JP2014141573A - 半導体封止用樹脂組成物および半導体封止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】銅ワイヤの腐食が抑制され、耐リフロー性、耐湿信頼性、耐マイグレーション性が良好な半導体封止装置が得られる半導体封止用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】半導体封止用樹脂組成物は、(A)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、および(E)無機質充填剤を必須成分として含有する。
【選択図】なし
【解決手段】半導体封止用樹脂組成物は、(A)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、および(E)無機質充填剤を必須成分として含有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体封止用樹脂組成物および半導体封止装置に関する。
近年、電子部品のプリント配線板への高密度実装化に伴い、半導体封止装置は、従来のピン挿入型のパッケージから、表面実装型のパッケージが主流になっている。表面実装型タイプのIC、LSIなどは、高実装密度化された薄型かつ小型のパッケージになっており、パッケージに対する半導体チップの占有体積が大きく、パッケージの肉厚が非常に薄い。また、半導体チップの多機能化、大容量化によって、大面積化、多ピン化が進み、さらにはパッド数の増大によって、パッドピッチの縮小化とパッド寸法の縮小化、いわゆる狭パッドピッチ化が進んでいる。
また、さらなる小型軽量化に対応すべく、パッケージの形態もQFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)といったものから、より多ピン化に対応しやすく、かつより高密度実装が可能なCSP(Chip Size Package)やBGA(Ball Grid Array)へ移行しつつある。これらのパッケージは、近年、高速化、多機能化を実現するために、フェースダウン型、積層(スタックド)型、フリップチップ型、ウェハーレベル型など、新しい構造のものが開発されている。
この中で、積層(スタックド)型はパッケージ内部に複数の半導体チップを積み重ねてワイヤボンディングで接続する構造であり、機能の異なる複数の半導体チップを一つのパッケージに搭載可能であるため、多機能化が可能となる。その一方で、半導体封止装置には、低コスト化も求められている。従来から、半導体チップと回路基板の接続には金ワイヤによる接合が行われているが、コストが高いことから、アルミニウムまたは銅のワイヤによる接合が一部採用されている。
しかしながら、特に自動車用途においては、コストに加え、150℃を超えるような高温環境下での高温保管特性、高温動作特性、温度60℃、相対湿度60%を超えるような高温・高湿環境下での耐湿信頼性といった電気的信頼性が要求され、金ワイヤ以外では、マイグレーション、腐食、電気抵抗値の増大といった問題があり、必ずしも十分な信頼性が得られていない。
特に、銅ワイヤを用いた半導体封止装置においては、耐湿信頼性試験において銅が腐食して信頼性に欠けることから、ディスクリート用パワーデバイスといった線径の太いものでは使用実績があるが、ワイヤ線径25μm以下のIC用途、特に回路基板起因の不純物の影響を受ける片面封止パッケージへの適用は困難となっている。
銅ワイヤ自身の加工性を改善することで接合部の信頼性を向上させる技術(例えば、特許文献1参照。)、銅線に導電性金属を被覆することで酸化防止による接合信頼性を向上させる技術(例えば、特許文献2参照。)など、銅ワイヤ単体での取り組みが知られているが、樹脂封止されたパッケージ、すなわち半導体封止装置としての腐食、耐湿信頼性といった電気的信頼性については考慮されておらず、必ずしも満足できるものは得られていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、銅ワイヤの腐食が抑制され、耐リフロー性、耐湿信頼性、耐マイグレーション性などが良好な半導体封止装置が得られる半導体封止用樹脂組成物を提供する。また、本発明は、このような半導体封止用樹脂組成物を用いた半導体封止装置を提供する。
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、以下の半導体封止用樹脂組成物が従来の半導体封止用樹脂組成物に比べて良好な特性を有するとともに、半導体封止装置としたときに、耐リフロー性、耐湿信頼性、耐マイグレーション性などが良好となることを見出した。
本発明の半導体封止用樹脂組成物は、(A)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、および(E)無機質充填剤を必須成分として含有する。
本発明の半導体封止装置は、回路基板と、この回路基板上に搭載された半導体チップと、回路基板と半導体チップとを電気的に接続するワイヤと、半導体チップおよびワイヤを封止する半導体封止用樹脂組成物の硬化物とを有する。半導体封止用樹脂組成物は、(A)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、および(E)無機質充填剤を必須成分として含有する。
本発明の半導体封止用樹脂組成物によれば、銅ワイヤの腐食が抑制され、耐リフロー性、耐湿信頼性、耐マイグレーション性などが良好な半導体封止装置を提供できる。また、本発明の半導体封止用樹脂組成物によれば、半導体封止用樹脂組成物自身の流動性や保存安定性も良好とできる。
以下、半導体封止装置および半導体封止用樹脂組成物の実施形態について説明する。
半導体封止装置は、回路基板と、この回路基板上に搭載された半導体チップと、回路基板と半導体チップとを電気的に接続するワイヤと、半導体チップおよびワイヤを封止する半導体封止用樹脂組成物の硬化物とを有する。半導体封止用樹脂組成物は、(A)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、および(E)無機質充填剤を必須成分として含有する。
[回路基板]
回路基板の材質は、特に制限はないが、例えば、ビスマレイミドトリアジン、エポキシ、ポリイミドなどの基板が好適に使用される。また、回路基板における配線の材質についても、特に制限はないが、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケルなどが好適に使用される。配線は、エッチングまたはパターンめっきによって形成される。また、配線の表面は、金、ニッケル、スズなどでめっき処理されていてもよい。回路基板の厚さは、特に制限はないが、30〜1000μmが好ましい。
回路基板の材質は、特に制限はないが、例えば、ビスマレイミドトリアジン、エポキシ、ポリイミドなどの基板が好適に使用される。また、回路基板における配線の材質についても、特に制限はないが、例えば、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケルなどが好適に使用される。配線は、エッチングまたはパターンめっきによって形成される。また、配線の表面は、金、ニッケル、スズなどでめっき処理されていてもよい。回路基板の厚さは、特に制限はないが、30〜1000μmが好ましい。
[半導体チップ]
半導体チップは、特に制限はなく、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオードなどを挙げることができる。半導体チップの大きさは、用途、目的により適宜選択でき、特に制限はないが、好ましくは面積が25mm2以上である。
半導体チップは、特に制限はなく、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオードなどを挙げることができる。半導体チップの大きさは、用途、目的により適宜選択でき、特に制限はないが、好ましくは面積が25mm2以上である。
[ワイヤ]
半導体チップと回路基板とを接続するワイヤは、特に制限はないが、銅を主成分として含む銅ワイヤが好ましい。銅ワイヤは、金ワイヤに比べて低い電気的抵抗により半導体封止装置の動作速度のような電気的な特性を向上できるだけでなく、金ワイヤに比べて低コストである。
半導体チップと回路基板とを接続するワイヤは、特に制限はないが、銅を主成分として含む銅ワイヤが好ましい。銅ワイヤは、金ワイヤに比べて低い電気的抵抗により半導体封止装置の動作速度のような電気的な特性を向上できるだけでなく、金ワイヤに比べて低コストである。
銅ワイヤの材質としては、銅単体以外に、銀および金から選ばれる少なくとも1種の元素を0.1質量%以下含む銅合金が挙げられる。銅ワイヤのワイヤ径は、特に制限はないが、好ましくは10〜50μmである。また、銅ワイヤのワイヤピッチも、特に制限はないが、好ましくは20〜80μmである。
[封止用樹脂組成物]
半導体封止用樹脂組成物は、(A)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、および(E)無機質充填剤を必須成分として含有する。以下、半導体封止用樹脂組成物の各成分について詳述する。
半導体封止用樹脂組成物は、(A)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、および(E)無機質充填剤を必須成分として含有する。以下、半導体封止用樹脂組成物の各成分について詳述する。
(A)成分のポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂は、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外であればよく、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、例えば、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格などを有する)、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂(フェニレン骨格、ビフェニレン骨格などを有する)、テルペン変性フェノール型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても併用してもよい。封止材としての耐湿信頼性を考慮すると、イオン性不純物であるCl−(塩素イオン)が極力少ない方が好ましく、より具体的には、(A)成分のエポキシ樹脂全体に対するCl−(塩素イオン)などのイオン性不純物の含有割合が10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることがより好ましい。また、封止材用のエポキシ樹脂組成物としての硬化性を考慮すると、エポキシ当量が100g/eq以上500g/eq以下であるものが好ましい。
(B)成分のポリサルファイド変性エポキシ樹脂は、回路基板の金属表面およびワイヤ表面と半導体封止用樹脂組成物との親和性を向上させてこれらの界面における剥離を抑制する効果を有するとともに、サルファイド骨格により半導体封止用樹脂組成物の硬化物を低応力化させて半導体封止装置の耐リフロー性および耐湿信頼性を向上させる効果を有する。また、(B)成分のポリサルファイド変性エポキシ樹脂は、半導体封止用樹脂組成物の構成成分と架橋反応することで、マイグレーションの発生を抑制して、ハイドロタルサイトなどのイオン吸着剤がなくとも、絶縁信頼性を良好にする効果を有する。
(B)成分のポリサルファイド変性エポキシ樹脂は、ポリサルファイド骨格を少なくともその構造の一部に有するエポキシ樹脂であり、ポリサルファイド骨格とエポキシ基を有する化合物のうち、好ましくはエポキシ基を2つ以上有する化合物である。ポリサルファイドとは、2つの硫黄原子が直接連結した−S−S−結合を含む有機化合物の総称であり、一般的には−R−(S)X−(但し、Rは2価の有機基、Xは2以上の整数)の構造を少なくとも一部に有する。
(B)成分のポリサルファイド変性エポキシ樹脂としては、以下の一般式(1)で表されるものが好ましい。
各繰り返し単位におけるmが1未満の場合、ポリサルファイド骨格が含まれず、通常のビスフェノール骨格型エポキシ樹脂となることから、半導体封止用樹脂組成物の硬化物の接着性および柔軟性が低下して、半導体封止装置における剥離の抑制等の所望の効果が得られない。各繰り返し単位におけるmは、3程度あれば所望の効果を十分に得ることができる。なお、1分子内に1つまたは2つ以上存在する繰り返し単位のうち少なくとも1つの繰り返し単位については、mが2以上である必要がある。また、1分子内に繰り返し単位が2つ以上存在する場合(nが2以上の場合)、1分子内の各繰り返し単位におけるmの値を平均して得られる平均値は1.5〜2.5が好ましい。
nが1未満の場合についても、ポリサルファイド骨格が含まれず、通常のビスフェノール骨格型エポキシ樹脂となることから、所望の効果が得られない。また、nが50を超える場合、半導体封止用樹脂組成物の粘度が高くなり、取り扱い性が低下する。mを1〜3の範囲内、かつnを1〜50の範囲内とすることで、取り扱い性が良好となり、かつ所望の効果を得ることができる。取り扱い性および効果の観点から、nは、2〜30の範囲内がより好ましい。
ポリサルファイド変性エポキシ樹脂は、取り扱い性の観点から、25℃での粘度が300Pa・S以下のものが好ましい。このようなポリサルファイド変性エポキシ樹脂としては、例えば、東レファインケミカル製の「フレップ−10」、「フレップ−50」、「フレップ−60」、「フレップ−80」等が挙げられる。
ポリサルファイド変性エポキシ樹脂の配合割合は、特に限定されないが、半導体封止用樹脂組成物中、0.005〜7.5質量%が好ましい。0.005質量%以上とすることで、回路基板の金属表面およびワイヤ表面と半導体封止用樹脂組成物との親和性を効果的に向上できる。また、7.5質量%以下とすることで、半導体封止用樹脂組成物の流動性を良好にでき、成形不良の発生を効果的に抑制できる。ポリサルファイド変性エポキシ樹脂の配合割合は、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上がさらに好ましく、0.1質量%以上が特に好ましい。また、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂の配合割合は、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、1.5質量%以下が特に好ましい。
(C)成分の硬化剤は、重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、縮合型の硬化剤の3タイプに大別することができる。
重付加型の硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドラジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、フェノールポリマーなどのポリフェノール化合物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などが挙げられる。
触媒型の硬化剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)などのイミグゾール化合物;BF3錯体などのルイス酸などが挙げられる。
縮合型の硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂系硬化剤;メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、耐燃性、耐湿性、電気特性、硬化性、保存安定性などのバランスの点から、フェノール樹脂系硬化剤が好ましい。フェノール樹脂系硬化剤は、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造は特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などのノボラック型樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂などの多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂などの変性フェノール樹脂;フェニレン骨格および/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂などのアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール化合物などが挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
封止材としての耐湿信頼性を考慮すると、イオン性不純物であるCl−イオンが極力少ない方が好ましい。具体的には、(C)成分の硬化剤全体に対するCl−(塩素イオン)などのイオン性不純物の含有割合は、10ppm以下が好ましく、5ppm以下がより好ましい。硬化性を考慮すると、水酸基当量は、90g/eq以上250g/eq以下が好ましい。
(C)成分の硬化剤全体の配合割合は、特に限定されないが、半導体封止用樹脂組成物中、0.8質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましい。配合割合が上記範囲内であると、充分な流動性を得ることができる。また、特に限定されないが、半導体封止用樹脂組成物中、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。配合割合が上記範囲内であると、良好な耐リフロー性を得ることができる。
また、(C)成分の硬化剤としてフェノール樹脂系硬化剤を用いる場合におけるエポキシ樹脂とフェノール樹脂系硬化剤との配合割合としては、エポキシ樹脂全体のエポキシ基数(EP)とフェノール樹脂系硬化剤全体のフェノール性水酸基数(OH)との当量比(EP)/(OH)が0.8以上1.3以下であることが好ましい。当量比がこの範囲であると、半導体封止用樹脂組成物の硬化性の低下、または硬化物の物性の低下などが少ない。
(D)成分の硬化促進剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基と硬化剤(例えば、フェノール樹脂系硬化剤のフェノール性水酸基)との架橋反応を促進させるものであればよく、一般に封止材用のエポキシ樹脂組成物に使用するものを使用できる。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7などのジアザビシクロアルケンおよびその誘導体;トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;2−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物などが挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種以上を併用しても差し支えない。
(D)成分の硬化促進剤の配合割合の下限値については、特に限定されないが、半導体封止用樹脂組成物中、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。下限値が上記範囲内であると、硬化性の低下が少ない。また、上限値についても、特に限定されないが、半導体封止用樹脂組成物中、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。上限値が上記範囲内であると、流動性の低下が少ない。
(D)成分の硬化促進剤としては、流動性の観点からは、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物が好ましい。ホスフィン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィンなどが挙げられる。また、キノン化合物としては、例えば、1,4−ベンゾキノン、メチル−1,4−ベンゾキノン、メトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノンなどが挙げられる。ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物としては、トリフェニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの付加物がより好ましい。ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、原料として用いられるホスフィン化合物とキノン化合物とを両者が溶解する有機溶媒中で付加反応させて単離する方法が挙げられる。
(E)成分の無機質充填材としては、一般に半導体封止用樹脂組成物に使用されているものを使用できる。例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどが挙げられる。これらの無機質充填材は単独でも併用してもよい。
(E)成分の無機質充填材の配合割合を多くする場合、一般的に溶融シリカを使用することが好ましい。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合割合を高め、かつ半導体封止用樹脂組成物の溶融粘度の上昇を抑えるために、主として球状を使用することが好ましい。さらに、溶融球状シリカの配合割合を多くするには、溶融球状シリカの粒度分布がより広くなるように調整することが好ましい。(E)成分の無機質充填材としては、予めシランカップリング剤などで表面処理したものを使用できる。
(E)成分の無機充填材の配合割合は、信頼性を考慮すると、半導体封止用樹脂組成物中、84質量%以上が好ましく、87質量%以上がより好ましい。上記範囲内であれば、低吸湿性、低熱膨張性が得られるため、耐リフロー性が不十分となるおそれが少ない。また、成形性を考慮すると、半導体封止用樹脂組成物中、92質量%以下が好ましく、89質量%以下がより好ましい。上記範囲内であれば、流動性が低下して成形時に充填不良などが生じたり、高粘度化によるワイヤ流れなどの不都合が生じたりするおそれが少ない。
半導体封止用樹脂組成物には、(A)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、および(E)無機質充填剤に加えて、必要に応じて、かつ本発明の趣旨に反しない限度において、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤などのカップリング剤、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、リン化合物などの難燃剤、酸化ビスマス水和物などの無機イオン交換体、カーボンブラック、ベンガラなどの着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴムなどの低応力化剤、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸およびその金属塩類もしくはパラフィンなどの離型剤、酸化防止剤などの各種添加剤を適宜配合してもよい。
[半導体封止用樹脂組成物の調製方法]
半導体封止用樹脂組成物の調製方法としては、必須成分および必要に応じて使用される任意成分を高速混合機などにより、均一に混合した後、2本ロールや連続混練装置などで十分混練すればよい。混練温度としては、好ましくは50〜110℃である。混練後、薄くシート化し、冷却、粉砕することで半導体封止用樹脂組成物を製造することができる。
半導体封止用樹脂組成物の調製方法としては、必須成分および必要に応じて使用される任意成分を高速混合機などにより、均一に混合した後、2本ロールや連続混練装置などで十分混練すればよい。混練温度としては、好ましくは50〜110℃である。混練後、薄くシート化し、冷却、粉砕することで半導体封止用樹脂組成物を製造することができる。
[半導体封止装置の製造方法]
半導体封止装置は、例えば、以下の手順、構成により製造することができるが、これ以外の製造方法によるものであっても構わない。はじめに、表面に蒸着法でアルミニウムのジグザグ配線を形成し、周辺の電極パッド以外はポリイミドの被覆を施した半導体チップを作製する。次に、必要な大きさに切断した回路基板の中央部に半導体チップを接着して、未封止の半導体装置とする。接着方法としては、銀粉入りのエポキシ樹脂系導電性接着剤で固着する方法が挙げられる。その後、回路基板の配線と半導体チップ表面の電極パッド間を銅ワイヤなどでボンディングする。
半導体封止装置は、例えば、以下の手順、構成により製造することができるが、これ以外の製造方法によるものであっても構わない。はじめに、表面に蒸着法でアルミニウムのジグザグ配線を形成し、周辺の電極パッド以外はポリイミドの被覆を施した半導体チップを作製する。次に、必要な大きさに切断した回路基板の中央部に半導体チップを接着して、未封止の半導体装置とする。接着方法としては、銀粉入りのエポキシ樹脂系導電性接着剤で固着する方法が挙げられる。その後、回路基板の配線と半導体チップ表面の電極パッド間を銅ワイヤなどでボンディングする。
その後、上記方法により調製した半導体封止用樹脂組成物を用いて封止処理を行う。半導体装置の樹脂封止は、一般的にはトランスファー成形法が用いられるが、射出成形、圧縮成形などによる封止も可能である。封止後、加熱して封止用樹脂組成物を硬化させる条件としては、165〜185℃の温度で1〜5分加熱する条件が好ましい。硬化後、必要に応じて、回路基板の裏面に設けたパッド部にはんだボールを形成して半導体封止装置が得られる。半導体封止装置の厚みは、目的、用途に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜2mmである。
以上、実施形態について説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
以下、実施例を参照して詳細に説明する。
なお、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されない。
なお、本発明は、これらの実施例によって何ら限定されない。
[実施例1〜4、比較例1〜3]
表1に示す樹脂組成となるように各成分を所定の配合割合で配合し、常温で混合(ドライブレンド)した後、約85℃に予熱した二軸押出機で約10分間混練して半導体封止用樹脂組成物を得た。
表1に示す樹脂組成となるように各成分を所定の配合割合で配合し、常温で混合(ドライブレンド)した後、約85℃に予熱した二軸押出機で約10分間混練して半導体封止用樹脂組成物を得た。
別途、厚さ0.2mmのビスマレイミドトリアジン樹脂プリント配線板にレジストを塗布、焼き付け後、外形15mm×15mmに切り出して回路基板を得た。この回路基板の中央部に、外形9×9mm、厚さ0.2mmの半導体チップを銀粉入りのエポキシ樹脂系導電性接着剤で固着した。ここで、半導体チップは、表面にアルミニウムのジグザグ配線が蒸着法で形成され、周辺の電極パッド以外は厚さ10μmのポリイミドの被覆が施されたものである。その後、回路基板の配線と半導体チップ表面の電極パッド間を直径20μmの銅のみからなる銅ワイヤ(実施例1〜3、比較例1〜3)または金のみからなる金ワイヤ(実施例4)でボンディングし、未封止の半導体装置を得た。
この未封止の半導体装置に対して、上記半導体封止用樹脂組成物を用いて封止処理を行った。樹脂封止は、トランスファープレスを使用して、金型温度175℃、成形圧力7.5MPa、成形時間120秒の条件で成形し、成形品は金型から取り出した後、175℃の恒温槽中で4時間の後硬化を行った。回路基板の裏面に設けたパッド部にはんだボール(Sn/Pb:融点310℃、直径80μm、234pin、バンプピッチ:200μm)を形成し、半導体封止装置[1](外形35mm×35mm、厚さ3.5mm)を得た。
次に、半導体封止用樹脂組成物、その硬化物、ならびに半導体封止装置の諸特性を以下の方法で評価した。表1に結果を示す。
[樹脂の評価項目]
(1)スパイラルフロー
半導体封止用樹脂組成物を成形温度175℃および成形圧力9.8MPaの条件でトランスファー成形することでスパイラルフローを測定した。
(2)ゲルタイム
175℃に保持された熱板上で、一定量の半導体封止用樹脂組成物を直径4〜5cmの円状に広げ、一定速度で練り合わせた際に、半導体封止用樹脂組成物が増粘し、最終的に粘りのなくなった時間を測定した。
(3)粘度
高化式フローテスター(島津製作所製、名称:CFT−500C)により半導体封止用樹脂組成物の粘度を測定した。高化式フローは、JIS K 7210に準じて測定した。
(4)保存安定性
25℃の環境に72時間放置した後の半導体封止用樹脂組成物のスパイラルフロー、ゲルタイム、および粘度をそれぞれ測定し、スパイラルフローの残存率およびゲルタイムの保持率がそれぞれ90%以上かつ粘度の変化率が10%以下であるものを○、それ以外のものを×とした。
(5)連続成形性
トランスファー成形によりダミーフレームを用いた連続成形を行い、パッケージに外観不良が発生するまでのショット数をカウントした。
(1)スパイラルフロー
半導体封止用樹脂組成物を成形温度175℃および成形圧力9.8MPaの条件でトランスファー成形することでスパイラルフローを測定した。
(2)ゲルタイム
175℃に保持された熱板上で、一定量の半導体封止用樹脂組成物を直径4〜5cmの円状に広げ、一定速度で練り合わせた際に、半導体封止用樹脂組成物が増粘し、最終的に粘りのなくなった時間を測定した。
(3)粘度
高化式フローテスター(島津製作所製、名称:CFT−500C)により半導体封止用樹脂組成物の粘度を測定した。高化式フローは、JIS K 7210に準じて測定した。
(4)保存安定性
25℃の環境に72時間放置した後の半導体封止用樹脂組成物のスパイラルフロー、ゲルタイム、および粘度をそれぞれ測定し、スパイラルフローの残存率およびゲルタイムの保持率がそれぞれ90%以上かつ粘度の変化率が10%以下であるものを○、それ以外のものを×とした。
(5)連続成形性
トランスファー成形によりダミーフレームを用いた連続成形を行い、パッケージに外観不良が発生するまでのショット数をカウントした。
[硬化物の評価項目]
(6)ガラス転移温度
3×3×17mmに成形した試験片をTMA/SS150(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、TMA法により、昇温速度5℃/min、荷重98mNにおいて測定した。
(7)成形収縮率
JIS K 6911に準ずる。
(8)吸水率
成形品を121℃、0.25MPaの飽和水蒸気にて24時間処理した前後の質量増加率から算出した。
(9)Cl−量、(10)Na+量
半導体封止用樹脂組成物を175℃、2分間の条件でトランスファー成形し、次いで、175℃、8時間の後硬化を行った後、得られた硬化物を粉砕し、120℃、20時間熱水抽出して、イオンクロマトアナライザおよび原子吸光光度計によりイオン性不純物(Na+、Cl−)の濃度を測定した。
(11)pH
(9)と同様に熱水抽出を行って、pH測定器を用いて測定した。
(6)ガラス転移温度
3×3×17mmに成形した試験片をTMA/SS150(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、TMA法により、昇温速度5℃/min、荷重98mNにおいて測定した。
(7)成形収縮率
JIS K 6911に準ずる。
(8)吸水率
成形品を121℃、0.25MPaの飽和水蒸気にて24時間処理した前後の質量増加率から算出した。
(9)Cl−量、(10)Na+量
半導体封止用樹脂組成物を175℃、2分間の条件でトランスファー成形し、次いで、175℃、8時間の後硬化を行った後、得られた硬化物を粉砕し、120℃、20時間熱水抽出して、イオンクロマトアナライザおよび原子吸光光度計によりイオン性不純物(Na+、Cl−)の濃度を測定した。
(11)pH
(9)と同様に熱水抽出を行って、pH測定器を用いて測定した。
[封止装置の評価項目]
(12)(13)耐リフロー性(剥離・クラックの発生数、ボイド発生数)
半導体封止用樹脂組成物を用いて、175℃、2分間のトランスファー成形および175℃で8時間の後硬化により、半導体封止装置[2]としてBGAパッケージ(35mm×35mm×l.2mm、チップサイズ:10mm×10mm、アルミニウムパッドと端子とを銅製ワイヤを用いてボンディング)を作製した。この半導体封止装置[2]に対して、30℃、60%RH、168時間の吸湿処理を行なった後、最高温度260℃のIRリフローを3回行い、冷却後、剥離(剥離面積10%以上)およびボイドの発生の有無を超音波探傷装置により観察し、剥離、ボイドが発生した個数(不良発生数)を調べた(試料数20個中)。
(14)ワイヤ流れ
半導体封止装置[1]について、X線検査装置(ポニー工業株式会社製)を使用してワイヤを観察し、ワイヤ流れ率を測定した。
(15)耐湿信頼性(PCT)
半導体封止装置[1]について、30℃、60%RHにて168時間吸湿させた後、260℃ピークの赤外線リフロー炉中に3回通し、さらに、121℃、0.25MPaの条件下で168時間吸湿させた後、ワイヤオープンが発生した個数(不良発生数)を調べた(試料数20個中)。
(16)(17)耐湿信頼性(HAST)
半導体封止装置[2]について、30℃、60%RHにて168時間吸湿させた後、260℃ピークの赤外線リフロー炉中に3回通し、さらにこの装置を130℃、85%RHの条件下で500時間、および1000時間吸湿させた後、ワイヤオープンが発生した個数(不良発生数)を調べた(試料数20個中)。
(18)耐マイグレーション性
半導体封止装置[2]について、85℃/85%RHの条件下、導通していない隣同士の端子間に20Vの直流バイアス電圧を印加して、マイグレーションが発生するまでの時間を測定した。ここで、マイグレーションの発生は、端子間の抵抗値変化を測定して、初期値の1/10に抵抗値が低下したものをマイグレーションの発生があるものと判定した。試験は5個の試料について行い、時間は5個の試料の平均値とした。また、全ての試料について200時間までに初期値の1/10までの抵抗値低下がなかったものは「>200」と示した。
(12)(13)耐リフロー性(剥離・クラックの発生数、ボイド発生数)
半導体封止用樹脂組成物を用いて、175℃、2分間のトランスファー成形および175℃で8時間の後硬化により、半導体封止装置[2]としてBGAパッケージ(35mm×35mm×l.2mm、チップサイズ:10mm×10mm、アルミニウムパッドと端子とを銅製ワイヤを用いてボンディング)を作製した。この半導体封止装置[2]に対して、30℃、60%RH、168時間の吸湿処理を行なった後、最高温度260℃のIRリフローを3回行い、冷却後、剥離(剥離面積10%以上)およびボイドの発生の有無を超音波探傷装置により観察し、剥離、ボイドが発生した個数(不良発生数)を調べた(試料数20個中)。
(14)ワイヤ流れ
半導体封止装置[1]について、X線検査装置(ポニー工業株式会社製)を使用してワイヤを観察し、ワイヤ流れ率を測定した。
(15)耐湿信頼性(PCT)
半導体封止装置[1]について、30℃、60%RHにて168時間吸湿させた後、260℃ピークの赤外線リフロー炉中に3回通し、さらに、121℃、0.25MPaの条件下で168時間吸湿させた後、ワイヤオープンが発生した個数(不良発生数)を調べた(試料数20個中)。
(16)(17)耐湿信頼性(HAST)
半導体封止装置[2]について、30℃、60%RHにて168時間吸湿させた後、260℃ピークの赤外線リフロー炉中に3回通し、さらにこの装置を130℃、85%RHの条件下で500時間、および1000時間吸湿させた後、ワイヤオープンが発生した個数(不良発生数)を調べた(試料数20個中)。
(18)耐マイグレーション性
半導体封止装置[2]について、85℃/85%RHの条件下、導通していない隣同士の端子間に20Vの直流バイアス電圧を印加して、マイグレーションが発生するまでの時間を測定した。ここで、マイグレーションの発生は、端子間の抵抗値変化を測定して、初期値の1/10に抵抗値が低下したものをマイグレーションの発生があるものと判定した。試験は5個の試料について行い、時間は5個の試料の平均値とした。また、全ての試料について200時間までに初期値の1/10までの抵抗値低下がなかったものは「>200」と示した。
表1における実施例および比較例で用いた原材料を下記に示す。
(A)エポキシ樹脂
[ビフェニル型エポキシ樹脂]
・ジャパンエポキシレジン社製、商品名「YX−4000HK」
(エポキシ当量193、融点105℃、加水分解性塩素量150質量ppm)
・日本化薬株式会社製、商品名「NC−3000」
(エポキシ当量274、軟化点58℃、加水分解性塩素250ppm)
[オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂]
・日本化薬社製、商品名「EOCN−1020−55」
(エポキシ当量196、軟化点55℃、加水分解性塩素量500質量ppm)
(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂
・東レ・ファインケミカル社製、商品名「FLEP−50」(エポキシ当量320)
(C)硬化剤
・ノボラック型フェノール樹脂:昭和高分子社製、商品名「BRG−558」
(水酸基当量106、軟化点95℃)
(D)硬化促進剤
・トリフェニルホスフィン:北興化学社製、商品名「PP−200」
(E)無機質充填剤
・溶融シリカ:電気化学工業社製、商品名「FB−875FC」
(平均粒径(d50)19.5μm)
・溶融シリカ:電気化学工業社製、商品名「SFP−30M」
(平均粒径(d50)0.6μm。)
(その他)
・イオン吸着剤
ハイドロタルサイト:協和化学社製、商品名「DHT−4A」
・シランカップリング剤]
(N−フェニルーγ−アミノプロピル)トリメトキシシラン、モメンテイブ社製、
商品名「Y−9669」
・カルナバワックス
株式会社セラリカNODA製、商品名「精製カルバナワックスNo.1」
・カーボンブラック
三菱化学社、商品名「MA−600」
(A)エポキシ樹脂
[ビフェニル型エポキシ樹脂]
・ジャパンエポキシレジン社製、商品名「YX−4000HK」
(エポキシ当量193、融点105℃、加水分解性塩素量150質量ppm)
・日本化薬株式会社製、商品名「NC−3000」
(エポキシ当量274、軟化点58℃、加水分解性塩素250ppm)
[オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂]
・日本化薬社製、商品名「EOCN−1020−55」
(エポキシ当量196、軟化点55℃、加水分解性塩素量500質量ppm)
(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂
・東レ・ファインケミカル社製、商品名「FLEP−50」(エポキシ当量320)
(C)硬化剤
・ノボラック型フェノール樹脂:昭和高分子社製、商品名「BRG−558」
(水酸基当量106、軟化点95℃)
(D)硬化促進剤
・トリフェニルホスフィン:北興化学社製、商品名「PP−200」
(E)無機質充填剤
・溶融シリカ:電気化学工業社製、商品名「FB−875FC」
(平均粒径(d50)19.5μm)
・溶融シリカ:電気化学工業社製、商品名「SFP−30M」
(平均粒径(d50)0.6μm。)
(その他)
・イオン吸着剤
ハイドロタルサイト:協和化学社製、商品名「DHT−4A」
・シランカップリング剤]
(N−フェニルーγ−アミノプロピル)トリメトキシシラン、モメンテイブ社製、
商品名「Y−9669」
・カルナバワックス
株式会社セラリカNODA製、商品名「精製カルバナワックスNo.1」
・カーボンブラック
三菱化学社、商品名「MA−600」
表1から明らかなように、ポリサルファイド変性エポキシ樹脂を必須成分として含有する実施例1〜4の半導体封止用樹脂組成物によれば、ワイヤ流れが抑制され、耐リフロー性、耐湿信頼性、および耐マイグレーション性などが良好な半導体封止装置を得ることができる。
Claims (5)
- (A)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂、(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂、(C)硬化剤、(D)硬化促進剤、および(E)無機質充填剤を必須成分として含有する半導体封止用樹脂組成物。
- 前記半導体封止用樹脂組成物中、前記(B)ポリサルファイド変性エポキシ樹脂を0.005〜7.5質量%含有する請求項1記載の半導体封止用樹脂組成物。
- 回路基板と、前記回路基板上に搭載された半導体チップと、前記回路基板と前記半導体チップとを電気的に接続するワイヤと、前記半導体チップおよび前記ワイヤを封止する半導体封止用樹脂組成物の硬化物とを有する半導体封止装置であって、
前記半導体封止用樹脂組成物が請求項1乃至3のいずれか1項記載の半導体封止用樹脂組成物である半導体封止装置。 - 前記ワイヤが銅を主成分とする銅ワイヤである請求項4記載の半導体封止装置。
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JP2013010306A JP2014141573A (ja) | 2013-01-23 | 2013-01-23 | 半導体封止用樹脂組成物および半導体封止装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2021046519A (ja) * | 2019-09-20 | 2021-03-25 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
CN114402029A (zh) * | 2019-09-12 | 2022-04-26 | 昭和电工材料株式会社 | 压缩成形用密封材及电子零件装置 |
-
2013
- 2013-01-23 JP JP2013010306A patent/JP2014141573A/ja active Pending
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JP2021046519A (ja) * | 2019-09-20 | 2021-03-25 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
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