JP2014114755A - 内燃機関の燃焼状態判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点火プラグに堆積するカーボンによって、中心電極と側方電極間を流れる漏洩電流が発生しても、イオン電流から正確に内燃機関の燃焼状態を判定燃焼状態判定装置を提供する。
【解決手段】イオン電流の燃焼状態判定区間におけるイオン電流波形面積を算出し、点火プラグに生じる燻ぶり抵抗から点火プラグの漏洩電流の傾きを推定すると共に、燃焼状態判定区間における漏洩電流面積を算出し、イオン電流波形面積から漏洩電流面積を差し引いた真イオン電流を算出し、イオン電流検出回路が検出したイオン電流からノック積分値を算出し、ノック積分値と真イオン電流から算出される真イオン電流波形面積とからなる座標がノック閾値より大きいと内燃機関にノックが発生していると判定を行うことで、点火プラグに堆積するカーボンによって、中心電極と側方電極間を流れる漏洩電流が発生しても、燻ぶり抵抗から正確な真イオン電流値から燃焼状態を判定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、自動車等の内燃機関用の点火装置に関し、特に、内燃機関の燃焼により発生するイオン電流を用いた燃焼状態判定装置に関するものである。
従来より、1次コイルと2次コイルが電磁結合されてなる内燃機関用の点火装置において、内燃機関のシリンダ内に供給した空気及び燃料の混合気を、点火プラグの放電により燃焼させ、燃焼時のシリンダ内のイオン化した分子を点火プラグに高電圧を印加することでイオン電流を検出するイオン電流検出回路を備えたものがあり、検出したイオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定している。
ところが、点火プラグの電極周辺では、内燃機関の空燃比が低いと不完全燃焼によってカーボンが発生する。カーボンがプラグの電極に堆積すると中心電極と側方電極間の絶縁抵抗を低下させミスファイヤーにつながる。また、冬季は外気温が低いので、ガソリンが細かい霧状にならず、空気と上手く混ざらないため不完全燃焼が発生し易くなる。即ち、燻ぶりという現象を起こしてしまう。このため、中心電極と側方電極間で漏洩電流も検出してしまうため、実際のイオン電流に漏洩電流が合成されたイオン電流に基づいた燃焼状態の判定が行われるため、誤判定を招く恐れが生じる。
このような内燃機関の燃焼状態判定装置としては、例えば、特開2012−117420号公報(以下「特許文献1」)が知られている。当該特許文献1では、一次コイル及び二次コイルによって高電圧を生成するものであって内燃機関の点火プラグへ前記高電圧を印加させる点火コイルと、前記一次コイルの通電を断続制御するスイッチング素子と、前記スイッチング素子へ点火信号を与えて当該スイッチング素子を制御させる制御装置と、コンデンサへチャージされた電荷の放電によって前記点火プラグでイオン電流を生じさせ且つ前記イオン電流に比例するイオン電流検出信号を出力させるイオン電流検出回路とを備えている。
また、前記制御装置は、前記イオン電流が流れ始めてから吸気工程又は圧縮工程の漏洩電流測定時刻に至るまでの所定期間について前記イオン電流検出信号をサンプリングする処理と、前記所定期間における前記コンデンサの放電電荷量に基づいて前記漏洩電流検出時刻における前記コンデンサの両端電圧をVnとし、前記コンデンサの両端電圧の初期値をVzとし、前記コンデンサの電気容量をCとし、前記イオン電流検出信号を検出する時間間隔をdtとし、前記所定期間における前記イオン電流検出信号のサンプル値を積算させた値をΣIcとすると、前記コンデンサの両端電圧Vnは、Vn={C・Vz−(ΣIc)・dt}/C,によって算出する処理と、前記イオン電流検出信号のうち前記漏洩電流測定時刻におけるサンプル値及び前記漏洩電流測定時刻における前記コンデンサの両端電圧に基づいて前記点火プラグの前記燻ぶり抵抗をR(leak)とし、前記イオン電流検出信号のうち前記漏洩電流測定時刻におけるサンプル値をIcnとし、前記コンデンサの両端電圧の初期値をVzとし、前記コンデンサの電気容量をCとし、前記イオン電流検出信号を検出する時間間隔をdtとし、前記所定期間における前記イオン電流検出信号のサンプル値を積算させた値をΣIcとすると、当該燻ぶり抵抗R(leak)は、R(leak)={C・Vz−(ΣIc)・dt}/(C・Icn),によって算出する処理と、を機能させる。
また、点火プラグでの漏洩電流を前記サンプル値からキャンセルさせた値を真イオン電流値Iiとし、前記所定時刻における前記イオン電流検出信号のサンプル値をIcとし、前記燻ぶり抵抗をR(leak)とすると、当該真イオン電流値Iiは、Ii=Ic−{Vc/R(leak)},によって算出されることとするイオン電流検出処理装置が記載されている。
特開2012−117420号公報
しかしながら、上記従来の内燃機関の燃焼状態判定装置では次のような問題が発生している。即ち、特許文献1では、正確に算出された燻ぶり抵抗に基づいて真イオン電流値(燃焼状態の解析を行なうパラメータの一形態)を算出処理させているので、この真イオン電流値についても正確な値が得られるため、誤診断・誤判定されることなく、燃焼状態の解析が好適に実施される。しかし、内燃機関の燃焼状態を判定する具体的な実施については記載されていない。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、点火プラグに堆積するカーボンによって、中心電極と側方電極間を流れる漏洩電流が発生しても、イオン電流から正確に内燃機関の燃焼状態を判定することができる内燃機関の燃焼状態判定装置を提供することを目標とする。
上記課題を解決するために本発明は次のような構成とする。即ち、請求項1の発明においては、1次コイルと2次コイルが電磁結合されて点火プラグに高電圧を印加するコイル部と、当該1次コイルへの通電のON・OFFを切り替えるイグナイタと、当該イグナイタに点火信号を供給するECUと、コンデンサをバイアス電源として前記点火プラグに発生するイオン電流を検出するイオン電流検出回路と、を備え、前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出したイオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定する内燃機関の燃焼状態判定装置において、前記ECUは、イオン電流の燃焼状態判定区間におけるイオン電流波形面積を算出し、前記点火プラグに生じる漏洩電流の傾きを推定すると共に、前記燃焼状態判定区間における漏洩電流面積を算出し、前記イオン電流波形面積から前記漏洩電流面積を差し引いて算出される真イオン電流から前記内燃機関の燃焼状態を判定することを特徴とする内燃機関の燃焼状態判定装置とする。
また、請求項2の発明としては、1次コイルと2次コイルが電磁結合されて点火プラグに高電圧を印加するコイル部と、当該1次コイルへの通電のON・OFFを切り替えるイグナイタと、当該イグナイタに点火信号を供給するECUと、コンデンサをバイアス電源として前記点火プラグに発生するイオン電流を検出するイオン電流検出回路と、を備え、前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出したイオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定する内燃機関の燃焼状態判定装置において、前記ECUは、イオン電流の燃焼状態判定区間におけるイオン電流波形の座標を算出し、前記点火プラグに生じる漏洩電流の傾きを推定すると共に、前記燃焼状態判定区間における漏洩電流の座標を算出し、前記イオン電流波形の座標から前記漏洩電流の座標を差し引いて算出される真イオン電流から前記内燃機関の燃焼状態を判定することを特徴とする内燃機関の燃焼状態判定装置とする。
上記構成においては、前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出したイオン電流からノック積分値を算出し、前記ノック積分値と前記真イオン電流から算出される真イオン電流波形面積とからなる座標がノック閾値より大きいと前記内燃機関にノックが発生していると判定を行う構成としてもよい。また、前記ECUは、前記真イオン電流波形のピーク値又は真イオン電流波形面積値を算出し、当該ピーク値又は当該真イオン電流波形面積値が失火閾値より小さいと前記内燃機関の失火と判定する構成としてもよい。さらに、前記ECUは、前記真イオン電流波形のピーク位置又は真イオン電流波形面積の割合位置を検出し、当該ピーク位置又は当該真イオン電流波形面積の割合位置と正常燃焼基準位置とを比較して前記内燃機関の燃焼悪化を判定する構成としてもよい。
上記の通り、イオン電流の燃焼状態判定区間におけるイオン電流波形面積を算出し、点火プラグに生じる燻ぶり抵抗から点火プラグの漏洩電流の傾きを推定すると共に、燃焼状態判定区間における漏洩電流面積を算出し、イオン電流波形面積から漏洩電流面積を差し引いた真イオン電流を算出し、イオン電流検出回路が検出したイオン電流からノック積分値を算出し、ノック積分値と真イオン電流から算出される真イオン電流波形面積とからなる座標がノック閾値より大きいと内燃機関にノックが発生していると判定を行うことで、点火プラグに堆積するカーボンによって、中心電極と側方電極間を流れる漏洩電流が発生しても、燻ぶり抵抗から正確な真イオン電流値から燃焼状態を判定することができるため、内燃機関の燃焼状態を誤判定することを防ぐ内燃機関の燃焼状態判定装置を実現することができる。
本発明の第1の実施例とするイオン電流検出装置の回路図を示す図である。 イオン電流検出装置の1次コイルへの充電時の動作を示す図である。 イオン電流検出装置の2次コイルからの放電時の動作を示す図である。 イオン電流検出装置のイオン電流検出時の動作を示す図である。 内燃機関の動作を現す点火信号、2次電圧、及び、イオン電流を示すタイムチャートである。 (a)はノック発生時のイオン電流波形を示し、(b)は漏洩電流波形を示し、(c)はノック発生時の真イオン電流波形を示すタイムチャートである。 内燃機関のノック判定閾値に対するノック積分値とイオン電流波形面積の関係を示す図である。 (a)は失火発生時のイオン電流波形を示し、(b)は漏洩電流波形を示し、(c)は失火発生時の真イオン電流波形を示すタイムチャートである。 イオン電流検出装置の制御を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態を示す実施例を図1乃至図9に基づいて説明する。
本発明の第1の実施例とするイオン電流検出装置の回路図を示す図を図1に、イオン電流検出装置の1次コイルへの充電時の動作を示す図を図2に、イオン電流検出装置の2次コイルからの放電時の動作を示す図を図3に、イオン電流検出装置のイオン電流検出時の動作を示す図を図4に、内燃機関の動作を現す点火信号、2次電圧、及び、イオン電流を示すタイムチャートを図5に、(a)はノック発生時のイオン電流波形を示し、(b)は漏洩電流波形を示し、(c)はノック発生時の真イオン電流波形を示すタイムチャートを図6に、内燃機関のノック判定閾値に対するノック積分値とイオン電流波形面積の関係を示す図を図7に、(a)は失火発生時のイオン電流波形を示し、(b)は漏洩電流波形を示し、(c)は失火発生時の真イオン電流波形を示すタイムチャートを図8に、イオン電流検出装置の制御を示すフローチャートを図9に、それぞれ示す。
図1において、内燃機関用のイオン電流検出装置100は、コイル部、イグナイタ60、及び、イオン電流検出回路90から構成されている。当該コイル部は1次巻線を巻き回した1次コイル10と、2次巻線を巻き回した2次コイル20と、珪素鋼板からなる鉄芯30と、を電磁結合して構成されている。また、当該イグナイタ60はIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)から構成されている。さらに、当該イオン電流検出回路90は、ツェナーダイオード92a、第1のダイオード92b、第2のダイオード92c、コンデンサ94、オペアンプ96、第1の抵抗98a、及び、第2の抵抗98bと、から構成されている。
また、前記2次コイル20の高圧側は、内燃機関のシリンダ内に放電を行うと共に、内燃機関の燃焼によって電極間に発生するイオン電流を検出する点火プラグ50の中心電極と接続し、当該点火プラグ50の側方電極は、車体側に配備されるグランドに接続されている。さらに、当該点火プラグ50は、当該内燃機関の不完全燃焼によりカーボンが当該中心電極と側方電極間に堆積することで発生する燻ぶり抵抗Rが並列に接続されているものと見なしている。
また、前記2次コイル20の低圧側は、前記イオン電流検出回路90と接続され、前記ツェナーダイオード92aのカソード端子と接続されている。さらに、前記ツェナーダイオード92aのアノード端子は、前記第1のダイオード92bのアノード端子と接続され、前記第1のダイオード92bのカソード端子はグランドと接続されている。
また、前記コンデンサ94は、前記ツェナーダイオード92aと並列に接続される。さらに、前記コンデンサ94のプラス端子は、前記ツェナーダイオード92bのカソード端子と接続され、マイナス端子は、前記ツェナーダイオード92aのアノード端子と接続される。
また、前記第1の抵抗98aは、前記コンデンサ94のマイナス端子と接続され、前記第1の抵抗98aの前記コンデンサ94と接続される反対側は、前記オペアンプ96の反転入力端子と接続されている。さらに、前記オペアンプ96の反転入力端子と前記第1の抵抗98aとの接続部は、前記第2のダイオード92cのカソード端子と接続され、前記第2のダイオード92cのアノード端子は、グランドと接続されている。
また、検出抵抗と呼ばれる前記第2の抵抗98bは、前記オペアンプ96の反転入力端子と出力端子と並列に接続される。さらに、前記オペアンプ96の正電源端子は、電源と接続されることで電力の供給を受け、前記オペアンプ96の非反転入力端子及び負電源端子は、グランドと接続される。
また、前記ツェナーダイオード92aは、ブレークダウン電圧が270Vのツェナーダイオードとなっており、前記ツェナーダイオード92aのブレークダウン電圧の値によって前記コンデンサ94に充電される電圧が270Vに制限されている。
また、前記1次コイルの高圧側は、前記イグナイタ60のコレクタ端子と接続され、前記イグナイタ60のエミッタ端子は、グランドと接続されている。さらに、前記イグナイタ60のゲート端子は、自動車のエンジンECU80と接続され、当該エンジンECU80は、前記イグナイタ60のゲート端子へ点火信号を供給している。
次に、図2から、イオン電流検出装置の1次コイルへの充電時の動作説明をする。
図2において、前記エンジンECU80から前記イグナイタ60のゲート端子に対して点火信号SGが入力されると、前記イグナイタ60のゲート・コレクタ間に矢印に示すようにゲート電流が流れる。すると、前記イグナイタ60のコレクタ・エミッタ間が通電される。その結果、図2の矢印に示すように、前記電源40→前記1次コイル10→前記イグナイタ60の経路で1次電流Iが流れる。
次に、図3からイオン電流検出装置の2次コイルからの放電時の動作説明をする。
図3において、前記ECU80から前記イグナイタ60のゲート端子に対する点火信号SGが遮断されると、前記1次コイル10に流れていた1次電流Iが電磁誘導によって前記2次コイル20に逆起電力を発生させる。その結果、図3の矢印に示すように、前記点火プラグ50→前記2次コイル20→前記ツェナーダイオード92a→前記第1のダイオード92bの経路で2次電流Iが流れる。また、前記コンデンサ94は、前記ツェナーダイオード92aのブレークダウン電圧と対応して充電される。
次に、図4からイオン電流検出装置のイオン電流検出時の動作説明をする。
図4において、前記点火プラグ50からの放電が収束していくと、上記図3の2次コイルからの放電時に充電された前記コンデンサ94の両端電圧をバイアス電源として、図4の矢印に示すように、前記第2の抵抗98b→前記第1の抵抗98a→前記コンデンサ94→前記2次コイル20→前記点火プラグ50の経路でイオン電流Iionが流れる。その結果、前記オペアンプ96からイオン電流Iionに対応する検出信号が出力される。また、前記エンジンECU80は、前記オペアンプ96から出力された検出信号を基に、前記内燃機関の燃焼状態の判定を行っている。
図5において、前記内燃機関の動作を現す点火信号、2次電圧、及び、イオン電流を示すタイムチャートが示されている。前記内燃機関は、吸気工程→圧縮工程→燃焼行程→排気工程の4つの燃焼サイクルからなる4サイクルエンジンである。また、図5(a)より、前記ECU80から前記イグナイタ60へ供給される点火信号SGであり、圧縮工程毎に前記ECU80からパルス波が出力される。さらに、図5(b)より、点火信号SGの立下りに対応して前記2次コイル20から30kV前後の高電圧が発生する。
また、図5(c)より、イオン電流Iionは、前記点火プラグ50の放電動作が収束すると形成される。さらに、イオン電流Iionは前記内燃機関の燃焼後、ピーク位置に向かって上昇し、ピーク位置から徐々に下降し収束していく波形を描く。前記ECU80は、このイオン電流Iionの入力から前記オペアンプ96が返還する検出信号を基に前記内燃機関の燃焼状態を判定している。
また、図6(a)では、ノック発生時の前記点火プラグ50からの放電が収束すると前記中心電極と前記側方電極間に生じるイオン電流Iionを示す。図6(a)で示したイオン電流Iionはピーク位置から徐々に下降していく際に、ノックの発生を示す揺らぎが重畳している。さらに、図6(b)では、前記点火プラグ50の電極にカーボンが堆積すると発生する漏洩電流Iを示す。図6(b)で示した漏洩電流Iはイオン電流Iionが発生する期間と同期間に前記点火プラグ50に堆積するカーボンを経由して前記中心電極から前記側方電極へと流れる電流であり、イオン電流Iionの収束に伴って漏洩電流Iも収束していく。
また、図6(c)では、後述する前記内燃機関の燃焼状態判定区間のイオン電流波形面積から漏洩電流面積を差し引いて算出するノック発生時の真イオン電流Iion´を示す。真イオン電流Iion´は、前記点火プラグ50の電極間に生じる漏洩電流Iが重畳しない実際の前記内燃機関の燃焼で発生する正確なイオン電流が示されている。
また、図7では、前記内燃機関に発生するノックの判定をする際のノック閾値に対するノック積分値とイオン電流波形面積・真イオン電流波形面積の関係を示す。X軸はイオン電流波形面積・真イオン電流波形面積を、Y軸はノック積分値を示す。さらに、前記内燃機関の燃焼時に前記点火プラグ50から発生するイオン電流Iionから算出されるノック積分値とイオン電流波形面積・真イオン電流波形面積によって前記内燃機関に発生するノックの有無を判定している。ノック積分値とイオン電流波形面積値・真イオン電流波形面積の相関関係からノック閾値より上に位置するとノックありと判定され、ノック積分値とイオン電流波形面積値・真イオン電流波形面積の相関関係からノック閾値より下に位置するとノックなしと判定される。
また、図8(a)では、失火発生時の前記点火プラグ50からの放電が収束すると前記中心電極と前記側方電極間に生じるイオン電流Iionを示す。図8(b)で示したイオン電流Iionはピーク位置まで上昇せずに下降している。さらに、図8(b)では、前記点火プラグ50の電極にカーボンが堆積すると発生する漏洩電流Iを示す。図8(b)で示した漏洩電流Iはイオン電流Iionが発生する期間と同期間に前記点火プラグ50に堆積するカーボンを経由して前記中心電極から前記側方電極へと流れる電流であり、イオン電流Iionの収束に伴って漏洩電流Iも収束していく。
また、図8(c)では、後述する前記内燃機関の燃焼状態判定区間のイオン電流波形面積から漏洩電流面積を差し引いて算出する失火発生時の真イオン電流Iion´を示す。真イオン電流Iion´は、前記点火プラグ50の電極間に生じる漏洩電流Iが重畳しない実際の前記内燃機関の燃焼で発生する正確なイオン電流が示されている。
次に、内燃機関のイオン電流検出装置の動作を図9に基づいて説明する。
図9において、前記イオン電流検出回路90は、前記点火プラグ50の電極間に発生するイオン電流Iionを検出し、前記ECU80は、前記イオン電流検出回路90からイオン電流Iionに対応する検出信号が入力されている(S1)。また、前記ECU80は、S1で算出したイオン電流Iionの燃焼状態判定区間におけるイオン電流波形面積を算出する(S2)。具体的には、燃焼状態判定区間は、図6及び図8内に示す範囲の時間であり、イオン電流Iionに対して前記内燃機関の燃焼状態を判定すべき区間とし、図6(a)及び図8(a)内に示す燃焼状態判定区間のイオン電流波形面積Pを算出している。さらに、前記ECU80は、漏洩電流Iが発生している時間内の図6(b)及び図8(b)内に示されるt,t,t,t,tの5箇所の時刻における漏洩電流を算出する(S3)。
また、前記ECU80は、S3で算出したt,t,t,t,tの5箇所の時刻における漏洩電流から図6(b)及び図8(b)内に示す漏洩電流Iの傾きを算出する(S4)。さらに、前記ECU80は、S4で算出した漏洩電流Iの傾きから図6(b)及び図8(b)内に示す燃焼状態判定区間の漏洩電流面積Qを算出している(S5)。
また、前記ECU80は、S2で算出したイオン電流波形面積PからS5算出した漏洩電流面積Qを差し引いた真イオン電流波形面積Rを算出している(S6)。即ち、
イオン電流波形面積(P)−漏洩電流面積(Q)=真イオン電流波形面積(R)
となり、図6(c)及び図8(c)内に示す真イオン電流波形面積Rが求められる。
また、前記ECU80は、S6で算出した真イオン電流波形面積Rから推定される真イオン電流波形から前記内燃機関の燃焼状態を判定する(S7)。具体的には、真イオン電流波形から算出されるノック積分値及び真イオン電流波形面積との相対関係を図7内に示されるノック閾値との位置で前記内燃機関のノックの発生の有無を判定している。さらに、図8(c)に示すように真イオン電流波形の大きさから前記内燃機関の失火の発生の有無を判定している。
上記構成により、イオン電流波形面積Pから漏洩電流面積Qを差し引いた真イオン電流波形面積Rを算出し、真イオン電流から算出されるノック積分値と真イオン電流波形面積の相関関係からノック閾値より上に位置するとノックありと判定し、ノック積分値と真イオン電流波形面積の相関関係からノック閾値より下に位置するとノックなしと判定することで、前記内燃機関の燃焼に発生するノックの判定を正確に行うことができる。
従来までの図6(a)に示すイオン電流Iionからノック判定を行う構成では、イオン電流Iionに前記点火プラグ50の電極にカーボンが堆積すると発生する漏洩電流Iを含んでいるため、イオン電流波形面積(P)>真イオン電流波形面積(R)となり、図7で示した前記内燃機関のノック判定を行うとノック閾値より下に位置してノックなしと判定される。しかし、本実施例の図6(c)に示す真イオン電流Iion´からノック判定を行う構成では、イオン電流波形面積Pから漏洩電流面積Qを差し引いた真イオン電流波形面積Rを算出しているため、真イオン電流波形面積(R)<イオン電流波形面積(P)となり、図7で示した前記内燃機関のノック判定を行うとノック閾値より上に位置してノックありと判定される。これにより、本来ノックと判定されてノックを抑制する制御が行われる燃焼状態でノックと判定されずノック抑制の制御が行われずに燃焼効率の悪化やエンジンの故障や破損を引き起こすことを防ぐことができる。
また、イオン電流波形面積Pから漏洩電流面積Qを差し引いた真イオン電流波形面積Rを算出し、真イオン電流波形の大きさから前記内燃機関の失火の発生の有無を判定することで、前記内燃機関の燃焼に発生する失火の判定を正確に行うことができる。
従来までの図8(a)に示すイオン電流Iionから失火判定を行う構成では、イオン電流Iionに前記点火プラグ50の電極にカーボンが堆積すると発生する漏洩電流Iを含んでいるため、イオン電流波形面積(P)>真イオン電流波形面積(R)となり、図8(a)内に示すイオン電流値Sが図8(b)内に示される漏洩電流値Tによって上昇しているにもかかわらず、失火閾値に対してイオン電流が上回っていると判断されて失火と判定されない。しかし、本実施例の図8(c)に示す真イオン電流Iion´から失火判定を行う構成では、イオン電流波形面積Pから漏洩電流面積Qを差し引いた真イオン電流波形面積Rを算出しているため、真イオン電流波形面積(R)<イオン電流波形面積(P)となり、失火閾値に対してイオン電流が下回っていると判断されて失火と判定される。これにより、本来失火と判定されて失火を抑制する制御が行われる燃焼状態で失火と判定されず失火を抑制する制御が行われずにエンジン出力の低下や故障を引き起こすことを防ぐことができる。
なお、上記実施例1の変形例として、前記イオン電流検出装置100は、前記内燃機関の燃焼行程から前記点火プラグ50に発生するイオン電流を検出できる構成であればその他は設計事情によって任意の回路構成に変更してもよい。また、燃焼状態判定区間は、前記内燃機関の構成や運転状態によって範囲が可変されるものとしてよい。さらに、漏洩電流の傾きは、t,t,t,t,tの5箇所の時刻における漏洩電流から算出したが、少なくとも2箇所以上の時刻における漏洩電流から算出してもよい。しかし、なるべく多くの時刻における漏洩電流から算出する方が精度の高い漏洩電流の傾きが算出できるが、前記ECU80の処理速度が遅くなるので精度と処理速度のバランスを考慮した算出方法を実施するのが望ましい。
また、前記内燃機関のノックの発生の有無を判定するノック閾値は、前記内燃機関の構成や運転状態によって可変される構成としてよい。さらに、前記内燃機関の失火の発生の有無を判定する失火閾値は、前記内燃機関の構成や運転状態によって可変される構成としてよい。
また、前記ECU80は、イオン電流Iionからイオン電流波形の座標を算出すると共に、漏洩電流Iの傾きから座標を算出し、イオン電流波形の座標から漏洩電流波形の座標を差し引いて算出される真イオン電流を用いて前記内燃機関の燃焼状態を判定する構成としてもよい。さらに、前記内燃機関の失火は、イオン電流波形面積Pから漏洩電流面積Qを差し引いた真イオン電流波形面積Rを算出し、真イオン電流波形面積Rの大きさから判定してもよいし、前記真イオン電流波形のピーク位置又は真イオン電流波形面積の割合位置を検出し、当該ピーク位置又は当該真イオン電流波形面積の割合位置と正常燃焼基準位置とを比較して前記内燃機関の燃焼悪化を判定する構成としてもよい。
10:1次コイル
20:2次コイル
30:鉄芯
40:電源
50:点火プラグ
52:中心電極
54:側方電極
60:イグナイタ(IGBT)
80:ECU
90:イオン電流検出回路
92a:ツェナーダイオード
92b:第1のダイオード
92c:第2のダイオード
94:コンデンサ
96:オペアンプ
98a:第1の抵抗
98b:第2の抵抗(検出抵抗)
100:イオン電流検出装置

Claims (5)

  1. 1次コイルと2次コイルが電磁結合されて点火プラグに高電圧を印加するコイル部と、当該1次コイルへの通電のON・OFFを切り替えるイグナイタと、当該イグナイタに点火信号を供給するECUと、コンデンサをバイアス電源として前記点火プラグに発生するイオン電流を検出するイオン電流検出回路と、を備え、
    前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出したイオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定する内燃機関の燃焼状態判定装置において、
    前記ECUは、イオン電流の燃焼状態判定区間におけるイオン電流波形面積を算出し、前記点火プラグに生じる漏洩電流の傾きを推定すると共に、前記燃焼状態判定区間における漏洩電流面積を算出し、前記イオン電流波形面積から前記漏洩電流面積を差し引いて算出される真イオン電流から前記内燃機関の燃焼状態を判定することを特徴とする内燃機関の燃焼状態判定装置。
  2. 1次コイルと2次コイルが電磁結合されて点火プラグに高電圧を印加するコイル部と、当該1次コイルへの通電のON・OFFを切り替えるイグナイタと、当該イグナイタに点火信号を供給するECUと、コンデンサをバイアス電源として前記点火プラグに発生するイオン電流を検出するイオン電流検出回路と、を備え、
    前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出したイオン電流から内燃機関の燃焼状態を判定する内燃機関の燃焼状態判定装置において、
    前記ECUは、イオン電流の燃焼状態判定区間におけるイオン電流波形の座標を算出し、前記点火プラグに生じる漏洩電流の傾きを推定すると共に、前記燃焼状態判定区間における漏洩電流の座標を算出し、前記イオン電流波形の座標から前記漏洩電流の座標を差し引いて算出される真イオン電流から前記内燃機関の燃焼状態を判定することを特徴とする内燃機関の燃焼状態判定装置。
  3. 前記ECUは、前記イオン電流検出回路が検出したイオン電流からノック積分値を算出し、前記ノック積分値と前記真イオン電流から算出される真イオン電流波形面積とからなる座標がノック閾値より大きいと前記内燃機関にノックが発生していると判定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃焼状態判定装置。
  4. 前記ECUは、前記真イオン電流波形のピーク値又は真イオン電流波形面積値を算出し、当該ピーク値又は当該真イオン電流波形面積値が失火閾値より小さいと前記内燃機関の失火と判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の内燃機関の燃焼状態判定装置。
  5. 前記ECUは、前記真イオン電流波形のピーク位置又は真イオン電流波形面積の割合位置を検出し、当該ピーク位置又は当該真イオン電流波形面積の割合位置と正常燃焼基準位置とを比較して前記内燃機関の燃焼悪化を判定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の内燃機関の燃焼状態判定装置。
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