弁4の駆動回路、点火プラグ5の駆動回路、スロットルバルブ13の駆動回路、及び、バルブタイミング可変機構16(オイルコントロールバルブ25(アクチュエータ44))の駆動回路などの各種機器の駆動回路等が接続されている。
そして、電子制御装置51は、上記各種センサから入力した検出信号に基づき、機関回転速度や機関負荷(内燃機関1の1サイクル当たりに燃焼室2に吸入される空気の量)といった機関運転状態を把握する。なお、機関回転速度はクランクポジションセンサ54からの検出信号に基づき求められる。また、機関負荷は、アクセルポジションセンサ57、スロットルポジションセンサ55、及びエアフローメータ52等の検出信号に基づき求められる内燃機関1の吸入空気量と上記機関回転速度とから算出される。
更に、電子制御装置51は、クランクポジションセンサ54及びカムポジションセンサ53からの検出信号に基づき、吸気バルブ11の実際のバルブタイミング(クランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相)を検出する。なお、こうして検出されるクランクシャフト7に対する吸気カムシャフト12の相対回転位相(吸気バルブ11の実際のバルブタイミング)は、バルブタイミング可変機構16におけるハウジング22に対するロータ21の回転方向についての相対位置に対応している。従って、吸気バルブ11の実際のバルブタイミングを検出するときの電子制御装置51は、バルブタイミング可変機構16のハウジング22に対するロータ21の回転方向についての相対位置を検出する検出部として機能する。
電子制御装置51は、機関負荷や機関回転速度といった機関運転状態、及び、吸気バルブ11のバルブタイミングの実測値に基づき、上記出力ポートに接続された各種駆動回路に指令信号を出力する。こうして内燃機関1における燃料噴射制御、点火時期制御、吸入空気量制御、及び吸気バルブ11のバルブタイミング制御等が電子制御装置51を通じて実施される。
電子制御装置51は、内燃機関1の停止過程で、ロック機構28によるハウジング22に対するロータ21の相対移動を禁止するためのロック制御を実行する。なお、このときの電子制御装置51は、上記ロック制御を実行する制御部として機能する。このロック制御では、バルブタイミング可変機構16の駆動を通じてロータ21を中間ロック位置に向けてハウジング22に対し相対移動させ、且つ、その中間ロック位置にてロック機構28の駆動を通じてロックピン31を穴30に没入させるという動作が、ロックピン31の穴30への没入が完了するまで繰り返される。そして、ロックピン31の穴30への没入が完了することにより、バルブタイミング可変機構16のハウジング22に対するロータ21の相対移動が禁止される。
次に、上記ロック制御について、図12及び図13を参照して詳しく説明する。これらの図は、ロック制御の実行時における時間経過に伴うハウジング22に対するロータ21の相対位置の変化を示している。なお、これらの図において、判定値Aは中間ロック位置の遅角側の境界位置に対応し、且つ、判定値Bは中間ロック位置の進角側の境界位置に対応しており、判定値Aと判定値Bとの間が中間ロック位置(穴30の位置)に対応している。
図12において、内燃機関1の停止開始時(タイミングT1)、ロータ21が中間ロック位置の進角側の境界位置(判定値B)よりも進角側に位置する場合(実線)、オイルコントロールバルブ25が遅角モードとされる。これにより、ロータ21が中間ロック位置(判定値B)に向けてハウジング22に対し遅角側に相対移動するよう、バルブタイミング可変機構16が油圧駆動される。そして、ロータ21が判定値Bを越えてハウジング22に対し遅角側に相対移動すると(タイミングT2)、それによってハウジング22に対するロータ21の相対位置が判定値Bと判定値Aとの間の位置(中間ロック位置)に達する。このようにハウジング22に対するロータ21の相対位置が中間ロック位置に達すると、オイルコントロールバルブ25のロックモードへの切り換えが開始される。
一方、内燃機関1の停止開始時(タイミングT1)、ロータ21が中間ロック位置の遅角側の境界位置(判定値A)よりも遅角側に位置する場合(二点鎖線)、オイルコントロールバルブ25が進角モードとされる。これにより、ロータ21が中間ロック位置(判定値A)に向けてハウジング22に対し進角側に相対移動するよう、バルブタイミング可変機構16が油圧駆動される。そして、ロータ21が判定値Aを越えてハウジング22に対し進角側に相対移動すると(タイミングT3)、それによってハウジング22に対するロータ21の相対位置が判定値Aと判定値Bとの間の位置(中間ロック位置)に達する。このようにハウジング22に対するロータ21の相対位置が中間ロック位置に達すると、オイルコントロールバルブ25のロックモードへの切り換えが開始される。
上述した状況でのオイルコントロールバルブ25のロックモードへの切り換えは、図11に示す進角モードやオイル充填モードなど進角側油圧室26にオイルが供給される動作モードを経て行われる。このため、ハウジング22に対しロータ21が進角側に相対移動するようバルブタイミング可変機構16が油圧駆動されつつ、ロック機構28の解除室28aからオイルが排出される。そして、ロックモードへのオイルコントロールバルブ25の切り換え動作により、ロックピン31がばね43の付勢力により穴30に対する没入方向に移動しようとする。このとき、ロックピン31の穴30に対する没入を完了できれば、バルブタイミング可変機構16のハウジング22に対するロータ21の相対移動をロック機構28によって禁止することができる。
しかし、上記ロックモードへのオイルコントロールバルブ25の切り換え動作の際、ロックピン31がばね43の付勢力により穴30に対する没入方向に移動しようとしても、ロックピン31の穴30に対する没入を完了できない可能性がある。この場合、上記ロックモードへの切り換えが進角モードやオイル充填モードなどを経て行われるため、ハウジング22に対しロータ21が進角側に相対移動する。そして、ハウジング22に対しロータ21が判定値Bよりも進角側の位置である判定値Cを越えて進角側に相対移動した場合、そのことに基づきロックピン31の穴30への没入が失敗した旨判断される(図12のタイミングT4)。このようにロックピン31の穴30への没入が失敗した旨判断されると、ロータ21が中間ロック位置(判定値B)に向けてハウジング22に対し遅角側に相対移動するよう、バルブタイミング可変機構16が油圧駆動される。そして、ロータ21が判定値Bと判定値Aとの間の位置(中間ロック位置)まで相対移動すると、ロック機構28の油圧駆動を通じてロックピン31の穴30に対する没入方向への移動が行われる。ロック制御では、以上の動作がロックピン31の穴30への没入が完了するまで繰り返し行われる。
ちなみに、ロック制御において、ハウジング22に対しロータ21を中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させた後、ロックピン31を穴30に対する没入方向に移動させても、同ロックピン31の穴30への没入が完了しないとき、すなわち同没入に失敗したときには、次回の上記遅角側へのロータ21の相対移動が次のように行われる。すなわち、ハウジング22に対しロータ21を中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その遅角側への相対移動の量が前回よりも大きくされる。詳しくは、次回の判定値Bに向けた上記遅角側へのロータ21の相対移動の際、図13に示すように判定値A及び判定値Bが遅角量R分だけ遅角側に変更される。これにより、ハウジング22に対しロータ21が判定値Bまで遅角側に相対移動するタイミングが遅くされ、それによって上記相対移動の量が前回よりも大きくされる。なお、上記遅角量Rについては、ロックピン31の穴30への没入が失敗してロータ21がハウジング22に対し進角側に相対移動する際、そのロータ21の中間ロック位置に対する進角側へのオーバーシュートSが大きいほど大きい値とされる。これにより、同オーバーシュートSが大きいほど、次回にハウジング22に対しロータ21を中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その遅角側への相対移動の量の前回値に対する増大量が大きくなる。そして、上記ロック制御により、ロックピン31の穴30への没入が完了したときには、ハウジング22に対するロータ21の相対位置が例えば図13のタイミングT5以降で示すように変化する。こうしたロータ21の相対位置の変化に基づき、ロックピン31の穴30への没入が成功(完了)した旨の判断を行うことが可能である。
ところで、バルブタイミング制御装置においては、バルブタイミング可変機構16を構成する部品の組み付け誤差や寸法誤差、及び、ハウジング22に対するロータ21の相対位置の誤検出等により、その相対位置を正しく把握できないときがある。また、オイルの粘度が高くなってロック機構28の解除室28aからのオイルの排出に遅れが生じるときには、ロック機構28におけるロックピン31の移動の応答性が悪くなる。これらの状況下では、内燃機関1の停止過程でロック制御を実行しても、ロック機構28のロックピン31を穴30に没入させることができず、ロック制御によるロックピン31の穴30への没入が失敗し続けるおそれがある。
この実施形態では、こうした状況のもとでもロックピン31の穴30への没入を完了できるよう、上記ロック制御におけるロックピン31の穴30への没入が失敗した回数をカウントし、そのカウント値が定められた閾値以上になることに基づき、次のようにサブロック制御を実行する。このサブロック制御では、ハウジング22に対するロータ21の相対位置を正しく把握できていない可能性があることを想定して、バルブタイミング可変機構16の油圧駆動を通じてハウジング22に対しロータ21を回転方向における最遅角位置まで相対移動させる。詳しくは、ロータ21が上記最遅角位置に相対移動するまでオイルコントロールバルブ25の動作モードを図11に示す遅角モードとする。そして、ロータ21が上記最遅角位置に相対移動した後、ロック機構28の油圧駆動を通じてロックピン31を穴30に対する没入方向に移動させる。詳しくは、オイルコントロールバルブ25の動作モードをロックモードに切り換える。
次に、本実施形態のバルブタイミング制御装置の作用について説明する。
内燃機関1の停止過程で、ロック制御ではロック機構28におけるロックピン31を穴30に没入させることができず、ロック制御に代えて上記サブロック制御が実行されると、そのサブロック制御の実行後に次のようにロックピン31の穴30への没入が行われる。すなわち、吸気カムシャフト12の回転に伴って開閉動作される吸気バルブ11のバルブスプリング11aの弾性力等により吸気カムシャフト12にトルク変動が発生する。内燃機関1の停止過程であって機関回転速度低下に伴って進角側油圧室26及び遅角側油圧室27内の油圧が低下してゆくときには、吸気カムシャフト12に発生する上記トルク変動によってロータ21がハウジング22に対し進角側や遅角側に変動する。こうした変動に起因するロータ21のハウジング22に対する進角側への相対移動により、ロックピン31が図4に示すラチェット溝32に達すると、ロックピン31がばね29の付勢力によってラチェット溝32に没入する。ロックピン31がラチェット溝32に没入した状態では、同ロックピン31は遅角側には変位不能であり、且つ進角側(穴30側)には変位可能となる。このため、上記吸気カムシャフト12のトルク変動に伴って、ロータ21がハウジング22に対し進角側に相対移動することにより、ロックピン31がラチェット溝32により案内されて穴30に到達するまで進角側に変位する。そして、ラチェット溝32に案内されたロックピン31が穴30に到達すると、その穴30内にロックピン31が没入してハウジング22に対するロータ21の相対移動が禁止される。以上により、内燃機関1の停止過程でロック制御によってロックピン31を穴30に没入させることができないときでも、サブロック制御を実行することによってロックピン31の穴30への没入を実現することができる。
ここで、図14は、内燃機関1の停止過程において、ロック制御ではロックピン31を穴30に没入させることができないとき、ロックピン31と穴30との相対位置に関係なく、直ちにロックピン31が穴30に対する没入方向に移動するようロック機構28を油圧駆動した場合のハウジング22に対するロータ21の相対位置の変化を示している。この場合、ロックピン31が穴30よりも遅角側に位置しているとき、ロックピン31が上記没入方向に移動すれば、そのロックピン31(ロータ21)をラチェット溝32による案内を通じて実線で示すように短時間で中間ロック位置まで移動させて穴30に没入させることができる。しかし、ロックピン31が穴30よりも進角側に位置しているとき、ロックピン31を上記没入方向に移動させようとした場合、そのロックピン31(ロータ21)を中間ロック位置まで移動させて穴30に没入させるために長い時間を要する。これは、中間ロック位置に向けたロータ21の遅角側への変位は、内燃機関1の停止過程での進角側油圧室26内のオイルの排出に伴う油圧低下により、且つ、吸気バルブ11のバルブスプリング11aの弾性力により、二点鎖線で示されるように徐々にしか行われないことが原因である。
一方、図15は、内燃機関1の停止過程において、ロック制御ではロックピン31を穴30に没入させることができないとき、ロック制御に代えてサブロック制御を実行した場合のハウジング22に対するロータ21の相対位置の変化を示している。この場合、ロックピン31が穴30よりも遅角側に位置しているとき(実線)と、進角側に位置しているとき(二点鎖線)とのいずれの場合であれ、ロータ21を最も最遅角位置まで相対移動させた後、ロックピン31が上記没入方向に移動するようロック機構28が油圧駆動される。このため、サブロック制御の実行開始時、ロックピン31が穴30よりも遅角側と進角側とのいずれに位置していようとも、そのロックピン31(ロータ21)をラチェット溝32による案内を通じて速やかに中間ロック位置まで移動させて穴30に没入させることができる。
図16は、上記サブロック制御を実行するためのロック制御実行ルーチンを示すフローチャートである。このロック制御実行ルーチンは、電子制御装置51を通じて、所定時間毎の時間割り込みを通じて周期的に実行される。
電子制御装置51は、同ルーチンのステップ101(S101)として内燃機関1の停止過程であるか否かを判断し、ここで否定判定であればロック制御実行ルーチンを一旦終了する。一方、S101で内燃機関1の停止過程である旨判断されると、電子制御装置51は、ロック制御でのロックピン31の穴30への没入の失敗回数のカウント値が閾値未満であるか否かを判断する。ここで上記カウント値が閾値未満である旨判断された場合にはS103に進む。電子制御装置51は、S103の処理としてロック制御を実行し、更にS104の処理として同ロック制御によってロックピン31の穴30への没入が失敗したか否かを判断する。
そして、ロック制御によってロックピン31の穴30への没入が失敗した旨判断された場合、電子制御装置51は、S105の処理として上記カウント値をインクリメントした後、このロック制御実行ルーチンを一旦終了する。一方、上記S104で否定判定がなされると、電子制御装置51は、S106の処理としてロック制御によるロックピン31の穴30への没入が成功したか否かを判断する。ここで成功した旨判断されると、電子制御装置51は、S107の処理として上記カウント値をクリアして「0」とした後、このロック制御実行ルーチンを一旦終了する。
ロック制御によってロックピン31を穴30に没入させることができず、上記カウント値が閾値以上になると、S102の処理で否定判定がなされる。この場合、電子制御装置51は、S108の処理としてサブロック制御を実行し、更にS109の処理として同サブロック制御によるロックピン31の穴30への没入が完了したか否かを判断する。そして、サブロック制御によるロックピン31の穴30への没入が完了した旨判断されると、電子制御装置51は、S110の処理として、クランクポジションセンサ54及びカムポジションセンサ53を用いて検出されたハウジング22に対するロータ21の相対位置を補正するための処理を実行する。詳しくは、上記検出された相対位置と中間ロック位置とにずれがある場合、そのずれがなくなるよう同ずれに対応した分だけ上記検出された相対位置を補正する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)バルブタイミング可変機構16のハウジング22における穴30よりも遅角側(図中左側)の位置には、その穴30寄りも浅くロック機構28のロックピン31を没入させることが可能なラチェット溝32が、ロック機構28の穴30と繋がるように形成される。そして、内燃機関1の停止過程でロック制御によりロックピン31の穴30への没入を完了できないとき、すなわち上記ロック制御におけるロックピン31の穴30への没入が失敗した回数のカウント値が閾値以上になるとき、次のようにサブロック制御を実行する。このサブロック制御では、バルブタイミング可変機構16の油圧駆動を通じてハウジング22に対しロータ21を回転方向における最遅角位置まで相対移動させた後、ロック機構28の油圧駆動を通じてロックピン31を穴30に対する没入方向に移動させる。このサブロック制御の実行後には、吸気カムシャフト12の回転に伴って開閉動作される吸気バルブ11のバルブスプリング11aの弾性力等により吸気カムシャフト12にトルク変動が発生することに基づき、ロックピン31がラチェット溝32に没入した後に同溝32により穴30まで案内される。その結果、ロックピン31が穴30に没入してハウジング22に対するロータ21の相対移動が禁止される。以上により、内燃機関1の停止過程でロック制御によってロックピン31を穴30に没入させることができないときでも、サブロック制御を実行することによってロックピン31の穴30への没入を実現することができる。更に、こうしたロックピン31の穴30への没入を短時間で行うことができる。また、機関始動時にロック機構28によってハウジング22に対するロータ21の相対位置を中間ロック位置で固定できず、良好な機関始動が行えなくなることもない。
(2)上記ロック制御において、ロックピン31の穴30への没入が繰り返し失敗したときには、次回にハウジング22に対しロータ21を中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その遅角側への相対移動の量が前回よりも上記遅角量Rに対応する分だけ大きくされる。ここで、ロック制御でのロックピン31の穴30への没入の失敗の原因としては、ハウジング22に対するロータ21の遅角側への相対移動が不十分という原因が考えられる。しかし、ロック制御でハウジング22に対しロータ21を中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その相対移動の量を上述したように前回より上記遅角量Rに対応する分だけ大きくすれば、ハウジング22に対するロータ21の遅角側への相対移動が同ロックピン31を穴30に到達させるうえで不十分になることを抑制できる。従って、ロック制御でのハウジング22に対するロータ21の遅角側への相対移動が不十分という原因で、ロック制御でのロックピン31の穴30への没入が繰り返し失敗することを抑制できる。
(3)上記ロック制御において、上記遅角量Rは、ロックピン31の穴30への没入が失敗してロータ21がハウジング22に対し進角側に相対移動する際、そのロータ21の中間ロック位置に対する進角側へのオーバーシュートSが大きいほど大きい値とされる。ここで、上記オーバーシュートSが大きいほど、ロック制御でのハウジング22に対するロータ21の中間ロック位置に向けた遅角側への相対移動が大きく不足していたことを意味する。従って、上記オーバーシュートSが大きいほど、上記遅角量Rを大きくすることにより、次回にハウジング22に対しロータ21を中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その相対移動が不足することを的確に抑制できる。
(4)サブロック制御によってロックピン31の穴30への没入が完了したとき、クランクポジションセンサ54及びカムポジションセンサ53を用いて検出されたハウジング22に対するロータ21の相対位置が次のように補正される。すなわち、上記検出された相対位置と中間ロック位置とにずれがある場合、そのずれがなくなるよう同ずれに対応した分だけ上記検出された相対位置が補正される。こうした補正が行われることにより、補正後の上記相対位置には適正からのずれがなくなるため、そのずれに起因したロック制御でのロックピン31の穴30への没入の失敗をなくすことができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・ロック制御において、オーバーシュートSの大きさに基づく遅角量Rの可変については必ずしも実施する必要はない。
・ロック制御において、ハウジング22に対しロータ21を中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その遅角側への相対移動の量を前回よりも遅角量Rに対応する分だけ大きくすることについては、必ずしも実施する必要はない。
・サブロック制御を実行するか否かを判断するための閾値については、「1」よりも大きい値とすることが好ましいが、「1」とすることも可能である。この場合、ロック制御において、ロックピン31の穴30への没入が一度でも失敗すると、直ちにサブロック制御が実行される。
・ロック制御において、ハウジング22に対するロータ21の中間ロック位置に向けての相対移動は、必ず中間ロック位置の進角側から遅角側に向けての相対移動とするようにしてもよい。
・ロック機構28において、ロックピン31と穴30との位置関係が逆となっていてもよい。
1…内燃機関、2…燃焼室、3…吸気通路、3a…吸気ポート、4…燃料噴射弁、5…点火プラグ、6…ピストン、7…クランクシャフト、8…排気通路、11…吸気バルブ、11a…バルブスプリング、12…吸気カムシャフト、13…スロットルバルブ、14…排気バルブ、14a…バルブスプリング、15…排気カムシャフト、16…バルブタイミング可変機構、17…連通路、21…ロータ、22…ハウジング、23…突部、24…ベーン、25…オイルコントロールバルブ、26…進角側油圧室、27…遅角側油圧室、28…ロック機構、28a…解除室、29…ばね、30…穴、31…ロックピン、32…ラチェット溝、33…オイルポンプ、34…供給油路、35…オイルパン、36…排出油路、37…進角側油路、38…遅角側油路、39…解除用油路、41…円筒体、42…スプール弁、42a…排出通路、43…ばね、44…アクチュエータ、45a〜45e…弁体、46a〜46e…孔、46f…凹部、51…電子制御装置、52…エアフローメータ、53…カムポジションセンサ、54…クランクポジションセンサ、55…スロットルポジションセンサ、56…アクセルペダル、57…アクセルポジションセンサ。

Claims (5)

  1. 内燃機関のクランクシャフトからの回転伝達を受けるハウジングに対し同機関のカムシャフトと一体回転するロータを回転方向について相対移動させることにより、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相を可変とするバルブタイミング可変機構と、
    前記ハウジングと前記ロータとのうちの一方に設けられた穴に対し他方に設けられたロックピンを没入させることにより、前記ハウジングに対する前記ロータの回転方向についての相対移動範囲の端以外の位置である中間ロック位置にて、前記ハウジングに対する前記ロータの回転方向についての相対移動を禁止する一方で、前記穴から前記ロックピンを抜き出すことにより、前記ハウジングに対する前記ロータの回転方向についての相対移動を許可するロック機構と、
    内燃機関の停止過程で、前記バルブタイミング可変機構の駆動を通じて前記ハウジングに対し前記ロータを前記中間ロック位置に向けて相対移動させ、且つ、その中間ロック位置にて前記ロック機構の駆動を通じて前記ロックピンを前記穴に没入させるロック制御を実行する制御部と、
    を備える内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記バルブタイミング可変機構には、前記ロック機構のロックピンを没入させることが可能であり、且つ、前記ロック機構の穴よりも遅角側の位置に同穴よりも浅いラチェット溝が同穴と繋がるように形成されており、
    前記制御部は、内燃機関の停止過程において前記ロック制御により前記穴に前記ロックピンを没入させることができないとき、前記バルブタイミング可変機構の駆動を通じて前記ハウジングに対し前記ロータを回転方向における最遅角位置まで相対移動させた後、前記ロック機構の駆動を通じて前記ロックピンを前記穴に対する没入方向に移動させるサブロック制御を実行する
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 前記制御部によって実行される前記ロック制御は、前記バルブタイミング可変機構の駆動を通じて前記ハウジングに対し前記ロータを前記中間ロック位置に向けて相対移動させ、且つ、その中間ロック位置にて前記ロック機構の駆動を通じて前記ロックピンを前記穴に没入させるという動作を、前記ロックピンの前記穴への没入が完了するまで繰り返すものであり
    前記制御部は、前記ロック制御における前記ロックピンの前記穴への没入が失敗した回数をカウントし、そのカウント値が定められた閾値以上になることに基づき、前記ロック制御に代えて前記サブロック制御を実行する
    請求項1記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 前記制御部によって実行される前記ロック制御は、前記バルブタイミング可変機構の駆動を通じて前記ハウジングに対し前記ロータを遅角側に相対移動させることにより、同ロータの前記中間ロック位置に向けた相対移動を実現するものであり、
    前記制御部は、前記ロック制御において、前記ロックピンの前記穴への没入が失敗したときには、次回に前記バルブタイミング可変機構の駆動を通じて前記ハウジングに対し前記ロータを前記中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その遅角側への相対移動の量を前回よりも大きくする
    請求項2記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 前記制御部によって実行される前記ロック制御は、前記ロックピンの前記穴への没入が失敗したとき、前記バルブタイミング可変機構の駆動を通じて前記ハウジングに対し前記ロータを前記中間ロック位置よりも進角側に相対移動させるものであり、
    前記制御部は、前記ロック制御で前記ロックピンの前記穴への没入が失敗して前記ロータが進角側に相対移動する際、そのロータの前記中間ロック位置に対する進角側へのオーバーシュートが大きいほど、次回に前記バルブタイミング可変機構の駆動を通じて前記ハウジングに対し前記ロータを前記中間ロック位置に向けて遅角側に相対移動させる際、その遅角側への相対移動の量の前回値に対する増大量を大きくする
    請求項3記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ハウジングに対する前記ロータの相対位置を検出する検出部を備え、
    前記制御部は、前記サブロック制御によって前記ロックピンの前記穴への没入が完了したとき、前記検出部によって検出された相対位置と前記中間ロック位置とのずれの分だけ、前記検出部によって検出された相対位置を補正する
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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