JP2009161691A - カラーフィルター用顔料分散体 - Google Patents

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幸弘 福山
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Abstract

【課題】耐熱性に優れたカラーフィルター用顔料分散体を提供する。
【解決手段】赤色顔料(A)、顔料分散ポリマー(B)、及び有機溶媒(C)を含有する顔料分散体であって、赤色顔料(A)の体積中位粒径(D50)が50nm以下であり、かつ粒子径が25nm以下の体積頻度が25%以下である、カラーフィルター用顔料分散体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルター用顔料分散体に関する。
液晶表示装置(LCD)は、小型・軽量化及び大画面化ができるという長所を有することから開発が盛んである。この液晶表示装置のカラー発色にはカラーフィルターが用いられ、カラーフィルターの製造法としては顔料分散法が汎用されている。
顔料分散法では、顔料分散体と感光組成物を混合したカラーレジスト溶液を透明基板上に塗布した後、露光・硬化、現像、熱硬化させることで透明基板上に着色パターンを形成させる。この顔料分散法においては顔料を微細に分散させるために、界面活性剤や分散剤としてポリマーが用いられているが、顔料の微細化に伴う耐熱性の向上が求められている。
ところで、顔料の分散剤としてグラフトポリマーが良好な性能を有することが知られている。例えば、特許文献1には、有機顔料と、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性オリゴマーと、窒素原子含有基及びエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの共重合体とを含む非水系顔料分散体が開示されているが、耐熱性が不十分であった。
また、ジケトピロロピロール系顔料を微細化すると、カラーフィルター製造における現像後のポストベーク(焼き締め)工程で高温暴露されるとカラーフィルター表面に結晶性異物が発生し、コントラストが大きく低下することが知られている。
この課題に対し、2段階でポストベークする方法(特許文献2)、ジケトピロロピロールスルホン酸誘導体を結晶成長抑制剤として用いた赤色カラーレジストインキ(特許文献3)、顔料分散ポリマーとしてN−置換マレイミド系ポリマーを使用した着色剤組成物(特許文献4)等が提案されている。
しかしながら、高コントラスト比を発現するために微細化された赤色顔料を用いると、保存安定性や耐熱性が不十分で、結晶性異物の抑制効果は不十分であり、高コントラスト比の改善が不十分であった。
特開平10−339949号公報 特開2001−183518号公報 特開2001−240780号公報 特開2006−77087号公報
本発明は、耐熱性に優れたカラーフィルター用顔料分散体を提供することを課題とする。
本発明者らは、カラーフィルター用の赤色顔料分散体の耐熱性及びコントラスト比について微細顔料粒子が悪影響を及ぼしていることを突き止め、特定の微細顔料粒子を低減させることにより、前記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、赤色顔料(A)、顔料分散ポリマー(B)、及び有機溶媒(C)を含有する顔料分散体であって、赤色顔料(A)の体積中位粒径(D50)が50nm以下であり、かつ粒子径が25nm以下の体積頻度が25%以下である、カラーフィルター用顔料分散体を提供する。
本発明によれば、耐熱性に優れ、高コントラスト比を得ることができるカラーフィルター用顔料分散体を提供することができる。
本発明のカラーフィルター用顔料分散体は、赤色顔料(A)、顔料分散ポリマー(B)、及び有機溶媒(C)を含有する顔料分散体であって、赤色顔料(A)の体積中位粒径(D50)が50nm以下であり、かつ粒子径が25nm以下の体積頻度が25%以下であることを特徴とする。
以下、本発明に用いられる各成分等について説明する。
〔赤色顔料(A)〕
本発明に用いられる赤色顔料(A)としては、ジケトピロロピロール系、アントラキノン系、キナクリドン系、ペリレン系、ピラントロン系、アゾ系等の赤色顔料等が挙げられる。
その具体例としては、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレド216、C.I.ピグメントレッド217、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド227、C.I.ピグメントレッド228、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド48:1、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメントレッド146)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメントレッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメントレッド81)等が挙げられる。
これらの中では、耐光性、耐熱性等の観点から、下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料が好ましい。
Figure 2009161691
式(1)中、X1及びX2は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子を示し、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子又は−SO3H基を示す。なお、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子等が挙げられる。
ジケトピロロピロール系赤色顔料の中では、C.I.ピグメントレッド254、255、264及び272等が好ましく、特にC.I.ピグメントレッド254が、優れた耐光性、耐熱性、透明性、着色力を有する点で好ましい。
C.I.ピグメントレッド254の市販品例としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、商品名「Irgaphor Red B-CF」、「Igaphor Red BK-CF」、「Irgaphor Red BT-CF」、「Irgazin DPP Red BO」、「Irgazin DPP Red BL」、「Cromophtal DPP Red BP」、「Cromophtal DPP Red BOC」等が挙げられる。
また、赤色顔料(A)は、明度Y値の向上の観点から、その平均一次粒子径を、好ましくは100nm以下、更に好ましくは20〜60nmにした微粒化処理品を用いることが望ましい。顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測してその平均をその粒子の粒子径とし、次に100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒子径の直方体と近似して求め、体積平均粒子径を求めそれを平均一次粒子径とする。
上記の赤色顔料(A)、特にジケトピロロピロール系顔料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明の目的を阻害しない範囲内で、調色のために赤色有機顔料以外の顔料を混合して使用することもできる。
〔顔料分散ポリマー(B)〕
本発明で用いられる顔料分散ポリマー(B)は、赤色顔料(A)、特にジケトピロロピロール系顔料を有機溶媒(B)中で安定に微細化した状態で分散させうるものであればよく、公知の顔料分散ポリマーを使用することができる。この顔料分散ポリマー(B)は、カラーフィルターを形成する場合にバインダーとして働くものと考えられる。
顔料分散ポリマー(B)としては、例えば、特開平3−277673号公報、特開平10−339949号公報、特表2003−517063号公報等に記載の主鎖にアミド系骨格を有し、側鎖がメタクリル酸エステルによるマクロモノマーからなるグラフトポリマー;特公平7−96654号公報、特開平7−207178号公報等に記載の脂肪族ヒドロキシカルボン酸残基を有するポリエステル系オリゴマー;オルガノシロキサンポリマー(信越化学工業株式会社製、商品名:KP341等);(メタ)アクリル酸系(共)重合体(共栄油脂化学工業株式会社製、商品名:ポリフローNo.75、90、95等);ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;裕商株式会社製、商品名:W001等のカチオン系界面活性剤;裕商株式会社製、商品名:W004、W005、W017等のアニオン系界面活性剤;アストラゼネカ株式会社製の商品名:ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、20000、24000、26000、28000等の各種ソルスパース分散剤、味の素ファインテクノ株式会社製の商品名:アジスパーPB−821、PB−822、三洋化成株式会社製の商品名:イソーネットS−20等が挙げられる。
これらの中では、顔料の微細安定化の観点から、反応性官能基を含有するビニルモノマー(b1a)由来の構成単位、窒素原子を含有するビニルモノマー(b1b)由来の構成単位、並びに片末端に該反応性官能基と反応しうる官能基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキル及び/又はポリスチレン(b2)由来の構成単位を有するグラフトポリマーが好ましい。
該グラフトポリマーは、(1)(b2)成分と反応性官能基を含有するビニルモノマー(b1a)を反応させてマクロモノマーを製造した後、ビニルモノマー(b1b)と重合する方法、及び(2)ビニルモノマー(b1a)と(b1b)を含むモノマー混合物を共重合して、共重合体(以下、b1成分ともいう)を得た後、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル及び/又はポリスチレン(b2)をカップリング反応させて得る方法等により製造することができる。
該グラフトポリマーの製造方式に特に制限はなく、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等を採用しうるが、特に溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いる溶剤に特に制限はなく、エタノール等のアルコール類、ケトン類、エステル類、炭化水素類、エーテル類、芳香族化合物、ハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、過硫酸系開始剤等が挙げられる。また必要に応じて、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類等の連鎖移動剤等を用いることもできる。
片末端にカルボン酸を導入するために、4,4’−アゾビス(4−シアノ酪酸)等のカルボン酸を含む重合開始剤や、メルカプトプロピオン酸等のカルボン酸を含む連鎖移動剤を使用することが好ましく、片末端にアミノ基を導入するために、アミノエタンチオール等の連鎖移動剤、片末端にヒドロキシル基を導入するために、メルカプトエタノール等の連鎖移動剤を使用することが好ましい。
反応温度は、用いる重合開始剤、溶媒の種類等により適宜選択できるが、通常50〜100℃の範囲が好ましい。
[反応性官能基を含有するビニルモノマー(b1a)]
反応性官能基を含有するビニルモノマーとしては、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、アミノ基を含むビニルモノマー等が挙げられる。
エポキシ基を含有するビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸グリシジル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、N−グリシジル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、アリルグリシジルエーテル等のアリルエーテル類、1,2−エポキシ−5−ヘキセン等が挙げられる。
イソシアネート基を含有するビニルモノマーとしては、昭和電工株式会社製のイソシアネートモノマーである、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(製品名:カレンズMOI)、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(製品名:カレンズMOI−BP)、メタクリル酸 2−([1'−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(製品名:カレンズMOI−BM)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(製品名:カレンズAOI)等が挙げられる。
カルボキシ基を含有するビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸等が挙げられる。
リン酸基を含有するビニルモノマーとしては、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等が挙げられる。
スルホン酸基を含有するビニルモノマーとしては、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
アミノ基を含有するビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が挙げられる。
これらの中では、反応性、重合速度の面から、エポキシ基を含有するビニルモノマーが好ましく、グリシジル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類が好ましく、(メタ)アクリル酸グリシジルがより好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの両方を意味する。
[窒素原子を含有するビニルモノマー(b1b)]
窒素原子を含有するビニルモノマーとしては、アミド結合を有するビニルモノマーが好ましく、より具体的には、(メタ)アクリルアミド類、ビニルピロリドン類、ビニルピリジン類、含窒素スチレン系モノマー、含窒素(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である)、N−アルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である)、N,N−ジアルキル(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4)アミノアルキル(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜6)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド2−メチルプロピルスルホン酸、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルフェニル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ビニルピロリドン類としては、N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
ビニルピリジン類としては、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が挙げられ、含窒素スチレン系モノマーとしては、p−スチレンスルホンアミド、p−アミノスチレン、アミノメチルスチレン等が挙げられる。
含窒素(メタ)アクリル酸エステルとしては、N,N−ジアルキル(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4)アミノアルキル(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜6)(メタ)アクリレート、1−(N,N−ジアルキルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である)、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、ピペリジノエチル(メタ)アクリレート、1−ピロリジノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル−2−ピロリジルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチルフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中では、顔料への吸着性の観点から、(メタ)アクリルアミド類、ビニルピロリドン類が好ましく、N−ビニルピロリドンがより好ましい。
[その他のモノマー(b1c)]
(b1)成分は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、前記モノマーと共重合可能なその他のモノマー(b1c)を共重合させることができる。
その他のモノマー(b1c)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等のスチレン類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類等が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアルコール性水酸基を有するモノマーが好ましい。
モノマー(b1a)、(b1b)及び(b1c)の各々は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
各モノマー(b1a)、(b1b)、及び(b1c)由来の構成単位の含有量は、特に制限はないが、(b1a)由来の構成単位が5〜95重量%、(b1b)由来の構成単位が5〜95重量%、(b1c)由来の構成単位が0〜80重量%であることが好ましい。
(b1)成分の数平均分子量は、本発明の組成物の分散体としての保存安定性及び顔料の分散速度の低下を抑制する観点から、好ましくは500〜50,000、より好ましくは1000〜30,000、更に好ましくは2000〜20,000である。また、(b1)成分の重量平均分子量は、同じ観点から、好ましくは1500〜150,000、より好ましくは3000〜90,000、更に好ましくは6000〜60,000である。
[(b2)成分]
(b2)成分は、その片末端に、(b1)成分の反応性官能基と反応しうる官能基を有するポリ(メタ)アクリル酸アルキル及び/又はポリスチレンである。
(b1)成分の反応性官能基と反応しうる官能基としては、カルボキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられ、(b1)成分の反応性官能基の種類を考慮して、適宜選択することができる。
(b1)成分の反応性官能基がエポキシ基であるとき、(b2)成分は、片末端にカルボキシ基を有する重合体(片末端カルボン酸型の重合体)又は片末端にアミノ基を有する重合体(片末端アミノ基型の重合体)であることが好ましい。
(b1)成分の反応性官能基がイソシアネート基であるとき、(b2)成分は、片末端にヒドロキシル基を有する重合体(片末端ヒドロキシル基型の重合体)又は片末端にアミノ基を有する重合体(片末端アミノ基型の重合体)であることが好ましい。
片末端カルボン酸型のポリマーとしては、片末端にカルボキシ基を有する、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、又はポリ(メタ)アクリル酸ステアリル等の片末端カルボン酸型のポリ(メタ)アクリル酸アルキル類、あるいは片末端カルボン酸型ポリスチレン等が挙げられる。
片末端アミノ基型のポリマーとしては、片末端にアミノ基を有する、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、又はポリ(メタ)アクリル酸ステアリル等の片末端アミノ基型のポリ(メタ)アクリル酸アルキル類、あるいは片末端アミノ基型ポリスチレン等が挙げられる。
片末端ヒドロキシル基型のポリマーとしては、片末端にヒドロキシル基を有する、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、又はポリ(メタ)アクリル酸ステアリル等の片末端ヒドロキシル基型のポリ(メタ)アクリル酸アルキル類、あるいは片末端ヒドロキシル基型ポリスチレン等が挙げられる。
これらの中から、使用する溶媒との溶解性が高いポリマーを選択して使用することができる。例えば、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを使用する際には、片末端カルボン酸型ポリメタクリル酸メチル、片末端カルボン酸型ポリスチレン等を使用することが好ましい。
(b2)成分には、必要に応じて、官能基を有する他のモノマーを少量共重合することもできる。これらのモノマーとしては、(b1)成分を構成するモノマーである、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のアルコール性水酸基を有するモノマー(b1c)、メタクリル酸等のカルボキシ基を有するモノマー(b1a)、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基を有するモノマー(b1a)等が挙げられる。それらの共重合量は(b1)成分と(b2)成分とのカップリング反応の妨げにならない程度であれば特に制限はないが、10重量%未満が好ましい。
(b2)成分の数平均分子量は、本発明の組成物の分散体としての保存安定性及び増粘抑制の観点から、好ましくは500〜20,000、より好ましくは700〜10,000、更に好ましくは700〜6000である。
また、(b1)成分の反応性官能基に対する(b2)成分の官能基のモル比〔(b2)成分の官能基/(b1)成分の反応性官能基〕〕は、未反応(c2)を抑制する観点から、0.05〜1.0が好ましく、0.1〜0.9がより好ましく、0.2〜0.8が更に好ましい。
[顔料分散ポリマー(B)の製造]
顔料分散ポリマー(B)は、(b1)成分の反応性官能基と、該反応性官能基と反応しうる(b2)成分の官能基とのカップリング反応により製造される。
カップリング反応の際には、触媒を用いてもよい。特にエポキシ基とカルボン酸の反応の場合やイソシアネート基とヒドロキシル基の反応の場合には、触媒を添加することが好ましい。エポキシ基とカルボン酸の反応の触媒としては、第四級アンモニウム塩、第三級アミン、アルカリ金属の水酸化物、無機酸、スルホン酸、カルボン酸、固体酸、固体塩基等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等のハロゲン化物が挙げられ、第三級アミンとしては、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
上記触媒の中では、第四級アンモニウム塩、第三級アミンが好ましく、第四級アンモニウムハライドがより好ましく、テトラブチルアンモニウムブロマイド等が更に好ましい。触媒の添加量については特に制限はないが、カルボン酸に対して、0.5〜200mol%が好ましい。
イソシアネート基とヒドロキシル基の反応の場合の触媒としては、ピリジン等のアミン類やジブチルスズジラウレート等の有機金属類が上げられる。触媒の添加量については特に制限はないが、イソシアネート基に対して、0.05〜200mol%が好ましい。
溶媒としては、(b1)成分、及び(b2)成分を溶解するものであれば、特に制限はない。溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応系の濃度に特に制限はないが、全量中の(b1)成分と(b2)成分の合計量は、粘度上昇を抑制して良好なハンドリング性を確保する観点及び反応時間を短縮する観点から、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜50重量%である。反応温度も特に制限はないが、反応速度の観点から、60℃以上であることが好ましい。
カップリング反応の進行は、各反応性官能基を定量することにより確認することができる。例えばエポキシ基を有する(b1)成分とカルボキシ基を有する(b2)成分を用いる場合は、反応系中の酸価、エポキシ基を測定することにより、また、アミノ基を有する(b2)成分を用いる場合は、アミン価を測定することにより、カップリング反応の進行状況を確認できる。
上記の方法で得られた顔料分散ポリマー(B)における、全構成単位中の(b1a)成分由来の構成成分の含有量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制や分散粒径の適正化の観点から、好ましくは0〜65重量%、より好ましくは0〜50重量%、更に好ましくは0〜45重量%である。
顔料分散ポリマー(B)の全構成単位中の(b1b)成分由来の構成成分の含有量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制や分散粒径の適正化の観点から、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%である。
顔料分散ポリマー(B)の全構成単位中の(b2)成分由来の構成単位の含有量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制の観点から、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは40〜90重量%、更に好ましくは50〜80重量%である。
顔料分散ポリマー(B)の数平均分子量は、顔料への吸着性の観点及び粘度上昇の抑制の観点から、好ましくは1000〜500,000、より好ましくは2000〜400,000、更に好ましくは3000〜500,000である。
顔料分散ポリマー(B)の重量平均分子量は、同じ観点から、好ましくは1000〜1000,000、より好ましくは2000〜800,000、更に好ましくは5000〜700,000である。
〔有機溶媒(C)〕
本発明に用いられる有機溶媒(C)は特に限定されないが、沸点が70℃以上、さらに100℃以上の高沸点の有機溶媒が好ましい。また、赤色顔料(A)の分散性の観点、及び顔料分散体を油性とする観点から、有機溶媒(C)のSP値(溶解度パラメータ)は、好ましくは8〜9(cal/cm31/2、より好ましくは8.4〜8.9(cal/cm31/2である。なお、有機溶媒(C)のSP値は、Fedorsの方法〔Robert F.Fedors, Polymer Engineering and Science, 14, 147-154 (1974)〕により計算することができる。
このような有機溶媒(C)の具体例としては、セロソルブ類、カルビトール類、アルコール類等、及び下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009161691
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、R3は水素原子又はメチル基を示す。)
セロソルブ類としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。カルビトール類としては、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル等が挙げられる。アルコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
上記の中では、前記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
一般式(2)において、R1及びR2の炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、及びtert−ブチル基が挙げられる。これらの中では、メチル基及びエチル基が好ましい。
一般式(2)で表される化合物としては、例えば、(i)エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルカンジイルグリコールモノアルキルエーテルアセテート、(ii)プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等のアルカンジイルグリコールジアルキルエーテルが挙げられる。
これらの中では、顔料分散ポリマー(B)の溶解性又は分散性と、赤色顔料(A)、特にジケトピロロピロール系顔料の分散性の観点から、アルカンジイルグリコールモノアルキルエーテルアセテートが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、SP値8.73、沸点145℃)がより好ましい。
有機溶媒(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[カラーフィルター用顔料分散体の製造]
本発明のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法に特に制限はなく、赤色顔料(A)、顔料分散ポリマー(B)、及び有機溶媒(C)を含む混合物を公知の分散機、混練機等を用いて分散させることができる。例えば、ペイントシェーカー、ロールミル、ビーズミル、ニーダー、エクストルーダ等の混練機、高圧ホモゲナイザー〔株式会社イズミフードマシナリ、商品名〕等のホモバルブ式の高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザー〔Microfluidics 社、商品名〕等のチャンバー式の高圧ホモジナイザー等が挙げられる。これらの装置は複数を組み合わせることもできる。これらの中では、赤色顔料(A)を効率的に微細化する観点から、メディア式分散機、ペイントシェーカー、高圧ホモジナイザー等が好ましい。
メディア式分散機に用いるメディア粒子の材質としては、例えば、ガラス、スチール、クロム合金等の高硬度金属、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、チタニア等の高硬度セラミックス、超高分子量ポリエチレン、ナイロン等の高分子材料等が挙げられる。メディア粒子の粒径(直径)は、通常0.01〜1.0mm、好ましくは0.02〜0.5mmである。
上記で得られた顔料分散体から、粒子径が25nm以下の粒子を効率的に減量させる方法として特に限定はないが、遠心分離処理により、行うことが好ましい。
遠心分離処理としては、具体的には以下の方法が挙げられる。
先ず、上記で得られた顔料分散体を、遠心分離機を用いて遠心分離し、液分と固形分とに分離し、液分を除去して固形分を回収する。
次に、赤色顔料(A)に未吸着のポリマーは有機溶剤中に存在するため、遠心分離中ないし遠心分離後に、該上層部(上澄み液)の全部又は一部を除去することにより、粒子径が25nm以下の粒子を適切に取り除くことができる。また、回収される固形分は、主として顔料分散ポリマー(B)が赤色顔料(A)に吸着した粒子からなり、遠心分離後にスラリー状ないしケーキ状となって、遠心分離機の側壁ないし底部に残存しているので、容易に回収することができる。
液分を除去して固形分を回収し、粒子径が25nm以下の体積頻度を25%以下にすることで、得られる顔料分散体の保存安定性、耐熱性を大幅に改善することができる。
用いることのできる遠心分離機に特に制限はないが、例えば、特開2003−93811号公報等に記載のバスケット型遠心分離機が好ましく、無孔壁バスケット型遠心分離機の市販品としては、例えば、株式会社関西遠心分離機械製作所製のKBS型、タナベウィルテック株式会社製のS型の遠心分離機等が挙げられる。
遠心分離機の運転方法にも特に制限はない。(i)原液分散体を供給しながら分離液層を排出する連続式、及び(ii)原液分散体を供給した後、分離液層が形成されたところで該液層を排出するバッチ式のいずれの運転方法であってもよい。
遠心分離処理における遠心加速度は、原液分散体に含有されている粒子径が25nm以下の体積頻度を25%以下させる観点から、好ましくは5,000〜50,000G、より好ましくは10,000〜30,000Gである。
更に、遠心分離処理の場合は、遠心分離処理して得た固形分に有機溶剤を加えて再分散することもできる。
有機溶剤としては、前記の有機溶媒(C)を用いることができる。
再分散の方法に特に限定はなく、前記のペイントシェーカーや高圧ホモジナイザー等の分散機等を用いて混合、分散させることができる。
また、超音波ホモジナイザー等を用いて再分散することもできる。
高出力超音波ホモジナイザーの市販例としては、シャープ株式会社製のSILENTSONIC UT−204、株式会社日本精機製作所製の超音波ホモジナイザーUS−300T、同US−1200T、同RUS−1200T、同MUS−1200T、ヒールッシャー社製の超音波プロセッサーUIPシリーズ等が挙げられる。これらの超音波照射装置を用いて好ましくは25kHz以下の周波数で微細分散することができる。
超音波照射方式としては、アジテーター、マグネチックスターラー、ディスパー等の攪拌手段を併用するバッチ式、超音波照射部を備えたチャンバー中に分散液を一定流量で送るフロー式が挙げられる。超音波ホモジナイザーと前記のペイントシェーカーや高圧ホモジナイザー等とを併用することもできる。
遠心分離処理して得た固形分に有機溶剤を加えた予備混合物を超音波照射処理等により再分散することで、赤色顔料(A)の体積中位粒径(D50)が50nm以下であり、かつ粒子径が25nm以下の体積頻度が25%以下である高品質な顔料分散体を効率的に製造することができる。
[カラーフィルター用顔料分散体]
本発明の顔料分散体中の赤色顔料(A)、特にジケトピロロピロール系顔料は、耐熱性を向上させ、ポストベーク工程における顔料結晶の析出を抑制して、高コントラスト比を得る観点から、その体積中位粒径(D50)は50nm以下であり、20〜50nmが好ましく、25〜48nmがより好ましく、28〜45nmがさらに好ましく、30〜42nmがさらにより好ましい。
なお、本発明において体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が小粒径側から累積して50%になる粒径を意味する。
また、赤色顔料(A)において、粒子径が25nm以下の体積頻度が25%以下であることが必要であり、好ましくは粒子径が25nm以下の体積頻度が23%以下、より好ましくは22%以下、更に好ましくは21%以下である。
特に、C.I.ピグメントレッド254は、高コントラストを得るために機械的処理による微細化を進めると、カラーフィルター製造における現像後のポストベーク(焼き締め)工程で高温暴露された場合に、カラーフィルター表面に結晶性異物が発生し、コントラストを大きく低下させるが、顔料分散体の粒子径を体積中位粒径(D50)及び25nm以下の体積頻度を前記の範囲内にすれば、結晶性異物量を大幅に低減でき、本発明の効果を有効に発現させることができる。
なお、本発明における体積中位粒径(D50)及び粒子径が25nm以下の体積頻度の値は、実施例記載の方法により求めることができる。
顔料分散体中の赤色顔料(A)の割合は、良好な着色性を得る観点から、3重量%以上が好ましく、良好な着色性及び粘度を得る観点から、3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
顔料分散ポリマー(B)の含有量は、良好な粘度及び塗膜物性を得る観点から、赤色顔料(A)に対し1〜300重量%が好ましく、2〜200重量%がより好ましく、5〜100重量%が更に好ましい。
有機溶媒(C)の含有量は、良好な着色性及び粘度を得る観点から、顔料分散組成物中の全固形分に対して、100〜10000重量%が好ましく、200〜1000重量%がより好ましい。
本発明の非水系顔料分散体の固形分20重量%における粘度(25℃)は、カラーフィルター用色材として良好な粘度とするために、1〜200mPa・sが好ましく、1〜100mPa・sがより好ましい。また、インクジェット法によりカラーフィルターを製造する際の良好な吐出性を維持するために、1〜50mPa・sが好ましく、1〜30mPa・sがより好ましい。
本発明のカラーフィルター用顔料分散体は、赤色顔料(A)、顔料分散ポリマー(B)、有機溶媒(C)以外にバインダー、多官能モノマー(硬化成分)、光重合開始剤等を含有することができる。
バインダーとしては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体(例えば、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体等)、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体とアルコール類との反応物等を挙げることができる。その重量平均分子量は、5,000〜200,000が好ましい。本発明の非水系顔料分散体中のバインダーの含有量は、全固形分に対して20〜80重量%が好ましい。
多官能モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等)、ウレタン(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アミド、アリル化合物、ビニルエステル等を挙げることができる。本発明の顔料分散体中の多官能モノマーの含有量は、全固形分に対して10〜60重量%が好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。例えば4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノンが好ましい。本発明の非水系顔料分散体中の光重合開始剤の含有量は、全固形分に対し、0.2〜10重量%が好ましい。
さらに、粘度を調節して、均一な塗布膜形成を可能とし、保存安定性を高める観点から、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル、酢酸エチル等の溶剤を添加することもできる。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り、「重量部」及び「重量%」である。なお、ポリマーの分子量、顔料の体積中位粒径、粒子径25nm以下の体積頻度、不揮発分、耐熱性の測定、評価は以下の方法により行った。
(1)ポリマーの数平均分子量(Mm)、重量平均分子量(Mw)の測定
カラムとして昭和電工株式会社製、K−804Lカラムを2本直列で用い、溶媒として、1mmol/LのファーミンDMを含有するクロロホルムを用いたGPC法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した。(Mn,Mwは同時に測定されます)
(2)顔料の体積中位粒径(D50)及び粒子径25nm以下の体積頻度の測定
顔料分散体をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で300倍に希釈し、粒度分析計(HONEYWELL社製、Microtrac UPA MODEL:9340−UPA)を用いて、顔料のD50及び粒子径25nm以下の体積頻度を測定(20℃)した。測定条件として、ジケトピロロピロール系顔料粒子屈折率:1.51、ジケトピロロピロール系顔料密度:1.45g/cm3、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)屈折率:1.40、PGMEA粘度:1.081cPを入力した。
(3)不揮発分の測定
シャーレにガラス棒と乾燥無水硫酸ナトリウム10gを量り採り、そこにポリマー溶液2g(サンプル量)を加えてガラス棒で混合し、105℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で2時間乾燥した。乾燥後の重さを計り、次式より不揮発分を算出した。
不揮発分=[〔サンプル量−(乾燥後の重さ−(シャーレ+ガラス棒+無水硫酸ナトリウムの重さ))〕/サンプル量]×100
(4)耐熱性の評価
(a)コントラスト比保持率の測定
顔料濃度を10%に調整した顔料分散体1.00部、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体(バインダー、モル比:30/70、重量平均分子量:14000、固形分40重量%のPGMEA溶液)0.15部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(多官能モノマー:日本化薬株式会社製、DPHA)0.046部、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン(光重合開始剤:和光純薬工業株式会社製)0.035部、PGMEA0.474部を均一になるまで混合し、顔料分散組成物を得た。ガラス基板上に顔料分散組成物をスピンコーターで塗布した後、水平台にて6分間静置し、80℃で3分間ホットプレートにより乾燥した。次いで、得られた塗膜に紫外線ファイバースポット照射装置(モリテックス社製、商品名:MUV−202U)を用いて60mJ/cm2まで紫外線を照射した(ポストベーク前硬化膜)。次いで、260℃のクリーンオーブン内で30分間加熱してポストベーク(焼き締め)を行い、硬化膜を作製した(ポストベーク後硬化膜)。
ポストベーク(PB)前後の硬化膜のコントラスト比をコントラスト測定器(壺坂電機株式会社製、商品名:CT−1)を用いて測定した。
耐熱性は、ポストベーク後硬化膜のコントラスト比とポストベーク前硬化膜とのコントラスト比との比率(コントラスト比保持率)で評価した。
コントラスト比保持率=(ポストベーク後硬化膜のコントラスト比/ポストベーク前硬化膜のコントラスト比)×100
(b)異物発生の確認
塗工面における異物発生の確認は、デジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−500)を用いて、倍率1000倍で目視より観察した。
製造例1〔片末端カルボン酸型ポリメタクリル酸メチルの合成〕
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という)200g、3−メルカプトプロピオン酸(連鎖移動剤)14.2g、PGMEA 25gを仕込み、窒素置換した後、80℃で攪拌しながら、MMA 800g、3−メルカプトプロピオン酸56.9g、PGMEA 400g、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)8gを3時間かけて滴下した。更に1時間、80℃で攪拌後、前記重合開始剤8g、3−メルカプトプロピオン酸3.6g、PGMEA 400gを加えた。更に、80℃で2時間攪拌し、末端カルボン酸型ポリメタクリル酸メチル溶液を得た。溶液の酸価は21mgKOH/gであり、ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)により求めた数平均分子量は1700、重量平均分子量は3000、不揮発分は38%であった。
製造例2(片末端メタクリロイル化ポリメタクリル酸メチルマクロモノマーの合成)
製造例1で得られた片末端カルボン酸型ポリメタクリル酸メチル溶液450g、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」という)18.4g、テトラブチルアンモニウムブロマイド(以下、「TBAB」という)(触媒)6.2g、メトキシフェノール0.6g、PGMEA 10gを、還流冷却器、温度計、空気導入管、攪拌装置を取り付けた4つ口フラスコに仕込み、空気バブリングを行いながら、90℃で12時間攪拌し、片末端メタクリロイル化ポリメタクリル酸メチルのマクロモノマーを得た。90℃で12時間攪拌後の溶液の酸価は0.11mgKOH/gであった。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)により求めた数平均分子量は1800、重量平均分子量3200であり、不揮発分は60%であった。
製造例3〔マクロモノマー法によるポリ(HEMA−VP−MMA)の製造〕
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、PGMEA10gを仕込み、窒素置換した後、78℃で攪拌しながら、N−ビニル−2−ピロリドン(以下、「VP」という)12.7g、製造例2で得られた片末端メタクリロイル化ポリメタクリル酸メチルのマクロモノマー溶液120.9g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、「HEMA」という)14.8g、PGMEA 41g、前記重合開始剤2g、メルカプトエタノール0.4gを3時間かけて滴下した。滴下終了後、前記重合開始剤2g、PGMEA 45gを添加し、78℃で3時間攪拌し、更に90℃で30分攪拌した。冷却後、ポリ(HEMA−VP−MMA)のポリマー(B−1)溶液を得た。ゲル浸透クロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)により求めた数平均分子量は7200、重量平均分子量は31000であり、不揮発分は40%であった。
実施例1〔顔料分散体の調製〕
C.I.ピグメントレッド254顔料(A)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、商品名「IRGAPHOR RED BK−CF」、平均一次粒径30nm(カタログ値))20g、製造例3で得られたポリマー(B−1)溶液50g(ポリマーとして20g)、PGMEA(SP値8.73、沸点145℃)128.6gを直径0.3mmのジルコニアビーズ400gと一緒に500ccのポリ瓶に量り、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)で3時間振とうし、金網でジルコニアビーズを濾過し、予備分散体を得た。更に得られた予備分散体100gを直径0.05mmのジルコニアビーズ200gと一緒に250ccのポリ瓶に量り、実施例1では18時間、実施例2では24時間振とうした。金網でジルコニアビーズを濾過し、顔料分散組成物を得た。
得られた分散体を3倍に希釈後、遠心分離器(株式会社久保田製作所製、商品名:クボタ3K30C、アングルロータS12158)を用いて25000rpmで4時間処理した。上澄み液を除去した後、沈降成分にPGMEAを追加し、超音波分散機(シャープ株式会社製、商品名:SILENTSONIC UT-204)を用いて、超音波照射して再分散処理を行った。
再分散した顔料分散体にPGMEAを追加し、約3倍とした後、同様に遠心分離、超音波による再分散実施した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、遠心分離処理を行わなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、製造例3で得られたポリマー(B−1)溶液の代わりに、味の素ファインテクノ株式会社製、商品名:アジスパーPB−822(酸価を有する塩基性官能基含有共重合体、酸価:16mgKOH/g)のポリマー(B−2)溶液を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
比較例2
実施例2において、遠心分離処理を行わなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009161691
表1において、実施例1及び2で得られた非水系顔料分散体は、対応する比較例1及び2で得られた非水系顔料分散体に比べて、耐熱性に優れ、高コントラスト比を得ることができることが分かる。

Claims (3)

  1. 赤色顔料(A)、顔料分散ポリマー(B)、及び有機溶媒(C)を含有する顔料分散体であって、赤色顔料(A)の体積中位粒径(D50)が50nm以下であり、かつ粒子径が25nm以下の体積頻度が25%以下である、カラーフィルター用顔料分散体。
  2. 赤色顔料(A)が、下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料である、請求項1に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
    Figure 2009161691
    (式中、X1及びX2は、それぞれ独立して、水素原子又はハロゲン原子を示し、Y1及びY2は、それぞれ独立して、水素原子又は−SO3H基を示す。)
  3. 〔顔料分散ポリマー(B)/赤色顔料(A)〕の重量比が0.7以下である、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用顔料分散体。
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