JP2014122182A - 3−ハロゲン化アニリンの製造方法 - Google Patents

3−ハロゲン化アニリンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異性体として2−ハロゲン化ニトロベンゼンおよび4−ハロゲン化ニトロベンゼンを含有する粗製3−ハロゲン化ニトロベンゼンを還元する過程で、異性体を効率良く低減できる3−ハロゲン化アニリンの製造方法の提供。
【解決手段】3−ハロゲン化ニトロベンゼンおよび少なくとも1種のその位置異性体を含有する3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物を、一般式:MxSy(式中、Mは、独立して、水素、アンモニウムまたは金属元素を表わし;xおよびyは、独立して、1〜4の整数を表わすが、但しxおよびyは全体の電荷が0となるよう選択される)で示される硫化物の存在下で還元する。
【選択図】なし

Description

本発明は3−ハロゲン化アニリンの製造方法に関する。
3−ハロゲン化アニリンは医薬品や電子材料の原料等、種々の機能性化学品の原料として有用な化合物である。
3−ハロゲン化アニリンの合成法としては、出発原料に3−ニトロアニリンを使用し、サンドマイヤー反応でのハロゲン化(例えば、非特許文献1参照)の後、ニトロ基の還元(例えば、非特許文献4または5参照)を経て合成する方法が知られている。しかしながら、この方法では、高純度の3−ハロゲン化アニリンを得ることは可能であるが、原料である3−ニトロアニリンが高価であることや生産性の悪さなどの問題があり、工業的に有用な方法とは言い難い。
また、出発原料にニトロベンゼンを使用して、ハロゲン化(例えば、非特許文献2または3参照)の後、ニトロ基の還元(例えば、非特許文献4または5参照)を経て合成する方法が知られている。しかしながら、この方法では、ニトロベンゼンをハロゲン化して得られるハロゲン化ニトロベンゼンが、目的物である3−ハロゲン化ニトロベンゼンの他に、その位置異性体である2−および4−ハロゲン化ニトロベンゼンなどを含む混合物として得られるため、結果として同様の位置異性体を含む粗製3−ハロゲン化アニリンが得られる。
異性体を含有した粗製3−ハロゲン化アニリンは、3−ハロゲン化アニリンの融点が低いため、再結晶による精製が困難である。また、蒸留による精製を試みたとしても、異性体同士の沸点が近いため、分離するためには理論段数の高い蒸留塔を必要とし、工業的に適さないなどの問題がある。
Synthesis, 2009, (6), 941 Bull. Chem. Soc. Jpn., 2000, 951 J. Org. Chem., 1981, 46, 2169 日本化学会誌, 1988, (2), 230 Tetrahedron Lett., 1895, 26(50), 6233
本発明の目的は、異性体として2−ハロゲン化ニトロベンゼンおよび4−ハロゲン化ニトロベンゼンを含有する粗製3−ハロゲン化ニトロベンゼンを還元する過程で、異性体を効率良く低減できる3−ハロゲン化アニリンの製造方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、異性体を含む粗製3−ハロゲン化ニトロベンゼンを硫化物の存在下で還元すると、3−ハロゲン化アニリンが選択的に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]3−ハロゲン化ニトロベンゼンおよび少なくとも1種のその位置異性体を含有する3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物を、一般式:M(式中、Mは、独立して、水素、アンモニウムまたは金属元素を表わし;xおよびyは、独立して、1〜4の整数を表わすが、但しxおよびyは全体の電荷が0となるよう選択される)で示される硫化物の存在下で還元して3−ハロゲン化アニリンを製造することを特徴とする、3−ハロゲン化アニリンの製造方法。
[2]前記硫化物が水溶液として存在することを特徴とする、前記[1]記載の製造方法。
[3]前記硫化物において、Mがアルカリ金属である、前記[1]または[2]記載の製造方法。
[4]前記硫化物において、Mがアルカリ金属であり、xおよびyが2である、前記[1]〜[3]いずれかに記載の製造方法。
[5](1)ニトロベンゼンをハロゲン化し、3−ハロゲン化ニトロベンゼンおよび少なくとも1種のその位置異性体を含有する3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物を得る工程;
(2)3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物を、一般式:M(式中、Mは、独立して、水素、アンモニウムまたは金属元素を表わし;xおよびyは、独立して、1〜4の整数を表わすが、但しxおよびyは全体の電荷が0となるよう選択される)で示される硫化物の存在下で還元する工程、
を含むことを特徴とする、3−ハロゲン化アニリンの製造方法。
本発明の製造方法により、医薬品や電子材料の原料等、種々の機能性化学品の原料として有用な3−ハロゲン化アニリンを工業的に利用可能な方法で、効率よくかつ高純度で得ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の方法において用いることのできる粗製3−ハロゲン化ニトロベンゼンは、2−ハロゲン化ニトロベンゼンや4−ハロゲン化ニトロベンゼンなどの位置異性体を1種以上含有するものである(以下、「3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物」という)。3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物の製造方法は、特に限定されないが、公知の方法にて調製することができる。例えば、Bull. Chem. Soc. Jpn., 2000, 951またはJ. Org. Chem., 1981, 46, 2169に従って、ニトロベンゼンを直接ハロゲン化し、3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物を調製することができる。なお、3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物は、そのハロゲン化条件に応じて、2−ハロゲン化ニトロベンゼンや4−ハロゲン化ニトロベンゼンなどの1種以上の位置異性体の他に、さらに少量のポリハロゲン化ニトロベンゼンを含むものであってもよい。次いで、Tetrahedron Lett., 1895, 26(50), 6233に従って、ヒドラジン/グラファイトを用いて3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物のニトロ基を還元すると、粗製3−ハロゲン化アニリンを調製することができる。このようにして得られた粗製3−ハロゲン化アニリンは、原料の3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物に含まれる位置異性体に由来する、2−ハロゲン化アニリンや4−ハロゲン化アニリンなどを1種以上含有するものである(以下、「3−ハロゲン化アニリン混合物」という)。例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた分析によれば、かかる3−ハロゲン化アニリン混合物には、2−ハロゲン化アニリンが0.1〜1%(面積百分率)、4−ハロゲン化アニリンが1〜3%(面積百分率)程度含まれる。したがって、本発明の一態様では、3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物は、2−ハロゲン化ニトロベンゼンを約0.1〜1%(面積百分率)、4−ハロゲン化ニトロベンゼンを約1〜3%(面積百分率)含む。
なお、本発明において「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。特に、ヨウ素が好ましい。すなわち本発明の製造方法は、3−ヨードニトロベンゼン混合物を還元して3−ヨードアニリンを高純度で得るのに好適である。
本発明の方法では、用いることのできる還元剤は、硫化物であれば特に限定されない。本発明の硫化物は、水硫化物(例えば、MSHなど)、硫化物(例えば、M S、MII S、MIII など)、二硫化物(例えば、M 、MIIなど)および多硫化物(例えば、M 、MIIなど)を含むが、典型的には下記一般式(1)で表される。
一般式:M(1)
一般式(1)におけるMは、独立して、水素、アンモニウムまたは金属元素(好ましくは、アルカリ金属であり、より好ましくは、ナトリウムまたはカリウムである)を表し、xおよびyは、独立して、1〜4の整数を表すが、xおよびyは全体の電荷が0となるように選択される。例えば、水硫化物としては、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化アンモニウム;硫化物としては、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化アンモニウムなどが挙げられる。これらは無水物でも結晶水を含有したものであっても良い。二硫化物としては、二硫化ナトリウム、二硫化カリウム、二硫化アンモニウムなど;多硫化物としては、三硫化ナトリウム、三硫化カリウム、三硫化アンモニウム、四硫化ナトリウム、四硫化カリウム、四硫化アンモニウムなどが挙げられる。二硫化物および多硫化物は、市販のものを用いてもよいが、硫化物と硫黄から調製したものを用いても良い。還元剤の使用量については、特に制限はないが、3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物1モルに対して2.5モル〜10モル(硫黄原子)が好ましく、特に2.5モル〜5モルが好ましい。使用形態としては、水溶液の形態が望ましく、硫化物水溶液の濃度としては、10%〜40%が好ましく、18%〜28%がさらに好ましい。
本発明の方法は、3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物を、硫化物の存在下で還元し、3−ハロゲン化アニリンを得るものである。本発明者らは、硫化物による還元反応により、3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物から3−ハロゲン化アニリンのみが高純度で得られることを見出し、本発明を完成させた。なお、3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物に含まれる位置異性体に由来する副生成物は、水で容易に除去することができる。
溶媒は用いても用いなくても良い。使用する場合、用いることのできる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブタノール、n−ブチルアルコール、sec−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒;モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は特に制限されないが、通常は3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物に対して1質量倍から5質量倍が好ましい。価格、作業効率、安全性等を考慮すると、トルエンを用いることが好ましい。
本発明の方法は、約70℃から130℃の範囲から適宜選ばれた温度で行うことができ、約90℃から110℃の範囲が好ましい。
本発明の方法の反応時間は反応条件により適宜選択できるが、通常は約0.5時間から48時間であり、好ましくは約3時間から24時間である。
反応終了後、得られた反応液を約25℃〜35℃まで冷却し、分液、水洗などの慣用の後処理方法により、硫化物および副生成物などを除去することで高純度の3−ハロゲン化アニリンを効率よく単離することができる。
以下に本発明の具体的な実施様態を明らかにするために実施例を示すが、本発明はここに示す実施例のみに限定されるわけではない。
実施例および合成例で得られた反応溶液中の各異性体の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定し、面積百分率により算出した。測定条件は以下の通りである。
試料調製 :試料1.0mgをアセトニトリル2.0mLに溶解
検出器 :SPD−20A(株式会社島津製作所製)
オーブン :CTO−20A(株式会社島津製作所製)
ポンプ :LC−20AD(株式会社島津製作所製)
カラム :ODS−80TM(東ソー株式会社製)
溶離液 :アセトニトリル/水/リン酸/トリエチルアミン=500/500/0.1/0.1
カラム温度 :25℃
流速 :1.0mL/min
波長 :240nm
合成例1(3−ヨードニトロベンゼン混合物の合成)
3−ヨードニトロベンゼン混合物は非特許文献2を参考に以下のように合成した。
撹拌装置、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えた2000mLのガラス製フラスコに、過ヨウ素酸ナトリウム 154g(0.72mmol)、ヨウ素 122g(0.48mol)、酢酸 1L、および無水酢酸 0.5Lを加え、5℃〜10℃に冷却した。濃硫酸 2.94g(30mmol)を5〜10℃でゆっくり滴下した。ニトロベンゼン 170g(1.4mol)を滴下し、室温下で3〜8時間撹拌した。反応終了後、冷却した亜硫酸ナトリウム水溶液に反応液を注入し、クエンチした。クロロホルム 1Lで3回抽出し、得られた有機層に硫酸マグネシウムを加え乾燥し、ろ過した。減圧濃縮にて溶媒を留去し、得られたオイル状物質を単蒸留で精製し、3−ヨードニトロベンゼン混合物 300g(収率86%)を得た。
HPLC純度(面積百分率):98.6%(4−ヨード体、2−ヨード体込の純度)
合成例2(3−ブロモニトロベンゼン混合物の合成)
3−ブロモニトロベンゼン混合物は非特許文献3を参考に以下のように合成した。
撹拌装置、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えた200mLのガラス製フラスコに、水33g、硫酸60g、ニトロベンゼン20g(0.16mol)を加えた。内温25℃〜35℃で臭素酸カリウム30g(0.12mol)を投入し、一晩反応させた。反応終了後、水30g、塩化メチレン30gを注入し、亜硫酸ナトリウムで還元し、中和し、水洗により有機層を洗浄し、溶媒を留去し、3−ブロモニトロベンゼン混合物29.8g(収率79.8%)を得た。
HPLC純度(面積百分率):96.3%(4−ブロモ体、2−ブロモ体込の純度)
実施例1(3−ヨードアニリンの合成)
撹拌装置、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えた500mLのガラス製フラスコに、水143g、硫化ナトリウム5水和物84.4g(0.50mol)を加え溶解した。硫黄 18.0g(0.56mol)を投入し、溶解するまで撹拌し、二硫化ナトリウム水溶液を調製した。内温を100℃〜110℃まで昇温した。合成例1と同様にして得た3−ヨードニトロベンゼン混合物50g(0.2mol)を滴下した。内温100〜110℃で5時間熟成させた。内温30〜40℃に冷却し、分液した。水75gで2回水洗し、3−ヨードアニリン 40.0g(収率:90.9%)を得た。
HPLC純度(面積百分率):3−ヨード体 99.7 %;4−ヨード体 0.1%;2−ヨード体 N.D.。
比較例1(3−ヨードアニリン混合物の合成)
撹拌装置、温度計、還流冷却器および滴下漏斗を備えた500mLのガラス製フラスコに、合成例1と同様にして得た3−ヨードニトロベンゼン混合物100g(0.40mol)、イソプロピルアルコール100mL、およびグラファイト25.0gを混合し、85℃に昇温した後、80%ヒドラジン48.5g(1.20mol)を1時間かけて加え、17時間反応させた。その後、冷却し、ろ過によってグラファイトを取り除き、3−ヨードアニリン混合物/イソプロピルアルコール溶液189gを得た(3−ヨードアニリン含量39.0wt%)
HPLC純度(面積百分率):3−ヨード体 94.1%;4−ヨード体 2.4%;2−ヨード体 0.4%。
実施例2(3−ヨードアニリンの合成)
還元剤の二硫化ナトリウム水溶液を水142.5g、硫化ナトリウム5水和物167.5g(1.0mol)から調製した硫化ナトリウム水溶液に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応終了後、水洗し、純度を確認した。
HPLC純度(面積百分率):3−ヨード体 99.4 %;4−ヨード体 0.2%;2−ヨード体 N.D.。
実施例3(3−ヨードアニリンの合成)
還元剤の二硫化ナトリウム水溶液を水142.5g、70%水硫化ナトリウム80g(1.0mol)から調製した水硫化ナトリウム水溶液に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応終了後、水洗し、純度を確認した。
HPLC純度(面積百分率):3−ヨード体 99.5 %;4−ヨード体 0.3%;2−ヨード体 N.D.。
実施例4(3−ヨードアニリンの合成)
還元剤の二硫化ナトリウム水溶液を水142.5g、硫化ナトリウム5水和物52.5g(0.31mol)および硫黄30.0g(0.94mol)から調製した四硫化ナトリウム水溶液に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応終了後、水洗し、純度を確認した。
HPLC純度(面積百分率):3−ヨード体 62.6 %;4−ヨード体 0.03%;2−ヨード体 N.D.。
実施例5(3−ヨードアニリンの合成)
還元剤の二硫化ナトリウム水溶液を20%硫化アンモニウム水溶液 340g(1.0mol)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応終了後、水洗し、純度を確認した。
HPLC純度(面積百分率):3−ヨード体 98.6 %;4−ヨード体 0.62%;2−ヨード体 0.04%。
実施例6(3−ヨードアニリンの合成)
溶媒としてトルエン(3−ヨードニトロベンゼン混合物に対して1質量倍)を加え、二硫化ナトリウム水溶液とトルエンの二相系で行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応終了後、水洗し、純度を確認した。
HPLC純度(面積百分率):3−ヨード体 99.1 %;4−ヨード体 N.D.;2−ヨード体 N.D.。
実施例7(3−ヨードアニリンの合成)
二硫化ナトリウム水溶液をエタノール96g、硫化ナトリウム5水和物84.4g(0.5mol)および硫黄18g(0.56mol)から調製した二硫化ナトリウムエタノール溶液に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。反応終了後、溶媒を留去し、水洗し、純度を確認した。
HPLC純度(面積百分率):3−ヨード体 99.3 %;4−ヨード体 0.31%;2−ヨード体 N.D.。
実施例8(3−ブロモアニリンの合成)
基質の3−ヨードニトロベンゼン混合物を合成例2と同様にして得た3−ブロモニトロベンゼン混合物50g(0.25mol)に代えた以外は、実施例1同様の操作を行った。反応終了後、水洗し、純度を確認した。
HPLC純度(面積百分率):3−ブロモ体 98.7%;4−ブロモ体 N.D.;2−ブロモ体N.D.。
比較例2(3−ブロモアニリン混合物の合成)
基質の3−ヨードニトロベンゼン混合物を合成例2と同様にして得た3−ブロモニトロベンゼン混合物50g(0.25mol)に代えた以外は、比較例1と同様の操作を行った。反応終了後、冷却し、ろ過によってグラファイトを取り除き、3−ブロモアニリン混合物/イソプロピルアルコール溶液の純度を確認した。
HPLC純度(面積百分率):3−ブロモ体 94.1%;4−ブロモ体 0.9%;2−ブロモ体0.94%。
本発明の製造方法によれば、硫化物を用いた還元により、3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物から3−ハロゲン化アニリンのみが高純度で得られる。また、3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物に含まれる位置異性体に由来する副生成物は、水で容易に除去することができる。したがって、位置異性体の副生を回避するために高価な出発原料を使用することなく、安価な出発原料から慣用の方法により得られる3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物から、煩雑な精製方法を経ることなく、効率よくかつ高純度で3−ハロゲン化アニリンを得ることができるため、工業的にも利用可能であると期待される。

Claims (5)

  1. 3−ハロゲン化ニトロベンゼンおよび少なくとも1種のその位置異性体を含有する3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物を、一般式:M(式中、Mは、独立して、水素、アンモニウムまたは金属元素を表わし;xおよびyは、独立して、1〜4の整数を表わすが、但しxおよびyは全体の電荷が0となるよう選択される)で示される硫化物の存在下で還元して3−ハロゲン化アニリンを製造することを特徴とする、3−ハロゲン化アニリンの製造方法。
  2. 前記硫化物が水溶液として存在することを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記硫化物において、Mがアルカリ金属である、請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記硫化物において、Mがアルカリ金属であり、xおよびyが2である、請求項1〜3いずれか一項に記載の製造方法。
  5. (1)ニトロベンゼンをハロゲン化し、3−ハロゲン化ニトロベンゼンおよび少なくとも1種のその位置異性体を含有する3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物を得る工程;
    (2)3−ハロゲン化ニトロベンゼン混合物を、一般式:M(式中、Mは、独立して、水素、アンモニウムまたは金属元素を表わし;xおよびyは、独立して、1〜4の整数を表わすが、但しxおよびyは全体の電荷が0となるよう選択される)で示される硫化物の存在下で還元する工程、
    を含むことを特徴とする、3−ハロゲン化アニリンの製造方法。
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