JP2014136267A - 高弾性砥石 - Google Patents

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孝明 清水
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直樹 西條
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Abstract

【課題】
本発明は、ゴム砥石よりも硬く熱硬化性樹脂を含んだ従来のポリビニルアセタール系砥石よりも柔らかく目詰まりし難いという性質を有し、高速回転研磨にも耐えて、被研磨面の形状に倣った研磨を可能とする高弾性砥石を提供するものである。
【解決手段】
本発明は、少なくともポリビニルアセタール樹脂を含む結合剤、砥粒及び気孔からなる高弾性砥石であって、その結合剤には、さらにゴム質ポリマーを含むことを特徴とするものであり、好ましくは、ポリビニルアセタール樹脂30〜60重量%、ゴム質ポリマー10〜50重量%及び熱硬化性樹脂0〜40重量%の範囲で含むことができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、適度な弾性を持ち、高速回転研磨にも耐え、目詰まりし難い高弾性砥石に関する。
結合剤としてポリビニルアセタール樹脂を含む砥石は、ビトリファイド砥石やレジノイド砥石に比べて弾性に富むことから、切削面の表面粗さが細かく且つ仕上げ研磨に要求される切削速度を持つバランスのとれた砥石として、グラビア印刷用原版銅ロールの鏡面仕上げ研磨、ガラスディスク研磨、ハードディスク用磁気ヘッド研磨等の仕上げ砥石として広く用いられている。
このポリビニルアセタール系樹脂を含む砥石は、厚みのある円盤状の形状をしており、片方の端面平面を保持治具に装着し、砥石自身或いは被研磨物も回転しながら、砥石のもう一方の端面平面で研磨するものである。従って、比較的面積が広く部分的に湾曲面のない一様な平坦面の被研磨物に適している。
一方、被研磨物が車エンジン回り等の機械部品である場合、平面を有する物は少なく、棒状又は部分的に湾曲面を有しているものが多いために、砥石自身或いは被研磨物も回転しながら形状に倣って研磨することが望まれるので、砥石の端面平面で研磨するよりは砥石の外周R面で研磨するのが通常である。このような外周R面での研磨の場合、砥石の弾性が乏しいと形状に倣って研磨することができず、局所的に研磨が進行する部分が発生し逆に形状が変形して寸法精度を保つことができなくなるという問題があった。
従来から、このような非平面が多い研磨の場合に砥石自身が被研磨物の形状に倣って弾性変形する柔らかい砥石が知られている。このような柔らかい砥石として、特許文献1には、結合基材である天然又は合成ゴム中に砥粒を加えたゴム砥石が記載されているが、このゴム砥石は、ゴムを主剤とするために柔らか過ぎて、高速回転で研磨するには機械的強度が不足し、耐熱性にも劣ると共に目詰まりし易いという問題があった。
また、特許文献2には、フェノール樹脂、尿素樹脂等の結合基材と砥粒を混合固化した複合砥粒をクロロプレン等のゴム質基材に分散した砥石が記載されているが、この砥石は、複合砥粒の微細化に限界があるために研磨面粗さが粗く、精密仕上げ研磨には適さないという問題があった。
そこで、最近では、適度な弾性を持ち、高速回転研磨にも耐える高弾性砥石が知られている。例えば、ポリビニルアセタール樹脂だけからなる砥石は、特有の微細気孔を有するために弾性砥石として用いられているが、この砥石では、水を切削クーラントに用いた場合に膨潤軟化し海綿スポンジ状となり砥石として使用できないという問題がある。また、クーラントが非水系の場合では膨潤軟化はしないものの、ワーク曲面形状に倣った研磨の場合に柔らかさに欠けるという問題がある。
特許文献3には、このような問題を解決する砥石として、ポリビニルアセタール樹脂にフェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を添加し硬化させた砥石が記載されている。しかし、この砥石でも、熱硬化性樹脂の特性がより発現して硬くなるために、ワーク曲面形状に倣った研磨を可能とするまでには至っていない。
特公昭43−4597号公報 特公昭48−8678号公報 特開平8−1522号公報
そこで、本発明の目的は、上記事情に鑑み、従来のポリビニルアセタール樹脂系高弾性砥石の問題を解決して、適度な弾性を持ち、高速回転研磨にも耐えると共に、切削水クーラント下では膨潤軟化せず、ゴム砥石よりも硬く熱硬化性樹脂を含んだ従来のポリビニルアセタール系砥石よりも柔らかく目詰まりし難いという性質を有し、被研磨面の形状に倣った研磨を可能とする高弾性砥石を提供することである。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討したところ、硬度の序列で熱硬化性樹脂やポリビニルアセタール樹脂よりも柔らかいゴム質ポリマーを結合剤に含有し、このゴム質ポリマーの混合比率を調整することで、被研磨面の形状や研磨条件に合った砥石の弾性度合いと機械的強度を調整することができるとの知見を得て、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、少なくともポリビニルアセタール樹脂を含む結合剤、砥粒及び気孔からなる高弾性砥石において、結合剤にさらにゴム質ポリマーを含むことを特徴とするものである。
また、本発明のゴム質ポリマーは、ガラス転移温度が0℃以下のものが好ましく、本発明の結合剤には、ポリビニルアセタール樹脂30〜60重量%、ゴム質ポリマー10〜50重量%及び熱硬化性樹脂0〜40重量%含まれるのが好ましく、砥石のロックウェル硬度が−50〜−130で、嵩密度が0.4〜1.0g/ccに調整されるのが好ましい。
さらに、本発明のゴム質ポリマーは、天然ゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリル・ウレタン共重合体の群から1種又は2種以上選択され、熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂の群から選択され、砥粒は、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、酸化ケイ素、エメリー、ダイヤモンド、酸化セリウム、酸化クロムの群から1種又は2種以上選択されるのが好ましい。
本発明の高弾性砥石は、被研磨面が曲面形状の場合でも、曲面形状に倣った研磨を可能とするものであり、一部の局所だけ研磨されるという事態を回避することができる。また、ポリビニルアセタール系砥石に特有な微細気孔を保有しているために、その気孔にワーク研磨切粉を捕縛して砥石自身の消耗脱落部と共に排出除去するので目詰まりが生じ難いというメリットがある。さらに、研磨荷重が作用した際に、砥粒粒子が高弾性樹脂中に押し込まれ出っ張り高さが低くなるので深大な切削痕が刻まれず、微小な表面粗さに仕上げることができるというメリットもある。
以下、本発明の高弾性砥石の一実施の形態について具体的に詳述する。本発明の高弾性砥石は、少なくともポリビニルアセタール樹脂を含む結合剤、砥粒及び気孔から構成され、その結合剤中にポリビニルアセタール樹脂の他にゴム質ポリマーを含むことを特徴とするものである。また、機械的強度等の観点から、必要に応じて、結合剤中にフェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を含有させることができる。
砥粒の種類は、被研磨物の硬度に照らし、炭化ケイ素、ダイヤモンド、アルミナ、ジルコニア、シリカ、セリア、チタニア、酸化クロム等の群から選択されるが、被研磨物がセラミックほど高硬度ではない金属材質の場合は、価格、実用性の観点から、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、シリカから選択するのが好ましい。
また、砥粒の径サイズは、JIS#80〜#8000の範囲の何れでも使用可能であり、径サイズを制約するものではないが、本発明の特徴である高弾性という性質が最も効果的に発揮される用途が仕上げ研磨であるから、この高弾性と相殺する研磨レートの実用性をも加味すれば、JIS#400〜#3000の範囲のものが好ましい。
さらに、砥粒の添加割合は、砥石重量に対して30〜80重量%の範囲が好ましい。30重量%未満では、切削刃となる砥粒密度が減少して結合剤リッチとなり弾性も益々増加するために、実用的な研磨スピードが得られない。80重量%を超えると、研磨スピードは高くなるものの、砥粒密度が増加し弾性が低下して硬くなるために、本発明の特徴である被研磨面の形状に倣った研磨ができなくなる。
本発明の結合剤には、少なくともポリビニルアセタール樹脂とゴム質ポリマーが含有されており、必要に応じて、これらの他に、更にフェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂が含有される。
本発明の高弾性砥石では、結合剤中のポリビニルアセタール樹脂とゴム質ポリマーとの2種の混合比率又はさらに熱硬化性樹脂との3種の混合比率を調整することで弾性の度合いや機械的強度を調整することができる。これら樹脂単体の硬度序列は、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂が一番硬く、次いでポリビニルアセタール樹脂であり、一番柔らかいのがゴム質ポリマーであるから、研磨条件が厳しくなく機械的強度への要求も低い場合には、結合剤は、ポリビニルアセタール樹脂とゴム質ポリマーとの2種だけで構成することが可能である。一方、研磨荷重、砥石回転数等の研磨条件が厳しく機械的強度への要求も高い場合には、熱硬化性樹脂を含む3種で構成するのが好ましい。
本発明の高弾性砥石では、結合剤の1つとしてゴム質ポリマーが必須の成分であり、このゴム質ポリマーの混合比率を調整することで砥石の弾性度合いを調整することが可能となる。ゴム質ポリマーの混合比率を増加すると、砥石を一層高弾性にすることができるが、一方で機械的強度が低下するから、その混合比率の上限を50重量%とするのが好ましい。
また、ポリビニルアセタール樹脂も、結合剤の必須の成分であり、砥石の弾性付与に多少とも寄与するが、目詰まり防止のために形成される気孔を囲むマトリックスとしての役割をなすものである。さらに、機械的強度が要求される場合には、必要に応じて、結合剤に熱硬化性樹脂を含有させることができるが、その含有量が多すぎると柔軟性が低下し曲面形状に倣った研磨ができなくなるから、その混合比率の上限を40重量%とするのが好ましい。したがって、これら2種又は3種の樹脂を含有させる場合の混合比率は、ポリビニルアセタール樹脂30〜60重量%、ゴム質ポリマー10〜50重量%、熱硬化性樹脂0〜40重量%の範囲であるのが好ましい。
本発明では、被研磨物の硬度、研磨取代、研磨時間、面粗度等要求される研磨条件に従って、上記樹脂のうち2種又は3種の混合比率を調整することができるから、高弾性と機械的強度(硬さ)といういわば相反する性質の要求を両立させて、ワーク曲面形状に倣った研磨を可能とすることができる。
本発明のゴム質ポリマーとしては、天然ゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリル・ウレタン共重合体の群から選択される1種又は2種以上の混合物からなるものが好ましい。
ゴム質ポリマーの結合剤中での混合割合は、10〜50重量%が好ましく、10重量%未満ではポリビニルアセタール樹脂又はポリビニルアセタール樹脂と熱硬化性樹脂の合計割合が増加するために、砥石硬度が上がり弾性に乏しくなる。一方、50重量%を超えると弾性には一層富むようになるものの、厳しい研磨条件では機械的強度が不足し研磨スピードも大幅に低下してしまう。
また、同種のゴム質ポリマーの場合でも、ガラス転移温度の低いものを選べばより一層弾性に富み、ガラス転移温度の高いものを選べば多少硬めにすることができるが、弾性度合いの調整のし易さからガラス転移温度が0℃以下のものが好ましい。
本発明の結合剤自身の添加割合は、砥石重量に対し20〜70重量%の範囲が好ましい。20重量%未満では砥粒の割合の方が増加するために砥石の硬度が上がり弾性に乏しくなる。一方、70重量%を超えると切削刃となる砥粒密度が減少するために実用的な研磨スピードが得られなくなる。
本発明の高弾性砥石は、気孔を含むが、この気孔は、従来のポリビニルアセタール系砥石に含まれる気孔と同様のものであり、原料樹脂と砥粒を混合スラリー化する際に加えられる水が蒸発する、又は原料と共に加えられる気孔形成剤が水洗除去されたことで形成されるものである。また、この気孔径が0.1〜100μmの貫通孔であり、砥石中の気孔の体積割合が30〜80体積%であることも、従来のポリビニルアセタール系砥石と同様である。
気孔径が0.1μm未満であると、ワーク切削切粉の捕縛性能が不足することで目詰まりが起こり易く、一方、100μmを超えると外部応力に弱い脆い砥石となってしまう。 また、気孔体積割合が30体積%未満であると、やはりワーク切削切粉の捕縛性能が不足することで目詰まりが起こり易く、また嵩密度が大きく弾性が乏しい硬い砥石となってしまう。一方、80体積%を超えると嵩密度が小さく機械的強度の弱い砥石になってしまう。そして、このような気孔径の範囲と気孔率の範囲を満足すれば、その砥石の嵩密度は、0.4〜1.0g/ccの範囲となる。
本発明の高弾性砥石の硬度は、JIS K7202‐2「ロックウェル硬さ」測定に準じた方法によれば、−50〜−130 HRSの範囲が好ましい。この硬度は、例えば松沢精機製作所製ロックウエル硬度計を用い19mmΦの金属ボールが先端に付いた圧子を砥石に接触させ基準荷重100Nを加えた際に生じた凹み深さから換算された硬度であり、プラス値が大きいほど硬く、マイナス値が大きいほど柔らかいことを意味する。
なお、本発明の高弾性砥石の硬度は、被研磨物の硬度、研磨取代、研磨時間、面粗度等要求される研磨条件に従って、−50〜−130 HRSの範囲の最適値に調整されるものであり、一義的に決められるものではない。
例えば、本発明の高弾性砥石を使って、ステンレス製で端面円周エッジにR面を持っている丸棒状ワークの円筒外周面とエッジR面を30秒掛けて両面とも均一に5μm研磨除去し平均面粗度Raを0.07μmとする仕上げ研磨の場合では、上記測定方法による硬度は、−70〜−100 HRSの範囲が好ましい。一方、比較のために結合剤がポリビニルアセタール樹脂とフェノール樹脂で構成された従来の弾性砥石(ゴム質ポリマーを含まないポリビニルアセタール系砥石)の場合では、上記測定方法による硬度は、−40〜−50 HRSの範囲を示している。
本発明では、その特徴的な性質である「高弾性」は、主として結合剤中に含有されるゴム質ポリマーの混合割合の調整によって決定されるものであるが、ゴム質ポリマーのガラス転移温度、砥石に占める砥粒の重量割合、結合剤の重量割合、気孔の体積割合等の調整によっても従的に決定されるものである。
次に、本発明の高弾性砥石の製造方法の概略について説明するが、ゴム質ポリマーを加える以外は、基本的には従来のポリビニルアセタール系砥石の製造方法と概ね同等である。
先ず、重合度が500〜3000であるポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略称する)を含んだ水溶液に、砥粒と架橋剤であるホルマリンと熱硬化性樹脂、例えばレゾール型の液状フェノール樹脂を含んだ水懸濁液を加える。この混合水懸濁液にゴム質ポリマー、例えばアクリルニトリル・ブタジエン共重合ラテックス水エマルジョンを加え、また、気孔率を調整するための澱粉懸濁水、必要ならば、攪拌による発泡を防止するために消泡剤を加えて十分に攪拌すると共に、樹脂硬化触媒の酸を加え真空攪拌して十分に脱泡した後に、砥石型に注入する。
次に、この注型砥石を40〜70℃の温度下で縮合反応を進行させて硬化させる。硬化後に型抜きされた砥石は、触媒である酸、架橋剤のホルマリンを除去するために、水洗され、脱水された後に、80〜100℃で乾燥される。この乾燥された砥石は、その後、120〜180℃で焼成され、更に形状の寸法出し加工が行われて高弾性砥石の完成品となる。本発明の高弾性砥石の形状は、円盤状でもサイコロ状でもよく、装着研磨機の条件によって任意に選ばれる。
以下、本発明の実施例1について具体的に説明する。実施例1では、先ず、PVA2kgを温水に溶解して、20wt%のPVA溶液11500mlを得た。この水溶液に気孔生成剤を2kg加え、続いてレゾールタイプの液状フェノール樹脂を1700ml添加し、次いで架橋剤として37%ホルムアルデヒド水溶液2000mlとゴム質ポリマーとしてガラス転移温度が−20℃のアクリロニトリルブタジエンタイプのラテックス2kg、そして触媒としての70%硫酸水溶液500mlとを加えた混合液に、炭化ケイ素砥粒7kgを均一に混合分散させ、反応原液を調整した。この実施例1の場合のゴム質ポリマー、ポリビニルアセタール樹脂、熱硬化性樹脂のそれぞれの混合比率(%)は、ゴム質ポリマー20wt%、ポリビニルアセタール樹脂50wt%、熱硬化性樹脂30wt%であった。
次に、この反応原液を所定の型枠に注入し、型枠ごと槽に入れて約60℃で一昼夜反応固化させた。この段階でPVA砥石の中間体を得た後に、この中間体を型枠より取り出し、水洗して未反応ホルムアルデヒド、硫酸等を除去し乾燥させた。この乾燥された中間体を乾燥機内で昇温し140℃で約20時間処理し、所定の形状に成形加工して、PVA合成砥石である本発明の高弾性砥石を得た。この高弾性砥石において、結合剤の砥石重量に対する含有率(%)は、67wt%であり、砥粒の砥石重量に対する含有率(%)は、33wt%であった。
この高弾性砥石の硬さは、上記測定法によれば−90HRSであり、嵩密度は、0.53g/ccであった。この高弾性砥石を用いて直径8mm、長さ100mmの円柱形で片端面エッジ円周部がR=2mmのR面を持つSUS製丸棒を30秒研磨したところ、丸棒円周面及びエッジR面の両面共に、Ra=0.07μmの精度に仕上がっており、局所的な研磨は生じていなかった。
実施例2では、PVAを1.7kg、レゾールタイプの液状フェノール樹脂を1500mlとし、ゴム質ポリマーとしてガラス転移温度が−20℃のアクリロニトリルブタジエンタイプのラテックスを3kg添加した以外は、上記実施例1と同様の条件でPVA合成砥石を得た。この実施例2の場合のゴム質ポリマー、ポリビニルアセタール樹脂、熱硬化性樹脂のそれぞれの混合比率(%)は、ゴム質ポリマー30wt%、ポリビニルアセタール樹脂44wt%、熱硬化性樹脂26wt%であり、結合剤の砥石重量に対する含有率(%)及び砥粒の砥石重量に対する含有率(%)は、実施例1と同じとした。
この高弾性砥石の硬さは、上記測定法によれば−105HRSであり、嵩密度は、0.53g/ccであった。この高弾性砥石を用いて直径8mm、長さ100mmの円柱形で片端面エッジ円周部がR=2mmのR面を持つSUS製丸棒を30秒研磨したところ、丸棒円周面及びエッジR面の両面共に、Ra=0.063μmの精度に仕上がっており、局所的な研磨は生じていなかった。
実施例3では、PVAを1.5kg、レゾールタイプの液状フェノール樹脂を800mlとし、ゴム質ポリマーとしてガラス転移温度が−20℃のアクリロニトリルブタジエンタイプのラテックスを4kg添加した以外は、上記実施例1と同様の条件でPVA合成砥石を得た。この実施例3の場合のゴム質ポリマー、ポリビニルアセタール樹脂、熱硬化性樹脂のそれぞれの混合比率(%)は、ゴム質ポリマー40wt%、ポリビニルアセタール樹脂38wt%、熱硬化性樹脂22wt%であり、結合剤の砥石重量に対する含有率(%)及び砥粒の砥石重量に対する含有率(%)は、実施例1と同じとした。
この高弾性砥石の硬さは、上記測定法によれば−120HRSであり、嵩密度は、0.53g/ccであった。この高弾性砥石を用いて直径8mm、長さ100mmの円柱形で片端面エッジ円周部がR=2mmのR面を持つSUS製丸棒を30秒研磨したところ、丸棒円周面及びエッジR面の両面共に、Ra=0.058μmの精度に仕上がっており、局所的な研磨は生じていなかった。
比較例
比較例では、PVAを2.5kg、レゾールタイプの液状フェノール樹脂を2100mlとし、ゴム質ポリマーとしてのラテックスを添加せずに、このラテックス固形分に替えてPVAとレゾールの固形分を追加し架橋反応させた以外は、上記実施例1と同様の条件でPVA合成砥石を得た。この比較例の場合のポリビニルアセタール樹脂と熱硬化性樹脂の混合比率(%)は、ポリビニルアセタール樹脂60wt%、熱硬化性樹脂40wt%であり、結合剤の砥石重量に対する含有率(%)及び砥粒の砥石重量に対する含有率(%)は、実施例1と同じとした。
この比較例の砥石の硬さは、−40HRSであり、嵩密度は0.62g/ccであった。この砥石を用いて実施例1と同様のSUS製丸棒を30秒研磨したところ、丸棒円周面はRa=0.12μmの精度に仕上がったが、エッジR面は研磨されず、また丸棒両端部の直径に2μmの差が生じて、ごく緩やかなテーパー形状となっていた。

Claims (7)

  1. 少なくともポリビニルアセタール樹脂を含む結合剤、砥粒及び気孔からなる高弾性砥石において、前記結合剤にさらにゴム質ポリマーを含むことを特徴とする高弾性砥石。
  2. 前記ゴム質ポリマーは、ガラス転移温度が0℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の高弾性砥石。
  3. 前記結合剤は、ポリビニルアセタール樹脂30〜60重量%、ゴム質ポリマー10〜50重量%及び熱硬化性樹脂0〜40重量%を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の高弾性砥石。
  4. ロックウェル硬度が−50〜−130であり、嵩密度が0.4〜1.0g/ccであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の高弾性砥石。
  5. 前記ゴム質ポリマーは、天然ゴム、アクリルニトリル・ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリル・ウレタン共重合体のうちの1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の高弾性砥石。
  6. 前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂のうちの1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の高弾性砥石。
  7. 前記砥粒は、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、酸化ケイ素、エメリー、ダイヤモンド、酸化セリウム、酸化クロムのうちの1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の高弾性砥石。


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