JP2014125017A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】意図しないステアリング挙動の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωshに達したとき、操舵速度ゲインGsが「0」に設定される。これにより、最終的な基本アシスト制御量Iasが「0」になって、操舵系に対するアシスト力の印加が停止される。このため、自励振動などの意図しないステアリング挙動の発生原因であるいわゆる逆アシストの繰り返しが停止される。これにより、ステアリング挙動が改善される。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
一般に、電動パワーステアリング装置(EPS)は、駆動源としてのモータ、トルクセンサおよび制御装置を備えている。トルクセンサは、ステアリングシャフトの途中に設けられたトーションバーの捩れに基づきセンサ信号を生成する。制御装置は、当該センサ信号に基づき操舵トルクを検出し、当該操舵トルクに応じて適切なアシスト力が操舵系に付与されるようにモータのトルクを制御する。このため、EPSでは、適切なアシスト力を得るために、操舵トルクを安定的かつ精度良く検出することが要求される。この点、たとえば特許文献1には、2つのトルクセンサを備えたEPSが開示されている。当該EPSによれば、2つのトルクセンサのうち一方のトルクセンサにより生成されるセンサ信号に異常が生じた場合であれ、残りの正常なトルクセンサにより生成されるセンサ信号を利用することによりアシスト力を継続して操舵系に付与することができる。
登録特許第4806941号公報(段落0041〜0046、図6、図7)
特許文献1のEPSでは、残りの正常なトルクセンサにより生成されるセンサ信号にも異常のおそれがある場合、当該異常が疑われる状態が所定時間だけ継続するとき、当該異常を確定して操舵系に対するアシスト力の付与を停止する。しかし、特許文献1のEPSは、トルク信号の変動量(ΔT)に基づきトルクセンサの異常を検出しているため、トルクセンサの異常を検出できない場合がある。当該異常の疑いがもたれてからアシストが停止されるまでのことについては何ら考慮されていない。このため、残りのセンサ信号に異常が発生してからアシストが停止されるまでの間においては、意図しないアシスト力が操舵系に付与されるおそれがある。
たとえば、残りのトルクセンサの異常が、操舵トルクの検出値が本来の符号と正負逆になる逆ゲイン故障である場合、特許文献1のEPSではその異常を検出できず、操舵方向と逆方向のアシスト力が発生する。特許文献1のEPSでは、このいわゆる逆アシストに起因して、自励振動が発生することが懸念される。すなわち、右へ操舵したときには、本来のアシスト方向と反対の左へアシストされる。当該アシストに引っ張られてステアリングが左へ回転すると、今度は右へアシストされる。このように、運転者による操舵を契機として本来のアシスト方向と反対方向へのアシストが繰り返されることにより、ステアリングが振動するおそれがある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、意図しないステアリング挙動の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
<1>上記課題を解決する電動パワーステアリング装置は、モータを駆動源として備え車両の操舵系にアシスト力を付与する操舵力補助装置と、ステアリングシャフトの回転に応じて複数系統のセンサ信号を生成するトルクセンサと、前記センサ信号から得られる操舵トルクに基づき操舵系に付与すべきアシスト力に応じた制御成分であるアシスト制御量を演算し、当該アシスト制御量に応じてモータを制御することによりアシスト力を操舵系に付与する制御装置と、を備えている。前記制御装置は、操舵速度の絶対値が、意図しないステアリング挙動が発生する蓋然性の有無に基づき設定されるしきい値以上の大きさになったとき、前記アシスト制御量を零にする。
操舵速度の絶対値が著しく大きくなる状況として、たとえばトルクセンサの異常に起因する自励振動などの意図しないステアリング挙動の発生が懸念される。この点、前述したように、操舵速度の絶対値が、意図しないステアリング挙動が発生する蓋然性の有無に基づき設定されるしきい値以上の大きさになったとき、前記アシスト制御量を零にすることにより、トルクセンサに異常が発生したとしても、自励振動などの意図しないステアリング挙動が発生しにくくなる。ひいてはステアリング挙動が改善される。
車両が停止または極低速で走行している場合は、車両が中速または高速で走行している場合と比較して、操舵系に付与されるアシスト力が大きくなる。そのため、トルクセンサの異常による自励振動などの意図しないステアリング挙動が特に生じやすい。
<2>そこで、前記制御装置は、車両が停止または極低速で走行している場合において、前記操舵速度の絶対値が前記しきい値以上の大きさになったとき、前記アシスト制御量を零にすることが好ましい。このようにすれば、操舵系に付与されるアシスト力が低減されることにより、意図しないステアリング挙動が効果的に改善される。
<3>前記電動パワーステアリング装置において、前記トルクセンサは、複数系統のセンサ信号を生成するものであってもよい。この場合、前記制御装置は、前記複数系統のセンサ信号のうち正常なセンサ信号が1系統になった場合、残る正常なセンサ信号を使用して前記アシスト制御量の演算を行うことにより操舵系に対してアシスト力を継続して付与するようにしてもよい。またこのとき、制御装置は、残る正常なセンサ信号が1系統になる前よりもアシスト力を小さくするようにしてもよい。
この構成によれば、センサ信号の多重化を通じて、トルクセンサ、ひいては電動パワーステアリング装置の動作信頼性が確保される。
<4>また、前記電動パワーステアリング装置において、前記制御装置は、つぎのように構成してもよい。すなわち、制御装置は、前記複数系統のセンサ信号のうち正常なセンサ信号が1系統になった場合、瞬発的なモータトルクを操舵系に印加するべく前記アシスト制御量を演算し、当該瞬発的なモータトルクの印加が残る正常なセンサ信号に反映されるかどうかに基づき前記残る正常なセンサ信号の異常を判定する。そして制御装置は、当該判定結果が前記残る正常なセンサ信号に異常が発生した旨示すものであるとき前記アシスト制御量の生成を停止する。そしてこの構成を前提として、前記制御装置は、車両が停止または極低速で走行している場合、前記残る正常なセンサ信号の異常の判定を停止するようにしてもよい。
たとえば前記<3>に記載の構成を採用した場合、前記複数系統のセンサ信号のうち正常なセンサ信号が1系統になった場合、残る正常なセンサ信号を使用して前記アシスト制御量の演算を行うことにより操舵系に対してアシスト力を継続して付与される。
しかし、このとき操舵系に付与されるアシスト力は、正常なセンサ信号が1系統になる前よりも弱いものである。このような状況下では運転者による操舵トルクが特に大きくなりやすい。この場合、トルクセンサがその検出範囲の限界に達して残る正常なセンサ信号の異常を検出することが困難となるおそれがある。このため、本構成のように、車両が停止または極低速で走行している場合、前記残る正常なセンサ信号の異常の判定を停止することが好ましい。
<5>また、前記電動パワーステアリング装置において、前記ステアリングシャフトの回転角あるいは前記モータの回転角を検出する回転角センサを備えてもよい。前記制御装置は、前記回転角に基づき算出する回転速度を操舵速度として算出するとともに、前記アシスト制御量を零としたにもかかわらず、操舵速度の絶対値が前記しきい値あるいは前記しきい値と異なる値に設定される他のしきい値以上となる状態が一定時間継続したとき、前記アシスト制御量の生成を停止することが好ましい。
回転センサの検出誤差などの理由により、前記アシスト制御量を零にしたにも関わらず、モータにわずかな電流が供給されることが考えられる。通常の路面では問題ないものの、車両の各タイヤと路面との摩擦が極めて小さい状況などにおいては、モータのトルクがわずかでも操舵系に印加されることにより意図しないステアリング挙動が発生するおそれがある。この点、アシスト制御量を零としたにもかかわらず、操舵速度の絶対値が減少しない状態が一定時間継続したとき、アシスト制御量の生成を停止することにより、意図しないステアリング挙動の発生を好適に抑制することが可能である。
本発明によれば、意図しないステアリング挙動が発生する蓋然性があるとき、操舵系に付与されるアシスト力が低減される。このため、意図しないステアリング挙動の発生を抑制することができる。
第1の実施の形態の電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 同じくEPSの制御ブロック図。 同じくアシスト継続制御時の瞬発的なモータトルクの印加状態を示す波形図。 同じくアシスト制御部の構成を示す制御ブロック図。 同じくトルクセンサの異常発生モードに応じたアシスト制御の処理手順を示すフローチャート。 同じくアシスト制御の処理手順を示すフローチャート。 同じく試験トルク制御量の生成処理の手順を示すフローチャート。 同じく残存するセンサ信号の異常を検出する処理手順を示すフローチャート。 同じく操舵速度ゲインの演算処理の手順を示すフローチャート。 第2の実施の形態におけるアシスト制御の処理手順を示すフローチャート。 第3の実施の形態における基本アシスト制御量演算部の構成を示す制御ブロック図。
<第1の実施の形態>
以下、電動パワーステアリング装置の第1の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。
<EPSの概要>
図1に示すように、電動パワーステアリング装置(EPS)10は、運転者のステアリング操作に基づいて転舵輪を転舵させる操舵機構20、および運転者のステアリング操作を補助する操舵補助機構30、および操舵補助機構30の作動を制御するECU(電子制御装置)40を備えている。
操舵機構20は、運転者により操作されるステアリングホイール21、およびステアリングホイール21と一体回転するステアリングシャフト22を備えている。ステアリングシャフト22は、ステアリングホイール21の中心に連結されたコラムシャフト22a、コラムシャフト22aの下端部に連結されたインターミディエイトシャフト22b、およびインターミディエイトシャフト22bの下端部に連結されたピニオンシャフト22cからなる。ピニオンシャフト22cの下端部は、ピニオンシャフト22cに交わる方向へ延びるラック軸23(正確には、ラック歯が形成された部分23a)に噛合されている。したがって、ステアリングシャフト22の回転運動は、ピニオンシャフト22cおよびラック軸23からなるラックアンドピニオン機構24によりラック軸23の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラック軸23の両端にそれぞれ連結されたタイロッド25を介して左右の転舵輪26,26にそれぞれ伝達されることにより、これら転舵輪26,26の転舵角θtaが変更される。転舵輪26,26の転舵角θtaが変更されることにより車両の進行方向が変更される。
操舵補助機構30は、操舵補助力の発生源であるモータ31を備えている。モータ31としては、ブラシレスモータなどの三相交流モータが採用される。モータ31は、減速機構32を介してコラムシャフト22aに連結されている。減速機構32はモータ31の回転を減速し、当該減速した回転力をコラムシャフト22aに伝達する。すなわち、ステアリングシャフト22にモータのトルクが操舵補助力(アシスト力)として付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。
ECU40は、車両に設けられる各種のセンサの検出結果を運転者の要求あるいは走行状態を示す情報として取得し、これら取得される各種の情報に応じてモータ31を制御する。
各種のセンサとしては、たとえば車速センサ51、ステアリングセンサ52、トルクセンサ53および回転角センサ54がある。
車速センサ51は、車速(車両の走行速度)Vを検出する。
ステアリングセンサ52は、磁気式の回転角センサであってコラムシャフト22aに設けられている。ステアリングセンサ52は、コラムシャフト22aに固定される回転子52a、および回転子52aに近接して設けられるホールICなどのセンサ素子52bを備えている。センサ素子52bは、回転子52aの回転に伴う磁束変化を検出する。ECU40は、センサ素子52bにより生成されるセンサ信号に基づき操舵角θsを検出する。
トルクセンサ53もコラムシャフト22aに設けられている。トルクセンサ53は、図示しないセンサコア、およびホールICなどの2つのセンサ素子53a,53bを備えている。センサコアは、コラムシャフト22aの中間部に設けられたトーションバー53cの捻れに基づき変化する磁束を生成する。2つのセンサ素子53a,53bは、センサコアの周りにそれぞれ配置されている。ステアリングシャフト22にトルクが印加されてトーションバー53cが捻れると、2つのセンサ素子53a,53bにそれぞれ印加される磁束が変化する。2つのセンサ素子53a,53bは、磁束の変化に応じたセンサ信号Sa,Sbをそれぞれ生成する。ECU40は、2つのセンサ素子53a,53bにより生成されるセンサ信号Sa,Sbに基づいて、操舵トルクτを検出する。
回転角センサ54は、モータ31に設けられて、モータ31の回転角θmを検出する。
ECU40は、車速V、操舵角θs、操舵トルクτおよび回転角θmに基づき、目標アシスト力を演算する。ECU40は、目標アシスト力を操舵補助機構30に発生させるために、モータ31に駆動電力を供給する。なお、ECU40の構成については、後に詳述する。
<ECUの構成>
つぎに、ECUのハードウェア構成を説明する。
図2に示すように、ECU40は、駆動回路(インバータ回路)41およびマイクロコンピュータ42を備えている。
駆動回路41は、マイクロコンピュータ42により生成される後述のモータ制御信号Scに基づいて、バッテリなどの直流電源から供給される直流電流を三相交流電流に変換する。当該変換された三相交流電流は、各相の給電経路43を介してモータ31に供給される。各相の給電経路43には電流センサ44が設けられている。これら電流センサ44は、各相の給電経路43に生ずる実際の電流値Iを検出する。なお、図2では、説明の便宜上、各相の給電経路43および各相の電流センサ44をそれぞれ1つにまとめて図示する。
マイクロコンピュータ42は、車速センサ51、ステアリングセンサ52、トルクセンサ53、回転角センサ54および電流センサ44の検出結果をそれぞれ定められたサンプリング周期で取り込む。マイクロコンピュータ42は、これら取り込まれる検出結果、すなわち車速V、操舵角θs、操舵トルクτ(正確には、2つのセンサ信号Sa,Sb)、回転角θmおよび実際の電流値Iに基づきモータ制御信号(PWM駆動信号)Scを生成する。
正確には、マイクロコンピュータ42は、駆動回路41のPWM駆動を通じて、モータ電流のベクトル制御を行う。ベクトル制御とは、モータ電流を磁界と平行なd軸成分(界磁電流成分)と、これに直交するq軸成分(トルク電流成分)とに分離し、これら分離した電流をそれぞれ独立に目標制御するものである。ベクトル制御により、モータ31を直流モータと類似の取り扱いとすることができる。
<マイクロコンピュータ>
つぎに、マイクロコンピュータの機能的な構成を説明する。
マイクロコンピュータ42は、図示しない記憶装置に格納された制御プログラムを実行することによって実現される各種の演算処理部を有している。
図2に示すように、マイクロコンピュータ42は、これら演算処理部として、操舵トルク演算部61、電流指令値演算部62、モータ制御信号生成部63および異常判定部64を備えている。
操舵トルク演算部61は、トルクセンサ53において生成される2つのセンサ信号Sa,Sbに基づいて操舵トルクτを演算する。前述したように、トルクセンサ53は、そのセンサ素子に磁気検出素子を使用している。このため、操舵トルク演算部61は、操舵トルクτを高精度に検出するために、二系統のセンサ信号Sa,Sbを使用してトルクセンサ53の温度特性などに係る補正処理を行なう。
電流指令値演算部62は、操舵角θs、車速Vおよび操舵トルクτに基づき、操舵補助機構30に発生させるべき目標アシスト力に対応する電流指令値Iを演算する。電流指令値Iは、モータ31に供給するべき電流を示す指令値である。正確には、電流指令値Iは、d/q座標系におけるq軸電流指令値およびd軸電流指令値を含む。d/q座標系は、モータ31の回転角θmに従う回転座標である。
モータ制御信号生成部63は、電流指令値I、実際の電流値Iおよびモータ31の回転角θmをそれぞれ取り込み、これら取り込まれる情報に基づき実際の電流値Iが電流指令値Iに追従するように電流のフィードバック制御を行う。モータ制御信号生成部63は、電流指令値Iと実際の電流値Iとの偏差を求め、当該偏差を無くすようにモータ制御信号Scを生成する。
正確には、モータ制御信号生成部63は、回転角θmを使用してモータ31の三相の電流値を二相のベクトル成分、すなわちd/q座標系におけるd軸電流値およびq軸電流値に変換する。そして、モータ制御信号生成部63は、d軸電流値とd軸電流指令値との偏差、およびq軸電流値とq軸電流指令値との偏差をそれぞれ求め、これら偏差を解消するPWMデューティを算出する。モータ制御信号Scには、当該PWMデューティが含まれる。駆動回路41を通じてモータ制御信号Scに応じた電流がモータ31に供給されることにより、モータ31は目標アシスト力(アシスト指令値)に応じた回転力を発生する。
<トルクセンサの異常検出機能>
マイクロコンピュータ42は、トルクセンサ53の異常を検出する異常検出機能を有している。当該機能の実現手段として、マイクロコンピュータ42は、異常判定部64を備えている。
異常判定部64は、トルクセンサ53により生成される2つのセンサ信号Sa,Sb、ひいてはトルクセンサ53の異常の有無を検出する。異常判定部64は、たとえばつぎの(A),(B)の判定処理を通じて2つのセンサ信号Sa,Sbの異常の有無を検出する。
(A)2つのセンサ信号Sa,Sbの値がそれぞれ正常時に取り得る値を逸脱するものであるか否かの判定処理。2つのセンサ信号Sa,Sbの値がそれぞれ正常時に取り得る値を逸脱していれば、その逸脱したセンサ信号Sa,Sbは異常である。
(B)2つのセンサ信号Sa,Sbの値の比較判定処理、あるいは2つのセンサ信号Sa,Sbの単位時間あたりの変化量の比較判定処理。2つのセンサ信号Sa,Sbの値がそれぞれ正常であれば2つのセンサ信号Sa,Sbの値あるいは単位時間あたりの変化量は一致する。2つのセンサ信号Sa,Sbの少なくとも一方が異常であれば2つのセンサ信号Sa,Sbの値あるいは単位時間あたりの変化量は一致しない。
異常判定部64は、2つのセンサ信号Sa,Sbについての異常有無の判定結果が異常を示すものであるとき、異常検出信号Strを生成する。
<アシスト制御>
マイクロコンピュータ42は、異常判定部64により検出されるトルクセンサ53の異常発生の状態に応じてパワーアシスト制御を実行する。パワーアシスト制御には、通常のパワーアシスト制御(通常制御)、アシスト停止制御、およびアシスト継続制御の3つがある。
マイクロコンピュータ42は、トルクセンサ53が正常、すなわち2つのセンサ素子53a,53bのいずれも正常である場合には通常制御を実行する。
マイクロコンピュータ42は、2つのセンサ素子53a,53bのいずれも異常である場合にはアシスト停止制御を実行する。すなわち、電流指令値演算部62は、異常検出信号Strに基づき2つのセンサ素子53a,53bがともに故障した旨判断される場合、電流指令値Iの出力を停止する。
マイクロコンピュータ42は、2つのセンサ素子53a,53bのいずれか一方のみが異常である場合には、バックアップ制御としてアシスト継続制御を実行する。すなわち、操舵トルク演算部61は、故障が発生していない他方のセンサ素子により生成される正常なセンサ信号を使用することにより、操舵トルクτの演算を続行する。電流指令値演算部62は、残る正常なセンサ信号を使用して算出される操舵トルクτに基づいて、電流指令値Iを演算する。当該電流指令値Iに基づきパワーアシスト制御が継続して実行される。なお、この場合には、前述した2つのセンサ信号Sa,Sbを使用した補正処理は実行されない。
<2次故障検出機能>
ここで、アシスト継続制御が実行されている場合、すなわち2つのセンサ素子53a,53bの一方が故障している場合、残る一つの正常なセンサ信号については、他のセンサ信号との比較に基づく前述の異常判定を行うことができない。
そこでマイクロコンピュータ42は、つぎのようにして残る正常なセンサ信号の異常判定を行う。すなわち、マイクロコンピュータ42は、アシスト継続制御を実行しているとき、モータ31の制御を通じて、操舵系に瞬発的なモータトルクを周期的に印加する。瞬発的なモータトルクはEPS本来の機能であるアシスト力の付与とは無関係であるものの、瞬発的なモータトルクに応じてトーションバー53cは捻れる。このため、残存センサ信号が変化するタイミングおよび変化方向を当然に予想し得る状況となる。マイクロコンピュータ42は、瞬発的なモータトルクの印加が、アシスト継続制御の基礎となる残存センサ信号に反映されるかどうかに基づいて、当該残存センサ信号の異常検出を行なう。電流指令値演算部62は、瞬発的なモータトルクを発生させるために、電流指令値Iを演算する。
<電流指令値演算部>
つぎに、電流指令値演算部62について詳述する。
図2に示すように、電流指令値演算部62は、微分器71、アシスト制御部72、試験トルク制御部73および加算器74を備えている。
微分器71は、操舵角θsを微分処理して操舵速度ωsを算出する。なお、操舵速度ωsは、モータ31の回転角θmを微分処理することによって求めてもよい。
アシスト制御部72は、操舵速度ωs、車速Vおよび操舵トルクτに基づき基本アシスト制御量Iasを演算する。基本アシスト制御量Iasは、操舵速度ωs、車速Vおよび操舵トルクτに応じた適切な大きさの目標アシスト力を発生させるための基礎成分である。
試験トルク制御部73は、瞬発的なモータトルクを印加するための制御成分として試験トルク制御量Ittを生成する。
図3に示すように、試験トルク制御部73は、アシスト継続制御の実行が開始されたとき(時刻t1)、当該実行の開始以降、試験トルク制御量Ittを周期的にかつ符号(+または−)を交互に反転しつつ生成する。すなわち、瞬発的なモータトルクは、周期的にかつその印加方向が交互に変更されつつ操舵系に印加される。試験トルク制御量Ittの一回当たりの出力時間は、モータトルクを印加したときにその慣性によりステアリングホイール21がほとんど動かない程度に設定される。
また、試験トルク制御部73は、指示信号Simを生成する。指示信号Simは、異常判定部64に対して、アシスト継続制御時における残存センサ信号の異常検出の実行を指示する信号である。
加算器74は、アシスト制御部72により生成される基本アシスト制御量Iasと、試験トルク制御部73により生成される試験トルク制御量Ittとを足し合わせることにより、電流指令値Iを生成する。
なお、異常判定部64は、指示信号Simの有無に基づいて、アシスト継続制御時における残存センサ信号の異常検出を実行する。
残存センサ信号の異常が検出された場合、2つのセンサ信号Sa,Sbの両方に異常が発生したことになるので、アシスト停止制御が実行される。
<操舵速度に基づくアシスト低減処理>
前述のように、アシスト継続制御が行われているときには、瞬発的なモータトルクを印加することにより残存センサ信号の異常の有無を検出(2次故障検出)している。
しかし、停車しているとき(車速V=0km)、または極低速で走行しているとき(車速V≦時速2km)には、運転者による操舵トルクが大きくなりやすい。このため、操舵の状況によっては、操舵トルクτがトルクセンサ53(正確には、センサ素子53a,53b)の検出範囲(たとえば±10Nm)を超えることが懸念される。この場合、異常判定部64により残る正常なセンサ信号に異常が発生した旨誤って検出されるおそれがある。これは、つぎの理由による。すなわち、操舵トルクτがトルクセンサ53の検出範囲の限界に達する飽和状態に至ると、残る正常なセンサ信号の値は常に最大値で一定となる。この飽和した状態で瞬発的なモータトルクを印加したとしても、残るセンサ信号の値は変化しない。このため、異常判定部64は、残るセンサ信号が正常であるにもかかわらず異常である旨判断する。その結果、マイクロコンピュータ42は、2つのセンサ素子53a,53bの両方に異常が発生したとして、前述したアシスト停止制御を実行する。
このように、停車時などにおいても残存センサの異常検出処理を行う場合、残存センサ信号が異常である旨誤検出されることにより、操舵系に対するアシスト力の付与が停止されることが懸念される。
しかし、停車時あるいは極低速時には特にアシスト力の付与が必要とされるので、なるべくアシスト力の付与が停止されることは避けたい。
そこで本例では、停車時あるいは極低速時においては、残存センサ信号の異常検出処理を停止する。このようにすれば、停車時あるいは極低速時においてトルクセンサ53が飽和した場合であれ、操舵系に対するアシスト力の付与が停止されることが回避できる。なお、この場合、残存センサ信号の異常を検出することができなくなるものの、停車時あるいは極停車時であれば二次故障が検出できないことによる弊害は少ない。
ところが、停車時あるいは極低速時において残存センサ信号の異常検出処理を停止させる場合、実際に残存センサ信号に異常が発生したときにアシストを停止することができない。その結果、意図しないアシスト力が操舵系に付与されるおそれがある。前述したように、たとえばトルクセンサの二次故障がいわゆる逆ゲイン故障である場合、トルク検出値の正負が逆になることにより、自励振動が発生するおそれがある。
そこで、本例では自励振動などの意図しないステアリング挙動が発生しやすい状況であるかどうかを操舵速度ωsに基づき判断し、当該意図しないステアリング挙動が発生しやすい状況であるときには、基本アシスト制御量Iasを通常時よりも少なくする。当該機能を実現するために、アシスト制御部72は、つぎのように構成されている。
<アシスト制御部>
つぎに、アシスト制御部について詳細に説明する。
図4に示すように、アシスト制御部72は、基本アシスト制御量演算部81、操舵速度ゲイン演算部82、ローパスフィルタ83および乗算器84を備えている。
基本アシスト制御量演算部81は、車速感応型の三次元マップを使用して、基本アシスト制御量Iasを演算する。基本アシスト制御量Iasは、操舵トルクτに対応したアシスト力を発生させるための基礎成分である。基本アシスト制御量演算部81は、操舵トルクτ(絶対値)が大きいほど、かつ車速Vが小さいほど、より大きなアシスト力が操舵系に付与されるように、より大きな値(絶対値)の基本アシスト制御量Iasを演算する。
操舵速度ゲイン演算部82は、車速Vが車速判定しきい値Vh以下であるとき、車速Vおよび操舵速度ωsに基づき操舵速度ゲインGsを演算する。車速判定しきい値Vhは、残存センサ信号の異常検出処理の実行停止条件に合わせて設定される。本例では、車速判定しきい値Vhは、時速2km(キロメートル)に設定されている。
操舵速度ゲインGsは、操舵速度ωsに応じて基本アシスト制御量Iasを制限するために使用される。詳述すると、操舵速度ゲイン演算部82は、操舵速度ωsと操舵速度ゲインGsとの関係を規定する操舵速度ゲインマップ85を有している。操舵速度ゲイン演算部82は、操舵速度ゲインマップ85を使用して、操舵速度ωsに応じた操舵速度ゲインGsを「1」から「0」までの範囲の値に設定する。
操舵速度ゲインマップ85は、つぎのような特性を有している。すなわち、操舵速度ゲインマップ85は、操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωshの近傍値ωsnに達するまでは、操舵速度ゲインGsを「1」に設定する。また、操舵速度ゲインマップ85は、操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωshの近傍値ωsnに達した以降、徐々に操舵速度ゲインGsの値を、より小さな値に設定する(0<Gs≦1)。また、操舵速度ゲインマップ85は、操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωshに達したとき、操舵速度ゲインGsを「0(零)」に設定する。
操舵速度判定しきい値ωshは、車両モデルを使用したシミュレーションあるいは実験などに基づき設定される。すなわち、実際にトルクセンサ53を故障(2次故障)させた状態を作り出し、前述した自励振動などの意図しないステアリング挙動がどの程度の操舵速度ωsで発生するかを確認する。意図しないステアリング挙動が確認されたときの操舵速度ωsに基づき、操舵速度判定しきい値ωshは設定されている。また、操舵速度判定しきい値ωshは運転者の操舵感をも確保するという観点からも設定される。すなわち、操舵速度判定しきい値ωshが大きすぎると、意図しないステアリング挙動が発生してからアシスト力を制限することになるので好ましくない。逆に、操舵速度判定しきい値ωshが小さすぎると、頻繁にアシスト力が制限されるおそれがある。このような状況を考慮して、操舵速度判定しきい値ωshは設定される。
ローパスフィルタ83は、操舵速度ゲインマップ85により算出される操舵速度ゲインGsに含まれる雑音などの周波数成分を除去する。
乗算器84は、基本アシスト制御量演算部81により算出される基本アシスト制御量Iasに、操舵速度ゲイン演算部82により算出される操舵速度ゲインGs(正確には、ローパスフィルタ83によりフィルタリングされた操舵速度ゲインGs)を掛け合わせる。
基本アシスト制御量Iasに操舵速度ゲインGsが掛け合わされた値が、最終的な基本アシスト制御量Iasとなる。たとえば、操舵速度ゲインGsが「1」であるとき、基本アシスト制御量演算部81により算出される基本アシスト制御量Iasがそのまま最終的な基本アシスト制御量Iasとなる。また、操舵速度ゲインGsが「0」であるとき、基本アシスト制御量演算部81により基本アシスト制御量Iasは算出されるもものの、最終的な基本アシスト制御量Iasは「0」になる。
<電動パワーステアリング装置の動作>
つぎに、前述のように構成した電動パワーステアリング装置の動作を説明する。
<アシスト制御の処理手順>
まず、マイクロコンピュータ42によるパワーアシスト制御の処理手順を図5のフローチャートに従って説明する。当該フローチャートに係る各処理は、車両の電源がオンされたときに所定のサンプリング周期で実行される。
さて、図5のフローチャートに示すように、マイクロコンピュータ42は、異常判定部64を通じて2つのセンサ信号Sa,Sbの異常の有無を判断する(ステップS101)。
マイクロコンピュータ42は、異常判定部64を通じて2つのセンサ信号Sa,Sbの少なくとも一に異常を検出すると(ステップS101でYES)、ステップS102へ処理を移行する。
ステップS102において、マイクロコンピュータ42は、ステップS101で検出した異常検出の結果に基づいて、2つのセンサ信号Sa,Sbの出力要素である各センサ素子53a,53bの故障判定を実行する(ステップS103)。
マイクロコンピュータ42は、2つのセンサ素子53a,53bの両方が故障している旨判定される場合(ステップS103でYES)、アシスト停止制御を実行する。すなわち、マイクロコンピュータ42は、速やかにパワーアシスト制御を停止してフェールセーフを図るために、操舵系に印加するアシスト力を漸次低減する。
これに対して、マイクロコンピュータ42は、先のステップS103において、2つのセンサ素子53a,53bのいずれか一方のみが故障している旨判定される場合(ステップS103でNO)には、アシスト継続制御を実行する(ステップS105)。
すなわち、マイクロコンピュータ42は、故障判定されていない残りの正常なセンサ素子により生成されるセンサ信号(残存センサ信号)に基づいて操舵トルクτを検出し、当該操舵トルクτに基づきパワーアシスト制御を継続する。
なお、マイクロコンピュータ42は、先のステップS101において、2つのセンサ信号Sa,Sbのいずれにも異常がない、すなわち2つのセンサ信号Sa,Sbがいずれも正常である旨判断される場合(ステップS101でNO)、通常のパワーアシスト制御を実行する(ステップS106)。
<通常のパワーアシスト制御またはアシスト継続制御の処理手順>
つぎに、通常のパワーアシスト制御またはアシスト継続制御が実行されるときのマイクロコンピュータ42の処理手順を図6のフローチャートに従って説明する。当該フローチャートに係る各処理は、先の図5のフローチャートにおけるステップS105またはステップS106に処理が移行されたときに実行される。
図6のフローチャートに示されるように、マイクロコンピュータ42は、まず車速センサ51、ステアリングセンサ52およびトルクセンサ53などの各種のセンサにより生成される信号を読み込む(ステップS201)。
つぎにマイクロコンピュータ42は、各種のセンサにより生成される信号に基づいて、基本アシスト制御量Iasを演算する(ステップS202)。
つぎにマイクロコンピュータ42は、ステップS202により算出される基本アシスト制御量Iasに基づいて電流指令値Iを演算する(ステップS203)。
つぎに、マイクロコンピュータ42は、電流指令値Iと実際の電流値Iとを使用した電流フィードバック制御の実行を通じて、モータ制御信号を演算する(ステップS204)。
マイクロコンピュータ42は、モータ制御信号を駆動回路41に供給することにより、モータ31を駆動する(ステップS205)。
<試験トルク制御量の生成処理>
つぎに、アシスト継続制御が実行されるときの試験トルク制御量の生成処理の手順を図7のフローチャートに従って説明する。
図7のフローチャートに示すように、マイクロコンピュータ42(正確には、試験トルク制御部73)は、アシスト継続制御の実行中である旨判断したとき(ステップS301でYES)、先の図3に示されるように、試験トルク制御量Ittを生成する(ステップS302)。これにより、操舵系には試験トルク制御量Ittに応じた瞬発的なモータトルクが印加される。
つぎに、マイクロコンピュータ42は、車速センサ51を通じて検出される車速Vが車速判定しきい値Vh以下であるかどうかを判断する(ステップS303)。
マイクロコンピュータ42は、車速Vが車速判定しきい値Vh以下でない旨判断されるとき(ステップS303でNO)、指示信号Simを生成し(ステップS304)、その後、処理を終了する。
また、マイクロコンピュータ42は、先のステップS303において、車速Vが車速判定しきい値Vh以下である旨判断されるとき(ステップS303でYES)、指示信号Simの生成を停止し(ステップS305)、その後、処理を終了する。
なお、マイクロコンピュータ42は、先のステップS301においてアシスト継続制御の実行中でない旨判断したとき(ステップS301でNO)、試験トルク制御量Ittの生成を停止し(ステップS306)、その後、処理を終了する。
<残存センサ信号の異常検出処理>
つぎに、アシスト継続制御が実行されるときの残存センサ信号の異常検出処理の手順を図8のフローチャートに従って説明する。
図8のフローチャートに示すように、マイクロコンピュータ42(正確には、異常判定部64)は、アシスト継続制御の実行中である旨判断したとき(ステップS401でYES)、指示信号Simの入力の有無を判断する(ステップS402)。
マイクロコンピュータ42は、指示信号Simが入力されない場合(ステップS402でNO)には処理を終了する。すなわち、残存センサ信号の異常判定が停止される。これに対し、マイクロコンピュータ42は、指示信号Simが入力される場合(ステップS402でYES)には、瞬発的なモータトルクの印加が、残存センサ信号に反映されるかどうかを判定する(ステップS403)。当該判定は、操舵系に対する瞬発的なモータトルクの印加に対応した適当なタイミング(所定時間内)で当該残存センサ信号が変化するか否か、ならびに当該残存センサ信号の変化の方向および大きさがそれぞれ適当な値であるか否かに基づき行なわれる。
マイクロコンピュータ42は、残存センサ信号に瞬発的なモータトルクの印加が反映される旨判断した場合(ステップS403でYES)には、当該残存センサ信号は正常である旨判定し(ステップS404)、反映されない場合(ステップS403でNO)には、当該残存センサ信号は異常である旨判定する(ステップS405)。
マイクロコンピュータ42は、ステップS404およびステップS405における残存センサ信号が正常であるか異常であるかの判定結果を、先の図5に示されるメインルーチン(正確には、ステップS101)に返す。
<操舵速度ゲインの演算処理>
つぎに、アシスト継続制御が実行されるときの操舵速度ゲイン演算の処理手順を図9のフローチャートに従って説明する。
図9のフローチャートに示すように、マイクロコンピュータ42(正確には、操舵速度ゲイン演算部82)は、アシスト継続制御の実行中である旨判断したとき(ステップS501でYES)、車速センサ51を通じて検出される車速Vが車速判定しきい値Vh以下であるかどうかを判断する(ステップS302)。
マイクロコンピュータ42は、車速Vが車速判定しきい値Vh以下である旨判断されるとき(ステップS502でYES)、操舵速度ゲインマップ85を適用して操舵速度ゲインGsを演算し(ステップS503)、処理を終了する。ちなみに、当該ステップS502の車速判定処理は、残存センサ信号の異常検出処理の実行の有無を確認するための処理ともいえる。
また、マイクロコンピュータ42は、車速Vが車速判定しきい値Vh以下でない旨判断されるとき(ステップS502でNO)、操舵速度ゲインマップ85を適用することなく、操舵速度ゲインGsを「1」に固定し(ステップS504)、処理を終了する。
なお、マイクロコンピュータ42は、先のステップS501においてアシスト継続制御の実行中でない旨判断されるとき(ステップS501でNO)にも、処理を終了する。
<操舵速度ゲイン演算部の作用>
このように、アシスト制御が実行されている場合に車速Vが車速判定しきい値Vh以下になったとき、操舵速度ゲインマップ85を適用することにより、以下の作用が得られる。
すなわち、操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωshの近傍値ωsnに達するまでは、操舵速度ゲインGsは「1」に設定される。操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωshに達しないときには、前述した意図しないステアリング挙動が発生する蓋然性は低いからである。このとき、基本アシスト制御量演算部81により算出される基本アシスト制御量Iasがそのまま最終的な基本アシスト制御量Iasとなる。
操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωshの近傍値ωsnに達した以降、操舵速度判定しきい値ωshに近づくにつれて、前述した意図しないステアリング挙動が発生する蓋然性が高くなる。このため、操舵速度ωsが増大するにつれて操舵速度ゲインGsは、より小さな値に設定される。操舵速度ゲインGsが小さいほど、基本アシスト制御量Iasが小さくなる。基本アシスト制御量Iasが小さくなる分、モータ31のトルク、ひいては操舵系に印加されるアシスト力も減少する。
ここで、意図しないステアリング挙動として、たとえばトルクセンサ53が逆ゲイン故障した際のステアリングの自励振動が考えられるところ、当該自励振動は本来のアシスト方向と逆方向のアシスト力が操舵系に印加されることに起因する。自励振動が発生しているとき、操舵速度ωsは通常時よりも著しく速くなる。このため、操舵速度ωsを監視することにより自励振動が発生しやすい状況かどうかを判断することが可能である。そして本例のように、操舵速度ωsが増大して自励振動などが発生しやすい状況に近づくにつれて操舵系に印加されるアシスト力を通常時よりも弱くすることにより、自励振動の発生を抑制することが可能である。本来と逆方向へ向けたアシスト力が弱くなるからである。
操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωshに達したときには、操舵速度ゲインGsが「0(零)」に設定されることにより、最終的な基本アシスト制御量Iasは「0」になる。すなわち、操舵系に対するアシスト力の印加が停止される。自励振動の発生原因であるいわゆる逆アシストの繰り返しが停止されることにより、自励振動が発生することもない。したがって、ステアリング挙動が改善される。
<実施の形態の効果>
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωshに達したとき、操舵速度ゲインGsが「0」に設定される。これにより、最終的な基本アシスト制御量Iasが「0」になって、操舵系に対するアシスト力の印加が停止される。アシスト力の印加が停止されることにより、操舵速度ωsの絶対値が増大することが抑制される。このため、自励振動の発生原因であるいわゆる逆アシストの繰り返しが抑制されることにより、自励振動が発生しにくくなる。したがって、ステアリング挙動が改善される。
(2)車両が停止または極低速で走行しているとき、操舵系に付与されるアシスト力が大きくなるため意図しないステアリング挙動が特に生じやすい。この場合に、操舵速度ωsの絶対値が操舵速度判定しきい値ωsh以上になったとき、基本アシスト制御量Iasを零にする。これにより、操舵系に付与されるアシスト力が低減されるため、意図しないステアリング挙動が効果的に改善される。
ここで、アシスト継続制御の実行中において、車両が停止または極低速で走行している場合、異常判定部64は、残存センサ信号の異常検出を実行しない。これは前述したように、車両が停止または極低速で走行している場合、残存センサ信号の異常検出が正常に行われないおそれがあるからである。このため、車両が停止または極低速で走行している場合には、残存センサ信号の異常を検出し、当該異常が検出されたときにアシスト停止制御を実行することができない。この車両が停止または極低速で走行している場合のフェールセーフとして、操舵速度ωsに基づく基本アシスト制御量Iasの低減処理を行う。すなわち、通常時は、試験トルク制御量Ittに応じた瞬発的なモータトルクの印加を通じて残存センサ信号の異常の有無を確認することができるので操舵速度ωsの監視は不要である。これに対し、車両が停止または極低速で走行している場合には瞬発的なモータトルクの印加を通じた異常検出処理が行われないので、操舵速度ωsに基づく基本アシスト制御量Iasの低減処理を実行することが好ましい。このように、必要とされるときのみ、操舵速度ωsに基づく基本アシスト制御量Iasの低減処理を実行することができる。
<第2の実施の形態>
つぎに、電動パワーステアリング装置の第2の実施の形態を説明する。本例は、基本的には先の図1、図2および図4に示される第1の実施の形態と同様の構成を備えている。
さて、回転角センサ54の組付けの状態によっては、回転角センサ54により検出されるモータ31の回転角θm(電気角)と、実際の電気角とが若干異なることがある。この場合、当該検出される回転角θmと実際の電気角との差に起因して、本来流すべき電流と若干異なる値の電流がモータ31に供給される。そして、当該電気角の差に起因してつぎのような状況の発生が懸念される。
すなわち、前述のアシスト継続制御が実行されている場合に、操舵速度ωsが前述の操舵速度判定しきい値ωshに達したとき、操舵速度ゲインGsは「0」に設定される。その結果、本来であれば基本アシスト制御量Iasが「0」になって理論上はモータ31への電力の供給が停止されるところ、前述の電気角の差に起因して実際にはわずかな電流がモータ31に供給されるおそれがある。
このとき、車両が通常の路面に存在するときには、操舵系に多少のアシスト力が印加されたとしても、各タイヤと路面との摩擦によりセルフステアが発生することはない。しかし、たとえば車両がアイスバーン(凍結により摩擦係数が小さくなった路面)の上に存在するとき、あるいは車両がリフトアップされたときなどには、車両の各タイヤに対する負荷が著しく小さい状況においては、ステアリングホイール21は半ば自由に回転可能である。このため、モータ31にわずかな電流が供給されるだけでも簡単にステアリングホイール21は回転するおそれがある。すなわち、いわゆるセルフステアが発生することが懸念される。
このような特定の状況下におけるセルフステアの発生を抑制するために、マイクロコンピュータ42は、つぎのような処理を実行する。
すなわち、図10のフローチャートに示されるように、マイクロコンピュータ42は、アシスト継続制御が実行中であるかどうかを判断する(ステップS601)。
マイクロコンピュータ42は、アシスト継続制御の実行中である旨判断したとき(ステップS601でYES)、操舵速度ゲインGsが「0」に設定されているかどうかを判断する(ステップS602)。
マイクロコンピュータ42は、操舵速度ゲインGsが「0」に設定されている旨判断されるとき(ステップS602でYES)、操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωsh以上である状態が一定時間以上継続しているかどうかを判断する(ステップS603)。
マイクロコンピュータ42は、操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωsh以上である状態が一定時間以上継続している旨判断されるとき(ステップS603でYES)、アシスト停止制御を実行し(ステップS604)、処理を終了する。すなわち、基本アシスト制御量Iasの演算、ひいては電流指令値Iの演算自体を停止させる。その結果、前述した電気角の誤差に起因するセルフステアなどの意図しないステアリング挙動の発生が抑制される。
なお、アシスト制御の実行中でないとき(ステップS601でNO)、操舵速度ゲインGsが「0」に設定されていないとき(ステップS602でNO)、および操舵速度ωsが操舵速度判定しきい値ωsh以上である状態が一定時間以上継続していないとき(ステップS603でNO)、マイクロコンピュータ42は処理を終了する。
したがって、本実施の形態によれば、第1の実施の形態の(1),(2)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(3)操舵速度ゲインGsが「0」に設定されているにもかかわらず、操舵速度ωsが下がらず操舵速度判定しきい値ωsh以上に維持されているとき、アシスト停止制御が実行される。操舵速度ゲインGsを「0」に設定するなどして、電流指令値Iを「0」にする場合と異なり、基本アシスト制御量Ias、ひいては電流指令値Iの演算自体が停止されるので、モータ31への電力の供給を好適に停止させることが可能である。このため、アシスト制御自体を停止させることにより、前述した電気角の誤差に起因するセルフステアなどの意図しないステアリング挙動の発生を抑制することができる。
<第3の実施の形態>
つぎに、電動パワーステアリング装置の第3の実施の形態を説明する。本例も、基本的には先の図1、図2および図4に示される第1の実施の形態と同様の構成を備えている。本例は、操舵系に印加されるアシスト力が、前述したアシスト継続制御時と通常制御時とで異なる。
図11に示すように、基本アシスト制御量演算部81は、通常制御用の第1のアシストマップ91、アシスト継続制御用の第2のアシストマップ92、および基本アシスト制御量切替部93を有する。
第1および第2のアシストマップ91,92は、いずれも操舵トルクτおよび車速Vに基づき基本アシスト制御量Iasを演算するための車速感応型の三次元マップである。また、第1および第2のアシストマップ91,92は、いずれも操舵トルクτ(絶対値)が大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きなアシスト力が操舵系に付与されるように、より大きな値(絶対値)を有する基本アシスト制御量Iasを演算する。ただし、同じ操舵トルクτ、および同じ車速Vである場合、第1のアシストマップ91により得られる基本アシスト制御量Iasは、第2のアシストマップ92により得られる基本アシスト制御量Iasの約2倍以上の大きさになる。
基本アシスト制御量切替部93は、異常検出信号Strに基づき、2つのセンサ素子14a,14bの両方が正常である旨判断される場合、接点93cと接点93aとを接続して、第1のアシストマップ91により得られる基本アシスト制御量Iasを乗算器84へ供給する。
また、基本アシスト制御量切替部93は、異常検出信号Strに基づき、2つのセンサ素子14a,14bのいずれか一方のみが故障している旨判断される場合には、接点93cと接点93bとを接続して、第2のアシストマップ92により得られる基本アシスト制御量Iasを乗算器84へ供給する。
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(4)本例のように、アシスト継続制御の実行中において、操舵系に印加するアシスト力を通常制御時よりも弱くする構成を採用した場合、停車しているときまたは極低速で走行しているときには、運転者による操舵トルクが特に大きくなりやすい。すなわち、前述した自励振動などの意図しないステアリング挙動が発生しやすい。第1および第2の実施の形態は、本例のような電動パワーステアリング装置10に好適である。
<他の実施の形態>
なお、前記各実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・第2の実施の形態では、図10のフローチャートにおけるステップS603の判断において、操舵速度ωsを操舵速度判定しきい値ωshと比較したが、当該操舵速度判定しきい値ωshは、操舵速度ゲインマップ85で使用される値と異ならせてもよい。
・各実施の形態において、アシスト制御部72は各種の補償制御、たとえばトルク微分制御を実行するようにしてもよい。この場合、アシスト制御部72は、操舵トルクτの微分値に基づく補償成分(トルク微分制御量)を演算し、当該補償成分を基本アシスト制御量Iasに加算する。これにより、操舵トルクτの変化に対してアシスト力が付与される応答性が高められる。なお、前述したいわゆる逆ゲイン故障が発生したとき、トルク微分制御における補償成分の符号も正負逆になる。このことも前述した自励振動の一因となる。
・本例では、2つのセンサ信号Sa,Sbのうちいずれか一に異常が検出されたとき、瞬発的なモータトルクを操舵系に印加することにより、残る正常なセンサ信号の異常の有無を検出するようにしたが、当該正常なセンサ信号の異常検出は行わなくてもよい。この場合においても、2つのセンサ信号Sa,Sbのうちいずれか一に異常が検出された以降、前述した自励振動などの意図しないステアリング挙動が発生するおそれがある。この場合であれ、操舵速度ωsの監視を通じて、意図しないステアリング挙動が発生する蓋然性が高い旨判断されるとき、操舵速度ωsに応じた操舵速度ゲインGsを基本アシスト制御量Iasに乗ずることにより、操舵系に印加されるアシスト力が低減される。これによりステアリング挙動が改善される。なお、この場合、先の図2に示される試験トルク制御部73は省略してもよい。
・各実施の形態では、2系統のセンサ信号Sa,Sbを生成するトルクセンサ53を採用したが、3系統あるいはそれ以上のセンサ信号を生成するものを採用してもよい。この場合であれ、複数系統のセンサ信号のうち正常なセンサ信号が1系統になった場合、操舵速度ωsの絶対値が操舵速度判定しきい値ωsh以上の大きさになったとき、操舵速度ゲインGsを「0」とすることにより、基本アシスト制御量Iasを零にする。その結果、前述した意図しないステアリング挙動の発生が抑制される。
・各実施の形態では、2系統のセンサ信号Sa,Sbを生成するトルクセンサ53を採用したが、1系統のセンサ信号を生成するものを採用してもよい。この場合であれ、操舵速度ωsの絶対値が操舵速度判定しきい値ωsh以上の大きさになったとき、操舵速度ゲインGsを「0」とすることにより、基本アシスト制御量Iasを零にする。その結果、前述した意図しないステアリング挙動の発生が抑制される。
10…電動パワーステアリング装置、22…ステアリングシャフト、30…操舵補助機構(操舵力補助装置)、31…モータ、42…電子制御装置、52…ステアリングセンサ(回転角センサ)、53…トルクセンサ、54…回転角センサ。
特許文献1のEPSでは、残りの正常なトルクセンサにより生成されるセンサ信号にも異常のおそれがある場合、当該異常が疑われる状態が所定時間だけ継続するとき、当該異常を確定して操舵系に対するアシスト力の付与を停止する。しかし、特許文献1のEPSは、トルク信号の変動量(ΔT)に基づきトルクセンサの異常を検出しているため、トルクセンサの異常を検出できない場合がある

Claims (5)

  1. モータを駆動源として備え車両の操舵系にアシスト力を付与する操舵力補助装置と、
    ステアリングシャフトに作用する操舵トルクに応じたセンサ信号を生成するトルクセンサと、
    前記センサ信号から得られる操舵トルクに基づき操舵系に付与すべきアシスト力に応じた制御成分であるアシスト制御量を演算し、当該アシスト制御量に応じてモータを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、操舵速度の絶対値が、意図しないステアリング挙動が発生する蓋然性の有無に基づき設定されるしきい値以上の大きさになったとき、前記アシスト制御量を零にする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御装置は、車両が停止または極低速で走行している場合に、前記算出される操舵速度の絶対値が前記しきい値以上の大きさになったとき、前記アシスト制御量を零にする電動パワーステアリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記トルクセンサは、複数系統のセンサ信号を生成するものであって、
    前記制御装置は、前記複数系統のセンサ信号のうち正常なセンサ信号が1系統になった場合、残る正常なセンサ信号を使用して前記アシスト制御量の演算を行うことにより操舵系に対してアシスト力を継続して付与するとともに、残る正常なセンサ信号が1系統になる前よりもアシスト力を小さくするべく前記アシスト制御量を演算する電動パワーステアリング装置。
  4. 請求項3に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記制御装置は、前記複数系統のセンサ信号のうち正常なセンサ信号が1系統になった場合、瞬発的なモータトルクを操舵系に印加するべく前記アシスト制御量を演算し、当該瞬発的なモータトルクの印加が残る正常なセンサ信号に反映されるかどうかに基づき前記残る正常なセンサ信号の異常を判定し、当該判定結果が前記残る正常なセンサ信号に異常が発生した旨示すものであるとき前記アシスト制御量の生成を停止するものであって、
    さらに前記制御装置は、車両が停止または極低速で走行している場合、前記残る正常なセンサ信号の異常の判定を停止する電動パワーステアリング装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータの回転角を検出する回転角センサを備え、
    前記制御装置は、前記回転角に基づく電流フィードバック制御により前記モータを制御するとともに、前記アシスト制御量を零としたにもかかわらず、操舵速度の絶対値が前記しきい値あるいは前記しきい値と異なる値に設定される他のしきい値以上となる状態が一定時間継続したとき、前記アシスト制御量の生成を停止する電動パワーステアリング装置。
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