JP2007196829A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 トルクセンサの故障等によりトルク検出値が異常値を示しても代替トルク値に置換え、操舵補助力を適切に制御できる電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 トルク検出値Tはトルク値異常検出部23、及びトルク演算部24に入力される。トルク値異常検出部23は公知のトルク診断手段によりトルク検出値Tの異常を判断して異常を検出、トルク検出値Tが異常のときは記憶装置26内に格納されている修正トルク値Te を代替トルク値として電流指令値演算部27に出力、電流指令値Ir を演算する。この後、徐変処理部28で電流指令値Ir を徐変処理し、操舵トルクの急変を抑える。トルク検出値Tが正常なときはトルク検出値Tに基づいて電流指令値を演算し、徐変処理はしない。トルク検出値Tから修正トルク値Te を演算し、記憶装置26に格納する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特に、操舵トルクを検出するトルクセンサの故障等によりトルク検出値が異常値を示しても、操舵補助トルクを適正に制御できる制御装置を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
車両用の電動パワーステアリング装置は、操向ハンドルと操舵機構とを連結するステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出し、検出された操舵トルクに基づいてモータの出力を制御し、モータの駆動力をギア又はベルト等の伝達機構によりステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助トルクを付与することにより、操向ハンドルの操舵トルクを適正に補助するように構成されているものが一般的である。
図8は、このような電動パワーステアリング装置の構成の一例を説明する図である。操向ハンドル101のステアリングシャフト102は、減速ギア103、ユニバーサルジョイント104a及び104b、ピニオン・ラック機構105を経て操向車輪のタイロッド106に連結されている。ステアリングシャフト102には、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出するトルクセンサ107が設けられているほか、操舵トルクを補助するモータ108が減速ギア103を介して連結されている。
制御装置109は、モータ108の出力を制御するもので、トルクセンサ107で検出された操舵トルクと、図示しない車速センサで検出された車速、或いはホールセンサ110で検出されたモータの角速度等を入力として電流指令値を演算し、演算された電流指令値に基づいてモータを制御する。制御装置109はCPUで構成され、CPU内部の制御プログラムによりモータを制御し、適切な操舵補助トルクを発生させる。
図9は、上記した制御装置109の制御機能を説明するブロック図の一例を示す図である。トルクセンサ107で検出されたトルク検出値Tは、電流指令値演算部120に入力され、電流指令値Irが演算されて加算器121に出力される。加算器121では電流指令値Irと電流検出器124で検出されたモータ電流検出値imとの差(Ir−im)である電流制御値Eが演算され、電流制御部122に出力される。
電流制御部122では電流制御値Eに基づいてデューテイ比Dが演算され、デューテイ比Dに対応したPWM信号(パルス幅信号)がモータ駆動部123に出力される。モータ駆動部123ではPWM信号に対応して、図示されていない半導体素子で構成されたHブリッジ回路を作動させ、モータ108を駆動する。モータ108に流れたモータ電流はモータ電流検出器124で検出され、検出されたモータ電流検出値imは加算器121に帰還入力され、フィードバック制御が行われる。
以上説明したような電動パワーステアリング装置では、トルクセンサが正常に作動し、操舵トルクが正確に検出されることを前提としてモータの制御が行われている。しかし、実際にはトルクセンサも故障することがあり、故障すると異常なトルク検出値が制御装置に入力され、運転者の意図しない異常な動作を引き起こすおそれがあるため、従来から種々の対策が講じられてきた。
例えば、図10は、上記課題を解決するように構成された制御装置の一例の、制御機能を説明するブロック図である。制御装置の演算器201は、操舵トルク演算器202、応答補償演算器203、モータ電流を演算する電流演算器204、トルクセンサ動作判定器205、加算器206、電流制御演算器207、及び選択器208を備えているほか、電源8からモータへの電力の供給又は遮断する断続器209が設けられている。
トルク検出値Tは、操舵トルク演算器202、応答補償演算器203、及びトルクセンサ動作判定器205に入力される。一方、電流演算器204には、モータ電流検出値Iが入力され、モータ電流検出値Iに基づいて電流演算値Ie が演算される。
操舵トルク演算器202ではトルク検出値Tに応じた操舵補助トルクが演算され、基本操舵トルク値T0 が出力される。応答補償演算器203では操舵時の応答補償に必要な補償力が演算され、応答補償値T1 が出力される。加算器206は基本操舵トルク値T0 と応答補償値T1 とを加算して操舵指令値T2 を演算し、電流制御演算器207に出力する。電流制御演算器207では、操舵指令値T2 と電流演算器204から出力された電流演算値Ie に基づいてモータに流れる電流をフィードバックし、操舵補助指令値TA (電流指令値と同じ)を演算して選択器208に出力する。
さらに、トルクセンサ動作判定器205では、所定の演算処理によりトルクセンサの異常の判定が常時実行されており、判定結果に応じて選択器切替信号S1 と断続器切替信号S2 とが出力される。
次に、その動作を簡単に説明する。トルクセンサ動作判定器205では、トルク検出値Tの信号レベルを常時監視しているが、トルク検出値Tの信号レベルが所定の正常値の範囲から外れたときは、その検出時点からの経過時間を計測し、正常値の範囲から外れた状態が所定の時間ta の間継続したときは選択器208に選択器切替信号S1 が出力され、操舵補助指令値TA が遮断され、モータの駆動は停止される。
さらに、操舵補助指令値TA が遮断された時点から時間tb が経過したときは断続器209に断続器切替信号S2 が出力され、モータ電源が遮断される(特許文献1参照)。
上記した制御方式においては、トルク検出値Tが正常値の範囲から外れた状態が検出されてから所定の時間ta が経過するまでは、異常なトルク検出値Tに基づいて演算された操舵補助指令値TA により決定されたデューティ比DのPWM信号によりモータが駆動されて、運転者の意図しない異常な操舵補助トルクが発生し、運転者に違和感を与えるおそれがあり、好ましくない。
また、正常値の範囲から外れた状態が検出されてから所定の時間ta が経過すると、電流指令値Irが遮断されて操舵補助力が突然に零となるから、運転者が操向ハンドルを操作して大きなトルクを加えていたような場合は、運転者は突然にトルクが急変して操向ハンドルが重く感じられて好ましくない。
このような問題に対し、トルクセンサの電源電圧の低下や、瞬間停電などの重大な異常が発生したとき、フェールスイッチが作動して、保持しておいた異常発生直前のトルク検出値Tにゲインを乗じた値を用いて電流指令値Irを演算して制御を継続し、その後に電流指令値Irを徐々に減衰する制御を行い、操舵補助トルクが急激に変化しないようにした制御装置の制御方式がある(特許文献2参照)。
この制御方式によれば、トルク検出値Tが正常値の範囲から外れると、その直前のトルク検出値Tに基づいて演算された電流指令値Irによりモータが駆動され、その後、電流指令値Irは徐々に減衰する制御が行われ、これによりモータ電流も漸減処理されるから、急激なトルクの変化は発生しない。
特開2000−318633号公報。 特開2000−329628号公報。
上記したように、従来の制御装置の制御方式では、トルクセンサに異常が発生したときは、異常発生直前のトルク検出値Tに基づいて電流指令値Irを演算し、その後、電流指令値Irを徐々に減衰する制御を行うことで、補助操舵トルクの急激な変化を抑制している。以下、この出願では、異常発生後に電流指令値Irを徐々に減衰する制御を「徐変処理」と呼ぶことにする。
しかしながら、モータの回転数が高い時に「徐変処理」を行うと、運転者に違和感を感じさせる場合がある。例えば、運転者が短時間に急激な操舵を行うと、急激な操舵によりモータ角速度が高くなり、操舵補助トルクを発生させるのに必要なモータ電流を流せない領域が発生し、操舵補助トルクが不足する場合がある。
このとき、運転者は不足した操舵補助トルクの分だけ大きな操舵トルクで操向ハンドルを操作するので、トルクセンサは過大なトルク検出値を出力することになる。このような状況においてトルクセンサに故障が発生し、トルク検出値に異常が検出された場合は、異常発生直前のトルク検出値Tは過大なトルクであるから、この過大なトルク検出値に基づいて操舵補助トルクを発生させるときは必要以上の操舵補助トルクを発生させることになり、運転者に違和感を与える場合があって好ましくないという問題があった。
また、運転者が短時間に急激な操舵を行うと、モータの回転が追従できなくなり、短時間ではあるが運転者が意図した操舵方向と逆方向にモータが回転する時間がある。このため、制御装置に入力されるトルク検出値Tは運転者が意図した方向と逆方向の値となり、過大なトルクが発生してトルク検出値Tが異常値を示す。また、この後、モータは運転者が意図した方向に反転回転することになるが、モータの反転時はモータの角加速度が高くなり、異常値を示すという不都合があった。
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、操向ハンドルに作用する操舵トルクを検出するトルクセンサと、所定のタイミングでサンプリングされた前記トルクセンサのトルク検出値に基づいてモータ出力を制御する制御装置と、前記トルク検出値の異常を検出するトルク値異常検出手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出されたときは、前記トルク検出値に代えて代替トルク値に基づいてモータ出力を制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
そして、前記制御装置は、モータの出力を徐々に減少させる徐変処理手段を備え、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、前記徐変処理手段を作動させてモータ出力を徐々に減少させる制御を行うようにするとよい。
また、前記制御装置は、前記トルク検出値の異常が検出された後は、代替トルク値を予め設定された所定のトルク値に徐々に近付ける制御を行うようにするとよい。
また、前記制御装置は、代替トルク値もしくは代替トルク値の演算に必要な値を記憶する記憶手段を備え、前記代替トルク値もしくは代替トルク値の演算に必要な値を常時更新して記憶手段に記憶させるようにするとよい。
そして、前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角速度出力手段を備え、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、異常検出直前の過去トルク検出値とモータ角速度とに基づいて演算された修正トルク値を代替トルク値とするように制御してもよい。
また、前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角加速度出力手段を備え、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、異常検出直前の過去トルク検出値とモータ角加速度とに基づいて演算された修正トルク値を代替トルク値とするように制御してもよい。
また、前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角速度出力手段を備え、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、異常検出直前のn個のトルク検出値とモータ角速度とに基づいて演算された修正トルク値を代替トルク値とするように制御してもよい。
また、前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角加速度出力手段を備え、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、異常検出直前のn個のトルク検出値とモータの角加速度とに基づいて演算された修正トルク値を代替トルク値とするように制御してもよい。
そして、前記制御装置は、前記トルク検出値に、前記モータ角速度及び/又は前記モータ角加速度に応じてそれぞれ予め設定されているパラメータを乗除又は加減演算して複数のトルク値を求め、演算された複数のトルク値の中の最小値を修正トルク値とするようにするとよい。
また、前記制御装置は、前記トルク検出値に、前記モータ角速度及び/又は前記モータ角加速度に応じて予め設定されているパラメータを乗除又は加減演算して修正トルク値を得るようにしてもよい。
また、前記制御装置は、前記モータ角速度及び/又は前記モータ角加速度が予め設定された所定値を越えているときは所定の固定値を修正トルク値とし、前記モータ角速度又は前記モータ角加速度が予め設定された所定値以下のときは、トルク検出値を修正トルク値としてもよい。
また、前記制御装置は、さらにトルク調整手段を備え、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、入力されたトルク検出値を予め記憶されている所定のトルク値に徐々に近付けるトルク調整を行うようにしてもよい。
また、前記制御装置は、さらに電流指令値調整手段を備え、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、入力されたトルク検出値に対応する電流指令値を予め記憶されている所定のトルク値に対応する電流指令値に徐々に近付ける電流指令値の調整を行うようにしてもよい。
以上説明したとおり、この発明の電動パワーステアリング装置によれば、制御装置は、トルクセンサに故障などが発生し、トルクセンサから出力されるトルク検出値に異常が発生したときは、速やかに異常なトルク値に代えて適切な代替トルク値に基づいてモータの出力を制御する。
これにより、トルクセンサの故障などが発生しても、運転者に違和感を与えずに、適切な操舵トルクで操向ハンドルを操作できる、安全性の高い電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態の電動パワーステアリング装置全体の概略構成は、先に図8を参照して説明した従来の構成と同様であるからここでは説明を省略し、制御装置の構成について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の第1の実施の形態の電動パワーステアリング装置の制御装置の制御機能を説明するブロック図である。制御装置10は、トルク値異常検出手段であるトルク値異常検出部23、代替トルク値出力手段であるトルク演算部24、モータ角速度出力手段であるモータ角速度推定部25、記憶手段である記憶装置26、電流指令値演算部27、徐変手段である徐変処理部28、加算器29、電流制御部31、モータ駆動部32から構成される。また、制御装置10には操舵トルクを検出してトルク検出値を出力するトルクセンサ21、操舵補助力を供給するモータ33、モータ電流を検出するモータ電流検出器34が接続される。なお、以下の説明では、モータ角速度出力手段としてモータ角速度推定部25を示してあるが、モータ角速度を直接検出するモータ角速度出力手段であってもよい。
また、モータ角速度出力手段に代えてモータ角加速度出力手段であってもよく、この場合は、モータ角速度推定部25をモータ角加速度推定部25と読み替えるものとする。モータ角加速度はモータ角速度を微分して得ることができる。
また、後述する修正トルク値演算の複数の実施例では、モータ角速度を使用して修正トルク値を演算する実施例、モータ角加速度を使用して修正トルク値を演算する実施例が示されている。
トルク値異常検出部23は、検出されたトルク検出値Tが異常か否かを判定するものであり、公知のトルク診断手段によりトルク値の異常を判定している。検出されたトルク検出値Tが異常であると判定されたときは異常検出信号Gをトルク演算部24、及び徐変処理部28に出力して異常処理を実行させる。
モータ角速度推定部25は、公知の手法によりモータ角速度Ve の推定を行なう。トルク演算部24は、電流指令値演算部27に対してモータ33の駆動制御に用いる操舵トルク値Ta を出力するもので、トルクセンサ21から所定の時間間隔でサンプリングされるトルク検出値T、及びモータ角速度推定部25で推定されたモータ角速度Ve が入力される。
トルク値異常検出部23から異常検出信号Gが入力されていない場合、即ち、トルク検出値Tの異常が検出されていないときは、トルク演算部24は、トルクセンサ21から入力されたトルク検出値Tをそのまま操舵トルク値Ta として電流指令値演算部27に出力すると共に、トルクセンサ21から入力されたトルク検出値Tとモータ角速度推定部25で推定されたモータ角速度Ve に基づき修正トルク値Te を演算し、記憶装置26に記憶させる。
ここで、記憶装置26には所定の時間間隔で演算され出力される修正トルク値Te がその都度上書き記憶されるので、記憶されている修正トルク値Te は常時更新されている。修正トルク値Te の演算方法については、後述する。
一方、トルク値異常検出部23から異常検出信号Gが入力された場合、即ち、トルク検出値Tの異常が検出されたときは、トルク演算部24は異常値と判定されたトルク検出値Tに代え、記憶装置26に記憶されている修正トルク値Te を操舵トルク値Ta の代替トルク値として電流指令値演算部27に出力する。また、このときは、修正トルク値Te の演算は行わず、記憶装置26に記憶されている修正トルク値Te は更新されない。
電流指令値演算部27は、トルク演算部24から出力される代替トルク値に基づいて、公知の手法によりモータの駆動制御を行う電流指令値Ir を演算し、徐変処理部28に出力する。
徐変処理部28は、トルク値異常検出部23から異常検出信号Gが入力された場合、即ち、トルク検出値Tの異常が検出されたときは、電流指令値演算部27から出力される電流指令値Ir を徐々に減衰する徐変処理を行ない、徐変処理された電流指令値Ir を加算器29へ出力する。
また、トルク値異常検出部23から異常検出信号Gが入力されていない場合、即ち、トルク検出値Tの異常が検出されていないときは、徐変処理は行なわず、電流指令値Ir をそのまま加算器29へ出力する。
加算器29は、電流指令値演算部27から出力される電流指令値Ir (徐変処理された電流指令値Ir を含む)と、モータ電流検出器34で検出されたモータ電流im とを減算し、電流制御部31に電流制御値Eとして出力する。
電流制御部31は、電流制御値Eに基づいてモータ駆動部32の半導体スイッチング素子を駆動するPWM信号のデューテイ比を演算してモータ駆動部32に出力する。モータ駆動部32は前記デューテイ比に基づいて半導体スイッチング素子で構成されたHブリッジ回路を作動させてモータ33を駆動する。
モータ33に流れるモータ電流im はモータ電流検出器34で検出され、加算器29に入力されてフィードバックされる。
以上のとおり、トルク検出値Tに異常が検出されない場合はトルク検出値Tを操舵トルク値Ta として出力し、モータ33を駆動する。また、トルク検出値Tに異常が検出された場合は異常値であるトルク検出値Tに基づくモータ33の駆動を回避し、記憶装置26に記憶されている修正トルク値Te を操舵トルク値Ta の代替トルク値として出力し、モータ33を駆動し、さらに徐変処理部28により電流指令値Ir を徐々に減衰する徐変処理徐変処理が行われる。
次に、トルク検出値の異常が検出された場合に、代替トルク値として使用される修正トルク値Te の演算について説明する。修正トルク値Te の演算手法には複数の実施例があるので、以下、順次説明する。
[修正トルク値演算の第1実施例]
修正トルク値演算の第1実施例は、トルク検出値Tと、モータ角速度Ve とに基づいて修正トルク値Te を演算するものであって、修正トルク値Te は、トルク検出値Tに、後述するモータ角速度Ve に対応した値のパラメータp1 を乗算する以下の式(1a)で算出される。
Te =T×p1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1a)
ここで、トルク検出値Tには、前回のサンプリングで検出されたトルク検出値である過去トルクT0 が使用される。
パラメータp1 の一例を図2の(1)に示す。モータ角速度Ve がVea以下の場合は、パラメータp1 は一定値(例えばp1 =1.0)とし、モータ角速度Ve がVeaを越える場合は、モータ角速度の増加に逆比例してパラメータp1 が減少するように一次関数で設定されている。なお、上記一次関数や閾値であるVeaは、車両や使用するモータ、その他の要因により最適値が異なるので、実施の際は車両搭載データ等を吟味して決定する。その際、第1実施例ではモータ角速度の増加に逆比例してパラメータpが一次関数に従って減少する例を示したが、一次関数以外の関数を用いてもよい。
[修正トルク値演算の第2実施例]
修正トルク値演算の第2実施例は、トルク検出値Tとモータ角速度Ve 、或いはモータ角加速度Ae とに基づき修正トルク値Te を演算するものであって、修正トルク値Te は、トルク検出値Tに、予め設定された複数のパラメータ(例えば、p1 、p2 、p3 、〜pn )を乗算して複数の演算トルク値Te1、Te2、Te3、〜Tenを算出し、演算トルク値Te1、Te2、Te3、〜Tenの中で最小値、例えば最小値がTenであれば、Tenを修正トルク値Te とする。ここで、トルク検出値Tには、前回のサンプリングで検出されたトルク検出値である過去トルクT0 を使用する。
[修正トルク値演算の第3実施例]
修正トルク値演算の第3実施例は、第1実施例で使用したモータ角速度Ve に代えてモータ角加速度Ae を使用する。即ち、トルク検出値Tと、モータ角速度Ve に基づいて推定演算したモータ角加速度Ae とに基づき修正トルク値Te を演算するが、この場合、修正トルク値Te の演算はトルク検出値Tに、後述するモータ角加速度Ae に対応した値のパラメータp2 を乗算する以下の式(1b)で算出する。
Te =T×p2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1b)
ここで、トルク検出値Tには、前回のサンプリングで検出されたトルク検出値である過去トルクT0 を使用する。
パラメータp2 の一例を図2の(2)に示す。モータ角加速度Ae がAea以下の場合は、パラメータp2 は一定値(例えばp2 =1.0)とし、モータ角加速度Ae がAeaを越える場合は、モータ加角速度の増加に逆比例してパラメータp2 が減少するように一次関数で設定されている。
[修正トルク値演算の第4実施例]
修正トルク値演算の第4実施例は、前記第1実施例乃至第3実施例からの変形例であって、修正トルク値演算の第1乃至第3実施例と同じく、トルク検出値Tとモータ角速度Ve 、或いはモータ角加速度Ae とに基づき修正トルク値Te を演算するものであって、修正トルク値Te は、トルク検出値Tに、後述するパラメータp3 を乗算する以下の式(1c)で算出する。ここで、トルク検出値Tには、前回のサンプリングで検出されたトルク検出値である過去トルクT0 を使用する。
Te =T×p3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1c)
パラメータp3 には、前記した2つのパラメータp1 、p2 のうち、小さい方のパラメータp3 を使用する。
或いは前記2つのパラメータp1 、p2 に重み付けをする以下の式(1d)で算出したパラメータp4
p4 =(p1 ×w1 +p2 ×w2 )・・・・・・・・・(1d)
但し、w1 、w2 は重み付け値
を使用して、修正トルク値Te を演算することもできる。
なお、修正トルク値Te の演算を、トルク検出値Tと、モータ角速度Ve 或いはモータ角加速度Ae のいずれか一方或いは両方を使用して演算するようにしてもよい。
[修正トルク値演算の第5実施例]
修正トルク値演算の第5実施例では、修正トルク値Te を前回検出されたトルク検出値である過去トルク検出値Tからパラメータsを減算する以下の式(3)で算出する。
Te =T−s・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3)。
パラメータsの一例を図2の(3)に示す。モータ角速度Ve の増加に比例してパラメータsは増大するように設定されている。なお、モータ角速度Ve がVeb以下の場合はパラメータsは一定値(例えばs=1.0)とし、モータ角速度Ve がVebを越えた後は増加するようにしてもよい。なお、上記比例定数や閾値であるVebは、車両や使用するモータ、その他の要因により最適値が異なるので、実施の際は車両搭載データ等を吟味して決定する。その際、上記第4実施例では、モータ角速度の増加に比例してパラメータsが増加する例を示したが、比例以外の関係で増加させてもよい。
なお、前記した修正トルク値演算の第3実施例に示すように、モータ角速度Ve に代えてモータ角加速度Ae を使用する場合は、パラメータsをモータ角加速度Ae の増加に比例して増大するように設定するとよい。
[修正トルク値演算の第6実施例]
修正トルク値演算の第6実施例では、図3に示すようにモータ角速度Ve がVecを越える場合は、修正トルク値Te を所定の制限値Toff に固定し、モータ角速度Ve がVec以下の場合はトルク検出値Tをそのまま修正トルク値Te とするものである。なお、上記閾値であるVecは、車両や使用するモータ、その他の要因により最適値が異なるので、実施の際は車両搭載データ等を吟味して決定する。また、モータ角速度Ve に代えてモータ角加速度Ae を使用することもできる。
上記第1の実施の形態では、その第2乃至第6実施例で説明したように、モータ角速度推定部で推定したモータ角速度Ve 、或いはモータ角速度Ve を微分演算して得られたモータ角加速度Ae を使用して修正トルク値Te を演算により求めているが、モータ角速度Ve はモータ角速度と比例関係にあるモータ回転数Nから求めることができる。その際、モータ回転数Nは、ホールセンサを使用したモータ回転数検出器、レゾルバを使用したモータ回転数検出器、アングルセンサを使用したモータ回転数検出器などの公知のモータ回転数検出手段により検出すればよい。この他、直接モータ角速度を検出してもよい。
また、モータ角加速度Ae は、前記手法により得られたモータ角速度Ve を微分する演算により求めることができる。
さらに上記第1の実施の形態では、トルク検出値Tをサンプリングする都度、修正トルク値Te を演算し、記憶装置26に上書き更新記憶しているが、修正トルク値Te の演算に必要なトルク検出値Tとモータ角速度Ve 、或いはモータ角加速度Ae をサンプリングの都度記憶装置26に上書き更新して記憶しておき、トルク値異常検出部23によりトルク検出値Tの異常が検出された場合のみ、記憶装置26に記憶されたトルク検出値Tとモータ角速度Ve 、或いはモータ角加速度Ae から修正トルク値Te を演算するようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
この発明の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態では、トルク値異常検出部23によりトルク検出値Tに異常が検出された場合、トルク検出値Tが異常であると判定される直前の修正トルク値を代替トルク値としてモータ33の駆動制御を行っているが、第2の実施の形態では、修正トルク値Te をより適正な値とするために、トルク検出値Tが異常であると判定される直前のn個(nは自然数)の修正トルク値Te1〜Tenに基づいて演算される代替トルク値を用いてモータ33の駆動制御を行うものである。
第2の実施の形態では、記憶装置26に記憶される修正トルク値Te が複数(Te1〜Ten)あることと、トルク値異常検出部23によりトルク検出値Tに異常が検出された場合に、第1の実施の形態では修正トルク値Te をそのまま代替トルク値として使用しているが、第2の実施の形態では複数の修正トルク値Te (Te1〜Ten)から代替トルク値を演算して求めている点が異なる。
その他は第1の実施の形態と同様で、第2の実施の形態の制御装置の制御機能を説明するブロック図は、図1に示す第1の実施の形態の電動パワーステアリング装置の制御装置の制御機能を説明するブロック図と変らないので、第2の実施の形態の制御装置の制御機能を説明するブロック図については、図1に示すブロック図を流用して図示を省略し、また回路要素についても説明を省略して、その特徴部分について説明する。
通常時、トルク検出値Tに異常がないとき、即ちトルク値異常検出部23から異常信号Gが出力されていないときは、トルク演算部24は、トルクセンサ21から入力されたトルク検出値Tをそのまま操舵トルク値Ta として電流指令値演算部27に出力すると共に、トルク演算部24はトルクセンサ21から入力されたトルク検出値Tとモータ角速度推定部25で推定演算したモータ角速度Ve に基づいて修正トルク値Te を演算し、記憶装置26に記憶させる。
ここで、記憶装置26には、修正トルク値Te が演算される都度、修正トルク値Te1、Te2、Te3、〜Ten、として順次記憶させる。修正トルク値Te の演算がn回を越え、修正トルク値Te(n+1)が演算されたときは、既に記憶されているTe1の上にTe2を上書記憶し、Te2の上にTe3を上書記憶し、以下同様にしてTenの上にTe(n+1)を上書記憶させる。このように記憶装置26の記憶内容を順次更新記憶させることで、最新のn個の修正トルク値Te を記憶させる。
一方、トルク検出値Tに異常が検出されたとき、即ちトルク値異常検出部23から異常信号Gが出力されたときは、トルク演算部24は異常値と判定されたトルク検出値Tに代えて、代替トルク値を記憶装置26に記憶されている修正トルク値Te (Te1〜Ten)から演算で求め、演算で求めた代替トルク値を操舵トルク値Ta として電流指令値演算部27に出力する。また、このとき、修正トルク値Te(n+1)の演算は行わず、記憶装置26に記憶された修正トルク値Te (Te1〜Ten)は更新されない。
次に、トルク値異常検出部23でトルク検出値Tが異常であると判定されたときの、モータ33の駆動制御に使用する代替トルク値の演算手法について説明する。代替トルク値の演算手法は複数の実施例がある。以下、順次説明する。
[代替トルク値演算の第1実施例]
代替トルク値演算の第1実施例では、代替トルク値は、トルク検出値Tが異常であると判定される直前のn個(nは自然数)の修正トルク値Te1〜Tennの中で最もトルク中立(0Nm)に近い値を求め、代替トルク値とする。
[代替トルク値演算の第2実施例]
代替トルク値演算の第2実施例では、代替トルク値は、n個の修正トルク値Te (Te1〜Ten)の算術平均を求める以下の式(2a)で算出する。
代替トルク値={Te1+Te2+Te3〜+Ten}/n・・・・・(2a)。
[代替トルク値演算の第3実施例]
代替トルク値演算の第3実施例では、代替トルク値は、n個の修正トルク値Te (Te1〜Ten)の重み付け平均法により算出する。例えば、修正トルク値Te の個数nがn=5の場合は、代替トルク値は、以下の式(2b−1)で算出される。
代替トルク値=(aTe1+bTe2+cTe3+dTe4+eTe5)
/(a+b+c+d+e)・・・・・・・・(2b−1)
ここでa、b、c、d、eは重みであり、重みa、b、c、d、eの間には以下の式(2b−2)の関係があるものとするが、これは一例である。
a<b<c<d<e・・・・・・・・・・・・・(2b−2)。
[代替トルク値演算の第4実施例]
代替トルク値演算の第4実施例では、代替トルク値は、n個の修正トルク値Te (Te1〜Ten)から最小二乗法により算出する。
この方法では、修正トルク値Te (Te1〜Ten)により一次式を作成し、修正トルク値Te(n+1)を推定して代替トルク値とする。ここで、修正トルク値Te(n+1)とは、実際にはトルク検出値Tが異常と判定されたため修正トルク値は演算されないが、最新のn個の修正トルク値から推定して求めた、もしもトルク検出値Tが異常と判定されなかったならば演算されたであろうと推定される修正トルク値である。
修正トルク値Te(n+1)を推定する1次式は以下の式(2c−1)で表され、係数a、bは以下の式(2c−2)で表される連立方程式から求められる。
Figure 2007196829
Figure 2007196829
例えば、図4のように過去の時点t1 、t2 、t3 における修正トルク値がTe1、Te2、Te3の3サンプルの場合は、修正トルクの現在値Te4は、逆行列を利用して式(2c−3)のようになる。
Figure 2007196829
実際の計算では、逆行列は予め計算することができ、式(2c−3)は式(2c−4)のように表される。
Figure 2007196829
ここで、推定して得られた修正トルク値Te4を代替トルク値とする。
[代替トルク値演算の第5実施例]
代替トルク値演算の第5実施例では、代替トルク値は、n個の修正トルク値Te (Te1〜Ten)から(n−1)次式を作成し、修正トルクTe(n+1)を推定演算して代替トルク値とするものである。
n個の修正トルク値Te から(n−1)次式を作成して代替トルク値を算出する方法について説明する。例えば、図5のように過去の修正トルク値がTe1、Te2、Te3の3個であるときは、3個の修正トルク値Te1、Te2、Te3から2次式を作成して現在値Tepを予測するには、以下の式(2d−1)を使用する。
Figure 2007196829
係数a、b、cを算出するには、以下の式(2d−2)の連立方程式から求められる。
Figure 2007196829
よって、修正トルクの現在値Te3は、以下の式(2d−3)で表される。
Figure 2007196829
実際の計算では、逆行列は予め計算することができる。3個の修正トルク値Te1、Te2、Te3の場合の逆行列は、式(数2d−4)のようになる。
Figure 2007196829
なお、上記した第2の実施の形態では、n個の修正トルク値Te (Te1〜Ten)は記憶装置26に上書き更新記憶されるが、修正トルク値Te の演算に必要なトルク検出値Tとモータ角速度Ve をそれぞれn個づつを記憶装置26に上書き更新記憶し、トルク値異常検出部23によりトルク検出値Tが異常であると判定されたときのみ、修正トルク値Te(Te1〜Ten)を演算し、代替トルク値を求めてもよい。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、トルクセンサの故障などが発生した場合は、異常値であるトルク検出値Tによるモータ33の駆動制御を回避して代替トルク値を用いてモータ33の駆動制御し、さらに代替トルク値を予め設定された適切な操舵補助トルク値Td に徐々に近付けるように制御するように構成したものである。
図6は、この発明の第3の実施の形態の電動パワーステアリング装置の制御装置60の制御機能を説明するブロック図で、第1及び第2の実施の形態から徐変処理部28を除き、トルク演算部24の後段に、新たにトルク調整部35を配置したものである。その他の回路要素や部材の機能・動作は第1及び第2の実施の形態と同じであるから、同一回路要素、同一部材には同一符号を付して説明を省略し、第4の実施の形態の特徴部分の構成と動作について説明する。
トルク調整部35には、その内部に記憶装置が備えられており、先に説明した適切な操舵補助トルク値Td が予め設定され、トルク調整部35の記憶装置に記憶されている。記憶させる適切な操舵補助トルク値Td は、その車種にとって適切な操舵補助トルクを供給できることが求められるから、実施の際は車両搭載データ等を吟味して決定するものとする。
トルク値異常検出部23から異常検出信号Gがトルク調整部35に入力されない場合、即ちトルク検出値Tの異常が検出されていないときは、トルク調整部35はトルク演算部24から入力された操舵トルク値Ta を、そのまま電流指令値演算部27に出力する。
一方、トルク値異常検出部23から異常検出信号Gがトルク調整部35に入力された場合、即ちトルク検出値Tの異常が検出されたときは、トルク調整部35はトルク演算部24から入力された操舵トルク値Ta を、徐々に記憶されている適切な操舵補助トルク値Td に近付ける調整を行なった上で、電流指令値演算部27に出力する。
[第4の実施の形態]
図7は、この発明の第4の実施の形態の電動パワーステアリング装置の制御装置70の制御機能を説明するブロック図で、第1及び第2の実施の形態から徐変処理部28を除き、電流指令値演算部27の後段に、新たに記憶装置を備えた電流指令値調整部36を配置したものである。その他の回路要素や部材の機能・動作は第1及び第2の実施の形態と同じであるから、同一回路要素、同一部材には同一符号を付して説明を省略し、第5の実施の形態の特徴部分の構成と動作について説明する。
前記した第3の実施の形態では、トルク調整部35でトルクセンサの故障発生後の操舵補助トルク値を適切な値に調整している。しかし、これに代えて電流指令値調整部36に、予め設定された適切な電流指令値を記憶させた構成でも、同様にトルクセンサの故障発生後の操舵補助トルク値を適切な値に調整することができる。即ち、トルク値異常検出部23から異常検出信号Gが電流指令値調整部36に入力されない場合、即ちトルク検出値Tの異常が検出されていないときは、電流指令値調整部36は入力された電流指令値Irをそのまま加算器29に出力する。
一方、トルク値異常検出部23から異常検出信号Gが電流指令値調整部36に入力された場合、即ちトルク検出値Tの異常が検出されたときは、電流指令値調整部36は電流指令値演算部27から入力された操舵トルク値Ta に対応する電流指令値Ir を、記憶されている適切な電流指令値に徐々に近付ける調整を行なった上で加算器29に出力する。
以上説明したこの発明の実施の形態では、トルクセンサから入力されたトルク検出値とモータ角速度に基づき修正トルク値を演算し、或いはモータ角速度に代えて、モータ角加速度を使用して修正トルク値を演算している。モータ角加速度を使用するときは、運転者が急激な反対方向のハンドル操作を行ったような場合に、一時的にモータの慣性力により発生する操舵方向と反対方向の異常なトルクを検出することもできる。
安全性の高い電動パワーステアリング装置であって、トルクセンサから出力されるトルク検出値に異常が発生したときは、速やかに異常なトルク検出値に代えて代替トルク値を用いてモータ制御を実行して適切な操舵トルクを発生させ、ハンドルの操作に違和感を与えることなく操向ハンドルの操作を行うことができる電動パワーステアリング装置を提供する。
第1及び第2の実施の形態の電動パワーステアリング装置の制御装置の制御機能を説明するブロック図。 修正トルクの演算に使用されるパラメータの設定を説明する図。 修正トルクの演算におけるモータ角速度と修正トルク値の関係を説明する図。 過去の修正トルク値から現在の修正トルク値の推定を説明する図(その1)。 過去の修正トルク値から現在の修正トルク値の推定を説明する図(その2)。 第3の実施の形態の電動パワーステアリング装置の制御装置の制御機能を説明するブロック図。 第4の実施の形態の電動パワーステアリング装置の制御装置の制御機能を説明するブロック図。 電動パワーステアリング装置の構成の一例を説明する図。 従来の電動パワーステアリング装置の制御機能を説明するブロック図(その1)。 従来の電動パワーステアリング装置の制御機能を説明するブロック図(その2)。
符号の説明
10、60、70 制御装置
21 トルクセンサ
23 トルク値異常検出部
24 トルク演算部
25 モータ角速度推定部
26 記憶装置
27 電流指令値演算部
28 徐変処理部
29 加算器
31 電流制御部
32 モータ駆動部
33 モータ
34 モータ電流検出器
35 トルク調整部
36 電流指令値調整部

Claims (13)

  1. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するモータと、操向ハンドルに作用する操舵トルクを検出するトルクセンサと、所定のタイミングでサンプリングされた前記トルクセンサのトルク検出値に基づいてモータ出力を制御する制御装置と、前記トルク検出値の異常を検出するトルク値異常検出手段とを備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出されたときは、前記トルク検出値に代えて代替トルク値に基づいてモータ出力を制御すること
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制御装置は、モータの出力を徐々に減少させる徐変処理手段を備え、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、前記徐変処理手段を作動させてモータ出力を徐々に減少させる制御を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、代替トルク値を予め設定された所定のトルク値に徐々に近付ける制御を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記制御装置は、代替トルク値もしくは代替トルク値の演算に必要な値を記憶する記憶手段を備え、前記代替トルク値もしくは代替トルク値の演算に必要な値を常時更新して記憶手段に記憶させること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角速度出力手段を備え、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、異常検出直前の過去トルク検出値とモータ角速度とに基づいて演算された修正トルク値を代替トルク値とすること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角加速度出力手段を備え、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、異常検出直前の過去トルク検出値とモータ角加速度とに基づいて演算された修正トルク値を代替トルク値とすること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角速度出力手段を備え、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、異常検出直前のn個のトルク検出値とモータ角速度とに基づいて演算された修正トルク値を代替トルク値とすること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記電動パワーステアリング装置は、さらにモータ角加速度出力手段を備え、前記制御装置は、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、異常検出直前のn個のトルク検出値とモータの角加速度とに基づいて演算された修正トルク値を代替トルク値とすること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  9. 前記制御装置は、前記トルク検出値に、前記モータ角速度及び/又は前記モータ角加速度に応じてそれぞれ予め設定されているパラメータを乗除又は加減演算して複数の演算トルク値を求め、演算された複数のトルク値の中の最小値を修正トルク値とすること
    を特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 前記制御装置は、前記トルク検出値に、前記モータ角速度及び/又は前記モータ角加速度に応じて予め設定されているパラメータを乗除又は加減演算して修正トルク値を得ること
    を特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  11. 前記制御装置は、前記モータ角速度及び/又は前記モータ角加速度が予め設定された所定値を越えているときは所定の固定値を修正トルク値とし、前記モータ角速度又は前記モータ角加速度が予め設定された所定値以下のときは、トルク検出値を修正トルク値とすること
    を特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  12. 前記制御装置は、さらにトルク調整手段を備え、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、入力されたトルク検出値を予め記憶されている所定のトルク値に徐々に近付けるトルク調整を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  13. 前記制御装置は、さらに電流指令値調整手段を備え、前記トルク値異常検出手段によりトルク検出値の異常が検出された後は、入力されたトルク検出値に対応する電流指令値を予め記憶されている所定のトルク値に対応する電流指令値に徐々に近付ける電流指令値の調整を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。



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