JP2014140944A - 作業方法及び作業装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワーク搬送装置2と非接触の状態でワークWと同期して移動する作業装置1において、ワークWとの同期を制御する第1制御部15AとワークWに生じた振動を作業部13に再現させる第2制御部15Bとの2つの制御部15を並列的に設けるとともに、ワーク搬送装置2の停止に伴いワークWに生じる異常時振動を予め記憶しておく記憶部16を設け、第1制御部15A又は第2制御部15Bのいずれかに異常が生じた場合に、ワーク搬送装置2を停止するとともに、記憶部16に記憶された異常時振動を読み出し、作業部13に再現させる。
【選択図】図1
Description
ここで、搬送装置の停止に伴い作業対象物に生じる振動は、搬送方向に沿った振動であるため、移動部及び作業部を制御することで適切に除外することができ、結果、作業対象物及び作業装置の破損を防止することができる。
初めに、図1及び図2を参照して、本発明を実施する搬送システム30の概略について説明する。図1は、搬送システム30の機能構成を示す機能ブロック図であり、図2は、搬送システム30を模式的に示す模式図である。
なお、以下に説明するように、本実施形態では、ワークWとして塗装工程が終了した自動車の車体を用い、ワーク搬送装置2としてワークWを上方から吊るして搬送するオーバーヘッドコンベアを用いることとしている。このとき、作業装置1は、ワーク搬送装置2が搬送するワークWから塗装のために仮付けしておいたドアを取り外す作業を行う。勿論、ワークW、ワーク搬送装置2及び/又はワークに対する作業の内容は、一例に過ぎずこれに限られるものではない。
図2を参照して、移動部11は、例えば、ワークWの搬送方向に平行して設けられたレール112a,112b(図4等参照、以下、夫々を区別しない場合「レール112」と呼ぶ)を移動する台車111a,111bである。なお、本実施形態では、ワークW(車体)からドアを取り外す作業を行うため、ワークWの両側に2つの台車111a,111b(以下、夫々を区別しない場合「台車111」と呼ぶ)を用いることとしている。
ここで、図2に示すように本実施形態ではワークWの底面の任意の位置P1,P2,P3(例えば、底面に設けられた溶接用穴部近傍の3箇所)の位置情報から底面中央部である位置Pの位置情報及び振動を検出する。そこで、本実施形態では、台車111の上面にセンサ装置121a,121b,121c(以下、夫々を区別しない場合「センサ装置121」と呼ぶ)を設置し、台車111と同期して移動するワークWの下方から位置P1,P2,P3(以下、夫々を区別しない場合「位置Pn」と呼ぶ)の位置情報を検出することとしている。一例として、台車111aには、搬送方向下流側の任意の位置に位置P1の位置情報を検出するセンサ装置121aを設置し、台車111bには、搬送方向下流側の任意の位置に位置P2の位置情報を検出するセンサ装置121b、搬送方向上流側の任意の位置に位置P3の位置情報を検出するセンサ装置121cを設置することとしている。
なお、ワークWに生じた振動を除外し作業を行うためには、3軸(X,Y,Z軸)の位置情報を検出することが好ましい。そのため、本実施形態では、センサ装置121として、位置PnのZ軸(垂直方向)の位置情報を検知するレーザー変位計、及び位置PnのX,Y軸(水平面)の位置情報を検知する2Dリアルタイムカメラを用いることとしている。
ここで、図2に示すように本実施形態では、作業部13はワークWからドアを取り外す作業を行うため、ワークWの片側に2つずつ計4つのロボット131a,131b,131c,131dを設置することとしている。即ち、台車111aには、ロボット131a,131bが設置され、台車111bには、ロボット131c,131dが設置される。なお、以下では、夫々を区別しない場合には単に「ロボット131」と呼ぶ。
ここで、本実施形態では、作業部13の位置情報を超音波方式で検出することとしている。なお、超音波方式とは、発信装置から発信された超音波を複数(3個以上)の受信装置で受信し、夫々の受信装置までの超音波の到達時間の違いを利用して三点測量により位置情報を検出する方式である。そこで、図2に示すように、本実施形態の第2振動検出部14は、ロボット131夫々に設置され超音波を発信する超音波発信装置141a,141b,141c,141dと、搬送経路に沿った任意の位置に設置され超音波を受信する超音波受信装置142a,142b,142c,142dと、を含んで構成されることとしている。なお、以下、夫々を区別しない場合「超音波発信装置141」「超音波受信装置142」と呼ぶ。このとき、超音波受信装置142の夫々は3個の受信部を備え、対応する超音波発信装置141から発信された超音波を3個の受信部で受信することで、超音波発信装置141の位置情報を検出する。即ち、超音波受信装置142aは超音波発信装置141aの位置情報を検出し、超音波受信装置142bは超音波発信装置141bの位置情報を検出し、超音波受信装置142cは超音波発信装置141cの位置情報を検出し、超音波受信装置142dは超音波発信装置141dの位置情報を検出する。なお、本発明ではワークWに生じた振動をロボット131に再現させることで、ワークWに生じた振動を除外し、搬送中のワークWに対するロボット131による作業を可能にしている。そのため、超音波発信装置141は、ロボット131のうち、ワークWに対して作業を行う部分、例えばワークWを把持する把持部やワークWのボルトを緩め/締めするボルト操作部等(以下「作業部分」と呼ぶ)の近傍、好適にはロボット131の先端に設置することが好ましい。また、ロボット131が複数の作業部分を備える場合には、当該複数の作業部分の夫々の近傍に超音波発信装置141を備えることが好ましい。
具体的には、第1制御部15Aは、移動部11を制御し後述の同期制御を実行する。また、第2制御部15Bは、作業部13を制御しワークWに対して作業を施すとともに、後述の振動予測制御、及び振動再現制御を実行する。また、第1制御部15A及び第2制御部15Bは、いずれかに異常が生じた場合に後述の異常時制御を実行する。なお、異常時制御では、第1制御部15Aが作業部13を制御することがあり、また、第2制御部15Bが移動部11を制御することがある。このような異常時制御のため、第1制御部15A及び第2制御部15Bは、異常が生じたか否かを互いに監視することとする。
なお、振動実行制御とは、作業部13を予測振動パターンに応じて振動させる制御をいう。具体的には、制御部15は、作業部13に対して予測振動パターンと適合する制御信号を供給し、作業部13としてのロボット131の作業部分が予測した振動で振動するように制御する。
また、振動調整制御とは、振動実行制御により作業部13に生じた振動と、振動予測制御により予測した振動との間の相違を調整する制御である。具体的には、制御部15は、第2振動検出部14と協働して振動実行制御中に作業部13に生じた振動を検出し、検出した振動と予測振動パターンとを比較し、両者が一致しない場合に予測振動パターンと一致するように作業部13の振動を調整する。
ここで、ワーク搬送装置2が停止した場合、搬送されていたワークWには慣性による振動(以下、「異常時振動」と呼ぶ)が発生する。このような異常時振動を適切に再現しなければ、ワークWや作業部13の関節部分等が破損してしまうため、第1制御部15A又は第2制御部15Bの異常発生時に、正常な第1制御部15A又は第2制御部15Bが異常時振動を再現する。具体的には、ワーク搬送装置2を停止した際に生じる異常時振動の波形を後述の記憶部16に予め記憶しておき、第1制御部15A又は第2制御部15Bに異常が生じた場合に、正常な第1制御部15A又は第2制御部15Bは、記憶部16からこの異常時振動の波形を読み出し、作業部13に異常時振動を再現させる。なお、異常時振動は慣性により生じる進行方向前後の振動であるため、作業部13に対する異常時振動の再現は、作業部13を制御することにより行うこととしてもよく、移動部11を進行方向前後に移動させることにより行うこととしてもよく、また、作業部13及び移動部11の両方を制御することにより行うこととしてもよい。また、作業部13を制御する場合には、必要に応じて作業部13に実際に生じた振動に基づくフィードバックを行うこととしてもよい。即ち、正常な第1制御部15A又は第2制御部15Bは、第2振動検出部14と協働して作業部13に生じた振動を検出し、記憶部16に記憶された異常時振動の波形と一致するように作業部13の振動を調整することとしてもよい。
続いて、図4を参照して、異常時制御の詳細について説明する。図4は、搬送されるワークWに生じた振動と作業部13に再現させた振動との関係を示す図であり、図4最上段にワークWに生じた振動を示し、図4の2段目に第2制御部15Bの制御による作業部13の振動を示し、図4の3段目に第1制御部15Aの制御による作業部13の振動を示し、図4最下段に作業部13に実際に生じた振動(2段目と3段目との合成)を示す。
図4では、時間t1のタイミングで第2制御部15Bに異常が発生し、第2制御部15Bの動作が停止したものとする。なお、本実施形態では、第2制御部15Bに異常が発生した場合についてのみ説明するが、第1制御部15Aに異常が発生した場合も基本的に同様である。
そこで、正常な第1制御部15Aが予め記憶部16に設定しておいた異常時振動(詳細には、異常時振動を再現させるデータ)を読み出し、作業部13又は移動部11を制御することで、作業部13に異常時振動を再現する。これにより、第1制御部15A又は第2制御部15Bに異常が発生した場合に、ワーク搬送装置2の停止に伴うワークWの異常時振動を作業部13に再現させることができ、ワークWや作業部13の破損を防止することができる。
続いて、本発明を実施する搬送システム30の一実施形態を、図5〜図8を参照して説明する。図5は搬送システム30の側面図であり、図6は搬送システム30の平面図である。また、図7は搬送システム30を構成する作業装置1の側面図であり、図8は作業装置1の背面図である。
この超音波発信装置141は、超音波受信装置142とともに前述の第2振動検出部14を構成するものであり、対応する超音波受信装置142に対して超音波を発信することで、超音波発信装置141が設置された部分の位置情報及び位置情報の変化(即ち、振動)を検出可能に構成される。
具体的には、コントロールユニット151Aは、ワーク搬送装置2に設けられた図示せぬエンコーダからの信号に基づいてワークWを吊るしたハンガ22の位置情報を特定し、この位置情報に基づいて前述の同期制御、即ちワークWと同期して移動するように台車111の移動を制御する。また、コントロールユニット151Bは、センサ装置121が所定期間にわたりワークWの振動を検出すると、検出した所定期間の振動に基づいて前述の振動予測制御、即ち以後ワークWに生じる予測振動パターンを予測する。また、コントロールユニット151Bは、振動予測制御で予測した予測振動パターンに基づいて振動再現制御、即ちワークWの予測振動パターンと一致するようにロボット131を振動させる。このとき、コントロールユニット151Bは、超音波発信装置141及び超音波受信装置142と協働してロボット131の振動を測定しておき、ロボット131の振動が予測振動パターンと異なる場合には、一致するようにロボット131の振動を調整する。また、コントロールユニット151A,Bは、コントロールユニット151A,Bのいずれかに異常が発生した場合に、予め記憶された異常時振動の波形を読み出し前述の異常時制御、即ちワークWに発生する異常時振動と一致するようにロボット131を振動させる。
続いて、図9を参照して、搬送システム30の動作について説明する。図9は、搬送システム30の動作の流れを示すフローチャートである。
また、異常時振動は搬送停止に伴い生じる慣性による振動であるため、搬送中に生じる振動と比べて大きな振動になるが、ロボット131だけでなく台車111も併せて制御することで、大きな異常時振動をロボット131に確実に再現することができ、結果、ワークW及びロボット131が破損することを防止できる。
また、第1振動検出部12は、ワークWに生じた振動を検出できれば足り、上記実施形態のようなセンサ装置121に限られず、他の構成により実現することとしてもよい。例えば、ワークWをカメラ等の撮像装置により撮像し、撮像した動画像を解析することでワークWに生じた振動を検出することとしてもよい。
また、例えば、ワークWを搬送するハンガ22に加速度センサ、角速度センサ、地磁気センサ等の各種センサを取り付けることで、ハンガ22の振動を検出し、当該ハンガ22の振動をワークWの振動として用いることとしてもよい。また、これら加速度センサ等の各種センサをワークW自身に取り付けることで、ワークWに生じた振動を検出することとしてもよい。このような構成であっても既存の製造ラインに対する変更は最小限ですみ、既存設備を好適に利用することができる。
また、第2振動検出部14は、ワークWに対して作業を行う作業部分の全てから振動を検出する必要はなく、作業の内容によって振動を検出しない、又は検出精度を異ならせることとしてもよい。例えば、ワークWからドアを取り外す際に、ボルトを緩め/締めするボルト操作部等では高精度の振動の再現が要求される一方で、ドアを把持する把持部等ではそこまで高精度の振動の再現は要求されない。そこで、第2振動検出部14は、作業の内容に応じて、作業部分の振動の検出方法を変えることとしてもよく、また、振動再現時の精度を変えることとしてもよい。
11…移動部
111…台車
112…レール
12…第1振動検出部
121…センサ装置
13…作業部
131…ロボット
14…第2振動検出部
141…超音波発信装置
142…超音波受信装置
15…制御部
15A…第1制御部
15B…第2制御部
151、151A、151B…コントロールユニット
16…記憶部
2…ワーク搬送装置
21…支持レール
22…ハンガ
30…搬送システム
W…ワーク
Claims (4)
- 作業装置が備える第1制御部及び第2制御部の制御により、搬送装置により搬送される作業対象物に対し前記作業装置が作業を施す作業方法において、
第1制御部が、前記搬送装置と機械的に連結することなく前記作業装置を前記作業対象物と同期移動させる同期工程と、
第2制御部が、前記作業装置を制御して同期搬送中の前記作業対象物に対して作業を施す作業工程と、
前記第1制御部又は前記第2制御部のいずれかに異常が生じた場合に、正常な前記第1制御部又は前記第2制御部が、前記搬送装置に対して搬送を停止させる信号を供給するとともに、前記搬送装置の停止に伴い前記作業対象物に生じる振動を前記作業装置に再現させる異常時制御工程と、
を含むことを特徴とする作業方法。 - 前記作業装置は、所定範囲で移動する移動部と、当該移動部に設置された作業部と、を含み、
前記異常時制御工程では、前記移動部又は前記作業部を制御し、前記作業対象物に生じる振動を前記作業装置に再現させる、請求項1に記載の作業方法。 - 搬送装置により搬送される作業対象物に対し作業を施す作業装置において、
前記搬送装置と機械的に連結することなく前記作業装置を前記作業対象物と同期移動させる第1制御部と、前記作業装置を制御して同期搬送中の前記作業対象物に対して作業を施す第2制御部と、を備え、
前記第1制御部又は前記第2制御部は、他方に異常が生じた場合に、前記搬送装置に対して搬送を停止させる信号を供給するとともに、前記搬送装置の停止に伴い前記作業対象物に生じる振動を前記作業装置に再現させることを特徴とする作業装置。 - 前記作業装置は、所定範囲で移動する移動部と、当該移動部に設置された作業部と、を含み、
前記第1制御部又は前記第2制御部は、前記移動部又は前記作業部を制御し、前記作業対象物に生じる振動を前記作業装置に再現させる、請求項3に記載の作業装置。
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