以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明が適用されたナビゲーションシステム100の概略的な構成の一例を示すブロック図である。図1に示すナビゲーションシステム100は、センタ1及びナビゲーション装置2を含んでいる。
センタ1は、サーバから構成されている。なお、センタ1は、1つのサーバ装置からなるものであってもよいし、複数のサーバ装置からなっているものであってもよい。ここで、図2を用いてセンタ1の概略的な構成について説明を行う。図2に示すように、センタ1は、通信部11、交通情報DB12、地図DB13、及び制御部14を備えている。
通信部11は、携帯電話網やインターネット等の通信網を介して、ナビゲーション装置2との間で通信を行う。例えば、通信部11は、ナビゲーション装置2から送信されてくる後述のOD情報を受信して制御部14に出力する。また、通信部11は、制御部14の指示に従い、制御部14で探索した後述の最適経路をナビゲーション装置2に送信する。
交通情報DB12には、所定の時間帯ごとの、道路区間を示すリンクの走行所要時間(以下、リンク旅行時間)を決定できる交通情報が、格納されている。よって、この交通情報DB12が請求項の交通情報蓄積部に相当する。リンク旅行時間を決定できる交通情報とは、リンク旅行時間自体であってもよいし、複数段階で渋滞の度合いを示す渋滞情報であってもよい。所定の時間帯とは、1日24時間を所定数に分割した各時間帯であって、例えば5分刻みの時間帯等とすればよい。
リンク旅行時間や渋滞情報は、VICS(登録商標)センタから取得する構成とすればよい。他にも、リンク旅行時間は、プローブカー(フローティングカー)から取得した情報に基づいて生成する構成としてもよい。
リンク旅行時間や渋滞情報をVICSセンタから取得する場合には、VICSセンタから逐次配信される所定の時間帯ごとのリンク旅行時間や渋滞情報を蓄積する構成とすればよい。リンク旅行時間をプローブカーから取得した情報に基づいて生成する場合には、所定の時間帯ごとのプローブカーの実走データを統計処理して時間帯ごとのリンク旅行時間を求め、蓄積する構成とすればよい。なお、本実施形態では、交通情報として曜日別の所定時間帯ごとのリンク旅行時間が交通情報DB12に格納されている場合を例に挙げて以降の説明を行う。
地図DB13には、地図データ、道路地図を描画するための描画データ等を格納している。地図データには、道路を示すリンクデータとノードデータとが含まれる。なお、リンクとは、地図上の各道路を交差・分岐・合流する点等の複数のノードにて分割したときのノード間を結ぶものであり、各リンクを接続することにより道路が構成される。
リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端および終端ノード座標(緯度・経度)、道路名称、道路種別、道路幅員、車線数、右折・左折専用車線の有無とその専用車線の数、および制限速度等の各データから構成される。
ノードデータは、地図上のノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続するリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、および交差点種類等の各データから構成される。
制御部14は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成される。そして、制御部14は、通信部11、交通情報DB12、地図DB13から入力された各種情報に基づき、各種処理を実行する。制御部14は、図2に示すように、機能ブロックとして、OD受信部101、最適経路探索部102、及び最適経路送信部103を備えている。制御部14での処理の詳細については後述する。
図1に戻って、ナビゲーション装置2は、車載のものであってもよいし、車両に持ち込み可能な携帯端末であってもよい。携帯端末としては、例えば、携帯電話機やタブレット型コンピュータやPDA(Personal DigitalAssistants)等を用いる構成としてもよい。ナビゲーション装置2が請求項の端末装置に相当する。以下では、ナビゲーション装置2が用いられる車両を自車両と呼ぶ。
ナビゲーション装置2として携帯端末を用い、自車両の車載LAN等のシステムから情報を取得する構成とする場合には、ナビゲーション装置2は、自車両の車載LAN等のシステムとBluetooth(登録商標)等の公知の無線通信やUSB接続等での有線通信といった通信により情報をやり取りする構成とすればよい。
ここで、ナビゲーション装置2の概略的な構成について説明を行う。図1に示すようにナビゲーション装置2は、位置検出器21、地図データベース(DB)25、外部メモリ26、表示装置27、音声出力装置28、操作スイッチ群29、リモートコントロール端末(以下リモコン)30、リモコンセンサ31、通信機32、及び制御装置33を備えている。
位置検出器21は、いずれも周知の加速度センサ22、ジャイロスコープ23、及び衛星からの電波に基づいて自装置の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機24を有しており、自装置のユーザの現在位置(以下、ユーザ位置)を逐次検出する。例えば、ユーザ位置は、緯度・経度で表される座標であるものとする。
これらは、各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、各センサの精度によっては位置検出器21を上述した内の一部で構成しても良い。
地図DB25は、前述の地図DB13と同様な地図データ、描画データ等を格納している。地図DB25のデータは、後述の通信機32を通じてセンタ1から制御装置33がダウンロードするなどして取得する構成としてもよいし、予め格納している構成としてもよい。地図DB25としては、例えばCD−ROM、DVD−ROM、メモリカード、HDD等の記憶媒体を用いる構成としてもよい。
外部メモリ26は、書き込み可能なHDD等の大容量記憶装置である。外部メモリ26には大量のデータや電源をオフしても消去してはいけないデータを記憶したり、頻繁に使用するデータを地図DB25からコピーして利用したりする等の用途がある。なお、外部メモリ26は、比較的記憶容量の小さいリムーバブルなメモリであってもよい。
表示装置27は、例えばフルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成することができる。また、音声出力装置28は、スピーカ等から構成され、制御装置33の指示に基づいて案内音声等を出力する。
操作スイッチ群29は、例えば表示装置27と一体になったタッチスイッチ若しくはメカニカルなスイッチ等が用いられ、スイッチ操作により制御装置33へ各種機能の操作指示を行う。リモコン30には複数の操作スイッチ(図示せず)が設けられ、スイッチ操作によりリモコンセンサ31を介して各種指令信号を制御装置33に入力することにより、操作スイッチ群29と同じ機能を制御装置33に対して実行させることが可能である。
通信機32は、基地局やネットワークを介してセンタ1との間で通信を行う。通信機32は、例えば車両に搭載されるDCM(data communication module)等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールを通じてセンタ1との通信を行う構成とすればよい。他にも、通信機32は、センタ1との通信を、DSRC通信用モジュールを通じて行う構成としてもよいし、Bluetooth等で接続した携帯端末を通じて行う構成としてもよい。
制御装置33は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成される。そして、制御装置33は、位置検出器21、地図DB25、外部メモリ26、操作スイッチ群29、リモコンセンサ31、通信機32から入力された各種情報に基づき、各種処理を実行する。制御装置33は、図3に示すように、機能ブロックとして、表示画像生成部301、操作検出部302、OD記憶部303、実走行経路記憶部304、OD送信部305、最適経路受信部306、及び一致判定部307を備えている。
制御装置33は、ルートフィードバック機能のオンオフに応じて異なる処理を行う。ルートフィードバック機能とは、ユーザがナビゲーション機能を利用せずに目的地に到着した際に、ユーザが走行した実走行経路よりも所定の選択条件において合致する経路である最適経路が存在した場合に、その最適経路を表示装置27に表示させる機能である。ナビゲーション機能を利用しないとは、目的地の設定を行わず、推奨経路の経路案内を行わせないことを示している。
ここで言うところの所定の選択条件には、「走行所要時間が最短」、「燃料や電力といった走行エネルギーの消費量が最少」、「通過する信号機数が最少」、「走行距離が最短」等がある。本実施形態では、最適経路は、「走行所要時間が最短」という選択条件に合致する時間最短経路である場合を例に挙げて以降の説明を行う。なお、最適経路が請求項の条件最合致経路に相当する。
ルートフィードバック機能のオンオフの設定は、操作スイッチ群29やリモコン30を介して受け付けるユーザの操作入力に従って、制御装置33で切り替えるものとする。まず、ルートフィードバック機能がオフの場合における制御装置33の処理についての説明を行う。
ルートフィードバック機能がオフの場合には、制御装置33は、操作スイッチ群29やリモコン30を介して設定される出発地及び目的地をもとに、「走行距離が最短」、「走行所要時間が最短」等の予め設定された所定の選択条件を満たす推奨経路を公知の探索法を用いて探索する公知の経路探索処理を行う。また、出発地及び目的地の情報をセンタ1へ送信し、センタ1側で経路探索処理を行わせる構成としてもよい。なお、現在のユーザ位置を出発地と設定する構成としてもよい。
さらに、ルートフィードバック機能がオフの場合には、制御装置33は、経路探索処理によって探索した推奨経路の走行を案内する経路案内処理を行う。例えば経路案内処理では、推奨経路及びユーザ位置を示した電子地図を表示装置27に逐次表示させるとともに、目的地までの案内音声を音声出力装置28から逐次出力させることで、推奨経路の走行を案内する。
一方、ルートフィードバック機能がオンの場合には、ルートフィードバック処理を行う。ここで、図4のフローチャートを用いて、制御装置33でのルートフィードバック処理の一例についての説明を行う。図4のフローチャートは、例えばナビゲーション装置2の電源がオン、且つ、ルートフィードバック機能がオンとなったときに開始され、ナビゲーション装置2の電源がオフ、若しくはルートフィードバック機能がオフとなったときに終了するものとすればよい。
まず、ステップS1では、表示画像生成部301が出発ボタン表示処理を行って、ステップS2に移る。出発ボタン表示処理では、表示画像生成部301が出発ボタンを表示装置27に表示させる。
一例として、図5に示すように、現在地表示画面に出発ボタンを表示させる。図5のAがユーザ位置を示すマーク、Bが出発ボタンの表示を示す。ここで言うところの出発ボタンとは、表示装置27と操作スイッチ群29とが一体となったタッチスイッチのうちの、自車両が出発することを示す旨のユーザからの操作入力を受け付ける機能を担うタッチスイッチを示す。よって、表示装置27及び操作スイッチ群29が請求項の出発操作入力部に相当する。
ステップS2では、出発ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出した場合(ステップS2でYES)には、ステップS3に移る。一方、出発ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出していない場合(ステップS2でNO)には、ステップS2のフローを繰り返す。操作検出部302では、出発ボタンが表示されている領域に対する操作を検出した場合に出発ボタンが操作されたことを検出する構成とすればよい。
ステップS3では、OD記憶部303が出発地記憶処理を行って、ステップS4に移る。出発地記憶処理では、出発ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出したユーザ位置を出発地と特定し、特定した出発地を制御装置33の不揮発性メモリに記憶する。よって、OD記憶部303が請求項の出発地特定部に相当する。ユーザ位置は位置検出器21で検出する構成とすればよい。
ステップS4では、表示画像生成部301が到着ボタン表示処理を行って、ステップS5に移る。到着ボタン表示処理では、表示画像生成部301が到着ボタンを表示装置27に表示させる。
一例として、図5及び図6に示すように、現在地表示画面上の表示ボタンの表示をそれまで行っていた領域に到着ボタンを表示させる。図6のAがユーザ位置を示すマーク、Cが到着ボタンの表示を示す。ここで言うところの到着ボタンとは、表示装置27と操作スイッチ群29とが一体となったタッチスイッチのうちの、自車両が目的地に到着したことを示す旨のユーザからの操作入力を受け付ける機能を担うタッチスイッチを示す。よって、表示装置27及び操作スイッチ群29が請求項の到着操作入力部に相当する。
ステップS5では、到着ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出した場合(ステップS5でYES)には、ステップS7に移る。一方、到着ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出していない場合(ステップS5でNO)には、ステップS6に移る。操作検出部302では、到着ボタンが表示されている領域に対する操作を検出した場合に到着ボタンが操作されたことを検出する構成とすればよい。
ステップS6では、実走行経路記憶部304が実走行経路記憶処理を行い、ステップS5に戻ってフローを繰り返す。実走行経路記憶処理では、位置検出器21で逐次検出するユーザ位置をもとに、自車両が実際に走行した経路(以下、実走行経路)を逐次特定し、制御装置33の不揮発性メモリに記憶する。
実走行経路記憶部304は、ステップS5で到着ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出するまで実走行経路記憶処理を継続してから終了することで、出発地から目的地までの実走行経路を記憶する。
ステップS7では、OD記憶部303が目的地記憶処理を行って、ステップS8に移る。目的地記憶処理では、到着ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出したユーザ位置を、自車両が到着した目的地と特定し、特定した目的地を制御装置33の不揮発性メモリに記憶する。よって、OD記憶部303が請求項の目的地特定部に相当する。ユーザ位置は位置検出器21で検出する構成とすればよい。
なお、本実施形態では、出発ボタン及び到着ボタンをタッチスイッチとする構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、出発ボタン及び到着ボタンをプッシュスイッチ等のメカニカルなスイッチとする構成としてもよい。この場合には、操作スイッチ群29やリモコン30が請求項の出発操作入力部及び到着操作入力部に相当する。
また、本実施形態では、出発ボタンが操作された地点を出発地と特定し、到着ボタンが操作された地点を自車両が到着した目的地と特定する構成を示したが、必ずしもこれに限らず、出発地及び自車両が到着した目的地を制御装置33が自動で特定する構成としてもよい。
例えば、出発地については、パーキングブレーキのオフやイグニッション電源のオン等の自車両の発進の兆候を検出した地点を出発地と特定する構成とすればよい。なお、出発地は、ユーザの自宅位置に限る構成としてもよい。自宅位置については、予め設定されたものを用いる構成とすればよい。自車両が到着した目的地については、パーキングブレーキのオンやイグニッション電源のオフ等の自車両の駐車の兆候を検出した地点を自車両が到着した目的地と特定する構成とすればよい。
出発地及び自車両が到着した目的地を、制御装置33が自動で特定する構成とする場合には、ステップS2では、出発地を特定した場合(ステップS2でYES)に、ステップS3に移り、出発地を特定していない場合(ステップS2でNO)に、ステップS2のフローを繰り返す構成とすればよい。また、ステップS5では、自車両が到着した目的地を特定した場合(ステップS5でYES)に、ステップS7に移り、自車両が到着した目的地を特定していない場合(ステップS5でNO)に、ステップS6に移る構成とすればよい。
ステップS8では、OD送信部305がOD送信処理を行って、ステップS9に移る。OD送信処理では、OD記憶部303が出発地記憶処理で記憶した出発地と、OD記憶部303が目的地記憶処理で記憶した目的地とを含むOD情報を、通信機32を介してセンタ1へ送信する。OD情報には、例えば出発地を特定した時刻を示すタイムスタンプも含める構成とすることが好ましい。
ステップS9では、ステップS8のOD送信処理で送信したOD情報をもとにセンタ1で探索された最適経路としての時間最短経路を、最適経路受信部306が受信した場合(ステップS9でYES)には、ステップS10に移る。一方、時間最短経路を最適経路受信部306が受信していない場合(ステップS9でNO)には、ステップS9のフローを繰り返す。センタ1での時間最短経路の探索の処理の詳細については後述する。
ステップS10では、一致判定部307が一致判定処理を行い、ステップS11に移る。一致判定処理では、実走行経路記憶部304が記憶した出発地から目的地までの実走行経路と、最適経路受信部306で受信した時間最短経路とが一致しているか否かを判定する。以降では、便宜上、出発地から目的地までの実走行経路を単に実走行経路と呼ぶ。実走行経路と時間最短経路とが一致しているか否かは、各々の経路を構成するリンクの組同士が同一か否かによって判定する構成とすればよい。
なお、本実施形態では、制御装置33の一致判定部307で一致判定処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、一致判定処理と同様の処理をセンタ1の制御部14で行う構成としてもよい。この場合には、制御装置33は、ステップS9及びステップS10の処理を行う代わりに、センタ1の制御部14で行われた一致判定処理での判定結果を受信する構成とすればよい。
ステップS11では、一致判定処理で実走行経路と時間最短経路とが一致していると判定した場合(ステップS11でYES)には、ステップS12に移る。一方、一致判定処理で実走行経路と時間最短経路とが一致していないと判定した場合(ステップS11でNO)には、ステップS13に移る。実走行経路と時間最短経路とが一致していない場合とは、実走行経路よりも時間最短経路の方が選択条件に合致している場合、つまり実走行経路よりも時間最短経路の走行所要時間が短い場合と言い換えることができる。
ステップS12では、表示画像生成部301が時間最短通知処理を行って、フローを終了する。時間最短通知処理では、実走行経路が「走行所要時間が最短」という選択条件に合致した経路であったことを示す通知を行わせる。よって、表示画像生成部301が請求項の通知部に相当する。
時間最短通知処理では、一例として図7に示すように、「あなたが走行したルートは時間最短ルートでした」といったテキストを表示装置27に表示させる構成とすればよい。図7のAがユーザ位置を示すマーク、Dが出発地、Eが自車両の到着した目的地、Fが実走行経路を示す。なお、図7に示すように、出発地について「出発地点」とのテキストを表示させたり、自車両の到着した目的地について「到着地点」とのテキストを表示させたり、実走行経路について「走行したルート」とのテキストを表示させたりする構成としてもよい。
なお、ここでは、表示画像生成部301が時間最短通知処理において、表示装置27に表示させることで通知を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、制御装置33が音声出力装置28から、実走行経路が「走行所要時間が最短」という選択条件に合致した経路であったことを示す音声を出力させることで通知を行う構成としてもよい。
ステップS13では、表示画像生成部301が時間最短経路表示処理を行って、フローを終了する。時間最短経路表示処理では、最適経路受信部306で受信した時間最短経路を表示装置27に表示させる。よって、表示画像生成部301が請求項の表示制御部に相当する。
時間最短経路表示処理では、一例として図8に示すように、時間最短経路と実走行経路との両方を同時に表示させる構成とすればよい。また、図8に示すように、実走行経路の走行所要時間を示す「走行時間:XX分」といったテキスト、及び時間最短経路の走行所要時間を示す「最短ルート走行時間:YY分」といったテキストも表示させる構成とすればよい。図8のAがユーザ位置を示すマーク、Dが出発地、Eが自車両の到着した目的地、Fが実走行経路、Gが時間最短経路を示す。時間最短経路の走行所要時間が請求項の最短経路走行所要時間に相当する。
実走行経路の走行所要時間については、自車両が到着した目的地を特定した時刻から出発地を特定した時刻を差し引くことによって制御装置33が算出する構成とすればよい。また、時間最短経路の走行所要時間については、センタ1での時間最短経路の探索時に算出された時間最短経路の走行所要時間を制御部33が通信機32を介して取得する構成とすればよい。
なお、図8に示すように、出発地について「出発地点」とのテキストを表示させたり、自車両の到着した目的地について「到着地点」とのテキストを表示させたり、実走行経路について「走行したルート」とのテキストを表示させたり、時間最短経路について「時間最短ルート」とのテキストを表示させたりする構成としてもよい。
時間最短経路と実走行経路との両方を同時に表示させる場合には、時間最短経路と実走行経路とを区別可能な態様で表示させることが好ましい。一例としては、時間最短経路と実走行経路との線種を異ならせて表示させたり、時間最短経路と実走行経路との色を異ならせて表示させたりする構成とすればよい。
また、ここでは、時間最短経路と実走行経路との両方を同時に表示させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、時間最短経路表示処理において、実走行経路は表示させない構成としてもよいし、時間最短経路の表示と実走行経路の表示とをボタン操作によって切り換える構成としてもよい。時間最短経路と実走行経路とのうちの一方のみを表示させる場合には、表示させる経路についての走行所要時間のみを表示させる構成とすればよい。
なお、ルートフィードバック機能はデフォルトでオンとする構成としてもよい。この場合、ナビゲーション装置2の初期起動時に、出発ボタンを押すことにより時間最短経路を通知するサービスが受けられることやメニュー画面より出発ボタンを表示させない設定が可能なことを通知する構成とすればよい。一例としては、図9に示すように、「出発ボタンを押すことで時間最短ルートを計算することができます。」とのテキストや「設定メニューにより非表示にできます。」とのテキストを出発ボタンに対してポップアップ表示させる構成とすればよい。図9のAがユーザ位置を示すマーク、Bが出発ボタンを示す。
続いて、図10のフローチャートを用いて、センタ1の制御部14での最適経路の探索に関連する処理(以下、最適経路探索関連処理)についての説明を行う。図10のフローチャートは、センタ1のサーバ装置の電源がオンになったときに開始され、サーバ装置の電源がオフになったときに終了する構成とすればよい。
まず、ステップS21では、ナビゲーション装置2から送信されたOD情報をOD受信部101が受信した場合(ステップS21でYES)には、ステップS22に移る。一方、OD情報をOD受信部101が受信していない場合(ステップS21でNO)には、ステップS21のフローを繰り返す。
ステップS22では、最適経路探索部102が最適経路探索処理を行って、ステップS23に移る。最適経路探索処理では、自車両が出発地から目的地まで走行した期間における、出発地から目的地までの自車両の走行所要時間が最短となる時間最短経路を探索する。より詳しくは、時間最短経路の探索の対象となるリンク(以下、探索対象リンク)のリンク旅行時間を、出発地の出発時刻を起点として求められる各リンクに達する時刻と同時間帯の過去の交通情報をもとに逐次決定しながら、出発地から目的地までを接続するリンク全体での走行所要時間が最短となる時間最短経路を探索する。ここで、図11のフローチャートを用いて、最適経路探索処理の概略について説明を行う。
まず、ステップS221では、出発地接続リンクのリンクコストを決定し、ステップS222に移る。出発地接続リンクは、探索対象リンクのうちの、出発地に接続されるリンクである。出発地については、OD受信部101で受信したOD情報から特定し、出発地接続リンクについては、特定した出発地と地図DB13の地図データとをもとに特定する構成とすればよい。
出発地接続リンクのリンクコストは、例えば以下のようにして決定する構成とすればよい。まず、出発地の出発日と同日、且つ、出発時刻と同時間帯における出発地接続リンクのリンク旅行時間を、交通情報DB12から取得し、取得したリンク旅行時間を出発地接続リンクのリンク旅行時間と特定する。
そして、出発地接続リンクに対して、特定したリンク旅行時間に応じたリンクコストを決定する。リンクコストは、リンク旅行時間が短いほど小さい値を決定するようにすればよい。また、出発地接続リンクが複数存在する場合には、その各々についてリンクコストを決定する。出発地の出発時刻は、出発地を特定した時刻とすればよく、出発地を特定した時刻は、OD情報に含まれる前述のタイムスタンプを用いて特定すればよい。
また、出発日と同日、且つ、出発時刻と同時間帯における出発地接続リンクのリンク旅行時間が、交通情報DB12に格納されていない場合には、出発日と異日、且つ、出発時刻と同時間帯における出発地接続リンクのリンク旅行時間を、交通情報DB12から取得し、取得したリンク旅行時間を出発地接続リンクのリンク旅行時間と特定する構成とすればよい。
なお、出発日と同じ曜日、且つ、出発時刻と同時間帯における出発地接続リンクのリンク旅行時間を交通情報DB12から取得できる場合には、他の曜日に優先して取得する構成とすることが好ましい。これは、出発日と異日であっても、曜日が同じ場合には、リンク旅行時間の傾向が出発日と似通っている可能性が高いためである。
さらに、出発日と異日、且つ、出発時刻と同時間帯における出発地接続リンクのリンク旅行時間も交通情報DB12に格納されていない場合には、出発地接続リンクのリンク長とデフォルト速度とからリンク旅行時間を算出する構成とすればよい。デフォルト速度とは、リンク旅行時間の算出用にデフォルトで設定されている速度であって、例えば各リンクで一律の値が設定されている構成としてもよいし、各リンクの制限速度に応じた値が設定されている構成としてもよい。
ステップS222では、第1最適リンク決定処理を行って、ステップS223に移る。第1最適リンク決定処理では、出発地接続リンクのうち、リンクコストの最も低い出発地接続リンクを、時間最短経路を構成するリンクとして決定する。出発地接続リンクが1つしかない場合には、その出発地接続リンクを、時間最短経路を構成するリンクとして決定する。
ステップS223では、探索対象リンク抽出処理を行って、ステップS224に移る。探索対象リンク抽出処理では、時間最短経路を構成するリンクとして決定された直近のリンクの終端ノードに接続される探索対象リンクを抽出する。例えば、時間最短経路を構成するリンクとして決定された直近のリンクが第1最適リンク決定処理で決定された出発地接続リンクであった場合には、その出発地接続リンクの終端ノードに接続される探索対象リンクを抽出する。一方、後述する第2最適リンク決定処理で決定された後述の抽出対象リンクであった場合には、その抽出対象リンクの終端ノードに接続される探索対象リンクを抽出する。
ステップS224では、積算リンク旅行時間算出処理を行って、ステップS225に移る。積算リンク旅行時間算出処理では、それまでに時間最短経路を構成するリンクとして決定してきた全リンク(以下、決定済リンク)のリンク旅行時間を積算する。決定済リンクのリンク旅行時間を積算した値を、以降では積算リンク旅行時間と呼ぶ。リンク旅行時間については、ステップS221や後述のステップS226の処理で算出したものを用いる。
ステップS225では、リンク到達時刻算出処理を行って、ステップS226に移る。リンク到達時刻算出処理では、出発地を出発した自車両が決定済リンクを走行して直近の探索対象リンク抽出処理で抽出した探索対象リンク(以下、抽出対象リンク)の始端ノードに到達すると仮定した場合の到達時刻Tを算出する。具体的には、出発地の出発時刻に、直近の積算リンク旅行時間算出処理で算出した積算リンク旅行時間を足し合わせた時刻を、到達時刻Tとして算出する。
ステップS226では、抽出対象リンクのリンクコストを決定し、ステップS227に移る。抽出対象リンクのリンクコストは、例えば以下のようにして決定する構成とすればよい。まず、出発地の出発日と同日、且つ、到達時刻Tと同時間帯における抽出対象リンクのリンク旅行時間を、交通情報DB12から取得し、取得したリンク旅行時間を抽出対象リンクのリンク旅行時間と特定する。そして、前述した出発地接続リンクに対してのリンクコストの決定と同様にして、抽出対象リンクに対してのリンクコストを決定する。
また、出発日と同日、且つ、到着時刻Tと同時間帯における抽出対象リンクのリンク旅行時間が、交通情報DB12に格納されていない場合には、出発日と異日、且つ、到着時刻Tと同時間帯における抽出対象リンクのリンク旅行時間を、交通情報DB12から取得し、取得したリンク旅行時間を抽出対象リンクのリンク旅行時間と特定する構成とすればよい。なお、出発日と同じ曜日、且つ、到着時刻Tと同時間帯における出発地接続リンクのリンク旅行時間を交通情報DB12から取得できる場合には、他の曜日に優先して取得する構成とすることが好ましい。
さらに、出発日と異日、且つ、到着時刻Tと同時間帯における抽出対象リンクのリンク旅行時間も交通情報DB12に格納されていない場合には、前述した出発地接続リンクに対してのリンクコストの決定の場合と同様に、抽出対象リンクのリンク長とデフォルト速度とからリンク旅行時間を算出する構成とすればよい。
ステップS227では、第2最適リンク決定処理を行って、ステップS228に移る。第2最適リンク決定処理では、抽出対象リンクのうち、リンクコストの最も低い抽出対象リンクを、時間最短経路を構成するリンクとして決定する。抽出対象リンクが1つしかない場合には、その抽出対象リンクを、時間最短経路を構成するリンクとして決定する。
ステップS228では、目的地に接続されるリンクまで時間最短経路を構成するリンクが決定された場合(ステップS228でYES)には、ステップS229に移る。一方、目的地に接続されるリンクまで時間最短経路を構成するリンクが決定されていない場合(ステップS228でNO)には、ステップS223に戻ってフローを繰り返す。目的地については、OD受信部101で受信したOD情報から特定する構成とすればよい。
ステップS229では、時間最短経路決定処理を行って、ステップS23に移る。時間最短経路決定処理では、決定済リンクを時間最短経路と決定する。また、時間最短経路決定処理では、積算リンク旅行時間算出処理で算出した決定済リンクの積算リンク旅行時間を、時間最短経路の走行所要時間と決定する。
なお、図11のフローチャートで示した例に限らず、以下のようにする構成としてもよい。まず、出発地から目的地までの経路として取り得る経路の候補(以下、経路候補)を求める。これらの複数の経路候補間で分岐が生じているリンク(以下、分岐リンク)の始端ノードのうち、出発地に最も近い始端ノードへの到着時刻Tを前述したのと同様にして算出する。続いて、算出した到着時刻Tと同時間帯における分岐リンクのリンク旅行時間を前述したのと同様にして特定し、分岐リンクのリンクコストを決定する。そして、リンクコストの低い方の分岐リンクを含む経路候補を抽出する。
以降については、抽出した経路候補について、複数の経路候補間で分岐が生じているリンク(つまり、分岐リンク)の始端ノードのうち、出発地に最も近い始端ノードへの到着時刻Tを前述したのと同様にして算出し、前述したのと同様の処理を繰り返す。そして、最終的に1つ抽出される経路候補を時間最短経路として決定する。
図10に戻って、ステップS23では、最適経路送信部103が最適経路送信処理を行って、ステップS21に戻る。最適経路送信処理では、OD受信部101で受信したOD情報をもとに最適経路探索処理で探索した最適経路としての時間最短経路を、当該OD情報の送信元のナビゲーション装置2へ通信部11を介して送信する。最適経路送信処理では、時間最短経路に加え、時間最短経路の走行所要時間も送信する構成としてもよい。時間最短経路の走行所要時間は、前述したように、最適経路送信処理における時間最短経路の探索の過程で算出されるものを用いる構成とすればよい。
実施形態1の構成によれば、実走行経路よりも「走行所要時間が最短」という選択条件に合致した時間最短経路が存在した場合に、その時間最短経路を表示させるので、実走行経路よりも走行所要時間が短い経路が存在したことをユーザが認識することが可能になる。従って、ユーザが実際に走行した経路よりも所定の条件に合致した経路が存在した場合に、それをユーザに認識させることが可能になる。
また、出発地を出発する前に、「走行所要時間が最短」という選択条件で経路探索処理を行う場合には、数分後、数十分後に交通状況がどのように変化するかを知ることはできない。よって、実際に自車両が各リンクを走行する時間帯の交通状況を経路探索に反映することができない。
これに対して、実施形態1の構成によれば、自車両が目的地に到着した後に経路探索を行うので、交通情報DB12に蓄積された過去の交通情報から、自車両が出発地から目的地まで走行した期間における、実際の逐一変化する交通状況を加味して経路探索することが可能となる。よって、自車両が出発地から目的地まで走行した期間に時間最短で目的地まで到着できた時間最短経路をより正確に探索することができる。その結果、ユーザは出発ボタンと到着ボタンを操作するだけといった手間のかからない操作によって、既知の目的地までのより高精度な時間最短経路を知ることが可能になる。
なお、実走行経路と時間最短経路とが一致しなかったことだけでなく、実走行経路と時間最短経路との走行所要時間を制御装置33で比較し、時間最短経路の走行所要時間が実走行経路の走行所要時間を下回った場合にのみ時間最短経路表示処理を行う構成としてもよい。
また、本実施形態では、最適経路が時間最短経路である場合の例を挙げたが、必ずしもこれに限らない。例えば、以下の構成(以下、変形例1)としてもよい。例えば、「燃料や電力といった走行エネルギーの消費量が最少」という選択条件に合致する走行エネルギー消費量最少経路を最適経路とする構成としてもよい。また、「通過する信号機数が最少」という選択条件に合致する信号機最少経路を最適経路とする構成としてもよい。さらに、「走行距離が最短」という選択条件に合致する距離最短経路を最適経路とする構成としてもよい。なお、上述以外の選択条件に合致する経路を最適経路とする構成としてもよい。
さらに、本実施形態では、時間最短経路表示処理において時間最短経路を表示させるだけでなく、時間最短経路以外の走行エネルギー消費量最少経路、信号機最少経路、距離最短経路等の最適経路も表示させる構成(以下、変形例2)としてもよい。
走行エネルギー消費量最少経路については、最適経路探索処理において、リンクあたりの走行エネルギー消費量が少ないほど小さいリンクコストを決定して、走行エネルギー消費量最少経路を探索する構成とすればよい。リンクあたりの走行エネルギー消費量については、交通情報DB12に交通情報として予め格納してあるものとする。
また、信号機最少経路については、最適経路探索処理において、リンクの始端ノード及び終端ノードのうち、信号機が存在するノードが少ないほど小さいリンクコストを決定して、信号機最少経路を探索する構成とすればよい。ノードに信号機が存在するか否かについての情報は、予め地図DB13にノードデータとして格納してあるものとする。距離最短経路については、最適経路探索処理において、リンク長が短いほど小さいリンクコストを決定して、距離最短経路を探索する構成とすればよい。
また、時間最短経路表示処理において、制御装置33が複数の最適経路を同時に表示装置27に表示させる構成としてもよいが、複数の最適経路の表示のうちのいずれの最適経路を表示させるかを、ボタン操作によって切り替える構成としてもよい。時間最短経路以外の最適経路が請求項の別条件合致経路に相当する。
一例として、実走行経路と、時間最短経路と、走行エネルギー消費量最少経路と、信号機最少経路との各々の表示をボタン操作によって切り替える構成とすればよい(図12参照)。
なお、図12のAがユーザ位置を示すマーク、Dが出発地、Eが自車両の到着した目的地、Gが時間最短経路を示す。また、Hが実走行経路を表示させるための操作ボタン、Iが時間最短経路を表示させるための操作ボタン、Jが走行エネルギー消費量最少経路を表示させるための操作ボタン、Kが信号機最少経路を表示させるための操作ボタンである。各操作ボタンの操作は操作検出部302が行うものとする。
また、図12に示すように、表示中の時間最短経路の走行所要時間を示すテキストを表示させたりする構成としてもよい。表示中の経路が他の最適経路や実走行経路であった場合には、その経路についての走行所要時間を表示させる構成とすればよい。
変形例2の構成によれば、時間最短経路以外の最適経路についてもユーザが確認することが可能になる。
(実施形態2)
本発明は前述の実施形態1に限定されるものではなく、次の実施形態2も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、この実施形態2について図13〜図18を用いて説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態2のナビゲーションシステム100は、実施形態1の制御装置33と一部の処理が異なる制御装置33aを備える点を除けば、実施形態1のナビゲーションシステム100と同様である。また、実施形態2の制御装置33aは、表示装置27に表示した最適経路の表示画像を保存し、再表示させる点を除けば、実施形態1の制御装置33と同様である。
制御装置33aは、図13に示すように、機能ブロックとして、表示画像生成部301、操作検出部302、OD記憶部303、実走行経路記憶部304、OD送信部305、最適経路受信部306、一致判定部307、及び表示画像保存部308を備えている。
ここで、図14のフローチャートを用いて、最適経路の表示画像の保存に関連する処理(以下、表示画像保存関連処理)についての説明を行う。図14のフローチャートは、制御装置33aでの前述のルートフィードバック処理によって最適経路の表示が行われたときに開始される構成とすればよい。本実施形態でも、最適経路は、「走行所要時間が最短」という選択条件に合致する時間最短経路である場合を例に挙げて以降の説明を行う。
まず、ステップS31では、表示画像生成部301が保存要否表示処理を行い、ステップS32に移る。保存要否表示処理では、例えば、前述の時間最短経路表示処理によって表示させた時間最短経路が含まれる画像(以下、時間最短経路画像)に重畳して、当該時間最短経路画像の保存の要否を問い合わせる表示を表示装置27に行わせる。
一例としては、図15に示すように、「この画像を保存しますか?」といったテキストとともに、要否ボタン(図15のL、M参照)の表示を行わせる。ここで言うところの要否ボタンとは、時間最短経路画像の保存の要否を指示するユーザからの操作入力を受け付けるためのタッチスイッチである。図15の例では、保存が必要であることを指示するための「はい」ボタン(図15のL参照)と、保存が不要であることを指示するための「いいえ」ボタン(図15のM参照)がある。なお、要否ボタンはタッチスイッチに限らず、プッシュスイッチ等の操作スイッチ群29やリモコン30におけるメカニカルなスイッチとする構成としてもよい。
ステップS32では、「はい」ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出した場合(ステップS32でYES)には、ステップS33に移る。一方、「いいえ」ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出した場合(ステップS32でNO)には、フローを終了する。
ステップS33では、表示画像保存部308が、最適経路保存処理を行って、フローを終了する。最適経路保存処理では、時間最短経路画像を外部メモリ26等の不揮発性メモリに記憶する。よって、表示画像保存部308が請求項の経路保存部に相当する。時間最短経路画像の記憶が完了した場合には、図16に示すように、「保存しました」といったテキストの表示を行わせるなどして、記憶が完了したことを示す通知を行う構成とすればよい。なお、表示画像保存関連処理の終了時には、時間最短経路画像や要否ボタンの表示を終了する構成とすればよい。
続いて、図17のフローチャートを用いて、最適経路の表示画像の再表示に関連する処理(以下、再表示関連処理)についての説明を行う。図17のフローチャートは、ナビゲーション装置2の電源がオンになったときに開始される構成とすればよい。
まず、ステップS41では、表示画像生成部301が再表示メニュー表示処理を行い、ステップS42に移る。再表示メニュー表示処理では、前述の最適経路保存処理で保存された時間最短経路画像の選択ボタンを含む画面(以下、再表示メニュー画面)を表示させる。最適経路保存処理で保存された時間最短経路画像が複数存在した場合には、図18に示すように、時間最短経路画像の選択ボタン(図18のN1〜N3参照)が複数表示されることになる。つまり、時間最短経路画像の一覧が表示される。よって、表示画像生成部301が請求項の一覧表示制御部に相当する。
選択ボタンは、最適経路保存処理で保存された時間最短経路画像の再表示を要求する旨のユーザからの操作入力を受け付けるためのタッチスイッチである。選択ボタンの表示領域には、図18に示すように、その選択ボタンに対応する時間最短経路の出発地及び目的地を示す表示を行わせる。また、選択ボタンの表示領域には、その選択ボタンに対応する時間最短経路を走行した期間を特定できる日時を示す表示が行わせる。例えば、図18に示すように、時間最短経路画像の保存日時を示す表示を行わせる構成とすればよい。
なお、最適経路保存処理で保存された時間最短経路画像が複数存在した場合に、そのすべてについての選択ボタンを同時に表示させる必要は必ずしもない。例えば、位置検出器21で検出しているユーザ位置が出発地に該当している時間最短経路画像に対応する選択ボタンに限って表示させる構成とすることが好ましい。これによれば、現在のユーザ位置を出発地とした走行に利用できる時間最短経路画像の再表示に必要な選択ボタンに絞りこむことができる。
なお、選択ボタンはタッチスイッチに限らず、プッシュスイッチ等の操作スイッチ群29やリモコン30におけるメカニカルなスイッチとする構成としてもよい。よって、表示装置27、操作スイッチ群29、及びリモコン30が請求項の再表示要求入力部に相当する。
ステップS42では、選択ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出した場合(ステップS42でYES)には、ステップS43に移る。一方、選択ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出していない場合(ステップS42でNO)には、ステップS44に移る。
ステップS43では、表示画像生成部301が再表示処理を行って、ステップS44に移る。再表示処理では、操作されたことを操作検出部302で検出した選択ボタンに対応する時間最短経路画像を表示装置27に表示させる。よって、表示画像生成部301が請求項の再表示制御部に相当する。
ステップS44では、再表示関連処理の終了タイミングであった場合(ステップS44でYES)には、フローを終了する。一方、再表示関連処理の終了タイミングでなかった場合(ステップS44でNO)には、ステップS41に戻ってフローを繰り返す。再表示関連処理の終了タイミングの一例としては、ナビゲーション装置2の電源がオフになったときや再表示メニュー画面を閉じる操作入力を操作検出部302で検出したときなどがある。
実施形態2の構成によれば、実走行経路よりも所定の条件に合致していた最適経路を、目的地の到着直後に限らず、ユーザの所望のタイミングで確認することが可能になる。
また、時間帯によって各リンクの交通量は変化するため、出発地と目的地とが同一であったとしても、時間最短経路は時間帯によって変わる場合がある。これに対して、実施形態2の構成によれば、時間最短経路を走行した期間を特定できる日時を示す表示も行わせるので、ユーザの所望する時間帯に合った時間最短経路を選択して再表示を行わせることが可能になる。よって、ユーザの所望する時間帯に合った時間最短経路を、ユーザの所望のタイミングで確認できるようになる。
また、実施形態2で示したように最適経路の表示画像を再表示させるだけでなく、再表示させた最適経路の経路案内まで行う経路案内関連処理を行う構成(以下、変形例3)としてもよい。
ここで、図19のフローチャートを用いて、経路案内関連処理についての説明を行う。図19のフローチャートは、制御装置33aでの前述の再表示処理によって最適経路の再表示が行われたときに開始される構成とすればよい。本変形例でも、最適経路は、「走行所要時間が最短」という選択条件に合致する時間最短経路である場合を例に挙げて以降の説明を行う。
なお、変形例3においては、位置検出器21で検出しているユーザ位置が出発地に該当している時間最短経路画像に対応する選択ボタンに限って表示させることで、現在のユーザ位置が出発地に該当している時間最短経路画像に限って再表示される構成となっていることが好ましい。
まず、ステップS51では、表示画像生成部301が案内要否表示処理を行い、ステップS52に移る。案内要否表示処理では、例えば、前述の再表示処理によって表示させた時間最短経路が含まれる時間最短経路画像に重畳して、当該時間最短経路の経路案内の要否を問い合わせる表示を表示装置27に行わせる。
一例としては、「この経路の経路案内を開始しますか?」といったテキストとともに、要否ボタンの表示を行わせる。ここで言うところの要否ボタンとは、時間最短経路の経路案内の要否を指示するユーザからの操作入力を受け付けるためのタッチスイッチである。一例として、経路案内が必要であることを指示するための「はい」ボタンと、経路案内が不要であることを指示するための「いいえ」ボタンがあるものとする。
なお、要否ボタンはタッチスイッチに限らず、プッシュスイッチ等の操作スイッチ群29やリモコン30におけるメカニカルなスイッチとする構成としてもよい。よって、表示装置27、操作スイッチ群29、及びリモコン30が請求項の経路案内要求入力部に相当する。
ステップS52では、「はい」ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出した場合(ステップS52でYES)には、ステップS53に移る。一方、「いいえ」ボタンが操作されたことを操作検出部302で検出した場合(ステップS52でNO)には、フローを終了する。なお、ステップS52でNOであった場合には、案内要否表示処理を行う前の再表示メニュー画面の表示に戻る構成とすればよい。
ステップS53では、制御装置33aが最適経路案内処理を行って、フローを終了する。最適経路案内処理では、前述の経路案内処理と同様にして、再表示処理によって表示させた時間最短経路の走行を案内する経路案内を行う。よって、制御装置33aが請求項の経路案内部に相当する。
ここでは、再表示処理によって最適経路の再表示が行われたときに経路案内関連処理を開始する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、再表示処理を行わずに、操作されたことを操作検出部302で検出した選択ボタンに対応する時間最短経路について、経路案内関連処理を行う構成としてもよい。
変形例3の構成によれば、目的地の到着以降は、実走行経路よりも所定の条件に合致していた最適経路の経路案内を、ユーザが比較的簡易な操作によって開始することが可能になり、利便性が向上する。
(実施形態3)
次の実施形態3も本発明の技術的範囲に含まれる。以下では、この実施形態3について図20を用いて説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施形態3のナビゲーションシステム100は、前述の最適経路探索処理をセンタ1側ではなく、ナビゲーション装置2側で行う点を除けば、実施形態1のナビゲーションシステム100と同様である。また、実施形態3の制御装置33bは、前述の最適経路探索処理と同様の処理を行う点を除けば、実施形態1の制御装置33と同様である。
制御装置33bは、図20に示すように、機能ブロックとして、表示画像生成部301、操作検出部302、OD記憶部303、実走行経路記憶部304、一致判定部307、交通情報受信部309、及び最適経路探索部310を備えている。
交通情報受信部309は、通信機32を介してセンタ1から前述の交通情報を受信する。最適経路探索部310は、前述のOD情報と交通情報受信部309で受信した交通情報とをもとに、前述の最適経路探索処理と同様にして時間最短経路を探索する。最適経路探索部310では、時間最短経路以外の最適経路を探索する構成としてもよい。よって、最適経路探索部310が請求項の条件最合致経路探索部に相当する。
この実施形態3の構成によっても、自車両が目的地に到着した後に経路探索を行うので、センタ1から受信した過去の交通情報から、自車両が出発地から目的地まで走行した期間における、実際の逐一変化する交通状況を加味して経路探索することが可能となる。よって、ユーザは出発ボタンと到着ボタンを操作するだけといった手間のかからない操作によって、既知の目的地までのより高精度な時間最短経路を知ることが可能になる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、変形例1や変形例2と実施形態2や変形例3とを組み合わせる構成としてもよいし、実施形態3と実施形態2や変形例1や変形例2や変形例3とを組み合わせる構成としてもよい。