JP2014117248A - 飲料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】飲用した際の香料の香り立ちが強く、且つ香りの持続性に優れた、風味の良好なアルギン酸含有飲料の提供。
【解決手段】次の成分(A)及び(B):
(A)アルギン酸の重量平均分子量が150,000〜420,000であるアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で1〜4質量%、
(B)香料
を含有し、pHが4.5以上の飲料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルギン酸を含有する飲料組成物に関する。
水溶性酸性多糖類であるアルギン酸は、食しやすい食物繊維素材として知られ、近年では、そのコレステロール低減作用や整腸作用といった生理機能により、厚生労働省から表示を許可された特定保健用食品の原材料としての利用も活発に行われている。このように、アルギン酸を含む飲料は多量の食物繊維を効率的に無理なく摂取するのに適している。
アルギン酸を食物繊維として摂取する飲料としては、例えば、加圧加熱により低分子量化したアルギン酸を含む飲料(特許文献1)、アルギン酸をゲル化させないpH値で含むダイエット食品(特許文献2)、ハイメトキシペクチン及びカリウム濃度を調整することにより、高濃度にアルギン酸を含有しても乳成分の凝集・沈殿の抑制された酸性乳飲料(特許文献3)が報告されている。また、アルギン酸のカリウム塩を用い、特定のpHとすることによりカリウム由来の苦塩味と後味を低減したカリウム摂取飲料(特許文献4)が報告されている。これらはアルギン酸塩を低分子量化、低粘度化することでアルギン酸塩を飲料に含有させている。
一方、飲料の製造に際しては、嗜好性を高めるために香料を配合することが多い。例えば、特許文献3には、ヨーグルトフレーバーを配合した酸性乳飲料が示されている。
香料には、一般的に、飲料を口に含んだ際のフレーバーリリース、すなわち香り立ちが良いことと、残香性、すなわち香気を適度な時間持続させることが求められる。
特開平6−7093号公報 特表2010−517542号公報 特開2009−159819号公報 特開2009−118841号公報
しかしながら、アルギン酸を高濃度で含む飲料においては、香料を配合しても飲用した際の香り立ちが極めて弱い場合や、直ぐに香気が消失し、香りの持続性が低い場合があることが判明した。
本発明は、斯かる実情に鑑み、飲用した際の香料の香り立ちが強く、且つ香りの持続性に優れた、風味の良好なアルギン酸含有飲料を提供しようとするものである。
本発明者は、アルギン酸と香料を含有する飲料組成物を製造し、香気の発現とその持続性について検討したところ、アルギン酸の重量平均分子量が15万〜42万であるアルギン酸又はその塩を特定量用い、且つ特定のpH以上とすることで、香料の香気が強く感じられ、また、飲用後も良好な香りが持続する、風味の良好なアルギン酸含有飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)アルギン酸の重量平均分子量が150,000〜420,000であるアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で1〜4質量%、
(B)香料
を含有し、pHが4.5以上の飲料組成物を提供するものである。
本発明によれば、香料の香り立ちが強く、また、その香りを長く感じられる風味の良好なアルギン酸を含有する飲料組成物を提供することができる。本発明の飲料組成物は、食物繊維摂取用の飲料として有用である。
本発明の飲料組成物は、(A)アルギン酸の重量平均分子量(以下、単に分子量ともいう)が150,000〜420,000であるアルギン酸又はその塩をアルギン酸換算で1〜4質量%(以下、単に「%」とする)含有する。アルギン酸又はその塩の含有量は、香りの持続性の点から、アルギン酸換算で、1.1%以上であることが好ましく、1.2%以上であることがより好ましく、1.35%以上であることが更に好ましい。また、香り立ちの点から、3%以下であることが好ましく、2.7%以下であることがより好ましく、2.5%以下であることがより好ましく、2%以下であることが更に好ましい。また、1.1〜3%が好ましく、1.2〜2.5%であることがより好ましく、1.2〜2%であることが更に好ましい。
アルギン酸又はその塩のアルギン酸の重量平均分子量は150,000〜420,000であるが、香りの持続性の点から、190,000以上であることが好ましく、220,000以上であることがより好ましく、280,000以上であることが更に好ましく、290,000以上であることが更に好ましい。また、香り立ちの点から、400,000以下であることが好ましく、380,000以下であることがより好ましく、370,000以下であることが更に好ましい。また、190,000〜400,000が好ましく、220,000〜380,000であることがより好ましく、280,000〜370,000であることが更に好ましい。
なお、本発明におけるアルギン酸又はその塩の含有量は、以下の「HPLCによるアルギン酸の定量」によって測定することが可能であり、分子量は、以下の「アルギン酸の重量平均分子量の測定」によって測定することが可能である。
「HPLCによるアルギン酸の定量」ならびに「アルギン酸の重量平均分子量の測定」
1.前処理(HPLC用分析試料の調製)
1−1 アルギン酸カルシウム沈殿の生成
ビーカーに被験試料2gを加え、更に水35mLを加えて均一になるように攪拌する。渦動攪拌器により適宜攪拌しながら、2mol/L塩化カルシウム水溶液1.5mLを、5〜10分かけて徐々に滴下する。壁面に付着した析出物を流し落としながら水約5mLを加え、その後pHが11以上となるように1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加え、その後ビーカー内の溶液を容量50mLのメスフラスコに移しかえ、ビーカー内に付着した析出物を水で流し落として全量50mLに定容する。共栓をした後、この溶液を渦動攪拌器により20秒攪拌し、その後20分室温に放置する(溶液A)。
1−2 アルギン酸カルシウム沈殿の回収
直径25mmのメンブランフィルタをメンブランフィルタカートリッジに装着し、更に5mLのシリンジを接続する。このシリンジ内に、上からホールピペットで溶液A5mLを入れる。装着したシリンジにピストンを装着して押し出し、内溶液をメンブランフィルタでろ過する。
その後、水酸化ナトリウムでpH11.3とした40mmol/L塩化カルシウム水溶液約3mLで、ホールピペットの付着物を洗い、その洗浄液でシリンジ内も洗い、メンブランフィルタでろ過する。更にこの洗浄動作をもう一度繰り返す。
1−3 アルギン酸ナトリウムへの塩交換と回収
上記操作で得られたメンブランフィルタカートリッジを解体し、メンブランフィルタとパッキンをとり出し、50mLビーカーに入れる。水4.8mLでメンブランフィルタカートリッジの残りの部品を洗浄しながらビーカーに加える。この溶液に1.5mol/L炭酸ナトリウム水溶液を200μL加えて、溶液が均一になるよう軽く攪拌する(全量約5mL)。途中、3回しんとう混和を行いながら1〜2時間室温に置く。再度攪拌し、メスフラスコ(容量10mL)に溶液を全量移し、水約5mLでビーカー内に残った部品を洗浄し、その液をメスフラスコに加えた後全量を10mLに定容する。これらの操作により、飲料中のアルギン酸をアルギン酸ナトリウムとして溶解させ回収する。この溶液を直径25mmのメンブランフィルタ(GLクロマトディスク0.45μm)でろ過したものをHPLC用分析試料として用いる。
2.HPLCによるアルギン酸の定量
HPLC用分析試料100μLを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定する。純度既知のアルギン酸ナトリウム標準試料0.1%溶液を同様にHPLCで測定し、得られたクロマトグラムの面積の比較から試料中のアルギン酸ナトリウムを定量する。この値に、定数0.9を掛けることにより、試料中のアルギン酸量が算出できる。なお、HPLC操作条件は以下の通りである。
HPLC操作条件
カラム:(1)Super AW−L(ガードカラム):東ソー(株)製
(2)TSK−GEL Super AW4000(GPC用カラム)
:排除限界分子量4×105PEO/DMF、長さ15cm,内径6mm、東ソー(株)製
(3)TSK−GEL Super AW2500(GPC用カラム)
:排除限界分子量2×103PEO/DMF、長さ15cm,内径6mm、東ソー(株)製
上記カラムはAW−L,AW4000,AW2500の順で連結した。
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
移動相:0.2mol/L硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.6mL/min
注入量:100μL
3.アルギン酸の重量平均分子量の測定
アルギン酸の重量平均分子量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定する。HPLC操作条件は、前記「2.HPLCによるアルギン酸の定量」と同じ条件である。分子量算出用の検量線には、標準プルラン(昭和電工(株)製 Shodex STANDARD P−82)を用いる。HPLC用分析試料をHPLCに100μL注入し、得られたクロマトチャートより、試料中のアルギン酸ナトリウムの重量平均分子量を算出する。この値に、定数0.9を掛けることにより、試料中のアルギン酸の重量平均分子量が算出できる。
上記の分子量を持つアルギン酸又はその塩は、例えば、高分子量のアルギン酸又はその塩を酸又はアルカリの存在下に加水分解する方法や、分解酵素を用いて加水分解する方法により得ることができる。加水分解反応の条件は、常圧又は加圧のいずれでもよく、常圧の場合は60〜100℃、加圧の場合は100〜200℃で行われる。酵素分解法の場合は常圧にて20〜60℃程度で行われる。
アルギン酸の塩としては、特に限定されないが、アルギン酸のアルカリ金属塩が好ましく、更にアルギン酸のナトリウム塩、アルギン酸のカリウム塩が好ましい。
本発明で用いられる(B)香料は、香気成分を含有する動植物を原料とし、i)焙煎、酵素処理又は加水分解処理、ii)圧搾、iii)水、有機溶剤、超臨界二酸化炭素流体、亜臨界二酸化炭素流体による抽出、iv)水蒸気蒸留等により得られるものであってもよく、更には化学合成品を調合又は配合したものであってもよい。すなわち、香料として、天然香料、合成香料及びこれらの混合物のいずれも用いることができる。
香料は、例えば、モモ、グレープフルーツ、グレープ、レモン、ライム、オレンジ、マスカット、アセロラ、ウメ、オレンジフラワー、チャ、ヨーグルト、ジャスミン、カミツレ、バラ、ミント、ブランデー等が挙げられる。
飲料組成物における香料の含有量は、その種類によって相違するものの、良好な着香の点から、0.001%以上であることが好ましく、0.005%以上であることがより好ましく、0.01%以上であることが更に好ましく、0.02%以上であることが更に好ましい。また、自然な風味を発現させる点から、1%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましく、0.05%以下であることが更に好ましい。また、0.001〜1%が好ましく、0.005〜0.1%であることがより好ましく、0.01〜0.05%であることが更に好ましい。
香料の定量には、ガスクロマトグラフィーを用いることができる。例えば、ヘッドスペースガスクロマトグラフィにより分析することができる。
本発明の飲料組成物のpHは、香りの持続性及び香り立ちが共に優れることから4.5以上であるが、好ましくは5以上、より好ましくは5.1以上、より好ましくは5.3以上、更に好ましくは5.5以上であり、また、より好ましくは7以下、より好ましくは6.8以下、更に好ましくは6.5以下である。また、好ましくは5〜7の範囲であり、更に好ましくは5.3〜6.8であり、更に好ましいのは5.5〜6.5である。
上記のようなpHに調整するために、本発明の飲料組成物には、有機可食酸又はその金属塩や無機可食酸又はその金属塩が使用されても良い。このような可食酸又はその金属塩としては、一般に食品で使用されるものであれば如何なるものでも良いが、例えば、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酢酸、フマル酸、リン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、又はこれらの金属塩、リン酸水素カリウム又はナトリウム、リン酸二水素カリウム又はナトリウムや果汁等が挙げられる。なかでも、酸味の質の点で、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酢酸、グルコン酸又はこれらの金属塩が好ましい。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の飲料組成物には、さらに風味を改善するための甘味料を配合してもよい。甘味料としては、例えば、フルクトース、グルコース、ガラクトース、キシロース、タガトース等の単糖、ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、パラチノース、カップリングシュガー等の少糖、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトール、ラクチトール、マンニトール等の糖アルコール、ステビオサイド、グリチルリチン、ソーマチン等の非糖質天然甘味料、アスパルテーム等のアミノ酸系甘味料、サッカリン、スクラロース、アセスルファムカリウム等の合成甘味料等、一般に食品で使用されるものであれば如何なるものでも良い。これらは、商業的に入手可能な甘味料を添加することで本発明の飲料組成物に含有されても良いが、単糖や二糖を含む果汁、野菜汁、はちみつ等由来のものとして含有されていても良い。
また、本発明の飲料組成物には、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、野菜汁、果汁、乳成分等が適宜配合されていても良い。なお、野菜汁又は果汁は配合しなくても差し支えないが、野菜汁又は果汁を配合する場合は、飲料組成物中の野菜汁又は果汁濃度がストレート換算で12%以下、更に10%以下、更に6%以下が好ましい。また、飲料組成物中の野菜汁又は果汁の含有量は、野菜汁又は果汁の風味の観点より、ストレート換算で0.1%以上、更に0.5%以上が好ましい。乳成分を配合する場合は、無脂乳固形分量が0.1〜8%となることが好ましい。
本発明の飲料組成物は、特に制限はなく常法に従い製造される。例えば、アルギン酸又はその塩の溶解工程、溶解したアルギン酸又はその塩と香料、その他の成分の調合工程等を経て製造することができる。容器詰飲料とする際は、更に殺菌・充填工程を経て製造することができる。
アルギン酸又はその塩の溶解時の温度は、常温でも加温しても良いが50〜80℃、好ましくは55〜70℃で溶解すると良い。また、凝集・沈殿抑制効果を高めるために、ホモジナイザー等の乳化機等を使用しても良い。
また、飲料組成物の殺菌条件は、食品衛生法に定める条件を満たしていれば良く、殺菌の手段も特に制限は無く、レトルト、超高温(UHT)、高温短時間(HTST)の各種殺菌機を用いることができる。更には、殺菌後の容器への充填方式も特に制限は無く、ホットパック充填(熱間充填)や無菌充填等を用いることができる。
飲料組成物に使用できる容器は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、ガラス製容器、チアパック、紙容器等一般に飲料に使用されるものであれば特に限定するものではない。
本発明の飲料組成物としては、茶、炭酸飲料、果汁エキス入り飲料、野菜エキス入り飲料、ニアウォーター、スポーツドリンク、ゼリー飲料等が挙げられる。本発明の飲料組成物は、アルギン酸又はその塩を多く含むことから、食物繊維摂取用の飲料として好適である。
飲料組成物の1本当りの容量は200mL、更に150mL、更に100mLとするのが服用感及び有効性の点で好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の組成物を開示する。
<1>次の成分(A)及び(B):
(A)アルギン酸の重量平均分子量が150,000〜420,000であるアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で1〜4質量%、
(B)香料
を含有し、pHが4.5以上の飲料組成物。
<2>アルギン酸又はその塩の含有量が、アルギン酸換算で、好ましくは1.1質量%以上、より好ましくは1.2質量%以上、更に好ましくは1.35質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.7質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下であり、また、好ましくは1.1〜3質量%、より好ましくは1.2〜2.5質量%、更に好ましくは1.2〜2質量%である<1>に記載の飲料組成物。
<3>アルギン酸又はその塩のアルギン酸の重量平均分子量が、好ましくは190,000以上、より好ましくは220,000以上、更に好ましくは280,000以上、更に好ましくは290,000以上であり、また、好ましくは400,000以下、より好ましくは380,000以下、更に好ましくは370,000以下であり、また、好ましくは190,000〜400,000、より好ましくは220,000〜380,000、更に好ましくは280,000〜370,000である<1>又は<2>に記載の飲料組成物。
<4>(B)香料が、好ましくは天然香料、合成香料又はこれらの混合物であり、より好ましくはモモ、グレープフルーツ、グレープ、レモン、ライム、オレンジ、マスカット、アセロラ、ウメ、オレンジフラワー、チャ、ヨーグルト、ジャスミン、カミツレ、バラ、ミント及びブランデーから選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<3>のいずれかに記載の飲料組成物。
<5>(B)香料の含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上であり、また、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下であり、また、好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは0.005〜0.1質量%、更に好ましくは0.01〜0.05質量%である<1>〜<4>のいずれかに記載の飲料組成物。
<6>pHが、好ましくは5以上、より好ましくは5.1以上、より好ましくは5.3以上、更に好ましくは5.5以上であり、また、好ましくは7以下、より好ましくは6.8以下、更に好ましくは6.5以下であり、また、好ましくは5〜7、より好ましくは5.3〜6.8、更に好ましくは5.5〜6.5である<1>〜<5>のいずれかに記載の飲料組成物。
<7>好ましくは有機可食酸、有機可食酸の金属塩、無機可食酸及び無機可食酸の金属塩から選ばれる1種又は2種以上、より好ましくは乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酢酸、フマル酸、リン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、又はこれらの金属塩、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム及び果汁から選ばれる1種又は2種以上、更に好ましくは乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酢酸、グルコン酸及びこれらの金属塩から選ばれる1種又は2種以上が使用される<1>〜<6>のいずれかに記載の飲料組成物。
<8>容器詰飲料である、<1>〜<7>のいずれかに記載の飲料組成物。
[アルギン酸の定量並びに重量平均分子量の測定]
1.アルギン酸量の定量
原料として用いたアルギン酸塩中のアルギン酸換算値は、上述した「2.HPLCによるアルギン酸の定量」によって行った。
2.アルギン酸の重量平均分子量の測定
原料として用いたアルギン酸塩の分子量の測定は、上述した「3.アルギン酸の重量平均分子量の測定」によって行った。
[pHの測定法]
pHは、サンプルの品温を20℃にした後、pHメーター(東亜ディ−ディ−ケー HM−30G)を使用し測定した。
[原料]
アルギン酸カリウム:株式会社キミカ
アルギン酸ナトリウム:株式会社キミカ
クエン酸:扶桑化学工業株式会社
グルコン酸(グルコノラクトン水溶液):扶桑化学工業株式会社
香料:ピーチ:長谷川香料株式会社 FH−3502
ヨーグルト:長谷川香料株式会社 FH−4073
グレープフルーツ:長谷川香料株式会社 FH−4061
ブランデー:高砂香料工業株式会社 W−9870
〔飲料組成物の調製1〕
実施例1〜6及び比較例1〜3
pHの違いが飲料の風味に及ぼす影響を検討した。表1の処方表に従い、所定量のアルギン酸塩をイオン交換水に撹拌器(特殊機化工業株式会社 TKホモディスパー2.5型)を用いて溶解した。次いで、この溶解液を2%クエン酸水溶液又は2%グルコン酸水溶液で各pHに調整した後に、所定量のフレーバーを添加し、イオン交換水で最終重量に調整して飲料組成物を得た。
〔官能試験〕
得られた飲料を専門パネル4名で飲用し、香料の香り立ちの強さ、及び飲用後の香りの持続性について下記の評価基準で官能試験を行い、協議により評点を決定した。結果を表1に示す。
(香り立ちの強さの評価基準)
4:香り立ちが強い
3:香り立ちがやや強い
2:香り立ちが弱い
1:香り立ちが非常に弱い
(香りの持続性の評価基準)
4:香りを強く感じる
3:香りをやや強く感じる
2:香りが弱い
1:香りが非常に弱い
Figure 2014117248
〔飲料組成物の調製2〕
実施例7〜10及び比較例4〜8
アルギン酸の分子量の違いが風味に及ぼす影響を検討した。表2に記載の処方表に従った以外は実施例1と同様に飲料組成物を得た。
得られた飲料について上記と同様にして官能評価を行なった。結果を表2に示す。
Figure 2014117248
〔飲料組成物の調製3〕
実施例11〜12及び比較例9〜12
アルギン酸濃度の違いが飲料の風味に及ぼす影響を検討した。表3に記載の処方表に従った以外は実施例1と同様に飲料組成物を得た。
得られた飲料について上記と同様にして官能評価を行なった。結果を表3に示す。
Figure 2014117248
〔飲料組成物の調製4〕
実施例13〜18及び比較例13〜21
アルギン酸の分子量の違いが風味に及ぼす影響を、種類の異なるフレーバーで検討した。表4に記載の処方表に従った以外は実施例1と同様に飲料組成物を得た。
得られた飲料について上記と同様にして官能評価を行なった。結果を表4に示す。
Figure 2014117248
表1〜4から明らかなように、本発明品は比較品と比べ、飲用直前及び飲用時に、配合した香料の香気が強く感じられ、また、飲用後も香りが口の中に残り、良好な風味であった。また、香料の種類による影響は見られなかった。

Claims (5)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)アルギン酸の重量平均分子量が150,000〜420,000であるアルギン酸又はその塩 アルギン酸換算で1〜4質量%、
    (B)香料
    を含有し、pHが4.5以上の飲料組成物。
  2. pHが5.1以上である請求項1記載の飲料組成物。
  3. アルギン酸又はその塩のアルギン酸の重量平均分子量が190,000〜400,000である請求項1又は2に記載の飲料組成物。
  4. 香料の含有量が0.001〜1質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の飲料組成物。
  5. 容器詰飲料である請求項1〜4のいずれか1項記載の飲料組成物。
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