JP2014135254A - 正極活物質及び蓄電素子 - Google Patents

正極活物質及び蓄電素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2014135254A
JP2014135254A JP2013004090A JP2013004090A JP2014135254A JP 2014135254 A JP2014135254 A JP 2014135254A JP 2013004090 A JP2013004090 A JP 2013004090A JP 2013004090 A JP2013004090 A JP 2013004090A JP 2014135254 A JP2014135254 A JP 2014135254A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
negative electrode
manganese
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013004090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6135980B2 (ja
Inventor
Kazuki Kawaguchi
和輝 川口
理史 ▲高▼野
Masafumi Takano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GS Yuasa Corp
Original Assignee
GS Yuasa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GS Yuasa Corp filed Critical GS Yuasa Corp
Priority to JP2013004090A priority Critical patent/JP6135980B2/ja
Publication of JP2014135254A publication Critical patent/JP2014135254A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6135980B2 publication Critical patent/JP6135980B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

【課題】高温耐久性に優れた正極活物質等を提供する。
【解決手段】非水電解質二次電池に用いられる正極活物質であって、リン酸鉄リチウムと、添加元素としての300〜1500質量ppmのマンガンとを含有していることを特徴とする正極活物質。
【選択図】 図2

Description

本発明は、正極活物質及び蓄電素子に関する。
従来、ハイブリッド電気自動車(HEV)等に搭載される電池の一例として、リチウムイオン電池等の非水電解液二次電池等が知られている。かかる電池としては、一般的に、少なくとも正極板及び負極板を具備した発電要素(エレメント)を容器に収容した形態が知られている。詳細には、前記正極板は、正極集電体と、該正極集電体上に担持された正極活物質とを有しており、前記負極板は、負極集電体と、該負集電体上に担持された負極活物質とを有している。前記発電要素は、前記正極板と、前記負極板と、これら正極板及び負極板間に配されたセパレータとが積層されて構成されている。また、前記容器には、電解液が注入されている。
この種の非水電解液二次電池としては、前記正極活物質が、リン酸鉄リチウム化合物といった鉄を含有する化合物であるものが知られている。自動車に装備される非水電解液二次電池は、高温環境下で使用される場合がある。このような場合、正極活物質中に存在している鉄(Fe)が電解液中に溶出するおそれがある。そして、溶出物が負極電極部材の表面で析出し、析出物が該表面を被覆することによって、充放電容量の低下が促進される(高温耐久性が低い)という問題がある。
一方、前記正極活物質として、リン酸鉄リチウム化合物とマンガン(Mn)成分とを含有するものが提案されている(特許文献1〜3参照)。このように、リン酸鉄リチウム化合物がマンガン成分を含有していることによって、正極活物質のイオン伝導率が向上するため、非水電解液二次電池の放電容量が高められたものとなる。
特開2010−528410号公報 特開2009−104983号公報 特開2005−047751号公報
しかし、上記特許文献1〜3に示すような活物質を有する電池においても、高温環境下で使用される場合、充放電容量が低下するおそれがあり、高温耐久性が十分とは言い難い。
本発明は、上記問題点に鑑み、高温耐久性に優れた正極活物質及び蓄電素子を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、リン酸鉄リチウム化合物を含有する正極活物質では、マンガン成分が含有されていない場合には鉄成分が溶出して高温耐久性が低下し、一方、上記従来技術のようにマンガン成分が含有されている場合であっても、マンガン成分の含有量が多過ぎる場合には、マンガン成分が溶出して高温耐久性が低下することを見出した。そして、前記活物質中のマンガン含有量を所定の範囲に設定することによって、高温耐久性の低下が抑制された正極活物質が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る正極活物質は、
蓄電素子に用いられる正極活物質であって、
リン酸鉄リチウムと、添加元素としてのマンガンとを300〜1500質量ppm含有していることを特徴とする。
ここで、かかる構成において、前記マンガンの含有量は、前記正極活物質全体に対するマンガンの含有量を意味する。
かかる構成によれば、正極活物質が、リン酸鉄リチウムと、添加元素としての300〜1500質量ppmのマンガンとを含有していることによって、該正極活物質を用いた電池は、高温で放置されたり使用されたりした場合であっても、充放電容量の低下が抑制されたものとなる。
従って、上記構成によれば、高温耐久性に優れた正極活物質が得られる。
なお、正極活物質中に不純物としてマンガンが含有されている場合、該不純物としてのマンガンの含有量は、通常、該正極活物質の全体に対して100ppm以下であり、前記300ppm以上のマンガン含有量は、該活物質中にマンガンを意図的に添加することによって、達成され得るものである。
また、本発明に係る蓄電素子は、
前記正極活物質を含む正極と、
負極と、
セパレータと、
電解液とを備えている。
かかる構成によれば、前記正極活物質を備えているため、高温耐久性に優れた蓄電素子が得られる。
以上の通り、本発明によれば、高温耐久性に優れた正極活物質及び蓄電素子が提供される。
本発明の一実施形態の非水電解液二次電池を示す概略斜視図 本実施形態の非水電解液二次電池に備えられた発電要素を示す概略斜視図 図2の正極板、セパレータ及び負極板を模式的に示す概略平面図
以下、本発明に係る正極活物質を備えた蓄電素子について、該蓄電素子が非水電解液二次電池である場合を例に挙げて、図面を参照しつつ説明する。
図1、図2に示すように、本実施形態の非水電解液二次電池1は、容器2と、前記容器2内に収容された発電要素(エレメント)10と、前記容器2内に収容された電解液20とを備えている。また、前記発電要素10は、正極としての正極板11と、該正極板11とは反対の極性を有する負極としての負極板13と、該両電極板の間に配されたセパレータ15とを備えており、これらが積層されて構成されている。
を備えている。
前記容器2は、発電要素10を収容可能な容器本体3と、容器本体3を覆う蓋部材4とを備えている。容器本体3及び蓋部材4は、例えばステンレス鋼板で形成され、互いに溶接されている。
蓋部材4の外面には、絶縁材料から形成された外部ガスケット5が配されている。また、蓋部材4及び外部ガスケット5は、それぞれ開口部を有し、蓋部材4の開口部と外部ガスケット5の開口部とが連なっている。この外部ガスケット5の内部に外部端子21が収容されている。
外部端子21は、外部ガスケット5の開口部及び蓋部材4の開口部を貫通して容器本体3の内部に突出しており、該外部端子21の突出部分は、発電要素10の正極及び負極板11、13に接続された集電部(不図示)と接続されている。なお、該集電部の形状は特に限定されないが、例えば板状である。該集電部は、接続される電極部材と同じ種類の金属部材から形成されている。外部端子21は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金等のアルミニウム系合金材料で形成されている。
外部ガスケット5及び外部端子21は、正極用と負極用とが設けられている。正極用の外部ガスケット5及び外部端子21は、蓋部材4の長手方向における一端側に配され、負極用の外部ガスケット5及び外部端子21は、該長手方向における他端側に配されている。
蓋部材4は、電解液20を容器本体3内に注入するための注入口(不図示)を有しており、この注入口は、電解液20の注入後に封止されるようになっている。
容器本体3内には、発電要素10が収容されていている。容器本体3内には、1つの発電要素10が収容されていてもよく、複数の発電要素10が収容されていてもよい。後者の場合には、複数の発電要素10は、電気的に並列に接続されている。
前記正極板11は、アルミ箔等の正極集電体11aの両面上に、正極活物質を含有する正極合剤11bが配されて形成されている。具体的には、正極板11は、正極集電体11aと、正極活物質を有する層状の正極合剤11bとを備えており、正極集電体11a上に、前記正極合剤11bが積層されて形成されている。
なお、前記正極合剤11b及び前記正極活物質の詳細については後述する。また、本実施形態では、正極合剤11bが正極集電体11a上に層状に配された態様を示すが、該正極集電体11a上に配された正極合剤11bは、このような層状に特に限定されるものではない。
前記正極合剤11bの層の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、片面あたり20μm〜200μm程度である。
前記負極板13は、銅箔等の負極集電体13a上に負極合剤13bが配されて形成されている。具体的には、負極板13は、負極集電体13aと、負極活物質を含有する層状の負極合剤13bとを備えており、負極集電体13a上に、負極合剤13bが積層されて形成されている。
かかる負極合剤13bに含有されている負極活物質としては、例えば、非晶質炭素、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、黒鉛等の炭素系物質等が挙げられる。
なお、負極合剤13bは、上記負極活物質の他に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の結着剤や、アセチレンブラック等の導電助剤等を有していてもよい。
前記負極合剤11bの層の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、片面あたり20μm〜200μm程度である。
セパレータ15は、正極及び負極板11、13との電気的な接続を遮断しつつ、電解液20の通過を許容するものである。かかるセパレータ15としては、例えばポリエチレン等のポリオレフィン樹脂から形成された多孔質膜等が挙げられる。かかる多孔質膜には、可塑剤、酸化防止剤、難燃剤等の添加剤が含有されていてもよい。
前記電解液20は、有機溶媒に電解質が溶解されて構成されている。前記電解液20に用いられる有機溶媒としては、特に制限はなく、例えばエーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、硫黄化合物、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、カーボネート類、ニトロ化合物、リン酸エステル系化合物、スルホラン系炭化水素類等が挙げられる。これらのうちでも、エーテル類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、ハロゲン化炭化水素類、カーボネート類、スルホラン系化合物が好ましい。これらの例としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール、モノグライム、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸エチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジクロロエタン、γ−ブチロラクトン、ジメトキシエタン、メチルフォルメイト、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルチオホルムアミド、スルホラン、3−メチル−スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルおよびこれらの混合溶媒等を挙げることができる。好ましくは、環状カーボネート類および環状エステル類である。最も好ましくは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、およびジエチルカーボネートのうち、1種または2種以上した混合物の有機溶媒である。
また、前記電解液20に用いられる電解質塩としては、特に制限はなく、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、CF3SO3Li、LiPF6、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiI、LiAlCl4等およびそれらの混合物が挙げられる。これらのうちでも、LiBF4及びLiPF6の1種または2種以上を混合したリチウム塩が好ましい。
なお、電解液20は、上記の有機溶媒及び電解質塩を含有する電解液に特に限定されるものではない。
また、上記の他、電解質として、補助的に固体のイオン導伝性材料から形成された膜(固体電解質膜)が、さらに用いられ得る。この場合、非水電解液二次電池1が、正極板11と負極板13とこれらの間に配されたセパレータ15及び前記固体電解質膜と、電解液20とで形成され得る。また、非水電解液二次電池1が、正極板11と負極板13とこれらの間に配された前記固体電解質膜と、電解液20とで形成され得る。
また、前記固体電解質膜が、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルまたはポリエチレングリコール、およびこれらの変成体等から形成されている有機固体電解質であることは、軽量で柔軟性があるため、巻回される場合に有利である。さらに、前記固体電解質膜としては、上記の他、無機固体電解質、または、有機固体電解質と無機固体電解質との混合材料等を用いて形成され得る。
そして、本実施形態では、前記正極合剤11bは、前記正極活物質と、結着剤と、導電助剤とを含有している。
前記正極活物質は、リン酸リチウム化合物(リン酸鉄リチウム)と、該正極活物質の全体に対して300〜1500質量ppmの、添加剤としてのマンガン成分(マンガン)とを含有している。なお、前記マンガン成分の含有量は、前記合剤全体に対するマンガン成分の含有量を意味する。
前記リン酸鉄リチウム化合物は、LiFePO4で表される化合物である。
上記のように、前記正極活物質が、リン酸鉄リチウム化合物と、300〜1500質量ppmのマンガン成分とを含有していることによって、該正極活物質を用いた非水電解液二次電池1が高温で放置されたり使用されたりした場合であっても、鉄成分及びマンガン成分の溶出が抑制される。これにより、該非水電解液二次電池1は、充放電容量の低下が抑制されたものとなる。従って、高温耐久性に優れた正極活物質が得られる。
また、より確実に高温耐久性が発揮されるという観点から、前記マンガン成分の含有量は、該正極活物質の全体に対して500〜1080質量ppmであることが好ましい。かかるマンガン成分の含有量は、後述する実施例に記載した方法で測定される。
前記正極活物質は、通常の一般的な範囲では、正極合剤11bの全体に対して、80〜96質量%含有されている。かかる正極活物質の含有量は、正極合剤11bの全体に対して85〜95質量%が好ましい。
また、前記正極活物質は、一次粒子の表面にカーボンを備えて構成されたことが好ましい。これにより、カーボンによって一次粒子間にひろがる良好な導電ネットワークが形成されるので、前記正極活物質の導電性が向上される。
前記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。かかる結着剤は、通常の一般的な範囲では、正極合剤11bの全体に対して、2〜10質量%含有されている。かかる結着剤の含有量は、正極合剤11bの全体に対して3〜7質量%が好ましい。
前記導電助剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。かかる結着剤は、通常の一般的な範囲では、正極合剤11bの全体に対して2〜10質量%含有されている。かかる導電助剤の含有量は、正極合剤11bの全体に対して3〜7質量%が好ましい。
なお、前記正極合剤11bは、前記正極活物質、前記結着剤及び導電助剤以外の、他の成分を含有していてもよい。
また、前記正極合剤11bは、リン酸鉄リチウム化合物と、該正極合剤11bの全体に対して270〜1350質量ppmのマンガン成分と、結着材と、導電助剤とを含有している。
このように、前記正極合剤11bが、リン酸鉄リチウム化合物と、270〜1350質量ppmのマンガン成分とを含有していることによって、該正極板11bを含有する正極板11を用いた非水電解液二次電池1は、高温で放置されたり使用されたりした場合であっても、鉄成分及びマンガン成分の溶出が抑制される。これにより、該非水電解液二次電池1は、充放電容量の低下が抑制されたものとなる。従って、高温耐久性に優れた正極板11が得られる。
また、より確実に高温耐久性が発揮されるという観点から、前記マンガン成分の含有量は、該正極合剤11bの全体に対して450〜975質量ppmであることが好ましい。なお、かかるマンガン成分の含有量は、後述する実施例に記載された方法で測定される。
続いて、本実施形態の正極活物質、正極合剤11b及び非水電解液二次電池1の製造方法について説明する。
まず、本実施形態の正極活物質の製造方法について説明する。
例えば、まず、水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)及びリン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)が所定量となるように量り取られ、それぞれイオン交換水中に溶解された後に、両溶液が攪拌されながら混合されて、第1の混合溶液が調製される。得られた第1の混合溶液に対しては、窒素ガスバブリングが実施されることができ、これにより、鉄の酸化が抑制され、劣化が防止される。
次いで、アスコルビン酸が溶解されたイオン交換水に、マンガン成分として硫酸マンガン五水和物(MnSO4・5H2O)が所定量となるように量り取られ、さらに、硫酸鉄七水和物(FeSO4・7H2O)が所定量となるように量り取られ、これらが溶解されて、第2の混合溶液が調製される。得られた第2の混合溶液に対しても、上記同様、窒素ガスバブリングが実施され得る。なお、マンガン成分として添加される硫酸マンガンの添加量が変更されることによって、正極活物質中のマンガン含有量が調整される。
該第2の混合溶液が上記第1の混合溶液に、撹拌されながら添加され、混合されることによって、前駆体溶液が調製される。
上記で得られた前駆体溶液が、水熱反応容器に導入され、窒素ガスで充分に置換された後に、160〜200℃で水熱合成が実施される。その水熱合成時間(前記水熱合成温度を維持する時間)は、例えば6〜24時間と設定され得るが反応が良好に進むのであればこの範囲に限られない。昇温から取り出しまでの間、水熱反応容器に付属の撹拌羽根によって、撹拌されることが好ましい。
そして、かかる水熱反応によって得られた生成物が、イオン交換水とアセトンとを用いること等によって十分に洗浄された後、80〜150℃で5時間以上の減圧乾燥が行われることによって、上記マンガンを含有しているリン酸鉄リチウムの粉末が、正極活物質として作製される。
さらに、この粉末に、ポリビニルアルコールと50℃に加温した水とが少量加えられ混合され、ガム状のペーストとされた後に雰囲気置換式焼成炉が用いられて、窒素ガス流通下で600〜800℃の加熱が行われることによって、表面にカーボンを備えた正極活物質が製造され得る。
次に、本実施形態の正極板11及び非水電解液二次電池の製造方法について説明する。
例えば、まず、前記正極活物質と、前記結着剤と、前記導電助剤等と、N−メチルピロリドン等の有機溶媒とが混合されて、ペースト状の混合物(正極合剤ペースト)が調製される。この混合物が、正極集電体11aの上に塗布されて乾燥された後、得られた積層体が、ロールプレス等で圧縮されて、正極板11が作製される。このとき、前記含有量のマンガン成分を有する正極活物質と、前記結着剤と、前記導電助剤等との間で配合量が調整されることによって、前記正極合剤11b中のマンガン成分の含有量が調整される。
同様にして、前記負極活物質と、前記結着剤と、前記導電助剤等と、前記有機溶媒とが混合されて、ペースト状の混合物(負極合剤ペースト)が得られる。この混合物が、負極集電体13aの上に塗布されて乾燥された後、得られた積層体が、ロールプレス等で圧縮されて、負極板13が作製される。
次に、正極板11、セパレータ15、負極板13及びセパレータ15が、この順で積層された後、巻回されて発電要素10が形成される。そして、容器本体3に発電要素10が挿入され、正極及び負極板11、13に前記集電部が接続され、外部ガスケット5及び外部端子21が装着された蓋部材4で容器本体3が覆われて前記集電部と外部端子21とが接続され、この状態で容器本体3と蓋部材4が溶接され、注入口(不図示)を通して電解液20が注入され、そして該注入口が塞がれることによって、非水電解液二次電池が作製される。
なお、本実施形態の非水電解液二次電池1の製造方法は、上記製造方法に特に限定されるものではない。
上記の通り、本実施形態の正極活物質は、蓄電素子に用いられる正極活物質であって、
リン酸鉄リチウムと、添加元素としての300〜1500質量ppmのマンガンとを含有している。かかる構成によれば、前記正極活物質がリン酸鉄リチウム化合物と、300〜1500質量ppmのマンガン成分とを含有していることによって、該正極活物質を用いた非水電解液二次電池1は、高温で放置されたり使用されたりした場合であっても、充放電容量の低下が抑制されたものとなる。従って、上記構成によれば、高温耐久性に優れた正極活物質が得られる。
また、本実施形態の正極板11は、正極集電体11aと、該正極集電体11a上に配された正極合剤11bとを備え、前記正極合剤11aは、リン酸鉄リチウム化合物と、270〜1350質量ppmのマンガン成分とを含有している。かかる構成によれば、正極合剤11bがリン酸鉄リチウム化合物と、270〜1350質量ppmのマンガン成分とを含有していることによって、該正極板11を用いた非水電解液二次電池1は、高温で放置されたり使用されたりした場合であっても、充放電容量の低下が抑制されたものとなる。従って、上記構成によれば、高温耐久性に優れた正極板11が得られる。
また、本実施形態の非水電解液二次電池1は、前記正極活物質を含む正極板11と、該正極板11とは反対の極性を有する負極板13と、セパレータ15と、電解液20と、を備えている。かかる構成によれば、前記正極板11を備えていることによって、高温耐久性に優れた非水電解液電池1が得られる。
本発明の正極活物質及び蓄電素子は、上記の通りであるが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更され得る。また、本発明の電池は、非水電解液二次電池であることが好適であり、リチウムイオン二次電池であることが特に好適であり、また、ハイブリッド電気自動車(HEV)用のリチウムイオン二次電池であることが特に好適であるが、これらに特に限定されるものではない。また、本発明の作用効果も上記実施形態に限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<マンガン成分を含有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)の作製>
まず、水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)(株式会社ナカライテスク、以下同じ)を90.6g及びリン酸水素二アンモニウム((NH4)2HPO4)(株式会社ナカライテスク、以下同じ)が142.5g量り取られ、それぞれ540mLのイオン交換水中に溶解された後に、両溶液が攪拌されながら混合されて、第1の混合溶液が調製された。この第1の混合溶液に対して窒素ガスバブリング(流量0.5L/min)が約30分間行われた。
次に、アスコルビン酸(株式会社ナカライテスク、以下同じ)21.0gが溶解された1200mLのイオン交換水に、マンガン成分として硫酸マンガン五水和物(MnSO4・5H2O)(株式会社ナカライテスク、以下同じ)が、正極活物質の全体に対するマンガン成分の含有量が表1に示されたものとなるように、それぞれ0.150g、0.225g、0.375g、0.600g、0.810g、0.900g、1.120g、1.270g量り取られた。さらに、それぞれの液に、硫酸鉄七水和物(FeSO4・7H2O)(株式会社ナカライテスク、以下同じ)が300.0gずつ量り取られ、溶解されて、第2の混合溶液が調製された。この第2の混合溶液についても、窒素ガスバブリング(流量0.5L/min)が約30分間行われた。これら第2の混合溶液がそれぞれ、上記で得られた第1の溶液に、撹拌されながら添加され、混合されることによって、前駆体溶液がそれぞれ得られた。
各前駆体溶液が、水熱反応容器に導入され、窒素ガスで充分に置換された後に、170℃で水熱合成が実施された。水熱合成時間(前記水熱合成温度を維持する時間)は15時間とされた。なお、昇温速度は100℃/h、降温は自然放冷とされた。昇温から取り出しまでの間は、水熱反応容器に付属の撹拌羽根によって、容器内の液が100rpmで撹拌された。得られた生成物は、イオン交換水とアセトンとを用いて十分に洗浄された後、120℃で6時間の減圧乾燥が行われることによって、表1に示される含有量のマンガン成分を含有しているリン酸鉄リチウムの粉末(正極活物質)が、それぞれ得られた。
得られた各粉末中のマンガン成分の含有量(各粉末の全体に対するマンガン含有量、Mn含有量)は、その粉末が市販の濃塩酸(特級)を用いて溶解させた後に、その溶液をイオン交換水で適当な濃度に希釈したものをICP分析することによって測定された。結果を表1に示す。
<正極板の作製>
上記のように作製した正極活物質が用いられ、各正極活物質90質量%と、導電助剤としてのアセチレンブラック5質量%と、PVDF5質量%とが混合され、この混合物に溶剤としてのN−メチルピロリドンが加えられて正極合剤ペーストが形成された。このペーストが、正極集電体としてのアルミニウム箔の両面に塗布された。このとき、乾燥後の片面あたりの合剤の重量が1.6g/100cm2となるように塗布された。また、これが乾燥された後、ロールプレスで500kgf/cmの負荷が印加されて圧縮成型された。これにより、帯状の正極板が、それぞれ作製された。各正極電極部材の大きさは、長さが210cm、幅が13cm、正極集電体と両面の正極合剤との合計の層の厚みが190μmであった。
また、正極板から、事務用カッターなどの鋭利な金属片の先端を用いて合材部をアルミニウム箔から剥離することによって正極合材が0.2g採取された。そして、採取され正極合材中のマンガン成分の含有量(各粉末の全体に対するマンガン含有量、Mn含有量)が、その剥離した合剤部分を市販の濃塩酸(特級)を用いて溶解させた後にその溶液をイオン交換水で適当な濃度に希釈したものをICP分析することによって、測定された。結果を表1に示す。
<負極板の作製>
負極活物質としてのグラファイト90重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量%とが混合され、この混合物に溶剤としてのN−メチルピロリドンが加えられて負極合剤ペーストが形成された。このペーストが負極集電体としての銅箔の両面に塗布された。このとき、乾燥後の片面あたりの合剤の重量が0.74g/100cm2となるように塗布された。これが乾燥された後、ロールプレスで100kgf/cmの負荷が印加されて圧縮成型された。これにより、帯状の負極電極部材が作製された。負極板の大きさは、長さが220cmで、幅が13cmで、負極集電体と両面の負極合剤との合計の層の厚みが120μmであった。
<試験電池の作製>
上記のように作製された各正極電極部材及び負極電極部材の各々に、正極タブ及び負極タブが取り付けられた。
また、セパレータとして幅12cm、厚み25μmのポリオレフィン製微多孔膜が準備された。
次いで、各正極部材、セパレータ、負極部材及びセパレータの順に積層され、長円筒状に巻回された。これにより、発電要素が作製された。かかる発電要素が、容器に収容され、該容器に蓋をされ、電解液が注入されることによって、各試験電池が作製された。
<容量保持性試験>
各試験電池が用いられて、容量保持性試験が行われた。
具体的には、1CAの電流で3.6Vの電圧まで定電流定電圧充電(CV充電)を合計3時間実施された後、1CAの電流で2.0Vの電圧まで定電流放電(CC放電)されたときの放電容量が測定された(以降、この放電容量を1CA放電容量と記載する)。
次に、この試験電池に対して、2CAの電流で3.6Vの電圧まで定電流充電された後、2CAの電流で2.0Vの電圧まで定電流放電される充放電条件で1000サイクル充放電された後の1CA放電容量が求められ、放電容量保持率(%)が算出された。なお、ここで「放電容量保持率(%)」は、1000サイクル後の放電容量を初期放電容量で除した値に100を掛けた値とされた。結果を表1に示す。
Figure 2014135254
表1に示すように、正極活物質中のマンガン成分の含有量が300質量ppm以上1500ppm以下の場合には、300質量ppm未満の場合及び1500ppmを超える場合と比較して、容量保持率が顕著に高かった。また、正極合剤中のマンガン成分の含有量が270質量ppm以上1350ppm以下の場合には、270質量ppm未満の場合及び1350ppmを超える場合と比較して、容量保持率が顕著に高かった。
1:非水電解液二次電池、3:容器、10:エレメント、11:正極板、11a:正極集電体、11b:正極合剤、13:負極板、13a:負極集電体、13b:負極合剤、15:セパレータ、20:電解液

Claims (2)

  1. 蓄電素子に用いられる正極活物質であって、
    リン酸鉄リチウムと、添加元素としての300〜1500質量ppmのマンガンとを含有していることを特徴とする正極活物質。
  2. 請求項1に記載の正極活物質を含む正極と、
    負極と、
    セパレータと、
    電解液とを備えている蓄電素子。
JP2013004090A 2013-01-11 2013-01-11 正極活物質及び蓄電素子 Active JP6135980B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013004090A JP6135980B2 (ja) 2013-01-11 2013-01-11 正極活物質及び蓄電素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013004090A JP6135980B2 (ja) 2013-01-11 2013-01-11 正極活物質及び蓄電素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014135254A true JP2014135254A (ja) 2014-07-24
JP6135980B2 JP6135980B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=51413376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013004090A Active JP6135980B2 (ja) 2013-01-11 2013-01-11 正極活物質及び蓄電素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6135980B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514304A (ja) * 2001-12-21 2005-05-19 マサチューセッツ・インスティチュート・オブ・テクノロジー 伝導性リチウム貯蔵電極
JP2009004371A (ja) * 2007-05-21 2009-01-08 Toda Kogyo Corp 非水電解質二次電池用オリビン型複合酸化物及びその製造方法、並びに二次電池
WO2010103821A1 (ja) * 2009-03-13 2010-09-16 Jfeケミカル株式会社 リン酸鉄リチウムの製造方法
JP2010232091A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法とリチウムイオン電池用正極活物質及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池
JP2012099471A (ja) * 2010-10-08 2012-05-24 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電極用材料、及び蓄電装置の製造方法
JP2012527067A (ja) * 2009-05-11 2012-11-01 ズード−ケミー アーゲー リチウム金属混合酸化物を含む複合材料

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514304A (ja) * 2001-12-21 2005-05-19 マサチューセッツ・インスティチュート・オブ・テクノロジー 伝導性リチウム貯蔵電極
JP2009004371A (ja) * 2007-05-21 2009-01-08 Toda Kogyo Corp 非水電解質二次電池用オリビン型複合酸化物及びその製造方法、並びに二次電池
WO2010103821A1 (ja) * 2009-03-13 2010-09-16 Jfeケミカル株式会社 リン酸鉄リチウムの製造方法
JP2010232091A (ja) * 2009-03-27 2010-10-14 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd リチウムイオン電池用正極活物質の製造方法とリチウムイオン電池用正極活物質及びリチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池
JP2012527067A (ja) * 2009-05-11 2012-11-01 ズード−ケミー アーゲー リチウム金属混合酸化物を含む複合材料
JP2012099471A (ja) * 2010-10-08 2012-05-24 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電極用材料、及び蓄電装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6135980B2 (ja) 2017-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2784854B1 (en) Nonaqueous electrolyte battery and battery pack
WO2013076847A1 (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP5888551B2 (ja) 密閉型リチウム二次電池の製造方法
EP2677574B1 (en) Battery electrode and manufacturing method thereof, non-aqueous electrolyte battery, battery pack, and active material
EP2840639B1 (en) Electrolyte solution for lithium secondary battery and lithium secondary battery using the same
JP5818116B2 (ja) 密閉型リチウム二次電池とその製造方法
JP5854279B2 (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
EP2876723A1 (en) Lithium secondary battery
WO2014010526A1 (ja) 非水電解質二次電池
JP2007035358A (ja) 正極活物質及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次電池
JP6086248B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2008027782A (ja) リチウム二次電池
EP3723180A1 (en) Liquid electrolyte for non-aqueous electrolyte cell, and non-aqueous electrolyte cell in which said liquid electrolyte for non-aqueous electrolyte cell is used
JP6755182B2 (ja) リチウムイオン二次電池
US8980482B2 (en) Nonaqueous electrolyte lithium ion secondary battery
JP6899312B2 (ja) 非水電解質、及び非水電解質蓄電素子
JP6812827B2 (ja) 非水電解液およびそれを用いた非水電解液電池
JP4573098B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP5326923B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2009004357A (ja) 非水電解液リチウムイオン二次電池
JP6120065B2 (ja) 非水電解液二次電池及びその製造方法
WO2014115403A1 (ja) 非水電解液二次電池及びその製造方法
JP7091574B2 (ja) 非水電解質二次電池
WO2013151096A1 (ja) リチウム二次電池
JP5975291B2 (ja) 非水電解液二次電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170331

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6135980

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150