JP2014116420A - 半導体発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性が高く、吸湿ハンダリフローの信頼性が確保され、個体間の色度ばらつきが少ない半導体発光装置を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)蛍光体、および多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物からなる封止剤、(B)半導体からなる発光素子、(C)リフレクター用樹脂からなるリフレクター、を有する半導体発光装置であり、前記蛍光体から放たれた蛍光と、前記発光素子から発光され封止剤を通過した光、とが加色した発光色のxyY表色系の色度座標上における標準偏差が小さく、前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物の2mm厚硬化物の透湿度が、温度40℃90%RHで20g/m2/day以下であり、前記リフレクター用樹脂の吸湿率が、0.5%以下かつ前記リフレクター用樹脂の水分放出率が30%以上である半導体発光装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性が高く、吸湿させた状態でハンダリフローを行った際の信頼性が確保され、かつ、個体間の色度ばらつきが少ない半導体発光装置に関する。
LEDに代表される光半導体用素子は、パッケージ基板と、光を反射するリフレクター、および発光部位と、これらを保護する封止樹脂を有する樹脂封止型の構造が一般的であり、従来からリフレクターは、耐熱性や成形性、フィラー混合性に優れたナイロン系樹脂やアクリル系樹脂などが用いられてきた。一方で、封止樹脂は光学素子に直接接する部分であるため、光学デバイスの長期信頼性を確保する目的から、接着性、耐熱・耐光性、耐熱衝撃性、耐リフロー信頼性がより厳しく要求されており、さらに近年ではパッケージ基板の銀リードフレームの着色防止のために、封止樹脂のガスバリア性を高める試みがなされている(特許文献1参照)。
こうした中で、ガスバリア性の高い封止樹脂で封止した半導体発光装置を、吸湿した状態でハンダリフローを行うと、封止樹脂とパッケージ基板及びリフレクターとの間で剥離やクラックが生じることが問題となっていた。この原因は、リフレクターに用いられる樹脂の吸湿率が高いためであり、このような半導体装置を吸湿した状態でハンダリフローを行うと、リフレクター部が加熱されて水蒸気が発生し、その圧力で封止樹脂と、パッケージ基板及びパッケージの界面で剥離やクラックが生じる。この現象は封止樹脂のガスバリア性が高いほど、つまり透湿度が低いほど顕著に現れるため問題となっていた。そのため、ハンダリフローでの剥離やクラックを防ぐため、従来では、前処理としてパッケージを乾燥させる必要があった。
また、半導体発光装置は、通常、半導体からなる発光素子(以下、適宣、LED)上に蛍光体を含有する硬化性組成物を塗布し、これを硬化させることにより、LEDを封止して製造される。この際、蛍光体を硬化性組成物中に均一に分散させる目的や硬化物に散乱効果を付与する目的などにより、蛍光体とともにフィラーを硬化性組成物に含有させることがある(特許文献2、3参照)。
しかしながら、上記のような蛍光体とフィラーを含有する硬化性組成物を用いてLEDの封止を行った場合、硬化性組成物に含有されるフィラーの分散が不十分であるなどして、凝集したフィラーにより過剰な光散乱が生じ、半導体発光装置の発光効率が低下したり、蛍光体が分散ムラを起こすことで、得られる半導体発光装置内の色むらや半導体発光装置ごとの色度ばらつきにつながり、製造時の品質や歩留まりに影響を与え、製造コストが高くなるという問題があった。
一方、多面体構造を有するポリシロキサンで構成された組成物は、その特異的な化学構造から、優れた耐熱性、耐光性、化学的安定性、低誘電性等を示すことが知られており、例えば、特許文献4において、多面体構造を有するポリシロキサン系変性体を用いた組成物が開示されている。この組成物は、成型加工性、透明性、耐熱性、耐光性、接着性に優れており、LED封止剤として用いることもできる。しかしながら、組成物の粘度(ハンドリング性)やガスバリア性についてはさらなる改良の余地も残されていた。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、吸湿率が低く、かつ吸湿後も常温常湿での保管で水分含量が低下することを特徴とするリフレクターと、高いガスバリア性、かつ個体間の色度ばらつきが少なく、生産性に優れる半導体発光装置を提供することを目的とする。
特開2011―029380号公報 特開2009−102514号公報 特開2006−294821号公報 WO08/010545
本発明は、封止樹脂が高いガスバリア性を有しながら、吸湿させた状態でハンダリフローを行っても、剥離やクラックが発生せず、さらに、個体間の色度ばらつきを低減する多面体構造ポリシロキサン系組成物を用いた半導体発光装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下のことを見出して本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の構成をなす。
1).(A)蛍光体、および多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物からなる封止剤、
(B)半導体からなる発光素子
(C)リフレクター用樹脂からなるリフレクター、
を有する半導体発光装置であり、
前記蛍光体から放たれた蛍光と、前記発光素子から発光され封止剤を通過した光、とが加色した発光色のxyY表色系の色度座標上における標準偏差が、下記式(1)、(2)で表され、
δ(x)<0.004 (1)
δ(y)<0.005 (2)
(式中、δ(x)は半導体発光装置の発光色のxyY表色系の色度座標上におけるxの標準偏差、δ(y)は半導体発光装置の発光色のxyY表色系の色度座標上におけるyの標準偏差、これら標準偏差の標本数は無作為に500である。)
前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物の2mm厚硬化物の透湿度が、温度40℃、相対湿度90%RHの環境下において20g/m/day以下であり、
前記リフレクター用樹脂の吸湿率が、下記式(3)にて0.5%以下であり、前記リフレクター用樹脂の水分放出率が、下記式(4)にて30%以上であることを特徴とする半導体発光装置。
吸湿率=(W1−W0)/W0×100(3)
水分放出率=(W1−W2)/(W1−W0)×100 (4)
(式中、W0は乾燥(温度125℃の環境下でリフレクター用樹脂を3時間養生)後のリフレクター用樹脂重量、W1は吸湿(温度85℃、相対湿度85%の環境下でリフレクター用樹脂を168時間養生)後のリフレクター用樹脂重量、W2は室温養生(温度25℃、相対湿度55%の環境下でリフレクター用樹脂を24時間養生)後のリフレクター用樹脂重量を表す。)
2).前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物が、アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、ヒドロシリル基を有する化合物(b)と、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)とをヒドロシリル化反応することにより得られる多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)を含有することを特徴とする1)に記載の半導体発光装置。
3).多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)が、温度20℃において、液状であることを特徴とする2)に記載の半導体発光装置。
4).1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)が、アリール基を1個以上有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物である2)または3)に記載の半導体発光装置。
5).アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)が、式:
[AR SiO−SiO3/2][R SiO−SiO3/2]
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aは、アルケニル基;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物であることを特徴とする2)〜4)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
6).ヒドロシリル基を有する化合物(b)が、ヒドロシリル基を有する環状シロキサン、および/または、分子末端にヒドロシリル基を有する直鎖状シロキサンであることを特徴とする2)〜5)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
7).ヒドロシリル基を有する化合物(b)が、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることを特徴とする2)〜6)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
8).多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)が、式:
[XR SiO−SiO3/2][R SiO−SiO3/2]
[{a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルケニル基、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基、Xは、下記式(5)あるいは下記式(6)のいずれかの構造を有し、Xが複数ある場合は下記式(5)あるいは下記式(6)の構造が異なっていても良くまた下記式(5)あるいは下記式(6)の構造が混在していても良い。
Figure 2014116420
Figure 2014116420
(lは2以上の整数;mは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;ただし、YあるいはZの少なくとも1つは水素原子であり、少なくとも1つは下記式(7)の構造を有する。
−[CH]−R (7)
(lは2以上の整数;Rは有機ケイ素化合物を含有する基);Rは、アルキル基またはアリール基}]
を構成単位とする多面体構造ポリシロキサン変性体であることを特徴とする2)〜7)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
9).Rがアリール基を1個以上有することを特徴とする8)に記載の半導体発光装置。
10).前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物が、1分子中にアルケニル基を2個以上有する化合物(A−2)を含有することを特徴とする1)〜9)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
11).1分子中にアルケニル基を2個以上有する化合物(A−2)が、1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン(A−2’)、および/または、
下記式(8)で表される1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)
Figure 2014116420
(式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基または水素原子を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)である多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物であることを特徴とする10)に記載の半導体発光装置。
12).1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン(A−2’)が、アリール基を1個以上有することを特徴とする11)に記載の半導体発光装置。
13).1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)が、数平均分子量900未満であることを特徴とする11)に記載の半導体発光装置。
14).1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)が、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートからなる群において選ばれる少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする11)または13)に記載の半導体発光装置。
15).1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)が、ジアリルモノメチルイソシアヌレートであることを特徴とする11)〜14)いずれか1項に記載の半導体発光装置。
16).前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物が、ヒドロシリル化触媒を含有することを特徴とする1)〜15)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
17).前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物が、硬化遅延剤を含有することを特徴とする1)〜16)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
18).前記リフレクター用樹脂が、
(C−1)アルケニル基を少なくとも2個以上もつ化合物
(C−2)ヒドロシリル基含有化合物
(C−3)ヒドロシリル化触媒
(C−4)無機充填材
からなることを特徴とする1)〜17)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
19).(C−1)成分が1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(C−1’)、および/または、1分子中にアルケニル基を2個以上有するシロキサン化合物(C−1’’)であることを特徴とする、18)に記載の半導体発光装置。
20).(C−1’)成分が下記式(9)
Figure 2014116420
(式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基又は水素原子を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)、で表される有機化合物からなることを特徴とする、19)に記載の半導体発光装置。
21).(C−2)成分が、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物(d)と、アルケニル基を有する有機化合物(e)を、ヒドロシリル化反応させて得ることができる化合物であることを特徴とする18)〜20)のいずれか1項に記載の光半導体装置。
22).アルケニル基を有する有機化合物(e)が下記式(10)
Figure 2014116420
(式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基又は水素原子を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)で表される有機化合物(e1)、あるいは、下記式(11)
Figure 2014116420
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)又は下記式(12)
Figure 2014116420
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で表されるアルケニル基を1個有する有機化合物(e2)であることを特徴とする21)に記載の半導体発光装置。
23).ヒドロシリル基を有する化合物(d)が、ヒドロシリル基を有する環状シロキサン、および/または、分子末端にヒドロシリル基を有する直鎖状シロキサンであることを特徴とする、21)に記載の半導体発光装置。
24).(C−4)成分が、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニア、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、窒化ホウ素、チタン酸バリウム及び硫酸バリウムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする18)〜23)のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
25).1)〜24)のいずれか1項に記載の半導体発光装置の製造方法。
本発明により、ガスバリア性が高く、吸湿させた状態でハンダリフローを行った際の信頼性が確保され、かつ、個体間の色度ばらつきが少ない半導体発光装置が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<半導体発光装置>
本発明の半導体発光装置は、(A)蛍光体、および多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物からなる封止剤、(B)半導体からなる発光素子、(C)リフレクター用樹脂からなるリフレクターを備える。
本発明の半導体発光装置は、蛍光体から放たれた蛍光と、発光素子から発光され封止剤を通過した光、とが加色した発光色のxyY表色系の色度座標上における標準偏差が、下記式(1)、(2)で表される範囲を満足する。
δ(x)<0.004 (1)
δ(y)<0.005 (2)
(式中、δ(x)は半導体発光装置の発光色のxyY表色系の色度座標上におけるxの標準偏差、δ(y)は半導体発光装置の発光色のxyY表色系の色度座標上におけるyの標準偏差。これら標準偏差の標本数は無作為に500である。)
ここで、δ(x)は0.004より小さく、0.0035より小さいことがより好ましく、0.003より小さいことがさらに好ましい。δ(x)が大きいと、半導体発光装置ごとの色度ばらつきが大きくなるため、所望の色度特性を持つ半導体発光装置が得られず、製造時の歩留まりが大きくなる。また、δ(y)は0.005より小さく、0.0045より小さいことがより好ましく、0.004より小さいことがさらに好ましい。δ(x)と同様に、δ(y)が大きいと、半導体発光装置ごとの色度ばらつきが大きくなるため、所望の色度特性を持つ半導体発光装置が得られず、製造時の歩留まりが大きくなる。なお、δ(x)およびδ(y)は小さいほうが好ましいが、最小値は0である。
また、本発明の半導体発光装置は、多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物からなる封止剤を含有している。この多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物の2mm厚硬化物の透湿度が、温度40℃、相対湿度90%RHの環境下において20g/m/day以下であることが、高湿下でのリフレクターの変色を抑えられることから好ましく、より好ましくは18g/m/day以下、さらに好ましくは10g/m/day以下である。
また、本発明の半導体装置のリフレクターの構成部材であるリフレクター用樹脂の吸湿率が、0.5%以下であることが、半導体装置の耐湿信頼性、耐熱衝撃性、耐リフロー信頼性の向上の観点から好ましく、より好ましくは0.1%以下であり、さらに好ましくは0.08%以下である。
また、前記リフレクター用樹脂の水分放出率が、半導体装置の吸湿リフローの向上の観点から、吸湿した水分量に対する水分放出率が30%以上であることが、吸湿リフロー信頼性の向上の観点から好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
このように、本発明の半導体装置のリフレクターの構成部材であるリフレクター用樹脂は、水分放出量が高く、乾燥工程を入れなくてもリフレクター用樹脂の水分量が低い状態で保たれるため、高温高湿条件下でのハンダリフロー時の信頼性が向上し、また前処理である乾燥工程を短縮することが可能である。
本発明の半導体発光装置は従来公知の各種の用途に用いることができる。具体的に、例えば、受発光デバイス液晶表示装置等のバックライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト等を挙げることができる。
<(A)封止剤>
本発明中の封止剤は、後述の多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物と蛍光体を有し、半導体からなる発光素子(B)、リフレクター用樹脂からなるリフレクター(C)、リードフレーム等を封止し保護するために使用される。発光素子を封止剤で封止する方法としては、特に限定されないが、例えば、LED用パッケージに発光素子を実装し、封止剤を注入・硬化して封止してもよいし、プレス成形・トランスファー成形などの手法により、封止してもよい。
本発明の封止剤には、必要に応じて接着性付与剤を添加することができる。接着性付与剤は、例えば、本発明における多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物と基材との接着性を向上する目的で用いるものであり、その様な効果があるものであれば特に制限はないが、シランカップリング剤が好ましい例として例示できる。
シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、具体的には3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
シランカップリング剤の添加量としては、硬化性組成物100重量部に対して、0.05〜30重量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜10重量部である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、接着性付与剤の効果を高めるために、公知の接着性促進剤を用いることもできる。接着性促進剤としては、エポキシ含有化合物、エポキシ樹脂、ボロン酸エステル化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の封止剤には、必要に応じて無機フィラーを添加することができる。無機フィラーを用いることにより、得られる成形体の強度、硬度、弾性率、熱膨張率、熱伝導率、放熱性、電気的特性、光の反射率、難燃性、耐火性、およびガスバリア性等の諸物性を改善することができる。無機フィラーは、無機物もしくは無機物を有する化合物であれば特に限定されないが、具体的に例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機フィラー、アルミナ、ジルコン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、ガラスフレーク、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、フェライト、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マンガン、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
無機フィラーは、適宜表面処理をほどこしてもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、シランカップリング剤による処理等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
無機フィラーの形状としては、破砕状、片状、球状、棒状等、各種用いることができる。無機フィラーの平均粒径や粒径分布は、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から、平均粒径が0.005〜50μmであることが好ましく、さらには0.01〜20μmであることがより好ましい。同様に、BET比表面積についても、特に限定されるものでないが、ガスバリア性の観点から、70m/g以上であることが好ましく、100m/g以上であることがより好ましく、さらに200m/g以上であることが特に好ましい。
無機フィラーの添加量は特に限定されないが、封止剤100重量部に対して、1〜1000重量部、よりこの好ましくは、3〜500重量部、さらに好ましくは、5〜300重量部である。無機フィラーの添加量が多いと、流動性が悪くなる場合があり、無機フィラーの添加量が少ないと、所望の物性が得られない場合がある。無機フィラーを混合する手段としては、特に限定されるものではないが、具体的に例えば、2本ロールあるいは3本ロール、遊星式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリーミキサー等の撹拌機、プラストミル等の溶融混練機等が挙げられる。無機フィラーの混合は、常温で行ってもよいし加熱して行ってもよく、また、常圧下で行ってもよいし減圧状態で行ってもよい。混合する際の温度が高いと、成型する前に組成物が硬化する場合がある。
また、本発明の封止剤には、必要に応じて着色剤、耐熱性向上剤などの各種添加剤や反応制御剤、離型剤あるいは充填剤用分散剤などを任意で添加することができる。この充填剤用分散剤としては、例えば、ジフェニルシランジオール、各種アルコキシシラン、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子量シロキサンなどが挙げられる。なお、これら任意成分は、本発明の効果を損なわないように最小限の添加量に止めることが好ましい。
本発明の封止剤は、上記した成分をロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどの混練機を用いたり、遊星式攪拌脱泡機を用いて均一に混合し、必要に応じ加熱処理を施したりしてもよい。
<蛍光体>
本発明中の封止剤は蛍光体を有する。蛍光体は上記発光素子の発する光を吸収して異なる波長の光を発生するものであり、本発明の封止剤に用いられる蛍光体としては、特に限定されず、一般的に公知の無機蛍光体や有機蛍光体を用いることができ、本発明の封止剤が使用された半導体発光装置が必要とする発光色を得るために任意のものを選択することができる。具体的に、例えば、YAG系蛍光体、TAG系蛍光体、オルトシリケートアルカリ土類系蛍光体、α−サイアロン系蛍光体、β−サイアロン系蛍光体、カズン系蛍光体、ニトリドおよびオキシニトリド系蛍光体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら蛍光体は1種または2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。
本発明に用いる蛍光体の粒径には、特に制限はないが、中央粒径(D50)が、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは25μm以下である。中央粒径(D50)が小さいと、封止剤中で蛍光体が凝集してしまう場合があり、中央粒径(D50)が大きいと、蛍光体の塗布ムラやディスペンサー等の閉塞が生じる場合がある。また蛍光体の粒度分布(QD)は、封止剤中での粒子の分散状態をそろえるために小さい方が好ましいが、小さくするためには分級収率が下がってコストアップにつながるので、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.07以上あり、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下、さらに好ましくは0.2以下である。また、蛍光体の形状は、特に限定されず、任意の形状のものを用いることが可能である。
本発明における蛍光体の使用量には特に制限は無く、半導体発光装置が必要とする発光色を得るために任意の量を使用することができるが、あえて例示するならば、封止剤中に好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは35重量%以下である。蛍光体の使用量が少ないと、蛍光体による波長変換が不十分となり、目的とする発光色が得られなくなる場合があり、蛍光体の使用量が多いと、封止剤のハンドリング性が低下したり、光学的な干渉作用により蛍光体の利用効率が低くなったりする可能性がある。
<多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物>
本発明の多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物は、前述の蛍光体と共に封止剤として用いられ、前記発光素子やリフレクター、リードフレーム等を封止し、保護する役割を持つ。
本発明の多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物は、多面体構造ポリシロキサンを有した硬化性組成物であり、多面体構造ポリシロキサンは、アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、ヒドロシリル基を有する化合物(b)と、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)とをヒドロシリル化反応することにより得られる多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)であることが、封止剤の耐熱性、耐光性、ガスバリア性、ハンドリング性等の観点から良い。さらに、(A−1)成分が1分子中にヒドロシリル基を平均して3つ以上有することが、1分子中にアルケニル基を2個以上有する化合物(A−2)と反応させた場合に、得られる硬化物の強度や耐熱性、耐光性、ガスバリア性の観点からより好ましい。
本発明に用いられる多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物としては、公知の多面体構造ポリシロキサンを広く使用することができ、下記式[RSiO3/2]や下記式[RSiO−SiO3/2](Rは任意の有機基であり、同一であっても異なっていてもよい;aは6〜24の整数)で表されるシロキサン単位から構成される多面体構造ポリシロキサンが例示されるが、その構造中に[RSiO2/2]単位や[RSiO1/2]単位を有する部分開裂型の多面体構造ポリシロキサンであってもよい。
蛍光体を多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物に混合・分散する方法としては、蛍光体の結晶構造に損傷を与えず蛍光体を均一に分散することが可能な方法であれば特に制限はなく、例えばミキサー、高速ディスパー、ホモジナイザー、3本ロール、2本ロール、ニーダー、ビーズミル等、従来公知の方法を用いることが出来る。上記の中でも特に、遊星攪拌ミキサー、3本ロール、2本ロール、など分散にあたり発熱の少ないものや混合機由来の金属磨耗粒子の混入が少ないものが好ましく、なかでも遊星攪拌ミキサーが蛍光体の損傷少なく脱泡しながら混合・分散できるので好ましい。これらの混合・分散方法は、一種のみ行ってもよく、また二種以上を組み合わせて行ってもよい。
本発明の多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物の粘度は、特に制限はないが、温度23℃において1Pa・s〜300Pa・sであることが好ましく、さらに好ましくは2Pa・s〜200Pa・sである。硬化性組成物の粘度が低いと、蛍光体が凝集してしまう恐れがあり、粘度が高いと、硬化性組成物のハンドリング性が悪化する恐れがある。
多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物を硬化させる際に温度を加える場合は、好ましくは、30〜400℃、さらに好ましくは50〜250℃である。硬化温度が高いと、得られる硬化物に外観不良が生じる傾向があり、低いと硬化が不十分となる。また、2段階以上の温度条件を組み合わせて硬化させてもよい。具体的には例えば、70℃、120℃、150℃の様に段階的に硬化温度を引き上げていくことで、良好な硬化物を得ることができ好ましい。
硬化時間は硬化温度、用いるヒドロシリル化触媒の量及び反応性基の量、その他、多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物の配合物の組み合わせにより適宜選択することができるが、あえて例示すれば、1分〜12時間、好ましくは10分〜8時間行うことにより、良好な硬化物を得ることができる。
本発明の多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物のガスバリア性の指標として、透湿度を用いた。透湿度は以下に定義した値を意味する。
5cm角の板ガラス(0.5mm厚)の上部に5cm角のポリイソブチレンゴムシート(3mm厚、ロの字型になるように内部の3cm角を切り取ったもの)を固定した治具を作製し、和光純薬工業製塩化カルシウム(水分測定用)1gをロの字型内に充填する。さらに上部に、上記の5cm角、厚さ2mmのサンプルを固定し、これを試験体とする。試験体を恒温恒湿機(エスペック製 PR‐2KP)内で温度40℃、湿度90%RHで24時間養生し、下記計算式(13)
透湿度(g/m/day)={(透湿性試験後の試験体総重量(g))−(透湿性試験前の試験体総重量(g))}×10000/9 (13)
に従って透湿度(水蒸気透過率)を算出した。
本発明の多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物は、半導体発光装置の耐湿信頼性を高めるために、その硬化物の透湿度が20g/m/day以下であることが、高湿下でのリフレクターの変色を抑えられることから好ましく、より好ましくは18g/m/day以下、さらに好ましくは10g/m/day以下である。
さらに、本発明の水分放出率と吸湿率の関係を示す式(14)
(100−水分放出率)×吸湿率 (14)
において、100以下であり、高湿下でのリフレクターの変色を抑えられる点で好ましくは35以下であり、さらに好ましくは20以下であり、より好ましくは10以下である。
<アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)>
本発明の半導体発光装置に用いられるアルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)は、分子中にアルケニル基を有する、多面体骨格を有するポリシロキサンであれば、特に限定はない。具体的に、例えば、式
[RSiO3/2[R10SiO3/2
(x+yは6〜24の整数;xは1以上の整数、yは0または1以上の整数;Rはアルケニル基、または、アルケニル基を有する基;R10は、任意の有機基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物を好適に用いることができ、さらには、式
[AR SiO−SiO3/2][R SiO−SiO3/2]
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aは、アルケニル基;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)
で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物が好ましいものとして例示される。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が例示されるが、耐熱性・耐光性の観点から、ビニル基が好ましい。
は、アルキル基またはアリール基である。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が例示され、また、アリール基としては、フェニル基、トリル基等のアリール基が例示される。本発明におけるRとしては、耐熱性・耐光性の観点から、メチル基が好ましい。
は、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基である。アルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等が例示され、また、アリール基としては、フェニル基、トリル基等のアリール基が例示される。本発明におけるRとしては、耐熱性・耐光性の観点から、メチル基が好ましい。
aは1以上の整数であれば、特に制限はないが、化合物の取り扱い性や得られる硬化物の物性から、2以上が好ましく、3以上がさらに好ましい。また、bは、0または1以上の整数であれば、特に制限はない。
aとbの和(=a+b)は、6〜24の整数であるが、化合物の安定性、得られる硬化物の安定性の観点から、6〜12、さらには、6〜10であることが好ましい。
(a)成分の合成方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いて合成することができる。合成方法としては、例えば、R11SiX (式中R11は、上述のR、R10を表し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基等の加水分解性官能基を表す)のシラン化合物の加水分解縮合反応によって、得られる。または、R11SiX の加水分解縮合反応によって分子内に3個のシラノール基を有するトリシラノール化合物を合成したのち、さらに、同一もしくは異なる3官能性シラン化合物を反応させることにより閉環し、多面体構造ポリシロキサンを合成する方法も知られている。
その他にも、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを4級アンモニウムヒドロキシド等の塩基存在下で加水分解縮合させる方法が挙げられる。本合成方法においては、テトラアルコキシシランの加水分解縮合反応により、多面体構造を有するケイ酸塩が得られ、さらに得られたケイ酸塩をアルケニル基含有シリルクロライド等のシリル化剤と反応させることにより、多面体構造を形成するSi原子とアルケニル基とが、シロキサン結合を介して結合した多面体構造ポリシロキサンを得ることが可能となる。本発明においては、テトラアルコキシランの替わりに、シリカや稲籾殻等のシリカを含有する物質からも、同様の多面体構造ポリシロキサンを得ることが可能である。
<ヒドロシリル基を有する化合物(b)>
本発明の半導体発光装置に用いられるヒドロシリル基を有する化合物(b)は、分子中に1個以上のヒドロシリル基を有していれば特に制限はないが、得られる多面体構造ポリシロキサン変性体の透明性、耐熱性、耐光性の観点から、ヒドロシリル基を有するシロキサン化合物であることが好ましく、さらには、ヒドロシリル基を有する環状シロキサンあるいは直鎖状ポリシロキサンであることが好ましい。特に耐熱性、耐光性、ガスバリア性の観点からは、環状シロキサンであることが好ましい。
ヒドロシリル基を有する直鎖状ポリシロキサンとしては、ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサンなどが例示される。
特に、ヒドロシリル基を有する直鎖状ポリシロキサンとしては、変性させる際の反応性や得られる硬化物の耐熱性、耐光性等の観点から、ジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリシロキサン、さらにはジメチルハイドロジェンシリル基で分子末端が封鎖されたポリジメチルシロキサンを好適に用いることができ、具体的に例えば、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサンなどが、好ましい例として例示される。
ヒドロシリル基を有する環状シロキサンとしては、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサンなどが例示される。本発明における環状シロキサンとしては、工業的入手性および反応性、あるいは、得られる硬化物の耐熱性、耐光性、強度等の観点から、具体的に例えば、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを好適に用いることができる。
これら(b)成分である、ヒドロシリル基を有する化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)>
本発明の半導体発光装置に用いられる1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)は、前述のヒドロシリル基を有する化合物(b)のヒドロシリル基と反応する。(c)成分を用いることで、得られる硬化物の弾性率を低下させることができ、耐冷熱衝撃性を向上させることができる。また、得られる組成物の粘度コントロールをすることが可能となり、LED封止剤として用いた場合に蛍光体の凝集を抑制したり、LED封止剤として用いた場合のハンドリング性を向上させることが可能となる。
アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が例示されるが、耐熱性・耐光性の観点から、ビニル基が好ましい。
本発明における(c)成分は、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物であれば特に限定はされないが、1分子中に少なくともアリール基を1個以上含有していることが、ガスバリア性や屈折率の観点から好ましく、さらには、該アリール基が直接ケイ素原子に結合していることが、耐熱性、耐光性の観点から、さらに好ましい。
本発明における(c)成分は、耐熱性、耐光性の観点から、シラン、またはポリシロキサンであることが好ましい。このような(c)成分が、1分子中にアルケニル基を1個有するシランである場合、具体的に例えば、トリメチルビニルシラン、ジメチルフェニルビニルシラン、メチルジフェニルビニルシラン、トリフェニルビニルシラン、トリエチルビニルシラン、ジエチルフェニルビニルシラン、エチルジフェニルビニルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルジメチルフェニルシラン、アリルメチルジフェニルシラン、アリルトリフェニルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルジエチルフェニルシラン、アリルエチルジフェニルシラン等が例示される。中でも、耐熱性、耐光性の観点から、トリメチルビニルシラン、ジメチルフェニルビニルシラン、メチルジフェニルビニルシラン、トリフェニルビニルシランが好ましい例として挙げられ、さらに、ガスバリア性や屈折率の観点から、ジメチルフェニルビニルシラン、メチルジフェニルビニルシラン、トリフェニルビニルシランが好ましい例として挙げられる。
また(c)成分がポリシロキサンである場合、アルケニル基を1個有する直鎖構造のポリシロキサン、分子末端にアルケニル基を1個有するポリシロキサン、アルケニル基を1個有する環状シロキサン等が例示される。
(c)成分が、アルケニル基を1個有する直鎖構造のポリシロキサンである場合、具体的に例えば、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位との共重合体、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたジメチルシロキサン単位とジフェニルシロキサン単位との共重合体、ジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端がそれぞれ1個ずつ封鎖されたメチルフェニルシロキサン単位とジフェニルシロキサン単位との共重合体等が例示される。
分子末端にアルケニル基を1個有するポリシロキサンである場合、具体的に例えば、先に例示したジメチルビニルシリル基とトリメチルシリル基で末端が1個ずつ封鎖されたポリシロキサン、SiO単位、SiO3/2単位、SiO単位、SiO1/2単位からなる群において選ばれる少なくとも1つのシロキサン単位および1つのジメチルビニルシロキサン単位からなるポリシロキサンなどが例示される。
(c)成分が、アルケニル基を1個有する環状シロキサンである場合、具体的に例えば、1−ビニル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1−ビニル−3−フェニル−1,3,5,5,7,7−ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1−ビニル−3,5−ジフェニル−1,3,5,7,7−ペンタメチルシクロテトラシロキサン、1−ビニル−3,5,7−トリフェニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が例示される。
これら(c)成分である、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)>
本発明の半導体発光装置に用いられる多面体構造ポリシロキサン変性体(A)は、後述のヒドロシリル化触媒の存在下、アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)とヒドロシリル基を有する化合物(b)と1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)とをヒドロシリル化反応させることにより得られる。
多面体構造ポリシロキサン変性体を得る方法としては、特に限定されず種々設定できるが、予め(a)成分と(b)成分を反応させた後、(c)成分を反応させても良いし、予め(c)成分と(b)成分を反応させた後、(a)成分を反応させても良いし、(a)成分と(c)成分を共存させて(b)成分と反応させても良い。各反応の終了後に、例えば減圧・加熱条件下にて、揮発性の未反応成分を留去し、目的物あるいは次のステップへの中間体として用いても良い。(c)成分と(b)成分のみが反応し、(a)成分を含まない化合物の生成を抑制するためには、(a)成分と(b)成分を反応させ、未反応の(b)成分を留去した後、(c)成分を反応させる方法が好ましい。(c)成分と(b)成分のみが反応し、(a)成分を含まない化合物の生成の抑制は耐熱性の観点から好ましい。
こうして得られた多面体構造ポリシロキサン変性体には、反応に用いた(a)成分のアルケニル基が一部残存していてもよい。
(b)成分の添加量は、(a)成分が有するアルケニル基1個に対し、ヒドロシリル基の数が2.5〜20個になるように用いることが好ましい。添加量が少ないと、架橋反応によりゲル化が進行するため、多面体構造ポリシロキサン変性体のハンドリング性が劣る場合があり、添加量が多いと、硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
(c)成分の添加量は、(b)成分が有するヒドロシリル基1個に対し、アルケニル基の数が0.01〜0.4個になるように用いることが好ましい。添加量が少ないと、得られる硬化物の耐冷熱衝撃性改善への効果が小さい場合があり、添加量が多いと、得られる硬化物に硬化不良が生じる場合がある。
多面体構造ポリシロキサン変性体の合成時に用いるヒドロシリル化触媒の添加量としては特に制限はないが、反応に用いる(a)成分及び(c)成分のアルケニル基1モルに対して10−1〜10−10モルの範囲で用いるのがよい。好ましくは10−4〜10−8モルの範囲で用いるのがよい。ヒドロシリル化触媒が多いと、ヒドロシリル化触媒の種類によっては、短波長の光に吸収を示すため、着色原因になったり、得られる硬化物の耐光性が低下する恐れがあり、また、硬化物が発泡する恐れもある。また、ヒドロシリル化触媒が少ないと、反応が進まず、目的物が得られない恐れがある。
ヒドロシリル化反応の反応温度としては、30〜400℃、さらに好ましくは、40〜250℃であることが好ましく、より好ましくは、45〜140℃である。温度が低すぎると反応が十分に進行せず、温度が高すぎると、ゲル化が生じ、ハンドリング性が悪化する恐れがある。
本発明の半導体発光装置に用いられる多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)は、式
[XR SiO−SiO3/2][R SiO−SiO3/2]
[a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルケニル基、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基、Xは、下記式(5)あるいは下記式(6)のいずれかの構造を有し、Xが複数ある場合は下記式(5)あるいは下記式(6)の構造が異なっていても良くまた下記式(5)あるいは下記式(6)の構造が混在していても良い。
Figure 2014116420
Figure 2014116420
{lは2以上の整数;mは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、YあるいはZの少なくとも1つは水素原子であり、少なくとも1つは下記式(7)の構造を有する。
−[CH]−R (7)
(lは2以上の整数;Rは有機ケイ素化合物を含有する基);Rはアルキル基またはアリール基}]
で表されるシロキサン単位から構成される多面体構造ポリシロキサン系化合物であってもよい。
ここで、Rはケイ素化合物を含有する基であれば特に限定はされないが、1分子中に少なくともアリール基を1個以上含有していることが、ガスバリア性や屈折率の観点から好ましく、さらには、該アリール基が直接ケイ素原子に結合していることが、耐熱性、耐光性の観点から、好ましい。
このような多面体構造ポリシロキサン変性体は、硬化物を作成するにあたり、各種化合物、具体的には、後述の(A−2)成分との相溶性を確保でき、さらに、例えば、分子内にヒドロシリル基を含有していることから、各種アルケニル基を有する化合物と反応させることが可能となる。具体的には、後述の1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン(A−2’)や有機化合物(A−2’’)と、多面体構造ポリシロキサン変性体とを反応硬化させることにより、耐熱性や耐光性、ガスバリア性等に優れる硬化物を得ることができる。
また、多面体構造ポリシロキサン変性体は、温度20℃において液状とすることも可能である。多面体構造ポリシロキサン変性体を液状とすることで、ハンドリング性に優れることから好ましい。
<1分子中にアルケニル基を2個以上有する化合物(A−2)>
本発明の半導体発光装置に用いられる多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物は、1分子中にアルケニル基を2個以上有する化合物(A−2)を含有しえる。本発明に用いられる硬化性組成物が化合物(A−2)を含有し、かつ、多面体構造ポリシロキサンがヒドロシリル基を有する場合、これらをヒドロシリル化反応させることにより、硬化物となすことができる。ヒドロシリル化反応に際してはヒドロシリル化触媒を用いることが好ましい。この反応に用いることができるヒドロシリル化触媒としては、後述のものを用いることができる。
化合物(A−2)の添加量は種々設定できるが、多面体構造ポリシロキサンがヒドロシリル基を有する場合、化合物(A−2)のアルケニル基1個あたり、多面体構造ポリシロキサン変性体に含まれるヒドロシリル基が0.3〜5個、好ましくは、0.5〜3個となる割合で添加されることが望ましい。アルケニル基の割合が少ないと、発泡等による外観不良が生じやすくなり、また、アルケニル基の割合が多いと、硬化後の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
ここで、化合物(A−2)としては、例えば、1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン(A−2’)や、後述する1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)などが好ましい。なお、(A−2’)成分と(A−2’’)成分とは併用してもよい。
<1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン(A−2’)>
本発明の半導体発光装置に用いられる硬化性組成物が含有しえる、1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン(A−2’)のシロキサンのユニット数は、特に限定されないが、2つ以上が好ましく、さらに好ましくは、2〜10個である。1分子中のシロキサンのユニット数が少ないと、組成物から揮発しやすくなり、硬化後に所望の物性が得られないことがある。また、シロキサンのユニット数が多いと、得られた硬化物のガスバリア性が低下する場合がある。
1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサンは、アリール基を有していることが、ガスバリア性の観点から好ましい。また、アリール基を有する1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサンは、耐熱性、耐光性の観点から、Si原子上に直接アリール基が結合していることが好ましい。また、アリール基は分子の側鎖または末端いずれにあってもよく、このようなアリール基含有ポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば直鎖状、分岐鎖状、一部分岐鎖状を有する直鎖状の他に、環状構造を有してもよい。
このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、3−イソブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、3−tブチルフェニル基、4−tブチルフェニル基、3−ペンチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3−ジエチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,5−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、3,5−ジエチルフェニル基、ビフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、3−エポキシフェニル基、4−エポキシフェニル基、3−グリシジルフェニル基、4−グリシジルフェニル基等が挙げられる。中でも、耐熱・耐光性の観点から、フェニル基が好ましい例として挙げられる。これらは、単独で用いても良く、2種以上併用して用いてもよい。
本発明における1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサンとしては、耐熱性、耐光性の観点から、アルケニル基を2個以上有する直鎖状ポリシロキサン、分子末端にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン、アルケニル基を2個以上有する環状シロキサンなどが好ましい例として挙げられる。
アルケニル基を2個以上有する直鎖状ポリシロキサンの具体例としては、ジメチルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサンなどが例示される。
分子末端にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサンの具体例としては、先に例示したジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリシロキサン、ジメチルビニルシロキサン単位2つ以上とSiO単位、SiO3/2単位、SiO単位からなる群において選ばれる少なくとも1つのシロキサン単位からなるポリシロキサンなどが例示される。
アルケニル基を2個以上有する環状シロキサン化合物としては、1,3,5,7−ビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−ビニル−1−フェニル−3,5,7−トリメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−ビニル−1,3−ジフェニル−5,7−ジメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−ビニル−1,5−ジフェニル−3,7−ジメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−ビニル−1,3,5−トリフェニル−7−メチルシクロテトラシロキサン、1−フェニル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジフェニル−5,7−ジビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサンなどが例示される。
これら1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサンは、単独で用いても良く、2種類以上併用して用いてもよい。
<1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)>
本発明の半導体発光装置に用いられる多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成が含有しえる、1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)は、アルケニル基を2個以上有する有機化合物であれば特に限定はされないが、下記式(8)で表される有機化合物であることが望ましい。
Figure 2014116420
(式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基または水素原子を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)
(A−2’’)成分は、1分子中にアルケニル基を平均して2個以上含有しているため、得られる硬化物の強度やガスバリア性、耐熱性、耐光性等が優れることとなる。また、ガスバリア性の観点から、数平均分子量900未満であることが好ましい。
また、(A−2’’)成分の骨格中にアルケニル基以外の官能基を有していても構わないが、多面体構造ポリシロキサンとの相溶性の観点から、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖上の脂肪族炭化水素系基をはじめとする極性の低い官能基であるほうが好ましく、耐熱性、耐光性の観点から、特にメチル基が好ましい。
(A−2’’)成分は、例えば組成物を基材と硬化させた場合の基材との接着性の観点から、上記下記式(4)で表され、かつ、1分子中にアルケニル基を2個以上含有するイソシアヌル酸誘導体であることが好ましく、さらに耐熱性・耐光性のバランスの観点から、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを用いることがより好ましく、特に耐冷熱衝撃性の観点からジアリルモノメチルイソシアヌレートがさらに好ましい。これらは、単独で用いても良く、2種類以上併用して用いてもよい。
<ヒドロシリル化触媒>
本発明で用いることができるヒドロシリル化触媒としては、通常ヒドロシリル化触媒として公知のものを選択でき、特に制限はない。
具体的に例示すれば、白金−オレフィン錯体、塩化白金酸、白金の単体、担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4m;白金−ホスフィン錯体、例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34;白金−ホスファイト錯体、例えば、Pt〔P(OPh)34、Pt〔P(OBu)34(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33、RhCl3、Rh/Al23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。
<硬化遅延剤>
硬化遅延剤は、本発明で用いられる硬化性組成物の保存安定性の改良あるいは、硬化過程でのヒドロシリル化反応性を調整するために用いることができる成分である。本発明においては、硬化遅延剤としては、ヒドロシリル化触媒による付加型硬化性組成物で用いられている公知のものが使用でき、具体的には脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらを単独使用、または2種以上併用してもよい。
前記の脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、具体的には3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル等のマレイン酸エステル類等が例示できる。
有機リン化合物としては、具体的にはトリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示できる。
有機イオウ化合物としては、具体的にはオルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示できる。
窒素含有化合物としては、具体的にはN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン、2,2’−ビピリジン等が例示できる。
スズ系化合物としては、具体的にはハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示できる。
有機過酸化物としては、具体的にはジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示されうる。これらのうち、マレイン酸ジメチル、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが、特に好ましい硬化遅延剤として例示できる。
硬化遅延剤の添加量は、特に限定するものではないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対して10−1〜10モルの範囲で用いるのが好ましく、1〜100モルの範囲で用いるのがより好ましい。また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
<(B)半導体からなる発光素子>
本発明中の半導体からなる発光素子(B)としては、特に限定されず、半導体発光装置のLEDとして汎用されているもの等を用いることができる。例えば、放射した光により蛍光体を励起して可視光を発光させるものであり、青色発光タイプのLEDや紫外発光タイプのLEDなどが挙げられる。本発明の硬化性組成物が使用される半導体発光装置においては、1つの半導体発光装置あたりに複数個の同一または異なる種類のLEDを実装してもよい。
<(C)リフレクター用樹脂からなるリフレクター>
本発明のリフレクターとは半導体のパッケージのことであり、半導体素子あるいは/および外部取出し電極等を支持固定あるいは/および保護するために設けられた部材である。半導体素子を直接被覆せず、外部取り出し電極等を支持固定するものや発光ダイオードのリフレクターのような半導体素子の周囲や底面を形成するものであってもよい。
本発明のリフレクターの形状についても特定されないが、半導体のパッケージが実質的に金属の片面に樹脂が成形されている形状を有する場合(MAPタイプ)において特に本発明の効果が得られやすい。
本発明で言うリフレクターの成形方法としては各種の方法が用いられる。例えば、射出成形、トランスファー成形、RIM成形、キャスティング成形、プレス成形、コンプレッション成形等、熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂に一般に用いられる各種成形方法が用いられる。これらの内、成形サイクルが短く成形性が良好であるという点においてはトランスファー成形が好ましい。
本発明のリフレクターの構成部材であるリフレクター用樹脂は、水分放出量が高く、乾燥工程を入れなくてもリフレクター用樹脂の水分量が低い状態で保たれるため、高温高湿条件下でのハンダリフロー時の信頼性が向上し、また前処理である乾燥工程を短縮することが可能である。
リフレクター用樹脂の組成に制限はないが、耐湿信頼性、耐熱衝撃性、耐リフロー信頼性を高めるためにリフレクター用樹脂の吸湿率が、0.5%以下であり、好ましくは0.1%以下であり、更に望ましくは0.08%以下である。
本発明における吸湿率は、下記式(3)に定義した値を意味する。
吸湿率=(W1−W0)/W0×100(3)
W0:乾燥後のリフレクター用樹脂重量
W1:吸湿試験後のリフレクター用樹脂重量
乾燥:温度125℃の環境下でリフレクター用樹脂を3時間で養生
吸湿試験:温度85℃、相対湿度85%の環境下でリフレクター用樹脂を168時間で養生。
さらに、吸湿リフロー信頼性を高めるためには、吸湿試験後の室温養生時にリフレクター用樹脂の水分含量が低下することが望ましく、吸湿した水分量に対する水分放出率が30%以上であり、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
本発明における水分放出率は、下記式(4)に定義した値を意味する。
水分放出率=(W1−W2)/(W1−W0)×100 (4)
W0:乾燥後のリフレクター用樹脂重量
W1:吸湿試験後のリフレクター用樹脂重量
W2:室温養生後のリフレクター用樹脂重量
室温養生:温度25℃、相対湿度55%の環境下でリフレクター用樹脂を24時間で養生
本発明のリフレクター用樹脂には、電子部品封止用に一般に使用されている熱硬化性エポキシ樹脂や熱硬化性シリコーン樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂として、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及びアルキル置換ビスフェノール等のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン及びイソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、並びに脂環族エポキシ樹脂が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応するものであれば、特に制限はないが、例えば、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤などが挙げられる。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
シリコーン樹脂として、例えば、鎖状オルガノポリシロキサンまたは環状オルガノポリシロキサンをヒドロシリル化反応によって硬化させる熱硬化性シリコーン樹脂が挙げられ、耐熱性・耐光性・耐湿性のバランスの観点から、ヒドロシリル化反応型シリコーン樹脂を用いるのが好ましい。
中でも、本発明におけるリフレクター用樹脂は、アルケニル基を少なくとも2個以上もつ化合物(C−1)と、ヒドロシリル基含有化合物(C−2)と、ヒドロシリル化触媒(C−3)と、無機充填材(C−4)からなるヒドロシリル化反応型硬化性組成物であることが、得られる硬化性組成物の水分放出量が高い点から好ましい。
<アルケニル基を少なくとも2個以上もつ化合物(C−1)>
本発明における(C−1)成分は、具体的には、(C−2)成分の架橋剤としての役割を果たし、耐熱性、耐光性、高強度、低吸湿性を有するリフレクター用樹脂を与えることが可能となる。
(C−1)成分は、得られる硬化物の強度やガスバリア性、耐熱性、耐光性等の観点から、1分子中にアルケニル基を平均して2個以上含有していることが好ましく、より好ましくは2個含有することが好ましい。また、ガスバリア性の観点から、数平均分子量900未満であることが好ましい。
本発明におけるアルケニル基を少なくとも2個以上もつ化合物としては、有機化合物(C−1’)および/または、シロキサン化合物(C−1’’)であることが好ましい。
本発明における有機化合物(C−1’)は、下記式(9)で表される有機化合物であれば特に限定されない。
Figure 2014116420
(式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基又は水素原子を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)
有機化合物(C−1’)の具体的な例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジメチルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、等が例示され、これらは単独で使用しても2種類以上を併用しても構わない。
上記具体例のうち、封止樹脂との接着性の観点からイソシアヌル酸誘導体を用いることが好ましく、さらに、耐熱性・耐光性・耐湿性のバランスの観点から、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートを用いることがより好ましく、例えば、耐冷熱衝撃性の観点からジアリルモノメチルイソシアヌレートがさらに好ましい。
また、有機化合物(C−1’)の骨格中にアルケニル基以外の官能基を有していても構わないが、(C−2)成分との相溶性との観点から、メチル基、エチル基、プロピル基等の直鎖上の脂肪族炭化水素系基をはじめとする極性の低い官能基であることが好ましく、耐熱性、耐光性の観点から、特にメチル基が好ましい。
本発明におけるシロキサン化合物(C−1’’)のシロキサンのユニット数は、特に限定されないが、2つ以上が好ましく、さらに好ましくは、2〜10個である。1分子中のシロキサンのユニット数が少ないと、組成物から揮発しやすくなり、硬化後に所望の物性が得られないことがある。また、シロキサンのユニット数が多いと、得られたリフレクター用樹脂の吸湿率が高くなる場合がある。
シロキサン化合物(C−1’’)は、アリール基を有していることが、ガスバリア性の観点から好ましい。また、アリール基を有する1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサンは、耐熱性、耐光性の観点から、Si原子上に直接アリール基が結合していることが好ましい。また、アリール基は分子の側鎖又は末端いずれにあってもよく、このようなアリール基含有ポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば直鎖状、分岐鎖状、一部分岐鎖状を有する直鎖状の他に、環状構造を有してもよい。
このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、3−イソブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、3−tブチルフェニル基、4−tブチルフェニル基、3−ペンチルフェニル基、4−ペンチルフェニル基、3−ヘキシルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,3−ジエチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,5−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、3,4−ジエチルフェニル基、3,5−ジエチルフェニル基、ビフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基、3−エポキシフェニル基、4−エポキシフェニル基、3−グリシジルフェニル基、4−グリシジルフェニル基等が挙げられる。中でも、耐熱・耐光性の観点から、フェニル基が好ましい例として挙げられる。
本発明におけるシロキサン化合物(C−1’’)としては、耐熱性、耐光性の観点から、アルケニル基を2個以上有する直鎖状ポリシロキサン、分子末端にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン、アルケニル基を2個以上有する環状シロキサンなどが好ましい例として挙げられる。
アルケニル基を2個以上有する直鎖状ポリシロキサンの具体例としては、ジメチルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサンなどが例示される。
分子末端にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサンの具体例としては、先に例示したジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリシロキサン、ジメチルビニルシロキサン単位2つ以上とSiO単位、SiO3/2単位、SiO単位からなる群において選ばれる少なくとも1つのシロキサン単位からなるポリシロキサンなどが例示される。
アルケニル基を2個以上有する環状シロキサン化合物の具体例としては、1,3,5,7−ビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−ビニル−1−フェニル−3,5,7−トリメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−ビニル−1,3−ジフェニル−5,7−ジメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−ビニル−1,5−ジフェニル−3,7−ジメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−ビニル−1,3,5−トリフェニル−7−メチルシクロテトラシロキサン、1−フェニル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジフェニル−5,7−ジビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサンなどが例示される。
これら1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサンは、単独で用いても良く、2種類以上併用して用いてもよい。
<ヒドロシリル基含有化合物(C−2)>
本発明におけるヒドロシリル基含有化合物(C−2)は一分子中にヒドロシリル基をもつものであれば特に限定されないが、(C−1)成分と良好な相溶性を有するという観点、および(C−2)成分の揮発性が低くなり得られる硬化性樹脂組成物からのアウトガスの問題が生じ難いという観点からは、(C−2)成分は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物(d)と、アルケニル基を有する有機化合物(e)とを、ヒドロシリル化反応して得ることができる化合物であることが好ましい。
アルケニル基を有する有機化合物(e)として、アルケニル基を1分子中に2個以上有する有機化合物(e1)と、アルケニル基を1分子中に1個有する有機化合物(e2)があり、
(e1)成分としては、下記式(10)
Figure 2014116420
(式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基又は水素原子を表し、それぞれ異なっていても同一であってもよい。)
で示される基が反応性の点から好ましい。
(e1)成分は、前記アルケニル基を少なくとも2個以上もつ有機化合物(C−1)と同じものを用いることができ、(e1)成分を用いると得られる硬化物の架橋密度が高くなり機械的強度が高い硬化物が得られやすい。
その他、(e)成分としては、アルケニル基を1分子中に1個有する有機化合物(e2)も用いることができる。(e2)成分を用いると得られる硬化物が低弾性となりやすい。
(e2)成分の、ヒドロシリル基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の結合位置は特に限定されず、分子内のどこに存在してもよい。
(e2)成分のヒドロシリル基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は特に限定されないが、下記式(11)
Figure 2014116420
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される基が反応性の点から好ましい。
(e2)成分のヒドロシリル基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は特に限定されないが、下記式(12)
Figure 2014116420
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される脂環式の基が、硬化物の耐熱性が高いという点から好適である。
ヒドロシリル基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(e2)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、(C−2)成分が(C−1)成分と相溶性がよくなりやすいという点においては、構成元素としてC、H、N、O、S、およびハロゲンのみを有するものが好ましい。これらの置換基の例としては、
Figure 2014116420
Figure 2014116420
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成していてもよい。
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
Figure 2014116420
が挙げられる。
(e2)成分の具体的な例としては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−ウンデセン、出光石油化学社製リニアレン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3,3−トリメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン等のような鎖状脂肪族炭化水素系化合物類、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、メチレンシクロヘキサン、ノルボルニレン、5−ビニル−2−ノルボルネン、エチリデンシクロヘキサン、ビニルシクロヘキサン、カンフェン、カレン、αピネン、βピネン等のような環状脂肪族炭化水素系化合物類、スチレン、αメチルスチレン、インデン、フェニルアセチレン、4−エチニルトルエン、アリルベンゼン、4−フェニル−1−ブテン等のような芳香族炭化水素系化合物、アルキルアリルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、グリセリンモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン等の脂肪族系化合物類、1,2−ジメトキシ−4−アリルベンゼン、o−アリルフェノール等の芳香族系化合物類、モノアリルジベンジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等の置換イソシアヌレート類、ビニルトリメチルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェニルシラン等のシリコン化合物等が挙げられる。さらに、片末端アリル化ポリエチレンオキサイド、片末端アリル化ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル系樹脂、片末端アリル化ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、片末端アリル化ポリブチルアクリレート、片末端アリル化ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、等の片末端にビニル基を有するポリマーあるいはオリゴマー類等も挙げることができる。
(e2)成分の構造は線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はなく種々のものを用いることができる。分子量分布も特に制限ないが、混合物の粘度が低くなり成形性が良好となりやすいという点においては、分子量分布が3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1.5以下であることがさらに好ましい。
(e2)成分は、得られる硬化物の耐熱性が高くなるという点においては、炭化水素化合物であることが好ましい。この場合好ましい炭素数の下限は7であり、好ましい炭素数の上限は10である。
(e2)成分はその他の反応性基を有していてもよい。この場合の反応性基としては、エポキシ基、アミノ基、ラジカル重合性不飽和基、カルボキシル基、イソシアネート基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。これらの官能基を有している場合には得られる硬化性樹脂組成物の接着性が高くなりやすく、得られる硬化物の強度が高くなりやすい。接着性がより高くなりうるという点からは、これらの官能基のうちエポキシ基が好ましい。また、得られる硬化物の耐熱性が高くなりやすいという点においては、反応性基を平均して1分子中に1個以上有していることが好ましい。具体的にはモノアリルジグリシジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、アリロキシエチルメタクリレート、アリロキシエチルアクリレート、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記のような(e1)成分あるいは/および(e2)成分は単一のものを用いてもよいし、複数のものを組み合わせて用いてもよい。
(d)成分は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物であり、鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンもその例である。
具体的には、例えば
Figure 2014116420
Figure 2014116420
が挙げられる。
ここで、(e)成分との相溶性が良くなりやすいという観点から、下記式(13)
Figure 2014116420
(式中、R12は炭素数1〜6の有機基を表し、nは3〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサンが好ましい。
上記下記式(13)で表される化合物中の置換基R12は、C、H、Oから構成されるものであることが好ましく、炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
入手容易性等から、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
(d)成分のその他の例として、ビスジメチルシリルベンゼンなどのSiH基を有する化合物をあげることができる。
上記したような各種(d)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いる。
次に、本発明の(C−2)成分として、(d)成分と(e)成分をヒドロシリル化反応して得ることができる化合物を用いる場合の、(d)成分と(e)成分とのヒドロシリル化反応に関して説明する。
(d)成分と(e)成分をヒドロシリル化反応する際、(e)成分のアルケニル基は、すべて反応する必要はなく、一部残存していてもよい。
(d)成分と(e)成分をヒドロシリル化反応させる場合の(d)成分と(e)成分の混合比率は、特に限定されないが、得られる化合物の粘度が低く、取扱い性が良いという点からは、(e)成分中のアルケニル基の総数(P)と、混合する(d)成分中のヒドロシリル基の総数(Q)との比が、Q/P≧6であることが好ましく、Q/P≧8であることがより好ましい。Q/P≧10であることがさらに好ましい。Q/Pが小さいと、架橋反応によりゲル化が進行するため、(C−2)成分のハンドリング性が劣り、大きすぎると、硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
また、(C−2)成分の合成時には、過剰量の(d)成分を存在させるため、例えば減圧・加熱条件下にて、未反応の(d)成分を取り除くことが好ましい。未反応の(d)成分を取り除くことで、組成物とした後の硬化時にボイド、クラックの問題が生じにくい。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は100℃であり、より好ましくは80℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、(d)成分のヒドロシリル基1モルに対して10−8モル、より好ましくは10−6モルであり、好ましい添加量の上限は(d)成分のヒドロシリル基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−2モルである。ヒドロシリル化触媒が多すぎると、ヒドロシリル化触媒の種類によっては、短波長の光に吸収を示すため、着色原因になったり、得られる硬化物の耐光性が低下する恐れがあり、また、硬化物が発泡する恐れもある。また、ヒドロシリル化触媒が少なすぎると、反応が進まず、目的物が得られない恐れがある。
反応させる場合の(d)成分、(e)成分、ヒドロシリル化触媒の混合方法としては、各種方法をとることができるが、(e)成分に触媒を混合したものを、(d)成分に混合する方法が好ましい。(d)成分と(e)成分の混合物に触媒を混合する方法だと反応の制御が困難な場合がある。(d)成分と触媒を混合したものに(e)成分を混合する方法をとる場合は、(d)成分や触媒が変質する場合がある。
反応温度としては種々設定できるが、この場合好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと実用的でない。反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
以上のような、(d)成分と(e)成分を反応させて得られる(C−2)成分の例としては、ジビニルベンゼンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビスフェノールAジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビスフェノールSジアリルエーテルと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビニルシクロヘキセンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジシクロペンタジエンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、5−ビニル−2−ノルボルネンと1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、などを挙げることができる。中でも、硬化物の耐熱性や耐光性、接着性の観点からは、トリアリルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、5−ビニル−2−ノルボルネンと1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼンの反応物が好ましい。
(C−2)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。(C−1)成分と(C−2)成分の混合比率は、必要な強度を失わない限りは特に限定されないが、(C−2)成分中のヒドロシリル基の数(Y)の(C−1)成分中の炭素−炭素二重結合の数(X)に対する比において、好ましい範囲の下限はY/X≧0.3、より好ましくはY/X≧0.5、さらに好ましくはY/X≧0.7であり、好ましい範囲の上限は3≧Y/X、より好ましくは2≧Y/X、さらに好ましくは1.5≧Y/Xである。好ましい範囲からはずれた場合には十分な強度が得られなかったり、熱劣化しやすくなる場合がある。
<ヒドロシリル化触媒(C−3)>
本発明では、リフレクター用樹脂を硬化させる際に、ヒドロシリル化触媒を用いる。
本発明で用いるヒドロシリル化触媒としては、通常ヒドロシリル化触媒として公知のものを用いることができ、特に制限はない。
具体的には、例示すれば、白金−オレフィン錯体、塩化白金酸、白金の単体、担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの、白金−ビニルシロキサン錯体、例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt〔(MeViSiO);白金−ホスフィン錯体、例えば、Pt(PPh、Pt(PBu;白金−ホスファイト錯体、例えば、Pt〔P(OPh)、Pt〔P(OBu)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh、RhCl、Rh/Al、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)等が好ましい。
<無機充填材(C−4)>
(C−4)成分は、無機化合物であれば種々のものを用いることができる、たとえば、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニア、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、中空ガラス粒子、などが挙げられる。
(C−4)成分は、無機化合物であれば種々のものを用いることができる。
(C−4)成分に、得られる硬化物の強度や硬度を高くしたり、線膨張率を低減化するためにシリカや無機塩を添加することができる。例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機充填材、アルミナ、ジルコン、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉等の無機充填材をはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用あるいは/および提案されている無機充填材等を挙げることができる。半導体素子へダメージを与え難いという観点からは、低放射線性であることが好ましい。
(C−4)成分に、得られる硬化物の光線反射率を高めるために種々の無機塩を添加することが出来る。例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニア、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、窒化ホウ素、チタン酸バリウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、中空ガラス粒子、などが挙げられる。中でも、取り扱いの容易性や入手性、コストの観点から酸化チタン又は酸化亜鉛が好ましい。
(C−4)成分に、硬化性樹脂組成物の離型性をはじめとする成型性を改良するために各種金属石鹸を添加しても良い。ここでいう金属石鹸とは、一般に長鎖脂肪酸と金属イオンが結合したものであり、脂肪酸に基づく無極性あるいは低極性の部分と、金属との結合部分に基づく極性の部分を一分子中に併せて持っていれば使用できる。長鎖脂肪酸としては、例えば炭素数1〜18の飽和脂肪酸、炭素数3〜18の不飽和脂肪酸、脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中では、入手性が容易であり工業的実現性が高いという点からは炭素数1〜18の飽和脂肪酸が好ましく、さらに、離型性の効果が高いという点からは炭素数6〜18の飽和脂肪酸がより好ましい。金属イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の他に亜鉛、コバルト、アルミニウム、ストロンチウム等が挙げられる。金属石鹸をより具体的に例示すれば、ステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ラウリン酸リチウム、オレイン酸リチウム、2−エチルヘキサン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、12−ヒドロキシステアリン酸鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸マンガン、リシノール酸バリウム、などが例示される。これらの金属石鹸の中では、入手性が容易であり、安全性が高く工業的実現性が高いという点からステアリン酸金属塩類が好ましく、特に経済性の点から、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛からなる群から選択される1つ以上のものが最も好ましい。
また、(C−4)成分の含有量は、(C−1)成分と(C−2)成分、および(C−3)成分の総重量に対して、80重量%以上であり、好ましくは200重量%、より好ましくは300重量%、さらに好ましくは400重量%であり、最大で1300重量%である。(C−4)成分の量が少ないと、リフレクター樹脂の強度や硬度の向上、線膨張率の低減化、さらに光線反射率の向上のような効果が得られにくくなる。
<老化防止剤>
本発明のリフレクター用樹脂には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。
ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を有するスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
<硬化遅延剤>
本発明のリフレクター用樹脂の保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられ、これらを併用してもかまわない。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、ジメチルマレート等のマレイン酸エステル類等が例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジン等が例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示される。有機過酸化物としては、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示される。
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが好ましい。
硬化遅延剤の添加量は種々設定できるが、使用するヒドロシリル化触媒1molに対する好ましい添加量の下限は10−1モル、より好ましくは1モルであり、好ましい添加量の上限は10モル、より好ましくは50モルである。
また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
次に本発明の組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<リフレクター用樹脂の調製>
(製造例1)
5Lの四つ口フラスコに、攪拌装置、滴下漏斗、冷却管をセットした。このフラスコにトルエン1800g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン1440gを入れ、120℃のオイルバス中で加熱、攪拌した。トリアリルイソシアヌレート200g、トルエン200g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)1.44mlの混合液を50分かけて滴下した。得られた溶液をそのまま6時間加温、攪拌した後、未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンを減圧留去した。H−NMRの測定によりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がトリアリルイソシアヌレートと反応した以下の構造を有していた。
Figure 2014116420
(製造例2)
2Lオートクレーブにトルエン720g、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン240gを入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温50℃で加熱、攪拌した。アリルグリシジルエーテル171g、トルエン171g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.049gの混合液を90分かけて滴下した。滴下終了後にジャケット温を60℃に上げて40分反応、H−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認した。トリアリルイソシアヌレート17g、トルエン17gの混合液を滴下した後、ジャケット温を105℃に上げて、トリアリルイソシアヌレート66g、トルエン66g及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)0.033gの混合液を30分かけて滴下した。滴下終了から4時間後にH−NMRでアリル基の反応率が95%以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの未反応率は0.8%であった。未反応の1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンとトルエンとアリルグリシジルエーテルの副生物(アリルグリシジルエーテルのビニル基の内転移物(シス体およびトランス体))が合計5,000ppm以下となるまで減圧留去し、無色透明の液体を得た。H−NMRの測定によりこのものは1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのSiH基の一部がアリルグリシジルエーテル及びトリアリルイソシアヌレートと反応したものであり平均的に以下の構造を有していた。
Figure 2014116420
(a+b=3、c+d=3、e+f=3、a+c+e=3.5、b+d+f=5.5)
(配合例1、2)
表1の内容に従って各成分を配合して表1の組成物Aを調製し、さらに表1の組成物Bを混合して、配合例1、2のリフレクター用樹脂を調製した。
Figure 2014116420
(配合例3)
表2の内容に従って各成分を配合して表2の組成物Aを調製し、さらに表2の組成物Bを組成物Aに混合して、配合例3のリフレクター用樹脂を調製した。
Figure 2014116420
(リフレクター用樹脂の吸湿率、および水分放出率)
<リフレクター用樹脂の成型>
配合例1、2、3で調製したリフレクター用樹脂をトランスファー成形により、円盤状の樹脂成型片を得た。成形は下記の条件で行った。
成形温度:170℃
成形時間:180秒
成形圧力:7.8〜13.7Mpa
さらに上記成形後に、180℃で1時間のキュアを行った。
なお、リフレクターの比較樹脂として、以下、アモデル、およびジェネスタを使用した。
アモデル( ソルベイスペシャリティポリマーズ社製 商品名:AMODEL A−4122)
ジェネスタ(クラレ社製 商品名:ジェネスタ TE112)
<リフレクター用樹脂成型片の吸湿試験>
長さ2.5cm、幅8mm、厚さ2mmのリフレクター用樹脂成型片を対流式オーブンで125℃、3時間乾燥させた後、25℃、湿度55%RHで1時間養生し、樹脂重量W0を測定した。その後、恒温恒湿機(ナガノ科学機械製作所製 高温高湿機 LH―30―11P)内で温度85℃、湿度85%RHで196時間養生し、樹脂重量W1を測定した。下記計算式(3)
吸湿率=(W1−W0)/W0×100 (3)
W0:乾燥後のリフレクター用樹脂重量
W1:吸湿試験後のリフレクター用樹脂重量
に従って吸湿率を算出した。結果を表3に記載した。
<リフレクター用樹脂成型片の水分放出率測定試験>
上記吸湿試験後のサンプルを温度25℃、湿度55%RHで196時間養生し、樹脂重量W2を測定した。下記計算式(4)
水分放出率=(W1−W2)/(W1−W0)×100 (4)
W0:乾燥後のリフレクター用樹脂重量
W1:吸湿試験後のリフレクター用樹脂重量
W2:室温養生後のリフレクター用樹脂重量
に従って水分放出率を算出した。結果を表3に記載した。
Figure 2014116420
表3に示すように、配合例1、および配合例2からなるリフレクター用樹脂の吸湿率が低く、かつ水分放出率が高い。
一方、アモデル、ジェネスタに関しては、吸湿率が高く、かつ水分放出率が低い。また、配合例3で得られるリフレクター用樹脂は、吸湿率は低いものの、水分放出率が低い。
<半導体発光装置の吸湿リフロー信頼性試験>
配合例1、2で調製した硬化性樹脂組成物を銀メッキした銅リードフレームを用い、トランスファー成形により、金属の片面に樹脂が成形されている形状を有する(MAPタイプ、3030)パッケージを得た。成形は下記条件で行った。
成形温度:170℃
成形時間:180秒
成形圧力:7.8〜13.7MPa
さらに上記成形後に、180℃で1時間のキュアを行った。
(吸湿リフロー試験)
硬化性樹脂で封止した評価用の半導体発光装置を、室温25℃、湿度55%RHの環境で24時間養生させ、続いて温度85℃、湿度85%RHの環境で196時間養生した後、260℃リフローを3回実施した。光学顕微鏡を用いて封止樹脂の状態を観察した。クラックやパッケージからの剥離が発生したものを×、試験後もクラックが発生しなかったものを○とした。
<半導体発光装置の硫化水素試験>
硬化性樹脂で封止した評価用の半導体発光装置を、フロー式ガス腐食試験機(ファクトケイ製KG130S)内に入れ、40℃、80%RH、硫化水素3ppmの条件下で、96時間、硫化水素暴露試験を行った。試験後、パッケージの銀メッキした銅リードフレームが変色していなければ○、変色している場合は×とした。
(透湿性試験用サンプル作成)
封止樹脂を型に充填し、対流式オーブンで80℃×2時間、100℃×1時間、150℃×5時間熱硬化させて、5cm角、厚さ2mmのサンプルを作成した。このサンプルを室温25℃、湿度55%RHの環境で24時間養生した。
(透湿性試験)
5cm角の板ガラス(0.5mm厚)の上部に5cm角のポリイソブチレンゴムシート(3mm厚、ロの字型になるように内部の3cm角を切り取ったもの)を固定した治具を作製し、和光純薬工業製塩化カルシウム(水分測定用)1gをロの字型内に充填する。さらに上部に、上記の5cm角、厚さ2mmのサンプルを固定し、これを試験体とする。試験体を恒温恒湿機(エスペック製 PR‐2KP)内で温度40℃、湿度90%RHで24時間養生し、下記計算式(5)
透湿度(g/m/day)={(透湿性試験後の試験体総重量(g))−(透湿性試験前の試験体総重量(g))}×10000/9 (5)
に従って透湿度(水蒸気透過率)を算出した。
<多面体構造ポリシロキサンを有する硬化性組成物の調整>
(製造例3)
48%コリン水溶液(トリメチル−2ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)1262gにテトラエトキシシラン1083gを加え、室温で2時間激しく攪拌した。反応系内が発熱し、均一溶液になった段階で、攪拌を緩め、さらに12時間反応させた。次に、反応系内に生成した固形物に、メタノール1000mLを加え、均一溶液とした。
ジメチルビニルクロロシラン716g、トリメチルシリクロリド516gおよびヘキサン1942mLの溶液を激しく攪拌しながら、メタノール溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間反応させた後、有機層を抽出、濃縮することにより、固形物を得た。次に、生成した固形物をメタノール中で激しく攪拌することにより洗浄し、ろ別することにより、Si原子16個と、ビニル基4個を有するアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物であるテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン(Fw=1178.2)を白色固体として601g得た。
(製造例4)
製造例3で得られたアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物であるテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン100gと、ビニルジフェニルメチルシラン105.1g(使用した1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのヒドロシリル基1個に対し、アルケニル基0.34個となる量)をトルエン420gに溶解させ、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)18.6μLを加えた。このようにして得られた溶液を、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン81.7g(使用したテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサンのアルケニル基1個に対し、ヒドロシリル基4個となる量)とトルエン81.7gの溶液にゆっくりと滴下し、105℃で2時間反応させた。反応終了後、エチニルシクロヘキサノール35.5μl、マレイン酸ジメチル8.2μlを加え、トルエンを留去することにより、液状の多面体構造ポリシロキサン変性体280.1g(SiH価1.80mol/kg)を得た。
(製造例5)
ビニルジフェニルメチルシラン29.1g(使用した1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンのヒドロシリル基1個に対し、アルケニル基0.27個となる量)と、白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)4.84μLと、トルエン29gの溶液を作成した。この溶液を、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン28.6g(使用したテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサンのアルケニル基1個に対し、ヒドロシリル基3.5個となる量)とトルエン28.0gの溶液にゆっくりと滴下し、105℃で2時間反応させた。H−NMR測定にて、ジフェニルメチルビニルシラン由来のビニル基が消失している事を確認した。
さらに別途、製造例3で得られたアルケニル基含有多面体構造ポリシロキサン系化合物であるテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)テトラキス(トリメチルシロキシ)オクタシルセスキオキサン40gとトルエン80gの溶液を、先ほど得られた反応溶液にゆっくりと滴下し、105℃で2時間加温した。この溶液をH−NMR測定すると、アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物由来のアルケニル基が消失している事を確認した。
溶液を室温まで冷却した後に、トルエンを留去することにより、液状の多面体構造ポリシロキサン変性体96.3g(粘度23℃、0.5rpm、SiH価1.99mol/kg)を得た。
(実施例1)
製造例4で得られた多面体構造ポリシロキサン変性体10.00gに、1,5−ジビニル−3,3−ジフェニル−1,1,5,5−テトラメチルトリシロキサン2.34gを加えて攪拌し、さらに、インテマティックス社製蛍光体(品番:EY4750)1.73gを加えて撹拌することで、多面体構造ポリシロキサンと蛍光体を含有する硬化性組成物を作成した。
別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を、金ワイヤーと信越化学社製ダイボンド剤KER−3000を用い、上記、配合例1で作成したMAPタイプのパッケージに実装した。ここに得られた硬化性組成物を注入し、対流式オーブンで80℃×2時間、100℃×1時間、150℃×5時間熱硬化させた。得られた評価サンプルを、大塚電子社製全光束測定(φ300mm)システム(品番:HM−0930)を用いて、温度25℃、電流30mA、待機時間30秒の条件で通電して発光させ、その発光色の色度を測定し、測定したサンプル500個の発光色の色度の平均値と標準偏差を表1に記載した。続いて、吸湿リフロー試験を行った結果を表4に記載した。
(実施例2)
製造例4で得られた多面体構造ポリシロキサン変性体10.00gに、ジアリルメチルイソシアヌレート1.02g、および1,5−ジビニル−3,3−ジフェニル−1,1,5,5−テトラメチルトリシロキサン1.53gを加えて撹拌し、さらに、インテマティックス社製蛍光体(品番:EY4750)1.88gを加えて撹拌することで、多面体構造ポリシロキサンと蛍光体を含有する硬化性組成物を作成した。別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を、金ワイヤーと信越化学社製ダイボンド剤KER−3000を用い、上記、配合例1で作成したMAPタイプのパッケージに実装した。ここに得られた硬化性組成物を注入し、対流式オーブンで80℃×2時間、100℃×1時間、150℃×5時間熱硬化させた。得られた評価サンプルを、大塚電子社製全光束測定(φ300mm)システム(品番:HM−0930)を用いて、温度25℃、電流30mA、待機時間30秒の条件で通電して発光させ、その発光色の色度を測定し、測定したサンプル500個の発光色の色度の平均値と標準偏差を表1に記載した。続いて、吸湿リフロー試験を行った結果を表1に記載した。
(実施例3)
製造例4で得られた多面体構造ポリシロキサン変性体10.00gに、ジアリルメチルイソシアヌレート1.42g、および1,5−ジビニル−3,3−ジフェニル−1,1,5,5−テトラメチルトリシロキサン0.65g、さらに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.24g、トリメトキシボロン0.05gを加えて撹拌した。ここに、さらに、インテマティックス社製蛍光体(品番:EY4750)1.85gを加えて撹拌することで、多面体構造ポリシロキサンと蛍光体を含有する硬化性組成物を作成した。別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を、金ワイヤーと信越化学社製ダイボンド剤KER−3000を用い、上記、配合例2で作成したMAPタイプのパッケージに実装した。ここに得られた硬化性組成物を注入し、対流式オーブンで80℃×2時間、100℃×1時間、150℃×5時間熱硬化させた。得られた評価サンプルを、大塚電子社製全光束測定(φ300mm)システム(品番:HM−0930)を用いて、温度25℃、電流30mA、待機時間30秒の条件で通電して発光させ、その発光色の色度を測定し、測定したサンプル500個の発光色の色度の平均値と標準偏差を表1に記載した。続いて、吸湿リフロー試験を行った結果を表4に記載した。
(実施例4)
製造例5で得られた多面体構造ポリシロキサン変性体10.00gに、ジアリルメチルイソシアヌレート0.90g、および1,5−ジビニル−3,3−ジフェニル−1,1,5,5−テトラメチルトリシロキサン2.10gを加えて撹拌し、さらに、インテマティックス社製蛍光体(品番:EY4750)1.95gを加えて撹拌することで、多面体構造ポリシロキサンと蛍光体を含有する硬化性組成物を作成した。別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を、金ワイヤーと信越化学社製ダイボンド剤KER−3000を用い、上記、配合例2で作成したMAPタイプのパッケージに実装した。ここに得られた硬化性組成物を注入し、対流式オーブンで80℃×2時間、100℃×1時間、150℃×5時間熱硬化させた。得られた評価サンプルを、大塚電子社製全光束測定(φ300mm)システム(品番:HM−0930)を用いて、温度25℃、電流30mA、待機時間30秒の条件で通電して発光させ、その発光色の色度を測定し、測定したサンプル500個の発光色の色度の平均値と標準偏差を表1に記載した。続いて、吸湿リフロー試験を行った結果を表4に記載した。
(比較例1)
市販のフェニルシリコーン系封止剤である、東レダウコーニング社製OE6630−A 2.00gに、OE6630−B 8.00gを加えて攪拌し、さらに、インテマティックス社製蛍光体(品番:EY4750)1.40gを加えて撹拌することで、蛍光体を含有する硬化性組成物を作成した。別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を、金ワイヤーと信越化学社製ダイボンド剤KER−3000を用い、上記、配合例1で作成したMAPタイプのパッケージに実装した。ここに得られた硬化性組成物を注入し、対流式オーブンで80℃×2時間、100℃×1時間、150℃×5時間熱硬化させた。得られた評価サンプルを、大塚電子社製全光束測定(φ300mm)システム(品番:HM−0930)を用いて、温度25℃、電流30mA、待機時間30秒の条件で通電して発光させ、その発光色の色度を測定し、測定したサンプル500個の発光色の色度の平均値と標準偏差を表1に記載した。続いて、吸湿リフロー試験を行った結果を表4に記載した。
(比較例2)
市販のフェニルシリコーン系封止剤である、東レダウコーニング社製OE6630−A 2.00gに、OE6630−B 8.00gを加えて攪拌し、さらに、インテマティックス社製蛍光体(品番:EY4750)1.40gを加えて撹拌することで、蛍光体を含有する硬化性組成物を作成した。別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を、金ワイヤーと信越化学社製ダイボンド剤KER−3000を用い、クラレ社製LEDパッケージ(品番:ジェネスタ TE112)に実装した。ここに得られた硬化性組成物を注入し、対流式オーブンで80℃×2時間、100℃×1時間、150℃×5時間熱硬化させた。得られた評価サンプルを、大塚電子社製全光束測定(φ300mm)システム(品番:HM−0930)を用いて、温度25℃、電流30mA、待機時間30秒の条件で通電して発光させ、その発光色の色度を測定し、測定したサンプル500個の発光色の色度の平均値と標準偏差を表1に記載した。続いて、吸湿リフロー試験を行った結果を表4に記載した。
(比較例3)
市販のメチルシリコーン系封止剤である、東レダウコーニング社製JCR6140−A 5.00gに、JCR6140−B 5.00gを加えて攪拌し、さらに、インテマティックス社製蛍光体(品番:EY4750)1.40gを加えて撹拌することで、蛍光体を含有する硬化性組成物を作成した。別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を、金ワイヤーと信越化学社製ダイボンド剤KER−3000を用い、ソルベイスペシャリティポリマーズ社製LEDパッケージ(品番:AMODEL A−4122)に実装した。ここに得られた硬化性組成物を注入し、対流式オーブンで80℃×2時間、100℃×1時間、150℃×5時間熱硬化させた。得られた評価サンプルを、大塚電子社製全光束測定(φ300mm)システム(品番:HM−0930)を用いて、温度25℃、電流30mA、待機時間30秒の条件で通電して発光させ、その発光色の色度を測定し、測定したサンプル500個の発光色の色度の平均値と標準偏差を表4に記載した。続いて、吸湿リフロー試験を行った結果を表1に記載した。
(比較例4)
製造例4で得られた多面体構造ポリシロキサン変性体10.00gに、1,5−ジビニル−3,3−ジフェニル−1,1,5,5−テトラメチルトリシロキサン2.34gを加えて撹拌し、さらに、インテマティックス社製蛍光体(品番:EY4750)1.73gを加えて撹拌することで、多面体構造ポリシロキサンと蛍光体を含有する硬化性組成物を作成した。別途、ジェネライツ社製12mil×13mil角 青色LEDチップ(品番:B1213AAA0 S46B/C−19/20)を、金ワイヤーと信越化学社製ダイボンド剤KER−3000を用い、上記、配合例3で作成したMAPタイプのパッケージに実装した。ここに得られた硬化性組成物を注入し、対流式オーブンで80℃×2時間、100℃×1時間、150℃×5時間熱硬化させた。得られた評価サンプルを、大塚電子社製全光束測定(φ300mm)システム(品番:HM−0930)を用いて、温度25℃、電流30mA、待機時間30秒の条件で通電して発光させ、その発光色の色度を測定し、測定したサンプル500個の発光色の色度の平均値と標準偏差を表1に記載した。続いて、吸湿リフロー試験を行った結果を表4に記載した。
Figure 2014116420
表4に示すように、本発明の光半導体発光装置は、ガスバリア試験、および吸湿させた状態でのハンダリフロー試験の信頼性が確保され、かつ個体間の色度ばらつきが少なく生産性に優れる。
実施例1、2、3のように、吸湿率が低く、吸湿後の水分放出率が高いリフレクター用樹脂を使用した場合、ガスバリアの高い樹脂で封止を行っても、リフロー試験で不具合が生じない。さらに、耐硫化性にも不具合がなく、色度ばらつきも小さい半導体発光装置が得られる。
また比較例1のように、吸湿率が低く、吸湿後の水分放出率が高いリフレクター用樹脂を使用した場合、ガスバリア性の高い樹脂で封止を行っても、リフロー試験で不具合が生じない。一方で、耐硫化性には不具合はないものの、色度ばらつきが大きい問題がある。
また比較例2のように、吸湿率が高く、吸湿後の水分放出率が低いリフレクター用樹脂を使用した場合、ガスバリア性の高い樹脂で封止を行うと、リフロー試験で不具合が生じる。また、耐硫化性には不具合はないものの、色度ばらつきが大きい問題もある。
また比較例3のように、吸湿率が高く、吸湿後の水分放出率が低いリフレクター用樹脂を使用した場合、ガスバリア性の低い樹脂で封止を行うと、リフロー試験時で不具合が生じない。一方で、耐硫化性が低く、色度ばらつきが大きい問題がある。
また比較例4のように、吸湿率が低く、吸湿後の水分放出率が高いリフレクター用樹脂を使用した場合、ガスバリアの高い樹脂で封止を行うと、リフロー試験時に不具合が生じる。一方で、耐硫化性に不具合はなく、色度ばらつきは少ない。

Claims (25)

  1. (A)蛍光体、および多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物からなる封止剤、
    (B)半導体からなる発光素子
    (C)リフレクター用樹脂からなるリフレクター、
    を有する半導体発光装置であり、
    前記蛍光体から放たれた蛍光と、前記発光素子から発光され封止剤を通過した光、とが加色した発光色のxyY表色系の色度座標上における標準偏差が、下記式(1)、(2)で表され、
    δ(x)<0.004 (1)
    δ(y)<0.005 (2)
    (式中、δ(x)は半導体発光装置の発光色のxyY表色系の色度座標上におけるxの標準偏差、δ(y)は半導体発光装置の発光色のxyY表色系の色度座標上におけるyの標準偏差、これら標準偏差の標本数は無作為に500である。)
    前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物の2mm厚硬化物の透湿度が、温度40℃、相対湿度90%RHの環境下において20g/m/day以下であり、
    前記リフレクター用樹脂の吸湿率が、下記式(3)にて0.5%以下であり、前記リフレクター用樹脂の水分放出率が、下記式(4)にて30%以上であることを特徴とする半導体発光装置。
    吸湿率=(W1−W0)/W0×100(3)
    水分放出率=(W1−W2)/(W1−W0)×100 (4)
    (式中、W0は乾燥(温度125℃の環境下でリフレクター用樹脂を3時間養生)後のリフレクター用樹脂重量、W1は吸湿(温度85℃、相対湿度85%の環境下でリフレクター用樹脂を168時間養生)後のリフレクター用樹脂重量、W2は室温養生(温度25℃、相対湿度55%の環境下でリフレクター用樹脂を24時間養生)後のリフレクター用樹脂重量を表す。)
  2. 前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物が、アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と、ヒドロシリル基を有する化合物(b)と、1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)とをヒドロシリル化反応することにより得られる多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)を含有することを特徴とする請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)が、温度20℃において、液状であることを特徴とする請求項2に記載の半導体発光装置。
  4. 1分子中にアルケニル基を1個有する有機ケイ素化合物(c)が、アリール基を1個以上有する有機ケイ素化合物であることを特徴とする多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物である請求項2または3に記載の半導体発光装置。
  5. アルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)が、式:
    [AR SiO−SiO3/2][R SiO−SiO3/2]
    (a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aは、アルケニル基;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基)で表されるシロキサン単位から構成されるアルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  6. ヒドロシリル基を有する化合物(b)が、ヒドロシリル基を有する環状シロキサン、および/または、分子末端にヒドロシリル基を有する直鎖状シロキサンであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  7. ヒドロシリル基を有する化合物(b)が、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンであることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  8. 多面体構造ポリシロキサン変性体(A−1)が、式:
    [XR SiO−SiO3/2][R SiO−SiO3/2]
    [{a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルケニル基、水素原子、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンと連結している基、Xは、下記式(5)あるいは下記式(6)のいずれかの構造を有し、Xが複数ある場合は下記式(5)あるいは下記式(6)の構造が異なっていても良くまた下記式(5)あるいは下記式(6)の構造が混在していても良い。
    Figure 2014116420
    Figure 2014116420
    (lは2以上の整数;mは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。;ただし、YあるいはZの少なくとも1つは水素原子であり、少なくとも1つは下記式(7)の構造を有する。
    −[CH]−R (7)
    (lは2以上の整数;Rは有機ケイ素化合物を含有する基);Rは、アルキル基またはアリール基}]
    を構成単位とする多面体構造ポリシロキサン変性体であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  9. がアリール基を1個以上有することを特徴とする請求項8に記載の半導体発光装置。
  10. 前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物が、1分子中にアルケニル基を2個以上有する化合物(A−2)を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  11. 1分子中にアルケニル基を2個以上有する化合物(A−2)が、1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン(A−2’)、および/または、
    下記式(8)で表される1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)
    Figure 2014116420
    (式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基または水素原子を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)である多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物であることを特徴とする請求項10に記載の半導体発光装置。
  12. 1分子中にアルケニル基を2個以上有するポリシロキサン(A−2’)が、アリール基を1個以上有することを特徴とする請求項11に記載の半導体発光装置。
  13. 1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)が、数平均分子量900未満であることを特徴とする請求項11に記載の半導体発光装置。
  14. 1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)が、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノメチルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートからなる群において選ばれる少なくとも1種類の化合物であることを特徴とする請求項11または13に記載の半導体発光装置。
  15. 1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(A−2’’)が、ジアリルモノメチルイソシアヌレートであることを特徴とする請求項11〜14いずれか1項に記載の半導体発光装置。
  16. 前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物が、ヒドロシリル化触媒を含有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  17. 前記多面体構造ポリシロキサン系硬化性組成物が、硬化遅延剤を含有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  18. 前記リフレクター用樹脂が、
    (C−1)アルケニル基を少なくとも2個以上もつ化合物
    (C−2)ヒドロシリル基含有化合物
    (C−3)ヒドロシリル化触媒
    (C−4)無機充填材
    からなることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  19. (C−1)成分が1分子中にアルケニル基を2個以上有する有機化合物(C−1’)、および/または、1分子中にアルケニル基を2個以上有するシロキサン化合物(C−1’’)であることを特徴とする、請求項18に記載の半導体発光装置。
  20. (C−1’)成分が下記式(9)
    Figure 2014116420
    (式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基又は水素原子を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)、
    で表される有機化合物からなることを特徴とする、請求項19に記載の半導体発光装置。
  21. (C−2)成分が、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物(d)と、アルケニル基を有する有機化合物(e)を、ヒドロシリル化反応させて得ることができる化合物であることを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の光半導体装置。
  22. アルケニル基を有する有機化合物(e)が下記式(10)
    Figure 2014116420
    (式中Rは炭素数1〜50の一価の有機基又は水素原子を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよい。)で表される有機化合物(e1)、あるいは、下記式(11)
    Figure 2014116420
    (式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)又は下記式(12)
    Figure 2014116420
    (式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で表されるアルケニル基を1個有する有機化合物(e2)であることを特徴とする請求項21に記載の半導体発光装置。
  23. ヒドロシリル基を有する化合物(d)が、ヒドロシリル基を有する環状シロキサン、および/または、分子末端にヒドロシリル基を有する直鎖状シロキサンであることを特徴とする、請求項21に記載の半導体発光装置。
  24. (C−4)成分が、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニア、酸化ストロンチウム、酸化ニオブ、窒化ホウ素、チタン酸バリウム及び硫酸バリウムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項18〜23のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  25. 請求項1〜24のいずれか1項に記載の半導体発光装置の製造方法。
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