JP2014119696A - 画像形成装置 - Google Patents

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重孝 加藤
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貴史 田中
Hiromasa Seki
裕正 関
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Abstract

【課題】本発明は、ヒーターの消費電力を精度よく推定可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】
ヒーター131aを加熱状態と非加熱状態とに切り換えて定着ローラー131を温調し、記録シート上のトナー像を熱定着する定着器を有するプリンター1において、設計上の基準値として定められた基準消費電力と、基準消費電力をヒーター131aに継続して供給する基準条件下で、定着ローラー131を昇温したときの昇温速度を指標する基準昇温時間とを記憶しているROM163と、装置の使用環境下においてヒーター131aを駆動し、加熱状態を継続して定着ローラー131を昇温させることにより、昇温速度を指標する実機昇温時間を取得し、基準昇温時間と実機昇温時間との比較結果と基準消費電力とに基づいて、使用環境下におけるヒーター131aの消費電力を推定する制御部6と、推定結果を出力する操作パネル7とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着器を備える画像形成装置に関し、特に、定着器における消費電力を推定する技術に関する。
プリンターなどの電子写真式の画像形成装置では、ハロゲンランプ等のヒーターを内蔵した定着ローラーを加圧ローラーで押圧し、これらの間に形成された定着ニップに、未定着画像の形成されたシートを通紙して熱定着する定着器を備えるものが一般的である。
近年、このような画像形成装置においても、節電の要請が強まっており、ユーザーが当該画像形成装置の消費電力を正確に把握できる構成が望まれている。
通常、画像形成装置における消費電力のうち、定着器のヒーターでの消費電力が圧倒的に多いため、当該ヒーターの消費電力をできるたけ正確に把握することが求められている。
これを実現するため、装置内に電力計などを設け、実際に消費電力を計測する構成も考えられが、このような電力計を新たに設置することは装置コストの上昇を招く。
そこで、ヒーターに通電している間は、ヒーターの定格消費電力と同等の電力が消費されているものとみなす簡易な構成が提案されている。
このようにすれば、予めヒーターの定格消費電力を記憶しておき、当該定格消費電力にヒーターの通電時間を乗じたものを積算するだけで、ヒーターの消費電力量を簡単に求めることができ、装置コストの上昇を招くこともない。
特開2010−152210号公報
しかしながら、実際には、ヒーターの個体差などにより、その抵抗値などが設計基準値からずれている場合があり、さらに、画像形成装置が使用される地域や環境によっては、商用電源の電圧も予想された定格値からずれている場合もあるため、このような単純な積算方法によっては現実の消費電力と大きく異なってしまうおそれがある。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであって、装置コストの上昇を招くことなく、定着器のヒーターの消費電力を精度よく推定することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、ヒーターを加熱する加熱状態と、ヒーターの加熱を停止する非加熱状態とを切り換えて加熱回転体を温調し、当該加熱回転体の周面に加圧部材を押圧して定着ニップを形成して、当該定着ニップに通紙される記録シート上のトナー像を熱定着する定着器を有する画像形成装置において、設計上の基準値として定められた前記ヒーターの基準消費電力と、当該基準消費電力で前記ヒーターの加熱状態を継続したときの前記加熱回転体の昇温特性を指標する基準昇温指標値とを記憶する記憶手段と、装置の使用環境下における電源電圧用いてヒーターの加熱状態を継続して前記加熱回転体を昇温させたときの昇温特性を指標する実機昇温指標値を取得する実機昇温指標値取得手段と、前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との比較結果と前記基準消費電力に基づき、使用環境下におけるヒーターの消費電力を推定する推定手段と、前記推定手段による推定結果を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
また、前記推定手段は、前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との比較値と、前記基準消費電力に対する補正係数とを対応付けたテーブルを保持し、前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との比較結果からテーブルを参照して対応する補正係数を取得して、当該取得した補正係数を用いて前記基準消費電力を実際のヒーターの消費電力に換算することが望ましい。
さらに、使用する電源電圧を設計上の基準電圧に維持した特定の条件下で、前記ヒーターの加熱状態を継続して前記加熱回転体を昇温させたときの昇温特性を指標する特定条件下昇温指標値を取得する特定条件下昇温指標値手段をさらに備え、前記推定手段は、前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との第1の比較結果もしくは、前記特定条件下昇温指標値と実機昇温指標値との第2の比較結果とを選択的に適用して、使用環境下におけるヒーターの消費電力を推定することが望ましい。
加えて、前記ヒーターは、交換可能であって、前記定着器が交換されたことを示す情報を取得する交換情報取得手段を有し、前記推定手段は、装置納品後最初にヒーターが交換されるまでは、前記第2の比較結果を用いて使用環境下におけるヒーターの消費電力を推定し、最初のヒーターが交換された後は、前記第1の比較結果を用いて使用環境下におけるヒーターの消費電力を推定することが望ましい。
また、前記昇温特性は、ヒーターの加熱状態を継続した場合に、前記加熱回転体が、第1の温度から第1の温度より高い第2の温度に到達するまでに要する時間によって指標されることが望ましい。
さらに、第1および第2の温度は、ウォーミングアップ時における前記加熱回転体の温度制御範囲内に存することが望ましい。
また、ウォーミングアップ後、前記加熱回転体の温度を環境温度よりも高く、かつ、定着温度より低い所定の温度範囲内に維持する待機モードを実行する制御手段を有し、前記第1および第2の温度は、前記待機モード時における前記所定の温度範囲内に存することが望ましい。
また、前記ヒーターは、個別に給電可能な複数のサブヒーターからなり、前記記憶手段は、各サブヒーターにごとに基準消費電力と基準昇温指標値とを記憶しており、実機昇温指標値取得手段は、前記サブヒーターを順次加熱状態にして、それぞれに対応する実機昇温指標値を取得し、前記推定手段は、前記サブヒーターごとに、それぞれに対応する前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との比較結果と前記基準消費電力に基づいて、前記使用環境下における前記ヒーターの消費電力を推定することが望ましい。
上記構成によれば、推定手段が、使用環境下における定着器のヒーターの消費電力を推定する上で必要とするのは、記憶手段に記憶されているヒーターの基準消費電力および基準昇温指標値と、実機昇温指標値取得手段により取得された実機昇温指標値だけであり、消費電力を直接計測する計測機器を必要としないため、装置コストの上昇を招かない。
また、推定手段が、基準昇温指標値と実機昇温指標値との比較結果と、基準消費電力に基づいて、使用環境下におけるヒーターの消費電力を推定するため、当該推定精度を向上させることができる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンターの構成を示す概略断面図である。 上記プリンターの制御部とこれの制御対象とを示すブロック図である。 上記制御部において実行される補正係数決定処理の実行手順を示すフローチャートである。 ウォーミングアップ時における上記プリンターの定着ローラーの温度変化を示す図である。 補正テーブルAの内容を示す図である。 上記制御部において実行される総合消費電力算出処理の実行手順を示すフローチャートである。 上記プリンターの操作パネルに表示される消費電力量の表示例を示す図である。 第2の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターの制御部において実行される消費電力精度向上処理の実行手順を示すフローチャートである。 定格消費電力修正テーブルの内容を示す図である。 待機モードにおける定着ローラーの温度変化を示す図である。 待機モードにおけるヒーターへの電圧印加パターンを示す図である。 第3の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターの制御部において実行される待機モード補正係数決定処理の実行手順を示すフローチャートである。 補正テーブルBの内容を示す図である。 第4の実施形態に係るプリンターの定着部におけるヒーターの電源系統を示す図である。 第4の実施形態に係るプリンターの制御部において実行される待機モード補正係数決定処理の実行手順を示すフローチャートである。
(1)第1の実施形態
以下、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照しながら説明する。
(1−1)画像形成装置の構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターの構成を説明するための概略断面図である。
プリンター1は、画像形成部10と、給紙部20と、定着部30と、電源ユニット5と、制御部6と、操作パネル7とを備える。
給紙部20は、収容トレイ21と、繰り出しローラー22と、捌きローラー対23と、タイミングローラー対24などを有している。
ここで、収容トレイ21は、記録シートを収容するものである。
繰り出しローラー22は、収容トレイ21の最上位の記録シートに接触して、これを原稿の搬送路に繰り出すものである。
捌きローラー対23は、一方が駆動ローラー、他方が従動ローラーであって、互いに接触して捌きニップを形成しており、当該従動ローラーにはトルクリミッターが取着され、原稿に対して搬送方向とは逆向きの力を与えている。
これにより、連れ送りされた記録シートがあれば、それ以上搬送されなくなり、記録シートは、捌かれて1枚に分離される。
タイミングローラー対24は、制御部6から指示されたタイミングで記録シートを搬送方向の下流側に送り出すものである。
画像形成部10は、同図に示すように、Y、M、C、Kの各色のそれぞれに対応する作像ユニット11Y,11M,11C,11Kと、これらのユニットに内蔵された感光体ドラム12と それぞれ対向する一次転写ローラー14と、中間転写ベルト13、二次転写ローラー15等を備えている。
作像ユニット11Y,11M,11C,11Kは、同図に示すように、中間転写ベルト13に沿って、この順序で所定の間隔をおいて配置されている。
例えば、作像ユニット11Kは、感光体ドラム12並びに、当該感光体ドラム12の周方向に沿って配置された帯電器16、露光部17、現像器18及びクリーナー19を備える。
作像ユニット11Y,11M,11Cも作像ユニット11Kと同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。
露光部17は、レーザーダイオードなどの発光素子及びレンズ等を備え、LANなどを介して外部から取得された画像データにもとづいて制御部6が生成した駆動信号を取得し、感光体ドラム12を露光するためのレーザー光を出射して、感光体ドラム12上を主走査方向に露光走査させる。
感光体ドラム12は、不図示の駆動源により回転駆動されるものであって、上記露光を受ける前に各クリーナー19で表面の残存トナーが除去され、不図示のイレーサーランプに照射されて除電された後、帯電器16により一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で、上記レーザー光による露光を受けると、感光体ドラム12の表面に静電潜像が形成される。
各静電潜像は、各色の現像器18により現像され、これにより感光体ドラム12表面にY、M、C、Kの各色に対応する現像剤像としてのトナー像が作像される。
各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト13上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行され、一次転写ローラー14による静電力を受けて中間転写ベルト13上に多重転写され、フルカラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト13上の重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト13の回転により二次転写位置に移動する。
この中間転写ベルト13上のトナー像の移動タイミングに合わせて、給紙部20からは、タイミングローラー対24を介してシートが給送されて来ており、二次転写位置において、二次転写ローラー15に印加された電圧により生じた静電力によって、中間転写ベルト13上のトナー像が、シート上に二次転写されて、定着部30に搬送される。
定着部30は、ヒーター131aが内蔵された定着ローラー131と、加圧ローラー132とが並行配置された状態で圧接しており、これにより両ローラー間に定着ニップ形成されている。
ここで、加圧ローラー132は、例えば、不図示の駆動源で駆動され、定着ローラー131が加圧ローラー132の回転に伴い、従動回転する構成となっている。
ヒーター131aは、ハロゲンランプであって、定着ローラー131の内部に挿入されており、主に輻射熱によって、定着ローラー131を内側から加熱する。
さらに、定着部30には、定着ローラー131の表面温度を検出する温度センサー133が設けられている。
定着ニップを通過したシートは、当該シートの表面に転写されたトナー像が加熱、加圧されてシートに熱定着された後、一対の排出ローラー31を介して排紙トレイ32に排紙される。
電源ユニット5は、例えば、電圧100[V]、周波数が50[Hz]の商用交流電源に接続されるものであって、ヒーター131aおよび不図示の駆動源などに電力を供給するものである。
操作パネル7は、テンキーおよびタッチパネルなどからなり、操作者からの指示を受け付けると共に、操作者に対して情報を表示する。
制御部6は、画像形成部10、給紙部20および定着部30などを統括的に制御しており、当該制御の一環として不図示の駆動源を所定のタイミングで駆動させる。
また、制御部6は、温度センサー133の検出結果に基づき、検出された温度が目標温度以下であれば、ヒーター131aを点灯させ、検出された温度が目標温度を超えれば、ヒーター131aを消灯させる公知の温調制御を実施する。
さらに、本実施形態に係るプリンター1の制御部6は、プリンター1全体の消費電力を随時推定して、月毎の消費電力量などを操作パネル7に表示させる。詳しくは後述する。
(1−2)電源ユニットおよび制御部の構成
図2は、プリンター1における電源ユニット5および制御部6の構成と、制御部6の制御対象となる主構成要素との関係を示す図である。
電源ユニット5は、ゼロクロス検知回路151と、AC/DCコンバーター152と、DC/DCコンバーター153と、トライアック154などからなる。
ゼロクロス検知回路151は、商用交流電源4の電圧出力が0になったことを検知したときに、その旨を示す信号(以下、「ゼロクロス信号」という。)を制御部6に出力するものである。
AC/DCコンバーター152は、交流電圧を直流電圧に変換するものである。
DC/DCコンバーター153は、AC/DCコンバーター152から出力された直流電圧を降圧して、制御部6に供給する。
トライアック154は、制御部6から出力される点灯信号に基づき、通電経路を遮断および短絡させることにより、ヒーター131aへの電力供給量を制御する。
なお、電源ユニット5には、トライアック154と同様の不図示のトライアックが複数設けられており、感光体ドラム12や各ローラーなどの駆動源(不図示)に電力を供給している。
制御部6は、主な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)161、タイマー162、ROM(Read Only Memory)163、RAM(Random Access Memory)164、不揮発性メモリー165および通信インターフェース(I/F)部166などを備えている。
RAM164は、揮発性のメモリーであって、CPU161におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
タイマー162は、CPU161からの指示に基づき計時するものである。
ROM163には、プリントの実行に関連する制御および後述の補正係数決定処理および総合消費電力算出処理を実行するプログラムと、ヒーター131aの定格消費電力の値および後述する補正テーブルAなどが格納されている。
不揮発性メモリー165は、EEPROM(登録商標)などであって、CPU161のデータ保存エリアとなる。
通信I/F部166は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
CPU161は、ROM163に格納されている制御プログラムを実行することにより、公知のウォーミングアップ動作やプリント動作を実行すると共に、定着部30の温度センサー133から出力される信号にもとづき、定着ローラー131内に設けられたヒーター131aを加熱状態と非加熱状態とに切り替えて、定着ローラー131の表面温度を目標の温度に維持する公知の温調制御を実施する。
より具体的には、CPU161は、ヒーター131aを点灯させる場合、トライアック154に通電経路の短絡を指示する信号(以下、「ヒーター点灯信号」)を出力し、当該信号が出力されている間、ヒーター131aに商用交流電源4の電圧が印加される。
さらに、本実施形態に係るCPU161は、定格消費電力を使用環境下におけるヒーター131aの消費電力に補正する補正係数を決定する処理(以下、「補正係数決定処理」という。)を実行すると共に、装置全体の消費電力を求めて月単位で消費電力量を推定する処理(以下、「総合消費電力算出処理」という。)を実行する。これらの処理については、後述する。
(1−3)ヒーター点灯方式について
以下、ヒーター131aの点灯方式について説明する。
ヒーター131aは、基本的には、いわゆるゼロクロス制御点灯方式で、以下のように点灯される。
即ち、CPU161は、定着ローラー131の温調制御を行う過程で、ヒーター131aを点灯させる必要があると判断すると、次にゼロクロス検知回路151からゼロクロス信号が出力されたタイミングで、トライアック154に対してヒーターの点灯指示を行い、また、ヒーター131aを消灯させる必要があると判断すると、次にゼロクロス検知回路151からゼロクロス信号が出力されたタイミングで、トライアック154に対してヒーターの点灯指示を取り止める(図2参照)。
このようにすることで、突入電流の発生が抑制され、電力が過剰に消費されるのを防止することができる。
また、プリンター1内に設けられたヒーター131a以外の電力消費部においても、特に応答性を求められていない機器でない限り、ゼロクロス制御点灯方式と同様のON・OFF制御が実施される。
(1−4)プリンターの消費電力量の推定について
CPU161は、月単位でプリンター1全体における消費電力量を推定して、操作パネル7に表示する。
CPU161は、基本的には、プリンター1内の電力消費部に通電がなされているときには、当該電力消費部の定格消費電力(基準消費電力)が消費されているものとみなしている。
さらに、CPU161は、各機器に通電した時間をタイマー162で計時し、この計時された時間にROM163に格納されている当該機器の定格消費電力を乗じて、消費電力量を新たに求め、これを既に不揮発性メモリー165に格納済みの累積消費電力量に加算する。
なお、各月の累積消費電力量は、不揮発性メモリー165内のテーブルに月毎に格納され、これにより月単位で消費電力量の履歴を残すことができるようになっている。
ところで、ヒーター131aを含めたすべての電力消費部は、個体差による性能のばらつきが設計公差の範囲内で許容されており、実際の消費電力と定格消費電力との間にどうしてもずれが生じる。
ヒーター131a以外の電力消費部では、全体に占める消費電力の割合がそれほど多くないため、このようなずれを無視しても総電力消費量の推定にはあまり影響はない。
これに対して、ヒーター131aは、プリンター1の消費電力のうちの大部分を占めているため、その誤差の大きさも無視できなくなっている。
例えば、ヒーター131aに、入力電圧の設計値である100[V]を印加したときの定格消費電力が1000[W]であるとしても、実際に市販されたプリンター1のヒーター131aの加熱能力が設計公差の下限値近くにあったとすると、実際に消費される電力は、1000[W]よりも小さくなるので、単に定格消費電力を積算して消費電力量を求めると、実際よりも大きく見積もられてしまうことになる。
また、入力電圧として商用電源の100[V]を想定していても、日本においても±15%程度のばらつきが想定されているため、実際にプリンター1が使用される環境によっては、入力電圧が設計値からずれている場合があり、このような要因が重なると、上記誤差はさらに拡大する可能性がある。
なお、ここで言う入力電圧の変動とは、例えば、電源に他の機器が数多く接続されているために、負荷が過大となって電圧が降下するなどの現象を想定しており、数十分単位での変動を想定しているものであって、交流波形の1周期分などの短い時間での変動のことではない。
第1の実施形態におけるプリンター1では、このような誤差を修正するために、定格消費電力を実際に消費される電力(以下、「推定消費電力」という。)に補正する補正係数を求めるヒーター131a補正係数決定処理を実施すると共に、当該補正係数に定格消費電力を乗じて、ヒーター131aの実際の消費電力を推定し、これを他の電力消費部において見積もられた消費電力に加算して、装置全体の消費電力および消費電力量を求める総合消費電力算出処理を実施している。
(1−5)ヒーター131a補正係数決定処理
以下、ヒーター131a補正係数決定処理について説明する。
制御部6は、画像形成処理の一環として、電源投入時などに、定着ローラー131を低い温度から所定の温度まで加熱するいわゆるウォーミングアップを行う制御、および、プリントジョブが受け付けられるまでの間、定着ローラー131の温度を定着温度よりもやや低めに抑えて維持して、消費電力を低減する待機モード温調制御などの公知の制御を実施している。
ここで、ヒーター131a補正係数決定処理および総合消費電力算出処理は、上記画像形成処理のサブルーチンとして、これらの制御と並行して実行されるものである。なお、総合消費電力算出処理については、後述する。
図3は、補正係数決定処理の実行手順を示すフローチャートである。
CPU161は、プリンター1の使用環境下において、ウォーミングアップ動作が開始されると(ステップS11:YES)、定着ローラー131の検出温度が50[℃]になるまで待機し(ステップS12:NO)、当該検出温度が50[℃]に達すると(ステップS12:YES)、計時を開始する(ステップS13)。
そして、定着ローラー131の検出温度が160[℃]になると(ステップS14:YES)、計時を終了し(ステップS15)、計時された時間を実機昇温時間として不揮発性メモリー165に記憶する(ステップS16)。
図4は、ウォーミングアップ時における定着ローラー131の温度の計時変化を示す図である。
実線301は、商用電源が定格値(100V)で、ヒーターの消費電力がその定格消費電力で示される通りの値(例えば、1000W)となっており、かつ、プリンター1が所定の環境温度(装置周囲の温度。本実施の形態では、23℃としている。)で長時間放置された後の、ウォーミングアップ時における温度上昇を示すものである。
このとき、同図に示すように、定着ローラー131の温度が、50[℃]から定着温度の160[℃]に到達するまで11秒かかっており、この時間は、基準昇温時間(基準昇温指標値)としてROM163に記憶されている。
一方、線302は、実機のプリンター1の使用環境下において、ウォーミングアップ動作が開始された場合における温度センサー133の検出値をプロットしたものである。
ここでは、同図に示すように、環境温度が28℃となっており、定着ローラー131の温度が50[℃]から定着温度の160[℃]に到達するまでに10秒しかかかっていない。
この時間が、実機昇温時間として不揮発性メモリー165に記憶される。
このように、50[℃]から定着温度の160[℃]に到達するまでの実機の昇温時間が、設計上の基準昇温時間よりも短くなっているのは、実機のプリンター1おいて、使用している商用電源の電圧が定格値よりも大きいか、および/または、ヒーター131aの抵抗値が設計値よりも大きいなどの理由が考えられる。
なお、昇温時間の計時を開始する際の温度が50[℃]に設定されているのは、通常、プリンター1が使用される環境温度として、50[℃]以上となることがないと考えられるからである。
実機昇温時間から基準昇温時間を差し引いた時間(以下、「昇温時間差」という。)は、単位時間あたりに定着ローラー131に付与された熱エネルギーの大小、ひいてはヒーターの消費電力の大小に依存するものと考えられる。
そこで発明者らは、消費電力と昇温時間差との関係を以下のようにして試験的に求めた。
(試験方法)
試験品:設計値通りの入力電圧(本実施形態では100[V])が印加されたときに、定格消費電力(本実施形態では1000[W])が消費されることが予め確認されているヒーター131aを用いた。
試験方法:ヒーター131aに異なる電圧を印加し、それぞれ環境温度が23[℃]一定の環境であって、機内の初期温度も23[℃]となっている状態からウォーミングアップを開始し、定着ローラー131の温度、即ち、温度センサー133の検出温度が、50[℃]から160[℃]になるまでの昇温時間と、このときの消費電力とをそれぞれ計測した。
入力電圧が100[V]のときは、50[℃]から160[℃]に達するまでの昇温時間は、上述の通り11[sec]となるが、入力電圧を変化させて、例えば、108[V]とした場合、消費電力が1120[W]、昇温時間が7.5[sec]となった。
つまり、7.5[sec]から11[sec]を減じた昇温時間差が−3.5[sec]のときには、補正係数kの値は、1.12(=1120[W]/1000[W])ということになる。
このような試験を、さらに、入力電圧値を変更して繰り返し実施し、その結果得られた昇温時間差と補正係数kを対応づけたものが補正テーブルAである。
図5は、この補正テーブルAの内容を示す図である。
同図に示すように、温度センサー133の検出誤差を考慮し、昇温時間差が1.0[sec]未満の小さな値の場合は、補正係数kを1としている。
本実施の形態では、昇温時間差が1.0[sec]以上の場合には、昇温時間差が1.00[sec]大きくなる毎に、補正係数が0.04ずつ大きくなっており、また、昇温時間差が−1.0[sec]以上の場合には、昇温時間差が1.00[sec]少なくなる毎に、補正係数が0.04ずつ小さくなっている。
図3に戻って、CPU161は、ROM163に記憶されている上記補正テーブルAを参照して(ステップS17)、昇温時間差から補正係数kの値を決定し(ステップS18)、本補正係数決定処理を終了する。
(1−6)総合消費電力算出処理
以下、総合消費電力算出処理について説明する。
図6は、総合消費電力算出処理の実行手順を示すフローチャートである。
CPU161は、装置内のいずれかの電力消費部の通電が開始されたとき(ステップS21:YES)、通電された電力消費部毎に通電時間を計時し(ステップS22)、その電力消費部がヒーター131aでない場合には(ステップS23:NO)、当該電力消費部の定格消費電力を消費電力と推定すると共に(ステップS24)、推定された消費電力に通電時間を乗じて、消費電力量を算出する(ステップS25)。
また、通電が開始された電力消費部がヒーター131aの場合には(ステップS23:YES)、ROM163に格納されているヒーター131aの定格消費電力(本実施形態では1000[W])に補正係数kを乗じたものをヒーター131aの消費電力とし(ステップS26)、ステップS25以降のステップを実施する。
次に、CPU161は、通電中の電力消費部の今回と前回の消費電力量を積算して、消費電力量の値を更新し(ステップS27)、装置内のいずれかの電力消費部の通電が停止された場合(ステップS28:YES)、通電が停止された電力消費部の通電時間の計時を終了して(ステップS29)、本総合消費電力算出処理を終了する。
図7は、プリンター1の操作パネル7における、消費電力量の表示例を示す図である。
ユーザーから操作パネル7を介して、プリンター1の消費電力量を表示する指示が受け付けられると、制御部6は、同図に示すように、今月から過去3か月に遡って、通電中の累積時間と、待機中の累積時間と、省電力中の累積時間と、動作中の累積時間と、月毎の消費電力量とを、それぞれ、欄201、欄202、欄203、欄204および欄205に表示する。
ここで、動作中とは、プリント動作実行中のことであり、露光部17、感光体ドラム12の駆動源(不図示)およびヒーター131aなどに通電しつつ、記録シートを定着ニップ部に通紙しながら、定着ローラー131の表面温度を定着温度に維持している状態のことである。
そして、待機中とは、定着ローラー131の表面温度を定着温度(160[℃])よりもやや低い145[℃]から155[℃]の範囲に維持して、ヒーター131aの消費電力を低く抑えつつ、ウォーミングアップが短縮可能な状態にして、プリントジョブの実行が開始されるのを待っている状態のことである。
さらに、省電力中とは、制御部など常時電力を必要とする部分以外に電力を供給しないようにして、さらなる省電力化を図っている状態のことである。
また、上述の通電中とは、動作中、待機中および省電力中を合わせた状態をいい、よって、動作中、待機中および省電力中の累積時間の合計値は、通電中の累積時間に等しい。
動作中、待機中および省電力中の時間は、タイマー162により計時され、CPU161により、その値が不揮発性メモリー165に格納される。
以上のように、第1の実施形態では、ヒーター131aの消費電力を推定するにあたり、装置の使用環境下において、定着ローラー131が50[℃]から160[℃]に至るまでの実際の昇温時間と、設計条件をすべて満足している場合における昇温時間との差(以下、「昇温時間差」という。)に応じて、補正係数kの値を決定し、この値を定格消費電力に乗じて実際の消費電力を求めることができる。
これにより、高価な電力計などを用いずに、装置コストを増加させることなく、ヒーター131aの消費電力を精度よく推定することができる。
なお、装置全体の消費電力の値を随時不揮発性メモリー165に格納しておき、次に計算された装置全体の消費電力の値が、不揮発性メモリー165に既に格納済の消費電力の値よりも大きい場合には、当該消費電力の値を最大消費電力として、操作パネル7に表示するようにしてもよい。
(2)第2の実施形態
(2−1)画像形成装置の構成
以下、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターについて説明する。
第2の実施形態に係るプリンター1の構成は、基本的に上記第1の実施形態に係るプリンター1と共通であるが、CPU161で実行される補正係数決定処理に加えて、後述の消費電力精度向上処理が実施されると共に、ROM163には、補正テーブルAに加えて、定格消費電力修正テーブルが格納されている点が、第1の実施形態に係るプリンター1とは異なる。
以下では、共通の構成部分には第1の実施形態と同じ符号を付して、その説明は省略するにとどめ、相違する点を中心に説明する。
第1の実施形態では、ウォーミングアップ時における昇温時間から、単に定格消費電力(基準消費電力)から実際の消費電力を換算する補正係数kを求めて補正していた。
しかし、実際の消費電力が定格消費電力と異なる原因としては、使用環境下における電源電圧が設計通りの電圧値になっていないか、もしくは、製造誤差などにより当該ヒーター131aの定格消費電力自体が設計値からずれていることなどが考えられる。
第2の実施形態におけるプリンター1では、工場からの出荷前において、まず、設計上の基準電圧100[V]に厳格に管理された電源電圧に接続された状態でウォーミングアップ動作を実行して、まず、ヒーター131aの個体差による定格消費電力の設計値からのずれを求めた後に、納品後にユーザー側での使用環境下における実際の消費電力を推定するという一連の処理(以下、「消費電力精度向上処理」という。)を実施する点が異なる。
以下、消費電力精度向上処理について説明する。
(2−2)消費電力精度向上処理
図8は、プリンター1の制御部6において実行される消費電力精度向上処理の実行手順を示すフローチャートである。
プリンター1に電源が投入されると、CPU161は、例えば操作パネル7を介して、検査者から工場出荷検査が実施される旨が受け付けられた場合(ステップS31:YES)、フラグNの値を「1」に設定する(ステップS32)。
一方、電源投入後の所定時間以内に、このような旨が受け付けられていない場合、CPU161は、フラグNの値を「0」に設定する(ステップS34)。
そして、CPU161は、ウォーミングアップが開始されると(ステップS33:YES)、定着部30の温度センサー133の検出温度が50[℃]に達した時点で(ステップS35:YES)、タイマー162により計時を開始し(ステップS36)、さらに、検出温度が160[℃]に達した時点で(ステップS37:YES)、上記計時を終了する(ステップS38)。
そして、フラグNの値が「1」の場合(ステップS39:YES)、計時時間を出荷時基準昇温時間として不揮発性メモリー165に保存する(ステップS40)。
さらに、出荷時基準昇温時間からROM163に記憶されている基準昇温時間を差し引いた昇温時間差を求め、以下に示す定格消費電力修正テーブルを参照して、上記昇温時間差からヒーター131aの定格消費電力の現実の値(以下、「定格消費電力の現実値」という。)を求めて(ステップS41)、以後、出荷時基準昇温時間を基準昇温時間とみなし(ステップS42)、本消費電力精度向上処理を終了して、メインルーチンにリターンする。
図9は、定格消費電力修正テーブルの内容を示す図であり、補正テーブルAと同様の方法で実験により作成されたものである。
但し、補正テーブルAでは、昇温時間差と補正係数との組が記載されていたが、定格消費電力修正テーブルでは、補正係数の代わりに、当該補正係数に定格消費電力(設計値)を乗じて得られる定格消費電力の現実値(准基準消費電力)が示されている。
フラグNの値が「1」のときにおける計時時間が、例えば、11.5[sec]であったとする。
基準昇温時間は11[sec]であるため、11.5[sec]から11[sec]を減じると、0.5[sec]となる。
定格消費電力修正テーブルには、出荷時基準昇温時間から基準昇温時間を減じた値が0.5[sec]となっているときに対応する定格消費電力の値は示されていないが、この時間差が、0.0[sec]と1.0[sec]のときに対応する定格消費電力の値が存在し、各昇温時間差に対応する定格消費電力の値が、それぞれ1000[W]と960[W]となっている。
これらの値を線形補完することにより、出荷時基準昇温時間−基準昇温時間の値が0.5[sec]となっている場合に対応する、定格消費電力の現実値として、980[W]という値を得る。
つまり、入力電圧が設計値の100[V]になっているにもかかわらず、出荷時基準昇温時間(准基準昇温指標値)が基準昇温時間よりも0.5[sec]長くなっているということは、その分、実機に搭載されているヒーター131aの加熱能力、即ち、定格消費電力の現実値が設計値の1000[W]よりも低くなっているということであり、本実施形態では、定格消費電力修正テーブルにより、その値が980[W]となっていることがわかる。
図8に戻って、フラグNの値が「1」ではない場合、即ち、「0」の場合(ステップS39:NO)、プリンター1が市場の環境下で使用されている場合なので、計時時間を実機基準昇温時間として不揮発性メモリー165に保存する(ステップS43)。
そして、ROM163に記憶されている基準昇温時間をこの実機基準昇温時間から減じることにより昇温時間差を求め、図5に示す補正テーブルAを参照して、当該昇温時間差から補正係数kを求めて(ステップS44)、本消費電力精度向上処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
以下、具体的な例を挙げて、消費電力精度向上処理を説明する。
例えば、実機基準昇温時間が、13[sec]であり、出荷検査時の定着ローラー131の昇温傾向から求められた基準昇温時間および見直されたヒーター131aの定格消費電力が、それぞれ上述した11.5[sec]および980[W]であるとすると、昇温時間差は、13[sec]−11.5[sec]=1.5[sec]となる。
図5に示す補正テーブルAを参照すると、この値に対応する補正係数は、「0.96」であるので、総合消費電力算出処理として実行される図6のステップS36の処理では、この「0.96」を見直された定格消費電力の値である980[W]に乗じ、その結果として得た940[W](小数点以下切り捨て)が、ヒーター131aの実際の消費電力と推定している。
このように、第2の実施形態では、ヒーター131aの加熱性能の個体差に起因する定格消費電力の設計基準値からのずれを考慮して、定格消費電力値の見直しを図ると共に、当該ヒーター131aを用いて取得しなおした出荷時基準昇温時間を基準昇温時間の代わりに用いることにより、より現状に合ったヒーター131aの消費電力の補正が行えるので、消費電力の推定精度が第1の実施形態に係るプリンター1よりも向上する。
以上のように、第2の実施形態におけるプリンター1では、工場の出荷検査時において、設計上の基準電圧100[V]に厳格に管理された電源電圧に接続され、ウォーミングアップ動作が実行されたときに、出荷時基準昇温時間を検出して、その値を基準昇温時間と比較することにより、プリンター1に装着されたヒーター131aの定格消費電力の現実値(准基準消費電力)を求めると共に、実機基準昇温時間から出荷時基準昇温時間(ステップS41において、出荷時基準昇温時間を基準昇温時間とみなしている。)を減じて得た昇温時間差から補正係数を求めて、当該補正係数をヒーター131aの定格消費電力の現実値に乗じることにより、プリンター1の使用環境下における消費電力をより正確に求めることができる。
(3)第3の実施形態
(3−1)画像形成装置の構成
以下、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターについて説明する。
第3の実施形態に係るプリンター1の構成は、基本的に上記第1の実施形態に係るプリンター1と共通であるが、CPU161で実行される補正係数決定処理に加えて、後述の待機モード補正係数決定処理が実施されると共に、ROM163には、補正テーブルAに加えて、待機時基準昇温時間および補正テーブルBが格納されている点が、第1の実施形態に係るプリンター1とは異なる。
以下では、共通の構成部分には第1の実施形態と同じ符号を付して、その説明は省略するにとどめ、相違する点を中心に説明する。
第1および第2の実施形態では、プリントジョブ実行前に、必ず一度は実行されるウォーミングアップにおいて、50[℃]から160[℃]に至るまでの昇温時間を求め、これに基づきヒーター131aの消費電力を求めていた。
このとき、計時開始点が、プリンター1の動作環境の上限温度である35[℃]以下より15[℃]高い、50[℃]とすることで、環境温度が昇温時間に与える影響を軽減している。
しかしながら、室温が極端に低い場合などでは、ウォーミングアップが開始されたとき、定着ローラー131の周辺の部材は冷え切っているので、ヒーター131aに通電して定着ローラー131を加熱したとしても、周囲の部材に熱が奪われて温度が上昇し難くなっており、設計値通りの加熱能力を有しているヒーター131aに設計値通りの電圧が印加される場合であっても、50[℃]から160[℃]に達する昇温時間が通常よりも長くなる可能性があり、この値をそのまま使用して消費電力を推定すると、誤差が大きくなるおそれがある。
ところで、プリンター1は、上述したように、プリントジョブが実行されてから一定時間経過後に定着ローラー131の温度を定着温度160[℃]よりもやや低い145[℃]から155[℃]の範囲に維持して省電力化を図ると共に、プリントジョブを受け付けたときに、直ちに定着ローラー131の温度を定着温度(160[℃])に復帰させて、ユーザーの待ち時間を軽減する待機モードを備えている。
上記待機モードでは、145[℃]まで降温したことを契機として、ヒーター131aが、位相制御点灯方式により、固定のデューティー比でヒーター131aに電力が供給され、その後、155[℃]に達したことを契機として、ヒーター131aを消灯する制御が繰り返し実施される。
以下、このような温調制御を「待機モード温調制御」という。
図10は、待機モード温調制御時における定着ローラー131の温度変化を示す図である。
制御部6は、同図に示すように、定着ローラー131の温度が145[℃]まで降温したとき、ヒーター131aを点灯させて加熱状態にし、その後、定着ローラー131の温度が155[℃]に達すると、ヒーター131aを消灯して、非加熱状態にする。
このとき、制御部6は、ウォーミングアップ時に適用されたゼロクロス制御点灯方式でヒーター131aを点灯させているのではなく、図11に示すように、位相制御点灯方式であって、ROM163に記憶された固定のデューティー比D(=τ/T)でヒーター131aを点灯させている。
このように位相制御点灯方式を採用するのは、本方式の方が単位時間あたりの加熱量をきめ細かく設定し易く、目的の昇温速度に設定し易いからである。
待機モード温調制御自体は、公知の制御であるため、これ以上の説明は省略する。
発明者らは、この待機モードにおいては、定着ローラー131およびその周辺の部材は、十分に加熱されており、環境温度の定着ローラー131の昇温速度への影響はより少なくなると考え、145[℃]から155[℃]に至る昇温時間(以下、「待機時基準昇温時間」という。)を検出して、新たな補正係数を求めることにより、消費電力の推定値を、より精度の高いものに見直そうと考えた。
つまり、ヒーター131aへの入力電圧が設計値の100[V]に厳格に設定され、さらに、定格消費電力が設計値通りとなっているヒーター131aが搭載されているプリンター1を用いて、待機モードにおける、定着ローラー131の145[℃]から155[℃]までの昇温時間(以下、「待機時基準昇温時間」という。)を計測し、その時間をROM163に記憶させた上で、使用環境下におけるプリンター1において、待機モードに移行した場合には、定着ローラー131の145[℃]から155[℃]までの昇温時間(以下、「待機時実機昇温時間」という。)を計時し、待機時基準昇温時間と待機時実機昇温時間とを比較して、新たな補正係数を求めて、消費電力の推定値を見直そうと考えた。
ここで、上述のデューティー比Dの値は、設計条件下における待機時基準昇温時間が、3[sec]となるように調整されている。
以下、このように待機モードにおいて新たな補正係数を求める処理を「待機モード補正係数決定処理」という。
(3−2)待機モード補正係数決定処理
待機モード補正係数決定処理は、画像形成処理の一環として実施される待機モード温調制御の実行に伴って実行されるサブルーチン処理である。
図12は、待機モード補正係数決定処理の内容を示すフローチャートである。
待機モード補正係数決定処理は、上記待機モード温調制御の開始に伴い開始される処理であって、当該待機モード温調制御が開始されると、プリントジョブが受け付けられたか否かを判断し(ステップS51)、プリントジョブが受け付けられた場合(ステップS51:YES)、待機モード温調制御から定着温度を維持する通常の温調制御に移行するため、本待機モード補正係数決定処理を中止し、メインルーチンにリターンする。
また、プリントジョブが受け付けられていない場合には(ステップS51:NO)、定着ローラー131の温度が145[℃]まで降温して、ヒーター131aが加熱状態となったとき(ステップS52:YES)、計時を開始し(ステップS53)、プリントジョブが受け付けられたか否かを判断し(ステップS54)、プリントジョブが受け付けられた場合には(ステップS54:YES)、計時を中止し(ステップS55)、本待機モード補正係数決定処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
一方、プリントジョブが受け付けられていない場合には(ステップS54:NO)、定着ローラー131の温度が155[℃]に達したか否かを判定し(ステップS56)、155[℃]に達していなければ(ステップS56:NO)、ステップS54以降の処理を繰り返し実行する。
また、155[℃]に達していれば(ステップS56:YES)、計時を終了し(ステップS57)、計時時間を待機時実機昇温時間として、不揮発性メモリー165に格納する(ステップS58)。
そして、ROM163内に格納された補正テーブルB(不図示)と待機時基準昇温時間を参照し(ステップS59)、待機時実機昇温時間から待機時基準昇温時間を差し引いた時間(以下、「待機時昇温時間差」という。)に基づき補正係数を求めて、以降、この値を新たな補正係数とし(ステップS60)、本待機モード補正係数決定処理を終了して、メインルーチンにリターンする。
ここで、補正テーブルBは、待機時昇温時間差から新たに補正係数を求めるためのテーブルである。
図13は、補正テーブルBの内容を示す図である。
補正テーブルBは、基本的には、補正テーブルAと同様の構成であり、昇温時間差の欄311の時間の区切りが1.0[sec]単位ではなく、0.1[sec]刻みになっている点で、補正テーブルAとは異なる。これは、より精度よく補正するためである。
なお、温度センサー133から検出結果を取得する制御部6のサンプリング周期が、20[msec]程度と十分短く設定されているため、このような0.1[sec]単位でも問題なく昇温時間差を求めることができる。
このような待機モードでは、定着ローラー131およびその周辺の部材が、十分な時間をかけて現在の温度に到達しているため、環境温度による昇温速度への影響が非常に小さくなっているものと思われ、待機時実機昇温時間が再現性のあるデータになるものと考えられる。
つまり、待機時実機昇温時間の検出精度としては、待機モード温調制御時の方が高くなると考えられるため、本実施形態では、待機モード温調制御の実施に伴い、新たに補正係数を求めて、以降、この新たな補正係数を用いて、ヒーター131aの消費電力を推定している。
なお、上述のようにヒーター131aが位相制御点灯方式で点灯されている場合には、消費電力を算出する際、補正係数に乗じる定格消費電力の代わりに、位相制御点灯方式で点灯したときの消費電力の設計値(以下、「位相制御時基準消費電力」という。)を用いる必要があることは言うまでもない。
この点については、第1および第2の実施形態に係るプリンター1についても同様である。
位相制御時基準消費電力は、定格消費電力の設計値とデューティー比Dの値から一義的に求めることができ、例えば、図11のV2波形において、サイン波と出力電圧0Vを示す直線で囲まれる面積に対するハッチング部分の面積の割合は、定格消費電力の設計値に対する位相制御時基準消費電力の割合に等しい。
なお、待機モード温調制御は、ウォーミングアップのように、プリントジョブの実行前に必ず行われるものではなく、プリントジョブが実行されてから一定時間経過後に実施されるため、待機モード温調制御が行われるまでは、第1の実施形態に係るプリンター1のように、補正テーブルAにより求められた補正係数を用いてヒーター131aの消費電力を推定するか、もしくは、第2の実施形態に係るプリンター1のように、消費電力精度向上処理により求められた補正係数を用いてヒーター131aの消費電力を推定することとなる。
(4)第4の実施形態
(4−1)画像形成装置の構成
以下、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の一例であるプリンターについて説明する。
第4の実施形態に係るプリンター1の構成は、基本的に上記第3の実施形態に係るプリンター1と共通するが、定着ローラー131を加熱するヒーターの構造が、第3の実施形態におけるヒーター131aと異なると共に、CPU161で実行される補正係数決定処理の内容が第3の実施形態に係るプリンター1と一部異なる。
以下では、共通の構成部分には第3の実施形態と同じ符号を付して、その説明は省略するにとどめ、相違する点を中心に説明する。
第3の実施形態では、ヒーター131aは、フィラメントが電気的に直列的に接続されていたため、通電されると全てのフィラメントが加熱される構成となっていた。
このため、定着ローラー131の回転軸方向の温度分布を変化させることはできなかった。
第4の実施形態におけるプリンター1では、定着ローラー131の中央部を加熱するフィラメントと両端部を加熱するフィラメントとが、電気的に並列接続されており、個別にON・OFFできる構成となっている。
ここで、上述の中央部および両端部は、それぞれ、小サイズの記録シートにプリントする場合に、定着ローラー131が当該シートに接する通紙領域と接しない非通紙領域に対応する。
図14は、このようなヒーター233が装着された定着部130のブロック図であり、定着部130以外の構成は、第3の実施形態におけるプリンター1と同様であるため、図示を省略している。
ヒーター233は、第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bとを有しており、それぞれ定着ローラー131の回転軸方向における中央部と両端部を加熱する。
これにより、小サイズの記録シートを連続的にプリントしたときに問題となる非通紙部における過熱現象を、第2ヒーター233bだけOFFすることにより、軽減することを可能にしている。
ところで、第1〜第3の実施形態では述べていないが、通常、定着ローラー131の表面温度の検出精度を高めるため、通紙領域と非通紙領域のそれぞれの領域ごとに温度センサーが設けられている。
第1〜第3の実施形態において示した温度センサー133は、通紙領域に設けられた温度センサーを示しており、ここで検出された温度を定着ローラー131全体の温度とみなしている。
このようにしても、ヒーター131aは、通紙領域および非通紙領域を含めた定着ローラー131全体を加熱しているため、プリントジョブが実行される前では、通紙領域と非通紙領域の温度差はそれほど生じておらず、ヒーター131aの消費電力を求める上では、問題は生じなかった。
なお、第1〜第3の実施形態では、非通紙領域に設けられている温度センサーは、図示が省略されている。
しかしながら、本実施形態では、通紙領域と非通紙領域とを個別に加熱するため、通紙領域と非通紙領域の温度差が大きくなっており、通紙領域に設けられた温度センサーの検出値だけで、第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bの消費電力を推定することには無理が生じる。
よって、本実施形態では、定着ローラー131の通紙領域および非通紙領域の表面温度を検出するために、それぞれ温度センサー133および134が設けられている。
以下では、本実施の形態の理解を容易にするため、温度センサー133のことを第1温度センサー133といい、温度センサー134のことを第2温度センサー134という。
本実施形態のように、第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bが個別にON・OFFされる構成では、各ヒーターの消費電力を推定するには、第3の実施形態で実施した待機モード補正係数決定処理をヒーターごとに実行する必要がある。
このため、第4の実施形態におけるプリンター1では、待機モード温調制御において、第1ヒーター233aのみを点灯させて、定着ローラー131の温度を145[℃]から155[℃]まで昇温した後、第1ヒーター233aを消灯して、定着ローラー131の温度を145[℃]まで降温し、145[℃]に達した時点で、今度は第2ヒーター233bのみを点灯させて、定着ローラー131の温度を145[℃]から155[℃]まで昇温するという一連の動作を繰り返し実施する。なお、このような動作が実行される間に、プリントジョブを受け付けたときには、定着温度に維持する通常の温調制御に移行する。
このような一連の動作に連動して、第4の実施形態におけるプリンター1の制御部6は、以下に示す、待機モード補正係数決定処理を実施する。
図15は、この待機モード補正係数決定処理の実行手順の内容を示すフローチャートである。
CPU161は、待機モード温調制御において、次に点灯させる順番が第1ヒーター233aとなっているか否かを判定し、この順番が第1ヒーター233aとなっている場合には(ステップS71:YES)、変数Uの値を1に設定し(ステップS72)、プリントジョブが受け付けられたか否かを判定する(ステップS73)。
また、上記順番が第1ヒーター233aとなっていない場合、即ち、第2ヒーター233bとなっている場合には(ステップS71:NO)、変数Uの値を2に設定し(ステップS74)、プリントジョブが受け付けられたか否かを判定する(ステップS73)。
ここで、プリントジョブが受け付けられた場合には(ステップS73:YES)、定着ローラー131を定着温度に復帰させるための通常の温調制御が実行されるため、もはや第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bを個別にON・OFFさせることが出来なくなるので、本待機モード補正係数決定処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
一方、プリントジョブが受け付けられていない場合には(ステップS73:NO)、定着ローラー131の温度が145[℃]まで降温したのを契機として、次に点灯させる順番のヒーターが点灯されたとき(ステップS75:YES)、計時を開始し(ステップS76)、再度プリントジョブが受け付けられたか否かを判断して(ステップS77)、プリントジョブが受け付けられた場合には(ステップS77:YES)、計時を中止し(ステップS78)、本待機モード補正係数決定処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
また、プリントジョブが受け付けられていない場合には(ステップS77:NO)、定着ローラー131の温度が155[℃]に達したか否かを判定し(ステップS79)、155[℃]に達していなければ(ステップS79:NO)、ステップS77以降の処理を繰り返し実行する。
また、155[℃]に達していれば(ステップS79:YES)、計時を終了し(ステップS80)、当該計時時間を第(U)待機時実機昇温時間として、不揮発性メモリー165に格納する(ステップS81)。
ここで、Uは、ステップS72またはステップS74において決定された1または2の値のことである。
つまり、ステップS75:YESにおいて加熱されるヒーターが、第1ヒーター233aとなっていれば、Uの値が1となっているので、上記計時時間を第1待機時実機昇温時間として、不揮発性メモリー165に格納し、また、加熱されるヒーターが、第2ヒーター233bとなっていれば、Uの値が2となっているので、上記計時時間を第2待機時実機昇温時間として、不揮発性メモリー165に格納する。
そして、ROM163内に予め記憶されている、第(U)補正テーブルと第(U)基準昇温時間とを参照し(ステップS82)、第(U)昇温時間差=第(U)実機昇温時間−第(U)基準昇温時間にもとづき、第(U)ヒーターの消費電力を求める補正係数を求め(ステップS83)、待機モードにおいて、第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bの両方が加熱されたか否を判断し(ステップS84)、両ヒーターについて、それぞれ新たな補正係数が取得された場合には(ステップS84:YES)、本待機モード補正係数決定処理を終了し、メインルーチンにリターンする。
また、両ヒーターについて、それぞれ新たな補正係数が取得されていない場合には(ステップS84:NO)、ステップS71以降の処理を繰り返し実施する。
ここで、第(U)基準昇温時間とは、電源電圧が設計値通り(本実施の形態では、100V)となっており、かつ、第(U)ヒーターの定格消費電力が設計値通りとなっているときに、待機モードにおいて、第(U)ヒーターが非加熱状態から加熱状態に移行し、第(U)温度センサーの検出温度が145℃から155℃までの変化に要する時間のことである。
待機モードにおいて、制御部6は、第(U)ヒーターを位相制御点灯方式で点灯しており、このとき適用されるデューティー比Dは、第(U)ヒーター固有の値となっている。
このため、上記待機モードにおける第(U)ヒーターの消費電力(以下、「待機モード基準消費電力」という。)は、定格消費電力よりも当然低くなるが、その値は、電源電圧とデューティー比が厳格に決められていることで、一義的に定まる。
本実施形態では、第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bの待機モード基準消費電力を、それぞれ第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bの基準消費電力とみなして、消費電力を推定しており、この推定に必要な新たな補正係数を求めるためのテーブルが、第1および第2補正テーブルとなっている。
新たな補正係数を用いて、第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bそれぞれの消費電力を推定する処理については、図6に示す総合消費電力算出処理の内容と同様であり、同図のステップS26において実施していたヒーター131aの消費電力の算出を、第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bごとに実施すればよいだけであるので、これ以上の説明は省略する。
また、第(U)補正テーブルについても、第3の実施形態で説明した、補正テーブルBと同様のテーブルであるため説明を省略する。
なお、ウォーミングアップでは、迅速に定着ローラー131を昇温させる必要性から、第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bを同時に加熱するため、第1から第2の実施形態で説明したヒーター131aとみなして、消費電力を推定することができる。
なお、第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bを個別に点灯したときに、待機モード補正係数決定処理が完了しておらず、それぞれの補正係数が求められていない場合には、各ヒーターの位相制御時基準消費電力を消費電力として推定する。
以上のように、第4の実施形態では、個別にON・OFF可能な第1ヒーター233aおよび第2ヒーター233bを定着ローラー131の熱源として用いる場合、それぞれのヒーターの補正係数を求めて、それぞれのヒーターの消費電力を推定しているので、消費電力に推定誤差を小さく抑えることができる。
<変形例>
(1)上記実施形態では、ハロゲンランプなどのヒーターを用いて定着ローラーを加熱する構成を例にして説明を行ったが、これに限らず、例えば、電気抵抗を有する無端状の抵抗発熱ベルトの内側に定着ローラーを遊挿し、当該抵抗発熱ベルトを介して、加圧ローラーで定着ローラー押圧することにより定着ニップを形成し、上記抵抗発熱ベルトの回転軸方向の両端に電位差を設けることにより電流を流して発熱させる、いわゆる抵抗発熱方式の定着器に対して、第1から第3の実施形態において記載したプリンター1の消費電力を推定する構成を適用しても構わない。
また、場合によっては、常温において磁性を有する無端状のベルトの内側に定着ローラーを遊挿し、当該ベルトを介して、加圧ローラーで定着ローラー押圧することにより定着ニップを形成するプリンターであって、上記ベルトに向けて交番磁界を発生させて誘導加熱するいわゆる誘導加熱方式のヒーターを採用するものに対して、第1から第4の実施形態におけるプリンター1における消費電力を推定する構成を適用しても構わない。
このように、定着器における加熱対象としては、ローラーの他にベルトを含んでもよく、要するに、回転しつつ加熱される加熱回転体であれば、どのようなものであってもよい。
(2)上記実施の形態では、月単位で、装置全体の消費電力、消費電力量を操作パネル7に表示するとしたが、これに限るものではなく、例えば、月毎に最大消費電力の履歴を表示してもよく、要するに、少なくともヒーター131aの消費電力に基づく情報が表示されていればよい。
さらに、これらの情報を操作パネル7に表示する代わりに、例えば、通信I/F部166を介して、外部のパソコンなどに出力してもよい。
また、プリンター1にスピーカーなどが設けられている場合には、上述の情報を音声で出力してもよく、要するに、ユーザーが認識できる方法で情報が出力できればそれでよい。
(3)上記実施の形態における、補正テーブルAおよびBは、昇温時間差と補正係数の組が複数示されていたが、これに限らない。
例えば、補正テーブルAであれば、昇温時間差の代わりに実機昇温時間が直接示されており、また、補正テーブルBであれば、待機時実機昇温時間が直接示されていてもよい。
また、このような昇温時間をキーにして補正係数を求めるテーブルではなく、例えば、単位時間あたりの上昇温度をキーにして補正係数を求めるテーブルであってもよい。
このように、補正テーブルAおよびBにおいて、単位時間あたりの上昇温度が示されている場合、市場において使用されるプリンター1も、定着ローラー131の単位時間あたりの上昇温度を取得することになる。
この他にも、例えば、補正テーブルAであれば、昇温時間差の代わりに、基準昇温時間に対する実機昇温時間の比を示してもよく、または、補正テーブルBであれば、昇温時間差の代わりに、待機時基準昇温時間に対する待機時実機昇温時間の比を示してもよく、要するに、昇温速度を指標する指標値が示されていればよい。
また、補正テーブルAおよびBは、補正係数を求めるためのテーブルであったが、補正係数を求める代わりに、プリンター1の使用環境における消費電力を直接求めるテーブルとしてもよく、この場合、補正係数の代わりに使用環境下における消費電力が示されることとなる。
この場合、定格消費電力をROM163に記憶させる必要がなく、要するに、補正テーブルAおよびBは、実機昇温時間を使用環境下におけるヒーターの消費電力に対応づける情報を有しておりさえすればよい。
(4)上記実施形態では、ウォーミングアップにおいて、ヒーター131aをゼロクロス制御点灯方式するとしたがこれに限らず、例えば、位相制御点灯方式においてデューティー比Dの値を大きくした状態でヒーター131aを点灯させてもよい。
この場合、定格消費電力に代えて、上記デューティー比Dで点灯させたときの設計上の消費電力を定格消費電力とみなして、ヒーター131aの消費電力を推定する必要がある。
(5)第2の実施形態では、定格消費電力修正テーブルでは、出荷時基準昇温時間−基準昇温時間の昇温時間差に対応する値として、定格消費電力そのものの値が示されていたが、定格消費電力の設計値に対する割合を示してもよい。
(6)上記第2実施形態では、工場の出荷検査時のウォーミングアップ動作において得た出荷時基準昇温時間と基準昇温時間とを比較することにより、プリンター1に装着されたヒーター131aの定格消費電力の現実値、即ち、准基準消費電力を求めていた。
ところで、ヒーター131aは、消耗品であるため定期的に交換されるものであり、このような交換が行われると、工場の出荷検査時に得たヒーター131aの准基準消費電力の値は、意味のないものになってしまう。
このため、ヒーター131aが交換された以降は、第1の実施形態と同様の消費電力の推定を行うことが望ましい。
つまり、ヒーター131aが交換された後は、准基準消費電力を基準消費電力とみなすこと、および、出荷時基準昇温時間を基準昇温時間とみなすことを、いずれも保留することが望ましい。
ここで、ヒーター131aが交換されたことを検出する構成としては、例えば、以下のような構成が考えられる。
即ち、交換のために定着ローラー131の内部に挿入されているヒーター131aを引き出す際、当該ヒーター131aと干渉して、上記引き出し動作を阻害するような回動自在な回動部材を設けておき、当該回動部材がヒーター131aと干渉する第1の姿勢から干渉しない第2の姿勢へと姿勢変更可能な構成とすると共に、第1の姿勢のときにのみに上記回動部材に接触するリミットスイッチを設けておき、このリミットスイッチの上記接触状態が解除されたときに、ヒーター131aが交換された旨を示す信号を制御部6のCPU161に出力する構成としてもよい。なお、上記回動部材に代えて、スライド自在な部材を設けても構わない。
もしくは、通常、このようなヒーター131aの交換作業はサービスマンが行うため、操作パネル7を介して、サービスマンからヒーター131aが交換されたことを示す情報を受け付けてもよい。
(7)上記実施形態では、定着ニップ部を形成するために、定着ローラーと加圧ローラーとを圧接させていたが、これに限らない。
例えば、加圧ローラーの代わりに、表面が低摩擦材料などで覆われた加圧パッドなどを定着ローラーに圧接させる構成としてもよく、要するに、定着ローラーを加圧する加圧部材としては、表面に適当な摺動性を有して加圧できるものであれば、どのようなものであってもよい。
(8)なお、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られず、モノクロ式プリンターに適用してもよく、要するに、定着装置を備える画像形成装置一般に適用することができる。
また、上記実施形態および上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
本発明は、ヒーターで加熱される加熱回転体の外周面に加圧部材を押圧して定着ニップ部を形成し、未定着画像の形成されたシートを当該定着ニップに通紙して熱定着する定着器と、上記ヒーターの消費電力を求めてこの情報を出力する機能を備える画像形成装置に広く適用することができる。
1 プリンター
5 電源ユニット
6 制御部
7 操作パネル
10 画像形成部
11 作像ユニット
12 感光体ドラム
20 給紙部
30 定着部
31 排出ローラー
32 排紙トレイ
131 定着ローラー
131a ヒーター
131 定着ローラー
132 加圧ローラー
133、134 温度センサー
151 ゼロクロス検知回路
152 AC/DCコンバーター
153 DC/DCコンバーター
154 トライアック
161 CPU
162 タイマー
163 ROM
164 RAM
165 不揮発性メモリー
166 通信I/F部

Claims (8)

  1. ヒーターを加熱する加熱状態と、ヒーターの加熱を停止する非加熱状態とを切り換えて加熱回転体を温調し、当該加熱回転体の周面に加圧部材を押圧して定着ニップを形成して、当該定着ニップに通紙される記録シート上のトナー像を熱定着する定着器を有する画像形成装置において、
    設計上の基準値として定められた前記ヒーターの基準消費電力と、当該基準消費電力で前記ヒーターの加熱状態を継続したときの前記加熱回転体の昇温特性を指標する基準昇温指標値とを記憶する記憶手段と、
    装置の使用環境下における電源電圧用いてヒーターの加熱状態を継続して前記加熱回転体を昇温させたときの昇温特性を指標する実機昇温指標値を取得する実機昇温指標値取得手段と、
    前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との比較結果と前記基準消費電力に基づき、使用環境下におけるヒーターの消費電力を推定する推定手段と、
    前記推定手段による推定結果を出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記推定手段は、
    前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との比較値と、前記基準消費電力に対する補正係数とを対応付けたテーブルを保持し、
    前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との比較結果からテーブルを参照して対応する補正係数を取得して、当該取得した補正係数を用いて前記基準消費電力を実際のヒーターの消費電力に換算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 使用する電源電圧を設計上の基準電圧に維持した特定の条件下で、前記ヒーターの加熱状態を継続して前記加熱回転体を昇温させたときの昇温特性を指標する特定条件下昇温指標値を取得する特定条件下昇温指標値手段をさらに備え、
    前記推定手段は、
    前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との第1の比較結果もしくは、前記特定条件下昇温指標値と実機昇温指標値との第2の比較結果とを選択的に適用して、使用環境下におけるヒーターの消費電力を推定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記ヒーターは、交換可能であって、
    前記定着器が交換されたことを示す情報を取得する交換情報取得手段を有し、
    前記推定手段は、
    装置納品後最初にヒーターが交換されるまでは、前記第2の比較結果を用いて使用環境下におけるヒーターの消費電力を推定し、
    最初のヒーターが交換された後は、前記第1の比較結果を用いて使用環境下におけるヒーターの消費電力を推定する
    ことを特徴する請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記昇温特性は、
    ヒーターの加熱状態を継続した場合に、前記加熱回転体が、第1の温度から第1の温度より高い第2の温度に到達するまでに要する時間によって指標される
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 第1および第2の温度は、ウォーミングアップ時における前記加熱回転体の温度制御範囲内に存することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. ウォーミングアップ後、前記加熱回転体の温度を環境温度よりも高く、かつ、定着温度より低い所定の温度範囲内に維持する待機モードを実行する制御手段を有し、
    前記第1および第2の温度は、前記待機モード時における前記所定の温度範囲内に存することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記ヒーターは、個別に給電可能な複数のサブヒーターからなり、
    前記記憶手段は、各サブヒーターにごとに基準消費電力と基準昇温指標値とを記憶しており、
    実機昇温指標値取得手段は、前記サブヒーターを順次加熱状態にして、それぞれに対応する実機昇温指標値を取得し、
    前記推定手段は、前記サブヒーターごとに、それぞれに対応する前記基準昇温指標値と実機昇温指標値との比較結果と前記基準消費電力に基づいて、前記使用環境下における前記ヒーターの消費電力を推定することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017032641A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 ブラザー工業株式会社 画像形成装置、定着部の制御方法、および、コンピュータプログラム
JP2020064213A (ja) * 2018-10-18 2020-04-23 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および画像形成装置の制御方法

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