JP2014123890A - 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 - Google Patents

圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 Download PDF

Info

Publication number
JP2014123890A
JP2014123890A JP2012279628A JP2012279628A JP2014123890A JP 2014123890 A JP2014123890 A JP 2014123890A JP 2012279628 A JP2012279628 A JP 2012279628A JP 2012279628 A JP2012279628 A JP 2012279628A JP 2014123890 A JP2014123890 A JP 2014123890A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
pattern
piezoelectric vibrating
vibrating piece
wafer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012279628A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoya Ichimura
直也 市村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SII Crystal Technology Inc
Original Assignee
SII Crystal Technology Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SII Crystal Technology Inc filed Critical SII Crystal Technology Inc
Priority to JP2012279628A priority Critical patent/JP2014123890A/ja
Publication of JP2014123890A publication Critical patent/JP2014123890A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Oscillators With Electromechanical Resonators (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】エッチング残りを均一化する。
【解決手段】圧電振動片の振動腕部の幅方向の一対の第1および第2の端面SA,SBをエッチング工程によって形成するのに先立って、エッチングレートが大きい第1の端面SAを形成するための外形フォトレジスト膜41による外形パターン41Aの端部41Aaから第1の端面SAの法線方向に所定距離L1以内の第1領域αと、エッチングレートが小さい第2の端面SBを形成するための外形フォトレジスト膜41の外形パターン41Aの端部41Abから第2の端面SBの法線方向に所定距離L1以内の第2領域βとのうち、第1領域αのみに外形フォトレジスト膜41による外形補助パターン41Bを設ける。外形補助パターン41Bの位置および大きさは、第1領域αおよび第2領域βの実質的なエッチングレートが同一になるように設定される。
【選択図】図10

Description

この発明は、圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計に関する。
従来、音叉型水晶振動子の2つの音叉枝部において、水晶の結晶軸の一方向側と他方向側(例えば、+X方向側と−X方向側)の端面に発生するエッチング残りを両方向で均一にする製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−260712号公報
ところで、上記従来技術に係る音叉型水晶振動子の音叉枝部においては、水晶の結晶軸(X軸方向)において、+X方向側の端面と−X方向側の端面とに発生するエッチング残りが両端面で非対称になるという課題がある。
そこで本発明は、音叉枝部において結晶軸方向に沿った両端に生じるエッチング残りを均一化することが可能な圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計を提供することを目的としている。
上記課題を解決すべく本発明は、
表面にマスクが設けられたウエハをエッチングすることで所定の外形を有する圧電振動片を得る圧電振動片の製造方法において、前記所定の外形にパターニングされた第1マスクと、第1マスクから離間した位置に配置される第2マスクと、を用い、第2マスクを、第1マスクにおけるエッチングレートが大きい側の端縁から所定の距離離間した位置に配置した状態でウエハをエッチングすることを特徴とする。
さらに、本発明は、
表面にマスクが設けられたウエハをエッチングすることで所定の外形を有する圧電振動片を得る圧電振動片の製造方法において、圧電振動片に相当する領域におけるエッチングレートの小さい側である第1端縁をエッチングする第1エッチング工程と、第1エッチング工程の後で、マスクの一部を除去して前記領域におけるエッチングレートの大きい側である第2端縁を露出した状態で、第1端縁と第2段縁をエッチングする第2エッチング工程と、を備えることを特徴とする。
また、前記マスクはレジスト膜と金属膜によって形成されており、第2エッチング工程で除去されるマスクはレジスト膜によって形成されるマスクであると好適である。
また、前記エッチングレートとは、水晶の結晶軸におけるX軸方向のエッチングレートであると好適である。
また、本発明に係る圧電振動片は、上記圧電振動片の製造方法によって製造されることを特徴とする。
また、本発明に係る圧電振動子は、上記圧電振動片の製造方法によって製造された圧電振動片と、それを収容するパッケージとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る発振器は、上記圧電振動子を備え、該圧電振動子は発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係る電子機器は、上記圧電振動子を備え、該圧電振動子は計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係る電波時計は、上記圧電振動子を備え、該圧電振動子はフィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の圧電振動片の製造方法によれば、第1マスクと第2マスクを用いてウエハをエッチングする際に、第2マスクを第1マスクにおけるエッチングレートが大きい側の端縁から所定の距離離間した位置に配置した状態でウエハをエッチングするので、エッチングレートが大きい側においては第2マスクがエッチングの妨げとなり、第2マスクを配置しない場合と比較してエッチングレートが小さくなる。その結果、圧電振動片に相当する領域において、結晶軸が異なるいずれの端縁(例えば+X方向側の側面と−X方向側の側面)におけるエッチングレートをほぼ等しく(略等しく)することができ、エッチング残り量がほぼ均一な圧電振動片を得ることが可能になる。
さらに、本発明の圧電振動片の製造方法によれば、第1エッチング工程と第2エッチング工程といった少なくとも2段階のエッチング工程を行う際に、第1エッチング工程においてエッチングレートの小さい側である第1端縁をエッチングした後に、第2エッチング工程で第1端縁と第2端縁とをエッチングしている。即ち、エッチングレートの小さい側を予めある程度までエッチングした状態で第2エッチング工程を行うので、エッチング工程後のいずれの端縁のエッチング残り量をほぼ均一にすることが可能になる。
さらに、本発明の圧電振動片の製造方法によれば、レジスト膜と金属膜をマスク材として利用してエッチングをしているので、安価な材料かつ簡易な工程によってエッチングを行うことができ、製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明におけるエッチングレートとは、水晶の結晶軸におけるX軸方向のエッチングレートである。これによれば、結晶軸方向におけるX−Y平面で振動する圧電振動片において、X軸方向におけるエッチング残り量を均一にすることができるので、安定した周波数を長期にわたって得ることが可能になる。
また、本発明の圧電振動片によれば、音叉型圧電振動片の振動腕部の側面におけるエッチング残りが均一になるので、安定した周波数を長期にわたって得ることが可能になる。
本発明の圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計によれば、いずれもエッチング残りが均一な圧電振動片を使用しているので、作動信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る圧電振動子の外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。 図2に示すA−A線に沿った圧電振動子の断面図である。 図1に示す圧電振動子を模式的に示す分解斜視図である。 圧電振動片を第1の表面側から見た平面図である。 圧電振動片を第2の表面側から見た平面図である。 図5のB−B線における断面図である。 圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。 圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図である。 圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 本発明の実施の形態の第1変形例に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の第1変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 本発明の実施の形態の第1変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図である。 本発明の実施の形態の第1変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 本発明の実施の形態の第2変形例に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の第2変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 本発明の実施の形態の第2変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図である。 本発明の実施の形態の第2変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 本発明の実施の形態の第2変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 本発明の実施の形態の第3変形例に係る圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態の第3変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 本発明の実施の形態の第3変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図である。 本発明の実施の形態の第3変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 本発明の実施の形態の第3変形例に係る圧電振動片の製造方法の各工程を説明する圧電振動片の一対の振動腕部に対応するウエハの部位の断面図および圧電振動片に対応するウエハの平面図である。 本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。 本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。
以下、本発明の一実施形態に係る圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計について説明する。
本実施形態の圧電振動子1は、例えば図1〜図4に示すように、接合材35を介して陽極接合されたベース基板2とリッド基板3とからなる箱状のパッケージ5と、パッケージ5の内部に封止されたキャビティCに収容された圧電振動片4と、を備える表面実装型の圧電振動子1である。
そして、圧電振動片4とベース基板2に設置された外部電極38,39とは、ベース基板2を貫通する一対の貫通電極32,33によって電気的に接続されている。
なお、図4において、後述する励振電極15と、引き出し電極19,20と、マウント電極16,17と、重り金属膜21との図示は省略されている。
圧電振動片4は、例えば図5〜図7に示すように、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウムなどの圧電材料から形成された音叉型の圧電板24を備え、所定の電圧の印加によって振動する。
この圧電板24は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、一対の振動腕部10,11の基端を一体的に固定する基部12と、を備えている。
また、一対の振動腕部10,11は、一対の振動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15を圧電材料からなる圧電体(圧電板24)の表面上に備え、基部12は、第1の励振電極13及び第2の励振電極14と引き回し電極36,37とを電気的に接続する一対のマウント電極16,17を圧電材料からなる圧電体(圧電板24)の表面上に備えている。
また、圧電板24は、一対の振動腕部10,11の両主面上に、振動腕部10,11の長手方向(延在方向)に沿ってそれぞれ形成された溝部18を備えている。
溝部18は、例えば、振動腕部10,11の基端側からほぼ中央付近に至る間に形成されている。
第1の励振電極13および第2の励振電極14からなる励振電極15は、一対の振動腕部10,11の外表面上に互いに電気的に絶縁された状態でパターニングされ、一対の振動腕部10,11を互いに接近または離間する方向に所定の周波数で振動させる。
より詳細には、例えば、第1の励振電極13は、主に、第1の振動腕部10の溝部18上と、第2の振動腕部11の両側面上とに設けられている。
また、第2の励振電極14は、主に、第1の振動腕部10の両側面上と、第2の振動腕部11の溝部18上とに設けられている。
第1の励振電極13及び第2の励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19,20を介してマウント電極16,17に電気的に接続されている。
これにより、圧電振動片4は、マウント電極16,17を介して電圧印加される。
なお、上述した励振電極15と、マウント電極16,17と、引き出し電極19,20とは、例えば、圧電板24の外表面上に順次積層された、クロム(Cr)などからなる下地膜(図示略)と、金(Au)などからなる仕上膜(図示略)とを備えて構成されている。
なお、下地膜は、例えば、仕上膜と圧電振動片4との密着性を増大させるために設けられている。
また、一対の振動腕部10,11は、例えば図5,6に示すように、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整するための周波数調整用に外表面上に被膜された重り金属膜21を備えている。
重り金属膜21は、例えば、周波数を粗く調整するための粗調膜21aと、微小調整するための微調膜21bとを備えている。
この周波数調整は、粗調膜21a及び微調膜21bの重量調整によって行なわれ、一対の振動腕部10,11の周波数は所定の目標周波数の範囲内に収まるように調整される。
重り金属膜21のうち、振動腕部10,11の先端側に形成された粗調膜21aは、例えば、順次積層された下地膜(図示略)及び仕上膜(図示略)を備えて構成されている。
これに対して、粗調膜21aよりも基端側に形成された微調膜21bは、例えば、下地膜(図示略)により構成されている。
すなわち、重り金属膜21を構成する下地膜及び仕上膜は、上述した励振電極15と、マウント電極16,17と、引き出し電極19,20と同一の導電性材料により構成されている。
なお、重り金属膜21は、振動腕部10,11における長手方向の先端部を回避した位置に形成されている。
より詳細には、例えば、振動腕部10,11の先端部は、振動腕部10,11の短手方向(幅方向)の全域に亘って重り金属膜21を備えていない回避領域Rとなっており、この回避領域Rよりも基端側において振動腕部10,11の長手方向に沿って並んで配置された粗調膜21a及び微調膜21bを備えている。
圧電振動片4は、例えば図3,図4に示すように、金などのバンプBによって、ベース基板2の表面(リッド基板3に対向する表面)上に設けられた引き回し電極36,37上にバンプ接合されている。
より詳細には、圧電振動片4の第1の励振電極13は、第1のマウント電極16及びバンプBを介して第2の引き回し電極37上にバンプ接合され、第2の励振電極14は、第2のマウント電極17及びバンプBを介して第1の引き回し電極36上にバンプ接合されている。
これにより、圧電振動片4はベース基板2の表面(リッド基板3に対向する表面)から浮いた状態で支持されるとともに、各マウント電極16,17と引き回し電極36,37とはそれぞれ電気的に接続されている。
リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明の絶縁基板によって板状に形成されている。そして、ベース基板2に接合される接合面側には、圧電振動片4を収容可能な矩形状の凹部3aを備えている。
この凹部3aは、両基板2,3が重ね合わされたときに、ベース基板2の表面(リッド基板3に対向する表面)とによって、圧電振動片4を収容するキャビティCを形成する。
リッド基板3は、ベース基板2に対向する表面全体に設けられた接合材35を備えている。
接合材35は、例えばベース基板2との接合面および凹部3aの内面全体に亘って設けられている。
なお、本実施形態の接合材35はSi膜によって形成されているが、これに限定されず、例えば接合材35はAlによって形成されてもよい。
また、接合材35は、例えばドーピングなどにより低抵抗化されたSiバルク材によって形成されてもよい。
そして、リッド基板3は、凹部3aをベース基板2側に対向させた状態でベース基板2に対して接合材35を介して陽極接合され、キャビティCを気密封止している。
ベース基板2は、リッド基板3と同様にガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる透明な絶縁基板によって、リッド基板3に対して重ね合わせ可能な大きさの板状に形成されている。
ベース基板2は、厚さ方向に貫通するとともにキャビティC内にて開口する一対のスルーホール30,31を備えている。
より詳細には、例えば、本実施形態のスルーホール30,31のうち、第1のスルーホール30は、実装された圧電振動片4の基部12に臨む位置に形成されている。
また、第2のスルーホール31は、振動腕部10,11の先端部に臨む位置に形成されている。
また、これらのスルーホール30,31は、ベース基板2の第1の表面から第2の表面(リッド基板3に対向する表面)に向かって漸次径が縮径した断面テーパ状に形成されている。
なお、本実施形態では、各スルーホール30,31は断面テーパ状に形成されているとしたが、これに限定されず、例えばベース基板2を同一径にて厚さ方向に貫通するスルーホールでもあってもよく、要するにベース基板2を貫通していればよい。
一対のスルーホール30,31は、各スルーホール30,31を埋めるように形成された一対の貫通電極32,33を備えている。
貫通電極32,33は、焼成によってスルーホール30,31に対して一体的に固定された筒体6及び芯材部7によって形成され、スルーホール30,31を塞いでキャビティC内の気密を維持するとともに、後述する外部電極38,39と引き回し電極36,37とを導通させる。
より詳細には、例えば、第1の貫通電極32は、外部電極38と基部12との間で引き回し電極36に臨んで配置され、第2の貫通電極33は、外部電極39と振動腕部11との間で引き回し電極37に臨んで配置されている。
筒体6は、ペースト状のガラスフリットの焼成によって形成されている。
より詳細には、例えば、筒体6は、平坦な両端およびベース基板2とほぼ同じ厚みを有する円筒状に形成されている。
そして、筒体6は、筒体6を厚さ方向に貫通する中心孔に挿入された芯材部7を固定している。
また、本実施形態ではスルーホール30,31の形状に合わせて、筒体6の外形は円錐状(断面テーパ状)となるように形成されている。そして、この筒体6は、スルーホール30,31内に埋め込まれた状態で焼成されており、これらスルーホール30,31に対して強固に固着されている。
芯材部7は、金属材料により円柱状に形成された導電性の芯材であり、筒体6と同様に平坦な両端およびベース基板2の厚みとほぼ同じ厚さを有している。
なお、製造後の貫通電極32,33において、上述したように芯材部7は円柱状かつ
ベース基板2の厚みとほぼ同じ厚さを有しているが、製造過程においては、芯材部7の長さは、製造過程の当初のベース基板2の厚さよりも所定長さ(例えば、0.02mm)だけ短く設定されている。
芯材部7は、筒体6の中心孔6cに位置しており、筒体6の焼成によって筒体6に対して強固に固着される。
そして、貫通電極32,33は、導電性の芯材部7によって電気導通性が確保されている。
ベース基板2は、リッド基板3が接合される接合面側の表面上に、導電性材料(例えば、アルミニウム)によってパターニングされた一対の引き回し電極36,37を備えている。
一対の引き回し電極36,37は、一対の貫通電極32,33のうち、第1の貫通電極32と圧電振動片4の第2のマウント電極17とを電気的に接続するとともに、第2の貫通電極33と圧電振動片4の第1のマウント電極16とを電気的に接続する。
より詳細には、例えば、第1の引き回し電極36は、圧電振動片4の基部12において第1の貫通電極32に臨むように設けられている。
また、第2の引き回し電極37は、第1の引き回し電極36に隣接した位置から、振動腕部10,11に沿って振動腕部10,11の先端側に引き回された後、第2の貫通電極33に臨むように設けられている。
これにより、圧電振動片4の第2のマウント電極17は、第1の引き回し電極36を介して第1の貫通電極32に導通される。第1のマウント電極16は、第2の引き回し電極37を介して第2の貫通電極33に導通される。
ベース基板2は、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続される外部電極38,39を第1の表面上に備えている。
第1の外部電極38は、第1の貫通電極32及び第1の引き回し電極36を介して圧電振動片4の第2の励振電極14に電気的に接続されている。
また、第2の外部電極39は、第2の貫通電極33及び第2の引き回し電極37を介して、圧電振動片4の第1の励振電極13に電気的に接続されている。
この圧電振動子1は、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して所定の駆動電圧が印加されることによって作動し、圧電振動片4の第1の励振電極13及び第2の励振電極14からなる励振電極15に電流を流すことによって、一対の振動腕部10,11を接近および離間させる方向に所定の周波数で振動させる。
この一対の振動腕部10,11の振動は、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源などとして用いられる。
なお、ここではガラス材によって形成されるパッケージに圧電振動片4を収容する圧電振動子について説明しているが、圧電振動片4を収容可能なパッケージの形態はこれに限られるものではなく、例えばセラミック基板と金属リッドから構成されるセラミックパッケージであってもよい。
(圧電振動片の製造方法)
以下に、例えば図8から図11に示すように、圧電振動片4を作製する圧電振動片4の製造方法について説明する。
先ず、水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハSとする。
次に、ウエハSをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、この後、ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行なって所定の厚みとする(ステップS01)。
次に、図9(A)に示すように、ウエハSの両主面にエッチング保護膜40と外形フォトレジスト膜41をそれぞれ成膜する(ステップS02)。
エッチング保護膜40は、例えばクロム(Cr)を数100Å成膜した第1エッチング保護膜40aと、金(Au)を数100Å成膜した第2エッチング保護膜40bとが、順次積層された積層膜である。
このステップS02においては、先ず、ウエハSの両主面に、順次、第1エッチング保護膜40aと第2エッチング保護膜40bとを、それぞれスパッタリング法や蒸着法などにより成膜する。
次いで、エッチング保護膜40上に、スピンコート法などによりレジスト材料を塗布して、外形フォトレジスト膜41を形成する。
なお、本実施形態で用いるレジスト材料としては、環化ゴム(例えば、環化イソプレン)を主体にしたゴム系ネガレジストが好適に用いられている。ゴム系ネガレジストは、環化ゴムを有機溶剤に溶解し、さらにビスアジド感光剤を加えて、ろ過し、不純物を除去することで精製されたものである。
次に、エッチング保護膜40および外形フォトレジスト膜41が成膜されたウエハSの両主面を、外形パターンおよび外形補助パターンが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これによって、図9(B)に示すように、外形フォトレジスト膜41に外形パターン41Aおよび外形補助パターン41Bを同時に形成する(ステップS03)。
外形パターン41Aは、圧電振動片4の外形に沿った形状である。
外形補助パターン41Bは、外形パターン41Aのうち圧電振動片4の一対の振動腕部10,11に対応する部位において、各振動腕部10,11の延在方向に直交する方向(幅方向)の両端面(第1および第2の端面)のうち、エッチングレートがより大きい方の端面から法線方向に所定距離だけ離れた位置(第1領域内の位置)に設けられ、各振動腕部10,11の延在方向に平行に延びる長方形板状などの形状である。なお、外形パターン41Aを「第1マスク」、外形補助パターン41Bを「第2マスク」とする。
図10(A)に示すように、法線方向が逆方向となる一対の第1および第2の端面SA,SBは、例えば、ウエハSを構成する水晶の結晶軸のX軸の−X方向側の端面SAおよび+X方向側の端面SBであり、エッチングレートがより大きい方の端面は−X方向側の端面SAであり、エッチングレートがより小さい方の端面は+X方向側の端面SBである。
外形補助パターン41Bは、外形パターン41Aの−X方向側の端部41Aaから第1の端面SAの法線方向に所定距離L1以内の第1領域αと、外形パターン41Aの+X方向側の端部41Abから第2の端面SBの法線方向に所定距離L1以内の第2領域βとのうち、第1領域αのみに設けられる。
なお、外形補助パターン41Bの位置および大きさは、第1領域αおよび第2領域βの実質的なエッチングレートが同一になるように設定される。
次に、外形パターン41Aおよび外形補助パターン41Bが形成された外形フォトレジスト膜41をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第2エッチング保護膜40bのみを選択的に除去する(ステップS04)。
次に、エッチング加工後に外形フォトレジスト膜41を剥離する(ステップS05)。
これらによって、図9(C)に示すように、第2エッチング保護膜40bに外形パターン40bAおよび外形補助パターン40bBを形成する。
なお、エッチング加工には、エッチング保護膜40と外形フォトレジスト膜41が形成されたウエハSを薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。
具体的には、例えば、金(Au)が成膜された第2エッチング保護膜40bは薬液としてヨウ素を用いてエッチングすることができる。
なお、このパターニングは、複数の圧電振動片4の数だけ、一括して行なう。
次に、第2エッチング保護膜40bをマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第1エッチング保護膜40aを選択的に除去する(ステップS06)。
これによって、図9(D)に示すように、第1エッチング保護膜40aに外形パターン40aAおよび外形補助パターン40aBを形成する。
なお、エッチング加工には、第1エッチング保護膜40aが形成されたウエハSを薬液に浸漬して行うウェットエッチング方式を用いることができる。
具体的には、例えば、クロム(Cr)が成膜された第1エッチング保護膜40aは薬液としてフェリシアン化カリウムを用いてエッチングすることができる。
次に、第2エッチング保護膜40bによる外形パターン40bAおよび外形補助パターン40bBと、第1エッチング保護膜40aによる外形パターン40aAおよび外形補助パターン40aBとが形成されたウエハSの両主面の全面にレジスト材料を塗布して、図9(E)に示すように、溝部フォトレジスト膜42を形成する(ステップS07)。
次に、溝部フォトレジスト膜42が成膜されたウエハSの両主面を、溝部パターンおよび溝部補助パターンが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これによって、図9(F)に示すように、第2エッチング保護膜40bによる外形補助パターン40bBおよび第1エッチング保護膜40aによる外形補助パターン40aBを露出させるとともに、溝部フォトレジスト膜42に溝部パターン42Aおよび溝部補助パターン42Bを同時に形成する(ステップS08)。
溝部パターン42Aは、圧電振動片4の溝部18の外形に沿った貫通孔を有する形状である。
溝部補助パターン42Bは、溝部パターン42Aの貫通孔において、各振動腕部10,11の延在方向に直交する方向(幅方向)の溝部18の両内壁面(第1および第2の内壁面)のうち、エッチングレートがより大きい方の内壁面から法線方向に所定距離だけ離れた位置に設けられ、溝部18の延在方向に平行に延びる長方形板状などの形状である。
図10(B)に示すように、法線方向が逆方向となる一対の第1および第2の内壁面SC,SDは、例えば、ウエハSを構成する水晶の結晶軸のX軸の−X方向側に向く内壁面SCおよび+X方向側に向く内壁面SDであり、エッチングレートがより大きい方の内壁面は−X方向側に向く内壁面SCであり、エッチングレートがより小さい方の内壁面は+X方向側に向く内壁面SDである。
溝部補助パターン42Bは、溝部パターン42Aの貫通孔の−X方向側に向く内壁部(端部)42Aaから第1の内壁面SCの法線方向に所定距離L2以内の第1領域γと、溝部パターン42Aの貫通孔の+X方向側に向く内壁部(端部)42Abから第2の内壁面SDの法線方向に所定距離L2以内の第2領域δとのうち、第1領域γのみに設けられる。
なお、溝部補助パターン42Bの位置および大きさは、第1領域γおよび第2領域δの実質的なエッチングレートが同一になるように設定される。
次に、溝部フォトレジスト膜42をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないウエハSを選択的に除去する(ステップS09)。
このエッチング加工は、例えば、フッ酸を薬液とするウェットエッチングである。
これによって、図11(A)に示すように、露出した第2エッチング保護膜40bによる外形補助パターン40bBおよび第1エッチング保護膜40aによる外形補助パターン40aBをウエハSとともに除去し、圧電振動片4の外形形状を形成する。
このエッチング加工においては、各振動腕部10,11の幅方向における外形パターン40bA,40aAの両端部に設定された第1領域αおよび第2領域βにおいて、第2領域βよりも本来固有のエッチングレートが大きい第1領域αのみに、エッチングを抑制する外形補助パターン40bB,40aBが設けられている。
これによって、第1領域αの実質的なエッチングレートは本来固有のエッチングレートよりも低下し、第1領域αおよび第2領域βの実質的なエッチングレートが同一になっており、エッチング工程の終了時には、各振動腕部10,11の幅方向におけるウエハSの両端部に均一のエッチング残りが形成される。
次に、溝部パターン42Aおよび溝部補助パターン42Bが形成された溝部フォトレジスト膜42をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第2エッチング保護膜40bの外形パターン40bAのみを選択的に除去する(ステップS10)。
次に、エッチング加工後に溝部フォトレジスト膜42を剥離する(ステップS11)。
これらによって、図11(B)に示すように、第2エッチング保護膜40bに溝部パターン40bCおよび溝部補助パターン40bDを形成する。
次に、溝部パターン40bCおよび溝部補助パターン40bDが形成された第2エッチング保護膜40bをマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第1エッチング保護膜40aの外形パターン40aAのみを選択的に除去する(ステップS12)。
これによって、図11(C)に示すように、第1エッチング保護膜40aに溝部パターン40aCおよび溝部補助パターン40aDを形成する。
次に、第2エッチング保護膜40bの溝部パターン40bCおよび第1エッチング保護膜40aの溝部パターン40aCをマスクとして、マスクされていないウエハSを選択的にハーフエッチング加工して溝部Saを形成する(ステップS13)。
これによって、図11(D)に示すように、露出した第2エッチング保護膜40bの溝部補助パターン40bDおよび第1エッチング保護膜40aの溝部補助パターン40aDをウエハSとともに除去し、圧電振動片4の溝部形状を形成する。
このエッチング加工においては、各振動腕部10,11の幅方向における溝部パターン40bC,40aCの貫通孔の両内壁面に設定された第1領域γおよび第2領域δにおいて、第2領域δよりも本来固有のエッチングレートが大きい第1領域γのみに、エッチングを抑制する溝部補助パターン40bD,40aDが設けられている。
これによって、第1領域γの実質的なエッチングレートは本来固有のエッチングレートよりも低下し、第1領域γおよび第2領域δの実質的なエッチングレートが同一になっており、エッチング工程の終了時には、各振動腕部10,11の幅方向におけるウエハSの溝部Saの両端部に均一のエッチング残りが形成される。
次に、図11(E)に示すように、第2エッチング保護膜40bの溝部パターン40bCのみを選択的に除去するエッチング加工を行なう(ステップS14)。
次に、図11(F)に示すように、第1エッチング保護膜40aの溝部パターン40aCのみを選択的に除去するエッチング加工を行なう(ステップS15)。
次に、複数の圧電板24の外表面上に電極膜をパターニングして、励振電極13,14と、マウント電極16,17と、引き出し電極19,20と、をそれぞれ形成する電極形成(ステップS16)を実行する。
より詳細には、溝部18を有する圧電板24の外表面上に、蒸着法やスパッタリング法などにより、クロム(Cr)などからなる下地膜と、金(Au)などからなる仕上膜とを積層してなる電極膜を成膜する。
次に、電極膜の表面上にフォトレジスト材を塗布してフォトレジスト膜を成膜し、複数の圧電板24において同一パターンとなる各電極13〜20の所定パターンでの遮光性を有する遮光膜パターンをフォトレジスト膜の表面上に配置する。
次に、遮光膜パターンを介してフォトレジスト膜に紫外線を照射する露光を行ない、フォトレジスト膜を現像液に浸漬し、フォトレジスト膜のうち紫外線により露光された所定パターンの領域のみを選択的に除去する。
次に、金(Au)などからなる仕上膜のうちフォトレジスト膜によりマスクされていない領域のみを選択的にエッチングにより除去し、クロム(Cr)などからなる下地膜のうちフォトレジスト膜によりマスクされていない領域のみを選択的にエッチングにより除去する。これによって、電極膜26のうちフォトレジスト膜によりマスクされている領域のみが残存する。そして、電極膜の表面上からフォトレジスト膜を剥離する。
次に、一対の振動腕部10,11の先端に周波数調整用の粗調膜21aおよび微調膜21bからなる重り金属膜21を形成する重り金属膜の形成工程(ステップS17)を実行する。
より詳細には、例えば、粗調膜21a及び微調膜21bの形成領域に下地膜を形成した後、下地膜における粗調膜21aの形成領域上に仕上膜を形成する。
この際、振動腕部10,11における先端部の回避領域Rよりも基端側に重り金属膜21を形成する。
なお、例えば、微調膜21bは、約1500Å程度の膜厚を有し、粗調膜21aは、約3μm程度の膜厚を有している。
また、本実施形態では、励振電極13,14と、引き出し電極19,20と、マウント電極16,17の電極部と、重り金属膜21とを、それぞれ別工程で形成するとしたが、これに限定されず、同一工程で一括して形成してもよい。
次に、ウエハに形成された全ての振動腕部10,11に対して、周波数を粗く調整する粗調工程(ステップS18)を実行する。
詳細には、先ず、ウエハに形成された全ての振動腕部10,11の周波数をまとめて測定し、測定された周波数と予め定められた目標周波数との差に応じて、トリミング量を算出する。
そして、重り金属膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、トリミング量に応じて粗調膜21aを除去(トリミング)する。
なお、共振周波数をより高精度に調整する微調は、例えば実装後に行なう。
次に、ウエハと圧電板24とを連結している連結部を切断して、複数の圧電板24をウエハから切り離して個片化する切断工程(ステップS19)を実行する。
これにより、1枚のウエハから、音叉型の圧電振動片4を一度に複数製造する。
以上により、圧電振動片の製造方法は終了する。
上述したように、本実施の形態による圧電振動片4の製造方法によれば、ウエハSのエッチング加工によって圧電振動片4の外形形状および溝部形状を形成する際に、外形補助パターン40bB,40aBおよび溝部補助パターン40bD,40aDによって、第1領域α,γの実質的なエッチングレートを本来固有のエッチングレートよりも低下させる。
これによって、第1領域α,γおよび第2領域β,δの実質的なエッチングレートを等しくすることができ、ウエハSの両端部およびウエハSの溝部Saの両端部のエッチング残りが不均一になることを防止することができる。
(第1変形例、圧電振動片の製造方法)
なお、上述した実施の形態においては、圧電振動片4の外形形状のパターニングを行なった後に溝部形状のパターニングを行なうとしたが、これに限定されず、例えば、圧電振動片4の外形形状および溝部形状のパターニングを同時に行ってもよい。
以下に、例えば図12から図15に示すように、圧電振動片4を作製する圧電振動片4の製造方法の第1変形例について説明する。
先ず、水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハSとする。
次に、ウエハSをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、この後、ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行なって所定の厚みとする(ステップS21)。
次に、図13(A)に示すように、ウエハSの両主面にエッチング保護膜40とフォトレジスト膜51をそれぞれ成膜する(ステップS22)。
エッチング保護膜40は、例えばクロム(Cr)を数μm成膜した第1エッチング保護膜40aと、金(Au)を数μm成膜した第2エッチング保護膜40bとが、順次積層された積層膜である。
このステップS22においては、先ず、ウエハSの両主面に、順次、第1エッチング保護膜40aと第2エッチング保護膜40bとを、それぞれスパッタリング法や蒸着法などにより成膜する。
次いで、エッチング保護膜40上に、スピンコート法などによりレジスト材料を塗布して、フォトレジスト膜51を形成する。
次に、エッチング保護膜40およびフォトレジスト膜51が成膜されたウエハSの両主面を、外形および溝部パターンと、外形補助パターンと、溝部補助パターンとが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これによって、図13(B)に示すように、フォトレジスト膜51に外形および溝部パターン51Aと、外形補助パターン51Bと、溝部補助パターン51Cと、を同時に形成する(ステップS23)。
外形および溝部パターン51Aは、圧電振動片4および溝部18の外形に沿った形状である。
外形補助パターン51Bは、外形および溝部パターン51Aのうち圧電振動片4の一対の振動腕部10,11に対応する部位において、各振動腕部10,11の延在方向に直交する方向(幅方向)の両端面(第1および第2の端面)のうち、エッチングレートがより大きい方の端面から法線方向に所定距離だけ離れた位置(第1領域内の位置)に設けられ、各振動腕部10,11の延在方向に平行に延びる長方形板状などの形状である。
する(ステップS23)。
溝部補助パターン51Cは、外形および溝部パターン51Aの貫通孔において、各振動腕部10,11の延在方向に直交する方向(幅方向)の溝部18の両内壁面(第1および第2の内壁面)のうち、エッチングレートがより大きい方の内壁面から法線方向に所定距離だけ離れた位置に設けられ、溝部18の延在方向に平行に延びる長方形板状などの形状である。
図14に示すように、法線方向が逆方向となる一対の第1および第2の端面SA,SBは、例えば、ウエハSを構成する水晶の結晶軸のX軸の−X方向側の端面SAおよび+X方向側の端面SBであり、エッチングレートがより大きい方の端面は−X方向側の端面SAであり、エッチングレートがより小さい方の端面は+X方向側の端面SBである。
する(ステップS23)。
外形補助パターン51Bは、外形および溝部パターン51Aの−X方向側の端部51Aaから第1の端面SAの法線方向に所定距離L1以内の第1領域αと、外形および溝部パターン51Aの+X方向側の端部51Abから第2の端面SBの法線方向に所定距離L1以内の第2領域βとのうち、第1領域αのみに設けられる。
なお、外形補助パターン51Bの位置および大きさは、第1領域αおよび第2領域βの実質的なエッチングレートが同一になるように設定される。
また、法線方向が逆方向となる一対の第1および第2の内壁面SC,SDは、例えば、ウエハSを構成する水晶の結晶軸のX軸の−X方向側に向く内壁面SCおよび+X方向側に向く内壁面SDであり、エッチングレートがより大きい方の内壁面は−X方向側に向く内壁面SCであり、エッチングレートがより小さい方の内壁面は+X方向側に向く内壁面SDである。
溝部補助パターン51Cは、外形および溝部パターン51Aの貫通孔の−X方向側に向く内壁部(端部)51Acから第1の内壁面SCの法線方向に所定距離L2以内の第1領域γと、外形および溝部パターン51Aの貫通孔の+X方向側に向く内壁部(端部)51Adから第2の内壁面SDの法線方向に所定距離L2以内の第2領域δとのうち、第1領域γのみに設けられる。
なお、溝部補助パターン51Cの位置および大きさは、第1領域γおよび第2領域δの実質的なエッチングレートが同一になるように設定される。
次に、外形および溝部パターン51Aおよび外形補助パターン51Bおよび溝部補助パターン51Cが形成されたフォトレジスト膜51をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第2エッチング保護膜40bのみを選択的に除去する(ステップS24)。
次に、エッチング加工後にフォトレジスト膜51を剥離する(ステップS25)。
これらによって、図13(C)に示すように、第2エッチング保護膜40bに溝部パターン40bCおよび外形補助パターン40bBおよび溝部補助パターン40bDを形成する。
次に、第2エッチング保護膜40bによる溝部パターン40bCおよび外形補助パターン40bBおよび溝部補助パターン40bDが形成されたウエハSの両主面において、溝部パターン40bCおよび溝部補助パターン40bDの全面にレジスト材料を塗布する。
そして、図13(D)に示すように、溝部保護フォトレジスト膜52を形成する(ステップS26)。
次に、溝部保護フォトレジスト膜52と、露出した第2エッチング保護膜40bの外形補助パターン40bBと、をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第1エッチング保護膜40aを選択的に除去する(ステップS27)。
これによって、図13(E)に示すように、第1エッチング保護膜40aに外形パターン40aAおよび外形補助パターン40aBを形成する。
次に、溝部保護フォトレジスト膜52をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないウエハSを選択的に除去する(ステップS28)。
このエッチング加工によって、図13(F)に示すように、露出した第2エッチング保護膜40bの外形補助パターン40bBおよび第1エッチング保護膜40aの外形補助パターン40aBをウエハSとともに除去し、圧電振動片4の外形形状を形成する。
このエッチング加工においては、各振動腕部10,11の幅方向における外形パターン40bA,40aAの両端部に設定された第1領域αおよび第2領域βにおいて、第2領域βよりも本来固有のエッチングレートが大きい第1領域αのみに、エッチングを抑制する外形補助パターン40bB,40aBが設けられている。
これによって、第1領域αの実質的なエッチングレートは本来固有のエッチングレートよりも低下し、第1領域αおよび第2領域βの実質的なエッチングレートが同一になっており、エッチング工程の終了時には、各振動腕部10,11の幅方向におけるウエハSの両端部に均一のエッチング残りが形成される。
次に、図15(A)に示すように、溝部保護フォトレジスト膜52を剥離する(ステップS29)。
次に、第2エッチング保護膜40bの溝部パターン40bCおよび溝部補助パターン40bDをマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていない第1エッチング保護膜40aの外形パターン40aAを選択的に除去する(ステップS30)。
これによって、図15(B)に示すように、第1エッチング保護膜40aに溝部パターン40aCおよび溝部補助パターン40aDを形成する。
次に、第2エッチング保護膜40bの溝部パターン40bCおよび第1エッチング保護膜40aの溝部パターン40aCをマスクとして、マスクされていないウエハSを選択的にハーフエッチング加工して溝部Saを形成する(ステップS31)。
これによって、図15(C)に示すように、露出した第2エッチング保護膜40bの溝部補助パターン40bDおよび第1エッチング保護膜40aの溝部補助パターン40aDをウエハSとともに除去し、圧電振動片4の溝部形状を形成する。
このエッチング加工においては、各振動腕部10,11の幅方向における溝部パターン40bC,40aCの貫通孔の両内壁面に設定された第1領域γおよび第2領域δにおいて、第2領域δよりも本来固有のエッチングレートが大きい第1領域γのみに、エッチングを抑制する溝部補助パターン40bD,40aDが設けられている。
これによって、第1領域γの実質的なエッチングレートは本来固有のエッチングレートよりも低下し、第1領域γおよび第2領域δの実質的なエッチングレートが同一になっており、エッチング工程の終了時には、各振動腕部10,11の幅方向におけるウエハSの溝部Saの両端部に均一のエッチング残りが形成される。
次に、図15(D)に示すように、第2エッチング保護膜40bの溝部パターン40bCのみを選択的に除去するエッチング加工を行なう(ステップS32)。
次に、図15(E)に示すように、第1エッチング保護膜40aの溝部パターン40aCのみを選択的に除去するエッチング加工を行なう(ステップS33)。
次に、上述した実施の形態と同一の電極形成(ステップS16)と、重り金属膜の形成工程(ステップS17)と、粗調工程(ステップS18)と、切断工程(ステップS19)と、を実行する。
この第1変形例によれば、エッチング保護膜40およびフォトレジスト膜51が成膜されたウエハSの両主面を、外形および溝部パターンと、外形補助パターンと、溝部補助パターンとが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。これによって、各パターンを形成するためのそれぞれのフォトマスクの位置合わせ工程が不要となり、加工ごとに位置合わせ精度に誤差が生じることを防止することができる。また、各パターンを形成するためのそれぞれのフォトマスクの熱膨張量の差異に起因して、複数形成される圧電振動片の外形パターンピッチと溝部パターンピッチとが合致しなくなることを防止することができる。これらによって、ウエハ面内の、例えば、中心領域と周辺領域において、ばらつくことなく、振動子特性の悪化や歩留まりの低下を防止することができる。
(第2変形例、圧電振動片の製造方法)
なお、上述した実施の形態においては、第2領域β,δよりも本来固有のエッチングレートが大きい第1領域α,γのみに、エッチングを抑制する各パターン40bB,40aB,40bD,40aDを設けるとしたが、これに限定されず、本来固有のエッチングレートが小さい第2領域β,δに対して優先的に先行してエッチング加工を行なった後に、第1領域α,γおよび第2領域β,δに対してエッチング加工を行なってもよい。
以下に、例えば図16から図20に示すように、圧電振動片4を作製する圧電振動片4の製造方法の第2変形例について説明する。
先ず、水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハSとする。
次に、ウエハSをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、この後、ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行なって所定の厚みとする(ステップS41)。
次に、図17(A)に示すように、ウエハSの両主面にエッチング保護膜40と外形フォトレジスト膜41をそれぞれ成膜する(ステップS42)。
エッチング保護膜40は、例えばクロム(Cr)を数μm成膜した第1エッチング保護膜40aと、金(Au)を数μm成膜した第2エッチング保護膜40bとが、順次積層された積層膜である。
このステップS42においては、先ず、ウエハSの両主面に、順次、第1エッチング保護膜40aと第2エッチング保護膜40bとを、それぞれスパッタリング法や蒸着法などにより成膜する。
次いで、エッチング保護膜40上に、スピンコート法などによりレジスト材料を塗布して、外形フォトレジスト膜41を形成する。
次に、エッチング保護膜40および外形フォトレジスト膜41が成膜されたウエハSの両主面を、外形パターンおよび外形補助パターンが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これによって、図17(B)に示すように、外形フォトレジスト膜41に外形パターン41Aを形成する(ステップS43)。
外形パターン41Aは、圧電振動片4の外形に沿った形状である。
次に、外形パターン41Aが形成された外形フォトレジスト膜41をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第2エッチング保護膜40bのみを選択的に除去する(ステップS44)。
次に、エッチング加工後に外形フォトレジスト膜41を剥離する(ステップS45)。
これらによって、図17(C)に示すように、第2エッチング保護膜40bに外形パターン40bAを形成する。
次に、第2エッチング保護膜40bをマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第1エッチング保護膜40aを選択的に除去する(ステップS46)。
これによって、図17(D)に示すように、第1エッチング保護膜40aに外形パターン40aAを形成する。
次に、第2エッチング保護膜40bによる外形パターン40bAと、第1エッチング保護膜40aによる外形パターン40aAとが形成されたウエハSの両主面の全面にレジスト材料を塗布して、図17(E)に示すように、溝部フォトレジスト膜43を形成する(ステップS47)。
次に、溝部フォトレジスト膜43が成膜されたウエハSの両主面を、溝部パターンが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これによって、図17(F)に示すように、溝部フォトレジスト膜43に溝部パターン43Aを形成する(ステップS48)。
溝部パターン43Aは、圧電振動片4および溝部18の外形に沿った形状であり、圧電振動片4の外形形状に対しては、圧電振動片4の一対の振動腕部10,11に対応する部位において、各振動腕部10,11の延在方向に直交する方向(幅方向)の両端面(第1および第2の端面)のうち、エッチングレートがより大きい方の端面を形成する端部から、この端面の法線方向に所定距離だけ張り出すような形状である。
図18(A)に示すように、法線方向が逆方向となる一対の第1および第2の端面SA,SBは、例えば、ウエハSを構成する水晶の結晶軸のX軸の−X方向側の端面SAおよび+X方向側の端面SBであり、エッチングレートがより大きい方の端面は−X方向側の端面SAであり、エッチングレートがより小さい方の端面は+X方向側の端面SBである。
溝部パターン43Aは、第1の端面SAを形成する外形パターン41Aの−X方向側の端部41A1から、第1の端面SAの法線方向に所定距離Laだけ張り出すように形成された端部43A1を備え、第2の端面SBを形成する外形パターン41Aの+X方向側の端部41A2から、第2の端面SBの法線方向に所定距離Laよりも小さい所定距離Lb(<La)だけ張り出すように形成された端部43A2を備えている。
なお、各端部43A1,42A2の所定距離La,Lbは、各端面SA,SBから法線方向に各所定距離La,Lbの第1領域αおよび第2領域βの実質的なエッチングに要する時間が同一になるように設定される。
また、圧電振動片4の溝部形状に対しては、溝部18の内壁面を形成する溝部パターン42Aの貫通孔の内壁部は、溝部18の各内壁面のエッチングレートに依らず、各内壁面の位置に一致している。
次に、溝部パターン43Aが形成された溝部フォトレジスト膜43をマスクとしてエッチング加工(外形第1エッチング加工)を行ない、マスクされていないウエハSを選択的に除去する(ステップS49)。
これによって、図19(A)に示すように、露出したウエハSを除去する。
この外形第1エッチング加工においては、各振動腕部10,11の幅方向における溝部パターン43Aの両端部43A1,43A2において、本来固有のエッチングレートがより大きい端部43A1側にはより小さなエッチング残りが生じ、本来固有のエッチングレートがより小さい端部43A2側にはより大きなエッチング残りが生じる。
ただし、本来固有のエッチングレートがより大きい端部43A1は第1の端面SAからより大きな所定距離Laに亘ってウエハSをマスクし、本来固有のエッチングレートがより小さい端部43A2は第2の端面SBからより小さな所定距離Lbに亘ってウエハSをマスクしている。
次に、溝部パターン43Aが形成された溝部フォトレジスト膜43をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第2エッチング保護膜40bの外形パターン40bAのみを選択的に除去する(ステップS50)。
次に、エッチング加工後に溝部フォトレジスト膜43を剥離する(ステップS51)。
これらによって、図19(B)に示すように、第2エッチング保護膜40bに溝部パターン40bCを形成する。
次に、第2エッチング保護膜40bによる溝部パターン40bCと、第1エッチング保護膜40aによる外形パターン40aAとが形成されたウエハSの両主面の全面にレジスト材料を塗布して、図19(C)に示すように、溝部保護フォトレジスト膜61を形成する(ステップS52)。
次に、溝部保護フォトレジスト膜61が成膜されたウエハSの両主面を、溝部保護パターンが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これによって、図19(D)に示すように、溝部保護フォトレジスト膜61に溝部保護パターン61Aを形成する(ステップS53)。
溝部保護パターン61Aは、圧電振動片4および溝部18の外形に沿った形状であり、圧電振動片4の溝部形状に対しては、貫通孔において、各振動腕部10,11の延在方向に直交する方向(幅方向)の溝部18の両内壁面(第1および第2の内壁面)のうち、エッチングレートがより大きい方の内壁面を形成する内壁部(端部)から、この内壁面の法線方向に所定距離だけ張り出すような形状である。
図18(B)に示すように、法線方向が逆方向となる一対の第1および第2の内壁面SC,SDは、例えば、ウエハSを構成する水晶の結晶軸のX軸の−X方向側に向く内壁面SCおよび+X方向側に向く内壁面SDであり、エッチングレートがより大きい方の内壁面は−X方向側に向く内壁面SCであり、エッチングレートがより小さい方の内壁面は+X方向側に向く内壁面SDである。
線方向に所定距離だけ張り出すような形状である。
溝部保護パターン61Aは、第1の内壁面SCを形成する溝部パターン43Aの−X方向側に向く内壁部(端部)43Aaから、第1の内壁面SCの法線方向に所定距離Lcだけ張り出すように形成された内壁部61A1を備え、第2の内壁面SDを形成する溝部パターン43Aの+X方向側に向く内壁部43Abから、第2の内壁面SDから法線方向に所定距離Lcよりも小さい所定距離Ld(<Lc)だけ張り出すように形成された内壁部61A2を備えている。
なお、各内壁部61A1,61A2の所定距離Lc,Ldは、各内壁面SC,SDから法線方向に各所定距離Lc,Ldの第1領域γおよび第2領域δの実質的なエッチングに要する時間が同一になるように設定される。
また、圧電振動片4の外形形状に対しては、各振動腕部10,11の幅方向の両端面(第1および第2の端面SA,SB)を形成する溝部保護パターン61Aの両端部は、両端面のエッチングレートに依らず、両端面から法線方向に等しい距離だけ張り出すように、形成されている。
次に、溝部保護パターン61Aが形成された溝部保護フォトレジスト膜61をマスクとしてエッチング加工(外形第2エッチング加工)を行ない、マスクされていないウエハSを選択的に除去する(ステップS54)。
これによって、図19(E)に示すように、露出したウエハSを除去する。
この外形第2エッチング加工においては、エッチングレートがより大きい方の第1領域αで露出するウエハSがより大きく、エッチングレートがより小さい方の第2領域βで露出するウエハSがより小さく、所定時間に亘るエッチング工程の終了時には、各振動腕部10,11の幅方向におけるウエハSの両端部に均一のエッチング残りが形成される。
次に、溝部保護パターン61Aが形成された溝部保護フォトレジスト膜61をマスクとしてエッチング加工(保護膜第1エッチング加工)を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第1エッチング保護膜40aの外形パターン40aAのみを選択的に除去する(ステップS55)。
これによって、図19(F)に示すように、第1エッチング保護膜40aに溝部保護パターン40aEを形成する。
次に、溝部保護フォトレジスト膜61の溝部保護パターン61Aおよび第1エッチング保護膜40aの溝部保護パターン40aEをマスクとして、マスクされていないウエハSを選択的にハーフエッチング加工(溝部第1エッチング加工)する(ステップS56)。
これによって、図20(A)に示すように、露出したウエハSの一部を除去する。
この溝部第1エッチング加工においては、各振動腕部10,11の幅方向における溝部保護パターン61Aの両内壁部61A1,61A2において、本来固有のエッチングレートがより大きい内壁部61A1側にはより小さなエッチング残りが生じ、本来固有のエッチングレートがより小さい内壁部61A2側にはより大きなエッチング残りが生じる。
ただし、本来固有のエッチングレートがより大きい内壁部61A1は第1の内壁面SCからより大きな所定距離Lcに亘ってウエハSをマスクし、本来固有のエッチングレートがより小さい内壁部61A2は第2の内壁面SDからより小さな所定距離Ldに亘ってウエハSをマスクしている。
次に、図20(B)に示すように、溝部保護フォトレジスト膜61を剥離する(ステップS57)。
次に、溝部パターン40bCが形成された第2エッチング保護膜40bをマスクとしてエッチング加工(保護膜第2エッチング加工)を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第1エッチング保護膜40aの溝部保護パターン40aEのみを選択的に除去する(ステップS58)。
これによって、図20(C)に示すように、第1エッチング保護膜40aに溝部パターン40aCを形成する。
次に、第2エッチング保護膜40bの溝部パターン40bCおよび第1エッチング保護膜40aの溝部パターン40aCをマスクとして、マスクされていないウエハSを選択的にハーフエッチング加工(溝部第2エッチング加工)して溝部Saを形成する(ステップS59)。
これによって、図20(D)に示すように、露出したウエハSの一部を除去し、圧電振動片4の溝部形状を形成する。
この溝部第2エッチング加工においては、エッチングレートがより大きい方の第1領域γで露出するウエハSがより大きく、エッチングレートがより小さい方の第2領域δで露出するウエハSがより小さく、所定時間に亘るエッチング工程の終了時には、各振動腕部10,11の幅方向におけるウエハSの溝部Saの両端部に均一のエッチング残りが形成される。
次に、図20(E)に示すように、第2エッチング保護膜40bの溝部パターン40bCのみを選択的に除去するエッチング加工を行なう(ステップS60)。
次に、図20(F)に示すように、第1エッチング保護膜40aの溝部パターン40aCのみを選択的に除去するエッチング加工を行なう(ステップS61)。
次に、上述した実施の形態と同一の電極形成(ステップS16)と、重り金属膜の形成工程(ステップS17)と、粗調工程(ステップS18)と、切断工程(ステップS19)と、を実行する。
この第2変形例によれば、外形第2エッチング加工に先立って外形第1エッチング加工を実行し、溝部第2エッチング加工に先立って溝部第1エッチング加工を実行することによって、ウエハSの両端部およびウエハSの溝部Saの両端部のエッチング残りが不均一になることを防止することができる。
(第3変形例、圧電振動片の製造方法)
なお、上述した第2変形例においては、圧電振動片4の外形形状のパターニングを行なった後に溝部形状のパターニングを行なうとしたが、これに限定されず、例えば、圧電振動片4の外形形状および溝部形状のパターニングを同時に行ってもよい。
以下に、例えば図21から図25に示すように、圧電振動片4を作製する圧電振動片4の製造方法の第3変形例について説明する。
先ず、水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハSとする。
次に、ウエハSをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、この後、ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行なって所定の厚みとする(ステップS71)。
次に、図22(A)に示すように、ウエハSの両主面にエッチング保護膜40とフォトレジスト膜51をそれぞれ成膜する(ステップS72)。
エッチング保護膜40は、例えばクロム(Cr)を数μm成膜した第1エッチング保護膜40aと、金(Au)を数μm成膜した第2エッチング保護膜40bとが、順次積層された積層膜である。
このステップS72においては、先ず、ウエハSの両主面に、順次、第1エッチング保護膜40aと第2エッチング保護膜40bとを、それぞれスパッタリング法や蒸着法などにより成膜する。
次いで、エッチング保護膜40上に、スピンコート法などによりレジスト材料を塗布して、外形フォトレジスト膜41を形成する。
次に、エッチング保護膜40およびフォトレジスト膜51が成膜されたウエハSの両主面を、外形および溝部パターンが描画されたフォトマスクを用いて露光し、現像する。
これによって、図22(B)に示すように、フォトレジスト膜51に外形および溝部パターン51Aを形成する(ステップS43)。
外形および溝部パターン51Aは、圧電振動片4および溝部18の外形に沿った形状である。
次に、外形および溝部パターン51Aが形成されたフォトレジスト膜51をマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第2エッチング保護膜40bのみを選択的に除去する(ステップS74)。
次に、エッチング加工後にフォトレジスト膜51を剥離する(ステップS75)。
これらによって、図22(C)に示すように、第2エッチング保護膜40bに溝部パターン40bCを形成する。
次に、第2エッチング保護膜40bによる溝部パターン40bCが形成されたウエハSの両主面において、溝部パターン40bCの全面にレジスト材料を塗布して、第1保護フォトレジスト膜71を形成し、第1保護フォトレジスト膜71が成膜されたウエハSの両主面を、第1保護パターンが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これによって、図22(D)に示すように、第1保護フォトレジスト膜71による第1保護パターン71Aを形成する(ステップS76)。
第1保護パターン71Aは、圧電振動片4外形に沿った形状であり、圧電振動片4の一対の振動腕部10,11に対応する部位において、各振動腕部10,11の延在方向に直交する方向(幅方向)の両端面(第1および第2の端面)のうち、エッチングレートがより大きい方の端面を形成する端部から、この端面の法線方向に所定距離だけ張り出すような形状である。
図23(A)に示すように、法線方向が逆方向となる一対の第1および第2の端面SA,SBは、例えば、ウエハSを構成する水晶の結晶軸のX軸の−X方向側の端面SAおよび+X方向側の端面SBであり、エッチングレートがより大きい方の端面は−X方向側の端面SAであり、エッチングレートがより小さい方の端面は+X方向側の端面SBである。
第1保護パターン71Aは、第1の端面SAを形成する外形および溝部パターン51Aの−X方向側の端部51A1から、第1の端面SAの法線方向に所定距離Laだけ張り出すように形成された端部71A1を備え、第2の端面SBを形成する外形および溝部パターン51Aの+X方向側の端部51A2から、第2の端面SBから法線方向に所定距離Laよりも小さい所定距離Lb(<La)だけ張り出すように形成された端部71A2を備えている。
なお、各端部71A1,71A2の所定距離La,Lbは、各端面SA,SBから法線方向に各所定距離La,Lbの第1領域αおよび第2領域βの実質的なエッチングに要する時間が同一になるように設定される。
次に、第1保護パターン71Aをマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第1エッチング保護膜40aを選択的に除去する(ステップS77)。
これによって、図22(E)に示すように、第1エッチング保護膜40aに外形保護パターン40aFを形成する。
次に、第1保護フォトレジスト膜71による第1保護パターン71Aをマスクとしてエッチング加工(外形第1エッチング加工)を行ない、マスクされていないウエハSを選択的に除去する(ステップS78)。
これによって、図22(F)に示すように、露出したウエハSを除去する。
この外形第1エッチング加工においては、各振動腕部10,11の幅方向における第1保護パターン71Aの両端部71A1,71A2において、本来固有のエッチングレートがより大きい端部71A1側にはより小さなエッチング残りが生じ、本来固有のエッチングレートがより小さい端部71A2側にはより大きなエッチング残りが生じる。
ただし、本来固有のエッチングレートがより大きい端部71A1は第1の端面SAからより大きな所定距離Laに亘ってウエハSをマスクし、本来固有のエッチングレートがより小さい端部71A2は第2の端面SBからより小さな所定距離Lbに亘ってウエハSをマスクしている。
次に、図24(A)に示すように、第1保護フォトレジスト膜71を剥離する(ステップS79)。
次に、溝部パターン40bCが形成された第2エッチング保護膜40bをマスクとしてエッチング加工を行ない、マスクされていないエッチング保護膜40の第1エッチング保護膜40aの外形保護パターン40aFのみを選択的に除去する(ステップS80)。
これによって、図24(B)に示すように、第1エッチング保護膜40aに溝部パターン40aCを形成する。
次に、第2エッチング保護膜40bによる溝部パターン40bCと、第1エッチング保護膜40aによる溝部パターン40aCとが形成されたウエハSの両主面の全面にレジスト材料を塗布して、図24(C)に示すように、第2保護フォトレジスト膜72を形成する(ステップS81)。
次に、第2保護フォトレジスト膜72が成膜されたウエハSの両主面を、第2保護パターンが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これによって、図24(D)に示すように、第2保護フォトレジスト膜72に第2保護パターン72Aを形成する(ステップS82)。
第2保護パターン72Aは、圧電振動片4の外形に沿った形状である。
なお、各振動腕部10,11の幅方向の両端面(第1および第2の端面SA,SB)を形成する第2保護パターン72Aの両端部は、両端面のエッチングレートに依らず、両端面から法線方向に等しい距離だけ張り出すように、形成されている。
次に、第2保護パターン72Aが形成された第2保護フォトレジスト膜72をマスクとしてエッチング加工(外形第2エッチング加工)を行ない、マスクされていないウエハSを選択的に除去する(ステップS83)。
これによって、図24(E)に示すように、露出したウエハSを除去する。
この外形第2エッチング加工においては、エッチングレートがより大きい方の第1領域αで露出するウエハSがより大きく、エッチングレートがより小さい方の第2領域βで露出するウエハSがより小さく、所定時間に亘るエッチング工程の終了時には、各振動腕部10,11の幅方向におけるウエハSの両端部に均一のエッチング残りが形成される。
次に、図24(F)に示すように、第2保護フォトレジスト膜71を剥離する(ステップS84)。
次に、第2エッチング保護膜40bによる溝部パターン40bCと、第1エッチング保護膜40aによる溝部パターン40aCとが形成されたウエハSの両主面の全面にレジスト材料を塗布して、図25(A)に示すように、第3保護フォトレジスト膜73を形成する(ステップS85)。
次に、第3保護フォトレジスト膜72が成膜されたウエハSの両主面を、第3保護パターンが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。
これによって、図25(B)に示すように、第3保護フォトレジスト膜73に第3保護パターン73Aを形成する(ステップS86)。
第3保護パターン73Aは、圧電振動片4および溝部18の外形に沿った形状であり、圧電振動片4の溝部形状に対しては、貫通孔において、各振動腕部10,11の延在方向に直交する方向(幅方向)の溝部18の両内壁面(第1および第2の内壁面)のうち、エッチングレートがより大きい方の内壁面を形成する内壁部(端部)から、この内壁面の法線方向に所定距離だけ張り出すような形状である。
図23(B)に示すように、法線方向が逆方向となる一対の第1および第2の内壁面SC,SDは、例えば、ウエハSを構成する水晶の結晶軸のX軸の−X方向側に向く内壁面SCおよび+X方向側に向く内壁面SDであり、エッチングレートがより大きい方の内壁面は−X方向側に向く内壁面SCであり、エッチングレートがより小さい方の内壁面は+X方向側に向く内壁面SDである。
第3保護パターン73Aは、第1の内壁面SCを形成する外形および溝部パターン51Aの−X方向側に向く内壁部(端部)51A3から、第1の内壁面SCの法線方向に所定距離Lcだけ張り出すように形成された内壁部73A1を備え、第2の内壁面SDを形成する外形および溝部パターン51Aの+X方向側に向く内壁部(端部)51A4から、第2の内壁面SDの法線方向に所定距離Lcよりも小さい所定距離Ld(<Lc)だけ張り出すように形成された内壁部73A2を備えている。
なお、各内壁部73A1,73A2の所定距離Lc,Ldは、各内壁面SC,SDから法線方向に各所定距離Lc,Ldの第1領域γおよび第2領域δの実質的なエッチングに要する時間が同一になるように設定される。
なお、各振動腕部10,11の幅方向の両端面(第1および第2の端面SA,SB)を形成する第3保護パターン73Aの両端部は、両端面のエッチングレートに依らず、両端面から法線方向に等しい距離だけ張り出すように、形成されている。
次に、第3保護パターン73Aが形成された第3保護フォトレジスト膜73をマスクとしてエッチング加工(外形第2エッチング加工)を行ない、マスクされていないウエハSを選択的にハーフエッチング加工(溝部第1エッチング加工)する(ステップS87)。
これによって、図25(C)に示すように、露出したウエハSの一部を除去する。
この溝部第1エッチング加工においては、各振動腕部10,11の幅方向における第3保護パターン73Aの両内壁部73A1,73A2において、本来固有のエッチングレートがより大きい内壁部73A1側にはより小さなエッチング残りが生じ、本来固有のエッチングレートがより小さい内壁部73A2側にはより大きなエッチング残りが生じる。
ただし、本来固有のエッチングレートがより大きい内壁部73A1は第1の内壁面SCからより大きな所定距離Lcに亘ってウエハSをマスクし、本来固有のエッチングレートがより小さい内壁部73A2は第2の内壁面SDからより小さな所定距離Ldに亘ってウエハSをマスクしている。
次に、図25(D)に示すように、第3保護フォトレジスト膜73を剥離する(ステップS88)。
次に、第2エッチング保護膜40bの溝部パターン40bCおよび第1エッチング保護膜40aの溝部パターン40aCをマスクとして、マスクされていないウエハSを選択的にハーフエッチング加工(溝部第2エッチング加工)して溝部Saを形成する(ステップS89)。
これによって、図25(E)に示すように、露出したウエハSの一部を除去し、圧電振動片4の溝部形状を形成する。
この溝部第2エッチング加工においては、エッチングレートがより大きい方の第1領域γで露出するウエハSがより大きく、エッチングレートがより小さい方の第2領域δで露出するウエハSがより小さく、所定時間に亘るエッチング工程の終了時には、各振動腕部10,11の幅方向におけるウエハSの溝部Saの両端部に均一のエッチング残りが形成される。
次に、図25(F)に示すように、第2エッチング保護膜40bの溝部パターン40bCのみを選択的に除去するエッチング加工を行なう(ステップS90)。
次に、図25(G)に示すように、第1エッチング保護膜40aの溝部パターン40aCのみを選択的に除去するエッチング加工を行なう(ステップS91)。
次に、上述した実施の形態と同一の電極形成(ステップS16)と、重り金属膜の形成工程(ステップS17)と、粗調工程(ステップS18)と、切断工程(ステップS19)と、を実行する。
この第3変形例によれば、エッチング保護膜40およびフォトレジスト膜51が成膜されたウエハSの両主面を、外形および溝部パターンが描画されたフォトマスクを用いて一括で露光し、現像する。これによって、外形形状と溝部形状との各パターンを形成するためのそれぞれのフォトマスクの位置合わせ工程が不要となり、加工ごとに位置合わせ精度に誤差が生じることを防止することができる。また、各パターンを形成するためのそれぞれのフォトマスクの熱膨張量の差異に起因して、複数形成される圧電振動片の外形パターンピッチと溝部パターンピッチとが合致しなくなることを防止することができる。これらによって、ウエハ面内の、例えば、中心領域と周辺領域において、ばらつくことなく、振動子特性の悪化や歩留まりの低下を防止することができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について説明する。
本実施形態の発振器100は、図26に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。
この発振器100は、発振器用の上述した集積回路101と、コンデンサなどの電子部品102と、集積回路101の近傍に配置された圧電振動子1の圧電振動片4とを、基板103上に備えている。
これら電子部品102と、集積回路101と、圧電振動子1とは、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。
なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、この圧電振動子1内の圧電振動片4は振動する。
この振動は、圧電振動片4の圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101による各種処理の実行後に周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1は発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュールなどを要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器などの他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダーなどを提供したりする機能を付加することができる。
上述したように、本実施形態の発振器100によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた高品質な発振器100を提供できる。
さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について説明する。
なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。
本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻などを表示させることができるものである。
また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかも、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
(携帯情報機器)
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。
この携帯情報機器110は、図27に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。
電源部111は、例えば、リチウム二次電池から構成されている。
そして、各種制御を行う制御部112と、時刻などのカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とは、電源部111に並列に接続されている。
そして、電源部111から各機能部に電力が供給される。
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示など、システム全体の動作制御を行う。
また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAMなどと、を備えている。
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路などを内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。
圧電振動子1に電圧が印加されると圧電振動片4は振動し、この振動は水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。
そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報などが表示される。
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データなどの各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。
音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。
増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。
音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォンなどからなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キーなどを押下することにより、通話先の電話番号などが入力される。
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112などの各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。
電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。さらに、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしてもよい。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
上述したように、本実施形態の携帯情報機器110によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた高品質な携帯情報機器110を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図28を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図28に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上述した搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。
CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻などの情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
上述したように、本実施形態の電波時計130によれば、上述した圧電振動子1を備えているので、特性及び信頼性に優れた高品質な電波時計130を提供できる。さらにこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、表面実装型の圧電振動子1に本発明の圧電振動片4を採用しているが、これに限らず、例えば、セラミックパッケージタイプの圧電振動子や、シリンダパッケージタイプの圧電振動子を、さらにモールド樹脂部で固めて表面実装型振動子としても構わない。
1…圧電振動子 4…圧電振動片 5…パッケージ 10,11…振動腕部 12…基部
41A…外形パターン(マスク材) 41B…外形補助パターン(第2マスク材) 42B…溝部補助パターン(第2マスク材) 42A…溝部パターン(マスク材) 43A…溝部パターン(第2マスク材) 51A…外形および溝部パターン(マスク材) 51B…外形補助パターン(第2マスク材) 51C…溝部補助パターン(第2マスク材) 61A…溝部保護パターン(第2マスク材) 71A…第1保護パターン(第2マスク材) 73A…第3保護パターン(第2マスク材) 100…発振器 101…発振器の集積回路 110…携帯情報機器(電子機器) 113…電子機器の計時部 130…電波時計 131…電波時計のフィルタ部 C…キャビティ

Claims (9)

  1. 表面にマスクが設けられたウエハをエッチングすることで所定の外形を有する圧電振動片を得る圧電振動片の製造方法において、
    前記所定の外形にパターニングされた第1マスクと、
    第1マスクから離間した位置に配置される第2マスクと、を用い、
    第2マスクを、第1マスクにおけるエッチングレートが大きい側の端縁から所定の距離離間した位置に配置した状態でウエハをエッチングすることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  2. 表面にマスクが設けられたウエハをエッチングすることで所定の外形を有する圧電振動片を得る圧電振動片の製造方法において、
    圧電振動片に相当する領域におけるエッチングレートの小さい側である第1端縁をエッチングする第1エッチング工程と、
    第1エッチング工程の後で、マスクの一部を除去して前記領域におけるエッチングレートの大きい側である第2端縁を露出した状態で、第1端縁と第2端縁をエッチングする第2エッチング工程と、
    を備えることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  3. 前記マスクはレジスト膜と金属膜によって形成されており、第2エッチング工程で除去されるマスクはレジスト膜によって形成されるマスクであることを特徴とする請求項2に記載の圧電振動片の製造方法。
  4. 前記エッチングレートとは、
    水晶の結晶軸におけるX軸方向のエッチングレートであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧電振動片の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4の何れかひとつに記載の圧電振動片の製造方法によって製造される音叉型の圧電振動片であって、少なくとも振動腕部の側面におけるエッチングレートが、水晶の結晶軸における+X軸方向と−X軸方向とで略等しく形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  6. 請求項5に記載の圧電振動片と、
    前記圧電振動片を収容するパッケージと、
    を有することを特徴とする圧電振動子。
  7. 請求項6に記載の圧電振動子が発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  8. 請求項6に記載の圧電振動子が計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項6に記載の圧電振動子がフィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
JP2012279628A 2012-12-21 2012-12-21 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 Pending JP2014123890A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012279628A JP2014123890A (ja) 2012-12-21 2012-12-21 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012279628A JP2014123890A (ja) 2012-12-21 2012-12-21 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014123890A true JP2014123890A (ja) 2014-07-03

Family

ID=51404052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012279628A Pending JP2014123890A (ja) 2012-12-21 2012-12-21 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014123890A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019054349A1 (ja) * 2017-09-13 2019-03-21 株式会社村田製作所 水晶振動素子およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019054349A1 (ja) * 2017-09-13 2019-03-21 株式会社村田製作所 水晶振動素子およびその製造方法
CN111052602A (zh) * 2017-09-13 2020-04-21 株式会社村田制作所 晶体振动元件及其制造方法
CN111052602B (zh) * 2017-09-13 2023-09-29 株式会社村田制作所 晶体振动元件及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6080449B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計
JP2012039509A (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP5819151B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP5385037B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動片の製造方法
JP2012169865A (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計
JP2013165455A (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計
JP6168801B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計
JP2012169862A (ja) 水晶デバイス、水晶デバイスの製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計
JP2011029715A (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動片の製造方法
JP5823802B2 (ja) 圧電振動片の製造方法
US20120204388A1 (en) Method of manufacturing piezoelectric vibrating reed, piezoelectric vibrator, oscillator, electronic apparatus, and radio timepiece
JP2013165396A (ja) 圧電振動片、圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計
JP2014123890A (ja) 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計
JP2013157908A (ja) 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計
JP2013187639A (ja) 圧電振動片の製造方法
US20120217218A1 (en) Piezoelectric vibrating reed, piezoelectric vibrating reed manufacturing method, piezoelectric vibrator, oscillator, electronic device and radio timepiece
JP5912051B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP2013191981A (ja) 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP5885523B2 (ja) 圧電振動片の製造方法
JP2012080243A (ja) 圧電振動片の製造方法、並びにウエハ、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計
JP2013021601A (ja) 圧電振動片、圧電振動片の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP6105648B2 (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計並びに圧電振動片の製造方法
JP2013165405A (ja) 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計
JP2012156874A (ja) 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計
JP5246701B2 (ja) 圧電振動片の製造方法