JP2014117672A - 分散剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存安定性の高い非水系顔料分散組成物を提供する。
【解決手段】リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマーの存在下に、ビニルモノマー(c)をリビングラジカル重合して得られるグラフトポリマーからなる分散剤。
【選択図】なし
【解決手段】リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマーの存在下に、ビニルモノマー(c)をリビングラジカル重合して得られるグラフトポリマーからなる分散剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、分散剤及び、非水系顔料分散組成物に関する。
固体顔料等の微粒子を有機溶剤中に分散するためにポリマー材料が有用であることは、従来から知られており、溶剤系ペイント組成物を調合するための顔料分散物を形成するために使用されてきた。そのような分散剤は、主に自動車の外装用の溶剤ペイントや、液晶ディスプレーのカラーフィルター用のインキに幅広く使用されている。特にカラーフィルターの分野においては、近年の液晶ディスプレーは高品質化のため高い彩度、明度が求められ、カラーフィルター中の顔料にも微細化及び顔料の高濃度化が要求されているため、これら微細かつ高濃度の微粒子を均一に分散させる技術が求められている。このような分散剤用途のポリマーとしては、グラフトポリマーが良好な性能を有することが知られている。
例えば、特許文献1には、(A)(A−1)アルコール性水酸基を有するモノマー、(A−2)マクロモノマー及び(A−3)これらと共重合可能な他のモノマーの共重合体であるバインダーポリマー、(B)顔料並びに(C)感放射線性化合物を含有する感放射線性組成物が開示されている。
特許文献2には、有機溶剤中に、有機顔料と、末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーと、窒素原子含有基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体とが分散されてなる顔料分散組成物が開示されている。
また、特許文献3には、マクロモノマーを主鎖にグラフトさせたグラフトコポリマーであって、主鎖にアミド官能基を顔料固定基として含む、顔料分散剤に適したポリマー組成物が開示されている。
特許文献2には、有機溶剤中に、有機顔料と、末端にエチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーと、窒素原子含有基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーとの共重合体とが分散されてなる顔料分散組成物が開示されている。
また、特許文献3には、マクロモノマーを主鎖にグラフトさせたグラフトコポリマーであって、主鎖にアミド官能基を顔料固定基として含む、顔料分散剤に適したポリマー組成物が開示されている。
特許文献1〜3のグラフトポリマーを用いることで、微細な顔料が分散した顔料分散組成物を得ることはできるが、得られた顔料分散組成物を保存すると顔料分散組成物の粘度が高くなるといった保存安定性に課題があった。本発明は、分散安定性に優れた顔料分散組成物を得るためのグラフトポリマーを提供することを課題とする。
本発明は、リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマーの存在下に、ビニルモノマー(c)をリビングラジカル重合して得られるグラフトポリマーからなる分散剤、及び該分散剤、顔料、非水系溶媒からなる非水系顔料分散組成物を提供する。
本発明によれば、非水系溶媒中において顔料等の分散安定性に優れた分散剤、及び分散安定性に優れた非水系顔料分散組成物を提供することができる。
本発明の分散剤及び、本発明の非水系顔料分散組成物について説明する。
[分散剤]
本発明の分散剤は、リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマーの存在下に、ビニルモノマー(c)をリビングラジカル重合して得られるグラフトポリマーからなる。
該グラフトポリマー(以下「本発明のグラフトポリマー」ともいう)は、側鎖部をリビングラジカル重合で合成するため、本発明のグラフトポリマーに結合していない、ビニルモノマー(c)の重合物の含有量が少ない。
本発明のグラフトポリマー中のビニルモノマー(c)由来の繰り返し単位構造の組成は、顔料分散組成物の粘度の観点から好ましくは50〜95質量%、より好ましくは60〜90質量%、更に好ましくは65〜85質量%である。本発明のグラフトポリマー中のビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造の組成は、顔料への吸着性の観点から好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜25質量%、更に好ましくは10〜20質量%である。
本発明のグラフトポリマーの重量平均分子量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制の観点から、好ましくは5000〜100000、より好ましくは10000〜80000、特に好ましくは10000〜50000である。
本発明の分散剤は、リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマーの存在下に、ビニルモノマー(c)をリビングラジカル重合して得られるグラフトポリマーからなる。
該グラフトポリマー(以下「本発明のグラフトポリマー」ともいう)は、側鎖部をリビングラジカル重合で合成するため、本発明のグラフトポリマーに結合していない、ビニルモノマー(c)の重合物の含有量が少ない。
本発明のグラフトポリマー中のビニルモノマー(c)由来の繰り返し単位構造の組成は、顔料分散組成物の粘度の観点から好ましくは50〜95質量%、より好ましくは60〜90質量%、更に好ましくは65〜85質量%である。本発明のグラフトポリマー中のビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造の組成は、顔料への吸着性の観点から好ましくは5〜25質量%、より好ましくは10〜25質量%、更に好ましくは10〜20質量%である。
本発明のグラフトポリマーの重量平均分子量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制の観点から、好ましくは5000〜100000、より好ましくは10000〜80000、特に好ましくは10000〜50000である。
以下、リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマー、及び該ポリマー存在下においてビニルモノマー(c)をリビングラジカル重合させて本発明のグラフトポリマーを得る方法について、詳細に説明する。
<リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマー>
本発明のグラフトポリマーの製造には、リビングラジカル重合用開始基(以下単に「開始基」ともいう)を有するビニルモノマー(a)(以下「ビニルモノマー(a)」ともいう)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)(以下「ビニルモノマー(b)」ともいう)由来の繰り返し単位構造を含むポリマー(以下「開始基を有するポリマー」ともいう)を用いる。本発明において「ビニルモノマー由来の繰り返し単位構造」とは、該ビニルモノマーを重合して得られるホモポリマーの繰り返し単位構造をいう。なお、ビニルモノマー(a)については、前記の重合とは、ビニルモノマー(a)の開始基部分が関与しない、ビニル基間の概念的重合をいう。
本発明における開始基を有するポリマーの重量平均分子量は、顔料への吸着性、顔料分散組成物の粘度の観点から好ましくは3000〜100000、より好ましくは4000〜50000、更に好ましくは5000〜20000である。
本発明のグラフトポリマーの製造には、リビングラジカル重合用開始基(以下単に「開始基」ともいう)を有するビニルモノマー(a)(以下「ビニルモノマー(a)」ともいう)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)(以下「ビニルモノマー(b)」ともいう)由来の繰り返し単位構造を含むポリマー(以下「開始基を有するポリマー」ともいう)を用いる。本発明において「ビニルモノマー由来の繰り返し単位構造」とは、該ビニルモノマーを重合して得られるホモポリマーの繰り返し単位構造をいう。なお、ビニルモノマー(a)については、前記の重合とは、ビニルモノマー(a)の開始基部分が関与しない、ビニル基間の概念的重合をいう。
本発明における開始基を有するポリマーの重量平均分子量は、顔料への吸着性、顔料分散組成物の粘度の観点から好ましくは3000〜100000、より好ましくは4000〜50000、更に好ましくは5000〜20000である。
(ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造)
ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造の開始基は、リビングラジカル重合用の開始基であれば、特に限定されない。開始基の具体例としては、本発明のグラフトポリマー製造時のビニルモノマー(c)の重合時(以下「側鎖重合時」ともいう)にヨウ素移動ラジカル重合法を用いる場合、−C6H4−I、−C6H4−CH2−I、−C6H4−CH(I)−CH3、−OOC−CH(I)−CH3等が挙げられる。
側鎖重合時に原子移動ラジカル重合法(ATRP)を用いる場合には、開始基の具体例としては、−C6H4−CH(X1) (R1)、−C6H4−CH(X1)2、−C(X1)(R1)(R2)、−OOC−C(X1)(R1)(R2)、−SO2−X1、−C6H4−SO2−X1等が挙げられる。ここでR1、R2は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、X1は臭素原子、又は塩素原子を表す。
側鎖重合時に可逆的付加―開裂連鎖移動重合(RAFT)を用いる場合には、開始基の具体例としては、−C(=S)−S−R3等が挙げられる。ここでR3は−C(R1)(R2)(CN)、C(R1)(R2)(Ph)、C(R1)(R2)(COOC2H5)、又はC(R1)(R2)(CH3)を表し、R1、R2はそれぞれ前記R1、R2と同じ意味を表す。
製造後に本発明のグラフトポリマーに未結合のビニルモノマー(c)の重合物の含有量を少なくする観点、及び重合可能なモノマー種の多様さ、触媒等の入手性の観点から側鎖重合時にはATRPを用いることが好ましく、よって、開始基としては、−C6H4−CH(X1) (R1)、−C6H4−CH(X1)2、−C(X1)(R1)(R2)、−OOC−C(X1)(R1)(R2)、−SO2−X1、−C6H4−SO2−X1から選ばれる1種以上であることが好ましく、−OOC−C(X1)(R1)(R2)であることがより好ましく、−OOC−C(X1)(CH3)2であることが更に好ましい。
ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造の開始基は、リビングラジカル重合用の開始基であれば、特に限定されない。開始基の具体例としては、本発明のグラフトポリマー製造時のビニルモノマー(c)の重合時(以下「側鎖重合時」ともいう)にヨウ素移動ラジカル重合法を用いる場合、−C6H4−I、−C6H4−CH2−I、−C6H4−CH(I)−CH3、−OOC−CH(I)−CH3等が挙げられる。
側鎖重合時に原子移動ラジカル重合法(ATRP)を用いる場合には、開始基の具体例としては、−C6H4−CH(X1) (R1)、−C6H4−CH(X1)2、−C(X1)(R1)(R2)、−OOC−C(X1)(R1)(R2)、−SO2−X1、−C6H4−SO2−X1等が挙げられる。ここでR1、R2は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基を表し、X1は臭素原子、又は塩素原子を表す。
側鎖重合時に可逆的付加―開裂連鎖移動重合(RAFT)を用いる場合には、開始基の具体例としては、−C(=S)−S−R3等が挙げられる。ここでR3は−C(R1)(R2)(CN)、C(R1)(R2)(Ph)、C(R1)(R2)(COOC2H5)、又はC(R1)(R2)(CH3)を表し、R1、R2はそれぞれ前記R1、R2と同じ意味を表す。
製造後に本発明のグラフトポリマーに未結合のビニルモノマー(c)の重合物の含有量を少なくする観点、及び重合可能なモノマー種の多様さ、触媒等の入手性の観点から側鎖重合時にはATRPを用いることが好ましく、よって、開始基としては、−C6H4−CH(X1) (R1)、−C6H4−CH(X1)2、−C(X1)(R1)(R2)、−OOC−C(X1)(R1)(R2)、−SO2−X1、−C6H4−SO2−X1から選ばれる1種以上であることが好ましく、−OOC−C(X1)(R1)(R2)であることがより好ましく、−OOC−C(X1)(CH3)2であることが更に好ましい。
ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造においてビニル基由来の繰り返し単位構造部分は、開始基の他にメチル基が置換していてもよい。
ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造の開始基とビニル基由来の繰り返し単位構造部分は、直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよい。
ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造の開始基とビニル基由来の繰り返し単位構造部分は、直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよい。
連結基としては特に限定されず、具体例としては例えば下記一般式(1)で表されるものが挙げられる。
*−(R4)f−(Y1)g−(R5)h−(Y2)i−(R6)j−** (1)
*−(R4)f−(Y1)g−(R5)h−(Y2)i−(R6)j−** (1)
一般式(1)中、*は、ビニル基由来の繰り返し単位構造部分との結合部位を表し、**は開始基との結合部位を表す。f,g,h,i,jはそれぞれ、0又は1を表す。R4は、炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R5及びR6はそれぞれ、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、又は−R7−NH−R8−を表す。ここで、R7及びR8はそれぞれ、水酸基が置換していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基を示す。Y1及びY2はそれぞれ−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、置換基を有していても良い芳香環、置換基を有していても良い複素芳香環を表す。
連結基としてはモノマー入手性、他モノマーとの共重合性の観点から、R4はエチレン基、又は単なる結合(f=0)であることが好ましく、f=0であることがより好ましい。Y1は−COO−、−CONH−、及び−NHCO−から選ばれる基であることが好ましく、−COO−又は−CONH−であることがより好ましく、−COO−であることが更に好ましい。R5はエチレン基、CH2CH(OH) CH2、CH2CH(OH) CH2NH−R8、及びCH2CH2NHCH2CH(OH) CH2から選ばれる基であることが好ましく、エチレン基、CH2CH(OH) CH2、及びCH2CH(OH) CH2NH−R8から選ばれる基であることがより好ましく、エチレン基、CH2CH(OH) CH2、及びCH2CH(OH) CH2NHCH2CH2から選ばれる基であることが更に好ましく、エチレン基であることがより更に好ましい。i,jは、それぞれ0であることが好ましい。
連結基としてはモノマー入手性、他モノマーとの共重合性の観点から、R4はエチレン基、又は単なる結合(f=0)であることが好ましく、f=0であることがより好ましい。Y1は−COO−、−CONH−、及び−NHCO−から選ばれる基であることが好ましく、−COO−又は−CONH−であることがより好ましく、−COO−であることが更に好ましい。R5はエチレン基、CH2CH(OH) CH2、CH2CH(OH) CH2NH−R8、及びCH2CH2NHCH2CH(OH) CH2から選ばれる基であることが好ましく、エチレン基、CH2CH(OH) CH2、及びCH2CH(OH) CH2NH−R8から選ばれる基であることがより好ましく、エチレン基、CH2CH(OH) CH2、及びCH2CH(OH) CH2NHCH2CH2から選ばれる基であることが更に好ましく、エチレン基であることがより更に好ましい。i,jは、それぞれ0であることが好ましい。
一般式(2)において、R9は水素原子又はメチル基を表し、X1は前述のX1と同じ意味を表す。
開始基を有するポリマーに含まれる、ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造の数に特に限定は無い。本発明の非水系顔料分散組成物(以下「本発明の分散組成物」ともいう)の保存による粘度上昇を抑制するという観点から、ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造の数は、開始基を有するポリマーの重量平均分子量1000あたりに0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが更に好ましい。ここで開始基を有するポリマーの重量平均分子量1000あたりのビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造の数が1であるとは、例えば、平均分子量10000の直鎖状ポリマーであれば、平均10のビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造を有することを意味する。また、本発明の分散剤の顔料への吸着性の観点から、ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造の数は、開始基を有するポリマーの重量平均分子量1000あたりに5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。
(ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造)
ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造の含窒素官能基としては、アミノ基、アミド結合を有する官能基、ピロリドン構造を有する官能基、含窒素複素芳香環を有する官能基等が挙げられる。
アミノ基としては、-CH2-N(R10)(R11)、-COO-(CH2)2-N(R10)(R11)、-C6H4-NH2等が挙げられる。アミド結合を有する官能基としては、-CON(R10)(R11)等が挙げられる。また含窒素官能基としてアミド結合を有する官能基は、該アミド基に加えて更に含窒素官能基を有していてもよく、例えば更にアミノ基を有する場合の具体例としては、-CONH-(CH2)3-N(R10)(R11)等が挙げられる。ここで、R10、R11は、それぞれ水素原子、メチル基、又はエチル基を表す。ピロリドン構造を有する官能基としては、2−ピロリドン−1−イル等が挙げられる。複素芳香環を有する官能基としてはピリジン等が挙げられる。
ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造の含窒素官能基としては、アミノ基、アミド結合を有する官能基、ピロリドン構造を有する官能基、含窒素複素芳香環を有する官能基等が挙げられる。
アミノ基としては、-CH2-N(R10)(R11)、-COO-(CH2)2-N(R10)(R11)、-C6H4-NH2等が挙げられる。アミド結合を有する官能基としては、-CON(R10)(R11)等が挙げられる。また含窒素官能基としてアミド結合を有する官能基は、該アミド基に加えて更に含窒素官能基を有していてもよく、例えば更にアミノ基を有する場合の具体例としては、-CONH-(CH2)3-N(R10)(R11)等が挙げられる。ここで、R10、R11は、それぞれ水素原子、メチル基、又はエチル基を表す。ピロリドン構造を有する官能基としては、2−ピロリドン−1−イル等が挙げられる。複素芳香環を有する官能基としてはピリジン等が挙げられる。
これらの中では含窒素官能基としては、顔料への吸着性の観点からアミド結合を有する官能基、ピロリドン構造を有する官能基が好ましく、ピロリドン構造を有する官能基が更に好ましい。
ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造のビニル基由来の繰り返し単位構造部分は、含窒素官能基の他にメチル基が置換していてもよい。
ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造のビニル基由来の繰り返し単位構造部分と含窒素官能基は直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよいが、ビニルモノマー(b)の入手容易性の観点から、直接結合していることが好ましい。
ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造は、下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造のビニル基由来の繰り返し単位構造部分は、含窒素官能基の他にメチル基が置換していてもよい。
ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造のビニル基由来の繰り返し単位構造部分と含窒素官能基は直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよいが、ビニルモノマー(b)の入手容易性の観点から、直接結合していることが好ましい。
ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造は、下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
ここでR13は水素原子又はメチル基である。Dは、含窒素官能基を表す。
開始基を有するポリマー中に含まれるビニルポリマー(b)由来の繰り返し単位の数に特に限定は無いが、顔料への吸着性という観点から、開始基を有するポリマーの重量平均分子量1000あたりに1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2以上であることが更に好ましい。また、非水系溶媒への溶解性の観点から、ビニルポリマー(b)由来の繰り返し単位の数は、開始基を有するポリマーの重量平均分子量1000あたりに20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、10以下であることが更に好ましい。
ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造と、ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造の質量比[(a)/(b)]は、顔料への吸着性、顔料分散組成物の粘度の観点から、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは50/50〜90/10、更に好ましくは55/45〜80/20である。
開始基を有するポリマーの重量平均分子量は、顔料への吸着性、顔料分散組成物の粘度の観点から好ましくは3000〜100000、より好ましくは4000〜50000、更に好ましくは5000〜20000である。
開始基を有するポリマーの重量平均分子量は、顔料への吸着性、顔料分散組成物の粘度の観点から好ましくは3000〜100000、より好ましくは4000〜50000、更に好ましくは5000〜20000である。
(開始基を有するポリマーの製造方法)
開始基を有するポリマーを得る方法に特に限定は無いが、例えば以下の(i)又は(ii)の方法等で得ることができる。
(i)含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)及びリビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)を含むモノマーを共重合させる方法。
(ii)下記工程1及び2を経る方法。
工程1;含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)と反応性官能基を有するビニルモノマー(d)を共重合して、反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマーを得る工程。
工程2;工程1で得られた反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマーの反応性官能基と、該反応性官能基と反応しうる官能基及びリビングラジカル重合用開始基を有する化合物(e)を反応させて、開始基を有するポリマーを得る工程。
これらの中ではポリマー構造の設計自由度が高いという観点から(ii)が好ましい。なお、(ii)のように、ポリマーを重合後、リビングラジカル重合用開始基を導入して、上記ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造を誘導した構造も、「ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造」に当然含まれる。以下、上記(ii)の方法について詳細に説明する。
開始基を有するポリマーを得る方法に特に限定は無いが、例えば以下の(i)又は(ii)の方法等で得ることができる。
(i)含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)及びリビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)を含むモノマーを共重合させる方法。
(ii)下記工程1及び2を経る方法。
工程1;含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)と反応性官能基を有するビニルモノマー(d)を共重合して、反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマーを得る工程。
工程2;工程1で得られた反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマーの反応性官能基と、該反応性官能基と反応しうる官能基及びリビングラジカル重合用開始基を有する化合物(e)を反応させて、開始基を有するポリマーを得る工程。
これらの中ではポリマー構造の設計自由度が高いという観点から(ii)が好ましい。なお、(ii)のように、ポリマーを重合後、リビングラジカル重合用開始基を導入して、上記ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造を誘導した構造も、「ビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造」に当然含まれる。以下、上記(ii)の方法について詳細に説明する。
〔工程1〕
工程1はビニルモノマー(b)及びビニルモノマー(d)を含むモノマーを共重合して、反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマー(以下、「反応性官能基を有するポリマー」ともいう)を得る工程である。
<<ビニルモノマー(b)>>
工程1で用いるビニルモノマー(b)は、前述のビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造で示された単位構造に対応するモノマーである。ここで、単位構造に対応するモノマーとは、該単位構造が、該モノマーを重合して得られるホモポリマーの繰り返し単位構造であることを意味する。よって、ビニルモノマー(b)が有する含窒素官能基及びその好ましい様態は、前述のビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造の含窒素官能基及びその好ましい様態と同様である。
ビニルモノマー(b)のビニル基には、含窒素官能基の他、メチル基が置換していてもよい。
ビニルモノマー(b)のビニル基と含窒素官能基は、連結基を介して結合していてもよいが、直接結合していることが好ましい。
ビニルモノマー(b)としては、具体的には、N,N−ジアルキル(C1〜4)アミノアルキル(C1〜6)(メタ)アクリレート、1−(N,N−ジアルキル(C1〜4)アミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、ピペリジノエチル(メタ)アクリレート、1−ピロリジノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル−2−ピロリジルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチルフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;アミド結合を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(C1〜4)(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜4)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(C1〜4)アミノアルキル(C1〜6)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、N−(1−ピペリジノ)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−ピロリジル)(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルフェニル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン;N−ビニル−2−ピロリドン等のビニルピロリドンが挙げられる。
工程1はビニルモノマー(b)及びビニルモノマー(d)を含むモノマーを共重合して、反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマー(以下、「反応性官能基を有するポリマー」ともいう)を得る工程である。
<<ビニルモノマー(b)>>
工程1で用いるビニルモノマー(b)は、前述のビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造で示された単位構造に対応するモノマーである。ここで、単位構造に対応するモノマーとは、該単位構造が、該モノマーを重合して得られるホモポリマーの繰り返し単位構造であることを意味する。よって、ビニルモノマー(b)が有する含窒素官能基及びその好ましい様態は、前述のビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造の含窒素官能基及びその好ましい様態と同様である。
ビニルモノマー(b)のビニル基には、含窒素官能基の他、メチル基が置換していてもよい。
ビニルモノマー(b)のビニル基と含窒素官能基は、連結基を介して結合していてもよいが、直接結合していることが好ましい。
ビニルモノマー(b)としては、具体的には、N,N−ジアルキル(C1〜4)アミノアルキル(C1〜6)(メタ)アクリレート、1−(N,N−ジアルキル(C1〜4)アミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、ピペリジノエチル(メタ)アクリレート、1−ピロリジノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル−2−ピロリジルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチルフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;アミド結合を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(C1〜4)(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜4)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(C1〜4)アミノアルキル(C1〜6)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピルスルホン酸、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、N−(1−ピペリジノ)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−ピロリジル)(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルフェニル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン;N−ビニル−2−ピロリドン等のビニルピロリドンが挙げられる。
これらの中では、顔料への吸着性の観点から、N−置換(メタ)アクリルアミド、N-ビニル-2-ピロリドンが好ましく、N−ビニル−2−ピロリドンが特に好ましい。
<<反応性官能基を有するビニルモノマー(d)>>
反応性官能基を有するビニルモノマー(d)(以下「ビニルモノマー(d)ともいう)としては、エポキシ基を有するモノマー、カルボン酸基を有するモノマー、水酸基を有するモノマー等が挙げられるが、重合中及び、又は重合後の副反応の抑制、重合速度の観点から水酸基を有するモノマーが好ましい。
反応性官能基を有するビニルモノマー(d)(以下「ビニルモノマー(d)ともいう)としては、エポキシ基を有するモノマー、カルボン酸基を有するモノマー、水酸基を有するモノマー等が挙げられるが、重合中及び、又は重合後の副反応の抑制、重合速度の観点から水酸基を有するモノマーが好ましい。
エポキシ基を有するモノマーとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボン酸基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
水酸基を有するモノマーとしては例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。なお、ビニルモノマー(d)としてN−ヒドロキシエチルアクリルアミドを用いた場合で、後述する化合物(e)との反応において化合物(e)との反応しなかった場合は、反応後に得られる開始基を有するポリマー中のN−ヒドロキシエチルアクリルアミド由来の繰り返し単位構造は、ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造とみなす。
カルボン酸基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
水酸基を有するモノマーとしては例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましく、さらに好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。なお、ビニルモノマー(d)としてN−ヒドロキシエチルアクリルアミドを用いた場合で、後述する化合物(e)との反応において化合物(e)との反応しなかった場合は、反応後に得られる開始基を有するポリマー中のN−ヒドロキシエチルアクリルアミド由来の繰り返し単位構造は、ビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造とみなす。
<<その他のビニルモノマー(f)>>
工程1において用いるモノマーには、ビニルモノマー(b)及びビニルモノマー(d)以外に、必要に応じてその他のビニルモノマー(f)が含まれていてもよい。
工程1において用いるモノマーには、ビニルモノマー(b)及びビニルモノマー(d)以外に、必要に応じてその他のビニルモノマー(f)が含まれていてもよい。
工程1で原料として用いられるモノマー中、ビニルモノマー(b)の組成は顔料への吸着性の観点から好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜50質量%、更に好ましくは25〜50質量%である。
工程1で原料として用いられるモノマー中、ビニルモノマー(d)の組成は顔料分散組成物の粒径、粘度の観点から好ましくは40〜90質量%、より好ましくは50〜85質量%、更に好ましくは50〜75質量%である。
工程1で原料として用いられるモノマー中、ビニルモノマー(b)の組成及びビニルモノマー(d)の組成の和は、好ましくは80〜100質量%であり、より好ましくは90〜100質量%であり、更に好ましくは、95〜100質量%である。
工程1で原料として用いられるモノマー中、ビニルモノマー(d)の組成は顔料分散組成物の粒径、粘度の観点から好ましくは40〜90質量%、より好ましくは50〜85質量%、更に好ましくは50〜75質量%である。
工程1で原料として用いられるモノマー中、ビニルモノマー(b)の組成及びビニルモノマー(d)の組成の和は、好ましくは80〜100質量%であり、より好ましくは90〜100質量%であり、更に好ましくは、95〜100質量%である。
<<共重合>>
共重合の方法としては特に制限はなく、既知の重合法であるバルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等を採用しうるが、特に溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いる溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカルボニル化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。溶媒の使用量はモノマーの反応速度、反応制御の観点からモノマーに対して好ましくは1〜1000質量%、更に好ましくは20〜500質量%、特に好ましくは50〜300質量%である。
工程1の共重合を行うための重合開始剤にも特に限定は無く、既知の重合開始剤を用いることができる。工程1の共重合で用いる重合開始剤としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系等が挙げられる。該重合開始剤の使用量は、分子量制御の観点からモノマーに対して0.01〜20質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。また必要に応じて、連鎖移動剤等を用いることもできる。連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類が挙げられる。
反応温度は、用いる重合開始剤、溶媒の種類等により適宜選択できるが、モノマーの反応時間の短縮化、モノマーの反応制御の観点から好ましくは0〜150℃、更に好ましくは30〜120℃、特に好ましくは50〜100℃である。
反応時間は、未反応モノマーを少なくすること、モノマーの反応制御の観点から好ましくは0.5〜50時間、更に好ましくは1〜20時間、特に好ましくは2〜10時間である。
共重合の方法としては特に制限はなく、既知の重合法であるバルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等を採用しうるが、特に溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いる溶剤としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカルボニル化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等ハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。溶媒の使用量はモノマーの反応速度、反応制御の観点からモノマーに対して好ましくは1〜1000質量%、更に好ましくは20〜500質量%、特に好ましくは50〜300質量%である。
工程1の共重合を行うための重合開始剤にも特に限定は無く、既知の重合開始剤を用いることができる。工程1の共重合で用いる重合開始剤としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系等が挙げられる。該重合開始剤の使用量は、分子量制御の観点からモノマーに対して0.01〜20質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。また必要に応じて、連鎖移動剤等を用いることもできる。連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類が挙げられる。
反応温度は、用いる重合開始剤、溶媒の種類等により適宜選択できるが、モノマーの反応時間の短縮化、モノマーの反応制御の観点から好ましくは0〜150℃、更に好ましくは30〜120℃、特に好ましくは50〜100℃である。
反応時間は、未反応モノマーを少なくすること、モノマーの反応制御の観点から好ましくは0.5〜50時間、更に好ましくは1〜20時間、特に好ましくは2〜10時間である。
工程1で得られる反応性官能基、含窒素官能基を有する共重合ポリマーの重量平均分子量は、顔料への吸着性、顔料分散組成物の粘度の観点から好ましくは3000〜100000、より好ましくは4000〜50000、更に好ましくは5000〜20000である。反応性官能基を有する共重合ポリマーの重量平均分子量は、工程1で用いる重合開始剤の量等によって制御することができる。
〔工程2〕
工程2は、工程1で得られた反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマーと、該反応性官能基と反応しうる官能基(以下、「対応官能基」ともいう)及びリビングラジカル重合用開始基を有する化合物(e)(以下「化合物(e)」ともいう)を反応させて、開始基を有するポリマーを得る工程である。
工程2は、工程1で得られた反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマーと、該反応性官能基と反応しうる官能基(以下、「対応官能基」ともいう)及びリビングラジカル重合用開始基を有する化合物(e)(以下「化合物(e)」ともいう)を反応させて、開始基を有するポリマーを得る工程である。
<<化合物(e)>>
化合物(e)の開始基、及びその好ましい様態は、前記「ビニルモノマー(a)」の項で記載の開始基、及びその好ましい様態と同様である。
対応官能基は、反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基に応じて選択され、具体的には、例えば、反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基が水酸基であればカルボキシ基、又はカルボン酸ハロゲン化物、該反応性官能基がエポキシ基であれば、アミノ基、又はカルボキシ基が挙げられる。
反応性の観点から、反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基として水酸基、対応官能基としてはカルボキシ基、カルボン酸ハロゲン化物の組合せが好ましく、反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基として水酸基、対応官能基としてはカルボン酸ハロゲン化物の組合せがより好ましい。
化合物(e)の開始基、及びその好ましい様態は、前記「ビニルモノマー(a)」の項で記載の開始基、及びその好ましい様態と同様である。
対応官能基は、反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基に応じて選択され、具体的には、例えば、反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基が水酸基であればカルボキシ基、又はカルボン酸ハロゲン化物、該反応性官能基がエポキシ基であれば、アミノ基、又はカルボキシ基が挙げられる。
反応性の観点から、反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基として水酸基、対応官能基としてはカルボキシ基、カルボン酸ハロゲン化物の組合せが好ましく、反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基として水酸基、対応官能基としてはカルボン酸ハロゲン化物の組合せがより好ましい。
化合物(e)において、開始基と対応官能基は直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。
連結基としては、2価の基であれば特に限定されないが、水酸基、又はアミノ基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
化合物(e)の具体例としては、対応官能基としてカルボキシ基、及びカルボン酸ハロゲン化物を有するものとして、2−クロロプロピオン酸及びそのカルボン酸ハロゲン化物、2−ブロモプロピオン酸及びそのカルボン酸ハロゲン化物、2−クロロブタン酸及びそのカルボン酸ハロゲン化物、2−ブロモブタン酸及びそのカルボン酸ハロゲン化物、2−クロロイソブタン酸及びその酸ハロゲン化物、2−ブロモイソブタン酸及びその酸ハロゲン化物等が挙げられる。
対応官能基としてアミノ基を有する化合物(e)の具体例としては、下記一般式(4)で示される化合物を挙げることができる。
H2 N−(CH2 )n −OC(O)C(R21)(R22)(X2) (4)
連結基としては、2価の基であれば特に限定されないが、水酸基、又はアミノ基で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。
化合物(e)の具体例としては、対応官能基としてカルボキシ基、及びカルボン酸ハロゲン化物を有するものとして、2−クロロプロピオン酸及びそのカルボン酸ハロゲン化物、2−ブロモプロピオン酸及びそのカルボン酸ハロゲン化物、2−クロロブタン酸及びそのカルボン酸ハロゲン化物、2−ブロモブタン酸及びそのカルボン酸ハロゲン化物、2−クロロイソブタン酸及びその酸ハロゲン化物、2−ブロモイソブタン酸及びその酸ハロゲン化物等が挙げられる。
対応官能基としてアミノ基を有する化合物(e)の具体例としては、下記一般式(4)で示される化合物を挙げることができる。
H2 N−(CH2 )n −OC(O)C(R21)(R22)(X2) (4)
上記一般式(4)において、X2は塩素、または臭素を示し、R21、R22はそれぞれ、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基を示し、nは1〜20の整数を示す。
一般式(5)中、R21、R22、X2、nはそれぞれ前記R21、R22、X2及びnと同様の意味を示す。
これらの内、化合物(e)としては、対応官能基としてカルボキシ基、カルボン酸ハロゲン化物を有するものが好ましく、2−クロロイソブタン酸及びその酸ハロゲン化物、2−ブロモイソブタン酸及びその酸ハロゲン化物がより好ましく、2−クロロイソブタン酸ハライド、2−ブロモイソブタン酸ハライドが更に好ましい。
これらの内、化合物(e)としては、対応官能基としてカルボキシ基、カルボン酸ハロゲン化物を有するものが好ましく、2−クロロイソブタン酸及びその酸ハロゲン化物、2−ブロモイソブタン酸及びその酸ハロゲン化物がより好ましく、2−クロロイソブタン酸ハライド、2−ブロモイソブタン酸ハライドが更に好ましい。
化合物(e)の使用量は、得られる開始基を有するポリマー中の開始基の数が所望の値となる様適宜制御すればよいが、工程1で得られた反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基1モルに対して、通常、0.01〜1000モルであり、好ましくは0.02〜100モル、さらに好ましくは0.1〜10モルである。
<<工程2における反応>>
工程2における反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基と化合物(e)の対応官能基との反応は、無溶媒で行ってもよいが、溶媒中で行うことが好ましい。用いる溶媒は特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカルボニル化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等ハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらの中では工程1で得られるポリマーの溶解性、副反応の抑制の観点からエーテル類が好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。
工程2における反応の反応温度は特に限定されないが、通常-50〜200℃、好ましくは−20℃〜150℃の温度で行われる。また反応の際、必要であれば触媒を添加してもよい。
反応後、本発明においては、周知の方法に従って、未反応物/溶媒の留去、適当な溶媒中での再沈殿、沈殿したポリマーの濾過または遠心分離、ポリマーの洗浄および乾燥を行うことが出来る。得られた開始基を有するポリマーは、既知の手法に従って、サイズ排除クロマトグラフィ、NMRスペクトル等により分析することが出来る。
工程2における反応性官能基を有するポリマーの反応性官能基と化合物(e)の対応官能基との反応は、無溶媒で行ってもよいが、溶媒中で行うことが好ましい。用いる溶媒は特に限定されないが、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカルボニル化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等ハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらの中では工程1で得られるポリマーの溶解性、副反応の抑制の観点からエーテル類が好ましく、テトラヒドロフランがより好ましい。
工程2における反応の反応温度は特に限定されないが、通常-50〜200℃、好ましくは−20℃〜150℃の温度で行われる。また反応の際、必要であれば触媒を添加してもよい。
反応後、本発明においては、周知の方法に従って、未反応物/溶媒の留去、適当な溶媒中での再沈殿、沈殿したポリマーの濾過または遠心分離、ポリマーの洗浄および乾燥を行うことが出来る。得られた開始基を有するポリマーは、既知の手法に従って、サイズ排除クロマトグラフィ、NMRスペクトル等により分析することが出来る。
<開始基を有するポリマー存在下に、ビニルモノマー(c)をリビングラジカル重合する工程>
リビングラジカル重合法としては特に限定されないが、ヨウ素移動ラジカル重合法、原子移動ラジカル重合法(ATRP)、可逆的付加―開裂連鎖移動重合(RAFT)等が挙げられる。これらの中では、開始基を有するポリマーに結合していないビニルモノマー(a)の重合物の含有量を少なくすること、重合可能なモノマー種の多さ、触媒等の入手性の観点からATRPが好ましい。
リビングラジカル重合法としては特に限定されないが、ヨウ素移動ラジカル重合法、原子移動ラジカル重合法(ATRP)、可逆的付加―開裂連鎖移動重合(RAFT)等が挙げられる。これらの中では、開始基を有するポリマーに結合していないビニルモノマー(a)の重合物の含有量を少なくすること、重合可能なモノマー種の多さ、触媒等の入手性の観点からATRPが好ましい。
(ビニルモノマー(c))
ビニルモノマー(c)としては、ビニル基を有するモノマーであれば特に限定は無い。本願の分散剤の非水系溶媒への溶解性の観点から、非イオン性ビニルモノマーであることが好ましく、重合制御の容易性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ベンジル等、及びスチレンが挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ベンジルが更に好ましい。
ビニルモノマー(c)の使用量は非水系顔料分散組成物の粘度、重合制御の観点から開始基を有するポリマーに対して好ましくは100〜1000質量%、更に好ましくは120〜500質量%、特に好ましくは150〜300質量%である。
ビニルモノマー(c)としては、ビニル基を有するモノマーであれば特に限定は無い。本願の分散剤の非水系溶媒への溶解性の観点から、非イオン性ビニルモノマーであることが好ましく、重合制御の容易性の観点から、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ベンジル等、及びスチレンが挙げられ、中でも(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ベンジルが更に好ましい。
ビニルモノマー(c)の使用量は非水系顔料分散組成物の粘度、重合制御の観点から開始基を有するポリマーに対して好ましくは100〜1000質量%、更に好ましくは120〜500質量%、特に好ましくは150〜300質量%である。
(重合溶媒)
ビニルモノマー(c)のリビングラジカル重合は、無溶媒又は各種の溶媒中で行うことができる。
使用できる重合溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカルボニル化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等ハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの内、開始基を有するポリマーの溶解性、重合制御の観点からエーテル類、アミド類、アルコール類が好ましく、アミド類が更に好ましく、N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。
重合溶媒の使用量は、モノマーの反応速度、反応制御の観点からビニルモノマー(c)に対して、好ましくは1〜1000質量%、更に好ましくは20〜500質量%、特に好ましくは50〜300質量%である。
ビニルモノマー(c)のリビングラジカル重合は、無溶媒又は各種の溶媒中で行うことができる。
使用できる重合溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカルボニル化合物、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソアミルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン等ハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの内、開始基を有するポリマーの溶解性、重合制御の観点からエーテル類、アミド類、アルコール類が好ましく、アミド類が更に好ましく、N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。
重合溶媒の使用量は、モノマーの反応速度、反応制御の観点からビニルモノマー(c)に対して、好ましくは1〜1000質量%、更に好ましくは20〜500質量%、特に好ましくは50〜300質量%である。
(その他添加物)
リビングラジカル重合としてATRPを用いる場合には低原子価遷移金属と有機配位子からなる金属錯体の存在下で行うことが好ましい。
低原子価遷移金属としてはCu+、Ni0、Ni+、Ni2+、Pd0、Pd+、Pt0、Pt+、Pt2+、Rh+、Rh2+、Rh3+、Co+、Co2+、Ir0、Ir+、Ir2+、Ir3+、Fe2+、Ru2+、Ru3+、Ru4+、Ru5+、Os2+、Os3+、Re2+、Re3+、Re4+、Re6+、Mn2+、Mn3+が挙げられるが、Cu+、Ru2+、Fe2+、Ni2+が好ましく、より好ましくはCu+である。
有機配位子としては、2,2’−ビピリジル及び4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル等の2,2’−ビピリジルの誘導体、1、10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリス(ジメチルアミノエチル)アミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、1,4,8,11−テトラアザ−1,4,8,11−テトラメチルシクロテトラデカン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン、トリス(2−ピリジルメチル)アミン、トリス(2−アミノエチル)アミントリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられる。これらの中では2.2’−ビピリジル及び4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル等の2,2’−ビピリジルの誘導体が好ましい。
リビングラジカル重合としてATRPを用いる場合には低原子価遷移金属と有機配位子からなる金属錯体の存在下で行うことが好ましい。
低原子価遷移金属としてはCu+、Ni0、Ni+、Ni2+、Pd0、Pd+、Pt0、Pt+、Pt2+、Rh+、Rh2+、Rh3+、Co+、Co2+、Ir0、Ir+、Ir2+、Ir3+、Fe2+、Ru2+、Ru3+、Ru4+、Ru5+、Os2+、Os3+、Re2+、Re3+、Re4+、Re6+、Mn2+、Mn3+が挙げられるが、Cu+、Ru2+、Fe2+、Ni2+が好ましく、より好ましくはCu+である。
有機配位子としては、2,2’−ビピリジル及び4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル等の2,2’−ビピリジルの誘導体、1、10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、トリス(ジメチルアミノエチル)アミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、1,4,8,11−テトラアザ−1,4,8,11−テトラメチルシクロテトラデカン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン、トリス[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミン、トリス(2−ピリジルメチル)アミン、トリス(2−アミノエチル)アミントリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられる。これらの中では2.2’−ビピリジル及び4,4’−ジノニル−2,2’−ジピリジル等の2,2’−ビピリジルの誘導体が好ましい。
低原子価遷移金属と有機配位子からなる金属錯体の使用量は、分子量分布の狭いポリマーを得るという観点から重合開始基1モルに対し、通常0.01〜100モル、好ましくは0.1〜50モル、より好ましくは0.1〜10モルである。
低原子価遷移金属と有機配位子からなる金属錯体は、別々に添加して重合系中で金属錯体を生成させてもよいし、あらかじめ金属錯体を合成し重合系中に添加してもよい。低原子価遷移金属としてCu+を用いる場合、特に前者が好ましい。
低原子価遷移金属と有機配位子からなる金属錯体は、別々に添加して重合系中で金属錯体を生成させてもよいし、あらかじめ金属錯体を合成し重合系中に添加してもよい。低原子価遷移金属としてCu+を用いる場合、特に前者が好ましい。
(リビングラジカル重合の条件)
リビングラジカル重合時の温度は特に限定されないが、通常−50〜200℃、好ましくは0〜150℃、更に好ましくは30〜120℃の温度範囲で行われる。
また反応時間は、未反応モノマーを少なくする観点、モノマーの反応制御の観点から好ましくは0.5〜50時間、より好ましくは1〜20時間、更に好ましくは2〜10時間である。
リビングラジカル重合時の温度は特に限定されないが、通常−50〜200℃、好ましくは0〜150℃、更に好ましくは30〜120℃の温度範囲で行われる。
また反応時間は、未反応モノマーを少なくする観点、モノマーの反応制御の観点から好ましくは0.5〜50時間、より好ましくは1〜20時間、更に好ましくは2〜10時間である。
(リビングラジカル重合後の後処理)
リビングラジカル重合後は、既知の方法により、残存モノマー及び/又は溶媒の留去、適当な溶媒中での再沈殿、沈殿したポリマーの濾過又は遠心分離、ポリマーの洗浄及び乾燥を行うことができる。
リビングラジカル重合をATRPで行い、遷移金属化合物を添加した場合、遷移金属化合物は、リビングラジカル重合終了後の混合物を、アルミナ、シリカ又はクレーのカラム若しくはパッドに通すことにより除去することができる。その他、リビングラジカル重合後の混合物に金属吸着剤を分散させて処理してもよい。
リビングラジカル重合後は、既知の方法により、残存モノマー及び/又は溶媒の留去、適当な溶媒中での再沈殿、沈殿したポリマーの濾過又は遠心分離、ポリマーの洗浄及び乾燥を行うことができる。
リビングラジカル重合をATRPで行い、遷移金属化合物を添加した場合、遷移金属化合物は、リビングラジカル重合終了後の混合物を、アルミナ、シリカ又はクレーのカラム若しくはパッドに通すことにより除去することができる。その他、リビングラジカル重合後の混合物に金属吸着剤を分散させて処理してもよい。
得られた本発明のグラフトポリマーは、公知の手法により、サイズ排除クロマトグラフィー、NMRスペクトル等により分析することができる。
グラフトポリマー中の側鎖の割合は、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは60〜90質量%、更に好ましくは70〜80質量%である。
グラフトポリマー中の側鎖の割合は、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは60〜90質量%、更に好ましくは70〜80質量%である。
[非水系顔料分散組成物]
本発明の非水系顔料分散組成物は、顔料(A)、非水系溶媒(B)、及び本発明の分散剤を含有する。
[顔料(A)]
本発明に用いられる顔料は、無機顔料及び有機顔料いずれであってもよい。 無機顔料としては、例えばカーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、レーキ顔料が挙げられる。アゾ顔料としてはC.I.ピグメントレッド3等の不溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド48:1等の溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6等の銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
縮合多環顔料としては、C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド123等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ66等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系顔料、C.I.ピグメントレッド88等のインジゴ系顔料、C.I.ピグメントグリーン8等の金属錯体顔料、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントオレンジ71等のジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
本発明の非水系顔料分散組成物は、顔料(A)、非水系溶媒(B)、及び本発明の分散剤を含有する。
[顔料(A)]
本発明に用いられる顔料は、無機顔料及び有機顔料いずれであってもよい。 無機顔料としては、例えばカーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、レーキ顔料が挙げられる。アゾ顔料としてはC.I.ピグメントレッド3等の不溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド48:1等の溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6等の銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
縮合多環顔料としては、C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド123等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ66等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系顔料、C.I.ピグメントレッド88等のインジゴ系顔料、C.I.ピグメントグリーン8等の金属錯体顔料、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントオレンジ71等のジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
式(6)中、X3及びX4は、それぞれ独立して、水素原子又はフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子を示し、Y3及びY4は、それぞれ独立して、水素原子又は−SO3H基を示す。
顔料は、明度Y値の向上の観点から、その平均一次粒子径は、好ましくは100nm以下、更に好ましくは20〜60nmにした微粒化処理品を用いることが望ましい。顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測してその平均をその粒子の粒子径とし、次に100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(質量)を、求めた粒子径の直方体と近似して求め、体積平均粒子径を求めそれを平均一次粒子径とする。
上記の顔料、特にジケトピロロピロール系顔料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料は、明度Y値の向上の観点から、その平均一次粒子径は、好ましくは100nm以下、更に好ましくは20〜60nmにした微粒化処理品を用いることが望ましい。顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測してその平均をその粒子の粒子径とし、次に100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(質量)を、求めた粒子径の直方体と近似して求め、体積平均粒子径を求めそれを平均一次粒子径とする。
上記の顔料、特にジケトピロロピロール系顔料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[非水系溶媒(B)]
本発明に用いられる非水系溶媒は特に限定されないが、特にカラーフィルター用の油性インクとして用いる場合、沸点が100℃以上の高沸点有機溶媒を用いることが好ましい。このような高沸点有機溶媒としては、以下の(i)〜(v)等が挙げられる。
(i)エチレングリコールアルキルエーテル類(セロソルブ類):エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等
(ii)ジエチレングリコールアルキルエーテル類(カルビトール類):ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等
(iii)プロピレングリコールジアルキルエーテル類:プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等
(iv)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等
(v)アルコール類:エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等
上記非水系溶媒の中では、(iv)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が特に好ましい。
これらの非水系溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記非水系溶媒(B)の中では、(iv)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が特に好ましい。
本発明に用いられる非水系溶媒は特に限定されないが、特にカラーフィルター用の油性インクとして用いる場合、沸点が100℃以上の高沸点有機溶媒を用いることが好ましい。このような高沸点有機溶媒としては、以下の(i)〜(v)等が挙げられる。
(i)エチレングリコールアルキルエーテル類(セロソルブ類):エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等
(ii)ジエチレングリコールアルキルエーテル類(カルビトール類):ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等
(iii)プロピレングリコールジアルキルエーテル類:プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等
(iv)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等
(v)アルコール類:エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等
上記非水系溶媒の中では、(iv)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が特に好ましい。
これらの非水系溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記非水系溶媒(B)の中では、(iv)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が特に好ましい。
非水系顔料分散組成物中の顔料(A)の割合は、良好な着色性及び粘度を得る観点から、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。
非水系溶媒(B)の含有量は、良好な着色性及び粘度を得る観点から、非水系顔料分散組成物中の全固形分に対して、100〜10000質量%が好ましく、200〜1000質量%がより好ましい。
分散剤の含有量は、良好な粘度及び塗膜物性を得る観点から、顔料(A)に対し1〜300質量%が好ましく、2〜200質量%がより好ましく、5〜150質量%が特に好ましい。
非水系溶媒(B)の含有量は、良好な着色性及び粘度を得る観点から、非水系顔料分散組成物中の全固形分に対して、100〜10000質量%が好ましく、200〜1000質量%がより好ましい。
分散剤の含有量は、良好な粘度及び塗膜物性を得る観点から、顔料(A)に対し1〜300質量%が好ましく、2〜200質量%がより好ましく、5〜150質量%が特に好ましい。
非水系顔料分散組成物中に分散された顔料の体積中位粒径(D50)は、カラーフィルター用色材として良好なコントラストを得るために、80nm以下が好ましく、20〜70nmがより好ましく、20〜60nmが更に好ましい。
体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が小粒径側から累積して50%になる粒径を意味する。体積中位粒径(D50)の値は、実施例に記載の方法で測定することができる。
体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が小粒径側から累積して50%になる粒径を意味する。体積中位粒径(D50)の値は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明の非水系顔料分散組成物は、顔料(A)、非水系溶媒(B)、本発明の分散剤以外に、バインダー、多官能モノマー、光重合開始剤、熱重合開始剤等を含有することもできる。
バインダーとしては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体とアルコール類との反応物、エポキシ基含有重合体等を挙げることができる。その重量平均分子量は、5000〜200,000が好ましい。バインダーの含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して20〜80質量%が好ましい。
多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等を挙げることができる。カルボン酸を2個以上有する多価カルボン酸化合物及びその誘導体等も挙げることができる。多官能モノマーの含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して10〜60質量%が好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類を挙げることができる。特に4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]が好ましい。光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して0.2〜10質量%が好ましい。
バインダーとしては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体とアルコール類との反応物、エポキシ基含有重合体等を挙げることができる。その重量平均分子量は、5000〜200,000が好ましい。バインダーの含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して20〜80質量%が好ましい。
多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等を挙げることができる。カルボン酸を2個以上有する多価カルボン酸化合物及びその誘導体等も挙げることができる。多官能モノマーの含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して10〜60質量%が好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類を挙げることができる。特に4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]が好ましい。光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。光重合開始剤の含有量は、顔料分散組成物中の全固形分に対して0.2〜10質量%が好ましい。
[非水系顔料分散組成物の製造]
本発明の顔料分散組成物は、顔料(A)、非水系溶媒(B)、本発明の分散剤、及びその他のバインダー、多官能モノマー等を混合・分散することにより得ることができる。その混合・分散方法に特に制限はない。例えば、ペイントシェーカー、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ、商品名)、ミニラボ8.3H型(Rannie社、商品名)に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー(Microfluidics社、商品名)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社、商品名)、アルティマイザー(スギノマシン株式会社、商品名)、ジーナスPY(白水化学株式会社、商品名)、DeBEE2000(日本ビーイーイー株式会社、商品名)等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等を用いて、各成分を混合することができる。混合・分散処理においては2種以上の上記装置を多段的に組み合わせてもよい。
混合・分散処理においてはメディア式分散機を用いることが好ましい。用いるメディアの材質としては、ジルコニア、チタニア等のセラミックス、高分子材料、金属等が挙げられるが、耐摩耗性の観点からジルコニアが好ましい。また、メディアの粒径としては、0.003〜0.5mmが好ましく、0.005〜0.09mmがより好ましく、0.01〜0.08mmが更に好ましい。
また、上記で得られた顔料分散組成物から更に、顔料(A)に未吸着の本発明の分散剤を除去することで、顔料分散組成物を更に低粘度化することもできる。未吸着分散剤を除去する方法としては、例えば、特開2010−275536に記載の遠心分離処理、ろ過処理等が挙げられる。
本発明の顔料分散組成物は、顔料(A)、非水系溶媒(B)、本発明の分散剤、及びその他のバインダー、多官能モノマー等を混合・分散することにより得ることができる。その混合・分散方法に特に制限はない。例えば、ペイントシェーカー、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ、商品名)、ミニラボ8.3H型(Rannie社、商品名)に代表されるホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー(Microfluidics社、商品名)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社、商品名)、アルティマイザー(スギノマシン株式会社、商品名)、ジーナスPY(白水化学株式会社、商品名)、DeBEE2000(日本ビーイーイー株式会社、商品名)等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等を用いて、各成分を混合することができる。混合・分散処理においては2種以上の上記装置を多段的に組み合わせてもよい。
混合・分散処理においてはメディア式分散機を用いることが好ましい。用いるメディアの材質としては、ジルコニア、チタニア等のセラミックス、高分子材料、金属等が挙げられるが、耐摩耗性の観点からジルコニアが好ましい。また、メディアの粒径としては、0.003〜0.5mmが好ましく、0.005〜0.09mmがより好ましく、0.01〜0.08mmが更に好ましい。
また、上記で得られた顔料分散組成物から更に、顔料(A)に未吸着の本発明の分散剤を除去することで、顔料分散組成物を更に低粘度化することもできる。未吸着分散剤を除去する方法としては、例えば、特開2010−275536に記載の遠心分離処理、ろ過処理等が挙げられる。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「%」は特記しない限り「質量%」を意味する。
なお、製造例で得られたポリマーの不揮発分、エポキシ価、顔料分散組成物の粘度、粒径の測定は、以下の方法により行った。
なお、製造例で得られたポリマーの不揮発分、エポキシ価、顔料分散組成物の粘度、粒径の測定は、以下の方法により行った。
(1)不揮発分の測定
シャーレにガラス棒と乾燥無水硫酸ナトリウム10gを量り取り、そこにポリマー溶液2gを入れ、ガラス棒で混合し、150℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で8時間乾燥する。乾燥後の重さを量り、次式より得られた値を不揮発分とした。
不揮発分={[乾燥後の重さ−(シャーレ+ガラス棒+無水硫酸ナトリウムの重さ)]/サンプル量}×100
(2)エポキシ価の測定
ポリマー溶液に塩酸を加え、クロルヒドリン化により消費された量を水酸化カリウムのmg数で換算して表示した。
(3)粘度の測定
調製した顔料分散組成物の粘度を、E型粘度計を用いて20℃で測定を行った。
(4)粘度変化率の算出
調製した顔料分散組成物を40℃の条件下で168時間保存し、保存前後の粘度変化を対比して、下記計算式により粘度変化率を求め、分散安定性を評価した。
粘度変化率=(40℃で168時間保存後の粘度/調製直後の粘度)
(5)粒径(D50)の測定
調製した顔料分散組成物の粒径をゼータナノサイザー(シメックス株式会社製、商品名:NanoZS)を用いて測定した。
(6)1H−NMRの測定
ポリマー、又はポリマー溶液を重クロロホルム溶媒に溶解させ、Mercury400(バリアン社製)を用いて測定した。
シャーレにガラス棒と乾燥無水硫酸ナトリウム10gを量り取り、そこにポリマー溶液2gを入れ、ガラス棒で混合し、150℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で8時間乾燥する。乾燥後の重さを量り、次式より得られた値を不揮発分とした。
不揮発分={[乾燥後の重さ−(シャーレ+ガラス棒+無水硫酸ナトリウムの重さ)]/サンプル量}×100
(2)エポキシ価の測定
ポリマー溶液に塩酸を加え、クロルヒドリン化により消費された量を水酸化カリウムのmg数で換算して表示した。
(3)粘度の測定
調製した顔料分散組成物の粘度を、E型粘度計を用いて20℃で測定を行った。
(4)粘度変化率の算出
調製した顔料分散組成物を40℃の条件下で168時間保存し、保存前後の粘度変化を対比して、下記計算式により粘度変化率を求め、分散安定性を評価した。
粘度変化率=(40℃で168時間保存後の粘度/調製直後の粘度)
(5)粒径(D50)の測定
調製した顔料分散組成物の粒径をゼータナノサイザー(シメックス株式会社製、商品名:NanoZS)を用いて測定した。
(6)1H−NMRの測定
ポリマー、又はポリマー溶液を重クロロホルム溶媒に溶解させ、Mercury400(バリアン社製)を用いて測定した。
実施例1
実施例1−1〔ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル・N−ビニルピロリドン)の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにN−ビニル−2−ピロリドン(和光純薬工業株式会社製)(以下、「VP」という)38.9g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業株式会社製)(以下、「HEMA」という)15.28g、メルカプトプロパンジオール(和光純薬工業株式会社製)(連鎖移動剤)1.58g、エタノール75.73gを仕込み、窒素置換を行った。77℃で攪拌しながら、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、アゾ系重合開始剤、商品名:V−65)1.5gをエタノール9.75gに溶解した液を添加した。
77℃で攪拌しながら、VP 58.35g、HEMA 76.38g、メルカプトプロパンジオール3.64g、前記重合開始剤2.5g、エタノール173.23gを混合した溶液を、90分かけて滴下した。
滴下終了した後に更に、HEMA 61.10、メルカプトプロパンジオール1.65g、前記重合開始剤1.0g、エタノール65gを混合した溶液を3時間かけて滴下した。更に1時間、77℃で攪拌後、前記重合開始剤0.25gとエタノール7.5gを加えた。更に77℃で1時間攪拌した後、前記重合開始剤0.25gとエタノール7.5gを加えた。更に1時間攪拌した後、冷却し、ポリ(HEMA−VP)のエタノール溶液を得た。その後、ヘキサンで再沈し、乾燥を行い、ポリ(HEMA−VP)を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)により求められた重量平均分子量は7400(ポリスチレン換算)であった。1H−NMR測定より、得られたポリマーの組成がほぼ仕込み比どおりであることを確認した(VP/HEMA=39質量%/61質量%)。
実施例1−1〔ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル・N−ビニルピロリドン)の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにN−ビニル−2−ピロリドン(和光純薬工業株式会社製)(以下、「VP」という)38.9g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業株式会社製)(以下、「HEMA」という)15.28g、メルカプトプロパンジオール(和光純薬工業株式会社製)(連鎖移動剤)1.58g、エタノール75.73gを仕込み、窒素置換を行った。77℃で攪拌しながら、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、アゾ系重合開始剤、商品名:V−65)1.5gをエタノール9.75gに溶解した液を添加した。
77℃で攪拌しながら、VP 58.35g、HEMA 76.38g、メルカプトプロパンジオール3.64g、前記重合開始剤2.5g、エタノール173.23gを混合した溶液を、90分かけて滴下した。
滴下終了した後に更に、HEMA 61.10、メルカプトプロパンジオール1.65g、前記重合開始剤1.0g、エタノール65gを混合した溶液を3時間かけて滴下した。更に1時間、77℃で攪拌後、前記重合開始剤0.25gとエタノール7.5gを加えた。更に77℃で1時間攪拌した後、前記重合開始剤0.25gとエタノール7.5gを加えた。更に1時間攪拌した後、冷却し、ポリ(HEMA−VP)のエタノール溶液を得た。その後、ヘキサンで再沈し、乾燥を行い、ポリ(HEMA−VP)を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)により求められた重量平均分子量は7400(ポリスチレン換算)であった。1H−NMR測定より、得られたポリマーの組成がほぼ仕込み比どおりであることを確認した(VP/HEMA=39質量%/61質量%)。
実施例1−2〔リビングラジカル重合用開始基の導入〕
実施例1−1で得られたポリ(HEMA−VP)1.5g、トリエチルアミン(TEA)2.26g、脱水テトラヒドロフラン(THF)4gをナスフラスコに加え、ゴム栓でキャップした。ナスフラスコを氷冷しながら、2−ブロモイソ酪酸ブロミド(2−Br−BiB;東京化成工業株式会社製)4.66gをシリンジで滴々と加えた。スターラーチップにより攪拌しながら氷冷3時間、室温にもどして10時間反応を行った。反応終了後、生成した塩をろ過により取り除いた。反応溶液を活性アルミナカラムに通し、ヘキサンで再沈したのち真空乾燥を行った。得られたポリマーの1H−NMR測定(400MHz,CDCl3)から、2−Br−BiBがほぼ100%ポリマー中のHEMA由来のOH基と反応していることを確認した。
実施例1−1で得られたポリ(HEMA−VP)1.5g、トリエチルアミン(TEA)2.26g、脱水テトラヒドロフラン(THF)4gをナスフラスコに加え、ゴム栓でキャップした。ナスフラスコを氷冷しながら、2−ブロモイソ酪酸ブロミド(2−Br−BiB;東京化成工業株式会社製)4.66gをシリンジで滴々と加えた。スターラーチップにより攪拌しながら氷冷3時間、室温にもどして10時間反応を行った。反応終了後、生成した塩をろ過により取り除いた。反応溶液を活性アルミナカラムに通し、ヘキサンで再沈したのち真空乾燥を行った。得られたポリマーの1H−NMR測定(400MHz,CDCl3)から、2−Br−BiBがほぼ100%ポリマー中のHEMA由来のOH基と反応していることを確認した。
実施例1−3 〔リビングラジカル重合によるグラフトポリマーの合成〕
3方コックを付けた100mLのナスフラスコに重合開始基として実施例1−2で得られたポリマー13.5g、配位子として2,2’−ビピリジル3.20g、モノマー(c)としてメタクリル酸メチル(和光純薬工業株式会社製)27.4g、溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド33.4g仕込み、15分間窒素バブリングを行った。次に3方コックを付けた100mLのナスフラスコに触媒として塩化銅(I)0.678g、塩化銅(II)0.460g、スターラーチップを入れ、15分間窒素フローを行った。上記のモノマー溶液をシリンジを用いて上記塩化銅等が入ったナスフラスコに移し、更に15分間窒素バブリングを行った。スターラーチップにより攪拌しながら65℃で8.5時間重合を行った。1H−NMRにて測定した重合率は85%であった。重合終了後、ヘキサンで再沈後、真空乾燥を行い、グラフトポリマー(1H−NMRにより測定した側鎖の割合: 74%)を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)により求められた重量平均分子量は24000(ポリスチレン換算)であった。
3方コックを付けた100mLのナスフラスコに重合開始基として実施例1−2で得られたポリマー13.5g、配位子として2,2’−ビピリジル3.20g、モノマー(c)としてメタクリル酸メチル(和光純薬工業株式会社製)27.4g、溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド33.4g仕込み、15分間窒素バブリングを行った。次に3方コックを付けた100mLのナスフラスコに触媒として塩化銅(I)0.678g、塩化銅(II)0.460g、スターラーチップを入れ、15分間窒素フローを行った。上記のモノマー溶液をシリンジを用いて上記塩化銅等が入ったナスフラスコに移し、更に15分間窒素バブリングを行った。スターラーチップにより攪拌しながら65℃で8.5時間重合を行った。1H−NMRにて測定した重合率は85%であった。重合終了後、ヘキサンで再沈後、真空乾燥を行い、グラフトポリマー(1H−NMRにより測定した側鎖の割合: 74%)を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド)により求められた重量平均分子量は24000(ポリスチレン換算)であった。
比較製造例1
比較製造例1−1〔ポリ(メタクリル酸グリシジル・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル・N−ビニルピロリドン)(主鎖の合成)
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにN−ビニル−2−ピロリドン(以下、「VP」という)46.8g、メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業株式会社製)(以下、「GMA」という)7.1g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル11.2g、メルカプトエタノール(和光純薬工業株式会社製)(連鎖移動剤)1.4g、エタノール90.8gを仕込み、窒素置換を行った。77℃で攪拌しながら、重合開始剤としてV−65 1.8gをエタノール11.7gに溶解した液を添加した。
77℃で攪拌しながら、VP 70.0g、GMA 35.6g、HEMA 56.1g、メルカプトエタノール3.2g、前記重合開始剤3g、エタノール207.9gを混合した溶液を、90分かけて滴下した。
滴下終了した後に更に、GMA 28.4g、HEMA 44.9g、メルカプトエタノール1.4g、前記重合開始剤1.2g、エタノール78gを混合した溶液を3時間かけて滴下した。更に1時間、77℃で攪拌後、前記重合開始剤0.3gとエタノール9gを加えた。更に77℃で1時間攪拌した後、前記重合開始剤0.3gとエタノール9gを加えた。更に1時間攪拌した後、冷却し、ポリ(GMA−HEMA−VP)のエタノール溶液を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)により求められた数平均分子量は3700(ポリスチレン換算)であり、不揮発分は42.1%、エポキシ価は39mgKOH/gであった。
比較製造例1−1〔ポリ(メタクリル酸グリシジル・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル・N−ビニルピロリドン)(主鎖の合成)
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにN−ビニル−2−ピロリドン(以下、「VP」という)46.8g、メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業株式会社製)(以下、「GMA」という)7.1g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル11.2g、メルカプトエタノール(和光純薬工業株式会社製)(連鎖移動剤)1.4g、エタノール90.8gを仕込み、窒素置換を行った。77℃で攪拌しながら、重合開始剤としてV−65 1.8gをエタノール11.7gに溶解した液を添加した。
77℃で攪拌しながら、VP 70.0g、GMA 35.6g、HEMA 56.1g、メルカプトエタノール3.2g、前記重合開始剤3g、エタノール207.9gを混合した溶液を、90分かけて滴下した。
滴下終了した後に更に、GMA 28.4g、HEMA 44.9g、メルカプトエタノール1.4g、前記重合開始剤1.2g、エタノール78gを混合した溶液を3時間かけて滴下した。更に1時間、77℃で攪拌後、前記重合開始剤0.3gとエタノール9gを加えた。更に77℃で1時間攪拌した後、前記重合開始剤0.3gとエタノール9gを加えた。更に1時間攪拌した後、冷却し、ポリ(GMA−HEMA−VP)のエタノール溶液を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)により求められた数平均分子量は3700(ポリスチレン換算)であり、不揮発分は42.1%、エポキシ価は39mgKOH/gであった。
比較製造例1−2〔片末端にカルボン酸を有するポリ(メタクリル酸メチル)(側鎖)の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル700g、3−メルカプトプロピオン酸49.77g、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(以下、「DGMBA」という)350gを仕込み、窒素置換したあと、75℃で攪拌しながら、メタクリル酸メチル2800g、3−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)199.1g、DGMBA 1400g、重合開始剤としてV−65 28gを3時間かけて滴下した。更に前記重合開始剤28g、3−メルカプトプロピオン酸12.6g、DGMBA 1400gを1時間かけて滴下した。更に、75℃で2時間攪拌し、目的のポリマー溶液を得た。溶液の酸価は20mgKOH/gであり、ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)により求めた数平均分子量は1700、重量平均分子量は3000、不揮発分は53%であった。
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル700g、3−メルカプトプロピオン酸49.77g、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(以下、「DGMBA」という)350gを仕込み、窒素置換したあと、75℃で攪拌しながら、メタクリル酸メチル2800g、3−メルカプトプロピオン酸(東京化成工業株式会社製)199.1g、DGMBA 1400g、重合開始剤としてV−65 28gを3時間かけて滴下した。更に前記重合開始剤28g、3−メルカプトプロピオン酸12.6g、DGMBA 1400gを1時間かけて滴下した。更に、75℃で2時間攪拌し、目的のポリマー溶液を得た。溶液の酸価は20mgKOH/gであり、ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)により求めた数平均分子量は1700、重量平均分子量は3000、不揮発分は53%であった。
比較製造例1−3〔エポキシ基とカルボン酸のカップリング反応によるグラフトポリマーの製造〕
還流冷却器、温度計、及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに比較製造例1−1のポリマー溶液71.3g、比較製造例1−2のポリマー溶液164.7g、DGMBA 46.2g、エタノール92.2g、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)(触媒)2.7gを仕込み、90℃で13時間攪拌した。冷却後、エバポレーターにて(バス温63℃、圧力92kPa)、エタノールを留去し、ポリ(HEMA−VP−MMA)溶液を得た。エタノール留去前の溶液の酸価は0.2mgKOH/gであった(反応率98%)。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)により求めた数平均分子量は6700、重量平均分子量は28000であり1H−NMRにより測定した側鎖の割合は 74%、不揮発分は50%であった。
還流冷却器、温度計、及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに比較製造例1−1のポリマー溶液71.3g、比較製造例1−2のポリマー溶液164.7g、DGMBA 46.2g、エタノール92.2g、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)(触媒)2.7gを仕込み、90℃で13時間攪拌した。冷却後、エバポレーターにて(バス温63℃、圧力92kPa)、エタノールを留去し、ポリ(HEMA−VP−MMA)溶液を得た。エタノール留去前の溶液の酸価は0.2mgKOH/gであった(反応率98%)。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)により求めた数平均分子量は6700、重量平均分子量は28000であり1H−NMRにより測定した側鎖の割合は 74%、不揮発分は50%であった。
実施例2
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製、BK−CF)20g、実施例1のポリマー20g、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート160gを直径0.3mmのジルコニアビーズ400gと一緒に500ccのポリ瓶に量り、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)で3時間振とうし、金網でジルコニアビーズを濾過し、予備分散体を得た。更に得られた予備分散体100gを直径0.05mmのジルコニアビーズ100gと一緒に250ccのポリ瓶に量り、72時間振とうした。金網でジルコニアビーズを濾過し、顔料分散体を得た。更に得られた顔料分散体を、遠心分離機(日立工機株式会社製、商品名:himac CP56G)を用いて、25000rpmで24時間遠心分離し上澄みを除去した。顔料濃度が12%となるようにジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを加え、超音波により再分散させることで非水系顔料分散組成物を得た。
C.I.ピグメントレッド254(BASF社製、BK−CF)20g、実施例1のポリマー20g、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート160gを直径0.3mmのジルコニアビーズ400gと一緒に500ccのポリ瓶に量り、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)で3時間振とうし、金網でジルコニアビーズを濾過し、予備分散体を得た。更に得られた予備分散体100gを直径0.05mmのジルコニアビーズ100gと一緒に250ccのポリ瓶に量り、72時間振とうした。金網でジルコニアビーズを濾過し、顔料分散体を得た。更に得られた顔料分散体を、遠心分離機(日立工機株式会社製、商品名:himac CP56G)を用いて、25000rpmで24時間遠心分離し上澄みを除去した。顔料濃度が12%となるようにジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを加え、超音波により再分散させることで非水系顔料分散組成物を得た。
比較例1
実施例2において、比較製造例1のポリマー溶液40g(ポリマー20g)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート140gに変更した以外は実施例2と同様の操作を行い、顔料分散組成物を得た。
実施例2において、比較製造例1のポリマー溶液40g(ポリマー20g)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート140gに変更した以外は実施例2と同様の操作を行い、顔料分散組成物を得た。
表1から、本発明の分散剤を用いて調製した非水系顔料分散組成物は、保存による粘度変化率が小さく、保存安定性に優れており、カラーフィルター等の製造工程におけるハンドリンリング性や塗工性に優れることがわかる。
本発明の分散剤を用いると、保存安定性に優れた非水系顔料分散組成物が得られ、カラーフィルターの製造工程におけるハンドリング性や塗工性に優れているため、液晶表示素子や固体撮像素子等のカラーフィルター用色材として好適に使用することができる。
Claims (12)
- リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマーの存在下に、ビニルモノマー(c)をリビングラジカル重合して得られるグラフトポリマーからなる分散剤。
- リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマーが、下記工程1及び2を経て得られるものである、請求項1に記載の分散剤。
工程1;含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)及び反応性官能基を有するビニルモノマー(d)を含むモノマーを共重合して、反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマーを得る工程。
工程2;工程1で得られた反応性官能基と、含窒素官能基を有する共重合ポリマーの反応性官能基と、該反応性官能基と反応しうる官能基及びリビングラジカル重合用開始基を有する化合物(e)を反応させて、リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマーを得る工程。 - 分散剤が、無機又は有機顔料の分散剤である、請求項1又は2に記載の分散剤。
- リビングラジカル重合が原子移動ラジカル重合である、請求項1〜3のいずれかに記載の分散剤。
- グラフトポリマー中の側鎖の割合が、50〜95質量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の分散剤。
- リビングラジカル重合用開始基を有するビニルモノマー(a)由来の繰り返し単位構造及び含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)由来の繰り返し単位構造を含むポリマーの重量平均分子量が3000〜100000である、請求項1〜5のいずれかに記載の分散剤。
- ビニルモノマー(c)が(メタ)アクリル酸エステルである、請求項1〜6のいずれかに記載の分散剤。
- 含窒素官能基を有するビニルモノマー(b)がN−ビニル−2−ピロリドンである、請求項1〜7のいずれかに記載の分散剤。
- 反応性官能基を有するビニルモノマー(d)が(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルである、請求項2に記載の分散剤。
- 顔料(A)、非水系溶媒(B)、及び請求項1〜9のいずれかに記載の分散剤を含有する、非水系顔料分散組成物。
- 非水系溶媒(B)がジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートから選ばれる1種以上である、請求項10に記載の非水系顔料分散組成物。
- 顔料(A)がジケトピロロピロール系顔料である、請求項10又は11に記載の非水系顔料分散組成物。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018159740A1 (ja) | 2017-03-02 | 2018-09-07 | 国立大学法人京都大学 | グラフトポリマーの製造方法、グラフトポリマー、グラフトポリマーの開始剤 |
-
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WO2018159740A1 (ja) | 2017-03-02 | 2018-09-07 | 国立大学法人京都大学 | グラフトポリマーの製造方法、グラフトポリマー、グラフトポリマーの開始剤 |
KR20190124255A (ko) | 2017-03-02 | 2019-11-04 | 고쿠리츠 다이가쿠 호진 교토 다이가쿠 | 그래프트 폴리머의 제조 방법, 그래프트 폴리머, 그래프트 폴리머의 개시제 |
US11407849B2 (en) | 2017-03-02 | 2022-08-09 | Kyoto University Ltd. | Method for manufacturing graft polymer, graft polymer, and initiator of graft polymer |
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