JP6445996B2 - 半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は半導体のパッケージ用樹脂組成物に関するものであり、更に詳しくは成型加工性が良好であり、高い耐光性および耐熱性を有する半導体のパッケージ用樹脂組成物、およびそれを用いて製造された半導体に関するものである。
従来、半導体には種々のパッケージを有するタイプのものが提案されている。特にこれらの内でパッケージに耐光性が要求されるものとして、半導体が発光ダイオードであるものが挙げられる。
従来、発光ダイオードとしてはパッケージを用いた表面実装タイプのものが製造されているが、そのパッケージ用材料としては、セラミック、ポリアミド樹脂あるいはポリエステル樹脂等が主として用いられている(例えば、特許文献1)。
ところが、セラミックをパッケージ用材料として用いた場合には、セラミックの成型加工性に優れず、一般に工業的な適用性が狭くなる。また、発光ダイオードの製造にはパッケージ内にエポキシ樹脂等の封止剤(モールド材)を充填することが一般的であるが、その場合、セラミックとエポキシ樹脂等の封止剤との線膨張係数の差が大きいため、熱応力等により封止剤にクラックが発生して発光ダイオードの信頼性を低下させるという問題もある。
ポリアミド樹脂をパッケージ用材料として用いた場合には、ポリアミド樹脂は耐光劣化により着色するという問題があるため長期使用するとパッケージ表面での反射率が低下して発光ダイオードの輝度が低下するといった問題がある。また、ポリアミド樹脂の耐光劣化のため封止剤との接着性が低下して、発光ダイオードの信頼性を低下させるという問題もある。ポリエステル樹脂をパッケージ用材料として用いた場合には、耐熱性が十分でないために耐はんだリフロー性に乏しく、工業的な適用性に制限があるという問題がある。
特開2007−227925号公報
従って、本発明の課題は成型加工性が良好であり、高い耐光性および耐熱性を有する発光ダイオードのパッケージ用硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明をなすに至った。本発明は以下の構成を有するものである。
1).アルケニル基および/またはヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)に対して、前記(a)成分とヒドロシリル化反応可能なヒドロシリル基および/またはアルケニル基を有する化合物(b)を変性して得られた多面体構造ポリシロキサン変性体(A)を必須成分として含有することを特徴とする半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
2).(A)成分が温度20℃において、液状であることを特徴とする、1)に記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
3).化合物(b)が、ヒドロシリル基および/またはアルケニル基を含有する環状シロキサンであることを特徴とする、1)または2)に記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
4).化合物(b)が、分子末端にヒドロシリル基および/またはアルケニル基を含有する直鎖状シロキサンであることを特徴とする、1)または2)に記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
5).化合物(b)が、分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基またはアルケニル基を有することを特徴とする、1)〜4)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
6).ヒドロシリル基および/またはアルケニル基を有する化合物(b)のSi原子に直結した水素原子および/またはアルケニル基の数が、アルケニル基および/またはヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)のアルケニル基および/またはSi原子に直結した水素原子1個あたり2.5〜20個になる範囲で加えて変性し、未反応の化合物(b)を留去して得られることを特徴とする、1)〜5)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
7).(A)成分が、
[XR SiO−SiO3/2[R SiO−SiO3/2
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、水素原子、または、他の多面体構造ポリシロキサンと連結している基;Xは、下記一般式(1)あるいは一般式(2)のいずれかの構造を有し、Xが複数ある場合は一般式(1)あるいは一般式(2)の構造が異なっていても良くまた一般式(1)あるいは一般式(2)の構造が混在していても良い。
Figure 0006445996
Figure 0006445996
(lは2以上の整数;mは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、YあるいはZの少なくとも1つは水素原子またはアルケニル基である;Rは、アルキル基またはアリール基;また、Xが複数ある場合は式(1)あるいは式(2)の構造が異なっていても良くまた式(1)あるいは式(2)の構造が混在していても良い。)を構成単位とすることを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
8).式[AR SiO−SiO3/2[R SiO−SiO3/2
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aはアルケニル基および/または水素原子。ただし、少なくとも1つはアルケニル基である;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルケニル基および水素原子以外の置換基、例えば、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンやシロキサン化合物と連結している基)で表されるシロキサン単位から構成される多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)に、ヒドロシリル基を有する化合物(b)を、アルケニル基1個あたりSi原子に直結した水素原子が2.5〜20個になる範囲で過剰量加えてヒドロシリル化反応によって変性し、未反応のヒドロシリル基を有する化合物(b)を留去して得られることを特徴とする、1)〜7)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
9).式[BR SiO−SiO3/2[R SiO−SiO3/2
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Bはアルケニル基および/または水素原子。ただし、少なくとも1つは水素原子である;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルケニル基および水素原子以外の置換基、例えば、アルキル基、アリール基、または、他の多面体骨格ポリシロキサンやシロキサン化合物と連結している基)で表されるシロキサン単位から構成される多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)に、アルケニル基を有する化合物(b)を、Si原子に直結した水素原子1個あたり、アルケニル基が2.5〜20個になる範囲で過剰量加えてヒドロシリル化反応によって変性し、未反応のアルケニル基を有する化合物(b)を留去して得られることを特徴とする、1)〜7)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
10).硬化剤(B)を含有することを特徴とする、1)〜9)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
11).ヒドロシリル化触媒(C)を含有することを特徴とする、1)〜10)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
12).半導体が発光ダイオードであることを特徴とする1)〜11)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
13).無機フィラー(D)を含有することを特徴とする、1)〜12)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
14).無機フィラー(D)が酸化チタンあるいは/およびシリカであることを特徴とする13)に記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
15).無機フィラー(D)の含有量が組成物全体の70〜90重量%であることを特徴とする13)または14)に記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物。
16).1)〜15)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物をBステージ化したことを特徴とする半導体のパッケージ用硬化性樹脂組成物。
17).1)〜16)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物を成形したことを特徴とする半導体パッケージ。
18).1)〜16)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物であって、150℃以下の温度で流動性を有し、かつ150℃におけるゲル化時間が60秒以内である硬化性樹脂組成物を、トランスファー成形により成形したことを特徴とする半導体パッケージ。
19).1)〜16)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物を成形したことを特徴とする半導体パッケージであって、前記半導体が発光ダイオードであり、かつ前記パッケージに発光ダイオードから発した光が照射されるように設計された半導体パッケージ。
20).1)〜16)のいずれかに記載の半導体パッケージ用硬化性樹脂組成物を用いて製造された半導体。
本発明の樹脂組成物は成型加工性が良好であり、高い耐光性および耐熱性を有するため、半導体のパッケージとして使用した場合に、工業的に実用性が高く、信頼性の高い半導体を製造することができる。
発光ダイオードのパッケージの例である。
以下に、本発明について詳細に説明する。
<多面体構造ポリシロキサン変性体>
本発明における多面体構造ポリシロキサン変性体は、アルケニル基および/またはヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)に対して、前記(a)成分とヒドロシリル化反応可能なヒドロシリル基および/またはアルケニル基を有する化合物(b)を変性して得ることが可能である。本発明においては、変性体合成時にはゲル化しないことを特徴とし、得られる多面体構造ポリシロキサン変性体は、ハンドリング性、成形加工性の観点から、温度20℃で液状とすることが可能である。
本発明における多面体構造ポリシロキサン変性体としては、アルケニル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)に対して、ヒドロシリル基を有する化合物(b)を変性して得られた変性体が、製造の容易さや生産性の観点から好ましい。
本発明における好ましい多面体構造ポリシロキサン変性体について、以下、具体的に説明する。本発明における好ましい多面体構造ポリシロキサン変性体は、反応可能な官能基を有するシロキサン単位として[XR SiO−SiO3/2]を必須単位として構成されることを特徴とし、必要に応じて、物性調整ユニットとしての任意のシロキサン単位[R SiO−SiO3/2]を構成単位として含有し、以下の式、
[XR SiO−SiO3/2[R SiO−SiO3/2
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Xは一般式(1)あるいは(2)で表される基;Rは、アルキル基またはアリール基、;Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、水素原子、または、他の多面体構造ポリシロキサンと連結している基)で表されるシロキサン単位から構成される多面体構造ポリシロキサン変性体が例示される。ここで、aは平均して1以上、好ましくは2以上であることが好ましく、また、bは、0または1以上の整数である。a+bは6〜24の整数、好ましくは、6〜12の整数である。
Figure 0006445996
Figure 0006445996
(lは2以上の整数;mは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、YあるいはZの少なくとも1つはアルケニル基または水素原子である;Rは、アルキル基またはアリール基;また、Xが複数ある場合は式(1)あるいは式(2)の構造が異なっていても良くまた式(1)あるいは式(2)の構造が混在していても良い)
以下、反応可能な官能基を有するシロキサン単位[XR SiO−SiO3/2]について説明する。
反応可能な官能基を有するシロキサン単位は、例えば、後述のヒドロシリル化触媒存在下、ヒドロシリル化反応により硬化剤との架橋反応を発生させる、あるいは、熱硬化開始剤あるいは光硬化開始剤の存在下、架橋し、硬化させる役割を担うユニットである。
ここで、好ましい反応性官能基を有する基Xとしては、一般式(1)あるいは一般式(2)のいずれかの式で表される基であれば特に限定はないが、mは1〜7の整数であることが好ましく、nは2〜4の整数であることが好ましい。
Figure 0006445996
Figure 0006445996
(lは2以上の整数;mは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、YあるいはZの少なくとも1つはアルケニル基または水素原子である;Rは、アルキル基またはアリール基;また、Xが複数ある場合は式(1)あるいは式(2)の構造が異なっていても良くまた式(1)あるいは式(2)の構造が混在していても良い)。
反応可能な官能基を有するシロキサン単位におけるRとしては、実質的に反応性を有しない置換基、具体的に例えば、アルキル基、アリール基を使用することができる。
本発明における反応可能な官能基を有するシロキサン単位は、多面体骨格を構成する全シロキサン単位のうち、平均して2つ以上含有することが好ましい。すなわち、一般式(1)におけるaは2以上が好ましい。含有する反応可能な官能基を含有するシロキサン単位が少ないと硬化性が不十分となり、さらには、得られる硬化物の強度が低下する恐れがある。
次に、任意のシロキサン単位[R SiO−SiO3/2]について説明する。
本シロキサン単位は、本発明における多面体構造ポリシロキサン変性体および得られる硬化物の物性調整を行うためのユニットである。本シロキサン単位は、実質的に、反応可能な置換基を含有しないため、架橋密度の調整、皮膜性、レベリング性、脆さ改善などが可能となる。
本シロキサン単位におけるRとしては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、水素原子、または、他の多面体構造ポリシロキサンと連結している基を好適に用いることができる。前記アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基などが例示されるが、さらには、実質的に反応性を有しない置換基で一部を置き換えられていてもよい。実質的に反応性を有しない置換基で一部を置き換えられたアルキル基としては、具体的に例えば、ポリシロキサニルアルキル基が例示され、レベリング性や皮膜性、また、後述の硬化剤や硬化開始剤との相溶性などの付与も可能となり、また、化合物の性状を液状にすることも可能である。
前記他の多面体構造ポリシロキサンと連結している基としては、ポリシロキサンやポリ(メタ)アクリレート、ポリイソブチレン等のポリマー成分を介して連結している基が例示される。
<多面体構造ポリシロキサン変性体の製造方法>
本発明における多面体構造ポリシロキサン変性体の製造方法について、説明する。
まず、多面体構造シロキサン系化合物(a)について、説明する。
前記アルケニル基および/またはヒドロシリル基を含有する多面体構造シロキサン系化合物(a)の合成方法としては、例えば、RSiX (式中Rは、アルケニル基または水素原子を表し、Xは、ハロゲン原子、アルコキシ基等の加水分解性官能基を表す)のシラン化合物の加水分解縮合反応によって、得られる。
または、RSiX の加水分解縮合反応によって分子内に3個のシラノール基を有するトリシラノール化合物を合成したのち、さらに、同一もしくは異なる3官能性シラン化合物を反応させることにより閉環し、合成する方法も知られている。さらには、前記トリシラノール化合物に、1官能性シランおよび/または2官能性シランを反応させることにより、部分開裂型の多面体構造ポリシロキサンを合成することもできる。
その他の多面体構造シロキサン系化合物(a)の合成方法としては、例えば、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウムヒドロキシド等の塩基存在下、加水分解縮合反応により、多面体構造を有するケイ酸塩を得、さらに得られたケイ酸塩をアルケニル基および/またはヒドロシリル基を有するシリルクロライド等のシリル化剤と反応させることにより合成することができる。本発明においては、テトラアルコキシランの替わりに、シリカや稲籾殻等のシリカを含有する物質からも、同様の多面体構造ポリシロキサンを得ることが可能である。
本発明における多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)の好ましい例としては、具体的に例えば、以下の式で表されるアルケニル基を有する多面体構造ポリシロキサン系化合物
[AR SiO−SiO3/2[R SiO−SiO3/2
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Aはアルケニル基および/または水素原子。ただし、少なくとも1つはアルケニル基である;R1は、アルキル基またはアリール基;Rは、アルケニル基および水素原子以外の置換基、例えば、アルキル基、アリール基、または、他の多面体構造ポリシロキサンやシロキサン化合物と連結している基)が例示される。
このような(a)成分を用いる場合、(b)成分としてヒドロシリル基を有する化合物を用いることにより、例えば、後述のヒドロシリル化触媒の存在下、ヒドロシリル化反応によって多面体構造ポリシロキサン変性体を得ることができる。この際、前記多面体構造シロキサン系化合物(a)のアルケニル基は、すべて反応する必要はなく、一部残存していてもよい。また、複数の多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と複数のヒドロシリル基を有する化合物(b)が反応していても良い。
本発明における多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)の他の好ましい例としては、具体的に例えば、
[BR SiO−SiO3/2[R SiO−SiO3/2
(a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Bはアルケニル基および/または水素原子。ただし、少なくとも1つは水素原子である;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルケニル基および水素原子以外の置換基、例えば、アルキル基、アリール基、または、他の多面体構造ポリシロキサンやシロキサン化合物と連結している基)が例示される。
このような(a)成分を用いる場合、(b)成分としてアルケニル基を有する化合物を用いることにより、例えば、後述のヒドロシリル化触媒の存在下、ヒドロシリル化反応によって多面体構造ポリシロキサン変性体を得ることができる。この際、前記多面体構造シロキサン系化合物(a)の水素原子は、すべて反応する必要はなく、一部残存していてもよい。また、複数の多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)と複数のアルケニル基を有する化合物(b)が反応していても良い。
次に、ヒドロシリル基および/またはアルケニル基を有する化合物(b)について、説明する。
前記、ヒドロシリル基を有する化合物は、ヒドロシリル基(Si原子に直結した水素原子)を有するものであり、前記多面体構造シロキサン系化合物(a)のアルケニル基と反応して、多面体構造ポリシロキサン分子に新たに反応性官能基を有する基を導入するための成分である。
本発明における好ましいヒドロシリル基を有する化合物としては、具体的に例えば、ヒドロシリル基(Si原子に直結した水素原子)を有するものであり、前記多面体構造シロキサン系化合物(a)のアルケニル基と反応して、以下の一般式(1)あるいは一般式(2)のいずれかの式で表される反応性官能基Xを形成するものが挙げられる。
Figure 0006445996
Figure 0006445996
(lは2以上の整数;mは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、YあるいはZの少なくとも1つは水素原子である;Rは、アルキル基またはアリール基;また、Xが複数ある場合は式(1)あるいは式(2)の構造が異なっていても良くまた式(1)あるいは式(2)の構造が混在していても良い)。
前記、ヒドロシリル基を有する化合物としては、ヒドロシリル基含有シロキサン化合物、具体的に例えば、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状のポリシロキサン、ヒドロシリル基を含有する環状シロキサンなどが好ましいものとして挙げられ、さらには、工業的入手性や反応させる際の反応性が良好である、また、得られた硬化物の耐青色レーザー性に優れる等の観点からヒドロシリル基を含有する環状シロキサンが好ましい。これらヒドロシリル基を有する化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記、両末端にヒドロシリル基を有する直鎖状のポリシロキサンの具体例としては、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサンなどが例示される。
ヒドロシリル基を含有する環状シロキサンとしては、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサンなどが例示される。
ヒドロシリル基を有する化合物(b)、特には、ヒドロシリル基含有シロキサン化合物の添加量は、多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)のアルケニル基の個数1個あたり、Si原子に直結した水素原子の数が2.5〜20個になるように用いることが好ましいが、化合物に依存する。添加量が少ないと、架橋反応によりゲル化が生じてハンドリング性の劣るポリシロキサン変性体となり、多すぎると、硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。さらには、過剰量のヒドロシリル基含有シロキサン化合物を存在させるため、例えば減圧・加熱条件下にて、未反応のヒドロシリル基含有シロキサン化合物を取り除くことが好ましい。
アルケニル基を有する化合物(b)は、アルケニル基を有するものであり、前記多面体構造シロキサン系化合物(a)のヒドロシリル基と反応して、多面体構造ポリシロキサン分子に新たな官能基を導入するための成分である。
アルケニル基を有する化合物(b)としては、アルケニル基含有シロキサン化合物、具体的に例えば、両末端にアルケニル基を有する直鎖状のポリシロキサン、アルケニル基を含有する環状シロキサンなどが好ましいものとして挙げられる。これらアルケニル基を有する化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
両末端にアルケニル基を有する直鎖状のポリシロキサンの具体例としては、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリもしくはオリゴシロキサン、テトラメチルジビニルジシロキサン、ヘキサメチルジビニルトリシロキサンなどが例示される。
アルケニル基を含有する環状シロキサンとしては、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサンなどが例示される。
アルケニル基を有する化合物(b)、特には、アルケニル基含有シロキサン化合物の添加量は、多面体構造シロキサン中間体のSi原子に直結した水素原子1個あたり、アルケニル基が2.5〜20個になるように用いることが好ましいが、化合物に依存する。添加量が少ないと、架橋反応によりゲル化が生じてハンドリング性の劣るポリシロキサン変性体となり、多すぎると、得られるパッケージの物性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明においては、耐熱性、耐光性の観点から、Si原子上は、水素原子、ビニル基およびメチル基から構成されることが好ましい。
本発明の多面体構造ポリシロキサン変性体は、ハンドリング性等の面から液体であることが好ましく、また、成型体の得られるパッケージの反射率の面で透明であることが好ましい。
<硬化剤(B)>
次に、本発明に用いる硬化剤(B)について説明する。
硬化剤(B)は、多面体構造ポリシロキサン変性体の主たる反応性基の種類よって使い分けることができる。多面体構造ポリシロキサン変性体がヒドロシリル基を主たる反応性基として有する場合は、アルケニル基を有する化合物、アルケニル基を主たる反応性基として有する場合は、ヒドロシリル基を有する化合物を硬化剤として用いることができる。以下、詳細に説明する。
前記、アルケニル基を有する硬化剤は、アルケニル基を有する化合物であれば特に限定されないが、1分子中に少なくともアルケニル基を2個含有するものが好ましく、アルケニル基を有する直鎖構造のポリシロキサン、分子末端にアルケニル基を有するポリシロキサン、アルケニル基を含有する環状シロキサンなどのシロキサン化合物がさらに好ましく、特には、高温加熱時における耐クラック性等の観点より直鎖構造のポリシロキサンであることが好ましい。これらアルケニル基を有する化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
直鎖構造を有するアルケニル基含有ポリシロキサンの具体例としては、ジメチルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルビニルシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルビニルシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサンなどが例示される。
本発明における直鎖構造を有するアルケニル基含有ポリシロキサンとしては、得られるパッケージの強度の観点から、分子末端にアルケニル基を有することが好ましい。
分子末端にアルケニル基を有するポリシロキサンの具体例としては、先に例示したジメチルアルケニル基で末端が封鎖されたポリシロキサン、ジメチルアルケニルシロキサン単位とSiO単位、SiO3/2単位、SiO2/2単位からなる群において選ばれる少なくとも1つのシロキサン単位からなるポリシロキサンなどが例示される。
アルケニル基を含有する環状シロキサン化合物としては、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジビニル−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリビニル−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタビニル−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサビニル−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサンなどが例示される。
前記、ヒドロシリル基を有する硬化剤は、ヒドロシリル基を有する化合物であれば特に限定されないが、1分子中に少なくともヒドロシリル基を2個含有するものが好ましく、ヒドロシリル基を有する直鎖構造のポリシロキサン、分子末端にヒドロシリル基を有するポリシロキサン、ヒドロシリル基を含有する環状シロキサンなどのシロキサン化合物が特に好ましい。これらヒドロシリル基を有する化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
直鎖構造を有するヒドロシリル基含有ポリシロキサンの具体例としては、ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、メチルフェニルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジメチルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリジフェニルシロキサン、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリメチルフェニルシロキサン、などが例示される。
分子末端にヒドロシリル基を有するポリシロキサンの具体例としては、先に例示したジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位(H(CHSiO1/2単位)とSiO単位、SiO3/2単位、SiO2/2単位からなる群において選ばれる少なくとも1つのシロキサン単位からなるポリシロキサンなどが例示される。
ヒドロシリル基を含有する環状シロキサン化合物としては、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5−トリハイドロジェン−トリメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタハイドロジェン−1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサハイドロジェン−1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロシロキサンなどが例示される。
本発明においては、耐熱性、耐光性の観点から、Si原子上は、水素原子、ビニル基およびメチル基から構成されることが好ましい。
硬化剤の添加量は種々設定できるが、アルケニル基1個あたり、Si原子に直結した水素原子が0.3〜5個、好ましくは、0.5〜3個となる割合であることが望ましい。アルケニル基の割合が少なすぎると、発泡等による外観不良が生じやすくなり、また、多すぎると、硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
<ヒドロシリル化触媒(C)>
次に、本発明で用いるヒドロシリル化触媒(C)について説明する。
本発明では、多面体構造ポリシロキサン変性体の合成、および、該変性体を用いた組成物を硬化させる際に、ヒドロシリル化触媒を用いることができる。
本発明で用いるヒドロシリル化触媒としては、通常ヒドロシリル化触媒として用いられるものを用いることができ特に制限はなく、任意のものが使用できる。
具体的には例示すれば、白金−オレフィン錯体、塩化白金酸、白金の単体、担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体、例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt〔(MeViSiO);白金−ホスフィン錯体、例えば、Pt(PPh、Pt(PBu;白金−ホスファイト錯体、例えば、Pt〔P(OPh)、Pt〔P(OBu)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh、RhCl、Rh/Al、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)等が好ましい。
多面体構造ポリシロキサン変性体の合成時および硬化時に用いるヒドロシリル化触媒の添加量としては特に制限はないが、例えば、多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)のアルケニル基1モルに対して10−1〜10−10モルの範囲で用いるのがよい。好ましくは10−4〜10−8モルの範囲で用いるのがよい。ヒドロシリル化触媒が多すぎると、ヒドロシリル化触媒の種類によっては、短波長の光に吸収を示すため、得られる硬化物の耐光性が低下する恐れがあり、また、硬化物が発泡する恐れもある。また、ヒドロシリル化触媒が少なすぎると、反応が進まず、目的物が得られない恐れがある。
また、多面体構造ポリシロキサン変性体のヒドロシリル化反応の反応温度としては、30〜400℃、さらに好ましくは、40〜250℃であることが好ましく、より好ましくは、45〜140℃である。温度が低すぎると反応が十分に進行せず、温度が高すぎると、ゲル化が生じ、ハンドリング性が悪化する恐れがある。
<無機フィラー(D)>
無機フィラーとしては各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機フィラー、アルミナ、ジルコン、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉等の無機フィラーをはじめとして、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として一般に使用あるいは/および提案されている無機フィラー等を挙げることができる。無機フィラーとしては、半導体素子へダメージを与え難いという観点からは、低放射線性であることが好ましい。
無機フィラーは適宜表面処理してもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、カップリング剤による処理等が挙げられる。
この場合のカップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
その他にも無機フィラーを添加する方法が挙げられる。例えばアルコキシシラン、アシロキシシラン、ハロゲン化シラン等の加水分解性シランモノマーあるいはオリゴマーや、チタン、アルミニウム等の金属のアルコキシド、アシロキシド、ハロゲン化物等を、本発明の組成物に添加して、組成物中あるいは組成物の部分反応物中で反応させ、組成物中で無機フィラーを生成させる方法も挙げることができる。
以上のような無機フィラーのうち硬化反応を阻害し難く、線膨張係数の低減化効果が大きく、リードフレームとの接着性が高くなりやすいという観点からは、シリカ系無機フィラーが好ましい。さらに、成形性、電気特性等の物性バランスがよいという点において溶融シリカが好ましく、パッケージの熱伝導性が高くなり易く放熱性の高いパッケージ設計が可能になるという点においては結晶性シリカが好ましい。より放熱性が高くなり易いという点ではアルミナが好ましい。また、パッケージ樹脂の光の反射率が高く、得られる発光ダイオードの光取りだし効率が高くなりやすいという点においては、酸化チタンが好ましい。その他、補強効果が高くパッケージの強度が高くなり易いという点においてはガラス繊維、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウムが好ましい。
無機フィラーの平均粒径や粒径分布としては、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、特に限定なく各種のものが用いられるが、通常用いられる平均粒径の下限は0.1μm、流動性が良好になりやすいという点から好ましくは0.5μmであり、通常用いられる平均粒径の上限は120μm、流動性が良好になりやすいという点から好ましくは60μm、より好ましくは15μmである。
無機フィラーの比表面積についても、エポキシ系等の従来の封止材の充填材として使用あるいは/および提案されているものをはじめ、各種設定できる。
無機フィラーの形状としては、破砕状、片状、球状、棒状等、各種のものが用いられる。アスペクト比も種々のものが用いられる。得られる硬化物の強度が高くなりやすいという点においてはアスペクト比が10以上のものが好ましい。また、樹脂の等方性収縮の点からは繊維状よりは粉末状が好ましい。あるいは、高充填時にも成形時の流れ性がよくなり易いという点においては球状のものが好ましい。これら無機フィラーは単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
無機フィラーの添加量は特に限定されないが、線膨張係数の低減化効果が高く、かつ成形時の組成物の流動性が良好であるという観点からは、好ましい添加量の下限は全組成物中の30重量%、より好ましくは50重量%であり、さらに好ましくは70重量%であり、好ましい添加量の上限は全組成物中の95重量%、より好ましくは90重量%である。
無機フィラーの混合の順序としては、各種方法をとることができるが、組成物の中間原料の貯蔵安定性が良好になりやすいという点においては、(B)成分に無機フィラー(D)を混合したものと、(A)成分を混合する方法が好ましい。また、反応成分である(A)成分、(B)成分、(C)成分がよく混合され安定した成形物が得られやすいという点においては、(A)成分、(B)成分、(C)成分を混合したものに無機フィラー(D)を混合することが好ましい。
これら無機フィラーを混合する手段としては、従来エポキシ樹脂等に用いられあるいは/および提案されている種々の手段を用いることができる。例えば、2本ロールあるいは3本ロール、遊星式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリーミキサー等の撹拌機、プラストミル等の溶融混練機等が挙げあられる。これらのうち、高充填であっても無機フィラーの十分な分散性が得られやすいという点においては、3本ロール、溶融混練機が好ましい。
無機フィラーの混合は、常温で行ってもよいし加熱して行ってもよい。また、常圧下に行ってもよいし減圧状態で行ってもよい。高充填であっても無機フィラーの十分な分散性が得られやすいという点においては、加熱状態で混合することが好ましく、無機フィラー表面の塗れ性を向上し十分な分散性が得られやすいという点においては減圧状態で混合することが好ましい。
<組成物>
次に、本発明によって得られる組成物について説明する。本発明においては、多面体構造ポリシロキサン変性体(A)に、硬化剤(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、無機フィラー(D)、硬化遅延剤、接着性付与剤等も加えることにより得ることができる。
多面体構造ポリシロキサン変性体(A)を含有する組成物をヒドロシリル化反応により硬化させる際に温度を加える場合は、好ましくは、30〜400℃、さらに好ましくは50〜250℃である。硬化温度が高くなり過ぎると、得られる硬化物に外観不良が生じる傾向があり、低すぎると硬化が不十分となる。また、2段階以上の温度条件を組み合わせて硬化させてもよい。
具体的には例えば、70℃、120℃、150℃の様に段階的に硬化温度を引き上げていくことで、良好な硬化物を得ることができ好ましい。硬化時間は硬化温度、用いるヒドロシリル化触媒の量及びヒドロシリル基の量その他、本願組成物のその他の配合物の組み合わせにより適宜選択することができるが、あえて例示すれば、好ましくは1分〜12時間、さらには5分〜10時間行うことにより、良好な硬化物を得ることができる。
<硬化遅延剤>
次に、本発明で用いる硬化遅延剤について説明する。
硬化遅延剤は、本発明の多面体構造ポリシロキサン変性体、および、組成物の保存安定性を改良あるいは、硬化過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整するための成分である。本発明においては、硬化遅延剤としては、ヒドロシリル化触媒による付加型硬化性組成物で用いられている公知のものが使用でき、具体的には脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらを単独使用、または2種以上併用してもよい。
前記の脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、具体的には3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル等のマレイン酸エステル類等が例示できる。
有機リン化合物としては、具体的にはトリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示できる。
有機イオウ化合物としては、具体的にはオルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示できる。
窒素含有化合物としては、具体的にはN,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N′,N′−テトラエチルエチレンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン、2,2’−ビピリジン等が例示できる。
スズ系化合物としては、具体的にはハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示できる。
有機過酸化物としては、具体的にはジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示されうる。これらのうち、マレイン酸ジメチル、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが、特に好ましい硬化遅延剤として例示できる。
硬化遅延剤の添加量は、特に限定するものではないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対して10−1〜10モルの範囲で用いるのが好ましく、1〜500モルの範囲で用いるのがより好ましい。また、これらの硬化遅延剤は単独で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
<接着性付与剤>
接着性付与剤は本発明の組成物と基材(例えば、後述のリード等)との接着性を向上する目的で用いるものであり、その様な効果があるものは時に制限はないが、シランカップリング剤、エポキシ化合物が好ましい物として例示できる。
具体的に例えば、多面体構造ポリシロキサン変性体としてヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン変性体に硬化剤、ヒドロシリル化触媒、接着性付与剤も配合した組成物により、硬化物が基材との接着性が良好な組成物となす事ができる。
シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、具体的には3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類が例示できる。
シランカップリング剤の添加量としては、多面体構造ポリシロキサン変性体(A)および硬化剤(C)の合計重量の0.05〜30重量%であることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜15重量%である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。
エポキシ化合物としては、例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2’−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。
エポキシ化合物の添加量としては、多面体構造ポリシロキサン変性体および硬化剤の合計重量の0.1〜50重量%であることが好ましく、さらに好ましくは、0.2〜15重量%である。添加量が少ないと接着性改良効果が表れず、添加量が多いと硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合がある。シランカップリング剤、エポキシ化合物等は単独で使用してもよく、2種併用してもよい。
本発明においては、接着性付与剤の効果を高めるために、公知の接着性促進剤を用いることができる。接着性促進剤としては、ボロン酸エステル化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<老化防止剤>
本発明の組成物には老化防止剤を添加してもよい。老化防止剤としては、ヒンダートフェノール系等一般に用いられている老化防止剤の他、クエン酸やリン酸、硫黄系老化防止剤等が挙げられる。
ヒンダートフェノール系老化防止剤としては、チバスペシャリティーケミカルズ社から入手できるイルガノックス1010をはじめとして、各種のものが用いられる。
硫黄系老化防止剤としては、メルカプタン類、メルカプタンの塩類、スルフィドカルボン酸エステル類や、ヒンダードフェノール系スルフィド類を含むスルフィド類、ポリスルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、スルホニウム化合物、チオアルデヒド類、チオケトン類、メルカプタール類、メルカプトール類、モノチオ酸類、ポリチオ酸類、チオアミド類、スルホキシド類等が挙げられる。
また、これらの老化防止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
<ラジカル禁止剤>
本発明の組成物にはラジカル禁止剤を添加してもよい。ラジカル禁止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール(BHT)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス(メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系ラジカル禁止剤や、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系ラジカル禁止剤等が挙げられる。
また、これらのラジカル禁止剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
<紫外線吸収剤>
本発明の組成物には紫外線吸収剤を添加してもよい。紫外線吸収剤としては、例えば2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
<その他添加剤>
本発明の組成物には、その他、着色剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、界面活性剤、消泡剤、乳化剤、レベリング剤、はじき防止剤、アンチモン−ビスマス等のイオントラップ剤、チクソ性付与剤、粘着性付与剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、反応性希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、熱伝導性付与剤、物性調整剤等を本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
<発光ダイオードのための添加剤>
さらに、本発明の組成物には必要に応じて、種々の発光ダイオード特性改善のための添加剤を添加してもよい。添加剤としては例えば、発光素子からの光を吸収してより長波長の蛍光を出す、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体等の蛍光体や、特定の波長を吸収するブルーイング剤等の着色剤、光を拡散させるための酸化チタン、酸化アルミニウム、メラミン樹脂、CTUグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のような拡散材、アルミノシリケート等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ボロン等の金属窒化物等の熱伝導性フィラー等を挙げることができる。
発光ダイオード特性改善のための添加剤は均一に含有させても良いし、含有量に傾斜を付けて含有させてもよい。
<離型剤>
本発明の組成物には成形時の離型性を改良するために種々の離型剤を添加してもよい。
離型剤としては、従来使用されている各種のものが用いられる。例えば、金属石鹸、ワックス類等が挙げられる。ここでいう金属石鹸とは、一般に長鎖脂肪酸と金属イオンが結合したものであり、脂肪酸に基づく無極性あるいは低極性の部分と、金属との結合部分に基づく極性の部分を一分子中に合わせて持っていれば使用できる。
長鎖脂肪酸としては、例えば炭素数1〜18の飽和脂肪酸、炭素数3〜18の不飽和脂肪酸、脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中では、入手性が容易であり工業的実現性が高いという点からは炭素数1〜18の飽和脂肪酸が好ましく、さらに、離型性の効果が高いという点からは炭素数6〜18の飽和脂肪酸がより好ましい。
金属イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の他に亜鉛、コバルト、アルミニウム、ストロンチウム等が挙げられる。金属石鹸をより具体的に例示すれば、ステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ラウリン酸リチウム、オレイン酸リチウム、2−エチルヘキサン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、12−ヒドロキシステアリン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、12−ヒドロキシステアリン酸鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸アルミニウム、オレイン酸マンガン、リシノール酸バリウム、などが例示される。
これらの金属石鹸の中では、入手性が容易であり、安全性が高く工業的実現性が高いという点からステアリン酸金属塩類が好ましく、特に経済性の点から、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛からなる群から選択される1つ以上のものが最も好ましい。
この金属石鹸の添加量としては特に制限はないが、好ましい量の下限は組成物全体100重量部に対して0.025重量部、より好ましくは0.05重量部であり、好ましい量の上限は組成物全体100重量部に対して5重量部、より好ましくは4重量部である。添加量多すぎる場合は硬化物の物性の低下をきたし、少なすぎると金型離型性が得られないことがある。
ワックス類としては、天然ワックス、合成ワックス、酸化または非酸化のポリオレフィン、ポリエチレンワックス等が例示できる。
尚、離型剤を添加しなくても十分な離型性が得られる場合には離型剤は用いない方がよい。
<Bステージ化>
本発明の組成物は、各成分および添加剤等の配合物をそのまま用いてもよいし、加熱等により部分的に反応(Bステージ化)させてから使用してもよい。Bステージ化することにより粘度調整が可能であり、トランスファー成形性を調整することもできる。
<組成物性状>
本発明の組成物としては上記したように各種組み合わせのものが使用できるが、トランスファー成形による成形性が良好であるという点においては、組成物としては150℃以下の温度で流動性を有するものが好ましい。組成物の硬化性については、任意に設定できるが、成形サイクルが短くできるという点においては120℃におけるゲル化時間が120秒以内であることが好ましく、60秒以内であることがより好ましい。
また、150℃におけるゲル化時間が60秒以内であることが好ましく、30秒以内であることがより好ましい。また、100℃におけるゲル化時間が180秒以内であることが好ましく、120秒以内であることがより好ましい。この場合のゲル化時間は、以下のようにして調べられる。設定温度に調整したホットプレート上に厚み50μmのアルミ箔を置き、その上に組成物100mgを置いてゲル化するまでの時間を測定してゲル化時間とする。
<硬化>
本発明の組成物は、あらかじめ混合し組成物中の反応性を有する炭素−炭素2重結合とヒドロシリル(SiH)基の一部または全部およびを反応させることによって硬化させて用いることができる。
組成物を反応させて硬化させる場合において、(A)、(B)、(C)(および(D))各成分の必要量を一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混合した後反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用により組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ化)させてから成形等の処理を行いさらに硬化させる方法をとることもできる。これらの方法によれば成形時の粘度調整が容易となる。
硬化させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
硬化温度としては種々設定できるが、好ましい温度の下限は30℃、より好ましくは100℃であり、好ましい温度の上限は300℃、より好ましくは250℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやすい。
硬化は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。一定の温度で行うより多段階的あるいは連続的に温度を上昇させながら反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。また、一定温度で行う方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
硬化時間も種々設定できるが、高温短時間で反応させるより、比較的低温長時間で反応させた方が歪のない均一な硬化物が得られやすいという点において好ましい。逆に、高温短時間で反応させる方が成形サイクルを短くできるという点において好ましい。
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。場合によって発生する揮発分を除きやすいという点においては、減圧状態で硬化させることが好ましい。成形体へのクラックを防止できるという点においては、加圧状態で硬化させることが好ましい。
組成物が使用される製造工程において、組成物中へのボイドの発生および組成物からのアウトガスによる工程上の問題が生じ難いという観点においては、硬化中の重量減少が5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましい。
硬化中の重量減少は以下のように調べられる。熱重量分析装置を用いて封止剤10mgを室温から150℃まで10℃/分の昇温速度で昇温して、減少した重量の初期重量の割合として求めることができる。
<硬化物性状>
耐熱性が良好であるという観点からは、組成物を硬化させて得られる硬化物のTgが100℃以上となるものが好ましく、150℃以上となるものがより好ましい。
この場合、Tgは以下のようにして調べられる。3mmx5mmx30mmの角柱状試験片を用いて引張りモード、測定周波数10Hz、歪0.1%、静/動力比1.5、昇温側度5℃/分の条件にて測定した動的粘弾性測定(アイティー計測制御社製DVA−200使用)のtanδのピーク温度をTgとする。
また、リードフレーム等にイオンマイグレーション等の問題が生じ難く信頼性が高くなるという点においては、硬化物からの抽出イオン含有量が10ppm未満であることが好ましく、5ppm未満であることがより好ましく、1ppm未満であることがさらに好ましい。
この場合、抽出イオン含有量は以下のようにして調べられる。裁断した硬化物1gを超純水50mlとともにテフロン(登録商標)製容器に入れて密閉し、121℃、2気圧、20時間の条件で処理する。得られた抽出液をICP質量分析法(横河アナリティカルシステムズ社製HP−4500使用)によって分析し、得られたNaおよびKの含有量の値を、用いた硬化物中の濃度に換算して求める。一方同じ抽出液をイオンクロマト法(ダイオネクス社製DX−500使用、カラム:AS12−SC)によって分析し、得られたClおよびBrの含有量の値を、用いた硬化物中の濃度に換算して求める。以上のように得られたNa、K、Cl、Brの硬化物中の含有量を合計して抽出イオン含有量とする。
硬化物の色としては、各種のものが用いられるが、発光ダイオードの光取り出し効率が高くなりやすいという点においては白色が好ましく、発光ダイオードをディスプレイ装置に用いた場合にコントラストが高くなりやすいという点においては黒色が好ましい。
硬化物の線膨張係数としては、特に制約はないが、リードフレーム等の金属やセラミック等との接着性が良好になりやすいという点においては、線膨張係数は100℃において50ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることがより好ましい。また、封止樹脂等の有機材料との接着性が良好になりやすいという点においては、線膨張係数は100℃において70ppm以上であることが好ましく、100ppm以上であることがより好ましい。また、硬化時、硬化後、熱試験時にパッケージと封止剤との間に応力が発生しにくく信頼性が高くなりやすいという点においては、封止剤と近い線膨張係数および線膨張係数の温度依存性を有することが好ましい。
<半導体のパッケージ>
本発明で言う半導体のパッケージとは、半導体素子あるいは/および外部取出し電極等を支持固定あるいは/および保護するために設けられた部材である。この場合の半導体素子としては各種のものが挙げられる。例えばIC、LSI等の集積回路、トランジスター、ダイオード、発光ダイオード等の素子の他、CCD等の受光素子等を挙げることができる。これらの内、半導体が発光ダイオードである場合により本発明の効果が顕著になり得る。
半導体が発光ダイオード素子の場合において、好ましくは発光ダイオード素子から出た光が照射されるように設計されたものであり、さらに好ましくは発光ダイオード素子から出た光を反射させて外部に取出すように設計されたものである。その形状等には特に制約はない。例えば、図1に示すように、発光ダイオード素子を搭載するための凹部を有する形状のものでもよいし、単に平板状のものであってもよい。本発明の発光ダイオードのパッケージの表面は平滑であってもよいし、エンボス等のような平滑でない表面を有していてもよい。
<成形方法>
本発明で言う半導体パッケージの成形方法としては各種の方法が用いられる。例えば、射出成形、トランスファー成形、RIM成形、キャスティング成形、プレス成形等、熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂に一般に用いられる各種成形方法が用いられる。これらの内、成形サイクルが短く成形性が良好であるという点においてはトランスファー成形が好ましい。
成形条件も任意に設定可能であり、例えば成形温度についても任意であるが、硬化が速く成形サイクルが短く成形性が良好になりやすいという点においては100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上の温度が好ましい。上記のような各種方法によって成形した後、必要に応じて後硬化(アフターキュア)することも任意である。後硬化したほうが耐熱性が高くなり易い。
<発光ダイオード素子>
本発明で言う発光ダイオードの各種の発光ダイオード素子としても、特に限定なく従来公知の発光ダイオードに用いられる発光ダイオード素子を用いることができる。
発光ダイオード素子のサイズ、個数についても特に限定なく用いることができる。
発光ダイオード素子の発光出力としては特に限定なく任意のものを用いることができるが、20mAにおいて1mW以上の発光素子を用いた場合に本発明の効果が顕著であり、20mAにおいて4mW以上の発光素子を用いた場合により本発明の効果が顕著であり、20mAにおいて5mW以上の発光素子を用いた場合にさらに本発明の効果が顕著である。
発光ダイオード素子の発光波長は紫外域から赤外域まで種々のものを用いることができるが、主発光ピーク波長が550nm以下のものを用いた場合に特に本発明の効果が顕著である。
用いる発光ダイオード素子は1種類で単色発光させても良いし、複数用いて単色或いは多色発光させても良い。
<リード>
本発明の半導体に用いられるリード端子としては、ボンディングワイヤー等の電気接続部材との密着性、電気伝導性等が良好なものが好ましく、リード端子の電気抵抗としては、300μΩ−cm以下が好ましく、より好ましくは3μΩ−cm以下である。これらのリード端子材料としては、例えば、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅や、これらに金、銀、ニッケル、パラジウム等をメッキしたもの等が挙げられる。これらのリード端子は良好な光の広がりを得るために適宜光沢度を調整してもよい。
<封止剤>
本発明の半導体の封止剤としては各種のものを用いることができ、例えば従来用いられるエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イミド樹脂等の封止樹脂を用いることができる。
また、SiH基と反応性を有する炭素−炭素2重結合を1分子中に少なくとも2個有する有機化合物、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する化合物、およびヒドロシリル化触媒を含有する硬化性組成物からなる封止剤を用いてもよい、これらは特開2002−80733号公報、特開2002−88244号公報で提案されている。さらには、多面体構造ポリシロキサン変性体を必須成分として含有することを特徴とする封止剤を用いることもできる。多面体構造ポリシロキサン変性体はWO2008/133138で提案されているような変性体を用いることができる。
これら封止剤を用いる方が、パッケージ樹脂との接着性が高いという点、および、透明性が高く本発明のパッケージの耐光性が高いという効果が顕著であるという点において、好ましい。一方、樹脂封止を用いず、ガラス等でカバーしてハーメチック封止により封止することも可能である。
<発光ダイオードの用途>
本発明の半導体発光ダイオードは従来公知の各種の用途に用いることができる。具体的には、例えば液晶表示装置等のバックライト、照明、センサー光源、車両用計器光源、信号灯、表示灯、表示装置、面状発光体の光源、ディスプレイ、装飾、各種ライト等を挙げることができる。
次に本発明の組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(製造例1)
48%コリン水溶液34.5gとテトラエトキシシラン27.9gの混合溶液を室温で4時間攪拌した後、メタノール30mLを加えて均一溶液とした。次に、ジメチルクロロビニルシラン16.15g、トリメチルクロロシラン14.53gとヘキサン(50mL)の撹拌溶液に、先に調整した溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で3時間攪拌し、ヘキサンを加えて有機層を抽出し、減圧濃縮した。粗生成物をメタノールで洗浄し、吸引ろ過を行い、以下の式で平均組成が表されるビニルジメチルシロキシ基およびトリメチルシロキシ基を含有するオクタシルセスキオキサン
[CH=CH(CHSiO−SiO3/23.7[(CHSiO−SiO3/24.3を10g得た。
(製造例2)
製造例1で得た多面体構造ポリシロキサン系化合物10g、白金ビニルシロキサン錯体(白金として3wt%含有する白金ビニルシロキサン錯体、ユミコアプレシャスメタルズジャパン製、Pt−VTSC−3X)1.2μL、トルエン40gの混合溶液を、1、3、5、7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン18.94gとトルエン18.9gの混合溶液に滴下し、100℃で6.5時間加温したのち、室温まで冷却した。
反応終了後、トルエンと過剰量加えた1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを留去することにより、ポリシロキサン変性体15.31gを得た。得られた変性体は、無色透明液体であり、H−NMRにより、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン由来のSiH基が導入されていることを確認した。
(実施例1)
本発明の(A)成分として製造例2で得た生成物49g、本発明の(B)成分としてMVD8MV(クラリアント製)100g、本発明の(C)成分として白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液(白金として3wt%含有)10μL、1−エチニル−1−シクロヘキサノール13μLを混合して硬化性組成物とした。
このものに本発明の(D)成分として酸化チタン(石原産業株式会社製、タイペークR820)75g、および溶融シリカ(株式会社龍森製、ヒューズレックスRD−8)750gを添加し、セラミック製の3本ロールを用いて3回混練し、本発明の半導体のパッケージ用硬化性樹脂組成物とした。このものは室温では固いペースト状であるが、少量を150℃に加熱した熱板上に置くと一旦低粘度化して流動状態となり40秒後にゲル化した。
この半導体のパッケージ用硬化性樹脂組成物を株式会社丸七鉄工所製MF−0型トランスファー成形機を用いてトランスファー成形を行った。10x10x3mmの試験片6個取りの金型を用いて、原料ポット温度:室温、金型温度:150℃、成形圧力:70kgf/cm、成形時間:60秒の条件で成形を行ったところ、バリ、クラック、ボイド等のない良好な成形体を得た。また、44x10x5mmの試験片4個取りの金型を用いて、原料ポット温度:室温、金型温度:140℃、成形圧力:70kgf/cm、成形時間:120秒の条件で成形を行ったところ、バリ、クラック、ボイド等のない良好な成形体を得た。得られた成形体を空気下150℃の熱風循環オーブン中で1時間加熱して後硬化させ、白色の硬化物を得た。
(測定例1)および(比較例1)
実施例1で得た硬化物の耐久性を調べた。また、比較例1として従来半導体のパッケージ用に用いられているソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製アモデルA−4122(ガラス繊維充填ポリアミド樹脂)についても同じ評価を行った。耐熱性試験としては、空気下260℃の熱風循環オーブン中で15分間加熱して変色を調べた。耐光性試験としてはメタリングウェザーメーターで積算照射強度100MJ(ブラックパネル温度=120℃)の条件で光照射処理して光照射面の変色を調べた。耐光性試験はスガ試験機株式会社製メタリングウェザーメーターM6Tを用いて行った。
評価の結果、実施例1で得られた硬化物は、耐熱性試験および耐光性試験のいずれにおいても変色等見られず、良好な結果となった。一方で、比較例1であるアモデルA−4122は、耐熱性試験・耐光性試験のいずれにおいても茶色に変色が見られた。すなわち、本発明の組成物を硬化させて得た硬化物は優れた耐熱耐光性を有していることが分かる。
1 発光ダイオードのパッケージ
2 発光ダイオード素子
3 ボンディングワイヤー
4 リード

Claims (12)

  1. アルケニル基および/またはヒドロシリル基を含有する多面体構造ポリシロキサン系化合物(a)に対して、前記(a)成分とヒドロシリル化反応可能なヒドロシリル基および/またはアルケニル基を有する化合物(b)を変性して得られた多面体構造ポリシロキサン変性体(A)、ヒドロシリル化触媒(C)、および、無機フィラー(D)を必須成分として含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物からなる白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージであって、
    無機フィラー(D)の含有量は硬化性樹脂組成物中50〜95重量%であり、
    発光ダイオードの発光出力が20mAで5mW以上で、鉄、銅、鉄入り銅、錫入り銅、もしくは、これらに金、銀、ニッケルまたはパラジウムをメッキしたものからなるリード端子材料が用いられ、
    発光ダイオード素子から出た光を反射させて外部に取り出すように設計された白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  2. (A)成分が温度20℃において、液状であることを特徴とする、請求項1に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  3. 化合物(b)が、ヒドロシリル基および/またはアルケニル基を含有する環状シロキサンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  4. 化合物(b)が、分子末端にヒドロシリル基および/またはアルケニル基を含有する直鎖状シロキサンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  5. 化合物(b)が、分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基および/またはアルケニル基を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  6. (A)成分が、
    [XR SiO−SiO3/2[R SiO−SiO3/2
    (a+bは6〜24の整数、aは1以上の整数、bは0または1以上の整数;Rは、アルキル基またはアリール基;Rは、アルキル基、アリール基、アルケニル基、水素原子、または、他の多面体構造ポリシロキサンと連結している基;Xは、下記一般式(1)あるいは一般式(2)のいずれかの構造を有し、Xが複数ある場合は一般式(1)あるいは一般式(2)の構造が異なっていても良くまた一般式(1)あるいは一般式(2)の構造が混在していても良い。
    Figure 0006445996
    Figure 0006445996
    (lは2以上の整数;mは0以上の整数;nは2以上の整数;Yは水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい;Zは、水素原子、アルケニル基、アルキル基、アリール基、もしくは、アルキレン鎖を介して多面体構造ポリシロキサンと結合している部位であり、同一であっても異なっていてもよい。ただし、YあるいはZの少なくとも1つは水素原子またはアルケニル基である;Rは、アルキル基またはアリール基;また、Xが複数ある場合は式(1)あるいは式(2)の構造が異なっていても良くまた式(1)あるいは式(2)の構造が混在していても良い。)を構成単位とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  7. 硬化性樹脂組成物が硬化剤(B)を含有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  8. 無機フィラー(D)が酸化チタンあるいは/およびシリカであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  9. 無機フィラー(D)の含有量が組成物全体の70〜90重量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  10. 化性樹脂組成物をBステージ化したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージ。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージの製造方法であって、150℃以下の温度で流動性を有し、かつ150℃におけるゲル化時間が60秒以内である硬化性樹脂組成物を、トランスファー成形により成形することを特徴とする白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージの製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の白色または黒色の発光ダイオードの半導体パッケージを用いて製造された白色または黒色の発光ダイオード。
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