JP2014127728A - 短絡故障保護装置及び短絡故障保護方法 - Google Patents

短絡故障保護装置及び短絡故障保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力変換装置において短絡故障が発生した場合にサージの抑制と損失の低下を両立させる。
【解決手段】本発明の短絡故障保護装置は、電力変換装置で発生した短絡故障を検出する短絡故障検出部5と、短絡故障が検出されてIGBT3Aがオフされる場合に、IGBT3Aのゲートにおける電圧変化率を切り換えるタイミングを設定する切換タイミング設定部11と、短絡故障が検出されてIGBT3Aがオフされると、IGBT3Aのゲート電圧を第1の電圧変化率で変化させ、切換タイミング設定部11によって設定されたタイミングで第2の電圧変化率に切り替えるサージ抑制回路9とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のスイッチング素子を制御して電力を変換する電力変換装置において短絡故障が発生した場合に、その短絡故障から電力変換装置を保護する短絡故障保護装置及びその方法に関する。
インバータ等の電力変換装置には、電力制御用半導体として例えばバイポーラMOS複合型半導体素子(IGBT)が多く使用されている。IGBTは、ゲート電圧とコレクタ電圧によってコレクタ電流を決定しているが、ゲート電圧が大きくなるにしたがってコレクタ電圧の増加に伴うコレクタ電流の増加傾斜も急激に大きくなるという特性がある。
この特性により、電力変換装置において上下アーム短絡やモータ等の負荷短絡等(地絡等)が生じると、オン作動中のIGBTに電力変換装置の電源電圧が印加されて過大な短絡電流(コレクタ電流)が流れる。その結果、過大な短絡電流によって半導体の短絡耐量を越えて熱破壊が生じたり、短絡電流を高速で遮断することにより跳ね上がり電圧(サージ)が大きく発生してIGBTの耐圧限界を超えて破壊される場合があった。
そこで、従来の電力変換装置では、IGBTのコレクタ−エミッタ間の電圧を監視し、この電圧が所定の電圧を超えると、短絡故障の発生を検知してIGBTをターンオフする構成となっていた。このとき、非特許文献1では、サージを抑制するためにIGBTをゆるやかにターンオフするソフトターンオフを実施することが開示されている。
富士電機株式会社発行 アプリケーションマニュアル−IGBTモジュール 第5章 保護回路設計方法 5-2〜5-6頁
しかしながら、ソフトターンオフによってゲート蓄積電荷の放電を遅くすると、IGBTをターンオフするまでに時間がかかり、短絡電流がIGBTに流れる時間が長くなって損失が増大してしまう。一方、ゲート蓄積電荷の放電を早くすると、IGBTがターンオフされる際に発生するサージ(スパイク電圧)が過大になってしまう。
したがって、従来ではサージの抑制と損失の低下を両立させて半導体を保護することは困難であるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、電力変換装置において短絡故障が発生した場合に、サージの抑制と損失の低下を両立させることのできる短絡故障保護装置及び短絡故障保護方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数のスイッチング素子を制御して電力を変換する電力変換装置で発生した短絡故障を検出すると、スイッチング素子の制御端子における電圧変化率を切り換えるタイミングを設定する。そして、短絡故障が検出されてスイッチング素子がオフされると、スイッチング素子の制御端子の電圧を第1の電圧変化率で変化させ、設定されたタイミングで第2の電圧変化率に切り替えることにより、上述した課題を解決する。
本発明によれば、短絡故障が発生した場合にサージの抑制と損失の低下を両立させて電力変換装置を保護することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る短絡故障保護装置を搭載した電力変換装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る短絡故障保護装置を搭載した電力変換装置を含む電力変換システムの構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る短絡故障保護装置による短絡故障保護処理の手順を示すフローチャートである。 図4は、本発明の第1実施形態に係る短絡故障保護装置による短絡故障保護処理を説明するためのタイミングチャートである。 図5は、本発明の第1実施形態の変形例に係る短絡故障保護装置を搭載した電力変換装置の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の第2実施形態に係る短絡故障保護装置を搭載した電力変換装置の構成を示すブロック図である。 図7は、本発明の第2実施形態に係る短絡故障保護装置による短絡故障保護処理を説明するためのタイミングチャートである。 図8は、本発明の第3実施形態に係る短絡故障保護装置を搭載した電力変換装置の構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第3実施形態に係る短絡故障保護装置による短絡故障保護処理を説明するためのタイミングチャートである。
以下、本発明を適用した第1〜第3実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
[短絡故障保護装置の構成]
図1は本実施形態に係る短絡故障保護装置を搭載した電力変換装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る電力変換装置1は、IGBT3A、3Bと、短絡故障検出部5と、駆動制御部7と、サージ抑制回路9と、切換タイミング設定部11とを備えている。これらの構成要素のうち、本実施形態に係る短絡故障保護装置は短絡故障検出部5と、サージ抑制回路9と、切換タイミング設定部11とから構成されている。
電力変換装置1は、図2に示すように高電圧バッテリー21から供給された直流電力を交流電力に変換して三相交流モータ23に出力するインバータである。
IGBT3A、3Bは、電力変換装置1を構成するスイッチング素子であり、IGBT3AとIGBT3Bで対向アームを構成している。本実施形態では下アームであるIGBT3Bが短絡故障した場合について説明するが、上アームであるIGBT3Aが短絡故障した場合も同様に保護することが可能である。
短絡故障検出部5は、電力変換装置1で発生した短絡故障を検出しており、本実施形態ではIGBT3Aのコレクタ端子の電圧、すなわちコレクタ−エミッタ間の電圧Vceの変化率に基づいて短絡故障を検出している。そして、短絡故障を検出すると、短絡故障検出信号Vdesを出力する。具体的な構成としては、微分回路等によって電圧変化率dVce/dtを検出する電圧変化率検出回路31と、電圧変化率検出回路31の出力と所定の閾値とを比較するコンパレータ33とを備えている。
駆動制御部7は、マイクロコンピュータやマイクロプロセッサ、CPUを含む汎用の電子回路によって構成され、上位システムからの駆動指令に応じてIGBT3Aのオン、オフの駆動を制御している。IGBT3Aをオンする場合には、駆動制御部7から駆動信号Vgeoutがバッファ回路41を介してIGBT3Aのゲートに出力され、オフする場合には駆動信号Vgeoutの出力が停止される。バッファ回路41はIGBT3Aのゲート容量の充電を行うために設置されている。そして、駆動制御部7は、短絡故障検出部5によって短絡故障が検出されて短絡故障検出信号Vdesを受信すると、駆動信号Vgeoutを停止してIGBT3Aをオフする。
サージ抑制回路9は、正常動作中のスイッチングにおいてコレクタ電圧Vceのサージを所定の大きさに抑制する回路である。そして、短絡故障の発生時には、短絡故障検出部5によって短絡故障が検出されてIGBT3Aがオフされると、IGBT3Aのゲート(制御端子)の電圧変化率を切り換える電圧変化率切換部として機能する。サージ抑制回路9は、短絡故障が検出されてIGBT3Aがオフされると、まずIGBT3Aのゲート電圧を第1の電圧変化率で変化させ、その後切換タイミング設定部11によって設定されたタイミングで第2の電圧変化率に切り替えている。具体的な構成としては、サージ抑制回路9は、第1トランジスタTr1と、第2トランジスタTr2と、第3トランジスタTr3と、制限抵抗Rとを備えている。第1トランジスタTr1はIGBT3Aのゲート容量を放電するための電流を制御するために設置されており、第2トランジスタTr2は第1トランジスタTr1のベース電流を制御する目的で設置されている。また、第3トランジスタTr3は、IGBT3Aを高速にオフする通常動作時のターンオフと、IGBT3Aをゆるやかにターンオフするソフトターンオフとの切り換えを行っている。制限抵抗Rは、第3トランジスタTr3がオフされてソフトターンオフを行う場合に第1トランジスタTr1のベース電流を制限している。したがって、サージ抑制回路9は、第3トランジスタTr3をオン、オフすることによって、IGBT3Aのゲート電圧の電圧変化率を第1の電圧変化率から第2の電圧変化率へと切り換えている。
切換タイミング設定部11は、短絡故障検出部5によって短絡故障が検出され、IGBT3Aがオフされた後に、IGBT3Aのゲートの電圧変化率を切り換えるタイミングを設定する。本実施形態では、切換タイミング設定部11は遅延回路43を備えており、短絡故障が検出されてから所定の遅延時間τ1が経過したタイミングで電圧変化率を切り換えるように設定されている。尚、遅延回路43は、一次フィルタのような簡単な回路で実現すればよい。
[短絡故障保護処理の手順]
次に、本実施形態に係る短絡故障保護装置による短絡故障の保護処理の手順を図3のフローチャート及び図4のタイミングチャートを参照して説明する。
図3に示すように、まずステップS101において、短絡故障検出部5が短絡故障を検出する。ここでは、対向アームの下アームであるIGBT3Bが短絡故障した場合について説明する。まず、図4の時刻t1に上位システムから駆動制御部7に駆動指令が入力されて(図4(a))、駆動制御部7が自アームをターンオンするために駆動信号Vgeoutを出力すると(図4(b))、IGBT3Aのゲート電圧が上昇を開始する(図4(c))。そして、時刻t2にゲート電圧が所定の閾値Vgethを超えると、IGBT3Aがオンして短絡電流Icsが発生する(図4(d))。
ここで、IGBT3Aのコレクタ端子の電圧Vceは、図4(e)に示すようにIGBT3Aがターンオンした直後は、短絡電流Icsに応じて電源電圧Vdcから低下する。正常時では、コレクタ電圧Vceは低下したままとなって上昇していくことはないが、短絡故障が発生している場合には短絡電流Icsの上昇に伴ってコレクタ電圧Vceも上昇する。
このとき、電圧変化率検出回路31はIGBT3Aのコレクタ端子の電圧変化率dVce/dtをモニターしており(図4(f))、この値をコンパレータ33が短絡判定閾値aと比較する。そして、時刻t3に電圧変化率dVce/dtが短絡判定閾値aを越えると、短絡故障検出部5は短絡故障の発生を検知して、短絡故障検出信号Vdesを駆動制御部7と切換タイミング設定部11に出力する(図4(g))。
尚、短絡判定閾値aは、IGBT3Aが使用される温度(環境温度/ジャンクション温度)や半導体短絡耐量、耐圧を考慮し、短絡電流を遮断するときに許容できる損失とサージ電圧とを定義することによって設定することが可能である。短絡判定閾値aを下げると、少ない短絡電流で遮断するため、損失が少なく且つ発生するサージ電圧は比較的小さい状態で保護動作を行うことができるが、誤検知の可能性が上がってしまう。逆に、短絡判定閾値aを上げると、大きい短絡電流を遮断するため、損失が多く且つ発生するサージ電圧が大きい状態で保護動作を行うことになるが、誤検知の可能性は下げることができる。
次に、ステップS102において駆動制御部7によってIGBT3Aのターンオフ動作が行われるとともに、ステップS103において切換タイミング設定部11が切換タイミングを設定する。
まず、駆動制御部7は、時刻t3に短絡故障検出信号Vdesが入力されると、上位システムに対して短絡エラー信号を出力するとともに、短絡電流を遮断するために駆動信号Vgeoutを停止する(図4(b))。駆動信号Vgeoutが停止されると、まず通常動作時と同じ低スイッチング損失のターンオフが行われる。具体的に説明すると、駆動信号Vgeoutが停止されると、第1及び第2トランジスタTr1、Tr2がオンする。このとき図4(h)に示す切換タイミング設定部11からの切換信号sによって、第3トランジスタTr3はすでにオンされているので、IGBT3Aのゲート容量が放電され、図4(c)に示すようにゲート電圧は低下していく。
一方、このとき切換タイミング設定部11の遅延回路43では、時刻t3に短絡故障検出信号Vdesが入力されると、遅延時間τ1のカウントが開始されている。
そして、図4(c)に示すように、IGBT3Aのゲート電圧が時刻t4に所定の閾値Vgethを下回るとIGBT3Aがオフして、この後IGBT3Aのゲート電圧は通常動作時の高い電圧変化率(第1の電圧変化率)で低下する。このとき短絡電流Icsは図4(d)に示すように急激に低下するが、コレクタ電圧Vceは図4(e)に示すように通常のターンオフを行ったためにサージによって急激に上昇する。
ここで、ステップS104において、サージ抑制回路9によってIGBT3Aのゲートの電圧変化率が切り換えられる。時刻t5になると、遅延時間τ1が経過したことにより図4(h)に示すように切換タイミング設定部11からの切換信号sが停止するので、第3トランジスタTr3がオフする。これにより、第1トランジスタTr1のベース電流が制限抵抗Rによって制限されるので、IGBT3Aはゆるやかなターンオフであるソフトターンオフに切り換えられる。したがって、IGBT3Aのゲート電圧は低い電圧変化率(第2の電圧変化率)へと切り換えられ、ゲート電圧は図4(c)に示すようにゆるやかに低下していくことになる。また、短絡電流Icsの低下も図4(d)に示すようにゆるやかになり、サージも抑制されてコレクタ電圧Vceは図4(e)に示すように急上昇から低下へと変化する。
尚、遅延時間τ1は、IGBT3Aが使用される温度(環境温度/ジャンクション温度)や半導体短絡耐量、耐圧を考慮し、短絡電流を遮断するときに許容できる損失とサージ電圧とを定義することによって設定することが可能である。遅延時間τ1を小さくすると、ソフトターンオフの時間が長くなり、発生するサージは比較的小さくなるが損失は増加する。逆に、遅延時間τ1を大きくすると、ソフトターンオフの時間が短くなり、発生するサージは大きくなるが、損失は減少する。また、ソフトターンオフのオフ期間を設定する制限抵抗Rについても同様に設定することができる。通常のターンオフ動作では抑制しきれない過大なサージ電圧を、半導体耐圧を超えない範囲となるように制限抵抗Rでオフ期間を調整してターンオフ動作を行うようにすればよい。
そして、上述した処理を行うことにより、最終的に時刻t6において短絡電流Icsが遮断されると、本実施形態に係る短絡故障の保護処理を終了する。
[変形例]
次に、本実施形態に係る短絡故障保護装置の変形例について図面を参照して説明する。
図5は変形例に係る短絡故障保護装置を搭載した電力変換装置の構成を示すブロック図である。図5に示すように、変形例に係る電力変換装置51は、切換タイミング設定部11を駆動制御部7に設けたことが第1実施形態と相違している。
上述した第1実施形態では、切換タイミング設定部11を独立して形成していたが、本変形例では切換タイミング設定部11を駆動制御部7の1つの機能として形成している。切換タイミング設定部11の動作は上述した実施形態と同一であり、通常動作時は切換信号sを出力しており、短絡故障検出信号Vdesが駆動制御部7に入力されると、遅延時間τ1をカウントし、遅延時間τ1が経過すると、切換信号sを停止する。
上述した実施形態のように切換タイミング設定部11を独立して形成すると、IGBT3A、3Bの特性に合わせて設計変更を容易に行うことができるという特徴がある。また、本変形例のように切換タイミング設定部11を駆動制御部7の1つの機能として形成すると、配線や回路構成を簡単な構成にできるという特徴がある。
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る短絡故障保護装置では、短絡故障が検出されてIGBTがオフされると、IGBTのゲート電圧を第1の電圧変化率で変化させ、その後に予め設定されたタイミングで第2の電圧変化率に切り替える。これにより、短絡故障が発生した場合にサージの抑制と損失の低下を両立させて電力変換装置を保護することができる。
特に、本実施形態では、短絡故障が検出されると、まず低損失な通常動作のターンオフでIGBT3Aをオフするが、従来では短絡故障を検出すると、直ちにソフトターンオフを行っていた。これにより、従来では図4(d)の点線I’で示すように短絡電流Icsはゆるやかに減少するので、損失が増大して短絡耐量を超えてしまう恐れがあった。
これに対して、本実施形態に係る短絡故障保護装置では、短絡故障が検出されると低損失な通常動作のターンオフを行うので、図4(d)の実線で示すように短絡電流を急激に減少させて損失を抑制させている。これにより、半導体を短絡耐量の破壊から保護することが可能となる。
一方、通常動作のターンオフを行っただけでは、図4(e)の点線V’に示すようにサージ電圧は耐圧Vtを超えて上昇し続けてしまう。そこで、本実施形態に係る短絡故障保護装置では、遅延時間τ1によって設定されたタイミングで通常動作のターンオフからソフトターンオフに切り換えている。これにより、コレクタ電圧Vceは、図4(e)の実線で示すように耐圧Vtを超えることなく低下するので、半導体を耐圧破壊から保護することが可能となる。
このように、本実施形態に係る短絡故障保護装置によれば、損失の増大による短絡耐量の破壊を防ぐことができるとともに、耐圧の破壊も防ぐことができ、安全に短絡電流を遮断することが可能となる。
さらに、半導体が実装されたパワーモジュールが有する配線インダクタンス(チップ実装ワイヤ等)や、その周辺を構成するバスバー等の主回路インピーダンスの特性によって短絡故障発生時におけるコレクタ電圧の振る舞いは変わってくる。したがって、構成する部品のインダクタンスを含めた特性に応じて、短絡故障発生時のコレクタ電圧の変動に合わせて検知レベルを設定すれば、パワーモジュール内部の構成やその周辺部品のレイアウト設計等に自由度を持たせることが可能となる。
また、本実施形態に係る短絡故障保護装置によれば、IGBTのコレクタ端子の電圧変化率dVce/dtに基づいて短絡故障を検出するので、短絡故障によるコレクタ電圧Vceの異常な上昇を検知することができ、確実に短絡故障を検出することができる。
さらに、本実施形態に係る短絡故障保護装置によれば、短絡故障が検出されてから所定の遅延時間が経過したタイミングで電圧変化率を切り替えているので、遅延時間を適切な値に設定することによって短絡耐量の破壊と耐圧の破壊をいずれも防ぐことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る短絡故障保護装置について図面を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
[短絡故障保護装置の構成]
図6は本実施形態に係る短絡故障保護装置を搭載した電力変換装置の構成を示すブロック図である。図6に示すように、本実施形態に係る電力変換装置61は、短絡故障検出部63の構成が第1実施形態と相違している。
本実施形態に係る短絡故障検出部63は、第1実施形態と比較して電圧変化率検出回路31を削除し、コンパレータ33のみを備えている点が相違している。コンパレータ33は、コレクタ電圧Vceと所定の閾値とを比較する。これにより、本実施形態に係る短絡故障検出部63は、IGBT3Aのコレクタ端子の電圧Vceに基づいて短絡故障を検出し、短絡故障を検出すると、短絡故障検出信号Vdesを出力する。尚、切換タイミング設定部11については駆動制御部7に設置されていてもよい。
[短絡故障保護処理の手順]
次に、本実施形態に係る短絡故障保護装置による短絡故障の保護処理の手順を図7のタイミングチャートを参照して説明する。尚、本実施形態に係る短絡故障保護処理は、短絡故障の検出方法のみが相違しており、その他の処理は第1実施形態と同一である。
図7(c)に示すように、時刻t2においてゲート電圧が所定の閾値Vgethを超えると、IGBT3Aがオンして、図7(d)に示すように短絡電流Icsが発生する。
IGBT3Aがターンオンした直後は、IGBT3Aのコレクタ端子の電圧Vceは、図7(e)に示すように短絡電流Icsに応じて電源電圧Vdcから低下していくが、その後、短絡電流Icsの上昇に伴ってコレクタ電圧Vceも上昇する。このとき、コンパレータ33は、IGBT3Aのコレクタ電圧Vceをモニターしており、短絡判定閾値bと比較している。
通常動作時ではコレクタ電圧Vceは、ターンオン直後に低下して図7(e)の点線Vce’で示すように低下したまま上昇してくることはない。しかし、短絡故障している場合には短絡電流Icsの上昇に伴ってコレクタ電圧Vceも上昇する。そこで、IGBT3Aがオン状態のときにコレクタ電圧Vceが短絡判定閾値bを超えて上昇した場合に短絡故障であると判定すれば、短絡故障の発生を検知することができる。
そこで、短絡故障検出部63は、IGBT3Aがオン状態のときにコレクタ電圧Vceが短絡判定閾値bを越えると、短絡故障の発生を検知して、短絡故障検出信号Vdesを駆動制御部7と切換タイミング設定部11に出力する(図7(f))。尚、IGBT3Aがオン状態であるか否かの判定については、駆動制御部7から駆動信号Vgeout等の信号を受信して短絡故障検出部63が判断してもよいし、駆動制御部7が判定してもよい。
これ以後の処理は第1実施形態と同一の処理となり、遅延時間τ1が経過した後に通常のターンオフからソフトターンオフへと切り換える処理が実行されて、本実施形態に係る短絡故障の保護処理を終了する。
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る短絡故障保護装置では、短絡故障が検出されてIGBTがオフされると、IGBTのゲート電圧を第1の電圧変化率で変化させ、その後に予め設定されたタイミングで第2の電圧変化率に切り替える。これにより、短絡故障が発生した場合にサージの抑制と損失の低下を両立させて電力変換装置を保護することができる。
また、本実施形態に係る短絡故障保護装置によれば、IGBTのコレクタ端子の電圧に基づいて短絡故障を検出するので、規定の検知電圧に達した時点で短絡電流を遮断することができ、短絡電流が小さい時点で遮断することが可能となる。したがって、短絡時の損失を低減できるとともに、過大なサージを抑制することも可能となる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る短絡故障保護装置について図面を参照して説明する。尚、第1及び第2実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
[短絡故障保護装置の構成]
図8は本実施形態に係る短絡故障保護装置を搭載した電力変換装置の構成を示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態に係る電力変換装置81は、切換タイミング設定部83の構成が第1及び第2実施形態と相違している。
本実施形態に係る切換タイミング設定部83は、遅延回路43の代わりにコンパレータ45を備えている点が第1実施形態と相違している。コンパレータ45は、電圧変化率検出回路31の出力と所定の閾値とを比較する。また、短絡故障検出部5は短絡故障検出信号Vdesを駆動制御部7のみに出力する点が第1実施形態と相違している。
これにより、本実施形態に係る切換タイミング設定部83は、IGBT3Aのコレクタ端子の電圧変化率dVce/dtが所定値となったタイミングを、IGBT3Aのゲートの電圧変化率を切り換えるタイミングとして設定する。尚、切換タイミング設定部83については駆動制御部7に設置されていてもよい。
[短絡故障保護処理の手順]
次に、本実施形態に係る短絡故障保護装置による短絡故障の保護処理の手順を図9のタイミングチャートを参照して説明する。尚、本実施形態に係る短絡故障保護処理は、切換タイミングの設定方法のみが相違しており、その他の処理は第1実施形態と同一である。
図9(g)に示すように時刻t3において短絡故障が検出されて短絡故障検出信号Vdesが出力されると、短絡故障検出信号Vdesが入力された駆動制御部7は図9(b)に示すように短絡電流を遮断するために駆動信号Vgeoutを停止する。駆動信号Vgeoutが停止されると、通常動作時と同じ低スイッチング損失のターンオフが行われるので、第1〜第3トランジスタTr1、Tr2、Tr3がオンして、図9(c)に示すようにIGBT3Aのゲート電圧が低下していく。そして、時刻t4においてIGBT3Aのゲート電圧が所定の閾値Vgethを下回ると、IGBT3Aがオフする。この後、IGBT3Aのゲート電圧は、通常動作時の高い電圧変化率(第1の電圧変化率)で低下し、短絡電流Icsも図9(d)に示すように急激に低下する。一方、コレクタ電圧Vceは図9(e)に示すように通常のターンオフを行ったためにサージによって急激に上昇する。
ここで、サージによってコレクタ電圧Vceが上昇したことによって、電圧変化率dVce/dtは図9(f)に示すように短絡故障判定閾値aを超えて一旦上昇する。その後、電圧変化率dVce/dtは低下して時刻t5に切換判定閾値cを下回ると、コンパレータ45が図9(h)に示すように切換判定信号を出力する。そして、このタイミングで切換タイミング設定部83は、図9(i)に示すように切換信号sを停止するので、第3トランジスタTr3がオフしてソフトターンオフに切り換えられる。この後、最終的に時刻t6において短絡電流Icsが遮断されると、本実施形態に係る短絡故障の保護処理を終了する。
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る短絡故障保護装置では、短絡故障が検出されてIGBTがオフされると、IGBTのゲート電圧を第1の電圧変化率で変化させ、その後に予め設定されたタイミングで第2の電圧変化率に切り替える。これにより、短絡故障が発生した場合にサージの抑制と損失の低下を両立させて電力変換装置を保護することができる。
また、本実施形態に係る短絡故障保護装置では、IGBTのコレクタ端子の電圧変化率dVce/dtが所定値となったタイミングを、IGBTのゲートの電圧変化率を切り替えるタイミングとして設定する。これにより、短絡電流遮断時における損失のばらつきやサージ電圧のばらつきを小さくすることが可能となる。
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
1、51、61、81 電力変換装置
3A、3B IGBT
5、63 短絡故障検出部
7 駆動制御部
9 サージ抑制回路
11、83 切換タイミング設定部
21 高電圧バッテリー
23 三相交流モータ
31 電圧変化率検出回路
33、45 コンパレータ
41 バッファ回路
Tr1 第1トランジスタ
Tr2 第2トランジスタ
Tr3 第3トランジスタ
R 制限抵抗
43 遅延回路

Claims (6)

  1. 複数のスイッチング素子を制御して電力を変換する電力変換装置の短絡故障保護装置であって、
    前記電力変換装置で発生した短絡故障を検出する短絡故障検出部と、
    前記短絡故障検出部によって短絡故障が検出されて前記スイッチング素子がオフされる場合に、前記スイッチング素子の制御端子における電圧変化率を切り換えるタイミングを設定する切換タイミング設定部と、
    前記短絡故障検出部によって短絡故障が検出されて前記スイッチング素子がオフされると、前記スイッチング素子の制御端子の電圧を第1の電圧変化率で変化させ、前記切換タイミング設定部によって設定されたタイミングで第2の電圧変化率に切り替える電圧変化率切換部と
    を備えたことを特徴とする短絡故障保護装置。
  2. 前記短絡故障検出部は、前記スイッチング素子のコレクタ端子の電圧変化率に基づいて短絡故障を検出することを特徴とする請求項1に記載の短絡故障保護装置。
  3. 前記短絡故障検出部は、前記スイッチング素子のコレクタ端子の電圧に基づいて短絡故障を検出することを特徴とする請求項1に記載の短絡故障保護装置。
  4. 前記切換タイミング設定部は、前記短絡故障検出部によって短絡故障が検出されてから所定時間が経過したタイミングを、前記スイッチング素子の制御端子の電圧変化率を切り替えるタイミングとして設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の短絡故障保護装置。
  5. 前記切換タイミング設定部は、前記スイッチング素子のコレクタ端子の電圧変化率が所定値となったタイミングを、前記スイッチング素子の制御端子の電圧変化率を切り替えるタイミングとして設定することを特徴とする請求項2に記載の短絡故障保護装置。
  6. 複数のスイッチング素子を制御して電力を変換する電力変換装置における短絡故障保護方法であって、
    前記電力変換装置で発生した短絡故障を検出し、
    前記短絡故障が検出されて前記スイッチング素子がオフされる場合に、前記スイッチング素子の制御端子における電圧変化率を切り換えるタイミングを設定し、
    前記短絡故障が検出されて前記スイッチング素子がオフされると、前記スイッチング素子の制御端子の電圧を第1の電圧変化率で変化させ、設定された前記タイミングで第2の電圧変化率に切り替える
    ことを特徴とする短絡故障保護方法。
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