JP2014141444A - トリテルペン類を有効成分とする骨粗鬆症予防剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】日常的に安心して摂取できる骨粗鬆症予防剤を提供すること。
【解決手段】トリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする骨粗鬆症予防剤である。 このトリテルペン類として、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸を挙げることができる。
【選択図】図4
【解決手段】トリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする骨粗鬆症予防剤である。 このトリテルペン類として、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸を挙げることができる。
【選択図】図4
Description
本発明は、トリテルペン類を有効成分とする骨粗鬆症予防剤に関する。
近年、高齢化により骨粗鬆症が問題となって来ている。
骨粗鬆症とは、骨の量が減少してもろくなり骨折を起こしやすくなる症状をいう。
骨は正常な状態では、骨形成と骨吸収のバランスが保たれているので骨の量が変動することなく、120〜150日の周期で新しい骨が形成されている。
骨粗鬆症では骨吸収が骨形成を上回り骨量の減少が起きる。
骨粗鬆症を予防及び/又は治療するためには、骨吸収を抑え、骨形成を促進しバランスを保つ必要がある。
一般には、骨吸収を抑えるために、カルシトニン製剤、イプリフラボン、ビスホスホネート製剤、エストロゲン製剤などが用いられ、骨形成を促進するために、ビタミンK2製剤、副甲状腺ホルモン製剤などが用いられている。
この骨粗鬆症を予防又は治療する方法として、例えば、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を有効成分として含有する骨代謝改善剤が知られている(例えば特許文献1参照)。
骨粗鬆症とは、骨の量が減少してもろくなり骨折を起こしやすくなる症状をいう。
骨は正常な状態では、骨形成と骨吸収のバランスが保たれているので骨の量が変動することなく、120〜150日の周期で新しい骨が形成されている。
骨粗鬆症では骨吸収が骨形成を上回り骨量の減少が起きる。
骨粗鬆症を予防及び/又は治療するためには、骨吸収を抑え、骨形成を促進しバランスを保つ必要がある。
一般には、骨吸収を抑えるために、カルシトニン製剤、イプリフラボン、ビスホスホネート製剤、エストロゲン製剤などが用いられ、骨形成を促進するために、ビタミンK2製剤、副甲状腺ホルモン製剤などが用いられている。
この骨粗鬆症を予防又は治療する方法として、例えば、鎖状イソプレノイド脂肪酸エステル類を有効成分として含有する骨代謝改善剤が知られている(例えば特許文献1参照)。
トリテルペン類の一種であるマスリン酸の生理活性として、発ガン抑制作用が報告されている(例えば非特許文献1参照)。
また、難消化性デキストリンと、コロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを有効成分として含有する血糖値上昇抑制剤としての使用が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、マスリン酸を含有する皮膚の美白用飲食物又は経口美白剤としての使用が知られている(例えば特許文献3参照)。
また、トリテルペン類の一種であるオレアノール酸の生理活性として、抗う蝕作用(例えば特許文献4参照)や抗癌作用(例えば特許文献5参照)が知られている。
また、トリテルペン類の一種であるウルソール酸の生理活性として、プロトンポンプ阻害作用(例えば特許文献6参照)が知られている。
また、トリテルペン類の一種であるコロソリン酸の生理活性として、血糖上昇抑制作用が多く報告されている(例えば特許文献7参照)。
また、難消化性デキストリンと、コロソリン酸、マスリン酸、トルメンティック酸及びそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つとを有効成分として含有する血糖値上昇抑制剤としての使用が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、マスリン酸を含有する皮膚の美白用飲食物又は経口美白剤としての使用が知られている(例えば特許文献3参照)。
また、トリテルペン類の一種であるオレアノール酸の生理活性として、抗う蝕作用(例えば特許文献4参照)や抗癌作用(例えば特許文献5参照)が知られている。
また、トリテルペン類の一種であるウルソール酸の生理活性として、プロトンポンプ阻害作用(例えば特許文献6参照)が知られている。
また、トリテルペン類の一種であるコロソリン酸の生理活性として、血糖上昇抑制作用が多く報告されている(例えば特許文献7参照)。
「ザ ジャーナル オブ ニュートリション (The Journal of Nutrition)」、(米国)、「アメリカン ソサイエティー オブ ニュートリショナル サイエンス (American Society of Nutritional Sciences)」、2006年、136号、p. 2553−2557
発明の目的は日常的に安心して摂取できる骨粗鬆症予防剤を提供することである。
本発明者らは、トリテルペン類の一種であるマスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸に着目し、鋭意研究を重ねた結果、これらが優れた骨粗鬆症予防作用をもつことを見出し、本発明を完成させるに至った。
特にオリーブの果肉、種子、オリーブの葉、枝、オリーブオイル絞りかす、エキストラバージンオリーブオイルを処理して得られるマスリン酸は、植物由来であることから安全性が高い。
従って、本発明はトリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする骨粗鬆症予防剤である。
このトリテルペン類として、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸を挙げることができる。
特にオリーブの果肉、種子、オリーブの葉、枝、オリーブオイル絞りかす、エキストラバージンオリーブオイルを処理して得られるマスリン酸は、植物由来であることから安全性が高い。
従って、本発明はトリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする骨粗鬆症予防剤である。
このトリテルペン類として、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸を挙げることができる。
本発明のトリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする骨粗鬆症予防剤により、骨粗鬆症を予防することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用するマスリン酸は、化学式(1)で示されるトリテルペン類の一種である。
本発明において使用するマスリン酸は、化学式(1)で示されるトリテルペン類の一種である。
マスリン酸は、化学合成によって得ることができるほか、オリーブから公知の方法で抽出、精製して得ることができる。
例えば、乾燥または水分を含むオリーブや搾油工程で発生するオリーブオイル搾り粕などを原料として使用できる。
さらに、オリーブ乾燥物をn−ヘキサン等の脂溶性有機溶媒で油分を除去した脱脂物でも使用できる。
使用するオリーブの品種には特に限定はなく、国内産、外国産などの産地、栽培用、搾油用を問わず使用できる。
本発明で使用するマスリン酸は、これらの原料からマスリン酸が抽出可能な低級アルコール(例えば、エタノール、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなど)又はその含水アルコールでマスリン酸を抽出し、必要であれば、ケン化処理、中和を行い、吸着剤としてオクタデシルシリカ(ODS)、シリカゲル、合成吸着剤などを使用して、分画、精製することで得ることができる。
マスリン酸精製画分を濃縮乾固したものは、茶褐色の粉末状であり、純度が高いほど白色粉末となり、含水アルコールなどに溶解する。
例えば、乾燥または水分を含むオリーブや搾油工程で発生するオリーブオイル搾り粕などを原料として使用できる。
さらに、オリーブ乾燥物をn−ヘキサン等の脂溶性有機溶媒で油分を除去した脱脂物でも使用できる。
使用するオリーブの品種には特に限定はなく、国内産、外国産などの産地、栽培用、搾油用を問わず使用できる。
本発明で使用するマスリン酸は、これらの原料からマスリン酸が抽出可能な低級アルコール(例えば、エタノール、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなど)又はその含水アルコールでマスリン酸を抽出し、必要であれば、ケン化処理、中和を行い、吸着剤としてオクタデシルシリカ(ODS)、シリカゲル、合成吸着剤などを使用して、分画、精製することで得ることができる。
マスリン酸精製画分を濃縮乾固したものは、茶褐色の粉末状であり、純度が高いほど白色粉末となり、含水アルコールなどに溶解する。
本発明において使用するオレアノール酸は、化学式(2)で示されるトリテルペン類の一種である。
化学合成によって得ることができるほか、ビート、ブドウ、オリーブから公知の方法で抽出、精製して得ることができる。
化学合成によって得ることができるほか、ビート、ブドウ、オリーブから公知の方法で抽出、精製して得ることができる。
本発明において使用するウルソール酸は、化学式(3)で示されるトリテルペン類の一種である。
化学合成によって得ることができるほか、リンゴの皮やローズマリーから公知の方法で抽出、精製して得ることができる。
化学合成によって得ることができるほか、リンゴの皮やローズマリーから公知の方法で抽出、精製して得ることができる。
本発明において使用するコロソリン酸は、化学式(4)で示されるトリテルペン類の一種である。
化学合成によって得ることができるほか、バナバやビワの葉から公知の方法で抽出、精製して得ることができる。
化学合成によって得ることができるほか、バナバやビワの葉から公知の方法で抽出、精製して得ることができる。
なお、これらのトリテルペン類は市販品を使用することができる。
本発明らは、これらのトリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩の生理活性に着目した結果、これらに優れた骨粗鬆症予防作用があり骨粗鬆症予防剤として使用できることを見出したのである。
本発明らは、これらのトリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩の生理活性に着目した結果、これらに優れた骨粗鬆症予防作用があり骨粗鬆症予防剤として使用できることを見出したのである。
前記のとおり骨は骨吸収と骨新生を繰り返して骨梁を維持している。
骨吸収では、骨吸収部位への破骨細胞の遊走と脱灰後のマトリックス分解が重要であるが、蛋白分解酵素の中ではシステインプロテアーゼとマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)が細胞外マトリックス分解において中心的役割を果たしている。
また、カテプシンK(cathepsin K)とMMP−9は破骨細胞での骨吸収に伴い、高発現しており、前者は骨吸収においては、骨基質コラーゲン分解を中心的に行っていることが報告されている。
後者は細胞外マトリックスの構成成分であるゼラチン、IV、V型コラーゲンやエラスチンを分解する活性を有している。
さらに、RANKL(Receptor activator of nuclear factor-kappa
B ligand)は、活性型ビタミンD3、プロスタグランジンE2(PGE2)、副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone )、インターロイキン6(IL-6)などのこれまで知られてきた多くの骨吸収因子によって骨芽細胞などの破骨細胞形成支持細胞の表面上に誘導されることが明らかにされている。
RANKL欠損マウスにおいては、これらの因子の骨吸収促進作用が消失することから、RANKLシグナルが生体における骨吸収レベルを最終的に決定する重要な役割を果たすことが示されている。
これらの報告などから、カテプシンK、MMP-9、RANKLを抑制することで、骨破壊を抑制できることが知られている。
すなわち、トリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩がシステインプロテアーゼ、マトリックスメタロプロテアーゼ及びカテプシンKの発現を抑制することで骨粗鬆症を予防することが出来る。
骨吸収では、骨吸収部位への破骨細胞の遊走と脱灰後のマトリックス分解が重要であるが、蛋白分解酵素の中ではシステインプロテアーゼとマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)が細胞外マトリックス分解において中心的役割を果たしている。
また、カテプシンK(cathepsin K)とMMP−9は破骨細胞での骨吸収に伴い、高発現しており、前者は骨吸収においては、骨基質コラーゲン分解を中心的に行っていることが報告されている。
後者は細胞外マトリックスの構成成分であるゼラチン、IV、V型コラーゲンやエラスチンを分解する活性を有している。
さらに、RANKL(Receptor activator of nuclear factor-kappa
B ligand)は、活性型ビタミンD3、プロスタグランジンE2(PGE2)、副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone )、インターロイキン6(IL-6)などのこれまで知られてきた多くの骨吸収因子によって骨芽細胞などの破骨細胞形成支持細胞の表面上に誘導されることが明らかにされている。
RANKL欠損マウスにおいては、これらの因子の骨吸収促進作用が消失することから、RANKLシグナルが生体における骨吸収レベルを最終的に決定する重要な役割を果たすことが示されている。
これらの報告などから、カテプシンK、MMP-9、RANKLを抑制することで、骨破壊を抑制できることが知られている。
すなわち、トリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩がシステインプロテアーゼ、マトリックスメタロプロテアーゼ及びカテプシンKの発現を抑制することで骨粗鬆症を予防することが出来る。
投与量は、投与方法と患者の年齢、病状や一般状態などによって変化し得るが、大人では通常、1日当たり有効成分として1〜500mg/kgが適当である。
本発明のトリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする骨粗鬆症予防剤は、一般食品や健康食品に配合することができ、また、食品添加物の成分とすることもできる。
本発明のトリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする骨粗鬆症予防剤を配合する食品は特に限定されず、例えば食パン、菓子パン、パイ、デニッシュ、ドーナツ、ケーキ等のベーカリー食品、うどん、そば、中華麺、焼きそば、パスタ等の麺類、天ぷら、コロッケ等のフライ類、カレー、シチュー、ドレッシング等のソース類、ふりかけ類、かまぼこ等の練り製品、ジュース等の飲料、スナック菓子、米菓、飴、ガム等の菓子類を挙げることができる。
本発明のトリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩を有効成分とする骨粗鬆症予防剤を配合する食品は特に限定されず、例えば食パン、菓子パン、パイ、デニッシュ、ドーナツ、ケーキ等のベーカリー食品、うどん、そば、中華麺、焼きそば、パスタ等の麺類、天ぷら、コロッケ等のフライ類、カレー、シチュー、ドレッシング等のソース類、ふりかけ類、かまぼこ等の練り製品、ジュース等の飲料、スナック菓子、米菓、飴、ガム等の菓子類を挙げることができる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
破骨細胞は、単球/マクロファージファミリーの単核前駆体が融合して形成される多核細胞(3個以上の核を持つ細胞)であり、主要な骨吸収細胞であり、骨のリモデリング(再構築)において、骨を破壊(骨吸収)する役割を担っている細胞である。
細胞質は好酸性を示し酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ活性を有する。
NF-κB活性化受容体リガンド(receptor activator of nuclear factor-kappaB ligand:RANKL)が破骨細胞形成の重要なメディエーターの1つである。
RANKLと破骨細胞前駆細胞が発現するRANKとの細胞間接触を介して破骨細胞は誘導されるためRANKLシグナル伝達を抑制する薬剤は破骨細胞形成を抑制する(骨粗しょう症予防)。
本発明では、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸又はコロソリン酸といったトリテルペン類のRANKLシグナル伝達および破骨細胞形成を抑制する能力についてマウス単球細胞株であるRAW264.7細胞を用いて確認した。
破骨細胞は、単球/マクロファージファミリーの単核前駆体が融合して形成される多核細胞(3個以上の核を持つ細胞)であり、主要な骨吸収細胞であり、骨のリモデリング(再構築)において、骨を破壊(骨吸収)する役割を担っている細胞である。
細胞質は好酸性を示し酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ活性を有する。
NF-κB活性化受容体リガンド(receptor activator of nuclear factor-kappaB ligand:RANKL)が破骨細胞形成の重要なメディエーターの1つである。
RANKLと破骨細胞前駆細胞が発現するRANKとの細胞間接触を介して破骨細胞は誘導されるためRANKLシグナル伝達を抑制する薬剤は破骨細胞形成を抑制する(骨粗しょう症予防)。
本発明では、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸又はコロソリン酸といったトリテルペン類のRANKLシグナル伝達および破骨細胞形成を抑制する能力についてマウス単球細胞株であるRAW264.7細胞を用いて確認した。
[試験例1]破骨細胞分化アッセイ
RAW264.7細胞は、マウス由来のマクロファージ細胞株であり理研バイオリソースセンターから入手した。
この細胞株は、骨切片又は可溶性RANKLと共培養した場合に、RANKを発現し、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP:Tartrate―ResistantAcid Phosphatase)陽性である機能的破骨細胞に分化する。
RAW264.7細胞を1×104細胞/ウェルの密度で24ウェルディッシュに10%ウシ胎児血清および抗生物質を添加したDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地で培養し、37℃、5%CO2のインキュベーターで一晩かけて接着させた。
一晩培養後、10%ウシ胎児血清および抗生物質を添加したα―MEM(Minimum Essential Medium Alpha Modification)培地(Life Technologies Corporation社製、フェノールレッド不含)に交換し、RANKLを200
ng/ml(約10nM)終濃度となるように添加した後、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸(いずれも和光純薬工業株式会社製)を表1に示す終濃度になるよう培地中にそれぞれ添加した。
それらを6日間、37℃、5%CO2環境で培養した。
なお、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸はジメチルスルホキシド中に50mM溶液として調製し、次いで細胞培養液でさらに希釈したものを使用した。
TRAP/ALP染色キット(和光純薬工業社製)を使用してマニュアル通りに培養物を染色し、ウェル当たりのTRAP陽性多核破骨細胞(核が一つの細胞に3個以上、且つ酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ活性で赤く染色された細胞)の総数を計測した。
結果を表1に示す。
RAW264.7細胞は、マウス由来のマクロファージ細胞株であり理研バイオリソースセンターから入手した。
この細胞株は、骨切片又は可溶性RANKLと共培養した場合に、RANKを発現し、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP:Tartrate―ResistantAcid Phosphatase)陽性である機能的破骨細胞に分化する。
RAW264.7細胞を1×104細胞/ウェルの密度で24ウェルディッシュに10%ウシ胎児血清および抗生物質を添加したDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)培地で培養し、37℃、5%CO2のインキュベーターで一晩かけて接着させた。
一晩培養後、10%ウシ胎児血清および抗生物質を添加したα―MEM(Minimum Essential Medium Alpha Modification)培地(Life Technologies Corporation社製、フェノールレッド不含)に交換し、RANKLを200
ng/ml(約10nM)終濃度となるように添加した後、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸(いずれも和光純薬工業株式会社製)を表1に示す終濃度になるよう培地中にそれぞれ添加した。
それらを6日間、37℃、5%CO2環境で培養した。
なお、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸はジメチルスルホキシド中に50mM溶液として調製し、次いで細胞培養液でさらに希釈したものを使用した。
TRAP/ALP染色キット(和光純薬工業社製)を使用してマニュアル通りに培養物を染色し、ウェル当たりのTRAP陽性多核破骨細胞(核が一つの細胞に3個以上、且つ酒石酸抵抗性酸性ホスファターゼ活性で赤く染色された細胞)の総数を計測した。
結果を表1に示す。
試験は3回行い細胞数を求めた。
表中、細胞数平均はコントロール1を100としたときのコントロールに対する細胞数の比率である。
表中、添加量(μM)の値は終濃度である。
トリテルペン類(マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸)を添加することで、破骨細胞の数が減少した。
表中、細胞数平均はコントロール1を100としたときのコントロールに対する細胞数の比率である。
表中、添加量(μM)の値は終濃度である。
トリテルペン類(マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸)を添加することで、破骨細胞の数が減少した。
[試験例2]骨吸収活性評価
固層化および培養操作は無菌条件下で行った。
骨吸収活性評価プレートの各wellに骨吸収活性評価用FACS(Fluoresceinamine chondroitin sulfate:蛍光標識コンドロイチン硫酸)を添加し、遮光状態で1時間、37℃でインキュベートしたのち、遮光状態で細胞播種の準備を行った。
RAW264.7細胞を1×104細胞/ウェルの密度で骨吸収活性評価プレートにDMEM培地で培養し、一晩かけて37℃、5%CO2インキュベーターで接着させた。
一晩培養後、培地を10%ウシ胎児血清および抗生物質を添加したα―MEM培地(フェノールレッド不含)に交換し、コントロール2を除きRANKLを200
ng/ml(約10nM)終濃度となるように各培地に添加した後、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸(いずれも和光純薬工業株式会社製)を終濃度が20μMとなるよう焙地中にそれぞれ添加した。
それらを6日間、37℃、5%CO2環境で培養した。
なお、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸はジメチルスルホキシド中に50mM溶液として調製し、次いで細胞培養液でさらに希釈したものを使用した。
培養後、培養上清100μlを96wellプレート(蛍光測定用ブラックプレート、パーキンエルマ―社製)に採取し、50μlの骨吸収活性評価用緩衝液を添加し、振とう機で混合したのち、マイクロプレートリーダー(パーキンエルマ―社製)にて蛍光強度(励起485nm/蛍光535nm)を測定した。
結果を表2に示す。
固層化および培養操作は無菌条件下で行った。
骨吸収活性評価プレートの各wellに骨吸収活性評価用FACS(Fluoresceinamine chondroitin sulfate:蛍光標識コンドロイチン硫酸)を添加し、遮光状態で1時間、37℃でインキュベートしたのち、遮光状態で細胞播種の準備を行った。
RAW264.7細胞を1×104細胞/ウェルの密度で骨吸収活性評価プレートにDMEM培地で培養し、一晩かけて37℃、5%CO2インキュベーターで接着させた。
一晩培養後、培地を10%ウシ胎児血清および抗生物質を添加したα―MEM培地(フェノールレッド不含)に交換し、コントロール2を除きRANKLを200
ng/ml(約10nM)終濃度となるように各培地に添加した後、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸(いずれも和光純薬工業株式会社製)を終濃度が20μMとなるよう焙地中にそれぞれ添加した。
それらを6日間、37℃、5%CO2環境で培養した。
なお、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸はジメチルスルホキシド中に50mM溶液として調製し、次いで細胞培養液でさらに希釈したものを使用した。
培養後、培養上清100μlを96wellプレート(蛍光測定用ブラックプレート、パーキンエルマ―社製)に採取し、50μlの骨吸収活性評価用緩衝液を添加し、振とう機で混合したのち、マイクロプレートリーダー(パーキンエルマ―社製)にて蛍光強度(励起485nm/蛍光535nm)を測定した。
結果を表2に示す。
試験は2回行い骨吸収活性(%)を求めた。
表中、コントロール2はRANKLを添加していないネガテブコントロールである。
コントロール2以外はRANKLを添加した。
表中、骨吸収活性はコントロール3を100としたときのコントロール3に対するトリテルペン類添加群の比率である。
オレアノール酸には、ほとんど骨吸収(骨破壊)活性の低下が認められなかったがマスリン酸、ウルソール酸、コロソリン酸には骨吸収(骨破壊)活性の低下が認められた。
表中、コントロール2はRANKLを添加していないネガテブコントロールである。
コントロール2以外はRANKLを添加した。
表中、骨吸収活性はコントロール3を100としたときのコントロール3に対するトリテルペン類添加群の比率である。
オレアノール酸には、ほとんど骨吸収(骨破壊)活性の低下が認められなかったがマスリン酸、ウルソール酸、コロソリン酸には骨吸収(骨破壊)活性の低下が認められた。
[試験例3]細胞毒性試験
RAW264.7細胞を1×104細胞/ウェルを96ウェルディッシュ(BDファルコン社製)にてDMEM培地で培養し、37℃、5%CO2のインキュベーターで一晩かけて接着させた。
一晩培養後、10%ウシ胎児血清および抗生物質を添加したα―MEM培地(フェノールレッド不含)に交換し、RANKLを200 ng/ml(約10nM)終濃度となるように添加した後、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸(いずれも和光純薬工業株式会社製)を表3に示す終濃度になるよう培地中に添加した。
それらを6日間、37℃、5%CO2環境で培養した。
なお、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸はジメチルスルホキシド中に50mM溶液として調製し、次いで細胞培養液でさらに希釈したものを使用した。
培養後、WST−1試薬(株式会社同仁化学研究所社製)を添加して37℃、1時間インキュベート後、マイクロプレートリーダー(パーキンエルマー社製)で450nmの吸光度を測定した。
なお、この方法は、テトラゾリウム塩の還元により生細胞数を解析する発色検出方法であり、テトラゾリウム塩WST―1は,生細胞の代謝活性によってフォルマザン色素に還元され、その色素量は培養中において代謝活性を有する細胞数に直接比例する。
結果を表3に示す。
RAW264.7細胞を1×104細胞/ウェルを96ウェルディッシュ(BDファルコン社製)にてDMEM培地で培養し、37℃、5%CO2のインキュベーターで一晩かけて接着させた。
一晩培養後、10%ウシ胎児血清および抗生物質を添加したα―MEM培地(フェノールレッド不含)に交換し、RANKLを200 ng/ml(約10nM)終濃度となるように添加した後、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸(いずれも和光純薬工業株式会社製)を表3に示す終濃度になるよう培地中に添加した。
それらを6日間、37℃、5%CO2環境で培養した。
なお、マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸はジメチルスルホキシド中に50mM溶液として調製し、次いで細胞培養液でさらに希釈したものを使用した。
培養後、WST−1試薬(株式会社同仁化学研究所社製)を添加して37℃、1時間インキュベート後、マイクロプレートリーダー(パーキンエルマー社製)で450nmの吸光度を測定した。
なお、この方法は、テトラゾリウム塩の還元により生細胞数を解析する発色検出方法であり、テトラゾリウム塩WST―1は,生細胞の代謝活性によってフォルマザン色素に還元され、その色素量は培養中において代謝活性を有する細胞数に直接比例する。
結果を表3に示す。
試験は3回行い細胞数を求めた。
表中、細胞数平均はコントロール4を100としたときのコントロール4に対する細胞数の比率である。
表中、添加量(μM)の値は終濃度である。
トリテルペン類(マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸)を添加することでの細胞生存率の低下はみとめられなかった。
表中、細胞数平均はコントロール4を100としたときのコントロール4に対する細胞数の比率である。
表中、添加量(μM)の値は終濃度である。
トリテルペン類(マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸)を添加することでの細胞生存率の低下はみとめられなかった。
以上の結果から、トリテルペン類(マスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸、コロソリン酸)は、破骨細胞分化抑制および骨吸収活性抑制することで骨粗鬆症を予防することが確認できた。
[試験例4]
正常なマウス(DBA1/J、雄)6匹(コントロール)と骨破壊惹起マウス(DBA1/J、雄、コラーゲン抗体(Chondrex社製、関節炎惹起用モノクローナル抗体カクテル)及びLPS(リポポリサッカリド)で関節炎を惹起させたマウス12匹について、骨破壊惹起マウス12匹中6匹には普通食を経口摂取させ、残り6匹には1日に体重1kg当たり100mgのマスリン酸を経口摂取させて、骨破壊誘導1週間後に、マウスから膝関節を採取し、組織標本観察及び組織からRNA回収を行い、MMP−9、RANKL、カテプシンKの遺伝子発現を測定した。
なお、本実験は日本製粉株式会社動物実験委員会で承認後、実施した。
遺伝子発現の結果(平均値)(単位は骨破壊惹起マウスの遺伝子発現量を1とした相対値)を表4に示す
[試験例4]
正常なマウス(DBA1/J、雄)6匹(コントロール)と骨破壊惹起マウス(DBA1/J、雄、コラーゲン抗体(Chondrex社製、関節炎惹起用モノクローナル抗体カクテル)及びLPS(リポポリサッカリド)で関節炎を惹起させたマウス12匹について、骨破壊惹起マウス12匹中6匹には普通食を経口摂取させ、残り6匹には1日に体重1kg当たり100mgのマスリン酸を経口摂取させて、骨破壊誘導1週間後に、マウスから膝関節を採取し、組織標本観察及び組織からRNA回収を行い、MMP−9、RANKL、カテプシンKの遺伝子発現を測定した。
なお、本実験は日本製粉株式会社動物実験委員会で承認後、実施した。
遺伝子発現の結果(平均値)(単位は骨破壊惹起マウスの遺伝子発現量を1とした相対値)を表4に示す
組織標本観察の結果からは骨破壊に対して改善または予防的な作用が起こっていることが確認できた。
図1は正常マウスに普通食を与えた場合の膝関節の状態を示す写真である。
図中Aで示す部分は半月板、Bで示す部分は滑膜組織、Cで示す部分は関節軟骨である。
正常マウスでは骨破壊が観察されなかった。
図2は、骨破壊惹起マウスに普通食を与えた場合の骨破壊惹起マウスの膝関節脛骨側で骨破壊が起きている状態を示す写真である。
図中Bで示す部分は滑膜組織、Cで示す部分は関節軟骨である。
Dの矢印で示す部分に骨破壊が観察された。
図3は、骨破壊惹起マウスに普通食とマスリン酸を与えた場合の骨破壊惹起マウスの膝関節脛骨側で骨破壊後の基質化が起きている状態を示す写真である。
図中Bで示す部分は滑膜組織、Cで示す部分は関節軟骨である。
Eの矢印で示す部分では、骨破壊後の基質化(結合組織が増勢し欠損骨組織を補っている)が起きていた。
図4は、骨破壊惹起マウスに普通食とマスリン酸を与えた場合の骨破壊惹起マウスの膝関節脛骨側で骨破壊が抑制されている状態を示す写真である。
図中Aで示す部分は半月板、Bで示す部分は滑膜組織、Cで示す部分は関節軟骨である。
正常マウスと同様に骨破壊は確認されなかった。
以上からマスリン酸の骨粗鬆症予防効果が確認できた。
図1は正常マウスに普通食を与えた場合の膝関節の状態を示す写真である。
図中Aで示す部分は半月板、Bで示す部分は滑膜組織、Cで示す部分は関節軟骨である。
正常マウスでは骨破壊が観察されなかった。
図2は、骨破壊惹起マウスに普通食を与えた場合の骨破壊惹起マウスの膝関節脛骨側で骨破壊が起きている状態を示す写真である。
図中Bで示す部分は滑膜組織、Cで示す部分は関節軟骨である。
Dの矢印で示す部分に骨破壊が観察された。
図3は、骨破壊惹起マウスに普通食とマスリン酸を与えた場合の骨破壊惹起マウスの膝関節脛骨側で骨破壊後の基質化が起きている状態を示す写真である。
図中Bで示す部分は滑膜組織、Cで示す部分は関節軟骨である。
Eの矢印で示す部分では、骨破壊後の基質化(結合組織が増勢し欠損骨組織を補っている)が起きていた。
図4は、骨破壊惹起マウスに普通食とマスリン酸を与えた場合の骨破壊惹起マウスの膝関節脛骨側で骨破壊が抑制されている状態を示す写真である。
図中Aで示す部分は半月板、Bで示す部分は滑膜組織、Cで示す部分は関節軟骨である。
正常マウスと同様に骨破壊は確認されなかった。
以上からマスリン酸の骨粗鬆症予防効果が確認できた。
[試験例5]錠菓及び錠剤の製造
卵殻カルシウム108g、ピロリン酸第二鉄2g、アスコルビン酸40g、微結晶セルロース40g、還元麦芽糖280g、マスリン酸5gをミキサーによって常法により混合した後、打錠して錠菓及び錠剤を製造した。
卵殻カルシウム108g、ピロリン酸第二鉄2g、アスコルビン酸40g、微結晶セルロース40g、還元麦芽糖280g、マスリン酸5gをミキサーによって常法により混合した後、打錠して錠菓及び錠剤を製造した。
Claims (2)
- トリテルペン類及び/又はその生理学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする骨粗鬆症予防剤。
- トリテルペン類がマスリン酸、オレアノール酸、ウルソール酸又はコロソリン酸である請求項1に記載の骨粗鬆症予防剤。
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