JP2012156874A - 圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計 - Google Patents

圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計 Download PDF

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Abstract

【課題】又部に現像液を十分に浸入させてマスクパターンを精度よく形成し、電極の形成不良を防止できる圧電振動片の製造方法と、この製造方法により製造された圧電振動片、この圧電振動片を用いた圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計を提供する。
【解決手段】フォトリソグラフィ技術を用いて、圧電板の表面に電極を形成するための圧電振動片4の製造方法であって、励振電極13,14を形成する電極形成工程は、フォトレジスト(マスク材)を露光する露光工程S125と、現像液にフォトレジストを浸漬して選択的に除去し、マスクパターンを形成する現像工程S127と、励振電極13,14を形成するエッチング工程S129と、を有し、露光工程S125と現像工程S127との間に、現像液に可溶かつ現像液より低粘度の第1液体に、フォトレジストが塗布された圧電板を浸漬する浸漬工程S126を有することを特徴としている。
【選択図】図3

Description

この発明は、圧電振動片の製造方法、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計に関するものである。
携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として、水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが提供されているが、その1つとして、いわゆる音叉型の圧電振動片を有する圧電振動子が知られている。
例えば、特許文献1に記載されている音叉型の圧電振動片は、基部と、基部の一端部から延びる第1振動腕および第2振動腕(本願の「振動腕部」に相当)を有している。水晶振動片の基部には、第1基部電極と第2基部電極(本願の「マウント電極」に相当)とが形成され、腕部の溝部には、第1溝電極,第2溝電極(本願の「励振電極」に相当)がそれぞれ形成される。また、右側の腕部の両側面には、第1側面電極(本願の「励振電極」に相当)が形成され、左側の腕部の両側面には、第2側面電極(本願の「励振電極」に相当)が形成されている。これら各電極は、フォトリソグラフィ技術により形成される。
各電極を形成する具体的な方法は、以下のとおりである。
まず、圧電振動片の外形が形成された圧電板に、スパッタリング等により金属膜を成膜する。続いて、金属膜に重ねて感光性材料からなるマスク材を塗布し、マスク材の膜を形成する。その後、マスク材を露光、および現像して、各電極を形成するためのマスクパターンを形成する。最後に、マスクパターンを介して金属膜をエッチングすることにより、金属膜をパターニングして各電極を形成している。
ところで、マスク材には、露光された部分が軟化して除去されるポジ型レジストと、露光された部分が硬化して残存するネガ型レジストとがある。ポジ型レジストとして、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)等が広く用いられている。
ポジ型レジストのマスク材の現像は、例えば水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる現像液に、マスク材を浸漬することにより行われる。ここで、一般に、水酸化ナトリウム水溶液からなる現像液は、粘度が高いことが知られている。各電極を精度よく形成するためには、マスク材に、粘度が高い現像液を十分浸入させることにより、マスク材を精度よく現像する必要がある。
特開2008−98747号公報
しかし、音叉型の振動片は一対の振動腕の幅が狭小であるため、特に一対の振動腕の根元部分(特許文献1の図1参照、本願の「又部」に相当)に気泡が残るなどして、又部に粘度の高い現像液が浸入しないおそれがある。これにより、根元部分のマスク材が除去されずに残存し、マスクパターンを精度よく形成できないおそれがある。そして、残存したマスク材により、その後のエッチングで金属膜が精度よく除去できず、電極の形成不良が発生するおそれがある。具体的には、右側の腕部の側面に形成された第1側面電極と、左側の腕部の側面に形成された第2側面電極とがショートするおそれがある。
また、現像液が又部によく浸入できるように、現像液の濃度を低くし粘度を低くすることが考えられる。しかし濃度の低い水酸化ナトリウム水溶液では、現像が不十分となってマスク材が除去しきれずに残存し、マスクパターンを精度よく形成できないおそれがある。これにより、電極の形成不良が発生するおそれがある。
そこで本発明は、又部に現像液を十分に浸入させてマスクパターンを精度よく形成し、電極の形成不良を防止できる圧電振動片の製造方法と、この製造方法により製造された圧電振動片、この圧電振動片を用いた圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の圧電振動片の製造方法は、フォトリソグラフィ技術を用いて、圧電振動片の外形が形成された圧電板の表面に電極を形成するための圧電振動片の製造方法であって、前記圧電振動片は、並んで配置された一対の振動腕部と、前記一対の振動腕部が接続された基部と、前記振動腕部と前記基部との接続部に形成された又部と、少なくとも前記又部を挟んで対向する前記一対の振動腕部の側面にそれぞれ形成された第1の電極、および第2の電極と、を備え、前記各電極を形成する電極形成工程は、 前記圧電板の表面に金属膜を成膜する金属膜成膜工程と、前記金属膜に重ねてマスク材を塗布するマスク材塗布工程と、前記マスク材を露光する露光工程と、現像液に前記マスク材を浸漬して選択的に除去し、前記各電極を形成するためのマスクパターンを形成する現像工程と、前記マスクパターンを介して前記金属膜のエッチングを行い、前記各電極を形成するエッチング工程と、を有し、前記露光工程と前記現像工程との間に、前記現像液に可溶かつ前記現像液より低粘度の第1液体に、前記マスク材が塗布された前記圧電板を浸漬する浸漬工程を有することを特徴としている。
本発明によれば、第1液体に圧電板を浸漬する浸漬工程を有している。ここで、第1液体は現像液よりも粘度が低いため、狭小な又部に容易に浸入できる。そして、露光工程と現像工程との間に、浸漬工程を有しているので、現像工程で現像液にマスク材を浸漬した際、浸漬工程において又部周辺に付着した第1液体と現像液とが混合しながら、又部に現像液が浸入していく。これにより、現像液で又部のマスク材を除去でき、又部にマスク材が残存するのを防止できる。その結果、エッチング工程で又部の電極膜を除去でき、第1の電極と第2の電極とがショートするのを防止できる。このように、又部に現像液を十分に浸入させてマスクパターンを精度よく形成し、電極の形成不良を防止できる。
また、本発明の圧電振動片の製造方法は、前記現像液は水酸化ナトリウム水溶液であり、前記第1液体は純水であることが望ましい。
ポジ型レジストの現像液として使用される水酸化ナトリウム水溶液は、粘度が高く、また純水と容易に混合する性質を有している。本発明によれば、浸漬工程において圧電板を純水に浸漬するので、現像工程において現像液である水酸化ナトリウム水溶液にマスク材を浸漬した際、浸漬工程において又部周辺に付着した純水と水酸化ナトリウム水溶液とが混合しながら、又部に水酸化ナトリウム水溶液が浸入していく。したがって、マスク材がポジ型レジストであり、現像工程で粘度の高い水酸化ナトリウム水溶液にマスク材を浸漬する場合であっても、又部に現像液を十分に浸入させてマスクパターンを精度よく形成し、電極の形成不良を防止できる。
また、純水は、圧電振動片の製造工程で、洗浄液としても使用される安価な液体である。したがって、浸漬工程に純水を用いることにより、低コストで電極の形成不良を防止できる。
また、本発明の圧電振動片は、上述した製造方法により製造されたことを特徴としている。
本発明によれば、電極の形成不良のない圧電振動片を提供できる。
また、本発明の圧電振動子は、上述の圧電振動片を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、電極の形成不良のない圧電振動片を備えているので、信頼性の高い圧電振動子を提供することができる。
本発明の発振器は、上述の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴としている。
本発明の電子機器は、上述の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴としている。
本発明の電波時計は、上述の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴としている。
本発明にかかる発振器、電子機器および電波時計によれば、信頼性の高い発振器、電子機器および電波時計を提供することができる。
本発明によれば、第1液体に圧電板を浸漬する浸漬工程を有している。ここで、第1液体は現像液よりも粘度が低いため、狭小な又部に容易に浸入できる。そして、露光工程と現像工程との間に、浸漬工程を有しているので、現像工程で現像液にマスク材を浸漬した際、浸漬工程において又部周辺に付着した第1液体と現像液とが混合しながら、又部に現像液が浸入していく。これにより、現像液で又部のマスク材を除去でき、又部にマスク材が残存するのを防止できるので、エッチング工程で又部の電極膜を除去でき、第1の励振電極と第2の励振電極とがショートするのを防止できる。このように、又部に現像液を十分に浸入させてマスクパターンを精度よく形成し、電極の形成不良を防止できる。
圧電振動片の平面図である。 図1のA−A線における断面図である。 又部の斜視図である。 圧電振動片の製造工程のフローチャートである。 従来の電極形成工程における現像工程の模式図である。 浸漬工程の説明図である。 現像工程の説明図である。 圧電振動子の外観斜視図である。 圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。 図9のB−B線における断面図である。 圧電振動子の分解斜視図である。 発振器の一実施形態を示す構成図である。 電子機器の一実施形態を示す構成図である。 電波時計の一実施形態を示す構成図である。
(圧電振動片)
以下に、本発明の実施形態に係る圧電振動片を、図面を参照して説明する。
図1は、圧電振動片4の平面図である。
図2は、図1のA−A線における断面図である。
図3は、又部25の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の圧電振動片4は、水晶等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
圧電振動片4は、並んで配置された一対の振動腕部10,11と、一対の振動腕部10,11が接続された基部12と、一対の振動腕部10,11と基部12との接続部に形成された又部25と、を備えている。
一対の振動腕部10,11は、中心軸Oに沿って延在し、中心軸Oを挟んで左右に平行配置されている。振動腕部10,11の両主面(表面および裏面)上には、振動腕部10,11の長手方向に沿って、一定幅で縦長の溝部18が形成されている。この溝部18は、振動腕部10,11の基端側から、振動腕部10,11の中間部近傍にわたって形成されており、一対の振動腕部10,11は、それぞれ図2に示すように断面H型となっている。
図1に示すように、基部12は、振動腕部10,11に隣接し、振動腕部10,11の一端側が接続されて支持している。
又部25は、一対の振動腕部10,11と基部12との接続部において、一対の振動腕部10,11に挟まれた領域に形成されており、平面視略U字形状をしている。
圧電振動片4は、振動腕部10,11に形成された励振電極13,14(第1の励振電極13、および第2の励振電極14)と、基部12に形成されたマウント電極16,17と、励振電極13,14とマウント電極16,17とを電気的接続する引き出し電極19,20と、を備えている。
第1の励振電極13および第2の励振電極14は、一対の振動腕部10,11の主面上に、例えば、クロム等の単層の導電性膜により形成される。第1の励振電極13および第2の励振電極14は、電圧が印加されたときに一対の振動腕部10,11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部10,11の外表面にそれぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
具体的には、図3に示すように、第1の励振電極13は、主に一方の振動腕部10の溝部18内、他方の振動腕部11の外側面11a上、および他方の振動腕部11の内側面11b上に形成されている。第2の励振電極14は、主に他方の振動腕部11の溝部18内、一方の振動腕部10の外側面10a上、および一方の振動腕部10の内側面10b上に形成されている。
ここで、他方の振動腕部11の内側面11b上に形成された第1の励振側面電極13aと、一方の振動腕部10の内側面10b上に形成された第2の励振側面電極14aとは、又部25を挟んで対向した状態となっている。又部25の表面には電極が形成されておらず、第1の励振電極13および第2の励振電極14は、又部25においても電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
図1に示すように、第1の励振電極13および第2の励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19,20を介して、後述するマウント電極16,17に電気的に接続されている。引き出し電極19,20は、マウント電極16,17の下地層と同じ材料のクロムにより、単層膜で形成されている。これにより、マウント電極16,17の下地層を成膜するのと同時に、引き出し電極19,20を成膜することができる。ただし、この場合に限られず、例えば、ニッケルやアルミニウム、チタン等により引き出し電極19,20を成膜しても構わない。
基部12の外表面上には、一対のマウント電極16,17が形成されている。マウント電極16,17は、クロムと金との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地層として成膜した後に、表面に金の薄膜を仕上げ層として成膜することにより形成される。ただし、この場合に限られず、例えば、クロムとニクロムを下地層として成膜した後に、表面にさらに金の薄膜を仕上げ層として成膜しても構わない。
また、振動腕部10,11の先端部には、所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための粗調膜21aおよび微調膜21bからなる重り金属膜21が形成されている。この重り金属膜21を利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができるようになっている。
(圧電振動片の製造方法)
次に、本発明の圧電振動片4の製造方法について、フローチャートを参照しながら以下に説明する。
図4は、圧電振動片4の製造工程のフローチャートである。
本実施形態の圧電振動片4の製造工程は、主に水晶ウエハ(圧電板)に圧電振動片4の外形形状を複数形成する外形形成工程S110と、各電極を水晶ウエハに形成する電極形成工程S120と、共振周波数を調整する周波数調整工程S130と、1枚の水晶ウエハから複数の圧電振動片を切り離す小片化工程S140とを備えている。以下に各工程の詳細を説明する。
(外形形成工程S110)
まず、水晶ウエハに圧電振動片4(図1参照)の外形形状を複数形成し、後に圧電振動片4の溝部18(図1参照)となる凹部を形成する外形形成工程S110を行う。具体的には、ポリッシングが終了し、所定の厚みに高精度に仕上げられた水晶ウエハを準備する。次いで、この水晶ウエハをフォトリソグラフィ技術によってエッチングして、水晶ウエハに圧電振動片4の外形形状を複数形成し、さらに溝部18となる凹部を形成する。以上で、外形形成工程S110が終了する。
(電極形成工程S120)
次に、圧電振動片4の外形が形成された水晶ウエハの表面に、励振電極13,14、引き出し電極19,20およびマウント電極16,17電極(いずれも図1参照)の各電極を形成する電極形成工程S120を行う。
図4に示すように、電極形成工程S120は、水晶ウエハの表面に金属膜を成膜する金属膜成膜工程S121と、金属膜に重ねてフォトレジスト(マスク材)を塗布するフォトレジスト塗布工程S123(マスク材塗布工程)と、フォトレジストを露光する露光工程S125と、純水(第1液体)に水晶ウエハを浸漬する浸漬工程S126と、フォトレジストを選択的に除去してマスクパターンを形成する現像工程S127と、マスクパターンを介して金属膜のエッチングを行い、各電極を形成するエッチング工程S129と、を有している。
(金属膜成膜工程S121)
電極形成工程S120では、最初に、のちの励振電極となる金属膜を水晶ウエハに成膜する金属膜成膜工程S121を行う。本実施形態では、水晶ウエハの表面に、水晶と密着性の良いクロムをスパッタ法や真空蒸着法等により数μm程度成膜している。さらに、クロム膜の上から仕上層として金の薄膜を施して形成される。なお、図1に示す励振電極13,14および引き出し電極19,20はクロムのみの単層膜で形成され、マウント電極16,17は、クロムと金との積層膜で形成される。
(フォトレジスト塗布工程S123)
続いて、金属膜に重ねてフォトレジストを塗布するフォトレジスト塗布工程S123を行う。なお、前述のとおりフォトレジストには、露光された部分が軟化して除去されるポジ型レジストと、露光された部分が残存するネガ型レジストとがあるが、本実施形態では、ポジ型レジストを塗布している。フォトレジストは、スプレーコート法やスピンコート法等により、金属膜に重ねて、水晶ウエハの表面全体に塗布される。
(露光工程S125)
露光工程S125では、開口部を有するフォトマスクをフォトレジストに向けた状態でセットし、開口部を介してフォトレジストに紫外線を照射する。
フォトマスクの開口部は、フォトレジストを除去したい領域であって、後述のエッチング工程S129で電極膜を除去したい領域に対応して形成されている。換言すれば、フォトマスクの開口部は、励振電極13,14、引き出し電極19,20およびマウント電極16,17電極(いずれも図1参照)の各電極を形成しない領域に対応して形成される。露光が終了したら、フォトマスクを取り除く。
ところで、従来は、露光工程S125の後に、フォトレジストを選択的に除去してマスクパターンを形成する現像工程S127を行っていた。
図5は、従来の電極形成工程S120における現像工程S127の模式図である。なお、水晶ウエハ60には、複数の圧電振動片外形部4aが形成されているが、わかりやすくするために、図5では、圧電振動片外形部4aを1個のみ表している。
図5に示すように、現像工程S127は、不図示の水槽に貯留された現像液51中に水晶ウエハ60を浸漬させることで行われる。ここで、本実施形態ではフォトレジスト55にポジ型レジストを使用しているため、現像液51には水酸化ナトリウム水溶液51aが使用される。水酸化ナトリウム水溶液51aは、一般に粘度の高い液体であるため、フォトレジスト55が塗布された水晶ウエハ60を浸漬させると、水晶ウエハ60の一方の振動腕外形部61における内側面61aと、他方の振動腕外形部62における内側面62aとの間に、水酸化ナトリウム水溶液51aがゆっくりと浸入していく。
ここで、水酸化ナトリウム水溶液51aに水晶ウエハ60を投入した際、大気中で又部25に存在していた空気が、水酸化ナトリウム水溶液51a中で気泡68として又部25に残存する。この気泡68により、水酸化ナトリウム水溶液51aが又部25表面まで浸入しないおそれがある。これにより、又部25表面のフォトレジスト55が除去されずに残存し、マスクパターンを精度よく形成できないおそれがある。
また、残存したフォトレジスト55により、その後のエッチング工程S129で金属膜が精度よく除去できず、電極の形成不良が発生するおそれがある。具体的には、図3に示す他方の振動腕部11の内側面11bに形成された第1の励振側面電極13aと、一方の振動腕部10の内側面10bに形成された第2の励振側面電極14aとが、エッチングされずに残存した金属膜によりショートするおそれがある。
そこで、マスクパターンを精度よく形成し、電極の形成不良を防止するために、露光工程S125と現像工程S127との間に、以下に述べる浸漬工程S126を行っている。
(浸漬工程S126)
図6は、浸漬工程S126の説明図である。
続いて、図6に示すように、純水85に水晶ウエハ60を浸漬する浸漬工程S126を行う。
浸漬工程S126で、純水85に水晶ウエハ60を浸漬するのは、純水85が現像工程S127で使用される水酸化ナトリウム水溶液51aに可溶、かつ水酸化ナトリウム水溶液51aよりも低粘度であり、水晶ウエハ60に形成された狭小な部位(例えば又部25、図5参照)にも浸入できるためである。また、純水85は、水酸化ナトリウム水溶液51aよりも表面張力が低く、濡れ性が良好であるため、水晶ウエハ60の表面に濡れ広がって付着するためである。
そして、水晶ウエハ60の又部25に浸入し、水晶ウエハ60の表面に濡れ広がった純水85により、後の現像工程S127では、粘度の低い水酸化ナトリウム水溶液51aと純水85とが混合しながら、水酸化ナトリウム水溶液51aが又部25へ浸入しやすくなるためである。
浸漬工程S126では、水槽83に貯留された純水85に、水晶ウエハ60を浸漬している。具体的には、例えば、一対のアーム81により水晶ウエハ60の両端を把持して、水槽83の純水85内に水晶ウエハ60を搬送する。その後、一対のアーム81により水晶ウエハ60を把持した状態で、前後左右方向に一対のアーム81を動作し、純水85内で水晶ウエハ60を揺動させている。これにより、水晶ウエハ60の又部25(図5参照)に、純水85が容易に浸入することができる。
所定時間水晶ウエハ60を揺動させた後、水晶ウエハ60を把持した状態で一対のアーム81を上方に移動させることで、水槽83の純水85内から水晶ウエハ60を取り出す。水晶ウエハ60を取り出した後は、又部25およびその周辺に純水85が濡れ広がって付着した状態となっている。
(現像工程S127)
図7は、現像工程S127の説明図である。なお、図7では、図5と同様にわかりやすくするために、圧電振動片外形部4aを1個のみ表している。
続いて、図7に示すように、現像液51にフォトレジスト55が塗布された水晶ウエハ60を浸漬してフォトレジスト55を選択的に除去し、レジストパターン(マスクパターン)を形成する現像工程S127を行う。
具体的には、現像工程S127では、フォトマスクの開口部を介して紫外線が露光された領域、すなわち、励振電極13,14、引き出し電極19,20およびマウント電極16,17電極(いずれも図1参照)の各電極を形成しない領域に対応したフォトレジストを除去している。
ここで、浸漬工程S126により、又部25およびその周辺には純水85が付着した状態となっている。
これにより、水酸化ナトリウム水溶液51aに水晶ウエハ60を浸漬した際、純水85と水酸化ナトリウム水溶液51aとが混合して、水酸化ナトリウム水溶液51aの粘度が局部的に低下し、純水85と混合した低粘度の水酸化ナトリウム水溶液51aが又部25に浸入する。
また、純水85と混合した低粘度の水酸化ナトリウム水溶液51aが一度又部25に浸入すれば、それに続いて高粘度(すなわち高濃度)の水酸化ナトリウム水溶液51aも浸入できるようになる。これにより、各電極を形成しない領域に対応したフォトレジストを除去し、確実に現像して、レジストパターンを形成することができる。
このように、本実施形態の現像工程S127では、又部25のように狭小な領域にも水酸化ナトリウム水溶液51aが浸入してフォトレジストを除去している。そして、圧電振動片4の励振電極13,14、引き出し電極19,20およびマウント電極16,17の各電極を形成する領域にレジストパターンが残存する。
(洗浄工程S128)
続いて、現像工程S127で水晶ウエハ60に残存している現像液51(水酸化ナトリウム水溶液51a)を洗い流す洗浄工程S128を行う。洗浄工程S128では、浸漬工程S126と同様に、不図示の水槽に貯留された純水85内に水晶ウエハ60を浸漬し、純水85内で水晶ウエハ60を揺動することで、水晶ウエハ60の表面に残存した現像液51を洗い流している。
ここで、前述した浸漬工程S126で使用される水槽83(図6参照)と、洗浄工程S128で使用される不図示の水槽とは連通しており、純水85は各水槽間を循環している。すなわち、浸漬工程S126で使用される純水85、および洗浄工程S128で使用される純水85は共通の純水85を使用している。さらに、いずれか一方の水槽は噴流槽となっており、水槽内に絶えず純水85が供給されている。このように、洗浄工程S128の純水85を循環させて浸漬工程S126で用いることにより、低コストに浸漬工程S126を実現して電極の形成不良を防止している。
(エッチング工程S129)
次に、レジストパターンをマスクとしてエッチングを行い、各電極を形成するエッチング工程S129を行う。本工程では、レジストパターンによりマスクされている金属膜を残し、レジストパターンによりマスクされていない金属膜を選択的に除去する。エッチング工程S129により、圧電振動片4の励振電極13,14、引き出し電極19,20およびマウント電極16,17が形成される(図1参照)。
ここで、前述の現像工程S127により、又部25の表面のフォトレジストは除去されているため、エッチング工程S129により、又部25の電極膜は完全に除去される。したがって、図3に示すように、又部25において電極膜が残存しないので、他方の振動腕部11の内側面11bに形成された第1の励振側面電極13aと、一方の振動腕部10の内側面10bに形成された第2の励振側面電極14aとが短絡するのを防止できる。エッチング工程S129が終了した時点で、電極形成工程S120が終了する。
(周波数調整工程S130)
次に、図1に示すように、一対の振動腕部10,11の先端に周波数調整用の粗調膜21a及び微調膜21bからなる重り金属膜21(例えば、銀や金等)を形成する。そして、水晶ウエハ60に形成された全ての振動腕部10,11に対して、共振周波数を粗く調整する周波数調整工程S130を行う。重り金属膜21の粗調膜21aおよび21bにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、重量を変化させることで行う。なお、共振周波数をより高精度に調整する微調に関しては、圧電振動子30(図8参照)の状態で行う。以上で、周波数調整工程S130が終了する。
(小片化工程S140)
最後に水晶ウエハ60と圧電振動片4とを連結していた連結部を切断して、複数の圧電振動片4を水晶ウエハ60から切り離して小片化する小片化工程S140を行う。これにより、1枚の水晶ウエハ60から、音叉型の圧電振動片4を一度に複数製造することができる。この時点で、圧電振動片4の製造工程が終了し、圧電振動片4を複数得ることができる。
(本実施形態の効果)
本発明によれば、純水に水晶ウエハを浸漬する浸漬工程S126を有している。ここで、純水85は現像液51である水酸化ナトリウム水溶液51aよりも粘度が低いため、狭小な又部25に容易に浸入できる。そして、露光工程S125と現像工程S127との間に、浸漬工程S126を有しているので、現像工程S127で水酸化ナトリウム水溶液にフォトレジストを浸漬した際、浸漬工程S126において又部25周辺に付着した純水85と水酸化ナトリウム水溶液51aとが混合しながら、又部25に水酸化ナトリウム水溶液が浸入していく。これにより、水酸化ナトリウム水溶液51aで又部25のフォトレジストを除去でき、又部25にフォトレジストが残存するのを防止できるので、エッチング工程S129で又部25の電極膜を除去でき、第1の励振側面電極13aと第2の励振側面電極14aとがショートするのを防止できる。このように、又部25に水酸化ナトリウム水溶液51aを十分に浸入させてマスクパターンを精度よく形成でき、電極の形成不良を防止できる。
(圧電振動子)
次に、本実施形態の圧電振動片4を用いた圧電振動子について説明する。
図8は、圧電振動子30の外観斜視図である。
図9は、圧電振動子30の内部構成図であって、リッド基板32を取り外した状態の平面図である。
図10は、図9のB−B線における断面図である。
図11は、図8に示す圧電振動子30の分解斜視図である。
なお、ベース基板31のリッド基板32との接合面を第1面Uとし、ベース基板31の外側の面を第2面Lとして説明する。また、図11においては、図面を見易くするために励振電極13,14、引き出し電極19,20、マウント電極16,17および重り金属膜21の図示を省略している。
図8に示すように、本実施形態の圧電振動子30は、ベース基板31およびリッド基板32が接合膜37を介して陽極接合されたパッケージと、図10に示すように、パッケージのキャビティCに収納された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子30である。
ベース基板31およびリッド基板32は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板32におけるベース基板31との接合面側には、圧電振動片4を収容するキャビティ用凹部32aが形成されている。
リッド基板32におけるベース基板31との接合面側の全体には、陽極接合用の接合膜37が形成されている。すなわち接合膜37は、キャビティ用凹部32aの内面全体に加えて、キャビティ用凹部32aの周囲の額縁領域に形成されている。本実施形態の接合膜37はシリコン膜で形成されているが、接合膜37をアルミニウム(Al)やCr等で形成することも可能である。この接合膜37とベース基板31とが陽極接合され、キャビティCが真空封止されている。
図10に示すように、圧電振動子30は、ベース基板31を厚さ方向に貫通し、キャビティCの内側と圧電振動子30の外側とを導通する貫通電極35,36を備えている。貫通電極35,36は、ベース基板31を貫通する貫通孔33,34内に配置されている。
貫通孔33,34の中心軸に垂直な方向の断面形状は、略円形状となるように形成されている。また、貫通孔33,34は、圧電振動子30を形成したときにキャビティC内に収まるように形成される。より詳しく説明すると、貫通孔33,34は、圧電振動片4の基端側に一方の貫通孔33が形成され、振動腕部10,11の先端側に他方の貫通孔34が形成される。
貫通電極35,36は、例えば貫通孔33,34に金属ピン(不図示)を挿入したのち、貫通孔33,34と金属ピンとの間にガラスフリットを充填して焼成することで形成される。このように、金属ピンとガラスフリットとで貫通孔33,34を完全に塞ぐことができるので、キャビティC内の気密を維持しつつ、後述する引き回し電極38,39と外部電極40,41とを導通させる役割を担っている。
図11に示すように、ベース基板31の第1面U側には、一対の引き回し電極38,39がパターニングされている。一対の引き回し電極38,39のうち、一方の引き回し電極38は、一方の貫通電極35の真上に位置するように形成されている。また、他方の引き回し電極39は、一方の引き回し電極38に隣接した位置から、振動腕部10,11に沿って先端側に引き回しされた後、他方の貫通電極36の真上に位置するように形成されている。
そして、これら一対の引き回し電極38,39上にそれぞれ金等からなる先細り形状のバンプBが形成されており、バンプBを利用して圧電振動片4の一対のマウント電極16,17(図9参照)が実装されている。これにより、図9に示すように、圧電振動片4の一方のマウント電極16が、他方の引き回し電極39を介して他方の貫通電極36に導通し、他方のマウント電極17が、一方の引き回し電極38を介して一方の貫通電極35に導通するようになっている。
またベース基板31の第2面Lには、一対の外部電極40,41が形成されている。一対の外部電極40,41は、ベース基板31の長手方向(図10における左右方向)の両端部に形成され、一対の貫通電極35,36に対してそれぞれ電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子30を作動させる場合には、ベース基板31に形成された外部電極40,41に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13および第2の励振電極14(図1参照)に電圧を印加することができるので、一対の振動腕部10,11を接近および離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として圧電振動子30を利用することができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図12を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図12に示すように、圧電振動子30を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子30の圧電振動片が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111及び圧電振動子30は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器110において、圧電振動子30に電圧を印加すると、圧電振動子30内の圧電振動片が振動する。この振動は、圧電振動片が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子30が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
本実施形態の発振器110によれば、電極の形成不良のない圧電振動片4を備えた信頼性の高い圧電振動子30を備えているので、性能が良好な発振器110を製造することができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図13を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子30を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図13に示すように、圧電振動子30と、電力を供給するための電源部121とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。そして、電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信や受信、現在時刻の計測、表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部123は、発振回路やレジスタ回路、カウンタ回路、インターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子30とを備えている。圧電振動子30に電圧を印加すると圧電振動片が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133及び呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129及び着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止することができる。
本実施形態の携帯情報機器120によれば、電極の形成不良のない圧電振動片4を備えた信頼性の高い圧電振動子30を備えているので、性能が良好な携帯情報機器120を製造することができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図14を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図14に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子30を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子30を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子30は、前記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC148に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子30を必要とする。
本実施形態の電波時計140によれば、電極の形成不良のない圧電振動片4を備えた信頼性の高い圧電振動子30を備えているので、性能が良好な電波時計140を製造することができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
本実施形態では、音叉型の圧電振動片4の又部25に、現像液51を浸入させる場合を例に本発明を説明した。しかし、音叉型の圧電振動片4の又部25に現像液51を浸入させる場合に限らず、他の形状を有する圧電振動片の狭小な部位に現像液51を浸入させる場合にも、本発明が適用でき、実施形態と同様の効果が得られる。
本実施形態では、現像液51として水酸化ナトリウム水溶液51aを採用し、浸漬工程S126では、第1液体として純水85を採用したが、現像液51は水酸化ナトリウム水溶液51aに限られず、また、第1液体は純水85に限られない。
本実施形態では、表面実装型の圧電振動子30に搭載される圧電振動片4に、本発明の圧電振動片4の製造方法を採用して説明しているが、これに限らず、例えばシリンダーパッケージタイプの圧電振動子に搭載される圧電振動片に、本発明の圧電振動片の製造方法を採用しても構わない。
4・・・圧電振動片 10,11・・・振動腕部 10b,11b・・・内側面(側面) 12・・・基部 13・・・第1の励振電極 14・・・第2の励振電極 25・・・又部 30・・・圧電振動子 51・・・現像液 51a・・・水酸化ナトリウム水溶液 60・・・水晶ウエハ(圧電板) 85・・・純水(第1液体) 110・・・発振器 120・・・携帯情報機器(電子機器) 140・・・電波時計 S120・・・電極形成工程 S121・・・金属膜成膜工程S121 S123・・・フォトレジスト塗布工程(マスク材塗布工程) S125・・・露光工程 S126・・・浸漬工程 S127・・・現像工程 S129・・・エッチング工程

Claims (7)

  1. フォトリソグラフィ技術を用いて、圧電振動片の外形が形成された圧電板の表面に電極を形成するための圧電振動片の製造方法であって、
    前記圧電振動片は、
    並んで配置された一対の振動腕部と、
    前記一対の振動腕部が接続された基部と、
    前記振動腕部と前記基部との接続部に形成された又部と、
    少なくとも前記又部を挟んで対向する前記一対の振動腕部の側面にそれぞれ形成され た第1の電極、および第2の電極と、
    を備え、
    前記各電極を形成する電極形成工程は、
    前記圧電板の表面に金属膜を成膜する金属膜成膜工程と、
    前記金属膜に重ねてマスク材を塗布するマスク材塗布工程と、
    前記マスク材を露光する露光工程と、
    現像液に前記マスク材を浸漬して選択的に除去し、前記各電極を形成するためのマス クパターンを形成する現像工程と、
    前記マスクパターンを介して前記金属膜のエッチングを行い、前記各電極を形成する エッチング工程と、
    を有し、
    前記露光工程と前記現像工程との間に、前記現像液に可溶かつ前記現像液より低粘度の第1液体に、前記マスク材が塗布された前記圧電板を浸漬する浸漬工程を有することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  2. 請求項1に記載の圧電振動片の製造方法であって、
    前記現像液は水酸化ナトリウム水溶液であり、前記第1液体は純水であることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする圧電振動片。
  4. 請求項3に記載の圧電振動片を備えたことを特徴とする圧電振動子。
  5. 請求項4に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  6. 請求項4に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項4に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014082538A (ja) * 2012-10-12 2014-05-08 Daishinku Corp 圧電振動片、および圧電振動子

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