JP2014127946A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基板本体2と、基板本体の表面に形成されたグランドパターンGND、第1エレメント3及び第2エレメント4とを備え、第1エレメントが、グランドパターンから離間する方向に延在する第1延在部E1と、第1延在部の先端からグランドパターンに沿って延在する第2延在部E2とを有し、第2エレメントが、第1延在部の途中に接続され第2延在部に沿って延在する第3延在部E3と、第3延在部の先端からグランドパターンに向けて延在しグランドパターンに接続された第4延在部E4とを有し、第1延在部の基端がグランドパターンに接続されている。
【選択図】図1
Description
例えば、誘電体ブロックによる従来技術としては、特許文献1では、放射電極を樹脂成型体に形成し、さらに誘電体ブロックを接着剤で一体化することで高効率を得る複合アンテナが提案されている。
すなわち、特許文献1に記載のような誘電体ブロックによる技術では、放射電極を励振する誘電体ブロックを使用しており、機器毎に誘電体ブロック、放射電極パターン等の設計が必要になり、その設計条件によってアンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。また、放射電極が樹脂成型体の表面に形成されているため、樹脂成型体上に放射電極パターンを設計する必要があり、実装する通信機器やその用途に応じて、アンテナ設計、金型設計が必要になり、大幅なコストの増大を招いてしまう。さらに、誘電体ブロックと樹脂成型体とを接着剤で一体化するので、接着剤のQ値以外にも接着条件(接着剤の厚み、接着面積等)により、アンテナ性能が劣化したり、不安定要素が増加する不都合がある。
また、特許文献2に記載のようなスイッチ,制御電圧源を用いたアンテナ装置の場合、スイッチで共振周波数を切り替えを行うために、制御電圧源の構成やリアクタンス回路等が必要であり、アンテナ構成が機器毎に複雑化し、設計の自由度が無く、容易なアンテナ調整が困難であるという問題があった。
特に、第2エレメントが、第1延在部の途中に基端が接続され第2延在部に沿って延在する第3延在部と、該第3延在部の先端からグランドパターンに向けて延在し先端が該グランドパターンに接続された第4延在部とを有しているので、第2エレメントとグランドパターンと第1延在部とにより開口パターン部が形成されて第1エレメントを主とする共振周波数とは別の共振周波数を得ることができる。
また、形成された開口パターン部内に発生する浮遊容量によって人体や周辺部品の影響を低減することが可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、所望の共振周波数に自己共振しないローディング素子のアンテナ素子によってエレメント長の短縮化及び高インピーダンス化と、浮遊容量の増大とが可能になり、複共振化の調整が容易になると共に小型化とアンテナ特性の向上とを図ることができる。
また、アンテナ素子と第3延在部との間の浮遊容量により、アンテナ素子自体が直接グランドパターンとの間の浮遊容量を発生することが無く、アンテナ素子とグランドパターンとの間の距離による依存性が少なくなると共に、グランドパターンへの高周波電流を効率的に流すことが可能になる。
すなわち、このアンテナ装置では、形成された開口パターン部に接続された第2受動素子と第3受動素子とにより、並列共振が発生するため、高インピーダンスにできると共に、第1エレメントを主として得られる共振周波数に対するグランドパターンとの間の影響を低減することが可能になる。なお、形成される開口パターン部の開口面積は広い方が望ましい。
また、基板本体の平面内で設計が可能であり、従来の誘電体ブロックや樹脂成型体等を使用する場合に比べて薄型化が可能であると共に、誘電体アンテナであるアンテナ素子の選択によって、小型化および高性能化が可能になる。また、金型、設計変更等によるコストが必要なく、低コストを実現することができる。
すなわち、このアンテナ装置では、第1エレメントが、第2延在部の先端に第4受動素子を介して基端が接続され第2延在部の基端側に向けて第2延在部に沿って延在する第5延在部を有しているので、第4受動素子に高インピーダンスとなるものを選択することで、第5延在部の基端から第4受動素子との間で、別の共振周波数を得ることが可能である。
本発明のアンテナ装置によれば、基板本体の表面にそれぞれ金属箔でパターン形成された上記のグランドパターン、第1エレメント及び第2エレメントを備えているので、各エレメント間及びグランドパターンとの間などで浮遊容量が発生し、少なくとも2つ以上の共振周波数による複共振化が可能になる。
特に、第2エレメントとグランドパターンとにより開口パターン部が形成されて第1エレメントを主とする共振周波数とは別の共振周波数を得ることができる。
また、それぞれのエレメントに接続するアンテナ素子および受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能になると共に、小型化および高性能化が可能になる。
したがって、本発明のアンテナ装置は、多様な用途や機器に対応した複共振化が容易に可能になると共に、省スペース化を図ることができる。
上記第1エレメント3は、グランドパターンGNDに近接した基端側に給電点FPが設けられてグランドパターンGNDから離間する方向に延在する第1延在部E1と、該第1延在部E1の先端からグランドパターンGNDに沿って延在する第2延在部E2とを有している。
また、上記第2延在部E2の途中には、誘電体アンテナのアンテナ素子ATが接続されている。
なお、グランドパターンGNDに沿った方向とは、対向するグランドパターンGNDの端辺に沿った方向である。
なお、上記給電点FPは、それぞれ高周波回路(図示略)の給電点に接続される。また、グランドパターンGNDの領域には、高周波回路が実装される。
上記各受動素子は、例えばインダクタ、コンデンサ、抵抗又はジャンパー線が採用される。
このアンテナ素子ATは、共振周波数等の設定に応じて、その長さ、幅、導体パターン等が異なる素子を選択しても構わない。また、所望の周波数によっては、アンテナ素子ATに使用している誘電体21を、磁性体、若しくは誘電体と磁性体とを混合した複合材料としても構わない。
すなわち、図3に示すように、第5延在部E5とアンテナ素子ATとの間の浮遊容量Caと、第5延在部E5と第2延在部E2との間の浮遊容量Cbと、第2延在部E2とグランドパターンGNDとの間の浮遊容量Ccと、アンテナ素子ATと第3延在部E3との間の浮遊容量Cdと、第2延在部E2と第3延在部E3との間の浮遊容量Ceと、第3延在部E3とグランドパターンGNDとの間の浮遊容量Cfとが発生可能である。
上記第1の共振周波数f1は、第1エレメント3とアンテナ素子ATと第1受動素子P1a,P1b及び第2受動素子P2a,P2bと浮遊容量とで決定される。また、上記第2の共振周波数f2は、アンテナ素子ATと第1受動素子P1a,P1bと第1延在部E1及び第2延在部E2と浮遊容量とで決定される。さらに、上記第3の共振周波数f3は、開口パターン部を構成する第2エレメント4及びグランドパターンGNDと第2受動素子P2a,P2bと浮遊容量とで決定される。
「第1の共振周波数f1について」
上記第1の共振周波数f1の周波数は、第1エレメント3、アンテナ素子AT、第1受動素子P1a,P1b、第4受動素子P4及び浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ceにより設定および調整することができる。
また、第1の共振周波数f1のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ceの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1a,P1b及び第4受動素子P4の選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第1の共振周波数f1は、主に図2中の破線A1の部分で調整される。
上記第2の共振周波数f2の周波数は、アンテナ素子AT、第1延在部E1、第2延在部E2、第1受動素子P1a,P1b及び浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ceにより設定および調整することができる。
また、第2の共振周波数f2のインピーダンス調整は、浮遊容量Ca,Cb,Cc,Cd,Ceの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第1受動素子P1a,P1bの選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第2の共振周波数f2は、主に図2中の一点鎖線A2の部分で調整される。
上記第3の共振周波数f3の周波数は、第1延在部E1、第2エレメント4、グランドパターンGND、第2受動素子P2a,P2b及び浮遊容量Cd,Cfにより設定および調整することができる。
また、第3の共振周波数f3のインピーダンス調整は、浮遊容量Cd,Cfの各浮遊容量の設定で行うことができる。
さらに、最終的な周波数調整は、第2受動素子P2a,P2bの選択によりフレキシブルに行うことが可能である。
このように第3の共振周波数f3は、主に図2中の二点鎖線A3の部分で調整される。
また、形成された開口パターン部内に発生する浮遊容量によって人体や周辺部品の影響を低減することが可能になる。
さらに、アンテナ素子ATと第3延在部E3との間の浮遊容量Cdにより、アンテナ素子AT自体が直接グランドパターンGNDとの間の浮遊容量を発生することが無く、アンテナ素子ATとグランドパターンGNDとの間の距離による依存性が少なくなると共に、グランドパターンGNDへの高周波電流を効率的に流すことが可能になる。
また、アンテナ素子および各受動素子の選択によって、各共振周波数をフレキシブルに調整可能であり、設計条件に応じた複共振化が可能なアンテナ装置を得ることができる。このように、アンテナ構成上、各共振周波数をフレキシブルに調整できるため、共振周波数の入れ替えが可能になり、用途や機器に応じて受動素子等による調整箇所を変更可能になっている。
第1受動素子P1a:L=2.7nHのインダクタ
第1受動素子P1b:L=3.3nHのインダクタ
第2受動素子P2a:C=0.4pFのコンデンサ
第2受動素子P2b:C=0.5pFのコンデンサ
第3受動素子P3 :L=2.7nHのインダクタ
第4受動素子P4 :L=22nHのインダクタ
なお、第1の共振周波数f1の周波数帯は1575MHz、第2の共振周波数f2の周波数帯は2442MHz、第3の共振周波数f3の周波数帯は5470MHzである。
なお、第2延在部E2の基端から先端に向かう延在方向(アンテナ素子ATの延在方向)を−Y方向とし、第1延在部E1の基端から先端に向かう延在方向を−X方向とし、基板本体2表面に対する垂直方向をZ方向とした。この際のZX面に対する垂直偏波、水平偏波及び電力利得を測定した。
例えば、上記実施形態では、第2延在部にアンテナ素子を設けているが、第5延在部にアンテナ素子を設けてエレメントの短縮化を行い、装置全体の小型化を図っても構わない。
さらに、基板サイズに余裕がある場合には、上記エレメントの一部を線状若しくは板状の金属を折り返した形状のパターンに置き換えても構わない。また、同一の基板本体の表裏面に対してスルーホールを用いて、螺旋状などの形状に旋回させたパターンにしても構わない。
Claims (4)
- 絶縁性の基板本体と、
該基板本体の表面にそれぞれ金属箔でパターン形成されたグランドパターン、第1エレメント及び第2エレメントとを備え、
前記第1エレメントが、前記グランドパターンに近接した基端側に給電点が設けられて前記グランドパターンから離間する方向に延在する第1延在部と、該第1延在部の先端から前記グランドパターンに沿って延在する第2延在部とを有し、
前記第2エレメントが、前記第1延在部の途中に基端が接続され前記第2延在部に沿って延在する第3延在部と、該第3延在部の先端から前記グランドパターンに向けて延在し先端が該グランドパターンに接続された第4延在部とを有し、
前記第1延在部の基端が前記グランドパターンに接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記第2延在部の途中に誘電体アンテナのアンテナ素子が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1又は2に記載のアンテナ装置において、
前記第1延在部の途中に第1受動素子が接続され、
前記第3延在部及び前記第4延在部の少なくとも一方に第2受動素子が接続されていると共に、前記第1延在部の基端が第3受動素子を介して前記グランドパターンに接続されていることを特徴とするアンテナ装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載のアンテナ装置において、
前記第1エレメントが、前記第2延在部の先端に第4受動素子を介して基端が接続され前記第2延在部の基端側に向けて前記第2延在部に沿って延在する第5延在部を有していることを特徴とするアンテナ装置。
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