JP2014114889A - クラッチディスク摩耗検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、車両の下に潜り込んでのウェアインジケータの点検を不要としたクラッチディスク摩耗検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 クラッチハウジングに揺動可能に取り付くクラッチのアウターレバーと、アウターレバーに連結され、クラッチペダルからの入力を伝達するクラッチブースタのプッシュロッドと、アウターレバーの揺動方向に沿ってアウターレバーに形成された第一のスリット、及び第一のスリットの一端側にノッチを介して連設された第二のスリットと、クラッチハウジングに揺動可能に取り付き、第一,第二のスリットに移動可能に係合する係合部材を先端に備えた摩耗検出ロッドと、第二のスリット内に形成された摩耗検出用の突起部とを備え、アウターレバーは、クラッチディスクの摩耗進度に従ってクラッチディスク組付け時の初期位置から変位し、係合部材は、クラッチディスクの摩耗限界時にノッチを介して第一のスリットから第二のスリットに移行する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クラッチディスクの摩耗限界時期をドライバーに知らせるクラッチディスク摩耗検出装置に関する。
クラッチディスクの摩耗限界を検出するクラッチディスク摩耗検出装置として、特許文献1に開示されるように、クラッチハウジングに取り付くステーに目盛りの付いたウェアインジケータを取り付け、クラッチブースタの可動するプッシュロッドに付いたインジケータプレートの動きでクラッチディスクの摩耗限界を検出する装置が知られている。
図6は特許文献1に開示されたクラッチディスク摩耗検出装置を示し、図中、1はクラッチハウジングを挿通するクラッチ操作用シャフト、3はクラッチ操作用シャフト1を回転中心として揺動可能に取り付くアウタレバーで、アウタレバー3の端部は、操作駆動手段であるクラッチブースタのプッシュロッド5とボールジョイント7を介して回動自在に接続されている。
そして、プッシュロッド5の端部に指針であるインジケータプレート9が取り付き、これに対応してウェアインジケータ11がクラッチハウジングに取り付くステー13にボルト締めされている。
ウェアインジケータ11には、クラッチディスクが摩耗した状態を示す目盛り(例えば、「MIN」なる刻印等)15が設けられ、目盛り15と固定側の端部との間の領域には、クラッチディスク組付け時の状態を示す目盛り(例えば、「SET」なる刻印等)17が設けられている。更に、二つの目盛り15,17に対応してウェアインジケータ11の板幅部にV字状の切欠き19,21が設けられている。
そして、クラッチディスク摩耗検出装置23は、クラッチディスクを組み付けた際に、インジケータプレート9の先端が「SET」なる目盛り17の切欠き21を指し、クラッチディスクが摩耗するに伴いアウタレバー3が矢印A方向へ回動し、インジケータプレート9が矢印B方向に移行する。そして、クラッチディスクが摩耗の限界に達したとき、インジケータプレート9の先端が「MIN」なる目盛り15の切欠き19を指すように構成されている。
また、図示しないが特許文献2には、クラッチブースタに摩耗検出スイッチを取り付け、クラッチディスクの摩耗によってクラッチブースタ内のピストンが摩耗検出スイッチに接触すると、キャビン内のメーターパネルに装着したパイロットランプを点灯させるクラッチディスク摩耗検出装置が開示されている。
実開昭59−170205号公報 実開昭61−45631号公報
しかし、図6に示した従来例は、ウェアインジケータを確認するために車両の下に潜り込む必要があり、点検時の作業性が悪かった。
また、点検を怠った場合、ドライバーはクラッチディスクの摩耗限界に気づかず、そのまま使用を続けてクラッチを焼損し、走行不能となる虞がある。
一方、特許文献2に開示された従来例は、クラッチブースタからキャビンまでハーネスを這わせ、キャビン内のメーターパネルにパイロットランプを装着し、また、クラッチブースタに摩耗検出スイッチを設ける必要があり、コストが割高になる欠点があった。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、車両の下に潜り込んでのウェアインジケータの点検を不要とし、また、特許文献2の従来例の如き電子部品の装備を不要としつつ、クラッチディスクの摩耗限界時期をドライバーに知らせることのできるクラッチディスク摩耗検出装置を提供することを目的とする。
斯かる目的を達成するため、本発明に係るクラッチディスク摩耗検出装置は、クラッチハウジングに揺動可能に取り付くクラッチのアウターレバーと、当該アウターレバーに連結され、クラッチペダルからの入力を伝達するクラッチブースタのプッシュロッドと、前記アウターレバーの揺動方向に沿って当該アウターレバーに形成された第一のスリット、及び当該第一のスリットの一端側にノッチを介して連設された第二のスリットと、前記クラッチハウジングに揺動可能に取り付き、前記第一,第二のスリットに移動可能に係合する係合部材を先端に備えた摩耗検出ロッドと、前記第二のスリット内に形成された摩耗検出用の突起部とを備え、前記アウターレバーは、クラッチディスクの摩耗進度に従ってクラッチディスク組付け時の初期位置から変位し、前記係合部材は、クラッチディスクの摩耗限界時に、前記ノッチを介して第一のスリットから第二のスリットに移行することを特徴とする。
本発明によれば、クラッチペダルの踏込み時のフィーリングの変化によってドライバーにクラッチディスクの摩耗限界を知らせるため、
(1)従来の如くウェアインジケータを確認するためにドライバーが車両の下に潜り込む必要がなくなり、このような点検を不要とすることでドライバーの負担を軽減することができる。
(2)クラッチペダルの踏込み時のフィーリングの変化によって、ドライバーにクラッチディスクの摩耗限界を知らせるため、心理的にもドライバーは早めにクラッチディスクの交換をするようになり、この結果、過度の使用によるクラッチ滑りを確実に防止することが可能となる。
クラッチディスク組付け時のクラッチ接続状態にある本発明の一実施形態に係るクラッチディスク摩耗検出装置の側面図である。 アウターレバーの拡大側面図である。 クラッチディスク摩耗限界時のクラッチ接続状態にある本発明の一実施形態に係るクラッチディスク摩耗検出装置の側面図である。 アウターレバーの拡大側面図である。 本発明の一実施形態に係るクラッチディスク摩耗検出装置のクラッチペダルとね従来のクラッチ機構のクラッチペダルとの張力,ペダルストロークの差異を示す説明図である。 従来のクラッチディスク摩耗検出装置を説明する構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るクラッチディスク摩耗検出装置を示し、図中、31はクラッチハウジング33を挿通するリリーズシャフト、35はリリーズシャフト31を中心に揺動可能に取り付くアウタレバーで、アウタレバー35には、クラッチブースタ37のプッシュロッド39がボールジョイント41を介して連結されている。
周知のようにプッシュロッド39は、クラッチブースタ37の伸縮作動により前後進し、アウターレバー35を揺動させてクラッチ(ダイヤフラムスプリング式クラッチ)43を断接するように構成されており、図1はプッシュロッド39が後退してクラッチ43が接続された状を示している。
リリーズシャフト31にはリリーズヨーク45が揺動可能に取り付き、リリーズヨーク45の先端は、インプットシャフト47に沿って矢印A、B方向へ移動可能なリリーズベアリング49に係合している。そして、クラッチカバー51に取り付くダイヤフラムスプリング53がリリーズベアリング49に係合しており、ダイヤフラムスプリング53が、プレッシャプレート55を介してクラッチディスク57をフライホイール59に押圧付勢している。
クラッチディスク57は、インプットシャフト47にスプライン結合されてフライホイール59とプレッシャプレート55の間に挟まれ、その摩擦力によってフライホイール59の回転を、インプットシャフト47を介してトランスミッション(図示せず)に伝達する。
そして、このようにクラッチ43が接続された状態でドライバーがクラッチペダル(図示せず)を踏み込むと、クラッチブースタ37の伸張作動によりプッシュロッド39が前進して、リリーズシャフト31を中心にアウターレバー35が矢印C方向へ移動する。すると、リリーズヨーク45がリリーズシャフト31を中心に同方向へ揺動してリリーズベアリング49を矢印A方向へ移動させるため、ダイヤフラムスプリング53が破線の如く変形して、プレッシャプレート55がクラッチディスク57から引き離される。この結果、フライホイール59,クラッチディスク57及びプレッシャプレート55の各摩擦面に隙間が生じて、クラッチ43がクラッチ断に切り替わるようになっている。
一方、図1及び図2に示すようにアウターレバー35には、アウターレバー35の揺動方向に沿って側面視円弧状の第一のスリット61が設けられ、更に、その一端側(反クラッチブースタ37側)に、ノッチ(略U字状の切り込み)63を介して第二のスリット65が略直線状に連設されている。そして、第一スリット61に、摩耗検出ロッド67の先端に取り付くクレブスピン(係合部材)69が移動可能に係合しており、摩耗検出ロッド67の他端側は、取付ピン71によってクラッチハウジング33に揺動可能に取り付けられている。
従来と同様、アウターレバー35は、クラッチディスク57の摩耗進度に伴い、クラッチディスク組付け時の初期位置から時計方向(図1中、矢印D方向)へ変位するが、アウターレバー35が図1,図2に示す初期位置にあるとき、クラッチ43の接続状態において、クレブスピン69は第一のスリット61の中央よりややクラッチブースタ37側の位置に係合している。そして、アウターレバー35の表面には、クレブスピン69の係合位置にクラッチディスク57の初期位置を示す目盛り(例えば「SET」なる刻印と矢印の刻印)73が設けられている。
そして、既述したようにクラッチペダルの操作に応じ、プッシュロッド39がクラッチブースタ37の伸縮作動により前後進し、アウターレバー35を揺動させてクラッチ43を断接するが、アウターレバー35が揺動するとき、摩耗検出ロッド67が取付ピン71を中心に揺動し乍らクレブスピン69が第一のスリット61に沿って移動するため、摩耗検出ロッド67がアウターレバー35の揺動に干渉することがない。
一方、クラッチディスク57が摩耗していくと、アウターレバー35はクラッチディスク組付け時の初期位置から矢印D方向へ変位していくが、クラッチディスク35が摩耗限界に達すると、図3に示すようにクレブスピン69がノッチ63を通って第二のスリット65側に移行するようになっている。即ち、図4に示すようにノッチ63は斜め下方へ傾斜した略U字形状とされており、アウターレバー35が矢印D方向へ変位してクラッチディスク35が摩耗限界に達すると、第一のスリット61に係合していたクレブスピン69が、ノッチ63に沿って第二のスリット65へと案内される。
以後、クラッチペダルの操作に応じ、アウターレバー35が揺動してクレブスピン69が第二のスリット65を移動するが、図2,図4に示すように第二のスリット65には、複数の突起部75が形成された摩耗検出用の板バネ77がスリット65の内周に沿って装着されている。このため、クラッチペダルの踏込み時にクレブスピン69がこれらの突起部75を乗り越える度に、図5の如く踏力やペダルストロークが変化するため、クラッチペダルに伝わるこのペダル踏込み時のフィーリングの変化(フィーリングの違和感)によって、ドライバーはクラッチディスク57が摩耗限度に達したことを感知することができるようになっている。図5において、実線は本実施形態における踏力とペダルストロークとの関係、破線が従来の踏力とペダルストロークとの関係を示している。
そして、図4に示すようにノッチ63の近接には、クラッチディスク57の摩耗限界を示す目盛り(例えば、「WEAR」なる刻印と矢印の刻印)79が設けられている。その他、図4中、81は板バネ77に形成された上下一対の取付フランジで、両取付フランジ81がボルト83でアウターレバー35に固定されて、板バネ77がスリット65内に装着されている。
本実施形態に係るクラッチディスク摩耗検出装置85はこのように構成されているから、図1の如くアウターレバー35がクラッチディスク組付け時の初期位置にあるとき、クラッチ43の接続状態で摩耗検出ロッド67のクレブスピン69は、クラッチディスク57の初期位置を示す目盛り73に対応する第一のスリット61に係合している。
そして、クラッチペダルの操作に応じ、プッシュロッド39がクラッチブースタ37の伸縮作動により前後進し、アウターレバー35を揺動させてクラッチ43を断接するが、摩耗検出ロッド67は取付ピン71を中心に揺動し乍ら、クレブスピン69が第一のスリット61に沿って移動するため、クラッチペダルに摩耗検出ロッド67の反力が伝わらず、クラッチペダルの踏力に変化がなく、クラッチペダルは通常の踏力で操作できることとなる。
一方、クラッチディスク57が摩耗していくと、アウターレバー35はクラッチディスク組付け時の初期位置から図1の矢印D方向へ変位し、クラッチディスク35が摩耗限界に達すると、図3に示すようにクレブスピン69がノッチ63を通って第二のスリット65側に移行する。
以後、クラッチペダルの操作に応じ、アウターレバー35が揺動してクレブスピン69が第二のスリット65を移動するが、図4に示すように第二のスリット65には、複数の突起部75が形成された摩耗検出用の板バネ77がスリット65の内周に沿って装着されているため、クラッチペダルの踏込み時にクレブスピン69がこれらの突起部75を乗り越える度に、図5の如く踏力やペダルストロークが変化し、クラッチペダルに伝わるこのペダル踏込み時のフィーリングの変化によって、ドライバーはクラッチディスク57が摩耗限度に達したことを感知することとなる。
このように本実施形態は、クラッチペダルの踏込み時のフィーリングの変化によってドライバーがクラッチディスク57の摩耗限界を知ることができるように構成したので、
(1)従来の如くウェアインジケータを確認するためにドライバーが車両の下に潜り込む必要がなくなり、このような点検を不要とすることでドライバーの負担を軽減することができる。
(2)クラッチペダルの踏込み時のフィーリングの変化によって、ドライバーにクラッチディスク57の摩耗限界を知らせるため、心理的にもドライバーは早めにクラッチディスク57の交換をするようになり、この結果、過度の使用によるクラッチ滑りを確実に防止することが可能となる。
(3)アウターレバー35に目盛り73,79を設けたため、アウターレバー35をクラッチディスク57の残量を示すウェアインジケータとしても使用できる利点を有する。
(4)特許文献2の従来例の如き電子部品の装備が不要となって、コストの削減が可能となる。
31・・・リリーズシャフト;33・・・クラッチハウジング;35・・・アウタレバー;37・・・クラッチブースタ;39・・・プッシュロッド;41・・・ボールジョイント;43・・・クラッチ45・・・リリーズヨーク;47・・・インプットシャフト;49・・・リリーズベアリング;51・・・クラッチカバー;53・・・ダイヤフラムスプリング;55・・・プレッシャプレート;57・・・クラッチディスク;59・・・フライホイール;61・・・第一のスリット;63・・・ノッチ;65・・・第二のスリット;67・・・摩耗検出ロッド;69・・・クレブスピン;73・・・クラッチディスクの初期位置を示す目盛り;75・・・突起部;77・・・板バネ;79・・・クラッチディスクの摩耗限界を示す目盛り;85・・・クラッチディスク摩耗検出装置

Claims (3)

  1. クラッチハウジングに揺動可能に取り付くクラッチのアウターレバーと、
    前記アウターレバーに連結され、クラッチペダルからの入力を伝達するクラッチブースタのプッシュロッドと、
    前記アウターレバーの揺動方向に沿って当該アウターレバーに形成された第一のスリット、及び当該第一のスリットの一端側にノッチを介して連設された第二のスリットと、
    前記クラッチハウジングに揺動可能に取り付き、前記第一,第二のスリットに移動可能に係合する係合部材を先端に備えた摩耗検出ロッドと、
    前記第二のスリット内に形成された摩耗検出用の突起部とを備え、
    前記アウターレバーは、クラッチディスクの摩耗進度に従ってクラッチディスク組付け時の初期位置から変位し、
    前記係合部材は、クラッチディスクの摩耗限界時に、前記ノッチを介して第一のスリットから第二のスリットに移行することを特徴とするクラッチディスク摩耗検出装置。
  2. 前記アウターレバーは、クラッチディスク組付け時の前記第一のスリットへの係合部材の係合位置にクラッチディスクの初期位置を示す目盛りが設けられ、前記ノッチ部にクラッチディスクの摩耗限界を示す目盛りが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクラッチディスク摩耗検出装置。
  3. 前記第二のスリットの内周に沿って板バネが装着され、当該板バネに摩耗検出用の前記突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクラッチディスク摩耗検出装置。
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