JP2016169172A - 幹細胞の未分化状態維持剤及び増殖促進剤 - Google Patents

幹細胞の未分化状態維持剤及び増殖促進剤 Download PDF

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Abstract

【課題】幹細胞を、未分化状態を維持させたまま、効率良く増殖させることができる新たな物質を見出し、幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤として提供すること。また、皮膚の創傷治癒作用を有し、皮膚再生医療又は美容分野で簡便に利用でき、しかも安全性が高く、安価な創傷治癒剤を提供すること。【解決手段】トリテルペン酸を有効成分として含有する、幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤。【選択図】なし

Description

本発明は、幹細胞の未分化状態維持剤及び増殖促進剤、又は創傷治癒剤、並びに幹細胞の未分化状態維持方法及び増殖促進方法に関する。
脊椎動物(特に哺乳動物)の組織は、傷害若しくは疾患、又は加齢等に伴い細胞や臓器の損傷が起こった場合、再生系が働き、細胞や臓器の損傷を回復しようとする。この作用に、当該組織に備わる幹細胞(組織幹細胞、体性幹細胞)が大きな役割を果たしている。幹細胞は、あらゆる細胞や臓器に分化する多能性を有しており、この性質により細胞や臓器の損傷部を補うことで回復に導くと考えられている。このような幹細胞を応用した、次世代の医療である再生医療に期待が集まっている。
哺乳動物における幹細胞研究で最も進んでいる組織は骨髄である。骨髄には生体の造血幹細胞が存在しており、全ての血液細胞再生の源であることが明らかにされた。さらに骨髄には、造血幹細胞とは別に、臓器や組織(例えば、骨、軟骨、筋肉、脂肪等)へ分化可能な幹細胞が包含されていることが報告されている(非特許文献1参照)。
さらに、近年、骨髄以外にも、皮膚、肝臓、膵臓、脂肪等、あらゆる臓器や組織に幹細胞が存在することが明らかにされ、各臓器や組織の再生及び恒常性維持を司っていることがわかってきた(非特許文献2〜5参照)。また、各臓器や組織に存在する幹細胞は可塑性に優れており、今まで自己複製が不可能であった臓器や組織の再生にも利用できる可能性がある。
一方で、これらの幹細胞のうちのいくつかは、加齢とともに減少することが知られており、各組織の恒常性維持のために幹細胞の減少を防ぐ技術の研究が積極的になされている(非特許文献6)。また、近年、幹細胞の能力(多能性)を、臓器や組織の再生へ応用するため、細胞移植治療や組織工学(再生医療や再生美容)の分野において幹細胞を生体組織から分離した後に培養し増殖させる技術の開発が進められている(非特許文献7、8)。
特に、幹細胞を生体外で培養する場合、幹細胞の能力である多能性を維持した状態、すなわち、未分化な状態を維持させたまま増殖させることが極めて重要である。もし、この培養時に幹細胞の未分化状態が維持できず分化誘導が進んでしまった場合、最終的に調製された幹細胞の能力(多能性)は失われていることになり、目的の効果(臓器や組織の再生等)を発揮できない。
以上より、幹細胞を細胞移植治療や組織工学(再生医療や再生美容)に利用し、臓器や組織の再生を望む場合、幹細胞を未分化状態を維持させたまま培養できなければならない。
現在までに、幹細胞を、未分化状態を維持させたまま増殖させる技術について、幾つか報告があるが、未だ発展途上である。例えば、胚性幹細胞(ES細胞)や造血幹細胞は、支持細胞(ストローマ細胞、又はフィーダー細胞)と共培養することで未分化を維持することができる(特許文献1及び非特許文献9〜11参照)。しかしながら、最近になってフィーダー細胞由来の内在性ウイルスによる異種動物間の感染例が報告されており(非特許文献12参照)、支持細胞を使用した幹細胞の培養は、医療用途を目的とした幹細胞の培養には適していない。
その他の方法に、サイトカインを複雑に組合せることによって幹細胞の未分化状態を維持させる方法がある。例えば、マウスES細胞は、LIF(白血病抑制因子(Leukemia Inhibitory Factor))を培地に添加することによって、未分化性が維持される(特許文献2及び非特許文献13参照)。その他、初期作用性サイトカイントロンボポイエチン(TPO)、インターロイキン6(IL−6)、FLT−3リガンド、及び幹細胞因子(SCF)の存在下で、未分化性を維持させることが胚性幹細胞、体性幹細胞等で報告されている(特許文献3及び非特許文献14参照)。
しかしながら、サイトカインは、高価であり、採取原料や保存性等の問題があり、容易な使用は難しい。加えて、LIFの効果は極めて特定の細胞系統に限定的であり、特に霊長類のES細胞や体性幹細胞においては、LIFの添加のみでは未分化状態を維持することができないことが明らかにされている(非特許文献10参照)。
このように、現在、報告されている幹細胞の未分化状態の維持方法はいずれも、煩雑な操作を必要とし、また未分化状態の維持効果が低い。従って、幹細胞を再生医療に利用するために、幹細胞を、未分化状態を維持したまま増殖させる技術が求められていた。つまり、安全且つ簡便で効率的に、幹細胞を、未分化状態を維持させたまま増殖させることができる技術が求められていた。
近年、糖尿病や動脈硬化症の増加や高齢化に伴い、植皮術のみでは治療困難な糖尿病性下肢潰瘍や褥瘡などの慢性創傷の患者が増えている。皮膚の創傷は、創傷部の洗浄等の応急処置を施した後、生体の有する治癒力による自然治癒を待つのが一般的である。しかしながら、創傷の程度によっては自然治癒には長時間を要することがあり、特に高齢者や糖尿病患者等は若者と比較して自然治癒が遅く、創傷治癒を促進する必要がある。皮膚の創傷治癒促進剤としては、塩化リゾチームやソルコセリン等が知られているが、いずれも創傷治癒促進作用が十分であるとはいい難いものであった。皮膚の創傷治癒では、組織の再構築が行われるため、必要な細胞の遊走やコラーゲン等の細胞外マトリックスの産生が促進される。創傷治癒の初期に主に産生されて組織の再構築に重要なタイプ3コラーゲンは、創傷治癒促進効果があり、創傷治癒促進剤として利用されている(非特許文献15、特許文献4)。また、幹細胞の増殖又は分化を刺激し、創傷治癒を促進する物質として、サブスタンスP(特許文献5)などが知られている。しかしながら、これらの物質はいずれもタンパク質であることから、コストや保存安定性の点において問題があり、治療用途など短期間に大量の皮膚再生治療を要する場合に適していない。また、美容及びアンチエイジング意識の高まりから、加齢や紫外線によるシワやたるみ、色素沈着の改善を目的として皮膚再生美容への関心が年々高まっている。よって、創傷治癒などの皮膚再生医療又は皮膚再生美容のために、容易に入手でき、しかも安全性が高く、安価な物質が望まれている。
これまで、オレアノール酸及び/又はウルソール酸が、レチノールと相乗的にケラチン細胞分化の阻害効果を有すること(特許文献6)、ウルソール酸やベツリン酸などの五環性トリテルペン類が、脂肪組織中の前駆型脂肪細胞の分化抑制や増殖抑制効果を有すること(特許文献7〜8)が報告されているが、これらのトリテルペン類の幹細胞の分化抑制(未分化状態維持)効果や、幹細胞の増殖促進効果については知られていない。
特開2004−24089号公報 特表2002−525042号公報 特許第3573354号報 特開平7−17844号公報 特開2006−124389号公報 特表2000−503030号公報 国際公開2003/039270号公報 国際公開2003/011267号公報
Pittenger M.F.ら, Science,1999年, Vol. 284, pp. 143−147 Goodell M.A.ら, Nat. Med., 1997年, Vol. 3, pp. 1337−1345 Zulewski H.ら, Diabetes, 2001年, Vol. 50, pp. 521−533 Suzuki A.ら, Hepatology, 2000年, Vol. 32, pp. 1230−1239 Zuk P.A.ら, Tissue Engineering, 2001年, Vol. 7, pp. 211−228 長谷川靖司,Aesthetic Dermatology, 2013年, Vol. 23, pp. 1−11 馬渕 洋 他, 日本再生医療学会誌, 2007年, Vol. 6, pp. 263−268 北川 全 他, 日本再生医療学会誌, 2008年,Vol. 7, pp. 14−18 Thomson J.A.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1995年, Vol. 92, pp. 7844−7848 Thomson J.A.ら, Science, 1998年, Vol. 282, pp. 1145−1147 Reubinoff B.E.ら, Nature Biotech., 2000年, Vol. 18, pp. 399−404 van der Laan L.J.ら, Nature, 2000年, Vol. 407, pp. 90−94 Smith A.G.ら, Dev. Biol., 1987年, Vol. 121, pp. 1−9 Madlambayan G.J.ら, J. Hematother. Stem Cell Res., 2001年, Vol. 10, pp. 481−492 R.H.CHAMPION et al,Textbook of Dermatology,vol.1:342−343,1998.
本発明は、上述した実情に鑑み、幹細胞を、未分化状態を維持させたまま、効率良く増殖させることができる新たな物質を見出し、幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤として提供することを課題とする。本発明はまた、皮膚の創傷治癒作用を有し、皮膚再生医療又は美容分野で簡便に利用でき、しかも安全性が高く、安価な創傷治癒剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、多くの植物に含まれ、多様な生理活性を示すトリテルペン酸が、これまで知られていなかった幹細胞に対する優れた未分化状態維持効果及び増殖促進効果、さらに創傷治癒効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下を包含する。
(1)トリテルペン酸を有効成分として含有する、幹細胞の未分化状態維持剤。
(2)トリテルペン酸を有効成分として含有する、幹細胞の増殖促進剤。
(3)トリテルペン酸を有効成分として含有する、創傷治癒剤。
(4)トリテルペン酸が、オレアノール酸又はウルソール酸である、(1)〜(3)のいずれかに記載の剤。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の剤を含む、医薬品又は医薬部外品。
(6)幹細胞を、トリテルペン酸を含有する培地で培養する工程を含む、幹細胞の製造方法。
(7)幹細胞を、トリテルペン酸を含有する培地で培養する工程を含む、幹細胞の未分化状態維持方法。
(8)幹細胞を、トリテルペン酸を含有する培地で培養する工程を含む、幹細胞の増殖促進方法。
本発明によれば、幹細胞を、未分化状態を維持したまま、効率的に増殖させることができる。本発明によればまた、創傷を効果的に治癒することができる。従って、本発明は、再生医療や再生美容の分野において大きく貢献できるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤は、トリテルペン酸を有効成分として含有する。
トリテルペン酸は、炭素数5のイソプレン単位が6個結合し、28位にカルボキシ基を有する炭素数30の五環性トリテルペン化合物である。本発明に使用することのできるトリテルペン酸としては、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、マスリン酸、コロソリン酸、トルメンティック酸等が挙げられ、なかでも、オレアノール酸又はウルソール酸が好ましい。
本発明において用いるトリテルペン酸は、上記のトリテルペン酸の1種であってもよいが、2種以上の混合物であってもよい。
本発明において用いるトリテルペン酸は、化学合成によって得ることができるが、そのトリテルペン酸が含まれることが知られている植物材料から公知の方法にて抽出し、精製することによって得ることもできる。また、市販品を利用することもできる。
例えば、下記の構造式(I)で示されるオレアノール酸(分子式:C30H48O3、分子量:456.7、CAS登録番号:508-02-1)は、化学合成によって得ることができるが、オリーブ、ブドウ、シソ等の植物に含まれることが知られており、これらの植物材料から、抽出溶媒として、低級アルコール類(エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)又はエーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)等の有機溶媒の1種又は2種以上を用いて抽出し、溶媒抽出後、溶媒相を、濃縮、希釈、濾過、乾燥等の各処理、クロマトグラフィー等による精製を行って得ることができる。また、オレアノール酸の市販品(例えば、和光純薬工業株式会社製の市販品)を利用することもできる。
Figure 2016169172
また、ウルソール酸(分子式:C30H48O3、分子量:456.7、CAS登録番号:77-52-1)は、下記の構造式(II)で示され、化学合成によって得ることができるが、ローズマリー、リンゴ、キウイ、セージ、バジル、ペパーミント、ラベンダー等の植物材料から、上記と同様の抽出溶媒を用いて溶媒抽出して精製を行って得ることができる。また、ウルソール酸の市販品(例えば、シグマ社製の市販品)を利用することもできる。
Figure 2016169172
前記オレアノール酸及びウルソール酸は、薬理学的に許容される塩であってもよい。薬理学的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩などの金属塩、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ピペラジンなどの有機塩基との塩が挙げられるが、これらに限定されない。
上記トリテルペン酸は、生体レベルで又は培養レベルで未分化状態を維持させつつ幹細胞を効率的に増殖させる作用を有するので、幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤として使用できる。さらに、本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤は、幹細胞を、未分化状態を維持しつつ効率的に増殖させるための細胞培養用添加剤、研究用試薬としても使用することができる。上記トリテルペン酸はまた、優れた創傷治癒促進作用を有するので創傷治癒剤として利用できる。
上記のトリテルペン酸の幹細胞の未分化状態維持作用、幹細胞の増殖促進作用、又は創傷治癒作用は、脂肪酸グリセリドを併用することにより増強される。脂肪酸グリセリドとしては、炭素数16〜22の不飽和脂肪酸由来のアシル基、例えば、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、アラキドン酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸由来のアシル基を有する脂肪酸グリセリドが挙げられる。脂肪酸グリセリドは、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドのいずれであってもよいが、ジグリセリドが好ましく、グリセリンの1位と3位に上記の不飽和脂肪酸が結合した1,3−ジグリセリドがより好ましく、3位にリノール酸が結合した1,3−ジグリセリドがさらに好ましい。ジグリセリド、トリグリセリドの場合、グリセリンの1位、2位、又は3位に結合する不飽和脂肪酸は同一でも異なっていてもよい。これらの脂肪酸グリセリドは、植物原料や動物原料から圧搾・抽出・圧抽する方法、酵素法、有機合成法によって得ることができる。また、食品、化粧品、医薬品などの製造分野で一般的に用いられている市販品を利用することもできる。
本発明においてトリテルペン酸と脂肪酸グリセリドを併用する場合、その比率は特に限定されず、トリテルペン酸、脂肪酸グリセリドそれぞれの種類に適宜変更できるが、例えば、10:90〜90:10が例示できる。
本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤を、ヒトを含めた哺乳動物の幹細胞に適用することで、幹細胞の未分化状態を維持し、また幹細胞の増殖を促進することができる。本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤を適用する幹細胞としては、本発明の目的に沿うものであれば特に限定されず、例えば胚性の幹細胞(ES細胞);骨髄、血液、皮膚(表皮、真皮、皮下組織)、脂肪、毛包、脳、神経、肝臓、膵臓、腎臓、筋肉やその他の組織に存在する体性の幹細胞;遺伝子導入等により人工的に作製された幹細胞(人工多能性幹細胞:iPS細胞)が挙げられる。好ましくは、本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤は、骨髄、血液、皮膚又は脂肪組織由来の幹細胞に対してより効果を発揮する。ES細胞としては、例えば、着床以前の初期胚を培養することによって樹立されたES細胞、体細胞の核を核移植することによって作製された初期胚を培養することによって樹立されたES細胞、及びそれらのES細胞の染色体上の遺伝子を遺伝子工学の手法を用いて改変したES細胞が挙げられる。このようなES細胞は、例えば、自体公知の方法によって作製することができるが、所定の機関より入手でき、さらには市販品を購入することもできる。また、これらの幹細胞は、初代培養細胞、継代培養細胞又は凍結細胞のいずれであってもよい。
さらに、本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤は、幹細胞の分化の方向性及び分化の過程等について同等の特性を持っていれば、全ての哺乳動物由来の幹細胞に応用が可能である。例えば、本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤は、ヒト、サル、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ等の哺乳動物の幹細胞に対して効果を発揮することができる。
本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤の幹細胞への適用は、生体外であっても生体内であってもよく、いずれの場合もその作用を発揮できる。従って、本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤は、その有効量を添加した幹細胞培養用培地にて幹細胞を培養することによって、あるいは、ヒトを含む哺乳動物に投与することによって、幹細胞の未分化状態を維持し、増殖を促進することができる。
本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤は、有効成分であるトリテルペン酸が優れた幹細胞の未分化状態維持作用及び増殖促進作用を有するので、皮膚、骨芽、軟骨、筋肉、神経、脂肪、肝臓などの生体内の組織又は臓器の幹細胞に作用して当該組織又は臓器の障害又は損傷を治療、改善、及び予防するのに有効である。また、幹細胞は、加齢などに伴い減少又は機能低下することから、本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤は、上記生体内の組織又は臓器の幹細胞の減少や機能低下に関連する疾患を治療、改善、及び予防するのに有効である。ここで、組織又は臓器の障害又は損傷、幹細胞の減少や機能低下に関連する疾患としては、例えば、皮膚関連では、シワ、タルミ、シミ、くすみ、肌荒れ、皮膚の肥厚、毛穴のひらき、ニキビ痕、創傷、瘢痕、ケロイドなどが挙げられ、薄毛や脱毛などの頭皮や毛髪の損傷も含まれる。また、骨関連では、骨粗しょう症、骨折(脊椎圧迫骨折、大腿骨頚部骨折等)など、軟骨疾患では、変形性関節症、関節リウマチ、椎間板ヘルニアなど、神経関連では、脊髄損傷、顔面神経麻痺、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、加齢に伴う記憶低下など、血液関連では、再生不良性貧血、白血病など、心血管関連では心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症など、歯科関連では歯周病、歯槽膿漏による歯槽骨損傷など、眼科関連では、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症、緑内障など、肝臓・膵臓関連では肝炎、肝硬変、糖尿病などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明に係る創傷治癒剤は、有効成分であるトリテルペン酸が、優れた創傷治癒促進作用を有するので、皮膚の表皮又は真皮の損傷である皮膚創傷の治癒に有効である。ここで、皮膚創傷としては、重傷度や深度は特に限定はされない。例えば、切創、裂創、割創、擦過傷、挫滅創、挫創、刺創、咬創などの一般的な創傷のほか、褥瘡、熱傷、火傷、糖尿病性潰瘍、下肢潰瘍・下肢動脈瘤なども含むものとする。
本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤におけるトリテルペン酸の含有量は、特に限定されないが、例えば、当該薬剤全量に対し、乾燥物に換算して0.00001〜10重量%であることが好ましく、0.0001〜1重量%とすることがより好ましい。0.00001重量%未満であると効果が十分に発揮されにくい場合がある。
本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤を生体内に投与する場合は、そのまま投与することも可能であるが、本発明の効果を損なわない範囲で適当な添加物とともに化粧品、医薬部外品、医薬品、飲食品等の各種組成物に配合して提供することができる。なお、本発明の医薬品には、動物に用いる薬剤、即ち獣医薬も包含されるものとする。
本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤を化粧品や医薬部外品に配合する場合は、その剤形は、水溶液系、可溶化系、乳化系、粉末系、粉末分散系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、水−油二層系、又は水−油−粉末三層系等のいずれでもよい。また、当該化粧品や医薬部外品は、幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤とともに、皮膚外用組成物において通常使用されている各種成分、添加剤、基剤等をその種類に応じて選択し、適宜配合し、当分野で公知の手法に従って製造することができる。その形態は、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、スプレー状等のいずれであってもよい。皮膚外用組成物の配合成分としては、例えば、油脂類(オリーブ油、ヤシ油、月見草油、ホホバ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油等)、ロウ類(ラノリン、ミツロウ、カルナウバロウ等)、炭化水素類(流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、ワセリン等)、脂肪酸類(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等)、高級アルコール類(ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等)、エステル類(ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、トリオクタン酸グリセリン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル等)、有機酸類(クエン酸、乳酸、α-ヒドロキシ酢酸、ピロリドンカルボン酸等)、糖類(マルチトール、ソルビトール、キシロビオース、N-アセチル-D-グルコサミン等)、蛋白質及び蛋白質の加水分解物、アミノ酸類及びその塩、ビタミン類、植物・動物抽出成分、種々の界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、安定化剤、防腐剤、殺菌剤、香料等が挙げられる。
化粧品や医薬部外品の種類としては、例えば、化粧水、乳液、ジェル、美容液、一般クリーム、日焼け止めクリーム、パック、マスク、洗顔料、化粧石鹸、ファンデーション、おしろい、浴用剤、ボディローション、ボディシャンプー、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、育毛剤等が挙げられる。
本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤を医薬品に配合する場合は、薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物と混合し、患部に適用するのに適した製剤形態の各種製剤に製剤化することができる。薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物としては、その剤形、用途に応じて、適宜選択した製剤用基材や担体、賦形剤、希釈剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、崩壊剤又は崩壊補助剤、安定化剤、保存剤、防腐剤、増量剤、分散剤、湿潤化剤、緩衝剤、溶解剤又は溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、噴射剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、香料等を適宜添加し、公知の種々の方法にて経口又は非経口的に全身又は局所投与することができる各種製剤形態に調製すればよい。本発明の医薬品を上記の各形態で提供する場合、通常当業者に用いられる製法、たとえば日本薬局方の製剤総則[2]製剤各条に示された製法等により製造することができる。
本発明の医薬品の形態としては、特に制限されるものではないが、例えば錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤、液剤、丸剤、乳剤、シロップ剤、懸濁剤、エリキシル剤などの経口剤、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、座剤、軟膏剤、ローション剤、点眼剤、噴霧剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤などの非経口剤などが挙げられる。また、使用する際に再溶解させる乾燥生成物にしてもよく、注射用製剤の場合は単位投与量アンプル又は多投与量容器の状態で提供される。
本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤を、前記皮膚関連の損傷や疾患を治療、改善、及び予防するための医薬品として用いる場合に適した形態は外用製剤であり、例えば、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、液剤、貼付剤(パップ剤、プラスター剤)、フォーム剤、スプレー剤、噴霧剤などが挙げられる。軟膏剤は、均質な半固形状の外用製剤をいい、油脂性軟膏、乳剤性軟膏、水溶性軟膏を含む。ゲル剤は、水不溶性成分の抱水化合物を水性液に懸濁した外用製剤をいう。液剤は、液状の外用製剤をいい、ローション剤、懸濁剤、乳剤、リニメント剤等を含む。特に、皮膚の創傷治癒剤として使用する場合は、皮膚創傷治癒効果と使用の簡便性から、軟膏剤、クリーム剤、液剤、スプレー剤がより好ましい。
本発明の医薬品は、上記疾患の発症を抑制する予防薬として、及び/又は、正常な状態に改善する治療薬として機能する。本発明の医薬品の有効成分は、天然物由来であるため、非常に安全性が高く副作用がないため、前述の疾患の治療、改善、及び予防用医薬として用いる場合、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ等の哺乳動物に対して広い範囲の投与量で経口的に又は非経口的に投与することができる。
本発明の化粧品、医薬品、医薬部外品における幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤の含有量は特に限定されないが、製剤(組成物)全重量に対して、トリテルペン酸の乾燥固形分に換算して、0.001〜30重量%が好ましく、0.01〜10重量%がより好ましい。0.001重量%未満では効果が低く、また30重量%を超えても効果に大きな増強はみられにくい。上記の量があくまで例示であって、組成物の種類や形態、一般的な使用量、効能・効果などを考慮して適宜設定・調整すればよい。また、製剤化における有効成分の添加法については、予め加えておいても、製造途中で添加してもよく、作業性を考えて適宜選択すればよい。
また、本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤は、飲食品にも配合できる。また、本発明において、飲食品とは、一般的な飲食品のほか、医薬品以外で健康の維持や増進を目的として摂取できる食品、例えば、健康食品、機能性食品、保健機能食品、又は特別用途食品を含む意味で用いられる。健康食品には、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント等の名称で提供される食品を含む。保健機能食品は食品衛生法又は健康増進法により定義され、特定の保健の効果や栄養成分の機能、疾病リスクの低減などを表示できる、特定保健用食品及び栄養機能食品が含まれる。
飲食品の形態は、食用に適した形態、例えば、固形状、液状、顆粒状、粒状、粉末状、カプセル状、クリーム状、ペースト状のいずれであってもよい。特に、上記の健康食品等の場合の形状としては、例えば、タブレット状、丸状、カプセル状、粉末状、顆粒状、細粒状、トローチ状、液状(シロップ状、乳状、懸濁状を含む)等が好ましい。
飲食品の種類としては、パン類、麺類、菓子類、乳製品、水産・畜産加工食品、油脂及び油脂加工食品、調味料、各種飲料(清涼飲料、炭酸飲料、美容ドリンク、栄養飲料、果実飲料、乳飲料など)及び該飲料の濃縮原液及び調整用粉末等が挙げられるが、これらに限定はされない。
本発明の飲食品は、その種類に応じて通常使用される添加物を適宜配合してもよい。添加物としては、食品衛生法上許容されうる添加物であればいずれも使用できるが、例えば、ブドウ糖、ショ糖、果糖、異性化液糖、アスパルテーム、ステビア等の甘味料;クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の酸味料;デキストリン、デンプン等の賦形剤;結合剤、希釈剤、香料、着色料、緩衝剤、増粘剤、ゲル化剤、安定剤、保存剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤などが挙げられる。
本発明の飲食品が一般的な飲食品の場合は、その飲食品の通常の製造工程においてトリテルペン酸を添加する工程を含めることによって製造することができる。また健康食品の場合は、前記の医薬品の製造方法に準じればよく、例えば、タブレット状のサプリメントでは、トリテルペン酸に、賦形剤等の添加物を添加、混合し、打錠機等で圧力をかけて成形することにより製造することができる。また、必要に応じてその他の材料(例えば、ビタミンC、ビタミンB、ビタミンB等のビタミン類、カルシウムなどのミネラル類、食物繊維等)を添加することもできる。
本発明の飲食品におけるトリテルペン酸の配合量は、幹細胞の未分化状態維持効果と増殖促進効果、及び創傷治癒効果を発揮できる量であればよいが、対象飲食品の一般的な摂取量、飲食品の形態、効能・効果、呈味性、嗜好性及びコストなどを考慮して適宜設定すればよい。
本発明はまた、幹細胞を、トリテルペン酸を含有する培地で培養することで、幹細胞の未分化状態を維持させたまま、幹細胞増殖を促進する方法に関する。換言すれば、本発明に係る方法は、幹細胞を、トリテルペン酸を含有する培地で培養する工程を含む、幹細胞の製造方法、幹細胞の未分化状態維持方法、又は幹細胞の増殖促進方法ということができる。
本発明に係る方法において、幹細胞の培養には、幹細胞の未分化状態維持及び増殖のために一般的に使用されている培地を用いればよい。例えば、幹細胞の生存及び増殖に必要な成分(無機塩、炭水化物、ホルモン、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、ビタミン、脂肪酸)を含む基本培地、具体的には、Dulbecco's Modified Eagle Medium(D−MEM)、Minimum Essential Medium(MEM)、RPMI 1640、Basal Medium Eagle(BME)、Dulbecco’s Modified Eagle Medium:Nutrient Mixture F−12(D−MEM/F−12)、Glasgow Minimum Essential Medium(Glasgow MEM)、ハンクス液(Hank’s balanced salt solution)等が挙げられる。また、培地に、増殖因子として塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)及び/又は白血球遊走阻止因子(LIF)を添加してもよい。さらに、必要に応じて、培地は、上皮細胞増殖因子(EGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、ビタミン類、インターロイキン類、インスリン、トランスフェリン、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コラーゲン、フィブロネクチン、プロゲステロン、セレナイト、B27−サプリメント、N2−サプリメント、ITS−サプリメント、抗生物質等を含有してもよい。
また、上記の成分以外には、1〜20%の含有率で血清が培地に含まれることが好ましい。しかしながら、血清はロットの違いにより成分が異なり、その効果にバラツキがあるため、ロットチェックを行った後に使用することが好ましい。
市販品の培地としては、インビトロジェン製の間葉系幹細胞基礎培地や、三光純薬製の間葉系幹細胞基礎培地、TOYOBO社製のMF培地、Sigma社製のハンクス液(Hank's balanced salt solution)等を用いることができる。
幹細胞の培養に用いる培養器は、幹細胞の培養が可能なものであれば特に限定されないが、例えば、フラスコ、シャーレ、ディッシュ、プレート、チャンバースライド、チューブ、トレイ、培養バッグ、ローラーボトルなどが挙げられる。
培養器は、細胞非接着性であっても接着性であってもよく、目的に応じて適宜選択される。細胞接着性の培養器は、細胞との接着性を向上させる目的で、細胞外マトリックス等による細胞支持用基質などで処理したものを用いてもよい。細胞支持用基質としては、例えば、コラーゲン、ゼラチン、ポリ−L−リジン、ポリ−D−リジン、ラミニン、フィブロネクチンなどが挙げられる。
幹細胞培養に使用される培地に対するトリテルペン酸の添加濃度は、上述の本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤におけるトリテルペン酸の含有量に準じて適宜決定することができるが、例えば0.1〜1000μg/mL、好ましくは1〜100μg/mLの濃度が挙げられる。また、幹細胞の培養期間中、トリテルペン酸を、定期的に培地に添加してもよい。
幹細胞の培養条件は、幹細胞の培養に用いられる通常の条件に従えばよく、特別な制御は必要ではない。例えば、培養温度は、特に限定されるものではないが約30〜40℃、好ましくは36〜37℃である。COガス濃度は、例えば約1〜10%、好ましくは約2〜5%である。なお、培地の交換は2〜3日に1回行うことが好ましく、毎日行うことがより好ましい。前記培養条件は、幹細胞が生存及び増殖可能な範囲で適宜変動させて設定することもできる。
幹細胞の未分化状態維持は、例えば、本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤の非存在下で培養した幹細胞と比較して、本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤の存在下で培養した該幹細胞において幹細胞未分化マーカー遺伝子の発現レベルがmRNAレベル又はタンパク質レベルで培養開始時の発現レベルと同程度のレベルに有意に維持されているか否かで評価することができる。幹細胞未分化マーカー遺伝子としては、例えばNanog遺伝子(Cell Res. 2007 Jan; 17(1):42−9. Review. Nanog and transcriptional networks in embryonic stem cell pluripotency. Pan G, Thomson JA.)等が挙げられる。
幹細胞未分化マーカー遺伝子発現レベルの測定方法としては、mRNAレベルでは、例えば幹細胞未分化マーカー遺伝子に特異的なプライマーやプローブを用いたRT−PCR、定量PCRやノーザンブロッティング等の方法が挙げられ、また、タンパク質レベルでは、例えば幹細胞未分化マーカー遺伝子によりコードされるタンパク質に特異的な抗体を用いたELISA、フローサイトメトリー、ウエスタンブロッティング等の免疫学的方法が挙げられる。
発現レベルの測定の結果、培養開始時(100%未分化状態)の幹細胞における幹細胞未分化マーカー遺伝子の発現レベルと本発明の幹細胞の未分化状態維持剤の存在下で所定時間培養後の幹細胞における幹細胞未分化マーカー遺伝子の発現レベルとの相対比が、本発明の幹細胞の未分化状態維持剤の非存在下で培養した場合の同相対比(コントロール)よりも大きい場合に幹細胞の未分化状態を維持できたと判定することができる。
また、幹細胞の増殖促進は、例えば、本発明に係る幹細胞の増殖促進剤の非存在下で培養した幹細胞と比較して、本発明に係る幹細胞の増殖促進剤の存在下で培養した該幹細胞の細胞数が有意に増加されているか否かで評価することができる。細胞数の測定は、例えば、MTT法やWST法などにより、市販の細胞数測定キットを用いて行うことができる。測定の結果、培養開始時の幹細胞の細胞数と本発明の幹細胞の増殖促進剤の存在下で所定時間培養後の幹細胞の細胞数との相対比が、本発明の幹細胞の増殖促進剤の非存在下で培養した場合の同相対比(コントロール)よりも大きい場合に幹細胞の増殖を促進できたと判定することができる。
上記の本発明に係る方法により調製された幹細胞は移植材料(細胞移植剤)として用いることができ、従来の骨髄移植又は臍帯血移植と同一の方法で実施できる。
上記の本発明に係る幹細胞の未分化状態維持剤又は増殖促進剤あるいは本発明に係る方法に準じて、トリテルペン酸を、単独で、あるいは培地と別々に又は培地と混合し、幹細胞の未分化状態維持又は増殖促進のための試薬キットとして提供することもできる。当該キットは、必要に応じて取扱い説明書等を含むことができる。あるいは、トリテルペン酸を培地と混合し、幹細胞の未分化状態維持又は増殖促進用培地として提供することもできる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例の評価試験に用いたトリテルペン酸及び脂肪酸グリセリドとその構造を表1に示す。トリテルペン酸及び脂肪酸グリセリドは、以下の市販品を用いた。
オレアノール酸:和光純薬工業株式会社
ウルソール酸:シグマ社
1-パルミチン-3-リノレイン:インドファインケミカルカンパニー
1,3-ジリノレイン:NU−CHEK−PREP
Figure 2016169172
[実施例1]トリテルペン酸の幹細胞に対する未分化状態維持効果及び増殖促進効果の評価
以下に、被験物質としてトリテルペン酸、脂肪酸グリセリド、又はトリテルペン酸と脂肪酸グリセリドの混合物を用いた、幹細胞に対する未分化状態維持効果及び増殖促進効果の実験例とその結果を示す。なお、トリテルペン酸と脂肪酸グリセリドの混合物を用いる場合、その比率は1:1(重量比)とした。
(実験例1)幹細胞に対する未分化状態維持効果の評価
Dulbecco's Modified Eagle Medium培養液(Gibco社製)に、ウシ胎児血清(FBS、15%、Sigma社製)、ヌクレオシド液(100倍希釈、大日本製薬社製)、非必須アミノ酸液(100倍希釈、大日本製薬社製)、β2−メルカプトエタノール液(100倍希釈、大日本製薬社製)、L−グルタミン液(100倍希釈、大日本製薬社製)、ペニシリン(100unit/mL、Sigma社製)とストレプトマイシン(100μg/mL、Sigma社製)を加えて調製した培地を用いて、マウス胚性幹細胞(マウスES細胞:コスモバイオ社製)を、ゼラチン(Sigma社製)でコートした6cmディッシュに5x10個播種し、被験物質を最終濃度が0.0005%になるように培地に添加し、3日間培養を続けた。
培養3日後に、細胞を回収し、PBS(−)にて2回洗浄し、Trizol Reagent(Invitrogen)によって細胞からRNAを抽出した。2−STEPリアルタイムPCRキット(Applied Biosystems)を用いて、抽出したRNAをcDNAに逆転写した後、ABI7300(Applied Biosystems)により、下記のプライマーセットを用いてリアルタイムPCR(95℃:15秒間、60℃:30秒間、40cycles)を実施し、Nanog(未分化マーカー: Cell Res. 2007 Jan; 17(1):42−9.Review. Nanog and transcriptional networks in embryonic stem cell pluripotency. Pan G, Thomson JA.)の遺伝子発現を確認した。その他の操作は定められた方法に従って実施した。
Nanog(未分化マーカー)用プライマーセット:
ATGCCTGCAGTTTTTCATCC(配列番号1)
GAGGCAGGTCTTCAGAGGAA(配列番号2)
Gapdh(内部標準)用のプライマーセット:
TGCACCACCAACTGCTTAGC(配列番号3)
TCTTCTGGGTGGCAGTGATG(配列番号4)
未分化状態維持効果は、培養開始時のマウスES細胞におけるNanog mRNAの発現量を内部標準であるGapdh mRNAの発現量に対する割合として算出したNanogの遺伝子相対発現量(Nanog遺伝子発現量/Gapdh遺伝子発現量)の値を100%未分化状態とし、これに対し、培養3日後のES細胞におけるNanogの遺伝子相対発現量の値を算出し、評価した。
これらの試験結果を以下の表2に示す。
Figure 2016169172
表2に示すように、トリテルペン酸であるオレアノール酸、ウルソール酸のいずれにも、顕著な幹細胞の未分化状態維持効果が認められ、また、これらに脂肪酸グリセリドである1-パルミチン-3-リノレイン、1,3-ジリノレインを併用することによりその効果が増強された。以上より、トリテルペン酸の極めて優れた幹細胞の未分化状態維持効果を明らかにした。なお、本実験例で用いた幹細胞以外にも、体性の幹細胞についても同様な試験を行ったところ、顕著な幹細胞の未分化状態維持効果が認められた。
(実験例2)幹細胞に対する増殖促進効果の評価
ヒト幹細胞培養液(TOYOBO社製)を用いて培養したヒト体性幹細胞(DSファーマバイオメディカル社製)を、6cmディッシュに3x10個播種し、被験物質としてトリテルペン酸又は脂肪酸グリセリドを最終濃度が0.0005%になるように添加し、3日間培養を続けた。なお、被験物質としてトリテルペン酸と脂肪酸グリセリドの混合物を用いる場合、その比率は1:1(重量比)とした。
3日間の培養後、細胞をPBS(−)にて3回洗浄した後、ラバーポリスマンにて集め、それぞれの細胞数をカウントした。
被験物質未添加時の総細胞数をコントロールとし、コントロールを100(%)とした場合の、被験物質添加時の細胞数の増減(%)を算出し、幹細胞増殖促進効果の評価を行った。
これらの試験結果を以下の表3に示す。
Figure 2016169172
表3に示すように、トリテルペン酸であるオレアノール酸、ウルソール酸に、顕著な幹細胞増殖促進効果が認められた。また、これらに脂肪酸グリセリドである1-パルミチン-3-リノレイン、1,3-ジリノレインを併用することによりその効果が増強された。なお、上述のコントロールの値を100%とした場合、培養開始時のヒト体性幹細胞数は、25%であった。以上より、トリテルペン酸の極めて優れた幹細胞増殖促進効果を明らかにした。なお、本実験例で用いた幹細胞以外にも、胚性の幹細胞(ES細胞)についても同様な試験を行ったところ、顕著な幹細胞増殖促進効果が認められた。
[実施例2]生体外創傷治癒試験(スクラッチアッセイ)
創傷治癒を促進する有効性の評価方法として、一般的に実施されているスクラッチアッセイ(特開2013−18756号公報)を行った。具体的には、ヒト体性幹細胞を3.5cmディッシュに5x10個播種し、ヒト幹細胞培養液を用いてコンフルエントになるまで培養した後、ディッシュの底面を滅菌チップの先端で引っ掻き、細胞シートに間隙を作製した。その後、被験物質を最終濃度が0.0005%になるように添加した培地に置換し、48時間後に細胞の間隙の回復割合を評価した。なお、回復前後の画像を取得する際に位相差顕微鏡下で同一の区域を得ることができるように、上記スクラッチの近傍に、基準点として利用できる印をつけた。
48時間後のスクラッチ領域は、[48時間後のスクラッチ領域]=100×[48時間時点のスクラッチ領域面積]/[0時間時点のスクラッチ領域面積]として市販の画像解析ソフトを用いて算出した。これらの試験結果を以下の表4に示す。
Figure 2016169172
表4に示すように、トリテルペン酸であるオレアノール酸、ウルソール酸に、顕著な生体外創傷治癒効果が認められた。また、これらに脂肪酸グリセリドである1-パルミチン-3-リノレイン、1,3-ジリノレインを併用することによりその効果が増強された。
以上の各実験例に示すように、トリテルペン酸を幹細胞に適用することで、従来の技術に比べて、簡便且つ効率的に、未分化状態を維持させたまま幹細胞の増殖を促進させることが可能になった。また、本発明のトリテルペン酸は、極めて優れた創傷治癒効果を示した。
[実施例3]製品の処方例
トリテルペン酸としてオレアノール酸又はウルソール酸、トリテルペン酸に併用する脂肪酸グリセリドとして1-パルミチン-3-リノレイン又は1,3-ジリノレインを配合した製品の処方例を以下に示す。
(処方例1)ローション
処方 配合量(重量%)
1.オレアノール酸 0.02
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
10.香料 0.1
11.精製水 残量
成分2〜6及び11と、成分1及び7〜10をそれぞれ均一に溶解した後、両者を混合し濾過しローションを調製する。
(処方例2) クリーム1
処方 配合量(重量%)
1.ウルソール酸 0.1
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.1,3−ブチレングリコール 8.5
14.精製水 残量
成分1〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。次いで、油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却して製品(クリーム1)とする。
(処方例3)クリーム2
処方例2において、ウルソール酸0.1重量%をウルソール酸0.05重量%と1-パルミチン-3-リノレイン0.05重量%に置き換えたものをクリーム2とした。
(処方例4)クリーム3
処方例2において、ウルソール酸0.1重量%をオレアノール酸0.05重量%と1,3-ジリノレイン0.05重量%に置き換えたものをクリーム3とした。
(処方例5)乳液
処方 配合量(重量%)
1.オレアノール酸 0.1
2.スクワラン 5.0
3.オリーブ油 5.0
4.ホホバ油 5.0
5.セタノール 1.5
6.モノステアリン酸グリセリン 2.0
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(20E.O.) 2.0
9.香料 0.1
10.プロピレングリコール 1.0
11.グリセリン 2.0
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.精製水 残量
成分1〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
(処方例6)ゲル剤
処方 配合量(重量%)
1.ウルソール酸 0.1
2.エタノール 5.0
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.1
5.香料 適量
6.1,3−ブチレングリコール 5.0
7.グリセリン 5.0
8.キサンタンガム 0.1
9.カルボキシビニルポリマー 0.2
10.水酸化カリウム 0.2
11.精製水 残量
成分1〜5と、成分6〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
(処方例7)軟膏1
処方 配合量(重量%)
1.オレアノール酸 2.0
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水 残量
成分1〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分6〜8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化し、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品(軟膏1)とする。
(処方例8)軟膏2
処方例7において、オレアノール酸2.0重量%をオレアノール酸1.0重量%と1-パルミチン-3-リノレイン1.0重量%に置き換えたものを軟膏2とした。
(処方例9)軟膏3
処方例7において、オレアノール酸2.0重量%をウルソール酸1.0重量%と1,3-ジリノレイン1.0重量%に置き換えたものを軟膏3とした。
(処方例10)パック
処方 配合量(重量%)
1.ウルソール酸 0.1
2.ポリビニルアルコール 12.0
3.エタノール 5.0
4.1,3−ブチレングリコール 8.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
7.クエン酸 0.1
8.クエン酸ナトリウム 0.3
9.香料 適量
10.精製水 残量
成分1〜10を均一に溶解し製品とする。
(処方例11)錠剤
処方 配合量(重量%)
1.オレアノール酸 1.0
2.乾燥コーンスターチ 25.0
3.カルボキシメチルセルロースカルシウム 20.0
4.微結晶セルロース 40.0
5.ポリビニルピロリドン 8.0
6.タルク 6.0
成分1〜5を混合し、次いで10%の水を結合剤として加えて、押出し造粒後乾燥する。成形した顆粒に成分6を加えて混合し打錠する。1錠0.52gとする。
(処方例12)飲料
処方 配合量(重量%)
1.ウルソール酸 0.01
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.香料 0.1
5.精製水 残量
成分1〜4を成分5の一部の精製水に撹拌溶解する。次いで、成分5の残りの精製水を加えて混合し、90℃に加熱して50mLのガラス瓶に充填する。
本発明の活用例として、再生医療や再生美容への応用が期待される。例えば、本発明を利用することで、再生医療や再生美容に用いる未分化状態の幹細胞を簡便に効率良く調製することが可能となる。さらに、幹細胞の移植後又は組織に存在する幹細胞に対して、本発明に係るトリテルペン酸を、直接的に注入するか又は経口投与、塗布、貼付等により適用することで、該幹細胞を、未分化状態を維持させたまま増殖させることが可能である。また、本発明に係るトリテルペン酸は優れた創傷治癒剤としての利用が可能である。
すなわち、本発明は、再生医療や再生美容における、幹細胞の調製方法及び/又は幹細胞の未分化状態維持剤若しくは増殖促進剤、又は創傷治癒剤としての利用が可能である。

Claims (8)

  1. トリテルペン酸を有効成分として含有する、幹細胞の未分化状態維持剤。
  2. トリテルペン酸を有効成分として含有する、幹細胞の増殖促進剤。
  3. トリテルペン酸を有効成分として含有する、創傷治癒剤。
  4. トリテルペン酸が、オレアノール酸又はウルソール酸である、請求項1〜3のいずれかに記載の剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の剤を含む、医薬品又は医薬部外品。
  6. 幹細胞を、トリテルペン酸を含有する培地で培養する工程を含む、幹細胞の製造方法。
  7. 幹細胞を、トリテルペン酸を含有する培地で培養する工程を含む、幹細胞の未分化状態維持方法。
  8. 幹細胞を、トリテルペン酸を含有する培地で培養する工程を含む、幹細胞の増殖促進方法。
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