JP2014085573A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】FPOTを延長させることなく省エネルギー性を向上できるようにする。
【解決手段】記録材に画像を形成する画像形成部Aと、回転可能な筒状の定着部材20と前記定着部材を加熱する加熱体16と前記定着部材と共にニップ部Nを形成する回転可能な加圧部材22とを有し、画像Tが形成された記録材Pを前記ニップ部で搬送しながら加熱し記録材に画像を定着する定着部Bと、を有し、プリント待機状態において前記加熱体に電力を供給し前記定着部材を所定の制御温度に維持しながら待機させる定着スタンバイ制御モードを実行する画像形成装置において、前記定着スタンバイ制御モードを実行する際、前記加熱体の制御温度を、前記定着スタンバイ制御モードを実行しているときの前記加熱体の消費電力量が小さい時は大きい時よりも低く設定することを特徴とする。
【選択図】図5
【解決手段】記録材に画像を形成する画像形成部Aと、回転可能な筒状の定着部材20と前記定着部材を加熱する加熱体16と前記定着部材と共にニップ部Nを形成する回転可能な加圧部材22とを有し、画像Tが形成された記録材Pを前記ニップ部で搬送しながら加熱し記録材に画像を定着する定着部Bと、を有し、プリント待機状態において前記加熱体に電力を供給し前記定着部材を所定の制御温度に維持しながら待機させる定着スタンバイ制御モードを実行する画像形成装置において、前記定着スタンバイ制御モードを実行する際、前記加熱体の制御温度を、前記定着スタンバイ制御モードを実行しているときの前記加熱体の消費電力量が小さい時は大きい時よりも低く設定することを特徴とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に関する。
電子写真式の複写機やプリンタは、記録材にトナー画像を形成する画像形成部と、未定着トナー画像が形成された記録材を挟持搬送しつつ加熱して記録材に未定着トナー画像を定着する定着部(以下、定着装置と記す)などを有している。この定着装置として、ハロゲンヒータを内包した筒状の定着ローラと加圧ローラを用いた熱ローラ方式の定着装置の他に、定着装置の省電力化を実現できるフィルム加熱方式の定着装置が知られている。
特許文献1には、セラミック製のヒータを用いたフィルム加熱方式の定着装置が記載されている。このタイプの定着装置は、耐熱樹脂や金属をベースにした低熱容量の定着スリーブと、その定着スリーブの内面に接触摺動するセラミック等からなるヒータと、定着スリーブを介してヒータと共にニップ部を形成する加圧ローラを有している。
特許文献2には、電磁誘導加熱を用いたフィルム加熱方式の定着装置が記載されている。このタイプの定着装置は、金属をベースにした低熱容量の定着スリーブと、定着フィルムに渦電流を発生させその時のジュール熱によって定着フィルムを発熱させる励磁コイルと、定着スリーブと共にニップ部を形成する加圧ローラを有している。
上記のようなフィルム加熱方式の定着装置は、ニップ部周辺を集中的に加熱しうる構成のため、熱ローラ方式の定着装置に対して、省電力化やウェイトタイム短縮化(クイックスタート性)が可能である。近年では、熱ローラ方式の定着装置においても、定着ローラや加圧ローラ等の構成部材を低熱容量化することによって、省電力とウェイトタイム短縮化が図られている。
また、上記定着装置の制御方法として、プリント待機状態(以下、スタンバイ状態もしくはスタンバイ時と記す)において定着装置に対して予備加熱を行なうことにより、ファーストプリントアウトタイム(FPOT)の短縮を実現する提案がなされている。ここで、FPOTとは、プリント指令の入力後、1枚目の画像を出力するまでの時間をいう。
例えばセラミック製のヒータを用いたフィルム加熱方式の定着装置におけるスタンバイ制御方法としては、スタンバイ時に加圧ローラと定着スリーブの回転を停止させ、ヒータの温度を所定のスタンバイ温度に保っておく。これによりプリント開始から定着可能温度まで短時間で立ち上げてFPOTを短縮することができる。
また、電磁誘導加熱を用いたフィルム加熱方式の定着装置におけるスタンバイ制御方法として、特許文献3に記載された方法が知られている。特許文献3では、装置のスタンバイ時に定着スリーブの予備回転及び予備加熱を行なうことにより、定着スリーブ及び加圧ローラを短時間で定着可能温度まで加熱するという技術が提案されている。
FPOTは、画像形成装置の画像形成時間と、記録材の搬送時間、更に定着装置の温度立上げ時間によって決まる。画像形成時間や、定着装置までの記録材搬送時間よりも定着装置の温度立上げ時間のほうが長い場合、FPOTはその分だけ延長する必要があるため、最短のFPOTを満足するために定着装置の立上げ時間をなるべく短くする必要がある。
これを達成するためにはスタンバイ温度を定着可能温度に近い温度に設定すればよい。しかし、印刷動作以外において定着装置を過度な高温状態に保つことは余計な電力を消費するため省エネルギー性の観点から好ましくない。また定着スリーブに過度の熱を与えることは定着スリーブを構成するゴム等の劣化を早めることにつながるため耐久性の観点から好ましくない。スタンバイ時の温度制御としては、必要最小限の熱を加えることにより省エネルギー性とFPOTを両立させることが好ましい。
しかしながら、従来のスタンバイ時における温度制御においては、ヒータあるいは定着スリーブや加圧ローラの一部に配置されたサーミスタ等の温度検知素子が一定の温度になるように制御していた。その制御温度は、スタンバイ状態から定着可能温度まで立ち上げるために最も多くの熱量(電力量)が必要な状態、すなわち定着装置全体としての最も冷たい状態からでもFPOTを満足できる温度レベルに設定されていた。
上記のように制御温度を設定した場合、定着装置全体として十分に温かいときはスタンバイ状態からの温度立上げ時間が短いため、FPOTに対して余裕がある。すなわち、定着装置全体の温まり具合によっては、定着装置の温度立上げ時において必要以上に過剰な熱を供給してしまう場合があった。
本発明の目的は、FPOTを延長させることなく省エネルギー性を向上できるようにした画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の構成は、記録材に画像を形成する画像形成部と、回転可能な筒状の定着部材と、前記定着部材を加熱する加熱体と、前記定着部材と共にニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、を有し、画像が形成された記録材を前記ニップ部で搬送しながら加熱し記録材に画像を定着する定着部と、を有し、プリント待機状態において前記加熱体に電力を供給し前記定着部材を所定の制御温度に維持しながら待機させる定着スタンバイ制御モードを実行する画像形成装置において、前記定着スタンバイ制御モードを実行する際、前記加熱体の制御温度を、前記定着スタンバイ制御モードを実行しているときの前記加熱体の消費電力量が小さい時は大きい時よりも低く設定することを特徴とする。
本発明によれば、FPOTを延長させることなく省エネルギー性を向上できるようにした画像形成装置の提供を実現できる。
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対的な位置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲を以下の形態に限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
(1)画像形成装置10の全体構成
図1は画像形成装置10の一例の概略構成を表わす横断面図である。この画像形成装置10は電子写真式のフルカラーレーザービームプリンタ(多色画像形成装置)である。
(1)画像形成装置10の全体構成
図1は画像形成装置10の一例の概略構成を表わす横断面図である。この画像形成装置10は電子写真式のフルカラーレーザービームプリンタ(多色画像形成装置)である。
本実施例に示す画像形成装置10は、画像情報に基づいて記録材Pに画像を形成する画像形成部Aと、記録材Pに形成された画像を記録材に定着する定着部(以下、定着装置と記す)Bなどを有している。
画像形成部Aは、イエロー色の画像を形成する画像形成ステーション7Yと、マゼンタ色の画像を形成する画像形成ステーション7Mを有している。更に、シアン色の画像を形成する画像形成ステーション7Cと、ブラック色の画像を形成する画像形成ステーション7Kなどを有している。これらの4つの画像形成ステーション7Y,7M,7C,7Kは一定の間隔をおいて一列に配置されている。
本実施例の画像形成装置10は、画像形成装置の主電源が投入されプリント指令の入力を待っているプリント待機状態において制御部(不図示)がホストコンピュータなどの外部装置からプリント指令を入力すると、制御部は画像形成制御シーケンスを実行する。制御部はCPUとROMやRAMなどのメモリからなり、メモリには画像形成制御シーケンスや画像形成に必要な各種プログラムなどが記憶されている。
制御部は、画像形成制御シーケンスを実行すると、まず駆動モータ(不図示)を回転駆動する。これにより各画像形成ステーション7Y,7M,7C,7Kに設けられた像担持体としての電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)1が所定の周速度(プロセススピード)で矢印方向へ回転される。同様に、駆動ローラ30a、二次転写対向ローラ30b、及びテンションローラ30cに巻き掛けられた中間転写ベルト29も感光体ドラム1と同じ周速度で矢印方向へ回転される。
画像形成ステーション7Yにおいて、帯電ローラ2は感光体ドラム1の外周面(表面)を所定の極性・電位に一様に帯電する(帯電工程)。次に感光体ドラム1表面の帯電面に対し、スキャナユニット(露光装置)3から照射されたレーザービームによる走査露光が施され(露光工程)、感光体ドラム1表面の帯電面に静電潜像が形成される。
この静電潜像は現像装置4に収納されているイエロートナーを用いて現像ローラ5により現像され(現像工程)、感光体ドラム1表面にイエロー色のトナー画像が形成される。
画像形成ステーション7M,7C,7Kにおいても同様の帯電工程、露光工程、現像工程の画像形成プロセスが行なわれる。これにより、画像形成ステーション7Mの感光ドラム1表面にマゼンタ色のトナー画像が、画像形成ステーション7の感光ドラム1表面にシアン色のトナー画像が、画像形成ステーション7Kの感光ドラム1表面にブラック色のトナー画像が、それぞれ、形成される。
イエロー色のトナー画像は中間転写ベルト29の外周面(表面)と1次転写ローラ8の外周面(表面)とで形成された1次転写ニップ部で1次転写ローラ8に所定の転写バイアスが印加される。これによりイエロー色のトナー画像は感光体ドラム1表面から中間転写ベルト29表面に転写される(転写工程)。
画像形成ステーション7M,7C,7Kにおいても同様の転写工程の画像形成プロセスが行なわれる。これにより、マゼンタ色のトナー画像は感光体ドラム1表面からイエロー色のトナー画像と重ね合わせて転写される。シアン色のトナー画像は感光体ドラム1表面からマゼンタ色のトナー画像と重ね合わせて転写される。ブラック色のトナー画像は感光体ドラム1表面からシアン色のトナー画像と重ね合わせて転写される。
一方、給送カセット11からピックアップローラ13で繰り出された記録材Pはフィード・リタードローラ対14により1枚毎に分離される。そしてこの記録材Pはレジストローラ15によって所定のタイミングで中間転写ベルト29表面と二次転写ローラ31の外周面(表面)とで形成された2次転写ニップ部に搬送される。この記録材Pは2次転写ニップ部で中間転写ベルト29表面と二次転写ローラ31表面とで挟持搬送され、その搬送過程で二次転写ローラ31に転写バイアスが印加される。これにより中間転写ベルト29表面のフルカラーの未定着トナー画像は記録材Pに一括して転写される。
フルカラーの未定着トナー画像を担持した記録材Pは定着装置Bに搬送される。そしてこの記録材Pは定着装置Bの後述する定着ニップ部Nで挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上のフルカラーの未定着トナー画像は記録材に定着される。定着ニップ部Nを出た記録材Pは排出ローラ対32により排出トレイ33上に排出される。
トナー画像転写後の感光体ドラム1表面は感光体ドラム1表面に残る転写残りトナーがクリーニングブレード6によりクリーニングされて次の画像形成に供される。
本実施例の画像形成装置10における記録材Pの通紙可能幅は記録材搬送方向と直交する長手方向において76mm〜297mmである。また本実施例の画像形成装置10における記録材Pの通紙基準は、記録材Pの長手方向幅の中央と記録材Pの通紙可能幅の中央を一致させて搬送する中央搬送基準である。
(2)定着装置B
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。長手幅とは長手方向の寸法である。短手幅とは短手方向の寸法である。
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。長手幅とは長手方向の寸法である。短手幅とは短手方向の寸法である。
図2は本実施例に係る定着装置Bの概略構成を表わす横断面図である。この定着装置Bは、フィルム加熱方式の加圧ローラ駆動方式(テンションレスタイプ)の定着装置である。図3はセラミックヒータの説明図であって、(a)はセラミックヒータの概略構成を表わす横断面図、(b)はセラミックヒータの定着スリーブ非摺動面側からの正面図である。
本実施例に示す定着装置Bは、板状のヒータであるセラミックヒータ(加熱体(熱源))16と、ヒータホルダ(加熱体支持部材)17と、回転可能な筒状の定着スリーブ(定着部材)20と、加圧ローラ(加圧部材)22などを有している。セラミックヒータ16と、ヒータホルダ17と、定着スリーブ20と、加圧ローラ22は、何れも長手方向に長い部材である。
1)定着装置Bの全体構成
ヒータホルダ17は、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有する部材である。このヒータホルダ17は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で横断面略半円弧状樋型に形成されている。そしてこのヒータホルダ17の短手方向中央で長手方向に沿って形成した溝部によりセラミックヒータ16を支持している。更にこのヒータホルダ17の短手方向両側で長手方向に沿って設けられ弧状の外側面で定着スリーブ20をガイドする役割を果たすようになっている。本実施例においては、液晶ポリマーとして、住友化学社製のスミカスーパーE5204L(商品名)を使用した。
ヒータホルダ17は、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有する部材である。このヒータホルダ17は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で横断面略半円弧状樋型に形成されている。そしてこのヒータホルダ17の短手方向中央で長手方向に沿って形成した溝部によりセラミックヒータ16を支持している。更にこのヒータホルダ17の短手方向両側で長手方向に沿って設けられ弧状の外側面で定着スリーブ20をガイドする役割を果たすようになっている。本実施例においては、液晶ポリマーとして、住友化学社製のスミカスーパーE5204L(商品名)を使用した。
セラミックヒータ16は、細長いセラミック製の基板上に通電により発熱する抵抗発熱体層(抵抗発熱体)を配設した部材であり、後述のヒータ駆動回路21から電力が印加されることにより発熱するようになっている。このセラミックヒータ16は下記のi)〜vi)の部材を有している。
i)細長いセラミック製基板(以下、基板と記す)41。本実施例では、基板41の長手幅を370mm、短手幅を10mm、厚みを0.6mmとしている。
ii)電流が流れることにより発熱する銀パラジウム(Ag/Pd)等を含んだ導電ペーストを、基板41の片面(非定着スリーブ摺動面)の長手方向に沿ってスクリーン印刷により線状あるいは帯状に塗工した2つの抵抗発熱体層42,43。本実施例では、抵抗発熱体層42,43の厚みを10μm程度、短手幅を1mm程度、長手幅を303mmとしている。
iii)2つの抵抗発熱体層42,43に給電するための給電パターンとして、同じく基板41の片面に銀ペースト等のスクリーン印刷によりパターン形成した2つの電極部44a,44b。
iv)2つの抵抗発熱体層42,43を電気的に接続する導電パターンとして、同じく基板41の片面に銀ペースト等のスクリーン印刷によりパターン形成した導電部47。
v)2つの抵抗発熱体層42,43の保護と絶縁性を確保するための厚み30〜100μm程度の薄肉のガラスコート45。
vi)基板41の他の片面(定着スリーブ摺動面)において定着スリーブ20の内周面(内面)と接触する領域に設けたポリイミド等からなる摺動層46。
セラミックヒータ16の電極部44a,44bには給電用コネクタ(不図示)が装着される。そしてこの給電用コネクタにヒータ駆動回路(図4参照)21から給電されることによりセラミックヒータ16の抵抗発熱体層42,43が発熱してセラミックヒータ16は迅速に昇温する。
定着スリーブ20は、定着スリーブ20の基材(不図示)としての筒状のベルト状部材に弾性層(不図示)を設けてなるエンドレスベルト状の部材である。具体的には、基材として内径が24mm、厚み30μmの筒状に形成したSUS等の金属エンドレスベルト(ベルト基材)を用いている。そしてこの金属エンドレスベルトの外周面上に、厚み約300μmのシリコーンゴム層(弾性層)を形成している。更にそのシリコーンゴム層の外周面上に、厚み30μmのPFA樹脂チューブ(最表層(離型層))を被覆したものである。
定着スリーブ20の長手方向の外径形状について、本実施例においてはストレート形状のものを用いたが、端部外径と中央外径に差をつけた逆クラウン形状のものを用いてもよい。
加圧ローラ22は、ステンレス製の芯金22aの長手方向両端部の軸部間の外周面上に、射出成形により、弾性層として厚み約3mmのシリコーンゴム層22bを形成している。そしてこのシリコーンゴム層22bの外周面上に、離型層として厚み約40μmのPFA樹脂チューブを被覆したものである。本実施例における加圧ローラ22の外径を25mmとした。この加圧ローラ22は、芯金22aの長手方向両端部の軸部が定着装置Bの装置フレーム24の奥側と手前側の側板(不図示)に軸受(不図示)を介して回転可能に支持されている。
本実施例の定着装置Bは、セラミックヒータ16の摺動層46が定着スリーブ20内面側となるようにセラミックヒータ16を支持したヒータホルダ17に定着スリーブ20をルーズに外嵌させて定着スリーブユニットを形成している。この定着スリーブユニットはセラミックヒータ16側を下向きにして加圧ローラ22の上側に加圧ローラ22と並行に配置されている。
この定着スリーブユニットのヒータホルダ17の長手方向両端部は不図示の加圧機構により、最大で片側147N(15kgf)、総圧294N(30kgf)の力で定着スリーブ20の母線方向と直交する垂直方向に加圧されている。その加圧力を定着スリーブ20を介して加圧ローラ22が受けてシリコーンゴム層22bを弾性変形させることにより、定着スリーブ20の外周面と加圧ローラ22の外周面(表面)とで所定の短手幅の定着ニップ部(ニップ部)Nを形成している。
図2において、符号18は定着スリーブ20の温度を検出するためのサーミスタ(温度検知部材)である。本実施例においてサーミスタ18(以下、スリーブサーミスタ18と記す)は熱検出部を定着スリーブ20内面と接触するように配設してある。このスリーブサーミスタ18は、定着スリーブ20内面の温度情報をヒータ駆動回路21に出力するようになっている。
符号19はセラミックヒータ16の温度を検出するためのサーミスタ(温度検知部材)である。本実施例においてサーミスタ19(以下、ヒータサーミスタ19と記す)はセラミックヒータ16の片面における長手方向中央に配設してある。このヒータサーミスタ19は、セラミックヒータ16の温度情報をヒータ駆動回路21に出力するようになっている。
符号21はセラミックヒータ16の抵抗発熱体42,43への印加電力を制御するヒータ駆動回路(加熱体駆動手段)である。ヒータ駆動回路21は、通電制御部211と、トライアック212と、交流電源213などを有している。
通電制御部211はCPUとROMやRAMなどのメモリからなり、メモリには後述する定着スタンバイ制御モードやトライアック212の制御に必要な各種プログラムが記憶されている。この通電制御部211は、スリーブサーミスタ18若しくはヒータサーミスタ19からの温度情報に基づいて、トライアック212をON/OFF制御する。
トライアック212は、通電制御部211からの指令に基づいて、AC電圧を位相制御或いは波数制御等の電力調整制御を行なうことにより、セラミックヒータ16若しくは定着スリーブ20を所定の温度に維持するようになっている。
符号23は装置フレーム24に組付けた入り口ガイドであり、符号26は定着排紙ローラである。入り口ガイド23は、二次転写ニップを出た記録材Pを定着ニップ部Nに正確に導く役割を果たす。この入り口ガイド23は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂により形成されている。定着排紙ローラ26は、定着ニップ部Nを出た記録材Pを排紙ローラ32に正確に導く役割を果たす。
2)定着装置Bの動作
図2を参照して、定着装置Bの動作を説明する。
図2を参照して、定着装置Bの動作を説明する。
プリント指令に応じて上述の駆動モータが回転駆動されることにより加圧ローラ22は矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転される。この加圧ローラ22の回転は定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ22表面と定着スリーブ20表面との摩擦力により定着スリーブ20表面に伝わる。これにより定着スリーブ20は定着スリーブ20内面がセラミックヒータ16の摺動層46と接触しながら加圧ローラ22の回転に追従して矢印方向に回転する。定着スリーブ20内面にはグリスが塗布され、ヒータホルダ17と定着スリーブ20内面との摺動性を確保している。
ヒータ駆動回路21の通電制御部211はプリント指令を入力してトライアック212をONする。これにより交流電源213から給電用コネクタ、電極部44a,44bを介してセラミックヒータ16の抵抗発熱体層42,43に通電される。セラミックヒータ16は、ヒータ駆動回路21からの通電により抵抗発熱体層42,43が発熱して急速に昇温し、定着スリーブ20を定着スリーブ20の内周面側から加熱する。
上述のようにセラミックヒータ16で定着スリーブ20を内周面側から加熱するプリント制御において、通電制御部211は、スリーブサーミスタ18からの温度情報を取り込む。そしてこの温度情報に基づいてトライアック212のON/OFFタイミングを切り替えることにより、定着スリーブ20の温度を所定のプリント温度(以下、スタンバイ温度と記す)に保つように抵抗発熱体層42,43への通電量を制御する。本実施例では、AC電圧波形のゼロクロスから所定の位相角に対応するタイミングで通電させる、いわゆる位相制御により抵抗発熱体層42,43への通電量を制御している。
制御部がモータを回転駆動し、かつ通電制御部211がトライアック212のON/OFFタイミングを切り替えている状態において、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pがプリント指令に応じた枚数分定着ニップ部Nに導入される。定着ニップ部Nに導入された記録材Pは定着スリーブ20表面と加圧ローラ22表面とで挟持されその状態に搬送(挟持搬送)される。この搬送過程において記録材上のトナー画像Tは定着スリーブ20により加熱されて溶融すると共に定着ニップ部Nのニップ圧を受けて記録材上に定着される。
上述のように未定着トナー画像Tを記録材Pに加熱して定着する印刷ジョブにおいては、ヒータ駆動回路21は、スリーブサーミスタ18からの温度情報を取り込む。そしてこの温度情報に基づいてトライアック212のON/OFFタイミングを切り替えることにより、定着スリーブ20の温度をスタンバイ温度よりも高い所定の定着温度(目標温度)に維持するように抵抗発熱体層42,43への通電量を制御する。
未定着トナー画像Tが定着された記録材Pは定着スリーブ20表面から分離し定着排紙ローラ26によって定着装置Bから排出される。
印刷ジョブが終了すると、定着用モータの回転駆動が一旦停止され、定着スタンバイ制御モードに移行する。ここで、定着スタンバイ制御モードとは、プリント待機状態においてセラミックヒータ16に電力を供給し定着スリーブ20を所定のスタンバイ制御温度に維持しながら待機させるモードをいう。
(3)定着スタンバイ制御モードの説明
図5は本実施例の画像形成装置10の定着スタンバイ制御モードのフローチャートである。
図5は本実施例の画像形成装置10の定着スタンバイ制御モードのフローチャートである。
S101では、プリント指令の入力により画像形成制御シーケンスが実行される。定着装置Bにおいては、加圧ローラ22と定着スリーブ20が回転され、セラミックヒータ16への電力投入による温度立上げ工程を経て、印刷ジョブを開始するためのプリント制御が施される。
S102では、印刷ジョブが終了したか否かを判断する。印刷ジョブが終了していない場合(N)にはS101に戻り、印刷ジョブが終了した場合(Y)にはS103に進む。
S103では、定着スタンバイ制御モードに移行し、セラミックヒータ16の温度をスタンバイ温度T0に制御する。定着スタンバイ制御モードでは、加圧ローラ22と定着スリーブ20の回転が停止される。更に、通電制御部211がヒータサーミスタ19の温度情報に基づいてトライアック212のON/OFFタイミングを切り替えることにより、セラミックヒータ16を所定のスタンバイ温度T0に保つように抵抗発熱体層42,43への通電量を制御する。本実施例においてはT0=150℃に設定した。
S104では、次の印刷ジョブのプリント指令を入力したか否かを判断する。次の印刷ジョブのプリント指令を入力した場合にはS101に戻り、プリント指令を入力しない場合にはS105に進む。
S105では、プリント指令を入力しない時間が所定時間tを経過したか否かを判断する。所定時間tを経過していない場合にはS104に戻り、所定時間tを経過した場合にはS106に進む。本実施例においては所定時間t=1分に設定した。
S106では、セラミックヒータ16に印加される電力の電力レベルWを計測する。電力レベルWについては、セラミックヒータ16に対してフル通電すなわち全波通電させたときの電力レベルを100%としたとき、電力レベル計測時の位相角から換算される通電デューティー(電力比率、%)と定義した。ここで、セラミックヒータ16に対してフル通電したときに消費される消費電力量については、画像形成装置10に対する入力電圧や定着装置Bに流れる電流を検知する検知回路(不図示)とセラミックヒータ16の抵抗値設定等によって見積もることができる。
S107では、電力レベルW≧電力レベルWのしきい値(消費電力しきい値)W0を判断する。電力レベルW≧しきい値W0の場合(Y)にはS110に進み、電力レベルW<しきい値W0の場合(N)にはS108に進む。本実施例においてはW0=15%に設定した。
S110では、セラミックヒータ16の温度をスタンバイ温度T0(=150℃)に制御する。S111において、通電制御部211は、ヒータサーミスタ19の温度情報に基づいてトライアック212のON/OFFタイミングを切り替えることにより、セラミックヒータ16をスタンバイ温度T0に保つように抵抗発熱体層42,43への通電量を制御する。
S108では、電力レベルW≧しきい値W1を判断する。電力レベルW≧しきい値W1の場合(Y)にはS111に進み、電力レベルW<しきい値W1の場合(N)にはS110に進む。本実施例においてはW1=10%に設定した。
S111では、セラミックヒータ16の温度をスタンバイ温度T1に制御する。S112において、通電制御部211は、ヒータサーミスタ19の温度情報に基づいてトライアック212のON/OFFタイミングを切り替えることにより、セラミックヒータ16をスタンバイ温度T1に保つように抵抗発熱体層42,43への通電量を制御する。本実施例においてはT1=140℃に設定した。
S109では、電力レベルW≧しきい値W2を判断する。電力レベルW≧しきい値W2の場合(Y)にはS112に進み、電力レベルW<しきい値W2の場合(N)にはS113に進む。本実施例においてはW2=7%に設定した。
S112では、セラミックヒータ16の温度をスタンバイ温度T2に制御する。S113において、通電制御部211は、ヒータサーミスタ19の温度情報に基づいてトライアック212のON/OFFタイミングを切り替えることにより、セラミックヒータ16をスタンバイ温度T2に保つように抵抗発熱体層42,43への通電量を制御する。本実施例においてはT2=130℃に設定した。
S113では、セラミックヒータ16の温度をスタンバイ温度T3に制御する。S113において、通電制御部211は、ヒータサーミスタ19の温度情報に基づいてトライアック212のON/OFFタイミングを切り替えることにより、セラミックヒータ16をスタンバイ温度T3に保つように抵抗発熱体層42,43への通電量を制御する。本実施例においてはT3=120℃に設定した。
S110乃至S113では、次の印刷ジョブのプリント制御が開始されたり、節電モードとしてのスリープモードに移行したりするなど、スタンバイモードが終了するまでの間は、セラミックヒータ16の温度を所定のスタンバイ温度に制御する。
上述のように、定着スタンバイ制御モードでは、所定時間t経過後のセラミックヒータ16への印加電力の電力レベルWの大きさを判断し(S105乃至S109)、この電力レベルWの大きさに応じてスタンバイ温度を切り替えている(S110乃至S113)。このS105乃至S113のヒータ温度制御処理を換言すれば、定着スタンバイ制御モードを実行する際、ヒータのスタンバイ温度(制御温度)を、定着スタンバイ制御モードを実行しているときのヒータの消費電力量が小さい時は大きい時よりも低く設定している。
また、定着スタンバイ制御モードを実行するときのセラミックヒータ16のスタンバイ温度を決定するためのしきい値は、セラミックヒータ16のスタンバイ温度を決定する以前のセラミックヒータ16のスタンバイ温度に応じて異なっている。
次に、本実施例の定着スタンバイ制御モードにおけるヒータ温度制御処理により、本発明の目的であるFPOTを延長させることなく省エネルギー性を向上できる根拠を示す。
図6は定着スタンバイ制御モードを実行しているとき(以下、スタンバイ制御中と記す)の電力レベルとヒータ温度推移を表わす説明図である。具体的には、定着装置Bが常温の状態から1枚の印刷ジョブを開始し、終了したあと定着スタンバイ制御モードへ移行し、一定のスタンバイ温度T0(=150℃)で放置している期間におけるヒータ温度Thと電力レベルWの時間推移を示している。上記常温の状態はコールド状態ともいう。
図6によると、定着スタンバイ制御モードに移行してから時間が経過するほど電力レベルWが低くなっていることがわかる。これは、以下の理由に因る。定着スタンバイ制御モードにおいてセラミックヒータ16に与えられる熱で定着装置Bの各部材が徐々に温まる。これによりセラミックヒータ16から他の部材への熱の逃げが少なくなるため、時間が経過するほどスタンバイ温度をT0に保つための電力が少なくて済むからである。
この例に限らず、任意の印刷ジョブ後における定着スタンバイ制御モードにおいて、電力レベルWを計測することによって定着装置Bの温まり具合を判定することが可能である。例えば大量の印刷ジョブを行ったあとは定着装置Bが十分に温まっている。以後、定着装置Bが十分に温まっている状態をホット状態と記す。このホット状態において定着スタンバイ制御モードに移行した場合の電力レベルWは、定着スタンバイ制御モードに移行した直後から低い値が計測される。そしてこの定着スタンバイ制御モードに移行した場合の電力レベルWは、コールド状態における定着スタンバイ制御中の電力レベル(図6)を下回った値で推移する。
次に、図7を参照して、スタンバイ温度をT0(=150℃)に固定した際の電力レベルが異なる場合における、定着装置Bの温度立上げ推移を説明する。ここで、定着装置Bの温度立上げ時間として、印刷ジョブのプリント指令の入力からスリーブサーミスタ18が所定の定着可能温度に到達するまでの時間と定義する。
図7によると、電力レベルWが20%時の印刷ジョブにおける立上げ時間が7秒であるのに対して、15%時は6秒、10%時は5秒、7%時は4秒と定着スタンバイ制御モードの継続時間が長くなるにつれて温度立上げ時間が短くなっている。これは、定着装置Bの各部材が蓄熱されているほど定着可能温度に到達しやすいことを示している。
このことは、定着装置Bが蓄熱されている状態においては定着スタンバイ制御モードに移行した場合のスタンバイ温度をT0から下げられることを意味している。本実施例の画像形成装置10では、プリント指令を入力してから定着温度立上げ時間が7秒以内であれば、FPOT9秒を達成できるため、定着装置Bの温度立上げ時間として7秒以内を満足できる範囲でスタンバイ制御温度を決定することができる。ここで、スタンバイ制御温度とは、セラミックヒータ16の消費電力量に応じて決定されるスタンバイ温度をいう。
表1に、電力レベルWが異なる場合における、スタンバイ制御温度がT0一定のときの温度立上げ時間と、温度立上げ時間7秒を満足するために必要なスタンバイ制御温度をまとめた。
表1によると、例えばスタンバイ制御中の電力レベルが15%以下であれば、スタンバイ制御温度を140℃に設定しなおしても温度立上げ時間7秒以内を満足できる。同様に、10%以下なら130℃に、7%以下なら120℃に設定することにより、温度立上げ時間を延長しなくて済む。すなわち、スタンバイ制御中の消費電力を計測することによって定着装置Bの温まり具合を検知することが可能となる。従って、定着装置Bがホット状態の場合、それを精度よく検知し、設定温度を下げることによりスタンバイ制御中の電力レベルを抑えることができるため、スタンバイ制御中における省エネルギー性を向上させることが可能となる。
以上、説明したように、本実施例の画像形成装置10は、スタンバイ制御中において、電力レベルWを計測し、その計測した電力レベルの大きさに応じてスタンバイ制御温度を切り替えている。これにより、定着装置Bの温度立上げ時間を延長させることなく、スタンバイ制御中の省エネルギー性を向上させることが可能となる。従って、プリント指令の入力後、1枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT)を延長させることなく省エネルギー性を向上させることができる。また、スタンバイ制御中において、定着装置Bに対する温度負荷を従来に比べて低減できるため、定着装置Bの耐久寿命を向上させることが可能となる。
[実施例2]
画像形成装置10の他の例を説明する。
画像形成装置10の他の例を説明する。
本実施例に示す画像形成装置10は、定着スタンバイ制御モードが異なる点を除いて実施例1の画像形成装置10と同じ構成としてある。
本実施例の画像形成装置10は、スタンバイ制御中において、スタンバイ制御温度の設定見直しを定期的に行なうこと、それに際してスタンバイ制御温度を決定する電力レベルのしきい値を、スタンバイ温度レベル毎に切り替えることを特徴とするものである。
図8は本実施例の画像形成装置10の定着スタンバイ制御モードのフローチャートである。
図8において、S201乃至S206は、それぞれ、図5に示されるS101乃至S106と同じであるため、S201乃至S206の処理の説明は省略する。
本実施例の定着スタンバイ制御モードにおいては、所定時間t(本実施例では1分に設定した。)毎に、表2に示す電力しきい値テーブルを用いてスタンバイ制御温度の切替え決定を行なう。そして次の印刷ジョブのプリント制御が開始されたり、節電モードとしてのスリープモードに移行したりするなど、スタンバイモードが終了するまでの間は、S205乃至S208の処理を繰り返す。
例えば現在のスタンバイ温度T1(=140℃)のときは表2におけるT1の列(=140℃)をしきい値として用いる。S206で電力レベルWがしきい値8%以下である場合は、S207でスタンバイ温度をT3(=130℃)に変更し、次のスタンバイ温度決定タイミングにおいてはT3の列をしきい値として用いる。逆にS206で電力レベルWがしきい値12%より大きい場合は、S207でスタンバイ温度をT0(=150℃)に変更し、次のスタンバイ温度決定タイミングにおいてはT0の列をしきい値として用いる。
これは、スタンバイ温度が変動することにより消費電力量が変動するため、定着装置Bの温まり具合を精度よく検知するためにはしきい値をスタンバイ温度に応じて対応させたほうが好ましいからである。
上述のように、定着スタンバイ制御モードでは、所定時間t毎に、電力しきい値テーブルを用いてスタンバイ制御温度の切替え決定を行ない、スタンバイモードが終了するまでの間はS205乃至S208の処理を繰り返す。このS205乃至S208のヒータ温度制御処理を換言すれば、定着スタンバイ制御モードを実行する際、ヒータのスタンバイ温度(制御温度)を、定着スタンバイ制御モードを実行しているときのヒータの消費電力量が小さい時は大きい時よりも低く設定している。
以上、説明したように、本実施例の画像形成装置10は、スタンバイ制御中において、スタンバイ制御温度の設定見直しを定期的に行なうことにより、定着装置Bの温まり具合を精度よく判定することができる。そのため、実施例1の画像形成装置10に比べ、より定着装置Bの温度立上げ時間を延長させることなく、スタンバイ制御中の省エネルギー性を向上させることが可能となる。
また、本実施例の画像形成装置10は、スタンバイ制御中において、スタンバイ制御温度の設定見直しを定期的に行ない、スタンバイ温度に応じてスタンバイ制御温度を決定する電力レベルのしきい値を切り替えている。そのため、例えばスタンバイ制御中に外気温が変化した場合など、定着装置Bの温まり具合が変化したときにおいてもセラミックヒータ16を適切なスタンバイ温度に制御することが可能となる。
本実施例では、定着スタンバイ制御モードとして、所定時間t毎に電力レベルを計測してスタンバイ温度を見直す例を説明した。本実施例の定着スタンバイ制御モードはこれに限られず、常時電力レベルを計測し、各スタンバイ温度における電力のしきい値を跨いだタイミングでスタンバイ温度を切り替えるような制御を行っても同様の作用効果が得られる。
[実施例3]
画像形成装置10の他の例を説明する。
画像形成装置10の他の例を説明する。
本実施例に示す画像形成装置10は、定着スタンバイ制御モードが異なる点を除いて実施例1の画像形成装置10と同じ構成としてある。
本実施例の画像形成装置10は、スタンバイ制御中において、定期的に定着装置Bの加圧ローラ22を所定距離だけ回転(微小回転)させて加圧ローラ22表面と定着スリーブ20表面を回転移動させる。そしてこの加圧ローラ22の回転後に、セラミックヒータ16に印加される電力レベルを計測して所定時間分だけ積算した値をもってスタンバイ制御温度の切替え決定を行なうことを特徴とするものである。
図9は本実施例の画像形成装置10の定着スタンバイ制御モードのフローチャートである。
図9において、S301乃至S306は、それぞれ、図5に示されるS101乃至S106と同じであるため、S301乃至S306の処理の説明は省略する。
本実施例の定着スタンバイ制御モードにおいては、所定時間t毎に加圧ローラ22を所定の距離L1だけ微小回転させて加圧ローラ22表面と定着スリーブ20表面を回転移動させる。そしてこの加圧ローラ22の微小回転後の所定時間範囲t1における平均電力レベルWaを算出した上で、表3に示される電力しきい値テーブルを用いてスタンバイ制御温度の切替え決定を行なう(S305乃至S309)。本実施例においてはt=10分、L1=30mm、t1=2秒に設定した。
上述のように、定着スタンバイ制御モードでは、所定時間t毎に、電力しきい値テーブルを用いてスタンバイ制御温度の切替え決定を行ない、スタンバイモードが終了するまでの間はS305乃至S309の処理を繰り返す。このS305乃至S309のヒータ温度制御処理を換言すれば、定着スタンバイ制御モードを実行する際、ヒータのスタンバイ温度(制御温度)を、定着スタンバイ制御モードを実行しているときのヒータの消費電力量が小さい時は大きい時よりも低く設定している。
図10に加圧ローラ22を微小回転させたときの電力レベルの推移を示す。図10によれば、加圧ローラ22を微小回転させてセラミックヒータ16から直接的に温められていない加圧ローラ22表面と定着スリーブ20表面を定着ニップ部Nに移動させる。これにより、セラミックヒータ16はセラミックヒータ16のスタンバイ温度を維持するために一時的に電力消費量が増えるため、特に定着スリーブ20と加圧ローラ22の温まり具合を精度よく計測することが可能になる。
上記距離L1について、定着スリーブ20と加圧ローラ22の温まり具合を精度よく計測するためには、定着スリーブ20を所定の距離だけ回転させることが望ましい。即ち、回転移動する前における定着スリーブ20の定着ニップ部Nにある領域と、回転移動した後における定着スリーブ20の定着ニップ部Nにある領域と、が重ならないような距離だけ回転させることが望ましい。つまり、上記距離L1は、定着スリーブ20と加圧ローラ22の前回の回転停止位置と重ならないように設定されることが望ましい。
以上、説明したように、本実施例の画像形成装置10は、スタンバイ制御中において、定期的に加圧ローラ22を微小回転させて電力レベルを計測することにより、定着装置Bの温まり具合を精度よく判定することができる。そのため、実施例1の画像形成装置10に比べ、より定着装置Bの温度立上げ時間を延長させることなく、スタンバイ制御中の省エネルギー性を向上させることが可能となる。
本実施例では、表3に示される4水準のスタンバイ温度と3水準のしきい値による電力しきい値テーブルを用いた例を説明したが、さらに各水準を増やしてよりフレキシブルなスタンバイ温度を設定することが可能になる。
[他の実施例]
実施例1では、ヒータサーミスタ19の温度情報に基づいてスタンバイ温度を制御した例を説明したが、このスタンバイ温度の制御はヒータサーミスタ19の温度情報に限られない。スリーブサーミスタ18の温度情報に基づいてセラミックヒータ16の温度を間接的に検出しこの検出温度に基づきスタンバイ温度を制御してもよい。この場合、図11乃至図14に示される各種定着装置に定着スタンバイ制御モードを適用することができる。
実施例1では、ヒータサーミスタ19の温度情報に基づいてスタンバイ温度を制御した例を説明したが、このスタンバイ温度の制御はヒータサーミスタ19の温度情報に限られない。スリーブサーミスタ18の温度情報に基づいてセラミックヒータ16の温度を間接的に検出しこの検出温度に基づきスタンバイ温度を制御してもよい。この場合、図11乃至図14に示される各種定着装置に定着スタンバイ制御モードを適用することができる。
図11はハロゲンランプ51を用いたフィルム加熱方式の定着装置Bの概略構成を表わす横断面図である。図11に示される定着装置Bは、定着部材として回転可能な筒状の定着スリーブ20を用い、加圧部材として回転可能な加圧ローラ22を用いている。この定着スリーブ20の内側には摺動板54を支持させたホルダ51を配設している。そしてこのホルダ51で摺動板54を定着スリーブ20を介して加圧ローラ22側に加圧することにより定着スリーブ20表面と加圧ローラ22表面とで定着ニップ部Nを形成している。
定着スリーブ20の内側には加熱体としてのハロゲンランプ51が配設され、このハロゲンランプ51で定着スリーブ20を定着スリーブ20内面側から加熱するようになっている。定着スリーブ20の温度はスリーブサーミスタ18で検知される。
図12は電磁誘導加熱を用いたフィルム加熱方式の定着装置Bの概略構成を表わす横断面図である。図12に示される定着装置Bは、定着部材として回転可能な筒状の定着スリーブ20を用い、加圧部材として回転可能な加圧ローラ22を用いている。定着スリーブ20の内側には、加熱体としての励磁コイル52と磁性コア53と摺動板54とを支持させたスリーブガイド17を配設している。そしてこのスリーブガイド17で摺動板54を定着スリーブ20を介して加圧ローラ22側に加圧することにより定着スリーブ20表面と加圧ローラ22表面とで定着ニップ部Nを形成している。
定着スリーブ20は励磁コイル52が発する磁束により定着スリーブ20表面にジュール熱を発生させて電磁誘導加熱される。定着スリーブ20の温度はスリーブサーミスタ18により検知される。
上述のように、図11、図12に示す定着装置は、加圧ローラ22と共に定着スリーブ20を介して定着ニップ部Nを形成する摺動板54を有している。
図13は加圧ベルト56を用いたベルト加圧定着方式の定着装置Bの概略構成を表わす横断面図である。図13に示される定着装置Bは、定着部材として回転可能な筒状の定着ローラ50を用い、加圧部材として回転可能な筒状の加圧ベルト56を用いている。この加圧ベルト56の内側には加圧パッド55を支持させた加圧パッドホルダ57を配設している。そしてこの加圧パッドホルダ57で加圧パッド55を加圧ベルト56を介して定着ローラ50側に加圧することにより加圧ベルト56表面と加圧ローラ50表面とで定着ニップ部Nを形成している。
定着ローラ50の内側には加熱体としてのハロゲンランプ51が配設(内包)され、このハロゲンランプ51で定着ローラ50を定着ローラ50内面側から加熱するようになっている。定着ローラ50の温度はスリーブサーミスタ18で検知される。
図14は熱ローラ方式の定着装置Bの概略構成を表わす横断面図である。図14に示される定着装置Bは、定着部材として回転可能な筒状の定着ローラ50を用い、加圧部材として回転可能は加圧ローラ22を用いている。そして加圧ローラ22を定着ローラ50側に加圧することにより定着ローラ50表面と加圧ローラ22表面とで定着ニップ部Nを形成している。
定着ローラ50の内側には加熱体としてのハロゲンランプ51が配設され、このハロゲンランプ51で定着ローラ50を定着ローラ50内面側から加熱するようになっている。定着ローラ50の温度はスリーブサーミスタ18で検知される。
上記図11乃至図14に示す定着装置Bに対し実施例1乃至実施例3で説明した定着スタンバイ制御モードを適用しても同様な作用効果を得ることができる。その他、本発明の技術思想内においてあらゆる変形が可能である。
実施例1乃至実施例3において、スタンバイ温度とそれを決定するためのしきい値について不連続的な値を設定した例を説明したが、スタンバイ温度としきい値はこれに限られない。
例えば計測した電力量に応じて最適なスタンバイ温度をヒータ駆動回路21の通電制御部211に記憶させてある所定の算出式により決定するなど、本発明の技術思想内においてあらゆる制御方法が可能である。つまり、通電制御部211に定着スタンバイ制御モードを実行するときのセラミックヒータのスタンバイ温度(制御温度)を決定するための算出式を記憶させておく。この算出式はセラミックヒータのスタンバイ温度を決定する以前のセラミックヒータのスタンバイ温度に応じて異なっている。
上記定着スタンバイ制御モードはフルカラーレーザービームプリンタに限られずモノクロ複写機或いはモノクロレーザービームプリンタにも適用することができる。
16‥‥セラミックヒータ、20‥‥定着スリーブ、22‥‥加圧ローラ、A‥‥画像形成部、B‥‥定着装置、N‥‥定着ニップ部、P‥‥記録材、T‥‥未定着トナー画像
Claims (8)
- 記録材に画像を形成する画像形成部と、
回転可能な筒状の定着部材と、前記定着部材を加熱する加熱体と、前記定着部材と共にニップ部を形成する回転可能な加圧部材と、を有し、画像が形成された記録材を前記ニップ部で搬送しながら加熱し記録材に画像を定着する定着部と、を有し、プリント待機状態において前記加熱体に電力を供給し前記定着部材を所定の制御温度に維持しながら待機させる定着スタンバイ制御モードを実行する画像形成装置において、
前記定着スタンバイ制御モードを実行する際、前記加熱体の制御温度を、前記定着スタンバイ制御モードを実行しているときの前記加熱体の消費電力量が小さい時は大きい時よりも低く設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記消費電力量は、前記定着スタンバイ制御モードを実行しているときの前記加熱体への通電デューティーによって算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定着スタンバイ制御モードを実行するときの前記加熱体の制御温度を決定するための消費電力しきい値を有し、前記消費電力しきい値は、前記加熱体の制御温度を決定する以前の前記加熱体の制御温度に応じて異なることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定着スタンバイ制御モードを実行するときの前記加熱体の制御温度を決定するための算出式を有し、前記算出式は、前記加熱体の制御温度を決定する以前の前記加熱体の制御温度に応じて異なることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定着スタンバイ制御モードを実行するときに前記定着部材と前記加圧部材を所定距離だけ回転移動させ、前記定着部材と前記加圧部材の回転後における前記消費電力量に基づいて、前記定着スタンバイ制御モードを実行するときの前記加熱体の制御温度を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記所定距離は、前記回転移動する前における前記定着部材の前記ニップ部にある領域と、前記回転移動した後における前記定着部材の前記ニップ部にある領域と、が重ならないように設定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記定着部材は定着スリーブであり、前記加熱体は前記定着スリーブの内面に接触する板状のヒータであり、前記ヒータは前記加圧部材と共に前記定着スリーブを介して前記ニップ部を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
- 前記定着部材は定着スリーブであり、前記加熱体は前記定着スリーブに内包されたハロゲンランプであり、前記定着部は前記加圧部材と共に前記定着スリーブを介して前記ニップ部を形成する摺動板を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置。
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-
2012
- 2012-10-25 JP JP2012235436A patent/JP2014085573A/ja active Pending
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