JP2014139248A - コアセルベート化誘導リポソーム被包法及びその調合物 - Google Patents

コアセルベート化誘導リポソーム被包法及びその調合物 Download PDF

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Abstract

【課題】コアセルベート化誘導リポソーム被包法及びその調合物の提供。
【解決手段】本発明は、L/A比の低い脂質ベースの活性物質調合物の実現が、これらをコアセルベーション技術を用いて調製することにより達成されるという認識から生まれた。本発明は、コアセルベートを形成するための反応パラメータを変更することで、異常に高い活性物質(薬物)対脂質比のリポソーム性調合物を生ずるステップを含む、活性物質のリポソーム性調合物を調製する方法に関する。
【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、引用をもってその全文をここに援用することとする、2006年4月6日出
願の米国仮特許出願No.60/789,688に基づく優先権を主張するものである。
発明の背景
吸入による投与に適したいくつかの徐放技術は、リポソームなど、脂質ベースの調合物
を利用して活性物質に治療効果を長引かせようとし、そして全身的には、徐放及び標的決
定能により、疾患部位への活性物質の取り込みを高めようとするものである。
脂質ベースの活性物質送達系の場合、脂質対活性物質の(L/A)比を可能な限り低くし
て、脂質負荷を抑えることで体内での飽和効果を避けることがしばしば望ましい。例えば
吸入による肺内送達の場合、これは特に真実となる。なぜなら慢性的な使用では、脂質の
投薬がクリアランスの速度を上回ることがあるため投与に限界があり、ひいては活性物質
製品の効果に限界が出てしまうことがあるからである。活性物質が薬物である場合、L/D
比が低いほど、投薬量/クリアランス閾値が一致するまでにより多くの薬物を投与するこ
とができよう。
発明の概要
本発明の目的の一つは、脂質対活性物質比の低い、脂質ベースの活性物質調合物を提供
することである。
更にまた本発明の目的は、脂質対活性物質比の低い、脂質ベースの活性物質調合物を調
製する方法を提供することである。
本発明は、L/A比の低い脂質ベースの活性物質調合物の実現が、これらをコアセルベー
ション技術を用いて調製することにより達成されるという認識から生まれた。
ここで開示する方法を通じ、典型的には約
0.40 - 0.49 : 1のL/A重量比で捕獲された活性物質を含む中程度のサイズ(<1μm)の
リポソームが作出される。捕獲されるリポソーム量は測定されており、これらの数から、
活性物質が理想的な溶質としてふるまった場合(即ち、リポソーム膜とは相互作用しない
が、水に沿って理想的に捕獲した場合)の理論上の捕獲の数値を計算することができる。
この比較から、予想よりも3乃至5倍高い捕獲数が観察されると、それは、捕獲値が予想
されるよりも大きく、そしてL/A比が予想されるよりも小さくできる特別な相互作用が起
きていることを示すものである。中でリポソームが形成される溶液は任意の活性物質濃度
を有する。リポソーム内の活性物質濃度は、溶液中での濃度とほぼ同じでなければならな
い。しかしながら、内部の活性物質濃度は少なくとも約3倍高く計算される。この現象は
、自らの周りに脂質二重層形成を開始する活性物質コアセルベートが形成されることで説
明できることが、今や発見されている。
部分的には、本発明は、脂質及び活性物質をコアセルベートと混合するステップを含む
、脂質ベースの活性物質を調製する方法に関する。更なる実施態様では、前記コアセルベ
ートは、脂質との混合前に形成される。更なる実施態様では、前記コアセルベートは脂質
との混合中に形成される。更なる実施態様では、前記コアセルベートは脂質との混合後に
形成される。更なる実施態様では、前記コアセルベートは活性物質のコアセルベートであ
る。更なる実施態様では、前記コアセルベートは脂質及び活性物質以外の第三成分のコア
セルベートである。
更なる実施態様では、前記第三成分は活性物質と交換することのできる対イオンを含む。
更なる実施態様では、前記第三成分は荷電ポリマである。更なる実施態様では、前記荷
電ポリマはアクリレートであり、前記対イオンはアンモニウム対イオンである。更なる実
施態様では、前記活性物質は前記脂質の前記コアセルベートとの混合後に加えられ、前記
活性物質は前記対イオンと交換する。
更なる実施態様では、前記第三成分は、前記活性物質と錯体形成することのできるイオ
ンである。更なる実施態様では、前記イオンは金属イオンである。更なる実施態様では、
前記金属イオンはMg2+である。更なる実施態様では、前記活性物質は、前記脂質の前記コ
アセルベートとの混合後に加えられ、そして前記活性物質は前記イオンに配位する。
更なる実施態様では、前記脂質は、有機溶媒との溶液として加えられる。更なる実施態
様では、前記脂質は界面活性剤との水性ミセル懸濁液として加えられる。更なる実施態様
では、前記脂質は、前記界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)未満まで前記ミセル懸濁液
を水溶液で希釈することで、沈殿するように誘導される。
更なる実施態様では、前記脂質は、pHを変えることにより、沈殿するように誘導され
る。
部分的には本発明は、脂質を活性物質コアセルベートと混合するステップを含む、脂質
ベースの活性物質調合物を調製する方法に関する。更なる実施態様では、前記活性物質は
薬物である。更なる実施態様では、前記脂質を有機溶媒に溶解させて脂質溶液を形成し、
前記薬物コアセルベートは、前記薬物の水溶液を脂質溶液と混合することから形成される
。更なる実施態様では、前記脂質溶液及び水性薬物溶液は2つの別個の流れから直列形式
で混合される。更なる実施態様では、前記2つの流れは直列で混合される前にY 又はTコ
ネクタに入る。更なる実施態様では、水又は塩水による三番目の流れが加えられて、でき
た脂質及び薬物混合物を希釈する。更なる実施態様では、前記有機溶媒はエタノールであ
る。
更なる実施態様では、本発明は、脂質溶液添加率の水性薬物溶液添加率に対する比が2:
3であるような上述の方法に関する。更なる実施態様では、前記脂質溶液は1-3 L/分の率
で添加され、そして前記水性薬物溶液は1.5-4.5 L/分の率で添加される。更なる実施態様
では、前記脂質溶液は1 L/分の率で添加され、そして水性薬物溶液は1.5 L/分の率で添加
される。更なる実施態様では、前記脂質溶液は1 L/分の率で添加され、前記水性薬物溶液
は1.5 L/分の率で添加され、そして水又は塩水は1 L/分の率で添加される。
更なる実施態様では、本発明は、前記脂質がホスホリピド及びステロールの混合物であ
るような上述の方法に関する。更なる実施態様では、前記ホスホリピドはジパルミトイル
ホスファチジルコリン(DPPC)であり、ステロールはコレステロールである。更なる実施態
様では、前記のDPPC:コレステロール比は重量で
2:1 である。更なる実施態様では、前記脂質溶液は10-30
mg/ml であり、前記薬物の水溶液は40-100
mg/mlである。更なる実施態様では、前記脂質溶液は20
mg/ml であり、前記水性の薬物溶液は75mg/mlである。
更なる実施態様では、本発明は、前記薬物が抗感染剤であるような前述の方法に関する
。更なる実施態様では、抗感染剤は以下から選択される:アミノグリコシド、テトラサイ
クリン、スルホンアミド、p-アミノ安息香酸、ジアミノピリミジン、キノロン、β-ラク
タム、β-ラクタム、及びβ-ラクタマーゼ阻害剤、クロラフェニコール(原語:chlorap
henicol)、マクロライド、ペニシリン、セファロスポリン、コルチコステロイド、プロ
スタグランジン、リノマイシン、クリンダマイシン、スペクチノマイシン、ポリミキシン
B、コリスチン、ヴァンコマイシン、バシトラシン、イソニアジド、リファンピン、エタ
ンブトール、エチオンアミド、アミノサリチル酸、シクロセリン、カプレオマイシン、ス
ルホン、クロファジミン、サリドマイド、ポリエン抗カビ剤、フルシトシン、イミダゾー
ル、トリアゾール、グリセオフルビン、テルコナゾール、ブトコナゾール、シクロピラッ
クス(原語:ciclopirax)、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート
、ナフチフィン、テルビナフィン、又はこれらの組合せ。更なる実施態様では、前記抗感
染剤はアミノグリコシドである。更なる実施態様では、前記アミノグリコシドはアミカシ
ンである。更なる実施態様では、前記アミノグリコシドはトブラマイシンである。更なる
実施態様では、前記アミノグリコシドはゲンタマイシンである。
更なる実施態様では、前記脂質を有機溶媒に溶解させて脂質溶液を形成し、そして薬物
コアセルベートは、この薬物の水性溶液と脂質溶液との過流から形成される。
別の実施態様では、本発明は、脂質を、対イオンを含む荷電ポリマコアセルベートと混
合するステップと、その後、対イオンとのイオン交換を通じて活性物質を脂質調合物に導
入するステップとを含む、脂質ベースの活性物質調合物を調製する方法に関する。
別の実施態様では、本発明は、脂質対活性物質比が重量で0.40-0.49:1 であるような脂
質ベースの活性物質調合物に関する。更なる実施態様では、前記脂質対活性物質比は約 0
.35-0.39:1である。更なる実施態様では、前記脂質対活性物質比は0.40:1未満である。更
なる実施態様では、前記活性物質は薬物である。更なる実施態様では、前記脂質ベースの
調合物はリポソームである。更なる実施態様では、前記薬物は抗感染剤である。更なる実
施態様では、前記抗感染剤は以下から選択される:アミノグリコシド、テトラサイクリン
、スルホンアミド、p-アミノ安息香酸、ジアミノピリミジン、キノロン、β-ラクタム、
β-ラクタム及びβ-ラクタマーゼ阻害剤、クロラフェニコール(原語:chloraphenicol
)、マクロライド、ペニシリン、セファロスポリン、コルチコステロイド、プロスタグラ
ンジン、リノマイシン、クリンダマイシン、スペクチノマイシン、ポリミキシンB、コリ
スチン、ヴァンコマイシン、バシトラシン、イソニアジド、リファンピン、エタンブトー
ル、エチオンアミド、アミノサリチル酸、シクロセリン、カプレオマイシン、,スルホン
、クロファジミン、サリドマイド、ポリエン抗カビ剤、フルシトシン、イミダゾール、ト
リアゾール、グリセオフルビン、テルコナゾール、ブトコナゾール、シクロピラックス(
原語:ciclopirax)、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート、ナフ
チフィン、テルビナフィン、又はこれらの組合せ。更なる実施態様では、前記抗感染剤は
アミノグリコシドである。更なる実施態様では、前記アミノグリコシドはアミカシンであ
る。更なる実施態様では、前記アミノグリコシドはトブラマイシンである。更なる実施態
様では、前記アミノグリコシドはゲンタマイシンである。
更なる実施態様では、前記脂質はホスホリピド及びステロールの混合物を含む。更なる
実施態様では、前記ホスホリピド
はDPPCであり、そして前記ステロールはコレステロールである。更なる実施態様では、前
記DPPC及びコレステロールは重量で2
: 1 比である。
別の実施態様では、本発明は、前記薬物がタンパク質であり、脂質対薬物比が重量で約
1:2であるような脂質ベースの薬物調合物に関する。
本発明のこれらの実施態様、他の実施態様並びにそれらの特徴及び特長は、以下の説明
、図面及び請求項から明白となるであろう。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
脂質及び活性物質をコアセルベートと混合するステップを含む、脂質ベースの活性物質
調合物を調製する方法。
(項目2)
前記コアセルベートが脂質との混合前に形成される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記コアセルベートが脂質との混合中に形成される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記コアセルベートが脂質との混合後に形成される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記コアセルベートが活性物質のコアセルベートである、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記コアセルベートが脂質及び活性物質以外の第三成分のコアセルベートである、請求
項1に記載の方法。
(項目7)
前記第三成分が活性物質と交換することのできる対イオンを含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記第三成分が荷電ポリマである、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記荷電ポリマがアクリレートであり、前記対イオンがアンモニウム対イオンである、
項目8に記載の方法。
(項目10)
前記第三成分が、前記活性物質と錯体形成することのできるイオンである、項目6に
記載の方法。
(項目11)
前記イオンが金属イオンである、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記金属イオンがMg 2+ である、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記活性物質が、前記脂質の前記コアセルベートとの混合後に加えられ、そして前記活
性物質が前記対イオンと交換する、項目6乃至9のいずれかに記載の方法。
(項目14)
前記活性物質が、前記脂質の前記コアセルベートとの混合後に加えられ、そして前記活
性物質が前記イオンと配位する、項目10乃至12のいずれかに記載の方法。
(項目15)
前記脂質が有機溶媒との溶液として加えられる、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記脂質が界面活性剤との水性ミセル懸濁液として加えられる、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記脂質が、前記界面活性剤の臨界ミセル濃度(CMC)未満まで前記ミセル懸濁液を水溶液で希釈することで、沈殿するように誘導される、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記脂質が、pHを変えることにより、沈殿するように誘導される、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記活性物質が薬物である、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記脂質を有機溶媒に溶解させて脂質溶液を形成し、前記薬物コアセルベートが、前記
薬物の水溶液を脂質溶液と混合することから形成される、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記脂質溶液及び水性薬物溶液が2つの別個の流れから直列形式で混合される、項目
20に記載の方法。
(項目22)
前記2つの流れが直列で混合される前にY 又はTコネクタに入る、項目21に記載の
方法。
(項目23)
水又は塩水による三番目の流れが加えられて、できた脂質及び薬物混合物を希釈する、
項目21に記載の方法。
(項目24)
脂質溶液添加率の水性薬物溶液添加率に対する比が2:3である、項目21に記載の方法。
(項目25)
前記脂質溶液が 1-3 L/分の率で添加され、そして前記水性薬物溶液が1.5-4.5 L/分の
率で添加される、項目21に記載の方法。
(項目26)
前記脂質溶液が1 L/分の率で添加され、そして水性薬物溶液が1.5 L/分の率で添加され
る、項目21に記載の方法。
(項目27)
前記脂質溶液が1 L/分の率で添加され、前記水性薬物溶液が1.5 L/分の率で添加され、
そして水又は塩水が 1 L/分の率で添加される、項目23に記載の方法。
(項目28)
前記有機溶媒がエタノールである、項目20に記載の方法。
(項目29)
前記脂質がホスホリピド及びステロールの混合物である、項目19に記載の方法。
(項目30)
前記ホスホリピドがジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)であり、ステロールが
コレステロールである、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記のDPPC:コレステロール比が重量で2:1 である、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記脂質溶液が10-30 mg/ml であり、前記薬物の水溶液が40-100 mg/mlである、項目
20に記載の方法。
(項目33)
前記脂質溶液が 20 mg/ml であり、前記水性の薬物溶液が75 mg/mlである、項目32
に記載の方法。
(項目34)
前記薬物が抗感染剤である、項目19に記載の方法。
(項目35)
前記抗感染剤が:アミノグリコシド、テトラサイクリン、スルホンアミド、p-アミノ安
息香酸、ジアミノピリミジン、キノロン、β-ラクタム、β-ラクタム及びβ-ラクタマー
ゼ 阻害剤、クロラフェニコール(原語:chloraphenicol)、マクロライド、ペニシリン
、セファロスポリン、コルチコステロイド、プロスタグランジン、リノマイシン、クリン
ダマイシン、スペクチノマイシン、ポリミキシンB、コリスチン、ヴァンコマイシン、バ
シトラシン、イソニアジド、リファンピン、エタンブトール、エチオンアミド、アミノサ
リチル酸、シクロセリン、カプレオマイシン、スルホン、クロファジミン、サリドマイド
、ポリエン抗カビ剤、フルシトシン、イミダゾール、トリアゾール、グリセオフルビン、
テルコナゾール、ブトコナゾール、シクロピラックス(原語:ciclopirax)、シクロピロ
ックスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート、ナフチフィン、テルビナフィン、又は
これらの組合せから成る群より選択される、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記抗感染剤がアミノグリコシドである、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記アミノグリコシドがアミカシンである、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記アミノグリコシドがトブラマイシンである、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記アミノグリコシドがゲンタマイシンである、項目36に記載の方法。
(項目40)
混合が過流により行なわれる、項目20に記載の方法。
(項目41)
脂質対薬物比が重量で0.40-0.49:1 であるような脂質ベースの活性物質調合物。
(項目42)
前記脂質ベースの調合物がリポソームである、項目41に記載の脂質ベースの活性物
質調合物。
(項目43)
前記薬物が抗感染剤である、項目41に記載の脂質ベースの活性物質調合物。
(項目44)
前記抗感染剤が:アミノグリコシド、テトラサイクリン、スルホンアミド、p-アミノ安
息香酸、ジアミノピリミジン、キノロン、β-ラクタム、β-ラクタム及びβ-ラクタマー
ゼ 阻害剤、クロラフェニコール(原語:chloraphenicol)、マクロライド、ペニシリン
、セファロスポリン、コルチコステロイド、プロスタグランジン、リノマイシン、クリン
ダマイシン、スペクチノマイシン、ポリミキシンB、コリスチン、ヴァンコマイシン、バ
シトラシン、イソニアジド、リファンピン、エタンブトール、エチオンアミド、アミノサ
リチル酸、シクロセリン、カプレオマイシン、,スルホン、クロファジミン、サリドマイ
ド、ポリエン抗カビ剤、フルシトシン、イミダゾール、トリアゾール、グリセオフルビン
、テルコナゾール、ブトコナゾール、シクロピラックス(原語:ciclopirax)、シクロピ
ロックスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート、ナフチフィン、テルビナフィン、又
はこれらの組合せから成る群より選択される、項目43に記載の脂質ベースの活性物質
調合物。
(項目45)
前記抗感染剤がアミノグリコシドである、項目44に記載の脂質ベースの活性物質調合物。
(項目46)
前記アミノグリコシドがアミカシンである、項目45に記載の脂質ベースの活性物質調合物。
(項目47)
前記アミノグリコシドがトブラマイシンである、項目45に記載の脂質ベースの活性物質調合物。
(項目48)
前記アミノグリコシドがゲンタマイシンである、項目45に記載の脂質ベースの活性物質調合物。
(項目49)
前記脂質がホスホリピド及びステロールの混合物を含む、項目41に記載の脂質ベースの活性物質調合物。
(項目50)
前記ホスホリピドがDPPCであり、そして前記ステロールがコレステロールである、請求項49に記載の脂質ベースの活性物質調合物。
(項目51)
前記DPPC及びコレステロールが重量で2 : 1 比である、項目50に記載の脂質ベースの活性物質調合物。
(項目52)
前記薬物がタンパク質であり、脂質対薬物比が重量で約1:2であるような脂質ベースの薬物調合物。
図1は、リポソーム性抗感染剤調合物を調製する二流直列注入プロセスの図解を示す。図示した流速は必要に応じて変更可能な、流速の非限定的な例である。また、第三のNaCl 溶液ラインが図示されているが、これはなくともよく、あるいは水だけを送達するものでもよい。 図2は、硫酸amicacinのエタノール/水との混和性を示す。線は、室温(RT)及び40℃でエタノール溶液と混和可能な最大amicacin濃度(塩基)を表す。より高い濃度では、アミカシンは別の液相(コアセルベート)を形成し、これは後に結晶として沈殿する。垂直線は脂質/アミカシン注入混合物中の、水200部を加えた後のエタノール濃度を示す。 図3は、硫酸アミカシン−水−エタノール系の三相図を示す。 図4は、BSAのエタノール誘導性コアセルベート化に対するイオン強度及びpHの効果を示す。光学キュベットに入れた10 mg/mLのBSA試料を、脱ガスしたエタノールの流れで、一定に攪拌しながら、滴定した。600 nm 波長のwavelengthでの光散乱シグナルを右角度でPTI蛍光計(ニュージャージー州、PhotonTechnologyInternational)を用いて測定した。温度は25℃に固定した。 図5は、BSAのエタノール誘導性コアセルベート化に対するMgCl2の効果を示す。EtOHcritは光散乱の増加開始時におけるエタノール濃度である。BSA 10 mg/mL をpH 7.0のNaCl10 mM に溶解させた。 図6は、BSAのエタノール誘導性コアセルベート化に対する低分子量(MW 800) ポリカチオンポリエチレンイミン(PEI)の効果を示す。BSA 10 mg/mL をpH 7.0のNaCl 10 mM に溶解させた。
詳細な説明
本発明は、活性物質の周りに脂質二重層の形成を誘導する活性物質コアセルベートを形
成することによる脂質活性物質調合物を開示する。本方法により、出来上がる脂質活性物
質調合物の脂質対活性物質の比が低くなり、また、内側の活性物質の濃度が、用いられる
外側の活性物質の濃度よりも3乃至5倍に高くなる。更に本発明は、コアセルベート化技
術を用いてこれらの脂質調合物を調製する方法も開示する。
I. 定義
便宜上、本発明を更に解説する前に、本明細書、実施例及び付属の請求項で用いられた
いくつかの用語をここに集める。これらの定義は、開示の残りの部分を鑑みて読まれ、ま
た当業者の理解する通りに理解されねばならない。そうでないと定義しない限り、ここで
用いられた全ての技術用語及び科学用語は、当業者が通常理解するのと同じ意味を有する
冠詞「一つの(原語:”a”)」及び「一つの(原語:"an”)」はここでは、この冠詞
の文法上の目的語の一つ以上(即ち少なくとも一つ)を言うために用いられている。一例
を挙げると、「一つの要素」とは、一つの要素又は二つ以上の要素を意味する。
ここで用いられる用語「活性物質」とは、塗布したい、投与したい、あるいは脂質調合
物中に用いたいいずれかの化学物質又は物質を言い、その中には例えば、描写を意図する
ものであって限定は意図しないが、殺虫剤、除草剤、美容用薬剤、香料、食品添加物、着
香料、撮像剤、染料、蛍光マーカ、放射性標識、プラスミド、ベクタ、ウィルス性粒子、
毒素、酵素を含む触媒、タンパク質、ポリマ、薬物等がある。
用語「生物学的利用能ある」は当業で公知であり、本発明を、投与された先の対象又は
患者に吸収可能にする、取り入れられるようにする、あるいは生理学的に利用可能にする
ようなその形態又は投与された量のうちの一部分を言う。
用語「含む(原語:”comprise”)」及び「含む(原語:”comprising”)」は、包含
的に用いられており、開いた意味で付加的な要素が含まれ得ることを意味する。
用語「薬物」は当業で公知であり、対象において局所的又は全身的に作用する生物学的
、生理学的、又は薬理学的に活性ないずれかの化学的部分を言う。「治療薬」とも言及さ
れる薬物の例はMerckIndex, the Physicians Desk Reference, and The Pharmacologica
l
Basis ofTherapeuticsなどの公知の文献に解説されており、その中には、限定はしない
が、抗感染剤、医薬;ビタミン類;ミネラル・サプリメント;タンパク質;疾患又は疾病
の治療、防止、診断、治癒又は緩和に用いられる物質;身体の構造又は機能に影響する物
質;あるいは、生理環境内に置かれた後に生物学的に活性又はより活性になるプロドラッ
グ、がある。
用語「被包された」及び「被包する」とは、脂質ベースの調合物の表面上への活性物質
の吸着、二重層の間隙領域内又は2つの単層間への活性物質の会合、2つの二重層環の空
間内への活性物質の捕獲、あるいは、最も内側の二重層又は単層に囲まれた空間内への活
性物質の捕獲、を言う。
用語「含む(原語:“including”)」はここでは、「限定はしないが含む」を意味す
るために用いられている。「含む」及び「限定はしないが含む」は交換可能に用いられて
いる。
ここで論じられる用語「脂質抗感染剤調合物」、又は「Lip抗感染剤」又は「Lip-An」
は、重量で抗感染剤のうちの少なくとも約1%が、脂質の錯体部分として、あるいは、抗
感染剤が水相中にある、もしくは疎水性の二重層相中にある、又はリポソーム性二重層の
界面の先頭基領域にある場合にはリポソームとして、脂質に結合しているようないずれか
の形状の抗感染剤組成物である。好ましくは、少なくとも約5%、又は少なくとも約10
%、又は少なくとも約20%、又は少なくとも約25%をそのように結合させることがで
きる。結合は、脂質及び脂質結合型抗感染剤が保持され、遊離型の抗感染剤がろ過物中に
出るようなフィルタを通じて分離により測定することができる。「リポソーム性抗感染剤
調合物」とは、脂質調合物がリポソームの形状であるような脂質抗感染剤調合物である。
用語「哺乳動物」は当業で公知であり、哺乳動物の例にはヒト、霊長類、ウシ、ブタ、
イヌ、ネコ、及びげっ歯類(例えばマウス及びラット)がある。
本方法で処置しようとする「患者」、「対象」又は「ホスト」は、ヒト又はヒト以外の
動物を意味する場合がある。
用語「薬学的に許容可能な塩」は当業で公知であり、例えば本発明の組成物に含まれた
ものなどを含む、化合物の比較的に非毒性の、無機及び有機酸添加塩を言う。
用語「溶媒注入」とは、一種以上の脂質を小量の、好ましくは最小量のプロセス適合性
溶媒に溶解させて脂質懸濁液又は溶液(好ましくは溶液)を形成させた後、生理活性物質
を含有する水性媒質のこの溶液を加えることを含むプロセスである。典型的には、プロセ
ス適合性溶媒とは、透析などの水性プロセスで洗い落とすことのできるものである。冷/
温循環させる組成物は、好ましくは、溶媒注入により形成されるとよく、エタノール注入
が好ましい。アルコールが溶媒として好ましい。溶媒注入の一種である「エタノール注入
」とは、一種以上の脂質を小量、好ましくは最低量のエタノールに溶解させて脂質溶液を
形成した後、生理活性物質を含有する水性媒質にこの溶液を加えるステップを含むプロセ
スである。「小量」の溶媒とは、注入プロセスにおけるリポソーム又は脂質錯体の形成に
適合する量である。用語「溶媒注入」には、二つの流れの調合物成分を直列で混合する直
列注入プロセスも含まれよう。
用語「実質的に含まない」は当業で公知であり、微量未満以下を言う。
ここで用いられる場合の用語「界面活性剤」とは、空気−水の界面で吸着することによ
り、表面張力を下げる化合物を言う。数多くの界面活性剤が、バルク溶液内で集合してミ
セルとして知られる凝集物になることができる。界面活性剤がミセルを形成し始める濃度
は「臨界ミセル濃度」又はCMCとして知られる。本出願にとって有用な脂質は更に、捕縄
に低いCMCを持つ界面活性剤であってもよい。本出願にとって有用なミセル形成性の界面
活性剤は、脂質のCMCよりも高いCMCを有していなければならない。CMCよりも高い濃度で
、当該のミセル形成性界面活性剤は、界面活性剤及び脂質分子から成る混合ミセルを形成
することができる。CMC未満で希釈すると、ミセル形成性界面活性剤は解離して真の溶液
になり、こうして水性媒質に露出した脂質分子が残ることになる。これにより、脂質の自
発的な沈殿が、好ましくは二重層の形で起きる。
ここで用いられる場合の文言「治療上有効量」は、肺感染症を阻害することにより何ら
かの所望の治療効果を生むような、本発明の脂質薬物調合物を含む化合物、材料、又は組
成物の量を意味する。
用語「処置する」は当業で公知であり、いずれかの状態又は疾患の少なくとも一つの症
状を治癒させる又は緩和させることを言う。用語「処置する」は更に、ある状態又は疾患
から防御又は保護する作用をする予防的処置をも言う。
2. コアセルベート化
最も簡単な形のコアセルベート化は積重ねと考えることができる。より技術的な用語で
は、コアセルベート化はコロイド系中での2つの液相への分離である。コロイド成分(活
性物質)中でより濃縮した相はコアセルベートと呼ばれ、他方の相は平衡溶液である。
コロイド状という用語は細区画の状態を言い、媒質中に分散した分子又はポリマ分子状
粒子が大まかに言って1nmから1μmの間の寸法を少なくとも一方向で有し、あるいは、あ
る系において、そのオーダーの距離で不連続が観察されることを意味する。IUPAC Compen
dium ofChemical Terminology 1972, 31, 605。
巨大分子の溶液は簡単かつ最も普通のコロイド系である。低分子もまた、可逆性の凝集
物として会合コロイドを形成することができる。会合コロイドは、弱い化学結合を原因と
する可逆的な化学的組合せであり、最高数百の分子又はイオンが凝集することで約1乃至
約2000ナノメートル以上の大きさのコロイド状構造を形成する。
現在のコアセルベート現象分類法は2つの相の分離を駆動する機序に基づく。Gander B
, Blanco-PrietoM.J., Thomasin C,
Wandrey Ch. andHunkeler D., Coacervation/Phase Separation, In: Encyclopedia of
PharmaceuticalTechnology, Vol.1, Swarbrick J, Boylan J.C., Eds., Marcel
Dekker, 2002,p.481-497). それらには:
1. 部分的な脱溶媒により誘導されるコアソルベート化。これはひいては溶媒及びポリ
マの二重系を引き起こすことがあり、この場合、コアセルベートを誘導する因子は温度又
はpHである。あるいはそれは溶媒、ポリマ、及びコアセルベート化物質(ポリマ又は電
解質(塩)にとっての非溶媒)を含む三重系でもあり得る。この種類のコアセルベート化
はしばしばシンプル・コアセルベーションと呼ばれる。シンプル・コアセルベーションの
伝統的な例は、アルコール(ゼラチンにとっての非溶媒)を添加することによりゼラチン
溶液のコアセルベート化である。水性の系でコアセルベート化を誘導するのに有用な他の
非溶媒には、プロパノール、イソプロパノール、エセトン、ジオキサンが含まれよう。ポ
リマ脱溶媒に電解質を用いる場合、この現象は塩析法と呼ばれる。水性の系では、脱溶媒
を起こすイオンの能力は、塩析能の大きさの順に、陽イオンの場合はホフマイスター又は
離液順列NH4+< K+ < Na+
< Ca2+< Mg2+ < Al3+ に、そして Cl-
< SO42-< 酒石酸2- 、リン酸2- < クエン酸3-に従う。
2. ポリマ対ポリマの反発により誘導されるコアセルベート化。この種類では、第一ポ
リマの溶液に加えられる第二ポリマが相分離を誘導し、この第一ポリマが、第二ポリマの
相中に懸濁する前記コアセルベート相となる。ポリマ対ポリマの反発の一例はシリコーン
油により誘導されるジクロロメタン溶媒中のPLA コアセルベート化である。
非共有結合的ポリマ架橋により誘導されるコアセルベート化(「錯体コアセルベート化
」)。当該の架橋剤は、コアセルベート化するポリマに対して反対の電荷のポリマであっ
ても、あるいは、例えばCa2+、Mg2+、Al3+、Zn2+、酒石酸 2-等、当該ポリマに対する二
価もしくは三価の対イオンであってもよい。錯体コアセルベート化で用いられる典型的な
ポリマには:ポリアニオンアルギネート、カラゲナン、カルボキシメチルセルロース、硫
酸コンドロイチン、硫酸セルロース、ゲラン、ヒアルロン酸、ポリ(アクリル酸)、キサ
ンタン;ポリカチオンキトサン、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリ
(L-リジン)、ポリ(ビニルアミン)がある。一般的には、ポリアニオン−ポリカチオン
のイナークション(原語: ineraction)は、 電荷密度、イオン基の種類、鎖構造など数
多くのパラメータにより制御される。加えて、pH、イオン強度、濃度、温度が錯体形成
に影響を与える。
明らかなことだが、上述の種類の組合せを用いてコアセルベート化を制御することがで
きる。特に、架橋剤、又は非溶媒及び脱塩剤と組み合わせた非溶媒添加。
部分的には、本発明においては、凝結前に不安定なコアセルベートを高濃度の脂質溶液
に暴露する。コアセルベートが脂質沈殿の種になるという核形成が起きると考えられる。
この脂質が、コアセルベート(活性物質)を被包した二重層を形成する。
図3は、アミカシン、スルフェート−水−エタノール系のための第三相図を示す。双節
曲線下の二相区域が、当該相がコアセルベート相及び平衡相という2つの相に分離するゾ
ーンである。双節曲線よりも上の区域は、水ー−エタノール混合物に溶解した硫酸アミカ
シンの単一液相系が存在するゾーンである。
硫酸アミカシンの3部の水溶液70 mg/mL(点 1)を2部のエタノールに混合させると、
その結果できる混合物(点2)の有する組成は自発的に分離して二つの相:アミカシンを
豊富に含むコアセルベート相(点C)と、アミカシンに乏しい平衡相(点E)になる。コ
アセルベート相は総体積の僅かに約4.5% を含み、当初は平衡相中に懸濁した小さな液滴
として形成される。コアセルベートがちょうど形成されるときに液体が周囲の溶液中に存
在する場合、これらは二重層をこの液滴の周りに自発的に形成する。製造中は、生成物が
高エタノール濃度に暴露することを制限することがしばしば好ましい。例えば別の3部の
生理食塩水又は緩衝剤を混合物に間接的に加えることができ、こうすると組成は単一相ゾ
ーン(点3)に移行する。この点ではリポソームが既に形成されたコアセルベート相物質
の大半を被包しているため、アミカシンはこのリポソームの内側に被包されたままになる
であろう。
本発明の方法及び脂質調合物が調製されないこと、即ち被包が平衡のみにより行なわれ
ないことが重要である。コアセルベートが形成されると、外側の活性物質濃度に対して内
側の活性物質濃度が高くなり、L/A比が低くなる。
3. 活性物質
活性物質コアセルベートは、対象内で局所的又は全身的に作用する生物学的、生理学的
、又は薬理学的に活性な物質であるいずれかの種類の物質と共に起きると考えられる。本
発明の生成物は医薬用途に特に適しているが、それらはその用途に限られたものでなく、
食品用、農業用、撮像用などに向けてデザインしてもよい。従って、活性物質という用語
は、脂質調合物で適用される、投与される又は用いられるあらゆる化学物質又は物質を意
味するために広い意味で用いられており、その中には、描写であって限定を意図するわけ
でないが、殺虫剤、除草剤、美容用薬剤、香料、食品添加物、着香料、撮像剤、染料、蛍
光マーカ、放射性標識、プラスミド、ベクタ、ウィルス性粒子、毒素、酵素を含む触媒、
タンパク質、ポリマ、薬物等がある。薬物コアセルベートを形成するであろう薬物の例に
は、限定はしないが、抗感染剤、医薬;ビタミン類;ミネラル・サプリメント;タンパク
質;疾患又は疾病の治療、防止、診断、治癒又は緩和に用いられる物質;あるいは身体の
構造又は機能に影響する物質がある。好ましくは、活性物質は水溶性の活性物質であると
よい。
ある実施態様では、前記薬物は抗感染剤である。抗感染剤とは、細菌、放線菌、真菌、
ウィルス又は原虫感染などの感染に対して作用する薬剤である。本発明により網羅される
抗感染剤には、限定はしないが、アミノグリコシド類(例えばストレプトマイシン、ゲン
タマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルミシン、カナマイシン等)、テトラサ
イクリン類(例えばクロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、メタサイクリン
、ドキシサイクリン、ミノサイクリン等)、スルホンアミド類(例えばスルファニルアミ
ド、スルファジアジン、スルファメタオキサゾール、スルフィソキサゾール、スルフアセ
トアミド等)、パラアミノ安息香酸、ジアミノピリミジン類(例えばスルファメトキサゾ
ールとしばしば併用されるトリメトプリム、ピラジンアミド等)、キノロン類(例えばナ
リジクス酸及びシノキサシン、シプロフロキサシン及びノルフロキサシン等)、ペニシリ
ン(例えばペニシリンG、ペニシリンV、アンピシリン、アモキシシリン、バカンピシリ
ン、カルベニシリン、カルベニシリンインダニル、チカルシリン、アズロシリン、メズロ
シリン、ピペラシリン等)、ペニシリナーゼ耐性ペニシリン(例えばメチシリン、オキサ
シリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン等)、第一世代セファロスポリ
ン類(例えばセファドロキシル、セファレキシン、セフラジン、セファロチン、セファピ
リン、セファゾリン等)、第二世代セファロスポリン類(例えばセファクロール、セファ
マンドール、セフォニシド、セフォキシチン、セフォテタン、セフロキシム、セフロキシ
ムアキセチル;セフメタゾール、セフプロジル、ロラカルベフ、セフォラニド等)、第三
世代セファロスポリン(例えばセフェピム、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフチゾ
キシム、セフトリアキソン、セフタジジム、セフィキシム、セフポドキシム、セフチブテ
ン等)、他のベータ-ラクタム類(例えばイミペネム、メロペネム、アズトレオナム、ク
ラブラン酸、スルバクタム、タゾバクタム等)、ベータラクタマーゼ
阻害剤類(例えばクラブラン酸)、クロラムフェニコール、マクロライド類(例えばエリ
スロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン等)、リンコマイシン、クリンダ
マイシン、スペクチノマイシン、ポリミキシンB、ポリミキシン類(例えばポリミキシン
A、B、C、D、E1(コリスチンA)もしくはE2、コリスチンBもしくはC等)コリ
スチン、ヴァンコマイシン、バシトラシン、イソニアジド、リファンピン、エタンブトー
ル、エチオンアミド、アミノサリチル酸、シクロセリン、カプレオマイシン、スルホン類
(例えばダプソン、スルフォキソンナトリウム等)、クロファジミン、サリドマイド、又
は、脂質に被包することのできるいずれか他の抗菌剤がある。抗感染剤にはポリエン抗カ
ビ剤を含む抗カビ剤類(例えばアンフォテリシンB、ナイスタチン、ナタマイシン等)、
フルシトシン、イミダゾール類(例えばn-チコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾー
ル、ケトコナゾール等)、トリアゾール類(例えばイトラコナゾール、フルコナゾール等
)、グリセオフルビン、テルコナゾール、ブトコナゾールシクロピラックス(原語:cicl
opirax)、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート、ナフチフィン、
テルビナフィン、又は脂質被包もしくは錯体形成することのできるいずれか他の抗カビ剤
を含めることができる。議論及び例は、主にアミカシンに向けられているが、本出願の範
囲はこの抗感染剤に限定されることは意図されていない。薬物の組合せも用いることがで
きる。
特に好適な抗感染剤にはアミノグリコシド、キノロン類、ポリエン抗カビ剤及びポリミ
キシン類がある。特に好適なアミノグリコシド類にはアミカシン、ゲンタマイシン、及び
トブラマイシンがある。
更に、本発明の脂質薬物調合物で用いられる適した抗感染剤に含まれるのは、薬物の薬
学的に許容可能な添加塩及び錯体である。当該化合物が一つ以上のキラル中心を有し得る
場合、明示しない限り、本発明は、各固有のラセミ化合物や、各固有の非ラセミ化合物も
包含する。
活性物質が不飽和の炭素−炭素二重結合を有する場合、cis (Z) 及びtrans (E) 異性体
の両方が本発明の範囲内にある。活性物質が例えば
Figure 2014139248

及び
Figure 2014139248
などのケト−エノール互変異性体などの互変異性体で存在し得る場合、各互変異性体型は
、平衡状態にある、あるいは、R'との適した置換により一方の型で固定されている、に関
係なく、本発明に包含されるものと考えられる。いずれかの位置にあるいずれかの置換基
の意味は、いずれか他の位置にあるその意味や、あるいはいずれか他の置換基の意味から
は独立である。
更に、本発明の脂質抗感染剤調合物で用いられるのに適している薬物として、当該薬物
化合物のプロドラッグが含まれる。プロドラッグはin vivoで活性な親化合物を放出する
、いずれかの共有結合した担体であると考えられる。
4. 脂質及びリポソーム
本発明の組成物中で用いられる脂質は合成でも、半合成でも、あるいは天然で生じる脂
質でもよく、その中にはホスホリピド、トコフェロール、ステロイド、脂肪酸、アルブミ
ンなどの糖タンパク質、陰イオン性の脂質及び陽イオン性の脂質がある。当該の脂質は陰
イオン性でも、陽イオン性でも、又は中性でもよい。ある実施態様では、本脂質調合物は
陰イオン性の脂質を実質的に含まない。ある実施態様では、本脂質調合物は中性の脂質の
みを含む。別の実施態様では、本脂質調合物は陰イオン性の脂質を含まない。別の実施態
様では、当該の脂質はホスホリピドである。ホスホリピドには例えばホスファチジルコリ
ン (EPC)、卵ホスファチジルグリセロール(EPG)、卵ホスファチジルイノシトール(EPI)
、卵ホスファチジルセリン (EPS)、ホスファチジルエタノールアミン (EPE)、及び卵ホス
ファチジン酸(EPA);大豆相当物、大豆ホスファチジルコリン (SPC);SPG、SPS、SPI、S
PE、及びSPA;水素化した卵及び大豆相当物(例えば HEPC、HSPC)、例えばグリセロー
ル、イノシトール、セリン、エタノールアミンや対応するホスファチジン酸を含め、12乃
至26個の炭素原子の鎖を含む、グリセロールの2及び3位置の脂肪酸のエステル結合と、グ
リセロールの1位置に異なる先頭基とから成るホスホリピドがある。これらの脂肪酸の鎖
は飽和でも不飽和でもよく、当該ホスホリピドは鎖長及び不飽和の程度の異なる脂肪酸か
ら成っていてもよい。具体的には、本調合物の組成には、天然で生じる肺表面活性物質で
あるジパルミトイルホスファチジルコリン (DPPC)や、ジオレオイルホスファチジルコリ
ン (DOPC)を含めることができる。他の例には、ジミリストイルホスファチジルコリン(D
MPC) 及びジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG) ジパルミトイルホスファ
チジルコリン(DPPC)及びジパルミトイルホスファチジルグリセロール (DPPG) ジステア
ロイルホスファチジルコリン (DSPC) 及びジステアロイルホスファチジルグリセロール (
DSPG)、ジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE) 及び混合ホスホリピド、例
えば
パルミトイルステアロイルホスファチジルコリン (PSPC) 及びパルミトイルステアロイル
ホスファチジルグリセロール (PSPG)、ドリアシル(原語:driacyl)グリセロール、ジア
シルグリセロール、セラニド(原語:seranide)、スフィンゴシン、スフィンゴミエリン
及び単一アシル化ホスホリピド、例えばモノ−オレオイル−ホスファチジルエタノールア
ミン(MOPE)がある。
用いる脂質には、脂肪酸、ホスホリピド及びグリセリドのアンモニウム塩、ステロイド
類、ホスファチジルグリセロール類 (PGs)、ホスファチジン酸s (PAs)、ホスホチジル(
原語:phosphotidyl)コリン類(PCs)、ホスファチジルイノシトール類 (PIs) 及びホス
ファチジルセリン類(PSs)を含めることができる。前記脂肪酸には、飽和でも不飽和の、
12乃至26個の炭素鎖長の脂肪酸がある。いくつか具体的な例には、:ミリスチルアミン、
パルミチルアミン、ラウリルアミン、及ステアリルアミン、ジラウロイルエチルホスホコ
リン (DLEP)、ジミリストイルエチルホスホコリン (DMEP)、ジパルミトイル エチルホス
ホコリン(DPEP) 及びジステアロイルエチルホスホコリン (DSEP)、N-(2, 3- ジ-(9 (Z)-
オクタデセニルオキシ)-プロップ-1-イル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド (DOTM
A) 及び1, 2-ビス(オレオイルオキシ)-3-(トリメチルアンモニオ)プロパン(DOTAP)があ
る。ステロイドの例にはコレステロール及びエルゴステロールがある。PGs、PAs、PIs、P
Cs 及びPSs の例には、DMPG、DPPG、DSPG、DMPA、DPPA、DSPA、DMPI、DPPI、DSPI、DMPS
、DPPS 及びDSPS、DSPC、DPPG、DMPC、DOPC、卵PCがある。
DPPCなどのホスファチジルコリンから成るリポソーム性抗感染剤調合物は、肺胞マクロ
ファージなどの肺内の細胞により取り込みを支援し、肺内への抗感染剤の放出維持を助け
る(Gonzales-Rothi et al. (1991))。 PGs、PAs、PSs and PIsなど負に帯電した脂質は
、粒子の凝集を減らすことに加え、吸入調合物の持続放出特徴や、当該調合物の全身取り
込みでの肺を横切った(経細胞輸送)輸送において、一役を果たすことができる。ステロ
イド系化合物は、本調合物の放出及び漏出特徴に影響すると考えられる。
リポソームは、捕獲された水性体積を含有する完全に閉じた脂質二重層膜である。リポ
ソームは単層ベシクル(単一の膜二重層を持つ)でも、又は多層ベシクル(それぞれ隣の
ものから水層により分離された複数膜二重層と特徴とする玉ねぎ様の構造)でもよい。当
該の二重層は、疎水性の「尾」領域と、新水性の「頭」領域とを有する2つの脂質単層か
ら成る。膜二重層の構造は、脂質単層の疎水性の(非極性)「尾」が二重層の中心を向き
、他方、新水性の「頭」が水相を向くようになっている。脂質抗感染剤調合物は結合した
脂質及び抗感染剤である。この結合は共有結合でも、イオン結合でも、静電的結合でも、
非共有結合でも、又は立体的結合でもよい。これらの錯体は非リポソーム性であり、付加
的な水溶性の溶質を捕獲することはできない。このような錯体の例には、アンホテリシン
Bの脂質錯体(Janoff et al., Proc. Nat Acad. Sci., 85:6122 6126, 1988) 及びドキ
ソルビシンと錯体形成したカルジオリピンがある。
脂質包接化合物は三次元の、一種以上の脂質を用いた檻状の構造であり、この檻の中に
生理活性物質が捕獲される。このような包接化合物は本発明の範囲内に含まれる。
プロリポソームは、水性の液体と接触したときにリポソーム又は脂質錯体になることの
できる調合物である。攪拌等の混合法が必要であろう。このようなプロリポソームは本発
明の範囲内に含まれる。
5. 調製法
脂質活性物質調合物を形成するプロセスは「溶媒注入」プロセスを含む。これは、一種
以上の脂質を小量の、好ましくは最小量のプロセス適合性溶媒に溶解させて脂質懸濁液又
は溶液(好ましくは溶液)を形成するステップと、その後、活性物質を含有する水性媒質
でこの溶液を注入させるステップとを含むプロセスである。典型的には、プロセス適合性
溶媒とは、透析又はダイアフィルトレーションなどの水性プロセスで洗い落とすことので
きるものである。一種の溶媒注入法である「エタノール注入」とは、一種以上の脂質を小
量の、好ましくは最小量のエタノールに溶解させて液体溶液を形成するステップと、その
後、活性物質を含有する水性媒質でこの溶液を注入させるステップとを含むプロセスであ
る。「小量の」溶媒とは、注入プロセスでリポソーム又は脂質錯体を形成することに適合
する量である。注入プロセスのための条件がコアセルベート形成につながることが重要で
ある。ある脂質溶液を活性物質の水溶液で注入させるための究極的な条件を、ここで挙げ
た実施例や下に教示する多様なパラメータの効果に基づいて判定されねばならない。当業
者の幾人かにとって有用なものは、引用をもってその全ての全文をここに援用することと
するBunderbergde Jong, H.G., Kruyt, H.R.
Koazevation(Entmischung in Kolloidalen Systemen), Koll. Zeitsch. 1930, 50(10),
39-48; GanderB, Blanco-Prieto M.J., Thomasin C, Wandrey Ch. and Hunkeler D.,
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Some TricyclicAntidepressants and evaluation of their potential for Enhancing
TransdermalFlux. J. Controlled Release 1996, 41 (3), 215-227; Thomasin C.,
Merkle H.P.,Gander B. Drug microencapsulation by PLA/PLGA Coacervation in the
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Albumin andPoly(allylamine hydrochloride). J. Phys. Chem. B. 2002, 106,
2357-2364;Mohanty B., Bohidar H.B. Systematic of Alcohol-Induced Simple
Coacervation inAqueous Gelatin Solutions. Biomacromolecules
2003, 4,1080-1086などの文献に解説された通りにコアセルベートを形成する技術である
。好ましくは、当該のステップは直列注入プロセスにより行なわれるとよい。
リポソーム又は脂質調合物のサイズ処理は、当業者に公知であると共に容易に実施可能
な、例えば押出、音波破砕、及びホモジナイゼーション技術など、数多くの方法により達
成することができる。押出法は、リポソームを圧力下で、規定されたポア・サイズを有す
るフィルタを1回以上、通すステップを含む。このフィルタは一般的にはポリカーボネー
ト製であるが、該フィルタを、リポソームと相互作用せず、充分な圧力下での押出が可能
であるように充分な強度を持ついずれかの耐久性材料から作製してもよい。好適なフィル
タには、概して本発明の好適な押出プロセスの高圧に耐えることができるため、「ストレ
ート・スルー」フィルタがある。「七曲」フィルタも用いてよい。更に押出では、Anopor
eTMフィルタなどの非対称のフィルタを用いることができ、これは分枝状のポア型の酸化
アルミニウム製多孔質フィルタからリポソームを押し出すステップを含む。
更にリポソーム又は脂質調合物は、音波エネルギーを用いてリポソームを破壊又はせん
断することで、より小型のリポソームに自発的に成型させる音波破砕によりサイズ低下さ
せることができる。音波破砕は、リポソーム懸濁液を容れた試験管を、水槽型音波破砕器
に生じた音波震央に浸すことにより、行なわれる。代替的には、プローブ型の音波破砕器
を用いてもよく、この場合音波エネルギーは、リポソーム懸濁液と直接接触したチタニウ
ム製プローブの振動により生じる。Gifford Wood ホモジナイザ、PolytronTM又はMicrofl
uidizerなどのホモジナイゼーション及び粉砕装置を用いても、大型のリポソーム又は脂
質調合物をより小型のリポソーム又は脂質調合物に破壊することができる。
その結果得られたリポソーム性調合物は、接線流ろ過など、当業で公知の方法を用いて
均質な集団に分離することができる。この手法においては、均質な大きさとなったリポソ
ーム又は脂質調合物集団を接線流フィルタに通過させることで、サイズに上限及び/又は
下限のあるリポソーム集団になる。異なる大きさつまり異なるポア直径を有する二枚のフ
ィルタを用いると、第一のポア直径よりも小さなリポソームがフィルタを通過する。この
ろ過物は、第一のフィルタよりも小さなポア・サイズを有する第二のフィルタを通る接線
流ろ過に遭う。このフィルタの保持物は、それぞれ第一及び第二フィルタのポア・サイズ
により規定される上限及び下限サイズを有するリポソーム性/錯体形成型集団である。
Mayer らは、抗新生物剤、例えばアントラサイクリン又はビンカアルカロイドなどの親
油性でイオン化可能な生理活性物質の効率的な捕獲に伴う問題は、膜内外イオン勾配を利
用することにより軽減できることを見出した。より大きな取り込みを誘導するほかにも、
このような膜内外勾配は、リポソーム調合物中への活性物質保持を増加させる働きもする
ことができる。
脂質活性物質調合物は持続的な効果及び低い毒性を有するため、投与頻度を少なくし、
治療指数を高めることができる。臨床予備動物実験で、そして等量のトブラマイシン吸入
(非リポソーム性又は非脂質ベース型)に比較して、リポソーム性アミカシンは、投与直
後から24時間後までの時間にわたってトブラマイシンの2倍から数百倍の範囲である肺
内活性物質レベルを有することが示された。加えて、リポソーム性アミカシンはこれらの
レベルを24時間をゆうに超えて維持した。CF患者で見られるシュードモナス感染を模
倣するようにデザインされた動物モデルでは、リポソーム性アミカシンは、遊離アミノグ
リコシド類に比較して、この動物の肺内で感染を著しく消失させたことが示された。
肺表面活性物質は、呼吸中の肺の膨張及び圧縮を可能にしている。これは、肺を脂質及
びタンパク質の組合せで覆うことにより達成されている。この脂質は、外を向いた疎水性
鎖を持つ単層として提供される。脂質は肺表面活性物質の 80% を占めるが、この脂質の
大半はホスファチジルコリンであり、その 50% はジパルミトイル ホスファチジルコリン
(DPPC) である(Veldhuizenet al, 1998)。存在する表面活性物質タンパク質は、構造を
維持し、そして呼吸中に起きる肺表面活性物質の膨張及び圧縮の両方を促す働きをする。
これらのうち、SP-B及びSP-C が特に溶解性の挙動を有し、リポソームを溶解させること
ができる(Hagwood et al., 1998; Johansson, 1998)。この溶解性挙動はリポソームの段
階的な破壊を促すものかも知れない。リポソームはまた、貪食作用を通じてマクロファー
ジにより直接、飲食され得る(Couveur et al., 1991; Gonzales-Roth et al., 1991; Swe
nson et al,
1991)。肺胞マクロファージによるリポソームの取り込みは、活性物質を罹患部位に送達
することのできる別の手段である。
吸入用のリポソーム又は脂質調合物を形成するために用いることが好ましい脂質は、肺
表面活性物質に見られる内因性の脂質と共通である。リポソームは、所望の活性物質を捕
獲する二重層から成る。これらは、活性物質を異なる層の脂質又は層間の水性空間に捕獲
した状態の同心円的二重層から成る多層ベシクルとして構成することができる。本発明は
固有のプロセスを利用して固有のリポソーム性又は脂質活性物質調合物を作出するもので
ある。本プロセスと、これらのプロセスの生成物の両者とも、本発明の一部である。
ある特に好適な実施態様では、本発明の脂質活性物質調合物を、脂質溶液の流れが活性
物質溶液の流れと直列で混合されるような直列注入法により調製する。例えば、2つの溶
液を、Y又はT型コネクタよりも前の混合試験管内部で直列で混合してもよい。この態様
で、直列注入法は活性物質コアセルベートを形成するための最良の条件を創出する。この
注入法の結果、脂質対活性物質の比が低くなり、被包効率が高くなる。
別の実施態様では、本発明の脂質活性物質調合物を、脂質−有機溶媒溶液を水性の活性
物質溶液と適した過流レベルで過流させることにより、調製する。
本発明の脂質活性物質調合物を調製するもう一つの新規な方法は、第三の成分コアセル
ベートを最初に形成及び被包するステップを含み、但しこの場合の第三成分は脂質又は活
性物質以外である。第三成分は、活性物質と交換することのできる対イオンを含む荷電ポ
リマであってもよく、あるいはそれは、活性物質と配位することのできる、金属イオンな
どのイオンであってもよい。こうして活性物質は、本脂質調合物の内部に、脂質膜を横切
ったイオン交換により、あるいは、脂質内部への活性物質の拡散により、導入されよう。
コアセルベート化技術を含まない、この技術は「リモート・ローディング(原語:remote
loading)」として知られる。リモート・ローディングの例は、引用をもってその両者の
全文をここに援用することとする米国特許第5,316,771号及び第5,192,549号に開示されて
いる。
上述のプロセスは、更に、流れの速度、温度、活性化物質濃度、及び注入ステップ後の
塩添加などのパラメータを至適化することにより、更に向上させられよう。以下の実験は
、高い脂質対活性物質比に示される通り、本発明の方法を必ずしも代表するものではない
。むしろこれらは上記のパラメータの効果を検査する一組の実験を代表するものである。
複数の可変項から、コアセルベート化技術を用いてL/A比の低い脂質ベースの活性物質調
合物を形成することの背景にある新規性の理念が想到される。
5.1 流速の効果
個々の流速は、全体の流速を
800 mL/分に維持しつつ変更された。そうすることにより、我々は、2つの別個のポンプ
を、異なるポンプ速度に設定して用いた。混合した溶液を10秒間、NaCl容器を入れたビ
ーカに、最終NaCl濃度が1.5%になり、最終エタノール濃度が30%を超えないように注入し
た。混合後、1mL のアリクォートをSephadex G-75ゲル濾過カラムを泳動させて、遊離ア
ミカシンを被包されたものから分離した。密度の最も高い(視覚的混濁度から判断)1 mL
の画分を更なる分析に向けて採集した。その結果を表1に挙げる。脂質/アミカシンの
流速比を上げると、L/Dが 300/500 mL/分までほぼ一定になった。脂質速度を更に挙げる
と、L/Dは上昇し始め、粒子サイズも大きくなり始めた。と同時に、脂質の流速を上げる
と、より多くの脂質塊が添加されるにつれ、アミカシン回収率(被包効率)がより良好に
なった。
Figure 2014139248
脂質及びアミカシン溶液は40°Cに維持された。アミカシンストック溶液は50 mg/mLだ
った。注入前にNaCl10% 溶液を加えて最終1.5%を得た。注入時間は10秒に設定された
。混合試験管10cm; 0cmに配置された6要素直列混合器。
脂質/アミカシン流速を300/500
mL/分にしたバッチ3番が、最も良好なL/D 及び粒子サイズを示し、またこれと併せてア
ミカシン回収率も妥当に高かった。このように、その後の全ての実験においてこれらの流
速を用いることが決定された。
選択された条件でこの結果を再現するために、ダイアフィルトレーションを用いて完全
に洗浄されたバッチ(バッチ6番)を表2に挙げるように調製した。注入前にNaCl 10%
溶液をビーカに加えて最終濃度を2% (表1のバッチにおける1.5% と対照的に)とした。
その結果のL/D(1.71) は表1のバッチ3ほど良好でなく、粒子サイズもより高かった。
これはリポソーム形成の初期段階においてリポソームに接触するNaClの高濃度の悪影響が
原因であろう。ゲルろ過カラムを用いて分離(洗浄)された試料は、ダイアフィルトレー
ションにより洗浄されたものよりも良好な L/Dを有する傾向がある。これはリポソームが
経験したストレスの程度の違いに関係があるのかも知れないが、あるいは単に、ゲルろ過
カラム上で分離された試料が、集団全体の代表とはならない、より良好なL/Dを持つ一握
りのリポソームを含有していたのかも知れない。
Figure 2014139248
三番目のカラムは、注入直前の脂質及びアミカシン溶液の温度と、洗浄(ダイアフィ
ルトレーション)中の温度を表す。RT = 室温。「VOLサイズ」は体積で計った粒子サイズ
である。
Figure 2014139248

Figure 2014139248
脂質及びアミカシン溶液を 300/500 mL/分の速度で30秒(実施例6−10)及び2
0秒(実施例11−18)、注入した。更なる水溶液(NaCl 又は水) を加えた(50部のア
ミカシン体積に対する部として)。
5.2 プロセス温度の効果
設定はバッチ3番と同じに維持したが、例外として加えられるNaCl溶液の量を少なくし
、最終濃度を1.0%にした。注入を開始する前に溶液を再度加えた。なぜなら、短時間の
注入では、注入中に添加を行なうことが難しかったからである。更に、注入中、直列混合
器を流れの圧力下で混合試験管の末端に移動させた。混合器の位置はバッチ3の0cmでは
なく、試験管の前側端部から5cmだった。 バッチ20番での同じ温度 40/40°C 条件で得
られたL/D比は0.55というバッチ3番のほぼ半分であったため、これは重要であろう。異
なる注入温度におけるアミカシン被包を比較すると、驚くべきことに、温度が低いほうが
L/Dが良好になることに気付かれるであろう。検査した温度のうち、脂質/アミカシン温
度 30/30℃ 及び50/室温が0.32 及び0.37という同様なL/D比を出した。やはり、バッチ
1−5番と同様に、ゲルろ過により洗浄されたこれらの試料から出た数値は、低く、おそ
らくはバッチがダイアフィルトレーションにより洗浄足された場合のものよりも低いであ
ろう。
Figure 2014139248
脂質及びアミカシン溶液を300/500 mL/分の速度で10秒間、注入した。アミカシンス
トック溶液は50mg/mLだった。注入前にNaCl 10% 溶液を加えて最終的に1.0% の濃度にし
た。混合試験管10cm、5cmに配置された6要素の直列混合器。
別の実験で、それぞれ30°C 及び 30°C あるいは 50°C 及び22°Cの 90% エタノール
及び水を混合すると、ほぼ36°Cという同様な最終温度になった。このことは、個々の成
分の温度ではなく、最終的な混合物のそれがアミカシン被包にとって重要であることを示
している。温度50°C/室温を実施例6−15で用いた。実施例16−18では、2つの
流れに温度 30°C及び30°C を用いても結果は匹敵するものだったが、アミカシン被包
は少なく観察された。
5.3 水性体積の注入後添加の効果
次に、NaCl溶液添加ステップ及び洗浄プロセスステップに注意が向けられた。プロセス
・パラメータを様々な方向で変更した。流速 300/500での注入後すぐに、混合物中のエタ
ノール濃度は34%に達する。アミカシンはこの濃度では限られた可溶性しか有さない(図
2を参照されたい)。
50 mg/mLアミカシンストックで開始すると、脂質溶液との混合後には30 mg/mLを超え
る総 アミカシンとなり、このとき少なくとも半分 (15 mg/mL) が遊離アミカシンであり
、50% の被包効率となる。これは34%エタノールでの可溶性限界よりも高い。この問題に
対する考えられる解決法の一つは、より多くの水を脂質/アミカシン混合物を入れた容器
に加えることで、エタノール及びアミカシンの両方の濃度を下げることである。例えば20
0 部の水(又はNaCl 溶液)を800部の脂質/アミカシンに加えると、エタノールが27%に
減る(図2)。これによりアミカシンは温度に依っては15 mg/mL又はそれ以上で可溶性と
なる。
その上、NaClを添加すると浸透圧条件が安定になる。リポソームが形成されてアミカ
シンが200-300
mg/mLの内部濃度で被包されると、被包されていないアミカシンは僅かに最高15mg/mL 程
度となる。生理食塩水の非存在下では、これは浸透圧の不均衡を生じ、ひいてはアミカシ
ンの漏出につながるであろう。150 部の10% NaClを800 部の脂質/アミカシンに加えると
約 1.5% のNaCl最終濃度となる(リポソームの外側)。
様々な量のNaCl溶液(又はいくつかのバッチでは水)を、注入事象に対して様々な時点
で加えた数多くのバッチを作製した(表2及び3から編纂した表5を参照されたい)。こ
の表から、一般的な傾向を見て取ることができ、以下の結論が導かれる。
−注入から水性体積添加までに何らかの時間的間隔が、L/Dを低くするには必要である(
短い混合試験管を用いた場合)。バッチ6−15番のうちで、間隔20秒以上を置いたも
のがL/Dが低かった。考えうる説明の一つは、流れの混合直後ではリポソームが完全には
形成されていないというものである。混合時間を長くすることのできる長い混合試験管を
用いた場合(バッチ16−18番)、この時間的間隔は必要ではない。
− 浸透圧の均衡をとるために高濃度のNaCl 溶液を加えても、実際にはアミカシンを保
持する助けとはならない。実際、純粋を適した時間間隔で加えると、L/D及び総アミカシ
ン濃度は低くなった。
−100部のNaCl10%(バッチ9番)を注入から5分後に加えると、競合的なL/D 比になっ
たが、総アミカシン濃度はさほど良好ではなかった。それは比較的に高いエタノール濃度
での初期段階にNaClが存在す炉と、凝集及び粘性が増すからかも知れない。
Figure 2014139248
5.4 抗感染剤ストック溶液の効果
以前、50mg/mL アミカシンストック溶液を用いると捕獲が最良になることが見出され
た。アミカシンストック濃度を40 mg/mL に下げると、従来のプロセスで用いられた場合
の L/D が増した。二流直列注入プロセスでは、エタノール濃度はより高いレベルに達し
、現在の50mg/mL アミカシンは至適な濃度ではないかも知れない。
表6は、様々なアミカシンストック濃度を用いた効果を要約したものである。40 mg/mL
では匹敵するか、又はより良好なL/D値が得られ、更に優れたアミカシン回収率までも
が得られた。脂質量を一定にしつつ、用いるアミカシンを少なくし、同様な L/Dを提供す
ると、被包度が高くなった(バッチ12番)。アミカシンストック濃度を更に30 mg/mL
まで下げると僅かにL/Dが上昇したが、それでも尚、回収率は印象的だった(バッチ13
番)。
Figure 2014139248
アミカシンストック濃度を減らすことは別の意味を有する。それは注入後の脂質/アミ
カシン混合物中の遊離アミカシン濃度を減らすため、より高いエタノール濃度でもそれは
可溶性のままで居られる。脂質及びアミカシンを300/500 の比で混合し、アミカシンスト
ックは50 mg/mLであり、被包効率が37%であることを想定すると、当初の遊離アミカシン
は最高20mg/mLであろう。同様に、40 mg/mL アミカシンストックで被包が52% では、最
高12 mg/mLの遊離アミカシンになり、30 mg/mL アミカシンストックで被包が46% では最
高10 mg/mLの遊離アミカシンとなるであろう。
6. 脂質対活性物質の比
リポソーム中への活性物質(例えば アミノグリコシド類、例えばアミカシン、トブラ
マイシン、ゲンタマイシン)の捕獲を増すためにはいくつかの方法がある。一つの方法は
、大変大型のリポソーム
(>1μm)
を作製し、脂質量に対して捕獲される体積を大きくすることである。このアプローチはリ
ポソームの吸入(噴霧)には実際的でない。なぜなら1)噴霧化中のせん断ストレスはサ
イズ依存的にリポソームを破裂させる傾向があり、このときより大きなリポソーム(>0.
5μm)ほど、より大きな放出を起こす、そして2)良好な肺付着に必要な小さな液滴サイ
ズ自体が約3μm以下である。よって吸入には、放出させ過ぎないよう、リポソームのサイ
ズを出来る限り小さく維持することが好ましい。現在のところ、ここで開示するリポソー
ムにとっての平均直径は約0.4μm未満である(表4を参照されたい)。
L/A比を下げるもう一つのアプローチは負に帯電した脂質を用いることである。上に挙
げたアミノグリコシド類は化合物1個当り4乃至5個のアミンを持って高度に正に帯電し
ている。通常、これらのアミノグリコシド類の硫酸塩は治療用調合物中に用いられる。多
価陽イオン性特徴には、負に帯電したリポソームへの強い結合が伴う。この結果、リポソ
ーム形成中の捕獲が多くなる。抗感染剤調合物の目的は、肺環境内への持続的放出を提供
することである。マクロファージ取り込みよるリポソームの急速なクリアランスがこれに
対抗するであろう。負に帯電したリポソームは、中性のリポソームよりも高い程度のマク
ロファージによる取り込みに遭うことがよく文献化されている。従って、中性のリポソー
ムを用いることが好ましい。
小型のリポソーム内への大変高い活性物質捕獲率を可能にする技術の一群は、pH勾配
、硫安勾配、又は硫酸マグネシウム勾配を用いてアミン薬物をリポソーム内に充填すると
いう勾配充填に基づくものである。米国特許第5,578,320号、第5,736,155号、第5,837,27
9号、第5,922,350号(pH勾配);第5,837,282号、第5,785,987号(硫酸マグネシウム勾
配);及び第5,316,771号(硫安勾配)を参照されたい。これらの技術は膜透過性のアミ
ンにしか有効でない(ドキソルビシン及びダウノルビシンなど、中性型が透過性のモノア
ミン類)。勾配充填はアミノグリコシド類などのいくつかの抗感染剤には、これらが不透
過性であるために有効でないであろう(大き過ぎ、かつ帯電し過ぎでいるため)。
ここで解説されたプロセスはすべて、大規模な無菌的製造に簡単に適合させることがで
きる。最終的なリポソームのサイズは、脂質の組成、濃度、医薬品添加物、及びプロセス
中のパラメータを変更することにより、調節することができる。
本発明のプロセスにより得られる前記脂質対活性物質比は約 0.40 乃至 0.49 : 1であ
る。更に、生成物を特定の時間透析した後の遊離活性物質のパーセンテージは減少する。
活性物質がタンパク質などの巨大分子である場合、 L/A比は、高くとも、文献に見られる
比よりも低い数値である約1.2 である(例えば、組換えヒトスーパーオキシドジスムター
ゼ(rh-SOD)のDPPC-コレステロール-ステアリルアミン調合物中への被包が、最高5のL/D比
で調製された米国特許第 6,843,942号を参照されたい)。
7. 投薬量
本発明のいずれかの組成物の投薬量は、患者の症状、年齢及び体重、治療又は防止しよ
うとする障害の性質及び重篤度、投与経路、及び当該の組成物の形に応じて様々であろう
。本調合物のいずれも、単一の用量にして投与しても、又は分割した用量にして投与して
もよい。本発明の組成物の投薬量は当業者に公知又はここで教示する通りに容易に決定で
きよう。
いくつかの実施態様では、当該の化合物の投薬量は、一般に、体重1kg当り約0.01 ng
乃至約 10 g、具体的には1kg当り約1ng 乃至約0.1 g の範囲、そしてより具体的には1kg
当り約100 ng乃至約 50 mg の範囲内であろう。
有効な用量又は量、及び本調合物の投与タイミングに対するいずれかの可能な影響を、
本発明のいずれか特定の組成物について特定する必要があるかも知れない。これは一群以
上の動物(好ましくは一群当り少なくとも5匹の動物)を用いて又は適宜ヒトでの治験で
、ここに解説する通りの慣例的な実験により、達成できよう。いずれかの組成物及び治療
もしくは防止方法の有効性は、本組成物を投与し、一つ以上の指数を測定することにより
投与効果を評価し、そしてこれらの処置後の数値を、処置前の同じ指数の数値に比較する
ことにより評価することで、評価できよう。
いずれかの特定の当該組成物にとって、任意の患者において最も有効な処置となるであ
ろう精確な投与時期及び量は、当該組成物の活性、薬物動態、及び生物学的利用能、患者
の生理条件(年齢、性別、疾患の種類及び段階、例えば全身の肉体条件、医薬の投薬量及
び種類に対する応答性を含む)、投与経路等に応じるであろう。ここで提供する指針を用
いて処置を至適化してもよく、例えば投与の最適な時期及び/又は量を判断してもよく、
それには、対象を観察し、投薬量及び/又は時期を調節することを含め、ごく慣例的な実
験のみが必要となるであろう。
対象を処置中、処置期間の間の所定の時点で一種以上の関連する指数を測定することに
より、患者の健康を観察してもよい。組成物、投与の量、並びに調合物を含む処置を、こ
のような観察の結果に従って至適化してもよい。患者を周期的に再評価して、同じパラメ
ータを測定することにより改善の程度を判断してもよい。投与される組成物の量や、そし
て可能性としては投与時期に対する調節を、これらの再評価に基づいて行なってよい。
当該化合物の至適用量よりも少ない小量の投薬量で処置を開始してもよい。その後、こ
の投薬量を、最適な治療効果が得られるまで小量ずつ増加させていってもよい。
当該組成物の使用により、この組成物中に含まれたいずれかの個別の薬剤(例えば抗感
染剤)の必要な投薬量が減じるかも知れない。なぜなら、異なる薬剤の効果の開始及び持
続期間が補完的なことがあるからである。
当該組成物の毒性及び治療効果は、LD50及びED50を判断するためなど、細胞培養又は実
験動物における標準的な薬学的手法により判断することができよう。
細胞培養検定及び動物研究で得られたデータを、ヒトでの使用に向けて投薬量範囲を作
製する際に用いてもよい。いずれかの組成物の投薬量は、好ましくは、ED50が小さいか、
又は全く毒性のないような循環中濃度範囲内にあるとよい。投薬量は、用いる剤形や、利
用する投与経路に応じてこの範囲内で様々であろう。本発明の組成物の場合、治療上の有
効量は、まず細胞培養検定から推定されよう。
8. 調合物
本発明の脂質抗感染剤調合物はリポソームの水性懸濁液を含むであろう。本調合物に、
リポソームを形成するために脂質の医薬品添加物を含めてもよく、そして適した浸透圧及
びpHを提供するために塩/緩衝剤を含めてもよい。本調合物には薬学的な医薬品添加物
を含めてもよい。前記の薬学的な医薬品添加物は、当該の組成物又はその成分をある臓器
又は身体部分から別の臓器又は身体部分へ運搬又は輸送することに関与する液体でも、希
釈剤でも、溶媒でも、又は被包剤でもよい。各医薬品添加物は、当該組成物及びその成分
にとって適合性があり、また患者にとっては有害でないという意味において「許容可能」
でなくてはならない。適した医薬品添加物にはトレハロース、ラフィノース、マンニトー
ル、スクロース、ロイシン、トリロイシン、及び塩化カルシウムがある。他の適した医薬
品添加物の例には、(1)ラクトース及びグルコースなどの糖類;(2)コーンスターチ
及びいもでんぷんなどのでんぷん;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチ
ルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;(4)粉末トラガカ
ント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)ココアバター及び座薬用ろう
などの医薬品添加物;(9)ピーナッツアブラ、綿実油、ベニバナアブラ、ごま油、オリ
ーブ油、コーン油及び大豆油などの油類;(10)プロピレングリコールなどのグリコー
ル類;(11)グリセリン、ソルビトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオー
ル;(12)オレイン酸エチル及びラウリル酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(
14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;
(16)無発熱源水;(17)等張の生理食塩水;(18)リンガー液;(19)エチル
アルコール;(20)リン酸緩衝生理食塩水;及び(21)医薬調合物に用いられる他の
無毒性で適合性物質。
実施例
実施例1
直列注入プロセス
約20mg/ml の総脂質 (DPPC:コレステロール= 重量で2:1 ) のエタノール溶液及び約75
mg/ml の硫酸アミカシン(約50 mg/ml のアミカシン) の水溶液を、反応容器に二流−直
列注入法で反応容器に入れて混合した。 2つの溶液をY型コネクタにそれぞれ約 1.0 L/
分及び約1.5L/分の速度で供給した。二流注入中、水を別々に反応容器に、脂質溶液の流
速と同様な流速(約 1.0 L/分)で加えた。反応容器に注入されたアミカシン−脂質懸濁
液は、水の連続的な供給により瞬時に希釈される。この更なる水は、エタノールを希釈す
ることにより膜を密封する助けとなり、またそれは更に、懸濁液の粘性を低下させ、結果
的にはダイアフィルトレーション・カートリッジ入り口圧力をも低下させる。注入後、ダ
イアフィルトレーションを用いて体積を半分に減らすことで、懸濁液を濃縮する。濃縮後
の懸濁液を、3.0%NaCl 溶液の新鮮な供給中のダイアフィルトレーションで洗う。洗浄後
の懸濁液を、所望の総アミカシン濃度が達成されるまで、ダイアフィルトレーションによ
り更に濃縮する。その結果を表7に挙げる。
Figure 2014139248
実施例2
コアセルベート化技術によるウシ血清アルブミン(BSA)の被包
BSAは、等電点pI= 4.9を有するタンパク質である。この点より高いpHでは、正の負
の電荷を持つコロイドとしてそれをみなすことができる。ポリ(アリルアミンヒドロクロ
リド)などの多様な多価電解質を用いて錯体コアセルベートを形成することが示されてお
り、これはひいては媒質のイオン強度、pH及び温度により影響される。非溶剤をアルブ
ミン(エタノール)に加えると、コアセルベート化を誘導することができることも見出さ
れている。BSAをpH 7.0の水に溶解させ、加えられるエタノール濃度が45 wt%を超えると
、BSA 分子は凝集してコアセルベート相の液滴を形成するため、光散乱が著しく増す。
NaCl (イオン強度を増す)を添加すると、コアセルベート化を誘導するために必要なエ
タノールが少なくなる。pHを下げることも同様な効果を有する(図4)。二価イオン(
例えば. Mg2+)はBSAのコアセルベート化を誘導するのに必要な臨界エタノール濃度の低
下に対して更に強い効果を有する(図5)。低分子量ポリカチオンPEIをBSA溶液に加えた
ときに最も劇的な効果が見られた(図6)。このように、分子の面で0.05 mg/mL のPEI
は最高で60μM濃度であり、このことは、BSAの分子3個当り約1個のPEI分子しかないこ
とを表している。
リポソームにBSAを被包するために、BSA10 mg/ml を20 mM NaCl、pH 5.5 に溶かした
水溶液を用いた。脂質溶液を別に10 mg/mLの濃度、そしてモル比でDPPC/DPPG/コレステロ
ールが95%エタノール中で60:5:40になるように調製した。溶液すべてを30℃に予熱した。
脂質溶液tion(0.4 mL) をピペットで試験管内の1 mL BSA 溶液に加え、すぐに過流して
完全に混合するようにした。20秒後に 0.6 mL の 5% スクロース溶液を加え、過流を繰り
返した。BSAの被包を判定するために、0.8mL のできたリポソーム懸濁液を5-20% スクロ
ース勾配上に配置し、30 分、 30,000 RPMで遠心した。充填されたリポソームは20%スク
ロースよりも重いペレットを形成した。このペレットを採集し、脂質及びBSAについて定
量した。脂質は逆相HPLCにより測定され、BSAは蛍光(励起280 nm、放出320 nm)によって
測定された。ペレットは1.6 mg の脂質及び1.3 mg のBSA を含有していることが見いださ
れ、従って L/D比は1.2 であり、タンパク質について通常見られるよりも低かった(例
えば、組換えヒトスーパーオキシドジスムターゼ(rh-SOD)のDPPC-コレステロール-ステ
アリルアミン調合物中への被包物が最高5のL/D 比で調製された米国特許第6,843,942号を
参照されたい)。
参考文献

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引用による援用
本明細書で引用された公開文献及び参考文献は、特許及び特許出願を含め、各個々の公
開文献又は参考文献が具体的かつ個別に、完全に記載された通りに個々に引用により援用
されたと示唆したかのごとく、引用された部分全体におけるそれらの全文を、引用をもっ
てここに援用するものである。本出願が優先権を主張するもととなるいずれの特許出願も
、公開文献及び参考文献について上述した態様で、引用をもってここに援用することとす
る。
均等物
以上、本発明を、好適な実施態様に強調を置いて論じてきたが、当業者であれば、好適
な装置及び方法において変更を用いてもよいこと、そして、本発明はここに具体的に記載
した以外にも実施可能であろうと意図されることは、明白であろう。従って、本発明は、
以下の請求項に定義する通りの本発明の精神及び範囲に包含される全ての変更を包含する
ものである。

Claims (1)

  1. 本願明細書に記載された発明。
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