本発明の実施例1である電池システム(本発明の蓄電システムに相当する)について、図1を用いて説明する。図1は、電池システムの構成を示す図である。本実施例の電池システムは、車両に搭載されている。
車両としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車は、車両を走行させる動力源として、後述する組電池に加えて、エンジン又は燃料電池を備えている。電気自動車は、車両を走行させる動力源として、後述する組電池だけを備えている。
組電池(本発明の蓄電装置に相当する)10の正極端子と接続された正極ラインPLには、システムメインリレーSMR−Bが設けられている。システムメインリレーSMR−Bは、コントローラ40からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。組電池10の負極端子と接続された負極ラインNLには、システムメインリレーSMR−Gが設けられている。システムメインリレーSMR−Gは、コントローラ40からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。
システムメインリレーSMR−Gには、システムメインリレーSMR−Pおよび電流制限抵抗Rが並列に接続されている。システムメインリレーSMR−Pおよび電流制限抵抗Rは、直列に接続されている。システムメインリレーSMR−Pは、コントローラ40からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。
電流制限抵抗Rは、組電池10を負荷(具体的には、後述する昇圧回路31)と接続するときに、コンデンサCに突入電流が流れることを抑制するために用いられる。コンデンサCは、正極ラインPLおよび負極ラインNLと接続されており、正極ラインPLおよび負極ラインNLの間における電圧を平滑化するために用いられる。
組電池10を負荷と接続するとき、コントローラ40は、システムメインリレーSMR−B,SMR−Pをオフからオンに切り替える。これにより、電流制限抵抗Rに電流を流すことができ、コンデンサCに突入電流が流れることを抑制できる。ここで、車両のイグニッションスイッチがオフからオンに切り替わったときに、組電池10が負荷と接続される。イグニッションスイッチのオンおよびオフに関する情報は、コントローラ40に入力される。
次に、コントローラ40は、システムメインリレーSMR−Gをオフからオンに切り替えるとともに、システムメインリレーSMR−Pをオンからオフに切り替える。これにより、組電池10および負荷の接続が完了し、図1に示す電池システムは、起動状態(Ready-On)となる。一方、組電池10および負荷の接続を遮断するとき、コントローラ40は、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gをオンからオフに切り替える。これにより、図1に示す電池システムは、停止状態(Ready-Off)となる。ここで、イグニッションスイッチがオンからオフに切り替わったときに、組電池10および負荷の接続が遮断される。
昇圧回路31は、組電池10の出力電圧を昇圧し、昇圧後の電力をインバータ32に出力する。また、昇圧回路31は、インバータ32の出力電圧を降圧し、降圧後の電力を組電池10に出力することができる。昇圧回路31は、コントローラ40からの制御信号を受けて動作する。本実施例の電池システムでは、昇圧回路31を用いているが、昇圧回路31を省略することもできる。
インバータ32は、昇圧回路31から出力された直流電力を交流電力に変換し、交流電力をモータ・ジェネレータ33に出力する。また、インバータ32は、モータ・ジェネレータ33が生成した交流電力を直流電力に変換し、直流電力を昇圧回路31に出力する。モータ・ジェネレータ33としては、例えば、三相交流モータを用いることができる。
モータ・ジェネレータ33は、インバータ32からの交流電力を受けて、車両を走行させるための運動エネルギを生成する。組電池10の出力電力を用いて車両を走行させるとき、モータ・ジェネレータ33によって生成された運動エネルギは、車輪に伝達される。
車両を減速させたり、停止させたりするとき、モータ・ジェネレータ33は、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギ(交流電力)に変換する。インバータ32は、モータ・ジェネレータ33が生成した交流電力を直流電力に変換し、直流電力を昇圧回路31に出力する。昇圧回路31は、インバータ32からの電力を組電池10に出力する。これにより、回生電力を組電池10に蓄えることができる。
図2は、組電池10の構成を示す。組電池10は、直列に接続された複数の電池ブロック(本発明の蓄電ブロックに相当する)11を有する。複数の電池ブロック11を直列に接続することにより、組電池10の出力電圧を確保することができる。ここで、電池ブロック11の数は、組電池10に対して要求される電圧を考慮して、適宜設定することができる。
各電池ブロック11は、並列に接続された複数の単電池(本発明の蓄電素子に相当する)12を有する。複数の単電池12を並列に接続することにより、電池ブロック11(組電池10)の満充電容量を増やすことができ、組電池10の出力を用いて車両を走行させるときの距離を延ばすことができる。各電池ブロック11を構成する単電池12の数は、組電池10に要求される満充電容量を考慮して、適宜設定することができる。
ここで、電池ブロック11を構成する単電池12の総数をNとする。各電池ブロック11を構成する単電池12の総数Nは、組電池10を構成する複数の電池ブロック11において、等しくすることができる。
複数の電池ブロック11は、直列に接続されているため、各電池ブロック11には、等しい電流が流れる。また、各電池ブロック11では、複数の単電池12が並列に接続されているため、各単電池12に流れる電流値は、電池ブロック11に流れる電流値を、電池ブロック11を構成する単電池12の数(総数N)で除算した電流値となる。
具体的には、電池ブロック11を構成する単電池12の総数がN個であり、電池ブロック11に流れる電流値がIbであるとき、各単電池12に流れる電流値は、Ib/Nとなる。ここでは、電池ブロック11を構成する複数の単電池12において、内部抵抗のバラツキが発生していないものとしている。
単電池12としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることができる。例えば、単電池12としては、18650型の電池を用いることができる。18650型の電池は、いわゆる円筒型の電池であり、直径が18[mm]であり、長さが65.0[mm]である。円筒型の電池とは、電池ケースが円筒状に形成されており、電池ケースの内部には、充放電を行う発電要素が収容されている。
単電池12は、図3に示すように、発電要素12aおよび電流遮断器12bを有する。発電要素12aおよび電流遮断器12bは、単電池12の外装を構成する電池ケースに収容することができる。発電要素12aは、充放電を行う要素であり、正極板と、負極板と、正極板および負極板の間に配置されるセパレータとを有する。正極板は、集電板と、集電板の表面に形成された正極活物質層とを有する。負極板は、集電板と、集電板の表面に形成された負極活物質層とを有する。正極活物質層は、正極活物質や導電剤などを含んでおり、負極活物質層は、負極活物質や導電剤などを含んでいる。
単電池12としてリチウムイオン二次電池を用いるときには、例えば、正極板の集電板をアルミニウムで形成し、負極板の集電板を銅で形成することができる。また、正極活物質としては、例えば、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2を用い、負極活物質としては、例えば、カーボンを用いることができる。セパレータ、正極活物質層および負極活物質層には、電解液がしみ込んでいる。電解液を用いる代わりに、正極板および負極板の間に、固体電解質層を配置することもできる。固体電解質層を用いるときには、セパレータが省略される。
電流遮断器12bは、単電池12の内部における電流経路を遮断するために用いられる。すなわち、電流遮断器12bが作動することにより、単電池12の内部における電流経路が遮断される。電流遮断器12bとしては、例えば、ヒューズ、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子又は、電流遮断弁を用いることができる。これらの電流遮断器12bは、個別に用いることもできるし、併用することもできる。
電流遮断器12bとしてのヒューズは、ヒューズに流れる電流に応じて溶断する。ヒューズを溶断させることにより、単電池12の内部における電流経路を機械的に遮断することができる。これにより、発電要素12aに過大な電流が流れることを防止して、単電池12(発電要素12a)を保護することができる。電流遮断器12bとしてのヒューズは、電池ケースに収容することもできるし、電池ケースの外部に設けることもできる。電池ケースの外部にヒューズを設ける場合には、各単電池12に対してヒューズが設けられ、ヒューズは、単電池12と直列に接続される。
電流遮断器12bとしてのPTC素子は、単電池12の電流経路に配置されており、PTC素子の温度上昇に応じて抵抗を増加させる。PTC素子に流れる電流が増加すると、ジュール熱によってPTC素子の温度が上昇する。PTC素子の温度上昇に応じて、PTC素子の抵抗が増加することにより、PTC素子において、電流を遮断することができる。これにより、発電要素12aに過大な電流が流れることを防止して、単電池12(発電要素12a)を保護することができる。
電流遮断器12bとしての電流遮断弁は、単電池12の内圧上昇に応じて変形し、発電要素12aとの機械的な接続を断つことにより、単電池12の内部における電流経路を遮断することができる。単電池12の内部は、密閉状態となっており、過充電などによって発電要素12aからガスが発生すると、単電池12の内圧が上昇する。発電要素12aからガスが発生しているときには、単電池12(発電要素12a)は異常状態となる。単電池12の内圧が上昇することに応じて、電流遮断弁を変形させることにより、発電要素12aとの機械的な接続を断つことができる。これにより、異常状態にある発電要素12aに充放電電流が流れることを阻止し、単電池12(発電要素12a)を保護することができる。
図1に示す監視ユニット(本発明の電圧センサに相当する)20は、各電池ブロック11の電圧を検出し、検出結果をコントローラ40に出力する。電流センサ21は、組電池10に流れる電流値を検出し、検出結果をコントローラ40に出力する。本実施例において、組電池10を放電しているときには、電流センサ21によって検出された電流値として、正の値を用いる。また、組電池10を充電しているときには、電流センサ21によって検出された電流値として、負の値を用いる。
電流センサ21は、組電池10に流れる電流値を検出できればよく、正極ラインPLではなく、負極ラインNLに設けることもできる。また、複数の電流センサ21を用いることもできる。なお、コストや体格などを考慮すると、本実施例のように、1つの組電池10に対して1つの電流センサ21を設けることが望ましい。
コントローラ40は、メモリ41を内蔵しており、メモリ41は、コントローラ40を動作させるためのプログラムや、特定の情報を記憶している。なお、メモリ41は、コントローラ40の外部に設けることもできる。
正極ラインPLおよび負極ラインNLには、充電リレーCHRを介して、充電器34が接続されている。充電器34は、外部電源からの電力を組電池10に供給するために用いられる。外部電源とは、車両の外部に設けられた電源であり、外部電源としては、例えば、商用電源がある。ここで、外部電源を用いて組電池10を充電することを、外部充電という。充電リレーCHRは、コントローラ40からの制御信号を受けて、オンおよびオフの間で切り替わる。外部充電を行うとき、コントローラ40は、充電リレーCHRをオフからオンに切り替える。
充電器34には、インレット35が接続されており、ケーブルを介して外部電源と接続されたプラグをインレット35に接続することにより、外部電源の電力を充電器34に供給することができる。充電器34は、外部電源からの交流電力を直流電力に変換して、直流電力を組電池10に供給する。ここで、充電器34は、外部電源の電圧を、他の電圧に変換することもできる。コントローラ40は、充電器34の動作を制御することができ、例えば、充電器34から組電池10に供給される電流値(充電電流)を調節することができる。
本実施例では、充電器34が車両に搭載されているが、これに限るものではない。具体的には、車両の外部に充電器(外部充電器という)を設置することもできる。この場合には、コントローラ40および外部充電器の間の通信(無線又は有線)によって、コントローラ40は、外部充電器の動作を制御することができる。
本実施例では、外部電源からの電力を組電池10に供給する手段として、有線(ケーブル)を用いているが、これに限るものではない。具体的には、電磁誘導や共振現象を利用することにより、外部電源からの電力を、非接触方式で組電池10に供給することができる。この場合には、外部電源からの電力を車両側に供給する給電装置と、給電装置からの電力を受け取る受電装置とを用いればよい。
本実施例では、図3を用いて説明したように、各単電池12に対して電流遮断器12bを設けており、電流遮断器12bの作動状態を判別する必要がある。ここで、図2に示すように、各電池ブロック11は、並列に接続された複数の単電池12によって構成されている。このため、電池ブロック11に含まれる一部の単電池12において、電流遮断器12bが作動しても、電池ブロック11には電流が流れ続け、電池ブロック11の電圧値も変化しない。
電流遮断器12bが作動した後も、電池ブロック11に電流が流れ続けると、電流遮断器12bが作動していない単電池12には、電流遮断器12bが作動している単電池12に流れる予定である電流も流れてしまう。これにより、電流遮断器12bが作動していない単電池12に流れる電流値は、上昇してしまう。
具体的には、電池ブロック11に流れる電流値をIbとすると、電流遮断器12bが作動していない単電池12に流れる電流値は、Ib/(N−m)となる。Nは、電池ブロック11を構成する単電池12の総数であり、mは、電流遮断器12bが作動している単電池12の数である。「N−m」の値は、「N」の値よりも小さいため、電流遮断器12bが作動していない単電池12に流れる電流値は上昇してしまう。
単電池12に流れる電流値が上昇すると、言い換えれば、単電池12に対する電流負荷が増加すると、ハイレート劣化が発生してしまうおそれがある。また、単電池12として、リチウムイオン二次電池を用いたときには、リチウムが析出してしまうおそれがある。さらに、単電池12に流れる電流値が上昇すると、電流遮断器12bが作動しやすくなってしまうことがある。
そこで、各電池ブロック11において、電流遮断器12bが作動しているか否かを判別する必要がある。具体的には、以下に説明する方法によって、各電池ブロック11において、電流遮断器12bが作動しているか否かを判別することができる。
電流遮断器12bの作動は、通常、頻繁に発生するものではない。したがって、組電池10を構成する複数の電池ブロック11には、作動状態にある電流遮断器12bを含む電池ブロック11と、作動状態にある電流遮断器12bを含まない電池ブロック11とが混在することがある。ここで、作動状態にある電流遮断器12bを含む電池ブロック11を、異常状態の電池ブロック11といい、作動状態にある電流遮断器12bを含まない電池ブロック11を、正常状態の電池ブロック11という。
上述した状況を考慮すれば、2つの電池ブロック11におけるSOC(State of Charge)を比較することにより、電流遮断器12bの作動状態を判別することができる。SOCとは、満充電容量に対する、現在の充電容量の割合である。各電池ブロック11のSOCは、各電池ブロック11のOCV(Open Circuit Voltage)から推定することができる。OCVおよびSOCは、対応関係にあるため、この対応関係を用いれば、OCVからSOCを特定(推定)することができる。OCVおよびSOCの対応関係は、実験などによって予め求めておくことができ、メモリ41に記憶しておくことができる。
単電池12(電池ブロック11)の充放電を行っているときには、発電要素12aにおいて、分極が発生する。ここで、単電池12として、リチウムイオン二次電池を用いたとき、分極は、活物質内のLi濃度分布や、電解液内のLi塩濃度分布に依存する。単電池12(電池ブロック11)の充放電を行わない状態で単電池12を放置すれば、発電要素12aの分極が緩和される。分極が緩和された状態において、単電池12(電池ブロック11)の電圧を検出すれば、単電池12(電池ブロック11)のOCVを取得することができる。すなわち、監視ユニット20によって検出された電池ブロック11の電圧値(CCV:Closed Circuit Voltage)を、電池ブロック11のOCVと見なすことができる。
下記式(1)を用いることにより、電流遮断器12bの作動状態を判別することができる。下記式(1)によれば、各電池ブロック11において、作動状態にある電流遮断器12bの総数(遮断数という)mを特定することができる。
上記式(1)において、ΔSOC_bは、電流遮断器12bの作動状態の判別対象となる電池ブロック11におけるSOCの変化量であり、ΔSOC_rは、正常状態の電池ブロック11におけるSOCの変化量である。Nは、電池ブロック11を構成する単電池12の総数であり、mは遮断数である。「N−m」の値は、作動状態にない電流遮断器12bの総数となる。
ここで、上記式(1)について説明する。電池ブロック11の満充電容量をCfとすると、電池ブロック11のSOCの変化量ΔSOCは、下記式(2)で表される。下記式(2)に示すΣIは、変化量ΔSOCが発生する間に、電池ブロック11に流れる電流値の積算(電流積算値)である。また、下記式(2)において、Cf_rは、正常状態の電池ブロック11の満充電容量を示し、Cf_bは、異常状態の電池ブロック11の満充電容量を示す。
電流遮断器12bが作動しているときには、遮断数mに応じて、電池ブロック11の満充電容量Cfは変化する。電池ブロック11は、並列に接続された複数の単電池12によって構成されているため、電池ブロック11の満充電容量Cfは、電池ブロック11を構成する各単電池12の満充電容量を合計した値となる。
ここで、電流遮断器12bが作動したとき、作動状態の電流遮断器12bに対応した単電池12は、他の単電池12との並列接続から切り離される。すなわち、電池ブロック11を構成する単電池12の数は、遮断数mだけ減少し、単電池12の数が減少した分だけ、電池ブロック11の満充電容量Cfも低下する。この点を考慮すると、満充電容量Cf_r,Cf_bは、下記式(3)に示す関係を有する。
上記式(2),(3)に基づいて、上記式(1)を導き出すことができる。
上記式(1)に示すΔSOC_r,ΔSOC_bを算出するときにおいて、電池ブロック11のSOCを特定(推定)するためのOCVには、監視ユニット20による検出誤差が含まれてしまう。このため、監視ユニット20の検出誤差によって、ΔSOC_rやΔSOC_bの算出精度が低下してしまうおそれがある。特に、ΔSOC_r,ΔSOC_bが小さくなるほど、ΔSOC_r,ΔSOC_bに占める監視ユニット20の検出誤差の影響が大きくなりやすく、ΔSOC_r,ΔSOC_bの算出精度が低下しやすい。
ΔSOC_r,ΔSOC_bの算出精度が低下すると、上記式(1)に基づいて、遮断数mを特定しにくくなってしまう。特に、実際の遮断数が小さくなるほど、上記式(1)に示すΔSOC_r,ΔSOC_bの比率に基づいて、遮断数mを特定しにくくなる。
図4には、遮断数mの判定が可能な領域と、遮断数mの判定が不可能な領域とを示している。図4において、境界ラインBLは、遮断数mの判定が可能な領域と、遮断数mの判定が不可能な領域との境界を示す。ここで、境界ラインBLよりも左側の領域では、遮断数mの判定が不可能となり、境界ラインBLよりも右側の領域では、遮断数mの判定が可能となる。
図4に示すように、ΔSOC(ΔSOC_r,ΔSOC_b)が大きくなるほど、ΔSOCに占める監視ユニット20の検出誤差の影響が小さくなりやすい。すなわち、監視ユニット20の検出誤差は一定であるため、ΔSOCが大きくなるほど、ΔSOCに占める検出誤差の影響は小さくなる。この場合には、上記式(1)に基づいて、遮断数mを特定しやすくなる。
一方、ΔSOCが小さくなるほど、ΔSOCに占める監視ユニット20の検出誤差の影響が大きくなりやすいため、上記式(1)に基づいて、遮断数mを特定しにくくなる。ただし、遮断数mが大きくなれば、上記式(1)に示すΔSOC_rおよびΔSOC_bの差が広がりやすくなり、上記式(1)に示すΔSOC_rおよびΔSOC_bの比率が変化しやすくなる。
これにより、ΔSOC_rおよびΔSOC_bの比率に対して、監視ユニット20の検出誤差が与える影響が小さくなる。したがって、ΔSOCが小さくなっても、遮断数mが大きくなれば、遮断数mの判定を行うことができる。
次に、本実施例の電池システムにおいて、組電池10の外部充電を行う処理について説明する。図5は、外部充電を行うときの処理を示すフローチャートであり、図5に示す処理は、コントローラ40によって実行される。本実施例では、外部充電を行うときに、遮断数mの判定を行うようにしている。
ステップS101において、コントローラ40は、外部充電を開始するときの各電池ブロック11のOCV(OCV_s)を測定する。具体的には、組電池10が昇圧回路31と接続されていない状態において、分極に伴う電圧変化量を発生しにくい微弱な電流を組電池10に流すことにより、監視ユニット20によって、各電池ブロック11のOCV_sを検出することができる。
監視ユニット20によって検出されたOCV_sは、コントローラ40に出力される。コントローラ40は、OCVおよびSOCの対応関係を用いることにより、OCV_sに対応したSOC_sを特定することができる。すなわち、コントローラ40は、外部充電を開始する前における各電池ブロック11のSOC_sを推定することができる。
ステップS102において、コントローラ40は、組電池10の外部充電を開始させる。具体的には、プラグがインレット35と接続されている状態において、コントローラ40は、充電器34を動作させる。ここで、外部充電を行うときには、定電流で組電池10の充電を行うことができる。また、コントローラ40は、組電池10を充電するときの電流レート(充電レート)として、単電池12に流すことができる電流レートの上限値(許容上限レート)を設定する。
許容上限レートは、1つの単電池12に流すことができる最大の電流値(許容電流値)I_maxに基づいて設定することができる。このように充電レートを設定すれば、各電池ブロック11には、許容上限レートでの充電電流が流れることになる。ここで、各電池ブロック11は、並列に接続された複数の単電池12によって構成されているため、各電池ブロック11を構成する各単電池12には、許容上限レートでの電流値よりも小さい値の電流が流れる。
すなわち、電池ブロック11が作動状態の電流遮断器12bを含んでいないとき、電池ブロック11を構成する各単電池12には、許容上限レートでの電流値を総数Nで除算した値の電流が流れることになる。また、電池ブロック11が作動状態の電流遮断器12bを含んでいるとき、電池ブロック11を構成する各単電池12には、許容上限レートでの電流値を数「N−m」で除算した値の電流が流れることになる。
このように、電池ブロック11を構成する各単電池12には、許容上限レートでの電流値を、総数N又は数「N−m」で除算した値の電流が流れるため、各単電池12に流れる電流値は、許容上限レートでの電流値よりも小さくなる。仮に、遮断数mが「N−1」であるときには、1つの単電池12だけに充電電流が流れるが、このときの電流値は、上述した許容電流値I_maxとなるため、単電池12に対して過大な電流が流れることを防止できる。なお、ステップS102の処理で設定される充電レートは、許容電流値I_maxよりも低い電流値に基づいて設定することもできる。
ステップS103において、コントローラ40は、電池ブロック11の充電量が、遮断数mの判定が可能な充電量に到達したか否かを判別する。電池ブロック11の充電量は、外部充電を行っている間に、電流センサ21によって検出された電流値を積算することによって算出することができる。遮断数mの判定が可能な充電量とは、図4に示すΔSOCに相当し、図4の境界ラインBLに示すように、判定が可能な遮断数mに応じて、ΔSOCが変化する。
図4に示すΔSOCは、正常状態にある電池ブロック11の満充電容量と、外部充電に伴う電流積算値とから算出できる。このため、外部充電に伴う電流積算値を監視すれば、遮断数mの判定が可能な充電量に到達したか否かを判別することができる。
外部充電を続けるほど、ΔSOCが上昇することになる。ここで、図4を用いて説明したように、ΔSOCが小さくなるほど、遮断数mの判定を行いにくくなるが、実際の遮断数が大きければ、ΔSOCが小さくても、遮断数mを特定することができる。外部充電を開始した直後では、ΔSOCが小さくなるが、このようなΔSOCであっても、遮断数mが大きければ、遮断数mの判定を行うことができる。そこで、外部充電を開始した後においては、遮断数mが大きい側から、遮断数mの判定を行うことができる。
ステップS103において、電池ブロック11の充電量が、遮断数mの判定が可能な充電量に到達していれば、コントローラ40は、ステップS104の処理を行う。一方、電池ブロック11の充電量が、遮断数mの判定が可能な充電量に到達していなければ、コントローラ40は、外部充電を継続させる。
ステップS104において、コントローラ40は、充電器34の動作を制御することにより、組電池10の外部充電を一旦、停止させる。組電池10の外部充電を停止させれば、組電池10(電池ブロック11)の分極を緩和させることができ、監視ユニット20を用いて、電池ブロック11のOCV(OCV_m)を測定することができる。ここで、外部充電を停止させてから所定時間が経過した後に、電池ブロック11のOCV_mを測定することが好ましい。
組電池10(電池ブロック11)の通電(充放電)を停止させる時間が長くなるほど、組電池10(電池ブロック11)の分極を解消させやすくなる。分極を解消させるまでの時間は、実験などによって予め求めておくことができる。また、電池ブロック11のOCV_mを測定することにより、OCVおよびSOCの対応関係を用いて、OCV_mに対応したSOC_mを特定(推定)することができる。
ステップS105において、コントローラ40は、遮断数mの判定を行う。具体的には、コントローラ40は、ステップS101の処理で得られたSOC_sと、ステップS104の処理で得られたSOC_mとを用いて、各電池ブロック11のΔSOCを算出する。そして、コントローラ40は、上記式(1)を用いて、遮断数mの判定を行う。
電池ブロック11のΔSOCを算出すれば、図4に示す情報を用いて、現在のΔSOCにおいて判別できる遮断数mを特定することができる。現在における電池ブロック11のΔSOC(ΔSOC_r,ΔSOC_b)と、図4を用いて特定した遮断数mとが、上記式(1)の関係を満たすとき、コントローラ40は、ΔSOC_bを示す電池ブロック11において、特定した遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動していることを判別できる。一方、現在のΔSOCと、特定した遮断数mとが、上記式(1)の関係を満たさないとき、コントローラ40は、ΔSOC_bを示す電池ブロック11において、特定した遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動していないことを判別できる。
なお、電池ブロック11に含まれる、すべての単電池12において、電流遮断器12bが作動しているときには、電池ブロック11に電流が流れなくなり、結果として、組電池10にも電流が流れなくなる。したがって、外部充電を行っているにもかかわらず、組電池10に電流が流れていないことを、電流センサ21によって検出すれば、電池ブロック11に含まれるすべての電流遮断器12bが作動していることを判別できる。そこで、上記式(1)を用いれば、遮断数mが数Nではないときにおいて、遮断数mを特定することができる。
ステップS106において、コントローラ40は、ステップS105の処理における判定結果に基づいて、電流遮断器12bが作動しているか否かを判別する。ここで、遮断数mが1以上であれば、電流遮断器12bが作動していることになる。電流遮断器12bが作動していると判別したとき、コントローラ40は、ステップS107の処理を行い、電流遮断器12bが作動していないと判別したとき、コントローラ40は、ステップS108の処理を行う。
ステップS107において、コントローラ40は、組電池10の外部充電を再開させる。ステップS107の処理では、電流遮断器12bが作動している状態であるため、コントローラ40は、充電レートを変更せずに、組電池10の外部充電を再開させる。すなわち、ステップS107の処理で設定される充電レートは、ステップS107の処理を行う直前に設定されていた充電レートと同じとなる。
ステップS105の処理において、遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動していると判別したときには、充電レートを変化させないことが好ましい。すなわち、充電レートを上昇させてしまうと、電流遮断器12が作動していない単電池12に対して、過大な電流が流れてしまうおそれがある。そこで、ステップS107の処理では、充電レートを変更しないようにしている。
例えば、外部充電を開始した直後において、ステップS107の処理を行うとき、ステップS107の処理で設定される充電レートとしては、ステップS102の処理で設定された充電レートとなる。一方、後述するように、充電レートを上昇させた後において、ステップS107の処理を行うとき、ステップS107の処理で設定される充電レートとしては、直前に設定されていた充電レートとなる。
ステップS107の処理で外部充電を再開した後、ステップS109において、コントローラ40は、外部充電を完了させるか否かを判別する。外部充電を行うときには、外部充電を完了させる電圧値(充電完了電圧値)を設定することができ、電池ブロック11の電圧値が充電完了電圧値に到達したときには、外部充電を完了させることができる。このため、ステップS109の処理では、コントローラ40は、監視ユニット20によって検出された電池ブロック11の電圧値が充電完了電圧値に到達しているか否かを判別する。
なお、組電池10の電圧値が、外部充電を完了させる電圧値に到達しているか否かを判別することにより、外部充電を完了させるか否かを判別することもできる。この場合において、外部充電を完了させる電圧値は、組電池10の電圧値に基づいて設定される。また、組電池10の電圧値は、監視ユニット20によって検出することができる。
外部充電を完了させると判別したとき、コントローラ40は、図5に示す処理を終了する。一方、外部充電を完了させないと判別したとき、コントローラ40は、電池ブロック11(又は組電池10)の電圧値が充電完了電圧値に到達するまで、外部充電を継続させる。ここで、充電レートは、ステップS107の処理で設定された充電レートのままである。
ステップS108において、コントローラ40は、組電池10の外部充電を再開させる。ステップS108の処理では、電流遮断器12bが作動していない状態であるため、コントローラ40は、充電レートを上昇させることができる。ステップS106の処理からステップS108の処理に進むときには、現在のΔSOCに対応した遮断数m(図4を用いて特定される遮断数m)の分だけ、電流遮断器12bが作動していないことを確認することができる。
すなわち、ステップS108の処理において、コントローラ40は、少なくとも、現在のΔSOCに対応した遮断数mの分だけは、電流遮断器12bが作動していないことを確認することができる。言い換えれば、コントローラ40は、電流遮断器12bが作動していたとしても、実際の遮断数は、現在のΔSOCに対応した遮断数mよりも小さい数であることを確認することができる。
したがって、充電レートを上昇させたとしても、電池ブロック11に含まれる各単電池12に流れる電流値が、単電池12に流すことができる許容電流値I_maxを超えにくくなる。充電レートを上昇させるときには、電流遮断器12bが作動していない単電池12の数を考慮して、充電レートを設定することができる。
ステップS106の処理において、遮断数mでの遮断が発生していないことを判別したとき、少なくとも「N−m」個の単電池12については、電流遮断器12bが作動していないことを確認できる。具体的には、ステップS106の処理からステップS108の処理に進んだときには、少なくとも2個の単電池12については、電流遮断器12bが作動していないことを確認できる。
そこで、電池ブロック11(組電池10)には、単電池12に流すことができる許容電流値I_maxの2倍以上の電流を流すことができる。具体的には、「N−m」個の単電池12について、電流遮断器12bが作動していないことを確認したときには、許容電流値I_maxに「N−m」を乗算した電流値だけ、電池ブロック11に電流を流すことができる。
電池ブロック11の充電電流値として、電流値「I_max×(N−m)」を設定しても、電池ブロック11に含まれる単電池12には、許容電流値I_max以上の電流が流れることはない。電池ブロック11に電流値「I_max×(N−m)」の充電電流を流せば、少なくとも「N−m」個の単電池12に充電電流が流れる。ここで、各単電池12には、電流値「I_max×(N−m)」を、少なくとも「N−m」個で除算した値の電流が流れることになる。したがって、単電池12には、許容電流値I_max以上の電流が流れることはなく、単電池12に過大な電流が流れることを防止できる。
ステップS108の処理によって、充電レートを上昇させることにより、外部充電を行う時間を短縮することができる。また、上述したように、充電レートを上昇させたとしても、許容電流値I_maxを超える過大な電流が単電池12に流れてしまうことを防止できる。
ステップS108の処理で外部充電を再開した後、ステップS110において、コントローラ40は、外部充電を完了させるか否かを判別する。ステップS110の処理は、ステップS109の処理と同様である。ステップS110において、外部充電を完了させないとき、コントローラ40は、ステップS103の処理を再び行う。一方、外部充電を完了させるとき、コントローラ40は、図5に示す処理を終了する。
ステップS110の処理からステップS103の処理に戻ったとき、ステップS103の処理では、電池ブロック11の充電量が、遮断数mの判定が可能な充電量に到達しているか否かが判別される。ここで、電池ブロック11の充電量は、外部充電を開始したときからの充電量である。このため、外部充電が進行するほど、ステップS103の処理で用いられる電池ブロック11の充電量は、上昇することになる。
図5に示す処理によれば、図6に示すように、充電レートを変化させることができる。図6は、外部充電を開始してから完了するまでの間において、電池ブロック11のSOCの挙動を示す。図6において、横軸は充電時間を示し、縦軸は、電池ブロック11のSOCを示す。
図6では、時刻t11,t12,t13のそれぞれにおいて、図5のステップS105の処理で説明した遮断数mの判定が行われている。ここで、図4を用いて説明したように、時刻t11でのΔSOCは、最も小さく、時刻t11で判定される遮断数mの数は、最も大きい。そして、時刻t11,t12,t13の順に充電時間が経過するにつれて、ΔSOCは上昇するため、判定される遮断数mの数は小さくなる。
時刻t0では、外部充電が開始され、時刻t0から時刻t11までの間は、充電レートがK1[C]に設定される。ここで、充電レートK1は、単電池12の許容電流値I_maxに相当し、各電池ブロック11には、充電レートK1の充電電流が流れることになる。時刻t11において、遮断数mの判定を行い、電流遮断器12bが作動していないことを確認できれば、充電レートがK1[C]からK2[C]に変更される。ここで、充電レートK2は、充電レートK1よりも高い。
時刻t11以降では、充電レートK2において、外部充電が行われ、時刻t12において、遮断数mの判定が行われる。時刻t12で判定される遮断数mは、時刻t11で判定される遮断数mよりも小さい。時刻t12での判定において、電流遮断器12bが作動していないことを確認できれば、充電レートがK2[C]からK3[C]に変更される。ここで、充電レートK3は、充電レートK2よりも高い。
時刻t12以降では、充電レートK3において、外部充電が行われ、時刻t13において、遮断数mの判定が行われる。時刻t13で判定される遮断数mは、時刻t12で判定される遮断数mよりも小さい。時刻t13での判定において、電流遮断器12bが作動していないことを確認できれば、充電レートがK3[C]からK4[C]に変更される。ここで、充電レートK4は、充電レートK3よりも高い。
時刻t14では、電池ブロック11(又は組電池10)の電圧値が充電完了電圧値に到達しており、時刻t14において、外部充電が完了する。本実施例によれば、外部充電によってΔSOCが上昇するにつれて、遮断数mの大きい側から小さい側に向かって、遮断数mの判定を行っている。そして、電流遮断器12bが作動していないことを確認するたびに、充電レートを上昇させている。
充電レートを上昇させることにより、外部充電を行う時間を短縮することができる。充電レートがK1[C]のままで、外部充電を続けてしまうと、図6に示すように、時刻t15において、外部充電が完了することになる。本実施例では、充電レートを段階的に上昇させているため、時刻t14および時刻t15の間の時間だけ、外部充電を行う時間を短縮することができる。
なお、時刻t11〜t13のいずれかの時刻において、電流遮断器12bが作動していることを確認すれば、充電レートを上昇させる処理が行われなくなる。すなわち、充電レートは、電流遮断器12bが作動していることを確認した直前に設定されている充電レートに固定される。例えば、時刻t12における遮断数mの判定によって、電流遮断器12bが作動していることを確認すれば、時刻t12から外部充電が完了するまで、充電レートはK2[C]に固定される。
図5に示す処理では、外部充電を一旦停止させて、遮断数mの判定を行った後に、外部充電を再開させている。すなわち、時刻t11,t12,t13のそれぞれでは、外部充電を一旦、停止させている。ここで、遮断数mの判定は、上記式(1)を用いた演算処理によって行われるため、遮断数mの判定に要する時間は僅かである。したがって、外部充電を停止させて、遮断数mの判定を行っても、外部充電を行う時間に与える影響は少なく、外部充電を行う時間は延びにくい。
また、本実施例では、上記式(1)に示すように、ΔSOCに基づいて、遮断数mの判定を行っているが、これに限るものではない。上述したように、SOCおよびOCVは、対応関係にあるため、SOCの代わりに、OCVを用いることができる。すなわち、OCVの差ΔOCV(ΔSOCに対応する)に基づいて、遮断数mの判定を行うことができる。
本実施例の電池システムでは、図2に示す組電池10だけを用いているが、これに限るものではない。具体的には、図7に示すように、2種類の組電池10,50を用いることができる。図7は、本実施例の変形例である電池システムの構成を示しており、図1に対応する図である。図7では、外部電源によって組電池10,50を充電するシステムを省略しているが、本実施例と同様に、組電池10,50の少なくとも一方について、外部充電を行うことができる。
組電池10は、システムメインリレーSMR−B1,SMR−G1,SMR−P1を介して、インバータ32と接続されている。ここで、コントローラ40は、各システムメインリレーSMR−B1,SMR−G1,SMR−P1をオンおよびオフの間で切り替える。組電池50は、システムメインリレーSMR−B2,SMR−G2,SMR−P2を介して、インバータ32と接続されている。ここで、コントローラ40は、各システムメインリレーSMR−B2,SMR−G2,SMR−P2をオンおよびオフの間で切り替える。
組電池10,50は、インバータ32に対して並列に接続されている。図7に示す電池システムでは、昇圧回路31を省略しているが、昇圧回路31を設けることもできる。具体的には、組電池10,50の少なくとも一方とインバータ32との間の電流経路において、昇圧回路31を設けることができる。図7に示す電池システムによれば、2種類の組電池10,50を用意しておくことにより、車両の走行パターンに応じて、2種類の組電池10,50を使い分けることができる。
図7に示す組電池10は、本実施例で説明した組電池10である。組電池50は、図8に示すように、直列に接続された複数の単電池51によって構成されている。ここで、組電池10を構成する単電池12としては、高容量型電池を用いることができ、組電池50を構成する単電池51としては、高出力型電池を用いることができる。高出力型電池(単電池51)は、高容量型電池よりも大きな電流で充放電を行うことができる電池である。高容量型電池(単電池12)は、高出力型電池よりも大きな蓄電容量を有する電池である。
例えば、車両の走行距離を延ばすときには、高容量型電池(単電池12)で構成された組電池10を用いることができる。一方、例えば、アクセルペダルの操作に応じた走行を行うときには、高出力型電池(単電池51)で構成された組電池50を用いることができる。
図7に示す電池システムでは、組電池10に含まれる電池ブロック11に対して、本実施例で説明した遮断数mの判定を行うことができる。ここで、組電池50では、複数の単電池51が直列に接続されているため、組電池50の電流経路において、1つの電流遮断器を設けておけばよい。
次に、本発明の実施例3について説明する。本実施例において、実施例1で説明した部材と同一の部材については、同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。以下、実施例1,2と異なる点について、主に説明する。
実施例1では、遮断数mの判定を行い、電流遮断器12bが作動していないことを確認するたびに、充電レートを上昇させている。ここで、実際の組電池10の使用状態においては、電流遮断器12bが作動することは稀である。そこで、各電池ブロック11において、すべての単電池12に対する電流遮断器12bが作動していないと仮定して、組電池10(電池ブロック11)の外部充電を行うことができる。
この場合には、電池ブロック11に含まれる各単電池12に許容電流値I_maxの充電電流が流れるように、電池ブロック11を充電することができる。ここで、電池ブロック11は、並列に接続された複数の単電池12によって構成されているため、電池ブロック11には、許容電流値I_maxに対して、電池ブロック11を構成する単電池12の総数Nを乗算した電流値を流すことができる。
このように、電池ブロック11を構成する各単電池12に対して、許容電流値I_maxの充電電流を流すことにより、電池ブロック11(単電池12)の充電時間を短縮することができる。
上述した充電レートで外部充電を開始するときにおいて、電流遮断器12bが作動している単電池12が存在していると、実施例1で説明したように、この単電池12と並列に接続された他の単電池12に対して、より多くの電流が流れてしまう。このように、他の単電池12に対する電流負荷が上昇すると、負極での皮膜形成などといった不可逆反応が発生してしまい、単電池12の満充電容量が低下してしまう。
ここで、単電池12を使用するときには、単電池12における満充電容量の低下量(容量低下量という)が閾値に到達するまで、単電池12を使用し続けることができる。電流遮断器12bが作動している状態において、上述した充電レートで外部充電を継続させると、容量低下量が上昇して閾値に到達しやすくなってしまう。
そこで、本実施例では、上述した充電レートで組電池10(電池ブロック11)の外部充電を行う間、容量低下量が許容量に到達しないことを確認しながら、遮断数mの判定を行うようにしている。ここで、許容量は、上述した容量低下量の閾値よりも小さい値とすることができる。また、遮断数mの判定を行うときには、実施例1と同様に、外部充電に伴う充電量の上昇に応じて、遮断数mが大きい側から小さい側に向かって、遮断数mの判定を行うことができる。
本実施例では、上述したように、電池ブロック11に含まれる各単電池12に対して、許容電流値I_maxでの充電電流が流れるように、外部充電を開始している。ここで、外部充電を開始するときに、既に、遮断数mが「N−1」であるときには、電池ブロック11に含まれる1つの単電池12に充電電流が流れてしまう。すなわち、1つの単電池12には、許容電流値I_maxを超える電流が流れてしまい、容量低下量が上昇してしまう。
そこで、本実施例では、外部充電を開始するときには、遮断数mが「N−1」であるときの容量低下量が発生していると仮定しておく。すなわち、外部充電を開始するときには、容量低下量が最も上昇しやすい状態を仮定しておく。ここで、充電時間が長くなるほど、容量低下量が上昇するため、充電時間および容量低下量の関係を予め求めておけば、充電時間に対応した容量低下量を推定することができる。
実施例1で説明したように、外部充電の進行に伴ってΔSOCが上昇すれば、遮断数mが「N−1」であるか否かを判定することができる。ここで、遮断数mが「N−1」ではないことを判定できれば、実際の容量低下量は、遮断数mが「N−1」であるときの容量低下量(仮定値)に沿って変化していないことを確認できる。すなわち、実際の容量低下量は、容量低下量(仮定値)よりも小さいことを確認できる。
遮断数mが「N−1」ではないことを判定できれば、実際の遮断数は、「N−2」以下となる可能性がある。そこで、遮断数mが「N−2」であるときの容量低下量が発生していると仮定することができる。そして、この仮定に基づいて、充電時間に対応した容量低下量(仮定値)を算出することができる。
外部充電の進行に伴ってΔSOCが更に上昇すれば、遮断数mが「N−2」であるか否かを判定することができる。ここで、遮断数mが「N−2」ではないことを判定できれば、実際の容量低下量は、遮断数mが「N−2」であるときの容量低下量(仮定値)に沿って変化していないことを確認できる。すなわち、実際の容量低下量は、容量低下量(仮定値)よりも小さいことを確認できる。
このように、電流遮断器12bが作動していないことを確認するたびに、容量低下量(仮定値)を低下させることにより、容量低下量(仮定値)が許容量に到達しにくくなる。すなわち、容量低下量(仮定値)が許容量に到達するまでは、最大の充電レートで外部充電を行い続けることができる。このように、容量低下量(仮定値)が許容量に到達しないことを確認しながら、最大の充電レートで外部充電を継続させることにより、外部充電を行う時間を短縮することができる。
本実施例における外部充電を行うときの処理について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。図9に示す処理は、コントローラ40によって実行される。図9に示す処理では、外部充電を行いながら、遮断数mの判定を行っている。
ステップS201において、コントローラ40は、外部充電を開始するときの各電池ブロック11のOCV(OCV_s)を測定する。また、OCV_sを測定することにより、OCV_sに対応したSOC_sを特定することができる。ステップS201の処理は、図5に示すステップS101の処理と同様である。
ステップS202において、コントローラ40は、組電池10の外部充電を開始させる。具体的には、プラグがインレット35と接続されている状態において、コントローラ40は、充電器34を動作させる。ここで、外部充電を行うときには、定電流で充電を行うことができる。また、コントローラ40は、組電池10を充電するときの電流レート(充電レート)として、電池ブロック11に流すことができる電流レートの上限値(許容上限レート)を設定する。
許容上限レートは、上述したように、遮断数mが0であると仮定し、各電池ブロック11に含まれる、すべての単電池12に許容電流値I_maxが流れるように設定される。すなわち、許容上限レートでの電流値は、許容電流値I_maxに対して、電池ブロック11を構成する単電池12の総数Nを乗算した値となる。なお、ステップS202の処理では、電池ブロック11を構成するすべての単電池12に対して、許容電流値I_maxよりも低い電流値が流れるように、充電レートを設定することもできる。
また、ステップS202において、コントローラ40は、容量低下量(仮定値)の算出を開始する。具体的には、図10に示すマップ(一例)を予め用意しておき、図10に示すマップを用いて、コントローラ40は、容量低下量(仮定値)を算出する。図10に示すように、充電時間が経過するほど、容量低下量が上昇する。したがって、コントローラ40は、充電時間を計測することにより、計測時間(充電時間)に対応した容量低下量を特定することができる。
なお、図10では、容量低下量および充電時間の関係が、一次関数となっているが、これに限るものではない。すなわち、容量低下量および充電時間の関係は、実験などによって予め求められた関係となる。
図10に示す容量低下量の変化率は、遮断数mが変化することに応じて変化する。容量低下量の変化率とは、所定の充電時間に対する容量低下量の変化量を示す。ここで、遮断数mが大きくなるほど、容量低下量の変化率が大きくなる。言い換えれば、遮断数mが小さくなるほど、容量低下量の変化率が小さくなる。遮断数mが大きくなるほど、電流遮断器12bが作動していない単電池12に対する電流負荷が大きくなる。
ここで、図11に示すように、充電レートが高くなるほど、容量の低下速度が上昇する。このため、電流遮断器12bが作動していない単電池12においては、遮断数mが大きくなるほど、充電レートが高くなり、容量低下量が上昇しやすくなる。図10に示すマップは、遮断数m毎に用意しておくことができる。そして、後述するように、遮断数mの判定に応じて、容量低下量(仮定値)の算出に用いられるマップが変更される。
例えば、外部充電を開始した直後では、遮断数mの判定が行われていなく、電池ブロック11を構成する、すべての単電池12に対して許容電流値I_maxが流れるように、充電レートが設定されている。この場合には、遮断数mが「N−1」であるときの容量低下量の挙動を示すマップを用いて、容量低下量(仮定値)が算出される。
一方、遮断数mの判定が行われたときには、判定が行われた遮断数mよりも1つ少ない数に基づいて、容量低下量(仮定値)が算出される。例えば、遮断数mが「N−1」ではないことを判定したときには、遮断数mが「N−2」であるときの容量低下量の挙動を示すマップを用いて、容量低下量(仮定値)が算出される。
ステップS203において、コントローラ40は、外部充電を完了させるか否かを判別する。具体的には、コントローラ40は、電池ブロック11(又は組電池10)の電圧値が充電完了電圧値に到達したか否かを判別する。ここで、外部充電が完了したとき、コントローラ40は、図9に示す処理を終了する。一方、外部充電が完了していないとき、コントローラ40は、ステップS204の処理を行う。
ステップS204において、コントローラ40は、電池ブロック11の充電量が、遮断数mの判定が可能な充電量に到達したか否かを判別する。電池ブロック11の充電量は、外部充電を行っている間に、電流センサ21によって検出された電流値を積算することによって算出することができる。遮断数mの判定が可能な充電量とは、図4に示すΔSOCに相当し、図4の境界ラインBLに示すように、判定が可能な遮断数mに応じて、ΔSOCが変化する。
実施例1と同様に、外部充電に伴う電流積算値を監視すれば、遮断数mの判定が可能な充電量に到達したか否かを判別することができる。電池ブロック11の充電量が、遮断数mの判定が可能な充電量に到達していれば、コントローラ40は、ステップS205の処理を行う。一方、電池ブロック11の充電量が、遮断数mの判定が可能な充電量に到達していなければ、コントローラ40は、ステップS203の処理を行う。
ステップS205において、コントローラ40は、充電器34の動作を制御することにより、組電池10の外部充電を一旦、停止させる。組電池10の外部充電を停止させれば、組電池10(電池ブロック11)の分極を緩和させることができ、監視ユニット20を用いて、電池ブロック11のOCV(OCV_m)を測定することができる。
電池ブロック11のOCV_mを測定することにより、OCVおよびSOCの対応関係を用いて、OCV_mに対応したSOC_mを特定(推定)することができる。ここで、図5に示すステップS104の処理と同様に、外部充電を停止させてから所定時間が経過した後に、電池ブロック11のOCV_mを測定することが好ましい。
ステップS206において、コントローラ40は、遮断数mの判定を行う。具体的には、コントローラ40は、ステップS201の処理で得られたSOC_sと、ステップS205の処理で得られたSOC_mとを用いて、各電池ブロック11のΔSOCを算出する。そして、コントローラ40は、上記式(1)を用いて、遮断数mの判定を行う。なお、実施例2で説明した方法によって、遮断数mの判定を行うこともできる。
電池ブロック11のΔSOCを算出すれば、図4に示す情報を用いて、現在のΔSOCにおいて判別できる遮断数mを特定することができる。現在における電池ブロック11のΔSOC(ΔSOC_r,ΔSOC_b)と、図4を用いて特定した遮断数mとが、上記式(1)の関係を満たすとき、コントローラ40は、ΔSOC_bを示す電池ブロック11において、特定した遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動していることを判別できる。
一方、現在のΔSOC(ΔSOC_r,ΔSOC_b)と、特定した遮断数mとが、上記式(1)の関係を満たさないとき、コントローラ40は、ΔSOC_bを示す電池ブロック11において、特定した遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動していないことを判別できる。
ステップS207において、コントローラ40は、ステップS206の処理における判定結果に基づいて、電流遮断器12bが作動しているか否かを判別する。ここで、遮断数mが1以上であれば、電流遮断器12bが作動していることになる。電流遮断器12bが作動していると判別したとき、コントローラ40は、ステップS208の処理を行い、電流遮断器12bが作動していないと判別したとき、コントローラ40は、ステップS211の処理を行う。
ステップS208において、コントローラ40は、容量低下量(仮定値)が許容量に到達したか否かを判別する。コントローラ40は、ステップS202の処理によって外部充電を開始したときから、ステップS205の処理によって外部充電を停止するまでの時間を計測することにより、図10に示すマップを用いて、容量低下量(仮定値)を算出することができる。ここで、外部充電を行っている時間は、タイマを用いて計測することができる。
そして、コントローラ40は、算出した容量低下量(仮定値)が許容量に到達しているか否かを判別する。容量低下量(仮定値)が許容量に到達しているとき、コントローラ40は、ステップS209の処理を行う。一方、容量低下量(仮定値)が許容量に到達していないとき、コントローラ40は、ステップS210の処理を行う。
ステップS209において、コントローラ40は、充電レートを低下させた状態において、組電池10の外部充電を再開させる。ステップS209の処理では、ステップS209の処理を行う前に設定されている充電レートよりも低い値に充電レートが設定される。例えば、ステップS202の処理によって、充電レートが設定されているときには、この充電レートよりも低い値に充電レートが設定される。また、既に充電レートを低下させているときには、この充電レートよりも低い値に充電レートが設定される。
充電レートを低下させることにより、単電池12に対する電流負荷を低減することができ、容量低下量の上昇を抑制することができる。すなわち、容量低下量(仮定値)が許容量に到達した後において、容量低下量が上述した閾値(容量低下量)に到達しにくくすることができる。
ステップS209の処理によって外部充電を再開させた後、コントローラ40は、ステップS203の処理を行う。一方、ステップS210において、コントローラ40は、充電レートを変化させずに、組電池10の外部充電を再開させる。ステップS210の処理に進んだときには、判定された遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動していることになる。
このため、充電レートを上昇させてしまうと、容量低下量を上昇させてしまうことになる。そこで、ステップS210の処理では、充電レートを変化させないようにしている。なお、ステップS210の処理では、充電レートを低下させることもできる。ステップS210の処理によって外部充電を再開させた後、コントローラ40は、ステップS203の処理を行う。
ステップS211において、コントローラ40は、組電池10の外部充電を再開させる。ここで、ステップS207の処理からステップS211の処理に進んだときには、現在のΔSOCに対応した遮断数m(図4を用いて特定される遮断数m)の分だけ、電流遮断器12bが作動していないことを確認することができる。
言い換えれば、電流遮断器12bが作動していたとしても、実際の遮断数は、現在のΔSOCに対応した遮断数mよりも小さい数であることを確認することができる。実際の遮断数が、容量低下量(仮定値)の算出に用いられている遮断数よりも小さければ、実際の容量低下量は、現在算出している容量低下量(仮定値)よりも小さくなる。そこで、コントローラ40は、現在の容量低下量(仮定値)のうち、過剰に見積もっている容量低下量(仮定値)の分(余剰分)だけ、容量低下量(仮定値)を低下させる。
ステップS207の処理において、遮断数mでの遮断が発生していないとき、少なくとも「N−m」個の単電池12については、電流遮断器12bが作動していないことを確認できる。具体的には、ステップS207の処理からステップS211の処理に進んだときには、少なくとも遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動していないことを確認できる。
そこで、コントローラ40は、容量低下量(仮定値)を特定するためのマップ(図10に示すマップ)を変更する。具体的には、コントローラ40は、現在の遮断数mよりも1つ小さい遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動しているおそれがあると仮定し、この遮断数に対応したマップを用いて、容量低下量(仮定値)を算出し直す。ステップS211の処理を行った後、コントローラ40は、ステップS203の処理を行う。
図9に示す処理によれば、図12に示すように、容量低下量(仮定値)を変化させることができる。図12は、外部充電を開始した後において、容量低下量(仮定値)の挙動を示す。図12において、横軸は充電時間を示し、縦軸は、容量低下量(仮定値)を示す。図12には、遮断数mが「N−1」、「N−2」、「N−3」、「N−4」、「N−5」であるときの容量低下量の挙動を示している。この容量低下量の挙動は、図10に示すマップで特定される。
時刻t0において外部充電を開始した後では、遮断数mが「N−1」であると仮定したときの容量低下量の挙動(図10に示すマップに相当する)に基づいて、容量低下量(仮定値)を算出する。ここで、充電時間が延びるほど、容量低下量(仮定値)は、上昇することになる。
時刻t21において、遮断数mの判定が行われ、遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動していないことを確認すれば、容量低下量(仮定値)の算出に用いられるマップ(図10に示すマップ)を変更する。具体的には、遮断数mが「N−2」であると仮定としたときの容量低下量の挙動(図10に示すマップに相当する)に基づいて、容量低下量(仮定値)を算出し直す。ここで、遮断数mが「N−2」であるときの容量低下量の変化率は、遮断数mが「N−1」であるときの容量低下量の変化率よりも低くなる。
このため、時刻t21では、時刻t21までに算出した容量低下量(仮定値)のうち、余剰分がリセットされる。具体的には、時刻t21では、遮断数mが「N−1」であるときの容量低下量(仮定値)から、遮断数mが「N−2」であるときの容量低下量(仮定値)に変更される。そして、時刻t21以降では、遮断数mが「N−2」であると仮定したときの容量低下量の挙動に基づいて、充電時間に対応した容量低下量(仮定値)が算出される。
時刻t22において、遮断数mの判定が行われ、遮断数mの分だけ、電流遮断器12bが作動していないことを確認すれば、容量低下量(仮定値)の算出に用いられるマップ(図10に示すマップ)を変更する。具体的には、遮断数mが「N−3」であると仮定としたときの容量低下量の挙動(図10に示すマップに相当する)に基づいて、容量低下量(仮定値)を算出し直す。ここで、遮断数mが「N−3」であると仮定したときの容量低下量の変化率は、遮断数mが「N−2」であると仮定したときの容量低下量の変化率よりも低くなる。
このため、時刻t22では、時刻t22までに算出した容量低下量(仮定値)のうち、余剰分がリセットされる。具体的には、時刻t22では、遮断数mが「N−2」であるときの容量低下量(仮定値)から、遮断数mが「N−3」であるときの容量低下量(仮定値)に変更される。そして、時刻t22以降では、遮断数mが「N−3」であると仮定したときの容量低下量の挙動に基づいて、充電時間に対応した容量低下量(仮定値)が算出される。
時刻t23,t24においても、時刻t21,t22と同様の処理が行われる。そして、遮断数mの判定によって、電流遮断器12bが作動していないことを確認すれば、容量低下量(仮定値)の算出に用いられるマップ(図10に示すマップ)を変更する。ここで、電流遮断器12bが作動していないことを確認するたびに、図10に示すマップとしては、容量低下量(仮定値)の変化率が低くなるマップが用いられる。
本実施例によれば、図12に示すように、容量低下量を仮定して、容量低下量(仮定値)が許容量に到達していないことを把握しながら、外部充電を行うことができる。図4を用いて説明したように、外部充電が進行するほど、ΔSOCを大きくすることができ、より小さい遮断数mの判定を行うことができる。そして、遮断数mが小さくなることを確認するたびに、容量低下量(仮定値)を余剰分だけリセットすることができるため、容量低下量(仮定値)が許容量に到達しないことを確認しながら、予め設定された充電レートで外部充電を継続させることができる。